説明

撮像装置及びその制御方法

【課題】 電子ファインダモードで被写体以外の画像を表示する場合に、撮像素子を保護すると共に、より短時間で被写体の画像の画面に復帰できるようにすること。
【解決手段】 絞り(104)と、撮影光学系(103)及び前記絞りを介して入射する光束を電気信号に変換する撮像素子(106)と、ディスプレイユニット(107)とを備え、前記撮像素子により得られる電気信号に基づく画像を前記ディスプレイユニットに逐次表示する電子ファインダモードを有する撮像装置において、前記電子ファインダモードにおいて、前記撮像素子から得られる電気信号に基づく画像以外の画像を前記ディスプレイユニットに表示する指示がなされた場合に、前記絞りを絞り込むように制御する制御手段(135、143)を有することを特徴とする撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及びその制御方法に関し、更に詳しくは、電子ファインダ機能を有する撮像装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置の一つである一眼レフカメラでは、光学ファインダ(OVF)を用いて被写体を観察する時には、撮影レンズから射出した光束を、撮影レンズに対して像面側に配置された反射ミラーで反射させて、ペンタプリズム等を含む光学ファインダに導いている。これにより、撮影者は、撮影レンズにより形成された被写体像を正像として見ることができる。このとき、反射ミラーは、撮影光路上に斜設されているが、この状態から被写体像を撮影する場合には、反射ミラーを撮影光路から瞬時に待避することで撮影レンズからの光束を撮像素子に到達させる。そして、撮影動作が終了すると、直ちに反射ミラーは元の撮影光路上に斜設される。
【0003】
一方、被写体像を観察する方法として、撮像素子から被写体像の画像信号を間引いて読み出し、読み出した画像信号をカメラ背面に設けられたLCDなどのディスプレイユニットに高い表示レートでリアルタイム表示する電子ファインダ(EVF)がある。この場合、撮影レンズから射出した光束を遮ることなく撮像素子に導けるように、反射ミラーは撮影光路から待避し、シャッタは開いた状態を維持する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−33705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したカメラ背面に設けられたディスプレイユニットは、通常、カメラに設定済みの情報、設定済みの機能内容を変更するメニュー、撮影済みの画像など、複数の目的に応じた表示を行えるように構成されている。そして、ディスプレイユニットの表示の切り換えは使用者の意思により選択される。電子ファインダで被写体を観察するEVFモードにおいて、被写体画像以外の画像(例えば、メニュー画面)の表示が選択された場合、被写体画像の画面から直ちにメニュー画面へ切り換えられる。
【0006】
EVFモードでメニュー画面が表示されている時、上述したように、カメラは、撮影レンズから射出した光束を遮ることなく撮像素子に導けるように、反射ミラーが撮影光路から待避し、シャッタが開いた状態を維持している。しかしながら、メニュー画面が表示されているために、使用者は撮像素子に入射している被写体像の様子が分からない。そのため、例えば、誤って太陽に撮影レンズを向けた状態になった場合には、太陽光が撮像素子に結像して、撮像素子の一部が高温になり、焼けてしまうことがあった。
【0007】
一方で、メニュー画面への切り換えの度に反射ミラーの駆動をする場合、反射ミラーの作動音、特に、ミラーが下りたときに衝突音が発生するため、うるさいばかりか使用者にレリーズしたかの如き錯覚をさせてしまうといった欠点がある。また、メニュー画面を表示した状態から、再び被写体の画像を表示するEVF表示画面に戻る時に、反射ミラーの駆動をするために、被写体の画像の画面への復帰時間が長くなるといった欠点がある。
【0008】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、電子ファインダモードで被写体以外の画像を表示する場合に、撮像素子を保護すると共に、より短時間で被写体の画像の画面に復帰できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、絞り手段と、撮影レンズ及び前記絞り手段を介して入射する光束を電気信号に変換する撮像素子と、表示手段とを備え、前記撮像素子により得られる電気信号に基づく画像を前記表示手段に逐次表示する電子ファインダモードを有する本発明の撮像装置は、前記電子ファインダモードにおいて、前記撮像素子から得られる電気信号に基づく画像以外の画像を前記表示手段に表示する指示がなされた場合に、前記絞り手段を絞り込むように制御する制御手段を有する。
【0010】
また、絞り手段と、撮影レンズ及び前記絞り手段を介して入射する光束を電気信号に変換する撮像素子と、表示手段とを備えた撮像装置の本発明の制御方法は、前記撮像素子により得られる電気信号に基づく画像を前記表示手段に逐次表示する電子ファインダモードを設定する設定工程と、前記電子ファインダモードにおいて、前記撮像素子から得られる電気信号に基づく画像以外の画像を前記表示手段に表示する指示がなされた場合に、前記絞り手段を絞り込む絞り込み工程とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子ファインダモードで被写体以外の画像を表示する場合に、撮像素子を保護すると共に、より短時間で被写体の画像の画面に復帰することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。ただし、本形態において例示される構成部品の寸法、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
【0013】
以下、本発明の実施形態の撮像システムの一例として、デジタル一眼レフカメラシステムの構成を図1から図3を参照しながら説明する。
【0014】
図1及び図2は本実施形態におけるカメラシステムの構成を示す概略断面図であり、カメラ本体(撮像装置)101と、カメラ本体101に着脱可能に装着されるレンズ装置102とを有している。図1は光学ファインダ(OVF)で被写体を観察する場合のカメラシステムの状態を示している。この図1に示す状態を、以下、「光学ファインダモード(OVFモード)」と呼ぶ。また、図2はカメラ本体101の背面に取り付けられたディスプレイユニット107(表示手段)に被写体の画像を逐次表示する電子ファインダ(EVF)機能を用いて、被写体を観察可能にした場合のカメラシステムの状態を示している。この図2に示す状態を、以下、「電子ファインダモード(EVFモード)」と呼ぶ。
【0015】
レンズ装置102内には、撮影光学系103(撮影レンズ)および露光量を調節するための絞り104が設けられている。レンズ装置102は、公知のマウント機構を介してカメラ本体101に電気的、機械的に接続される。焦点距離の異なるレンズ装置102をカメラ本体101に装着することによって、様々な画角の撮影画面を得ることが可能である。また、レンズ装置102では、不図示の駆動機構を介して撮影光学系103の一部の要素であるフォーカスレンズを光軸L1方向に移動させることで、撮影光学系103の焦点調節を行う。
【0016】
カメラ本体101は、CCDセンサあるいはCMOSセンサなどの撮像素子106を用いた単板式のデジタルカラーカメラであり、撮像素子106を連続的または単発的に駆動して、動画像または静止画像を表わす画像信号を得る。なお、撮像素子は、露光した光を画素毎に電気信号に変換して受光量に応じた電荷を蓄積し、蓄積された電荷を読み出すタイプのエリアセンサである。撮像素子106はパッケージ110に収納されている。また、撮影光学系103から撮像素子106に至る光路中には、撮像素子106上に被写体像(光学像)の必要以上に高い空間周波数成分が伝達されないように撮影光学系103のカットオフ周波数を制限する光学ローパスフィルタ156が設けられている。
【0017】
撮像素子106として、例えば、正方画素が合計約1000万個の画素数を有する撮像素子を用いることができる。そして、各画素にR(赤色)G(緑色)B(青色)のカラーフィルタが交互に配して4画素が一組となる、いわゆるベイヤー配列を構成している。ベイヤー配列では、観察者が画像を見たときに強く感じやすいGの画素をRやBの画素よりも多く配置することで、総合的な画像性能を上げている。一般に、この方式の撮像素子を用いる画像処理では、輝度信号は主にGから生成し、色信号はR、G、Bから生成する。なお、画素数及びカラーフィルタの種類は上記に限るものではなく、公知のものを適宜使用可能であることは言うまでもない。
【0018】
また、撮像素子106を増幅型固体撮像素子の1つであるCMOSプロセスコンパチブルのセンサ(以降、「CMOSセンサ」と略す。)で構成した場合、以下のような特徴を有することができる。即ち、エリアセンサ部のMOSトランジスタと撮像素子駆動回路、A/D変換回路、画像処理回路といった周辺回路を同一工程で形成できるため、マスク枚数、プロセス工程がCCDと比較して大幅に削減できるという利点がある。また、任意の画素へのランダムアクセスが可能といった特長も有し、ディスプレイ用に間引いた読み出しが容易であって、ディスプレイユニット107において高い表示レートでリアルタイム表示を行うことができる。
【0019】
撮像素子106から読み出された信号は、後述するように所定の処理が施された後、画像データとしてディスプレイユニット107上に表示される。ディスプレイユニット107はカメラ本体101の背面に取り付けられており、使用者はディスプレイユニット107での表示を直接観察できるようになっている。
【0020】
撮像素子106は、上述した特長を利用し、ディスプレイ画像出力動作(撮像素子106の受光領域のうち、一部を間引いた領域からの読み出し)及び高精彩画像出力動作(全受光領域からの読み出し)の両方の動作を行うことができる。また、撮像素子106の出力を用いたコントラスト検出方式による焦点調節も行うことができる。
【0021】
111は可動型のハーフミラーであり、撮影光学系103からの光束のうち一部を反射させるとともに、残りを透過させ、一つの光路を二つの光路に分割する。105は撮影光学系103によって形成される被写体像の予定結像面に配置されたフォーカシングスクリーン、112はペンタプリズムである。109はフォーカシングスクリーン105上に形成された被写体像を観察するためのファインダレンズであり、一般的には複数枚のレンズで構成されている。フォーカシングスクリーン105、ペンタプリズム112およびファインダレンズ109は、ファインダ光学系を構成する。180は、フォーカシングスクリーン105上に特定の情報を表示させるための光学ファインダ内情報表示ユニットである。
【0022】
ハーフミラー111の背後(像面側)には可動型のサブミラー122が設けられ、ハーフミラー111を透過した光束のうち、光軸L1に近い光束を反射させて焦点検出ユニット(焦点検出手段)121に導いている。また、サブミラー122は、不図示の駆動機構によりハーフミラー111と連動して、撮影光路に対して進退可能となっている。即ち、可動ミラーであるハーフミラー111及びサブミラー122は、OVFモード時には図1に示す位置(第1の位置)、EVFモード時には図2に示す位置(第2の位置)の2通りのいずれかを選択的にとることができる。
【0023】
焦点検出ユニット121は、サブミラー122からの光束を受光して位相差検出方式による焦点検出を行う。
【0024】
108は可動式の閃光発光ユニットであり、カメラ本体101に収納される収納位置とカメラ本体101から突出した発光位置との間で移動可能である。113は像面に入射する光量を調節するフォーカルプレンシャッタで、複数の遮光羽根で構成された先幕と後幕を有する。119はカメラ本体101を起動させるためのメインスイッチである。
【0025】
120は2段階で押圧操作されるレリーズボタンであり、半押し操作(スイッチSW1のON)で撮影準備動作(測光動作や焦点調節動作等)が開始される。更に、全押し操作(スイッチSW2のON)で撮影動作(フォーカルプレンシャッタ113の走行と、撮像素子106の露光及び電荷信号の読み出し、及び電荷信号を処理して得られた画像データの記録媒体への記録)が開始される。
【0026】
123はファインダモード切り換えスイッチであり、スイッチ123を押す度に被写体像の観察モードとして、OVFモードとEVFモード間の切り換えを行うことができる。124はメニュー表示スイッチであり、該スイッチを押す度にメニュー表示とメニュー表示前の表示状態への切り換えを行うことができる。なお、メニュー画面からOVFモードとEVFモード間の切り換えを行うことも可能である。
【0027】
図3は、図1及び図2に示すデジタルカラーカメラの概略機能構成を示すブロック図である。なお、図1及び図2と同じ構成には同じ参照番号を付し、説明を省略する。
【0028】
まず、被写体像の撮像、記録に関する部分から説明する。
【0029】
本実施の形態のカメラシステムは、撮像系、画像処理系、記録再生系及び制御系を有する。撮像系は、撮影光学系103および撮像素子106を有し、画像処理系は、A/D変換器130、RGB画像処理回路131およびYC処理回路132を有する。また、記録再生系は、記録処理回路133および再生処理回路134を有し、制御系は、カメラシステム制御回路135、操作検出回路136、撮像素子駆動回路137、AF制御回路140、レンズシステム制御回路141を有する。
【0030】
138は、外部のコンピュータや記憶媒体等に接続され、データの送受信を行うために規格化された接続端子である。上述した電気回路は、不図示の小型電池からの電力供給を受けて駆動する。
【0031】
撮像系は、被写体からの光を撮影光学系103を介して撮像素子106の撮像面に結像させる光学処理系である。レンズ装置102内に設けられた絞り104の駆動を制御するとともに、必要に応じてフォーカルプレンシャッタ113の駆動を制御することによって、適切な光量の被写体光を撮像素子106に受光させることができる。
【0032】
撮像素子106から読み出された信号は、A/D変換器130を含む画像処理系に供給される。この画像処理系での画像処理によって画像データが生成される。A/D変換器130は、撮像素子106の各画素から読み出された信号の振幅に応じて、例えば撮像素子106の出力信号を、例えば10ビットのデジタル信号に変換して出力する信号変換回路であり、以降の画像処理はデジタル処理にて実行される。画像処理系は、R、G、Bのデジタル信号から所望の形式の画像信号を得る信号処理回路であり、R、G、Bの色信号を輝度信号Yおよび色差信号(R−Y)、(B−Y)にて表わされるYC信号などに変換する。
【0033】
RGB画像処理回路131は、A/D変換器130の出力信号を処理する信号処理回路であり、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、補間演算による高解像度化を行う補間演算回路を有する。
【0034】
YC処理回路132は、輝度信号Yおよび色差信号R−Y、B−Yを生成する信号処理回路である。このYC処理回路132は、高域輝度信号YHを生成する高域輝度信号発生回路、低域輝度信号YLを生成する低域輝度信号発生回路、及び、色差信号R−Y、B−Yを生成する色差信号発生回路を有している。輝度信号Yは、高域輝度信号YHと低域輝度信号YLを合成することによって形成される。なお、YC処理回路132から出力される輝度信号Y及び色差信号R−Y、B−Y(クロマ信号)を合わせて、以降「YC信号」と呼ぶ。
【0035】
記録再生系は、不図示のメモリや外部コンピュータや外部記憶媒体への画像信号の出力と、ディスプレイユニット107への画像信号の出力とを行う処理系である。記録処理回路133はメモリや外部コンピュータや外部記憶媒体への画像信号の書き込み処理及び読み出し処理を行い、再生処理回路134はメモリや外部コンピュータや外部記録媒体から読み出した画像信号を再生して、ディスプレイユニット107に出力する。なお、メモリから読み出す画像信号は、撮影された画像だけではなく、使用者がカメラの各種設定をするために予め用意された表示画面用の画像であってもよい。
【0036】
また、記録処理回路133は、YC処理回路132から出力される、静止画データおよび動画データを表わすYC信号を所定の圧縮形式にて圧縮するとともに、圧縮されたデータを伸張する圧縮伸張回路を内部に有する。圧縮伸張回路は、信号処理のためのフレームメモリなどを有しており、このフレームメモリにYC処理回路132からのYC信号をフレーム毎に蓄積し、各フレームのYC信号を複数のブロック毎に読み出して圧縮符号化する。
【0037】
再生処理回路134は、YC信号をマトリクス変換して、例えばRGB信号等のディスプレイユニット107に適した信号に変換する回路である。再生処理回路134によって変換された信号はディスプレイユニット107に出力され、可視画像として表示(再生)される。
【0038】
一方、制御系における操作検出回路136は、メインスイッチ119、レリーズボタン120、ファインダモード切り換えスイッチ123、メニュー表示スイッチ124等(他のスイッチは不図示)の操作を検出する。そして、この検出結果をカメラシステム制御回路135に出力する。カメラシステム制御回路135は操作検出回路136からの検出信号を受け、検出結果に応じて撮像系、画像処理系、記録再生系をそれぞれ制御する。例えば、レリーズボタン120の操作によってスイッチSW2がONとなった場合、ハーフミラー111やサブミラー122の駆動、フォーカルプレンシャッタ113の駆動の制御を行う。更に、焦点検出ユニット121で得られた焦点検出領域での検出信号を処理するAF制御回路140の動作のほか、撮像素子106の駆動、RGB画像処理回路131の動作、記録処理回路133の圧縮処理などを制御する。
【0039】
カメラシステム制御回路135は、撮像動作を行う際のタイミング信号を生成して、撮像素子駆動回路137に出力する。撮像素子駆動回路137は、カメラシステム制御回路135からの制御信号を受けることで撮像素子106を駆動するための駆動信号を生成する。情報表示回路139は、カメラシステム制御回路135からの制御信号を受けて光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を制御する。
【0040】
次に、レンズ装置102内の構成について説明する。レンズシステム制御回路141は、レンズ駆動回路142を介して、撮影光学系103を合焦位置に移動するための駆動を制御する。また、レンズシステム制御回路141は、絞り駆動回路143を介して、撮影動作時の被写体輝度に応じて絞り104の駆動制御を行う。レンズシステム制御回路141は、レンズ装置102側の通信接点102aおよびカメラ本体101側の通信接点101aを介して、カメラ本体101内のカメラシステム制御回路135と相互に通信可能となっている。レンズシステム制御回路141は、レンズ装置102の種類や焦点距離等をカメラシステム制御回路135に通知する。
【0041】
カメラ本体101がOVFモード(図1に示す状態)の場合、レンズ装置102の絞り104は開放状態に制御される。また、ハーフミラー111及びサブミラー122は、撮影光路上の第1の位置にあり、フォーカルプレンシャッタ113の先幕及び後幕は不図示の電磁モータとギア列からなるシャッタチャージ機構により、チャージされる。チャージすることで先幕は閉じた状態、後幕は開いた状態となる。したがって、撮像素子106は露光されない。撮影光学系103から入射した被写体光束は、ハーフミラー111で反射してファインダ光学系に導かれるとともに、ハーフミラー111を透過した光束はサブミラー122で反射して焦点検出ユニット121に導かれる。従って、ファインダレンズ109を介して上記光束によって形成された被写体像を観察可能であるとともに、焦点検出ユニット121において焦点検出を行わせることができる(OVFモードでの撮影スタンバイ)。通常、メインスイッチがオフされたとき、及びメインスイッチがオンした直後は、このOVFモードとなる。
【0042】
図2に示すEVFモードでは、ハーフミラー111及びサブミラー122は、撮影光路から退避した第2の位置にあり、撮影光学系103からの光束がダイレクトに撮像素子106に導かれる。この状態で、撮像素子106で連続的に被写体像の撮像動作を行い、得られた電荷を撮像素子106からディスプレイ用に間引いた読み出しを行って、ディスプレイユニット107に逐次表示することで、リアルタイム表示する。これにより、撮影者はディスプレイユニット107に表示された被写体像を確認しながら、構図を決めることができる。このEVFモードでは、焦点検出ユニット121を使用せず、撮像素子106の出力を用いたコントラスト検出方式による焦点検出を行わせることができる(EVFモードでの撮影スタンバイ)。
【0043】
次に、図4〜図8を参照しながら、上記構成を有するカメラシステムの本実施の形態における動作について説明する。
【0044】
先ず、図4のフローチャートを参照して、メインスイッチ119のオン操作による起動後にファインダモードが確定されるまでを説明する。
【0045】
ステップS1で、メインスイッチ119がオンに切り換わったことが検知されると、ステップS2で、カメラの電気回路を起動する。そして、ステップS3では、ファインダモード切り換えスイッチ123の押下を監視し、押下されなければ、OVFモードと判断してステップS4に進み、上述したOVFモードでの撮影スタンバイ状態として、図5の処理に進む。
【0046】
一方、ステップS3で、ファインダモード切り換えスイッチ123の押下を検出した場合は、ステップS5でOVFモードからEVFモードへの切り換え動作を開始する。先ず、ステップS6において、情報表示回路139の駆動を制御して、光学ファインダ内情報表示ユニット180によるファインダ視野内での表示を非表示状態とする。このように、使用者によるEVFモードの選択に従って、光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を停止させることで、カメラシステム内での不要な電力消費を抑制し、電池の消耗を抑制することができる。
【0047】
ステップS7では、カメラシステム制御回路135の制御によって不図示のモータを駆動し、ハーフミラー111とサブミラー122を回転駆動して、ミラーボックスの上部(第2の位置)まで移動することで撮影光路から退避させる(図2の状態)。そして、ステップS8において、フォーカルプレンシャッタ113の先幕だけを走行させてバルブ状態にする。これにより、撮影光学系103を通過した被写体光を連続的に撮像素子106に到達させ、ディスプレイユニット107に画像を表示させるための撮像が可能な状態とする。
【0048】
更に、ディスプレイユニット107の電源を投入する(ステップS9)。そして、撮影光学系103によって形成された被写体像に対して撮像素子106による撮像動作を連続的に行い、撮像素子106から読み出されて画像処理された画像データをディスプレイユニット107にリアルタイム表示させる(ステップS10)。これによりEVFモードでの撮影スタンバイとなり(ステップS11)、図6の処理に進む。ここまでの処理により、OVFモードからEVFモードへの切り換え動作が終了する。
【0049】
次に、OVFモードでの撮影スタンバイ状態における各スイッチの受付け動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0050】
OVFモードでの撮影スタンバイとなった後も、ファインダモード切り換えスイッチ123の押下の監視を続ける(ステップS21)と共に、メニュー表示スイッチ124の押下も監視する(ステップS22)。ステップS21で、ファインダモード切り換えスイッチ123の押下を検出した場合は、図4のステップS5に進んで、上述したOVFモードからEVFモードへの切り換え動作を行う。
【0051】
また、ステップS22で、メニュー表示スイッチ124の押下を検出した場合は、ステップS23で、ディスプレイユニット107の電源をオンし、ステップS24で不図示のメモリ内部に予め用意されたメニュー画面を表示する。
【0052】
ステップS25で再びメニュー表示スイッチ124の押下を監視して、再度押下されない限りはディスプレイユニット107にメニュー画面を表示し続ける。なお、後述するEVFモード時のメニュー画面表示時と異なり、OVFモードでのメニュー画面表示時には、ハーフミラー111及びサブミラー122が撮影光路内に侵入していると共に、フォーカルプレンシャッタ113が閉じている。従って、この状態では撮像素子106は遮光されている。そのため、例えば、撮影光学系103を誤って太陽に向けてしまうような状態が長時間続いたとしても、撮像素子106は遮光されているので、太陽光により撮像素子106の一部が焼けてしまうというような事故が発生する心配は無い。
【0053】
ステップS25で再びメニュー表示スイッチ124の押下を検出した時は、メニュー画面の表示を終了し(ステップS26)、ディスプレイユニット107の電源をオフする(ステップS27)。そして再び、OVFモードでの撮影スタンバイに戻る。
【0054】
一方、ファインダモード切り換えスイッチ123、及びメニュー表示スイッチ124の両者とも押されない場合(ステップS21及びS22共にNO)、ステップS28において、OVFモードでの撮影動作を行う。なお、ステップS28における撮影動作は、図7を参照して後述する。
【0055】
次に、EVFモードでの撮影スタンバイ状態における各スイッチの受付け動作について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0056】
EVFモードで撮影スタンバイとなった後も、OVFモード時と同様にファインダモード切り換えスイッチ123の押下の監視を続ける(ステップS31)と共に、メニュー表示スイッチ124の押下も監視する(ステップS32)。ステップS31で、ファインダモード切り換えスイッチ123の押下を検出した場合は、ステップS41へ進んで、EVFモードからOVFモードへの切り換え動作を行う。なお、この切り換え動作は後述する。
【0057】
また、ステップS32で、メニュー表示スイッチ124の押下を検出した場合は、ステップS33で、ディスプレイユニット107の表示内容を被写体像のリアルタイム表示からメニュー画面に切り換える。そして、ステップS34でメモリ内部に予め用意されたメニュー画面の表示を開始する。その後、ステップS35でレンズ装置102内の絞り104を閉じる(絞り込む)。
【0058】
上述したように、EVFモードでのメニュー画面表示時には、ハーフミラー111及びサブミラー122は、撮影光路外へ退避しており、更にフォーカルプレンシャッタ113は先幕のみが走行し終わったバルブ状態で、撮像素子106が露出している。そのため、EVFモードでは、例えば、撮影レンズを誤って太陽に向けてしまうような状態が長時間続いた場合、太陽光が撮像素子106に結像し、撮像素子106の一部が焼けてしまうような事故が懸念される。このような事故を防止するために、絞り104を閉じて、撮像素子106を遮光する。
【0059】
ステップS36で再びメニュー表示スイッチ124の押下を監視し、最押しされない限りはディスプレイユニット107にメニュー画面を表示し続ける。
【0060】
ステップS36で再びメニュー表示スイッチ124の押下を検出した時は、ステップS37に進み、絞り104を開いて、EVFのための撮像素子106による連続的な撮像動作に備える。更に、ステップS38でメニュー画面表示を終了して、ステップS39でディスプレイユニット107の表示内容を被写体像のリアルタイム表示に切り換える。そして再び、EVFモードでの撮影スタンバイに戻る。
【0061】
上述したように、ハーフミラー111を第2の位置に、また、フォーカルプレンシャッタ113を開いた状態に保持したまま、絞り104により撮像素子106を遮光することで、メニュー画面の表示から被写体画像の表示へ短時間で戻すことが可能になる。更に、ハーフミラー111及びフォーカルプレンシャッタ113を駆動することによる機械音の発生も無いため、ユーザがシャッタが切られたと誤解してしまうことを防ぐことができる。
【0062】
一方、ファインダモード切り換えスイッチ123、及びメニュー表示スイッチ124の両者とも押されない場合(ステップS31及びS32共にNO)、ステップS40においてEVFモードでの撮影動作を行う。なお、ステップS40における撮影動作は、図8を参照して後述する。
【0063】
また、ステップS31で、ファインダモード切り換えスイッチ123の押下を検出した場合にはステップS41へ進み、EVFモードからOVFモードへの切り換え動作を行う。切り換え終了後は、ステップS42でディスプレイユニット107の電源をオフする。更に、ステップS43でフォーカルプレンシャッタ113の後幕を走行させてシャッタ113を閉じ、ステップS44でハーフミラー111とサブミラー122を撮影光路内に斜設する(第1の位置)。続けてステップS45でフォーカルプレンシャッタ113のチャージ駆動を行って、次なる動作としての撮影動作もしくはEVFモードへの切り換え動作に備える。これにより、OVFモードでの撮影スタンバイ状態になり、上述した図5の処理に進む。
【0064】
次に、図5のステップS28で行われる、OVFモードで撮影動作を行う場合について、図7を参照して説明する。
【0065】
ステップS51では、レリーズボタン120の操作によりスイッチSW1がオンであるか否かを判別する。スイッチSW1がオンである場合にはステップS52に進み、スイッチSW1がオフである場合には図5のステップS21に戻って、ファインダモード切り換えスイッチ123の状態を監視する。
【0066】
ステップS52では、測光動作を行い、カメラシステム制御回路135は測光結果に基づいて露出値(絞り値および露出時間)を決定する。また、焦点検出ユニット121での検出結果に基づいて、撮影光学系103のフォーカスレンズを合焦位置まで駆動することで焦点調節動作を行う。
【0067】
次に、ステップS53では、スイッチSW2がオンであるか否かを判別し、スイッチSW2がオフの場合にはステップS51へ戻り、スイッチSW2がオンの場合にはステップS54に進む。
【0068】
ステップS54において、カメラシステム制御回路135は、不図示のモータを駆動し、ハーフミラー111とサブミラー122を連動して回転駆動して、撮影光路から退避させる(第2の位置)。
【0069】
ステップS55において、カメラシステム制御回路135からステップS52で求めた絞り値に関する情報をレンズシステム制御回路141に送信する。これを受信したレンズシステム制御回路141は、絞り値に応じた絞り口径となるように、レンズ装置102内に設けられた絞り104の駆動を制御する。
【0070】
ステップS56において、カメラシステム制御回路135は、撮像素子106の電荷をクリアにした後、撮像素子106での電荷蓄積を開始させる。ステップS57において、カメラシステム制御回路135は、フォーカルプレンシャッタ113の先幕を走行してシャッタを開き状態に駆動し、撮像素子106への露光動作を開始させる。
【0071】
ステップS58において、カメラシステム制御回路135は、測光結果に基づいて閃光発光ユニット108を発光させるか否かを判別する。ここで、閃光発光ユニット108を発光させる必要があると判断した場合には、ステップS59に進んで閃光発光ユニット108の駆動を制御することにより、被写体に対して照明光を照射させ、発光させる必要がないと判断した場合にはステップS60に進む。
【0072】
ステップS60において、カメラシステム制御回路135は、ステップS52で求めた露出時間経過後に、フォーカルプレンシャッタ113の後幕を走行してシャッタを閉じ状態に駆動制御して、撮像素子106への露光を終了させる。
【0073】
ステップS61において、カメラシステム制御回路135は、レンズシステム制御回路141に対して絞り104を開放値まで駆動させるように指示を行う。これにより、レンズシステム制御回路141において、開放値となるように絞り104の駆動制御が行われる。ステップS62では、カメラシステム制御回路135は、不図示のモータを駆動して、ハーフミラー111とサブミラー122を撮影光路内に斜設する(第1の位置)。ハーフミラー111は、撮影光路から退避した位置から撮影光路内に侵入してファインダへ光を導く撮影前の位置に戻り、同時に連動するサブミラー122も元の撮影光路内に侵入して焦点検出ユニット121へ光を導く位置に移動する。更に、ステップS63においてフォーカルプレンシャッタ113のチャージ駆動を行って、次なる動作としての撮影動作もしくはEVFモードへの切り換え動作に備える。これにより、OVFモードでの撮影スタンバイ状態にな
【0074】
ステップS64では、設定した電荷蓄積時間が経過したことを確認し、撮像素子106での電荷蓄積処理を終了させる。
【0075】
ステップS65では、撮像素子106から蓄積された電荷信号を読み出し、読み出された信号に対してA/D変換器130、RGB画像処理回路131、YC処理回路132および記録処理回路133での処理を行う。そして、上記処理によって生成された撮影画像データを、メモリの所定領域に書き込む。
【0076】
ステップS66において、カメラシステム制御回路135は、記録再生系、必要に応じて画像処理系を用いて、メモリの所定領域に書き込まれた撮影画像データを読み出す。更に、内部メモリに記憶した演算結果を用いて、オートホワイトバランス処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う。更に、設定したた画質(raw/fine/normal等)に応じた画像圧縮処理を記録処理回路133内の圧縮伸張回路により行い、メモリの画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、圧縮処理された画像データの書き込みを行う。
【0077】
ステップS67では、一連の撮影動作の実行に伴い、カメラシステム制御回路135は記録処理を行う。この記録処理では、メモリの画像記憶バッファ領域に記憶した画像データを読み出して、不図示のインタフェースやコネクタを介して、メモリカードやコンパクトフラッシュカード(登録商標)等の記録媒体へ書き込みを行う。記録処理は、メモリの画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。記録終了後は、図5のステップS21に戻る。
【0078】
次に、図6のステップS40で行われる、EVFモードで撮影動作を行う場合について、図8を参照して説明する。
【0079】
先ずステップS81では、スイッチSW1がオンであるか否かを判別する。スイッチSW1がオンである場合にはステップS82に進み、スイッチSW1がオフである場合には図6のステップS31に戻り、ファインダモード切り換えスイッチ123の状態を監視する。
【0080】
ステップS82では、測光動作を行い、カメラシステム制御回路135は測光結果に基づいて露出値(絞り値および露出時間)を決定する。また、EVF画像からコントラスト検出方式により得られたコントラスト情報に基づいて、撮影光学系103のフォーカスレンズを最もコントラストが高くなる位置まで駆動することで焦点調節動作を行う。
【0081】
ステップS83では、スイッチSW2がオンであるか否かを判別し、スイッチSW2がオフの場合にはステップS81へ戻って、上述した処理を繰り返す。すなわち、スイッチSW2がオンになるまで、ディスプレイユニット107に被写体像のリアルタイム表示が継続して行われる。一方、スイッチSW2がオンの場合にはステップS84に進む。
【0082】
ステップS84では、撮像素子106の電荷をクリアにするとともに、撮像動作を一旦停止し、撮像素子106から最後に読み出された画像をディスプレイユニット107に表示させる(フリーズ画像表示)。
【0083】
ステップS85では、フォーカルプレンシャッタ113の後幕を走行させてシャッタを閉じ状態とし、更に、撮影に備えて不図示のシャッタチャージ機構により先幕および後幕の駆動機構をチャージする。ここで、不図示の電磁モータとギア列からなるシャッタチャージ機構により、シャッタ開口部を開放していたフォーカルプレンシャッタ113の先幕をチャージしてシャッタ開口部を閉じる。
【0084】
ステップS86において、カメラシステム制御回路135からステップS52で求めた絞り値に関する情報をレンズシステム制御回路141に送信する。これを受信したレンズシステム制御回路141は、絞り値に応じた絞り口径となるように、レンズ装置102内に設けられた絞り104の駆動を制御する。
【0085】
ステップS87において、カメラシステム制御回路135は、撮像素子106の電荷をクリアにした後、撮像素子106での電荷蓄積を開始させる。ステップS88において、カメラシステム制御回路135は、フォーカルプレンシャッタ113の先幕を走行してシャッタを開き状態に駆動し、撮像素子106への露光動作を開始させる。
【0086】
ステップS89において、カメラシステム制御回路135は、測光結果に基づいて閃光発光ユニット108を発光させるか否かを判別する。ここで、閃光発光ユニット108を発光させる必要があると判断した場合には、ステップS90に進んで閃光発光ユニット108の駆動を制御することにより、被写体に対して照明光を照射させ、発光させる必要がないと判断した場合にはステップS91に進む。
【0087】
ステップS91において、カメラシステム制御回路135は、ステップS52で求めた露出時間経過後に、フォーカルプレンシャッタ113の後幕を走行してシャッタを閉じ状態に駆動制御して、撮像素子106への露光を終了させる。
【0088】
ステップS92において、カメラシステム制御回路135は、レンズシステム制御回路141に対して絞り104を開放値まで駆動させるように指示を行う。これにより、レンズシステム制御回路141において、開放値となるように絞り104の駆動制御が行われる。ステップS93では、設定した電荷蓄積時間が経過したことを確認し、撮像素子106での電荷蓄積処理を終了させる。
【0089】
ステップS94では、撮像素子106から蓄積された電荷信号を読み出し、読み出された信号に対してA/D変換器130、RGB画像処理回路131、YC処理回路132および記録処理回路133での処理を行う。そして、上記処理によって生成された撮影画像データを、メモリの所定領域に書き込む。
【0090】
ステップS95では、シャッタチャージ機構の駆動により、一旦フォーカルプレンシャッタ113の先幕および後幕をチャージしてから、先幕だけを走行させてバルブ光状態にして、撮像素子106に連続的に被写体光を導くようにする。これにより、ディスプレイユニット107に画像をリアルタイム表示させるための撮像を可能にする。
【0091】
ステップS96では、ディスプレイユニット107でリアルタイム表示を再開させる。これにより、撮影者はディスプレイユニット107で表示された被写体像を見ながら、次の撮影のための構図を決定することができる。
【0092】
ステップS97において、カメラシステム制御回路135は、メモリの所定領域に書き込まれた撮影画像データを読み出し、内部メモリに記憶した演算結果を用いて、オートホワイトバランス処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う。更に、設定した画質(raw/fine/normal等)に応じた画像圧縮処理を記録処理回路133内の圧縮伸張回路により行い、メモリの画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、圧縮処理された画像データの書き込みを行う。
【0093】
ステップS98では、一連の撮影動作の実行に伴い、カメラシステム制御回路135は記録処理を行う。この記録処理では、メモリの画像記憶バッファ領域に記憶した画像データを読み出して、不図示のインタフェースやコネクタを介して、メモリカードやコンパクトフラッシュカード(登録商標)等の記録媒体へ書き込みを行う。記録処理は、メモリの画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。記録終了後は、図6のステップS31に戻る。
【0094】
上述した実施の形態では、メモリ内部に予め用意されたメニュー画面を表示する例について説明したが、被写体像以外の他の画像であっても構わない。
【0095】
また、メニュー画面を表示した時、即座に絞り104を閉じることに限るものではなく、所定時間内に再度のメニュー表示スイッチ124の再度の押下がない場合に、絞り104を閉じるようにしてもよい。
【0096】
上記の通り本実施の形態によれば、EVFモードで被写体を観察している時に、例えばメニュー画面等、被写体像以外の画像を出力する場合に、レンズ鏡筒内に設けられた絞りを絞る動作のみを行う。このように制御することで、反射ミラーの位置を変更する動作やシャッタを閉じる動作などを行わないため、反射ミラーやシャッタの作動音が発生することなく静かに被写体の映像画面から直ちにメニュー画面へ切り換えることができる。更に、誤って太陽に撮影レンズを向けてしまった状態が長時間続いた場合でも、閉じた絞りが非結像位置で太陽光を遮るため、太陽光が撮像素子に結像して、撮像素子の一部が焼けてしまうといった事故を防ぐ事ができる。また、メニュー画面を表示した状態から、再び被写体の画像を表示する画面に復帰する為の時間も短時間で済むため、使用者に違和感を与えることも無い。
【0097】
なお、上記実施の形態においては、本発明を一眼レフカメラに適用した場合について説明したがこれに限られるものではなく、絞りを有し、EVFを実行可能なカメラであれば、本発明を適用することが可能である。
【0098】
また、上記実施の形態においては、EVFモードにおいてメニュー画面を表示する際に、リアルタイム画像からメニュー画面に切り替わる場合について説明したが、メニュー画面をリアルタイム画像に重畳表示する場合にも本発明を適用することができる。その場合にも絞りをできる限り絞ることにより、リアルタイム画像が表示されない、または、暗いリアルタイム画像が表示されるため、メニュー画面が見易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施の形態における撮像装置の概略構成を示す側方視中央縦断面図で、光学ビューファインダによる被写体観察状態を示す図である。
【図2】図1に示す撮像装置において、電子ビューファインダによる被写体観察状態を示す側方視中央縦断面図である。
【図3】図1及び図2に示す撮像装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるカメラシステムの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態におけるOVFモードでの撮影スタンバイ状態から各スイッチの受付け動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態におけるEVFモードでの撮影スタンバイ状態から各スイッチの受付け動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態におけるカメラシステムのOVFモードでの撮影動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態におけるカメラシステムのEVFモードでの撮影動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
101 カメラ本体
102 レンズ装置
103 撮影光学系
104 絞り
105 フォーカシングスクリーン
106 撮像素子
107 ディスプレイユニット
108 閃光発光ユニット
109 ファインダレンズ
111 ハーフミラー
112 ペンタプリズム
113 フォーカルプレンシャッタ
121 焦点検出ユニット
122 サブミラー
123 ファインダモード切り換えスイッチ
124 メニュー表示スイッチ
135 カメラシステム制御回路
140 AF制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絞り手段と、
撮影レンズ及び前記絞り手段を介して入射する光束を電気信号に変換する撮像素子と、
表示手段とを備え、
前記撮像素子により得られる電気信号に基づく画像を前記表示手段に逐次表示する電子ファインダモードを有する撮像装置において、
前記電子ファインダモードにおいて、前記撮像素子から得られる電気信号に基づく画像以外の画像を前記表示手段に表示する指示がなされた場合に、前記絞り手段を絞り込むように制御する制御手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
光学ファインダと、
前記撮影レンズ及び前記絞り手段を介して入射する光束を前記光学ファインダに導く、撮影光路上の第1の位置と、前記光束を前記撮像素子に導く、前記撮影光路から退避した第2の位置とに切り換え駆動される可動ミラーとを更に備え、
前記電子ファインダモードでは、前記可動ミラーを前記第2の位置に駆動し、前記制御手段は、前記撮像素子から得られる電気信号に基づく画像以外の画像を表示する指示がなされた場合に、前記可動ミラーを前記第2の位置に保持したまま、前記絞り手段を絞り込むように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像素子を遮光するためのシャッタ手段を更に有し、
前記電子ファインダモードでは前記シャッタ手段は開いた状態であって、前記制御手段は、前記撮像素子から得られる電気信号に基づく画像以外の画像を表示する指示がなされた場合に、前記シャッタ手段を開いた状態に保持したまま、前記絞り手段を絞り込むように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記画像以外の画像を表示する指示がなされてから、予め設定された時間、前記撮像素子から得られる電気信号に基づく画像の表示を再開する指示がなされない場合に、前記絞り手段を絞り込むように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
絞り手段と、撮影レンズ及び前記絞り手段を介して入射する光束を電気信号に変換する撮像素子と、表示手段とを備えた撮像装置の制御方法であって、
前記撮像素子により得られる電気信号に基づく画像を前記表示手段に逐次表示する電子ファインダモードを設定する設定工程と、
前記電子ファインダモードにおいて、前記撮像素子から得られる電気信号に基づく画像以外の画像を前記表示手段に表示する指示がなされた場合に、前記絞り手段を絞り込む絞り込み工程と
を有することを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−294668(P2008−294668A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137016(P2007−137016)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】