説明

携帯端末のアンテナ装置および放送波を受信可能な無線機

【課題】アンテナ特性を組み合わせることにより、異なる周波数帯で使用可能な携帯端末のアンテナ装置を提供する。
【解決手段】ホイップアンテナ1は、接触金具5を介して給電部3と電気的に接続され、伸張時にUHF帯域以上で共振する。コイル状アンテナ2は、装置基板10に実装された周波数フィルタ4を介して給電部3と電気的に接続される。周波数フィルタ4は、VHF帯域で低いインピーダンスに設定され、コイル状アンテナ2に給電する。この構成により、UHF帯域以上では、外部のホイップアンテナ1が励振され、VHF帯域では、内蔵されたコイル状アンテナ2が主に励振されることにより、広い周波数帯域で送信または受信を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを組み合わせることにより、異なる周波数帯で使用可能な携帯端末のアンテナ装置に関し、さらには、UHF帯およびVHF帯を含むTV放送波とFM放送波とを受信可能な無線機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の携帯端末のアンテナ装置は、特許文献1(特開平5−304408号公報)に開示されるように、伸張時は高利得が得られるが、収縮時は利得が大きく劣化する伸縮式外部アンテナと、外部アンテナの収縮時よりは良好な利得を得やすいが伸張時よりは利得が不利な内蔵アンテナとを組み合わせることにより、送受信で良好な利得が得られ、2周波共用を可能としている。
【0003】
現在、市販されている無線機および受信機において、VHF帯域の周波数とUHF帯域の周波数に対応する場合、特に、VHF帯域の波長がかなり長いことから、ロッドアンテナ、ヘリカルアンテナ等が用いられる事が多い。
【0004】
また、携帯性を重視した無線機、小型受信機ではイヤホンをアンテナとして利用しているものも多い。
【0005】
特開平04−200047号公報(特許文献2)には、2つのイヤホンと携帯電話機の間に切換器に選択的に切り換えられる2対のアンテナを設ける構成が開示されている。
【0006】
特開昭61−281724号公報(特許文献3)には、イヤホンコードをダイバシティ受信用の第2のアンテナとして用いる構成が開示されている。
【0007】
特開2002−314450号公報(特許文献4)には、イヤホンワイヤを2つのアンテナとして使用し、一方による受信を行なっているときに受信不良が生じると他方に切り換える構成が開示されている。
【特許文献1】特開平5−304408号公報
【特許文献2】特開平04−200047号公報
【特許文献3】特開昭61−281724号公報
【特許文献4】特開2002−314450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、VHF帯域とUHF帯域はかなり離れており、無線機に取付けられているアンテナでは、それぞれのアンテナ特性を同時に満たすことは困難である。
【0009】
上述した従来技術のうち、特許文献1に記載のものでは、伸縮式外部アンテナと内蔵アンテナとを組み合わせることにより2周波共用を可能とし、送受信で良好な利得が得られるが、例えば、VHF帯域の周波数とUHF帯域の周波数との両方に対応する場合、それぞれの周波数帯でアンテナ特性を同時に満たすことが難しいという問題がある。
【0010】
また、アンテナ特性にはその長さが重要な要素を占めており、特許文献2および特許文献4に記載のものでは、2対のアンテナの長さを大きく変えることが難しく、様々な放送波を受信することは困難であることが予想される。
【0011】
特許文献3に記載のものは、ダイバシティ受信を行なう際に用いられるものであり、様々な放送波を受信することは困難であることが予想される。
【0012】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、上記のような従来の欠点を除去するため、高い周波数では収納可能な外部アンテナ(ホイップアンテナまたはヘリカルアンテナ)により、低い周波数では外部アンテナと内蔵アンテナとを組み合わせることにより、広い周波数帯域で動作が可能な携帯端末のアンテナ装置を提供することにある。
【0013】
また、イヤホンが使用される場合に、より良いアンテナ特性が得られる無線機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の携帯端末のアンテナ装置は、無線基地局と通信を行う携帯端末のアンテナ装置であって、
携帯端末の筐体から伸張可能な第1のアンテナと、
携帯端末の筐体に収納された第2のアンテナと、
周波数フィルタとを有し、
前記第1のアンテナが単独で機能する状態と、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナが前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることで機能する状態とを有することにより、2つの周波数で使用可能なアンテナとして動作することを特徴とする。
【0015】
この場合、前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能することとしてもよい。
【0016】
また、前記第1のアンテナは前記周波数フィルタを介さずに前記給電部に接続されることとしてもよい。
【0017】
本発明の他の形態による携帯端末のアンテナ装置は、無線基地局と通信を行う携帯端末のアンテナ装置であって、
携帯端末の筐体に収納可能な第1のアンテナと、
携帯端末の筐体に収納された第2のアンテナとを有し、
前記第1のアンテナの先端部分には前記第1のアンテナと電気的に絶縁された第3のアンテナが設けられ、
前記第2のアンテナのみ周波数フィルタを介して給電部に接続されることを特徴とする。
【0018】
この場合、前記第1のアンテナまたは前記第3のアンテナは、前記周波数フィルタを介さずに前記給電部に接続されることとしてもよい。
【0019】
また、前記第3のアンテナがヘリカルアンテナであるとしてもよい。
【0020】
また、前記第2のアンテナは、コイル状アンテナであるとしてもよい。
【0021】
また、前記コイル状アンテナは、前記第1のアンテナを収納する空間を有するとしてもよい。
【0022】
また、前記第2のアンテナは、メアンダラインアンテナであるとしてもよい。
【0023】
また、前記メアンダラインアンテナは、前記第1のアンテナを収納する空間を有するとしてもよい。
【0024】
また、前記第2のアンテナと前記給電部が同じ基板に固定されることとしてもよい。
【0025】
また、前記第2のアンテナは、前記第1のアンテナを収納する空間を有するように半円筒形状または逆さU字状に成形され、基板の表面に沿って固定されたメアンダラインアンテナであり、前記第1のアンテナを収容できる位置にあるとしてもよい。
【0026】
また、前記第2のアンテナは、細長い形状であり、その長手方向に直交する断面は半円筒形またはU字形とされ、その半円筒形またはU字形の開放側が基板に固定されて、前記第1のアンテナを収納する空間を形成することとしてもよい。
【0027】
また、前記第1のアンテナは、ホイップアンテナであり、伸張された時、給電部に接続されることとしてもよい。
【0028】
また、前記第3のアンテナが機能する状態と、前記第1のアンテナが収納された時に前記第3のアンテナが前記第2のアンテナとともに機能する状態とを有することにより、2つの周波数で使用可能なアンテナとして動作することとしてもよい。
【0029】
また、前記第3のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第2のアンテナは、前記第3のアンテナとともにVHF帯域以下の周波数に対して機能することとしてもよい。
【0030】
また、前記周波数フィルタは、UHF帯域の周波数に対するインピーダンスが十分高く、VHF帯域の周波数に対するインピーダンスが十分低いインピーダンスとなるよう機能することとしてもよい。
【0031】
本発明の携帯端末は上記のいずれかに記載のアンテナ装置を備えている。
【0032】
本発明の放送波を受信可能な無線機は、携帯電話機の使用帯域の電波を送受信可能であり、UHF帯およびVHF帯を含むTV放送波とFM放送波とを受信可能なアンテナ装置であって、請求項1乃至請求項18のいずれかに一項に記載の構成を備えたアンテナ装置と、
イヤホンコネクタと、
受信されたUHF帯およびVHF帯を含むTV放送波とFM放送波とを復調可能なTV/FM受信部と、
前記アンテナ装置により受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波およびFM放送波とに分離する周波数分配器と、
前記周波数分配器により分離されたTV放送波およびFM放送波の出力端とイヤホンコネクタのいずれかを前記TV/FM受信部に選択的に接続する切換部とを有する。
【0033】
本発明の他の形態による放送波を受信可能な無線機は、携帯電話機の使用帯域の電波の送受信、UHF帯およびVHF帯を含むTV放送波を受信可能なアンテナ装置であって、上記のいずれかに記載の構成を備えたアンテナ装置と、
イヤホンコネクタと、
受信されたUHF帯、VHF帯の少なくとも一方を含む放送波を受信可能な受信部と、
前記アンテナ装置により受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、放送波とに分離する周波数分配器と、
前記周波数分配器により分離された放送波の出力端とイヤホンコネクタのいずれかを前記受信部に選択的に接続する切換部とを有する。
【0034】
この場合、前記イヤホンコネクタは、アンテナとして動作可能なイヤホンを接続可能であるとしてもよい。
【0035】
本発明の他の形態による無線機は、無線基地局と通信を行なう無線機であって、
VHF帯を通過させる周波数フィルタと、
無線機の筐体に備えられ、携帯電話機の使用帯域の電波を受信可能な第1のアンテナと、
無線機の筐体に収容され、TV放送波を受信可能な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナとは直接接続され、前記第2のアンテナとは前記周波数フィルタを介して接続する給電部と、
前記給電部と接続され、第1のアンテナおよび前記第2のアンテナにより受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波とに分離する周波数分配器と、
TV放送波を受信可能な受信部と、
イヤホンコネクタと、
前記イヤホンコネクタへのアンテナ機能を内蔵するイヤホンの接続状態を検出するイヤホン検出部と、
前記受信部がVHF帯の放送波の受信状態のときに前記イヤホン検出部が前記イヤホンコネクタに前記イヤホンが接続されていることを検出した場合には前記イヤホンコネクタを前記受信部に接続する切換部とを有し、
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能する。
【0036】
本発明の他の形態による無線機は、無線基地局と通信を行なう無線機であって、
VHF帯を通過させる周波数フィルタと、
無線機の筐体に備えられ、携帯電話機の使用帯域の電波を受信可能な第1のアンテナと、
無線機の筐体に収容され、TV放送波を受信可能な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナとは直接接続され、前記第2のアンテナとは前記周波数フィルタを介して接続する給電部と、
前記給電部と接続され、第1のアンテナおよび前記第2のアンテナにより受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波とに分離する周波数分配器と、
TV放送波を受信可能な受信部と、
イヤホンコネクタと、
前記イヤホンコネクタへのアンテナ機能を内蔵するイヤホンの接続状態を検出するイヤホン検出部と、
前記受信部がUHF帯の放送波の受信状態のときには前記周波数分配器のTV放送波の出力端を前記受信部に接続する切換部とを有し、
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能する。
【0037】
本発明の他の形態による無線機は、無線基地局と通信を行なう無線機であって、
VHF帯を通過させる周波数フィルタと、
無線機の筐体に備えられ、携帯電話機の使用帯域の電波を受信可能な第1のアンテナと、
無線機の筐体に収容され、TV放送波を受信可能な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナとは直接接続され、前記第2のアンテナとは前記周波数フィルタを介して接続する給電部と、
前記給電部と接続され、第1のアンテナおよび前記第2のアンテナにより受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波とに分離する周波数分配器と、
TV放送波を受信可能な受信部と、
イヤホンコネクタと、
前記イヤホンコネクタへのアンテナ機能を内蔵するイヤホンの接続状態を検出するイヤホン検出部と、
前記受信部がVHF帯の放送波の受信状態であり、前記イヤホン検出部が前記イヤホンコネクタに前記イヤホンが接続されていることを検出しない場合には前記周波数分配器のTV放送波の出力端を前記受信部に接続する切換部とを有し、
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能する。
【0038】
本発明の他の形態による無線機は、無線基地局と通信を行なう無線機であって、
VHF帯を通過させる周波数フィルタと、
無線機の筐体に備えられ、携帯電話機の使用帯域の電波を受信可能な第1のアンテナと、
無線機の筐体に収容され、TV放送波を受信可能な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナとは直接接続され、前記第2のアンテナとは前記周波数フィルタを介して接続する給電部と、
前記給電部と接続され、第1のアンテナおよび前記第2のアンテナにより受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波とに分離する周波数分配器と、
TV放送波を受信可能な受信部と、
イヤホンコネクタと、
前記イヤホンコネクタへのアンテナ機能を内蔵するイヤホンの接続状態を検出するイヤホン検出部と、
前記受信部がVHF帯の放送波の受信状態のときに前記イヤホン検出部が前記イヤホンコネクタに前記イヤホンが接続されていることを検出した場合には前記イヤホンコネクタを前記受信部に接続し、前記受信部がUHF帯の放送波の受信状態のときには前記周波数分配器のTV放送波の出力端を前記受信部に接続し、前記受信部がVHF帯の放送波の受信状態のときで前記イヤホン検出部が前記イヤホンコネクタにイヤホンが接続されていることを検出しない場合には前記周波数分配器のTV放送波の出力端を前記受信部に接続する切換部とを有し、
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能する。
【0039】
この場合、前記第1のアンテナの先端部分に、前記第1のアンテナと電気的に絶縁された第3のアンテナが設けられるとしてもよい。
【0040】
また、前記第1のアンテナはホイップアンテナであり、伸張された時に給電部に接続されるとしてもよい。
【0041】
また、前記第1のアンテナが単独で機能する状態と、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナが前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることで機能する状態とを有することにより2つの周波数で使用可能なアンテナとして動作するとしてもよい。
【0042】
また、前記第2のアンテナはコイル状アンテナであるとしてもよい。
【0043】
また、前記第2のアンテナはメアンダラインアンテナであるとしてもよい。
【0044】
また、前記第3のアンテナはヘリカルアンテナであるとしてもよい。
【0045】
また、前記第3のアンテナが単独で機能する状態と、前記第1のアンテナが収納されたときに前記第3のアンテナが前記第2のアンテナとともに機能する状態とを有することにより、2つの周波数で使用可能なアンテナとして動作するとしてもよい。
【0046】
また、前記第3のアンテナは単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第2のアンテナは前記第3のアンテナとともにVHF帯域以下の周波数に対して機能するとしてもよい。
【発明の効果】
【0047】
それぞれ異なる周波数に対応する複数のアンテナと、複数のアンテナの使用状況を周波数に応じて切換える切換手段とを有することにより良好な受信動作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
次に、本発明を実施するための最良の形態の動作について図面を参照して説明する。
【0049】
実施例1
図1は、本発明による第1の実施例の要部構成を示す斜視図である。
【0050】
本実施例は、携帯端末の装置基板10と、接触金具5と、給電部3と、ホイップアンテナ1と、周波数フィルタ4と、内蔵のコイル状アンテナ2とより構成されている。
【0051】
ホイップアンテナ1は、接触金具5介して給電部3と電気的に接続される。周波数フィルタ4は装置基板10に実装され、コイル状アンテナ2は周波数フィルタ4を介して給電部3と電気的に接続される。
【0052】
本実施例においては、UHF帯域(300MHz〜3GHz)以上の高い周波数の場合にはホイップアンテナ1が伸張されて使用され、アンテナとして動作する。周波数フィルタ4はVHF帯域を通過させるもので、UHF帯域以上の周波数に対するインピーダンス値が十分大きく設定されていることにより、内蔵のコイル状アンテナ2は励振されない。このため、UHF帯域以上の高い周波数ではホイップアンテナ1のみがアンテナとして動作することになる。
【0053】
一方、周波数フィルタ4はVHF帯域(30〜300MHz)以下の周波数に対するインピーダンスは小さなものであるため、VHF帯域以下の周波数ではホイップアンテナ1と内蔵のコイル状アンテナ2とが接続された状態でアンテナとして動作する。
【0054】
上記の構成により、UHF帯域以上の周波数ではホイップアンテナ1による受信動作が行われ、VHF帯域以下の周波数においてはホイップアンテナ1および内蔵のコイル状アンテナ2による2つの共振状態を有するアンテナによる受信動作が行われることとなり、UHF帯域からVHF帯域に渡る広い周波数帯でのアンテナ動作が可能となる。
【0055】
ここで、周波数フィルタ4は、使用周波数帯域に応じて、インダクタンスまたはローパスフィルタを用いることができる。
【0056】
上記のように構成される本実施例において、受信周波数に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
実施例2
図3は本発明による第2の実施例の要部構成を示す斜視図である。
【0059】
本実施例は、図1に示した第1の実施例の構成に加えて、ホイップアンテナ1の先端に取りつけられたヘリカルアンテナ6が設けられている点が第1の実施例と異なっている。ヘリカルアンテナ6は絶縁体を含む接続部材8を介してホイップアンテナ1の先端に取りつけられており、ホイップアンテナ1とは電気的に絶縁されている。
【0060】
図2にはホイップアンテナ1が伸長された場合が示されている。この状態では、図1に示した第1の実施例と同様に、周波数フィルタ4のインピーダンス値を適宜選定することにより、UHF帯域以上の高い周波数ではホイップアンテナ1のみがアンテナとして動作し、VHF帯域以下の周波数ではホイップアンテナ1と内蔵のコイル状アンテナ2とが接続されたアンテナとして動作する。このように、2つの共振状態を有するアンテナとして動作する。
【0061】
一方、図3に示されるように、ホイップアンテナ1が収納された場合、ホイップアンテナ1の先端に取り付けられたヘリカルアンテナ6が接触金具5を介して電気的に給電部3と接続されることにより、UHF帯域以上の高い周波数ではヘリカルアンテナ6のみがアンテナとして動作し、VHF帯域以下の周波数ではヘリカルアンテナ6と内蔵のコイル状アンテナ2とが励振されて2つの共振状態を有するアンテナとして動作させることができる。
【0062】
上記の構成により、ホイップアンテナ1が伸長しているときはホイップアンテナ1とコイル状アンテナ2との組合せによって第1の実施例と同等の特性を得ることができ、ホイップアンテナ1を収納した場合には、ヘリカルアンテナ6とコイル状アンテナ2との組合せによる特性が得られることとなり、ホイップアンテナ1の伸長時/収納時の両面で所要の帯域を得ることができる。
【0063】
次に、第2の実施例におけるホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6に関する具体的な構成例について図4ないし図8を参照して説明する。
【0064】
図4および図5は、ホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6が組み合わされたアンテナの構造を示す断面図、図6は図4および図5中のホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6の接続構造を示す部分拡大断面図、図7および図8はホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6が装着された携帯端末31の内部構成を示す断面図である。
【0065】
図4および図5に示すように、ヘリカルアンテナ6の周囲はカバー27によって覆われている。ホイップアンテナ1は、筐体20に設けられ伸張時の電気長がλ/2(1/2波長)の伸張収納可能なアンテナである。
【0066】
ホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6はヘリカルアンテナ6の端部に設けられたヘリカルアンテナ給電部23を介して接続される。その接続部分は図6に示すように、ヘリカルアンテナ給電部23内部に設けられた空隙にホイップアンテナ1端部に取り付けられた止め金29が収容され、これにより接続が図られている。ホイップアンテナ1端部および止め金29の周囲には、図2および図3に示した接続部材8に相当する絶縁体28が設けられており、ホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6は電気的に絶縁された状態とされている。
【0067】
ホイップアンテナ1およびヘリカルアンテナ6は携帯端末の筐体32に設けられたアンテナ保持金具26により支持される。図4に示されるホイップアンテナ1が筐体32から突出した状態の時にはホイップアンテナ1と電気的に接続するホイップアンテナ給電部25がアンテナ保持金具26と接触してホイップアンテナ1とアンテナ保持金具26が導通状態となり、図5に示すようにホイップアンテナ1が筐体32に収容された状態のときにはヘリカルアンテナ6と電気的に接続するヘリカルアンテナ給電部23がアンテナ保持金具26と接触してヘリカルアンテナ6とアンテナ保持金具26が導通状態とされる。
【0068】
図7および図8に示されるように、携帯端末31の筐体32の上端部に設けられたホイップアンテナ1は、接触金具5、給電部3を介して無線回路34に接続されている。なお、給電部3に接続する接触金具5は、常に図4に示されるアンテナ保持金具26と接触している。
【0069】
次に、このホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6の動作について説明する。
【0070】
図4および図7に示すように、ホイップアンテナ1伸張時には、ホイップアンテナ給電部25より給電される。一方、図5および図8に示すように、ホイップアンテナ1が筐体32に収納されているときには、ホイップアンテナ1はヘリカルアンテナ給電部23に絶縁体28を介して結合されているので、収納されたホイップアンテナ1が給電部3と電気的に切り離され、ヘリカルアンテナ給電部23よりヘリカルアンテナ6のみに給電され、電気長が、例えばλ/2やλ/4のヘリカルアンテナ単体として動作する。
【0071】
上述した第1および第2の実施例では、円筒形状に成形されたコイル状アンテナ2が使用され、ホイップアンテナ1を収納する空間を確保するように構成されている。
【0072】
給電部3より切り離されたホイップアンテナ1をコイル状アンテナ2に備わる円筒形状の空間に納めることにより、装置内部の空間の増加を抑えることができる。
【0073】
上記のように構成される本実施例において、受信周波数に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を、アンテナ伸張時、アンテナ収容時に分けて表2−1、2−2に示す。
【0074】
【表2】

【0075】
実施例3
図9は本発明による第3の実施例の構成を示す斜視図である。
【0076】
本実施例は内蔵されるアンテナとして、第1の実施例で使用されていたコイル状アンテナ2に代えてメアンダラインアンテナ7を装置基板10上に形成したものである。この点以外は図1に示した実施例と同じである。
【0077】
図9に示す構成において、内蔵されるアンテナをメアンダラインアンテナ7として給電部3と同一の基板上に固着することにより、装置内部の空間の増加を抑えることができる。なお、メアンダ状エレメントは、導体または回路パターンで構成することができる。
【0078】
上記のように構成される本実施例において、受信周波数に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表3に示す。
【0079】
【表3】

【0080】
実施例4
図10は本発明による第4の実施例の構成を示す斜視図である。
【0081】
本実施例は内蔵されるアンテナとして、第1の実施例で使用されていたコイル状アンテナ2に代えて、半円筒形状または断面逆さU字形状のメアンダ状アンテナ8を装置基板10上に形成したものである。この点以外は図1に示した実施例と同じである。
【0082】
図示するように、メアンダ状アンテナ8は、細長い形状であり、その長手方向に直交する断面は半円筒形またはU字形とされ、その半円筒形またはU字形の開放側が基板に固定されて、ホイップアンテナ1を収納する空間を形成する。
【0083】
図10に示す構成において、内蔵されるアンテナを半円筒形状または断面逆さU字形状のメアンダ状アンテナ8として基板上に固定することにより、備えられた空間にホイップアンテナ1を収納するなど、装置内部の空間を有効に活用することができる。
【0084】
上記のように構成される本実施例において、受信周波数に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表4に示す。
【0085】
【表4】

【0086】
実施例5
図11は本発明による第5の実施例の構成を示す斜視図である。
【0087】
本実施例は内蔵されるアンテナとして、第2の実施例で使用されていたコイル状アンテナ2に代えてメアンダラインアンテナ7を装置基板10上に形成したものである。この点以外は図2に示した実施例と同じである。
【0088】
図11に示す構成において、内蔵されるアンテナをメアンダラインアンテナ7として給電部3と同一の基板上に固着することにより、装置内部の空間の増加を抑えることができる。なお、メアンダ状エレメントは、導体または回路パターンで構成することができる。
【0089】
実施例6
図12は本発明による第6の実施例の構成を示す斜視図である。
【0090】
本実施例は内蔵されるアンテナとして、第2の実施例で使用されていたコイル状アンテナ2に代えて、半円筒形状または断面逆さU字形状のメアンダ状アンテナ8を装置基板10上に形成したものである。この点以外は図2に示した実施例と同じである。
【0091】
図12に示す構成において、内蔵されるアンテナを半円筒形状または断面逆さU字形状のメアンダ状アンテナ8として基板上に固定することにより、備えられた空間にホイップアンテナ1を収納するなど、装置内部の空間を有効に活用することができる。
【0092】
以上に説明したように、発明の携帯端末のアンテナ装置は、ホイップアンテナ1と、ホイップアンテナ1の先端に取り付けたヘリカルアンテナ6および内蔵アンテナのそれぞれのアンテナの共振周波数を適切に設定することにより、それぞれのアンテナ特性に応じて、ホイップアンテナ1の伸張時および収納時において、移動局送信周波数帯と移動局受信周波数帯とをカバーする2つの共振状態を有するアンテナとして動作を行わせることが可能となる。
【0093】
上述した第1ないし第6の実施例のいずれも図7および図8に示されるような携帯端末に設けられるものであり、本発明は第1ないし第6の実施例に示されるアンテナ装置を備える携帯端末を含む。
【0094】
上記各実施例による携帯端末のアンテナ装置によれば、収納可能なホイップアンテナ、ホイップアンテナの先端に設けたヘリカルアンテナおよび内蔵アンテナのそれぞれのアンテナ特性を組み合わせることにより、小型化を損なうことなく、UHF帯域の周波数とVHF帯域の周波数との両方に対応する2周波共用が可能となる効果がある。
【0095】
実施例7
次に、本発明の第7の実施例について図面を参照して説明する。
【0096】
図13は本発明の第7の実施例の携帯電話機100の要部構成を示すブロック図である。
【0097】
携帯電話機100は、携帯電話機としての機能の他に、FM放送およびTV放送の受信機能を備えるものである。携帯電話機100には、携帯電話用アンテナ101が設けられ、その筐体の内部には、FM/TVアンテナ102、イヤホンコネクタ107、切換部である切換スイッチ104、TV/FM受信部105および携帯電話機無線部106が設けられている。携帯電話機100は、VHF帯域のアンテナとして機能するVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン103を使用することを前提とするものであり図13には該VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン103が音声信号を出力するイヤホンコネクタ107に挿入されている状態が示されている。
【0098】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン103の構成としては、VHF帯用のアンテナを内蔵する構成や、イヤホンを構成するために使用されるケーブルをVHF帯用のアンテナとして兼用する構成が挙げられ、いずれの構成としてもよい。
【0099】
携帯電話機100には上記の各構成要素の他に、TV画像や携帯電話に関する情報を表示する表示装置や、音声を出力するスピーカ、動作を選択するための入力手段、携帯電話機能を実現するための手段などが設けられるが、これらは公知の技術で実現可能な一般的な構成であるために、図示することなく、説明は省略する。
【0100】
携帯電話用アンテナ101は携帯電話機の使用帯域の電波の送受信を行なうためのアンテナであり、FM/TVアンテナ102は、FM放送およびTVのVHF帯域およびUHF帯域を受信するためのアンテナである。切換スイッチ104は、FM/TVアンテナ102およびイヤホンコネクタ107と接続し、入力手段への入力内容に応じていずれかの線路(出力端)を選択的にTV/FM受信部105と接続する。携帯電話機無線部106は、携帯電話機として機能する際に携帯電話用アンテナ101を介して送受信を行なう。
【0101】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0102】
携帯電話機100の利用者が携帯電話として利用する際の動作は携帯電話機無線部106および携帯電話用アンテナ101によってのみ行なわれる。携帯電話機100の利用者がFM放送、TVのUHF放送またはVHF放送の視聴や聴取を行なう場合、その放送波帯域に応じて切換スイッチ104が選択する線路(出力端)を切り換え、使用するアンテナをFM/TVアンテナ102かVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン103のいずれかとする。これは、FM放送やTVのVHF帯のような低い周波数ではVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン103の方がアンテナ特性が良く、TVのUHF帯のような高い周波数ではFM/TVアンテナ102の方がアンテナ特性が良いためである。その理由を以下に示す。
【0103】
携帯電話機でより良いアンテナ特性を得るためには、受信する周波数の波長に対して、アンテナを含めてλ/2程度の筐体の長さが必要である。
【0104】
最近の一般的な小型携帯電話機の筐体長は、約十数cmであるため、アンテナを含めると、筐体の長さは約20cm程度となる。
【0105】
TVのUHF帯域の周波数は470〜770MHzであるから、1波長で約60〜40cm、λ/2で約30〜20cm程度となり、周波数の波長に対してλ/2に近い筐体長を確保できる。
【0106】
また、FM放送やTVのVHF帯域の周波数は76〜220MHzであるから、1波長で約400〜140cm、λ/2で約200〜70cm程度となり、周波数の波長に対してλ/10程度となってしまう為、アンテナ特性は劣化してしまう。
【0107】
一方、小型携帯電話機で使用されるイヤホンは、長さが約100〜150cmあり、λ/2に近い長さを確保できるため、イヤホンをアンテナとして使用するとFM放送やTVのVHF帯域では、小型携帯電話機の筐体に内蔵、もしくは取付けられたFM、TVアンテナよりも、より良いアンテナ特性を得ることができる。
【0108】
逆に、イヤホンをTVのUHF帯域のアンテナとして使用すると、イヤホンの長さは、約5λ程度にもなり、逆相成分の電流により、多くのサイドローブが出てしまうため、アンテナの放射特性として好ましくない特性となる。
【0109】
移動することが前提の携帯電話機では、安定した受信状態を得るため、サイドローブの無い、よりブロードな放射特性が好ましい。
【0110】
以上により、本実施形態の構成により使用する周波数の波長によって、最適なアンテナを使用することが可能となり、良好な受信動作を行うことができる。
【0111】
さらに、TV/FM受信部105はUHF放送波のみの復調、VHF放送波のみの復調を行なうものとしてもよい。
【0112】
切換スイッチ104の構成についていうと、機械的な切換えを行なうスイッチを使用してもよいが、これに限定されるものではなく電子的なスイッチを用いてもよい。各アンテナ線路に減衰器を設け、一方のアンテナからの信号は減衰させ、他方のアンテナからの信号は減衰させることなく通過させるなどにより、使用する信号のアンテナを選択することができ、切り換えスイッチ104として使用することができる。
【0113】
実施例8
図14は本発明の第8の実施例の要部構成を示す図である。
【0114】
本実施例の携帯電話機200を構成する、切換スイッチ204、TV/FM受信部205、携帯電話機無線部206、イヤホンコネクタ207および該イヤホンコネクタ207に接続されるVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン203のそれぞれは、図13に示した、切換スイッチ104、TV/FM受信部105、携帯電話機無線部106、イヤホンコネクタ107およびVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン103と同様のものであるため、説明は省略する。
【0115】
本実施例においては、第7の実施例では携帯電話機の使用帯域の電波の送受信を行なうために用いられていた携帯電話用アンテナ101を、携帯電話機の使用帯域の電波の送受信に加えてFM放送およびTVのVHF帯域およびUHF帯域を受信を行なう携帯電話/TV/FM共用アンテナ201としたものである。
【0116】
携帯電話/TV/FM共用アンテナ201のアンテナ出力は、携帯電話機無線部206における送受信動作をTV/FM受信部における受信動作に用いられるが、携帯電話/TV/FM共用アンテナ201はFM放送やTV帯のような低い周波数(770MHz以下)の放送波と携帯電話機が使用する高い周波数(800MHz以上)の無線波を送受信または受信するものであるため、携帯電話/TV/FM共用アンテナ201のアンテナ出力は周波数分配器208に送られ、FM放送やTV帯のような低い周波数の放送波を切換スイッチ204に送出し、携帯電話機が使用する高い周波数の無線波を携帯電話機無線部206に送出する。これにより、携帯電話機無線部206とTV/FM受信部206で相互干渉が生じることはない。この他の構成および動作は図13に示した第7の実施例と同様である。
【0117】
上記のように構成される本実施例においては、最適なアンテナを使用して良好な受信動作を行うことができることに加えて、筐体内にある程度の長さを必要とするFM放送やTV用のアンテナを設ける必要がなくなり、装置構成を簡略化し、また、小型化することができる。
【0118】
実施例9
図15は本発明の第9の実施例の要部構成を示す図である。
【0119】
本実施例の携帯電話機300を構成する、携帯電話用アンテナ301、FM/TVアンテナ302、切換スイッチ304、TV/FM受信部305、携帯電話機無線部306、イヤホンコネクタ307に接続されるVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303のそれぞれは、図13に示した、携帯電話用アンテナ101、FM/TVアンテナ102、切換スイッチ104、TV/FM受信部105、携帯電話機無線部106およびVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン103と同様のものであるため、説明は省略する。
【0120】
本実施例は、これらの構成に加えて、イヤホンコネクタ307へのVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303の装着状態を検出し、該装着状態に応じて切換スイッチ304の切換状態を制御するイヤホン検出部308を設けたものである。
【0121】
本実施例におけるイヤホンコネクタ307は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303が装着されているかを示す検出信号S301をイヤホン検出部308へ出力する。イヤホン検出部308は検出信号S301の他に、現在の携帯電話機300の動作状態を示す信号(不図示)を入力し、携帯電話機300がTVのVHF放送またはFM放送を受信しており、また、検出信号S301がイヤホンコネクタ307にVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303が装着されていることを示すものである場合に切換スイッチ104が選択する線路をイヤホンコネクタ307と接続する線路に切り換える旨の切換信号S302を切換スイッチ304へ出力する。切換スイッチ304はこれに応じて、選択する線路をイヤホンコネクタ307と接続する線路とし、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303を使用した視聴が行なわれる。
【0122】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303がイヤホンコネクタ307に接続されている状態で、TVのVHF放送またはFM放送を受信していることを示す信号がイヤホン検出部308に入力したときには、イヤホン検出部308は切換スイッチ304をVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303に切換える。また、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303がイヤホンコネクタ307に接続されている状態で、TVのUHF放送を受信していることを示す信号がイヤホン検出部308に入力したときには、イヤホン検出部308は切換スイッチ304をVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303側に切換えず、FM/TVアンテナ302に接続した状態とする。
【0123】
また、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303が接続されていない場合、イヤホン検出部308は切換スイッチ304をVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303側に切換えず、FM/TVアンテナ302に接続した状態とすることとなる。したがって、この場合には、FM/TVアンテナ302ですべての放送波を受信し、TV/FM受信部305に出力することとなる。
【0124】
上記のように構成される本実施例においては、最適なアンテナを使用して良好な受信動作を行うことができることに加えて、この動作が自動的に行われるため、利用者の使用性が向上したものとなる。
【0125】
上記のように構成される本実施例において、携帯電話機300の状態に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表5に示す。
【0126】
【表5】

【0127】
実施例10
図16は本発明の第10の実施例の要部構成を示す図である。
【0128】
本実施例の携帯電話機400を構成する、携帯電話用アンテナ401、FM/TVアンテナ402、切換スイッチ404、TV/FM受信部405、携帯電話機無線部406、イヤホンコネクタ407、イヤホンコネクタ407に接続されるVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403のそれぞれは、図15に示した、携帯電話用アンテナ301、FM/TVアンテナ302、切換スイッチ304、TV/FM受信部305、携帯電話機無線部306、イヤホンコネクタ307、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303と同様のものであるため、説明は省略する。
【0129】
本実施例においては、切換スイッチ404とTV/FM受信部405との間にインピーダンス切換え部409が設けられている。インピーダンス切換え部409は、FM/TVアンテナ404による受信を行なっているときと、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403による受信を行なっているそれぞれの状態において、受信状態を最適化するために設けられたもので、そのインピーダンスが切換可能に構成されている。
【0130】
本実施例におけるイヤホンコネクタ407は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403が装着されているかを示す検出信号S401をイヤホン検出部408へ出力し、イヤホン検出部408は検出信号S401と、現在の携帯電話機400の動作状態を示す信号に応じて切換信号S402を切換スイッチ404へ出力する。ここまでの動作は、図15に示した第9の実施例と同様であるが、本実施例におけるイヤホン検出部408は、切換信号S402と同じ内容の切換信号S403をインピーダンス切換え部409へ出力する。インピーダンス切換え部409は切換信号S403により現在切換スイッチ404により選択されている線路を検出し、アンテナとしてFM/TVアンテナ404、または、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403のいずれが使用されているかを認識し、使用されているアンテナに適したインピーダンスに切り換える。
【0131】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403がイヤホンコネクタ407に接続されている状態で、TVのVHF放送またはFM放送を受信していることを示す信号がイヤホン検出部408に入力したときには、イヤホン検出部408は切換スイッチ404をVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403に切換える。また、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403がイヤホンコネクタ407に接続されている状態で、TVのUHF放送を受信していることを示す信号がイヤホン検出部408に入力したときには、イヤホン検出部408は切換スイッチ404をVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403側に切換えず、FM/TVアンテナ392に接続した状態とする。
【0132】
また、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403が接続されていない場合、イヤホン検出部408は切換スイッチ404をVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403側に切換えず、FM/TVアンテナ402に接続した状態とすることとなる。したがって、この場合には、FM/TVアンテナ402ですべての放送波を受信し、TV/FM受信部405に出力することとなる。
【0133】
上記のように構成される本実施例においては、最適なアンテナを使用して良好な受信動作を行うことができること、利用者の使用性が向上することに加えて、使用するアンテナの最適化を図ることができる。
【0134】
上記のように構成される本実施例において、携帯電話機400の状態に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表6に示す。
【0135】
【表6】

【0136】
実施例11
図17は本発明の第11の実施例の要部構成を示す図である。
【0137】
本実施例の携帯電話機500を構成する、切換スイッチ504、TV/FM受信部505、携帯電話機無線部506、イヤホンコネクタ507および該イヤホンコネクタ507に接続されるVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン503のそれぞれは、図14に示した、切換スイッチ204、TV/FM受信部205、携帯電話機無線部206、イヤホンコネクタ207およびVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン203と同様のものであるため、説明は省略する。
【0138】
本実施例においては、第8の実施例で携帯電話機の使用帯域の電波の送受信に加えてFM放送およびTVのVHF帯域およびUHF帯域を受信を行なう携帯電話/TV/FM共用アンテナ201を携帯電話/TV/FM共用アンテナ501とし、周波数フィルタ509および第2のアンテナ510とともに第1ないし第6の実施例に示した選択的に使用される複数のアンテナが組み合わされたアンテナ装置を実現したものである。
【0139】
携帯電話/TV/FM共用アンテナ501には図1に示したホイップアンテナ1や図2に示したホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6が組み合わされたものが用いられ、第2のアンテナ510には、図1に示したコイル状アンテナ2、図9に示したメアンダラインアンテナ7、図10に示したメアンダ状アンテナ8が用いられる。
【0140】
携帯電話/TV/FM共用アンテナ501のアンテナ出力は、携帯電話機無線部506における送受信動作とTV/FM受信部における受信動作に用いられるが、携帯電話/TV/FM共用アンテナ501はFM放送やTV帯のような低い周波数と、携帯電話機が使用する高い周波数を送受信または受信するものであるため、携帯電話/TV/FM共用アンテナ501のアンテナ出力(図1ないし図3および図8ないし図12に示した給電部3に相当)は周波数分配器508に送られ、FM放送やTV帯のような低い周波数と、携帯電話機が使用する高い周波数に分離される。周波数分配器508は、FM放送やTV帯のような低い周波数を切換スイッチ504に送出し、携帯電話機が使用する高い周波数を携帯電話機無線部506に送出する。これにより、携帯電話機無線部506とTV/FM受信部506で相互干渉が生じることはない。この他の構成および動作は図14に示した第8の実施例と同様である。
【0141】
本実施例の携帯電話機500では、利用者の選択動作により、UHF帯域の信号はVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン503の装着状態に関わらず携帯電話/TV/FM共用アンテナ501により受信される。VHF帯域の信号は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン503が装着されている場合にはVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン503により受信され、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン503が装着されていない場合には携帯電話/TV/FM共用アンテナ501および第2のアンテナ510により受信される。
【0142】
上記のように構成される本実施例において、携帯電話機500の状態に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表7に示す。
【0143】
【表7】

【0144】
上記のように構成される本実施例においては、イヤホンコネクタに接続されるイヤホンをアンテナとして使用する場合には、無線機に設けられるアンテナとイヤホンとの長さを異なるものとすることにより様々な電波に対応することが可能となり、複数放送波を良好に受信することができる効果がある。
【0145】
実施例12
図18は本発明の第12の実施例の要部構成を示す図である。
【0146】
本実施例の携帯電話機600を構成する、携帯電話用アンテナ601、FM/TVアンテナ602、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603、切換スイッチ604、TV/FM受信部605、携帯電話機無線部606、イヤホンコネクタ607およびイヤホン検出部608のそれぞれは図15に示した、携帯電話用アンテナ301、FM/TVアンテナ302、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン303、切換スイッチ304、TV/FM受信部305、携帯電話機無線部306、イヤホンコネクタ307およびイヤホン検出部308と同様のものであるため、説明は省略する。
【0147】
本実施例においては、TV/FM受信部605が受信する放送波を指示し、また、イヤホン検出部608が出力する検出内容を示す信号S603を入力し、その内容に応じて使用するアンテナを切り換える切換信号S602を切換スイッチ604へ出力する制御部609が設けられている。
【0148】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603がイヤホンコネクタ607に接続されていることをイヤホン検出部608で検出した場合、イヤホン検出部608はVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603がイヤホンコネクタに接続されていることを示す信号S603を制御部609に送る。制御部609は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603がイヤホンコネクタに接続されていることを示す信号S603を受け取ると、TV/FM受信部605に対して受信するように指示している放送波を確認し、TVのVHF放送またはFM放送を受信するように指示している場合には、切換スイッチ604に対し、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603に切り換える旨の切換信号S602を送り、切換スイッチ604はVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603に切り換える。
【0149】
また、制御部609は、切換部としての動作をも行うもので、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603がイヤホンコネクタに接続されていることを示す信号S603を受け取ったときにTVのUHF放送を受信するように指示している場合には、切換スイッチ604に対し、FM/TVアンテナ602に切り換える旨の切換信号S602を送り、切換スイッチ604はFM/TVアンテナ602側を維持する、あるいは、切り換え、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603側には切り換えない。
【0150】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン603がイヤホンコネクタに接続されていない場合は、制御部609は、切換スイッチ604に対し、FM/TVアンテナ602に切り換える信号を送っており、切換スイッチ604はFM/TVアンテナ602側を維持する。この場合、FM/TVアンテナ602ですべての放送波を受信しTV/FM受信部605に出力することとなる。
【0151】
上記のように構成される本実施例において、携帯電話機600の状態に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表8に示す。
【0152】
【表8】

【0153】
実施例13
図19は本発明の第13の実施例の要部構成を示す図である。
【0154】
本実施例の携帯電話機700を構成する、携帯電話用アンテナ701、FM/TVアンテナ702、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703、切換スイッチ704、TV/FM受信部705、携帯電話機無線部706、イヤホンコネクタ707、イヤホン検出部708およびインピーダンス切換え部709のそれぞれは図16に示した、携帯電話用アンテナ401、FM/TVアンテナ402、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン403、切換スイッチ404、TV/FM受信部405、携帯電話機無線部406、イヤホンコネクタ407、イヤホン検出部408およびインピーダンス切換え部409と同様のものであるため、説明は省略する。
【0155】
本実施例においては、TV/FM受信部705が受信する放送波を指示し、また、イヤホン検出部708が出力する検出内容を示す信号S703を入力し、その内容に応じて使用するアンテナを切り換える切換信号S702を切換スイッチ704へ出力する制御部709が設けられている。
【0156】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703がイヤホンコネクタ707に接続されていることをイヤホン検出部708で検出した場合、イヤホン検出部708はVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703がイヤホンコネクタに接続されていることを示す信号S703を制御部709に送る。制御部709は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703がイヤホンコネクタに接続されていることを示す信号S703を受け取ると、TV/FM受信部705に対して受信するように指示している放送波を確認し、TVのVHF放送またはFM放送を受信するように指示している場合には、切換スイッチ704に対し、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703に切り換える旨の切換信号S702を送り、切換スイッチ704はVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703に切り換える。
【0157】
また、制御部709は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703がイヤホンコネクタに接続されていることを示す信号S703を受け取ったときにTVのUHF放送を受信するように指示している場合には、切換スイッチ704に対し、FM/TVアンテナ702に切り換える旨の切換信号S702を送り、切換スイッチ704はFM/TVアンテナ702側を維持する、あるいは、切り換え、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703側には切り換えない。
【0158】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン703がイヤホンコネクタに接続されていない場合は、制御部709は、切換スイッチ704に対し、FM/TVアンテナ702に切り換える信号を送っており、切換スイッチ704はFM/TVアンテナ702側を維持する。この場合、FM/TVアンテナ702ですべての放送波を受信しTV/FM受信部705に出力することとなる。
【0159】
上記のように構成される本実施例において、携帯電話機700の状態に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表9に示す。
【0160】
【表9】

【0161】
実施例14
図20は本発明の第14の実施例の要部構成を示す図である。
【0162】
本実施例の携帯電話機800を構成する、携帯電話/TV/FM共用アンテナ801、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803、切換スイッチ804、TV/FM受信部805、携帯電話機無線部806、イヤホンコネクタ807、周波数分配器808、周波数フィルタ809および第2のアンテナ810のそれぞれは図17に示した、携帯電話/TV/FM共用アンテナ501、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン503、切換スイッチ504、TV/FM受信部505、携帯電話機無線部506、イヤホンコネクタ507、周波数分配器508、周波数フィルタ509および第2のアンテナ510と同様のものであるため、説明は省略する。
【0163】
本実施例は、上記の構成に加えて、イヤホンコネクタ807へのVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803の装着状態を検出するイヤホン検出部811と、TV/FM受信部805が受信する放送波を指示し、また、イヤホン検出部811の検出内容および現在受信している放送波に応じて切換スイッチ804の切換状態を制御する制御部812が設けられている。
【0164】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803がイヤホンコネクタ807に接続されていることをイヤホン検出部811で検出した場合、イヤホン検出部811はVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803がイヤホンコネクタ807に接続されていることを示す信号を制御部812に送る。制御部812は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803がイヤホンコネクタ807に接続されていることを示す信号を受け取ると、TV/FM受信部805に対して受信するように指示している放送波を確認し、TVのVHF放送またはFM放送を受信するように指示している場合には、切換スイッチ804に対し、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803に切り換える旨の切換信号を送り、切換スイッチ804はVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803側に切り換える。
【0165】
また、制御部812は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803がイヤホンコネクタ807に接続されていることを示す信号を受け取ったときにTVのUHF放送を受信するように指示している場合には、切換スイッチ804に対し、周波数分配器808出力線路に切り換える旨の切換信号を送り、切換スイッチ804は携帯電話/TV/FM共用アンテナ801側を維持する、あるいは、切り換え、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803側には切り換えない。
【0166】
VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803がイヤホンコネクタ807に接続されていない場合は、制御部812は、切換スイッチ804に対し、周波数分配器808に切り換える信号を送り、切換スイッチ804は周波数分配器808出力線路側を維持する。この場合、携帯電話/TV/FM共用アンテナ801ですべての放送波を受信しTV/FM受信部805に出力することとなる。
【0167】
上記のように構成される本実施例において、携帯電話機800の状態に応じて受信動作に用いられるアンテナの種類を表10に示す。
【0168】
【表10】

【0169】
表9に示されるように、本実施例の携帯電話機800では、UHF帯域の信号はVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803の装着状態に関わらず携帯電話/TV/FM共用アンテナ801により受信される。VHF帯域の信号は、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803が装着されている場合にはVHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803により受信され、VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン803が装着されていない場合には携帯電話/TV/FM共用アンテナ801により受信される。
【0170】
なお、図14、図17および図20に示した第8、第11および第14の実施例においては、携帯電話機に備えられるアンテナを携帯電話機の使用帯域の電波の送受信に加えてFM放送およびTVのVHF帯域およびUHF帯域を受信を行なう携帯電話/TV/FM共用アンテナとし、周波数分配器によりFM放送やTV帯のような低い周波数と、携帯電話機が使用する高い周波数に分離し、FM放送やTV帯のような低い周波数は切換スイッチへ出力し、携帯電話機が使用する高い周波数は携帯電話機無線部へ送出する構成としている。
【0171】
携帯電話機の使用帯域とFM放送やTV帯とが近いものである場合には、周波数分配器を設けることなく、携帯電話/TV/FM共用アンテナを直接切換スイッチおよび携帯電話機無線部に接続する構成としてもよい。このような構成とした場合には、構成を簡略化することができる。
【0172】
さらに、図14、図17および図20に示した構成に加えて、携帯電話/TV/FM共用アンテナから周波数分配器を介することなく、直接切換スイッチに接続する線路を設け、選択されているFM放送やTV帯と携帯電話機の使用帯域との周波数差が予め定められているしきい値よりも大きければ分配器を介した出力を切換スイッチが選択し、選択されているFM放送やTV帯と携帯電話機の使用帯域との周波数差が予め定められているしきい値よりも小さければ携帯電話/TV/FM共用アンテナに接続する線路を切換スイッチが選択するように構成してもよい。このときしきい値による判別および切換制御は切換スイッチ自体が行うものとしてもよく、また、このような制御を行う制御部を設けることとしてもよい。
【0173】
なお、上述した実施例のいずれにおいても、TV放送波はデジタル放送波を含み、FM放送波はFMラジオ放送波を含む。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】本発明による第1の実施例の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明による第2の実施例の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明による第2の実施例の構成を示す斜視図である。
【図4】ホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6が組み合わされたアンテナの構造を示す断面図である。
【図5】ホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6が組み合わされたアンテナの構造を示す断面図である。
【図6】図4および図5中のホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6の接続構造を示す部分拡大断面図である。
【図7】ホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6が装着された携帯端末31の内部構成を示す断面図である。
【図8】ホイップアンテナ1とヘリカルアンテナ6が装着された携帯端末31の内部構成を示す断面図である。
【図9】本発明による第3の実施例の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明による第4の実施例の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明による第5の実施例の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明による第6の実施例の構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の第7の実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第8の実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第9の実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第10の実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第11の実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第12の実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第13の実施例の要部構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第14の実施例の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0175】
1 ホイップアンテナ
2 コイル状アンテナ
3 給電部
4 周波数フィルタ
5 接触金具
6 ヘリカルアンテナ
7 メアンダラインアンテナ
8 メアンダ状アンテナ
10 装置基板
100,200,300,400,500 携帯電話機
101,301,401 携帯電話用アンテナ
102,302,402 FM/TVアンテナ
103,203,303,403,503 VHF帯用アンテナ内蔵イヤホン
104,204,304,404,504 切換スイッチ
105,205,305,405,505 TV/FM受信部
106,206,306,406,506 携帯電話機無線部
107,207,307,407,507 イヤホンコネクタ
201,501 携帯電話/TV/FM共用アンテナ
208,508 周波数分配器
408, イヤホン検出部
509 周波数フィルタ
510 第2のアンテナ
S301,S401 検出信号
S302,S402,S403 切換信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局と通信を行う携帯端末のアンテナ装置であって、
携帯端末の筐体から伸張可能な第1のアンテナと、
携帯端末の筐体に収納された第2のアンテナと、
周波数フィルタとを有し、
前記第1のアンテナが単独で機能する状態と、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナが前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることで機能する状態とを有することにより、2つの周波数で使用可能なアンテナとして動作することを特徴とする携帯端末のアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナは前記周波数フィルタを介さずに前記給電部に接続されることを特徴とする請求項2記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項4】
無線基地局と通信を行う携帯端末のアンテナ装置であって、
携帯端末の筐体に収納可能な第1のアンテナと、
携帯端末の筐体に収納された第2のアンテナとを有し、
前記第1のアンテナの先端部分には前記第1のアンテナと電気的に絶縁された第3のアンテナが設けられ、
前記第2のアンテナのみ周波数フィルタを介して給電部に接続されることを特徴とする携帯端末のアンテナ装置。
【請求項5】
前記第1のアンテナまたは前記第3のアンテナは、前記周波数フィルタを介さずに前記給電部に接続されることを特徴とする請求項4記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項6】
前記第3のアンテナがヘリカルアンテナであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項7】
前記第2のアンテナは、コイル状アンテナであることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項8】
前記コイル状アンテナは、前記第1のアンテナを収納する空間を有する請求項7記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項9】
前記第2のアンテナは、メアンダラインアンテナであることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項10】
前記メアンダラインアンテナは、前記第1のアンテナを収納する空間を有する請求項9記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項11】
前記第2のアンテナと前記給電部が同じ基板に固定されることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項12】
前記第2のアンテナは、前記第1のアンテナを収納する空間を有するように半円筒形状または逆さU字状に成形され、基板の表面に沿って固定されたメアンダラインアンテナであり、前記第1のアンテナを収容できる位置にあることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項13】
前記第2のアンテナは、細長い形状であり、その長手方向に直交する断面は半円筒形またはU字形とされ、その半円筒形またはU字形の開放側が基板に固定されて、前記第1のアンテナを収納する空間を形成することを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項14】
前記第1のアンテナは、ホイップアンテナであり、伸張された時、給電部に接続されることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項15】
前記第3のアンテナが機能する状態と、前記第1のアンテナが収納された時に前記第3のアンテナが前記第2のアンテナとともに機能する状態とを有することにより、2つの周波数で使用可能なアンテナとして動作することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項16】
前記第3のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第2のアンテナは、前記第3のアンテナとともにVHF帯域以下の周波数に対して機能することを特徴とする請求項15記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項17】
前記周波数フィルタは、UHF帯域の周波数に対するインピーダンスが十分高く、VHF帯域の周波数に対するインピーダンスが十分低いインピーダンスとなるよう機能することを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の携帯端末のアンテナ装置。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17のいずれかに記載のアンテナ装置を備えた携帯端末。
【請求項19】
携帯電話機の使用帯域の電波を送受信可能であり、UHF帯およびVHF帯を含むTV放送波とFM放送波とを受信可能なアンテナ装置であって、請求項1乃至請求項18のいずれかに一項に記載の構成を備えたアンテナ装置と、
イヤホンコネクタと、
受信されたUHF帯およびVHF帯を含むTV放送波とFM放送波とを復調可能なTV/FM受信部と、
前記アンテナ装置により受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波およびFM放送波とに分離する周波数分配器と、
前記周波数分配器により分離されたTV放送波およびFM放送波の出力端とイヤホンコネクタのいずれかを前記TV/FM受信部に選択的に接続する切換部とを有する放送波を受信可能な無線機。
【請求項20】
携帯電話機の使用帯域の電波の送受信、UHF帯およびVHF帯を含むTV放送波を受信可能なアンテナ装置であって、請求項1乃至請求項18のいずれかに一項に記載の構成を備えたアンテナ装置と、
イヤホンコネクタと、
受信されたUHF帯、VHF帯の少なくとも一方を含む放送波を受信可能な受信部と、
前記アンテナ装置により受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、放送波とに分離する周波数分配器と、
前記周波数分配器により分離された放送波の出力端とイヤホンコネクタのいずれかを前記受信部に選択的に接続する切換部とを有する放送波を受信可能な無線機。
【請求項21】
請求項19または請求項20記載の放送波を受信可能な無線機において、
前記イヤホンコネクタは、アンテナとして動作可能なイヤホンを接続可能である放送波を受信可能な無線機。
【請求項22】
無線基地局と通信を行なう無線機であって、
VHF帯を通過させる周波数フィルタと、
無線機の筐体に備えられ、携帯電話機の使用帯域の電波を受信可能な第1のアンテナと、
無線機の筐体に収容され、TV放送波を受信可能な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナとは直接接続され、前記第2のアンテナとは前記周波数フィルタを介して接続する給電部と、
前記給電部と接続され、第1のアンテナおよび前記第2のアンテナにより受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波とに分離する周波数分配器と、
TV放送波を受信可能な受信部と、
イヤホンコネクタと、
前記イヤホンコネクタへのアンテナ機能を内蔵するイヤホンの接続状態を検出するイヤホン検出部と、
前記受信部がVHF帯の放送波の受信状態のときに前記イヤホン検出部が前記イヤホンコネクタに前記イヤホンが接続されていることを検出した場合には前記イヤホンコネクタを前記受信部に接続する切換部とを有し、
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能する無線機。
【請求項23】
無線基地局と通信を行なう無線機であって、
VHF帯を通過させる周波数フィルタと、
無線機の筐体に備えられ、携帯電話機の使用帯域の電波を受信可能な第1のアンテナと、
無線機の筐体に収容され、TV放送波を受信可能な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナとは直接接続され、前記第2のアンテナとは前記周波数フィルタを介して接続する給電部と、
前記給電部と接続され、第1のアンテナおよび前記第2のアンテナにより受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波とに分離する周波数分配器と、
TV放送波を受信可能な受信部と、
イヤホンコネクタと、
前記イヤホンコネクタへのアンテナ機能を内蔵するイヤホンの接続状態を検出するイヤホン検出部と、
前記受信部がUHF帯の放送波の受信状態のときには前記周波数分配器のTV放送波の出力端を前記受信部に接続する切換部とを有し、
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能する無線機。
【請求項24】
無線基地局と通信を行なう無線機であって、
VHF帯を通過させる周波数フィルタと、
無線機の筐体に備えられ、携帯電話機の使用帯域の電波を受信可能な第1のアンテナと、
無線機の筐体に収容され、TV放送波を受信可能な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナとは直接接続され、前記第2のアンテナとは前記周波数フィルタを介して接続する給電部と、
前記給電部と接続され、第1のアンテナおよび前記第2のアンテナにより受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波とに分離する周波数分配器と、
TV放送波を受信可能な受信部と、
イヤホンコネクタと、
前記イヤホンコネクタへのアンテナ機能を内蔵するイヤホンの接続状態を検出するイヤホン検出部と、
前記受信部がVHF帯の放送波の受信状態であり、前記イヤホン検出部が前記イヤホンコネクタに前記イヤホンが接続されていることを検出しない場合には前記周波数分配器のTV放送波の出力端を前記受信部に接続する切換部とを有し、
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能する無線機。
【請求項25】
無線基地局と通信を行なう無線機であって、
VHF帯を通過させる周波数フィルタと、
無線機の筐体に備えられ、携帯電話機の使用帯域の電波を受信可能な第1のアンテナと、
無線機の筐体に収容され、TV放送波を受信可能な第2のアンテナと、
前記第1のアンテナとは直接接続され、前記第2のアンテナとは前記周波数フィルタを介して接続する給電部と、
前記給電部と接続され、第1のアンテナおよび前記第2のアンテナにより受信された電波について、携帯電話機の使用帯域の電波と、TV放送波とに分離する周波数分配器と、
TV放送波を受信可能な受信部と、
イヤホンコネクタと、
前記イヤホンコネクタへのアンテナ機能を内蔵するイヤホンの接続状態を検出するイヤホン検出部と、
前記受信部がVHF帯の放送波の受信状態のときに前記イヤホン検出部が前記イヤホンコネクタに前記イヤホンが接続されていることを検出した場合には前記イヤホンコネクタを前記受信部に接続し、前記受信部がUHF帯の放送波の受信状態のときには前記周波数分配器のTV放送波の出力端を前記受信部に接続し、前記受信部がVHF帯の放送波の受信状態のときで前記イヤホン検出部が前記イヤホンコネクタにイヤホンが接続されていることを検出しない場合には前記周波数分配器のTV放送波の出力端を前記受信部に接続する切換部とを有し、
前記第1のアンテナは、単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナは、前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることでVHF帯域以下の周波数に対して機能する無線機。
【請求項26】
請求項22ないし請求項25のいずれかに記載の無線機において、
前記第1のアンテナの先端部分に、前記第1のアンテナと電気的に絶縁された第3のアンテナが設けられたことを特徴とする無線機。
【請求項27】
請求項22ないし請求項26のいずれかに記載の無線機において、
前記第1のアンテナはホイップアンテナであり、伸張された時に給電部に接続されることを特徴とする無線機。
【請求項28】
請求項22ないし請求項27のいずれかに記載の無線機において、
前記第1のアンテナが単独で機能する状態と、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナが前記周波数フィルタを経由して互いに接続されることで機能する状態とを有することにより2つの周波数で使用可能なアンテナとして動作することを特徴とする無線機。
【請求項29】
請求項22ないし請求項28のいずれかに記載の無線機において、
前記第2のアンテナはコイル状アンテナであることを特徴とする無線機。
【請求項30】
請求項22ないし請求項28のいずれかに記載の無線機において、
前記第2のアンテナはメアンダラインアンテナであることを特徴とする無線機。
【請求項31】
請求項26に記載の無線機において、
前記第3のアンテナはヘリカルアンテナであることを特徴とする無線機。
【請求項32】
請求項26または請求項31に記載の無線機において、
前記第3のアンテナが単独で機能する状態と、前記第1のアンテナが収納されたときに前記第3のアンテナが前記第2のアンテナとともに機能する状態とを有することにより、2つの周波数で使用可能なアンテナとして動作することを特徴とする無線機。
【請求項33】
請求項26、31、32のいずれかに記載の無線機において、
前記第3のアンテナは単独でUHF帯域以上の周波数に対して機能し、前記第2のアンテナは前記第3のアンテナとともにVHF帯域以下の周波数に対して機能することを特徴とする無線機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−135233(P2007−135233A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355385(P2006−355385)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【分割の表示】特願2004−258227(P2004−258227)の分割
【原出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】