説明

建物

【課題】 本発明は、建物外周の布基礎部分で断熱することにより1階床下空間を断熱空間とした建物において、1階床部に適度な断熱性を有する蓄熱層を形成することにより暖房機器の間欠運転を行う場合に発生する問題を解決し、暖房機器起動時の速やかな暖房の立ち上げと、暖房機器停止後の暖房効果の持続を図ることが出来る建物、及び床暖房を行う際の不快感を解消することが出来る建物を提供することを可能にすることを目的としている。
【解決手段】 建物外周の鉄筋コンクリート布基礎1の地表からの露出部分で断熱して断熱空間とした1階床下空間3を有すると共に、鉄筋補強された軽量気泡コンクリートパネル6からなる蓄熱層と、該蓄熱層の上層に床仕上げ材8を含む1階床部9と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物外周の布基礎部分で断熱することにより1階床下空間を断熱空間とした建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物において、暖房を必要とする冬季に床からの熱の損失を抑制することを目的として基礎断熱が行われている。基礎断熱は建物外周部の布基礎の床下換気口を排除したり基礎立ち上がり部に断熱材を貼付する等して1階床下空間を他の室内空間と同様に断熱された空間とするものであり、1階床面に断熱境界を形成する床断熱に比べて直接外気に接触する領域が小さいので外気の影響を受け難く、温度や湿度の変化が穏やかに推移するため居住性や省エネルギー性や耐久性の点で優れている。
【0003】
また、基礎断熱は外気の影響を受け難く1年を通じて温度変化の少ない地盤を断熱層、蓄熱層として活用出来るため床断熱のように床面全体を断熱しなくとも断熱境界を形成することが出来るというメリットを有する。
【0004】
更には、床断熱は断熱材を載置、吊下げ、根太間への挟み込み等により床に配置する際の下地材となる床面や根太等が予め必要で施工がし難く、根太や床パネル支持用の梁等によって断熱材が分断されたり狭い床下空間での施工の際の不手際によって隙間が生じる等して熱の流出部も形成され易いのに対し、基礎断熱は断熱材を基礎工事完了後の障害のない状態で強固な鉄筋コンクリート造の基礎を下地として隙間なく貼着することが出来るので手間がかからず熱の流出部も生じ難いというメリットも有する。
【0005】
断熱基礎とした場合の1階床の構成は、例えば特許文献1に開示されているように、合板等の比較的薄く断熱性や蓄熱性が低い床下地の上にフローリング材等の床仕上げ材を敷設するのが一般である。
【0006】
【特許文献1】特開平10−266373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
北海道等の寒冷地においては冬季は連続的に全館で暖房が行われ、基礎断熱を施した建物では冬季の居住性を高める為床下空間にも室内の暖められた空気を供給する等して暖房するのが一般的である。従って、床下空間は室内と同等の温度に保たれるので床材には断熱性は必要ではない。また、床下に熱を投入し床下の暖められた空気を建物内に循環させて暖房することもあり、このとき、断熱性の低い床材の方が暖かさを享受し易く好ましい。そしていずれの場合においても常に熱が供給されるので床材に蓄熱性を求める必要はない。よって冬季に連続的に全館暖房を行う場合は特許文献1に開示されている床構成で問題はない。
【0008】
一方、東京や大阪等の比較的温暖な地方においては就寝時や不在時に暖房機器の運転を停止する間欠運転を行うのが一般的である。この場合、特許文献1に開示されているような断熱性の低い床構成であると、運転を停止し床下空間の温度が低下した後に暖房機器を再起動すると、起動の初期には床下の空間側に移動する熱の割合が大きく床面が温まりにくいという問題がある。また基礎断熱の場合、基礎コンクリートを蓄熱層とするのが一般的であるが、間欠運転を行った場合、基礎コンクリートは床暖房パネルや空調機の温風吹き出し口から遠いために温まり難く蓄熱層として機能し難く、蓄られたとしても居室空間から離れた場所で放熱されるので暖房停止後に居住者が暖かさを享受し難いという問題もある。
【0009】
前述の問題を解決するための手段として過剰な断熱性を有する材料を床面に配設すると、暖房運転開始時の床面温度の温まり難さの問題は解決するものの、床下空間への熱の移動量が減って床下の基礎コンクリートでの蓄熱が更に行われ難くなる。そして、蓄熱されない熱は空気中に拡散して暖房運転中は暖かさが増すものの暖房停止とともに室温や床面の温度は低下し、蓄熱部からの放熱も期待出来ないので暖房停止後はかえって室温や床面の温度が低下してしまうことになる。また、広範囲に渡って2重に断熱境界を形成することになり非合理的である。
【0010】
また、北海道等の寒冷地においては、近年、建物の断熱の強化により床暖房に対する不満の声が聞かれる。断熱の強化により壁面等の温度が上昇し、室温が低くても快適感が得られるようになったにも拘らず、床面からの熱の過剰な供給があり、更に床面からの熱の供給により不要な上昇気流が生じ、不快に感じるという問題がある。
【0011】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、建物外周の布基礎部分で断熱することにより1階床下空間を断熱空間とした建物において、1階床部に適度な断熱性を有する蓄熱層を形成することにより暖房機器の間欠運転を行う場合に発生する問題を解決し、暖房機器起動時の速やかな暖房の立ち上げと、暖房機器停止後の暖房効果の持続を図ることが出来る建物、及び床暖房を行う際の不快感を解消することが出来る建物を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明に係る建物の第1の構成は、建物外周の鉄筋コンクリート布基礎の地表からの露出部分で断熱して断熱空間とした1階床下空間を有するすると共に、鉄筋補強された軽量気泡コンクリートパネルからなる蓄熱層と、該蓄熱層の上層に床仕上げ材とを含む1階床部とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る建物の第2の構成は、前記第1の構成において、床暖房システムを有し、1階床面に床暖房放熱パネルを敷設したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る建物の第3の構成は、前記第2の構成において、前記床暖房放熱パネルを冷気流の当る1階床面に局所的に敷設し、該床暖房放熱パネルにより居住者が長時間接触しない1階床面を加熱することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る建物の第1の構成によれば、鉄筋補強された軽量気泡コンクリート(ALC)パネルは、暖房機器の運転時は蓄熱するとともに余剰の熱の床下空間への供給を行って断熱空間である床下空間の温度を維持し、運転を停止した後は断熱され温度を維持しやすい床下空間よりも低温となる室内(床面上方)に向かって徐々に熱を放出することにより暖房効果の持続を図ることが出来る。また、ALCパネルと床仕上げ材との組み合わせによる適度な熱貫流率によって暖房機器起動時の遅滞ない暖房立ち上げを実現することが出来る。また、放熱が床面で行われるので足の裏からの伝導や床面からの輻射によって居住者が暖かさを享受することが出来る。
【0016】
また、本発明に係る建物の第2の構成によれば、床暖房システムを導入し、1階床面に床暖房放熱パネルを敷設することにより、1階床部の蓄熱層への熱の移動が効率的に行われ、間欠運転を行う場合の蓄熱効果を更に高めることが出来る。更に、例えば、床暖房放熱パネルの温水循環パイプ等の配管を断熱被覆をせずに露出状態で断熱空間(断熱境界の内側)である1階床下空間に敷設することで建物外周の布基礎部分で断熱された1階床下空間の温度維持に寄与出来、床暖房放熱パネルの敷設されていない部屋の暖房効果も期待出来る。
【0017】
また、本発明に係る建物の第3の構成によれば、床暖房放熱パネルを居住者が主に生活する居室の中央部には敷設せず、窓や外壁に沿って、或いは階段下等の上階から冷気が降下する所定の場所に敷設することで、居住者に過剰な熱を与えることが無く、また上階から降下する冷気流を加熱することが出来るので居住者が長く滞在する居室の中央部等の場所で不快な気流を感じることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
床部の熱貫流率は、間欠暖房開始時の床面の温まり易さと床下空間の暖まり易さに影響する。床面の温まり易さを重視するなら床部の熱貫流率を小さくすることが有効である。逆に床下空間の温まり易さを重視するのであれば床部の熱貫流率は大きくすべきである。
【0019】
本発明の出願人は、確認試験等により、ALCパネルと床仕上げ材との組みあわせにより床部の熱貫流率を0.9W/mKから1.3W/mKに設定した場合、床下空間の温度上昇と室内床面温度の温度上昇が両立出来ることを確認した。
【0020】
また、熱貫流率は床面や床下空間の暖房開始時の暖まり易さ、暖房停止後の冷め難さにも影響する。一般的に熱貫流率は熱容量と負の相関関係にある。床部の熱貫流率を大きくすると熱容量が大きくなり、暖房開始時の床面の温度上昇は遅くなってしまうが、暖房停止後の温度低下を緩やかにすることが出来る。逆に床部の熱貫流率を小さくすると熱容量が小さくなり、暖房開始時の温度上昇は早くなるものの、暖房停止後の温度低下も早まってしまう。
【0021】
本発明の出願人は、上記床構成により床部の熱貫流率を0.9W/mKから1.3W/mKに設定した場合、床面の熱容量はおよそ40kJ/mK〜90kJ/mKの範囲となり、暖房開始時には遅滞なく床面の温度が上昇し、尚かつ就寝時の暖房停止後から翌朝の暖房再開まで、徐々に熱を放出し暖房効果を維持することが出来ることも確認した。
【0022】
図により本発明に係る建物の一実施形態を具体的に説明する。
【実施例1】
【0023】
先ず、図1を用いて本発明に係る建物の第1実施形態について説明する。図1は本発明に係る建物の第1実施形態の構成を示す断面説明図、図2は本発明に係る建物の第1実施形態においてエアコン暖房運転による蓄熱層の蓄熱効果を説明する図である。
【0024】
図1において、建物の外周部の基礎は鉄筋コンクリートからなる布基礎1で構成されている。布基礎1の立ち上がり部の地表からの露出部分の内面には厚さ80mmの押出しポリスチレンフォームからなる断熱材2が配置されており、該布基礎1部分で断熱することにより1階床下空間3が断熱空間として構成される。1階床下空間3の地盤面4には防湿コンクリート5が打設されている。尚、建物の外周部の布基礎1には換気口は設けないか、設けたとしても暖房機器を運転する冬季は遮蔽可能な構造とすることが必要である。
【0025】
布基礎1の上面或いは図示しない鋼製梁の上面には厚さが100mmの鉄筋補強された軽量気泡コンクリートパネル(以下、「ALCパネル」という)6が載置して支持され、蓄熱層とされる。蓄熱層となるALCパネル6の上面(上層)には下地調整材(モルタル12mm)7及び床仕上げ材(寄木合板9mmとクッション材としてのポリエチレンフォーム2mmからなる直貼フローリング材)8が順次載置されて1階床部9が構成されている。図中、10は外壁である。
【0026】
上記構成の1階床部9の熱貫流率は、およそ1.0W/mKとなる。尚、モルタルは1階床部9の他の構成材料に比べて熱貫流率が大きく1階床部9全体の熱貫流率に大きな影響を与えるものではない。
【0027】
厚さ100mmのALCパネル6と厚さ12mmのモルタルとで構成された1階床部9では77.6kJ/mKの熱容量が得られる。これに寄木合板等の床仕上げ材8の熱容量を加算するとは1階床部9全体での熱容量はおよそ82kJ/mKとなる。
【0028】
尚、上記の熱貫流率及び熱容量は、住宅の床仕上げ材8として一般に広く流通している厚さ10mm前後の寄木合板(クッション材を貼着した寄木合板も含む)であれば大きく変動することはない。
【0029】
<実験>
上記構成の建物の室内にヒートポンプ式のエアーコンディショナー(以下、「エアコン」という)を設置して毎日18時から24時の間のみエアコンを暖房運転する、という間欠運転を繰り返し、その間の外気温度a、1階床面温度b、1階床下空間温度c、1階室内温度d及び地中温度eを測定した結果を図2に示す。尚、エアコンの設定温度は23℃であり、外気温度aは−4℃から+8℃の範囲で推移した。
【0030】
図2に示すグラフから明らかなように、実験期間中、1階床下空間3の温度cは12℃前後を安定して維持した。これはALCパネル6を介して1階床下空間3に熱が供給され、この熱が断熱材2により断熱された布基礎1と年間を通じて温度変化の少ない地盤によって維持されたことを意味している。
【0031】
また、エアコンの運転停止後の1階床面温度bの低下度合いは1階室内温度dの低下度合いより小さく、常に1階床面温度bが1階室内温度dよりも高い温度を維持した。これは、断熱空間である1階床下空間3の温度cが1階室内温度dよりも高く維持されるとともに、蓄熱層として機能したALCパネル6に蓄えられた熱が室内側に放出されたことを意味している。
【0032】
更に、エアコンの運転開始直後の1階床面温度bの上昇度合いも1階室内温度dの上昇度合いにほぼ等しく、温度上昇の遅延は見られなかった。これは、ALCパネル6と床仕上げ材8からなる1階床部9の構成により蓄熱層であるALCパネル6への熱の移動を行いつつも、適度な断熱性により床面表面部に熱を留めることが出来たことを意味している。尚、図2に示す2004年12月11日及び12日における昼間の1階床面温度bと1階室内温度dの上昇は開口部(窓)からの日射の影響によるものである。
【0033】
<比較実験>
上記第1の実施形態におけるモルタルを、厚さ12mm、熱抵抗値0.6mK/Wのフェノールフォームからなる断熱材に置き換えて1階床部9の熱貫流率をおよそ0.7W/mKとして同様の実験を行ったところ、1階床下空間3の温度cは9℃前後に留まった。また、エアコンの運転停止後の1階床面温度bの低下度合いは1階室内温度dの低下度合いにほぼ等しくなり、1階床面温度bは1階室内温度dとほぼ同じ値となった。
【0034】
これは、断熱材により1階床下空間3への熱の移動が制限されて1階床下空間3の暖まりかたが弱まり温度が低下したものと判断出来る。また、ALCパネル6への蓄熱量も減少してエアコンの運転停止後にALCパネル6からの室内側への放熱が減少した為、1階床面温度bが1階室内温度dの低下に追従して低下したものと判断出来る。また、断熱材で1階床下空間3への移動を抑制された熱は室内に拡散し室内空間に蓄えられることなく窓面等から室外に放出されたものと思われる。
【0035】
上記構成によれば、鉄筋補強されたALCパネル6は、暖房機器の運転時は蓄熱するとともに余剰の熱を1階床下空間3へ供給して断熱空間である1階床下空間3の温度cを維持し、エアコンの運転を停止した後は断熱され温度を維持し易い1階床下空間3よりも低温となる室内(床面上方)に向かって徐々に熱を放出することにより暖房効果の持続を図ることが出来る。また、ALCパネル6と床仕上げ材8とを組み合わせたことによる適度な熱貫流率によって暖房機器起動時の遅滞ない暖房立ち上げを実現することが出来る。また、放熱が床面で行われるので足の裏からの伝導や床面からの輻射によって居住者が暖かさを享受することが出来る。
【0036】
尚、上記第1の実施形態では、建物外周部の布基礎1の立ち上がり部の内面に断熱材2を配置してあるが、断熱材2は立ち上がり部の外面に配置しても構わない。断熱材2を外面に配置することによって断熱材2の破損や劣化を防ぐための処置が必要になるが、外周部の布基礎1と他の布基礎が交わる部分において断熱材2の連続性が損なわれることがないという点では優れている。
【実施例2】
【0037】
次に、図3を用いて本発明に係る建物の第2実施形態について説明する。図3は本発明に係る建物の第2実施形態の構成を示す断面説明図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
本実施形態では、図3に示すように、第1実施形態に温水循環式の床暖房システムを付加したものであり、ALCパネル6の上面にモルタルに替えて床暖房放熱パネル11が載置され、該床暖房放熱パネル11の上面に床仕上げ材8が載置されて1階床部9が構成されている。そして、室外には図示しないボイラーが設置され、床暖房放熱パネル11とボイラーとは1階床下空間3に配設された図示しない温水循環パイプによって結ばれ、ボイラーから床暖房放熱パネル11に温水が供給される。尚、床暖房システムは温水循環式に限定されるものではなく、電気式等の床暖房システムであってもよい。
【0039】
上記構成により、床暖房システムを導入し、1階床面に床暖房放熱パネル11を敷設することにより、床暖房放熱パネル11から1階床部9の蓄熱層であるALCパネル6への熱の移動が直接的に効率良く行われ、蓄熱効果を更に高めることが出来る。
【0040】
また、本実施形態のように床暖房システムが温水循環式の場合、床暖房放熱パネル11の温水循環パイプ等の配管を断熱被覆をせずに露出状態で断熱空間(断熱境界の内側)である1階床下空間3に敷設することで建物外周の布基礎1部分で断熱された1階床下空間3の温度維持に寄与出来、床暖房放熱パネル11の敷設されていない部屋の暖房効果も期待出来る。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成して同様の効果を得ることが出来る。
【実施例3】
【0041】
次に、図4を用いて本発明に係る建物の第3実施形態について説明する。図4は本発明に係る建物の第3実施形態の構成を示す平面説明図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、図4に示すように、床暖房放熱パネル11を、冷気流が当たり、かつ居住者が長時間接触しない1階床面に局所的に敷設し、加熱するように構成したものである。本実施形態では1階の開口部(窓)12の近傍、外部に面する壁の近傍、及び1階床面と、上階へ至る階段13の昇り口近傍の1階床面に局所的に床暖房放熱パネル11を敷設して、居住者が長時間留まらない居室の周辺部の1階床面のみを加熱し居住者が主に生活する居室の中央部14の1階床面は加熱しないように構成している。
【0043】
上記構成により、床暖房放熱パネル11を居住者が主に生活する居室の中央部14には敷設せず、外気の影響により温度が低下し冷気が下降しやすい窓や外壁に沿って、或いは階段下等の上階から冷気が降下し易い場所に敷設することで、居住者に過剰な熱を与えることがない。また上方から降下する冷気流を加熱することが出来るので居住者が長く滞在する居室の中央部14等の場所で不快な気流を感じることがない。他の構成は前記各実施形態と同様に構成して同様の効果を得ることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の活用例として、建物外周の布基礎部分で断熱することにより1階床下空間を断熱空間とした建物に適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る建物の第1実施形態の構成を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る建物の第1実施形態においてエアコン暖房運転による蓄熱層の蓄熱効果を説明する図である。
【図3】本発明に係る建物の第2実施形態の構成を示す断面説明図である。
【図4】本発明に係る建物の第3実施形態の構成を示す平面説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1…布基礎
2…断熱材
3…1階床下空間
4…地盤面
5…防湿コンクリート
6…ALCパネル
7…下地調整材
8…床仕上げ材
9…1階床部
10…外壁
11…床暖房放熱パネル
12…窓開口部
13…階段
14…居室の中央部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物外周の鉄筋コンクリート布基礎の地表からの露出部分で断熱して断熱空間とした1階床下空間を有すると共に、鉄筋補強された軽量気泡コンクリートパネルからなる蓄熱層と、該蓄熱層の上層に床仕上げ材を含む1階床部と、を有することを特徴とする建物。
【請求項2】
床暖房システムを有し、1階床面に床暖房放熱パネルを敷設したことを特徴とする請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記床暖房放熱パネルを冷気流の当る1階床面に局所的に敷設し、該床暖房放熱パネルにより居住者が長時間接触しない1階床面を加熱することを特徴とする請求項2に記載の建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−107334(P2007−107334A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−301343(P2005−301343)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【Fターム(参考)】