説明

履物用ゴミ吸着部材

【課題】一般市販のスリッパー等履物に装着でき、ゴミ吸着シートは使用者が自由に截断して使用できる、履物用ゴミ吸着部材を提供する。
【解決手段】履物7底板8の底面形状の2枚のプレート1、2に、対向して1または複数の磁石3、4を設けるか、または、一方のプレート1には1または複数の磁石を、他方のプレート2には、プレート1の磁石に対向して1または複数の磁性体を設け、前記2枚のプレートのうちいずれかのプレートをゴミ吸着シート6の上に載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に他方のプレートを重ね、両プレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせて上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、ゴミ吸着シート6の折り返し周縁部を挟んでゴミ吸着シートを着脱自在に固定して履物用ゴミ吸着部材を構成し、上方のプレートの上面を履物の底面に接着して使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通常市販のスリッパ、サンダル等の上履き履物の底にゴミ吸着シートを装着するための部材であって、その部材を履物の底に着脱自在に取付け、着用歩行によりゴミを吸着して自然に掃除することのできる履物用ゴミ吸着部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴミ吸着シートを装着した履物としては特許文献1乃至3に記載の履物がある。
【0003】
特許文献1に記載の履物は、スリッパの底面と同形の掃除用紙シートに両面接着テープを張り、スリッパの底面に当接して接着したものである。
【0004】
特許文献2に記載の履物は、ゴミ吸着用の紙または布をベレー帽型または巾着型とし、その開口周縁にゴム紐を縫い込むか、または紐を通して、その開口から履物の底板と同形のプレートを挿入し、その周縁を抱持し、プレートを底板に両面接着シートで接着した履物が記載している。
更に特許文献2には、前記ゴミ吸着用の紙または布でベレー帽型または巾着型にしたもので履物の底板を抱持し、ゴム紐または紐を締めて装着したものが記載されている。
更に特許文献2には、底板の下面に1または複数の凹部を設け、ゴミ吸着用のフエルト板を凹部に着脱自在に嵌合した上履き履物が記載されている。
【0005】
特許文献3には、履物の底面の外周縁部を環状の段部とし、中央を台部とし、ゴミ吸着用のシートで台部と環状段部を覆い、環状段部上のゴミ吸着用シートの縁部を環状体で押さえた履物が記載されている。
【特許文献1】特開平9−262102 (特許請求の範囲、図面)
【特許文献2】特開2000−14401 (請求項1、2、および6)
【特許文献3】特開2001−128916 (要約の解決手段、図1〜7
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の履物、および特許文献3に記載の履物は、底板と同形かまたは相似形であって、底板に装着した際に周縁部がはみ出ないゴミ吸着シートを用意しなければならない。
【0007】
特許文献2に記載のベレー帽型または巾着型のゴミ吸着具を使用する履物では、ゴミ吸着用の紙または布を特別に加工しなければならず、費用がかかる。また、それ故に洗濯して何回も使用できるゴミ吸着用の布を使用できるが、洗濯に手数がかかり、何回も洗濯をすると、布が劣化して吸着効率が低下し、結局は新調しなければならない。
【0008】
特許文献2に記載の底面に凹部を設けて、凹部にゴミ吸着用のフエルト板を嵌合する履物では、底面に凹部を設けた特別な履物が必要であり、更に、ゴミ吸着用のフエルト板は凹部に嵌合できる形状でなければならず、使用者がその都度フエルト板を截断するのはなかなか難しく、予め裁断したものを購入して備蓄しなければならず、コストがかかる。
【0009】
特許文献2に記載の底面に凹部を設けた履物および特許文献3に記載の履物は、一般に市販されている履物ではなく、特別に購入しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
履物の底面形状の2枚のプレートのそれぞれに、対向して1または複数の磁石を設けるか、または、一方のプレートには1または複数の磁石を、他方のプレートには、前記一方のプレートの磁石に対向して1または複数の磁性体を設け、前記2枚のプレートのうちいずれかのプレートをゴミ吸着シートの上に載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に他方のプレートを重ね、両プレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせて上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟んでゴミ吸着シートを着脱自在に固定して履物用ゴミ吸着部材を構成し、前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する。
【0011】
履物の底面形状の2枚のプレートのうち、一方のプレートの先端縁および/または後端縁の面に、断面コの字状の挟持部材のコの字状の2つの先端をプレートの内方向に向け、コの字状の上面を当接させて固定し、
前記挟持部材を取付けた面を下向け、前記挟持部材を取付けた周縁部近辺を除いた足先部、中間部または踵部に1または複数の磁石または磁性体を設け、他方のプレートに、前記挟持部を設けたプレートの磁石または磁性体に対向して磁石を設けるか、または、前記挟持部を設けたプレートの磁石に対向して磁性体を設け、前記2枚のプレートのうち、前記挟持部材を取付けてない方のプレートをゴミ吸着シートに載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に、前記挟持部を設けてあるプレートを、双方の磁石または磁性体を対向させて載置し、上下のプレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせ、前記挟持部材を取付けてないプレートの先端縁部および/または後端縁部を前記挟持部のコの字状内に嵌入させ、上下のプレートを着脱自在に係止し、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟み、ゴミ吸着シートを着脱自在に固定して履物用ゴミ吸着部材を構成し、 前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する。
【0012】
断面コの字状の挟持部材のコの字状の2つの先端を、履物の底面形状の2枚のプレートのうち、一方のプレートプレートの内方向に向け、前記挟持部材のコの字内で、コの字の上方の辺の下面に、前記一方のプレートの先端縁および/または後端縁の上面を当接させて固定し、前記挟持部材を取付けた面を下向け、前記挟持部材を取付けた周縁部近辺を除いた足先部、中間部または踵部に1または複数の磁石または磁性体を設け、他方のプレートに前記一方プレートの面の磁石に対向する位置に磁石または磁性体を、磁性体に対向する位置に磁石を設け、前記2枚のプレートのうち挟持部材を取り付けてない方のプレートを、ゴミ吸着シートの上に載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、前記挟持部材を取付けてないプレートの先端縁部および/または後端縁部をゴミ吸着シートの折り返し縁部とともに前記挟持部材のコの字状内に嵌入させ、前記2枚のプレートを重ね、上下のプレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせ、前記挟持部材で前記2枚のプレートの先端縁部を挟持し、上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟み、ゴミ吸着シートを着脱自在に固定して履物用ゴミ吸着部材を構成し、前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する。
【0013】
履物の底面形状の2枚のプレートに1または複数の磁石を異極を対向させて設けるか、または、一方のプレートに1または複数の磁石を、他方のプレートに前記一方のプレートの磁石に対向して磁性体を設け、前記2枚のプレートのうち一方のプレートを、ゴミ吸着シートに載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に他方のプレートを、磁石または磁性体を対向させて重ね、上下のプレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせ、前記重ねた2枚のプレートの先端縁部および/または後端縁部を、断面コの字状の挟持部材のコの字状内に嵌入させ、前記挟持部材で前記2枚のプレートの先端縁部および/または後端縁部を挟持して上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟み、ゴミ吸着シートを着脱自在に固定して履物用ゴミ吸着部材を構成し、前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する。
【0014】
磁石または磁性体を、2枚のプレートのそれぞれの表面に取付けてもよい。
【0015】
2枚のプレートを磁力線を通す材料で形成し、磁石または磁性体をプレートに内蔵させてもよい。
または、2枚のプレートを、一方のプレートは磁力線を通す材料で形成し、他方のプレートは磁力線を通さない材料で構成し、磁石または磁性体は、磁力線を通す材料よりなるプレートにおいては内蔵し、磁力線を通さない材料よりなるプレートにおいては表面に設けてもよい。
【0016】
プラスチック成形素材粉末に磁性体粉末を混合して成形した磁性体プレートよりなる履物の底面形状の2枚のプレートの双方または一方を磁化し、前記2枚のプレートのうちいずれかのプレートをゴミ吸着シートの上に載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に他方のプレートを重ね、両プレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせて上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟んでゴミ吸着シートを着脱自在に固定して履物用ゴミ吸着部材を構成し、前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る履物用ゴミ吸着用部材(以下ゴミ吸着用部材と言う)は一般に市販されている履物に使用することができる。また、ゴミ吸着用部材に装着するゴミ吸着用シートは、ゴミを吸着できる紙、布、フエルト等いずれでもよく、その截断形状は、限定せず、ゴミ吸着用シート取付けのための下方プレートの底面よりも大きく周縁部が下方プレートの周縁で折り返してその周縁を抱むことのできる大きさであればよい。
特に市販のモップ用紙を截って簡単に使用することができる。
ゴミ吸着用部材が履物の底面から簡単に取り外しができ、かつ、ゴミ吸着用部材の上下のプレートが簡単に分離できるので、ゴミを吸着したゴミ吸着シートは、簡単に取り外しができ、そのシートの端を摘んで捨てられるので、手をよごさない。
2枚のプレートの先端縁部を断面コの字状の挟持部材で挟持すれば、磁石および磁性体の数を減らすことができて、コストの安いゴミ吸着用部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
履物の底面形状と同形の2枚のプレート1、2を上下に重ねたときに対向する面において、一方のプレート1の面に1または複数の磁石3を設け、他方のプレート2に、磁石3に対向する位置に磁石4を、互いに異極が対向するように設ける。磁石4の代わりに、磁石にくっつく金属または金属粉混合プラスチック、セラミックなどの磁性体を用いてもよい。磁石および磁性体を取付けたプレート1と2でゴミ吸着シート装着部材5(以下単に装着部材5と言う)を形成する。
プレート1、2の面に設けた磁石または磁性体の面は、プレート1、2の面と面一あるか、突出するか、または、窪んだ状態であってもよい。
【0019】
プレート1、2の材料は、ゴム、プラスチック、木、金属のいずれでもよいが、EVAスポンジやウレタン合成樹脂が柔らかく屈曲性がよくて好ましい。
プレート1および2の大きさは、履物7の底板8の底面と同一であるのが好ましいが、同一でなく、実質的同一であればよく、多少底板8の底面よりも大きくても小さくてもよい。従って、市販の履物7に使用することができる。
プレート1、2の形状は、図1および2では左足用を図示したが、左右区別なく使用できる左右同形のものでもよい。
磁石3、4および磁性体の形状は限定しない。
磁石3、4が面積の小さい小形の場合には、複数個用い、面積の広いプレート状または帯状の場合には、1または少数用いる。
【0020】
2枚のプレート1、2のうち一方のプレート、図においてはプレート2の底面を、ゴミ吸着シート6(以下シートという)で覆い、シート6の周縁部をプレートの上面へ折り返し、プレートの周縁部を包む。
【0021】
次いで、他方のプレートを、磁石3と4または磁石と磁性体とを対向させてシート6で包んだプレートの上方に重ねる。
2つのプレートの磁石3と4または磁石と磁性体とが吸着して、シート6の折り返し周縁部を挟んで2つのプレートおよびシート6を着脱自在に固定する。
2つのプレートは、磁石と磁石、または、磁石と磁性体とで係止するので、シート6の折り返し周縁部が、磁石または磁性体を覆っても2つのプレートの係止に差支えがない。
【0022】
上方のプレート1の上面に両面接着材等接着材を取付け、図3に示すように、サンダル、スリッパ等の履物7の底板8の底面にプレート1を押し圧して着脱自在に接着固定する。これにより装着部材5が底板8に固定する。
【0023】
シート6を装着した装着部材5を取付けた履物7を着用して歩行すると、床のホコリ等ゴミがシート6に吸着する。
シート6にゴミが沢山吸着してゴミの吸着効率が悪くなれば、装着部材5を取り外し、プレート1と2とを取り外してもよいが、プレート1を底板8に接着したままプレート2をプレート1から取り外し、シート6を取り外して捨てる。
新たなシート6のプレート2への装着は前記のとおりの方法で行い、プレート2にシート6を装着し、再びプレート1に取付ける。
【0024】
シート6を下方のプレートに強固に装着するために、図4に示すようにプレート2の上面の周縁部に、環状の凹部9または複数の凹部を設け、プレート2の底面に当接したシート6のプレート2の上面周縁部への折り返し縁部を、凹部9または前記凹部内に嵌合できる環状の押さえ部材10で押さえて押さえ部材10と共に凹部内に嵌合してもよい。
シート6をプレート2から取り外すためにはシート6を押さえている押さえ部材10を取り外ずせばよい。
【0025】
シート6の下方のプレートに強固に装着するための他の方法を図5に示す。
下方のプレート2aは、ゴム、弾性プラスチック等の弾性体で構成し、プレート2aの周縁部に環状の切り線11または周縁部の複数の箇所に切り線を設ける。
プレート2aの底面にシート6を当接し、その周縁部を上方へ折り返し、周縁部の一部を切り線11の中に押し込む。
プレート2aは弾性体であるので、シート6の周縁部を切り線11内に押し込む際には、切り線11の部分は開くが、押し込んだ後は復元しようとして押し込んだシート6の周縁部を強く挟む。この挟む力と上方に当接したプレートの面とでシートを強く押さえる。 シート6を外すためには、シート6の周縁部を摘んで強く引けば、その切り線11内の周縁部が外れ、シート6をプレート2aから容易に外すことができる。
【0026】
更に、シート6を下方のプレートに強固に装着するために、図6に示すように一方のプレートの上面の周縁部に、環状の凹部9または複数の凹部を設け、他方のプレートには、前記凹部に嵌合できる突部12を設け、一方のプレートの底面に当接したシート6のプレートの上面周縁部への折り返し、他方のプレートをその上から重ね、シート6の折り返し縁部を、突部12で押さえて折り返し縁部と共に突部12を凹部内に嵌合するようにしてもよい。シート6の折り返し縁部は、凹部の底で突部12に強く押されると共に、2つのプレートの面でも挟まれ、シート6が強固に固定した装着部材5が得られる。
シート6を装着部材5から取り外すためには、シート6を押さえている2つのプレートを外し、シート6の折り返し周縁部の端を摘んでプレートから取り外ずせばよい。
【0027】
磁石3、4、または、磁石とそれに対応する磁性体の数を減らしてコストを安くするための装着部材を図7およびず8に示す。
【0028】
図7に示す装着部材13は、2枚のプレート1、2の内一方の、図においてはプレート1の足先縁部および/または踵縁部の下面に、断面コの字形の挟持部材14を、そのコの字の2つの先端をプレートの内方向に向け、コの字の対向する2辺の上辺の外面を接着またはカシメ等の方法で固定する。
挟持部材14のコの字状の縦の面は、、プレートの縁部曲面に合わす。
【0029】
プレート1の面で、挟持部材14を取付けた縁部付近を除いて、たとえば、挟持部材14を足先縁部に取り付けている場合には踵部に、挟持部材14を踵縁部に取り付けている場合には足先部に、挟持部材14を足先縁部および踵縁部に取り付けている場合には中間部に、磁石3、4、または、磁性体を取付け、プレート2の面には、プレート1の磁石に対向する位置に磁石または磁性体を、プレート1の磁性体に対向する位置には磁石を取り付ける。磁石と磁石とを対向させる場合には、異極を対向させる。
【0030】
2枚のうち、挟持部材14を取付けていない方のプレート、図においてはプレート2に、前記の要領でシート6を装着する。
シート6を装着したプレートの先端縁および/または後端縁を挟持部材のコの字状部分内に押し込んで嵌合させ、磁石3と4とで、または、磁石と磁性体とで、2枚のプレートを着脱自在に接着させて装着部材13を形成する。
装着部材13の使用方法は、装着部材5について前記説明した要領と同じである。
【0031】
図8に示す装着部材15は、2枚のプレート1、2の内一方の、図においてはプレート1の足先縁部および/または踵縁部の上面に、断面コの字形の挟持材部16を、そのコの字の2つの先端をプレートの内方向に向け、コの字の対向する2辺の上辺の内面を接着またはカシメ等の方法で固定する。
挟持部材16は、コの字状の対向する2辺の内下辺の内面とプレート1の足先縁部または踵縁部の下面との間に、後述のシート6を装着したプレート2の先端縁および/または後端縁を嵌入させる間隔を有する大きさとする。
【0032】
プレート1の面で、挟持部材16を取付けた縁部付近を除いて、たとえば、挟持部材16を足先縁部に取り付けている場合には踵部の面と、挟持部材16を踵縁部に取り付けている場合には足先縁部の面と、挟持部材16を足先縁部および踵縁部に取り付けている場合には中間部に、磁石または磁性体を取付け、それに対応するプレート2の面に、プレート1の磁石または磁性体に対向して磁石または磁性体を取り付ける。
【0033】
2枚のプレートのうち、挟持部材16を取付けていない方のプレート、図においてはプレート2に、前記の要領でシート6を装着する。
シート6を装着したプレートを磁石または磁性体を上方にして前記挟持部材16を取付けたプレートの下面に対向させ、先端縁および/または後端縁を挟持部材16のコの字状部分内で上方のプレートの縁部下方の間隔に押し込んで嵌合させ、磁石3と4とで、または、磁石と磁性体とで、2枚のプレートを着脱自在に接着させて装着部材15を形成する。
装着部材15の使用方法は、装着部材5について前記説明した要領と同じである。
【0034】
挟持部材16は、いずれのプレートにも固定せずに、シート6を装着したプレートとそれに重ねたプレートの、先端縁および/または後端縁を嵌合してそれを挟持してもよい。
【0035】
装着部材13および15は、重ねた2枚のプレート縁部を挟持部材14、16で挟んでいるので、挟持部材14、16に近い面に磁石または磁性体がなくても、2枚のプレートは強く接合する。
【0036】
前述の各実施の形態においては、プレートの表面の磁石または磁性体を上方にしてシート6の上に載置し、シート6の周縁部をプレートの上面側に折り返し、その上方に他のプレートを重ねた。この場合は、プレートの材料が磁力線を通すものでも、通さないものでも、いずれでもよい。プレートが磁力線を通す材料よりなる場合には、プレートの表面の磁石または磁性体を下方に向けてシート6の上に載置し、シート6の周縁部をプレートの上方側に折り返し、その上方に他のプレートを重ねてもよい。すなわち、プレートの表裏を気にすることなく、シート6を装着できる。シート6を装着したプレートの上に重ねるプレートも、磁力線を通す材料で形成すれば、いずれの面を重ねてもよい。この場合、プレートの素材が磁力を通すので、2枚のプレートの双方の磁石同士または磁石と磁性体とが引き合って接合する。
【0037】
前述の各実施の形態においては、磁石または磁性体をプレートの表面に設けたことを前提として説明した。
しかしながら、プレートを磁力線を通す材料で形成した場合には、磁石または磁性体をプレートの中に内蔵させてもよい。
【0038】
磁石または磁性体をプレートの中に内蔵させる方法は、限定しないが、次の方法によることができる。
その1つの方法は、インサート成形によるものである。これは、金型内に磁石または磁性体を入れてプラスチック溶液を注入する方法である。
他の方法としては、2枚のプレートで磁石または磁性体を挟んで接着し、1枚のプレートとする方法である。この磁石または磁性体を挟む際には、磁石または磁性体の位置決めのために、プレートの表面に、磁石を載置する位置に標(しるし)をしておくのが好ましい。標をする方法は限定しないが、孔を開けた型シートを用い、プレートの上に型シートを当て、孔の位置に鉛筆またはインク等で標をするのが好ましい。
【0039】
磁石または磁性体を内蔵させたプレートの場合には、プレートの表裏を区別することなく、シート6を装着することができる。
【0040】
磁石または磁性体を内蔵させる代わりに、プレートの成形に際して、成形素材のプラスチック粉末に磁性体粉末を混合して射出成形し、磁性体プレートを形成し、その磁性体プレートのうち所望の数のプレートを磁化して磁石プレートを形成する。
そして、2枚の磁石プレートで、または1枚の磁石プレートと1枚の磁性体プレートとで、ゴミ吸着シート装着部材を形成する。
シート6の装着方法は前記実施例について説明した方法と同じである。
プレート自体を磁石プレートまたは磁性体プレートとした場合も、プレートの表裏を気にすることなくシート6を装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ゴミ吸着シート装着部材の説明図である。
【図2】プレートにゴミ吸着シートを装着した状態の平面図である。
【図3】履物用ゴミ吸着部材を装着した履物の腰部断面説明図である。
【図4】他の実施の形態のプレートのゴミ吸着シートの装着構造の説明図である。
【図5】他の実施の形態のプレートのゴミ吸着シートの装着構造の説明図である。
【図6】他の実施の形態のプレートのゴミ吸着シートの装着構造の説明図である。
【図7】他の実施の形態のプレートのゴミ吸着シートの装着構造の説明図である。
【図8】他の実施の形態のプレートのゴミ吸着シートの装着構造の説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1、2 プレート
3、4 磁石
5 ゴミ吸着シート装着部材
6 ゴミ吸着シート
7 履物
8 底板
9 凹部
10 押さえ部材
11 切り線
12 突部
13、15 ゴミ吸着シート装着部材
14、16 挟持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物の底面形状の2枚のプレートのそれぞれに、対向して1または複数の磁石を設けるか、または、一方のプレートには1または複数の磁石を、他方のプレートには、前記一方のプレートの磁石に対向して1または複数の磁性体を設け、前記2枚のプレートのうちいずれかのプレートをゴミ吸着シートの上に載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に他方のプレートを重ね、両プレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせて上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟んでゴミ吸着シートを着脱自在に固定してなり、前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する履物用ゴミ吸着部材。
【請求項2】
履物の底面形状の2枚のプレートのうち、一方のプレートの先端縁および/または後端縁の面に、断面コの字状の挟持部材のコの字状の2つの先端をプレートの内方向に向け、コの字状の上面を当接させて固定し、
前記挟持部材を取付けた面を下向け、前記挟持部材を取付けた周縁部近辺を除いた足先部、中間部または踵部に1または複数の磁石または磁性体を設け、他方のプレートに、前記挟持部を設けたプレートの磁石または磁性体に対向して磁石を設けるか、または、前記挟持部を設けたプレートの磁石に対向して磁性体を設け、前記2枚のプレートのうち、前記挟持部材を取付けてない方のプレートをゴミ吸着シートに載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に、前記挟持部を設けてあるプレートを、双方の磁石または磁性体を対向させて載置し、上下のプレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせ、前記挟持部材を取付けてないプレートの先端縁部および/または後端縁部を前記挟持部のコの字状内に嵌入させ、上下のプレートを着脱自在に係止し、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟み、ゴミ吸着シートを着脱自在に固定してなり、 前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する履物用ゴミ吸着部材。
【請求項3】
断面コの字状の挟持部材のコの字状の2つの先端を、履物の底面形状の2枚のプレートのうち、一方のプレートプレートの内方向に向け、前記挟持部材のコの字内で、コの字の上方の辺の下面に、前記一方のプレートの先端縁および/または後端縁の上面を当接させて固定し、前記挟持部材を取付けた面を下向け、前記挟持部材を取付けた周縁部近辺を除いた足先部、中間部または踵部に1または複数の磁石または磁性体を設け、他方のプレートに前記一方プレートの面の磁石に対向する位置に磁石または磁性体を、磁性体に対向する位置に磁石を設け、前記2枚のプレートのうち挟持部材を取り付けてない方のプレートを、ゴミ吸着シートの上に載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、前記挟持部材を取付けてないプレートの先端縁部および/または後端縁部をゴミ吸着シートの折り返し縁部とともに前記挟持部材のコの字状内に嵌入させ、前記2枚のプレートを重ね、上下のプレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせ、前記挟持部材で前記2枚のプレートの先端縁部を挟持し、上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟み、ゴミ吸着シートを着脱自在に固定してなり、
前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する履物用ゴミ吸着部材。
【請求項4】
履物の底面形状の2枚のプレートに1または複数の磁石を異極を対向させて設けるか、または、一方のプレートに1または複数の磁石を、他方のプレートに前記一方のプレートの磁石に対向して磁性体を設け、
前記2枚のプレートのうち一方のプレートを、ゴミ吸着シートに載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に他方のプレートを、磁石または磁性体を対向させて重ね、上下のプレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせ、前記重ねた2枚のプレートの先端縁部および/または後端縁部を、断面コの字状の挟持部材のコの字状内に嵌入させ、前記挟持部材で前記2枚のプレートの先端縁部および/または後端縁部を挟持して上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟み、ゴミ吸着シートを着脱自在に固定してなり、
前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する履物用ゴミ吸着部材。
【請求項5】
磁石または磁性体が、2枚のプレートのそれぞれの表面に取付けてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の履物用ゴミ吸着部材。
【請求項6】
2枚のプレートが磁力線を通す材料よりなり、磁石または磁性体が内蔵させてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の履物用ゴミ吸着部材。
【請求項7】
2枚のプレートが、一方のプレートは磁力線を通す材料よりなり、他方のプレートは磁力線を通さない材料よりなり、磁石または磁性体が、磁力線を通す材料よりなるプレートにおいては内蔵し、磁力線を通さない材料よりなるプレートにおいては表面に設けてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の履物用ゴミ吸着部材。
【請求項8】
プラスチック成形素材粉末に磁性体粉末を混合して成形した磁性体プレートよりなる履物の底面形状の2枚のプレートの双方または一方を磁化し、前記2枚のプレートのうちいずれかのプレートをゴミ吸着シートの上に載置し、そのゴミ吸着シートの周縁部をプレートの周縁上面に折り返し、その上に他方のプレートを重ね、両プレートの磁石と磁石、または、磁石と磁性体とを引き合わせて上下のプレートを着脱自在に係止し、かつ、上下のプレートで、前記ゴミ吸着シートの折り返し周縁部を挟んでゴミ吸着シートを着脱自在に固定してなり、前記上方のプレートの上面を履物の底面に着脱自在に接着して使用する履物用ゴミ吸着部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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