局部洗浄装置
【課題】 低水圧でも確実にノズルを進出させることができると共に、流量変更などを行っても、まったくノズル進出に影響を受けない水圧式ノズルを有する局部洗浄装置を提供する。
【解決手段】 先端に洗浄水噴出口53h,53jを形成したノズル53と、ノズル53を進退自在に支持するシリンダ51を有するノズル装置50と、洗浄水供給源に連絡される洗浄水流入孔71a及び流量調整された洗浄水を前記洗浄水噴出口53h,53jに供給する洗浄水流出孔71dを有する流量調整弁70とを備え、前記洗浄水流入孔71aは前記ノズル53の進出時に開放するよう構成した。
【解決手段】 先端に洗浄水噴出口53h,53jを形成したノズル53と、ノズル53を進退自在に支持するシリンダ51を有するノズル装置50と、洗浄水供給源に連絡される洗浄水流入孔71a及び流量調整された洗浄水を前記洗浄水噴出口53h,53jに供給する洗浄水流出孔71dを有する流量調整弁70とを備え、前記洗浄水流入孔71aは前記ノズル53の進出時に開放するよう構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用便後の人体局部を洗浄する局部洗浄装置に関し、特に、水圧によりノズルを進出させ、その進出ノズルによりおしり洗浄若しくはビデ洗浄を行う局部洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洋式の便器に設置されるこの種の局部洗浄装置は、スイッチ操作によって洗浄ノズルを伸長させ、その噴出口から洗浄水を上方に向けて噴出させることにより、おしり洗浄若しくはビデ洗浄を行うよう構成されている。局部洗浄に用いられる洗浄水には、給水配管からの水を装置内に設けられた温水タンクで所定温度に加熱された適温湯、或は給水配管からの水と給湯配管からの湯とをミキシングバルブによって混合することにより温度調整された適温湯が用いられる。
洗浄ノズルは、ノズルの駆動方式によって大別すると、モータ等の駆動源によって進退されるもの(いわゆる電動式ノズル)と、駆動源を備えず洗浄水の水圧のみによって進退されるもの(いわゆる水圧式ノズル)との2種類がある。電動式ノズルは、一般家庭等に広く普及しており、現状では洗浄ノズルの主流をなしている。またこの電動式ノズルはモータ等を制御することで位置制御を行うことができるため、1本のノズルでおしり洗浄用ノズル及びビデ洗浄用ノズルを兼用することができる。この種の電動式ノズルでは流量調整弁とノズル装置とを接続するチューブの配管距離が必然的に長くなるという問題があった。また、チューブはノズル装置の駆動モータを駆動してノズルを往復移動させると、ノズルの動きに追従してケーシング内を後部から前部に、前部から後部へと揺動するのでチューブが揺動する範囲内では局部洗浄装置の他の部材を配置することが困難であった。したがって、例えば、制御装置の設置スペースを取るためにケーシングを大きくしたり、窮屈な状態で収納しなければならない等の問題があった。なお、チューブの揺動を抑制するために、チューブの途中をケーシングに固定することも考えられるが、この場合、前記チューブはノズル装置のノズルの往復移動に追従して移動する際に、前記固定部分が支点となって折れ曲がり、適温水の流路を狭めて局部洗浄に悪影響を与えたり、前記往復運動の繰り返しによりチューブの固定部分が老朽化して亀裂が入り、この亀裂から適温水が漏出してケーシング内に収納した制御装置等に悪影響を与えたりするという問題があった。
【0003】
この種々の問題に鑑み、特開平8−326125号公報では、ノズル装置の下部空間に設けた取付凹部に流量調整弁を取付けることで、ケーシング内の空所を有効に利用した局部洗浄装置が開示されている。
一方、水圧式ノズルはモータ等の駆動源を必要としないため、電動式ノズルに比べて構造が簡単で安価に制作できるという利点を有している。しかし、水圧による位置制御を伴う場合には構造が複雑となるため、通常おしり洗浄用ノズルとビデ洗浄用ノズルとは別々に設けられている。そして、これらの流量調整は各々のノズルシリンダ後方に一体的に設けられる流路切換兼流量調整弁によって行われている。
【特許文献1】特開平8−326125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、水圧式ノズルでは水圧変動によりノズルが進出しなかったり、ノズルの進出スピードが変動するという不具合があった。また、お尻/ビデ用を有する水圧式ノズルでは2本分ノズル収容スペースが幅方向で必要であり、更に流路切換兼流量調整弁収容スペースが奥行き方向で必要であった。
一方、特開平8−326125号公報にて開示される技術においても、ノズルと流量調整弁との間に複数の接続チューブを必要とするので組立てが面倒であると共に、従来よりも幅方向に収納スペースを必要としていた。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、低水圧でも確実にノズルを進出させることができると共に、流量変更などを行っても、まったくノズル進出に影響を受けない水圧式ノズルを有する局部洗浄装置を提供することである。
また、別の目的はノズル装置と流量調整弁或いは流路切換弁とを接続チューブ無に組立てることができ、且つ1本ノズルでおしり及びビデの洗浄を可能とし、組立てを簡単にでき且つ2本のノズルを夫々設けたものに比べノズル1本分の収納スペースを削減できる局部洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、先端に洗浄水噴出口を形成したノズルと、該ノズルを進退自在に支持するシリンダを有するノズル装置と、
洗浄水供給源に連絡される洗浄水流入孔及び流量調整された洗浄水を前記洗浄水噴出口に供給する洗浄水流出孔を有する流量調整弁とを備え、
前記洗浄水流入孔は前記ノズルの進出時に開放するよう構成したので、ノズルが進出した場合のみ流量調整弁に水圧がかかるので、流量調整弁には耐圧構造が不要となり、コストダウンを図ることが可能となる。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1記載の発明に加え、前記シリンダは上流側端部に第1流入口、該第1流入口より下流側に第1流出口を有し、前記第1流入口から供給される水により前記ノズルを進出させると共に、該第1流出口と前記洗浄水流入孔とを連結したことで、水圧ノズルの進出動作により流量調整弁への給水・止水を制御するよう構成したので、極めて簡単な構成で実現することが可能となる。
【0007】
請求項3の発明では、請求項2記載の発明に加え、前記シリンダには第1流出口よりも上流側に洗浄水供給室を設け、更に前記ノズルの後端部に洗浄水連絡口を設け、前記ノズルの進出時に前記洗浄水連絡口と洗浄水流出孔とを前記洗浄水供給室において連結させたので、ノズルシリンダと流量調整弁との接続構造が極めて簡単な構成で実現できる。
【0008】
請求項4の発明では、請求項3記載の発明に加え、前記流量調整弁をシリンダに一体化したので接続チューブが不要となり、装置使用後、接続チューブに滞留する残水をなくすことができ、次回使用開始時の動作をスムーズに行うことができる。
【0009】
請求項5の発明では、請求項4記載の発明に加え、前記流量調整弁を外筒体と筒状弁体とで構成し、前記筒状弁体の回転軸を前記シリンダに平行に設けたので、流量調整弁をコンパクトに形成することができ、また装置内への収納空間のデッドスペースを有効に利用することが可能となる。
【0010】
請求項6の発明では、請求項5記載の発明に加え、前記第1流出口と前記洗浄水流入孔との間のシール及び前記洗浄水供給室と前記洗浄水流出孔とのシールとを一体のシールパッキンにより構成し、該シールパッキンを介して前記流量調整弁を前記シリンダに一体化したので、流量調整弁用シールパッキン及びノズルシリンダとの間のシールを、流量調整弁をシリンダに組み付ける際に同時に実施できるため、組立てが簡単となる。
【0011】
請求項7の発明では、請求項6記載の発明に加え、前記シールパッキンには前記洗浄水供給室内に突出するダイヤフラム部を設け、該ダイヤフラム部により前記洗浄水流出孔と前記洗浄水連絡口とをダイヤフラム部に水圧がかかった時のみシールするよう構成したので、ノズル進出前にはダイヤフラム部がノズルと接することがなく、摺動抵抗を少なくすることができノズルの進退動作に必要な力を小さくできるため、低給水圧の場合でも確実にノズルを進出駆動することができ、また、ノズル進出後においては、ダイヤフラム部により確実にシールすることができる。
【0012】
また、何れの発明でもノズル伸長後に洗浄水をノズルに供給する機構であるため確実に尻なで現象を防止する事が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ノズルが進出した場合のみ流量調整弁に水圧がかかるので、流量調整弁には耐圧構造が不要となり、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の水路構成を示すブロック図、図2は本発明のノズル装置50の外観斜視図、図3は操作用シリンダ51の分解斜視図、図4は洗浄ノズル53の分解斜視図、図5は洗浄ノズルの収納時断面図である。
これらの図において、局部洗浄装置は、図に示すように、装置本体10と、この装置本体10の内部に配設された水圧式のノズル装置50、ミキシングバルブ30、減圧弁41、電磁弁42、46、切換弁兼用流量調整弁70、図示しない温度サーミスタ、逆止弁等を備え、洗浄時に洗浄ノズル53を洗浄水Wの水圧によって伸張し便器内に突出させることにより、おしり洗浄、ビデ洗浄を行うように構成されている。
【0015】
装置本体10の内部中央には前記ノズル装置50が配設され、このノズル装置50より装置本体10に設けられる袖部側(右側)に前記ミキシングバルブ30、電磁弁42、46等が配設され、さらにその右側には給水配管33及び給湯配管34が配管されている。給水配管33によって供給される水と給湯配管34によって供給される温水(70℃前後)は、ミキシングバルブ30によって混合され、局部洗浄用供給管路(31b〜44)またはノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)によって前記ノズル装置50に洗浄水(40℃程度の温水)として導かれる。ノズル供給用供給流路(31a〜49a)終端はノズル装置50のノズル洗浄室(後述)に接続されている。前記電磁弁42,46は、局部洗浄用供給流路(31b〜44)とノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)に夫々設けられている。また、切換弁兼流量調整弁70を機械的に駆動すると共に電気的に電磁弁42、46を駆動する操作部20、操作部20からの操作信号を受け電磁弁42,46へ駆動信号を出力する制御装置85、制御装置85へ電力を供給する乾電池80を内部に備える。
【0016】
ノズル装置50は、操作用シリンダ51と、この操作用シリンダ51内に進退自在に嵌挿され、洗浄水の水圧によって作動されるピストン52と、おしり洗浄時におしり位置に移動し、ビデ洗浄時にはビデ洗浄位置に移動する洗浄ノズル53、洗浄ノズル53を元の位置に復帰するための復帰ばね54を備え、局部洗浄用供給流路(31b〜44)、ノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)及び切換弁兼流量調整弁70に接続されている。
【0017】
操作用シリンダ51は、前後端が開口した内径が異なる樹脂製の異径管からなり、前半部が小径の前方シリンダ51Aを構成し、後半部が大径部の後方シリンダ51Bを構成している。このため、操作シリンダ51の内周面前方シリンダ51Aと後方シリンダ51Bの接続部には、前記ピストン52の前進動を規制する段部51cが設けられている。また、前方シリンダ51Aの中間部には更に小径部51dが形成されており、この小径部51dの後端面が前記洗浄ノズル53の前進動を制限する係止部として機能し、前端側にばね受部51eが一体に設けられている。このばね受部51eは、前記復帰用ばね54の前端を受け止めると共に、前記洗浄ノズル53を摺動自在に支持し案内するもので、内径が前記小径部51dより小さく、前記洗浄ノズル53の外径より大きいリング状に形成されている。
操作用シリンダ51の上流側端部にあたる後端側開口部には洗浄水供給口55a(第1流入口)を形成し、前記局部洗浄用供給流路(31b〜44)が接続される。
【0018】
また、洗浄水供給口55aの下流側において、後方シリンダ51Bの左側面に洗浄水流出口51h(第1流出口)、前方シリンダ51Aの小径部51dより後方左側面にビデ進出用流入口51i(第2流入口)及びビデ洗浄水流出口51j(第2流出口)、前方シリンダ51Aの小径部51dの終端左側面には洗浄水流入口51k(第3流入口)が設けられる。なお、洗浄水流入口51k内にダイヤフラム61を設け、水圧がかかっている時のみ洗浄ノズル53と水密状態で接するようにしている。即ち、ダイヤフラム61に圧がかかるよりも前にノズル53の進出が完了しているので、ノズル進出時にこのダイヤフラム61部分が抵抗となることが無く、洗浄水供給時には効果がある。
【0019】
さらに前記操作用シリンダ51の前端右側面には、ノズル洗浄用給水口51l(第4流入口)が形成される。そして、前記操作用シリンダ51の前端側で前記ノズル洗浄用給水口51lが形成されている内部は、ノズル洗浄室51mを形成している。
【0020】
ピストン52は合成樹脂製で、円板上の受圧板52Aと、この受圧板52Aの受圧面(背面)側に一体に突設された円筒部52Bとを備え、受圧板52Aの中央前面には洗浄ノズル53のピン53qと当接する当接凹部52cが設けられる。この当接凹部52cは略円錐状に形成する。これにより、ピン53qが円錐壁面に沿ってばね54により押圧されることで確実に。洗浄ノズル53をピストン52の略中心に位置させて移動することができる。
【0021】
洗浄ノズル53は、剛性樹脂によって前記ばね受部51eの内径よりわずかに小さい外径を有する細長い筒状に形成され、内部におしり洗浄用通路53f2とビデ洗浄用通路53g2が形成されている。おしり洗浄用通路53f2の前方開口部は、ノズル53の前端側上面に開口することによりおしり噴出口53hを形成している。ビデ洗浄用通路53g2の前方開口部は、ノズル53の前端側上面に開口することによりビデ噴出口53jを形成している。なお、ノズル53左側面にはピストン52が最大ストローク前進してノズル53をお尻洗浄位置に停止した時前記洗浄水流入口51kと一致し連通する位置に形成されるお尻洗浄水連絡口53kと、ノズル53が最大ストローク前進してノズル53をビデ洗浄位置に停止した時前記洗浄水流入口51kと一致し連通する位置に形成されるビデ洗浄水連絡口53lとを有する。また、前記ノズル53の外周面には、互いに平行な2つの平坦部53mが形成されており、この平坦部53mと前記ばね受部51eとの隙間が水抜き用の隙間を形成している。
【0022】
前記ノズル53の後端側外周面との後端面には、受圧板を形成するフランジ53nとピン53qが夫々一体に突設されている。フランジ53nは、前記ノズル53の後端面中央に一体に突設され、前記ピストン52の当接凹部52cに当接し、ピストン52とノズル53を離間させている。これは、ビデ洗浄時にビデ進出用流入口51iから前方シリンダ51A内に流入する洗浄水をフランジ53nの受圧面(背面)側に供給するためである。
【0023】
前記ノズル53を復帰方向に付勢する前記復帰用ばね54は圧縮コイルばねからなり、前記ばね受部51eとフランジ53nとの間に弾装されている。
【0024】
図6は本発明の切換弁兼流量調整弁70の外観斜視図、図7は弁体75の分解斜視図、図8は切換弁兼流量調整弁70のお尻洗浄時の断面図、図9はお尻洗浄時の弁体75に設けた各溝の相対位置関係を示す断面図である。
切換弁兼流量調整弁70は、外筒体71と弁体75とで構成する。外筒体71は中空の略円筒状に形成し、一端には弁体75を挿入する挿入開口72を設け、他端には弁体75を回動自在に支持する軸受け部73を設ける。また、外筒体71の右側周面には、操作用シリンダ71に設けた洗浄水流出口71h、ビデ進出用流入口71i、ビデ洗浄水流出口71j、洗浄水流入口71k(第3流入口部)を夫々挿入する洗浄水流入孔71a、ビデ進出用流出孔71b、ビデ洗浄水流入孔71c、洗浄水流出孔71dを設ける。また、左側周面には、バイパス用流出口71e及びバイパス用流入口71f、余剰水排出口71gを設ける。なお、バイパス用流出口71eとビデ進出用流出孔71bと、バイパス用流入口71fとビデ洗浄水流入孔71cとは夫々同一平面上に形成する。なおバイパス流出口71eとバイパス流入口71fとは樹脂チューブ等(図示無)で接続する。
【0025】
弁体75は略円筒状で一端に操作軸75i、他端に回動軸75jを形成し、隔壁75hで前方室75A、後方室75Bの2室に仕切り、後方室75Bの側周壁には洗浄水流入孔71a、ビデ進出用流出孔71bに夫々対応する箇所に洗浄水流入溝75a、ビデ進出用流出溝溝兼バイパス用流出溝75bを形成する。また、前方室75Aの側周壁にはビデ洗浄水流入孔71c、余剰水排出口71g、洗浄水流出孔71dに夫々対応する箇所にビデ洗浄水流入溝兼バイパス用流入溝75c、余剰水排出溝75g、流量調整溝75dを形成する。なお、流量調整溝75dは略三角形状として流路抵抗が変化するよう形成する。また、余剰水排出溝75g及び流量調整溝75dはおしり用、ビデ用と全周を2分割して設ける。(図9参照)更に、一端側外周にYパッキン装着溝75kを形成し、弁体75を開口72から外筒体71内に挿入する際、Yパッキン(図示無)を嵌め込むことにより、挿入開口72と弁体75とのシールを行う。
【0026】
図10には操作部20の外観図を示す。操作部20には洗浄開始スイッチ操作部21、洗浄停止スイッチ操作部22及び流路切換兼流量調整摘み25とが設けられ、各々のスイッチ操作部に対応する洗浄開始スイッチ21a及び洗浄停止スイッチ22aは制御装置85に電気的に接続し、流路切換兼流量調整摘み25はワイヤー等によって機械的に操作軸75iに接続されている。なお、この流路切換兼流量調整摘み25はおしりとビデの最大流量位置との間にストッパ(図示無)を設け、おしり最大流量から突然ビデ最大流量に変更されることを防止している。
【0027】
次に、このような構造からなる洗浄ノズル53による洗浄動作について説明する。
既に図5に非洗浄時の状態を示したが、この状態において、ノズル53は復帰用ばね54によって初期位置に保持されることによりピストン52を後方シリンダ51B内面に押し付けている。この時、電磁弁42,46は閉じている。
おしり洗浄の様子を図8(a)、図11を参照して説明する。
使用者が用便後に洗浄装置本体10の袖部に設けられる流路切換兼流量調整摘み25がおしり位置にある状態(図10の位置)で、洗浄開始スイッチ操作部21を操作すると、制御装置85の指令により電磁弁42が開く、電磁弁42が開くと、洗浄水は局部洗浄用供給流路(31b〜44)から洗浄水供給口55aを介して後方シリンダ51B内に供給され、その水圧でピストン52を押圧する。したがって、ピストン52とノズル53は復帰用ばね54に抗して一体的に前進し、ノズル53の前端部が操作用シリンダ51の前端側開口部51pから突出する。ピストン52は最大ストローク前進すると、段部51cに当接して停止する。ピストン52が前進して停止すると、後方シリンダ51B内に流入した洗浄水は洗浄水流出口51h〜洗浄水流入孔71a(洗浄水流入溝75a)〜バイパス用流出口71e(ビデ進出用流出溝溝兼バイパス用流出溝75b)〜バイパス用流入口71f(ビデ洗浄水流入溝兼バイパス用流入溝75c)〜流量調整溝75d〜洗浄水流出孔71d〜洗浄水流入口51k〜ダイヤフラム61を通ってお尻洗浄水連絡口53kに供給される。この停止位置がおしり洗浄位置であり、前記お尻洗浄水連絡口53kよりおしり洗浄用通路53f2に供給される洗浄水をそのおしり噴出口53hから上方に向けて噴出しおしり洗浄を所望の時間行う。
【0028】
おしり洗浄後、洗浄停止スイッチ操作部22を操作すると、制御装置85からの指令により電磁弁42が閉じ、電磁弁42が開く。電磁弁42が閉じると、洗浄ノズル53への洗浄水の供給が停止するため、洗浄水の水圧が低下する。従って、ノズル53は復帰用ばね54の弾撥力によって徐々に後退して図5に示す初期位置に復帰し、ピストン52を後部シリンダ51Bの内面に押し付ける。この時、操作用シリンダ51内に残った洗浄水は、ノズル53との隙間を通って操作用シリンダ51の前端側開口部51pから便器内に排出される。
一方、電磁弁46が開くと、洗浄水はノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)を通ってノズル洗浄室51mに供給されることにより、ノズル53の外周を洗浄する。そして、ノズル洗浄を所望の時間行うと、制御装置85からの指令により電磁弁46は閉じる。
【0029】
次に、ビデ洗浄の様子を図8(b)、図12を参照して説明する。
使用者が流路切換兼流量調整摘み25をビデ位置にした状態で、洗浄開始スイッチ操作部21を操作すると、制御装置85の指令により電磁弁42が開く。電磁弁42が開くと、局部洗浄用供給流路(31b〜44)から供給される洗浄水は流入口55aを通って後方シリンダ51B内に流入し、その水圧でピストン52とノズル53を復帰用ばね54に抗して前進させる。このため、ノズル53は操作用シリンダ51の前方側開口部51pから突出する。ピストン52は最大ストローク前進すると段部51cに当接して停止する。ピストン52が停止すると、ノズル53はピストン52によっては移動されなくなるが、後方シリンダ51B内に供給された洗浄水が洗浄水流出口51h〜洗浄水流入孔71a(洗浄水流入溝75a)〜ビデ進出用流出孔71b(ビデ進出用流出溝溝兼バイパス用流出溝75b)〜ビデ進出用流入口51iを通って、前方シリンダ51A内に導かれその水圧でフランジ53nを押圧するため図12に示すようにさらに伸張してビデ洗浄位置に移動し、この位置で係止部51eに当接することにより停止する。このノズル53の移動により、ビデ洗浄水流出口51j〜ビデ洗浄水流入孔71c(ビデ洗浄水流入溝兼バイパス用流入溝75c)〜流量調整溝75d〜洗浄水流出孔71d〜洗浄水流入口51k〜ダイヤフラム61を通ってビデ洗浄用通路53g2の後方側開口部53fが合致して、先端に設けた噴出口53jから上方に向かって噴出されビデ洗浄を所望の時間行う。洗浄停止スイッチ操作部22を操作すると、制御装置85からの指令により電磁弁42が閉じ、電磁弁46が開く。電磁弁42が閉じると、洗浄ノズル53への洗浄水の供給が停止するため、洗浄水の水圧が低下する。従って、ノズル53は復帰用ばね54の弾撥力によって徐々に後退して図5に示す初期位置に復帰し、ピストン52を後部シリンダ51Bの内面に押し付ける。この時、操作用シリンダ51内に残った洗浄水は、ノズル53との隙間を通って操作用シリンダ51の前端側開口部51pから便器内に排出される。
【0030】
一方、電磁弁46が開くと、洗浄水はノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)を通ってノズル洗浄室51mに供給されることにより、ノズル53の外周を洗浄する。そして、ノズル洗浄を所望の時間行うと、制御装置85からの指令により電磁弁4は閉じる。
【0031】
次に、より簡単に本発明を理解できるよう、第1実施例よりも原理的な実施例である第2の実施例を図13に示す。図13はノズル装置50の側断面図である。なお、以降説明する実施例において、前述した実施例と同一の構造には同一の符号を付ける。
図において、ノズル装置50は操作用シリンダ51、洗浄ノズル53、復帰用ばね54から構成される。操作用シリンダ51は前後端が開口した内径が異なる樹脂製の異径管からなり、前半部が小径の前方シリンダ51Aを構成し、後半部が大径部の後方シリンダ51Bを構成している。
このため、操作シリンダ51の内周面前方シリンダ51Aと後方シリンダ51Bの接続部には、前記ピストン52の前進動を規制する段部51cが設けられる。また、後端には洗浄水流入口55aが設けられ、後方シリンダ51Bの前方側壁面には洗浄水流出口51hが設けられる。前方シリンダ51Aの略中間部側壁面にはばね受け51eを設け、それよりも先端側に洗浄水供給室(ノズル洗浄室51m)を形成し、該洗浄水供給室(ノズル洗浄室51m)内に洗浄水を供給するための洗浄水供給口51kを設ける。なお、洗浄水供給室(ノズル洗浄室51m)内に突出するようキャップ状のダイヤフラム61を配置する。このダイヤフラム61には供給口51kよりも小径な小穴61aが設けられる。
洗浄ノズル53には、洗浄水供給口53k(53l)を側周面に、噴出口53h(53j)をノズル先端に設け、この噴出口53h(53j)と洗浄水供給口53k(53l)とを連絡する洗浄水流路53f(53g)を設ける。
【0032】
次に第2実施例の動作を説明する。洗浄水供給用電磁弁(図示無)を開放し、洗浄水供給口55aからシリンダ51内に洗浄水を供給すると洗浄ノズル後端に形成した受圧面53Aが水圧を受け、ノズル53が前方に進出する。ノズル53の53Aが段部51cに当接すると同時に洗浄水流出口51hが開放し、洗浄水が流量調整弁70Aを介して洗浄水供給口51kに供給される。この時、ダイヤフラム61は水圧を受け、ノズル53に押し付けられる。従って、洗浄水供給口51kに供給された水は小穴61aを通ってノズル53に設けた洗浄水供給口53k(53l)内に供給され、噴出口53h(53j)から局部に向けて洗浄水が供給される。
【0033】
なお、本実施例は図14に説明する機構を組み合わせることでビデ洗浄を行うことが可能である。図14を用いて第2実施例の変形例を説明する。なお、ノズルの進出機構は図13に示すものと同様なので本変形例では説明しない。(図は簡略化する。)
シリンダ51の前傾角度を調整する調整手段として、垂直シリンダ96と、該垂直シリンダ96内に水を供給する供給用電磁弁(図示無)と、垂直シリンダ96内を上下に移動可能な角度変更用ピストン97とで構成する。シリンダ51の前側下部にはヒンジ機構51yにより回動自在に装置1に支持される。シリンダ後側下部には長孔51xを有する連結部を形成し、この長孔51xを前記角度変更用ピストン97の先端に設けた擺動軸に擺動自在に連結する。
【0034】
この構成により、ビデ洗浄時には、垂直シリンダ96に供給用電磁弁により水を供給することでピストン97を上方に押し上げシリンダ51を起立姿勢(図14(b)の位置)とすることができる。
なお、ビデ洗浄も流量調整も不要な場合には、図15に示す変形が可能である。(第3の実施例)本実施例はシリンダ51内部前方下部に傾斜面51yを形成し、ノズル53後方側面に排出孔53tを設け、この排出孔53tを開閉する開閉弁53vを設けたものである。従って、ノズル53が進出しきらない状態では排出孔53tからも洗浄水が排出されるため、噴出口53h(53j)からの放出は微量しか行われない。即ちお尻まで届かない。ノズル53が進出する直前から傾斜面51yにより排出孔53tが弁53vにより閉じられ、洗浄水はすべて噴出口53h(53j)から放出されるので、お尻に届くようになる。このようにして、ノズル53が進出しながら噴出口53h(53j)から洗浄水が放出され、背中等を濡らすと言ういわゆる尻なで現象を防ぐことが可能となる。
【0035】
次に第4の実施例を図16〜図41を用いて説明する。
図16は本発明の局部洗浄装置1の外観斜視図である。図において、局部洗浄装置1は、内部にノズル装置等の機器を収納する装置本体10、便座11、便蓋12からなり、装置本体10には給水導管13、給湯導管14が接続される。また装置本体10側方には前方に張り出す操作部20を設ける。
【0036】
図17は内部機器の収納状態を示すために装置本体10の上ケース10aを取り除いた状態での斜視図、図18は図17から操作部及びコントローラを取り外した状態での斜視図、図19は図17からケースプレートを消去した状態での底側から見た斜視図、図20は図19とは別角度から見たケースプレートを消去した状態での部分斜視図、図21は図18からミキシングユニット及びバルブユニットを取り外した状態での斜視図である。
図において、下ケース10bには、使用者により操作され洗浄水の供給停止を指示するための洗浄開始スイッチ21a及び洗浄停止スイッチ22aを備えた操作スイッチ基板23、使用者により操作されおしり/ビデの選択及び洗浄水の流量を調整する流路切換兼流量調整摘み25、給水導管13及び給湯導管14から供給される水と湯を混合し適温にするミキシングバルブユニット30、ノズル装置へ洗浄水を供給するための洗浄水供給用バルブユニット40、ミキシングバルブユニット30により混合される混合湯温を安定させるための捨湯用バルブユニット45、使用者へ洗浄水を供給するノズル装置50、使用者への洗浄水量を調整する流量調整弁70、局部洗浄装置1の電源である乾電池80、局部洗浄装置1を制御するコントローラ85、便座への使用者の体重でオンする着座スイッチ90を直接若しくは間接的に固定する。なお着座スイッチ90の機構は特開平11−155768号公報に詳述しているものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
【0037】
ミキシングバルブユニット30は、下ケース10bに取付けられる外郭を形成するミキシングバルブ本体31と、本体31内に縦方向に収納される弁機能部32とで構成する。なお、弁機能部32はカートリッジ式なので、ゴミ噛みや作動不良等の故障時には弁機能部32を本体31から取り出してメンテすれば良い。本体31には水導入口31a、湯導入口31bを形成し、夫々水用取付エルボ33、湯用取付エルボ34に袋ナットで連結する。また、水用取付エルボ33、湯用取付エルボ34の他端は、夫々給水導管13及び給湯導管14に接続する。本体31には弁機能部32により混合された湯を出湯する供給用出湯口31c、捨湯用出湯口31dを形成し、夫々の出湯口内に洗浄水供給用バルブユニット40及び捨湯用バルブユニット45の一端を夫々嵌挿連結する。
【0038】
洗浄水供給用バルブユニット40は、所定圧以上の供給圧の際に動作して減圧し電磁弁42の動作を確実にするための減圧弁41、ノズル装置50への洗浄水供給を制御する洗浄用電磁弁42、洗浄水供給停止時に配管内を空気に置換し逆流を防止するための供給用バキュームブレーカー43にて構成する。なお、ノズル装置50の洗浄水供給口55aよりも高い位置にバキュームブレーカー43を配置するため、電磁弁42の2次側とバキュームブレーカー43とを連絡する連絡管40aを長く形成する。このように洗浄水供給口55aよりも高い位置にバキュームブレーカー43を配置することでノズル装置50内へ早急且つ確実に空気を導入することができ、洗浄ノズル53の復帰動作を速やかに行うことが可能となる。なお、バキュームブレーカー43の空気取入口43aはチューブ43bにより下ケース10bに形成される排出用トイ10cに連絡され、バキュームブレーカー43よりオーバーフローする水を便器内へ排出する。
【0039】
捨湯用バルブユニット45は、便器へ直接排出するための湯を制御する捨湯用電磁弁46、捨湯停止時に配管内を空気に置換し逆流を防止する捨湯用バキュームブレーカー47、捨湯をノズル装置50側へ供給する供給口48aと便器内へ直接排出する排出口48bとに分岐する分岐管48にて構成する。なお、バキュームブレーカー47の空気取入口47aはチューブ47bにより下ケース10bに形成される排出孔10dに連絡され、バキュームブレーカー47よりオーバーフローする水を便器内へ排出する。またバキュームブレーカー47と分岐管48とをチューブ47cとで連結し、供給口48aとノズル装置50とをチューブ49a、排出口48bと下ケースに固定される排出エルボ10eとをチューブ49bにて連結する。
【0040】
図22は本発明のノズル装置50の外観斜視図、図23はノズル装置50の分解斜視図、図24は操作用シリンダ51の斜視図、図25は操作用シリンダ51の断面図、図26は操作用シリンダ51の側面図、図27はピストン52の斜視図、図28は洗浄ノズル53の分解斜視図、図29はノズル本体53aの斜視図である。
ノズル装置50は、操作用シリンダ51と、この操作用シリンダ51内に進退自在に嵌挿され、洗浄水の水圧によって作動されるピストン52と、おしり洗浄時におしり位置に移動し、ビデ洗浄時にはビデ洗浄位置に移動する洗浄ノズル53、洗浄ノズル53を元の位置に復帰するための復帰ばね54、操作用シリンダ51後端に取付けられシリンダを形成するシリンダ閉塞用蓋55を備え、前記バキュームブレーカー43、分岐管48及び切換弁兼流量調整弁70に接続されている。
なお、この切換弁兼流量調整弁70の内部には、回転することで流路の切換えと流量調整を行う筒状の弁体75を、その回転軸が操作用シリンダ51に対して平行となる方向に設けて、切換弁兼流量調整弁70をコンパクトに形成している。その詳細構造については、図33〜図35に基づき後述する。
【0041】
前記操作用シリンダ51は、前後端が開口した内径が異なる樹脂製の異径管からなり、前半部が小径の前方シリンダ51Aを構成し、後半部が大径部の後方シリンダ51Bを構成している。このため、操作シリンダ51の内周面前方シリンダ51Aと後方シリンダ51Bの接続部には、前記ピストン52の前進動を規制する段部51cが設けられている。また、前方シリンダ51Aの中間部には更に小径部51dが形成されており、この小径部51dの後端面が前記洗浄ノズル53の前進動を制限する係止部として機能し、前端側にばね受部51eが一体に設けられている。このばね受部51eは、前記復帰用ばね54の前端を受け止めると共に、前記洗浄ノズル53を摺動自在に支持し案内するもので、内径が前記小径部51dより小さく、前記洗浄ノズル53の外径より大きい突起51f、51gを左右対称に形成する。突起51fは洗浄ノズル53の側面を、突起51gは洗浄ノズル53の上下面を支えるために設けており、接触面積を減らし摺動抵抗を小さくすることで洗浄ノズル53伸出に必要な力を小さくすることができる。
【0042】
シリンダ閉塞用蓋55の上方には洗浄水供給口55aを形成し、前記洗浄水供給用チューブ44が接続される。
【0043】
また、後方シリンダ51Bの左側面に洗浄水流出口51h、前方シリンダ51Aの小径部51dより後方左側面にビデ進出用流入口51i及びビデ洗浄水流出口51j、前方シリンダ51Aの小径部51dより前方のノズル洗浄室51m左側面には洗浄水流入口51kが設けられる。なお、洗浄水流入口51k内にシールパッキン60のダイヤフラム61を突出させ、水圧がかかっている時のみ洗浄ノズル53と水密状態で接するようにしている。即ち、ダイヤフラム61に圧がかかるよりも前にノズル53の進出が完了しているので、洗浄ノズル53進出時にこのダイヤフラム61部分が抵抗となることが無く、洗浄水供給時には効果がある。
【0044】
さらに前記操作用シリンダ51のノズル洗浄室51m上面には、ノズル洗浄導管56を嵌挿するための嵌挿部51lを形成する。また、操作用シリンダ51の外周面左側方には、前記洗浄水流出口51h、ビデ進出用流入口51i、ビデ洗浄水流出口51j、洗浄水流入口51kを取り囲むようにパッキン収納壁51nを形成する。収納壁51nで囲まれた側壁内は平面形状に形成し、洗浄水流出口51h及びビデ進出用流入口51iを形成する外側壁面は同一平面51pとし、ビデ洗浄水流出口51j及び洗浄水流入口51kを形成する外側壁面は前記平面51pよりも低い同一平面51qとする。平面51qのビデ洗浄水流出口51jと洗浄水流入口51kとの間には連通路51rを形成する。また、連通路51r内にはパッキン変形防止用突起51sを設ける。パッキン収納壁51n内を平面状としたのはシールパッキン60の形状を簡単にすると共にシールパッキン60を挟み込む面圧を略等しくしてシール性を向上させるためであり、平面51pと平面51qとで段差を設けたのは前方シリンダ51Aと後方シリンダ51Bの径差のために生じるシリンダ肉厚を略等しくするためである。操作用シリンダ51の下部には下方延出部51tを形成し、延出部51tにはノズル装置取付板57との連結孔51u、51vを設ける。
【0045】
ピストン52は合成樹脂製で、円板上の受圧板52Aと、この受圧板52Aの受圧面(背面)側に一体に突設された6枚の羽52dにより構成する円筒部52Bとを備え、受圧板52Aの中央前面には洗浄ノズル53の後端部と当接する当接凹部52cが略円錐状に設けられる。円筒部52Bはピストン52が後方シリンダ51B内を安定動作するために設けられる。
【0046】
洗浄ノズル53は、剛性樹脂によって前記ばね受部51eの内径よりわずかに小さい外径を有する細長い筒状に形成され、筒状のノズル本体53a、ノズル本体53aの後端開口に圧入し開口を閉塞する後端閉塞体53b、ノズル本体53aとノズルヘッド53cとを連結するための連結体53d、ノズルヘッド53cに取付けられるビデ噴出口形成体53eにて構成する。
洗浄ノズル53は内部におしり洗浄用通路53fとビデ洗浄用通路53gが形成されている。(ノズル本体53aの通路53f1、連結体53dの53f2、ノズルヘッド53cのおしり用通路(図示無)で53f、ノズル本体53aの通路53g1、連結体53dの53g2、ノズルヘッド53cのビデ用通路(図示無)で53gを形成)おしり洗浄用通路53fの前方開口部は、ノズル53の前端側上面に開口することによりおしり噴出口53hを形成している。ビデ洗浄用通路53gの前方開口部には、ビデ噴出口53jを形成したビデ噴出口形成体53eを取付け、ビデ噴出口53jを形成する。なお、ノズル53左側面にはピストン52が最大ストローク前進してノズル53をお尻洗浄位置に停止した時前記洗浄水流入口51kと一致し連通する位置に形成されるお尻洗浄水連絡口53kと、ノズル53が最大ストローク前進してノズル53をビデ洗浄位置に停止した時前記洗浄水流入口51kと一致し連通する位置に形成されるビデ洗浄水連絡口53lとを有する。また、前記ノズル53の外周面には、互いに平行な2つの平坦部53mが形成されており、この平坦部53mと前記ばね受部51eとの隙間(突起51f、51g間の隙間)が水抜き用の隙間を形成する。
【0047】
前記後端閉塞体53bには、受圧板を形成するフランジ53nとピン53pが夫々一体に突設されている。フランジ53nは、前記ノズル53の後端面中央に一体に突設され、前記ピストン52の当接凹部52cに当接し、ピストン52とノズル53を離間させている。これは、ビデ洗浄時にビデ進出用流入口51iから前方シリンダ51A内に流入する洗浄水の圧力をフランジ53nの受圧面(背面)側に供給するためである。
【0048】
前記ノズル53を復帰方向に付勢する前記復帰用ばね54は圧縮コイルばねからなり、前記ばね受部51eとフランジ53nとの間に弾装されている。
【0049】
図30は本発明のシールパッキン60の(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図、(d)は(a)の中央横断面図であり、図31はシールパッキン60の斜視図である。シールパッキン60はパッキン収納壁51nで囲まれる形状と略同一形状に形成し、ダイヤフラム61、方向転換用開口62、流量調整出口63、ビデ洗浄水流出口64、ビデ進出用流入口65、洗浄水流出口66を形成する。ダイヤフラム61は断面略コ字状に突出形成し、先端には洗浄水流入口61aを、流入口61aと同心円状に環状シール部61bを、更にその外周に弾性変形部61cを、その背側に圧力室61dを設ける。圧力室61dと方向転換用開口62とを連絡する連絡流路62aを、方向転換用開口62と流量調整出口63とを連絡する連絡流路62bとを表裏に形成する。出口63周囲にはリップ63aを、ビデ洗浄水流出口64にはリップ64aを、ビデ進出用流入口65にはリップ65aを夫々形成する。また、ビデ洗浄水流出口64とビデ進出用流入口65の間にはバイパス路67を設ける。なお、各開口周囲にはシール部60a、60b、60c、60eを設け、ノズル装置50若しくは切換弁兼流量調整弁70の側壁面とで挟圧し各開口間及びシールパッキン60周囲を水密に維持する。
【0050】
図32は本発明の切換弁兼流量調整弁70の外観斜視図、図33は切換弁兼流量調整弁70の分解斜視図、図34は切換弁兼流量調整弁70の概略断面図、図35は(a)切換弁兼流量調整弁70の側面図、(b)弁体75のお尻洗浄時に外筒体71の各孔と整合する溝側からみた側面図、(c)弁体75のビデ洗浄時に外筒体71の各孔と整合する溝側からみた側面図である。
切換弁兼流量調整弁70は、外筒体71、弁体75、歯車ボックス76、駆動力伝達歯車77(動力歯車)とで構成する。外筒体71は中空の略円筒状に形成し、一端には弁体75を挿入する挿入開口72を設け、他端には弁体75を回動自在に支持する軸受け部73を設ける。また、外筒体71の右側面はノズル装置50のパッキン収納壁51nで囲まれる形状と略同一形状に形成し、操作用シリンダ51に設けた洗浄水流出口51h、ビデ進出用流入口51i、ビデ洗浄水流出口51j、洗浄水流入口51kを夫々整合する洗浄水流入孔71a、ビデ進出用流出孔71b、ビデ洗浄水流入孔71c、洗浄水流出孔71dを設ける。また、ビデ進出用流出孔71bとビデ洗浄水流入孔71cとの間にはバイパス用流出口71e及びバイパス用流入口71f、左側前端には余剰水排出口71g、洗浄水流出孔71dより前方には方向転換室71hを設け、その方向転換室71h内にパッキン押え用突起71iを形成する。バイパス流出口71eとバイパス流入口71fとはシールパッキン60に形成されたバイパス通路67にて連結される。外筒体71の右側周面にはノズル装置50への取付部71jを5個所設ける。
【0051】
弁体75は略円筒状で終端に隔壁75hを有する前方弁部75A、後方弁部75Bの2部材よりなり、一半周面をお尻用、他半周面をビデ用として利用する。また、後方弁部75Bの終端に操作軸75iを形成し、、後方弁部75Bの側周壁には洗浄水流入孔71a、ビデ進出用流出孔71bに夫々整合する箇所に洗浄水流入溝75a、ビデ進出用流出溝75bを形成する。また、洗浄水流入溝75aよりも後方外周にYパッキン収納溝を形成し、弁体75を開口72から外筒体71内に挿入する際、Yパッキン75mを嵌め込むことにより、挿入開口72と弁体75とのシールを行う。
【0052】
前方弁部75Aの側周壁にはバイパス流出口71e、バイパス流入口71f、ビデ洗浄水流入孔71c、洗浄水流出孔71d、余剰水排出口71gに夫々整合する箇所にバイパス用流出溝75e、バイパス用流入溝75f、ビデ洗浄水流入溝75c、流量調整溝75d、余剰水排出溝75gを形成する。なお、バイパス用流出溝75eとバイパス用流入溝75f間には隔壁75hを設け弁体75内部での連通を遮断する。流量調整溝75dは略三角形状として流路抵抗が変化するよう形成する。また、余剰水排出溝75g及び流量調整溝75dはおしり用、ビデ用と全周を2分割して設ける。更に、前方弁部の始端に回動軸75jを設けている。また、一端側外周のバイパス用流出溝75eとバイパス用流入溝75f間にYパッキン装着溝(図示なし)を形成しYパッキンを嵌め込むようにすれば、バイパス用流出溝75eとバイパス用流入溝75f間が弁内で連通しないようになる。ビデ進出用流出溝75b及びビデ洗浄水流入溝75cは弁体75の円周上の半周内に形成し、バイパス流出溝75e及びバイパス流入溝75fはビデ進出用流出溝75b及びビデ洗浄水流入溝75cとは半周ずらして設ける。
【0053】
歯車ボックス76には、操作軸75iを挿通する挿通孔76a、Yパッキン75mからの漏水を便器内に排出するための排出ガイド76b及び排出トイ76c、後述する操作力伝達ワイヤ27を挿通する挿通孔76d、操作力伝達ワイヤ27の曲がりを規制する規制ガイド76e、操作力伝達ワイヤ27の一端に固定される操作力伝達歯車26(伝達歯車)の回転を規制するストッパ76f、操作力伝達歯車26の特定位置を検出するマイクロスイッチ28を保持するための保持爪76gを設ける。
【0054】
図36は流路切換兼流量調整摘み25から切換弁兼流量調整弁70への動力伝達を説明するための斜視図、図37は流路切換兼流量調整摘み25の取付を説明するための斜視図、図38は操作部20の外観図を示す。
操作部20には洗浄開始スイッチ操作部21、洗浄停止スイッチ操作部22及び流路切換兼流量調整摘み25とが設けられ、洗浄開始スイッチ操作部21及び洗浄停止スイッチ操作部22は操作スイッチ基板23に設けられ、この操作スイッチ基板23はコントローラ85に電気的に接続し、流路切換兼流量調整摘み25は操作力伝達ワイヤ27によって機械的に操作力伝達歯車26に連結されている。この操作力伝達歯車26と駆動力伝達歯車77とが噛み合うことで流路切換兼流量調整摘み25の回転は操作軸75iに伝達され弁体75を回転操作することが可能となる。なお、この流路切換兼流量調整摘み25は、操作力伝達歯車26のおしり最大流量位置とビデ最大流量位置との間に相当する位置に設けた回転規制突起26aとストッパ76fとにより、おしり最大流量位置とビデ最大流量位置との間で回転規制されるので、おしり最大流量から突然ビデ最大流量に変更されることが無い。また、操作力伝達歯車26のおしり最小流量位置とビデ最小流量位置との間の止水位置を検出するために設けた突起26bでマイクロスイッチ28の杆28aを押し下げるよう構成する。
【0055】
コントローラ85は、制御基板を収納しポッティング処理するポッティング部85aとポッティング部85a側周面から前方に連続形成されるワイヤ固定部85bとからなり、ワイヤ固定部85bには操作力伝達ワイヤ27挿通用切欠85cを設け、操作力伝達ワイヤ27の曲がりを規制するために中央に挿通ガイド29aを有する規制部材29をワイヤ固定部85bに固定する。操作力伝達ワイヤ27の先端は断面D字形状としており、上ケース10aに設けた挿通孔(図示無)から操作力伝達ワイヤ27の先端の突出させ、その先端部に摘み25を嵌め込む。なお、ポッティング部85aの外輪壁の最低部にミシン目切込み85dを入れ、ポッティング処理後、この切込み部分85dを取り除くことで、ポッティング部85a内に侵入堆積する水をコントローラ85外に排出することができ、長期に亘るポッティング部分侵食による誤動作を確実に防止することができる。
【0056】
次に、このような構造からなる洗浄ノズル53による洗浄動作について説明する。
図39に非洗浄時のノズル装置50の状態を示すが、この状態において、洗浄ノズル53は復帰用ばね54によって初期位置に保持されることによりピストン52を後方シリンダ51B内面に押し付けている。この時、電磁弁42は閉じている。
使用者が用便後に装置本体1の袖部に設けられる流路切換兼流量調整摘み25がおしり位置(流量最大)にある状態(図34(a))で、洗浄開始スイッチ操作部21を操作すると、コントローラ85の指令により電磁弁42が開く、電磁弁42が開くと、洗浄水はチューブ44から洗浄水供給口55aを介して後方シリンダ51B内に供給され、その水圧でピストン52を押圧する。したがって、ピストン52とノズル53は復帰用ばね54に抗して一体的に前進し、ノズル53の前端部が操作用シリンダ51の前端開口51wから突出する。ピストン52は最大ストローク前進すると、受圧板52Aの周囲部が段部51cに当接して停止する。(図40に示す位置)ピストン52が前進して停止すると、後方シリンダ51B内に流入した洗浄水は洗浄水流出口51h→洗浄水流出口66→洗浄水流入孔71a→洗浄水流入溝75aを介して後方弁部75B内に流入し、バイパス流出溝75e→バイパス用流出口71e→バイパス通路67→バイパス用流入口71f→バイパス用流入溝75fを介して前方弁部75A内に流入し、流量調整溝75d→洗浄水流出孔71d→流量調整出口63→連絡流路62b→方向転換用開口62→連絡流路62aを介してダイヤフラム61の圧力室61dに至り、洗浄ノズル53の側面にダイヤフラム61が密着し、ダイヤフラム61先端に設けた洗浄水流入口61aからお尻洗浄水連絡口53k→おしり洗浄用通路53f→おしり噴出口53hに洗浄水が供給され、おしり噴出口53hから上方に向けて洗浄水を噴出しおしり洗浄を所望の時間行う。
【0057】
おしり洗浄後、洗浄停止スイッチ操作部22を操作すると、コントローラ85からの指令により電磁弁42が閉じ、電磁弁46が開く。電磁弁42が閉じると、洗浄ノズル53への洗浄水の供給が停止するため、洗浄水の水圧が低下する。従って、バキュームブレーカー43からシリンダ51内に空気が供給され、速やかに平坦部53mと前記ばね受部51eとの隙間(突起51f、51g間の隙間)及びチューブ47bからシリンダ51内の残水が排出され、洗浄ノズル53は復帰用ばね54の弾撥力によって後退して初期位置に復帰し、ピストン52を後部シリンダ51Bの内面に押し付ける。
一方、電磁弁46が開くと、洗浄水はチューブ49a、ノズル洗浄導管56を通ってノズル洗浄室51mに供給されることにより、ノズル53の外周を洗浄する。そして、ノズル洗浄を所望の時間行うと、制御装置50からの指令により電磁弁46は閉じる。
【0058】
使用者が流路切換兼流量調整摘み25をビデ位置にした状態で、洗浄開始スイッチ操作部21を操作すると、コントローラ85の指令により電磁弁42が開く。電磁弁42が開くと、洗浄水はチューブ44から洗浄水供給口55aを介して後方シリンダ51B内に供給され、その水圧でピストン52とノズル53を復帰用ばね54に抗して前進させる。このため、ノズル53は操作用シリンダ51の前端開口51wから突出する。ピストン52は最大ストローク前進すると受圧板52Aの周囲部が段部51cに当接して停止する。ピストン52が停止すると、ノズル53はピストン52によっては移動されなくなるが、後方シリンダ51B内に供給された洗浄水が洗浄水流出口51h→洗浄水流出口66→洗浄水流入孔71a→洗浄水流入溝75aを介して後方弁部75B内に流入し、ビデ進出用流出溝75b→ビデ進出用流出孔71b→ビデ進出用流出孔65→ビデ進出用流入口51iを介して前方シリンダ51A内に導かれその水圧でノズル53のフランジ53nを押圧するため図41に示すようにさらに伸張してビデ洗浄位置に移動し、この位置で係止部51eにフランジ53n周囲部が当接することにより停止する。このノズル53の移動により、ビデ洗浄水流出口51j→ビデ洗浄水流出口64→ビデ洗浄水流入孔71c→ビデ洗浄水流入溝75cを介して前方弁部75A内に流入し、流量調整溝75d→洗浄水流出孔71d→流量調整出口63→連絡流路62b→方向転換用開口62→連絡流路62aを介してダイヤフラム61の圧力室61dに至り、洗浄ノズル53の側面にダイヤフラム61が密着し、ダイヤフラム61先端に設けた洗浄水流入口61aからビデ洗浄水連絡口53l→ビデ洗浄用通路53g→ビデ噴出口53jに洗浄水が供給され、ビデ噴出口53jから上方に向けて洗浄水を噴出しおしり洗浄を所望の時間行う。
【0059】
洗浄停止スイッチ操作部22を操作すると、おしり洗浄の際と同様にノズル53を洗浄後、初期状態に戻る。なお、流路切換兼流量調整摘み25がお尻/ビデの中間位置にある状態で洗浄スイッチ操作部21を操作しても、マイクロスイッチ28により止状態が検出されているので、洗浄は行われない。この状態で洗浄停止スイッチ操作部22を所定時間以上押し続けた場合には電磁弁42を開き、ノズル53の進出のみを行うことで、ノズル53の拭き掃除を行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の水路構成を示すブロック図
【図2】本発明のノズル装置50の外観斜視図
【図3】操作用シリンダ51の分解斜視図
【図4】洗浄ノズル53の分解斜視図
【図5】洗浄ノズル53の収納時断面図
【図6】本発明の切換弁兼流量調整弁70の外観斜視図
【図7】弁体75の分解斜視図
【図8】切換弁兼用流量調整弁70の断面図で(a)はおしり洗浄時の断面図、(b)はビデ洗浄時の断面図
【図9】おしり洗浄時の弁体75に設けた各溝の相対位置関係を示す断面図
【図10】操作部20の外観図
【図11】おしり洗浄時の様子を示す洗浄ノズル53の断面図
【図12】ビデ洗浄時の様子を示す洗浄ノズル53の断面図
【図13】本発明の第2の実施例におけるノズル装置50の断面図
【図14】本発明の第2の実施例の変形例におけるノズル装置50の断面図
【図15】本発明の第3の実施例におけるノズル装置50の断面図
【図16】本発明の第4の実施例の局部洗浄装置1の右袖タイプの外観斜視図である。
【図17】本発明の第4の実施例の内部機器の収納状態を示すために装置本体10の上ケース10aを取り除いた状態での斜視図
【図18】図17から操作部及びコントローラを取り外した状態での斜視
【図19】図17からケースプレートを消去した状態での底側から見た斜視図
【図20】図19とは別角度から見たケースプレートを消去した状態での部分斜視図
【図21】図18からミキシングユニット及びバルブユニットを取り外した状態での斜視図
【図22】本発明の第4の実施例のノズル装置50の外観斜視図
【図23】本発明の第4の実施例のノズル装置50の分解斜視図
【図24】本発明の第4の実施例の操作用シリンダ51の斜視図
【図25】本発明の第4の実施例の操作用シリンダ51の断面図
【図26】本発明の第4の実施例の操作用シリンダ51の側面図
【図27】本発明の第4の実施例のピストン52の斜視図
【図28】本発明の第4の実施例の洗浄ノズル53の分解斜視図
【図29】本発明の第4の実施例のノズル本体53aの斜視図
【図30】本発明の第4の実施例のシールパッキン60の図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は(a)の中央横断面図
【図31】本発明の第4の実施例のシールパッキン60の斜視図
【図32】本発明の第4の実施例の切換弁兼流量調整弁70の外観斜視図
【図33】本発明の第4の実施例の切換弁兼流量調整弁70の分解斜視図
【図34】本発明の第4の実施例の切換弁兼流量調整弁70の概略断面図で、(a)はお尻洗浄時(流量最大)の概略断面図、(b)はビデ洗浄時の概略断面図
【図35】本発明の第4の実施例の(a)切換弁兼流量調整弁70の側面図、(b)弁体75のお尻洗浄時に外筒体71の各孔と整合する溝側からみた側面図、(c)弁体75のビデ洗浄時に外筒体71の各孔と整合する溝側からみた側面図
【図36】本発明の第4の実施例の流路切換兼流量調整摘み25から切換弁兼流量調整弁70への動力伝達を説明するための斜視図
【図37】本発明の第4の実施例の流路切換兼流量調整摘み25の取付を説明するための斜視図
【図38】本発明の第4の実施例の操作部20の外観図
【図39】本発明の第4の実施例の非洗浄時のノズル装置50の状態を示す断面図
【図40】本発明の第4の実施例のおしり洗浄時のノズル装置50の状態を示す断面図
【図41】本発明の第4の実施例のビデ洗浄時のノズル装置50の状態を示す断面図
【符号の説明】
【0061】
50…ノズル装置
51…シリンダ
51h…第1流出口
51i…第1流入口
51m…洗浄水供給室
53…ノズル
53h…洗浄水噴出口
53j…洗浄水噴出口
53k…洗浄水連絡口
53l…洗浄水連絡口
60…シールパッキン
61…ダイヤフラム部
70…流量調整弁
71…外筒体
71a…洗浄水流入孔
71d…洗浄水流出孔
75…筒状弁体
【技術分野】
【0001】
本発明は、用便後の人体局部を洗浄する局部洗浄装置に関し、特に、水圧によりノズルを進出させ、その進出ノズルによりおしり洗浄若しくはビデ洗浄を行う局部洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洋式の便器に設置されるこの種の局部洗浄装置は、スイッチ操作によって洗浄ノズルを伸長させ、その噴出口から洗浄水を上方に向けて噴出させることにより、おしり洗浄若しくはビデ洗浄を行うよう構成されている。局部洗浄に用いられる洗浄水には、給水配管からの水を装置内に設けられた温水タンクで所定温度に加熱された適温湯、或は給水配管からの水と給湯配管からの湯とをミキシングバルブによって混合することにより温度調整された適温湯が用いられる。
洗浄ノズルは、ノズルの駆動方式によって大別すると、モータ等の駆動源によって進退されるもの(いわゆる電動式ノズル)と、駆動源を備えず洗浄水の水圧のみによって進退されるもの(いわゆる水圧式ノズル)との2種類がある。電動式ノズルは、一般家庭等に広く普及しており、現状では洗浄ノズルの主流をなしている。またこの電動式ノズルはモータ等を制御することで位置制御を行うことができるため、1本のノズルでおしり洗浄用ノズル及びビデ洗浄用ノズルを兼用することができる。この種の電動式ノズルでは流量調整弁とノズル装置とを接続するチューブの配管距離が必然的に長くなるという問題があった。また、チューブはノズル装置の駆動モータを駆動してノズルを往復移動させると、ノズルの動きに追従してケーシング内を後部から前部に、前部から後部へと揺動するのでチューブが揺動する範囲内では局部洗浄装置の他の部材を配置することが困難であった。したがって、例えば、制御装置の設置スペースを取るためにケーシングを大きくしたり、窮屈な状態で収納しなければならない等の問題があった。なお、チューブの揺動を抑制するために、チューブの途中をケーシングに固定することも考えられるが、この場合、前記チューブはノズル装置のノズルの往復移動に追従して移動する際に、前記固定部分が支点となって折れ曲がり、適温水の流路を狭めて局部洗浄に悪影響を与えたり、前記往復運動の繰り返しによりチューブの固定部分が老朽化して亀裂が入り、この亀裂から適温水が漏出してケーシング内に収納した制御装置等に悪影響を与えたりするという問題があった。
【0003】
この種々の問題に鑑み、特開平8−326125号公報では、ノズル装置の下部空間に設けた取付凹部に流量調整弁を取付けることで、ケーシング内の空所を有効に利用した局部洗浄装置が開示されている。
一方、水圧式ノズルはモータ等の駆動源を必要としないため、電動式ノズルに比べて構造が簡単で安価に制作できるという利点を有している。しかし、水圧による位置制御を伴う場合には構造が複雑となるため、通常おしり洗浄用ノズルとビデ洗浄用ノズルとは別々に設けられている。そして、これらの流量調整は各々のノズルシリンダ後方に一体的に設けられる流路切換兼流量調整弁によって行われている。
【特許文献1】特開平8−326125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、水圧式ノズルでは水圧変動によりノズルが進出しなかったり、ノズルの進出スピードが変動するという不具合があった。また、お尻/ビデ用を有する水圧式ノズルでは2本分ノズル収容スペースが幅方向で必要であり、更に流路切換兼流量調整弁収容スペースが奥行き方向で必要であった。
一方、特開平8−326125号公報にて開示される技術においても、ノズルと流量調整弁との間に複数の接続チューブを必要とするので組立てが面倒であると共に、従来よりも幅方向に収納スペースを必要としていた。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、低水圧でも確実にノズルを進出させることができると共に、流量変更などを行っても、まったくノズル進出に影響を受けない水圧式ノズルを有する局部洗浄装置を提供することである。
また、別の目的はノズル装置と流量調整弁或いは流路切換弁とを接続チューブ無に組立てることができ、且つ1本ノズルでおしり及びビデの洗浄を可能とし、組立てを簡単にでき且つ2本のノズルを夫々設けたものに比べノズル1本分の収納スペースを削減できる局部洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、先端に洗浄水噴出口を形成したノズルと、該ノズルを進退自在に支持するシリンダを有するノズル装置と、
洗浄水供給源に連絡される洗浄水流入孔及び流量調整された洗浄水を前記洗浄水噴出口に供給する洗浄水流出孔を有する流量調整弁とを備え、
前記洗浄水流入孔は前記ノズルの進出時に開放するよう構成したので、ノズルが進出した場合のみ流量調整弁に水圧がかかるので、流量調整弁には耐圧構造が不要となり、コストダウンを図ることが可能となる。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1記載の発明に加え、前記シリンダは上流側端部に第1流入口、該第1流入口より下流側に第1流出口を有し、前記第1流入口から供給される水により前記ノズルを進出させると共に、該第1流出口と前記洗浄水流入孔とを連結したことで、水圧ノズルの進出動作により流量調整弁への給水・止水を制御するよう構成したので、極めて簡単な構成で実現することが可能となる。
【0007】
請求項3の発明では、請求項2記載の発明に加え、前記シリンダには第1流出口よりも上流側に洗浄水供給室を設け、更に前記ノズルの後端部に洗浄水連絡口を設け、前記ノズルの進出時に前記洗浄水連絡口と洗浄水流出孔とを前記洗浄水供給室において連結させたので、ノズルシリンダと流量調整弁との接続構造が極めて簡単な構成で実現できる。
【0008】
請求項4の発明では、請求項3記載の発明に加え、前記流量調整弁をシリンダに一体化したので接続チューブが不要となり、装置使用後、接続チューブに滞留する残水をなくすことができ、次回使用開始時の動作をスムーズに行うことができる。
【0009】
請求項5の発明では、請求項4記載の発明に加え、前記流量調整弁を外筒体と筒状弁体とで構成し、前記筒状弁体の回転軸を前記シリンダに平行に設けたので、流量調整弁をコンパクトに形成することができ、また装置内への収納空間のデッドスペースを有効に利用することが可能となる。
【0010】
請求項6の発明では、請求項5記載の発明に加え、前記第1流出口と前記洗浄水流入孔との間のシール及び前記洗浄水供給室と前記洗浄水流出孔とのシールとを一体のシールパッキンにより構成し、該シールパッキンを介して前記流量調整弁を前記シリンダに一体化したので、流量調整弁用シールパッキン及びノズルシリンダとの間のシールを、流量調整弁をシリンダに組み付ける際に同時に実施できるため、組立てが簡単となる。
【0011】
請求項7の発明では、請求項6記載の発明に加え、前記シールパッキンには前記洗浄水供給室内に突出するダイヤフラム部を設け、該ダイヤフラム部により前記洗浄水流出孔と前記洗浄水連絡口とをダイヤフラム部に水圧がかかった時のみシールするよう構成したので、ノズル進出前にはダイヤフラム部がノズルと接することがなく、摺動抵抗を少なくすることができノズルの進退動作に必要な力を小さくできるため、低給水圧の場合でも確実にノズルを進出駆動することができ、また、ノズル進出後においては、ダイヤフラム部により確実にシールすることができる。
【0012】
また、何れの発明でもノズル伸長後に洗浄水をノズルに供給する機構であるため確実に尻なで現象を防止する事が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ノズルが進出した場合のみ流量調整弁に水圧がかかるので、流量調整弁には耐圧構造が不要となり、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の水路構成を示すブロック図、図2は本発明のノズル装置50の外観斜視図、図3は操作用シリンダ51の分解斜視図、図4は洗浄ノズル53の分解斜視図、図5は洗浄ノズルの収納時断面図である。
これらの図において、局部洗浄装置は、図に示すように、装置本体10と、この装置本体10の内部に配設された水圧式のノズル装置50、ミキシングバルブ30、減圧弁41、電磁弁42、46、切換弁兼用流量調整弁70、図示しない温度サーミスタ、逆止弁等を備え、洗浄時に洗浄ノズル53を洗浄水Wの水圧によって伸張し便器内に突出させることにより、おしり洗浄、ビデ洗浄を行うように構成されている。
【0015】
装置本体10の内部中央には前記ノズル装置50が配設され、このノズル装置50より装置本体10に設けられる袖部側(右側)に前記ミキシングバルブ30、電磁弁42、46等が配設され、さらにその右側には給水配管33及び給湯配管34が配管されている。給水配管33によって供給される水と給湯配管34によって供給される温水(70℃前後)は、ミキシングバルブ30によって混合され、局部洗浄用供給管路(31b〜44)またはノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)によって前記ノズル装置50に洗浄水(40℃程度の温水)として導かれる。ノズル供給用供給流路(31a〜49a)終端はノズル装置50のノズル洗浄室(後述)に接続されている。前記電磁弁42,46は、局部洗浄用供給流路(31b〜44)とノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)に夫々設けられている。また、切換弁兼流量調整弁70を機械的に駆動すると共に電気的に電磁弁42、46を駆動する操作部20、操作部20からの操作信号を受け電磁弁42,46へ駆動信号を出力する制御装置85、制御装置85へ電力を供給する乾電池80を内部に備える。
【0016】
ノズル装置50は、操作用シリンダ51と、この操作用シリンダ51内に進退自在に嵌挿され、洗浄水の水圧によって作動されるピストン52と、おしり洗浄時におしり位置に移動し、ビデ洗浄時にはビデ洗浄位置に移動する洗浄ノズル53、洗浄ノズル53を元の位置に復帰するための復帰ばね54を備え、局部洗浄用供給流路(31b〜44)、ノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)及び切換弁兼流量調整弁70に接続されている。
【0017】
操作用シリンダ51は、前後端が開口した内径が異なる樹脂製の異径管からなり、前半部が小径の前方シリンダ51Aを構成し、後半部が大径部の後方シリンダ51Bを構成している。このため、操作シリンダ51の内周面前方シリンダ51Aと後方シリンダ51Bの接続部には、前記ピストン52の前進動を規制する段部51cが設けられている。また、前方シリンダ51Aの中間部には更に小径部51dが形成されており、この小径部51dの後端面が前記洗浄ノズル53の前進動を制限する係止部として機能し、前端側にばね受部51eが一体に設けられている。このばね受部51eは、前記復帰用ばね54の前端を受け止めると共に、前記洗浄ノズル53を摺動自在に支持し案内するもので、内径が前記小径部51dより小さく、前記洗浄ノズル53の外径より大きいリング状に形成されている。
操作用シリンダ51の上流側端部にあたる後端側開口部には洗浄水供給口55a(第1流入口)を形成し、前記局部洗浄用供給流路(31b〜44)が接続される。
【0018】
また、洗浄水供給口55aの下流側において、後方シリンダ51Bの左側面に洗浄水流出口51h(第1流出口)、前方シリンダ51Aの小径部51dより後方左側面にビデ進出用流入口51i(第2流入口)及びビデ洗浄水流出口51j(第2流出口)、前方シリンダ51Aの小径部51dの終端左側面には洗浄水流入口51k(第3流入口)が設けられる。なお、洗浄水流入口51k内にダイヤフラム61を設け、水圧がかかっている時のみ洗浄ノズル53と水密状態で接するようにしている。即ち、ダイヤフラム61に圧がかかるよりも前にノズル53の進出が完了しているので、ノズル進出時にこのダイヤフラム61部分が抵抗となることが無く、洗浄水供給時には効果がある。
【0019】
さらに前記操作用シリンダ51の前端右側面には、ノズル洗浄用給水口51l(第4流入口)が形成される。そして、前記操作用シリンダ51の前端側で前記ノズル洗浄用給水口51lが形成されている内部は、ノズル洗浄室51mを形成している。
【0020】
ピストン52は合成樹脂製で、円板上の受圧板52Aと、この受圧板52Aの受圧面(背面)側に一体に突設された円筒部52Bとを備え、受圧板52Aの中央前面には洗浄ノズル53のピン53qと当接する当接凹部52cが設けられる。この当接凹部52cは略円錐状に形成する。これにより、ピン53qが円錐壁面に沿ってばね54により押圧されることで確実に。洗浄ノズル53をピストン52の略中心に位置させて移動することができる。
【0021】
洗浄ノズル53は、剛性樹脂によって前記ばね受部51eの内径よりわずかに小さい外径を有する細長い筒状に形成され、内部におしり洗浄用通路53f2とビデ洗浄用通路53g2が形成されている。おしり洗浄用通路53f2の前方開口部は、ノズル53の前端側上面に開口することによりおしり噴出口53hを形成している。ビデ洗浄用通路53g2の前方開口部は、ノズル53の前端側上面に開口することによりビデ噴出口53jを形成している。なお、ノズル53左側面にはピストン52が最大ストローク前進してノズル53をお尻洗浄位置に停止した時前記洗浄水流入口51kと一致し連通する位置に形成されるお尻洗浄水連絡口53kと、ノズル53が最大ストローク前進してノズル53をビデ洗浄位置に停止した時前記洗浄水流入口51kと一致し連通する位置に形成されるビデ洗浄水連絡口53lとを有する。また、前記ノズル53の外周面には、互いに平行な2つの平坦部53mが形成されており、この平坦部53mと前記ばね受部51eとの隙間が水抜き用の隙間を形成している。
【0022】
前記ノズル53の後端側外周面との後端面には、受圧板を形成するフランジ53nとピン53qが夫々一体に突設されている。フランジ53nは、前記ノズル53の後端面中央に一体に突設され、前記ピストン52の当接凹部52cに当接し、ピストン52とノズル53を離間させている。これは、ビデ洗浄時にビデ進出用流入口51iから前方シリンダ51A内に流入する洗浄水をフランジ53nの受圧面(背面)側に供給するためである。
【0023】
前記ノズル53を復帰方向に付勢する前記復帰用ばね54は圧縮コイルばねからなり、前記ばね受部51eとフランジ53nとの間に弾装されている。
【0024】
図6は本発明の切換弁兼流量調整弁70の外観斜視図、図7は弁体75の分解斜視図、図8は切換弁兼流量調整弁70のお尻洗浄時の断面図、図9はお尻洗浄時の弁体75に設けた各溝の相対位置関係を示す断面図である。
切換弁兼流量調整弁70は、外筒体71と弁体75とで構成する。外筒体71は中空の略円筒状に形成し、一端には弁体75を挿入する挿入開口72を設け、他端には弁体75を回動自在に支持する軸受け部73を設ける。また、外筒体71の右側周面には、操作用シリンダ71に設けた洗浄水流出口71h、ビデ進出用流入口71i、ビデ洗浄水流出口71j、洗浄水流入口71k(第3流入口部)を夫々挿入する洗浄水流入孔71a、ビデ進出用流出孔71b、ビデ洗浄水流入孔71c、洗浄水流出孔71dを設ける。また、左側周面には、バイパス用流出口71e及びバイパス用流入口71f、余剰水排出口71gを設ける。なお、バイパス用流出口71eとビデ進出用流出孔71bと、バイパス用流入口71fとビデ洗浄水流入孔71cとは夫々同一平面上に形成する。なおバイパス流出口71eとバイパス流入口71fとは樹脂チューブ等(図示無)で接続する。
【0025】
弁体75は略円筒状で一端に操作軸75i、他端に回動軸75jを形成し、隔壁75hで前方室75A、後方室75Bの2室に仕切り、後方室75Bの側周壁には洗浄水流入孔71a、ビデ進出用流出孔71bに夫々対応する箇所に洗浄水流入溝75a、ビデ進出用流出溝溝兼バイパス用流出溝75bを形成する。また、前方室75Aの側周壁にはビデ洗浄水流入孔71c、余剰水排出口71g、洗浄水流出孔71dに夫々対応する箇所にビデ洗浄水流入溝兼バイパス用流入溝75c、余剰水排出溝75g、流量調整溝75dを形成する。なお、流量調整溝75dは略三角形状として流路抵抗が変化するよう形成する。また、余剰水排出溝75g及び流量調整溝75dはおしり用、ビデ用と全周を2分割して設ける。(図9参照)更に、一端側外周にYパッキン装着溝75kを形成し、弁体75を開口72から外筒体71内に挿入する際、Yパッキン(図示無)を嵌め込むことにより、挿入開口72と弁体75とのシールを行う。
【0026】
図10には操作部20の外観図を示す。操作部20には洗浄開始スイッチ操作部21、洗浄停止スイッチ操作部22及び流路切換兼流量調整摘み25とが設けられ、各々のスイッチ操作部に対応する洗浄開始スイッチ21a及び洗浄停止スイッチ22aは制御装置85に電気的に接続し、流路切換兼流量調整摘み25はワイヤー等によって機械的に操作軸75iに接続されている。なお、この流路切換兼流量調整摘み25はおしりとビデの最大流量位置との間にストッパ(図示無)を設け、おしり最大流量から突然ビデ最大流量に変更されることを防止している。
【0027】
次に、このような構造からなる洗浄ノズル53による洗浄動作について説明する。
既に図5に非洗浄時の状態を示したが、この状態において、ノズル53は復帰用ばね54によって初期位置に保持されることによりピストン52を後方シリンダ51B内面に押し付けている。この時、電磁弁42,46は閉じている。
おしり洗浄の様子を図8(a)、図11を参照して説明する。
使用者が用便後に洗浄装置本体10の袖部に設けられる流路切換兼流量調整摘み25がおしり位置にある状態(図10の位置)で、洗浄開始スイッチ操作部21を操作すると、制御装置85の指令により電磁弁42が開く、電磁弁42が開くと、洗浄水は局部洗浄用供給流路(31b〜44)から洗浄水供給口55aを介して後方シリンダ51B内に供給され、その水圧でピストン52を押圧する。したがって、ピストン52とノズル53は復帰用ばね54に抗して一体的に前進し、ノズル53の前端部が操作用シリンダ51の前端側開口部51pから突出する。ピストン52は最大ストローク前進すると、段部51cに当接して停止する。ピストン52が前進して停止すると、後方シリンダ51B内に流入した洗浄水は洗浄水流出口51h〜洗浄水流入孔71a(洗浄水流入溝75a)〜バイパス用流出口71e(ビデ進出用流出溝溝兼バイパス用流出溝75b)〜バイパス用流入口71f(ビデ洗浄水流入溝兼バイパス用流入溝75c)〜流量調整溝75d〜洗浄水流出孔71d〜洗浄水流入口51k〜ダイヤフラム61を通ってお尻洗浄水連絡口53kに供給される。この停止位置がおしり洗浄位置であり、前記お尻洗浄水連絡口53kよりおしり洗浄用通路53f2に供給される洗浄水をそのおしり噴出口53hから上方に向けて噴出しおしり洗浄を所望の時間行う。
【0028】
おしり洗浄後、洗浄停止スイッチ操作部22を操作すると、制御装置85からの指令により電磁弁42が閉じ、電磁弁42が開く。電磁弁42が閉じると、洗浄ノズル53への洗浄水の供給が停止するため、洗浄水の水圧が低下する。従って、ノズル53は復帰用ばね54の弾撥力によって徐々に後退して図5に示す初期位置に復帰し、ピストン52を後部シリンダ51Bの内面に押し付ける。この時、操作用シリンダ51内に残った洗浄水は、ノズル53との隙間を通って操作用シリンダ51の前端側開口部51pから便器内に排出される。
一方、電磁弁46が開くと、洗浄水はノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)を通ってノズル洗浄室51mに供給されることにより、ノズル53の外周を洗浄する。そして、ノズル洗浄を所望の時間行うと、制御装置85からの指令により電磁弁46は閉じる。
【0029】
次に、ビデ洗浄の様子を図8(b)、図12を参照して説明する。
使用者が流路切換兼流量調整摘み25をビデ位置にした状態で、洗浄開始スイッチ操作部21を操作すると、制御装置85の指令により電磁弁42が開く。電磁弁42が開くと、局部洗浄用供給流路(31b〜44)から供給される洗浄水は流入口55aを通って後方シリンダ51B内に流入し、その水圧でピストン52とノズル53を復帰用ばね54に抗して前進させる。このため、ノズル53は操作用シリンダ51の前方側開口部51pから突出する。ピストン52は最大ストローク前進すると段部51cに当接して停止する。ピストン52が停止すると、ノズル53はピストン52によっては移動されなくなるが、後方シリンダ51B内に供給された洗浄水が洗浄水流出口51h〜洗浄水流入孔71a(洗浄水流入溝75a)〜ビデ進出用流出孔71b(ビデ進出用流出溝溝兼バイパス用流出溝75b)〜ビデ進出用流入口51iを通って、前方シリンダ51A内に導かれその水圧でフランジ53nを押圧するため図12に示すようにさらに伸張してビデ洗浄位置に移動し、この位置で係止部51eに当接することにより停止する。このノズル53の移動により、ビデ洗浄水流出口51j〜ビデ洗浄水流入孔71c(ビデ洗浄水流入溝兼バイパス用流入溝75c)〜流量調整溝75d〜洗浄水流出孔71d〜洗浄水流入口51k〜ダイヤフラム61を通ってビデ洗浄用通路53g2の後方側開口部53fが合致して、先端に設けた噴出口53jから上方に向かって噴出されビデ洗浄を所望の時間行う。洗浄停止スイッチ操作部22を操作すると、制御装置85からの指令により電磁弁42が閉じ、電磁弁46が開く。電磁弁42が閉じると、洗浄ノズル53への洗浄水の供給が停止するため、洗浄水の水圧が低下する。従って、ノズル53は復帰用ばね54の弾撥力によって徐々に後退して図5に示す初期位置に復帰し、ピストン52を後部シリンダ51Bの内面に押し付ける。この時、操作用シリンダ51内に残った洗浄水は、ノズル53との隙間を通って操作用シリンダ51の前端側開口部51pから便器内に排出される。
【0030】
一方、電磁弁46が開くと、洗浄水はノズル洗浄用供給流路(31a〜49a)を通ってノズル洗浄室51mに供給されることにより、ノズル53の外周を洗浄する。そして、ノズル洗浄を所望の時間行うと、制御装置85からの指令により電磁弁4は閉じる。
【0031】
次に、より簡単に本発明を理解できるよう、第1実施例よりも原理的な実施例である第2の実施例を図13に示す。図13はノズル装置50の側断面図である。なお、以降説明する実施例において、前述した実施例と同一の構造には同一の符号を付ける。
図において、ノズル装置50は操作用シリンダ51、洗浄ノズル53、復帰用ばね54から構成される。操作用シリンダ51は前後端が開口した内径が異なる樹脂製の異径管からなり、前半部が小径の前方シリンダ51Aを構成し、後半部が大径部の後方シリンダ51Bを構成している。
このため、操作シリンダ51の内周面前方シリンダ51Aと後方シリンダ51Bの接続部には、前記ピストン52の前進動を規制する段部51cが設けられる。また、後端には洗浄水流入口55aが設けられ、後方シリンダ51Bの前方側壁面には洗浄水流出口51hが設けられる。前方シリンダ51Aの略中間部側壁面にはばね受け51eを設け、それよりも先端側に洗浄水供給室(ノズル洗浄室51m)を形成し、該洗浄水供給室(ノズル洗浄室51m)内に洗浄水を供給するための洗浄水供給口51kを設ける。なお、洗浄水供給室(ノズル洗浄室51m)内に突出するようキャップ状のダイヤフラム61を配置する。このダイヤフラム61には供給口51kよりも小径な小穴61aが設けられる。
洗浄ノズル53には、洗浄水供給口53k(53l)を側周面に、噴出口53h(53j)をノズル先端に設け、この噴出口53h(53j)と洗浄水供給口53k(53l)とを連絡する洗浄水流路53f(53g)を設ける。
【0032】
次に第2実施例の動作を説明する。洗浄水供給用電磁弁(図示無)を開放し、洗浄水供給口55aからシリンダ51内に洗浄水を供給すると洗浄ノズル後端に形成した受圧面53Aが水圧を受け、ノズル53が前方に進出する。ノズル53の53Aが段部51cに当接すると同時に洗浄水流出口51hが開放し、洗浄水が流量調整弁70Aを介して洗浄水供給口51kに供給される。この時、ダイヤフラム61は水圧を受け、ノズル53に押し付けられる。従って、洗浄水供給口51kに供給された水は小穴61aを通ってノズル53に設けた洗浄水供給口53k(53l)内に供給され、噴出口53h(53j)から局部に向けて洗浄水が供給される。
【0033】
なお、本実施例は図14に説明する機構を組み合わせることでビデ洗浄を行うことが可能である。図14を用いて第2実施例の変形例を説明する。なお、ノズルの進出機構は図13に示すものと同様なので本変形例では説明しない。(図は簡略化する。)
シリンダ51の前傾角度を調整する調整手段として、垂直シリンダ96と、該垂直シリンダ96内に水を供給する供給用電磁弁(図示無)と、垂直シリンダ96内を上下に移動可能な角度変更用ピストン97とで構成する。シリンダ51の前側下部にはヒンジ機構51yにより回動自在に装置1に支持される。シリンダ後側下部には長孔51xを有する連結部を形成し、この長孔51xを前記角度変更用ピストン97の先端に設けた擺動軸に擺動自在に連結する。
【0034】
この構成により、ビデ洗浄時には、垂直シリンダ96に供給用電磁弁により水を供給することでピストン97を上方に押し上げシリンダ51を起立姿勢(図14(b)の位置)とすることができる。
なお、ビデ洗浄も流量調整も不要な場合には、図15に示す変形が可能である。(第3の実施例)本実施例はシリンダ51内部前方下部に傾斜面51yを形成し、ノズル53後方側面に排出孔53tを設け、この排出孔53tを開閉する開閉弁53vを設けたものである。従って、ノズル53が進出しきらない状態では排出孔53tからも洗浄水が排出されるため、噴出口53h(53j)からの放出は微量しか行われない。即ちお尻まで届かない。ノズル53が進出する直前から傾斜面51yにより排出孔53tが弁53vにより閉じられ、洗浄水はすべて噴出口53h(53j)から放出されるので、お尻に届くようになる。このようにして、ノズル53が進出しながら噴出口53h(53j)から洗浄水が放出され、背中等を濡らすと言ういわゆる尻なで現象を防ぐことが可能となる。
【0035】
次に第4の実施例を図16〜図41を用いて説明する。
図16は本発明の局部洗浄装置1の外観斜視図である。図において、局部洗浄装置1は、内部にノズル装置等の機器を収納する装置本体10、便座11、便蓋12からなり、装置本体10には給水導管13、給湯導管14が接続される。また装置本体10側方には前方に張り出す操作部20を設ける。
【0036】
図17は内部機器の収納状態を示すために装置本体10の上ケース10aを取り除いた状態での斜視図、図18は図17から操作部及びコントローラを取り外した状態での斜視図、図19は図17からケースプレートを消去した状態での底側から見た斜視図、図20は図19とは別角度から見たケースプレートを消去した状態での部分斜視図、図21は図18からミキシングユニット及びバルブユニットを取り外した状態での斜視図である。
図において、下ケース10bには、使用者により操作され洗浄水の供給停止を指示するための洗浄開始スイッチ21a及び洗浄停止スイッチ22aを備えた操作スイッチ基板23、使用者により操作されおしり/ビデの選択及び洗浄水の流量を調整する流路切換兼流量調整摘み25、給水導管13及び給湯導管14から供給される水と湯を混合し適温にするミキシングバルブユニット30、ノズル装置へ洗浄水を供給するための洗浄水供給用バルブユニット40、ミキシングバルブユニット30により混合される混合湯温を安定させるための捨湯用バルブユニット45、使用者へ洗浄水を供給するノズル装置50、使用者への洗浄水量を調整する流量調整弁70、局部洗浄装置1の電源である乾電池80、局部洗浄装置1を制御するコントローラ85、便座への使用者の体重でオンする着座スイッチ90を直接若しくは間接的に固定する。なお着座スイッチ90の機構は特開平11−155768号公報に詳述しているものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
【0037】
ミキシングバルブユニット30は、下ケース10bに取付けられる外郭を形成するミキシングバルブ本体31と、本体31内に縦方向に収納される弁機能部32とで構成する。なお、弁機能部32はカートリッジ式なので、ゴミ噛みや作動不良等の故障時には弁機能部32を本体31から取り出してメンテすれば良い。本体31には水導入口31a、湯導入口31bを形成し、夫々水用取付エルボ33、湯用取付エルボ34に袋ナットで連結する。また、水用取付エルボ33、湯用取付エルボ34の他端は、夫々給水導管13及び給湯導管14に接続する。本体31には弁機能部32により混合された湯を出湯する供給用出湯口31c、捨湯用出湯口31dを形成し、夫々の出湯口内に洗浄水供給用バルブユニット40及び捨湯用バルブユニット45の一端を夫々嵌挿連結する。
【0038】
洗浄水供給用バルブユニット40は、所定圧以上の供給圧の際に動作して減圧し電磁弁42の動作を確実にするための減圧弁41、ノズル装置50への洗浄水供給を制御する洗浄用電磁弁42、洗浄水供給停止時に配管内を空気に置換し逆流を防止するための供給用バキュームブレーカー43にて構成する。なお、ノズル装置50の洗浄水供給口55aよりも高い位置にバキュームブレーカー43を配置するため、電磁弁42の2次側とバキュームブレーカー43とを連絡する連絡管40aを長く形成する。このように洗浄水供給口55aよりも高い位置にバキュームブレーカー43を配置することでノズル装置50内へ早急且つ確実に空気を導入することができ、洗浄ノズル53の復帰動作を速やかに行うことが可能となる。なお、バキュームブレーカー43の空気取入口43aはチューブ43bにより下ケース10bに形成される排出用トイ10cに連絡され、バキュームブレーカー43よりオーバーフローする水を便器内へ排出する。
【0039】
捨湯用バルブユニット45は、便器へ直接排出するための湯を制御する捨湯用電磁弁46、捨湯停止時に配管内を空気に置換し逆流を防止する捨湯用バキュームブレーカー47、捨湯をノズル装置50側へ供給する供給口48aと便器内へ直接排出する排出口48bとに分岐する分岐管48にて構成する。なお、バキュームブレーカー47の空気取入口47aはチューブ47bにより下ケース10bに形成される排出孔10dに連絡され、バキュームブレーカー47よりオーバーフローする水を便器内へ排出する。またバキュームブレーカー47と分岐管48とをチューブ47cとで連結し、供給口48aとノズル装置50とをチューブ49a、排出口48bと下ケースに固定される排出エルボ10eとをチューブ49bにて連結する。
【0040】
図22は本発明のノズル装置50の外観斜視図、図23はノズル装置50の分解斜視図、図24は操作用シリンダ51の斜視図、図25は操作用シリンダ51の断面図、図26は操作用シリンダ51の側面図、図27はピストン52の斜視図、図28は洗浄ノズル53の分解斜視図、図29はノズル本体53aの斜視図である。
ノズル装置50は、操作用シリンダ51と、この操作用シリンダ51内に進退自在に嵌挿され、洗浄水の水圧によって作動されるピストン52と、おしり洗浄時におしり位置に移動し、ビデ洗浄時にはビデ洗浄位置に移動する洗浄ノズル53、洗浄ノズル53を元の位置に復帰するための復帰ばね54、操作用シリンダ51後端に取付けられシリンダを形成するシリンダ閉塞用蓋55を備え、前記バキュームブレーカー43、分岐管48及び切換弁兼流量調整弁70に接続されている。
なお、この切換弁兼流量調整弁70の内部には、回転することで流路の切換えと流量調整を行う筒状の弁体75を、その回転軸が操作用シリンダ51に対して平行となる方向に設けて、切換弁兼流量調整弁70をコンパクトに形成している。その詳細構造については、図33〜図35に基づき後述する。
【0041】
前記操作用シリンダ51は、前後端が開口した内径が異なる樹脂製の異径管からなり、前半部が小径の前方シリンダ51Aを構成し、後半部が大径部の後方シリンダ51Bを構成している。このため、操作シリンダ51の内周面前方シリンダ51Aと後方シリンダ51Bの接続部には、前記ピストン52の前進動を規制する段部51cが設けられている。また、前方シリンダ51Aの中間部には更に小径部51dが形成されており、この小径部51dの後端面が前記洗浄ノズル53の前進動を制限する係止部として機能し、前端側にばね受部51eが一体に設けられている。このばね受部51eは、前記復帰用ばね54の前端を受け止めると共に、前記洗浄ノズル53を摺動自在に支持し案内するもので、内径が前記小径部51dより小さく、前記洗浄ノズル53の外径より大きい突起51f、51gを左右対称に形成する。突起51fは洗浄ノズル53の側面を、突起51gは洗浄ノズル53の上下面を支えるために設けており、接触面積を減らし摺動抵抗を小さくすることで洗浄ノズル53伸出に必要な力を小さくすることができる。
【0042】
シリンダ閉塞用蓋55の上方には洗浄水供給口55aを形成し、前記洗浄水供給用チューブ44が接続される。
【0043】
また、後方シリンダ51Bの左側面に洗浄水流出口51h、前方シリンダ51Aの小径部51dより後方左側面にビデ進出用流入口51i及びビデ洗浄水流出口51j、前方シリンダ51Aの小径部51dより前方のノズル洗浄室51m左側面には洗浄水流入口51kが設けられる。なお、洗浄水流入口51k内にシールパッキン60のダイヤフラム61を突出させ、水圧がかかっている時のみ洗浄ノズル53と水密状態で接するようにしている。即ち、ダイヤフラム61に圧がかかるよりも前にノズル53の進出が完了しているので、洗浄ノズル53進出時にこのダイヤフラム61部分が抵抗となることが無く、洗浄水供給時には効果がある。
【0044】
さらに前記操作用シリンダ51のノズル洗浄室51m上面には、ノズル洗浄導管56を嵌挿するための嵌挿部51lを形成する。また、操作用シリンダ51の外周面左側方には、前記洗浄水流出口51h、ビデ進出用流入口51i、ビデ洗浄水流出口51j、洗浄水流入口51kを取り囲むようにパッキン収納壁51nを形成する。収納壁51nで囲まれた側壁内は平面形状に形成し、洗浄水流出口51h及びビデ進出用流入口51iを形成する外側壁面は同一平面51pとし、ビデ洗浄水流出口51j及び洗浄水流入口51kを形成する外側壁面は前記平面51pよりも低い同一平面51qとする。平面51qのビデ洗浄水流出口51jと洗浄水流入口51kとの間には連通路51rを形成する。また、連通路51r内にはパッキン変形防止用突起51sを設ける。パッキン収納壁51n内を平面状としたのはシールパッキン60の形状を簡単にすると共にシールパッキン60を挟み込む面圧を略等しくしてシール性を向上させるためであり、平面51pと平面51qとで段差を設けたのは前方シリンダ51Aと後方シリンダ51Bの径差のために生じるシリンダ肉厚を略等しくするためである。操作用シリンダ51の下部には下方延出部51tを形成し、延出部51tにはノズル装置取付板57との連結孔51u、51vを設ける。
【0045】
ピストン52は合成樹脂製で、円板上の受圧板52Aと、この受圧板52Aの受圧面(背面)側に一体に突設された6枚の羽52dにより構成する円筒部52Bとを備え、受圧板52Aの中央前面には洗浄ノズル53の後端部と当接する当接凹部52cが略円錐状に設けられる。円筒部52Bはピストン52が後方シリンダ51B内を安定動作するために設けられる。
【0046】
洗浄ノズル53は、剛性樹脂によって前記ばね受部51eの内径よりわずかに小さい外径を有する細長い筒状に形成され、筒状のノズル本体53a、ノズル本体53aの後端開口に圧入し開口を閉塞する後端閉塞体53b、ノズル本体53aとノズルヘッド53cとを連結するための連結体53d、ノズルヘッド53cに取付けられるビデ噴出口形成体53eにて構成する。
洗浄ノズル53は内部におしり洗浄用通路53fとビデ洗浄用通路53gが形成されている。(ノズル本体53aの通路53f1、連結体53dの53f2、ノズルヘッド53cのおしり用通路(図示無)で53f、ノズル本体53aの通路53g1、連結体53dの53g2、ノズルヘッド53cのビデ用通路(図示無)で53gを形成)おしり洗浄用通路53fの前方開口部は、ノズル53の前端側上面に開口することによりおしり噴出口53hを形成している。ビデ洗浄用通路53gの前方開口部には、ビデ噴出口53jを形成したビデ噴出口形成体53eを取付け、ビデ噴出口53jを形成する。なお、ノズル53左側面にはピストン52が最大ストローク前進してノズル53をお尻洗浄位置に停止した時前記洗浄水流入口51kと一致し連通する位置に形成されるお尻洗浄水連絡口53kと、ノズル53が最大ストローク前進してノズル53をビデ洗浄位置に停止した時前記洗浄水流入口51kと一致し連通する位置に形成されるビデ洗浄水連絡口53lとを有する。また、前記ノズル53の外周面には、互いに平行な2つの平坦部53mが形成されており、この平坦部53mと前記ばね受部51eとの隙間(突起51f、51g間の隙間)が水抜き用の隙間を形成する。
【0047】
前記後端閉塞体53bには、受圧板を形成するフランジ53nとピン53pが夫々一体に突設されている。フランジ53nは、前記ノズル53の後端面中央に一体に突設され、前記ピストン52の当接凹部52cに当接し、ピストン52とノズル53を離間させている。これは、ビデ洗浄時にビデ進出用流入口51iから前方シリンダ51A内に流入する洗浄水の圧力をフランジ53nの受圧面(背面)側に供給するためである。
【0048】
前記ノズル53を復帰方向に付勢する前記復帰用ばね54は圧縮コイルばねからなり、前記ばね受部51eとフランジ53nとの間に弾装されている。
【0049】
図30は本発明のシールパッキン60の(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図、(d)は(a)の中央横断面図であり、図31はシールパッキン60の斜視図である。シールパッキン60はパッキン収納壁51nで囲まれる形状と略同一形状に形成し、ダイヤフラム61、方向転換用開口62、流量調整出口63、ビデ洗浄水流出口64、ビデ進出用流入口65、洗浄水流出口66を形成する。ダイヤフラム61は断面略コ字状に突出形成し、先端には洗浄水流入口61aを、流入口61aと同心円状に環状シール部61bを、更にその外周に弾性変形部61cを、その背側に圧力室61dを設ける。圧力室61dと方向転換用開口62とを連絡する連絡流路62aを、方向転換用開口62と流量調整出口63とを連絡する連絡流路62bとを表裏に形成する。出口63周囲にはリップ63aを、ビデ洗浄水流出口64にはリップ64aを、ビデ進出用流入口65にはリップ65aを夫々形成する。また、ビデ洗浄水流出口64とビデ進出用流入口65の間にはバイパス路67を設ける。なお、各開口周囲にはシール部60a、60b、60c、60eを設け、ノズル装置50若しくは切換弁兼流量調整弁70の側壁面とで挟圧し各開口間及びシールパッキン60周囲を水密に維持する。
【0050】
図32は本発明の切換弁兼流量調整弁70の外観斜視図、図33は切換弁兼流量調整弁70の分解斜視図、図34は切換弁兼流量調整弁70の概略断面図、図35は(a)切換弁兼流量調整弁70の側面図、(b)弁体75のお尻洗浄時に外筒体71の各孔と整合する溝側からみた側面図、(c)弁体75のビデ洗浄時に外筒体71の各孔と整合する溝側からみた側面図である。
切換弁兼流量調整弁70は、外筒体71、弁体75、歯車ボックス76、駆動力伝達歯車77(動力歯車)とで構成する。外筒体71は中空の略円筒状に形成し、一端には弁体75を挿入する挿入開口72を設け、他端には弁体75を回動自在に支持する軸受け部73を設ける。また、外筒体71の右側面はノズル装置50のパッキン収納壁51nで囲まれる形状と略同一形状に形成し、操作用シリンダ51に設けた洗浄水流出口51h、ビデ進出用流入口51i、ビデ洗浄水流出口51j、洗浄水流入口51kを夫々整合する洗浄水流入孔71a、ビデ進出用流出孔71b、ビデ洗浄水流入孔71c、洗浄水流出孔71dを設ける。また、ビデ進出用流出孔71bとビデ洗浄水流入孔71cとの間にはバイパス用流出口71e及びバイパス用流入口71f、左側前端には余剰水排出口71g、洗浄水流出孔71dより前方には方向転換室71hを設け、その方向転換室71h内にパッキン押え用突起71iを形成する。バイパス流出口71eとバイパス流入口71fとはシールパッキン60に形成されたバイパス通路67にて連結される。外筒体71の右側周面にはノズル装置50への取付部71jを5個所設ける。
【0051】
弁体75は略円筒状で終端に隔壁75hを有する前方弁部75A、後方弁部75Bの2部材よりなり、一半周面をお尻用、他半周面をビデ用として利用する。また、後方弁部75Bの終端に操作軸75iを形成し、、後方弁部75Bの側周壁には洗浄水流入孔71a、ビデ進出用流出孔71bに夫々整合する箇所に洗浄水流入溝75a、ビデ進出用流出溝75bを形成する。また、洗浄水流入溝75aよりも後方外周にYパッキン収納溝を形成し、弁体75を開口72から外筒体71内に挿入する際、Yパッキン75mを嵌め込むことにより、挿入開口72と弁体75とのシールを行う。
【0052】
前方弁部75Aの側周壁にはバイパス流出口71e、バイパス流入口71f、ビデ洗浄水流入孔71c、洗浄水流出孔71d、余剰水排出口71gに夫々整合する箇所にバイパス用流出溝75e、バイパス用流入溝75f、ビデ洗浄水流入溝75c、流量調整溝75d、余剰水排出溝75gを形成する。なお、バイパス用流出溝75eとバイパス用流入溝75f間には隔壁75hを設け弁体75内部での連通を遮断する。流量調整溝75dは略三角形状として流路抵抗が変化するよう形成する。また、余剰水排出溝75g及び流量調整溝75dはおしり用、ビデ用と全周を2分割して設ける。更に、前方弁部の始端に回動軸75jを設けている。また、一端側外周のバイパス用流出溝75eとバイパス用流入溝75f間にYパッキン装着溝(図示なし)を形成しYパッキンを嵌め込むようにすれば、バイパス用流出溝75eとバイパス用流入溝75f間が弁内で連通しないようになる。ビデ進出用流出溝75b及びビデ洗浄水流入溝75cは弁体75の円周上の半周内に形成し、バイパス流出溝75e及びバイパス流入溝75fはビデ進出用流出溝75b及びビデ洗浄水流入溝75cとは半周ずらして設ける。
【0053】
歯車ボックス76には、操作軸75iを挿通する挿通孔76a、Yパッキン75mからの漏水を便器内に排出するための排出ガイド76b及び排出トイ76c、後述する操作力伝達ワイヤ27を挿通する挿通孔76d、操作力伝達ワイヤ27の曲がりを規制する規制ガイド76e、操作力伝達ワイヤ27の一端に固定される操作力伝達歯車26(伝達歯車)の回転を規制するストッパ76f、操作力伝達歯車26の特定位置を検出するマイクロスイッチ28を保持するための保持爪76gを設ける。
【0054】
図36は流路切換兼流量調整摘み25から切換弁兼流量調整弁70への動力伝達を説明するための斜視図、図37は流路切換兼流量調整摘み25の取付を説明するための斜視図、図38は操作部20の外観図を示す。
操作部20には洗浄開始スイッチ操作部21、洗浄停止スイッチ操作部22及び流路切換兼流量調整摘み25とが設けられ、洗浄開始スイッチ操作部21及び洗浄停止スイッチ操作部22は操作スイッチ基板23に設けられ、この操作スイッチ基板23はコントローラ85に電気的に接続し、流路切換兼流量調整摘み25は操作力伝達ワイヤ27によって機械的に操作力伝達歯車26に連結されている。この操作力伝達歯車26と駆動力伝達歯車77とが噛み合うことで流路切換兼流量調整摘み25の回転は操作軸75iに伝達され弁体75を回転操作することが可能となる。なお、この流路切換兼流量調整摘み25は、操作力伝達歯車26のおしり最大流量位置とビデ最大流量位置との間に相当する位置に設けた回転規制突起26aとストッパ76fとにより、おしり最大流量位置とビデ最大流量位置との間で回転規制されるので、おしり最大流量から突然ビデ最大流量に変更されることが無い。また、操作力伝達歯車26のおしり最小流量位置とビデ最小流量位置との間の止水位置を検出するために設けた突起26bでマイクロスイッチ28の杆28aを押し下げるよう構成する。
【0055】
コントローラ85は、制御基板を収納しポッティング処理するポッティング部85aとポッティング部85a側周面から前方に連続形成されるワイヤ固定部85bとからなり、ワイヤ固定部85bには操作力伝達ワイヤ27挿通用切欠85cを設け、操作力伝達ワイヤ27の曲がりを規制するために中央に挿通ガイド29aを有する規制部材29をワイヤ固定部85bに固定する。操作力伝達ワイヤ27の先端は断面D字形状としており、上ケース10aに設けた挿通孔(図示無)から操作力伝達ワイヤ27の先端の突出させ、その先端部に摘み25を嵌め込む。なお、ポッティング部85aの外輪壁の最低部にミシン目切込み85dを入れ、ポッティング処理後、この切込み部分85dを取り除くことで、ポッティング部85a内に侵入堆積する水をコントローラ85外に排出することができ、長期に亘るポッティング部分侵食による誤動作を確実に防止することができる。
【0056】
次に、このような構造からなる洗浄ノズル53による洗浄動作について説明する。
図39に非洗浄時のノズル装置50の状態を示すが、この状態において、洗浄ノズル53は復帰用ばね54によって初期位置に保持されることによりピストン52を後方シリンダ51B内面に押し付けている。この時、電磁弁42は閉じている。
使用者が用便後に装置本体1の袖部に設けられる流路切換兼流量調整摘み25がおしり位置(流量最大)にある状態(図34(a))で、洗浄開始スイッチ操作部21を操作すると、コントローラ85の指令により電磁弁42が開く、電磁弁42が開くと、洗浄水はチューブ44から洗浄水供給口55aを介して後方シリンダ51B内に供給され、その水圧でピストン52を押圧する。したがって、ピストン52とノズル53は復帰用ばね54に抗して一体的に前進し、ノズル53の前端部が操作用シリンダ51の前端開口51wから突出する。ピストン52は最大ストローク前進すると、受圧板52Aの周囲部が段部51cに当接して停止する。(図40に示す位置)ピストン52が前進して停止すると、後方シリンダ51B内に流入した洗浄水は洗浄水流出口51h→洗浄水流出口66→洗浄水流入孔71a→洗浄水流入溝75aを介して後方弁部75B内に流入し、バイパス流出溝75e→バイパス用流出口71e→バイパス通路67→バイパス用流入口71f→バイパス用流入溝75fを介して前方弁部75A内に流入し、流量調整溝75d→洗浄水流出孔71d→流量調整出口63→連絡流路62b→方向転換用開口62→連絡流路62aを介してダイヤフラム61の圧力室61dに至り、洗浄ノズル53の側面にダイヤフラム61が密着し、ダイヤフラム61先端に設けた洗浄水流入口61aからお尻洗浄水連絡口53k→おしり洗浄用通路53f→おしり噴出口53hに洗浄水が供給され、おしり噴出口53hから上方に向けて洗浄水を噴出しおしり洗浄を所望の時間行う。
【0057】
おしり洗浄後、洗浄停止スイッチ操作部22を操作すると、コントローラ85からの指令により電磁弁42が閉じ、電磁弁46が開く。電磁弁42が閉じると、洗浄ノズル53への洗浄水の供給が停止するため、洗浄水の水圧が低下する。従って、バキュームブレーカー43からシリンダ51内に空気が供給され、速やかに平坦部53mと前記ばね受部51eとの隙間(突起51f、51g間の隙間)及びチューブ47bからシリンダ51内の残水が排出され、洗浄ノズル53は復帰用ばね54の弾撥力によって後退して初期位置に復帰し、ピストン52を後部シリンダ51Bの内面に押し付ける。
一方、電磁弁46が開くと、洗浄水はチューブ49a、ノズル洗浄導管56を通ってノズル洗浄室51mに供給されることにより、ノズル53の外周を洗浄する。そして、ノズル洗浄を所望の時間行うと、制御装置50からの指令により電磁弁46は閉じる。
【0058】
使用者が流路切換兼流量調整摘み25をビデ位置にした状態で、洗浄開始スイッチ操作部21を操作すると、コントローラ85の指令により電磁弁42が開く。電磁弁42が開くと、洗浄水はチューブ44から洗浄水供給口55aを介して後方シリンダ51B内に供給され、その水圧でピストン52とノズル53を復帰用ばね54に抗して前進させる。このため、ノズル53は操作用シリンダ51の前端開口51wから突出する。ピストン52は最大ストローク前進すると受圧板52Aの周囲部が段部51cに当接して停止する。ピストン52が停止すると、ノズル53はピストン52によっては移動されなくなるが、後方シリンダ51B内に供給された洗浄水が洗浄水流出口51h→洗浄水流出口66→洗浄水流入孔71a→洗浄水流入溝75aを介して後方弁部75B内に流入し、ビデ進出用流出溝75b→ビデ進出用流出孔71b→ビデ進出用流出孔65→ビデ進出用流入口51iを介して前方シリンダ51A内に導かれその水圧でノズル53のフランジ53nを押圧するため図41に示すようにさらに伸張してビデ洗浄位置に移動し、この位置で係止部51eにフランジ53n周囲部が当接することにより停止する。このノズル53の移動により、ビデ洗浄水流出口51j→ビデ洗浄水流出口64→ビデ洗浄水流入孔71c→ビデ洗浄水流入溝75cを介して前方弁部75A内に流入し、流量調整溝75d→洗浄水流出孔71d→流量調整出口63→連絡流路62b→方向転換用開口62→連絡流路62aを介してダイヤフラム61の圧力室61dに至り、洗浄ノズル53の側面にダイヤフラム61が密着し、ダイヤフラム61先端に設けた洗浄水流入口61aからビデ洗浄水連絡口53l→ビデ洗浄用通路53g→ビデ噴出口53jに洗浄水が供給され、ビデ噴出口53jから上方に向けて洗浄水を噴出しおしり洗浄を所望の時間行う。
【0059】
洗浄停止スイッチ操作部22を操作すると、おしり洗浄の際と同様にノズル53を洗浄後、初期状態に戻る。なお、流路切換兼流量調整摘み25がお尻/ビデの中間位置にある状態で洗浄スイッチ操作部21を操作しても、マイクロスイッチ28により止状態が検出されているので、洗浄は行われない。この状態で洗浄停止スイッチ操作部22を所定時間以上押し続けた場合には電磁弁42を開き、ノズル53の進出のみを行うことで、ノズル53の拭き掃除を行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の水路構成を示すブロック図
【図2】本発明のノズル装置50の外観斜視図
【図3】操作用シリンダ51の分解斜視図
【図4】洗浄ノズル53の分解斜視図
【図5】洗浄ノズル53の収納時断面図
【図6】本発明の切換弁兼流量調整弁70の外観斜視図
【図7】弁体75の分解斜視図
【図8】切換弁兼用流量調整弁70の断面図で(a)はおしり洗浄時の断面図、(b)はビデ洗浄時の断面図
【図9】おしり洗浄時の弁体75に設けた各溝の相対位置関係を示す断面図
【図10】操作部20の外観図
【図11】おしり洗浄時の様子を示す洗浄ノズル53の断面図
【図12】ビデ洗浄時の様子を示す洗浄ノズル53の断面図
【図13】本発明の第2の実施例におけるノズル装置50の断面図
【図14】本発明の第2の実施例の変形例におけるノズル装置50の断面図
【図15】本発明の第3の実施例におけるノズル装置50の断面図
【図16】本発明の第4の実施例の局部洗浄装置1の右袖タイプの外観斜視図である。
【図17】本発明の第4の実施例の内部機器の収納状態を示すために装置本体10の上ケース10aを取り除いた状態での斜視図
【図18】図17から操作部及びコントローラを取り外した状態での斜視
【図19】図17からケースプレートを消去した状態での底側から見た斜視図
【図20】図19とは別角度から見たケースプレートを消去した状態での部分斜視図
【図21】図18からミキシングユニット及びバルブユニットを取り外した状態での斜視図
【図22】本発明の第4の実施例のノズル装置50の外観斜視図
【図23】本発明の第4の実施例のノズル装置50の分解斜視図
【図24】本発明の第4の実施例の操作用シリンダ51の斜視図
【図25】本発明の第4の実施例の操作用シリンダ51の断面図
【図26】本発明の第4の実施例の操作用シリンダ51の側面図
【図27】本発明の第4の実施例のピストン52の斜視図
【図28】本発明の第4の実施例の洗浄ノズル53の分解斜視図
【図29】本発明の第4の実施例のノズル本体53aの斜視図
【図30】本発明の第4の実施例のシールパッキン60の図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は(a)の中央横断面図
【図31】本発明の第4の実施例のシールパッキン60の斜視図
【図32】本発明の第4の実施例の切換弁兼流量調整弁70の外観斜視図
【図33】本発明の第4の実施例の切換弁兼流量調整弁70の分解斜視図
【図34】本発明の第4の実施例の切換弁兼流量調整弁70の概略断面図で、(a)はお尻洗浄時(流量最大)の概略断面図、(b)はビデ洗浄時の概略断面図
【図35】本発明の第4の実施例の(a)切換弁兼流量調整弁70の側面図、(b)弁体75のお尻洗浄時に外筒体71の各孔と整合する溝側からみた側面図、(c)弁体75のビデ洗浄時に外筒体71の各孔と整合する溝側からみた側面図
【図36】本発明の第4の実施例の流路切換兼流量調整摘み25から切換弁兼流量調整弁70への動力伝達を説明するための斜視図
【図37】本発明の第4の実施例の流路切換兼流量調整摘み25の取付を説明するための斜視図
【図38】本発明の第4の実施例の操作部20の外観図
【図39】本発明の第4の実施例の非洗浄時のノズル装置50の状態を示す断面図
【図40】本発明の第4の実施例のおしり洗浄時のノズル装置50の状態を示す断面図
【図41】本発明の第4の実施例のビデ洗浄時のノズル装置50の状態を示す断面図
【符号の説明】
【0061】
50…ノズル装置
51…シリンダ
51h…第1流出口
51i…第1流入口
51m…洗浄水供給室
53…ノズル
53h…洗浄水噴出口
53j…洗浄水噴出口
53k…洗浄水連絡口
53l…洗浄水連絡口
60…シールパッキン
61…ダイヤフラム部
70…流量調整弁
71…外筒体
71a…洗浄水流入孔
71d…洗浄水流出孔
75…筒状弁体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に洗浄水噴出口を形成したノズルと、該ノズルを進退自在に支持するシリンダを有するノズル装置と、
洗浄水供給源に連絡される洗浄水流入孔及び流量調整された洗浄水を前記洗浄水噴出口に供給する洗浄水流出孔を有する流量調整弁とを備え、
前記洗浄水流入孔は前記ノズルの進出時に開放するよう構成したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項2】
請求項1記載の局部洗浄装置において、前記シリンダは上流側端部に第1流入口、該第1流入口より下流側に第1流出口を有し、前記第1流入口から供給される水により前記ノズルを進出させると共に、該第1流出口と前記洗浄水流入孔とを連結したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項3】
請求項2記載の局部洗浄装置において、前記シリンダには第1流出口よりも上流側に洗浄水供給室を設け、更に前記ノズルの後端部に洗浄水連絡口を設け、前記ノズルの進出時に前記洗浄水連絡口と洗浄水流出孔とを前記洗浄水供給室において連結させたことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項4】
請求項3記載の局部洗浄装置において、前記流量調整弁をシリンダに一体化したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項5】
請求項4記載の局部洗浄装置において、前記流量調整弁を外筒体と筒状弁体とで構成し、前記筒状弁体の回転軸を前記シリンダに平行に設けたことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項6】
請求項5記載の局部洗浄装置において、前記第1流出口と前記洗浄水流入孔との間のシール及び前記洗浄水供給室と前記洗浄水流出孔とのシールとを一体のシールパッキンにより構成し、該シールパッキンを介して前記流量調整弁を前記シリンダに一体化したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項7】
請求項6記載の局部洗浄装置において、前記シールパッキンには前記洗浄水供給室内に突出するダイヤフラム部を設け、該ダイヤフラム部により前記洗浄水流出孔と前記洗浄水連絡口とをダイヤフラム部に水圧がかかった時のみシールするよう構成したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項1】
先端に洗浄水噴出口を形成したノズルと、該ノズルを進退自在に支持するシリンダを有するノズル装置と、
洗浄水供給源に連絡される洗浄水流入孔及び流量調整された洗浄水を前記洗浄水噴出口に供給する洗浄水流出孔を有する流量調整弁とを備え、
前記洗浄水流入孔は前記ノズルの進出時に開放するよう構成したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項2】
請求項1記載の局部洗浄装置において、前記シリンダは上流側端部に第1流入口、該第1流入口より下流側に第1流出口を有し、前記第1流入口から供給される水により前記ノズルを進出させると共に、該第1流出口と前記洗浄水流入孔とを連結したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項3】
請求項2記載の局部洗浄装置において、前記シリンダには第1流出口よりも上流側に洗浄水供給室を設け、更に前記ノズルの後端部に洗浄水連絡口を設け、前記ノズルの進出時に前記洗浄水連絡口と洗浄水流出孔とを前記洗浄水供給室において連結させたことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項4】
請求項3記載の局部洗浄装置において、前記流量調整弁をシリンダに一体化したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項5】
請求項4記載の局部洗浄装置において、前記流量調整弁を外筒体と筒状弁体とで構成し、前記筒状弁体の回転軸を前記シリンダに平行に設けたことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項6】
請求項5記載の局部洗浄装置において、前記第1流出口と前記洗浄水流入孔との間のシール及び前記洗浄水供給室と前記洗浄水流出孔とのシールとを一体のシールパッキンにより構成し、該シールパッキンを介して前記流量調整弁を前記シリンダに一体化したことを特徴とする局部洗浄装置。
【請求項7】
請求項6記載の局部洗浄装置において、前記シールパッキンには前記洗浄水供給室内に突出するダイヤフラム部を設け、該ダイヤフラム部により前記洗浄水流出孔と前記洗浄水連絡口とをダイヤフラム部に水圧がかかった時のみシールするよう構成したことを特徴とする局部洗浄装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2007−23768(P2007−23768A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295229(P2006−295229)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【分割の表示】特願2000−32520(P2000−32520)の分割
【原出願日】平成12年2月9日(2000.2.9)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【出願人】(301068491)TOTOウォシュレットテクノ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【分割の表示】特願2000−32520(P2000−32520)の分割
【原出願日】平成12年2月9日(2000.2.9)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【出願人】(301068491)TOTOウォシュレットテクノ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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