折り返しダイポールアンテナ及びこれを使用したタグ
【課題】リーダライタ側が円偏波特性を有していても、より通信距離を伸ばすことのできる折り返しダイポールアンテナとこれを使用したタグを提供する。
【解決手段】折り返しダイポールアンテナにおいて、スロット部が形成されるように、給電部を有する第1ダイポール部の両端と第2ダイポール部の両端とを接続し、該第1及び第2ダイポール部が、該給電部へRFID用チップを搭載したとすると、スロットモード(縦方向)の直線偏波を発生させる幅を有しており、この折り返しダイポールアンテナの給電部のアンテナ端子にチップの端子を実際に接続してタグを実現する。
【解決手段】折り返しダイポールアンテナにおいて、スロット部が形成されるように、給電部を有する第1ダイポール部の両端と第2ダイポール部の両端とを接続し、該第1及び第2ダイポール部が、該給電部へRFID用チップを搭載したとすると、スロットモード(縦方向)の直線偏波を発生させる幅を有しており、この折り返しダイポールアンテナの給電部のアンテナ端子にチップの端子を実際に接続してタグを実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り返しダイポールアンテナ及びこれを使用したタグに関し、特にRFIDリーダライタと信号送受信するための非接触型の折り返しダイポールアンテナ及びこれを使用したRFIDタグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
UHF帯(860〜960MHz)の無線回線を用いて、リーダライタから約1Wの信号を送信し、タグ側でその信号を受信し、再びリーダライタ側へ応答信号を送り返すことにより、タグ内の情報をリーダライタで読み取ることができるRFIDシステムが既に知られている。その通信周波数は953MHzと規定されており、通信距離は、タグ側に設けられたアンテナのゲインやチップの動作電圧や周囲環境にもよるが、およそ3m前後である。このタグは、厚さ0.1mm程度のアンテナと、アンテナ給電部に接続されるLSIチップ(約1mm角で、厚さ0.2mm程度の大きさ)とで構成される。
【0003】
このLSIチップ21は、図8に示すように、内部抵抗Rc(例えば1200Ω)とキャパシタンスCc(例えば0.7pF)との並列回線で等価的に表わすことができる。このチップ21のアドミタンスYc(=1/Rc+jwCc)は、図9のアドミタンスチャート上では、位置A21で示される。一方、アンテナ22は、放射抵抗Ra(例えば500Ω)と、インダクタンスLa(例えば40nH)の並列回路で等価的に表わすことができる。
【0004】
これらのチップ21とアンテナ22を並列接続することにより、キャパシタンスCcとインダクタンスLaとが共振し、下記の式から分かるように、所望の共振周波数fo(上記の953MHz)でインピーダンス整合し、アンテナ22での受信パワーがチップ21へ最大に供給されることになる。
【0005】
【数1】
RFIDタグに用いる基本的なアンテナとしては、図10(1)に示す全長約145mm(λ/2)のダイポールアンテナ31が考えられるが、この場合のインピーダンスは、図9において軌跡(1)を描き、fo=953MHzでは、Ra=72Ω及び虚数部=0となり、軌跡(1)上の位置A31となる。
【0006】
しかしながら、RFIDタグのアンテナに必要な放射抵抗Raは500〜2000Ω程度と非常に高いため、Raを72Ωから上げる必要がある。
【0007】
そこで、図10(2)に示すような、全長145mm程度の折り返しダイポールアンテナ(folded dipole antenna)32を用いることにより、線幅によっても異なるが、放射抵抗Raを、ダイポールアンテナの場合の72Ωから、およそ300Ω〜500Ω程度まで引き上げられることがよく知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0008】
図9では、折り返しダイポールアンテナ32のインピーダンスは、軌跡(2)を描き、fo=953MHzでは、Ra=500Ω及び虚数部=0となり、軌跡(2)上の位置A32になることが示されている。
【0009】
さらに、図10(3)に示すように、同図(2)に示した折り返しダイポールアンテナ32に並列にインダクタンス部33を接続することにより、図11のアドミタンスチャート上で軌跡(2)を左回転させ、チップ21のアドミタンスの虚数成分(Bc=ωCc)と同じ絶対値の虚数成分(Ba=-1/ωLa)を持たせた軌跡(3)上の位置A33とすることができる。この場合、インダクタンス部33の長さが短いほど、インダクタンスLaの値が小さくなり、虚数成分が大きくなって回転量が大きくなる。
【0010】
これにより、チップ 21の虚数成分Bcとアンテナ22の虚数成分Baが同じ大きさを持つので、互いにキャンセルされ、周波数foで共振することになる。この虚数成分のキャンセルがRFIDタグ設計で最も重要な要素である。但し、チップ21の内部抵抗Rcとアンテナ22放射抵抗Raは一致するのが最も望ましいが、厳密に一致させることは必要ではない。
【0011】
一方、誘電体シート上に導電性パターンにより形成された900MHz帯に共振する折り返しダイポールアンテナに、誘電体シートを挟んだ折り返しダイポールアンテナの反対側に導電性パターンにより形成された2.4GHz帯に共振する半波長の無給電素子を配置し、2つの周波数帯に対しインピーダンス整合を果たす事により、2つの周波数帯で動作する無線タグがある(例えば、特許文献1参照。)。
【非特許文献1】アンテナ工学ハンドブック第112項(オーム社平成11年3月5日発行)
【特許文献1】特開2005-236468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したRFIDシステムの構成例が図11に示されているが、リーダライタ(R/W)11からケーブル12を経由して接続されたR/W側アンテナ13は円偏波特性を有するパッチアンテナ等であり、図示のように、リーダライタ11からの電界方向Aが常に回転しているため、通常直線偏波であるアンテナを備えたタグ15はどの向きを向いていても、リーダライタ11との間で電波伝搬経路14を介して信号を送受信することができる。
【0013】
このようなタグ15に、図10(2)に示したような折り返しダイポールアンテナを用いた場合、この折り返しダイポールアンテナもやはり直線偏波特性を有しているので、この折り返しダイポールアンテナに固有の直線偏波面と直交する面に適度な電界を発生させることができれば、或る時点でリーダライタ11からの電界方向と直交する偏波を受け取ることができ、タグ15の通信距離を伸ばすことができる。
【0014】
一方、従来から、図12に示すようなクロスダイポールが存在するが、これではタグが巨大化してしまうため実用的でない。
【0015】
従って本発明は、リーダライタ側が円偏波特性を有していても、より通信距離を伸ばすことのできる折り返しダイポールアンテナとこれを使用したタグを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、本発明に係る折り返しダイポールアンテナは、給電部を有する第1ダイポール部と、スロット部が形成され、該第1ダイポール部と両端が接続する第2ダイポール部と、を備え、該第1及び第2ダイポール部が、該給電部へチップを搭載したとすると、縦方向の直線偏波を発生させる幅を有していることを特徴とする。
【0017】
すなわち、本発明においては、第1ダイポール部と第2ダイポール部とがスロット部を形成するように接続されており、この状態で第1ダイポール部の給電部へチップを搭載したとすると、第1ダイポール部と第2ダイポール部とがスロット部を介して高周波回路(アンテナ端子の一方−第2ダイポール部−アンテナ端子の他方)を形成するので、第1ダイポール部と第2ダイポール部との間にはスロット部を介して給電部が生じ、以てこれらダイポール部とスロット部がスロットアンテナとして機能し、第1ダイポール部による直線偏波面の方向と直交した縦方向の直線偏波が発生することになる。
【0018】
このように、第1ダイポール部による横方向の直線偏波(ダイポールモード)と、これに直交する縦方向の直線偏波(スロットモード)とが同時に働き、適度なデュアルモード偏波特性(実質的な円偏波特性又は楕円偏波特性)を与えることが可能となり、リーダライタの円偏波と整合する度合が大きくなる。
【0019】
また、上記の給電部と並列に、チップとインピーダンス整合を取るためのインダクタンス部を第1ダイポール部に接続してもよい。
【0020】
このようにインダクタンス部を設けることにより、市販のチップインダクタンスを用いる場合に比べてコストや手間が軽減できることとなる。
【0021】
また、上記の給電部のアンテナ端子にチップの入出力端子を接続することによりタグが実現される。
【0022】
すなわち、上記の場合は、給電部にチップを搭載することを前提にした折り返しダイポールアンテナであり、給電部にチップは未搭載状態であるが、給電部のアンテナ端子にチップの入出力端子を実際に接続することにより、チップが実際に搭載されたタグが実現される。
【0023】
従って、第1ダイポール部においてはダイポールモードの直線偏波が生じ、高周波回路形成によりスロット部においても実質的に給電部を搭載したのと同等になるので、第1ダイポール部−第2ダイポール部間にはスロットモードの縦方向の直線偏波が生じ、リーダライタの円偏波と整合する度合が大きくなる。
【0024】
上記の場合には、チップの入出力端子は第1ダイポール部のアンテナ端子にのみ接続され、第2ダイポール部には接続されていないが、このようなチップには、例えばモニター端子などの別の端子が設けられている場合があり、このような別の端子を第2ダイポール部に直接接続することによっても、その別の端子とアンテナ端子の一方との間にはチップ自体の内部容量が介在するので高周波的に同電位となり、以て第1ダイポール部−第2ダイポール部間は上記と同様に高周波回路(アンテナ端子の一方−別の端子−第2ダイポール部−アンテナ端子の他方)が形成され、スロット部を介してスロットモードの直線偏波が発生することとなる。
【0025】
さらに、上記スロット部にランドパターンを設け、このランドパターンに上記チップの別の端子を接続するようにしてもよい。
【0026】
すなわち、上記チップの別の端子を第2ダイポール部に接続するのではなく、スロット部に設けられているランドパターンに接続することによっても、ランドパターンと第1ダイポール部のアンテナ端子の一方との間は内部容量によって高周波結合されて同電位となり、さらにランドパターンと第2ダイポール部との間も静電容量により高周波結合が生ずるので、アンテナ端子の一方−ランドパターン−第2ダイポール部−アンテナ端子の他方の高周波回路が形成され、第1ダイポール部−第2ダイポール部間には実質的な給電部が発生することとなり、上記と同様に、ダイポールモードの直線偏波に加えて、スロットモードの直線偏波を発成させることが可能となる。
【0027】
上記の第1及び第2ダイポール部は、Cu, Ag, 又はAlを材料とする導体であり、PET、フィルム、又は紙を材料とするシート上に固着されているものとすることができる。
【発明の効果】
【0028】
上記のように、本発明によれば、リーダライタからの或る時点でのダイポールモードの直線偏波に加えて、これと直交するスロットモードの直線偏波も送受信することができるため、リーダライタからの円偏波との整合度を向上させることができ、以て通信距離が増加することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
折り返しダイポールアンテナの実施例:図1
図1は、本発明に係る折り返しダイポールアンテナ1を示しており、この実施例では、第1ダイポール部2_1と第2ダイポール部2_2とを、スロット部3が形成されるように接続部4によって両端同士を接続している。そして、第1ダイポール部2_1の中間点においては、RFID用のチップを搭載することができる給電部5を設けると共に、この給電部5と並列に、インダクタンス部6を第1ダイポール部2_1に接続させている。
【0030】
このような折り返しダイポールアンテナ1において、第1ダイポール部2_1の幅W1は約λ/75=4mm、第2ダイポール部(折り返し部)2_2の幅W2は約λ/30=10mmとし、また、スロット部3の幅W3は約2mmとしている。さらに、その全長L1はλ/2=144mmとし、インダクタンス部6の長さL2は、給電部5に搭載するチップの容量Cc=0.7pFとしたときに、これと共振するように、La=40nHとなるような長さ(横L2=約30mm、縦W3=約4mm)に設定している。
【0031】
なお、このような折り返しダイポールアンテナ1の上記の寸法例については後で詳しく説明する。
【0032】
タグの実施例[1]
図2は、図1に示した折り返しダイポールアンテナ1において、実際にチップを搭載することによって、実現されるタグ10の実施例を示したものである。この実施例図は、図1における給電部5の付近を拡大して示したもので、給電部5の位置に、チップを搭載し(従って、給電部5はチップ5としても示す。)、且つ第1ダイポール部2_1のアンテナ端子T1及びT2にチップの入出力端子(図示せず)を接続している。
【0033】
このように、チップ搭載部である給電部5に実際にチップ5を搭載すると、直接給電される第1ダイポール部2_1においては、図3に示すように直接給電によるダイポールモードDMの直線偏波、すなわち、紙面横方向の直線偏波が生ずることとなる。
【0034】
そして、第1ダイポール部2_1及び第2ダイポール部2_2は、共に通常の折り返しダイポールアンテナより幅が広く設定されているため、スロット部3を介して、図2に点線で示すように高周波(例えば953MHz)において、第1ダイポール部2_1と第2ダイポール部2_2とが、アンテナ端子T2−第2ダイポール部2_2−両ダイポール部間の静電容量−アンテナ端子T1から成る回路を形成し、アンテナ端子T2−第2ダイポール部2_2間に給電部7を発生させることになる。このように、給電部7がスロット部3を跨いで形成されることにより、図3に示すように、スロットモードSM(紙面縦方向)の直線偏波が発生することとなる。
【0035】
このときの、スロット部3の放射抵抗は、シミュレーションにより、約1000〜3000Ωであり、搭載するチップ5の通常のインピーダンス(例えば1200Ω)と整合することになる。
【0036】
このようにして、横方向のダイポールモードDMの直線偏波がメインとして働き、縦方向のスロットモードSMの直線偏波が補助的に働いて、タグ10全体として、適度なデュアルモード偏波特性を与えることとなり、或る時点でのリーダライタからのダイポール直線偏波に加えて、これと直交するスロットモードの直線偏波も信号送受信することが可能となり、通信距離を増加させることができる。
【0037】
ここで、図1のように折り返しダイポールアンテナ1の各寸法を採用した理由について以下に述べる。
【0038】
図4は、第2ダイポール部2_2の幅W2と通信距離比との関係を第1ダイポール部2_1の幅W1をパラメータとして市販の電磁界シミュレータによって得られたグラフを示している。このグラフから分かるように、通信距離比は、第2ダイポール部2_2の幅W2にほぼ比例して大きくなるが、第1ダイポール部2_1の幅W1が2mmの場合よりも4mmの場合の方が、より通信距離比を増大させることが分かる。このグラフでは、第1ダイポール部の幅W1=4mmで第2ダイポール部の幅W2=10mmのときには、通常の直線偏波だけ発生する折り返しダイポールアンテナの場合の約1.4倍の通信距離が得られることを示している。
【0039】
また、図5には、上記のようにチップの容量Cc=0.7pFとして、やはり市販の電磁界シミュレータによって得られたインダクタンス部6の横方向の長さL2と、発生するインダクタンスLa[nH]との関係がグラフで示されており、これと共振するようにインダクタンスLa=40nHとなるためには、上述の如く、インダクタンス部6の横の長さL2=約30mmであることが分かる。このときの放射抵抗Raは1200Ωであった。
【0040】
このようなループ状のインダクタンスを形成しなくとも市販のチップインダクタンスを用いてもよいがコストや手間がかかるため、通常はこのようなループ状のパターンでインダクタンス部を形成する。また、第1ダイポール部の一部をインダクタンスとして用いることにより、アンテナ全体の小型化が図られる。
【0041】
このようにして、図1に示した折り返しダイポールアンテナ1の寸法が決定されている。
【0042】
タグの実施例[2]:図6
上記の実施例[1]の場合には、チップ5を、第1ダイポール部2_1のアンテナ端子T1及びT2にのみ直接接続しているが、本実施例[2]の場合には、図示のようにチップ5を第2ダイポール部2_2にも直接接続している点が異なっている。
【0043】
すなわち、チップ5には、アンテナ端子T1及びT2に接続するための入出力端子が設けられていると共に、第3の端子としてモニター端子T3のような別の端子が設けられていることがあり、このような場合には、このモニター端子T3を直接第2ダイポール部2_2に接続する。
【0044】
これにより、元々チップ5の内部に存在する容量C1を介してアンテナ端子T1とモニター端子T3とが高周波的に同電位となるので、アンテナ端子T1−容量C1−第2ダイポール部2_2−アンテナ端子T2の高周波回路が形成され、上記の実施例[1]と同様に第1ダイポール部2_1の端T2と第2ダイポール部2_2との間にスロット部3を介して給電部7が形成されたことになる。すなわち、この実施例[2]の場合には、内部容量C1を利用して実施例[1]より、高周波回路を形成し易く(給電部を形成し易く)している。
【0045】
これにより、本実施例[2]においても、図3に示したようなダイポールモードDMの直線偏波とスロットモードSMの直線偏波が発生し、以てリーダライタとの信号送受信をより有効に行って通信距離を増加することが可能となる。
【0046】
タグの実施例[3]:図7
本実施例[3]は、上記の実施例[1]と[2]の中間を採ったような構成を備えている。
【0047】
すなわち、図7に示すように、スロット部3にはランドパターン8が設けられており、このランドパターン8とチップ5のモニター端子T3とを接続する。これにより、ランドパターン8のモニター端子T3とアンテナ端子T1の間は内部容量C1で高周波的に同電位にされると共に、ランドパターン8と第2ダイポール部2_2との間にも、高周波的に静電容量が存在するため、アンテナ端子T1−内部容量C1−モニター端子T3−第2ダイポール部2_2−アンテナ端子T2から成る高周波回路が形成され、以て点線で示すような給電部7がアンテナ端子T2−第2ダイポール部2_2間に形成されることとなる。
【0048】
従って、この実施例の場合も、上記の実施例[1]及び[2]と同様に、図3に示すようなダイポールモードDMの直線偏波とスロットモードSMの直接偏波とが生じ、以てリーダライタとの信号送受信をより有効に実現することが可能となる。
【0049】
尚、上記実施例によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る折り返しダイポールアンテナの実施例を示した平面図である。
【図2】本発明に係るタグの実施例[1]をチップ搭載部分付近を拡大して示した平面図である。
【図3】本発明に係るタグの動作説明図である。
【図4】本発明において用いるダイポール部の幅と通信距離比との関係を示したグラフ図である。
【図5】本発明において用いるインダクタンス部の長さとインダクタンスとの関係を示したグラフ図である。
【図6】本発明に係るタグの実施例[2]をチップ搭載部分付近を拡大して示した平面図である。
【図7】本発明に係るタグの実施例[3]をチップ搭載部分付近を拡大して示した平面図である。
【図8】RFIDタグの一般的な等価回路図である。
【図9】RFIDに係る種々のアンテナを用いたアドミタンスチャート(700MHz〜1200MHz:fo=953MHz)図である。
【図10】RFIDタグ用のアンテナ例を示した図である。
【図11】従来から知られている一般的なRFIDシステムを示した図である。
【図12】従来から知られているクロスダイポールを示した図である。
【符号の説明】
【0051】
1 折り返しダイポールアンテナ
2_1,2_2 ダイポール部
3 スロット部
4 接続部
5 ダイポール直接給電部(チップ搭載部)
6 インダクタンス部
7 スロット電磁的結合給電部
8 ランドパターン
T1,T2 アンテナ端子
T3 モニター端子
C1 内部容量
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り返しダイポールアンテナ及びこれを使用したタグに関し、特にRFIDリーダライタと信号送受信するための非接触型の折り返しダイポールアンテナ及びこれを使用したRFIDタグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
UHF帯(860〜960MHz)の無線回線を用いて、リーダライタから約1Wの信号を送信し、タグ側でその信号を受信し、再びリーダライタ側へ応答信号を送り返すことにより、タグ内の情報をリーダライタで読み取ることができるRFIDシステムが既に知られている。その通信周波数は953MHzと規定されており、通信距離は、タグ側に設けられたアンテナのゲインやチップの動作電圧や周囲環境にもよるが、およそ3m前後である。このタグは、厚さ0.1mm程度のアンテナと、アンテナ給電部に接続されるLSIチップ(約1mm角で、厚さ0.2mm程度の大きさ)とで構成される。
【0003】
このLSIチップ21は、図8に示すように、内部抵抗Rc(例えば1200Ω)とキャパシタンスCc(例えば0.7pF)との並列回線で等価的に表わすことができる。このチップ21のアドミタンスYc(=1/Rc+jwCc)は、図9のアドミタンスチャート上では、位置A21で示される。一方、アンテナ22は、放射抵抗Ra(例えば500Ω)と、インダクタンスLa(例えば40nH)の並列回路で等価的に表わすことができる。
【0004】
これらのチップ21とアンテナ22を並列接続することにより、キャパシタンスCcとインダクタンスLaとが共振し、下記の式から分かるように、所望の共振周波数fo(上記の953MHz)でインピーダンス整合し、アンテナ22での受信パワーがチップ21へ最大に供給されることになる。
【0005】
【数1】
RFIDタグに用いる基本的なアンテナとしては、図10(1)に示す全長約145mm(λ/2)のダイポールアンテナ31が考えられるが、この場合のインピーダンスは、図9において軌跡(1)を描き、fo=953MHzでは、Ra=72Ω及び虚数部=0となり、軌跡(1)上の位置A31となる。
【0006】
しかしながら、RFIDタグのアンテナに必要な放射抵抗Raは500〜2000Ω程度と非常に高いため、Raを72Ωから上げる必要がある。
【0007】
そこで、図10(2)に示すような、全長145mm程度の折り返しダイポールアンテナ(folded dipole antenna)32を用いることにより、線幅によっても異なるが、放射抵抗Raを、ダイポールアンテナの場合の72Ωから、およそ300Ω〜500Ω程度まで引き上げられることがよく知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0008】
図9では、折り返しダイポールアンテナ32のインピーダンスは、軌跡(2)を描き、fo=953MHzでは、Ra=500Ω及び虚数部=0となり、軌跡(2)上の位置A32になることが示されている。
【0009】
さらに、図10(3)に示すように、同図(2)に示した折り返しダイポールアンテナ32に並列にインダクタンス部33を接続することにより、図11のアドミタンスチャート上で軌跡(2)を左回転させ、チップ21のアドミタンスの虚数成分(Bc=ωCc)と同じ絶対値の虚数成分(Ba=-1/ωLa)を持たせた軌跡(3)上の位置A33とすることができる。この場合、インダクタンス部33の長さが短いほど、インダクタンスLaの値が小さくなり、虚数成分が大きくなって回転量が大きくなる。
【0010】
これにより、チップ 21の虚数成分Bcとアンテナ22の虚数成分Baが同じ大きさを持つので、互いにキャンセルされ、周波数foで共振することになる。この虚数成分のキャンセルがRFIDタグ設計で最も重要な要素である。但し、チップ21の内部抵抗Rcとアンテナ22放射抵抗Raは一致するのが最も望ましいが、厳密に一致させることは必要ではない。
【0011】
一方、誘電体シート上に導電性パターンにより形成された900MHz帯に共振する折り返しダイポールアンテナに、誘電体シートを挟んだ折り返しダイポールアンテナの反対側に導電性パターンにより形成された2.4GHz帯に共振する半波長の無給電素子を配置し、2つの周波数帯に対しインピーダンス整合を果たす事により、2つの周波数帯で動作する無線タグがある(例えば、特許文献1参照。)。
【非特許文献1】アンテナ工学ハンドブック第112項(オーム社平成11年3月5日発行)
【特許文献1】特開2005-236468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したRFIDシステムの構成例が図11に示されているが、リーダライタ(R/W)11からケーブル12を経由して接続されたR/W側アンテナ13は円偏波特性を有するパッチアンテナ等であり、図示のように、リーダライタ11からの電界方向Aが常に回転しているため、通常直線偏波であるアンテナを備えたタグ15はどの向きを向いていても、リーダライタ11との間で電波伝搬経路14を介して信号を送受信することができる。
【0013】
このようなタグ15に、図10(2)に示したような折り返しダイポールアンテナを用いた場合、この折り返しダイポールアンテナもやはり直線偏波特性を有しているので、この折り返しダイポールアンテナに固有の直線偏波面と直交する面に適度な電界を発生させることができれば、或る時点でリーダライタ11からの電界方向と直交する偏波を受け取ることができ、タグ15の通信距離を伸ばすことができる。
【0014】
一方、従来から、図12に示すようなクロスダイポールが存在するが、これではタグが巨大化してしまうため実用的でない。
【0015】
従って本発明は、リーダライタ側が円偏波特性を有していても、より通信距離を伸ばすことのできる折り返しダイポールアンテナとこれを使用したタグを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、本発明に係る折り返しダイポールアンテナは、給電部を有する第1ダイポール部と、スロット部が形成され、該第1ダイポール部と両端が接続する第2ダイポール部と、を備え、該第1及び第2ダイポール部が、該給電部へチップを搭載したとすると、縦方向の直線偏波を発生させる幅を有していることを特徴とする。
【0017】
すなわち、本発明においては、第1ダイポール部と第2ダイポール部とがスロット部を形成するように接続されており、この状態で第1ダイポール部の給電部へチップを搭載したとすると、第1ダイポール部と第2ダイポール部とがスロット部を介して高周波回路(アンテナ端子の一方−第2ダイポール部−アンテナ端子の他方)を形成するので、第1ダイポール部と第2ダイポール部との間にはスロット部を介して給電部が生じ、以てこれらダイポール部とスロット部がスロットアンテナとして機能し、第1ダイポール部による直線偏波面の方向と直交した縦方向の直線偏波が発生することになる。
【0018】
このように、第1ダイポール部による横方向の直線偏波(ダイポールモード)と、これに直交する縦方向の直線偏波(スロットモード)とが同時に働き、適度なデュアルモード偏波特性(実質的な円偏波特性又は楕円偏波特性)を与えることが可能となり、リーダライタの円偏波と整合する度合が大きくなる。
【0019】
また、上記の給電部と並列に、チップとインピーダンス整合を取るためのインダクタンス部を第1ダイポール部に接続してもよい。
【0020】
このようにインダクタンス部を設けることにより、市販のチップインダクタンスを用いる場合に比べてコストや手間が軽減できることとなる。
【0021】
また、上記の給電部のアンテナ端子にチップの入出力端子を接続することによりタグが実現される。
【0022】
すなわち、上記の場合は、給電部にチップを搭載することを前提にした折り返しダイポールアンテナであり、給電部にチップは未搭載状態であるが、給電部のアンテナ端子にチップの入出力端子を実際に接続することにより、チップが実際に搭載されたタグが実現される。
【0023】
従って、第1ダイポール部においてはダイポールモードの直線偏波が生じ、高周波回路形成によりスロット部においても実質的に給電部を搭載したのと同等になるので、第1ダイポール部−第2ダイポール部間にはスロットモードの縦方向の直線偏波が生じ、リーダライタの円偏波と整合する度合が大きくなる。
【0024】
上記の場合には、チップの入出力端子は第1ダイポール部のアンテナ端子にのみ接続され、第2ダイポール部には接続されていないが、このようなチップには、例えばモニター端子などの別の端子が設けられている場合があり、このような別の端子を第2ダイポール部に直接接続することによっても、その別の端子とアンテナ端子の一方との間にはチップ自体の内部容量が介在するので高周波的に同電位となり、以て第1ダイポール部−第2ダイポール部間は上記と同様に高周波回路(アンテナ端子の一方−別の端子−第2ダイポール部−アンテナ端子の他方)が形成され、スロット部を介してスロットモードの直線偏波が発生することとなる。
【0025】
さらに、上記スロット部にランドパターンを設け、このランドパターンに上記チップの別の端子を接続するようにしてもよい。
【0026】
すなわち、上記チップの別の端子を第2ダイポール部に接続するのではなく、スロット部に設けられているランドパターンに接続することによっても、ランドパターンと第1ダイポール部のアンテナ端子の一方との間は内部容量によって高周波結合されて同電位となり、さらにランドパターンと第2ダイポール部との間も静電容量により高周波結合が生ずるので、アンテナ端子の一方−ランドパターン−第2ダイポール部−アンテナ端子の他方の高周波回路が形成され、第1ダイポール部−第2ダイポール部間には実質的な給電部が発生することとなり、上記と同様に、ダイポールモードの直線偏波に加えて、スロットモードの直線偏波を発成させることが可能となる。
【0027】
上記の第1及び第2ダイポール部は、Cu, Ag, 又はAlを材料とする導体であり、PET、フィルム、又は紙を材料とするシート上に固着されているものとすることができる。
【発明の効果】
【0028】
上記のように、本発明によれば、リーダライタからの或る時点でのダイポールモードの直線偏波に加えて、これと直交するスロットモードの直線偏波も送受信することができるため、リーダライタからの円偏波との整合度を向上させることができ、以て通信距離が増加することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
折り返しダイポールアンテナの実施例:図1
図1は、本発明に係る折り返しダイポールアンテナ1を示しており、この実施例では、第1ダイポール部2_1と第2ダイポール部2_2とを、スロット部3が形成されるように接続部4によって両端同士を接続している。そして、第1ダイポール部2_1の中間点においては、RFID用のチップを搭載することができる給電部5を設けると共に、この給電部5と並列に、インダクタンス部6を第1ダイポール部2_1に接続させている。
【0030】
このような折り返しダイポールアンテナ1において、第1ダイポール部2_1の幅W1は約λ/75=4mm、第2ダイポール部(折り返し部)2_2の幅W2は約λ/30=10mmとし、また、スロット部3の幅W3は約2mmとしている。さらに、その全長L1はλ/2=144mmとし、インダクタンス部6の長さL2は、給電部5に搭載するチップの容量Cc=0.7pFとしたときに、これと共振するように、La=40nHとなるような長さ(横L2=約30mm、縦W3=約4mm)に設定している。
【0031】
なお、このような折り返しダイポールアンテナ1の上記の寸法例については後で詳しく説明する。
【0032】
タグの実施例[1]
図2は、図1に示した折り返しダイポールアンテナ1において、実際にチップを搭載することによって、実現されるタグ10の実施例を示したものである。この実施例図は、図1における給電部5の付近を拡大して示したもので、給電部5の位置に、チップを搭載し(従って、給電部5はチップ5としても示す。)、且つ第1ダイポール部2_1のアンテナ端子T1及びT2にチップの入出力端子(図示せず)を接続している。
【0033】
このように、チップ搭載部である給電部5に実際にチップ5を搭載すると、直接給電される第1ダイポール部2_1においては、図3に示すように直接給電によるダイポールモードDMの直線偏波、すなわち、紙面横方向の直線偏波が生ずることとなる。
【0034】
そして、第1ダイポール部2_1及び第2ダイポール部2_2は、共に通常の折り返しダイポールアンテナより幅が広く設定されているため、スロット部3を介して、図2に点線で示すように高周波(例えば953MHz)において、第1ダイポール部2_1と第2ダイポール部2_2とが、アンテナ端子T2−第2ダイポール部2_2−両ダイポール部間の静電容量−アンテナ端子T1から成る回路を形成し、アンテナ端子T2−第2ダイポール部2_2間に給電部7を発生させることになる。このように、給電部7がスロット部3を跨いで形成されることにより、図3に示すように、スロットモードSM(紙面縦方向)の直線偏波が発生することとなる。
【0035】
このときの、スロット部3の放射抵抗は、シミュレーションにより、約1000〜3000Ωであり、搭載するチップ5の通常のインピーダンス(例えば1200Ω)と整合することになる。
【0036】
このようにして、横方向のダイポールモードDMの直線偏波がメインとして働き、縦方向のスロットモードSMの直線偏波が補助的に働いて、タグ10全体として、適度なデュアルモード偏波特性を与えることとなり、或る時点でのリーダライタからのダイポール直線偏波に加えて、これと直交するスロットモードの直線偏波も信号送受信することが可能となり、通信距離を増加させることができる。
【0037】
ここで、図1のように折り返しダイポールアンテナ1の各寸法を採用した理由について以下に述べる。
【0038】
図4は、第2ダイポール部2_2の幅W2と通信距離比との関係を第1ダイポール部2_1の幅W1をパラメータとして市販の電磁界シミュレータによって得られたグラフを示している。このグラフから分かるように、通信距離比は、第2ダイポール部2_2の幅W2にほぼ比例して大きくなるが、第1ダイポール部2_1の幅W1が2mmの場合よりも4mmの場合の方が、より通信距離比を増大させることが分かる。このグラフでは、第1ダイポール部の幅W1=4mmで第2ダイポール部の幅W2=10mmのときには、通常の直線偏波だけ発生する折り返しダイポールアンテナの場合の約1.4倍の通信距離が得られることを示している。
【0039】
また、図5には、上記のようにチップの容量Cc=0.7pFとして、やはり市販の電磁界シミュレータによって得られたインダクタンス部6の横方向の長さL2と、発生するインダクタンスLa[nH]との関係がグラフで示されており、これと共振するようにインダクタンスLa=40nHとなるためには、上述の如く、インダクタンス部6の横の長さL2=約30mmであることが分かる。このときの放射抵抗Raは1200Ωであった。
【0040】
このようなループ状のインダクタンスを形成しなくとも市販のチップインダクタンスを用いてもよいがコストや手間がかかるため、通常はこのようなループ状のパターンでインダクタンス部を形成する。また、第1ダイポール部の一部をインダクタンスとして用いることにより、アンテナ全体の小型化が図られる。
【0041】
このようにして、図1に示した折り返しダイポールアンテナ1の寸法が決定されている。
【0042】
タグの実施例[2]:図6
上記の実施例[1]の場合には、チップ5を、第1ダイポール部2_1のアンテナ端子T1及びT2にのみ直接接続しているが、本実施例[2]の場合には、図示のようにチップ5を第2ダイポール部2_2にも直接接続している点が異なっている。
【0043】
すなわち、チップ5には、アンテナ端子T1及びT2に接続するための入出力端子が設けられていると共に、第3の端子としてモニター端子T3のような別の端子が設けられていることがあり、このような場合には、このモニター端子T3を直接第2ダイポール部2_2に接続する。
【0044】
これにより、元々チップ5の内部に存在する容量C1を介してアンテナ端子T1とモニター端子T3とが高周波的に同電位となるので、アンテナ端子T1−容量C1−第2ダイポール部2_2−アンテナ端子T2の高周波回路が形成され、上記の実施例[1]と同様に第1ダイポール部2_1の端T2と第2ダイポール部2_2との間にスロット部3を介して給電部7が形成されたことになる。すなわち、この実施例[2]の場合には、内部容量C1を利用して実施例[1]より、高周波回路を形成し易く(給電部を形成し易く)している。
【0045】
これにより、本実施例[2]においても、図3に示したようなダイポールモードDMの直線偏波とスロットモードSMの直線偏波が発生し、以てリーダライタとの信号送受信をより有効に行って通信距離を増加することが可能となる。
【0046】
タグの実施例[3]:図7
本実施例[3]は、上記の実施例[1]と[2]の中間を採ったような構成を備えている。
【0047】
すなわち、図7に示すように、スロット部3にはランドパターン8が設けられており、このランドパターン8とチップ5のモニター端子T3とを接続する。これにより、ランドパターン8のモニター端子T3とアンテナ端子T1の間は内部容量C1で高周波的に同電位にされると共に、ランドパターン8と第2ダイポール部2_2との間にも、高周波的に静電容量が存在するため、アンテナ端子T1−内部容量C1−モニター端子T3−第2ダイポール部2_2−アンテナ端子T2から成る高周波回路が形成され、以て点線で示すような給電部7がアンテナ端子T2−第2ダイポール部2_2間に形成されることとなる。
【0048】
従って、この実施例の場合も、上記の実施例[1]及び[2]と同様に、図3に示すようなダイポールモードDMの直線偏波とスロットモードSMの直接偏波とが生じ、以てリーダライタとの信号送受信をより有効に実現することが可能となる。
【0049】
尚、上記実施例によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る折り返しダイポールアンテナの実施例を示した平面図である。
【図2】本発明に係るタグの実施例[1]をチップ搭載部分付近を拡大して示した平面図である。
【図3】本発明に係るタグの動作説明図である。
【図4】本発明において用いるダイポール部の幅と通信距離比との関係を示したグラフ図である。
【図5】本発明において用いるインダクタンス部の長さとインダクタンスとの関係を示したグラフ図である。
【図6】本発明に係るタグの実施例[2]をチップ搭載部分付近を拡大して示した平面図である。
【図7】本発明に係るタグの実施例[3]をチップ搭載部分付近を拡大して示した平面図である。
【図8】RFIDタグの一般的な等価回路図である。
【図9】RFIDに係る種々のアンテナを用いたアドミタンスチャート(700MHz〜1200MHz:fo=953MHz)図である。
【図10】RFIDタグ用のアンテナ例を示した図である。
【図11】従来から知られている一般的なRFIDシステムを示した図である。
【図12】従来から知られているクロスダイポールを示した図である。
【符号の説明】
【0051】
1 折り返しダイポールアンテナ
2_1,2_2 ダイポール部
3 スロット部
4 接続部
5 ダイポール直接給電部(チップ搭載部)
6 インダクタンス部
7 スロット電磁的結合給電部
8 ランドパターン
T1,T2 アンテナ端子
T3 モニター端子
C1 内部容量
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電部を有する第1ダイポール部と、
スロット部が形成され、該第1ダイポール部の両端が接続する第2ダイポール部と、
を備え、該第1及び第2ダイポール部が、該給電部にチップを搭載したとすると、縦方向の直線偏波を発生させる幅を有していることを特徴とした折り返しダイポールアンテナ。
【請求項2】
請求項1において、
該給電部と並列に、チップとインピーダンス整合をとるためのインダクタンス部を該第1ダイポール部に接続したことを特徴とした折り返しダイポールアンテナ。
【請求項3】
請求項1において、
該第1及び第2ダイポール部が、Cu, Ag, 又はAlを材料とする導体であり、PET、フィルム、又は紙を材料とするシート上に固着されていることを特徴とする折り返しダイポールアンテナ。
【請求項4】
請求項1に記載の折り返しダイポールアンテナにおいて、
該給電部のアンテナ端子にチップの入出力端子を接続したことを特徴とするタグ。
【請求項5】
請求項4において、
該チップの別の端子を該第2ダイポール部に接続したことを特徴とするタグ。
【請求項6】
請求項4において、
該スロット部にランドパターンを設け、該ランドパターンに該チップの別の端子を接続したことを特徴とするタグ。
【請求項7】
請求項4において、
該第1及び第2ダイポール部が、Cu, Ag, 又はAlを材料とする導体であり、PET、フィルム、又は紙を材料とするシート上に固着されていることを特徴とするタグ。
【請求項1】
給電部を有する第1ダイポール部と、
スロット部が形成され、該第1ダイポール部の両端が接続する第2ダイポール部と、
を備え、該第1及び第2ダイポール部が、該給電部にチップを搭載したとすると、縦方向の直線偏波を発生させる幅を有していることを特徴とした折り返しダイポールアンテナ。
【請求項2】
請求項1において、
該給電部と並列に、チップとインピーダンス整合をとるためのインダクタンス部を該第1ダイポール部に接続したことを特徴とした折り返しダイポールアンテナ。
【請求項3】
請求項1において、
該第1及び第2ダイポール部が、Cu, Ag, 又はAlを材料とする導体であり、PET、フィルム、又は紙を材料とするシート上に固着されていることを特徴とする折り返しダイポールアンテナ。
【請求項4】
請求項1に記載の折り返しダイポールアンテナにおいて、
該給電部のアンテナ端子にチップの入出力端子を接続したことを特徴とするタグ。
【請求項5】
請求項4において、
該チップの別の端子を該第2ダイポール部に接続したことを特徴とするタグ。
【請求項6】
請求項4において、
該スロット部にランドパターンを設け、該ランドパターンに該チップの別の端子を接続したことを特徴とするタグ。
【請求項7】
請求項4において、
該第1及び第2ダイポール部が、Cu, Ag, 又はAlを材料とする導体であり、PET、フィルム、又は紙を材料とするシート上に固着されていることを特徴とするタグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−208536(P2007−208536A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−23646(P2006−23646)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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