履物ソール
【課題】長寿命で製造コストが比較的廉価な、信頼性及び調節性の高いソールを提供することを課題とする。
【解決手段】履物用のソールは、各支持チューブの支持特性を制御するように構成された内部ウェブを含む複数の支持チューブを持ったインサートを有し、複数の第1の支持チューブ及び複数の第2の支持チューブはそれぞれ、ソールの踵領域の内側及び外側に位置する。インサートはソールのアーチ領域内に延びてこの領域を支持するアーチ部を有し、アーチ部はゲートルストラップを嵌入するスロットを画定する。インサートはソールの内側に沿ってアーチから前方に延びる前部延出部をさらに有し、ソールは支持チューブが比較的弾性の材料で支持されるようにインサートの踵領域の下に配置されるヒールウェッジを有する。インサートは内側支持チューブと外側支持チューブとを相互接続させるストラットを有する。
【解決手段】履物用のソールは、各支持チューブの支持特性を制御するように構成された内部ウェブを含む複数の支持チューブを持ったインサートを有し、複数の第1の支持チューブ及び複数の第2の支持チューブはそれぞれ、ソールの踵領域の内側及び外側に位置する。インサートはソールのアーチ領域内に延びてこの領域を支持するアーチ部を有し、アーチ部はゲートルストラップを嵌入するスロットを画定する。インサートはソールの内側に沿ってアーチから前方に延びる前部延出部をさらに有し、ソールは支持チューブが比較的弾性の材料で支持されるようにインサートの踵領域の下に配置されるヒールウェッジを有する。インサートは内側支持チューブと外側支持チューブとを相互接続させるストラットを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は履物に関し、より詳細には、履物のソール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
より快適性のある履物を提供するための努力が続けられている。ランニングシューズ、及び他の履物は、過去20年間にわたって技術の著しい進歩を遂げている。技術的な進歩の多くはミッドソールに見られる。ほとんどの履物では、ミッドソールはソールの「懸架システム」として機能し、これにより、多くの場合、着用者の足に対し保護緩衝及び安定したプラットフォームの双方が与えられる。ミッドソールの特性の変化により、靴の性能に劇的な影響を与えることができる。高性能を提供するためには、領域ごとのソールの支持特性を変えることが望ましい場合が多い。例えば、踵では密度の高い材料を用い、前部では低い密度の材料を用いることが望ましいであろう。踵では材料の密度が高いことにより、踵が着地したとき(踵接地時)の支持が増し、通常は踵にかかるよりも小さい負荷がかかる前部では、材料密度が低いことにより、適した緩衝及び支持がもたらされる。足に可変支持を与える広範なソールが開発されてきている。用途によっては、可変支持は、前部には軟質のEVA発泡体、踵には硬質のEVA発泡体といったように、ミッドソールの各種領域を種々の材料から形成することによって与えられる。他の用途において、ソールには、所望の全体の支持プロファイルをソールに与えるように構成されることができる支持プレートが設けられている。従来の一様なソール構造に比して顕著な改善が見られているが、製造が廉価であるとともに広範に調整可能な調節性の高いソール構成が依然として必要とされている。
【0003】
同時に、履物ソールの寿命を延ばす努力も続けられている。従来の履物では、ミッドソール(及び他のソール部品)は、比較的短時間でその性能が失われ始めるであろう。ソール材料の劣化により、踵等のように、特に強い衝撃が繰り返される領域では、経時につれてソールの弾性が失われる可能性がある。劣化の割合はソールごとに様々であろうが、主として、ソール材料の固有の特性及びソールにかかる負荷のタイプに応じて決まる。例えば、EVA等の従来の独立気泡体及び連続気泡体は、比較的短い使用期間で材料が自然に破損するため、寿命が比較的短い。従来の発泡材料はまた、温度変化の影響を受け易いため、発泡体の弾性が著しく変わるおそれがある。例えば、ソールは、低温で著しく硬質になるとともに高温で著しく柔軟になるであろう。結果として、温度は、従来の発泡材料から製造されるソールの支持特性に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、寿命が長く、製造が比較的廉価な、信頼性及び調節性の高いソールが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題は、本発明により、所望の支持プロファイルを与えるように調節される複数の支持チューブを備えたインサートを有するソールを提供することで克服される。各支持チューブは、所望の支持特性を与えるように選択された向きを有する内部ウェブを含み得る。支持チューブごとに内部ウェブの向きを変えることにより、ソールの支持プロファイル全体を制御することができる。
【0006】
一実施態様では、支持層は、アウトソールとミッドソールとの間に配置される。所望であれば、ソールは、踵領域においてアウトソールとインサートとの間に配置されるヒールウェッジを有してもよい。ヒールウェッジは、ミッドソールの材料よりも堅い材料から製造され得る。結果として、ヒールウェッジは、ソールの踵領域にさらなる支持を与え得る。
【0007】
別の実施態様では、インサートは、ソールの内側(すなわちインナー)に複数の支持チューブを有するとともにソールの外側(すなわちアウター)に複数の支持チューブを有し得る。内部ウェブは、ソールの内側に沿ってより鉛直な向きとなるように配置されて、ソールの内側の鉛直方向の支持を高めることができる。所望であれば、ウェブの向きをチューブごとに変えてもよい。例えば、複数のウェブを前方から後方に向かって徐々に鉛直方向に向けることにより、踵の後側へかけて徐々に鉛直方向の支持を高めるようにしてもよい。内側の支持チューブは、ストラットによって外側の支持チューブに接続され得る。ストラットは、踵を固有に中心付けることができるように窪んでいてもよい。
【0008】
さらに別の実施態様では、支持チューブは、インサートの踵領域の少なくとも一部分に位置し、インサートは、ソールのアーチ(arch:土踏まず部)領域内に延在するアーチ部を有する。インサートのアーチ部は、ゲートルストラップ(gaiter strap)を嵌入する構造を設けるように互いに離間した2つの層を有し得る。下方の層は、ゲートルストラップを着地に起因する損傷から保護するのに役立つ。所望であれば、インサートは、ソールの前部領域の少なくとも一部に延びる前部延出部をさらに有し得る。前部延出部を、前部領域の内側のみに沿って延出させることで、内側により高い剛性を有するソールを提供することができる。前部延出部は、所望に応じて、前部の異なる領域に延出してもよく、又は前部領域全体を覆ってもよい。
【0009】
本発明は、所望の支持プロファイルを与えるように容易に調節することができる特有の履物ソールを提供する。インサートは、TPU、又は、従来の発泡材料ほど急速には劣化せずにミッドソールの緩衝寿命を延ばす他の比較的耐久性のある材料から製造されることができる。支持プロファイルは、ソールの内側及び外側間で異ならせてもよい。例えば、ソールの内側の支持チューブは、靴の後側にいくほど徐々に鉛直方向の剛性が高まるように調節することができ、それにより、オーバープロネーションの問題に対処し得る。インサートは製造が比較的廉価であり、その支持特性は、特に、支持チューブ及びウェブの性質及び向きを制御することによって容易に調整することができる。インサートは、ヒールウェッジと組み合わされることで、その支持プロファイルの制御をさらに高めることができる。インサートのアーチ部を調節して、ソールのアーチ領域の支持プロファイルを制御することができる。ゲートルスロットがアーチ部に組み込まれることで、ゲートルストラップを尚早な摩耗から保護することができる。ソールの前部領域の支持プロファイルは、前部延出部の使用により制御することができる。ストラットを設ければ、踵の着地の際に足を中心付けるようにするのに役立つ。
【0010】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特徴は、好適な実施形態の詳細な説明及び図面を参照することにより容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態に従って製造される履物ソール10が図1に示されている。履物ソール10は概して、アウトソール12と、ヒールウェッジ14と、インサート16と、ミッドソール18とを有する。ソール10は、図2に示す靴200等の履物に組み込むことができる。靴200は、ソール10に固着されるアッパー202を有し得る。靴200はまた、ソール10の頂部のアッパー202に取り外し可能に嵌め込まれるフットベッド(図示せず)も有し得る。インサート16は、ソール10の支持プロファイルを制御するように構成される内部ウェブ48a〜jを有する支持チューブ46a〜jを有し得る。本発明は、従来の標準の高さのランニングシューズ又はトレイルランニングシューズ200に関して説明するが、このタイプの靴での使用に限定されない。本発明は、ほぼいかなるタイプのソールでの使用にも十分に適し、また、ほぼいかなるタイプの履物にも組み込むことができる。履物ソール10は、例えばセメント固着、スティッチ縫合、ウェルト付け、及び直接取付の構成など、その他各種の取付構成を用いて、アッパーに固着されることが意図される。履物ソール10は、所望に応じて、シャンク又は他の従来のソール部品も有することができる。
【0012】
本発明の開示を容易にするために、踵領域、アーチ領域、及び前部領域等の足の様々な一般的な領域の参照を行う。これらの用語は、各種ソール部品の位置について言及するのに用いる際、足の対応部分よりも概ね下(必ずしも真下ではない)に位置するソールの領域を含むものと解釈されるべきである。概ねの参照のために、踵領域は、仮想線A1(図2を参照)の後ろ(ソール10の踵の後部側)の領域として概ね画定され、アーチ領域は、仮想線A1及びA2間の領域として概ね画定され、前部領域は、仮想線A2の前(ソール10のつま先側)の領域として概ね画定される。しかしながら、踵領域と、アーチ領域と、前部領域との境界は厳密ではなく、これらの用語はおおまかに解釈されるべきであり、大いに融通性があるものと理解されたい。
【0013】
記載の実施形態では、アウトソール12はほぼ従来型であり、ソール10の主要な着用面を画定する。アウトソール12は、ほぼ従来のように、ソール10の底面に固着され、耐久性がある滑り止め着用面(図2を参照)を提供するようになっている。アウトソール12のデザイン構造及び構成は、用途ごとに様々であり得る。しかしながら、例示の実施形態では、アウトソール12は、主体部20及び踵部22を有する2部構成のアウトソールである(図1及び図12を参照)。この実施形態の主体部20は、ヒールウェッジ14、インサート16、及びミッドソール18の部分にわたって延びている。主体部20は、一般的な従来の技術及び装置を用いて各種ソール部品14、16、及び18の下部に、セメント固着又はその他の方法により固定される。踵部22は、踵の後ろに位置し、一般的な従来の技術及び装置を用いてヒールウェッジ14の下面にセメント固着される。主体部20と踵部22が分離されていることにより、アウトソール12は踵に或る程度の関節性を有する。各部20及び22の下面は、複数のラグ又は他のトラクション要素を有し、これらは、参照符号24で図12に概略的に示されている。トラクション要素24のデザイン構造及び構成は、所望に応じて用途ごとに様々であり得る。アウトソール12は、天然及び合成のゴム、レザー、PVC、EVA、及びポリウレタン等の様々な種類の従来のソール材料から製造され得る。
【0014】
上述のように、ソール10は、踵領域でアウトソール12の上に配置されるヒールウェッジ14を有する(図1及び図2を参照)。ヒールウェッジ14は、より詳細に以下に説明するように、インサート16に対し、弾力のある圧縮性プラットフォームを提供する。ここで図9を参照すると、ヒールウェッジ14は、インサート16の底面30の形状と相補をなすような外郭をした上面26と、アウトソール12の上面34の形状と相補をなすような外郭をした下面32とを有するほぼ楔形状に形成されている。より具体的には、例示の実施形態における上面26は、支持チューブ46a〜jに対応する形状を有する複数のチューブ凹部36を有する。組み立てられたソール10において、チューブ凹部36には支持チューブ46a〜jがぴったりと嵌入される。ヒールウェッジ14は、EVA及びポリウレタン等の様々なソール材料から製造され得る。例示の実施形態では、ヒールウェッジ14には、アウトソール12の踵領域の切り欠かれた箇所に対応して位置合わせされる中央開口80が画成されている。特に、開口80は、ミッドソール18及びインサート16の一部を見えるようにする。おそらく図11に最もよく示されるように、ヒールウェッジ14は下面88に、アウトソール12の各部を配置するためのガイドとなる小さなリッジ86の構成を有し得る。例示の実施形態では、ヒールウェッジ14は、ソール10の踵領域のみに延在し、ほぼ楔形状を有している。ヒールウェッジ14は、ソールの別の領域に延在していてもよく、例えば、アーチ領域に延在するか、又はソール全体と同一の広がりを有していてもよい。ヒールウェッジ14は、必ずしも楔形状である必要はなく、所望に応じて異なる厚さの構成をとってもよい。例示の実施形態では、ヒールウェッジ14は、アスカーC型(Asker C Scale)で約55〜60のデュロメータ値を有するEVA発泡体から製造される。しかしながら、ヒールウェッジ14の材料の種類及び密度は、用途ごとに異なっていてもよい。所望であれば、ヒールウェッジ14の密度は、ヒールウェッジ14内の領域ごとに異なっていてもよい。
【0015】
インサート16は、アウトソール12及びヒールウェッジ14の上に配置され、ソール10に調節性の高い支持プロファイルを与える(図1及び図2を参照)。ここで、図6、図8(a)及び図8(b)を参照すると、インサート16は一般に、踵部40、アーチ部42、及び前部延出部44を含む。踵部40は、その名が示唆するように、ソール10の踵領域の少なくとも一部に延在し、複数の支持チューブ46a〜jを含む。例示の実施形態では、支持チューブ46a〜jは、概ね側方の向きに延びている。インサート16は、踵領域の外側の周縁部に延びる複数の第1支持チューブ46a〜e(「外側支持チューブ」)、及び踵領域の内側の周縁部に延びる複数の第2支持チューブ46f〜j(「内側支持チューブ」)を含み得る。内側支持チューブ46f〜j及び外側支持チューブ46a〜eは、これら支持チューブ46a〜jがソール10の中央領域内には延在しないように離間し得る。支持チューブ46a〜jが中央領域にないことにより、着用者の足をソール10上で中心に位置させるのに役立つ比較的柔軟な中央部をもたらすことができる。このような別個の内側支持チューブ及び外側支持チューブの使用は厳密には必要とされず、用途によっては、支持チューブは、片側だけに位置していてもよく、又はソール10の全体にわたって延びていてもよい。例示の実施形態では、支持チューブ46a〜jは横断面がほぼ環状である。支持チューブ46a〜jは代替的に、楕円、正方形、矩形、及び三角形等の他の横断面形状(規則的及び不規則的の双方を含む)を有していてもよい。各支持チューブ46a〜jの特性は、種々の負荷に対する特定の対応を制御するように様々であり得る。例えば、支持チューブ46a〜jの数、形状、直径、長さ、及び肉厚は、ソール10の支持特性を調節するように様々であり得る。各支持チューブ46a〜jはまた、チューブ46a〜jの支持特性に影響を及ぼす内部ウェブ48a〜jを有し得る。例示の実施形態(支持チューブ46a〜jの横断面がほぼ環状である)では、ウェブ48a〜jは弦(chords)であり、より詳細には、支持チューブ46a〜jの直径に沿って延びている。しかしながら、各ウェブ48a〜jの特性は、支持特性への影響を制御するように様々であり得る。例えば、ウェブ48a〜jの数、向き、位置、長さ、及び厚みは様々とすることができる。例示の実施形態では、外側支持チューブ46a〜eはそれぞれ、インサート16の全体の広がりに従って概ね水平方向に延びるウェブ48a〜eを有する。したがって、ウェブ48a〜eは、外側支持チューブ46a〜eの鉛直方向の剛性にはほとんど影響を与えない。例示の実施形態では、内側支持チューブ46f〜jのウェブ48f〜jの向きは前方から後方にかけて様々である。より具体的には、内側ウェブ48f〜iは、図2及び図8(a)に見ることができるように、踵領域の後方にいくほどより鉛直な向きに配置されている。結果として、内側支持チューブ46f〜jは、踵領域の後方にいくほど鉛直方向の圧縮に対する耐性がより高まる。例示の実施形態では、ウェブ48a〜jは支持チューブ46a〜jと一体形成される。しかしながら、この一体形成は、厳密に必要ではなく、代替的に、ウェブ48a〜jは、例えば支持チューブ46a〜jに嵌め込まれる挿入物としてチューブとは別個に製造されてもよい。
【0016】
インサート16はまた、ソール10の片側の支持チューブ46b〜eを対向側の支持チューブ48g〜jとつなぐ複数のストラット38a〜dを有し得る。ストラット38a〜dの特性は、ソール10の支持特性を制御するように様々であり得る。例えば、ストラット38a〜dの数、幅、厚さ、及び形状の変化は、インサート16の支持特性に影響を及ぼす。図示のように、この実施形態のストラット38a〜cは、ミッドソール18の裏面の凸状構造に対応するようにほぼ凹状である。この実施形態では、ストラット38a〜cは主として凹部64とプラグ(または塞体)62とを収容するように凹状である。
【0017】
例示の実施形態のアーチ部42は、踵部40と一体になっているとともに踵部40から延びている。代替的に、アーチ部42は別個の部材であってもよい。アーチ部42は、外側縁及び内側縁から上向きに延びる一対のウイング50a及び50bを含む。ウイング50a及び50bは、ミッドソール18にセメント固着されるか又は他の方法で固着され得る。使用の際に、ウイング50a及び50bは、ミッドソール18のアーチ領域内での支持を高める。アーチ部42はまた、ゲートルのストラップを嵌め入れるスロット52も画定し得る。例示の実施形態のアーチ部42は、協働してスロット52を画定する一対の離間層54a及び54bを有する。これらの層54a及び54bのサイズ、形状、及び構成は、所望に応じて用途ごとに様々であり得る。アーチ部42は、任意選択であり、所望であれば省略してもよい。
【0018】
例示の実施形態の前部延出部44は、アーチ部42と一体であるとともにアーチ部42から延びている。代替的に、前部延出部44は別個の部材であってもよい。前部延出部44は、(例示の実施形態に示すように)ソール10の内側の周縁部のみに沿って延出する。しかしながら、前部延出部44は、所望であれば、前部領域の本質的に任意の部分又は前部領域全体にわたって延出するように設計されてもよい。前部延出部44には、屈曲点を与えるように構成された複数の屈曲スロット56a〜cが画成され得る。前部延出部44は、任意選択であるとともに用途によっては所望に応じて省略されてもよい。
【0019】
インサート16は、種々の従来の材料から製造され得るが、一般には、ヒールウェッジ14及び/又はミッドソール18よりも堅い材料から製造される。例えば、インサート16は、TPU、TPR、又はPVCから射出成形され得る。インサート16は、ナイロン、ゴム、合成ゴム、又はシリコーン等の他の材料から製造され得るが、これらの代替的な任意の材料が用いられるのであれば、インサート16は射出成形では製造されないであろう。所望であれば、インサート16は、異なる材料の群から製造されてもよい。例えば、アーチ部42は、踵部40よりも堅い材料から製造されてもよい。
【0020】
例示の実施形態では、支持チューブ46a〜jは、ソール10の踵領域内にのみ延出している。代替的な実施形態では、支持チューブ46a〜jは付加的に(又は代替的に)、ソールのアーチ領域及び/又は前部領域内に延出してもよい。支持チューブ46a〜jのサイズ、構成、レイアウト、及び他の特性は、領域ごと且つ用途ごとに様々であり得る。
【0021】
ミッドソール18は、インサート16とアッパー202との間に配置され、弾力のある圧縮性の足プラットフォーム(図1及び図2を参照)を与えるように設計される。ミッドソール18は、足を支持するとともに従来の履物へ組み込まれるように設計されているため、概ね足の形状を有している。しかしながら、ミッドソール18は、所望に応じて、種々の代替的なソールデザイン構造に対応するように他の形状をとってもよい。例示の実施形態では、ミッドソール18は、アスカーC型で約55〜60のデュロメータ値を有するEVA発泡体から製造される。しかしながら、ミッドソール18の材料の種類及び密度は用途ごとに変わり得る。例示の実施形態では、ミッドソール18は、単一品からなる単体構造であるが、代替的に、協働して足を支持する別個の要素の集まりを含んでいてもよい。例えば、代替的な一実施形態では、ミッドソール18は、比較的軟らかい材料から製造される前部領域、及び、より堅い材料から製造される踵領域を有してもよい。ミッドソール18は、着用者の足を支持するように設計される概ね平滑な上面60(図4を参照)を有する。上面60は、所望であれば各種の形状を有してもよい。例えば、ミッドソール18の上面60に、凹状の踵領域、隆起状のアーチ領域、又は本質的に任意の他の所望形状を与えることによって、ミッドソール18の上面60が、着用者の足の自然な外郭に合致するような形状を有してもよい。例示の実施形態のミッドソール18は、ミッドソール18の周縁部のまわりに上向きに延びる外周リップ68を有する。ミッドソール18は、着用者の足の裏面と直接に当接してもよい。しかしながら、ほとんどの用途では、追加の部品(図示せず)がソール10のミッドソール18の上に組み込まれるであろう。例えば、インソール(図示せず)、中敷(図示せず)、フットベッド(図示せず)又は他のソール要素がソール10のミッドソール18の上に組み込まれてもよい。この追加の部品は、靴200のソール10の上部に取り外し可能に嵌め込まれ得る。
【0022】
例示の実施形態では、ミッドソール18は、踵領域の対応する凹部64に嵌め込まれる円盤状のプラグ62を有する(図1を参照)。プラグ62は、独立気泡体等の比較的柔軟なクッション材料から製造される。例示の実施形態では、プラグ62は、ミッドソール18の材料よりも低い密度を有する材料から製造される。結果として、プラグ62と凹部64を組み合わせたものは、ソール10の踵の中心に足を位置させるのに役立つ。プラグ62及び凹部64のサイズ、形状、及び構成は、用途ごとに様々であり得る。例えば、プラグ62と凹部64を組み合わせは、対応する領域の圧縮に対する抵抗を低減する1つ又は複数の穿孔又はカットアウトで代替してもよい。この実施形態では、凹部64は、ストラットの凸状領域と垂直に位置合わせされるが、このことは厳密に必要ではない。
【0023】
ミッドソール18は、例示の実施形態に示すように、通気が与えられるように構成され得る。この実施形態のミッドソール18には、ミッドソール18の側壁を貫通して複数の通気穴70が画成されると共に、ミッドソール18の上面60に一連の通気路72が画成されている(図4を参照)。通気路72は、通気穴70と連通し、空気及び湿分がミッドソール18内を通り抜けることを可能にする(図3を参照)。ここでも同様に、このことは任意選択であり、本発明は、所望に応じて通気性のないミッドソールに組み込まれることもできる。
【0024】
再び図4を参照すると、ミッドソール18は、ミッドソール18を屈曲しやすくするための複数の屈曲溝74a〜cも有し得る。例示の実施形態では、ミッドソール18は、ソール10の前部領域をほぼ横方向に横切るように延びる屈曲溝74a〜cを有する。所望に応じて、屈曲溝74a〜cは省略してもよく、又は屈曲性を高めるよう意図した他の構造で代替してもよい。例えば、屈曲溝74a〜cは、ミッドソール18の上面に形成され且つパッド(図示せず)で充填された比較的浅い凹部(図示せず)で代替してもよい。パッドは、ミッドソール18の材料よりも低い密度を有し得る。パッドは、凹部内にセメント固着され得る。
【0025】
ミッドソール18の裏面66は、アウトソール12、ヒールウェッジ14、及びインサート16の形状と相補をなすような形状を有し得る(図5を参照)。図示の実施形態では、ミッドソール18の裏面66は、インサート16の支持チューブ46a〜jをぴったりと嵌入するための複数の支持チューブ凹部78を画成するような形状を有する。所望であれば、インサート16をミッドソール18に嵌め入れるか又は差し込むことができるようなインサート凹部76を、ミッドソール18の裏面66に画成し得る。例えば、ミッドソール18には、インサート16のストラット38a〜dを嵌入するための複数のストラット凹部82が画成され得る。インサート凹部76はまた、アーチ部42(ウイング50a、bを含む)及び前部延出部44にわたって延在してもよい。代替的に(又は付加的に)、インサート16の全て又は一部を嵌め入れるための凹部(図示せず)をアウトソール12の上面に形成してもよい。
【0026】
ミッドソール18及びヒールウェッジ14は、図示の実施形態では別個の部品である。しかしながら、本発明はミッドソール及びヒールウェッジが一体である用途にも及ぶ。例えば、代替的な一実施形態では、適切な材料(例えばEVA発泡体)がインサートの周りの金型に射出又は注入されて、単一品のミッドソール/ヒールウェッジの組み合わせ体にインサートを埋め込むことができる。
【0027】
上記の説明には、例示の実施形態のソール10の各種部品に対して或るおおよそのデュロメータ値が示されているが、言及された値は例示にすぎず、本発明は具体的に言及したデュロメータ値を有するソール構造に限定されない。これとは反対に、本発明は、異なる圧縮率の値を有するソール部品に及ぶものと広く解釈されるべきである。
【0028】
上記の説明は、本発明の各種実施形態の説明である。添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び広範な態様から逸脱しない限り、種々の代替及び変更を行うことができ、添付の特許請求の範囲は均等論を含めた特許法の原則に従って解釈されるべきである。例えば、冠詞「a(1つの)」、an(1つの)」、「the(その)」、又は「said(前記)」を用いての単数でのクレーム要素のいかなる言及も、要素を単数に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係るソールを示す分解斜視図である。
【図2】靴の内側面図である。
【図3】ミッドソールの側面図である。
【図4】ミッドソールの上面図である。
【図5】ミッドソールの底面図である。
【図6】インサートの上面図である。
【図7】インサートの底面図である。
【図8】(a)はインサートの右側(内側)側面図であり、(b)はインサートの左側(外側)側面図である。
【図9】ヒールウェッジの側面図である。
【図10】インサート及びミッドソールの底面図である。
【図11】インサート、ミッドソール、及びヒールウェッジの底面図である。
【図12】靴の底面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は履物に関し、より詳細には、履物のソール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
より快適性のある履物を提供するための努力が続けられている。ランニングシューズ、及び他の履物は、過去20年間にわたって技術の著しい進歩を遂げている。技術的な進歩の多くはミッドソールに見られる。ほとんどの履物では、ミッドソールはソールの「懸架システム」として機能し、これにより、多くの場合、着用者の足に対し保護緩衝及び安定したプラットフォームの双方が与えられる。ミッドソールの特性の変化により、靴の性能に劇的な影響を与えることができる。高性能を提供するためには、領域ごとのソールの支持特性を変えることが望ましい場合が多い。例えば、踵では密度の高い材料を用い、前部では低い密度の材料を用いることが望ましいであろう。踵では材料の密度が高いことにより、踵が着地したとき(踵接地時)の支持が増し、通常は踵にかかるよりも小さい負荷がかかる前部では、材料密度が低いことにより、適した緩衝及び支持がもたらされる。足に可変支持を与える広範なソールが開発されてきている。用途によっては、可変支持は、前部には軟質のEVA発泡体、踵には硬質のEVA発泡体といったように、ミッドソールの各種領域を種々の材料から形成することによって与えられる。他の用途において、ソールには、所望の全体の支持プロファイルをソールに与えるように構成されることができる支持プレートが設けられている。従来の一様なソール構造に比して顕著な改善が見られているが、製造が廉価であるとともに広範に調整可能な調節性の高いソール構成が依然として必要とされている。
【0003】
同時に、履物ソールの寿命を延ばす努力も続けられている。従来の履物では、ミッドソール(及び他のソール部品)は、比較的短時間でその性能が失われ始めるであろう。ソール材料の劣化により、踵等のように、特に強い衝撃が繰り返される領域では、経時につれてソールの弾性が失われる可能性がある。劣化の割合はソールごとに様々であろうが、主として、ソール材料の固有の特性及びソールにかかる負荷のタイプに応じて決まる。例えば、EVA等の従来の独立気泡体及び連続気泡体は、比較的短い使用期間で材料が自然に破損するため、寿命が比較的短い。従来の発泡材料はまた、温度変化の影響を受け易いため、発泡体の弾性が著しく変わるおそれがある。例えば、ソールは、低温で著しく硬質になるとともに高温で著しく柔軟になるであろう。結果として、温度は、従来の発泡材料から製造されるソールの支持特性に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、寿命が長く、製造が比較的廉価な、信頼性及び調節性の高いソールが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題は、本発明により、所望の支持プロファイルを与えるように調節される複数の支持チューブを備えたインサートを有するソールを提供することで克服される。各支持チューブは、所望の支持特性を与えるように選択された向きを有する内部ウェブを含み得る。支持チューブごとに内部ウェブの向きを変えることにより、ソールの支持プロファイル全体を制御することができる。
【0006】
一実施態様では、支持層は、アウトソールとミッドソールとの間に配置される。所望であれば、ソールは、踵領域においてアウトソールとインサートとの間に配置されるヒールウェッジを有してもよい。ヒールウェッジは、ミッドソールの材料よりも堅い材料から製造され得る。結果として、ヒールウェッジは、ソールの踵領域にさらなる支持を与え得る。
【0007】
別の実施態様では、インサートは、ソールの内側(すなわちインナー)に複数の支持チューブを有するとともにソールの外側(すなわちアウター)に複数の支持チューブを有し得る。内部ウェブは、ソールの内側に沿ってより鉛直な向きとなるように配置されて、ソールの内側の鉛直方向の支持を高めることができる。所望であれば、ウェブの向きをチューブごとに変えてもよい。例えば、複数のウェブを前方から後方に向かって徐々に鉛直方向に向けることにより、踵の後側へかけて徐々に鉛直方向の支持を高めるようにしてもよい。内側の支持チューブは、ストラットによって外側の支持チューブに接続され得る。ストラットは、踵を固有に中心付けることができるように窪んでいてもよい。
【0008】
さらに別の実施態様では、支持チューブは、インサートの踵領域の少なくとも一部分に位置し、インサートは、ソールのアーチ(arch:土踏まず部)領域内に延在するアーチ部を有する。インサートのアーチ部は、ゲートルストラップ(gaiter strap)を嵌入する構造を設けるように互いに離間した2つの層を有し得る。下方の層は、ゲートルストラップを着地に起因する損傷から保護するのに役立つ。所望であれば、インサートは、ソールの前部領域の少なくとも一部に延びる前部延出部をさらに有し得る。前部延出部を、前部領域の内側のみに沿って延出させることで、内側により高い剛性を有するソールを提供することができる。前部延出部は、所望に応じて、前部の異なる領域に延出してもよく、又は前部領域全体を覆ってもよい。
【0009】
本発明は、所望の支持プロファイルを与えるように容易に調節することができる特有の履物ソールを提供する。インサートは、TPU、又は、従来の発泡材料ほど急速には劣化せずにミッドソールの緩衝寿命を延ばす他の比較的耐久性のある材料から製造されることができる。支持プロファイルは、ソールの内側及び外側間で異ならせてもよい。例えば、ソールの内側の支持チューブは、靴の後側にいくほど徐々に鉛直方向の剛性が高まるように調節することができ、それにより、オーバープロネーションの問題に対処し得る。インサートは製造が比較的廉価であり、その支持特性は、特に、支持チューブ及びウェブの性質及び向きを制御することによって容易に調整することができる。インサートは、ヒールウェッジと組み合わされることで、その支持プロファイルの制御をさらに高めることができる。インサートのアーチ部を調節して、ソールのアーチ領域の支持プロファイルを制御することができる。ゲートルスロットがアーチ部に組み込まれることで、ゲートルストラップを尚早な摩耗から保護することができる。ソールの前部領域の支持プロファイルは、前部延出部の使用により制御することができる。ストラットを設ければ、踵の着地の際に足を中心付けるようにするのに役立つ。
【0010】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特徴は、好適な実施形態の詳細な説明及び図面を参照することにより容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態に従って製造される履物ソール10が図1に示されている。履物ソール10は概して、アウトソール12と、ヒールウェッジ14と、インサート16と、ミッドソール18とを有する。ソール10は、図2に示す靴200等の履物に組み込むことができる。靴200は、ソール10に固着されるアッパー202を有し得る。靴200はまた、ソール10の頂部のアッパー202に取り外し可能に嵌め込まれるフットベッド(図示せず)も有し得る。インサート16は、ソール10の支持プロファイルを制御するように構成される内部ウェブ48a〜jを有する支持チューブ46a〜jを有し得る。本発明は、従来の標準の高さのランニングシューズ又はトレイルランニングシューズ200に関して説明するが、このタイプの靴での使用に限定されない。本発明は、ほぼいかなるタイプのソールでの使用にも十分に適し、また、ほぼいかなるタイプの履物にも組み込むことができる。履物ソール10は、例えばセメント固着、スティッチ縫合、ウェルト付け、及び直接取付の構成など、その他各種の取付構成を用いて、アッパーに固着されることが意図される。履物ソール10は、所望に応じて、シャンク又は他の従来のソール部品も有することができる。
【0012】
本発明の開示を容易にするために、踵領域、アーチ領域、及び前部領域等の足の様々な一般的な領域の参照を行う。これらの用語は、各種ソール部品の位置について言及するのに用いる際、足の対応部分よりも概ね下(必ずしも真下ではない)に位置するソールの領域を含むものと解釈されるべきである。概ねの参照のために、踵領域は、仮想線A1(図2を参照)の後ろ(ソール10の踵の後部側)の領域として概ね画定され、アーチ領域は、仮想線A1及びA2間の領域として概ね画定され、前部領域は、仮想線A2の前(ソール10のつま先側)の領域として概ね画定される。しかしながら、踵領域と、アーチ領域と、前部領域との境界は厳密ではなく、これらの用語はおおまかに解釈されるべきであり、大いに融通性があるものと理解されたい。
【0013】
記載の実施形態では、アウトソール12はほぼ従来型であり、ソール10の主要な着用面を画定する。アウトソール12は、ほぼ従来のように、ソール10の底面に固着され、耐久性がある滑り止め着用面(図2を参照)を提供するようになっている。アウトソール12のデザイン構造及び構成は、用途ごとに様々であり得る。しかしながら、例示の実施形態では、アウトソール12は、主体部20及び踵部22を有する2部構成のアウトソールである(図1及び図12を参照)。この実施形態の主体部20は、ヒールウェッジ14、インサート16、及びミッドソール18の部分にわたって延びている。主体部20は、一般的な従来の技術及び装置を用いて各種ソール部品14、16、及び18の下部に、セメント固着又はその他の方法により固定される。踵部22は、踵の後ろに位置し、一般的な従来の技術及び装置を用いてヒールウェッジ14の下面にセメント固着される。主体部20と踵部22が分離されていることにより、アウトソール12は踵に或る程度の関節性を有する。各部20及び22の下面は、複数のラグ又は他のトラクション要素を有し、これらは、参照符号24で図12に概略的に示されている。トラクション要素24のデザイン構造及び構成は、所望に応じて用途ごとに様々であり得る。アウトソール12は、天然及び合成のゴム、レザー、PVC、EVA、及びポリウレタン等の様々な種類の従来のソール材料から製造され得る。
【0014】
上述のように、ソール10は、踵領域でアウトソール12の上に配置されるヒールウェッジ14を有する(図1及び図2を参照)。ヒールウェッジ14は、より詳細に以下に説明するように、インサート16に対し、弾力のある圧縮性プラットフォームを提供する。ここで図9を参照すると、ヒールウェッジ14は、インサート16の底面30の形状と相補をなすような外郭をした上面26と、アウトソール12の上面34の形状と相補をなすような外郭をした下面32とを有するほぼ楔形状に形成されている。より具体的には、例示の実施形態における上面26は、支持チューブ46a〜jに対応する形状を有する複数のチューブ凹部36を有する。組み立てられたソール10において、チューブ凹部36には支持チューブ46a〜jがぴったりと嵌入される。ヒールウェッジ14は、EVA及びポリウレタン等の様々なソール材料から製造され得る。例示の実施形態では、ヒールウェッジ14には、アウトソール12の踵領域の切り欠かれた箇所に対応して位置合わせされる中央開口80が画成されている。特に、開口80は、ミッドソール18及びインサート16の一部を見えるようにする。おそらく図11に最もよく示されるように、ヒールウェッジ14は下面88に、アウトソール12の各部を配置するためのガイドとなる小さなリッジ86の構成を有し得る。例示の実施形態では、ヒールウェッジ14は、ソール10の踵領域のみに延在し、ほぼ楔形状を有している。ヒールウェッジ14は、ソールの別の領域に延在していてもよく、例えば、アーチ領域に延在するか、又はソール全体と同一の広がりを有していてもよい。ヒールウェッジ14は、必ずしも楔形状である必要はなく、所望に応じて異なる厚さの構成をとってもよい。例示の実施形態では、ヒールウェッジ14は、アスカーC型(Asker C Scale)で約55〜60のデュロメータ値を有するEVA発泡体から製造される。しかしながら、ヒールウェッジ14の材料の種類及び密度は、用途ごとに異なっていてもよい。所望であれば、ヒールウェッジ14の密度は、ヒールウェッジ14内の領域ごとに異なっていてもよい。
【0015】
インサート16は、アウトソール12及びヒールウェッジ14の上に配置され、ソール10に調節性の高い支持プロファイルを与える(図1及び図2を参照)。ここで、図6、図8(a)及び図8(b)を参照すると、インサート16は一般に、踵部40、アーチ部42、及び前部延出部44を含む。踵部40は、その名が示唆するように、ソール10の踵領域の少なくとも一部に延在し、複数の支持チューブ46a〜jを含む。例示の実施形態では、支持チューブ46a〜jは、概ね側方の向きに延びている。インサート16は、踵領域の外側の周縁部に延びる複数の第1支持チューブ46a〜e(「外側支持チューブ」)、及び踵領域の内側の周縁部に延びる複数の第2支持チューブ46f〜j(「内側支持チューブ」)を含み得る。内側支持チューブ46f〜j及び外側支持チューブ46a〜eは、これら支持チューブ46a〜jがソール10の中央領域内には延在しないように離間し得る。支持チューブ46a〜jが中央領域にないことにより、着用者の足をソール10上で中心に位置させるのに役立つ比較的柔軟な中央部をもたらすことができる。このような別個の内側支持チューブ及び外側支持チューブの使用は厳密には必要とされず、用途によっては、支持チューブは、片側だけに位置していてもよく、又はソール10の全体にわたって延びていてもよい。例示の実施形態では、支持チューブ46a〜jは横断面がほぼ環状である。支持チューブ46a〜jは代替的に、楕円、正方形、矩形、及び三角形等の他の横断面形状(規則的及び不規則的の双方を含む)を有していてもよい。各支持チューブ46a〜jの特性は、種々の負荷に対する特定の対応を制御するように様々であり得る。例えば、支持チューブ46a〜jの数、形状、直径、長さ、及び肉厚は、ソール10の支持特性を調節するように様々であり得る。各支持チューブ46a〜jはまた、チューブ46a〜jの支持特性に影響を及ぼす内部ウェブ48a〜jを有し得る。例示の実施形態(支持チューブ46a〜jの横断面がほぼ環状である)では、ウェブ48a〜jは弦(chords)であり、より詳細には、支持チューブ46a〜jの直径に沿って延びている。しかしながら、各ウェブ48a〜jの特性は、支持特性への影響を制御するように様々であり得る。例えば、ウェブ48a〜jの数、向き、位置、長さ、及び厚みは様々とすることができる。例示の実施形態では、外側支持チューブ46a〜eはそれぞれ、インサート16の全体の広がりに従って概ね水平方向に延びるウェブ48a〜eを有する。したがって、ウェブ48a〜eは、外側支持チューブ46a〜eの鉛直方向の剛性にはほとんど影響を与えない。例示の実施形態では、内側支持チューブ46f〜jのウェブ48f〜jの向きは前方から後方にかけて様々である。より具体的には、内側ウェブ48f〜iは、図2及び図8(a)に見ることができるように、踵領域の後方にいくほどより鉛直な向きに配置されている。結果として、内側支持チューブ46f〜jは、踵領域の後方にいくほど鉛直方向の圧縮に対する耐性がより高まる。例示の実施形態では、ウェブ48a〜jは支持チューブ46a〜jと一体形成される。しかしながら、この一体形成は、厳密に必要ではなく、代替的に、ウェブ48a〜jは、例えば支持チューブ46a〜jに嵌め込まれる挿入物としてチューブとは別個に製造されてもよい。
【0016】
インサート16はまた、ソール10の片側の支持チューブ46b〜eを対向側の支持チューブ48g〜jとつなぐ複数のストラット38a〜dを有し得る。ストラット38a〜dの特性は、ソール10の支持特性を制御するように様々であり得る。例えば、ストラット38a〜dの数、幅、厚さ、及び形状の変化は、インサート16の支持特性に影響を及ぼす。図示のように、この実施形態のストラット38a〜cは、ミッドソール18の裏面の凸状構造に対応するようにほぼ凹状である。この実施形態では、ストラット38a〜cは主として凹部64とプラグ(または塞体)62とを収容するように凹状である。
【0017】
例示の実施形態のアーチ部42は、踵部40と一体になっているとともに踵部40から延びている。代替的に、アーチ部42は別個の部材であってもよい。アーチ部42は、外側縁及び内側縁から上向きに延びる一対のウイング50a及び50bを含む。ウイング50a及び50bは、ミッドソール18にセメント固着されるか又は他の方法で固着され得る。使用の際に、ウイング50a及び50bは、ミッドソール18のアーチ領域内での支持を高める。アーチ部42はまた、ゲートルのストラップを嵌め入れるスロット52も画定し得る。例示の実施形態のアーチ部42は、協働してスロット52を画定する一対の離間層54a及び54bを有する。これらの層54a及び54bのサイズ、形状、及び構成は、所望に応じて用途ごとに様々であり得る。アーチ部42は、任意選択であり、所望であれば省略してもよい。
【0018】
例示の実施形態の前部延出部44は、アーチ部42と一体であるとともにアーチ部42から延びている。代替的に、前部延出部44は別個の部材であってもよい。前部延出部44は、(例示の実施形態に示すように)ソール10の内側の周縁部のみに沿って延出する。しかしながら、前部延出部44は、所望であれば、前部領域の本質的に任意の部分又は前部領域全体にわたって延出するように設計されてもよい。前部延出部44には、屈曲点を与えるように構成された複数の屈曲スロット56a〜cが画成され得る。前部延出部44は、任意選択であるとともに用途によっては所望に応じて省略されてもよい。
【0019】
インサート16は、種々の従来の材料から製造され得るが、一般には、ヒールウェッジ14及び/又はミッドソール18よりも堅い材料から製造される。例えば、インサート16は、TPU、TPR、又はPVCから射出成形され得る。インサート16は、ナイロン、ゴム、合成ゴム、又はシリコーン等の他の材料から製造され得るが、これらの代替的な任意の材料が用いられるのであれば、インサート16は射出成形では製造されないであろう。所望であれば、インサート16は、異なる材料の群から製造されてもよい。例えば、アーチ部42は、踵部40よりも堅い材料から製造されてもよい。
【0020】
例示の実施形態では、支持チューブ46a〜jは、ソール10の踵領域内にのみ延出している。代替的な実施形態では、支持チューブ46a〜jは付加的に(又は代替的に)、ソールのアーチ領域及び/又は前部領域内に延出してもよい。支持チューブ46a〜jのサイズ、構成、レイアウト、及び他の特性は、領域ごと且つ用途ごとに様々であり得る。
【0021】
ミッドソール18は、インサート16とアッパー202との間に配置され、弾力のある圧縮性の足プラットフォーム(図1及び図2を参照)を与えるように設計される。ミッドソール18は、足を支持するとともに従来の履物へ組み込まれるように設計されているため、概ね足の形状を有している。しかしながら、ミッドソール18は、所望に応じて、種々の代替的なソールデザイン構造に対応するように他の形状をとってもよい。例示の実施形態では、ミッドソール18は、アスカーC型で約55〜60のデュロメータ値を有するEVA発泡体から製造される。しかしながら、ミッドソール18の材料の種類及び密度は用途ごとに変わり得る。例示の実施形態では、ミッドソール18は、単一品からなる単体構造であるが、代替的に、協働して足を支持する別個の要素の集まりを含んでいてもよい。例えば、代替的な一実施形態では、ミッドソール18は、比較的軟らかい材料から製造される前部領域、及び、より堅い材料から製造される踵領域を有してもよい。ミッドソール18は、着用者の足を支持するように設計される概ね平滑な上面60(図4を参照)を有する。上面60は、所望であれば各種の形状を有してもよい。例えば、ミッドソール18の上面60に、凹状の踵領域、隆起状のアーチ領域、又は本質的に任意の他の所望形状を与えることによって、ミッドソール18の上面60が、着用者の足の自然な外郭に合致するような形状を有してもよい。例示の実施形態のミッドソール18は、ミッドソール18の周縁部のまわりに上向きに延びる外周リップ68を有する。ミッドソール18は、着用者の足の裏面と直接に当接してもよい。しかしながら、ほとんどの用途では、追加の部品(図示せず)がソール10のミッドソール18の上に組み込まれるであろう。例えば、インソール(図示せず)、中敷(図示せず)、フットベッド(図示せず)又は他のソール要素がソール10のミッドソール18の上に組み込まれてもよい。この追加の部品は、靴200のソール10の上部に取り外し可能に嵌め込まれ得る。
【0022】
例示の実施形態では、ミッドソール18は、踵領域の対応する凹部64に嵌め込まれる円盤状のプラグ62を有する(図1を参照)。プラグ62は、独立気泡体等の比較的柔軟なクッション材料から製造される。例示の実施形態では、プラグ62は、ミッドソール18の材料よりも低い密度を有する材料から製造される。結果として、プラグ62と凹部64を組み合わせたものは、ソール10の踵の中心に足を位置させるのに役立つ。プラグ62及び凹部64のサイズ、形状、及び構成は、用途ごとに様々であり得る。例えば、プラグ62と凹部64を組み合わせは、対応する領域の圧縮に対する抵抗を低減する1つ又は複数の穿孔又はカットアウトで代替してもよい。この実施形態では、凹部64は、ストラットの凸状領域と垂直に位置合わせされるが、このことは厳密に必要ではない。
【0023】
ミッドソール18は、例示の実施形態に示すように、通気が与えられるように構成され得る。この実施形態のミッドソール18には、ミッドソール18の側壁を貫通して複数の通気穴70が画成されると共に、ミッドソール18の上面60に一連の通気路72が画成されている(図4を参照)。通気路72は、通気穴70と連通し、空気及び湿分がミッドソール18内を通り抜けることを可能にする(図3を参照)。ここでも同様に、このことは任意選択であり、本発明は、所望に応じて通気性のないミッドソールに組み込まれることもできる。
【0024】
再び図4を参照すると、ミッドソール18は、ミッドソール18を屈曲しやすくするための複数の屈曲溝74a〜cも有し得る。例示の実施形態では、ミッドソール18は、ソール10の前部領域をほぼ横方向に横切るように延びる屈曲溝74a〜cを有する。所望に応じて、屈曲溝74a〜cは省略してもよく、又は屈曲性を高めるよう意図した他の構造で代替してもよい。例えば、屈曲溝74a〜cは、ミッドソール18の上面に形成され且つパッド(図示せず)で充填された比較的浅い凹部(図示せず)で代替してもよい。パッドは、ミッドソール18の材料よりも低い密度を有し得る。パッドは、凹部内にセメント固着され得る。
【0025】
ミッドソール18の裏面66は、アウトソール12、ヒールウェッジ14、及びインサート16の形状と相補をなすような形状を有し得る(図5を参照)。図示の実施形態では、ミッドソール18の裏面66は、インサート16の支持チューブ46a〜jをぴったりと嵌入するための複数の支持チューブ凹部78を画成するような形状を有する。所望であれば、インサート16をミッドソール18に嵌め入れるか又は差し込むことができるようなインサート凹部76を、ミッドソール18の裏面66に画成し得る。例えば、ミッドソール18には、インサート16のストラット38a〜dを嵌入するための複数のストラット凹部82が画成され得る。インサート凹部76はまた、アーチ部42(ウイング50a、bを含む)及び前部延出部44にわたって延在してもよい。代替的に(又は付加的に)、インサート16の全て又は一部を嵌め入れるための凹部(図示せず)をアウトソール12の上面に形成してもよい。
【0026】
ミッドソール18及びヒールウェッジ14は、図示の実施形態では別個の部品である。しかしながら、本発明はミッドソール及びヒールウェッジが一体である用途にも及ぶ。例えば、代替的な一実施形態では、適切な材料(例えばEVA発泡体)がインサートの周りの金型に射出又は注入されて、単一品のミッドソール/ヒールウェッジの組み合わせ体にインサートを埋め込むことができる。
【0027】
上記の説明には、例示の実施形態のソール10の各種部品に対して或るおおよそのデュロメータ値が示されているが、言及された値は例示にすぎず、本発明は具体的に言及したデュロメータ値を有するソール構造に限定されない。これとは反対に、本発明は、異なる圧縮率の値を有するソール部品に及ぶものと広く解釈されるべきである。
【0028】
上記の説明は、本発明の各種実施形態の説明である。添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び広範な態様から逸脱しない限り、種々の代替及び変更を行うことができ、添付の特許請求の範囲は均等論を含めた特許法の原則に従って解釈されるべきである。例えば、冠詞「a(1つの)」、an(1つの)」、「the(その)」、又は「said(前記)」を用いての単数でのクレーム要素のいかなる言及も、要素を単数に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係るソールを示す分解斜視図である。
【図2】靴の内側面図である。
【図3】ミッドソールの側面図である。
【図4】ミッドソールの上面図である。
【図5】ミッドソールの底面図である。
【図6】インサートの上面図である。
【図7】インサートの底面図である。
【図8】(a)はインサートの右側(内側)側面図であり、(b)はインサートの左側(外側)側面図である。
【図9】ヒールウェッジの側面図である。
【図10】インサート及びミッドソールの底面図である。
【図11】インサート、ミッドソール、及びヒールウェッジの底面図である。
【図12】靴の底面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性及び圧縮性を有し且つそれぞれが内隙を画成する複数の支持チューブと、
前記複数の支持チューブ内にそれぞれ対応して配置されると共に支持プロファイルを与えるように予め選択された向きに延在する複数のウェブと
を備える、履物用のインサート。
【請求項2】
各支持チューブはほぼ環状の横断面を有する、請求項1に記載の履物用のインサート。
【請求項3】
各ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブに対する弦である、請求項2に記載の履物用のインサート。
【請求項4】
各ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブの直径に沿って延在する、請求項3に記載の履物用のインサート。
【請求項5】
前記複数の支持チューブは概して第1の共通の平面に沿って延在する、請求項4に記載の履物用のインサート。
【請求項6】
前記複数の支持チューブは、内側に位置する複数の内側支持チューブと、外側に位置する複数の外側支持チューブとを含む、請求項1に記載の履物用のインサート。
【請求項7】
前記複数の内側支持チューブはそれぞれ前記複数の外側支持チューブから離間している、請求項6に記載の履物用のインサート。
【請求項8】
少なくとも1つの前記内側支持チューブと少なくとも1つの前記外側支持チューブとを相互接続させる少なくとも1つのストラットをさらに備える、請求項7に記載の履物用のインサート。
【請求項9】
前記複数の内側支持チューブと対応する前記複数の外側支持チューブとをそれぞれ相互接続させる複数のストラットをさらに備える、請求項7に記載の履物用のインサート。
【請求項10】
前記複数のストラットのうち少なくとも1つは凹状である、請求項9に記載の履物用のインサート。
【請求項11】
踵部及びアーチ部を有し、前記複数の支持チューブは前記踵部に配置されると共に、前記アーチ部は前記踵部と一体である、請求項1に記載の履物用のインサート。
【請求項12】
前記アーチ部はゲートルストラップを嵌め入れるスロットを画定する、請求項11に記載の履物用のインサート。
【請求項13】
前記踵部及びアーチ部に一体である前部延出部をさらに有する、請求項11に記載の履物用のインサート。
【請求項14】
前記複数の外側支持チューブの前記複数のウェブは、概して第2の共通の平面に沿って延在し、前記複数の内側支持チューブの前記複数のウェブは、前記第2の共通の平面に対し或る角度で延在する、請求項6に記載の履物用のインサート。
【請求項15】
前記複数の内側支持チューブの前記複数のウェブは、前記第2の共通の平面に対する角度が前部から後部に向かって増加するように延在される、請求項14に記載の履物用のインサート。
【請求項16】
アッパーと、
ミッドソール、ヒールウェッジ、及び前記ヒールウェッジと前記ミッドソールとの間に少なくとも部分的に配置されるインサートを有すると共に、前記アッパーと相互接続されるソールと
を備え、前記インサートは、或る向きに延在する複数の内部ウェブをそれぞれ有する複数の支持チューブを備え、少なくとも1つの前記内部ウェブの向きは、少なくとも1つの他の前記内部ウェブの向きとは異なる、履物。
【請求項17】
それぞれの前記内部ウェブの向きは、前記インサートに支持プロファイルを与えるように予め選択される、請求項16に記載の履物。
【請求項18】
前記複数の支持チューブは、前記インサートの内側に位置する複数の内側支持チューブと、前記インサートの外側に位置する複数の外側支持チューブとを有する、請求項16に記載の履物。
【請求項19】
前記複数の外側支持チューブの前記複数の内部ウェブは、概して共通の平面に沿って延在し、前記複数の内側支持チューブの前記複数の内部ウェブは、前記共通の平面に対し或る角度で延在する、請求項18に記載の履物。
【請求項20】
前記ソールは前部及び後部を有し、前記複数の内側支持チューブの前記複数の内部ウェブは、前記共通の平面に対する角度が前記前部から前記後部に向かって増加するように延在される、請求項19に記載の履物。
【請求項21】
前記複数の内側支持チューブはそれぞれ前記複数の外側支持チューブから離間し、前記インサートは、前記複数の内側支持チューブと対応する前記複数の外側支持チューブとをそれぞれ相互接続させる複数のストラットをさらに備える、請求項18に記載の履物。
【請求項22】
前記複数のストラットは協働して凹状領域を画定する、請求項21に記載の履物。
【請求項23】
各支持チューブはほぼ環状の横断面を有し、各内部ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブに対する弦である、請求項16に記載の履物。
【請求項24】
各内部ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブの直径に沿って延在する、請求項21に記載の履物。
【請求項25】
前記インサートは、一体成形されるアーチ部及び前部延出部をさらに有する、請求項24に記載の履物。
【請求項26】
アウトソールと、
該アウトソールの上に配置されるとともに該アウトソールの少なくとも踵領域に接続されるヒールウェッジと、
該ヒールウェッジの上に配置されるとともに該ヒールウェッジに接続されるインサートと、
前記インサートの上に配置されるとともに該インサートに接続されるミッドソールと
を備え、前記インサートは、内側に沿って位置する複数の内側支持チューブと、外側に沿って位置する複数の外側支持チューブを有し、前記複数の内側支持チューブはそれぞれ前記複数の外側支持チューブから離間してこれら内側支持チューブと外側支持チューブとの間に踵中心付け領域を画定する、履物用のソール。
【請求項27】
各支持チューブは、或る向きを有する内部ウェブを有し、該内部ウェブの向きは、所望の支持プロファイルを画定するように所定の方法により変更される、請求項26記載の履物用のソール。
【請求項28】
各ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブの直径に沿って延びる、請求項27記載の履物用のソール。
【請求項1】
弾性及び圧縮性を有し且つそれぞれが内隙を画成する複数の支持チューブと、
前記複数の支持チューブ内にそれぞれ対応して配置されると共に支持プロファイルを与えるように予め選択された向きに延在する複数のウェブと
を備える、履物用のインサート。
【請求項2】
各支持チューブはほぼ環状の横断面を有する、請求項1に記載の履物用のインサート。
【請求項3】
各ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブに対する弦である、請求項2に記載の履物用のインサート。
【請求項4】
各ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブの直径に沿って延在する、請求項3に記載の履物用のインサート。
【請求項5】
前記複数の支持チューブは概して第1の共通の平面に沿って延在する、請求項4に記載の履物用のインサート。
【請求項6】
前記複数の支持チューブは、内側に位置する複数の内側支持チューブと、外側に位置する複数の外側支持チューブとを含む、請求項1に記載の履物用のインサート。
【請求項7】
前記複数の内側支持チューブはそれぞれ前記複数の外側支持チューブから離間している、請求項6に記載の履物用のインサート。
【請求項8】
少なくとも1つの前記内側支持チューブと少なくとも1つの前記外側支持チューブとを相互接続させる少なくとも1つのストラットをさらに備える、請求項7に記載の履物用のインサート。
【請求項9】
前記複数の内側支持チューブと対応する前記複数の外側支持チューブとをそれぞれ相互接続させる複数のストラットをさらに備える、請求項7に記載の履物用のインサート。
【請求項10】
前記複数のストラットのうち少なくとも1つは凹状である、請求項9に記載の履物用のインサート。
【請求項11】
踵部及びアーチ部を有し、前記複数の支持チューブは前記踵部に配置されると共に、前記アーチ部は前記踵部と一体である、請求項1に記載の履物用のインサート。
【請求項12】
前記アーチ部はゲートルストラップを嵌め入れるスロットを画定する、請求項11に記載の履物用のインサート。
【請求項13】
前記踵部及びアーチ部に一体である前部延出部をさらに有する、請求項11に記載の履物用のインサート。
【請求項14】
前記複数の外側支持チューブの前記複数のウェブは、概して第2の共通の平面に沿って延在し、前記複数の内側支持チューブの前記複数のウェブは、前記第2の共通の平面に対し或る角度で延在する、請求項6に記載の履物用のインサート。
【請求項15】
前記複数の内側支持チューブの前記複数のウェブは、前記第2の共通の平面に対する角度が前部から後部に向かって増加するように延在される、請求項14に記載の履物用のインサート。
【請求項16】
アッパーと、
ミッドソール、ヒールウェッジ、及び前記ヒールウェッジと前記ミッドソールとの間に少なくとも部分的に配置されるインサートを有すると共に、前記アッパーと相互接続されるソールと
を備え、前記インサートは、或る向きに延在する複数の内部ウェブをそれぞれ有する複数の支持チューブを備え、少なくとも1つの前記内部ウェブの向きは、少なくとも1つの他の前記内部ウェブの向きとは異なる、履物。
【請求項17】
それぞれの前記内部ウェブの向きは、前記インサートに支持プロファイルを与えるように予め選択される、請求項16に記載の履物。
【請求項18】
前記複数の支持チューブは、前記インサートの内側に位置する複数の内側支持チューブと、前記インサートの外側に位置する複数の外側支持チューブとを有する、請求項16に記載の履物。
【請求項19】
前記複数の外側支持チューブの前記複数の内部ウェブは、概して共通の平面に沿って延在し、前記複数の内側支持チューブの前記複数の内部ウェブは、前記共通の平面に対し或る角度で延在する、請求項18に記載の履物。
【請求項20】
前記ソールは前部及び後部を有し、前記複数の内側支持チューブの前記複数の内部ウェブは、前記共通の平面に対する角度が前記前部から前記後部に向かって増加するように延在される、請求項19に記載の履物。
【請求項21】
前記複数の内側支持チューブはそれぞれ前記複数の外側支持チューブから離間し、前記インサートは、前記複数の内側支持チューブと対応する前記複数の外側支持チューブとをそれぞれ相互接続させる複数のストラットをさらに備える、請求項18に記載の履物。
【請求項22】
前記複数のストラットは協働して凹状領域を画定する、請求項21に記載の履物。
【請求項23】
各支持チューブはほぼ環状の横断面を有し、各内部ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブに対する弦である、請求項16に記載の履物。
【請求項24】
各内部ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブの直径に沿って延在する、請求項21に記載の履物。
【請求項25】
前記インサートは、一体成形されるアーチ部及び前部延出部をさらに有する、請求項24に記載の履物。
【請求項26】
アウトソールと、
該アウトソールの上に配置されるとともに該アウトソールの少なくとも踵領域に接続されるヒールウェッジと、
該ヒールウェッジの上に配置されるとともに該ヒールウェッジに接続されるインサートと、
前記インサートの上に配置されるとともに該インサートに接続されるミッドソールと
を備え、前記インサートは、内側に沿って位置する複数の内側支持チューブと、外側に沿って位置する複数の外側支持チューブを有し、前記複数の内側支持チューブはそれぞれ前記複数の外側支持チューブから離間してこれら内側支持チューブと外側支持チューブとの間に踵中心付け領域を画定する、履物用のソール。
【請求項27】
各支持チューブは、或る向きを有する内部ウェブを有し、該内部ウェブの向きは、所望の支持プロファイルを画定するように所定の方法により変更される、請求項26記載の履物用のソール。
【請求項28】
各ウェブは、このウェブが対応する前記支持チューブの直径に沿って延びる、請求項27記載の履物用のソール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−334395(P2006−334395A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95380(P2006−95380)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(501090238)ウルヴリン ワールド ワイド インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(501090238)ウルヴリン ワールド ワイド インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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