播種状態検出方法及び直播機
【課題】特に水稲直播作業における種子の滞留、欠粒、播種粒量の変化を検出する播種状態検出方法及びその方法を用いた直播機を提供すること。
【解決手段】土壌に種子を播種した状態を検出する播種状態検出方法であって、種子が播種された土壌表面の反射光を光センサ16で受光し、光センサ16で検出した受光量によって欠粒又は播種粒量を検出することを特徴とする。
【解決手段】土壌に種子を播種した状態を検出する播種状態検出方法であって、種子が播種された土壌表面の反射光を光センサ16で受光し、光センサ16で検出した受光量によって欠粒又は播種粒量を検出することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に水稲直播作業における種子の滞留、欠粒、播種粒量の変化を検出する播種状態検出方法及びその方法を用いた直播機に関する。
【背景技術】
【0002】
水稲直播作業においては、種子を直接土壌に播種するため、直播機に生じた種子詰まりなどに起因する播種粒量の変化や欠粒の発生を、播種作業中や作業後に目視で確認することは困難である。播種粒量の変化や欠粒は、その後の生育むらや欠株につながり、最終的には収量や品質低下の要因となる。従って、欠株などの要因となる播種状態の変化を即時に検出することが重要であり、従来からいくつかの試みがなされている。
例えば特許文献1では、種子を送り出すガイド板に電気抵抗式センサを設け、この電気抵抗式センサの抵抗値の変化によって、ガイド板内での泥土の詰まりを検出するものを提案している。
また特許文献2では、種子を送り出す吐出パイプに目詰まり用のスイッチを設け、このスイッチの作動によって、吐出パイプ内での泥土の詰まりを検出するものを提案している。
また特許文献3では、種子の通過状態を検出するリミットスイッチ又は静電容量形近接スイッチを設け、肥料の詰まりを防止するものを提案している。
また特許文献4では、粉粒体詰まりを検出する感知体を設け、種子の供給流路に対してこの感知体を間欠的に進出させることで、感知体の進出抵抗の増大を電気的に検出するものを提案している。
また特許文献5では、種子の通過状態を検出する光電式の欠粒センサを設け、大きさの異なる種子であっても種子の通過を精度よく検出するものを提案している。
また特許文献6では、肥料などを土壌面に作られた溝に噴出粒として噴出させる際に、反射面によって噴出粒を土壌面側に反射させて土壌面に施肥や播種を行うとともに、この反射面に当接した粒をセンサで検出することで、噴出粒の有無についての検出を行うものを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−170811号公報
【特許文献2】実開昭54−158708号公報
【特許文献3】実開昭60−114625号公報
【特許文献4】特開昭60−149305号公報
【特許文献5】特開2004−65097号公報
【特許文献6】特開昭61−88805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1から特許文献4で提案されている詰まり検出にあっては、種子の欠粒を検出することはできず、特許文献5で提案されている欠粒センサでは、欠粒センサより下流における詰まりを検出することはできない。
また、特許文献6で提案されている噴出粒の有無検出は種子だけの場合には正確に検出することはできない。
また、いずれの特許文献で提案されている方法も、土壌表面における播種状態を直接検出するものではないため、確実に種子を土壌表面に播種できているか否かは判別できず、更には条播や点播において、所定の播種粒量が保たれているか否かを検出することができない。
【0005】
そこで本発明は、特に水稲直播作業における種子の滞留、欠粒、播種粒量の変化を検出する播種状態検出方法及びその方法を用いた直播機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の播種状態検出方法は、土壌に種子を播種した状態を検出する播種状態検出方法であって、前記種子が播種された土壌表面の反射光を光センサで受光し、前記光センサで検出した受光量によって欠粒又は播種粒量を検出することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の播種状態検出方法において、前記種子として、前記土壌と明度が異なる色でコーティングした着色種子を用いることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の播種状態検出方法において、前記光センサの出力値に対して第1閾値を設定し、前記出力値が前記第1閾値を下回る時間が第1設定時間を超える場合には欠粒と判断し、前記出力値が前記第1閾値を上回る時間が第2設定時間を超える場合には滞留による欠粒と判断することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の播種状態検出方法において、前記光センサの前記出力値に対して、前記種子が存在しない状態での前記土壌表面からの受光量を下回る第2閾値を設定し、前記出力値が前記第2閾値を下回る時間が第3設定時間を超える場合には前記光センサの異常と判断することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項3に記載の播種状態検出方法において、直播様式が条播である場合に、前記出力値が前記第1閾値と一致、又は前記出力値が前記第1閾値から所定範囲内である場合を正常播種と判断することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項3に記載の播種状態検出方法において、直播様式が点播である場合に、前記第1閾値を上回る前記出力値と前記第1閾値を下回る前記出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の播種状態検出方法において、前記第1閾値を上回る前記出力値の出力レベルによって、一株における種子数を判断することを特徴とする。
請求項8記載の本発明の直播機は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の播種状態検出方法を行う直播機であって、前記土壌に溝を形成する作溝器と、前記作溝器で形成する前記溝に種子を吐出する種子吐出部と、前記作溝器の後方に配置されて吐出される前記種子を覆土する覆土板とを備え、前記覆土板より前方で前記種子吐出部より後方の前記溝の反射光を受光する位置に前記光センサを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、種子と土壌との明度の違いによって光センサで検出する受光量が変化することに着目したことで、土壌に播種された種子を直接検出することができ、土壌表面における種子の欠粒を確実に判別でき、更には播種粒量を判別することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例による直播機を備えた走行機体の構成図
【図2】同直播機に有するフロートの要部上面図
【図3】同直播機に有するフロートの要部側面図
【図4】同直播機における要部概念図
【図5】本実施例による条播の播種状態検出状態を示す概念特性図
【図6】本実施例による条播の播種状態検出流れを示すフローチャート
【図7】本実施例による点播の播種状態検出状態を示す概念特性図
【図8】本実施例による点播の播種状態検出流れを示すフローチャート
【図9】本実験に用いた回転土槽の上面概念図
【図10】同実験結果を示す特性図
【図11】同実験結果を示す特性図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による播種状態検出方法は、種子が播種された土壌表面の反射光を光センサで受光し、光センサで検出した受光量によって欠粒又は播種粒量を検出するものである。本実施の形態によれば、種子と土壌との明度の違いによって生じる受光量の変化に着目したことで、土壌に播種された種子を直接検出することができるため、土壌表面における種子の欠粒を確実に判別でき、更に播種粒量を判別することもできる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による播種状態検出方法において、種子として、土壌と明度が異なる色でコーティングした着色種子を用いるものである。本実施の形態によれば、コーティングした着色種子を用いることで、受光量の出力値の変化を大きくすることができ、確実な検出を行うことができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による播種状態検出方法において、光センサの出力値に対して第1閾値を設定し、出力値が第1閾値を下回る時間が第1設定時間を超える場合には欠粒と判断し、出力値が第1閾値を上回る時間が第2設定時間を超える場合には滞留による欠粒と判断するものである。本実施の形態によれば、第1閾値を設定することで、ホッパ内での欠粒か、又は詰まりによって生じる滞留による欠粒かを検出することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による播種状態検出方法において、光センサの出力値に対して、種子が存在しない状態での土壌表面からの受光量を下回る第2閾値を設定し、出力値が第2閾値を下回る時間が第3設定時間を超える場合には光センサの異常と判断するものである。本実施の形態によれば、例えばセンサ受光部への泥土の付着による光センサ異常を把握でき、迅速な復帰作業を行うことができる。
本発明の第5の実施の形態は、第3の実施の形態による播種状態検出方法において、直播様式が条播である場合に、出力値が第1閾値と一致、又は出力値が第1閾値から所定範囲内である場合を正常播種と判断するものである。本実施の形態によれば、条播における一定の播種粒量を保つことができる。
本発明の第6の実施の形態は、第3の実施の形態による播種状態検出方法において、直播様式が点播である場合に、第1閾値を上回る出力値と第1閾値を下回る出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断するものである。本実施の形態によれば、点播における適切な間隔及び播種粒量を保つことができる。
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による播種状態検出方法において、第1閾値を上回る出力値の出力レベルによって、一株における種子数を判断するものである。本実施の形態によれば、点播における播種粒量の調整と確認を行うことができる。
本発明の第8の実施の形態による直播機は、第1から第6に記載の播種状態検出方法を行う直播機であって、土壌に溝を形成する作溝器と、作溝器で形成する溝に種子を吐出する種子吐出部と、作溝器の後方に配置されて吐出される種子を覆土する覆土板とを備え、覆土板より前方で種子吐出部より後方の溝の反射光を受光する位置に光センサを設けたものである。本実施の形態によれば、土壌表面における種子の欠粒を確実に判別でき、また播種粒量を判別することもできる。
【実施例】
【0010】
以下本発明の一実施例による直播機について説明する。
図1は本実施例による直播機を備えた走行機体の構成図、図2は同直播機に有するフロートの要部上面図、図3は同直播機に有するフロートの要部側面図、図4は同直播機における要部概念図である。
図1に示すように、本実施例による直播機10は運転席21を有する走行機体20の後部に連結されている。直播機10は、油圧シリンダ及びリンク機構によって走行機体20に対して昇降可能に取り付けられている。走行機体20は、一対の前輪22と後輪23を備えて運転席21での操縦によって自走する。
直播機10は、種子を貯留するホッパ11と、このホッパ11内の種子を土壌表面に導くダクト12と、ダクト12の種子吐出部12aの近傍に配置された整地フロート13を備えている。
図2及び図3に示すように、整地フロート13には、土壌に溝を形成する作溝器14と、作溝器14の後方に配置されて吐出される種子を覆土する覆土板15とを備えている。種子吐出部12aは、作溝器14の後方で覆土板15の前方に配置され、作溝器14で形成する溝に種子を吐出する。
図4に示すように、整地フロート13には、種子吐出部12aから吐出された播種直後の種子を検出する光センサ16を設けている。種子吐出部12aから吐出される種子は、作溝器14によって形成された土壌表面の溝に播種される。図4では、直播様式として点播での播種状態を示している。播種された種子は、光センサ16の下方を通過した後に覆土板15によって覆土される。
ここで光センサ16としては、発光素子からの光を検知物に当てた時に反射する光を受光素子で受けて検知する反射型フォトセンサを用いる。
【0011】
本実施例による播種状態検出方法は、種子が播種される土壌表面の反射光を光センサ16で受光する。光センサ16は、検出した受光量の変化に比例した起電力を発生する。受光量の変化は、反射物表面の濃淡によって生じ、土壌だけの場合と、種子を有する土壌の場合との明度の相違を検出することができる。例えば、カルパー(保土谷化学工業株式会社登録商標)コーティングされた白色に着色された種子は、土壌色よりも可視光の波長領域において光を強く反射する。そのために、光センサ16が受光する受光量に差が生じ、発生する電圧の差により、土壌だけの場合と、種子を有する土壌の場合とを区別することができる。
図示はしないが、検出対象となる土壌表面を照射する照明手段を備えてもよい。照明手段を設けることで野外における天候の変化や時刻変化による影響を少なくすることができる。
光センサ16での受光量の出力値の変化を大きくする上では、土壌と明度が異なる色、例えば白色でコーティングした着色種子を用いることが好ましい。例えば、過酸化カルシウムや炭酸カルシウムを成分として含む粉衣剤を種子表面にコーティングする技術が知られており、この種の酸素発生剤をコーティングした種子を用いることができる。また鉄粉で種子をコーティングした鉄コーティングを用いることもできる。
【0012】
次に図5及び図6を用いて条播の播種状態検出方法について説明する。
図5は本実施例による条播の播種状態検出状態を示す概念特性図、図6は本実施例による条播の播種状態検出流れを示すフローチャートである。
図5において、縦軸は光センサからの出力電圧値、横軸は経過時間を表している。
区間(a)は条播が正常に播種されている時間帯、区間(b)は例えば供給される種子が無くなった欠粒状態の時間帯、区間(c)は光センサと播種されるべき土壌表面との間に種子の滞留によって生じる欠粒状態の時間帯、区間(d)は例えば光センサ受光部に泥土が付着して反射光を受光できないセンサ異常状態の時間帯をそれぞれ示している。
本実施例では、第1閾値を出力電圧が0.5vの値に設定し、第2閾値を出力電圧が0.2vの値に設定している。ここで第1閾値は、正常な条播状態での土壌表面からの受光量に応じた電圧値に設定し、第2閾値は、種子が存在しない状態での土壌表面からの受光量に応じた電圧値(0.3v)を下回る電圧値に設定している。
【0013】
区間(a)に示すように、条播が正常に播種されている時間帯では光センサの出力値は第1閾値と一致する。なお、出力値が第1閾値と一致する場合だけでなく、出力値が第1閾値から所定範囲内である場合を正常播種と判断してもよい。
区間(b)に示すように、欠粒状態の時間帯では光センサの出力値は第1閾値を下回るが、第2閾値を下回ることはない。従って、第1閾値を下回り第2閾値を上回る時間が、あらかじめ設定した第1設定時間を越えることで、欠粒を判別することができる。
区間(c)に示すように、種子の滞留によって生じる欠粒状態の時間帯では光センサの出力値は第1閾値を上回る。区間(c)において出力値が上昇しているのは種子が徐々に蓄積されていることを示している。従って、第1閾値を上回る時間が、あらかじめ設定した第2設定時間を越えることで、種子の滞留によって生じる欠粒を判別することができる。
区間(d)に示すように、センサ異常状態の時間帯では光センサの出力値は第2閾値を下回る。従って、第2閾値を下回る時間が、あらかじめ設定した第3設定時間を越えることで、センサ異常を判別することができる。
なお、第1設定時間、第2設定時間、及び第3設定時間は、それぞれ異なる時間を設定しても、又はすべて同じ時間を設定してもよい。
【0014】
図6を用いて条播の播種状態検出流れを説明する。
以下のデータ処理の流れにおいて、光センサの出力値は、一定のタイミングで順次入力され、一つの出力値が処理されると次の出力値が処理される。
まず、光センサの出力値と第1閾値とが比較され出力値が第1閾値と異なるか否かが判断される(ステップ1)。ステップ1において、出力値と第1閾値とが同じである場合には、再度ステップ1において、次の出力値について第1閾値との比較を行う。出力値が継続して第1閾値と同じであると判断される場合には、図5における区間(a)に示すように条播が正常に播種されている。
ステップ1において、出力値が第1閾値と異なると判断された場合には、出力値が第1閾値を下回るか否かが判断される(ステップ2)。ステップ2において、出力値が第1閾値を下回ると判断された場合には、出力値と第2閾値とが比較される(ステップ3)。
出力値が第2閾値を上回ると判断されるとタイマーがカウントされ(ステップ4)、第1設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ5)。ステップ5において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ1に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値を下回り第2閾値を上回る場合には、ステップ4においてタイマーがカウントされる。第1閾値を下回り第2閾値を上回る出力値が継続することでステップ4におけるタイマーがカウントされ続け、第1設定時間を超えることになる。このように第1閾値を下回り第2閾値を上回る出力値が継続して図5における区間(b)の状態となり、ステップ5において第1設定時間を超えると、ステップ6において欠粒と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ7)。
【0015】
ステップ2において出力値が第1閾値を上回ると判断された場合には、タイマーがカウントされ(ステップ8)、第2設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ9)。ステップ9において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ1に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値を上回る場合には、ステップ8においてタイマーがカウントされる。第1閾値を上回る出力値が継続することでステップ8におけるタイマーがカウントされ続け、第2設定時間を超えることになる。このように第1閾値を上回る出力値が継続して図5における区間(c)の状態となり、ステップ9において第2設定時間を超えると、ステップ10において滞留(欠粒)と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ11)。
【0016】
ステップ3において出力値が第2閾値を下回ると判断された場合には、タイマーがカウントされ(ステップ12)、第3設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ13)。ステップ13において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ1に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値及び第2閾値を下回る場合には、ステップ12においてタイマーがカウントされる。第1閾値及び第2閾値を下回る出力値が継続することでステップ12におけるタイマーがカウントされ続け、第3設定時間を超えることになる。このように第1閾値及び第2閾値を下回る出力値が継続して図5における区間(d)の状態となり、ステップ13において第3設定時間を超えると、ステップ14において光センサの異常と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ15)。
ステップ4、ステップ8、及びステップ12におけるタイマーのカウントは、所定の条件でリセットされる。一つの条件は、ステップ5、ステップ9、及びステップ13において、所定の設定時間を超えると判断された場合であり、他の条件は、継続してタイマーがカウントされていないと判断された場合である。
【0017】
次に図7及び図8を用いて点播の播種状態検出方法について説明する。
図7は本実施例による点播の播種状態検出状態を示す概念特性図、図8は本実施例による点播の播種状態検出流れを示すフローチャートである。
図7において、縦軸は光センサからの出力電圧値、横軸は経過時間を表している。
区間(a)は条播が正常に播種されている時間帯、区間(b)は例えば供給される種子が無くなった欠粒状態の時間帯、区間(c)は光センサと播種されるべき土壌表面との間に種子の滞留によって生じる欠粒状態の時間帯、区間(d)は例えば光センサ受光部に泥土が付着して反射光を受光できないセンサ異常状態の時間帯をそれぞれ示している。
本実施例では、第1閾値を出力電圧が0.5vの値に設定し、第2閾値を出力電圧が0.2vの値に設定している。ここで第1閾値は、正常な条播状態での土壌表面からの受光量に応じた電圧値に設定し、第2閾値は、種子が存在しない状態での土壌表面からの受光量に応じた電圧値(0.3v)を下回る電圧値に設定している。
【0018】
区間(a)に示すように、条播が正常に播種されている時間帯では光センサは第1閾値を上回る出力値と第1閾値を下回る出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断するものである。なお、本実施例では、光センサでの検出対象を、種子が存在する箇所と種子が存在しない箇所とを完全に区分した場合を示している。従って、種子が存在しない箇所における出力値を区間(b)の出力値と同じ値としている。
区間(b)に示すように、欠粒状態の時間帯では光センサの出力値は第1閾値を下回るが、第2閾値を下回ることはない。従って、第1閾値を下回り第2閾値を上回る時間が、あらかじめ設定した第1設定時間を越えることで、欠粒を判別することができる。
区間(c)に示すように、種子の滞留によって生じる欠粒状態の時間帯では光センサの出力値は第1閾値を上回る。区間(c)において出力値が上昇しているのは種子が徐々に蓄積されていることを示している。従って、第1閾値を上回る時間が、あらかじめ設定した第2設定時間を越えることで、種子の滞留によって生じる欠粒を判別することができる。
区間(d)に示すように、センサ異常状態の時間帯では光センサの出力値は第2閾値を下回る。従って、第2閾値を下回る時間が、あらかじめ設定した第3設定時間を越えることで、センサ異常を判別することができる。
なお、第1設定時間、第2設定時間、及び第3設定時間は、それぞれ異なる時間を設定しても、又はすべて同じ時間を設定してもよい。
【0019】
図8を用いて点播の播種状態検出流れを説明する。なお、図6と同一処理及び判断には同一のステップ番号を付している。
以下のデータ処理の流れにおいても、光センサの出力値は、一定のタイミングで順次入力され、一つの出力値が処理されると次の出力値が処理される。
まず、出力値が第1閾値を下回るか否かが判断される(ステップ2)。ステップ2において、出力値が第1閾値を下回ると判断された場合には、出力値と第2閾値とが比較される(ステップ3)。
出力値が第2閾値を上回ると判断されるとタイマーがカウントされ(ステップ4)、第1設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ5)。ステップ5において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ2に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。
【0020】
図7における区間(a)の状態では、次の出力値は第1閾値を上回るため、ステップ2において出力値は第1閾値を上回ると判断され、タイマーがカウントされ(ステップ8)、第2設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ9)。ステップ9において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ2に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値は、第1の閾値を下回るため、ステップ2において、出力値が第1閾値を下回ると判断され、ステップ3,ステップ4、ステップ5を経てステップ2に戻る。図7における区間(a)の状態が継続する限り、上記の流れを繰り返す。
図7における区間(b)の状態では、前の出力値と同様に次の出力値についても第1閾値を下回り第2閾値を上回るため、ステップ4においてタイマーがカウントされ、第1閾値を下回り第2閾値を上回る出力値が継続することでステップ4におけるタイマーがカウントされ続け、第1設定時間を超えることになる。このように第1閾値を下回り第2閾値を上回る出力値が継続してステップ5において第1設定時間を超えると、ステップ6において欠粒と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ7)。
【0021】
ステップ2において出力値が第1閾値を上回ると判断された場合には、タイマーがカウントされ(ステップ8)、第2設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ9)。ステップ9において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ2に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値を上回る場合には、ステップ8においてタイマーがカウントされる。第1閾値を上回る出力値が継続することでステップ8におけるタイマーがカウントされ続け、第2設定時間を超えることになる。このように第1閾値を上回る出力値が継続して図7における区間(c)の状態となり、ステップ9において第2設定時間を超えると、ステップ10において滞留(欠粒)と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ11)。
【0022】
ステップ3において出力値が第2閾値を下回ると判断された場合には、タイマーがカウントされ(ステップ12)、第3設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ13)。ステップ13において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ1に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値及び第2閾値を下回る場合には、ステップ12においてタイマーがカウントされる。第1閾値及び第2閾値を下回る出力値が継続することでステップ12におけるタイマーがカウントされ続け、第3設定時間を超えることになる。このように第1閾値及び第2閾値を下回る出力値が継続して図7における区間(d)の状態となり、ステップ13において第3設定時間を超えると、ステップ14において光センサの異常と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ15)。
ステップ4、ステップ8、及びステップ12におけるタイマーのカウントは、所定の条件でリセットされる。一つの条件は、ステップ5、ステップ9、及びステップ13において、所定の設定時間を超えると判断された場合であり、他の条件は、継続してタイマーがカウントされていないと判断された場合である。
【0023】
次に本発明の実験結果を示す。
図9は本実験に用いた回転土槽の上面概念図である。
図9に示すように、回転土槽に、8から10粒/株と、5から6粒/株と、3から4粒/株の3つのパターンで種子を株状に配置し、回転土槽を0.5から1.0m/sで回転させ、土壌と種子からの反射光をフォトダイオードで検出した。種子には、カルパー(保土谷化学工業株式会社登録商標)コーティングした種籾を用いた。
【0024】
図10、図11は同実験結果を示している。
図10(a)は、同実験によるフォトダイオードの出力値を示している。
図10(b)は、第1閾値を設定したものであり、本実験結果では第1閾値を0.4vとすることで、図10(c)に示すように、3つのパターンの株が所定間隔で配置されていることを判別できることが分かる。
図10(d)は、第2閾値を設定したものであり、本実験結果では第2閾値を0vとすることで、3つのパターンの株にかかわらずセンサ異常を判別できることが分かる。
本実験結果より、第1閾値を上回る出力値と第1閾値を下回る出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断できることが分かる。
また、図11に示すように、8から10粒/株と、5から6粒/株と、3から4粒/株の3つのパターンでは、出力レベルが異なっていることが分かる。従って、第1閾値を上回る出力値の出力レベルの違いによって、一株における種子数の違いを判断することができ、点播における播種粒量の調整と確認を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、特に水稲直播作業に用いる直播機に適しているが、その他の種子における直播機にも利用できる。
【符号の説明】
【0026】
10 直播機
12 ダクト
12a 種子吐出部
13 整地フロート
14 作溝器
15 覆土板
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に水稲直播作業における種子の滞留、欠粒、播種粒量の変化を検出する播種状態検出方法及びその方法を用いた直播機に関する。
【背景技術】
【0002】
水稲直播作業においては、種子を直接土壌に播種するため、直播機に生じた種子詰まりなどに起因する播種粒量の変化や欠粒の発生を、播種作業中や作業後に目視で確認することは困難である。播種粒量の変化や欠粒は、その後の生育むらや欠株につながり、最終的には収量や品質低下の要因となる。従って、欠株などの要因となる播種状態の変化を即時に検出することが重要であり、従来からいくつかの試みがなされている。
例えば特許文献1では、種子を送り出すガイド板に電気抵抗式センサを設け、この電気抵抗式センサの抵抗値の変化によって、ガイド板内での泥土の詰まりを検出するものを提案している。
また特許文献2では、種子を送り出す吐出パイプに目詰まり用のスイッチを設け、このスイッチの作動によって、吐出パイプ内での泥土の詰まりを検出するものを提案している。
また特許文献3では、種子の通過状態を検出するリミットスイッチ又は静電容量形近接スイッチを設け、肥料の詰まりを防止するものを提案している。
また特許文献4では、粉粒体詰まりを検出する感知体を設け、種子の供給流路に対してこの感知体を間欠的に進出させることで、感知体の進出抵抗の増大を電気的に検出するものを提案している。
また特許文献5では、種子の通過状態を検出する光電式の欠粒センサを設け、大きさの異なる種子であっても種子の通過を精度よく検出するものを提案している。
また特許文献6では、肥料などを土壌面に作られた溝に噴出粒として噴出させる際に、反射面によって噴出粒を土壌面側に反射させて土壌面に施肥や播種を行うとともに、この反射面に当接した粒をセンサで検出することで、噴出粒の有無についての検出を行うものを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−170811号公報
【特許文献2】実開昭54−158708号公報
【特許文献3】実開昭60−114625号公報
【特許文献4】特開昭60−149305号公報
【特許文献5】特開2004−65097号公報
【特許文献6】特開昭61−88805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1から特許文献4で提案されている詰まり検出にあっては、種子の欠粒を検出することはできず、特許文献5で提案されている欠粒センサでは、欠粒センサより下流における詰まりを検出することはできない。
また、特許文献6で提案されている噴出粒の有無検出は種子だけの場合には正確に検出することはできない。
また、いずれの特許文献で提案されている方法も、土壌表面における播種状態を直接検出するものではないため、確実に種子を土壌表面に播種できているか否かは判別できず、更には条播や点播において、所定の播種粒量が保たれているか否かを検出することができない。
【0005】
そこで本発明は、特に水稲直播作業における種子の滞留、欠粒、播種粒量の変化を検出する播種状態検出方法及びその方法を用いた直播機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の播種状態検出方法は、土壌に種子を播種した状態を検出する播種状態検出方法であって、前記種子が播種された土壌表面の反射光を光センサで受光し、前記光センサで検出した受光量によって欠粒又は播種粒量を検出することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の播種状態検出方法において、前記種子として、前記土壌と明度が異なる色でコーティングした着色種子を用いることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の播種状態検出方法において、前記光センサの出力値に対して第1閾値を設定し、前記出力値が前記第1閾値を下回る時間が第1設定時間を超える場合には欠粒と判断し、前記出力値が前記第1閾値を上回る時間が第2設定時間を超える場合には滞留による欠粒と判断することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の播種状態検出方法において、前記光センサの前記出力値に対して、前記種子が存在しない状態での前記土壌表面からの受光量を下回る第2閾値を設定し、前記出力値が前記第2閾値を下回る時間が第3設定時間を超える場合には前記光センサの異常と判断することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項3に記載の播種状態検出方法において、直播様式が条播である場合に、前記出力値が前記第1閾値と一致、又は前記出力値が前記第1閾値から所定範囲内である場合を正常播種と判断することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項3に記載の播種状態検出方法において、直播様式が点播である場合に、前記第1閾値を上回る前記出力値と前記第1閾値を下回る前記出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の播種状態検出方法において、前記第1閾値を上回る前記出力値の出力レベルによって、一株における種子数を判断することを特徴とする。
請求項8記載の本発明の直播機は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の播種状態検出方法を行う直播機であって、前記土壌に溝を形成する作溝器と、前記作溝器で形成する前記溝に種子を吐出する種子吐出部と、前記作溝器の後方に配置されて吐出される前記種子を覆土する覆土板とを備え、前記覆土板より前方で前記種子吐出部より後方の前記溝の反射光を受光する位置に前記光センサを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、種子と土壌との明度の違いによって光センサで検出する受光量が変化することに着目したことで、土壌に播種された種子を直接検出することができ、土壌表面における種子の欠粒を確実に判別でき、更には播種粒量を判別することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例による直播機を備えた走行機体の構成図
【図2】同直播機に有するフロートの要部上面図
【図3】同直播機に有するフロートの要部側面図
【図4】同直播機における要部概念図
【図5】本実施例による条播の播種状態検出状態を示す概念特性図
【図6】本実施例による条播の播種状態検出流れを示すフローチャート
【図7】本実施例による点播の播種状態検出状態を示す概念特性図
【図8】本実施例による点播の播種状態検出流れを示すフローチャート
【図9】本実験に用いた回転土槽の上面概念図
【図10】同実験結果を示す特性図
【図11】同実験結果を示す特性図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による播種状態検出方法は、種子が播種された土壌表面の反射光を光センサで受光し、光センサで検出した受光量によって欠粒又は播種粒量を検出するものである。本実施の形態によれば、種子と土壌との明度の違いによって生じる受光量の変化に着目したことで、土壌に播種された種子を直接検出することができるため、土壌表面における種子の欠粒を確実に判別でき、更に播種粒量を判別することもできる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による播種状態検出方法において、種子として、土壌と明度が異なる色でコーティングした着色種子を用いるものである。本実施の形態によれば、コーティングした着色種子を用いることで、受光量の出力値の変化を大きくすることができ、確実な検出を行うことができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による播種状態検出方法において、光センサの出力値に対して第1閾値を設定し、出力値が第1閾値を下回る時間が第1設定時間を超える場合には欠粒と判断し、出力値が第1閾値を上回る時間が第2設定時間を超える場合には滞留による欠粒と判断するものである。本実施の形態によれば、第1閾値を設定することで、ホッパ内での欠粒か、又は詰まりによって生じる滞留による欠粒かを検出することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による播種状態検出方法において、光センサの出力値に対して、種子が存在しない状態での土壌表面からの受光量を下回る第2閾値を設定し、出力値が第2閾値を下回る時間が第3設定時間を超える場合には光センサの異常と判断するものである。本実施の形態によれば、例えばセンサ受光部への泥土の付着による光センサ異常を把握でき、迅速な復帰作業を行うことができる。
本発明の第5の実施の形態は、第3の実施の形態による播種状態検出方法において、直播様式が条播である場合に、出力値が第1閾値と一致、又は出力値が第1閾値から所定範囲内である場合を正常播種と判断するものである。本実施の形態によれば、条播における一定の播種粒量を保つことができる。
本発明の第6の実施の形態は、第3の実施の形態による播種状態検出方法において、直播様式が点播である場合に、第1閾値を上回る出力値と第1閾値を下回る出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断するものである。本実施の形態によれば、点播における適切な間隔及び播種粒量を保つことができる。
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による播種状態検出方法において、第1閾値を上回る出力値の出力レベルによって、一株における種子数を判断するものである。本実施の形態によれば、点播における播種粒量の調整と確認を行うことができる。
本発明の第8の実施の形態による直播機は、第1から第6に記載の播種状態検出方法を行う直播機であって、土壌に溝を形成する作溝器と、作溝器で形成する溝に種子を吐出する種子吐出部と、作溝器の後方に配置されて吐出される種子を覆土する覆土板とを備え、覆土板より前方で種子吐出部より後方の溝の反射光を受光する位置に光センサを設けたものである。本実施の形態によれば、土壌表面における種子の欠粒を確実に判別でき、また播種粒量を判別することもできる。
【実施例】
【0010】
以下本発明の一実施例による直播機について説明する。
図1は本実施例による直播機を備えた走行機体の構成図、図2は同直播機に有するフロートの要部上面図、図3は同直播機に有するフロートの要部側面図、図4は同直播機における要部概念図である。
図1に示すように、本実施例による直播機10は運転席21を有する走行機体20の後部に連結されている。直播機10は、油圧シリンダ及びリンク機構によって走行機体20に対して昇降可能に取り付けられている。走行機体20は、一対の前輪22と後輪23を備えて運転席21での操縦によって自走する。
直播機10は、種子を貯留するホッパ11と、このホッパ11内の種子を土壌表面に導くダクト12と、ダクト12の種子吐出部12aの近傍に配置された整地フロート13を備えている。
図2及び図3に示すように、整地フロート13には、土壌に溝を形成する作溝器14と、作溝器14の後方に配置されて吐出される種子を覆土する覆土板15とを備えている。種子吐出部12aは、作溝器14の後方で覆土板15の前方に配置され、作溝器14で形成する溝に種子を吐出する。
図4に示すように、整地フロート13には、種子吐出部12aから吐出された播種直後の種子を検出する光センサ16を設けている。種子吐出部12aから吐出される種子は、作溝器14によって形成された土壌表面の溝に播種される。図4では、直播様式として点播での播種状態を示している。播種された種子は、光センサ16の下方を通過した後に覆土板15によって覆土される。
ここで光センサ16としては、発光素子からの光を検知物に当てた時に反射する光を受光素子で受けて検知する反射型フォトセンサを用いる。
【0011】
本実施例による播種状態検出方法は、種子が播種される土壌表面の反射光を光センサ16で受光する。光センサ16は、検出した受光量の変化に比例した起電力を発生する。受光量の変化は、反射物表面の濃淡によって生じ、土壌だけの場合と、種子を有する土壌の場合との明度の相違を検出することができる。例えば、カルパー(保土谷化学工業株式会社登録商標)コーティングされた白色に着色された種子は、土壌色よりも可視光の波長領域において光を強く反射する。そのために、光センサ16が受光する受光量に差が生じ、発生する電圧の差により、土壌だけの場合と、種子を有する土壌の場合とを区別することができる。
図示はしないが、検出対象となる土壌表面を照射する照明手段を備えてもよい。照明手段を設けることで野外における天候の変化や時刻変化による影響を少なくすることができる。
光センサ16での受光量の出力値の変化を大きくする上では、土壌と明度が異なる色、例えば白色でコーティングした着色種子を用いることが好ましい。例えば、過酸化カルシウムや炭酸カルシウムを成分として含む粉衣剤を種子表面にコーティングする技術が知られており、この種の酸素発生剤をコーティングした種子を用いることができる。また鉄粉で種子をコーティングした鉄コーティングを用いることもできる。
【0012】
次に図5及び図6を用いて条播の播種状態検出方法について説明する。
図5は本実施例による条播の播種状態検出状態を示す概念特性図、図6は本実施例による条播の播種状態検出流れを示すフローチャートである。
図5において、縦軸は光センサからの出力電圧値、横軸は経過時間を表している。
区間(a)は条播が正常に播種されている時間帯、区間(b)は例えば供給される種子が無くなった欠粒状態の時間帯、区間(c)は光センサと播種されるべき土壌表面との間に種子の滞留によって生じる欠粒状態の時間帯、区間(d)は例えば光センサ受光部に泥土が付着して反射光を受光できないセンサ異常状態の時間帯をそれぞれ示している。
本実施例では、第1閾値を出力電圧が0.5vの値に設定し、第2閾値を出力電圧が0.2vの値に設定している。ここで第1閾値は、正常な条播状態での土壌表面からの受光量に応じた電圧値に設定し、第2閾値は、種子が存在しない状態での土壌表面からの受光量に応じた電圧値(0.3v)を下回る電圧値に設定している。
【0013】
区間(a)に示すように、条播が正常に播種されている時間帯では光センサの出力値は第1閾値と一致する。なお、出力値が第1閾値と一致する場合だけでなく、出力値が第1閾値から所定範囲内である場合を正常播種と判断してもよい。
区間(b)に示すように、欠粒状態の時間帯では光センサの出力値は第1閾値を下回るが、第2閾値を下回ることはない。従って、第1閾値を下回り第2閾値を上回る時間が、あらかじめ設定した第1設定時間を越えることで、欠粒を判別することができる。
区間(c)に示すように、種子の滞留によって生じる欠粒状態の時間帯では光センサの出力値は第1閾値を上回る。区間(c)において出力値が上昇しているのは種子が徐々に蓄積されていることを示している。従って、第1閾値を上回る時間が、あらかじめ設定した第2設定時間を越えることで、種子の滞留によって生じる欠粒を判別することができる。
区間(d)に示すように、センサ異常状態の時間帯では光センサの出力値は第2閾値を下回る。従って、第2閾値を下回る時間が、あらかじめ設定した第3設定時間を越えることで、センサ異常を判別することができる。
なお、第1設定時間、第2設定時間、及び第3設定時間は、それぞれ異なる時間を設定しても、又はすべて同じ時間を設定してもよい。
【0014】
図6を用いて条播の播種状態検出流れを説明する。
以下のデータ処理の流れにおいて、光センサの出力値は、一定のタイミングで順次入力され、一つの出力値が処理されると次の出力値が処理される。
まず、光センサの出力値と第1閾値とが比較され出力値が第1閾値と異なるか否かが判断される(ステップ1)。ステップ1において、出力値と第1閾値とが同じである場合には、再度ステップ1において、次の出力値について第1閾値との比較を行う。出力値が継続して第1閾値と同じであると判断される場合には、図5における区間(a)に示すように条播が正常に播種されている。
ステップ1において、出力値が第1閾値と異なると判断された場合には、出力値が第1閾値を下回るか否かが判断される(ステップ2)。ステップ2において、出力値が第1閾値を下回ると判断された場合には、出力値と第2閾値とが比較される(ステップ3)。
出力値が第2閾値を上回ると判断されるとタイマーがカウントされ(ステップ4)、第1設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ5)。ステップ5において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ1に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値を下回り第2閾値を上回る場合には、ステップ4においてタイマーがカウントされる。第1閾値を下回り第2閾値を上回る出力値が継続することでステップ4におけるタイマーがカウントされ続け、第1設定時間を超えることになる。このように第1閾値を下回り第2閾値を上回る出力値が継続して図5における区間(b)の状態となり、ステップ5において第1設定時間を超えると、ステップ6において欠粒と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ7)。
【0015】
ステップ2において出力値が第1閾値を上回ると判断された場合には、タイマーがカウントされ(ステップ8)、第2設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ9)。ステップ9において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ1に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値を上回る場合には、ステップ8においてタイマーがカウントされる。第1閾値を上回る出力値が継続することでステップ8におけるタイマーがカウントされ続け、第2設定時間を超えることになる。このように第1閾値を上回る出力値が継続して図5における区間(c)の状態となり、ステップ9において第2設定時間を超えると、ステップ10において滞留(欠粒)と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ11)。
【0016】
ステップ3において出力値が第2閾値を下回ると判断された場合には、タイマーがカウントされ(ステップ12)、第3設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ13)。ステップ13において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ1に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値及び第2閾値を下回る場合には、ステップ12においてタイマーがカウントされる。第1閾値及び第2閾値を下回る出力値が継続することでステップ12におけるタイマーがカウントされ続け、第3設定時間を超えることになる。このように第1閾値及び第2閾値を下回る出力値が継続して図5における区間(d)の状態となり、ステップ13において第3設定時間を超えると、ステップ14において光センサの異常と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ15)。
ステップ4、ステップ8、及びステップ12におけるタイマーのカウントは、所定の条件でリセットされる。一つの条件は、ステップ5、ステップ9、及びステップ13において、所定の設定時間を超えると判断された場合であり、他の条件は、継続してタイマーがカウントされていないと判断された場合である。
【0017】
次に図7及び図8を用いて点播の播種状態検出方法について説明する。
図7は本実施例による点播の播種状態検出状態を示す概念特性図、図8は本実施例による点播の播種状態検出流れを示すフローチャートである。
図7において、縦軸は光センサからの出力電圧値、横軸は経過時間を表している。
区間(a)は条播が正常に播種されている時間帯、区間(b)は例えば供給される種子が無くなった欠粒状態の時間帯、区間(c)は光センサと播種されるべき土壌表面との間に種子の滞留によって生じる欠粒状態の時間帯、区間(d)は例えば光センサ受光部に泥土が付着して反射光を受光できないセンサ異常状態の時間帯をそれぞれ示している。
本実施例では、第1閾値を出力電圧が0.5vの値に設定し、第2閾値を出力電圧が0.2vの値に設定している。ここで第1閾値は、正常な条播状態での土壌表面からの受光量に応じた電圧値に設定し、第2閾値は、種子が存在しない状態での土壌表面からの受光量に応じた電圧値(0.3v)を下回る電圧値に設定している。
【0018】
区間(a)に示すように、条播が正常に播種されている時間帯では光センサは第1閾値を上回る出力値と第1閾値を下回る出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断するものである。なお、本実施例では、光センサでの検出対象を、種子が存在する箇所と種子が存在しない箇所とを完全に区分した場合を示している。従って、種子が存在しない箇所における出力値を区間(b)の出力値と同じ値としている。
区間(b)に示すように、欠粒状態の時間帯では光センサの出力値は第1閾値を下回るが、第2閾値を下回ることはない。従って、第1閾値を下回り第2閾値を上回る時間が、あらかじめ設定した第1設定時間を越えることで、欠粒を判別することができる。
区間(c)に示すように、種子の滞留によって生じる欠粒状態の時間帯では光センサの出力値は第1閾値を上回る。区間(c)において出力値が上昇しているのは種子が徐々に蓄積されていることを示している。従って、第1閾値を上回る時間が、あらかじめ設定した第2設定時間を越えることで、種子の滞留によって生じる欠粒を判別することができる。
区間(d)に示すように、センサ異常状態の時間帯では光センサの出力値は第2閾値を下回る。従って、第2閾値を下回る時間が、あらかじめ設定した第3設定時間を越えることで、センサ異常を判別することができる。
なお、第1設定時間、第2設定時間、及び第3設定時間は、それぞれ異なる時間を設定しても、又はすべて同じ時間を設定してもよい。
【0019】
図8を用いて点播の播種状態検出流れを説明する。なお、図6と同一処理及び判断には同一のステップ番号を付している。
以下のデータ処理の流れにおいても、光センサの出力値は、一定のタイミングで順次入力され、一つの出力値が処理されると次の出力値が処理される。
まず、出力値が第1閾値を下回るか否かが判断される(ステップ2)。ステップ2において、出力値が第1閾値を下回ると判断された場合には、出力値と第2閾値とが比較される(ステップ3)。
出力値が第2閾値を上回ると判断されるとタイマーがカウントされ(ステップ4)、第1設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ5)。ステップ5において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ2に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。
【0020】
図7における区間(a)の状態では、次の出力値は第1閾値を上回るため、ステップ2において出力値は第1閾値を上回ると判断され、タイマーがカウントされ(ステップ8)、第2設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ9)。ステップ9において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ2に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値は、第1の閾値を下回るため、ステップ2において、出力値が第1閾値を下回ると判断され、ステップ3,ステップ4、ステップ5を経てステップ2に戻る。図7における区間(a)の状態が継続する限り、上記の流れを繰り返す。
図7における区間(b)の状態では、前の出力値と同様に次の出力値についても第1閾値を下回り第2閾値を上回るため、ステップ4においてタイマーがカウントされ、第1閾値を下回り第2閾値を上回る出力値が継続することでステップ4におけるタイマーがカウントされ続け、第1設定時間を超えることになる。このように第1閾値を下回り第2閾値を上回る出力値が継続してステップ5において第1設定時間を超えると、ステップ6において欠粒と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ7)。
【0021】
ステップ2において出力値が第1閾値を上回ると判断された場合には、タイマーがカウントされ(ステップ8)、第2設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ9)。ステップ9において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ2に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値を上回る場合には、ステップ8においてタイマーがカウントされる。第1閾値を上回る出力値が継続することでステップ8におけるタイマーがカウントされ続け、第2設定時間を超えることになる。このように第1閾値を上回る出力値が継続して図7における区間(c)の状態となり、ステップ9において第2設定時間を超えると、ステップ10において滞留(欠粒)と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ11)。
【0022】
ステップ3において出力値が第2閾値を下回ると判断された場合には、タイマーがカウントされ(ステップ12)、第3設定時間を超えるか否かが判断される(ステップ13)。ステップ13において、あらかじめ定めた所定時間に満たない場合には、ステップ1に戻って次の出力値が第1閾値と比較される。次の出力値についても前回同様に第1閾値及び第2閾値を下回る場合には、ステップ12においてタイマーがカウントされる。第1閾値及び第2閾値を下回る出力値が継続することでステップ12におけるタイマーがカウントされ続け、第3設定時間を超えることになる。このように第1閾値及び第2閾値を下回る出力値が継続して図7における区間(d)の状態となり、ステップ13において第3設定時間を超えると、ステップ14において光センサの異常と判断され、警告を発するか直播機の運転停止を行う(ステップ15)。
ステップ4、ステップ8、及びステップ12におけるタイマーのカウントは、所定の条件でリセットされる。一つの条件は、ステップ5、ステップ9、及びステップ13において、所定の設定時間を超えると判断された場合であり、他の条件は、継続してタイマーがカウントされていないと判断された場合である。
【0023】
次に本発明の実験結果を示す。
図9は本実験に用いた回転土槽の上面概念図である。
図9に示すように、回転土槽に、8から10粒/株と、5から6粒/株と、3から4粒/株の3つのパターンで種子を株状に配置し、回転土槽を0.5から1.0m/sで回転させ、土壌と種子からの反射光をフォトダイオードで検出した。種子には、カルパー(保土谷化学工業株式会社登録商標)コーティングした種籾を用いた。
【0024】
図10、図11は同実験結果を示している。
図10(a)は、同実験によるフォトダイオードの出力値を示している。
図10(b)は、第1閾値を設定したものであり、本実験結果では第1閾値を0.4vとすることで、図10(c)に示すように、3つのパターンの株が所定間隔で配置されていることを判別できることが分かる。
図10(d)は、第2閾値を設定したものであり、本実験結果では第2閾値を0vとすることで、3つのパターンの株にかかわらずセンサ異常を判別できることが分かる。
本実験結果より、第1閾値を上回る出力値と第1閾値を下回る出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断できることが分かる。
また、図11に示すように、8から10粒/株と、5から6粒/株と、3から4粒/株の3つのパターンでは、出力レベルが異なっていることが分かる。従って、第1閾値を上回る出力値の出力レベルの違いによって、一株における種子数の違いを判断することができ、点播における播種粒量の調整と確認を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、特に水稲直播作業に用いる直播機に適しているが、その他の種子における直播機にも利用できる。
【符号の説明】
【0026】
10 直播機
12 ダクト
12a 種子吐出部
13 整地フロート
14 作溝器
15 覆土板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌に種子を播種した状態を検出する播種状態検出方法であって、前記種子が播種された土壌表面の反射光を光センサで受光し、前記光センサで検出した受光量によって欠粒又は播種粒量を検出することを特徴とする播種状態検出方法。
【請求項2】
前記種子として、前記土壌と明度が異なる色でコーティングした着色種子を用いることを特徴とする請求項1に記載の播種状態検出方法。
【請求項3】
前記光センサの出力値に対して第1閾値を設定し、前記出力値が前記第1閾値を下回る時間が第1設定時間を超える場合には欠粒と判断し、前記出力値が前記第1閾値を上回る時間が第2設定時間を超える場合には滞留による欠粒と判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の播種状態検出方法。
【請求項4】
前記光センサの前記出力値に対して、前記種子が存在しない状態での前記土壌表面からの受光量を下回る第2閾値を設定し、前記出力値が前記第2閾値を下回る時間が第3設定時間を超える場合には前記光センサの異常と判断することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の播種状態検出方法。
【請求項5】
直播様式が条播である場合に、前記出力値が前記第1閾値と一致、又は前記出力値が前記第1閾値から所定範囲内である場合を正常播種と判断することを特徴とする請求項3に記載の播種状態検出方法。
【請求項6】
直播様式が点播である場合に、前記第1閾値を上回る前記出力値と前記第1閾値を下回る前記出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断することを特徴とする請求項3に記載の播種状態検出方法。
【請求項7】
前記第1閾値を上回る前記出力値の出力レベルによって、一株における種子数を判断することを特徴とする請求項6に記載の播種状態検出方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の播種状態検出方法を行う直播機であって、前記土壌に溝を形成する作溝器と、前記作溝器で形成する前記溝に種子を吐出する種子吐出部と、前記作溝器の後方に配置されて吐出される前記種子を覆土する覆土板とを備え、前記覆土板より前方で前記種子吐出部より後方の前記溝の反射光を受光する位置に前記光センサを設けたことを特徴とする直播機。
【請求項1】
土壌に種子を播種した状態を検出する播種状態検出方法であって、前記種子が播種された土壌表面の反射光を光センサで受光し、前記光センサで検出した受光量によって欠粒又は播種粒量を検出することを特徴とする播種状態検出方法。
【請求項2】
前記種子として、前記土壌と明度が異なる色でコーティングした着色種子を用いることを特徴とする請求項1に記載の播種状態検出方法。
【請求項3】
前記光センサの出力値に対して第1閾値を設定し、前記出力値が前記第1閾値を下回る時間が第1設定時間を超える場合には欠粒と判断し、前記出力値が前記第1閾値を上回る時間が第2設定時間を超える場合には滞留による欠粒と判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の播種状態検出方法。
【請求項4】
前記光センサの前記出力値に対して、前記種子が存在しない状態での前記土壌表面からの受光量を下回る第2閾値を設定し、前記出力値が前記第2閾値を下回る時間が第3設定時間を超える場合には前記光センサの異常と判断することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の播種状態検出方法。
【請求項5】
直播様式が条播である場合に、前記出力値が前記第1閾値と一致、又は前記出力値が前記第1閾値から所定範囲内である場合を正常播種と判断することを特徴とする請求項3に記載の播種状態検出方法。
【請求項6】
直播様式が点播である場合に、前記第1閾値を上回る前記出力値と前記第1閾値を下回る前記出力値とが交互に発生している場合を正常播種と判断することを特徴とする請求項3に記載の播種状態検出方法。
【請求項7】
前記第1閾値を上回る前記出力値の出力レベルによって、一株における種子数を判断することを特徴とする請求項6に記載の播種状態検出方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の播種状態検出方法を行う直播機であって、前記土壌に溝を形成する作溝器と、前記作溝器で形成する前記溝に種子を吐出する種子吐出部と、前記作溝器の後方に配置されて吐出される前記種子を覆土する覆土板とを備え、前記覆土板より前方で前記種子吐出部より後方の前記溝の反射光を受光する位置に前記光センサを設けたことを特徴とする直播機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−206004(P2011−206004A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78840(P2010−78840)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度農林水産省「超低コスト土地利用型作物生産技術の開発」委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの)」
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度農林水産省「超低コスト土地利用型作物生産技術の開発」委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの)」
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【Fターム(参考)】
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