説明

携帯情報端末

【課題】パッシブ型タグのRFIDリーダ機能、アクティブ型タグID送信モード、アクティブ型タグID受信モードの機能を兼ね備えた携帯情報端末を用いて、様々なサービスを実現する。
【解決手段】携帯情報端末の実行モード切替手段は制御部に対して、R/Wデバイス部をアクティブ型タグID受信モード又はパッシブ型の実行モードでタグを読取るように実行指示する。又は、アクティブ型タグID送信モードでタグのIDデータを送信するように実行指示する。制御部は記憶部に格納された実行コマンド群を読み出し、前記実行モードに対応した実行コマンドでR/Wデバイス部を制御する。R/Wデバイス部によるID受信処理結果の内容又は既定の実行回数や実行時間の満了によって、制御部は元の実行モードで処理を継続して送受信処理するか、異なる実行モードに切替えて送受信処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッシブ型RFIDタグの受信とアクティブ型RFIDタグの送受信を切替えて行い、受信したタグのデータに基づいて詳細情報を取得するRFIDシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品管理の効率化を目的として無線ICタグを用いた管理システムが提案されている(非特許文献1)。この文献では、オフィス等で使われるPCなどの事務機器などの物品にRFIDタグを付けておき、RFIDリーダをそのタグに近づけて、タグに格納されているデータを読取る。そして、その受信データと棚卸台帳にあるデータを突き合わせることによって、物品の存在確認を行うことができる。このような業務においては、自ら電源を持たないパッシブ型のRFIDタグが使われることが多い。パッシブ型タグはRFIDリーダ等から射出される電波を受けて作動し、タグ内部の記憶部に格納されたデータをRFIDリーダに送信する。
【0003】
一方、内部に電源を搭載し、自らタグ内部の記憶部に格納されたデータを送信したり、それを受信したりするアクティブ型タグという種別も存在する。このアクティブ型タグシステムでは、データ送信側を親機、データ受信側を子機と呼ぶことがある。このアクティブ型タグを用いたシステムの例としては、集配センターにおける搬送用ボックスの個数管理、位置管理に用いたものがある(特許文献1)。
【0004】
パッシブ型タグは読取り距離が数センチ〜数十センチであるのに対し、アクティブ型タグは数十メートル離れていても送受信が可能であり、使い勝手やコストも異なるため、用途によってタグの種別を使い分けることが通例となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−226434号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】松田礼子,辻利之:「業務効率化を実現する資産管理ソリューション」,NEC技報,Vol.59,No.2/2006,p.76−79
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、パッシブタグのRFIDリーダ・ライタ機能と、アクティブタグID送信、アクティブタグID受信の機能を兼ね備えたRFID R/Wデバイスを搭載した携帯情報端末を用いて、パッシブタグ受信モード、アクティブタグID送信モード、アクティブタグID受信モードの機能を切替えて様々なサービスを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に従うRFIDシステムは、携帯情報端末、RFIDタグ、サーバで構成される。
第一に、携帯情報端末は、他の機器と通信を行う通信部と、受信したIDデータを含む各種データを格納する記憶部と、前記記憶部に格納されたIDデータを送受信するRFID R/Wデバイス部と、前記記憶部に格納されたデータを表示する表示部と、上記の各部に動作指示を出す制御部と、R/Wデバイスの実行モードをパッシブタグ受信モード、アクティブ型親機モード、アクティブ型子機の間で切替える実行モード切替手段と、前記RFID R/Wデバイス部で受信したIDデータを前記通信部を用いて送信するID問合せ手段と、前記ID問合せ手段のレスポンスとして通信部が受信した詳細情報を取得する詳細情報受信手段とを備える。
【0009】
第二に、パッシブ型RFIDタグは、RFIDリーダからの射出電波を受信するアンテナ部と、
IDデータ等を格納する記憶部を持つICチップからなる。なお、アクティブ型RFIDタグは、前記携帯情報端末の前記RFID R/Wデバイス部に機能として内蔵されていてもよいし、前記RFID R/Wデバイス部が前記携帯情報端末から独立して動作してもよい。
【0010】
第三に、サーバは、他の機器と通信を行う通信部と、前記通信部を経て受信したIDデータに関連した詳細データを格納する記憶部と、上記各部に動作指示を出す制御部とからなる。
上記の構成において、携帯情報端末の実行モード切替手段は制御部に対して、R/Wデバイス部をアクティブ型親機モード、アクティブ型子機モード、もしくはパッシブタグID受信モードで開始するように実行指示する。すると、制御部は記憶部に格納されている各実行モードに応じた実行コマンド群を読出し、これらの実行コマンドを用いてR/Wデバイス部を制御する。
【0011】
このとき、実行モードがアクティブ型親機モードである場合は、既定の実行時間もしくは実行回数だけIDデータの送信処理を行った後、元の実行モードで送信処理を継続して実行するか、又はアクティブ型子機モードもしくはパッシブタグID受信モードに切替えてIDデータの受信処理を実行することを特徴とする。
また、実行モードがアクティブ型子機モードである場合は、R/Wデバイス部がアクティブ型タグの送信側(親機)が送信するIDデータの受信に成功した際には、制御部は受信したIDデータを記憶部に格納する。一方、実行モードがパッシブタグID受信モードである場合は、R/Wデバイス部がパッシブ型タグのIDデータ受信に成功した際には、制御部は受信したIDデータを記憶部に格納する。
【0012】
アクティブ型子機モードまたはパッシブタグID受信モードにおいて、IDデータ受信に成功した場合はID問合せ手段は記憶部に格納されたIDデータを読出し、通信部を用いてそのIDデータをサーバに送信する。サーバの通信部は、携帯情報端末から受信したデータに関連する詳細データを記憶部から読出して、詳細データを携帯情報端末へ返送する。そして、携帯情報端末の詳細情報受信手段は、受信部が受信した詳細データを記憶部に格納し、表示部で詳細データを表示するように制御部に指示する。
上記はID受信成功時の動作であるが、R/Wデバイス部によるIDデータの受信処理結果の内容、もしくは実行回数や実行時間の満了によって、元の実行モードもしくは異なる実行モードでIDデータの受信処理を継続して実行するか、アクティブ型親機モードに切替えてIDデータの送信処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、手動で切替える操作を必要とせず、ユーザが意識せずに受けられるサービスおよび意識的に受けるサービスの両方を享受できるため、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1に関わる携帯情報端末の機能ブロック図。
【図2】実施例1に関わるRFIDタグの機能ブロック図。
【図3】実施例1、2に関わるサーバの機能ブロック図。
【図4】実施例1、2に関わるIDデータ送受信処理のシーケンス図。
【図5】実施例1、2に関わるパッシブタグID受信モードにおける全体処理フロー図。
【図6】実施例1、2に関わるアクティブ子機実行モードにおける全体処理フロー図。
【図7】実施例1、2に関わるアクティブ親機実行モードにおける全体処理フロー図。
【図8】実施例2に関わる携帯情報端末の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0015】
以下、本発明に関わる第一の実施例について図1乃至図7を用いて説明する。
まず、図1は、本発明の第一の実施例に関わる携帯情報端末1の構成例である。
図1に示すように、携帯情報端末1は、制御部101、記憶部102、R/Wデバイス部103、通信部104、表示部105、出力部106、入力部107、実行モード切替手段110、ID問合せ手段111、詳細情報受信手段112、実行タイミング調整手段113、IDフィルタ手段114、R/Wデバイス設定手段116を備える。
【0016】
制御部101は、後述する記憶部102、R/Wデバイス部103や通信部104、表示部105、出力部106、入力部107等を要求に従って制御する機能を持つ。例えば、R/Wデバイス部103で取得したIDデータを記憶部102に格納したり、記憶部102から制御コマンドを読み出してR/Wデバイスに対して送信してR/Wデバイス部103の実行モードを切替えたりする機能を持つ。
【0017】
記憶部102は、情報を格納する機能を備え、半導体メモリやハードディスク等で構成される。ここには、サーバ3のURLや読取ったIDデータ、受信した詳細情報、R/Wデバイスを制御するためのコマンド群等が格納されている。
R/Wデバイス部103は、RFIDのタグを読むことができるタグリーダ/ライタである。1つのデバイスでパッシブ型とアクティブ型の両方に対応する構成でもよいし、2つのデバイスで2つの方式に対応する構成でもよい。このデバイスの中には、R/W制御ICの他に、タグの記憶部に含まれるIDデータを送受信するためのアンテナを含む。
【0018】
通信部104は、サーバ3が備える通信部301とデータを送受信する機能を備えた通信モジュールである。前述の記憶部102に格納されているサーバのURLや、読取り済みIDデータを送信したり、そのIDデータに関する詳細情報をサーバ3から受信する。
表示部105は、例えば液晶ディスプレイや有機EL等を用いたディスプレイパネルである。文字や画像等を表示できるパネルであれば、表示方式や材質は特に限定されない。
出力部106は、例えばLEDやバイブレータ、音声出力用スピーカなどである。ユーザに対してIDデータが読取れた旨の通知ができれば、特に上記に限定されない。
【0019】
入力部107は、ユーザ要求を制御部101へ入力するためのボタンやキーボードである。ユーザインタフェース画面を遷移したり、デバイス制御やサーバ通信を開始するタイミングを知らせるためにユーザが用いる。
実行モード切替手段110は、現在実行中の実行モードを取得して、実行中の処理を完結させた後に、異なる実行モードに遷移するための初期化を行う機能を持つ。
ID問合せ手段111は、記憶部102から受信済みのIDデータ、サーバ3のURLを読み出して、通信部104を用いて問合せコマンドを送信するように制御部101に指示する機能を持つ。
【0020】
詳細情報受信手段112は、通信部104がID問合せ手段111の問合せの結果を受信した際、記憶部102に格納して詳細情報の種別等を判定する機能を持つ。
実行タイミング調整手段113は、記憶部104から通信継続時間、成功時通信継続時間、切替え待ち時間を読み出して、取得した時間が経過するのを待って、前記実行モード切替手段110に対してモードの切替え処理開始の実行タイミングや通信処理終了の実行タイミングを通知する機能を持つ。
【0021】
IDフィルタ手段114は、記憶部102に格納されている受信済みIDデータとの照合を行って、重複して受信したものを削除したり、受信時の信号強度が最も大きいIDデータのみを抽出する機能を持つ。
R/Wデバイス設定手段116は、前記詳細情報受信手段112によって受信した詳細情報の種別がR/W設定情報であった場合に、前記R/Wデバイス部103に対してその詳細情報を用いて設定を反映する機能を持つ。
【0022】
図2は、RFIDタグの構成例である。図2に示すように、RFIDタグ2は、アンテナ部201、記憶部202を備える。
アンテナ部201は、携帯情報端末1のR/Wデバイス部103に含まれるアンテナから射出される電波を受信する機能を持つ。また、後述の記憶部202に格納されているIDデータを反射波に乗せて送信するためにも用いられる。
記憶部202は、IDデータ等を保持するためのメモリであるが、メモリモジュールはどのようなもので構成されていてもよい。
【0023】
図3は、サーバの構成例である。図3に示すように、サーバは、通信部301、制御部302、記憶部303を備える。
通信部301は、携帯情報端末1の通信部104とデータの送受信を行うための通信モジュールである。携帯情報端末1からIDデータに関して問合せを受信したり、そのIDデータに関連する詳細情報を返送する機能を持つ。サーバ3の記憶部303に関連する情報がない場合に応じて、通信をリダイレクトして他のサーバに接続させる機能をもってもよい。
【0024】
制御部302は、携帯情報端末1からIDデータの問合せ要求があった場合に、前記通信部301が受信したIDデータをもとに、後述の記憶部303から関連するデータを取得する機能を持つ。
記憶部303は、IDデータとそれに関連する詳細情報が格納されるメモリやハードディスクである。この詳細情報には、タグが貼付してある商品等の一般情報や、R/W設定を行うためのR/W設定情報の種別を付与してもよい。また、詳細情報に携帯情報端末1の実行モード切替可否を示す情報を含めてもよい。
【0025】
図4は、IDデータの送受信処理のシーケンス図である。このシーケンス図は、UML (Unified Modeling Language)の記法に基づいて記載している。最初に、携帯情報端末1の制御部101は次に読取り処理に関する実行モードを記憶部102から取得する(S400)。次の実行モードがパッシブモードである場合にはS401、アクティブ型子機モードである場合にはS403、アクティブ型親機モードである場合はS405へ進む。
【0026】
制御部101は、記憶部102に格納されているパッシブモードの実行コマンド群を読み出し、これらの実行コマンドを用いてR/Wデバイス部を制御する(S401)。コマンドを受信したR/Wデバイス部103は、RFIDタグに対して電波を射出し、RFIDタグからの反応を待つ(S402)。ここで正しくRFIDタグからIDデータが受信できた場合には、S407へ進み、IDを受信できなかった場合にはS411へ進む。
【0027】
続いて、実行タイミング調整手段113は記憶部102から取得した切替待ち時間の分だけ待機した後、実行モード切替手段110に実行モードの切替を行うための通知を行う。通知を受けた実行モード切替手段110は、制御部101を経てR/Wデバイス部103に対して実行モードの切替を行う。
【0028】
一方、アクティブ型子機モードのときも同様に、制御部101は、記憶部102に格納されているアクティブ型子機モードの実行コマンド群を読み出し、これらの実行コマンドを用いてR/Wデバイス部を制御する(S403)。コマンドを受信したR/Wデバイス部103は、アクティブ型親機から射出される電波を検知すべく、キャリアセンス処理を行う(S404)。なお、アクティブ型子機からは電波を射出しないため、キャリアセンス処理は省略してもよい。アクティブ型RFIDタグが送出する電波を検知し、アクティブ型RFIDタグからのIDデータを正しく受信できた場合には、S407へ進む。また、IDデータを正しく受信できなかった場合にはS411へ進む。
【0029】
また、アクティブ型親機モードのときは、制御部101は、記憶部102に格納されているアクティブ型親機モードの実行コマンド群を読み出し、これらの実行コマンドを用いてR/Wデバイス部を制御する(S405)。コマンドを受信したR./Wデバイス部103は、射出する電波の周波数帯が既に使用中でないかキャリアセンス処理を行い、空いている場合には電波を射出する(S406)。
【0030】
R/Wデバイス部103がパッシブ型タグから、もしくはアクティブ型親機からのIDデータを正しく受信できた場合(S407)には、受信したIDデータを記憶部102へ格納し、制御部101へ受信成功の旨を通知する(S408)。制御部101は格納されたIDデータに基づき、サーバ3に対して通信部104を用いてIDデータの問合せ処理を行う(S409)。このとき、表示部105や出力部106を用いてユーザに対してID受信の通知を行ってもよい。
【0031】
サーバ3の通信部301は、携帯情報端末1の通信部104からのIDデータ問合せを受けると、制御部302が記憶部303に格納されているデータから、受信したIDデータに関連する詳細情報や実行モード切替可否情報を抽出し、通信部301を用いて詳細情報として返送する(S410)。携帯情報端末1の通信部104は詳細情報を受信すると、表示部105や出力部106を用いてユーザへの詳細情報の提示を行う。
【0032】
一方、パッシブ型タグから、もしくはアクティブ型親機からのIDデータを正しく受信できなかった場合には、R/Wデバイス部103は制御部101に対して受信タイムアウトエラーを返す(S411)。制御部101はこのエラーに関して、表示部105や出力部106を用いてユーザに提示しなくてもよい。
【0033】
続いて、異なる実行モードへの切替がある場合は、実行タイミング調整手段113は記憶部102から取得した切替待ち時間の分だけ待機し(S412)、実行モード切替手段110に実行モードの切替を行うための通知を行う。通知を受けた実行モード切替手段110は、制御部101を経てR/Wデバイス部103に対して実行モードの切替を行う(S413)。
以上の処理を行った後、最初(S400)へ戻って連続実行を行う。
【0034】
図5は、パッシブタグID受信モードにおける処理フロー図である。
はじめに、パッシブタグID受信モードの処理はS500より開始される(S500)。まず、記憶部102に格納されている通信継続時間/実行回数を満了していないか判定する(S501)。ここで通信継続時間/実行回数を満了している場合には、S503へ進む。満了していない場合には、読取り時間/回数が残っていることを示すので、S502へ進む。
【0035】
通信継続時間//実行回数が残っている場合には、パッシブタグの読取り処理を行ってS501へ戻る(S502)。この処理は図4のシーケンス図におけるS401が相当する。ここで、タグ読取り処理が成功した場合に、通信継続時間/実行回数を0に更新してもよい。これにより、1回受信成功したときに速やかにS504以降のステップへ進むことができる。
一方、通信継続時間/実行回数が満了した場合は、IDデータの読取り処理が成功したかどうか判定する(S503)。読取りが成功した場合にはS504へ進み、失敗した場合にはS511へ進む。
【0036】
読取りが成功した場合には、出力部106や表示部105を制御して、ユーザにID受信成功の旨の通知を行う(S504)。例えば、表示パネルやLED、音声、バイブレーション機能による通知を行う。その後、S505へ進む。
受信タグ選別処理では、IDフィルタ手段114が既に受信済みのIDデータとの重複を判定する(S505)。重複がある場合にはそれを破棄し、重複が無い場合には記憶部102に格納し、S506へ進む。
【0037】
入力部107によってユーザからID問合せ要求が来た場合には、S507へ進む(S506)。要求が来ていない場合には、要求待ち状態としてS506へ戻る。ただし、ID受信後に自動的にサーバ問合せを行う設定になっている場合はS506の処理を省略してS507へ進む。
サーバへのID問合せ処理(S507)においてID問合せ手段111は、制御部101に記憶部102に格納されている、サーバ3の接続先情報(例えば、URLなど)、および問合せるIDデータを読み出すよう指示した後、サーバ3に問合せるよう通信部104へ指示し、S508へ進む。
【0038】
詳細情報受信手段112は、サーバ3の通信部301から返送されてきた詳細情報を記憶部102へ格納した後、その詳細情報の種別を判定する(S508)。詳細情報がR/W設定情報である場合にはS510へ進み、一般情報である場合にはS509へ進む。
詳細情報の種別が一般情報である場合(S509)には、制御部101は表示部105を用いて詳細情報の表示を指示し、S511へ進む。
【0039】
一方、詳細情報の種別がR/W設定情報である場合(S510)には、R/Wデバイス設定手段116が記憶部102に格納されている次の実行モードに関する詳細情報に従ってR/Wデバイス部103へ設定の反映を行い、S511へ進む。例えば、送受信に利用する電波の周波数チャネルやゲイン値、読取または送信回数や実行時間等を設定する。
切替可否取得処理では、受信した詳細情報に含まれる切替可否に関する情報を取得する(S511)。アクティブ型親機モードや子機モードへの切替えが認められている情報が含まれている場合には、S512へ進む。切替え不可の場合はS501へ戻り、パッシブ受信処理を継続する。なお、受信した詳細情報に切替可否に関する情報が含まれていない場合には、自動的にS512へ進んでもよい。
【0040】
切替待ち処理(S512)では、実行タイミング調整手段113は記憶部102に格納されている切替待ち時間が経過するまで待機し、S513へ進む。このとき、切替え待ち時間の計測開始タイミングは、タグ読取り処理の時点でもよいし、サーバ問合せや詳細情報受信が完了したタイミングでもよい。
最後に、実行モード切替手段110は、パッシブタグID受信モードにおける処理が完了した後、アクティブ型親機モード、もしくはアクティブ型子機モードへ切替えるよう制御部101へ指示する(S513)。各実行モードにおける通信設定等の初期化処理をした後、アクティブ型子機モードへ移行する場合はS600、アクティブ型親機モードへ移行する場合はS700へ進む。
【0041】
図6は、アクティブ型子機モードにおける処理フロー図である。
はじめに、アクティブ型子機モードの処理はS600より開始される(S600)。まず、記憶部102に格納されている通信継続時間/実行回数を満了していないか判定する(S601)。ここで通信継続時間/実行回数を満了している場合には、S606へ進む。満了していない場合には、読取り時間/回数が残っていることを示すので、S602へ進む。
【0042】
ここでは成功時通信継続時間が満了しているかどうかを判定する(S602)。満了している場合にはS606へ進み、満了していない場合にはS603へ進む。
成功時通信継続時間も通信継続時間/実行回数も両方残っている場合には、アクティブ型RFIDタグの読取り処理を行ってS604へ進む(S603)。この処理は図4のシーケンス図におけるS403が相当する。ここで、タグ読取り処理が成功した場合に、成功時通信継続時間や通信継続時間/実行回数を0に更新してもよい。これにより、1回受信成功したときに速やかにS606以降のステップへ進むことができる。
【0043】
一方、通信継続時間/実行回数が満了した場合は、アクティブ型RFIDタグのIDデータの読取り処理が成功したかどうか判定する(S606)。読取りが成功した場合にはS607へ進み、失敗した場合にはS614へ進む。
読取りが成功した場合には、出力部106や表示部105を制御して、ユーザにID受信成功の旨の通知を行う(S607)。例えば、表示パネルやLED、音声、バイブレーション機能による通知を行う。その後、S608へ進む。
【0044】
受信タグ選別処理では、IDフィルタ手段114が既に受信済みのIDデータとの重複を判定し、重複がある場合にはそれを破棄し、重複が無い場合には記憶部102に格納し、S609へ進む(S608)。ここで、複数のIDデータを受信していた場合には、最も強い信号強度を持つIDデータを取得する処理を行ってもよい。
入力部107によってユーザからID問合せ要求が来た場合には、S610へ進む(S609)。要求が来ていない場合には、要求待ち状態としてS609へ戻る。ただし、ID受信後に自動的にサーバ問合せを行う設定になっている場合はS609の処理を省略してS610へ進む。
【0045】
サーバへのID問合せ処理(S610)においてID問合せ手段111は、制御部101に記憶部102に格納されている、サーバ3の接続先情報(例えば、URLなど)、および問合せるIDデータを読み出すよう指示した後、サーバ3に問合せるよう通信部104へ指示し、S611へ進む。
詳細情報受信手段112は、サーバ3の通信部301から返送されてきた詳細情報を記憶部102へ格納した後、その詳細情報の種別を判定する(S611)。詳細情報がR/W設定情報である場合にはS613へ進み、一般情報である場合にはS612へ進む。
【0046】
詳細情報の種別が一般情報である場合(S612)には、制御部101は表示部105を用いて詳細情報の表示を指示し、S614へ進む。
一方、詳細情報の種別がR/W設定情報である場合(S613)には、R/Wデバイス設定手段116が記憶部102に格納されている次の実行モードに関する詳細情報に従ってR/Wデバイス部103へ設定の反映を行い、S614へ進む。例えば、前述のように、送受信で利用する電波の周波数チャネルやゲイン値、読取または送信回数、実行時間等を設定する。
【0047】
切替可否取得処理では、受信した詳細情報に含まれる切替可否に関する情報を取得する(S614)。パッシブタグID受信モード、もしくはアクティブ型親機モードへの切替えが認められている情報が含まれている場合には、S615へ進む。切替え不可の場合はS601へ戻り、アクティブ型子機による受信処理を継続する。なお、受信した詳細情報に切替可否に関する情報が含まれていない場合には、自動的にS614へ進んでもよい。
【0048】
切替待ち処理(S615)では、実行タイミング調整手段113は記憶部102に格納されている切替待ち時間が経過するまで待機し、S616へ進む。このとき、切替え待ち時間の計測開始タイミングは、タグ読取り処理の時点でもよいし、サーバ問合せや詳細情報受信が完了したタイミングでもよい。
最後に、実行モード切替手段110はアクティブ型子機モードにおける処理が完了した後、パッシブタグID受信モード、もしくはアクティブ型親機モードへ切替えるよう制御部101へ指示する(S616)。各実行モードにおける通信設定等の初期化処理をした後、パッシブタグID受信モードへ移行する場合はS500、アクティブ型親機モードへ移行する場合はS700へ進む。
【0049】
図7は、アクティブ型親機モードにおける処理フロー図である。
はじめに、アクティブ型親機モードの処理はS700より開始される(S700)。まず、記憶部102に格納されている通信継続時間/実行回数を満了していないか判定する(S701)。ここで通信継続時間/実行回数を満了している場合は、S703に進む。満了していない場合は、送信時間が残っていることを示すので、S702へ進む。
【0050】
通信継続時間/実行回数が残っている場合はには、アクティブ型親機モードでID送信処理を行ってS701へ戻る。このID送信処理は図4のシーケンス図のS405に相当する。
一方、通信継続時間/実行回数が満了した場合には、それまでに受信した詳細情報に含まれる切替可否に関する情報を取得する(S703)。他の実行モードへの切替が認めらている情報が含まれている場合には、S704へ進む。切替不可の場合はS701へ戻り、ID送信処理を継続する。なお、それまでに受信した詳細情報に切替可否に関する情報が含まれていない場合には、自動的にS704へ進んでもよい。
【0051】
切替待ち処理(S704)では、実行タイミング調整手段113が記憶部102に格納されている切替待ち時間が経過するまで待機し、S705へ進む。このとき、切替待ち時間の計測開始タイミングは、現在の設定でIDデータを送信し始めたタイミングとする。
最後に、実行モード切替手段110はアクティブ型親機モードにおける処理が完了した後、パッシブモードやアクティブ型子機モードなど異なる実行モードへ切替えるよう制御部101へ指示する(S705)。各実行モードにおける通信設定等の初期化処理をした後、パッシブタグID受信モードへ移行する場合はS500、アクティブ型子機モードへ移行する場合はS600へ進む。
以上のように、アクティブ型親機モード、パッシブタグID受信モードもしくはアクティブ型子機モードにてIDデータの受信結果の内容、もしくは実行回数や実行時間の満了時に、異なる実行モードへ自動的に切替えることによって、様々なサービスを実現できる。
【実施例2】
【0052】
以下、本発明に関わる第2の実施例について図3乃至図9を用いて説明する。
図3に示したサーバの構成例は実施例1と同一であるので省略する。
図4乃至図7の処理シーケンスの差異説明の前に、図8を用いて実施例2の関わる構成の差異を説明する。
【0053】
図8は、本発明の第2の実施例に関わる携帯情報端末の構成例である。実施例1と比べると実施例2の携帯情報端末の物理的サイズが小さくなっている場合を想定している。
すなわち、最小限の構成のみでRFID R/Wの機能を実現するため、実施例2の構成では携帯情報端末1は入力部107を具備しない。したがって、通信部104を経て受信したR/W制御コマンド群は一旦記憶部102に格納され、制御部101がそのR/W制御コマンド群を実行することによって、R/Wデバイス部104を制御する。
【0054】
同様に、携帯情報端末1は出力部106や表示部105の具備は必須ではないが、具備していない場合はS408やS410の後にある出力処理や表示処理は行うことができない。反対に、上記のR/W制御コマンド群の実行結果、現在や次の実行モード、エラー状態を外部に出力する場合は、例えばLED等で構成される出力部106を備えておくのがよい。また、この実行結果を通信部104を用いて送信してもよい。
最後に、図4乃至図7は、本発明の第2の実施例に関わる処理シーケンスであるが、第1の実施例と同じ部分は省略し、差異のみを示す。
【0055】
図4に示したIDデータの送受信処理については、携帯情報端末1においてID問合せ手段111および詳細情報受信手段112の具備は必須ではないが、これらを備えている場合は、通信部104を用いてサーバ3の通信部301と通信することができる。
図5乃至図7に示した各実行モードに関する処理シーケンスは、同一動作であるので説明を省略する。
以上のように、最小構成の携帯情報端末1にてパッシブ実行モード、アクティブ型タグID送信モード、アクティブ型タグID受信モードの間で切替えが可能となる。すると、携帯情報端末の設置の際の障壁が低減し、RFIDを用いたサービス実現が容易になる。
【符号の説明】
【0056】
1…携帯情報端末、2…RFIDタグ、3…サーバ、101…制御部、102…記憶部、103…R/Wデバイス部、104…通信部、105…表示部、106…出力部、107…入力部、110…実行モード切替手段、111…ID問合せ手段、112…詳細情報受信手段、113…実行タイミング調整手段、114…IDフィルタ手段、115…動作検出手段、116…R/Wデバイス設定手段、201…アンテナ部、202…記憶部、301…通信部、302…制御部、303…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の機器と通信を行う通信部と、
送受信するIDデータを含む各種データを格納する記憶部と、
前記記憶部に格納されたデータを表示する表示部と、
上記の各構成要素に動作指示を出す制御部とを備える携帯情報端末において、
前記記憶部に格納されたIDデータを送受信するR/Wデバイス部と、
R/Wデバイスの実行モードをパッシブタグID受信モード、アクティブタグID送信モードの間で切替える実行モード切替手段を備え、
該実行モード切替手段は、制御部に対して前記R/Wデバイス部をパッシブ型の実行モードでタグを読取るように実行指示し、
前記制御部は、前記記憶部に格納されている実行コマンド群を読出し、前記R/Wデバイス部に前記実行モードに対応したコマンドを送信して制御し、前記R/Wデバイス部によるIDデータ受信処理結果の内容、もしくは既定の実行回数か送信時間の満了タイミングにより、
前記制御部は、パッシブタグID受信モードモードで受信処理を継続して実行するか、又はアクティブタグID送信モードに切替えてIDデータの送信処理を実行することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯情報端末において、
前記実行モード切替手段は前記制御部に対して、前記R/Wデバイス部をアクティブタグID送信モードでIDデータを送信するように実行指示し、
前記制御部は、前記記憶部に格納された実行コマンド群を読出し、前記R/Wデバイス部に前記実行モードに対応したコマンドを送信して制御し、前記R/Wデバイス部によるIDデータ送信処理を実行し、
既定の実行回数か送信時間の満了タイミングによって、
前記制御部は、アクティブタグID送信モードで送信処理を継続して実行するか、又はパッシブタグID受信モードモードに切替えてIDデータの受信処理を実行することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】
他の機器と通信を行う通信部と、
受信したIDデータを含む各種データを格納する記憶部と、
前記記憶部に格納されたデータを表示する表示部と、
上記の各構成要素に動作指示を出す制御部とを備える携帯情報端末において、
前記記憶部が保持するIDデータを送受信するR/Wデバイス部と、
R/Wデバイスの実行モードをパッシブタグID受信モード、アクティブタグID受信モードの間で切替える実行モード切替手段を備え、
該実行モード切替手段は、制御部に対して前記R/Wデバイス部をパッシブタグID受信モードの実行モードでタグIDを読取るように実行指示し、
前記制御部は、前記記憶部に格納されている実行コマンド群を読出し、前記R/Wデバイス部に前記実行モードに対応したコマンドを送信して制御し、
前記R/Wデバイス部によるIDデータ受信処理結果の内容、もしくは既定の実行回数か送信時間の満了タイミングによって、
前記制御部は、パッシブタグID受信モードモードで受信処理を継続して実行するか、又はアクティブタグID受信モードでさらにIDデータの受信処理を実行することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯情報端末において、
前記実行モード切替手段は、前記制御部に対して前記R/Wデバイス部をアクティブ型子機の実行モードでIDデータを読取るように実行指示し、
前記制御部は、前記記憶部に格納された実行コマンド群を読出し、前記R/Wデバイス部に前記実行モードに対応したコマンドを送信して制御し、
前記R/Wデバイス部によるIDデータ受信処理結果の内容、もしくは既定の実行回数か受信時間の満了タイミングによって、
前記制御部は、アクティブタグID受信モードで受信処理を継続して実行するか、又はパッシブタグID受信モードの実行モードでIDデータの受信処理を実行することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項5】
他の機器と通信を行う通信部と、
受信したIDデータを含む各種データを格納する記憶部と、
前記記憶部に格納されたデータを表示する表示部と、
上記の構成要素に動作指示を出す制御部とを備える携帯情報端末において、
前記記憶部が保持するIDデータを送受信するR/Wデバイス部と、
R/Wデバイスの実行モードをアクティブタグID送信モード、アクティブタグID受信モードの間で切替える実行モード切替手段を備え、
該実行モード切替手段は、制御部に対して前記R/Wデバイス部をアクティブ型子機の実行モードでタグを読取るように実行指示し、
前記制御部は、前記記憶部に格納された実行コマンド群を読出し、前記R/Wデバイス部に前記実行モードに対応したコマンドを送信して制御し、
前記R/Wデバイス部によるIDデータ受信処理結果の内容に応じて、
前記制御部は、アクティブタグID受信モードで受信処理を継続して実行するか、又はアクティブタグID送信モードでさらにIDデータの送信処理を実行することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯情報端末において、
前記実行モード切替手段は、前記制御部に対して前記R/Wデバイス部をアクティブタグID送信モードでIDデータを送信するよう実行指示し、
前記制御部は、前記記憶部に格納された実行コマンド群を読出し、前記R/Wデバイス部に前記実行モードに対応したコマンドを送信して制御し、
既定の実行回数か送信時間の満了タイミングによって、
前記制御部は、アクティブタグID送信モードで送信処理を継続して実行するか、又はアクティブタグID受信モードでIDデータの受信処理を実行することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の携帯情報端末において、
前記R/Wデバイス部で受信したIDデータを前記通信部を用いて送信するID問合せ手段と、
前記ID問合せ手段のレスポンスとして通信部が受信した詳細情報を取得する詳細情報受信手段とを備え、
現在の実行モードがアクティブ型子機モードである場合は、前記R/Wデバイス部がアクティブ型親機が送信するIDデータの受信に成功した際、
前記制御部は、受信したIDデータを前記記憶部に格納し、前記ID問合せ手段は前記記憶部に格納されたIDデータを読出して前記通信部を用いてサーバに送信し、
前記詳細情報受信手段は、前記受信部が受信した詳細データを記憶部に格納し、前記表示部で詳細データを表示するように前記制御部に指示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項8】
請求項1乃至6に記載の携帯情報端末において、
前記R/Wデバイス部で受信したIDデータを前記通信部を用いて送信するID問合せ手段と、
前記ID問合せ手段のレスポンスとして通信部が受信した詳細情報を取得する詳細情報受信手段とを備え、
現在の実行モードがパッシブタグID受信モードである場合は、前記R/Wデバイス部がパッシブ型タグのID受信に成功した際、
前記制御部は、受信したIDデータを記憶部に格納し、前記ID問合せ手段は前記記憶部に格納されたIDデータを読出して前記通信部を用いてサーバに送信し、
前記詳細情報受信手段は、前記受信部が受信した詳細データを前記記憶部に格納し、前記表示部で詳細データを表示するように前記制御部に指示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項9】
請求項1乃至8に記載の携帯情報端末において、
ユーザへID受信を通知する出力部を備え、
前記R/Wデバイス部がID受信に成功した場合、
前記制御部は、前記出力部に対してユーザにID受信を伝える旨の制御を行うことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項10】
請求項1乃至9に記載の携帯情報端末において、
ユーザからの要求を受け付ける入力部を備え、
前記入力部によってIDデータの問い合わせ要求を受けた場合に、
前記ID問合せ手段は、前記記憶部に格納されたIDデータを読出して前記通信部を用いてサーバに送信することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項11】
請求項1乃至8に記載の携帯情報端末において、
前記実行モード切替手段に対して切替えるタイミングを通知する実行タイミング調整手段を備え、
前記実行タイミング調整手段は、前記記憶部からパッシブタグID受信モード、アクティブ型親機モード、アクティブ型子機モードの間を切替えるまでの切替待ち時間を読出して、前記切替待ち時間だけ待機した後、前記実行モード切替手段に次の実行モードへの切替要求通知を行うことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項12】
請求項1乃至11に記載の携帯情報端末において、
前記実行モード切替手段に対して切替えるタイミングを通知する実行タイミング調整手段を備え、
前記実行タイミング調整手段は、前記記憶部からパッシブタグID受信モードもしくはアクティブ型親機モード、アクティブ型子機モードにおける通信継続時間を読出して、前記通信継続時間だけ読取り中のまま経過させた後、前記実行モード切替手段に現在の実行モードの停止要求通知を行うことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項13】
請求項6乃至7に記載の携帯情報端末において、
前記実行タイミング調整手段は、前記記憶部からパッシブタグID受信モードもしくはクティブ型親機モード、アクティブ型子機モードの間を切替えるまでの前記切替待ち時間を読出して、前記切替待ち時間だけ待機した後、前記実行モード切替手段に次の実行モードへの切替要求通知を行い、
前記実行タイミング調整手段は、前記記憶部からパッシブタグID受信モードもしくはアクティブ型親機モード、アクティブ型子機モードにおける通信継続時間を読出して、前記通信継続時間だけ送受信中のまま経過させた後、前記実行モード切替手段に現在の実行モードの停止要求通知を行うことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項14】
請求項8に記載の携帯情報端末において、
前記R/Wデバイス部がID受信に成功した場合、
前記実行タイミング調整手段は、前記通信継続時間の値の代わりに、前記記憶部から成功時通信継続時間を読出して、前記成功時通信継続時間だけ待機した後、前記制御部に対して前記実行モード切替手段に現在の実行モードの停止要求通知を行い、前記記憶部から成功時待ち時間を読出して、前記成功時待ち時間だけ待機した後、前記制御部に対して前記実行モード切替手段に次の実行モードへの切替要求通知を行うことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項15】
請求項1乃至9に記載の携帯情報端末において、
RFID R/Wデバイス部で受信したIDデータの選別を行うIDフィルタ手段を備え、
前記R/Wデバイス部がID受信に成功し、前記通信継続時間もしくは前記成功時通信継続時間だけ延長された通信期間内でさらにID受信に成功した場合、
前記IDフィルタ手段は、その期間内に受信したすべてのIDデータについて前記記憶部に格納された受信済みIDデータとの照合を行い、既に受信してあるIDデータである場合は破棄し、未受信のIDデータである場合はパッシブ型タグのIDデータであるかアクティブ型のIDデータであるかの判定を行うことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項16】
請求項10に記載の携帯情報端末において、
前記IDフィルタ手段は、受信したIDデータがアクティブ型のIDデータである場合、前記通信期間内で受信した全てのIDデータの中から最大の受信信号強度をもつIDデータを抽出取得することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項17】
請求項2に記載の携帯情報端末において、
前記詳細情報受信手段により受信したデータを用いてR/Wデバイス部の設定を行うR/Wデバイス設定手段を備え、
前記詳細情報受信手段は、前記受信部が受信した詳細データを記憶部に格納し、
前記R/Wデバイス設定手段は、記憶部に格納された詳細データを用いて、携帯情報端末があるエリアのアクティブ実行モード設定をR/Wデバイス部に反映することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項18】
請求項3に記載の携帯情報端末において、
前記詳細情報受信手段により受信したデータを用いてR/Wデバイス部の各種設定を行うR/Wデバイス設定手段を備え、
前記詳細情報受信手段は、前記受信部が受信した詳細データを記憶部に格納し、前記R/Wデバイス設定手段は記憶部に格納された詳細データを用いて、携帯情報端末があるエリアのパッシブタグID受信モード設定をR/Wデバイス部に反映することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項19】
請求項3に記載の携帯情報端末において、
前記詳細情報受信手段により受信したデータを用いてR/Wデバイス部の各種設定を行うR/Wデバイス設定手段を備え、
前記詳細情報受信手段は、前記受信部が受信した詳細データを記憶部に格納し、
前記R/Wデバイス設定手段は、記憶部に格納された詳細データを用いて、携帯情報端末があるエリアのアクティブタグID送受信モード設定をR/Wデバイス部に反映することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項20】
請求項6乃至8に記載の携帯情報端末において、
前記実行タイミング調整手段は、前記記憶部に格納された詳細情報から切替可否情報を取得し、前記切替可否情報が切替不可を示す場合には、前記実行モード切替手段に次の実行モードへの切替要求を送信せずに待機することを特徴とする携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−208600(P2012−208600A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72284(P2011−72284)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願 (平成21年度 総務省「ユビキタス・プラットフォーム技術の研究開発(ユビキタス端末技術の研究開発)に関する研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】