説明

投写型映像表示装置、映像表示方法

【課題】使用者の手の届かない環境にプロジェクタ本体装置が設置された場合であっても、少ない電力で情報記憶媒体に記憶されているデータに基づいて映像を表示することができる投写型映像表示装置、映像表示方法を提供する。
【解決手段】投写型映像表示装置1は、映像を表示するプロジェクタ本体装置2と、プロジェクタ本体装置2の動作を操作する遠隔操作機器3とを備える。遠隔操作機器3は、情報記憶媒体であるメモリーカード5が着脱可能な記憶媒体接続部と、信号を無線で送信する信号送信部とを備え、プロジェクタ本体装置2は、信号を受信する信号受信部と、情報を記憶する記憶部とを備える。遠隔操作機器3は、メモリーカード5に記憶されているデータを無線で送信する機能を有し、プロジェクタ本体装置2は、受信したデータを記憶部に記憶する機能と、データの受信完了後において記憶部に記憶されているデータに基づいて映像を表示する機能とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を投射して映像を表示するプロジェクタ本体装置と、このプロジェクタ本体装置の動作を外部から操作する遠隔操作機器とを備える投写型映像表示装置、映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶プロジェクタ等の投写型映像表示装置は、プロジェクタ本体装置の動作を遠隔から操作するための遠隔操作機器を備えることが一般的に知られている。一般的に、遠隔操作機器は、プロジェクタ本体装置の電源オン/オフを切り替える信号や、プロジェクタ本体装置の動作の設定を行う信号を送信する。
【0003】
また、情報記憶媒体が着脱可能な記憶媒体接続部を備えるプロジェクタ本体装置において、情報記憶媒体に記憶されているデータに基づいて映像を表示する機能を有するプロジェクタ本体装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、記憶媒体接続部であるUSB端子を備え、USB端子に接続されるUSBメモリーに保存されている画像データを取り込んで表示させる表示装置が記載されている。特許文献1に記載の表示装置において、情報記憶媒体であるUSBメモリーに記憶されているデータに基づいて映像を表示させるためには、プロジェクタ本体装置である表示装置に設けられたUSB端子にUSBメモリーを接続する必要がある。
【0005】
また、特許文献2には、リモートコントローラに、USBメモリーを接続するためのUSBポートと、USBメモリーから読み出したデータを表示するために無線通信によりプロジェクタ本体装置に送信する無線通信部とを備えた表示装置が記載されている。なお、特許文献2に記載の表示装置は、無線通信によりプロジェクタ本体装置に送信されるデータを記憶部に記憶せず、直接映像信号処理して映像表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−292997号公報
【特許文献2】特開2010−226483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、プロジェクタ本体装置は、使用者の手の届かない天井等の高所に設置されて使用される場合がある。このように、使用者の手の届かない環境に上記特許文献1に記載の表示装置が設置された場合には、記憶媒体接続部に情報記憶媒体を接続することが困難となり、情報記憶媒体に記憶されているデータに基づいて映像を表示させることができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2の表示装置においてUSBメモリーに記憶されているデータに基づく映像を表示する場合には、その都度リモートコントローラから無線通信により映像データを送信しなければならない。また、特許文献2の表示装置において動画データを送信する場合には、送信されたデータを直接映像信号処理して映像を表示する動作となるため映像表示時間中データを送信し続けなければならない。したがって、特許文献2の表示装置の場合は、映像表示の都度送信を必要とすること、及び、動画データ送信の場合に通信時間が長くなることから、無線通信時間が長くなり電力消費量が大きくなるという問題があった。また、無線通信時間が長くなるため、遠隔操作機器の電池切れが早くなるなどの不都合があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、使用者の手の届かない環境にプロジェクタ本体装置が設置された場合であっても、少ない消費電力で情報記憶媒体に記憶されているデータに基づく映像を表示することができる投写型映像表示装置、映像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、光を投射して映像を表示するプロジェクタ本体装置と、このプロジェクタ本体装置の動作を外部から操作する遠隔操作機器とを備える投写型映像表示装置において、前記遠隔操作機器は、情報記憶媒体を着脱可能な記憶媒体接続部と、前記プロジェクタ本体装置が受信可能な信号を無線で送信する信号送信部とを備え、前記プロジェクタ本体装置は、前記信号送信部から送信された前記信号を受信する信号受信部と、情報を記憶する記憶部とを備え、前記遠隔操作機器が、前記記憶媒体接続部に接続された前記情報記憶媒体に記憶されているデータを前記信号送信部から無線で送信する機能を有し、前記プロジェクタ本体装置が、前記信号受信部で受信した前記データを前記記憶部に記憶する機能と、前記信号受信部での前記データの受信完了後において前記記憶部に記憶されている前記データに基づいて映像を表示する機能とを有することを特徴とする。
【0011】
上記発明によれば、遠隔操作機器の記憶媒体接続部に接続された情報記憶媒体に記憶されているデータを遠隔操作機器の信号送信部から無線で送信することにより、プロジェクタ本体装置が、信号受信部で受信したデータを高速処理で記憶部に記憶することができる。また、使用者の手の届かない環境にプロジェクタ本体装置が設置された場合であっても、情報記憶媒体に記憶されているデータに基づく映像を表示したい場合に、その都度遠隔操作機器から無線通信によりプロジェクタ本体装置へ情報記憶媒体に記憶されているデータを送信する必要がない。この場合には、情報記憶媒体に記憶されているデータをプロジェクタ本体装置に記憶されているデータとして読み出すことにより、随時情報記憶媒体に記憶されているデータに基づく映像を繰り返し表示することができる。また、動画データを送信する場合も、従来のように映像表示時間中継続してデータを送信し続ける必要もなく、データ送信時間自体を短縮することもできる。したがって、本発明によれば、データを送信する無線通信時間を短縮することができ、電力消費量を節約することができるとともに、遠隔操作機器に用いられる電池交換サイクルの長期化を図ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の投写型映像表示装置において、前記記憶媒体接続部には前記情報記憶媒体としてメモリーカードが接続され、前記信号送信部は前記データを電波として送信することを特徴とする。
【0013】
上記発明によれば、映像のデータを記憶させる情報記憶媒体としてメモリーカードを使用することができ、例えば情報記憶媒体としてリムーバブルハードディスクを使用する構成に比べて、情報記憶媒体及び記憶媒体接続部の小型化を図ることができる。また、遠隔操作機器の信号送信部がデータを電波として送信するため、例えばデータを赤外線として送信する構成に比べて、データの送信において信号が空間的に広がり易い。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の投写型映像表示装置において、前記遠隔操作機器及び前記プロジェクタ本体装置の少なくとも一方は、マンマシンインタフェースにより構成される送信データ選択用操作部を備え、前記遠隔操作機器が、前記情報記憶媒体に記憶されている前記データのうち前記信号送信部から無線で送信する送信データを、前記送信データ選択用操作部の操作に基づいて決定する機能を有することを特徴とする。
【0015】
上記発明によれば、情報記憶媒体に記憶されているデータのうち遠隔操作機器の信号送信部から無線で送信する送信データが、送信データ選択用操作部の操作に基づいて決定されるため、使用者は遠隔操作機器の信号送信部から無線で送信するデータを選択することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投写型映像表示装置において、前記遠隔操作機器及び前記プロジェクタ本体装置の少なくとも一方は、マンマシンインタフェースにより構成される消去データ選択用操作部を備え、前記プロジェクタ本体装置が、前記記憶部に記憶されている前記データを消去する機能と、前記記憶部に記憶されている前記データのうち前記記憶部から消去する消去データを、前記消去データ選択用操作部の操作に基づいて決定する機能とを有することを特徴とする。
【0017】
上記発明によれば、プロジェクタ本体装置の記憶部に記憶されているデータのうち記憶部から消去する消去データが、消去データ選択用操作部の操作に基づいて決定されるため、使用者はプロジェクタ本体装置の記憶部から消去するデータを選択することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、光を投射して映像を表示するプロジェクタ本体装置と、このプロジェクタ本体装置の動作を外部から操作する遠隔操作機器とを用いる映像表示方法において、前記遠隔操作機器は、情報記憶媒体を着脱可能な記憶媒体接続部と、前記プロジェクタ本体装置が受信可能な信号を無線で送信する信号送信部とを備え、前記プロジェクタ本体装置は、前記信号送信部から送信された前記信号を受信する信号受信部と、情報を記憶する記憶部とを備え、前記記憶媒体接続部に接続された前記情報記憶媒体に記憶されているデータを前記信号送信部から無線で送信させ、前記信号受信部で受信した前記データを前記記憶部に記憶させ、前記信号受信部での前記データの受信完了後において前記記憶部に記憶されている前記データに基づいて映像を表示させることを特徴とする。
【0019】
上記発明によれば、遠隔操作機器の記憶媒体接続部に接続された情報記憶媒体に記憶されているデータを遠隔操作機器の信号送信部から無線で送信することにより、プロジェクタ本体装置が、信号受信部で受信したデータを高速処理で記憶部に記憶することができる。また、使用者の手の届かない環境にプロジェクタ本体装置が設置された場合であっても、情報記憶媒体に記憶されているデータに基づく映像を表示したい場合に、その都度遠隔操作機器から無線通信によりプロジェクタ本体装置へ情報記憶媒体に記憶されているデータを送信する必要がない。この場合には、情報記憶媒体に記憶されているデータを、プロジェクタ本体装置に記憶されているデータとして読み出すことにより、情報記憶媒体に記憶されているデータに基づく映像を随時繰り返し表示することができる。また、動画データを送信する場合も、従来のように映像表示時間中継続してデータを送信し続ける必要もなく、データ送信時間自体を短縮することもできる。したがって、本発明によれば、データを送信する無線通信時間を短縮することができ、電力消費量を節約することができるとともに、遠隔操作機器に用いられる電池交換サイクルの長期化を図ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、情報記憶媒体に記憶されているデータをプロジェクタ本体装置に無線で送信し、これを記憶部に記憶させている。また、使用者の手の届かない環境にプロジェクタ本体装置が設置された場合であっても、情報記憶媒体に記憶されているデータに基づく映像を繰り返し表示することができる。したがって、本発明によれば、データを送信する無線通信時間を短縮することができ、電力消費量を節約することができるとともに、遠隔操作機器に用いられる電池交換サイクルの長期化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係るプロジェクタ本体装置及び遠隔操作機器を示す斜視図。
【図2】同実施の形態の遠隔操作機器の外観を示す平面図。
【図3】同実施の形態のプロジェクタ本体装置の概略構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態の遠隔操作機器の概略構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態の投写型映像表示装置の動作の流れを示すフローチャートであって、(a)は遠隔操作機器の動作の流れを示すフローチャート、(b)はプロジェクタ本体装置の動作の流れを示すフローチャート。
【図6】同実施の形態のプロジェクタ本体装置が表示するファイル転送用映像を示す模式図。
【図7】同実施の形態のプロジェクタ本体装置が表示するファイル消去用映像を示す模式図。
【図8】本発明の実施の形態2に係る遠隔操作機器の概略構成を示すブロック図。
【図9】同実施の形態の遠隔操作機器における操作画面図。
【図10】同実施の形態の投写型映像表示装置の動作の流れを示すフローチャートであって、(a)は遠隔操作機器の動作の流れを示すフローチャート、(b)はプロジェクタ本体装置の動作の流れを示すフローチャート。
【図11】同実施の形態の遠隔操作機器が表示するファイル転送用映像を示す模式図。
【図12】本発明の実施の形態3に係る遠隔操作機器における操作画面図。
【図13】同実施の形態の遠隔操作機器が表示する映像表示ファイル選択用映像を示す模式図。
【図14】同実施の形態の遠隔操作機器が表示するファイル消去用映像を示す模式図。
【図15】本発明の変形例に係る遠隔操作機器の外観及び構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の投写型映像表示装置1は、プロジェクタ本体装置2と、プロジェクタ本体装置2の動作を外部から操作する遠隔操作機器3とを備える。プロジェクタ本体装置2は、天井(不図示)に取り付けられた天井取付ハンガー4によって天井に吊り下げられる。遠隔操作機器3はプロジェクタ本体装置2に付属させる専用のものである。
【0023】
プロジェクタ本体装置2には、光を投射する投射レンズ13が設けられている。プロジェクタ本体装置2は、投射レンズ13で映像の光を投射することにより、プロジェクタ本体装置2に対向して設けられたスクリーンまたは壁等の映像表示面(不図示)に映像を表示する。
【0024】
また、プロジェクタ本体装置2には、プロジェクタ本体装置2の遠隔からプロジェクタ本体装置2の動作を操作するための赤外線受信部33が設けられている。赤外線受信部33は、プロジェクタ本体装置2の外部から無線により送信されてくるリモコン信号を受信する。
【0025】
遠隔操作機器3には、メモリーカード5が装着されている。メモリーカード5は、リムーバブルメディアであって、読み書き可能な不揮発性のメモリーを有する駆動部の無い情報記憶媒体である。メモリーカード5には、例えば、ビットマップファイル、PNGファイル、またはGIFファイル等の画像に係るデータが記憶されている。
【0026】
遠隔操作機器3には、複数の押しボタンスイッチにより構成される操作部50が設けられている。操作部50が操作されたとき、即ち押しボタンスイッチを構成する押しボタンが押されたとき、遠隔操作機器3は、押された押しボタンに応じてリモコン信号を送信する。
【0027】
図2に示すように、操作部50は、電源ボタンスイッチ51と、スタンバイボタンスイッチ52と、メニュー表示ボタンスイッチ53と、キャンセルボタンスイッチ54と、項目選択ボタンスイッチ55と、ポインタ移動ボタンスイッチ56と、アップロードボタンスイッチ57と、デリートスイッチ58とを有している。
【0028】
各スイッチ51〜58は、押しボタンスイッチにより構成されるマンマシンインタフェースである。押しボタンスイッチは、図2に図示したユーザインタフェースである押しボタンと、回路基板上に設けられたスイッチ(図示略)とにより構成される。以下、説明を簡略化するために、電源ボタンスイッチ51を「スイッチ51」、スタンバイボタンスイッチ52を「スイッチ52」、メニュー表示ボタンスイッチ53を「スイッチ53」、キャンセルボタンスイッチ54を「スイッチ54」という。同様に、項目選択ボタンスイッチ55を「スイッチ55」、ポインタ移動ボタンスイッチ56を「スイッチ56」と、アップロードボタンスイッチ57を「スイッチ57」、デリートスイッチ58を「スイッチ58」という。
【0029】
スイッチ51〜58の各々には、プロジェクタ本体装置2に行わせる動作が割り当てられている。スイッチ51は、映像を表示していない状態のプロジェクタ本体装置2に対して映像の表示動作の開始させるための押しボタンスイッチである。また、スイッチ52は、映像を表示している状態のプロジェクタ本体装置2に対して映像の表示動作を停止させるための押しボタンスイッチである。また、スイッチ53は、映像を表示している状態のプロジェクタ本体装置2に対してメニュー映像を表示させるための押しボタンスイッチである。メニュー映像には、プロジェクタ本体装置2が実行可能な機能の一覧と、この一覧に含まれる選択肢のうちいずれかを指し示すポインタとが含まれる。また、スイッチ54は、操作部50の操作を取り消すための押しボタンスイッチである。
【0030】
スイッチ55は、メニュー映像においてポインタが指し示す項目を選択するための押しボタンスイッチである。また、スイッチ56は、メニュー映像においてポインタを移動させるための押しボタンスイッチである。また、スイッチ57は、ファイル転送用映像P(図6参照)をプロジェクタ本体装置2に表示させるための押しボタンスイッチである。また、スイッチ58は、ファイル消去用映像Q(図7参照)をプロジェクタ本体装置2に表示させるための押しボタンスイッチである。
【0031】
図3を参照して、プロジェクタ本体装置2の構成について説明する。
プロジェクタ本体装置2は、映像表示用の光学部品として、光源11と、電気光学装置により構成される映像生成部12と、投射レンズ13とを備えている。また、これらの光学部品の他に、プロジェクタ本体装置2は、例えばインテグレータレンズ(図示略)等を備えている。
【0032】
光源11は、例えば超高圧水銀ランプまたはメタルハライドランプ等の放電ランプにより構成される。映像生成部12は、ドットマトリクス型の液晶ライトバルブにより構成される。投射レンズ13は、複数のレンズを組み合わせたレンズ群により構成される。光源11から出射されて液晶ライトバルブを透過した光が投射レンズ13で投射されることにより、映像が拡大されて表示される。
【0033】
また、プロジェクタ本体装置2は、プロジェクタ本体装置2の外部から映像信号が入力される映像信号入力部21と、映像信号に対して所定の信号処理を施す映像信号処理部22とを備えている。
【0034】
映像信号入力部21は、例えば映像信号用ケーブル(不図示)が接続される映像信号入力用の端子、または電波により送信された映像信号を受信する無線モジュールにより構成される。映像信号処理部22は、映像生成部12に入力される映像信号に対して、OSD(O n Screen Display)処理やスケーリング処理等の種々の信号処理を施す信号処理回路により構成されている。
【0035】
映像信号は映像生成部12に入力され、映像生成部12は入力される映像信号に基づいて駆動する。そして、映像信号に基づいて映像生成部12の液晶ライトバルブが駆動され、光源11から液晶ライトバルブに入射した光が、液晶ライトバルブを透過することによって、映像信号に基づいた映像が生成される。
【0036】
また、プロジェクタ本体装置2は、プロジェクタ本体装置2の動作を操作するための操作部31と、不揮発性のメモリーにより構成され、情報を記憶する記憶部32と、赤外線を受光して信号を受信する赤外線受信部33と、電波により信号を送受信する電波送受信部34とを備えている。
【0037】
操作部31は、例えば、押しボタンスイッチ、ダイヤル、またはタッチパネル等のマンマシンインタフェースにより構成される。使用者は操作部31を操作することにより、遠隔操作機器3を使用せずにプロジェクタ本体装置2を操作することもできる。即ち、操作部31を操作部50の代替手段として用いることができる。
【0038】
赤外線受信部33は、フォトダイオードを含む赤外線受光モジュールにより構成される。赤外線受信部33は、遠隔操作機器3から送信された信号を受信する。プロジェクタ本体装置2は、赤外線送信部61で受信した信号に含まれるリモコンコードに基づいて動作する。
【0039】
電波送受信部34は、アンテナを含む無線モジュールにより構成される。電波送受信部34は、電波として無線で送信された信号を受信する信号受信部であって、遠隔操作機器3から送信された信号を受信する。
【0040】
また、プロジェクタ本体装置2は、光源11及び映像信号処理部22等のプロジェクタ本体装置2の各部を制御する制御部41を備えている。
制御部41は、1つまたは複数の集積回路により構成される。制御部41は、記憶部32に記憶されているプロジェクタ本体装置2の動作に係るプログラムに基づいて、プロジェクタ本体装置2の動作を制御する。
【0041】
図4を参照して、遠隔操作機器3の構成について説明する。
遠隔操作機器3は、赤外線を発光して信号を送信する赤外線送信部61と、電波により信号を送受信する電波送受信部62と、メモリーカード5が着脱可能な記憶媒体接続部63と、不揮発性のメモリーにより構成され、情報を記憶する記憶部64とを備えている。
【0042】
赤外線送信部61は、発光ダイオードを含む赤外線発光モジュールにより構成される。赤外線送信部61は、操作部50の操作に応じたリモコンコードを含む信号をプロジェクタ本体装置2に送信する。
【0043】
電波送受信部62は、アンテナを含む無線モジュールにより構成される。電波送受信部62は、プロジェクタ本体装置2の電波送受信部34が受信可能な信号を電波として無線で送信する信号送信部である。
【0044】
記憶媒体接続部63は、メモリーカード5が接続されるカードコネクタにより構成される。メモリーカード5は、記憶媒体接続部63から取り外すことにより、持ち運ぶことが可能である。
【0045】
また、遠隔操作機器3は、赤外線送信部61及び電波送受信部62等の遠隔操作機器3の各部を制御する制御部71と、遠隔操作機器3の各部の電源となる電源部72とを備えている。
【0046】
制御部71は、1つまたは複数の集積回路により構成される。制御部71は、記憶部64に記憶されている遠隔操作機器3の動作に係るプログラムに基づいて、遠隔操作機器3の動作を制御する。電源部72は乾電池等の化学電池により構成される。
【0047】
プロジェクタ本体装置2及び遠隔操作機器3が有する機能について説明する。
上記構成のプロジェクタ本体装置2は、電波送受信部62が送信された信号を電波送受信部34で受信する機能と、受信データ記憶機能と、表示データ選択機能と、記憶データ表示機能と、消去データ選択機能と、データ消去機能とを有している。
【0048】
受信データ記憶機能は、電波送受信部34で受信したデータを記憶部32に記憶する機能である。この機能において、制御部41は、電波送受信部34で受信した信号に含まれるデータを、記憶部32に情報として記憶させる。
【0049】
表示データ選択機能は、記憶部32に記憶されているデータのうち映像として表示する表示データを決定する機能である。この機能において、制御部41は、表示データ選択用操作部として構成される操作部50のスイッチ55,56,57の操作に基づいて、表示データを決定する。
【0050】
記憶データ表示機能は、電波送受信部34でのデータの受信完了後において記憶部32に記憶されているデータに基づいて映像を表示する機能である。この機能において、制御部41は、記憶部32に記憶されているデータに基づく映像信号が映像生成部12に入力されるように、映像信号処理部22を制御する。なお、表示データ選択機能において表示データが決定されている場合には、表示データ選択用操作部を用いて使用者により選択された表示データに基づいて映像を表示する。
【0051】
消去データ選択機能は、記憶部32に記憶されているデータのうち記憶部32から消去する消去データを決定する機能である。この機能において、制御部41は、消去データ選択用操作部として構成される操作部50のスイッチ55,56,58の操作に基づいて、消去データを決定する。
【0052】
データ消去機能は、記憶部32に記憶されているデータを消去する機能である。この機能において、制御部41は、電波送受信部34で受信して記憶部32に記憶されているデータを、記憶部32から消去させる。なお、消去データ選択機能において消去データが決定されている場合には、消去データ選択用操作部を用いて使用者により選択された消去データを記憶部32から消去する。
【0053】
また、プロジェクタ本体装置2は、OSD映像表示機能を有している。OSD映像表示機能は、映像信号入力部21に入力された映像信号に基づく映像とは異なる映像(以下、「OSD映像」)を表示する機能である。この機能において、制御部41は、OSD映像の映像信号が映像生成部12に入力されるように、OSD処理を実行する映像信号処理部22を制御する。
【0054】
上記構成の遠隔操作機器3は、送信データ選択機能とデータ送信機能とを有している。
送信データ選択機能は、記憶媒体接続部63に接続されたメモリーカード5に記憶されているデータのうち電波送受信部62から無線で送信する送信データを決定する機能である。この機能において、制御部71は、送信データ選択用操作部として構成される操作部50のスイッチ55,56の操作に基づいて、送信データを決定する。
【0055】
データ送信機能は、記憶媒体接続部63に接続されたメモリーカード5に記憶されているデータを電波送受信部62から無線で送信する機能である。この機能において、制御部71は、メモリーカード5に記憶されているデータを読み取り、このデータを含む信号を電波送受信部62に送信させる。なお、送信データ選択機能において送信データが決定されている場合には、送信データ選択用操作部を用いて使用者により選択された送信データを電波送受信部62から無線で送信する。
【0056】
図5(a)を参照して、遠隔操作機器3のデータ送信動作を説明する。データ送信動作は、使用者により操作部50のスイッチ57が押されたことに基づいてスタートする。
スイッチ57が押されたことに基づいて、制御部71は、スイッチ57の操作に応じたリモコンコードを生成するとともに、スイッチ57の操作に応じたリモコンコードを含むアップロード信号を赤外線送信部61に送信させる(ステップS11)。
【0057】
次いで、制御部71は、電源部72から電波送受信部62へ電力を供給させて、電波送受信部62を起動させる(ステップS12)。起動した電波送受信部62は、プロジェクタ本体装置2において起動した電波送受信部34と通信チャネルを確立する(ステップS13)。
【0058】
通信チャネルを確立した後に、電波送受信部62でファイル名要求信号を受信したことに基づいて、制御部71は、メモリーカード5に記憶されているデータを読み込むとともに、メモリーカード5に記憶されているデータのファイル名を電波送受信部62に送信させる(ステップS14)。これにより、図6のようなファイル転送用映像Pが表示される。ファイル転送用映像Pには、メモリーカード5に記憶されているファイル名の一覧、即ち、メモリーカード5に記憶されているデータ一覧を示す映像P1が含まれている。また、ファイル転送用映像Pには、転送されるファイル名の一覧、即ち、送信データとして選択されたデータ一覧を示す映像P2が含まれている。また、ファイル転送用映像Pには、選択されたデータ一を送信するためのUP LOADキーを示す映像P3及び選択されたデータの送信状況を示す映像P4が含まれている。
【0059】
次いで、制御部71は、プロジェクタ本体装置2に送信するファイルを選択するためのファイル選択処理を実行する(ステップS15)。即ち、ステップS15のファイル選択処理において、制御部71は、使用者による操作部50の操作に基づいて、プロジェクタ本体装置2に送信する送信データを決定する。
【0060】
上記におけるファイル選択処理は、次のように行われる。メモリーカード5に記憶されているデータ一覧を示す映像P1において、スイッチ56によりポインタを上下移動させて送信したいファイルを選択し、スイッチ55を押圧する。これにより、送信したいファイル名が映像P2に表示される。このようにして送信したいファイルを選択する。
【0061】
ステップS15で使用者による送信データの選択が完了した後に、使用者がスイッチ56によりポインタを下方に移動させて、UP LOADキーを示す映像P3を選択する。そこで、スイッチ55を押圧すると、映像P3の外周線が太くなる。そして、制御部71は、ステップS15で選択されたファイル、即ち、プロジェクタ本体装置2に送信するデータとして選択された送信データを電波送受信部62に送信させる(ステップS16)。ファイル転送中は、映像P4に「UP LOAD」と表示されているが、ファイル転送が完了すると「COMPLETE」と表示が変更される。
【0062】
そして、ファイルの転送完了後、即ちデータの送信完了後に、制御部71は、電源部72から電波送受信部62への電力の供給を遮断して、電波送受信部62を停止させる(ステップS17)。こうして電力の消費が抑制される。
【0063】
なお、ステップS11〜S16において操作部50のスイッチ54が押されたとき、制御部71は電波送受信部62を停止させて、遠隔操作機器3はデータ送信動作を終了する。また、ステップS13で通信チャネルの確立ができなかったとき、及び確立した通信チャネルの維持ができなくなったときも、制御部71は電波送受信部62を停止させて、遠隔操作機器3はデータ送信動作を終了する。
【0064】
図5(b)を参照して、プロジェクタ本体装置2のデータ受信動作を説明する。データ受信動作は、赤外線受信部33でアップロード信号を受信したことに基づいてスタートする。
【0065】
アップロード信号を受信したことに基づいて、制御部41は、プロジェクタ本体装置2の外部に設けられている外部電源(不図示)から電波送受信部34へ電力を供給させて、電波送受信部34を起動させる(ステップS21)。起動した電波送受信部34は、遠隔操作機器3において起動した電波送受信部62と通信チャネルを確立する(ステップS22)。
【0066】
電波送受信部62でメモリーカード5に記憶されているデータのファイル名通信チャネルを確立した後、制御部41は、ファイル名要求信号を電波送受信部34に送信させて、メモリーカード5に記憶されているデータのファイル名の送信を遠隔操作機器3に対して要求する(ステップS23)。
【0067】
次いで、制御部41は、ファイル転送に供する映像を表示するためのファイル転送用映像表示処理を実行する(ステップS24)。即ち、ステップS24のファイル転送用映像表示処理において、制御部41は、OSD映像の映像信号が映像生成部12に入力されるように、OSD処理を実行する映像信号処理部22を制御する。OSD映像の映像内容は、前述の図6に示すファイル転送用映像Pであって、操作部50の操作に応じて適宜更新される。
【0068】
次いで、ステップS15で使用者による送信データの選択が完了した後に、制御部41は、ステップS16において遠隔操作機器3の電波送受信部62から送信されたデータを、電波送受信部34に受信させる(ステップS25)。また、制御部41は、電波送受信部34で受信したデータを、記憶部32に記憶させる。
【0069】
そして、ファイルの転送完了後、即ちデータの受信完了後に、制御部41は、ファイル転送完了したことを報知する転送完了メッセージを表示させる(ステップS26)。即ち、制御部41は、OSD映像として転送完了メッセージを含む映像を表示させる。
【0070】
そして、制御部41は、外部電源から電波送受信部34への電力の供給を遮断して、電波送受信部34を停止させる(ステップS27)。こうして電力の消費が抑制される。なお、ステップS22で通信チャネルの確立ができなかったとき、及び確立した通信チャネルの維持ができなくなったときも、制御部41は電波送受信部34を停止させて、プロジェクタ本体装置2はデータ受信動作を終了する。
【0071】
本実施の形態における遠隔操作機器3からプロジェクタ本体装置2へのファイルの送受信動作は以上のようなものであって、ファイル転送用映像Pがプロジェクタ本体装置2によって表示されている。これによって、遠隔操作機器3の使用者は、ファイル転送用映像を参照して、メモリーカード5に記憶されているデータ、送信するデータとして選択した送信データ、及び遠隔操作機器3からのデータ送信状況を確認することができる。
【0072】
また、プロジェクタ本体装置2は、記憶部32に記憶されているデータを表示する際に、OSD映像としてファイル選択用映像(図示略)を表示する。
ファイル選択用映像には、記憶部32に記憶されているファイル名の一覧、または記憶部32に記憶されているファイルのサムネイルを示す映像が含まれている。即ち、ファイル選択用映像には、記憶部32に記憶されているデータ一覧を示す映像が含まれている。
【0073】
ファイル選択用映像をプロジェクタ本体装置2が表示することによって、遠隔操作機器3の使用者は、ファイル選択用映像を参照して記憶部32に記憶されているデータのうち映像として表示する表示データを選択することができる。
【0074】
また、プロジェクタ本体装置2は、遠隔操作機器3のスイッチ58が操作されることにより、記憶部32に記憶されているデータを消去する際のOSD映像として図7に示すファイル消去用映像Qを表示する。
【0075】
ファイル消去用映像Qには、記憶部32に記憶されているファイル名の一覧、即ち、記憶部32に記憶されているデータ一覧を示す映像Q1が含まれている。また、ファイル消去用映像Qには、消去されるファイル名の一覧、即ち、消去データとして選択されたデータ一覧を示す映像Q2が含まれている。また、ファイル消去用映像Qには、選択されたファイルを消去するためのDELETEキーを示す映像Q3及びプロジェクタ本体装置2のデータ消去状況を示す映像Q4が含まれている。
【0076】
ファイル消去処理は、次のように行われる。記憶部32に記憶されているファイル名の一覧を示す映像Q1において、スイッチ56によりポインタを上下移動させて消去したいファイルを選択しスイッチ55を押圧する。こうすると、消去したいファイル名が映像Q2に表示される。このようにして消去したいファイルを選択する。
【0077】
次いで、スイッチ56及びスイッチ55を使用して消去したい全てのファイルが映像Q2に表示された後に、使用者がスイッチ56によりポインタを下方に移動させて、DELETEキーを示す映像Q3を選択する。そこで、スイッチ55を押圧すると、映像Q3の外周線が太くなり、消去したいファイルが消去される。ファイル消去中は、映像Q4に「DELETE」と表示されているが、ファイル消去が完了すると「COMPLETE」と表示される。
【0078】
このように、本実施の形態においては、ファイル消去用映像Qをプロジェクタ本体装置2が表示することによって、使用者は、ファイル消去用映像Qを参照して、記憶部32に記憶されているデータ、消去するデータとして選択した消去データ、及びプロジェクタ本体装置2のデータ消去状況を確認することができる。
【0079】
投写型映像表示装置1の動作について説明する。
投写型映像表示装置1は、遠隔操作機器3の送信データ選択機能により、メモリーカード5に記憶されているデータのうちプロジェクタ本体装置2へ送信される送信データを決定する。そして、投写型映像表示装置1は、遠隔操作機器3のデータ送信機能により、メモリーカード5に記憶されているデータを、遠隔操作機器3からプロジェクタ本体装置2へ送信する。プロジェクタ本体装置2は、遠隔操作機器3からプロジェクタ本体装置2へ送信されたデータ、即ちメモリーカード5から転送されたデータを受信する。投写型映像表示装置1は、プロジェクタ本体装置2の受信データ記憶機能により、プロジェクタ本体装置2に転送されたデータを記憶部32に記憶する。
【0080】
また、投写型映像表示装置1は、プロジェクタ本体装置2の表示データ選択機能により、記憶部32に記憶されているデータのうち映像として表示する表示データを決定する。そして、投写型映像表示装置1は、プロジェクタ本体装置2の記憶データ表示機能により、記憶部32に記憶されているデータ、即ちメモリーカード5に記憶されたデータを映像として表示する。また、投写型映像表示装置1は、プロジェクタ本体装置2の消去データ選択機能により、記憶部32に記憶されているデータのうち記憶部32から消去する消去データを決定する。投写型映像表示装置1は、プロジェクタ本体装置2の表示データ選択機能により、記憶部32に記憶されているデータのうち映像として表示する表示データを決定する。投写型映像表示装置1は、プロジェクタ本体装置2のデータ消去機能により、選択された消去データを記憶部32から消去する。
【0081】
本実施の形態の投写型映像表示装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)遠隔操作機器3は、記憶媒体接続部63と、信号送信部である電波送受信部62とを備え、プロジェクタ本体装置2は、信号受信部である電波送受信部34と、記憶部32とを備えている。そして、遠隔操作機器3は、データ送信機能を有し、プロジェクタ本体装置2は、受信データ記憶機能と記憶データ表示機能とを有している。このため、遠隔操作機器3の記憶媒体接続部63に接続されたメモリーカード5に記憶されているデータを遠隔操作機器3の電波送受信部62から無線で送信することにより、プロジェクタ本体装置2が、電波送受信部34で受信したデータに基づいて映像を表示することができる。したがって、使用者の手の届かない環境にプロジェクタ本体装置2が設置された場合であっても、メモリーカード5に記憶されているデータに基づいて映像を表示することができる。
【0082】
(2)また、プロジェクタ本体装置2は、電波送受信部34で受信したデータを記憶部32に記憶し、電波送受信部34でのデータの受信完了後において記憶部32に記憶されているデータに基づいて映像を表示するため、プロジェクタ本体装置2が映像を表示する際に遠隔操作機器3はデータを無線で送信し続ける必要がない。したがって、プロジェクタ本体装置2が映像を表示する際に遠隔操作機器3からデータを送信し続ける構成に比べて、遠隔操作機器3の消費電力を低減することができる。
【0083】
(3)遠隔操作機器3の記憶媒体接続部63には情報記憶媒体としてメモリーカード5が接続され、電波送受信部62はデータを電波として送信する。このため、映像のデータを記憶させる情報記憶媒体としてメモリーカード5を使用することができ、例えば情報記憶媒体としてリムーバブルハードディスクを使用する構成に比べて、情報記憶媒体及び記憶媒体接続部63の小型化を図ることができる。また、遠隔操作機器3の電波送受信部62がデータを電波として送信するため、例えばデータを赤外線として送信する構成に比べて、データの送信において信号が空間的に広がり易い。
【0084】
(4)遠隔操作機器3はマンマシンインタフェースにより構成される送信データ選択用操作部として操作部50を備え、遠隔操作機器3は、使用者による操作部50の操作に基づいて送信データを決定する送信データ選択機能を有する。したがって、メモリーカード5に記憶されているデータのうち遠隔操作機器3の電波送受信部62から無線で送信する送信データが、操作部50の操作に基づいて決定されるため、使用者は遠隔操作機器3の電波送受信部62から無線で送信するデータを選択することができる。
【0085】
(5)遠隔操作機器3はマンマシンインタフェースにより構成される消去データ選択用操作部として操作部50を備え、遠隔操作機器3は、使用者による操作部50の操作に基づいて消去データを決定する消去データ選択機能を有する。したがって、プロジェクタ本体装置2の記憶部32に記憶されているデータのうち記憶部32から消去する消去データが、操作部50の操作に基づいて決定されるため、使用者はプロジェクタ本体装置2の記憶部32から消去するデータを選択することができる。
【0086】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図8〜図11に基づいて説明する。なお、前記実施の形態1との共通の要素については、同一の符号を用いその説明を省略または簡略化する。
【0087】
実施の形態1に係る投写型映像表示装置1は、前述のように、遠隔操作機器として専用の遠隔操作機器3を用い、赤外線通信によりプロジェクタ本体装置2を操作可能とすると共に、無線通信によりメモリーカード5に記憶された画像に係るデータをプロジェクタ本体装置2に対し送信可能としたものである。
【0088】
これに対し、実施の形態2に係る投写型映像表示装置1は、遠隔操作機器3としてスマートフォン(図8参照)を用い、無線通信によりメモリーカード5に記憶された画像に係るデータを送信可能とするとともに、プロジェクタ本体装置2を操作可能としている。この場合のスマートフォンは、汎用品に対しプロジェクタ本体装置2を遠隔操作する遠隔操作用アプリケーション(以下リモコンアプリという)をインストールしたものとなる。なお、本実施の形態に係る投写型映像表示装置1は、メモリーカード5に記憶されたデータを送信する必要のない場合の利便性を加味して、従来一般のものと同様に赤外線を用いたリモコンによってもプロジェクタ本体装置2を操作可能としている。
【0089】
したがって、実施の形態2における遠隔操作機器3は、厳密には前記スマートフォンと前記従来一般のリモコンとを合わせたものを意味するが、本明細書における実施の形態2の説明は、スマートフォンが遠隔操作機器として用いられる場合についてのものを主とする。したがって、本明細書において、実施の形態2に関し遠隔操作機器と単に称する場合は、以下に説明するようなリモコンアプリを搭載したスマートフォンのことをいうものとする。また、上記における従来一般のリモートコントローラは、プロジェクタ本体装置2の電源オン/オフを切り替える信号や、プロジェクタ本体装置2の動作の設定を行う信号を送信する一般的なものでよく、本明細書においてはその詳細説明を省略する。
【0090】
また、実施の形態2におけるプロジェクタ本体装置2は、実施の形態1におけるものと同様な構成(図3参照)となる。すなわち、実施の形態2のプロジェクタ本体装置2は、操作部31、記憶部32、赤外線受信部33、電波送受信部34及び制御部41を備えたものであって、これらはそれぞれ次のようなものとなる。
【0091】
操作部31は、実施の形態1における構成と全く同一でよく、遠隔操作機器3を使用せずにプロジェクタ本体装置2を操作することもできる。
記憶部32は、実施の形態1における構成と全く同一でよく、プロジェクタ本体装置2の動作に係るプログラム、及び電波送受信部34で受信した信号に含まれるデータを記憶する。
【0092】
赤外線受信部33は、実施の形態1におけるものと同一でよく、従来一般のプロジェクタ本体装置2用のリモートコントローラを使用可能とする。
電波送受信部34は、実施の形態1におけるものと同一でよく、電波として無線で送信された信号を受信する信号受信部である。すなわち、電波送受信部34は、遠隔操作機器3としてのスマートフォンから送信される操作信号及びメモリーカード5に記憶された画像に係る信号を受信する。
【0093】
制御部41は、実施の形態1のものと同様、記憶部32に記憶されているプロジェクタ本体装置2の動作に係るプログラムに基づいて、プロジェクタ本体装置2の動作を制御する。したがって、実施の形態2における制御部41は、遠隔操作機器3としてのスマートフォンから送信される操作コマンドに基づきプロジェクタ本体装置2を駆動する。また、制御部41は、遠隔操作機器3としてのスマートフォンから送信されるメモリーカード5に記憶された画像に係るデータを、記憶部32に記憶させる。
【0094】
次に、遠隔操作機器3としてのスマートフォン(以下、単に遠隔操作機器3という)について、具体的に説明する。
遠隔操作機器3は、図8に示すように、実施の形態1におけると同様に、メモリーカード5を装着可能とした記憶媒体接続部81、制御部82、記憶部83、電波送受信部84、電源部85、映像信号処理部86、表示部87などを備えている。
【0095】
記憶媒体接続部81は、メモリーカード5が所定位置に装着されることにより、メモリーカード5が接続されるカードコネクタにより構成される。メモリーカード5は、実施の形態1において説明したものと同様のものであり、記憶媒体接続部81から取り外すことにより、持ち運びすることができる。
【0096】
制御部82は、一つまたは複数の集積回路により構成される。制御部82は、記憶部83に記憶されている遠隔操作に係わるプログラムに基づき遠隔操作機器3の動作を制御する。
【0097】
記憶部83は、ハードディスク、フラッシュメモリーなどで構成されたものであって、遠隔操作機器3としてのスマートフォンの動作に係わるプログラムや、リモコンアプリなどのアプリケーションプログラムを記憶する。また、内蔵するカメラ(不図示)により撮影された映像データ、インターネットやメールなどから取得された種々のデータを記憶する。
【0098】
電波送受信部84は、アンテナを含む無線モジュールにより構成されたものであって、プロジェクタ本体装置2の電波送受信部34が受信可能な信号を電波として無線送信する信号送信部である。
【0099】
電源部85は、リチウムイオン電池などの2次電池により構成される。
映像信号処理部86は、遠隔操作機器3のディスプレイに表示する映像信号を生成するための映像信号処理を行う。
【0100】
表示部87は、映像信号処理部86で処理された映像信号に基づく画像を表示するディスプレイ87aを備えている。図9に遠隔操作機器3の外観図が示されるように、操作面の上方大部分がディスプレイ87aとして形成されており、リモコンアプリが駆動されたときには、遠隔操作に必要な画像がこのディスプレイ87aに表示される。
【0101】
また、遠隔操作機器3は、リモコンアプリを起動してプロジェクタ本体装置2を遠隔操作を可能とするための操作部90を有する。図9において、ディスプレイ87aの下方にスマートフォンとして基本操作を行う基本操作キー91が設けられている。この基本操作キー91は、本実施の形態における操作部90の一部を構成する。
【0102】
基本操作キー91は、押しボタン式のキーにより構成されるマンマシンインタフェースであり、図9に示すようにホームキー91a、backキー91b、メニューキー91cを有する。ホームキー91aは、押圧されると、全てのアプリケーション(以下アプリという)がディスプレイ87aに表示される。backキー91bは、押圧されると、一つ前の画面が表示される。メニューキー91cは、押圧されると、利用できるオプションメニューがディスプレイ87aに表示される。
【0103】
遠隔操作機器3は、ディスプレイ87aに表示された全アプリの中からリモコンアプリを選択して駆動することにより、図9に示すような、プロジェクタ本体装置2を遠隔操作するための遠隔操作画面がディスプレイ87aに表示される。この遠隔操作画面は、実施の形態1に示すような遠隔操作機器3をイメージするように表示されている。
【0104】
遠隔操作画面は、図9に示すように、電源キー92、スタンバイキー93、メニュー表示キー94、キャンセルキー95、選択キー96.ポインタ移動キー97、アップロードキー98、デリートキー99を有している。これらキーは、タッチ式キーにより構成されるマンマシンインタフェースであって、基本操作キー91とともに操作部90を構成する。
【0105】
電源キー92は、実施の形態1におけるスイッチ51に相当するものであって、映像を表示していない状態のプロジェクタ本体装置2に対し映像の表示動作を開始させるキーである。
【0106】
スタンバイキー93は、実施の形態1におけるスイッチ52に相当するものであって、映像を表示している状態のプロジェクタ本体装置2に対して映像の表示動作を停止させるためのキーである。
【0107】
メニュー表示キー94は、実施の形態1におけるスイッチ53に相当するものであって、映像を表示している状態のプロジェクタ本体装置2に対してメニュー映像を表示させるためのキーである。メニュー映像には、プロジェクタ本体装置実行可能な機能の一覧と、この一覧に含まれる選択肢のうちのいずれかを指し示すポインタとが含まれる。
【0108】
キャンセルキー95は、実施の形態1におけるスイッチ54に相当するものであって、操作部90の操作を取り消すためのキーである。
選択キー96は、実施の形態1におけるスイッチ55に相当するものであって、プロジェクタ本体装置2にOSD映像を表示させるメニュー映像においてポインタが指し示す項目を選択するためのキーである。
【0109】
ポインタ移動キー97は、実施の形態1におけるスイッチ56に相当するものであって、前記メニュー映像においてポインタを移動させるためのキーである。
アップロードキー98は、ファイル転送用映像Ps(図11参照)を遠隔操作機器3のディスプレイ87aに表示させるためのキーである。デリートキー99はファイル消去用映像Q(図7参照)をプロジェクタ本体装置2に表示させるためのキーである。
【0110】
上記構成の投写型映像表示装置1において、プロジェクタ本体装置2は、実施の形態1の場合と同様に、電波送受信部62が送信された信号を電波送受信部34で受信する機能と、受信データ記憶機能と、表示データ選択機能と、記憶データ表示機能と、消去データ選択機能と、データ消去機能と、操作画面に係るOSD映像表示機能とを有している。これら機能は、実施の形態1の場合と同様であるので、説明の重複を避ける。ただし、表示データ選択機能における表示データ選択用操作部は、実施の形態1のスイッチ55,56,57に相当するキー、すなわち、操作部90の選択キー96、ポインタ移動キー97及びアップロードキー98により構成される。また、消去データ選択機能における消去データ選択用操作部は、実施の形態1のスイッチ55,56,58に相当するキー、すなわち、操作部90の選択キー96、ポインタ移動キー97及びデリートキー99により構成される。
【0111】
また、遠隔操作機器3は、実施の形態1の場合と同様に、プロジェクタ本体装置2を遠隔操作する一般機能以外に送信データ選択機能と、データ送信機能とを有している。
送信データ選択機能は、記憶媒体接続部81に接続されたメモリーカード5に記憶されているデータのうち、電波送受信部84から無線で送信する送信データを決定する機能である。データ送信機能は、記憶媒体接続部81に接続されたメモリーカード5に記憶されているデータを、電波送受信部84から無線で送信する機能である。
【0112】
遠隔操作機器3のデータ送信動作及びプロジェクタ本体装置2における受信動作は、実施の形態1とは異なり、次のように行われる。これを図10及び図11を参照して説明する。
【0113】
実施の形態2に係る投写型映像表示装置1の使用者は、データ送信動作を行う場合、先ず遠隔操作機器3の操作面のホームキー91aを押圧してリモコンアプリを起動させ(ステップS31)、リモコンアプリ画面(図9参照)をディスプレイ87aに表示させる(ステップS32)。一方、プロジェクタ本体装置2は、電源ケーブルが接続された状態において常に遠隔操作機器3からの無線通信を受信できるように電波送受信部34が起動された待機状態とされている(ステップS41)。
【0114】
そして、上記のようにリモコンアプリが起動されたときに、遠隔操作機器3の電波送受信部62が起動され、プロジェクタ本体装置2の電波送受信部34との間で通信チャンネルが確立される(ステップS33、ステップS42)。これにより、遠隔操作機器3は、プロジェクタ本体装置2を遠隔操作する信号を、プロジェクタ本体装置2に対し無線送信することができる。また、遠隔操作機器3は、メモリーカード5に記憶されているデータを、プロジェクタ本体装置2に対し無線送信することができる状態となる。
【0115】
次いで、使用者が遠隔操作機器3のアップロードキー98を操作すると(ステップS34)、プロジェクタ本体装置2に送信するファイルを選択するためのファイル転送用映像表示処理が実行される(ステップS35)。そして、ファイル転送用映像表示処理が実行されると、ディスプレイ87aに図11のファイル転送用映像Psが表示される。ファイル転送用映像Psは、実施の形態1においてプロジェクタ本体装置2にOSD映像として表示させていたファイル転送用映像Pと略同様の内容のものである。すなわち、ファイル転送用映像Psには、メモリーカードに記憶されているファイル名一覧、すなわちメモリーカードに記憶されているデータ一覧を示す映像Ps1が含まれている。また、ファイル転送用映像Psには、転送されるファイル名の一覧、即ち、送信データとして選択されたデータ一覧を示す映像Ps2が含まれている。また、ファイル転送用映像Pには、選択されたデータを送信するためのUP LOADキーを示す映像Ps3、及び選択されたデータの送信状況を示す映像Ps4が含まれている。
【0116】
この実施の形態においては、送信すべきファイルデータは、データ一覧を示す映像Ps1に記載されたファイル名の中から選択される。ファイル名の選択は、映像Ps1に示されたファイル名のうちの、送信すべきファイル名にタッチする、所謂タッチ式操作により行われる。実施の形態2における遠隔操作機器3の送信データ選択機能は、このように実行される機能をいう。また、この送信データ選択機能における送信データ選択用操作部は、タッチ操作により送信すべきファイルの選択を可能とした映像Ps1により構成されている。
【0117】
映像Ps1におけるタッチ操作により選択されたデータファイルは、選択されたデータ一覧を示す映像Ps2に表示される(ステップS36)。また、ファイル転送用映像Psにおいては、映像Ps2に表示されたデータファイル名を例えば異なる色で表示される。
【0118】
そして、ステップS36で使用者による送信データの選択が完了した後に、使用者がUP LOADキーを示す映像P3にタッチすると、映像Ps3の外周線が太くなる。そして、制御部71は、ステップS36で選択されたファイル、即ち、プロジェクタ本体装置2に送信するデータとして選択された送信データを送信し(ステップS37)、電波送受信部62に受信させる(ステップS43)。
【0119】
映像Ps4における表示「UP LOAD」は、選択されたデータファイルが送信中であることを示しており、送信が完了するとその表示が変わる。例えば、その表示が「COMPLETE」に変化する(ステップS38)。このようにして、データファイルの送信動作が終了する。
【0120】
上記のように、メモリーカード5に記憶されたデータは、遠隔操作機器3からプロジェクタ本体装置2へ送信される。そして、受信されたデータは、プロジェクタ本体装置2の記憶部32に記憶される。
【0121】
次に、記憶部32に記憶されたデータの取り扱い動作について述べる。
以上のごとき投写型映像表示装置1は、実施の形態1の場合と同様に、映像表示すべきファイルを選択するためのファイル選択用映像(不図示)をプロジェクタ本体装置2に表示することによって、記憶部32に記憶されているデータの中から映像表示させるデータを選択することができる。なお、選択された映像の表示は、その都度遠隔操作機器3からデータを無線送信する必要がないので、随時繰り返し映像を表示しても無線送信のために電力が消費されることがない。
【0122】
また、投写型映像表示装置1は、実施の形態1の場合と同様に、プロジェクタ本体装置2の消去データ選択機能及びデータ消去機能により、記憶部32に記憶されているデータの中から消去する消去データを決定し、これを記憶部32から消去することができる。
【0123】
このデータ消去作業は次のように行われる。使用者は、遠隔操作機器3のリモコンアプリを起動したときに表示される遠隔操作画面を用い、デリートキー99をタッチすることにより、プロジェクタ本体装置2に図7に表示されているファイル消去用映像Qを表示させる。そして、使用者は、記憶部32に記憶されているファイル名の一覧を示す映像Q1において、消去データ選択用操作部として操作部90の選択キー96及びポインタ移動キー97を操作して記憶データファイル名の中から消去すべきデータファイル名を選択し、選択キー96にタッチしてこれを映像Q2に表示させる。
【0124】
次いで、選択キー96及びポインタ移動キー97を操作して消去したい全てのファイルが映像Q2に表示された後に、使用者がポインタ移動キー97によりポインタを下方に移動させて、DELETEキーを示す映像Q3を選択する。そこで、選択キー96にタッチすると、映像Q4の外周線が太くなり、消去したいファイルが消去される。ファイル消去中は、映像Q4に「DELETE」と表示されているが、ファイル消去が完了すると「COMPLETE」と表示される。
【0125】
以上のように構成された実施の形態2に係る投写型映像表示装置1は、前述の実施の形態1に係る(1)〜(5)に相当する効果を奏することができることに加え、下記の効果を奏することができる。
【0126】
(6)プロジェクタ本体装置を遠隔操作する機能、及びメモリーカード5などの情報記憶媒体に記憶されているデータをプロジェクタ本体装置2に転送する機能を遠隔操作機器3に集約することができるので、使用者の使い勝手が向上する。また、従来一般のリモートコントローラも使用できるので、情報記憶媒体に記憶されているデータをプロジェクタ本体装置2に転送する必要のないときには、このリモートコントローラも使用することもできる。
【0127】
(7)情報記憶媒体に記憶されているデータをプロジェクタ本体装置2に転送する際には、手元の遠隔操作機器3のディスプレイ87aを見ながら操作することができるので、離れたプロジェクタ本体装置2の投写画面を見る必要がなく、操作性が向上する。
【0128】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について図12〜図14に基づいて説明する。
実施の形態3に係る投写型映像表示装置1は、実施の形態2において、プロジェクタ本体装置2の記憶部32に記憶されたデータの取扱いを変更したものである。以下この相違点を中心に実施の形態3について説明する。なお、以下の説明において、実施の形態2との共通の要素には同一の符号を用い、その説明を省略又は簡略化するものとする。また、この実施の形態に関する以下の説明において単に遠隔操作機器3というときは、スマートフォンを意味するものとする。
【0129】
実施の形態2との比較における第1の変更点は、映像表示すべきファイルを選択するためのファイル選択用映像の表示である。ファイル選択用映像は、実施の形態2においてはプロジェクタ本体装置2によってOSD表示されていたが、実施の形態3においては遠隔操作機器3のディスプレイ87aに表示するように構成されている。
【0130】
また、実施の形態2との比較における変更の第2は、記憶部32に表示されているデータの中から消去するデータを選択するためのファイル消去用映像の表示である。ファイル消去用映像は、実施の形態2においてはプロジェクタ本体装置2によってOSD表示されていたが、実施の形態3においてはこれを遠隔操作機器3のディスプレイ87aに表示するように構成されている。
【0131】
このような変更を行うために、図12に図示するように、実施の形態3に係る遠隔操作機器3の遠隔操作画面は、ファイル選択用映像Rsをディスプレイ87aに表示するための表示キー101と、ファイル消去用映像Qs(図14参照)をディスプレイ87aに表示するためのデリートキー102とを備えている。デリートキー102は、実施の形態2におけるデリートキー99に代わり設けられるものである。
【0132】
そして、この実施の形態においては、前記第1の変更点に係わる、記憶部32に記憶されているデータの中から映像表示するデータを選択する表示データ選択機能、及び選択されたデータを表示する表示機能が、次のように行われる。
【0133】
遠隔操作機器3の操作面のホームキー91aを押圧してリモコンアプリを起動させた状態において、使用者が表示キー101にタッチする。これにより、プロジェクタ本体装置2の記憶部32に記憶されているデータファイル名がダウンロードされ、遠隔操作機器3のディスプレイ87aに図13に示すようなファイル選択用映像Rsが表示される。この表示は、図12のような遠隔操作画面に切り替わって表示されるものであってもよいし、同一ディスプレイ87aに並列的に表示されるものであってもよい。
【0134】
ファイル選択用映像Rsには、記憶部32に記憶されているファイル名の一覧、即ち、記憶部32に記憶されているデータ一覧を示す映像Rs1が含まれている。
次に、使用者は、記憶部32に記憶されているファイル名の一覧を示す映像Rs1の中から所望のファイルを選択し、このファイル名にタッチする。これにより、選択されたファイル情報がプロジェクタ本体装置2へ送信される。そして、プロジェクタ本体装置2の制御部41が選択されたファイルを映像処理し、これを映像として表示する。
【0135】
次に、この実施の形態においては、前記第2の変更点に係わる、記憶部32に記憶されているデータの中から消去する消去データを選択する消去データ選択機能、及び選択されたデータを消去するデータ消去機能が、次のように行われる。
【0136】
遠隔操作機器3の操作面のホームキー91aを押圧してリモコンアプリを起動させた状態において、デリートキー102にタッチする。これにより、プロジェクタ本体装置2の記憶部32に記憶されているデータファイル名がダウンロードされ、遠隔操作機器3のディスプレイ87aにファイル消去用映像Qs(図14参照)が表示される。この表示は、図12のような遠隔操作画面に切り替わって表示されるものであってもよいし、同一ディスプレイ87aに並列的に表示されるものであってもよい。
【0137】
ファイル消去用映像Qsには、記憶部32に記憶されているファイル名の一覧、即ち、記憶部32に記憶されているデータ一覧を示す映像Qs1が含まれている。また、ファイル消去用映像Qsには、消去されるファイル名の一覧、即ち、この映像に基づき消去データとして選択されたデータ一覧を示す映像Qs2が含まれている。また、ファイル消去用映像Qsには、選択されたファイルを消去するためのDELETEキーを示す映像Qs3及びプロジェクタ本体装置2のデータ消去状況を示す映像Qs4が含まれている。
【0138】
使用者は、ファイル消去用映像Qsが表示された後、次のようにして消去したいファイルの選択及びその実行を行う。
まず、使用者は、記憶部32に記憶されているファイル名の一覧を示す映像Qs1において所望のファイルを選択し、このファイル名にタッチする。こうすると、消去したいファイル名が映像Qs2に表示される。このようにして選択された消去したいファイルは全て映像Qs2に表示される。
【0139】
次に、使用者は、ディスプレイ87aに表示されているDELETEキーを示す映像Qs3にタッチすることにより、選択したファイルの消去を実行することができる。使用者により消去が実行されると、プロジェクタ本体装置2側に消去するファイル名のリストが送信され、プロジェクタ本体装置2の制御部41が記憶部32に記憶されて該当ファイルを消去する。この間、映像Qs3は、外周線が太くなり消去中であることが表示される。一方、映像Qs4は、ファイル消去中は「DELETE」と表示され、全てのファイルの消去が完了すると「COMPLETE」と変更して表示される。
【0140】
以上のごとく、使用者は、ファイル消去用映像Qsが遠隔操作機器3に表示されることにより、ファイル消去用映像Qsを参照して、記憶部32に記憶されているデータ、消去するデータとして選択した消去データ、及びプロジェクタ本体装置2のデータ消去状況を確認することができる。
【0141】
以上のように構成された実施の形態3に係る投写型映像表示装置1は、前述の実施の形態1に係る(1)〜(5)に相当する効果、並びに、前述の実施の形態2に係る(6)〜(7)に相当する効果を奏することができることに加え、下記の効果を奏することができる。
【0142】
(8)使用者は、メモリーカード5に記憶されているデータをプロジェクタ本体装置2に転送する操作、同装置の記憶部32に記憶されているファイルの映像表示操作、及び、同記憶部32に記憶されているファイルの消去操作を、全て手元の遠隔操作機器3のディスプレイ87aを見ながら行うことができる。したがって、使用者は、これら操作については離れたプロジェクタ本体装置2の投写画面を見る必要がなく、操作性が向上する。
【0143】
(9)この投写型映像表示装置によれば、記憶部32に記憶されているファイルの消去のために、プロジェクタ本体装置2にOSD表示させる必要がない。したがって、使用者は、所望の映像の投射を継続しながら、不要なファイルの消去作業を行うことができる。
【0144】
(10)また、記憶部32に記憶されているファイルの消去は、プロジェクタ本体装置2にOSD表示させる必要がないので、プロジェクタ本体装置がランプを点灯しないスタンバイ状態において行うことができる。したがって、ファイル消去作業に要する所要電力を節減することができる。
【0145】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施の形態に限られず、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であって、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施の形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせて実施してもよい。
【0146】
・上記各実施の形態では、プロジェクタ本体装置2は表示データ選択機能を有しているが、この機能を省略することもできる。このような構成においては、プロジェクタ本体装置2が、記憶部32に記憶されている複数のファイルを映像として順次表示することによって、記憶部32に記憶されているデータに基づく映像を順次表示することができる。
【0147】
・上記各実施の形態では、プロジェクタ本体装置2は消去データ選択機能を有しているが、この機能を省略することもできる。このような構成においては、プロジェクタ本体装置2が、データ消去機能において、プロジェクタ本体装置2が記憶部32に記憶されている全てのファイルを削除する構成を採用することができる。
【0148】
・上記各実施の形態では、遠隔操作機器3は送信データ選択機能を有しているが、この機能を省略することもできる。このような構成においては、遠隔操作機器3が、データ送信機能において、メモリーカード5に記憶されているデータの全てを送信する構成を採用することができる。
【0149】
・上記実施の形態1では、遠隔操作機器3の信号送信部である電波送受信部34は電波としてデータを送信する構成であるが、メモリーカード5に記憶されているデータを赤外線として送信することもできる。即ち、信号受信部は、例えば、赤外線としてデータを送信する赤外線送信部61により構成することもできる。このような構成の変更に併せて、プロジェクタ本体装置2の信号受信部を、例えば、赤外線受信部33により構成することもできる。
【0150】
・上記実施の形態1では、プロジェクタ本体装置2がファイル転送用映像Pを表示するが、図15に示すように、遠隔操作機器3に例えば液晶パネルにより構成される表示部105を設けて、この表示部105にファイル転送用映像を表示させる構成を採用することもできる。このような構成によれば、プロジェクタ本体装置2がファイル転送用映像PをOSD映像として表示する必要がなくなる。
【0151】
・上記実施の形態1では、OSD映像として転送完了メッセージを含む映像を表示させることによりファイル転送完了したことを報知する構成であるが、図15に示すように、遠隔操作機器3に例えばスピーカーにより構成される報知部106を設けて、この報知部106によりファイル転送完了したことを報知する構成を採用することもできる。また、図15に示す表示部105によりファイル転送完了したことを報知する構成を採用することもできる。即ち、遠隔操作機器3の表示部105により報知部を構成することもできる。
【0152】
・上記実施の形態1では、電源部72から電波送受信部62への電力の供給の遮断は、制御部71により行われているが、図15に示すように、例えば操作部50にスライドスイッチ59を設けて、この操作部50のスライドスイッチ59により、電源部72から電波送受信部62への電力の供給のオン/オフを切り替える構成を採用することもできる。
【0153】
・上記各実施の形態では、プロジェクタ本体装置2は映像信号入力部21及び操作部31を備える構成であるが、映像信号入力部21及び操作部31を省略することもできる。また、プロジェクタ本体装置2に、メモリーカード5が接続される記憶媒体接続部を設ける構成を採用することもできる。
【0154】
・上記実施の形態1では、操作部50は押しボタンスイッチにより構成されているが、押しボタンスイッチ以外のマンマシンインタフェースにより構成することもできる。例えばタッチパネルにより操作部50を構成することもできる。
【0155】
・上記各実施の形態では、映像生成部12はドットマトリクス型の液晶ライトバルブにより構成されているが、映像生成部12が微小鏡を格子状に配列したDMD(Digital Micromirror Device)により構成することもできる。このような構成の場合には、映像信号に基づいてDMDが駆動され、そして、光源11からDMDに入射した光が、DMDで反射されることによって、映像信号に基づいた映像が生成される。
【0156】
・上記各実施の形態における記憶部32は、プロジェクタ本体装置2に内蔵されたメモリーである。しかし、この記憶部32を、プロジェクタ本体装置2に内蔵されたメモリーに加え、例えばメモリーカードのように着脱可能に取り扱えるメモリーを使用できるようにしてもよい。このようにすれば、着脱自在のメモリーを増設メモリーとして利用することができる。また、プロジェクタ本体装置2を卓上設置した場合のように、プロジェクタ本体装置2を手の届く位置に設置した場合には、この外部メモリーを直接プロジェクタ本体装置2に装着して使用することもできる。このように、記憶部32において着脱可能なメモリーを使用可能とすることにより、より一層利便性が向上する。
【0157】
・実施の形態2において、接続されたメモリーカードを、遠隔操作機器3が外部から受信したデータを記憶させる記憶部の一部として利用できるように構成してもよい。
・上記実施の形態2及び3では、プロジェクタ本体装置2の電源オン/オフを切り替える信号や、プロジェクタ本体装置2の動作の設定を行う信号を送信する従来一般のリモートコントローラを使用可能としているが、遠隔操作機器3としてのスマートフォンのみにより遠隔操作させるようにしてもよい。
【0158】
・上記実施の形態2及び3では、遠隔操作機器3によるデータ送信作業において、ファイル転送用映像Psを遠隔操作機器3としてのスマートフォンのディスプレイ87aに表示させていたが、実施の形態1の場合のように、これに代わる映像をプロジェクタ本体装置2側にOSD映像として表示させる方法とすることも可能である。
【0159】
・上記実施の形態2及び3では、スマートフォンのカメラにより撮影された映像データや、インターネット或いはメールから得られたデータを、一端記憶部にファイル名を付して記憶させるなど適宜の処理をした後に、遠隔操作機器3の電波送受信部84からプロジェクタ本体装置2へ送信するようにしてもよい。このように構成すれば、遠隔操作機器の付加価値が向上する。
【符号の説明】
【0160】
1…投写型映像表示装置、2…プロジェクタ本体装置、3…遠隔操作機器、4…天井取付ハンガー、5…メモリーカード(情報記憶媒体)、32…記憶部、33…赤外線受信部、34…電波送受信部(信号受信部)、41…制御部、50,90…操作部、61…赤外線送信部、62…電波送受信部(信号送信部)、63,81…記憶媒体接続部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を投射して映像を表示するプロジェクタ本体装置と、このプロジェクタ本体装置の動作を外部から操作する遠隔操作機器とを備える投写型映像表示装置において、
前記遠隔操作機器は、情報記憶媒体を着脱可能な記憶媒体接続部と、前記プロジェクタ本体装置が受信可能な信号を無線で送信する信号送信部とを備え、
前記プロジェクタ本体装置は、前記信号送信部から送信された前記信号を受信する信号受信部と、情報を記憶する記憶部とを備え、
前記遠隔操作機器が、前記記憶媒体接続部に接続された前記情報記憶媒体に記憶されているデータを前記信号送信部から無線で送信する機能を有し、
前記プロジェクタ本体装置が、前記信号受信部で受信した前記データを前記記憶部に記憶する機能と、前記信号受信部での前記データの受信完了後において前記記憶部に記憶されている前記データに基づいて映像を表示する機能とを有する
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記記憶媒体接続部には前記情報記憶媒体としてメモリーカードが接続され、
前記信号送信部は前記データを電波として送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記遠隔操作機器及び前記プロジェクタ本体装置の少なくとも一方は、マンマシンインタフェースにより構成される送信データ選択用操作部を備え、
前記遠隔操作機器が、前記情報記憶媒体に記憶されている前記データのうち前記信号送信部から無線で送信する送信データを、前記送信データ選択用操作部の操作に基づいて決定する機能を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記遠隔操作機器及び前記プロジェクタ本体装置の少なくとも一方は、マンマシンインタフェースにより構成される消去データ選択用操作部を備え、
前記プロジェクタ本体装置が、前記記憶部に記憶されている前記データを消去する機能と、前記記憶部に記憶されている前記データのうち前記記憶部から消去する消去データを、前記消去データ選択用操作部の操作に基づいて決定する機能とを有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
光を投射して映像を表示するプロジェクタ本体装置と、このプロジェクタ本体装置の動作を外部から操作する遠隔操作機器とを用いる映像表示方法において、
前記遠隔操作機器は、情報記憶媒体を着脱可能な記憶媒体接続部と、前記プロジェクタ本体装置が受信可能な信号を無線で送信する信号送信部とを備え、
前記プロジェクタ本体装置は、前記信号送信部から送信された前記信号を受信する信号受信部と、情報を記憶する記憶部とを備え、
前記記憶媒体接続部に接続された前記情報記憶媒体に記憶されているデータを前記信号送信部から無線で送信させ、
前記信号受信部で受信した前記データを前記記憶部に記憶させ、
前記信号受信部での前記データの受信完了後において前記記憶部に記憶されている前記データに基づいて映像を表示させる
ことを特徴とする映像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−83942(P2013−83942A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−191927(P2012−191927)
【出願日】平成24年8月31日(2012.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】