説明

携帯端末装置

【課題】操作の安定性と携帯性が確保できる携帯端末装置を実現する。
【解決手段】携帯端末本体に設けられ発熱部品を冷却する吸気空気ファンと、この吸気空気ファンに一端が連通され他端が吸気口に連通される吸気孔と、前記携帯端末装置の底面に設けられた吸盤と、この吸盤に一端が連通され他端が前記吸気孔の途中に連通される吸盤連通孔と、この吸盤連通孔と前記吸気孔との接続部に設けられ電源ON時には前記吸気孔の吸気口側を閉にし前記吸盤連通孔を開にし前記吸盤連通孔が所定の負圧に達したら前記所定の負圧を維持できる程度に前記吸気孔の吸気口側をも開にし電源OFF時には前記吸気孔と前記吸盤連通孔を連通するバルブ手段と、を具備したことを特徴とする携帯端末装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関するものである。
更に詳述すれば、操作の安定性と携帯性が確保できる携帯端末装置を提供することにある。
【背景技術】
【0002】
図2は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図、図3は図2の動作説明図である。
図において、タッチパネル式ノート型パソコン1においては、液晶部2にタッチパネルが取り付けられている。
【0003】
タッチパネル式ノート型パソコン1には、内蔵の電子部品3を冷却するために吸気ファン4が内蔵されている。
吸気孔5は、タッチパネル式ノート型パソコン1に設けられ、吸気ファン4に一端が接続され他端が、タッチパネル式ノート型パソコン1に設けられた吸気口6に接続されている。
【0004】
以上の構成において、図2に示す如く、タッチパネル式ノート型パソコン1では、タッチパネル式ノート型パソコン1の液晶部に付いているタッチパネルを、マウスを使用してのポインターの移動、クリックなどの代わりに、指で押すなどして操作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−207574号公報
【特許文献2】特開平11−053060号公報
【特許文献3】特開平11−143375号公報
【特許文献4】特開平11−345041号公報
【特許文献5】特開2000−137541号公報
【特許文献6】特開2003−029878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような装置においては、以下の問題点がある。
図2に示す如く、従来のタッチパネル式ノート型パソコンは、タッチパネルの表示された液晶部が斜め、あるいは直角に配置されており、液晶部に付いているタッチパネルを操作する(押す)とパソコン全体が倒れるなどして動いてしまう。
パソコンを動かないようにするために、パソコンをネジなどで固定してしまうと、ノート型パソコンの携帯性が損なわれてしまう。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、操作の安定性と携帯性が確保できる携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1の携帯端末装置においては、
携帯端末本体に設けられ発熱部品を冷却する吸気空気ファンと、この吸気空気ファンに一端が連通され他端が吸気口に連通される吸気孔と、前記携帯端末装置の底面に設けられた吸盤と、この吸盤に一端が連通され他端が前記吸気孔の途中に連通される吸盤連通孔と、この吸盤連通孔と前記吸気孔との接続部に設けられ電源ON時には前記吸気孔の吸気口側を閉にし前記吸盤連通孔を開にし前記吸盤連通孔が所定の負圧に達したら前記所定の負圧を維持できる程度に前記吸気孔の吸気口側をも開にし電源OFF時には前記吸気孔と前記吸盤連通孔を連通するバルブ手段と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2の携帯端末装置においては、請求項1記載の携帯端末装置において、
前記バルブ手段は、一端側が前記吸気孔にヒンジ状に支持され電源ON時に前記吸気孔の吸気口側を閉にするバルブ板と、前記バルブ板の他端側に一端が接続され他端が前記吸気孔に支持される圧縮ばねと、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
携帯端末装置の電源を入れたときに、携帯端末装置が吸盤部分でテーブルに固定される。
テーブルに固定されているため、タッチパネル操作などの外力を携帯端末装置に加えても携帯端末装置が倒れたり動いたりしない。
電源を切ると、携帯端末装置のテーブルへの固定が解除され、持ち運びが出来る。
この結果、操作が安定に出来、携帯性が確保できる携帯端末装置が得られる。
【0011】
使用時(電源投入時)のみ自動的に固定され、未使用時は固定されていない。固定用のネジなどを用いていないため、ユーザーは固定/解除を意識せず安定して使用できる携帯端末装置が得られる。
【0012】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
バルブ手段は、一端側が吸気孔にヒンジ状に支持され、電源ON時に吸気孔の吸気口側を閉にするバルブ板と、バルブ板の他端側に一端が接続され他端が吸気孔に支持される圧縮ばねとで構成されたので、簡潔で、安価な携帯端末装置が得られる。
【0013】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
バルブ手段は、一端側が吸気孔にヒンジ状に支持され、電源ON時に吸気孔の吸気口側を閉にするバルブ板と、バルブ板の他端側に一端が接続され他端が吸気孔に支持される圧縮ばねとで構成されたので、簡潔で、安価な携帯端末装置が得られる。
【0014】
一般的にノート型パソコンには、空冷用のFANが設置されているのが普通であり、本発明のために特に大掛かりな構成は不要であり、操作が安定に得られて、しかも、安価に出来る携帯端末装置が得られる。
【0015】
ノートパソコンのような折りたたみ構造のもののみでなく、IPADのような卓上機器にも適用できる。マルチタッチの複雑な指の動きに対しても安定した設置を行なえる携帯端末装置が得られる。
テーブルに固定され操作が安定するだけでなく、ハードディスクなど振動衝撃に弱い部品の保護にも効果がある携帯端末装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【図3】図2の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図である。
図において、図2と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図2との相違部分のみ説明する。
【0018】
図1において、吸盤12は、タッチパネル式ノート型パソコン11の底面13に設けられている。
吸盤連通孔14は、吸盤11に一端が連通され、他端が吸気孔5の途中に連通されている。
【0019】
バルブ手段15は、吸盤連通孔14と吸気孔5との接続部に設けられ、電源ON時には吸気孔5の吸気口6側を閉にし、吸盤連通孔14を開にし、吸盤連通孔14が所定の負圧に達したら、所定の負圧を維持できる程度に吸気孔5の吸気口6側をも開にし、電源OFF時には吸気孔5と吸盤連通孔14を連通する。
【0020】
この場合は、バルブ手段15は、バルブ板151と圧縮ばね152とを有する。
バルブ板151は、一端側が吸気孔5にヒンジ状に支持され、電源ON時に吸気孔5の吸気口6側を閉にする。
圧縮ばね152は、バルブ板151の他端側に一端が接続され、他端が吸気孔5に支持されている。
【0021】
以上の構成において、パソコン11を使用するために、ユーザはテーブルにパソコン11を置き、電源をONにする。
冷却用の吸気ファン4が回転する。
電源投入時はバルブ板151が吸盤12の側に開いているため、吸気ファン4で生じる吸気の流れは吸盤12の側から流れ込む。
【0022】
吸盤12はテーブルに接しているため、吸気ファン4により吸盤12からの経路は負圧を生じ吸盤12がテーブルに貼り付く。
あるレベルの負圧になったところで、バルブ板151が移動し、吸気孔5をわずか開き、吸盤12からの経路は負圧を保ったまま、吸気ファン4には吸気口6からの風が流れ込む。
【0023】
吸盤側の経路は負圧を保つことにより、パソコン11はテーブルに貼り付き、パソコン11のタッチパネル111などを操作してもパソコン12が転倒するなど動くことはない。 また、吸気口6から吸気ファン4に外気が流れ込むために、CPUなど発熱部品の冷却は十分に行われる。
【0024】
ユーザがパソコン12を使い終わり、電源をOFFにすると吸気ファン4が停止し、吸気口6からの経路の内圧が変化し、バルブ板151が元の位置に戻り、吸盤11の側にも空気が入り負圧でなくなる。
そのためパソコン12は、テーブルとの貼り付きもなくなり、簡単にパソコン12を持ち運ぶことが出来る。
【0025】
なお、パソコン12をテーブルでなく、ひざの上などで使った場合にも、吸盤11から冷却用の空気を取り入れることが出来るので、発熱部品を冷やすことが出来る。
【0026】
この結果、
タッチパネル式ノート型パソコン12の電源を入れたときに、タッチパネル式ノート型パソコン12が吸盤11の部分でテーブルに固定される。
テーブルに固定されているため、タッチパネル操作などの外力をタッチパネル式ノート型パソコン12に加えてもタッチパネル式ノート型パソコン12が倒れたり動いたりしない。
【0027】
電源を切ると、タッチパネル式ノート型パソコン12のテーブルへの固定が解除され、持ち運びが出来る。
この結果、操作が安定に出来、携帯性が確保できるタッチパネル式ノート型パソコン12が得られる。
【0028】
バルブ手段15は、一端側が吸気孔5にヒンジ状に支持され、電源ON時に吸気孔5の吸気口6側を閉にするバルブ板151と、バルブ板151の他端側に一端が接続され他端が吸気孔5に支持される圧縮ばねとで構成されたので、簡潔で、安価なタッチパネル式ノート型パソコン12が得られる。
【0029】
なお、前述の実施例においては、パソコンに付いて、タッチパネル式ノート型パソコン12と説明したが、これに限ることはなく、要するに、携帯端末装置であれば良い。
【0030】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【符号の説明】
【0031】
1 タッチパネル式ノート型パソコン
2 液晶部
3 電子部品
4 吸気ファン
5 吸気孔
6 吸気口
11 タッチパネル式ノート型パソコン
111 タッチパネル
12 吸盤
13 底面
14 吸盤連通孔
15 バルブ手段
151 バルブ板
152 圧縮ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末本体に設けられ発熱部品を冷却する吸気空気ファンと、
この吸気空気ファンに一端が連通され他端が吸気口に連通される吸気孔と、
前記携帯端末装置の底面に設けられた吸盤と、
この吸盤に一端が連通され他端が前記吸気孔の途中に連通される吸盤連通孔と、
この吸盤連通孔と前記吸気孔との接続部に設けられ電源ON時には前記吸気孔の吸気口側を閉にし前記吸盤連通孔を開にし前記吸盤連通孔が所定の負圧に達したら前記所定の負圧を維持できる程度に前記吸気孔の吸気口側をも開にし電源OFF時には前記吸気孔と前記吸盤連通孔を連通するバルブ手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記バルブ手段は、一端側が前記吸気孔にヒンジ状に支持され電源ON時に前記吸気孔の吸気口側を閉にするバルブ板と、
前記バルブ板の他端側に一端が接続され他端が前記吸気孔に支持される圧縮ばねと、
を具備したことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−98999(P2012−98999A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247501(P2010−247501)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】