説明

撮像装置及び画像記録方法

【課題】コントラストAF方式において移動被写体に対する合焦精度を向上することが可能な撮像装置及び画像記録方法等を提供すること。
【解決手段】撮像装置は、撮像素子103と、撮影光学系が有するフォーカスレンズ154を、各レンズ位置に移動させるウォブリング動作を制御するフォーカス制御部と、各レンズ位置に対応するフォーカス評価値を、各レンズ位置において撮像された撮像画像に基づいて算出するフォーカス評価値算出部と、撮像画像を記録部に記録する制御を行う記録制御部と、を含む。フォーカス制御部は、被写体像が合焦する合焦レンズ位置をフォーカス評価値に基づいて算出し、フォーカスレンズを合焦レンズ位置へ移動させる駆動制御を行う。記録制御部は、ウォブリング動作の各レンズ位置及び合焦レンズ位置において撮像された撮像画像を、記録部に記録する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び画像記録方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年多くのコンパクトタイプのデジタルカメラで用いられるAF(オートフォーカス)方式は、コントラスト方式と呼ばれる方式である。コントラスト方式は、従来からビデオカメラ用のオートフォーカス技術として公知技術であった方式であり、その動作方法から山登り方式とも呼ばれることがある。
【0003】
このコントラストAFを使ったコンティニュアスAFでは、ウォブリングと呼ばれる動作(例えば特許文献1)を行う。コンティニュアスAFは、動画撮影時や連写撮影時において、コントラスト方式を使ってフォーカスレンズから撮像面までの距離を継続的に調整することによりフォーカスを制御する手法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−32862号公報
【特許文献2】特開2011−154148号公報
【特許文献3】特開2008−197676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コントラストAFのウォブリング動作では、例えば運動会の徒競走のように被写体が移動すると、合焦後の本撮影の時には被写体が移動してしまっており、AFが合わない(追従できない)という課題がある。
【0006】
例えば特許文献2、3には、動きを検出して移動方向を判別する手法が開示されている。しかしながら、この手法では、一方向(例えば遠距離から近距離へ向かう方向)へ動く被写体に対する合焦確率は高くなるが、移動速度が変わる場合や、高速で遠近方向に移動する場合は追従できない、という課題がある。
【0007】
本発明の幾つかの態様によれば、コントラストAF方式において移動被写体に対する合焦精度を向上することが可能な撮像装置及び画像記録方法等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、撮影光学系により結像された被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮影光学系が有するフォーカスレンズを、複数のレンズ位置の各レンズ位置に移動させるウォブリング動作を制御するフォーカス制御部と、前記各レンズ位置に対応するフォーカス評価値を、前記各レンズ位置において撮像された撮像画像に基づいて算出するフォーカス評価値算出部と、前記撮像画像を、記録部に記録する制御を行う記録制御部と、を備え、前記フォーカス制御部は、前記被写体像が合焦する合焦レンズ位置を前記フォーカス評価値に基づいて算出し、前記フォーカスレンズを前記合焦レンズ位置へ移動させる駆動制御を行い、前記記録制御部は、前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置において撮像された撮像画像、及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像を、前記記録部に記録する制御を行う撮像装置に関係する。
【0009】
本発明の一態様によれば、ウォブリング動作により合焦レンズ位置が算出され、その合焦レンズ位置へフォーカスレンズが駆動される。このとき、ウォブリング動作の各レンズ位置及び合焦レンズ位置において撮像された撮像画像が、記録部に記録される。これにより、コントラストAF方式において移動被写体に対する合焦精度を向上することが可能になる。
【0010】
また本発明の一態様では、前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像の中から、前記フォーカス評価値が最大である撮像画像を判定する判定部と、を備え、前記記録制御部は、前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像のうち、前記フォーカス評価値が最大であると判定された撮像画像以外の撮像画像を、前記記録部から削除する制御を行ってもよい。
【0011】
また本発明の一態様では、前記フォーカス制御部は、前記被写体の移動方向が、前記撮影光学系の近点側に向かう方向である場合、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させる範囲であるウォブリング範囲を前記近点側にずらし、前記被写体の前記移動方向が、前記撮影光学系の遠点側に向かう方向である場合、前記ウォブリング範囲を前記遠点側にずらしてもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記撮像素子は、前記被写体像を時系列に連写する連写撮像を行い、前記フォーカス制御部は、前記連写撮像の第1撮像における前記合焦レンズ位置に対して、前記第1撮像の次の第2撮像における前記合焦レンズ位置が、前記近点側及び前記遠点側のいずれに移動したかを判定することにより、前記被写体の前記移動方向を判定し、前記第2撮像の次の第3撮像における前記ウォブリング範囲を、前記判定の結果に基づいて前記近点側又は前記遠点側にずらしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置において撮像された撮像画像、及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像の中から、前記フォーカス評価値が所定の閾値以下である撮像画像を判定する判定部と、を備え、前記記録制御部は、前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置において撮像された撮像画像のうち、前記フォーカス評価値が前記所定の閾値以下であると判定された撮像画像を、前記記録部から削除する制御を行ってもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記フォーカス制御部は、前記ウォブリング動作において前記各レンズ位置に移動させる駆動順番を、前記被写体の移動方向に応じて切り替えてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記フォーカス制御部は、前記複数のレンズ位置として少なくとも第1〜第3レンズ位置に前記フォーカスレンズを順次移動させる駆動制御を行い、前記被写体の移動方向が、前記撮影光学系の近点側に向かう方向である場合、前記第2レンズ位置を、前記第1レンズ位置よりも遠点側のレンズ位置に設定し、前記第3レンズ位置を、前記第1レンズ位置よりも近点側のレンズ位置に設定し、前記被写体の移動方向が、前記撮影光学系の遠点側に向かう方向である場合、前記第2レンズ位置を、前記第1レンズ位置よりも近点側のレンズ位置に設定し、前記第3レンズ位置を、前記第1レンズ位置よりも遠点側のレンズ位置に設定してもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記撮像素子は、前記被写体像を時系列に連写する連写撮像として、第1撮像と、前記第1撮像の次の第2撮像を行い、前記フォーカス制御部は、前記第2撮像の前記ウォブリング動作において、最初のレンズ位置である第1レンズ位置へ移動させる駆動制御を省略し、フォーカス評価値算出部は、前記第1撮像の前記合焦レンズ位置における前記フォーカス評価値を、前記第1レンズ位置における前記フォーカス評価値として、前記第2撮像の前記合焦レンズ位置を算出してもよい。
【0017】
また本発明の一態様では、撮影光学系により結像された被写体像を撮像し、前記撮影光学系が有するフォーカスレンズを、複数のレンズ位置の各レンズ位置に移動させるウォブリング動作を駆動制御し、前記各レンズ位置に対応するフォーカス評価値を、前記各レンズ位置において撮像された撮像画像に基づいて算出し、前記被写体像が合焦する合焦レンズ位置を前記フォーカス評価値に基づいて算出し、前記フォーカスレンズを前記合焦レンズ位置へ移動させる駆動制御を行い、前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置において撮像された撮像画像、及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像を、記録部に記録する制御を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態における撮像装置の構成例。
【図2】第1の実施形態における撮影動作のフローチャート。
【図3】第1の実施形態における撮影動作についての説明図。
【図4】合焦レンズ位置の算出手法についての説明図。
【図5】第2の実施形態における撮像装置の構成例。
【図6】第2の実施形態における撮影動作のフローチャート。
【図7】第3の実施形態における撮影動作のフローチャート。
【図8】第4の実施形態における撮影動作のフローチャート。
【図9】第4の実施形態における撮影動作についての説明図。
【図10】第5の実施形態における撮影動作のフローチャート。
【図11】第5の実施形態における撮影動作についての説明図。
【図12】第6の実施形態における撮影動作のフローチャート。
【図13】第6の実施形態における撮影動作についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0020】
1.本実施形態の概要
まず、本実施形態の概要について説明する。上述のように、AF(オートフォーカス)方式の一つにコントラスト方式がある。コントラスト方式の動作原理を説明すると、フォーカスレンズの位置を微小ステップで変化させながら被写体像を撮影し、各撮影画像の高周波成分を抽出し、その高周波成分からAF評価値を算出する。そして、フォーカスレンズの位置に対するAF評価値の変化の極大値を求め、その極大値に対応するフォーカスレンズの位置を合焦レンズ位置として決定する。
【0021】
ここで、撮影画像の高周波成分とは、撮影画像をフーリエ変換して求めたフーリエ係数のうち、高周波成分である。例えばフーリエ係数のうちの所定周波数以上の成分を高周波成分とすればよい。また、AF評価値とは、フーリエ係数の高周波成分を、画像内において積分又は平均した値である。
【0022】
コントラスト方式の一般的な動作方法では、実際の撮影に先立ってウォブリング動作を行う。即ち、フォーカスレンズを微小ステップずつ動かしながら順次撮影し、撮影データの高周波成分を抽出し、AF評価値として算出する。AF評価値が極大となるフォーカスレンズ位置のうち、極大値が最大であるフォーカス位置を合焦位置として選択し、この位置を記録しておく。このウォブリング動作を終了した後、合焦位置までフォーカスレンズを再度動かして、実際の撮影を行なう。
【0023】
例えば特許文献1には、ウォブリング動作を行う撮像装置の一例が開示されている。特許文献1のウォブリング動作では、フォーカスモータ(例えばステッピングモータ)は、1フィールド相当の駆動期間と4フィールド相当の停止期間とを繰り返す。駆動期間に先立つ1フィールドの停止期間において第1の高周波成分データ(データAとする)が検出され、駆動期間に続く1フィールドの停止期間において第2の高周波成分データ(データBとする)が検出される。また、第2の高周波成分データが検出された停止期間よりも2フィールド先の停止期間において第3の高周波成分データ(データCとする)が検出される。駆動期間の前後における高周波成分の差分は、“差分=(A−B)−(B−C)”の演算式に従って算出される。次回の駆動期間におけるフォーカスモータの回転方向および回転速度は、こうして算出された差分に基づいて決定される。
【0024】
しかしながら、この手法では、駆動期間と停止期間を繰り返す動作のため、次のフォーカス位置を判断するために3フィールドの時間がかかるという課題がある。
【0025】
そこで、近年のコントラストAF方式の撮像装置では、撮像素子の読出し時間を高速化することによりウォブリング動作の周期を高速化(例えば120Hz等)することで、合焦時間の短縮化がなされている。しかしながら、コントラストAFのウォブリング動作では、例えば運動会の徒競走のように被写体が移動すると、合焦後の本撮影の時には被写体が移動してしまっており、AFが合わない(追従できない)という課題がある。
【0026】
また、特許文献2、3には、被写体の動きを考慮して、方向判別をすることで継続的な合焦調整を実現する手法が開示されている。この手法では、ウォブリング動作における距離の変更方向は、予測された方向に制限され、距離の変更量は、予測された動きに基づいて調整される。そのため、被写体の動きを考慮した継続的な合焦調整が実現される。
【0027】
しかしながら、この手法では、遠近方向のうち一方向へ動く被写体に対する合焦確率は高くなるが、遠近方向における被写体の移動速度が変わる場合や、被写体が高速で遠近方向に移動する場合には、AFが追従できないという課題がある。
【0028】
従来はウォブリング動作中の撮像画像はAFにのみ用い、撮像画像は記録しないため、上述のようにAFが追従できない場合には合焦精度が下がってしまう。
【0029】
そこで、本実施形態では、図2等で説明するように、ウォブリング動作において各フォーカスレンズ位置の撮像画像を記録部に記録する。図4等で説明するように、仮にAF後の撮像画像が合焦していない場合であっても、ウォブリング動作中の撮像画像の中には合焦した画像が存在する可能性がある。そのため、本実施形態のようにウォブリング動作中の撮像画像を記録することで、遠近方向に移動する被写体を撮影する際に合焦画像を得られる確率を向上できる。また、移動方向の予測を行わないため、特許文献1に比べて短時間で合焦確率を向上できる。
【0030】
2.第1の実施形態
2.1.撮像装置
次に、本実施形態の詳細について説明する。なお、以下では合焦位置を算出するために、フォーカスレンズの位置を3点に駆動し、その3点におけるデータを参照する場合を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、参照データを5点等に増加してもよい。
【0031】
図1に、第1の実施形態における撮像装置の構成例を示す。撮像装置は、ボディ部210、レンズ部200を含む。撮像装置は、光学的な画像情報を電気信号に変換し、その画像情報を電子的に記録媒体127に記録する装置である。例えば、撮像装置として、デジタルスチルカメラ等が想定される。
【0032】
なお、本実施形態は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。例えば、レンズ交換式デジタルカメラのようにボディ部210のみにより撮像装置が構成されてもよいし、コンパクトデジタルカメラのようにボディ部210とレンズ部200が撮像装置として一体に形成されてもよい。
【0033】
ボディ部210は、撮像素子103、撮像素子駆動部111、バッファメモリ115、ユーザI/F部117、通信部121、記録媒体127、表示部129、処理エンジン部130を含む。
【0034】
ボディ部210には、レンズ部200(交換レンズ)を着脱するための図示しない着脱部が設けられる。レンズ部200は、光学系150(撮影レンズ)、光学ズーム駆動部105、AE(自動露光)駆動部107、AF駆動部109を含む。
【0035】
光学系150は、撮像素子103の撮像面上に被写体像を形成し、例えば焦点距離可変のズームレンズにより構成される。光学系150は、撮影レンズ151(撮影光学系)、ズームレンズ152(ズーム光学系)、絞り機構153、フォーカスレンズ154(フォーカス調整光学系)を含む。ズームレンズ152は、光学ズームを行うためのレンズである。フォーカスレンズ154は、フォーカス調整を行うためのレンズである。これらのレンズ151、152、154や絞り機構153はレンズ鏡筒に収納されている。
【0036】
光学ズーム駆動部105は、ズームレンズ152を駆動することにより光学ズームを調整する。絞り駆動部107は、絞り機構153を駆動することにより光量を調整する。AF駆動部109は、フォーカスレンズ154を駆動することによりフォーカス調整を行う。具体的には、光学ズーム駆動部105は、ズームレンズ152を光軸方向に移動させるための電気機械的機構を含む。絞り駆動部107は、絞り機構153を光軸方向と垂直な方向に移動させるための電気機械的機構を含む。AF駆動部109は、フォーカスレンズ154を光軸方向に移動させるための電気機械的機構を含む。これらの駆動部105、107、109は、制御部190からの制御信号に応じて、それぞれレンズ152、154、絞り機構153の位置を制御する。
【0037】
通信部121は、レンズ部200とボディ部210との間の通信接続を行う。例えば、処理エンジン部130の制御部190が、通信部121を介して、光学ズーム駆動部105やAE駆動部107、AF駆動部109との間の通信を行う。
【0038】
撮像素子103は、例えばCCDあるいはCMOSイメージセンサで構成される。撮像素子103は、図示しないCDS処理部(CDS:Correlated Double Sampling)、A/D変換部等の処理ブロックを有し、撮像画像をデジタルの画像信号として出力する。なお、これらの処理ブロックは撮像素子103の外部に設けられてもよい。
【0039】
撮像素子駆動部111は、撮像素子103を駆動する。具体的には、撮像素子駆動部111は、制御部190からの制御信号に応じて、撮像素子103の電荷蓄積動作や画像の読み出し動作を制御する。
【0040】
処理エンジン部130は、撮像装置の各部の制御や画像処理を行い、例えばMPU(マイクロプロセッサ)により構成される。処理エンジン部130は、画像処理部140、制御部190、メモリI/F部119を含む。
【0041】
画像処理部140は、撮像素子103からの撮像画像に対して、例えばホワイトバランス補正処理、デモザイキング処理等の画像処理を行い、画像データを生成する。また、画像処理部140は、記録用画像データの圧縮処理や、表示データの生成処理等も行う。
【0042】
制御部190は、ボディ部210やレンズ部200の各部(例えば撮像素子駆動部111、光学ズーム制御部105、AF駆動部109、AE駆動部107、画像処理部140等)の制御動作を司る。具体的には、画像データを表示部129へ表示する制御や、バッファメモリ115や記録媒体127に画像データを記録する制御、撮影された映像データを画像処理部140により再画像処理させる制御等を行う。制御部190は、コントラスト算出部191、AF制御部192を含む。
【0043】
コントラスト算出部191は、画像データから高周波成分を検出し、その高周波成分からAF評価値を算出し、そのAF評価値をバッファメモリ115に記録する。例えば、AF評価値は、画像の全体から算出される。あるいは、AF評価値は、画像の中央の一部や、画像の中でユーザが指定した領域から算出されてもよいし、顔検出機能がある場合には、顔検出により切り出された顔や人物像等の領域から算出されてもよい。
【0044】
AF制御部192は、コントラストAFの制御を行う。具体的には、AF制御部192は、コントラスト算出部191により算出されたAF評価値に基づいて、AF駆動部109を制御するための制御データを生成する。制御データは、例えばフォーカスレンズ154の駆動位置を制御するためのデータである。
【0045】
バッファメモリ115は、ワーキングメモリであり、例えば画像データ生成のための中間画像データや、AF評価値等を一時的に記録する。バッファメモリ115は、メモリI/F部119を介して制御部190からの指示により制御される。
【0046】
記録媒体127は、圧縮画像データあるいは非圧縮の画像データを記録する。例えば、記録媒体127は、図示しないI/F部と媒体部を有し、I/F部を介して媒体部へのデータ書き込みや媒体部からのデータ読み出しが行われる。媒体部は、I/F部に着脱可能であり、例えばSDカード等のメモリカードにより構成される。
【0047】
表示部129は、例えば液晶表示素子により構成され、撮像中の画像をリアルタイムに表示するライブビュー画像や、記録媒体127に記録された記録画像を表示する。
【0048】
ユーザI/F部117は、ユーザが撮像装置に対して種々の操作を行うためのI/Fであり、例えば図示しないシャッタレリーズやズームレバー等の各種操作スイッチを含む。その操作信号を制御部190に送信する。
【0049】
上記の各部は、バス線160によって接続されており、バス線160を介してデータや制御信号の送受信を行う。
【0050】
2.2.撮影動作
次に、第1の実施形態における撮影動作について説明する。図2に、撮影動作のフローチャートを示す。
【0051】
図2に示すように、処理が開始されると、ステップS101において、制御部190は、連写モードに設定されているか否かを判定する。連写モードは、例えばユーザI/F部119に含まれるモードダイヤルやメニュー等を介してユーザにより設定される。連写モードに設定されていなければ、ステップS901において、制御部190は、通常の単写撮影モードによる撮影に移行する。
【0052】
ステップS101において連写モードに設定されていれば、ステップS103において、制御部190は、撮影状態を表すパラメータkを“0”にセットし、パラメータiを“1”にセットする。次にステップS105において、制御部190は、シャッタレリーズが押されたか否かを判定する。押されていなければ、ステップS109において、制御部190は、パラメータkが“1”か否かを判定する。kが“1”でなければステップS101に戻り、以降、シャッタレリーズが押されるまで、この動作を繰り返す。kが“1”である場合、ステップS111において画像記録を終了し、ステップS101に戻る。
【0053】
ステップS105においてシャッタレリーズが押されたと判定された場合、ステップS107において、制御部190は、パラメータkを“1”にセットする。次にステップS201において、図3に示すように、AF制御部192は、レンズ位置ai(例えばa1)へフォーカスレンズ154を駆動する制御を行う。レンズ位置aiとして、前回の撮影で合焦レンズ位置として記録されたレンズ位置が設定される。例えばi≧2の場合には、レンズ位置aiには、ステップS213で算出された合焦レンズ位置di−1が設定される。
【0054】
次に、ステップS203において、撮像素子103は、レンズ位置aiにおける撮影を行う。そして、画像処理部140が撮影画像を処理して画像データを生成する。また、コントラスト算出部191が、その画像データからAF評価値を算出する。画像データ、AF評価値は、バス線160を介してバッファメモリ115に転送され、レンズ位置aiにおける画像データpai、AF評価値vaiとしてバッファメモリ115に記録される。
【0055】
次にステップS205において、図3に示すように、AF制御部192は、レンズ位置bi(例えばb1)へフォーカスレンズ154を駆動する制御を行う。レンズ位置biは、予め決められた移動量だけレンズ位置aiから移動させた位置であり、例えばaiよりもフォーカスが遠点側に移動する位置である。
【0056】
次に、ステップS207において、撮像素子103は、レンズ位置biにおける撮影を行う。そして、画像処理部140が撮影画像を処理して画像データを生成する。また、コントラスト算出部191が、その画像データからAF評価値を算出する。画像データ、AF評価値は、バス線160を介してバッファメモリ115に転送され、レンズ位置biにおける画像データpbi、AF評価値vbiとしてバッファメモリ115に記録される。
【0057】
次にステップS209において、図3に示すように、AF制御部192は、レンズ位置ci(例えばc1)へフォーカスレンズ154を駆動する制御を行う。レンズ位置ciは、予め決められた移動量だけレンズ位置aiから移動させた位置であり、例えばaiよりもフォーカスが近点側に移動する位置である。
【0058】
次にステップS211において、撮像素子103は、レンズ位置ciにおける撮影を行う。そして、画像処理部140が撮影画像を処理して画像データを生成する。また、コントラスト算出部191が、その画像データからAF評価値を算出する。画像データ、AF評価値は、バス線160を介してバッファメモリ115に転送され、レンズ位置ciにおける画像データpci、AF評価値vciとしてバッファメモリ115に記録される。
【0059】
次にステップS213において、図4に示すように、AF制御部192は、3つのAF評価値vai、vbi、vciから近似曲線を求め、その近似曲線のピーク位置を合焦レンズ位置di(被写体に合焦するレンズ位置)とする。AF制御部192は、レンズ位置ciからdiへのフォーカスレンズ154の移動量を算出し、その移動量に基づいてフォーカスレンズ154をdi(例えば図3のd1)へ移動させる制御を行う。
【0060】
次にステップS215において、撮像素子103は、レンズ位置diにおける撮影を行う。そして、画像処理部140が撮影画像を処理して画像データを生成する。また、コントラスト算出部191が、その画像データからAF評価値を算出する。画像データ、AF評価値は、バス線160を介してバッファメモリ115に転送され、レンズ位置diにおける画像データpdi、AF評価値vdiとしてバッファメモリ115に記録される。
【0061】
上記のステップS210〜S215におけるウォブリング処理により、合焦レンズ位置diが算出され、レンズ位置ai、bi、ci、diにおいて撮影された画像データpai、pbi、pci、pdiがバッファメモリ115に記録される。
【0062】
次にステップS108において、制御部190は、パラメータiをインクリメントする。次にステップS105において、制御部190は、シャッタレリーズが押されているか否かを判定する。シャッタレリーズが離されたと判定されるまで、ステップS107、S201〜S215、S108の動作を繰り返す。
【0063】
ステップS105においてシャッタレリーズが離されたと判定された場合、ステップS109において、制御部190は、パラメータkが“1”であるか否かを判定する。パラメータkが“1”であると判定された場合、ステップS111において、制御部190は、画像データをバッファメモリ115に記録する制御を終了する。そして、画像処理部140が、バッファメモリ115に記録された画像データpai、pbi、pci、pdiを圧縮処理し、制御部190が、その圧縮画像データを記録媒体127に保存する制御を行い、ステップS101に戻る。
【0064】
このように本実施形態では、合焦レンズ位置diにおける撮像画像とともに、ウォブリング動作のレンズ位置ai、bi、ciにおける撮像画像が記録されるため、合焦レンズ位置diにおける撮像画像のみを記録する場合よりも、動く被写体へのAF追従性を向上できる。この点について、図3を用いて説明する。
【0065】
図3に示すように、例えば被写体が撮影光学系の遠点側から近点側に移動しているとする。この被写体を撮像R1〜R4で連写する場合、例えば撮像R4のように合焦レンズ位置d4が被写体に正確に追従できていない場合がある。本実施形態では、a4、b4、c4における撮像画像が記録されるため、合焦レンズ位置d4よりも被写体への合焦度合いが高いc4における撮像画像を得ることができる。
【0066】
なお、上記では、連写期間中の全画像データをバッファメモリ115に記録し、連写終了後に記録媒体127に送信したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、連写期間中において画像データを数枚単位で記録媒体127に送信し、送信済みの画像データをバッファメモリ115から削除することで、バッファメモリ115の容量を削減してもよい。あるいは、画像データを、バッファメモリ115を介さず、直接、画像処理部140で圧縮処理し、記録媒体127に保存してもよい。
【0067】
2.3.合焦レンズ位置diの算出手法
次に、図2のステップS213において合焦レンズ位置diを算出する手法について詳細に説明する。本実施形態では、AF評価値を2次式で近似する。図4に示すように、AF評価値vai、vbi、vciの3点に対して、最も近くを通る2次曲線F=m+mz+m(FはAF評価値、zはレンズ位置)を求めるには、残差の二乗和が最小になるような各係数m、m、mを算出すればよい。即ち、残差二乗和を各係数で偏微分した各式の値を0として求めた連立方程式を解くことにより求められる。
【0068】
残差二乗和Sは、下式(1)により求められる。
S=Σ(F−m−m−m (1)
【0069】
ここで、n=1、2、3である。Σは、nについての和を表す。Fは、ウォブリング動作で求めたAF評価値である。即ちF=vai、F=vbi、F=vciである。zは、ウォブリング動作で設定したレンズ位置である。即ちz=ai、z=bi、z=ciである。
【0070】
上式(1)を各係数m、m、mで偏微分すると、下式(2)となる。
∂S/∂m=Σ(−2(F−m−m−m))z
∂S/∂m=Σ(−2(F−m−m−m))z
∂S/∂m=Σ(−2(F−m−m−m)) (2)
【0071】
上式(2)の各式の値を0とすると、下式(3)となる。
Σ(z)=mΣ(z)+mΣ(z)+mΣ(z
Σ(z)=mΣ(z)+mΣ(z)+mΣ(z
Σ(F)=mΣ(z)+mΣ(z)+mn (3)
【0072】
上式(3)において、下式(4)とする。
Σ(z)=A、Σ(F)=B、Σ(z)=C、Σ(z)=D、
Σ(z)=E、Σ(z)=G、Σ(z)=H (4)
【0073】
上式(3)に上式(4)を代入すると、下式(5)となる。
H=mG+mE+m
C=mE+mD+m
B=mD+mA+mn (5)
【0074】
上式(5)の連立方程式をm、m、mについて解くと、下式(6)となる。
=((AB−Cn)(D2−AE)−(DC−AH)(A2−Dn))/
((AD−En)(D2−AE)−(DE−AG)(A2−Dn))
=((DC−AH)−A(DE−AG))/(D2−AE))
=(B−BA−AD)/n (6)
【0075】
AF評価値がピークとなるレンズ位置z=diは、z=m/2mであるので、上式(6)のmとmの値を代入してzを算出する。
【0076】
以上の実施形態によれば、図1に示すように、撮像装置(ボディ部210)は、撮像素子103、フォーカス制御部(AF制御部192)、フォーカス評価値算出部(コントラスト算出部191)、記録制御部(制御部190)を含む。
【0077】
撮像素子103は、撮影光学系(光学系150)により結像された被写体像を撮像する。図2や図3で説明したように、フォーカス制御部は、撮影光学系が有するフォーカスレンズ154を、複数のレンズ位置の各レンズ位置ai、bi、ciに移動させるウォブリング動作を駆動制御する。フォーカス評価値算出部は、各レンズ位置に対応するフォーカス評価値(AF評価値)vai、vbi、vciを、各レンズ位置において撮像された撮像画像pai、pbi、pciに基づいて算出する。記録制御部は、撮像画像を記録部(バッファメモリ115、あるいは記録媒体127)に記録する制御を行う。
【0078】
そして、フォーカス制御部は、被写体像が合焦する合焦レンズ位置diを、フォーカス評価値vai、vbi、vciに基づいて算出し、フォーカスレンズ154を合焦レンズ位置diへ移動させる駆動制御を行う。記録制御部は、ウォブリング動作の各レンズ位置において撮像された撮像画像pai、pbi、pci、及び合焦レンズ位置diにおいて撮像された撮像画像pciを、記録部に記録する制御を行う。
【0079】
ここで、フォーカス評価値とは、被写体像の合焦度合いを評価するための値である。具体的には、撮影光学系から被写体までの距離が決まっている場合に、フォーカスレンズを駆動するのにともなって変化する値であり、被写体像に合焦した時に極大(又は極小)となる値である。例えばフォーカス評価値は撮像画像のコントラスト値であり、撮像画像のエッジ成分や高周波成分がコントラスト値として用いられる。
【0080】
このようにすれば、フォーカス評価値が極大と推定される合焦レンズ位置diの撮像画像pdiに加えて、その極大近傍のレンズ位置ai、bi、ciにおける撮像画像を記録できる。これにより、AFの合焦精度を向上できる。即ち、図3で説明したように、被写体が遠近方向に高速に移動している場合、推定した合焦レンズ位置di(例えばd4)が実際の被写体位置からずれている場合がある。このような場合であっても、本実施形態では、被写体に合焦した画像(例えばc4)を記録できる可能性を高くできる。また、合焦精度を高くすると高度な画像処理を行う必要があるが、本実施形態では合焦精度が低くても合焦画像が得られるため、高度な画像処理を行う必要がない。
【0081】
3.第2の実施形態
3.1.撮像装置
図5に、第2の実施形態における撮像装置の構成例を示す。撮像装置は、ボディ部210、レンズ部200を含む。なお以下では、図1で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0082】
制御部190は、コントラスト算出部191、AF制御部192、画像削除判定部193を含む。
【0083】
画像削除判定部193は、コントラスト算出部191により算出されたAF評価値に基づいて、撮像画像を削除するか否かを判定する。制御部190は、削除すると判定された撮像画像をバッファメモリ115あるいは記録媒体127から消去する処理を行う。この処理の詳細については、図6や図7で後述する。
【0084】
3.2.撮影動作
図6に、第2の実施形態における撮影動作のフローチャートを示す。なお以下では、第1の実施形態で説明したステップと同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0085】
ステップS201〜S215では、レンズ位置ai、bi、ci、diにおけるAF評価値vai、vbi、vci、vdiがバッファメモリ115に記録される。ステップS501に示すように、制御部190は、AF評価値vai、vbi、vci、vdiをバッファメモリ115から読み出す。そして、画像削除判定部193は、AF評価値vai、vbi、vci、vdiを比較して、最大のAF評価値に対応する画像データを選択する。画像削除判定部193は、選択された画像データ以外の画像データ、即ちAF評価値が最大でない3枚の画像データをバッファメモリ115から削除する指示を、制御部192に対して行う。制御部192は、指示された3枚の画像データをバッファメモリ115から削除する制御を行う。
【0086】
次に、ステップS105にて、シャッタレリーズの状態を判断し、シャッタレリーズが離されるまで、前記動作を繰り返す。ステップS105においてシャッタレリーズが押されていないと判定され、ステップS109においてk=1であると判定された場合、ステップS111において画像記録を終了する。このとき、バッファメモリ115には、画像削除判定部193により削除されなかった画像データのみが残っている。そのため、図2の撮影動作を行う場合よりもバッファメモリ115の容量を節約できる。ステップS111では、制御部192が、バッファメモリ115から削除されなかった画像データを記録媒体127に転送する。
【0087】
以上の実施形態によれば、図5に示すように、撮像装置は判定部(画像削除判定部193)を含む。判定部は、ウォブリング動作の各レンズ位置ai、bi、ci及び合焦レンズ位置diにおいて撮像された撮像画像pai、pbi、pci、pdiの中から、フォーカス評価値(AF評価値)が最大である撮像画像を判定する。記録制御部(制御部190)は、ウォブリング動作の各レンズ位置ai、bi、ci及び合焦レンズ位置diにおいて撮像された撮像画像pai、pbi、pci、pdiのうち、フォーカス評価値が最大であると判定された撮像画像以外の撮像画像を、記録部(バッファメモリ115又は記録媒体127)から削除する制御を行う。
【0088】
例えば本実施形態では、撮像画像はバッファメモリ115(又は記録媒体127)に一時的に記録され、画像削除判定部193はその撮像画像の中からAF評価値が最大の撮像画像を選択し、制御部190は、選択されなかった撮像画像をバッファメモリ115(又は記録媒体127)から消去する。この一連の動作は、1回のウォブリング動作において行われ、連写撮像により繰り返し行われる。
【0089】
このようにすれば、フォーカス評価値が最大であると判定された撮像画像のみを記録部に蓄積できる。これにより、記録部の記憶領域を無駄にせず、記録部の記憶容量を節約できる。即ち、ウォブリング動作中の撮像画像を残すことで合焦精度を上げ、更に、ウォブリング動作中の撮像画像を残すことによる記憶容量の無駄を、抑えることができる。
【0090】
4.第3の実施形態
図7に、第3の実施形態における撮影動作のフローチャートを示す。第3の実施形態における撮像装置の構成は、上述した第2の実施形態と同様である。なお以下では、第1の実施形態で説明したステップと同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0091】
ステップS105においてシャッタレリーズが離されたと判断された場合、ステップS109、S111を経て、ステップS601において、制御部190は、バッファメモリ115又は記録媒体127に記録された画像データを一枚読み出す。
【0092】
次にステップS603において、コントラスト算出部191は、読み出された画像データから高周波成分の積分値をAF評価値として算出する。そして、画像削除判定部193は、そのAF評価値と、予め設定された閾値とを比較する。ステップS605では、画像削除判定部193は、AF評価値が閾値より小さい画像データをバッファメモリ115又は記録媒体127から削除する指示を出す。ステップS603においてAF評価値が閾値より大きいと判定された画像データについては、画像削除判定部193は削除指示を出さない。
【0093】
次にステップS607において、制御部190は、記録された画像データの中で、AF評価値が閾値より小さいか否かの判定がなされていない画像データが無いかを判定する。記録された画像データの全てについて判定が行われるまで、ステップS601〜S607が繰り返される。
【0094】
以上の実施形態によれば、図7で説明したように、判定部(画像削除判定部193)は、ウォブリング動作の各レンズ位置ai、bi、ciにおいて撮像された撮像画像pai、pbi、pci及び合焦レンズ位置diにおいて撮像された撮像画像pai、pbi、pci、pdiの中から、フォーカス評価値(AF評価値)が所定の閾値以下である撮像画像を判定する。記録制御部(制御部190)は、ウォブリング動作の各レンズ位置ai、bi、ci及び合焦レンズ位置diにおいて撮像された撮像画像pai、pbi、pci、pdiのうち、フォーカス評価値が所定の閾値以下であると判定された撮像画像を、記録部(バッファメモリ115又は記録媒体127)から削除する制御を行う。
【0095】
このようにすれば、フォーカス評価値が所定の閾値以上であると判定された撮像画像のみを記録部に蓄積できる。これにより、フォーカスが合った撮像画像(例えばユーザが所望する合焦レベル以上の撮像画像)のみを記録部に記録できるため、記録部の記憶容量を節約できる。
【0096】
5.第4の実施形態
図8に、第4の実施形態における撮像動作のフローチャートを示す。第4の実施形態における撮像装置の構成は、上述した第1の実施形態と同様である。なお以下では、第1の実施形態で説明したステップと同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図8のステップS251、S305、S317で行うウォブリング処理は、第1の実施形態で説明したステップS201〜S215で行う一連の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0097】
ステップS251において、AF制御部192は、ウォブリング処理を行い、合焦レンズ位置d1(i=1)を算出する。制御部190は、レンズ位置a1、b1、c1、d1で撮影した画像データをバッファメモリ115に記録する。
【0098】
次にステップS301において、制御部190は、パラメータiをインクリメントする。即ち、di−1が、撮影開始後最初に算出された合焦レンズ位置d1となる。次にステップS303において、AF制御部192は、di−2とdi−1の連続した2点の合焦レンズ位置データがバッファメモリ115に記録されているか否かを判定する。
【0099】
di−1しか無いと判定された場合、ステップS305において、AF制御部192は、ウォブリング処理を行い、合焦レンズ位置d2(i=2)を算出する。制御部190は、レンズ位置a2、b2、c2、d2で撮影した画像データをバッファメモリ115に記録する。次にステップS307において、パラメータiをインクリメントする。即ち、di−2が合焦レンズ位置d1となり、di−1が、ステップS305で算出された合焦レンズ位置d2となる。
【0100】
次にステップS309において、AF制御部192は、di−2とdi−1の値を比較するため、差分{(di−2)−(di−1)}を算出する。次にステップ311において、AF制御部192は、ステップ309で算出した差分に基づいて、di−2がdi−1に対して遠距離側に位置しているか否かを判定する。具体的には、下記の条件により判定する。
(di−2)−(di−1)≧0 :di−2はdi−1に対して遠距離側
(di−2)−(di−1)<0 :di−2はdi−1に対して近距離側
【0101】
ステップS311においてdi−2が遠距離側と判定された場合、ステップS313において、AF制御部192は、被写体がカメラに近づいていると判断する。そして、AF制御部192は、次に実施するウォブリング処理のフォーカスレンズ154を移動させる範囲(bi〜ci)の基準位置(例えばbi〜ciの中点位置)を、レンズ位置aiより近距離側に設定する。即ち、AF制御部192は、その基準位置の変化幅分だけ、レンズ位置bi及びciを近距離側に設定する。基準位置を近距離側にずらす量は、di−2とdi−1の値から予測した被写体の動き量に基づいて設定する。
【0102】
図9を用いて、ステップS313の処理について、より詳細に説明する。以下ではi=3の場合を例にとり説明する。
【0103】
AF制御部192は、d1とd2のフォーカスシング位置の変化量(=d1−d2)と、d1とd2の算出タイミングの時間差(=td2−td1)とに基づいて、単位時間当たりの変化量を算出する。AF制御部192は、その単位時間当たりの変化量と、ウォブリング処理a3〜d3における基準位置s3のタイミングts3とに基づいて、被写体の動きを予測して、新たな基準位置s3’を算出する。即ち、下式(7)により基準位置s3’を算出する。
s3’=d2−((d1−d2)/(td2−td1))×(ts3−td2) (7)
【0104】
AF制御部192は、基準位置s3’と、元の基準位置s3=a3との差分(s3−s3’)とに基づいて、下式(8)によりレンズ位置b3’、c3’を算出する。下式(8)に示すように、
b3’=b3−(s3−s3’)
c3’=c3−(s3−s3’) (8)
【0105】
ここで、元の基準位置s3は、被写体の動き予測を行わない場合の基準位置であり、ウォブリング動作の開始位置a3=d2と同じ位置である。元のレンズ位置b3、c3は、被写体の動き予測を行わない場合のレンズ位置であり、a3を基準としてa3から所定距離だけ移動した位置に設定される。b3’、c3’は、被写体の動き予測を行った場合のレンズ位置であり、上式(8)に示すように、元のレンズ位置b3、c3から差分(s3−s3’)の分だけ近点側にずれた位置となる。
【0106】
被写体は近距離側へ移動しているため、ウォブリング開始位置a3は、実際の被写体の位置よりも遠距離側に離れている可能性が高い。そのため、ウォブリング範囲の基準位置を近距離側へ移動することで、ウォブリング動作を被写体に追従させることができ、AF精度を向上できる。
【0107】
ステップS311においてdi−2が近距離側と判定された場合、ステップS315において、AF制御部192は、被写体がカメラから遠ざかっていると判断する。そして、AF制御部192は、次に実施するウォブリング処理のフォーカスレンズ154を移動させる範囲(bi〜ci)の基準位置を、レンズ位置aiより遠距離側に設定する。即ち、AF制御部192は、その基準位置の変化幅分だけ、レンズ位置bi及びciを遠距離側に設定する。基準位置を遠距離側にずらす量は、di−2とdi−1の値から予測した被写体の動き量に基づいて設定する。このステップS315の処理は、図9で説明した処理と同様に行うことができる。
【0108】
次にステップS317において、AF制御部192は、ステップS313又はS315において設定したレンズ位置ai、bi、ciに基づいてウォブリング処理を行い、合焦レンズ位置diを算出する。制御部192は、レンズ位置ai、bi、ci、diで撮影した画像データをバッファメモリ115に記録する。
【0109】
次にステップS319において、制御部192は、パラメータiをインクリメントする。即ち、di−2=di−1、di−1=diとなる。
【0110】
次にステップS321において、制御部192は、シャッタレリーズが押されているか否かを判定する。シャッタレリーズが押されていると判定された場合、ステップS303に戻り、以降シャッタレリーズが離されるまで、ステップS303〜S321を繰り返す。ステップS321において、シャッタレリーズが離されたと判定された場合、ステップS109において、制御部192は、パラメータkの状態を判定する。制御部192は、ステップS109においてパラメータkが“1”と判定したら、ステップS111において、画像データをバッファメモリ115又は記録媒体127に記録する制御を終了し、ステップS101に戻る。
【0111】
以上の実施形態によれば、図9に示すように、図8で説明したように、フォーカス制御部(AF制御部192)は、被写体の移動方向が、撮影光学系(光学系150)の近点側(近距離側)に向かう方向である場合、ウォブリング動作(例えばR3)においてフォーカスレンズ154を移動させる範囲であるウォブリング範囲b3〜c3を近点側にずらす。一方、フォーカス制御部は、被写体の移動方向が、撮影光学系の遠点側(遠距離側)に向かう方向である場合、ウォブリング範囲b3〜c3を遠点側にずらす。
【0112】
例えば本実施形態では、ウォブリング範囲b3〜c3の基準点s3=a3を、被写体の移動方向に応じて基準位置s3’に移動することにより、ウォブリング範囲b3〜c3をb3’〜c3’にずらす。
【0113】
より具体的には、撮像素子103は、被写体像を時系列に連写する連写撮像を行う。図9で説明したように、フォーカス制御部は、連写撮像R1〜R4の第1撮像R1における合焦レンズ位置d1に対して、第1撮像R1の次の第2撮像R2における合焦レンズ位置d2が、近点側及び遠点側のいずれに移動したかを判定することにより、被写体の移動方向を判定する。フォーカス制御部は、第2撮像R2の次の第3撮像R3におけるウォブリング範囲b3〜c3を、判定の結果に基づいて近点側又は遠点側にずらす。
【0114】
このようにすれば、過去の合焦レンズ位置に基づいて被写体の移動方向を予測し、その予測した方向に応じて次のウォブリング動作を行うことができるため、高速移動する被写体に対して、AFの追従性を向上できる。
【0115】
6.第5の実施形態
図10に、第5の実施形態における撮像動作のフローチャートを示す。第5の実施形態における撮像装置の構成は、上述した第1の実施形態と同様である。なお以下では、第1の実施形態や第4の実施形態で説明したステップと同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図10のステップS251、S305、S807で行うウォブリング処理は、第1の実施形態で説明したステップS201〜S215で行う一連の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0116】
ステップS311において、AF制御部192が、di−1よりもdi−2が近距離側であると判定した場合、ステップS803において、AF制御部192は、被写体がカメラから遠ざかっていると判断する。AF制御部192は、ウォブリング処理においてフォーカスレンズ154を移動させる順番を、近距離側の次に遠距離側と設定する。具体的には、AF制御部192は、aiの次のbiを、aiよりも近距離側のレンズ位置に設定し、biの次のciを、aiよりも遠距離側のレンズ位置に設定する。
【0117】
図11を用いて、ステップS803の処理を詳細に説明する。以下ではi=3の場合を例にとり説明する。図11に示すように、合焦レンズ位置d1が、合焦レンズ位置d2よりも近距離側の場合、AF制御部192は、被写体がカメラから遠ざかっていると判断する。この場合、AF制御部192は、b3をa3よりも近距離側に設定し、c3をa3よりも遠距離側に設定する。
【0118】
さて、図3に示すように、フォーカスレンズ154がレンズ位置a3〜d3に設定されるタイミングを、ta3〜td3とする。ウォブリング動作中も被写体はカメラから遠ざかっているため、タイミングta3〜tc3で被写体の位置は同一とはならない。このような場合、合焦レンズ位置d3の予測精度が下がってしまうという課題がある。
【0119】
この点、本実施形態によれば、タイミングta3〜tc3のうち最も遅いタイミングtc3において、被写体の移動方向である遠距離側にフォーカスレンズ154が設定される。合焦レンズ位置d3は、近距離側のレンズ位置b3よりも遠距離側のレンズ位置c3に近いと予想されるため、近距離側のAF評価値よりも遠距離側のAF評価値の方が、近似曲線によるd3の推定に与える影響が大きい。そのため、タイミングtd3から被写体位置の変化が出来るだけ小さいtc3において、遠距離側のAF評価値を測定することにより、合焦レンズ位置d3の推定精度を向上できる。
【0120】
次にステップS805において、AF制御部192は、di−2とdi−1の値から予測した被写体の動き量に合わせて、次に実施するウォブリング処理のフォーカスレンズ154を移動させる範囲(=bi〜ci)の基準位置を、元の基準位置よりも遠距離側に設定する。
【0121】
図11を用いて、ステップS805の処理を詳細に説明する。ウォブリング範囲b3〜c3の基準位置は、元の位置s3=a3から新たな位置s3’へ移動される。この基準位置の移動量は、例えば図9で説明した手法と同様に算出する。基準位置を移動することで、a3からb3への移動量が小さくなり、a3からc3への移動量が大きくなる。
【0122】
被写体は遠距離側へ移動しているため、ウォブリング開始位置a3は、実際の被写体の位置よりも近距離側に離れている可能性が高い。そのため、ウォブリング範囲の基準位置を遠距離側へ移動することで、ウォブリング動作を被写体に追従させることができ、AF精度を向上できる。
【0123】
ステップS311において、AF制御部192が、di−1よりもdi−2が遠距離側であると判定した場合、ステップS801において、AF制御部192は、被写体がカメラに近づいていると判断する。AF制御部192は、ウォブリング処理においてフォーカスレンズ154を移動させる順番を、遠距離側の次に近距離側と設定する。具体的には、AF制御部192は、aiの次のbiを、aiよりも遠距離側のレンズ位置に設定し、biの次のciを、aiよりも近距離側のレンズ位置に設定する。
【0124】
次にステップS805において、AF制御部192は、di−2とdi−1の値から予測した被写体の動き量に合わせて、次に実施するウォブリング処理のフォーカスレンズ154を移動させる範囲(=bi〜ci)の基準位置を、元の基準位置よりも近距離側に設定する。この場合においても、基準位置の移動により、aiからbiへの移動量が小さくなり、aiからciへの移動量が大きくなる。
【0125】
次にステップ807において、AF制御部192は、ステップS801〜S805で設定したレンズ位置ai、bi、ciに基づいてウォブリング処理を行い、合焦レンズ位置diを算出する。制御部192は、レンズ位置ai、bi、ci、diで撮影された画像データをバッファメモリ115に記録する。
【0126】
以上の実施形態によれば、図10や図11で説明したように、フォーカス制御部(AF制御部192)は、ウォブリング動作において各レンズ位置ai、bi、ciに移動させる駆動順番を、被写体の移動方向に応じて切り替える。
【0127】
より具体的には、図11に示すように、フォーカス制御部は、複数のレンズ位置として少なくとも第1〜第3レンズ位置(例えばa3、b3、c3)にフォーカスレンズ154を順次移動させる駆動制御を行う。フォーカス制御部は、被写体の移動方向が、撮影光学系(光学系150)の近点側に向かう方向である場合、第2レンズ位置b3を、第1レンズ位置a3よりも遠点側のレンズ位置に設定し、第3レンズ位置c3を、第1レンズ位置a3よりも近点側のレンズ位置に設定する。一方、フォーカス制御部は、被写体の移動方向が、撮影光学系の遠点側に向かう方向である場合、第2レンズ位置b3を、第1レンズ位置a3よりも近点側のレンズ位置に設定し、第3レンズ位置c3を、第1レンズ位置a3よりも遠点側のレンズ位置に設定する。
【0128】
このようにすれば、図11で説明したように、被写体の移動方向においてフォーカス評価値を取得したタイミングから、合焦レンズ位置d3の算出までに被写体が移動する距離を最小限にできるため、AFの合焦確率を向上できる。
【0129】
7.第6の実施形態
図12に、第6の実施形態における撮像動作のフローチャートを示す。第6の実施形態における撮像装置の構成は、上述した第1の実施形態と同様である。なお以下では、第1の実施形態で説明したステップと同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0130】
ステップS271において、AF制御部192は、レンズ位置di−1が存在するか否かを判定する。例えばi≧2である場合にはレンズ位置di−1が存在すると判定する。あるいは、レンズ位置di−1における撮像画像やAF評価値が存在する場合にレンズ位置di−1が存在すると判定してもよい。
【0131】
ステップS271においてレンズ位置di−1が存在すると判定された場合、AF制御部192は、ウォブリング動作の最初のレンズ位置ai(ステップS201、S203)を省略し、ステップS205の処理を行う。具体的には、ステップS273において、AF制御部192は、レンズ位置aiにおけるAF評価値vaiとして、レンズ位置di−1におけるAF評価値vdi−1を設定する。また、制御部190は、レンズ位置aiにおける撮像画像paiとして、レンズ位置di−1における撮像画像pdi−1をバッファメモリ115に記録する。
【0132】
例えば図13に示すように、ウォブリング動作R1の次のウォブリング動作R2では、レンズ位置a2における撮像やAF評価値の算出を行わない。そして、レンズ位置d1、b2、c2におけるAF評価値を用いて、合焦レンズ位置d2を算出する。
【0133】
ステップS271においてレンズ位置di−1が存在しないと判定された場合には、ステップS201、S203が行われる。
【0134】
以上の実施形態によれば、図13に示すように、撮像素子103は、被写体像を時系列に連写する連写撮像として、第1撮像R1と、第1撮像R1の次の第2撮像R2を行う。フォーカス制御部(AF制御部192)は、第2撮像R2のウォブリング動作において、最初のレンズ位置である第1レンズ位置a2へ移動させる駆動制御を省略する。図12で説明したように、フォーカス評価値算出部(コントラスト算出部191)は、第1撮像R1の合焦レンズ位置d1におけるフォーカス評価値vd1を、第1レンズ位置a2におけるフォーカス評価値va2として、第2撮像R2の合焦レンズ位置d2を算出する。
【0135】
ウォブリング動作を伴う連写では、合焦レンズ位置diから次のウォブリング開始位置ai+1までの時間は、連写速度(1秒あたりの撮影枚数)に依存する。連写を高速に設定すると、diからai+1までの時間がゼロに近くなるため、diとai+1の撮影タイミングはほぼ同一になる。そのため、diとai+1の一方のみで撮影とフォーカス評価値の算出を行えばよく、他方を省略できる。
【0136】
この点、本実施形態では、ai+1を省略することによりウォブリング動作を短くして短時間で合焦レンズ位置diを算出できるため、連写を高速化できる。また、短時間で合焦レンズ位置diを算出できるため、移動被写体に対するAFの追従性を向上できる。
【0137】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また撮像装置等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0138】
103 撮像素子、105 光学ズーム駆動部、107 AE駆動部、
109 AF駆動部、111 撮像素子駆動部、115 バッファメモリ、
117 ユーザI/F部、119 メモリI/F部、121 通信部、
127 記録媒体、129 表示部、130 処理エンジン部、
140 画像処理部、150 光学系、151 撮影レンズ、
152 ズームレンズ、153 絞り機構、154 フォーカスレンズ、
160 バス線、190 制御部、191 コントラスト算出部、
192 AF制御部、193 画像削除判定部、200 レンズ部、
210 ボディ部、
R1〜R4 連写撮像、z レンズ位置、ai、bi、ci レンズ位置、
di 合焦レンズ位置、pai〜dai 撮像画像、s3、s3’ 基準位置、
ta3〜tc3、td3、ts3 タイミング、vai〜vdi AF評価値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系により結像された被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮影光学系が有するフォーカスレンズを、複数のレンズ位置の各レンズ位置に移動させるウォブリング動作を制御するフォーカス制御部と、
前記各レンズ位置に対応するフォーカス評価値を、前記各レンズ位置において撮像された撮像画像に基づいて算出するフォーカス評価値算出部と、
前記撮像画像を、記録部に記録する制御を行う記録制御部と、
を備え、
前記フォーカス制御部は、
前記被写体像が合焦する合焦レンズ位置を前記フォーカス評価値に基づいて算出し、前記フォーカスレンズを前記合焦レンズ位置へ移動させる駆動制御を行い、
前記記録制御部は、
前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像を、前記記録部に記録する制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像の中から、前記フォーカス評価値が最大である撮像画像を判定する判定部と、を備え、
前記記録制御部は、
前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像のうち、前記フォーカス評価値が最大であると判定された撮像画像以外の撮像画像を、前記記録部から削除する制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記フォーカス制御部は、
前記被写体の移動方向が、前記撮影光学系の近点側に向かう方向である場合、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させる範囲であるウォブリング範囲を前記近点側にずらし、
前記被写体の前記移動方向が、前記撮影光学系の遠点側に向かう方向である場合、前記ウォブリング範囲を前記遠点側にずらすことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記撮像素子は、
前記被写体像を時系列に連写する連写撮像を行い、
前記フォーカス制御部は、
前記連写撮像の第1撮像における前記合焦レンズ位置に対して、前記第1撮像の次の第2撮像における前記合焦レンズ位置が、前記近点側及び前記遠点側のいずれに移動したかを判定することにより、前記被写体の前記移動方向を判定し、
前記第2撮像の次の第3撮像における前記ウォブリング範囲を、前記判定の結果に基づいて前記近点側又は前記遠点側にずらすことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置において撮像された撮像画像、及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像の中から、前記フォーカス評価値が所定の閾値以下である撮像画像を判定する判定部と、を備え、
前記記録制御部は、
前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置において撮像された撮像画像のうち、前記フォーカス評価値が前記所定の閾値以下であると判定された撮像画像を、前記記録部から削除する制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記フォーカス制御部は、
前記ウォブリング動作において前記各レンズ位置に移動させる駆動順番を、前記被写体の移動方向に応じて切り替えることを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記フォーカス制御部は、
前記複数のレンズ位置として少なくとも第1〜第3レンズ位置に、前記フォーカスレンズを順次移動させる駆動制御を行い、
前記被写体の移動方向が、前記撮影光学系の近点側に向かう方向である場合、前記第2レンズ位置を、前記第1レンズ位置よりも遠点側のレンズ位置に設定し、前記第3レンズ位置を、前記第1レンズ位置よりも近点側のレンズ位置に設定し、
前記被写体の移動方向が、前記撮影光学系の遠点側に向かう方向である場合、前記第2レンズ位置を、前記第1レンズ位置よりも近点側のレンズ位置に設定し、前記第3レンズ位置を、前記第1レンズ位置よりも遠点側のレンズ位置に設定することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記撮像素子は、
前記被写体像を時系列に連写する連写撮像として、第1撮像と、前記第1撮像の次の第2撮像を行い、
前記フォーカス制御部は、
前記第2撮像の前記ウォブリング動作において、最初のレンズ位置である第1レンズ位置へ移動させる駆動制御を省略し、
フォーカス評価値算出部は、
前記第1撮像の前記合焦レンズ位置における前記フォーカス評価値を、前記第1レンズ位置における前記フォーカス評価値として、前記第2撮像の前記合焦レンズ位置を算出することを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
撮影光学系により結像された被写体像を撮像し、
前記撮影光学系が有するフォーカスレンズを複数のレンズ位置の各レンズ位置に移動させるウォブリング動作を駆動制御し、
前記各レンズ位置に対応するフォーカス評価値を、前記各レンズ位置において撮像された撮像画像に基づいて算出し、
前記被写体像が合焦する合焦レンズ位置を前記フォーカス評価値に基づいて算出し、前記フォーカスレンズを前記合焦レンズ位置へ移動させる駆動制御を行い、
前記ウォブリング動作の前記各レンズ位置において撮像された撮像画像、及び前記合焦レンズ位置において撮像された撮像画像を、記録部に記録する制御を行うことを特徴とする画像記録方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−97012(P2013−97012A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236718(P2011−236718)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】