説明

振出竿の合わせ部構造

【課題】 合わせ部に簡単な工夫を加えることによって、合わせ部の耐磨耗性を高めて、圧接状態を長記に亘って維持できる振出竿を提供する。
【解決手段】 小径竿体1の最外層の外周面を大径竿体2の最内層の内周面に圧接させることによって、小径竿体1を大径竿体2に対して伸長状態に保持する。小径竿体1の最外層に、小径竿体1を形成しているプリプレグに比べて硬質の粒体3を散在させるとともに、粒体3の表面が最外層の外周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、粒体3を埋入させてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小径竿体の竿元側端部の最外層の外周面を大径竿体の竿先側端部の最内層の内周面に圧接させることによって、小径竿体を大径竿体に対して伸長状態に保持する振出竿の合わせ部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに圧接されることとなる、小径竿体の竿元側端部の最外層の外周面、又は、大径竿体の竿先側端部の最内層の内周面に、樹脂塗料を塗布することによって、肉盛部を形成し、その肉盛部に研磨処理を施して、合わせ部を構成していた(特許文献1参照)。又は、補強プリプレグを巻回して構成した状態で、研磨処理を施して、合わせ部を構成していた。
【0003】
【特許文献1】実登2506474号(公報第6欄第41行〜第7欄第4行、及び、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小径竿体を大径竿体から引き出した状態と小径竿体を大径竿体内に収納する状態とを繰り替えすことによって、合わせ部に大きな摩擦力が作用する。上記合わせ部が樹脂塗料又はプリプレグで構成されているので、摩擦力に対しては対抗できず、小径竿体の最内層の内周面や大径竿体の最外層の外周面に摩滅が生じ、小径竿体の最内層の内周面と大径竿体の最外層の外周面との圧接状態に緩みが生じてくる虞があった。
【0005】
本発明の目的は、合わせ部に簡単な工夫を加えることによって、合わせ部の耐磨耗性を高めて、圧接状態を長期に亘って維持できる振出竿を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、前記小径竿体の最外層と前記大径竿体の最内層とのうちの少なくともいずれか一方に、前記小径竿体または前記大径竿体を形成しているプリプレグに比べて硬質の硬質体を散在させるとともに、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、前記硬質体の表面が前記最内層の内周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、前記硬質体を埋入させてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用〕
小径竿体の最外層の外周面又は大径竿体の最内層の内周面に、前記した硬質の硬質体を散在させてあるので、合わせ部は小径竿体又は大径竿体を構成するプリプレグと硬質体とが混在した構成となっている。これによって、小径竿体の最外層の外周面又は大径竿体の最内層の内周面に作用する圧接力は、その一部を硬質体が受け止めることとなり、プリプレグだけに大きな圧接力が作用することはない。
しかも、硬質体はプリプレグより硬質であるので、耐磨耗性が高く、プリプレグが磨耗することによる磨耗の伝播を抑制する。
それに加えて、硬質体自体は、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面又は前記最内層の内周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、埋入されているので、相手側のプリプレグと直接接触することは少なく、硬質体が相手側のプリプレグに接触して接触したプリプレグを傷めるということも少ない。
【0008】
〔効果〕
したがって、合わせ部として摩滅に強いものを提供することができ、その為の手段が硬質体を埋入させるだけの簡単なものでよく、変更に掛かる負担も軽減できるに至った。
【0009】
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記小径竿体又は前記大径竿体のうちすくなくともいずれか一方の竿体において、前記竿体の竿元側端部の最外層、及び、前記竿体の前記竿先側端部の最内層夫々に、前記硬質体を埋入させ、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面に対して面一状態か又は凹入する状態で、前記硬質体の表面が前記最内層の内周面に対して面一状態か又は凹入する状態で、前記硬質体を散在させてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用効果〕
ここでは、単一の竿体における竿先側端部の最内層の内周面と、竿元側端部の最外層の外周面とのいずれにも硬質体を散在させた合わせ部を構成できる。
これによって、硬質体を竿元側端部の最外層の外周面に施した小径竿体と、硬質体を竿先側端部の最内層の内周面に施した大径竿体と、硬質体を竿体の竿元側端部の最外層の外周面と竿先側端部の最内層の内周面との両面に施した形態のものを提示した。
このような3つの形態のものを揃えることによって、これらを自由に組み合わせることができ、合わせ部での嵌合力や振出竿としての調子を選択設定することが容易になる。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴構成は、小径竿体を製造する振出竿用竿体の製造方法であって、
強化繊維群に合成樹脂を含浸させることによって形成したプリプレグシートから、竿の軸線方向に沿った長さの長い長寸のメインパターンと竿の軸線方向に沿った長さの短い短寸の補強パターンとを形成し、前記メインパターンをマンドレルに巻回するとともに、その巻回したメインパターンの外周面に補強パターンを巻回し、そのメインパターンと補強パターンの上から、プリプレグテープを螺旋状に巻回した状態で、その竿尻端部に、前記硬質体を介在させた状態で、その上から前記補強パターンとは異なる補強パターンを巻回して竿素材を構成し、前記竿素材の外周面に保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後の前記竿素材の外周面に、前記硬質体の表面を前記外周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、研磨処理を施して前記小径竿体を構成する点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0012】
〔作用効果〕
硬質体を竿元側端部の外周面に埋入するのに、巻回したプリプレグテープの竿尻端部の所定位置に硬質体を介在させた状態でその硬質体の上から、前記補強パターンとは異なる補強パターンを巻回することによって、硬質体を埋入できる。
補強パターンを巻回した後に、保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後合わせ部相当位置に、研磨処理を施す。
この研磨処理によって、竿素材の竿元側端部の外周面を相手側の合わせ部に対応した合わせ寸法に形成できる。この合わせ部の寸法調整に掛かる研磨処理の段階で前記硬質体に対しても表面研磨が行われる。これによって、前記硬質体の表面を前記外周面に対して、面一状態か僅かに凹入する状態となるように形成することができる。
したがって、外周面の径寸法を合わせ寸法に設定する研磨処理を行うことによって、硬質体の表面処理も同時に行うことができる。
いずれの場合にも、小径竿体を形成していく製法を変更せずに製作過程の流れの中で、前記硬質体の表面を前記外周面に対して、面一状態か僅かに凹入する状態となるように形成することができるので、別途に製作する必要がなく、製作負担が少ない。
【0013】
請求項4に係る発明の特徴構成は、大径竿体を製造する振出竿用竿体の製造方法であって、
強化繊維群に合成樹脂を含浸させることによって形成したプリプレグシートから、竿の軸線方向に沿った長さの長い長寸のメインパターンを形成し、前記メインパターンをマンドレルに巻回する際に、前記マンドレルと前記メインパターンの竿先側端部の間に前記硬質体を配置した状態で前記メインパターンを巻回して竿素材を構成し、前記竿素材の外周面に保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後の前記竿素材の竿先側端部の内周面に、前記硬質体の表面を前記内周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、研磨処理を施して前記大径竿体を構成する点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0014】
〔作用効果〕
硬質体を竿先側端部の内周面に埋入するのに、最内側のメインパターンの所定位置に硬質体を装着することによって、硬質体をマンドレルとメインパターンとの間に位置するようにメインパターンを巻回することによって、硬質体を埋入できる。このような方法を採ることによって、前記硬質体の表面を前記内周面と、面一状態に設定できる。
ただし、硬質体が突出する状態があれば、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、内周面の径寸法を合わせ寸法に設定する際に使用される研磨処理を行う段階で同時に行うことができる。
つまり、補強パターンを巻回した後に、保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後合わせ部相当位置に、研磨処理を施す。
この研磨処理によって、竿素材の竿先側端部の内周面を相手側の合わせ部に対応した合わせ寸法に形成できる。この合わせ部の寸法調整に掛かる研磨処理の段階で前記硬質体に対しても表面研磨が行われる。これによって、前記硬質体の表面を前記内周面に対して、面一状態か僅かに突出する状態となるように形成することができる。
したがって、相手側の合わせ部との合わせ寸法に設定する研磨処理を行うことによって、硬質体の表面処理も同時に行うことができる。
いずれの場合にも、小径竿体を形成していく製法を変更せずに製作過程の流れの中で、前記硬質体の表面を前記外周面に対して、面一状態か僅かに突出する状態となるように形成することができるので、別途に製作する必要がなく、製作負担が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔第1実施形態〕
振出竿Aについて説明する。図1に示すように、小径竿体1の竿元側端部1Bの最外層の外周面を大径竿体2の竿先側端部2Aの最内層の内周面に圧接させることによって、小径竿体1を大径竿体2に対して伸長状態に保持する振出竿Aの合わせ部構造を構成してある。
【0016】
図1に示すように、小径竿体1の竿元側端部1Bの最外層と大径竿体2の竿先側端部2Aの最内層に、後記するプリプレグに比べて硬質の硬質体としての粒体3を埋入させるとともに、粒体3の表面が前記最外層の外周面又は前記最内層の内周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、粒体3を散在させてある。
【0017】
上記した小径竿体1の製造工程について説明する。図2(イ)に示すように、まず、メインパターン4と補強パターン5とを用意する。まず、メインパターン4は3枚用意されており、一枚目は、炭素繊維等の強化繊維cを竿の周方向に沿って引き揃え、その引き揃えられた強化繊維群にエポキシ等の合成樹脂をマトリックス樹脂として含浸させて、プリプレグシートを構成する。このプリプレグシートを前記した台形形状に裁断して、第1メインパターン4Aとする。
【0018】
第1メインパターン4Aに重ね巻きされる第2メインパターン4Bは、強化繊維cの引き揃え方向が竿の軸線に沿った方向である点が、第1メインパターン4Aと異なっているだけである。第3メインパターン4Cの強化繊維cの引き揃え方向は第1メインパターン4Aと同一である。
【0019】
補強パターン5について説明する。図2(イ)に示すように、炭素繊維等の強化繊維cを竿の周方向に沿って引き揃え、その引き揃えられた強化繊維群にエポキシ等の合成樹脂をマトリックス樹脂として含浸させて、プリプレグシートを構成する。このプリプレグシートを前記したメインパターン4に比べて軸線方向に沿った長さが短くかつ竿の周方向に沿って強化繊維cを引き揃えて台形形状に裁断して、補強パターン5を構成する。
【0020】
第1メインパターン4A〜第3メインパターン4Cまでを重ね、一番上に位置する第1メインパターン4Aの上にマンドレル6を載置して、3つのメインパターン4A、4B、4Cを重ね巻きする。
3つのメインパターン4A、4B、4Cを重ね巻きして形成した竿素材の竿先側端部の外周面に、第1補強パターン5Aを、前記竿素材の竿元側端部の外周面に第2補強パターン5Bを巻回して、夫々、最外層を形成してある。
【0021】
上記した補強パターン5A、5Bを施した竿素材に対して、図2(ロ)に示すように、プリプレグをテープ状にしたプリプレグテープ7を螺旋上に巻回する。
このプリプレグテープ7を巻回した竿素材に対して、図3に示すように、竿尻端部に第3補強パターン5Cを施す。第3補強パターン5Cは、第2補強パターン5Bと同一のものである。
【0022】
第3補強パターン5Cを竿素材の竿元側端部の外周面に巻回する前に、竿素材と第3補強パターン5Cとの間に粒体3を介在させる。竿素材と第3補強パターン5Cとの間に粒体3を介在させる方法としては、竿素材の竿元側端部の外周面に予め粒体3を接着させた状態で第3補強パターン5Cを巻回する方法があるが、図3(ハ)に示すように、第3補強パターン5Cに予め粒体3を接着し、その第3補強パターン5Cを粒体3が竿素材の外周面に当接するように巻回する方法を採ってもよい。
【0023】
ここで、粒体3について説明する。粒体3は、インコネル等の超硬合金、炭化珪素等のセラミック、工業用ダイヤモンド、サーメット等のプリプレグに比べて硬度の高い材質のものを粒状に成形したものが採用される。
【0024】
第3補強パターン5Cを施した竿素材に対してその上から、さらに、図3(二)に示すように、ポリエチレン製の成形テープ8を巻回する。
成形テープ8を巻回したものをマンドレル6に装着した状態で、図示しない、焼成炉で焼成し、図3(ホ)に示すように、焼成後成形テープ8を剥離する。
【0025】
成形テープ8を剥離した後には、小径竿体1としての所定長さとなるように竿先端と竿元端とを切断し、切断後、全長に亘って研磨機によって、竿元側程徐々に拡大する径のものに形成する。この拡大径は1000分の3mmくらいの比率に設定されている。
その後、図3(ヘ)に示すように、小径竿体1の竿元側端部1Bの最外層の外周面に対して、大径竿体2の竿先側端部2Bの最内層の内周面に圧接するように、センタレスマシン9により合わせ加工を行う。このセンタレスマシン9によって加工を行う過程で、図3(ト)に示すように、前記した粒体3の一部が竿元側端部1Bの外周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、研磨処理を施すことにする。
【0026】
このように、粒体3を施すことによって、合わせ部としての強化が図れる。また、上記したように、研磨処理工程で粒体3を表出させることとしているが、前記したプリプレグテープ7を施すことを省略してもよい。その場合には、第2補強パターン5Bを巻回する際に、前記した粒体3を施せばよく、第3補強パターン5Cは必要としない。
【0027】
〔第2実施形態〕
一方、大径竿体2の竿先側端部2Aの最内層の内周面に粒体3を施す場合は、次ぎのように行う。図4に示すように、第1メインパターン4Aをマンドレル6に巻回する際に、第1メインパターン4Aの竿先側端部の内面に粒体3を接着固定して、マンドレル6に第1メインパターン4Aを巻回して、粒体3を第1メインパターン4Aの竿先側端部2Aに埋入させるように構成する。
【0028】
第1メインパターン4Aを巻回した外周面には、第1実施形態と同様に、第2、第3メインパターン4B、4Cを巻回し、更に外周面に、第1、第2補強パターン5A、5Bを配置する。以後の処理は、第1実施形態と同様であり、研磨加工の段階で、竿素材の竿先側端部の最内層の内周面を研磨加工し、前記粒体3の一部が竿先側端部2Aの内周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、大径竿体2の竿先側端部の最内層の内周面を合わせ部に構成する。
【0029】
〔第3実施形態〕
ここでは、図5に示すように、単一の竿体10に、竿体10の竿元側端部10Bの最外層と竿体10の竿先側端部10Aの最内層との両方に、粒体3を埋入散在させ、粒体3の一部が竿元側端部10Bの外周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、また、粒体3の一部が竿先側端部10Aの内周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、研磨処理を施すことにする。
【0030】
第1実施形態で、粒体3を小径竿体1の竿元側端部1Bの最外層の外周面に施した形態を示し、第2実施形態では、粒体3を大径竿体2の竿先側端部2Aの最内層の内周面に施した形態を示し、この第3実施形態では、粒体3を竿体10の竿元側端部10Bの最外層の外周面に施すだけでなく、竿体10の竿先側端部10Aの最内層の内周面に施した形態のものも示した。
このような3つの形態のものを揃えることによって、これらを自由に組み合わせることが可能になり、合わせ部での嵌合力や振出竿としての調子を選択できるようになる。
【0031】
〔第4実施形態〕
ここでは、大径竿体2の竿先側端部2Aの内側層の内周面に粒体3を施すについて、内側補強パターン5Dを導入する形態について説明する。図6に示すように、内側補強パターン5Dを、メインパターン4より軸線方向に沿った長さが短く、かつ、強化繊維cを竿の周方向に沿って引き揃えて構成する。この内側補強パターン5Dをマンドレル6に巻回する際に、この内側補強パターン5Dに粒体3を装着した後に巻回する。
【0032】
内側補強パターン5Dを巻回した後には、前記したと同様に、第1、第2、第3メインパターン4A、4B、4Cを巻回し、第3メインパターン4Cの外周面に第1補強パターン5A、第2補強パターン5Bを巻回して、大径竿体2を構成する。
【0033】
〔別実施形態〕
(1) メインパターン4として3枚のものを使用したが、枚数に制限はなく、1枚でもよい。この1枚のものを複数プライに巻回する方法を採ってもよい。
(2) 補強パターン5を使用したが、竿体の強度や調子を設定する関係において、使用の可否を検討してもよい。
(3) メインパターン4、及び、補強パターン5に使用されるプリプレグの強化繊維cとしては、炭素繊維以外にガラス繊維、ボロン繊維等が使用可能であり、マトリックス樹脂としては、エポキシ以外にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、又は、PET等の熱可塑性樹脂が使用できる。
(4) 補強パターン5としては、強化繊維cを竿の周方向に沿って引き揃えた形態について説明したが、竿の軸線方向に沿って引き揃えるものでもよく、或いは、強化繊維cを交差させて編み込んだクロス状プリプレグを使用してもよい。
(5) 小径竿体1の竿元側端部の外周面に粒体3を埋入する点について説明したが、必ずしも、竿元側端部である必要はなく、竿の中間部であってもよい。
(6) 硬質体としては、必ずしも、粒体の形状を採る必要はなく、板状、多角形状等の形状を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】小径竿体を大径竿体から引き出し状態を示し、小径竿体の竿元側端部の外周面と大径竿体の竿先側端部の内周面に粒体を埋入させた状態を示す縦断側面図
【図2】(イ)小径竿体を製作する状態を示し、メインパターンと補強パターンとをマンドレルに巻回する前の状態を示す斜視図、(ロ)はプリプレグテープを巻回する状態を示す斜視図、
【図3】(ハ)第3補強パターンを巻回する前の状態を示す斜視図、(二)成形用テープを巻回する状態を示す斜視図、(ホ)成形用テープを剥離する状態を示す側面図、(ヘ)センタレスマシンで合わせ加工する状態を示す斜視図、(ト)研磨加工後の小径竿体の竿元側端部の拡大縦断側面図
【図4】大径竿体の竿先側端部の内周面に粒体を施す状態を示し、メインパターン等をマンドレルに巻回する前の状態を示す斜視図
【図5】単一の竿体における竿先側端部の内周面と竿元側端部の外周面とに粒体を施すに状態を示す縦断側面図
【図6】大径竿体の竿先側端部の内周面に粒体を施す状態を示し、補強パターンに粒体を装着してマンドレルに巻回する前の状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0035】
1 小径竿体
1B 竿元側端部
2 大径竿体
2A 竿先側端部
3 硬質体(粒体)
4 メインパターン
5 補強パターン
6 マンドレル
8 成形テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小径竿体の最外層の外周面を大径竿体の最内層の内周面に圧接させることによって、小径竿体を大径竿体に対して伸長状態に保持する振出竿の合わせ部構造であって、
前記小径竿体の最外層と前記大径竿体の最内層とのうちの少なくともいずれか一方に、前記小径竿体または前記大径竿体を形成しているプリプレグに比べて硬質の硬質体を散在させるとともに、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、前記硬質体の表面が前記最内層の内周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、前記硬質体を埋入させてある振出竿の合わせ部構造。
【請求項2】
前記小径竿体又は前記大径竿体のうち少なくともいずれか一方の竿体において、前記竿体の竿元側端部の最外層、及び、前記竿体の前記竿先側端部の最内層夫々に、前記硬質体を埋入させ、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面に対して面一状態か又は凹入する状態で、前記硬質体の表面が前記最内層の内周面に対して面一状態か又は凹入する状態で、前記硬質体を散在させてある請求項1記載の振出竿用竿体の合わせ部構造。
【請求項3】
小径竿体を製造する振出竿用竿体の製造方法であって、
強化繊維群に合成樹脂を含浸させることによって形成したプリプレグシートから、竿の軸線方向に沿った長さが長い長寸のメインパターンと竿の軸線方向に沿った長さが短い短寸の補強パターンとを形成し、前記メインパターンをマンドレルに巻回するとともに、その巻回したメインパターンの外周面に補強パターンを巻回し、そのメインパターンと補強パターンの上から、プリプレグテープを螺旋状に巻回した状態で、その竿尻端部に、前記硬質体を介在させた状態で、その上から前記補強パターンとは異なる補強パターンを巻回して竿素材を構成し、前記竿素材の外周面に保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後の前記竿素材の外周面に、前記硬質体の表面を前記外周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、研磨処理を施して前記小径竿体を構成する請求項1記載の振出竿用竿体の製造方法。
【請求項4】
大径竿体を製造する振出竿用竿体の製造方法であって、
強化繊維群に合成樹脂を含浸させることによって形成したプリプレグシートから、竿の軸線方向に沿った長さが長い長寸のメインパターンを形成し、前記メインパターンをマンドレルに巻回する際に、前記マンドレルと前記メインパターンの竿先側端部の間に前記硬質体を配置した状態で前記メインパターンを巻回して竿素材を構成し、前記竿素材の外周面に保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後の前記竿素材の竿先側端部の内周面に、前記硬質体の表面を前記内周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、研磨処理を施して前記大径竿体を構成する請求項1記載の振出竿用竿体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−319020(P2007−319020A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150085(P2006−150085)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】