説明

接触圧測定装置

【課題】患者と寝具との間の接触圧を位置関係をふまえて高精度に測定できる接触圧測定装置を提供すること。
【解決手段】内部にエアが封入され押圧されると連結されたチューブ23を介して外部にエア圧力を加えるセンサ素子22を複数備えた接触圧センサ20と、液晶ディスプレイ31を有し、前記接触圧センサ20が接続され、電源ON状態にすると該接触圧センサ20の模式外観図が前記液晶ディスプレイ31に表示されるとともに、接触圧センサ20に接触圧が加わると前記各センサ素子22の配置状態に対応した表示位置にそれぞれの接触圧が表示される本体とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ベッドに寝ている患者などの身体の各部位と寝具との接触圧を簡単に測定することのできる接触圧測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、施設や病院の看護あるいは介護の現場において、寝たきりの患者を対象とした看護や介護は人口の高齢化とともに増加の一途をたどっている。このような現場においては、患者は持続的な圧迫を長時間にわたって受けることが多く、褥瘡(床ずれ)の危険にさらされている。この圧迫を軽減することによって褥瘡の発生を予防しようとする考えのもとに、現在、エアーマットレスをはじめとする各種の褥瘡予防用具が国内外で流通している。
【0003】
また、このような対策以外にも、実際に患者のどの部位にどの程度の圧力がかかるのかを知る必要が有るため、各種の接触圧測定装置が開発されている。例えば、ベッド一面に多数の感圧センサを敷き詰めて、これらのセンサからの信号をコンピュータによって解析し、圧力分布を色分け表示するようにしたものがある。このような装置は、研究用として用いられるもので、オーダーメイドのため著しく高価でかつ大型な装置となり、使用の際には高度な知識や技術を必要とするものである。
【0004】
このため、実際の介護現場では患者の体表面がどのような圧迫を受ける環境下にあるのか、さらには褥瘡予防用具の使用による圧力環境の改善度合いなどを具体的に知ることは困難といえる。このため、看護等に従事するスタッフは目に見えない圧力を原因とする褥瘡発生の危険度を知る方法が少なく、本来予防することが可能な褥瘡を発生させてしまったり、あるいは悪化させてしまっているのが現状である。
【0005】
そこで、この点の課題を解決するために、特許文献1に示すような、簡単な構造で患者の体表面と寝具との間に生じる接触圧を測定する接触圧測定装置が提案されている。
【0006】
この接触圧測定装置は、2枚のエア不透過性シートの間に、押圧を解除すると元の形状に復帰する発泡プラスチックを押圧しない状態で挟むとともに、該発泡プラスチックの近傍から前記エア不透過性シートの外側まで延びるチューブを配置して、これら発泡プラスチック及びチューブの周囲の前記エア不透過性シートを互いに接着させて構成した接触圧センサを有しており、該接触圧センサのチューブの先端部に配置された圧力検出器と、該圧力検出器の圧力信号を受け、圧力検出器からの信号が単一の場合にはそのまま出力し複数の場合にはこれらの信号値の平均値あるいは最大値のいずれかを出力する変換回路と、該変換回路の出力信号をデジタル表示する表示部とを備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−111420
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載の接触圧測定装置においては、接触圧センサは単数の場合には、その接触圧センサが示す数値が患者と寝具との接触圧の最も高い部位の数値を示しているか不明であり、また接触圧センサが複数の場合は、これらのセンサ信号の平均値或いは最大値のいずれかを出力するようになっているので、同様に患者のどの部位が最大の接触圧を受けているのか明瞭ではなかった。
【0009】
また、接触圧センサもエア不透過性シートの間に、押圧を解除すると元の形状に復帰する2mm厚の発泡ウレタンを押圧しない状態で挟んでいるので、長期に渡る接触圧センサの使用により内部に封入した発泡ウレタンの劣化や、接触圧センサの折れ癖などにより測定精度を維持することが難しいということがあった。
【0010】
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたもので、患者と寝具との間の接触圧を位置関係をふまえて高精度に測定できる接触圧測定装置を提供することにある
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の接触圧測定装置は、内部にエアが封入され押圧されると連結されたチューブを介して外部にエア圧力を加えるセンサ素子を複数備えた接触圧センサと、液晶ディスプレイを有し、前記接触圧センサが接続され、電源ON状態にすると該接触圧センサの外観模式図が前記液晶ディスプレイに表示されるとともに、前記接触圧センサに接触圧が加わると、前記外観模式図上の前記各センサ素子の配置状態に対応した表示位置にそれぞれの接触圧が表示される本体とを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1の接触圧測定装置において、前記接触圧センサのセンサ素子は中央部に1個と、それを取り巻く円周上に他のセンサ素子が配置されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2の接触圧測定装置において、前記本体はガイダンスボタンを有し、電源ON後にガイダンスボタンをONするとガイダンスモードとなり、前記液晶ディスプレイに表示された前記外観模式図上の前記各センサ素子の配置状態に対応した表示位置に各センサ素子への接触圧がその強さに応じて同心円状に図形表示され、かつ最高の接触圧を示すセンサ素子の接触圧を数値として前記液晶ディスプレイに表示されるようにしたことを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の接触圧測定装置において、前記本体はスタートボタンを有し、電源ON後にスタートボタンをONすると、通常モードとなり、所定時間経過後に各センサ素子のうち、最高接触圧となるセンサ素子の接触圧を数値として前記液晶ディスプレイに表示されるようにしたことを特徴としている。
【0015】
またさらに、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の接触圧測定装置において、前記本体は不揮発性のメモリ及びメモリボタンを有し、接触圧を測定後にメモリボタンをONすると、その数値を記憶するとともに、所定の操作により各センサ素子への接触圧を順次記憶し、かつ別の所定操作により各センサ素子への接触圧を時間経過に伴うグラフとして前記液晶ディスプレイに表示させることができるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、接触圧センサが複数のセンサ素子を備えており、かつ各センサ素子への接触圧が液晶ディスプレイに表示された接触圧センサの模式外観図の中に表示され、どの部分に最も大きな接触圧が加わっているか明瞭となる。また、センサ素子も内部にエアを封入したものであるから、発泡ウレタンなどに見られる長年の使用による劣化や、或いは折り癖が生じることがなく、長期に渡って安定した測定が可能である。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、接触圧センサのセンサ素子を中央部に1個と、それを取り巻く円周上に他のセンサ素子を配置したので、各センサ素子の接触圧を見ることにより、患者の身体のどの部位の接触圧が高く、どちらの方向が低くなるかが視覚的に分かり易くなる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、電源ON後にガイダンスボタンをONするとガイダンスモードとなり、液晶ディスプレイに各センサ素子の配置状態に対応した表示位置に各センサ素子への接触圧がその強さに応じて同心円状に図形として表示され、かつ最高の接触圧を示すセンサ素子の接触圧を数値として表示されるので、接触圧センサを移動させて中央にあるセンサ素子が最高値を示すようにすれば、その接触圧センサの位置が最も適した測定位置となることがわかる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、電源ON後にスタートボタンをONすると、通常モードとなり、所定時間経過後に各センサ素子の最高接触圧となるセンサ素子の接触圧を数値として表示するので、簡単に接触圧を測定することができる。また、上記請求項3の発明の効果ように、接触圧センサの位置が最も適した測定位置となるようにしたあと、スタートボタンをONすれば、その位置での接触圧の最高値をプロットすることができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、接触圧を測定後にメモリボタンをONすると、その数値を記憶するとともに、所定の操作により各センサ素子の接触圧を順次記憶し、かつ別の所定操作により各センサ素子の接触圧を時間経過に伴うグラフとして液晶ディスプレイに表示させることができるので、患者のある部位に対する接触圧の変化を時間経過とともに観察することができるので、患者の身体位置の変更等のタイミングを知ることができる。
【0021】
なお、褥瘡発生の危険ラインとされているのは32mmHgといわれているので、これ以上に接触圧がかかっている場合には、マットを変更する等の早急な対策を講じる必要があることが判明する。これにより、褥瘡発生を未然に予防することが可能になるとともに、すでに発生してしまった褥瘡の悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る実施の形態を示し、接触圧センサを本体に接続した状態を示す外観図である。
【図2】(a)はカプラを介して接触圧センサ(不図示)を本体に接続するところの説明図、(b)は本体に対しロック機構によりカプラをロックした状態を示す図である。
【図3】本体に設けられたカプラ凹部と接触圧センサに連結するカプラ凸部からなるカプラ機構を示し、(a)は結合前を示し、(b)は結合状態を示す図である。
【図4】本体の電気回路を示すブロック図である。
【図5】接触圧を測定するときのフローチャートである。
【図6】ガイダンスモードのとき、本体液晶ディスプレイに表される各センサ素子への接触圧を例示したもので、接触圧センサを移動させることで、矢印で示すように各センサ素子への接触圧が変化する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る接触圧測定装置の実施の形態を示すもので、接触圧測定装置10は、図に示すように、患者と寝具の間に挟む接触圧センサ20と、液晶ディスプレイ31を有する本体30とを備えており、接触圧センサ20と本体30とはカプラ50で接続する構造になっている。
【0024】
接触圧センサ20は、外側が略菱形の外袋21で形成されており、その内部に風船状のセンサ素子22が収納されている。センサ素子22は、厚さ約0.3mmの2枚のエア不透過性シートをチューブ23を挟んだ状態でその周縁部を溶着したものである。接触圧センサ20は、この実施例においては、5個のセンサ素子22を有しており、中央部に1個(番号1)とそれを取り巻く円周上に他のセンサ素子22(番号2,3,4,5)を配置したのである。なお、センサ素子22のエア不透過性シートは、ポリウレタンフィルム又は塩化ビニルフィルムなどを用いることができ、その厚さは0.02mm〜0.5mmの範囲で適宜設定することができる。また、チューブ23は外形1mmφ程度の耐圧性のあるポリウレタン製などを使用する。
【0025】
各チューブ23はそれぞれ各センサ素子22に連通し、外袋21から延びてカプラ50に連結されている。一方、本体30は、プラスチック筐体32を有しており、その表面に液晶ディスプレイ31が配置されている。また、該液晶ディスプレイ31の下側には、スタートボタン33、Gマークで示されるガイダンスボタン34、電源スイッチ35、メモリボタン36、それに送りボタン37等が設けられている。
【0026】
また、液晶ディスプレイ31には、電源スイッチ35がONされると、接触圧センサ20の外観模式図が表示され、そこに各センサ素子22の番号が配置状態に対応して表示される。ここで外観模式図とは、接触圧センサ20が略菱形であるので、その菱形の線と、その中に収納されている5個のセンサ素子22の配置状態に対応した番号が表されているものである。なお、液晶ディスプレイ31に表示されるその他の各表示については後述する。
【0027】
上記接触圧センサ20と本体30とを接続するカプラ構造は、図2(a)に示すように、センサ素子22に連結されたチューブ23の先端に設けられた5本の硬質管からなる円筒管51が並列状態で配置されたプラグ状のカプラ50と、該カプラ50の円筒管51に対向して、本体側に設けられ、前記円筒管51が水密状態で嵌合する嵌合穴38を備えたソケット部とで形成されている。
【0028】
図2(b)は、カプラ50を本体30のソケット部に嵌合接続させたときに、カプラ50の背面に設けられたロック爪52が本体30の背面に設けられた凹溝(不図示)にロックして抜け留めとなるロック機構を示している。ロックを外すときは、前記爪52に加えられているバネの力に抗してロック爪52を持ち上げ凹溝から外してカプラ50を本体30から引き抜くことになる。なお、図中の符号39は本体30の電池(006P)を脱着するための蓋を示している。電池の代わりに、ACアダプタによって電源を供給することもできるようになっている。
【0029】
カプラ構造についてさらに説明すると、図3(a)に示すように、カプラ50は硬質な円筒管51が5本並設されていて、各センサ素子22から延びたチューブ23がそれぞれ各円筒管51に接続されている。一方、本体30には、前記各円筒管51と対向する位置に5個の嵌合穴38が設けられている。各嵌合穴38の入口にあたるところにOリング38aが配置されていて、前記円筒管51の嵌合に対して水密状態を形成する。
【0030】
また、それぞれの嵌合穴38の終端部には、空気(エア)圧を測定する圧力センサ40(例えば、シリコン圧力センサ)が固定配置されており、前記円筒管51が前記嵌合穴38に差し込まれると、該嵌合穴38中の空気の所定量が前記チューブ23を介してセンサ素子22内へ流入し、接触圧を測定するために必要な量の空気をセンサ素子22内に封入するようになっている。実際には、カプラ50を本体30に接続することで、センサ素子22内に封入する空気量は0.7mmlで、その時の圧力センサ40からの信号は0.0mmHgを表示するようにセットされている。なお、図3(b)はカプラ50を本体30に完全に嵌め込んだ状態を示したものである。
【0031】
次に、本体30内に設けられている電気回路について図4に示す。図に示すように、本体30には、前記各嵌合穴38の終端部にそれぞれ圧力センサ40が設けられており、圧力センサ40の出力信号はA/D変換器41によりA/D変換され、デジタル信号に変換された出力はデジタル・電圧変換器42で電圧に変換され、さらに変換された電圧値は電圧・圧力変換器43をよって圧力値に変換されてLCD出力器44を介して液晶ディスプレイ31に数値(単位mmHg)や画像として表示される。
【0032】
また、メモリ45は不揮発性のメモリで、メモリボタン36を操作することで取得した圧力データを記憶することができるようになっている。SW1〜SW5は、スタートボタン33、ガイダンスボタン34、電源スイッチ35、メモリボタン36、送りボタン37に対応させたスイッチである。
【0033】
続いて、この接触圧測定装置10の使用方法について図1、5、6参照して説明する。先ず、本体30にカプラ50を介して接触圧センサ20をセットしたあと、電源スイッチ35をONすると、図1に示すように、液晶ディスプレイ31に略菱形の接触圧センサ20の外観模式図が表示されるとともに各センサ素子22に対応した位置に番号が表示され、かつ下側に0.0mmHgと表示される。これは、接触圧センサ20に圧力がかかっていない状態を示している。
【0034】
次に、接触圧センサ20を寝具と患者の測定部位に挟み込み、ガイダンスボタン34をONすると、液晶ディスプレイ31に各センサ素子22の配置状態に対応した表示位置に各センサ素子22への接触圧が同時に図形表示されるとともに、液晶ディスプレイ31内に「ガイダンス」マークが表示されガイダンスモードとなる。
【0035】
図形表示は、図6(a)に示すように、5個のセンサ素子22に掛かる接触圧の強さをそれぞれ4段階の同心円の円グラフで表示されるものである。1重円は30.0mmHg未満、2重円は60.0mmHg未満、3重円は90.0mmHg未満、4重円は91.0mmHg以上を表し、外側から順に表示される。
【0036】
そして、最高の接触圧を示すセンサ素子22が番号1番(中央部のセンサ素子)のセンサ素子22となるように、図6(b)に示すように、接触圧センサ20を移動させて、その後スタートボタン33をONすると、液晶ディスプレイ31内に「通常」と表示され通常モードとなって一定時間経過後に接触圧が最高となる値が測定される。このとき液晶ディスプレイ31には最高接触圧が数値(単位mmHg)で表示される。
【0037】
このときも、センサ素子22毎の計測値は円の数で表示され、最高値を計測したセンサ素子22の番号とグラフが点滅し、送りボタン37を押すと、順に1〜5番のセンサ素子22毎の測定値を数値(単位mmHg)として見ることができるようになっている。
【0038】
測定値をメモリするには、測定後、メモリボタン36を押すことで、測定値右上のメモリ番号が2回点滅してデータがメモリ45に記憶される。メモリ後もそのまま継続して測定することができる。
【0039】
また、電源スイッチ35をONしたあと、ガイダンスボタン34をONしてガイダンスモードにし、更にスタートボタン33を長押し(2秒以上)すると、ロングタームモードとなり、接触圧センサ20の各センサ素子22の接触圧を0.8秒間隔で順次測定し、当該測定結果を液晶ディスプレイにグラフと数値で表示する。ロングタームモードを終了させるには、電源スイッチ35を切るか或いは再度スタートボタン33を押して通常モードにする。なお、測定間隔を0.8秒間としているが、これは例示であり、最適な間隔を設定すればよい。
【0040】
続いて、メモリ機能について、さらに説明する。
メモリ45に記憶させるメモリ最大値は25個で、最新の測定値がメモリ番号01となり、新しい測定値から古い測定値へメモリ番号が順に繰り下がって行く。メモリを呼び出すには、通常モード時(「通常」マークが表示されている状態)メモリボタン36を2秒以上長押しする。すると、最新の測定値(メモリ番号01)が表示され、液晶ディスプレイ31内に「メモリ01」と表示が出て、点滅する。また、送りボタン37を押す毎に、1つ前の測定値が表示されるようになっている。なお、送りボタン37を長押しすると、メモリ番号の早送りができるように構成されている。そして、メモリモードから通常モードへの移行は、スタートボタン33を押すことで行われる。
【0041】
上記操作でメモリ番号が表示されているときに、再度メモリボタン36を押すと、メモリ番号の点滅が止まりセンサ素子22の番号と円グラフが点滅する。そして、送りボタン37を押す順に各センサ素子22の測定値が順に表示される。また、電源スイッチOFF状態で、「メモリボタン」を押しながら電源スイッチ35をONすると、メモリ45に記憶されていたデータは全て消去することができる。
【0042】
なお、特許請求の範囲や上記実施の形態において、電源スイッチ、スタートボタン、ガイダンスボタン、メモリボタン、送りボタン等の言い方をしているが、機能を説明するための名称であって、この名称に限定したものではなく、同類の操作を行うためのものはこれらに含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上記 実施の形態では、この接触圧測定装置を患者と寝具の間の接触圧を測定することについて説明したが、これに限らず、他の物と物との間の接触圧を測定することができる。例えば、平らな面に何か物体を置くときに、その間に接触圧センサを挟んで、重心の掛かる位置の測定とか、或いは水平になっているか否かなどを調べることもできる。
【符号の説明】
【0044】
10 接触圧測定装置
20 接触圧センサ
21 外体
22 センサ素子
23 チューブ
30 本体
31 液晶ディスプレイ
32 筐体
33 スタートボタン
34 ガイダンスボタン
35 電源スイッチ
36 メモリボタン
37 送りボタン
38 嵌合穴
38a Oリング
40 圧力センサ
50 カプラ
51 円筒管
52 ロック爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にエアが封入され押圧されると連結されたチューブを介して外部にエア圧力を加えるセンサ素子を複数備えた接触圧センサと、
液晶ディスプレイを有し、前記接触圧センサが接続され、電源ON状態にすると該接触圧センサの外観模式図が前記液晶ディスプレイに表示されるとともに、前記接触圧センサに接触圧が加わると、前記外観模式図上の前記各センサ素子の配置状態に対応した表示位置にそれぞれの接触圧が表示される本体と、
を備えたことを特徴とする接触圧測定装置。
【請求項2】
前記接触圧センサのセンサ素子は中央部に1個と、それを取り巻く円周上に他のセンサ素子が配置されていることを特徴とする請求項1記載の接触圧測定装置。
【請求項3】
前記本体はガイダンスボタンを有し、電源ON後にガイダンスボタンをONするとガイダンスモードとなり、前記液晶ディスプレイに表示された前記外観模式図上の前記各センサ素子の配置状態に対応した表示位置に各センサ素子への接触圧がその強さに応じて同心円状に図形表示され、かつ最高の接触圧を示すセンサ素子の接触圧を数値として前記液晶ディスプレイに表示されるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の接触圧測定装置。
【請求項4】
前記本体はスタートボタンを有し、電源ON後にスタートボタンをONすると、通常モードとなり、所定時間経過後に各センサ素子のうち、最高接触圧となるセンサ素子の接触圧を数値として前記液晶ディスプレイに表示されるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接触圧測定装置。
【請求項5】
前記本体は不揮発性のメモリ及びメモリボタンを有し、接触圧を測定後にメモリボタンをONすると、その数値を記憶するとともに、所定の操作により各センサ素子への接触圧を順次記憶し、かつ別の所定操作により各センサ素子への接触圧を時間経過に伴うグラフとして前記液晶ディスプレイに表示させることができるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接触圧測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−47710(P2011−47710A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194605(P2009−194605)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000105213)株式会社ケープ (14)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】