説明

撮像装置、撮像方法、およびファインダ装置

【課題】ファインダユニット全体を動かすことなく、撮影される画像をファインダでより正確に観察することを可能にすること。
【解決手段】第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子と、前記第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、前記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子と、前記第2の撮像素子の撮像範囲が前記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御を行う制御部と、前記第1の画像に対応する前記第2の画像内の領域を検出する検出部と、前記領域の検出結果に基づき生成される、前記第1の画像に対応する前記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して表示する表示部と、を備える撮像装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法、およびファインダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像素子により取得された画像データに画像処理を施した上で記録メディアや内蔵メモリに記憶するデジタルカメラが普及している。当該デジタルカメラで撮影する際に被写体を観察するためのファインダの方式として、レフレックスファインダ、電子ビューファインダ、レンジファインダ等の方式がある。
【0003】
上記ファインダの方式の中でも、レンジファインダは、一眼レフカメラ(レフレックスファインダ)でのブラックアウトや、電子ファインダでの画像表示の遅延のような短所をもたないので、特に動く被写体の連写撮影に有効である。しかし、レンジファインダでは、撮影用の光学系とは異なる光軸を持つファインダ用の光学系が用いられるので、ファインダで観察可能な光学像と撮影される画像との間のずれ、すなわちパララックスが発生する恐れがある。そのため、当該パララックスを抑えるための技術も存在する。
【0004】
例えば、特許文献1では、撮影用の光学系から取得される画像とファインダ光学系から撮像される画像との共通部分を抽出し、両画像内の共通部分の座標が合うように、ファインダユニット全体を回転させてファインダ光学系の光軸調整を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開特開2007−116271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1の技術は、パララックスを抑え、撮影される画像に近い光学像をファインダで観察できるようにするものの、ファインダユニット全体を動かすための駆動機構が必要となるので、ファインダユニットのサイズを大幅に増大させ、またコストも増加させる。また、上記特許文献1の技術は、撮影される画像とファインダで観察可能な光学像を完全に一致させるわけではない。すなわち、当該技術では、利用者は、撮影される画像を正確に観察することはできない。
【0007】
そこで、本発明では、ファインダユニット全体を動かすことなく、撮影される画像をファインダでより正確に観察することを可能にする、新規かつ改良された撮像装置、撮像方法、およびファインダ装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子と、上記第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、上記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子と、上記第2の撮像素子の撮像範囲が上記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御を行う制御部と、上記第1の画像に対応する上記第2の画像内の領域を検出する検出部と、上記領域の検出結果に基づき生成される、上記第1の画像に対応する上記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して表示する表示部と、を備える撮像装置が提供される。
【0009】
上記ファインダ光学系は、画角の変更を可能にするズーム機能を有し、上記制御部は、上記撮影光学系の画角よりも大きくなるように上記ファインダ光学系の画角を調整することにより、上記制御を行ってもよい。
【0010】
上記制御部は、上記撮影光学系の画角に関する情報を取得し、当該情報に基づいて上記ファインダ光学系の画角を調整してもよい。
【0011】
上記制御部は、上記撮影光学系の最近接距離に関する情報も取得し、上記画角に関する情報と上記最近接距離に関する情報とに基づいて上記ファインダ光学系の画角を調整してもよい。
【0012】
上記制御部は、上記第2の画像内の上記領域の検出結果に基づいて、上記ファインダ光学系の画角を調整してもよい。
【0013】
上記制御部は、上記第2の画像内の上記領域が上記第1の画像の一部に対応する場合に、上記ファインダ光学系の画角をより大きい画角に調整してもよい。
【0014】
上記表示部は、上記ファインダ光学系の画角をより大きい画角に調整できない場合に、警告を示す画像を表示してもよい。
【0015】
上記制御部は、上記第2の画像内の上記領域の大きさに対する当該第2の画像の大きさの比率が所定の閾値以上である場合に、上記ファインダ光学系の画角をより小さい画角に調整してもよい。
【0016】
上記撮像装置は、上記第2の画像内の上記領域に含まれる画素の情報を用いて、上記撮像装置の動作に関する制御値を変更する変更部をさらに備えてもよい。
【0017】
上記変更部は、連写撮影を行う場合に上記制御値を変更してもよい。
【0018】
上記制御値は、上記撮像装置の露出制御値であってもよい。
【0019】
上記制御値は、上記第1の画像の画像処理に用いる制御値であってもよい。
【0020】
上記画像処理に用いる制御値は、上記第1の画像のホワイトバランス調整に用いるホワイトバランスゲインであってもよい。
【0021】
上記画像処理に用いる制御値は、上記第1の画像のエッジ強調処理に用いる強調係数であってもよい。
【0022】
また、本発明によれば、第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子と、上記第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、上記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子とを備える撮像装置における撮像方法であって、上記第2の撮像素子の撮像範囲が上記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御を行うステップと、上記第1の画像に対応する上記第2の画像内の領域を検出するステップと、上記領域の検出結果に基づき生成される、上記第1の画像に対応する上記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して表示するステップと、を含む撮像方法が提供される。
【0023】
また、本発明によれば、第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子を有する撮像装置に着脱可能なファインダ装置であって、上記第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、上記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子と、上記第2の撮像素子の撮像範囲が上記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御に応じて、上記ファインダ光学系を駆動する駆動部と、上記第1の画像に対応する上記第2の画像内の領域の検出結果に基づき生成される、上記第1の画像に対応する上記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して表示する表示部と、を備えるファインダ装置が提供される。
【0024】
また、本発明によれば、第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、上記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子と、上記ファインダで観察可能な光学像に重畳して画像を表示する表示部と、を有するファインダ装置を着脱可能な撮像装置であって、上記第1の撮像素子と、上記第2の撮像素子の撮像範囲が上記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御を行う制御部と、上記第1の画像に対応する上記第2の画像内の領域を検出する検出部と、上記領域の検出結果に基づき生成される、上記第1の画像に対応する上記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して上記ファインダ装置の表示部に表示させる表示制御部と、を備える撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明に係る撮像装置、撮像方法、およびファインダ装置によれば、ファインダユニット全体を動かすことなく、撮影される画像をファインダでより正確に観察することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】一実施形態に係る撮像システムの概略的な構成の第1の例を示す説明図である。
【図2】一実施形態に係る撮像システムの概略的な構成の第2の例を示す説明図である。
【図3】パララックスの発生の一例を説明するための説明図である。
【図4】一実施形態に係るデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。
【図5】一実施形態に係るファインダユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】ファインダユニット200の配置の第1の例を説明するための説明図である。
【図7】ファインダユニット200の配置の第2の例を説明するための説明図である。
【図8】一実施形態に係る処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】特徴点の抽出および画像の照合の一例を説明するための説明図である。
【図10】撮影対応領域の第1の例を説明するための説明図である。
【図11】撮影対応領域の第2の例を説明するための説明図である。
【図12】撮影対応領域の第3の例を説明するための説明図である。
【図13】撮影対応領域の第4の例を説明するための説明図である。
【図14】画角調整後の撮影対応領域の一例を説明するための説明図である。
【図15】領域画像の第1の例を説明するための説明図である。
【図16】領域画像の第2の例を説明するための説明図である。
【図17】領域画像の第3の例を説明するための説明図である。
【図18】警告画像の一例を説明するための説明図である。
【図19】撮影対応領域の分割ブロックの一例を説明するための説明図である。
【図20】撮影対応領域に基づく露出制御値の変更の一例を説明するための説明図である。
【図21】一実施形態に係るにおける撮像処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図22】一実施形態に係るにおける制御値変更処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付の図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
以降、<1.はじめに>、<2.デジタルカメラの構成>、<3.処理部の構成>、<4.処理の流れ>という順序で本発明の実施形態を説明する。
【0029】
<1.はじめに>
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る撮像システムの概略的な構成の例、および撮像装置の利点と技術的課題を説明する。
【0030】
(撮像システムの概略的な構成)
図1および図2を参照して、本発明の実施形態に係る撮像システム1の概略的な構成の例について説明する。
【0031】
図1は、本実施形態に係る撮像システム1の概略的な構成の第1の例を示す説明図である。図1を参照すると、撮像システム1aは、デジタルカメラ100aおよび撮影用レンズ300aを含む。本実施形態において、デジタルカメラ100aは撮像装置の一例である。
【0032】
撮像システム1aにおいて、撮影用レンズ300aは、デジタルカメラ100aに着脱可能なレンズである。撮影用レンズ300aは、デジタルカメラ100aに装着されると、撮影用レンズ300aに入射する光をデジタルカメラ100a内の撮像素子に導く。換言すると、撮影用レンズ300aは、デジタルカメラ100a内の撮像素子の撮像面に被写体の光学像を結像する。そして、デジタルカメラ100aは、撮像素子に導かれる光を電気信号に変換し、当該電気信号への各種処理を行うことにより、記録用のデジタル画像を生成する。
【0033】
また、撮像システム1aにおいて、ファインダユニット200aは、レンジファインダ式のファインダユニットであり、デジタルカメラ100aに内蔵されている。ファインダユニット200aは、ファインダ窓201aに入射する光をファインダ接眼窓(図示せず)に導く。換言すると、ファインダユニット200aは、ファインダ接眼窓に被写体の光学像を結像する。これにより、利用者は、ファインダ接眼窓を覗き込むと、当該光学像を観察することができる。
【0034】
図2は、本実施形態におけるデジタルカメラ100の外観の第2の例を示す模式図である。図2を参照すると、撮像システム1bは、デジタルカメラ100b、ファインダユニット200bおよび撮影用レンズ300bを含む。本実施形態において、デジタルカメラ100bは撮像装置の一例であり、ファインダユニット200bはファインダ装置の一例である。
【0035】
撮像システム1bは、ファインダユニット200bがデジタルカメラ100bに着脱可能な独立したファインダユニットであるという点で、撮像システム1aと異なる。しかし、デジタルカメラ100b、ファインダユニット200bおよび撮影用レンズ300bは、基本的には、デジタルカメラ100a、ファインダユニット200aおよび撮影用レンズ300aと同様に動作する。なお、デジタルカメラ100bとファインダユニット200bとは、必要に応じてインターフェースを介して情報を送受信することができる。
【0036】
(撮像装置の利点と技術的課題)
以上、図1および図2を参照して本実施形態に係る撮像システム1の概略的な構成の一例を説明したが、次に、図3を参照して、撮像システム1の利点と技術的課題について説明する。
【0037】
まず、利点を挙げると、当該撮像システム1は、レンジファインダ式のファインダユニット200を備えるので、特に動く被写体の連写撮影に有効である。なぜならば、一眼レフカメラでは、シャッタ時のミラーの駆動によりファインダへの光が遮断される現象、すなわちブラックアウト現象が発生するが、撮像システム1では、ファインダユニットが独立した光軸を持つので、このようなブラックアウト現象は発生しない。そのため、撮像システム1では、連写撮影において連続してシャッタが切られるとしても、利用者は、光を遮断されることなく被写体を観察し続けることができる。また、電子ビューファインダでは、撮像素子での光電変換から当該ファインダでの表示までに要する画像処理に起因して画像表示の遅延が発生するが、撮像システム1のファインダユニット200では、光学像を結像するので遅延が発生しない。そのため、撮像システム1では、利用者は、動く被写体を遅延なく観察することができる。
【0038】
撮像システム1にはこのような利点が存在するが、解決すべき技術的課題が存在する。より詳細に説明すると、一般的に、レンジファインダでは、撮影用の光学系とは異なる光軸を持つファインダ用の光学系が用いられるので、ファインダで観察可能な光学像と撮影される画像との間のずれ、すなわちパララックスが発生する恐れがある。当該パララックスが発生すると、利用者は、撮影される画像全体をファインダで観察することができなくなってしまう。また、偶然にも、撮影される画像全体をファインダで観察できたとしても、利用者は、ファインダで観察可能な光学像のうちのどこまでが撮影される画像に対応しているかを知ることができない。以下、この点について図3を参照してより具体的に説明する。
【0039】
図3は、パララックスの発生の一例を説明するための説明図である。図3を参照すると、撮影される画像の範囲、すなわち撮影用の撮像素子の撮像範囲10(以下、撮影範囲10)と、ファインダで観察可能な光学像の範囲20(以下、ファインダ観察範囲20)との間にずれが生じている。この場合に、利用者は、ファインダ接眼窓を覗き込むと、ファインダ観察範囲20を観察することができる。しかし、利用者は、撮影範囲10全体を観察することができない。また、利用者は、撮影範囲10全体を観察できないということも、ファインダ観察範囲20のうちのどこまでが撮影範囲10に対応しているかも、知ることができない。このように、レンジファインダを採用される場合には、一般的に、利用者は、撮影される画像をファインダで正確に観察することができない。
【0040】
そこで、本実施形態では、ファインダユニット全体を動かすことなく、撮影される画像をより正確にファインダで観察することを可能にする。以降、<2.デジタルカメラの構成>、<3.処理部の構成>および<4.処理の流れ>において、その具体的な内容を説明する。
【0041】
<2.デジタルカメラの構成>
図4〜図7を参照して、本実施形態に係るデジタルカメラ100の構成の一例について説明する。図4は、第1の実施形態に係るデジタルカメラ100の構成の一例を示すブロック図である。図4を参照すると、デジタルカメラ100が示されると共に、デジタルカメラ100の説明のために撮影用レンズ300が示されている。また、一例として、デジタルカメラ100の一部として、デジタルカメラ100に内蔵されるファインダユニット200が示されている。より分かりやすく説明するために、以下では、ファインダユニット200、撮影用レンズ300、デジタルカメラ100の本体部101の順序で説明する。
【0042】
(ファインダユニット200)
図5は、本実施形態に係るファインダユニット200の構成の一例を示すブロック図である。図5を参照すると、ファインダユニット200は、ファインダ窓201、ファインダ光学系210、ファインダ接眼窓221、モータ223、ドライバ225、CMOSイメージセンサ(以下、CMOS)230、画像入力コントローラ235、液晶ディスプレイ(以下、LCD)240およびLCDドライバ241を備える。ここで、モータ223は駆動部の一例であり、CMOS230は第2の撮像素子の一例であり、LCD240は表示部の一例である。
【0043】
ファインダ窓201は、ファインダユニット200内に光を入射させる窓である。ファインダ窓201と撮影用レンズ300との位置がずれているため、上記のように、撮影範囲10とファインダ観察範囲20との間のずれが生じる。
【0044】
ファインダ光学系210は、本体部101内に位置する後述のCMOS120に光を導く光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像(以下、ファインダ光学像)を結像する。より具体的には、例えば、ファインダ光学系210は、ファインダ窓201から入射した光を屈折させることにより、ファインダ接眼窓221を通して利用者が観察できる光学像を結像する。また、ファインダ光学系210は、ファインダ光学像と同じ範囲の光学像をCMOS230の撮像面に結像する。
【0045】
より具体的には、例えば、ファインダ光学系210は、ズームレンズ211、プリズム213、接眼レンズ215、および集光レンズ217を含む。
【0046】
まず、ズームレンズ211は、ファインダ光学系210の画角の調整を可能にする。より具体的には、例えば、ズームレンズ211は、光軸方向に前後して移動することで焦点距離を連続的に変化させることにより、ファインダ光学系210の画角を調整する。この画角の調整により、ファインダ観察範囲20を変えることができる。例えば、ズームレンズ211は、焦点距離をより長くすることによって画角をより小さくし、焦点距離をより短くすることによって画角をより大きくする。すなわち、ファインダ光学系210は、画角の変更を可能にするズーム機能を有する。
【0047】
また、プリズム213は、ズームレンズ211からの光をファインダ接眼窓221の方向およびCMOS230の方向に導く。また、プリズム213は、LCD240からの光をファインダ接眼窓221の方向に導く。
【0048】
また、接眼レンズ215は、プリズム213からの光をファインダ接眼窓221に向けて集光する。また、集光レンズ217は、プリズム213からの光をCMOS230の撮像面に向けて集光する。
【0049】
次に、ファインダ接眼窓221は、デジタルカメラ100の利用者が被写体の光学像を観察するための窓である。より具体的には、ファインダ接眼窓221は、ズームレンズ211、プリズム213および接眼レンズ215を通った光をファインダユニット200の外に通過させる。ファインダ接眼窓221は、例えば、接眼用の保護ガラスにより実装される。
【0050】
モータ223は、ファインダ光学系220のズームレンズ211を駆動する。すなわち、モータ223は、ズームレンズ211を光軸方向に前後に移動させる。また、ドライバ225は、後述の処理部170のファインダ制御部187による制御に応じて、モータ223にズームレンズ211を駆動させる。なお、モータ223は、CMOS230の撮像範囲が後述のCMOS120の撮像範囲を包含するための制御に応じて、ファインダ光学系220を駆動する。この点については、ファインダ制御部187と共に後に詳細に説明する。
【0051】
CMOS230は、上記ファインダ光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像(以下、ファインダ側画像)を取得する。より具体的には、例えば、CMOS230は、ズームレンズ211、プリズム213および集光レンズ217を通った光を電気信号に変換する。次に、CMOS230は、内蔵する相関二重サンプリング/アンプ回路(以下、CDS/AMP)231により、上記電気信号の雑音を除去し、雑音除去後の電気信号を所定のゲインで増幅する。そして、CMOS230は、内蔵するアナログ/デジタル変換器(以下、ADC)233により、増幅後の電気信号をデジタル変換することで、RAWデータの画像を取得する。
【0052】
なお、CDS/AMP231およびADC233は、CMOS230に内蔵されずに、CMOS230に外部接続される回路であってもよい。この場合に、CDS/AMP231は、相関二重サンプリング回路とアンプ回路にさらに分離されていてもよい。また、CMOS230は、電子シャッタによって電気信号を調整してもよい。
【0053】
画像入力コントローラ235は、CMOS230からのファインダ側画像を後述のSDRAM139に書き込む。
【0054】
LCD240は、上記ファインダ光学像に重畳して画像を表示する。例えば、LCD240は、後述の処理部170の表示制御部191による制御に応じて画像を表示する。表示される画像の具体的な内容は、表示制御部191と共に後に詳細に説明する。
であってもよい。
【0055】
LCDドライバ241は、画像信号に基づいてLCD240の表示セルに電圧を与えることにより、LCD240に画像を表示させる。LCDドライバ241は、例えば、後述の処理部170の表示制御部191により出力される画像信号を取得する。
【0056】
−ファインダユニット200の配置−
以上、ファインダユニット200の構成を説明したが、次に図6および図7を参照して、ファインダユニット200の配置の第1の例および第2の例について説明する。
【0057】
まず、図6は、ファインダユニット200の配置の第1の例を説明するための説明図である。図6を参照すると、ファインダユニット200において、ファインダ窓201、ズームレンズ211、プリズム213、接眼レンズ215およびファインダ接眼窓221が一方向に直線的に配置される。また、当該一方向と垂直の方向に、LCD240、プリズム213、集光レンズ217およびCMOS230が直線的に配置される。
【0058】
この場合に、ファインダ窓201から入射した光51は、まず、ズームレンズ211を通過する。そして、光51の一部は、プリズム213および接眼レンズ215を通過して、ファインダ接眼窓221に到達する。一方、光51の残りは、プリズム213で屈折し、集光レンズ217を通過して、CMOS230に到達する。このように、ファインダ光学系210は、ファインダ接眼窓221に上記ファインダ光学像を結像し、CMOS230は、ファインダ光学系と同じ範囲の光学像から画像を取得することができる。
【0059】
また、LCD240に表示される画像の光53は、プリズム213で屈折し、接眼レンズ215を通過して、ファインダ接眼窓221に到達する。このように、LCD240は、光51によるファインダ光学像と重畳して、画像を表示することができる。
【0060】
次に、図7は、ファインダユニット200の配置の第2の例を説明するための説明図である。図7を参照すると、ファインダユニット200において、ズームレンズ211、プリズム213、集光レンズ217およびCMOS230が一方向に直線的に配置される。また、当該一方向と垂直の方向に、LCD240、プリズム213、接眼レンズ215およびファインダ接眼窓221が直線的に配置される。
【0061】
この場合に、ファインダ窓201から入射した光51は、ミラーにより反射された上で、まず、ズームレンズ211を通過する。そして、光51の一部は、プリズム213および集光レンズ217を通過して、CMOS230に到達する。一方、光51の残りは、プリズム213で屈折し、接眼レンズ215を通過して、ファインダ接眼窓221に到達する。このように、ファインダ光学系210は、ファインダ接眼窓221に上記ファインダ光学像を結像し、CMOS230は、ファインダ光学系と同じ範囲の光学像から画像を取得することができる。
【0062】
また、LCD240に表示される画像の光53は、プリズム213および接眼レンズ215を通過して、ファインダ接眼窓221に到達する。このように、LCD240は、光51によるファインダ光学像と重畳して、画像を表示することができる。
【0063】
(撮影用レンズ300)
次に、撮影用レンズ300の構成について説明する。図4を参照すると、撮影用レンズ300は、撮影系光学系310、ADC321、モータ323、325、ドライバ327、329、レンズ処理部330、ROM340およびRAM350を備える。
【0064】
撮影系光学系310は、デジタルカメラ100の本体部101内に位置する後述のCMOS120に光を導く。すなわち、撮影系光学系310は、CMOS120の撮像面に光学像を結像する。
【0065】
より具体的には、例えば、撮影系光学系310は、ズームレンズ311、絞り313、およびフォーカスレンズ315を含む。
【0066】
まず、ズームレンズ311は、撮影光学系310の画角の調整を可能にする。より具体的には、例えば、ズームレンズ311は、光軸方向に前後に移動することで焦点距離を連続的に変化させることにより、撮影光学系310の画角を調整する。この画角の調整により、撮影用のCMOS120の撮像範囲、すなわち撮影範囲10を変えることができる。例えば、ズームレンズ311は、焦点距離をより長くすることによって画角をより小さくし、焦点距離をより短くすることによって画角をより大きくする。ここでは、ズームレンズ311は、例えば、手動により光軸方向に前後して移動する。なお、ズームレンズ311は、デジタルカメラ100の制御により、光軸方向への前後移動を駆動されてもよい。
【0067】
また、絞り313は、開閉動作で穴の大きさを変えることにより、CMOS120に導かれる光の量を調節する。
【0068】
また、フォーカスレンズ315は、光軸方向に前後に移動することにより、被写体のピントを調節する。
【0069】
次に、ADC321は、ズームレンズ311の光軸方向への前後移動に応じて電気信号を取得し、当該電気信号をデジタル変換することにより、焦点距離に関する情報をレンズ処理部330へ出力する。
【0070】
モータ323は、絞り313を駆動する。すなわち、モータ323は、絞り313を開閉させる。また、モータ325は、フォーカスレンズ315を駆動する。すなわち、モータ323は、フォーカスレンズ315を光軸方向に前後に移動させる。
【0071】
ドライバ327は、後述のレンズ処理部330による制御に応じて、モータ323に絞り313を駆動させる。また、ドライバ329は、後述のレンズ処理部330による制御に応じて、モータ325にフォーカスレンズ315を駆動させる。
【0072】
レンズ処理部330は、撮影用レンズ300における制御、演算等の様々な情報処理を行う。
【0073】
例えば、レンズ処理部330は、デジタルカメラ100に撮影光学系310に関する情報を送信する。より具体的には、例えば、レンズ処理部330は、ADC321により出力される焦点距離に関する情報を取得し、ズームレンズ311の焦点距離を特定する。そして、レンズ処理部330は、撮影光学系310の画角に関する情報として、ズームレンズ311の焦点距離をデジタルカメラ100に送信する。また、レンズ処理部330は、例えば、撮影光学系310の最近接距離、最新の絞り値、最新のピントの位置等をデジタルカメラ100に送信する。なお、レンズ処理部330は、SIO(Serial Input/Output)331を介してデジタルカメラと通信する。当該SIO331は、レンズ処理部330とデジタルカメラ100との間において双方向で同時に通信することを可能にするインターフェースである。
【0074】
また、例えば、レンズ処理部330は、デジタルカメラ100による指示に応じて、撮影光学系310を制御する。より具体的には、レンズ処理部330は、例えば、デジタルカメラ100から、決定された絞り値(以下、F値)を受信する。そして、レンズ処理部330は、当該決定された絞り値とその時点での実際の絞り値とから、絞り313の開閉動作の必要量を算出し、当該必要量の開閉動作をドライバ327に指示する。また、レンズ処理部330は、例えば、デジタルカメラ100から、算出された適正なピントの位置を受信する。そして、レンズ処理部330は、当該算出された適正なピントの位置とその時点での実際のピントの位置とから、フォーカスレンズ315の前後移動の必要量を算出し、当該必要量の前後移動をドライバ329に指示する。
【0075】
なお、レンズ処理部330は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により実装される。
【0076】
ROM340は、レンズ処理部330が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。
【0077】
RAM350は、レンズ処理部330がプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用され、またデータを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。
【0078】
(デジタルカメラ100の本体部101)
次に、デジタルカメラ100の本体部101の構成について説明する。図4を参照すると、本体部101は、メカニカルシャッタ110、モータ111、ドライバ113、CMOS120、画像入力コントローラ125、バッテリ131、不揮発性メモリ133、圧縮処理部135、VRAM137、SDRAM139、操作部141、LCD150、LCDドライバ151、記録メディア160、メディアコントローラ161、および処理部170を備える。ここで、CMOS120は第1の撮像素子の一例である。
【0079】
メカニカルシャッタ110は、開閉動作により、撮影用レンズ300を通って入射した光を遮断し、または当該光をCMOS120の方向へ通過させる。
【0080】
モータ111は、メカニカルシャッタ110を駆動する。すなわち、モータ111は、メカニカルシャッタ110を開閉させる。また、ドライバ113は、後述の処理部170による制御に応じて、モータ111にメカニカルシャッタ110を駆動させる。
【0081】
CMOS120は、撮影用レンズ300の撮影光学系310により導かれた光から第1の画像(以下、撮影側画像)を取得する撮影用の撮像素子である。より具体的には、CMOS120は、撮影用レンズ300からの光を電気信号に変換する。ここで、CMOS120は、例えば、電子シャッタによって電気信号を調整する。次に、CMOS120は、内蔵するCDS/AMP121により、上記電気信号の雑音を除去し、雑音除去後の電気信号を所定のゲインで増幅する。そして、CMOS120は、ADC123により、増幅後の電気信号をデジタル変換することで、RAWデータの画像を取得する。
【0082】
画像入力コントローラ125は、CMOS120からの撮影側画像をSDRAM139に書き込む。
【0083】
バッテリ131は、デジタルカメラ100および撮影用レンズ300に電力を供給する。
【0084】
不揮発性メモリ133は、デジタルカメラ100において一時的にまたは恒久的に保持すべき情報を記憶する。例えば、不揮発性メモリ133は、記録用の撮影側画像、処理部170により実行されるソフトウェア等を記憶する。なお、不揮発性メモリ133は、例えば、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等により実装される。
【0085】
圧縮処理部135は、処理部170の画像処理部195で処理を施された画像を適切な形式の画像データに圧縮する。画像の圧縮形式は可逆形式であっても非可逆形式であってもよい。適切な形式の例として、圧縮処理部135は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やJPEG2000形式に画像を変換してもよい。
【0086】
VRAM137は、LCD150およびLCD240に表示する内容を一時的に記憶する。LCD150およびLCD240の解像度や最大発色数は、VRAM137の容量に依存する。なお、VRAM137は、LCD150用のVRAMとLCD240用のVRAMとに分離されていてもよい。
【0087】
SDRAM139は、処理部170がプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用され、またデータを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、SDRAM139は、撮影側画像およびファインダ側画像を一時的に記憶する。SDRAM139は、複数の画像を記憶できるだけの記憶容量を有している。SDRAM139への画像の書込みは、画像入力コントローラ125および235により制御される。
【0088】
操作部141は、デジタルカメラ100の操作、撮影に関する各種設定等を行うための部材を有する。操作部141が有する部材には、電源ボタン、撮影モードの選択する十字キーおよび選択ボタン、被写体の撮影動作を開始するシャッタボタン等が含まれていてもよい。操作部141は、操作結果を示す情報を処理部170に出力する。
【0089】
LCD150は、デジタルカメラ100の各種設定画面、撮影した画像(すなわち、記録した撮影側画像)等を表示する。また、LCD150は、電子ビューファインダとして、シャッタを切る前に継続して取得している撮影側画像をリアルタイムで表示してもよい。
【0090】
LCDドライバ151は、画像信号に基づいてLCD150の表示セルに電圧を与えることにより、LCD150に画像を表示させる。LCDドライバ151は、例えば、後述の処理部170の表示制御部191により出力される画像信号を取得する。
【0091】
記録メディア160は、撮影した画像(すなわち、記録した撮影側画像)を記録する。記録メディア160は、例えばメモリカードである。
【0092】
メディアコントローラ161は、記録メディア160への画像の入出力を制御する。
【0093】
処理部170は、デジタルカメラ100および撮影用レンズ300における制御、演算等の様々な情報処理を行う。
【0094】
以上、デジタルカメラ100の本体部101およびファインダユニット200、並びに撮影用レンズ300の構成について説明されたが、次に、本実施形態において重要な役割を果たす、本体部101に備えられる処理部170をより詳細に説明する。
【0095】
<3.処理部の構成>
ここでは、図8〜20を参照して、デジタルカメラ100の本体部101に備えられる処理部170の構成の一例について説明する。図8は、本実施形態に係る処理部170の構成の一例を示すブロック図である。図8を参照すると、処理部170は、タイミングジェネレータ171(以下、TG171)、入出力インターフェース173(以下、I/O173)、SIO175、自動露出制御部177(以下、AE制御部177)、自動フォーカス制御部179(AF制御部179)、適性ホワイトバランス算出部181(以下、適正WB算出部181)、適性エッジ強度算出部183、領域検出部185、ファインダ制御部187、ファインダ画像生成部189、表示制御部191、制御値変更部193、画像処理部195を含む。
【0096】
ここで、ファインダ制御部187は制御部の一例であり、領域検出部185は検出部の一例であり、制御値変更部193は変更部の一例である。
【0097】
(TG171)
TG171は、CMOS120の動作のタイミングを制御する。より具体的には、例えば、TG171は、CMOS120の電子シャッタのタイミング、すなわちCMOS120における電荷の読み出し、リセット等のタイミングを制御する。
【0098】
(I/O173)
I/O173は、処理部170とドライバ113およびCMOS120との間の入出力インターフェースである。例えば、I/O173は、AE制御部177によるドライバ113またはCMOS120への指示のために用いられる。
【0099】
(SIO175)
SIO175は、処理部170と撮影用レンズ300との間において双方向で同時に通信することを可能にするインターフェースである。
【0100】
(AE制御部177)
AE制御部177は、デジタルカメラ100の露出を自動制御する。より具体的には、例えば、AE制御部177は、撮影側画像の画素情報に基づいて、適正な露出値(以下、EV値)を算出する。一例として、当該適正なEV値は、撮影側画像の分割ブロック毎の輝度平均値をから算出される。そして、AE制御部177は、算出された適正なEV値に基づいて、新たな露出制御値を設定する。当該露出制御値は、EV値、F値、シャッタスピード、ISO感度を含む。
【0101】
ここで、F値が変わる場合に、AE制御部177は、例えば、SIO175を介して撮影用レンズ300に、決定された当該F値の実現を指示する。このように、AE制御部177は、絞り313を自動制御する。
【0102】
また、シャッタスピードが変わる場合に、AE制御部177は、例えば、メカニカルシャッタ110を駆動させるドライバ113、およびCMOS120の電子シャッタのタイミングを制御するTG171に、決定されたシャッタスピードの実現を指示する。このように、AE制御部177は、メカニカルシャッタ110およびCMOS120における電子シャッタを自動制御する。
【0103】
また、ISO感度が変わる場合に、AE制御部177は、例えば、ISO感度に応じた、CMOS120のCDS/AMP121における電気信号のゲインを算出する。そして、AE制御部177は、I/O173を介してCMOS120に、算出されたゲインの実現を指示する。このように、AE制御部177は、ISO感度を決めるCDS/AMP121を自動制御する。
【0104】
(AF制御部179)
AF制御部179は、デジタルカメラ100のピントを自動制御する。より具体的には、例えば、AF制御部179は、適正なピントの位置を算出する。そして、AF制御部179は、SIO175を介して撮影用レンズ300に、算出された適正なピントの位置の実現を指示する。
【0105】
(適正WB算出部181)
適正WB算出部181は、記録される撮影側画像のホワイトバランス(以下、WB)調整に用いる適正なWBゲインを自動算出する。より具体的には、例えば、適正WB算出部181は、撮影側画像の分割ブロック毎のR/G/B平均値から、適正なWBゲインを算出する。そして、適正WB算出部181は、WBゲインを当該適正なWBゲインに設定するように画像処理部195に指示する。
【0106】
(適性エッジ強度算出部183)
適性エッジ強度算出部183は、記録される撮影側画像のエッジ強調処理に用いる適正な強調係数を自動算出する。より具体的には、例えば、適性エッジ強度算出部183は、撮影側画像の周波数特性から、適正な強調係数を算出する。そして、適性エッジ強度算出部183は、強調係数を当該適正な強調係数に設定するように画像処理部195に指示する。
【0107】
(領域検出部185)
領域検出部185は、撮影側画像に対応するファインダ側画像内の領域(以下、撮影対応領域)を検出する。ここで、上記のとおり、CMOS230により取得されるファインダ側画像は、ファインダ光学像と同じ範囲の光学像から取得されるため、ファインダ光学像の範囲、すなわちファインダ観察範囲20を示す画像であると言える。したがって、撮影側画像に対応するファインダ側画像内の領域を検出することにより、撮影側画像に対応するファインダ光学像内の領域を特定することができる。
【0108】
より具体的に、例えば、領域検出部185は、まず、撮影側画像とファインダ側画像との間で共通する複数の特徴点を抽出し、当該複数の特徴点に基づいて両画像を照合することにより、撮影対応領域を検出する。当該検出は、一例として、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)アルゴリズムを用いて実現される。SIFTアルゴリズムによれば、画像間の倍率や角度が異なっていたとしても、両画像の照合を的確に行うことができる。以下、図9を参照して、特徴点の抽出および画像の照合の一例について説明する。
【0109】
図9は、特徴点の抽出および画像の照合の一例を説明するための説明図である。図9を参照すると、撮影側画像30とファインダ側画像40とが示されている。領域検出部185は、例えば、画像間で共通する複数の特徴点31および41を抽出する。ここで、撮影側画像30の特徴点31a、31b、31c、31dおよび31eと、ファインダ側画像40の特徴点41a、41b、41c、41dおよび41eとが、画像間でそれぞれ共通している。そして、領域検出部185は、特徴点31および特徴点41に基づいて、両画像を照合する。その結果、撮影対応領域が得られる。
【0110】
次に、図10〜図13を参照して、撮影対応領域の具体的な例を説明する。
【0111】
図10は、撮影対応領域43の第1の例を説明するための説明図である。図10を参照すると、ファインダ側画像40a内に撮影対応領域43aが示されている。当該撮影対応領域43aは、撮影側画像30全体に対応している。よって、検出された当該撮影対応領域43aから、ファインダ光学像の範囲、すなわちファインダ観察範囲20が、撮影用のCMOS120の撮像範囲、すなわち撮影範囲10を包含していることが分かる。
【0112】
図11は、撮影対応領域43の第2の例を説明するための説明図である。図11を参照すると、ファインダ側画像40bにほぼ一致する撮影対応領域43bが示されている。よって、検出された当該撮影対応領域43bから、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10とほぼ一致していることが分かる。
【0113】
図12は、撮影対応領域43の第3の例を説明するための説明図である。図12を参照すると、ファインダ側画像40c内に撮影対応領域43cが示されている。ただし、当該撮影対応領域43cは、撮影側画像30の一部にのみ対応している。よって、検出された当該撮影対応領域43cから、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10を包含できていないことが分かる。すなわち、ファインダで撮像側画像30全体を観察できないことが分かる。
【0114】
図13は、撮影対応領域43の第3の例を説明するための説明図である。図13を参照すると、ファインダ側画像40d内に撮影対応領域43dが示されている。ただし、当該撮影対応領域43dの大きさは、ファインダ側画像40dの大きさに比べると非常に小さい。すなわち、撮影対応領域43dの大きさに対するファインダ側画像40dの大きさの比率が、所定の閾値以上である。よって、検出された当該撮影対応領域43dから、ファインダ視野率(撮影用のCMOS120の撮像範囲の大きさに対する、ファインダ光学像の範囲の大きさの比率)が大きくなりすぎていることが分かる。すなわち、ファインダで撮像側画像30を観察しにくくなっていることが分かる。
【0115】
以上のように、領域検出部185は、撮影対応領域43を検出する。そして、領域検出部185は、ファインダ制御部187、ファインダ画像生成部189および制御値変更部193に、検出結果として、検出された撮影対応領域43を出力する。また、領域検出部185は、図12のように撮影対応領域43が撮影側画像30の一部に対応する場合に、例えば、ファインダ制御部187に、撮影側画像30全体とファインダ側画像40との位置関係も出力する。また、領域検出部185は、図13のように、撮影対応領域43dの大きさに対するファインダ側画像40dの大きさの比率が所定の閾値以上である場合に、ファインダ制御部187に、上記比率が閾値以上であったことを示す情報も出力する。
【0116】
(ファインダ制御部187)
ファインダ制御部187は、CMOS230の撮像範囲が撮影用のCMOS120の撮像範囲を包含するための制御を行う。すなわち、当該制御は、図3を参照すると、ファインダ光学像の範囲であるファインダ観察範囲20が、撮影用のCMOS120の撮像範囲である撮影範囲10を包含するための制御である。より具体的には、ファインダ光学系210は、画角の変更を可能にするズーム機能を有するため、ファインダ制御部187は、例えば、撮影光学系310の画角よりも大きくなるようにファインダ光学系210の画角を調整することにより、上記制御を行う。このような制御によれば、ファインダユニット200全体を動かすことなく、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させることが可能になる。以降、ファインダ制御部187による制御の具体例を説明する。
【0117】
例えば、ファインダ制御部187は、撮影光学系310の画角に関する情報を取得し、当該情報に基づいてファインダ光学系210の画角を調整する。より具体的には、例えば、ファインダ制御部187は、SIO175を介して撮影用レンズ300から、撮影光学系310の画角に関する情報としてズームレンズ311の焦点距離を取得する。次に、ファインダ制御部187は、例えば、撮影光学系310の画角よりもファインダ光学系210の画角の方が少し大きくなるように予め定められた、ズームレンズ311の焦点距離とズームレンズ211の焦点距離と対応関係を参照する。そして、ファインダ制御部187は、当該対応関係に基づいて、ズームレンズ211の焦点距離を決定する。ここで、ファインダ制御部187は、算出された焦点距離とその時点での実際の焦点距離とから、ズームレンズ211の前後移動の必要量を算出し、当該必要量の前後移動をファインダユニット200のドライバ225に指示する。このような画角の調整によれば、撮影光学系310の画角に関する情報の取得という簡易な処理により、ある程度の精度で、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させることができる。また、例えば、ファインダ光学系210の焦点距離または画角が未調整であるために所望の値とかけはなれている場合、撮影光学系310の焦点距離または画角が急激に変化する場合等であっても、素早く、ある程度の精度で、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させることができる。
【0118】
なお、両ズームレンズの焦点距離の上記対応関係は、以下のように定めることができる。まず、ズームレンズ311の焦点距離とCMOS120のサイズから、撮影光学系310の画角を算出する。次に、撮影光学系310の画角よりも少し大きい画角を、ファインダ光学系210の画角として決定する。そして、決定されたファインダ光学系210の画角に対応するズームレンズ211の焦点距離を算出する。このように、ズームレンズ311の焦点距離とズームレンズ211の焦点距離との対応関係を定めることができる。なお、焦点距離の対応関係が予め定められている場合を説明したが、ファインダ制御部187がズームレンズ311の焦点距離からズームレンズ211の焦点距離を都度算出してもよい。
【0119】
また、ファインダ制御部187は、例えば、撮影光学系310の最近接距離に関する情報も取得し、上記画角に関する情報と上記最近接距離に関する情報とに基づいて、ファインダ光学系210の画角を調整する。より具体的には、例えば、ファインダ制御部187は、最近接距離がより小さい場合に、ファインダ光学系210の画角をより大きくし、最近接距離がより大きい場合に、ファインダ光学系210の画角をより小さくする。すなわち、ズームレンズ311の焦点距離とズームレンズ211の焦点距離との上記対応関係では、ズームレンズ311の焦点距離が同一であれば、最近接距離がより小さい程、ズームレンズ211の焦点距離が短くなる。以下に、最近接距離毎の上記対応関係の一部の例を示す。
【0120】
【表1】

【0121】
このような画角の調整によれば、ファインダ光学系210の画角をより適切な画角に調整することが可能となる。すなわち、最近接距離がより短い場合に、ファインダ光学系210の画角をより大きくしておくことができる。その結果、最近接距離が短いためにより近い被写体を撮影することがあったとしても、ファインダ光学系210の画角が最近接距離に応じて大きくなっているので、より高い精度で、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10を包含することができる。また、最近接距離がより長い場合に、ファインダ光学系210の画角をより小さくしておくことができる。その結果、最近接距離が長いためにより近い被写体を撮影することがないにも関わらず、ファインダ光学系210の画角が必要以上に大きな画角に調整されることにより、ファインダ視野率が必要以上に大きくなることを回避することができる。
【0122】
以上のように、撮影光学系310の画角に関する情報に基づくファインダ光学系210の画角調整手法について説明した。次に、当該画角調整手法と併せてまたは当該調整手法の代わりに用いる調整手法について説明する。
【0123】
ファインダ制御部187は、例えば、ファインダ側画像40内の撮影対応領域43の検出結果に基づいて、ファインダ光学系210の画角を調整する。このような検出結果に基づく画角調整手法の第1の例および第2の例を以下に説明する。
【0124】
まず、第1の例として、ファインダ制御部187は、ファインダ側画像40内の撮影対応領域43が撮影側画像30の一部に対応する場合に、ファインダ光学系210の画角をより大きい画角に調整する。すなわち、ファインダ制御部187は、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10を包含しない場合に、ファインダ光学系210の画角をより大きい画角に調整する。
【0125】
より具体的には、例えば、ファインダ側画像40内の撮影対応領域43が撮影側画像30の一部に対応する場合に、ファインダ制御部187は、領域検出部185から、撮影側画像30全体とファインダ側画像40との位置関係を取得する。すると、ファインダ制御部187は、撮影側画像30全体とファインダ側画像40との位置関係、およびその時点でのファインダ光学系210の画角から、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10を包含可能な、ファインダ光学系210の適正な画角を算出する。当該適正な画角は、一例として、ファインダ光学系210の画角をその時点での画角から徐々に大きくしていった場合の撮影対応領域43の変化をシミュレーションすることにより算出可能である。そして、ファインダ制御部187は、その時点でのファインダ光学系210の画角から上記適正な画角に調整するために必要な焦点距離のシフト量を算出する。その後、ファインダ制御部187は、ファインダ光学系210の焦点距離を当該シフト量だけ変化させるように、ファインダユニット200のドライバ225に指示する。このような画角の調整の結果について、図14を参照して説明する。
【0126】
図14は、画角調整後の撮影対応領域43の一例を説明するための説明図である。前提として、図12には、画角調整前の撮影対応領域43が示されている。図12を参照すると、撮影対応領域43cは、撮影用画像30の一部にのみ対応している。すなわち、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10を包含できていない。そして、図14を参照すると、ファインダ光学系210の画角が適正な画角に調整された結果、撮影対応領域43cは、撮影用画像30全体に対応している。すなわち、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10全体を包含している。
【0127】
このような画角の調整により、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10をより確実に包含させることができる。その結果、ファインダ光学像を観察することにより、撮影光学系310のピントの位置にかかわらず撮影側画像30全体をより確実に観察することが可能になる。
【0128】
なお、ファインダ光学系210の画角をより大きい画角に調整できない場合に、ファインダ制御部187は、画角調整が不可であることを示す情報を表示制御部191に出力する。
【0129】
次に、第2の例として、ファインダ制御部187は、ファインダ側画像40内の撮影対応領域43の大きさに対するファインダ側画像40大きさの比率が所定の閾値以上である場合に、ファインダ光学系210の画角をより小さい画角に調整する。すなわち、ファインダ制御部187は、ファインダ視野率(撮影範囲10の大きさに対するファインダ観察範囲20の大きさの比率)が所定の閾値以上である場合に、ファインダ光学系210の画角をより小さい画角に調整する。
【0130】
より具体的には、例えば、撮影対応領域43の大きさに対するファインダ側画像40大きさの比率が所定の閾値以上である場合に、ファインダ制御部187は、領域検出部185から、上記比率が閾値以上であったことを示す情報と検出された撮影対応領域43とを取得する。すると、ファインダ制御部187は、ファインダ側画像40および撮影対応領域43、並びにその時点でのファインダ光学系210の画角から、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させつつファインダ視野率を最小化する、ファインダ光学系210の適正な画角を算出する。当該適正な画角は、一例として、ファインダ光学系210の画角をその時点での画角から徐々に小さくしていった場合の撮影対応領域43の変化をシミュレーションすることにより算出可能である。そして、ファインダ制御部187は、その時点でのファインダ光学系210の画角から上記適正な画角に調整するために必要な焦点距離のシフト量を算出する。その後、ファインダ制御部187は、ファインダ光学系210の焦点距離を当該シフト量だけ変化させるように、ファインダユニット200のドライバ225に指示する。
【0131】
再び図13を参照すると、撮影対応領域43dの大きさはファインダ側画像40dの大きさに比べると非常に小さく、撮影対応領域43dの大きさに対するファインダ側画像40dの大きさの比率が所定の閾値以上である。すなわち、ファインダ視野率が大きくなりすぎている。そして、図11を参照すると、ファインダ光学系210の画角が適正な画角に調整された結果、撮影対応領域43bは、ファインダ側画像40bとほぼ一致している。すなわち、ファインダ視野率が100%強となっている。
【0132】
このような画角の調整により、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させつつ、ファインダ視野率を最小化することができる。その結果、ファインダ光学像において撮影側画像30をより確認しやすくなる。また、個体ごとに発生する製造誤差の補正もなされることから、製造コスト削減にも寄与する。
【0133】
(ファインダ画像生成部189)
ファインダ画像生成部189は、検出された撮影対応領域43に基づいて、撮影側画像30に対応するファインダ光学像内の領域を示す画像(以下、領域画像)を生成する。当該領域画像は、ファインダユニット200のLCD240に表示され、ファインダ光学像に重畳される。ファインダ画像生成部189は、LCD240およびファインダ光学像60の大きさを踏まえて、ファインダ側画像40と撮影対応領域43との関係から、LCD240に表示されると撮影側画像30に対応するファインダ光学像40内の領域を示す画像を生成することができる。以下、図15〜図17を参照して、当該領域画像の具体例を説明する。
【0134】
図15は、領域画像70の第1の例を説明するための説明図である。当該第1の例は、図10のように撮影対応領域43aが検出された場合の例である。図15を参照すると、ファインダ接眼窓221を覗き込んだ際に観察されるファインダ光学像60aと領域画像70aとが示されている。領域画像70aは、ファインダ光学像内の撮影側画像30に対応する領域61aを示すためのマスク画像である。
【0135】
図16は、領域画像70の第2の例を説明するための説明図である。当該第2の例は、図14のように撮影対応領域43cが検出された場合の例である。図16を参照すると、ファインダ接眼窓221を覗き込んだ際に観察されるファインダ光学像60bと領域画像70bとが示されている。領域画像70bは、図15と同様に、ファインダ光学像内の撮影側画像30に対応する領域61bを示すためのマスク画像である。ここでは、領域画像70bのマスクの明るさとファインダ光学像60の明るさが近くなっている。
【0136】
図17は、領域画像70の第3の例を説明するための説明図である。当該第3の例は、第2の例のマスクの明るさを改善した例である。図17を参照すると、領域画像70bのマスクの明るさがファインダ光学像60の明るさとの差が大きい。そのため、図16の場合よりも領域画像70bの存在および領域61bをより確認しやすくなっている。
【0137】
なお、領域画像70は、図15〜図17のようなマスクに限られない。領域画像70は、ファインダ光学像60内の撮影側画像30に対応する領域61を確認可能な任意の画像であってもよい。例えば、領域画像70は、領域61を囲う線のみの画像であってもよい。
【0138】
(表示制御部191)
表示制御部191は、撮影対応領域43の検出結果に基づき生成される、撮影側画像30に対応するファインダ光学像60内の領域を示す画像(すなわち、領域画像70)を、ファインダ光学像60に重畳してファインダユニット200のLCD240に表示させる。すなわち、表示制御部191は、ファインダ画像生成部189により生成された領域画像70を、ファインダ光学像に重畳してLCD240に表示させる。表示制御部191は、例えば、図15〜図17のような領域画像70をLCD240に表示させる。このように、領域画像70の表示により、ファインダユニット200で撮影側画像を正確に観察することが可能になる。すなわち、利用者は、ファインダ光学像60を観察する際に、領域画像70を見れば、どこからどこまでが撮影範囲10であるかを正確に把握することができる。また、上記のとおり、ファインダ光学系210の画角の調整によって、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させるため、ファインダユニット200全体を動かす必要もない。
【0139】
また、表示制御部191は、ファインダ光学系210の画角をより大きい画角に調整できない場合に、警告を示す画像(以下、警告画像)をLCD240に表示させる。例えば、表示制御部191は、ファインダ制御部187から画角調整が不可であることを示す情報を取得すると、所定の警告画像をLCD240に表示させる。この点について、図18を参照して説明する。
【0140】
図18は、警告画像80の一例を説明するための説明図である。図18を参照すると、ファインダ接眼窓221を覗き込んだ際に観察されるファインダ光学像60cと警告画像80とが示されている。警告画像80として、「ZOOM連動外 LCDを利用してください」という画像が表示されている。
【0141】
このような警告画像80の表示により、画角調整の次善の策として、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10を包含できないことを利用者に知らせることができる。
【0142】
また、表示制御部191は、例えば、画像処理部195による画像処理後の撮影側画像30をLCD150に表示させる。
【0143】
(制御値変更部193)
制御値変更部193は、ファインダ側画像40内の撮影対応領域43に含まれる画素の情報を用いて、デジタルカメラ100の動作に関する制御値を変更する。上記制御値変更部193は、例えば、連写撮影を行う場合に上記制御値を変更する。以下、当該制御値の変更について、より具体的に説明する。
【0144】
第1の例として、上記制御値は、例えば、デジタルカメラ100の露出制御値である。すなわち、制御値変更部193は、撮影対応領域43に含まれる画素の情報を用いて、露出制御値を変更する。当該露出制御値は、例えば、EV値、F値、シャッタスピード、またはISO感度を含む。
【0145】
例えば、制御値変更部193は、撮影対応領域43に含まれる画素の情報を用いて適正なEV値を算出し、当該適正なEV値に基づいて露出制御値を変更する。より具体的には、例えば、制御値変更部193は、連写撮影の開始の際に、撮影対応領域43をブロックに分割し、ブロック毎の輝度平均値を算出する。次に、制御値変更部193は、当該分割ブロック毎の輝度平均値に基づいて、適正なEV値を算出する。そして、制御値変更部193は、当該適正なEV値を基準値として記憶する。このような適正なEV値の算出について、図19を参照してより具体的に説明する。
【0146】
図19は、撮影対応領域43の分割ブロックの一例を説明するための説明図である。図19を参照すると、例えば、ファインダ側画像40c内の撮影対応領域43cは、5×5のブロック45に分割される。そして、ブロック45毎の輝度平均値が算出され、当該輝度平均値に基づいて適正なEV値が算出される。
【0147】
上記適正なEV値を基準値として記憶した後に、制御値変更部193は、継続して適正なEV値を算出し、算出したEV値と基準値との差(すなわち、算出したEV値−基準値)を算出する。そして、当該EV値の差の大きさが所定の閾値以上である場合に、制御値変更部193は、AE制御部177により設定されているEV値に当該差を加えた値を、新たなEV値としてAE制御部177に設定させる。また、当該設定に併せて、制御値変更部193は、自ら算出した最新の適正なEV値を新たな基準値として記憶する。このように、設定されているEV値に上記差を加えることにより、時間経過によるEV値の相対的な変化量を、設定されているEV値に反映させることができる。このようなEV値の変更について、図20を参照してより具体的に説明する。
【0148】
図20は、撮影対応領域43に基づく露出制御値の変更の一例を説明するための説明図である。図20を参照すると、撮影側画像30について、垂直同期(VD)信号によるフレームF毎に、露出制御値Eによる露出が行われる。また、当該露出により入射した光からCMOS120により取得されたRAWデータの画像Iが、次のフレームFで、画像入力コントローラ125によりSDRAM139に入力される。そして、次のフレームFで、AE制御部177は、適正な露出制御値AEの算出および設定を行う。例えば、フレームF1では、露出制御値E−1による露出が行われる。次に、フレームF2では、フレームF1での露出制御値E−1による露出に応じて取得された画像I−1が、SDRAM139に入力される。そして、フレームF3では、フレームF2で入力された画像に基づいて、適正な露出制御値AE−1の算出および設定が行われる。そして、フレームF4から、設定された新たな露出制御値E−2による露出が行われる。このように、3フレーム毎に露出制御値が設定される。なお、図20では明示されていないが、フレームF2、F5、F8のみではなく、各フレームFで、画像入力が行われる。例えば、フレームF2では、露出制御値E−1による露出が行われ、フレームF4では、フレームF2での露出制御値E−1による露出に応じて取得された画像が、SDRAM139に入力される。
【0149】
一方で、ファインダ側画像40について、上記VD信号よりも短い周期のVD信号を用いて、例えばフレームFの半分の長さのフレームfが設定されている。ファインダ光学系210およびCMOS230は、撮影側画像30から独立しているため、このようにフレームfの長さを自由に設定することができる。当該フレームf毎に露出制御値eによる露出が行われる。また、当該露出により入射した光からCMOS230により取得されたRAWデータの画像iが、次のフレームfで、画像入力コントローラ235によりSDRAM139に入力される。そして、次のフレームfで、制御値変更部193は、適正な露出制御値aeの算出、適正な露出制御値aeと基準値との差の算出、当該差と閾値との比較を行う。そして、閾値との比較結果に応じて、露出制御値Eが変更される。その結果、制御値変更部193は、同じ時点での露出に基づく適正な露出制御値の算出を、AE制御部177よりもより早く完了させることができる。なお、図20では明示されていないが、フレームFと同様に、各フレームfでも、RAWデータの画像入力が行われる。
【0150】
例えば、フレームF3とフレームF4の間に被写体の明るさが変化した場合に、AE制御部177は、当該変化後に露出制御値E−2による露出をフレームF4で行い、画像I−2の入力をフレームF5で行い、適正な露出制御値AE−2の算出および設定をフレームF6で行う。そのため、明るさの変化を反映した露出は、フレームF7以降に行われる。一方で、制御値変更部193は、当該変化後に露出制御値e−3による露出をフレームf7で行い、画像i−3の入力をフレームf8で行い、適正な露出制御値ae−3の算出および新たな露出制御値Eの設定をフレームf9で行う。そのため、明るさの変化を反映した露出は、フレームf10以降、すなわちフレームF6以降に行われる。
【0151】
以上のように、撮影対応領域43に含まれる画素を用いた露出制御によれば、連写撮影時に、被写体の明るさの変化に応じてより素早く露出制御値を変更することができる。その結果、連写撮影において、被写体の明るさに合わない露出により撮影される画像をより少なくすることができる。
【0152】
次に、第2の例として、上記制御値は、撮影側画像30の画像処理に用いる制御値である。
【0153】
例えば、上記画像処理に用いる制御値は、撮影側画像30のWB調整に用いるWBゲインである。すなわち、制御値変更部193は、撮影対応領域43に含まれる画素の情報を用いて、撮影側画像30のWB調整に用いるWBゲインを変更する。
【0154】
より具体的には、例えば、制御値変更部193は、連写撮影の開始の際に、撮影対応領域43をブロックに分割し、ブロック毎のR/G/B平均値を算出する。次に、制御値変更部193は、当該分割ブロック毎のR/G/B平均値に基づいて、適正なWBゲインを算出する。当該算出は、図19を参照して説明した輝度平均値の算出と同様である。そして、制御値変更部193は、当該適正なWBゲインを基準値として記憶する。
【0155】
上記適正なWBゲインを基準値として記憶した後に、制御値変更部193は、継続して適正なWBゲイン値を算出し、基準値に対する算出したWBゲインの割合いを算出する。そして、当該割合いが所定の閾値以上である場合に、制御値変更部193は、画像処理部195により設定されているWBゲインに当該割合いを乗じた値を、新たなWBゲインとして設定するように画像処理部195に指示する。また、当該設定に併せて、制御値変更部193は、自ら算出した最新の適正なWBゲインを新たな基準値として記憶する。このような設定により、上記露出制御値の変更と同様に、時間経過によるWBゲインの相対的な変化量を、設定されているWBゲインに反映させることができる。
【0156】
また、例えば、上記画像処理に用いる制御値は、撮影側画像30エッジ強調処理に用いる強調係数である。すなわち、制御値変更部193は、撮影対応領域43に含まれる画素の情報を用いて、撮影側画像30エッジ強調処理に用いる強調係数を変更する。
【0157】
より具体的には、例えば、制御値変更部193は、連写撮影の開始の際に、撮影対応領域43の周波数特性を算出する。次に、制御値変更部193は、当該周波数特性に基づいて、適正な強調係数を算出する。そして、制御値変更部193は、当該適正な強調係数を基準値として記憶する。
【0158】
上記適正な強調係数を基準値として記憶した後に、制御値変更部193は、継続して適正な強調係数を算出し、算出した強調係数と基準値との差(すなわち、算出した強調係数−基準値)を算出する。そして、当該差の大きさが所定の閾値以上である場合に、制御値変更部193は、画像処理部195により設定されている強調係数に当該差を加えた値を、新たな強調係数として設定するように画像処理部195に指示する。また、当該設定に併せて、制御値変更部193は、自ら算出した最新の適正な強調係数を新たな基準値として記憶する。このような設定により、上記露出制御値およびWBゲインの変更と同様に、時間経過による強調係数の相対的な変化量を、設定されている強調係数に反映させることができる。
【0159】
以上のように、WB調整のWBゲイン、エッジ強調処理の強調係数を例示して、画像処理に用いる制御値の変更について説明した。このような制御値の変更により、例えば、連写撮影のフレームが極めて短く、画像処理に用いる制御値を固定して撮影せざるを得ない場合であっても、撮影対応領域43に含まれる画素の情報を用いて、連写撮影中に上記制御値をより適正なものに変更することができる。
【0160】
(画像処理部195)
画像処理部195は、CMOS120により取得される撮影側画像30に対する各種画像処理を行う。例えば、画像処理部195は、撮影側画像30に対するWB調整およびエッジ強調処理を行う。
【0161】
また、画像処理部195は、適正WB算出部181による指示に従って、WBゲインを設定する。また、画像処理部195は、適正エッジ強度算出部183による指示に従って、エッジ強調処理の強調係数を設定する。
【0162】
また、画像処理部195は、制御値変更部193による指示に従って、画像処理に用いる制御値を変更する。例えば、画像処理部195は、制御値変更部193による指示に従って、WBゲインおよびエッジ強調処理の強調係数を設定する。
【0163】
以上、処理部170の構成の一例について説明したが、処理部170は、例えば、CPUおよびDSP(Digital Signal Processor)により実装される。
【0164】
<4.処理の流れ>
次に、図21および図22を参照して、本実施形態に係る撮影処理の一例について説明する。
【0165】
(撮影処理全体の流れ)
図21は、本実施形態に係るにおける撮像処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0166】
(制御値変更処理の流れ)
まず、ステップS301で、ファインダ制御部187は、撮影光学系310の画角に関する情報を取得する。次に、ステップS303で、ファインダ制御部187は、撮影光学系310の画角に関する情報に基づいて、ファインダ光学系210の画角を調整する

【0167】
次に、ステップS305で、CMOS120は、撮影用レンズ300の撮影光学系310により導かれた光から撮影側画像30を取得する。また、ステップS307で、CMOS230は、ファインダ光学像60と同じ範囲の光学像からファインダ側画像40を取得する。そして、ステップS309で、領域検出部185は、撮影側画像30に対応するファインダ側画像40内の領域、すなわち撮影対応領域43を検出する。
【0168】
次に、ステップ311で、ファインダ制御部187は、撮影対応領域43が撮影側画像30の一部に対応するか否かを判定する。撮影対応領域43が撮影側画像30の一部に対応する場合に、処理はステップS315へ進む。一方、撮影対応領域43が撮影側画像30全体に対応する場合に、処理はステップS313へ進む。
【0169】
ステップS313で、LCD240は、撮影対応領域43の検出結果に基づき生成される、撮影側画像30に対応するファインダ光学像60内の領域を示す画像(すなわち、領域画像70)を、ファインダ光学像60に重畳して表示する。
【0170】
ステップS315で、ファインダ制御部187は、撮影側画像30全体とファインダ側画像40との位置関係、およびその時点でのファインダ光学系210の画角から、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10を包含可能な、ファインダ光学系210の適正な画角を算出する。次に、ステップS317で、ファインダ制御部187は、その時点でのファインダ光学系210の画角から上記適正な画角に調整するために必要な焦点距離のシフト量を算出する。
【0171】
ステップS319で、ファインダ制御部187は、ファインダ側画像40内の撮影対応領域43の大きさに対するファインダ側画像40大きさの比率(すなわち、ファインダ視野率)が所定の閾値以上であるか否かを判定する。上記比率が所定の閾値以上であれば、処理はステップS321へ進む。一方、上記比率が所定の閾値未満であれば、処理はステップS331へ進む。
【0172】
ステップS321で、ファインダ制御部187は、ファインダ側画像40および撮影対応領域43、並びにその時点でのファインダ光学系210の画角から、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させつつファインダ視野率を最小化する、ファインダ光学系210の適正な画角を算出する。そして、次に、ステップS323で、ファインダ制御部187は、その時点でのファインダ光学系210の画角から上記適正な画角に調整するために必要な焦点距離のシフト量を算出する。
【0173】
ステップS325で、ファインダ制御部187は、画角を設定可能か否かを判定する。すなわち、ファインダ制御部187は、算出したシフト量だけ焦点距離を変えることができるか否かを判定する。画角の設定が可能であれば、処理はステップS327へ進む。一方、画角の設定が不可であれば、処理はステップS329へ進む。
【0174】
ステップS327で、ファインダユニット200のドライバ225は、算出されたシフト量だけファインダ光学系210の焦点距離を変化させることにより、ファインダ光学系210の画角を調整する。
【0175】
ステップS329で、LCD240は、警告画像80を表示する。
【0176】
ステップS331で、制御値変更部193は、撮影モードが連写撮影モードであるか否かを判定する。連写撮影モードであれば、処理はステップS400へ進む。連写撮影モードでなければ、処理はステップS333へ進む。
【0177】
ステップS400で、制御値変更部193は、ファインダ側画像40内の撮影対応領域43に含まれる画素の情報を用いて、デジタルカメラ100の動作に関する制御値を変更する。
【0178】
ステップS333で、撮影を終了するか否かが判定される。撮影を終了する場合に、処理は終了する。一方、撮影を終了しない場合に、処理はステップ305へ戻る。
【0179】
以上、図21を参照して、撮像処理の概略的な流れの一例を説明したが、次に、図22を参照して、上記ステップS400の制御値変更処理をより詳細に説明する。
【0180】
(制御値変更処理の流れ)
図22は、本実施形態に係るにおける制御値変更処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0181】
まず、ステップS401で、制御値変更部193は、撮影対応領域43を確認する。次に、ステップS403で、制御値変更部193は、撮影対応領域43をブロック45に分割する。そして、ステップS405で、制御値変更部193は、ブロック45毎にR/G/B平均値を算出する。また、ステップS407で、制御値変更部193は、ブロック45毎に輝度平均値を算出する。また、ステップS409で、制御値変更部193は、撮影対応領域43の周波数特性を算出する。
【0182】
次に、ステップS411で。ファインダ側画像40が連写撮影における1枚目のファインダ側画像40であるか否かが判定される。ファインダ側画像40が1枚目のファインダ側画像40であれば、処理はステップS413へ進む。一方、そうでなければ、処理はステップS421へ進む。
【0183】
ステップS413で、制御値変更部193は、ブロック45毎のR/G/B平均値から適正なWBゲインを算出し、当該適正なWBゲインを基準値として記憶する。また、ステップS415で、制御値変更部193は、ブロック45毎の輝度平均値から適正なEV値を算出し、当該適正なEV値を基準値として記憶する。また、ステップS417で、制御値変更部193は、撮影対応領域43の周波数特性から、エッジ強調処理における適正な強調係数を算出し、当該適正なエッジ強調係数を基準値として記憶する。
【0184】
ステップS421で、制御値変更部193は、適正なWBゲインの最新値を算出する。次に、ステップS423で、制御値変更部193は、基準値に対する最新値の割合いを算出する。そして、ステップS425で、当該割合の大きさが閾値Tよりも小さければ、処理はステップS431へ進む。当該割合の大きさが閾値T以上であれば、処理はステップS427へ進む。
【0185】
ステップS427で、制御値変更部193は、画像処理部195により設定されているWBゲインに上記割合いを乗じた値を、新たなWBゲインとして画像処理部195に設定させる。すなわち、撮影側画像30用のWBゲインが変更される。そして、ステップS429で、制御値変更部193は、自ら算出した上記最新値を新たな基準値として記憶する。
【0186】
次に、ステップS431で、制御値変更部193は、適正なEV値の最新値を算出する。次に、ステップS433で、制御値変更部193は、最新値と基準値との差を算出する。そして、ステップS435で、当該差の大きさが閾値Tよりも小さければ、処理はステップS441へ進む。当該差の大きさが閾値T以上であれば、処理はステップS437へ進む。
【0187】
ステップS437で、制御値変更部193は、AE制御部177により設定されているEV値に上記差を加えた値を、新たなEV値としてAE制御部177に設定させる。すなわち、撮影側画像30用のEV値が変更される。そして、ステップS439で、制御値変更部193は、自ら算出した上記最新値を新たな基準値として記憶する。
【0188】
次に、ステップS441で、制御値変更部193は、適正な強調係数の最新値を算出する。次に、ステップS443で、制御値変更部193は、最新値と基準値との差を算出する。そして、ステップS445で、当該差の大きさが閾値Tよりも小さければ、処理は終了する。当該差の大きさが閾値T以上であれば、処理はステップS447へ進む。
【0189】
ステップS447で、制御値変更部193は、画像処理部195により設定されている強調係数に上記差を加えた値を、新たな強調係数として画像処理部195に設定させる。すなわち、撮影側画像30用の強調係数が変更される。そして、ステップS449で、制御値変更部193は、自ら算出した上記最新値を新たな基準値として記憶する。そして、処理は終了する。
【0190】
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態によれば、ファインダユニット全体を動かすことなく、撮影される画像をファインダでより正確に観察することが可能となる。
【0191】
より具体的には、撮影光学系310の画角よりも大きくなるようにファインダ光学系210の画角が調整される。これにより、ファインダユニット200全体を動かすことなく、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させることが可能になる。
【0192】
また、取得した撮影光学系310の画角に関する情報に応じて、ファインダ光学系210の画角が調整される。このような画角の調整によれば、撮影光学系310の画角に関する情報の取得という簡易な処理により、ある程度の精度で、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させることができる。また、例えば、ファインダ光学系210の焦点距離または画角が未調整であるために所望の値とかけはなれている場合、撮影光学系310の焦点距離または画角が急激に変化する場合等であっても、素早く、ある程度の精度で、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させることができる。
【0193】
また、最近接距離にも応じて、ファインダ光学系210の画角が調整される。このような画角の調整によれば、最近接距離がより短い場合に、ファインダ光学系210の画角をより大きくし、最近接距離がより長い場合に、ファインダ光学系210の画角をより小さくしておくことが可能になる。
【0194】
また、撮影対応領域43の検出結果に応じて、ファインダ光学系210の画角が調整される。このような画角の調整により、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10をより確実に包含させることができる。また、ファインダ観察範囲20に撮影範囲10を包含させつつ、ファインダ視野率を最小化することが可能になる。
【0195】
また、画角を調整できない場合には、警告画像80が表示される。このような警告画像80の表示により、画角調整の次善の策として、ファインダ観察範囲20が撮影範囲10を包含できないことを利用者に知らせることができる。
【0196】
また、撮影対応領域43の画素の情報を用いて、各種制御値が変更される。これにより、例えば、被写体の明るさの変化に応じて連写撮影時により素早く露出制御値を変更することができる。また、例えば、連写撮影のフレームが極めて短く、画像処理の制御値を固定して撮影せざるを得ない場合であっても、撮影対応領域43に含まれる画素の情報を用いて、連写撮影中に画像処理の制御値をより適正なものに変更することができる。
【0197】
また、本実施形態によれば、撮影距離が明らかになっていない時点、すなわちピントを合わせる前の時点であっても、撮影対応領域43を特定し、撮影側画像30に対応するファインダ光学像40内の領域を示すことができる。このように、撮影距離を決める前に、撮影される画像をファインダで観察することが可能となる。
【0198】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0199】
例えば、撮像装置の一例としてデジタルカメラを説明したが、撮像装置はこれに限定されない。撮像装置は、デジタルカメラ機能を有する携帯電話端末、ビデオカメラ等の別の装置であってもよい。
【0200】
また、主に撮像装置の中にファインダユニットが内蔵される例を説明したが、撮像装置およびファインダユニットはこれに限定されない。撮像装置は、ファインダユニットを着脱可能な撮像装置であってもよく、ファインダユニットは、撮像装置に着脱可能なファインダ装置であってもよい。
【0201】
また、本明細書の撮像処理における各ステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、撮像処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【符号の説明】
【0202】
1 撮像システム
10 撮影範囲
20 ファインダ観察範囲
30 撮影側画像
40 ファインダ側画像
41 特徴点
43 撮影対応領域
45 ブロック
60 ファインダ光学像
70 領域画像
80 警告画像
100 デジタルカメラ
110 メカニカルシャッタ
120 CMOS
170 処理部
177 AE制御部
181 適正WB算出部
183 適正エッジ強度算出部
185 領域検出部
187 ファインダ制御部
189 ファインダ画像生成部
191 表示制御部
193 制御値変更部
195 画像処理部
200 ファインダユニット
210 ファインダ光学系
211 ズームレンズ
223 モータ
230 CMOS
240 LCD
300 撮影用レンズ
310 撮影光学系
311 ズームレンズ
313 絞り


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子と、
前記第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、
前記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子と、
前記第2の撮像素子の撮像範囲が前記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御を行う制御部と、
前記第1の画像に対応する前記第2の画像内の領域を検出する検出部と、
前記領域の検出結果に基づき生成される、前記第1の画像に対応する前記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して表示する表示部と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記ファインダ光学系は、画角の変更を可能にするズーム機能を有し、
前記制御部は、前記撮影光学系の画角よりも大きくなるように前記ファインダ光学系の画角を調整することにより、前記制御を行う、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記撮影光学系の画角に関する情報を取得し、当該情報に基づいて前記ファインダ光学系の画角を調整する、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記撮影光学系の最近接距離に関する情報も取得し、前記画角に関する情報と前記最近接距離に関する情報とに基づいて前記ファインダ光学系の画角を調整する、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の画像内の前記領域の検出結果に基づいて、前記ファインダ光学系の画角を調整する、請求項2から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の画像内の前記領域が前記第1の画像の一部に対応する場合に、前記ファインダ光学系の画角をより大きい画角に調整する、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記ファインダ光学系の画角をより大きい画角に調整できない場合に、警告を示す画像を表示する、請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2の画像内の前記領域の大きさに対する当該第2の画像の大きさの比率が所定の閾値以上である場合に、前記ファインダ光学系の画角をより小さい画角に調整する、請求項5から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2の画像内の前記領域に含まれる画素の情報を用いて、前記撮像装置の動作に関する制御値を変更する変更部をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記変更部は、連写撮影を行う場合に前記制御値を変更する、請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記制御値は、前記撮像装置の露出制御値である、請求項9または10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記制御値は、前記第1の画像の画像処理に用いる制御値である、請求項9から11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記画像処理に用いる制御値は、前記第1の画像のホワイトバランス調整に用いるホワイトバランスゲインである、請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記画像処理に用いる制御値は、前記第1の画像のエッジ強調処理に用いる強調係数である、請求項12または13に記載の撮像装置。
【請求項15】
第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子と、前記第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、前記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子とを備える撮像装置における撮像方法であって、
前記第2の撮像素子の撮像範囲が前記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御を行うステップと、
前記第1の画像に対応する前記第2の画像内の領域を検出するステップと、
前記領域の検出結果に基づき生成される、前記第1の画像に対応する前記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して表示するステップと、
を含む撮像方法。
【請求項16】
第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子を有する撮像装置に着脱可能なファインダ装置であって、
前記第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、
前記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子と、
前記第2の撮像素子の撮像範囲が前記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御に応じて、前記ファインダ光学系を駆動する駆動部と、
前記第1の画像に対応する前記第2の画像内の領域の検出結果に基づき生成される、前記第1の画像に対応する前記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して表示する表示部と、
を備えるファインダ装置。
【請求項17】
第1の画像を取得する撮影用の第1の撮像素子に光を導く撮影光学系とは異なる光軸を持ち、ファインダで観察可能な光学像を結像するファインダ光学系と、前記ファインダで観察可能な光学像と同じ範囲の光学像から第2の画像を取得する第2の撮像素子と、前記ファインダで観察可能な光学像に重畳して画像を表示する表示部と、を有するファインダ装置を着脱可能な撮像装置であって、
前記第1の撮像素子と、
前記第2の撮像素子の撮像範囲が前記第1の撮像素子の撮像範囲を包含するための制御を行う制御部と、
前記第1の画像に対応する前記第2の画像内の領域を検出する検出部と、
前記領域の検出結果に基づき生成される、前記第1の画像に対応する前記ファインダで観察可能な光学像内の領域を示す画像を、当該光学像に重畳して前記ファインダ装置の表示部に表示させる表示制御部と、
を備える撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−88559(P2013−88559A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227790(P2011−227790)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】