説明

微細形状転写シートの製造装置および微細形状転写シートの製造方法

【課題】プレスを繰り返しても緩衝材の厚み減少分が元の状態近くまでその都度復元し、シート状基材に転写ムラを発生することなく転写成形することのできる微細形状転写シートの製造装置と製造方法を提供する。
【解決手段】微細形状が表面に形成された金型3と、金型の表面にシート状の樹脂基材2を押圧するプレート板と、樹脂基材が挿入される位置とプレート板との間に設けられた緩衝材17とを含む微細形状転写シートの製造装置1において、緩衝材のクッション率が25%以上かつ変形回復率が40%以上である。微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、緩衝材を介してプレート板により樹脂基材を金型に押圧して樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの成形方法において、緩衝材として、クッション率が25%以上かつ変形回復率が40%以上である緩衝材を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細形状転写シートの製造装置および微細形状転写シートの製造方法に関する。更に詳しくは、転写ムラを発生することのない微細形状転写シートの製造装置と微細形状転写シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導光板、光拡散板、レンズ等の光学フィルムを製造する手段として、薄いフィルムなどのシート状基材の表面に、金型(スタンパー)の表面に設けた微細凹凸形状を転写するプレス成形方法が知られている(特許文献1、特許文献2)。
また、このようなプレス成形法では、特にシート状基材に対する金型(スタンパー)のプレス時に緩衝材の効果を有効に活用することができず、転写ムラを起こすことがあった。
【0003】
このような観点にもとづいて、スタンパーと基材の間に緩衝材を介してプレスすることが提案されている(特許文献3)。
しかし、特許文献3の提案では、具体的な緩衝材として、物性などは検討されておらず、例えば、市販されているポリイミドフィルム、テフロン(登録商標)、シリコーンゴム、PETフィルム、ポリエチレンフィルム、NBR等を使用することが提案されているに止まり、これら市販されている材料を使用しても、プレスを繰り返す度に緩衝材の変形が起き、結果、緩衝材の厚みが減少し、転写ムラを引き起こすという問題は完全に解消されるわけではなかった。
【特許文献1】特開2005―199455号公報
【特許文献2】特開2005―310286号公報
【特許文献3】特開2004―288804号公報(段落0018)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、プレスを繰り返し実施しても緩衝材の厚み減少分が元の状態近くまでその都度復元し、その結果、シート状基材に転写ムラを発生することなく転写成形することのできる微細形状転写シートの製造装置と微細形状転写シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成する本発明の微細形状転写シートの製造装置は、微細形状が表面に形成された金型と、金型の表面にシート状の樹脂基材を押圧するプレート板と、樹脂基材が挿入される位置とプレート板との間に設けられた緩衝材とを含む微細形状転写シートの製造装置において、緩衝材のクッション率が25%以上かつ変形回復率が40%以上であることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の微細形状転写シートの製造方法は、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、緩衝材を介してプレート板により樹脂基材を金型に押圧して樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの成形方法において、緩衝材として、クッション率が25%以上かつ変形回復率が40%以上である緩衝材を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プレスを繰り返し実施しても緩衝材の厚み減少分が元の状態近くまでその都度復元し、シート状樹脂基材に転写ムラを引き起こすことなく転写成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、更に詳しく本発明の微細形状転写シートの製造装置と微細形状転写シートの製造方法について説明する。
【0009】
まず、本発明の微細形状転写シートの製造装置は、微細形状が表面に形成された金型と、金型の表面にシート状の樹脂基材を押圧するプレート板と、樹脂基材が挿入される位置とプレート板との間に設けられた緩衝材とを含む微細形状転写シートの製造装置において、緩衝材としてクッション率が25%以上かつ変形回復率が40%以上である緩衝材を用いてなるものである。
【0010】
また、本発明の微細形状シートの製造方法は、微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、緩衝材を介してプレート板により樹脂基材を金型に押圧して樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの成形方法において、 緩衝材として、クッション率が25%以上かつ変形回復率が40%以上である緩衝材を用いる方法である。
【0011】
かかる構成及び方法を採用することにより、プレート板によりシート状樹脂基材を金型に押圧(プレス)してシート状樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、プレスを繰り返し実施しても緩衝材の厚み減少分が元の状態近くまでその都度復元し、シート状樹脂基材に転写ムラを引き起こすことなく転写成形することができる。
【0012】
本発明にかかる緩衝材は、そのクッション率が25%以上であることが必要である。ここで本発明におけるクッション率とは、標準測定子(No900030)を取り付けたダイヤルゲージで緩衝材を押さえ、ダイヤルゲージ押さえ部分に荷重をかけないときの緩衝材の厚みをd0(μm)、500gの荷重をかけたときの緩衝材の厚みをd500(μm)として下記式で求められる値である。
・クッション率(%)={(d0−d500)/d0}×100。
【0013】
クッション率が25%以上であると、プレート板によりシート状樹脂基材を金型にプレスしてシート状樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、シート状樹脂基材に転写ムラを引き起こすことなく転写成形することができる。クッション率は好ましくは30%以上である。また、クッション率の上限は特に規定するものではないが、厚み減少分が大きすぎると、いかに変形回復率が高くても元の状態近くの厚みを維持することが困難になる点で40%以下であることが好ましい。
【0014】
前記緩衝材は、その変形回復率が40%以上であることが必要である。ここで、本発明における変形回復率とは、標準測定子(No900030)を取り付けたダイヤルゲージで緩衝材を押さえ、ダイヤルゲージ押さえ部分に荷重をかけないときの緩衝材の厚みをd0(μm)、250gの荷重をかけたときの緩衝材の厚みをd250(μm)、250gの荷重をかけその荷重を開放した後の緩衝材の厚みをd’250(μm)として下記式で求められる値のことである。
・変形回復率(%)={(d’250−d250)/(d0−d250)}×100。
【0015】
変形回復率が40%以上であると、プレート板によりシート状樹脂基材を金型にプレスしてシート状樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、プレスを繰り返し実施しても緩衝材の厚み減少分が元の状態近くまでその都度復元する。これはつまるところ、緩衝材のクッション率がプレス前の状態近くまで復元することを意味する。その結果、プレスを繰り返し実施してもシート状樹脂基材に転写ムラを引き起こすことなく転写成形することができる。変形回復率は好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。また、変形回復率の上限は緩衝材の厚みが完全に復元することであるから100%である。
【0016】
前記緩衝材は、25%以上のクッション率と40%以上の変形回復率を有するために、その材質がゲル材質であることが好ましい。ゲル材質は、優れた緩衝性能、つまり、高いクッション率と高い変形回復率の両者を兼ね備えている数少ない材料であり好ましい。ここでゲル材質とは、シリコーンゲル、ウレタンゲル、ポリビニルアルコールゲルなどが挙げられる。中でも、プレート板によりシート状樹脂基材を金型にプレスしてシート状樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、プレス板や金型を加熱する場合があるので、耐熱性などに優れるシリコーンゲルが特に好ましい。25%以上のクッション率と40%以上の変形回復率を有するシリコーンゲルとしては、例えばジェルテック(株)製の型番θ―5の厚み1mmのシリコーンゲルを厚み75μmのPETで被覆したもの等が例示できる。
【0017】
また、前記緩衝材は、ゲル材質の中間基材と、中間基材の片側又は両側を被覆したフィルムとで構成されることも好ましい。ゲル材質の中間基材をフィルムで被覆することにより、中間基材のゲル材質が直接シート状樹脂基材に接触しないため、緩衝材とシート状樹脂基材との密着を防ぎ、緩衝材をシート状樹脂基材から剥がれ易くすることができる。かかる被覆をするフィルムとして、熱可塑性樹脂をシート状に成形したものを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などがあげられるが、耐熱性、強度、コスト面にて優れるポリエステル樹脂が好ましい。本発明の場合、特に、ポリエステル樹脂の中でもポリエチレンテレフタレートが耐水性、耐薬品性、耐久性の観点から好ましい。
【0018】
緩衝材は、その厚みが0.3mm〜2.0mmの範囲であることが好ましい。緩衝材のクッション率と厚みを掛けた値は、プレート板の厚みムラ、微細形状を備えた金型の微細凹凸パターン深さと金型自身の厚みムラ、およびシート状樹脂基材の厚みムラの合計よりも大きくすることが好ましく、その点を考慮して緩衝材の厚みは0.3mm以上であることが好ましい。また、緩衝材をプレート板に設置するハンドリング性を考慮すると、緩衝材の厚みは2.0mm以下が実現的であり、好ましい。緩衝材の厚みは、より好ましくは0.5〜1.0mmである。なお、緩衝材が中間基材とその片側又は両側を被覆したフィルムとで構成されている場合、緩衝材の厚みとは中間基材と被覆したフィルムとを合わせた厚みである。
【0019】
本発明にかかる金型は、その転写面に微細なパターンを有するものである。金型にパターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画方法等がある。金型の材質としては、所望のプレス時の強度、パターン加工精度、フィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくは、これらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものが好ましく用いられる。金型の微細なパターンは、フィルム表面に付与したい微細な凹凸パターンに対応して形成されているものである。
【0020】
本発明にかかるプレート板は、シート状樹脂基材を金型にプレスしてシート状樹脂基材の表面に微細形状を転写するに際し、シート状樹脂基材を金型方向へ押し付ける役割をするものである。プレート板のフィルム押圧面側の平面度は10μm以下が好ましく、さらに好ましくは5μm以下である。また、シート状樹脂基材をプレスする際に、シート状樹脂基材を加熱・冷却できるように、プレート板には加熱・冷却制御ができる機能が付与されることもある。
【0021】
図1に、かかる本発明の微細形状転写シートの製造装置を、基材シートとしてフィルムを用いた場合で、該フィルム幅方向から見た概略断面図を示す。
図1に示すように、本発明の微細形状転写シートの製造装置1は、プレスユニット10と、離型ユニット20と、ヒーターユニット30と、冷却ユニット40と、巻出ユニット50、巻取ユニット60から構成される。巻出ユニット50でロール状に巻き取られたフィルム2が、巻き出されて、プレスユニット10で金型3の微細凹凸形状が転写形成され、巻取ユニット60によりロール状に巻き取られる。巻出ユニット50と巻取ユニット60は、上記のフィルムの搬送装置である。プレスユニット10は、加圧プレート(上)14aが支柱11をガイドにして昇降移動できるように、プレスシリンダー12に連結されている。支柱11はフレーム(上)16aとフレーム(下)16bに挟まれるように配設されている。加圧プレート(上)14aの下面には温調プレート(上)15aが取り付けられている。一方、加圧プレート(下)14bの上面には温調プレート(下)15bが取り付けられている。各温調プレートには、それぞれ、加熱ユニット30、冷却ユニット40が配管、配線等を介して接続されている。そして、金型3は温調プレート(下)15bの上側表面に取り付けられて、下側温調プレートを介して、加熱、冷却制御される。そして温調プレート(上)15aが本発明にかかるプレート板として機能する。なお、金型3は温調プレート(上)15aの下面に取り付けられてもよい。この場合には、温調プレート(下)15bが本発明にかかるプレート板として機能する。プレスシリンダーは図示しない油圧ポンプとオイルタンクに接続されており、油圧ポンプにより加圧プレート(上)14aの昇降動作および、加圧力の制御を行う。また、本実施形態では油圧方式のプレスシリンダーを適用しているが、加圧力を制御できる機構であれば、いかなるものでもよい。圧力範囲は0.1MPa〜20MPaの範囲で制御できることが好ましく、さらに好ましくは、1MPaで〜10MPaの範囲で制御できることが好ましい。プレスシリンダーの昇圧速度は0.01MPa/s〜1MPa/sの範囲で制御できることが好ましく、さらに好ましくは、0.05MPa/s〜0.5MPa/sの範囲で制御できることが好ましい。また、フィルムにある程度の厚みムラがあっても全面でムラなく成形できるように、温調プレート(下)15bの上側表面に金型3が取り付けられている場合には、温調プレート(上)15aとフィルム2の間に緩衝材17を設置する。また、温調プレート(上)15aの下側表面に金型3が取り付けられている場合には、温調プレート(下)15bとフィルム2の間に緩衝材17を設置する。該緩衝材17としては、変形回復率が40%以上、クッション率が25%以上のものを用いる。例えば、該緩衝材の中間基材の材質がゲル材質であり、その片側、もしくは両側にフィルム被覆処理を施したものを用いる。
【0022】
緩衝材17として、変形回復率が40%以上、クッション率が25%以上のものを用いることにより、プレスされる際に、プレスを繰り返し実施しても緩衝材の厚み減少分が元の状態近くまでその都度復元し、基材に転写ムラを引き起こすことなく転写成形することができる。
【0023】
次に、上記の離型装置たる離型ユニット20について説明する。図1に示したように、離型ユニットは剥離ロール21と補助ロール22から構成され、剥離ロール21には図示しない剥離ロール回転手段が接続されて、指定の回転数で回転制御される。剥離ロール回転手段は、回転数を制御できるものであればよいが、回転量を厳密に制御できるようにサーボモータがより好ましい。また、剥離ロール21が回転しながら、金型3の表面に略平行にスムーズに移動できるように、直動用の案内ガイド等が加圧プレート(下)14bの上面に取り付けられている。
【0024】
一方、補助ロール22は、剥離ロール21の外表面に沿うように旋回できるように、上記の補助ロール移動手段たる補助ロール旋回手段が接続されている。補助ロール旋回手段は電磁モータ、空圧を利用したアクチュエータ等、補助ロールを剥離ロールの周辺でその外周に沿って昇降移動させうるものであればいかなるものでもよい。そして、補助ロールの両端はロール軸心を中心に自在に回転できるように取り付けられている。
【0025】
実際にフィルムを金型表面から離型し、さらに、次に成形するフィルムの供給動作を説明する。
【0026】
離型動作前は、巻取側端位置で補助ロール22を剥離ロール21のほぼ上方まで移動させる。その後、剥離ロール回転手段により剥離ロールを回転させる。剥離ロールは回転とともに、金型3の表面に沿ってフィルム巻出側へ直進移動し、同時に金型に貼り付いたフィルムを剥離ロールに抱きつかせながら離型していく。金型の全領域でフィルムの離型が完了すると、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけながら、下流側にある搬送駆動ロールを回転させてフィルムを引っ張る。すると、剥離ロールと補助ロールにフィルムが抱きついた状態で、剥離ロールと補助ロールのユニットがフィルム巻取側へ直進移動する。
【0027】
剥離ロールが巻取側の端位置まで戻ったら、補助ロール旋回手段により、補助ロールを剥離ロールのほぼ下方に旋回移動させて、フィルムを開放する。上記の剥離動作は剥離ロールの回転速度に依存し、剥離速度はロールの周速とほぼ同速度で行える。そのため、厳密に剥離動作を制御することが可能となり、あらゆる成型材料、条件に対してもスムーズな剥離条件を容易に作り出すことができる。
【0028】
また、離型ユニットの別の実施形態について説明する。上記で説明した構成に加えて、剥離ロールにリニアモーター、電磁シリンダー、空圧シリンダー等の剥離ロール直動手段を連結する。フィルムを剥離する場合は、剥離ロール回転手段に一定トルクを保持させながら、剥離ロール直動手段を駆動して、離型ユニットを巻出側へ移動させながら剥離を行う。剥離動作が完了すれば、上記と同様に剥離ロールの回転を止めた状態で、下流側にある搬送駆動ロールを回転させて、フィルムを引っ張る。
【0029】
次に、加熱ユニット30について説明する。加熱ユニット30は温調プレート(上)、(下)15a、15bをアルミ合金とし、プレート内に鋳込んだ電熱ヒーターにより制御するものが良い。また、温調プレート内に鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは、機械加工により加工した穴の内部に温調された熱媒体を流すことにより加熱制御するものでもよい。さらには両者を組み合わせた装置構成でもよい。
【0030】
熱媒体としてはバーレルサーム(松村石油(株))、NeoSK−OIL(綜研テクニックス(株))等が良く、また、100℃以上に加熱された水を循環させてもよい。そして、効率良く伝熱ができるように、配管内部のレイノズル数が1.0×10〜12×10の範囲になることが好ましい。
【0031】
また、鋳込みヒーター、カートリッジヒーター等にする場合は、温調プレートを分割制御できることが好ましい。
【0032】
温調プレートは昇温中、降温中、一定温調中のすべてにおいて、レンジで10℃以内、さらに好ましくは5℃以内の温度分布におさまることが好ましい。
【0033】
また、金型に直接、熱媒配管ラインを加工し、金型を直接温調するようにしてもよい。
【0034】
次に、冷却ユニット40について説明する。冷却ユニットは温調プレート(上)(下)15a、15bに鋳込んだ銅あるいはステンレス配管、もしくは機械加工により加工した穴の内部に温調された冷媒体を流すことにより冷却制御する。
【0035】
冷媒体としては、水が最適であるが、エチレングリコール溶液などでもよい。温度は10℃〜50℃の範囲が好ましく、効率良く伝熱できるように、配管内でのレイノズル数が1.0×10〜12×10の範囲になることが好ましい。
【0036】
フィルム搬送装置たる巻出ユニット50、巻取ユニット60について説明する。巻出ユニット50は巻出ロール回転手段51と、搬送ロール52a〜52dと、引出バッファ部53と、フィルム固定部54から構成される。巻取ユニット60は巻取ロール回転手段61と、搬送ロール62a〜62cと、巻取バッファ部63と、搬送駆動ロール64と、フィルム固定部65から構成される。
【0037】
引出バッファ部53、巻取バッファ部63はそれぞれボックス55、66とこれらに接続された吸引排気手段56、67から構成される。吸引排気手段56、67は真空ポンプ等、エアーを吸引、排気できるものであれば良く、ボックス内のエアーを排気することにより、ボックス内に挿入されたフィルムの表裏面で圧力差を与えることにより、一定の張力を付与するとともにボックス内でフィルムを弛ませて保持する。ボックス内に挿入されるフィルムの長さは、フィルムを成形する前後で間欠的に搬送するフィルム長さ分が適当である。さらに、ボックス55、66内にはセンサー57a、57b、68a、68bが取り付けられている。センサーは所定位置でフィルムを検知できるものであればよい。上記した離型ユニットによりフィルムが離型、搬送されて、ボックス内でセンサー検知位置からフィルムが外れたときに、上下流の巻出ロール回転手段51、あるいは巻取ロール回転手段61を駆動して、フィルムを巻き出し、あるいは巻き取り、常に、ボックス内で所定位置にフィルムを弛ましておくことができる。
【0038】
また、フィルム固定部54、65は表面に吸引孔が形成された平板であることが好ましいが、さらに、クリップでフィルムを挟む機構のもの、あるいは、これらを組み合わせたものでもよい。
【0039】
フィルム固定部54、65はプレス動作を行うときは両方とも作動させる。そして、フィルムを離型するときはフィルム固定部54を作動させてフィルムを固定し、フィルム固定部65が開放させることが好ましい。また、フィルムを供給するときはフィルム固定部54、65を両方とも開放することが好ましい。
【0040】
搬送駆動ロール64は図示しないがモータ等の回転駆動手段に連結されて、フィルム搬送時にはニップロール64aが搬送駆動ロール64に近接し、フィルムを挟み、搬送駆動ロール64にてトルク制御を行いながらフィルムを一定張力のもとで搬送する。
【0041】
本装置に適用される樹脂シート状基材たるフィルム2は、ガラス転移温度Tgが、好ましくは40〜180℃のものであり、より好ましくは50〜160℃であり、最も好ましくは50〜120℃である熱可塑性樹脂を主たる成分とするフィルムである。ガラス転移温度Tgがこの範囲を下回ると、成形品の耐熱性が低くなり形状が経時変化するため好ましくない。また、この範囲を上回ると、成形温度を高くせざるを得ないものとなりエネルギー的に非効率であり、またフィルムの加熱/冷却時の体積変動が大きくなりフィルムが金型に噛み込んで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの転写精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点となる場合がある等の理由により好ましくない。
【0042】
本発明に適用される熱可塑性樹脂を主たる成分としたシート状樹脂基材は、好ましくは、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂などからなるものである。これらの中で共重合するモノマー種が多様であり、かつ、そのことによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から、特にポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂から主として形成されていることが好ましく、上述の熱可塑性樹脂が50重量%以上からなることがさらに好ましい。
【0043】
本発明に適用するシート状樹脂基材は、熱可塑性樹脂を主体とした薄板状物であればよいが、上述の樹脂の単体からなるフィルムであってもかまわないし、複数の樹脂層からなる積層体であってもよい。この場合、単体シートと比べて、易滑性や、耐摩擦性などの表面特性や、機械的強度、耐熱性を付与することができる。このように複数の樹脂層からなる積層体とした場合は、シート全体が前述の要件を満たすことが好ましいが、シート全体としては前述要件を満たしていなくても、少なくとも前述の要件を満たす層が表層に形成されていれば容易に表面を成形することができる。
【0044】
また、本発明に適用するシート状樹脂機材の好ましい厚さ(厚み、膜厚)としては、0.01〜3mmの範囲、特に0.01〜1mmの範囲であることが好ましい。0.01mm未満では、成形するのに十分な厚みがなく、また、3mmを超えるものではフィルムの剛性により搬送が一般に難しい。
【0045】
次に、微細形状転写シートの製造装置1による一連のフィルム成形動作について説明する。図2と図3は、本発明の装置を用いて、ロール状の連続フィルムを間欠成形する動作をフィルム幅方向から見た概略断面図であり、以下に説明するプロセス(A)〜(K)の流れで成形するものである。
(A)あらかじめ、金型3をプレスユニット10にセットした後、フィルム2を巻出ユニット50にセットし、フィルム2の巻出部を引き出し、ガイドロールを経由し、プレスユニット内の金型の表面に沿わせ、さらに、離型ユニット20を経由して、巻取ユニット60で巻き取る。(図2(a)参照)
(B)次に、加熱ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bをともに成型温度まで上昇させる。
(C)プレスユニット10を作動させて、温調プレート(上)15aを下降させて、金型3の表面と温調プレート(上)との間にフィルムを挟むようにプレスする。このとき、フィルム固定部54および65を作動させてフィルムを固定しておく。温度、プレス圧力昇圧速度、加圧時間等の条件は、フィルムの材質、転写形状、特に凹凸のアスペクト比等に依存する。概ね、成形温度は100〜180℃、プレス圧力は1〜10MPa、成形時間が1秒〜60秒、昇圧速度は0.05MPa/s〜1MPa/sの範囲で設定される。(図2(b)参照)
(D)加熱しながらのプレスを完了した後、冷却ユニットを作動させて、温調プレート(上)15a、温調プレート(下)15bを降温させる。なお、冷却中もプレス加圧を継続していることが好ましい。冷却温度は金型表面の温度がフィルムを離型するのに十分に冷却されるように設定される。例えば、金型3の表面温度がフィルムのガラス転移点以下まで冷却を行うのが良い。
(E)冷却完了後、プレス圧力を開放して、温調プレート(上)15aを離型ユニット20がプレス装置内を水平移動させるのに十分なスペースを確保できる位置まで上昇させる。(図2(c)参照)
(F)温調プレート(上)15aが上昇を完了した後、フィルム固定部65を開放して、補助ロール旋回手段を駆動して、補助ロール22を剥離ロール21の上部まで旋回移動させて、フィルム2を剥離ロール21、補助ロール22に抱きつかせる。(図2(d)参照)
(G)その後、剥離ロール21をフィルム表面で23aの方向に回転させる。剥離ロール21は、フィルム表面との摩擦力により回転と同時に23bの方向に移動する。移動はプレス装置の加圧プレートに設けた剥離ロール直動ガイドに案内されながら移動する。この時に、金型表面に密着したフィルムが良好に離型される。(図3(e)参照)
(H)金型3の巻出側端部まで剥離が完了すると、剥離ロールの回転を停止する(図3(f)参照)。
(I)その後、剥離ロールが回転しないようにブレーキをかけて、フィルム固定部54を開放して、搬送駆動ロール64を回転させることにより、剥離ロール21と補助ロール22が相対位置を維持したまま、巻取側へ移動する。このとき、巻出側から新しいフィルムを引き出すとともに、成形したフィルムは巻取側に送り出される。(図3(g)参照)
(J)フィルムの引き出しが終わると、フィルム固定部54でフィルムを固定した後、補助ロールがもとの位置まで旋回して戻り、フィルム固定部65でフィルムを固定する。新しいフィルムが供給されることにより、あらかじめ引出バッファ部53で弛ましてあったフィルムが巻き取り側に引き出されるが、センサー57bによりフィルムが検知する位置まで、巻出ロール回転手段を作動させて、巻出ロールから新たなフィルムが引出バッファ部に供給される。一方、成型が完了したフィルムが送り出されると、送り出された長さ相当のフィルムは、一時的に巻取バッファ部63で保留され、センサー68aでフィルムを
検知しなくなるまで、すなわち、新たに溜まった分の長さ相当のフィルムを、巻取ロール回転手段を作動させて巻き取る。(図3(h)参照)
(K)フィルムの離型が完了すると同時に、またはその直前から温調プレート(上)(下)の加熱を開始する。そして、プレスユニット10を作動させて、温調プレート(上)をフィルムの上面付近まで下降させておく。
【0046】
昇温が完了した後にプレス成形を行い、上述した(C)からの動作を繰り返す。
【0047】
上記の(F)〜(H)の動作により、スムーズな離型動作を間欠式フィルムの成形サイクルに組み込むことが可能となり、離型跡の少ない高品質な成形フィルムを生産できる。
【0048】
また、上記の(I)の動作により、次サイクルで成形するフィルムを素早くプレスユニット内に供給することができるので、高い生産性で間欠的フィルム成形を実現できる。そして、両者のフィルムの離型動作、供給動作を組み合わせることにより、高品質な成形フィルムを高い生産性で生産できる。
【実施例】
【0049】
(1)変形回復率の測定法:
ダイヤルゲージ(三豊製作所製)に標準測定子(No900030)を取り付け、ダイヤルゲージスタンド(No7001DGS−M)に設置する。ダイヤルゲージ押さえ部分に荷重をかけないときの緩衝材の厚みをd0、250gの荷重をかけたときの緩衝材の厚みをd250、250gの荷重をかけ、その荷重を開放した後の緩衝材の厚みをd’250として下記式で求める。尚、測定値は、3個の緩衝材をそれぞれ1回ずつ測定した値の平均値として求めた。
・変形回復率(%)={(d’250−d250)/(d0−d250)}×100。
【0050】
(2)クッション率の測定法:
ダイヤルゲージ(三豊製作所製)に標準測定子(No900030)を取り付け、ダイヤルゲージスタンド(No7001DGS−M)に設置する。ダイヤルゲージ押さえ部分に荷重をかけないときの緩衝材の厚みをd0、500gの荷重をかけたときの緩衝材の厚みをd500として下記式で求める。尚、測定値は、3個の緩衝材をそれぞれ1回ずつ測定した値の平均値として求めた。
・クッション率(%)={(d0−d500)/d0}×100。
【0051】
〔実施例1〕
(1)金型サイズ:500mm(フィルム幅方向)×800mm(フィルム走行方向)×20mm(厚み)。
(2)金型材質:銅。
(3)微細形状:ピッチ50μm、凸部幅25μm、凸部高さ50μmで、フィルム走行方向から見たときの断面が矩形形状のものを使用した。
(4)プレス装置:最大3000kNまで加圧できるもので、加圧は油圧ポンプによってされる。プレス装置内にはアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の温調プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ、加熱装置、冷却装置に連結されている。なお、金型は下側の温調プレート上面に取り付けられている。加熱装置は熱媒循環装置で、熱媒はバーレルサーム#400(松村石油株式会社製)で、150℃に加熱したものを100L/minの流量で流す。また、冷却装置は冷却水循環装置で、20℃に冷却された水を150L/minの流量で流すものである。
(5)緩衝材:上側の温調プレートに、厚み1.0mmのシリコーンゲルの両側に厚み75μmのPETフィルムを被覆したもの(ジェルテック(株)製 型番θ―5の厚み1mmのシリコーンゲルを厚み75μmのPETで被覆したもの)を貼り付ける。
(6)離型装置:図1に示したものと同じ構成で剥離ロールと補助ロールを組み合わせたものを使用した。
(7)基材:ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが100μm(厚みむら:±10μm)、幅は520mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され、巻き取られる。
(8)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成型を行った。あらかじめ、フィルムを巻出装置から巻取装置までプレス装置を経由して通しておく。次に、温調プレートが上下ともに110℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面で5MPaで、30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、離型装置を駆動して、フィルムを離型する。
(9)上記の動作を繰り返し、10枚の成型フィルムを作成した。成型面を目視で評価した結果、全面均一な転写状態であった。
【0052】
〔比較例1〕
(1)金型サイズ:実施例1と同じものを使用した。
(2)金型材質:実施例1と同じものを使用した。
(3)微細形状:実施例1と同じものを使用した。
(4)プレス装置:実施例1と同じものを使用した。
(5)緩衝材:上側の温調プレートに、厚み0.25mmの白色のPETフィルム(東レ株式会社製 ルミラー(登録商標)E6SL)を貼り付ける。
(6)プレス装置:実施例1と同じものを使用した。
(7)離型装置:実施例1と同じものを使用した。
(8)基材:ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが100μm(厚みむら:±10μm)、幅は520mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され、巻き取られる。
(9)動作方法:実施例1と同じである。
(10)上記の動作を繰り返し、10枚の成型フィルムを作成した。成型面を目視で評価した結果、10枚のうち2枚目以降において、一部において、転写ムラが見られた。
【0053】
〔比較例2〕
(1)金型サイズ:実施例1と同じものを使用した。
(2)金型材質:実施例1と同じものを使用した。
(3)微細形状:実施例1と同じものを使用した。
(4)プレス装置:実施例1と同じものを使用した。
(5)緩衝材:上側のプレート板に、厚み0.188mmのPETフィルム(東レ株式会社製 ルミラー(登録商標)T60)を貼り付ける。
(6)プレス装置:実施例1と同じものを使用した。
(7)離型装置:実施例1と同じものを使用した。
(8)基材:ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが100μm(厚みむら:±10μm)、幅は520mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され、巻き取られる。
(9)動作方法:実施例1と同じである。
(10)上記の動作を繰り返し、10枚の成型フィルムを作成した。成型面を目視で評価した結果、10枚中1枚目以降において、金型面内全域において、転写ムラが見られた。
【0054】
〔比較例3〕
(1)金型サイズ:実施例1と同じものを使用した。
(2)金型材質:実施例1と同じものを使用した。
(3)微細形状:実施例1と同じものを使用した。
(4)プレス装置:実施例1と同じものを使用した。
(5)緩衝材:上側の温調プレートに、厚み0.30mmのシリコンゴム(シバタ工業株式会社製EW−50)を貼り付ける。
(6)プレス装置:実施例1と同じものを使用した。
(7)離型装置:実施例1と同じものを使用した。
(8)基材:ポリエチレンテレフタレートからなり、厚みが100μm(厚みむら:±10μm)、幅は520mmである。該フィルムはプレス装置を挟んで対向に設置した巻出、巻取装置によって、送り出され、巻き取られる。
(9)動作方法:実施例1と同じである。
(10)上記の動作を繰り返し、10枚の成型フィルムを作成した。成型面を目視で評価した結果、10枚中2枚目以降において、金型面内全域において、転写ムラが見られた。
【0055】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の微細形状転写シートの製造装置を、シート状樹脂基材としてフィルムを用いた場合で、該フィルム幅方向から見た概略断面図である。
【図2】図1に示した本発明の装置を用いて、ロール状の連続フィルムを間欠成形する動作をフィルム幅方向から見た概略断面図である。
【図3】図1に示した本発明の装置を用いて、ロール状の連続フィルムを間欠成形する動作をフィルム幅方向から見た概略断面図であり、図2に示した動作に続く下流での動作を示したものである。
【符号の説明】
【0057】
1:微細形状転写シートの製造装置
2:シート状の樹脂基材
3:金型
10:プレスユニット
11:支柱
12:プレスシリンダー
13:昇降ガイド
14a、b:加圧プレート(上)、(下)
15a、b:プレート板(温調プレート)(上)、(下)
16:フレーム
17:緩衝材
20:離型ユニット
21:剥離ロール
22:補助ロール
30:ヒーターユニット
40:冷却ユニット
50:巻出ユニット
51:巻出ロール回転手段
52a〜d:ガイドロール
53:引出バッファ部
54:フィルム固定部
55:ボックス
56:吸引排気手段
57a、b:センサー
60:巻取ユニット
61:巻取ロール回転手段
62a〜d:ガイドロール
63:巻取バッファ部
64:搬送駆動ロール
65:フィルム固定部
66:ボックス
67:吸引排気手段
68a、b:センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細形状が表面に形成された金型と、金型の表面にシート状の樹脂基材を押圧するプレート板と、樹脂基材が挿入される位置とプレート板との間に設けられた緩衝材とを含む微細形状転写シートの製造装置において、
緩衝材のクッション率が25%以上かつ変形回復率が40%以上である微細形状転写シートの製造装置。
【請求項2】
前記緩衝材が、ゲル材質の中間基材と、中間基材の片側又は両側を被覆したフィルムとで構成された請求項1に記載の微細形状転写シートの製造装置。
【請求項3】
微細形状が表面に形成された金型の表面にシート状の樹脂基材を供給した後、緩衝材を介してプレート板により樹脂基材を金型に押圧して樹脂基材の表面に微細形状を転写する微細形状転写シートの成形方法において、
緩衝材として、クッション率が25%以上かつ変形回復率が40%以上である緩衝材を用いる微細形状転写シートの成形方法。
【請求項4】
前記緩衝材として、ゲル材質の中間基材と、中間基材の片側又は両側を被覆したフィルムとで構成された緩衝材を用いる請求項3に記載の微細形状転写シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−29061(P2009−29061A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197019(P2007−197019)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】