撮像装置
【課題】 水平方向及び/又は垂直方向での画角がより大きい撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】撮像装置(100)は、第1光軸(Bx2)を有し被写体の第1領域を第1画角で結像する第1光学系(L1)と、第1光学系と所定の方向に沿って並んで配置され第1光軸と異なる角度の第2光軸(Bx3)を有し第1領域と異なる被写体の第2領域を第2画角で結像する第2光学系(L2)と、第1光学系で結像された第1画像を撮像する第1光電変換素子(C1)と、記第2光学系で結像された第2画像を撮像する第2光電変換素子(C2)と、を備える。
【解決手段】撮像装置(100)は、第1光軸(Bx2)を有し被写体の第1領域を第1画角で結像する第1光学系(L1)と、第1光学系と所定の方向に沿って並んで配置され第1光軸と異なる角度の第2光軸(Bx3)を有し第1領域と異なる被写体の第2領域を第2画角で結像する第2光学系(L2)と、第1光学系で結像された第1画像を撮像する第1光電変換素子(C1)と、記第2光学系で結像された第2画像を撮像する第2光電変換素子(C2)と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光学系を使って1つの被写体を撮像する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDやCMOSセンサなどの光電変換素子の小型化、高性能化などの光学技術の進展により、薄型の撮像装置などが提案されている。例えば、特許文献1の撮像装置では、外形寸法がPCMCIA/JEIDA規格のI/OカードにおけるタイプI、II、III、IVなどの寸法規格である。特許文献1において、撮像装置の幅の狭い側面に1つの撮像レンズが設けられている。特許文献1に開示された撮像装置は、レンズ直径が小さい撮像レンズを用いることで撮像装置が薄く(幅が狭く)なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−243501号公告
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、レンズ直径が小さくなるにしたがって、水平方向または垂直方向の最大画角が小さくなる問題がある。
【0005】
本発明は、水平方向または垂直方向に大きな画角を撮影することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の撮像装置は、第1光軸を有し被写体の第1領域を第1画角で結像する第1光学系と、第1光学系と所定の方向に沿って並んで配置され第1光軸と異なる角度の第2光軸を有し第1領域と異なる被写体の第2領域を第2画角で結像する第2光学系と、第1光学系で結像された第1画像を撮像する第1光電変換素子と、第2光学系で結像された第2画像を撮像する第2光電変換素子と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、薄い撮像装置であっても水平方向及び/又は垂直方向に画角が大きな画像を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】撮像装置100の斜視図である。
【図2】第1撮像部10Aおよび本体部19を示した概念図である。
【図3】(a)は、第1撮像ユニットIU1又は第3撮像ユニットIU3の側面図である。 (b)は、第2撮像ユニットIU2又は第4撮像ユニットIU4の側面図である。
【図4】第1実施形態の第1撮像部10Aの側面図である。
【図5】撮像ステップを示したフローチャートである。
【図6】(a)は、第1撮像ユニットIU1の画像S1を示した図である。 (b)は、第2撮像ユニットIU2の画像S2を示した図である。 (c)は、第3撮像ユニットIU3の画像S3を示した図である。 (d)は、第4撮像ユニットIU4の画像S4を示した図である。
【図7】画像S1〜S4を合成した後の全体合成画像IM1を示した図である。
【図8】第2実施形態の第2撮像部10B又は第2変形例の第6撮像部10Fの平面図である。
【図9】(a)は、第5撮像ユニットIU5又は第7撮像ユニットIU7の側面図である。 (b)は、第6撮像ユニットIU6又は第8撮像ユニットIU8の側面図である。
【図10】第2実施形態の第2撮像部10Bの側面図である。
【図11】第3実施形態の第3撮像部10Cの平面図である。
【図12】第3実施形態の第3撮像部10Cの側面図である。
【図13】(a)は、第9撮像ユニットIU9の画像S5を示した図である。 (b)は、第10撮像ユニットIU10の画像S6を示した図である。 (c)は、第11撮像ユニットIU11の画像S7を示した図である。 (d)は、第12撮像ユニットIU12の画像S8を示した図である。
【図14】合成後の全体合成画像IM2を示した図である。
【図15】撮像装置200の斜視図である。
【図16】第4実施形態の第4撮像部10Dの平面図である。
【図17】第4実施形態の第4撮像部10Dの側面図である。
【図18】(a)は、第13撮像ユニットIU13の画像S9を示した図である。 (b)は、第14撮像ユニットIU14の画像S10を示した図である。
【図19】合成後の画像IM3を示した図である。
【図20】第1変形例の第5撮像部10Eの平面図である。
【図21】(a)は、光電変換素子C5又は光電変換素子C6の一例を示した平面図である。 (b)は、光電変換素子C5又は光電変換素子C6の別の一例を示した平面図である。
【図22】(a)は、第2変形例の第5撮像ユニットIU5’又は第7撮像ユニットIU7’の側面図である。 (b)は、第2変形例の第6撮像ユニットIU6’又は第8撮像ユニットIU8’の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
<撮像装置100の外観>
図1は、撮像装置100の全体構成を示した斜視図である。第1実施例体では、主面112の短辺方向をX軸方向とし、主面112の長辺方向をY軸方向とし、そのX軸方向及びY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。
【0010】
図1に示されたように、撮像装置100は厚さの薄い筺体11を備える。筺体11は幅Wが3〜5mm程度である細長い4つの側面111と、それらの側面111に垂直な2つの主面112とで構成される。
【0011】
また、撮像装置100の筺体11の本体部19は、筺体11の主面112の一隅に設けられた液晶表示装置からなる外部電子ファインダーの機能をもつLCD表示部12と、筺体11の側面111の一隅に設けられて撮像を開始させるレリーズスイッチ13とを備えている。本体部19内部には、CPU等を含む制御回路を有している。
【0012】
筺体11の一部は4つの結像レンズL1〜L4を備える撮像部10(第1撮像部10A)である。撮像部10はX軸方向に伸びる回転軸(不図示)を中心として回転可能である。図1において実線は撮像部10が本体部19から所定の角度に回転された状態を示し、点線は撮像部10が本体部19から回転していない状態を示す。これにより撮影者はLCD表示部12を見ながら被写体に撮像部10を向けることができる。
【0013】
4つの結像レンズL1〜L4は撮像部10の+Y側の側面111に設けられ、X軸方向に沿って一直線に配置されている。撮像部10の結像レンズL1〜L4で撮像された画像は、回転軸(図示しない)内に設けられた接続コードでLCD表示部12に表示される。撮像部10については、以降の図2〜図4で詳しく説明する。
【0014】
<第1撮像部10Aの概略>
以下、第1撮像部10Aについて、図2〜図4を参照しながら説明する。
図2は、第1撮像部10Aおよび本体部19を示した概念図である。図2に示された第1撮像部10Aは、被写体(図示しない)の異なる領域を撮像する4つの撮像ユニットIU1〜IU4を備えている。
【0015】
第1撮像部10Aは、第1撮像ユニットIU1と第2撮像ユニットIU2との間に配置されて第1撮像ユニットIU1に入射した光が第2撮像ユニットIU2の光電変換素子C2に入ることを防止するY軸方向に伸びた遮光部R1を有している。同様に、第1撮像部10Aは第2撮像ユニットIU2と第3撮像ユニットIU3との間に遮光部R2を有し、第3撮像ユニットIU3と第4撮像ユニットIU4との間に遮光部R3をさらに有している。
【0016】
撮像ユニットIU1〜IU4は同軸に配置されたプリズムP1〜P4と、結像レンズL1〜L4と、光電変換素子C1〜C4とをそれぞれ有している。プリズムP1〜P4は、光を所定方向に偏向させる三角プリズムを含む。結像レンズL1〜L4は、図2では1つの凸レンズで描かれているが、複数のレンズからなるレンズ群である。また光電変換素子C1〜C4は、二次元CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、または二次元CMOSイメージセンサである。また、光電変換素子C1〜C4はたとえば長辺が4mmで短辺が3mmである矩形形状である。
【0017】
XY平面において、第1撮像ユニットIU1及び第2撮像ユニットIU2はそれらの光軸Ax1、Ax2がY軸方向から反時計方向に角度α傾斜するように配置されている。また、第3撮像ユニットIU3及び第4撮像ユニットIU4はそれらの光軸Ax3、Ax4がY軸方向から時計方向に角度α傾斜するように配置されている。また、撮像ユニットIU1〜IU4のXY平面での水平画角は2αである。したがって、第1撮像部10AのXY平面での水平画角は4α、すなわち、例えば角度αが15°であれば、第1撮像部10AのXY平面での水平画角は60°となる。
ここで、画角とは像の両端から主点へ結んだ光線の角度を示し、像面の映る物体の範囲を角度で表したものである。また、画角の半分を半画角という。したがって、角度αは撮像ユニットIU1〜IU4の半画角となる。
【0018】
図3(a)は第1撮像ユニットIU1又は第3撮像ユニットIU3の側面図である。側面図から見ると、第1撮像ユニットIU1及び第3撮像ユニットIU3は同じ形状となっているので、以下は第1撮像ユニットIU1で説明する。図3(a)に示された第1撮像ユニットIU1はその短辺(3mm)がZ軸方向に向いた矩形の光電変換素子C1を有している。また、その光電変換素子C1の+Y側には、直径3mmの結像レンズL1と、頂角γが下向きとなった高さが3mmである三角プリズムP1とが同軸に配置されている。したがって、筺体11の幅Wが3〜5mm程度となりかなり薄型となる。また、光電変換素子C1は結像レンズL1の−Y側の焦点位置に配置され、結像レンズL1の焦点距離fはたとえば7.5mmである。さらに、三角プリズムP1の+Y側には結像レンズに入射する光の量を調整する可変絞り16が配置されている。以降の実施形態では可変絞り16の描画を省略する。
【0019】
第1撮像ユニットIU1において、光電変換素子C1から三角プリズムP1までの光軸をBx1にし、三角プリズムP1から射出する光の軸をBx2にする。すると、Y軸方向の光軸Bx1が三角プリズムP1で+Z側に偏向して光軸Bx2となり、光軸Bx2とY軸とからなす角度はβである。これにより、第1撮像ユニットIU1は被写体の+Z軸方向の領域を撮像することができ、撮影できる画角は2βである。また、被写体からのY軸方向に平行である光線LL1は、三角プリズムP1及び結像レンズL1を順に通過して光電変換素子C1の+Z側の端部A1に入射される。
【0020】
ここで、偏向角度βと三角プリズムP1の頂角γとの関係は、数式(1)を満たす。
β=γ(n−1) … (1)
なお、数式(1)でnは三角プリズムP1の屈折率である。
【0021】
図3(b)は第2撮像ユニットIU2又は第4撮像ユニットIU4の側面図である。側面図から見ると、第2撮像ユニットIU2及び第4撮像ユニットIU4は同じ形状となっているので、以下は第2撮像ユニットIU2で説明する。図3(b)に示された第2撮像ユニットIU2は、三角プリズムP2の頂角方向(+Z)が、三角プリズムP1の頂角方向(−Z)と異なるのみで、結像レンズL2、光電変換素子C2などの構成は第1撮像ユニットIU1と同じである。
【0022】
第2撮像ユニットIU2において、光電変換素子C2から三角プリズムP2までの光軸をBx1にし、三角プリズムP2から射出する光の軸をBx3にする。すると、Y軸方向の光軸Bx1が三角プリズムP2で−Z側に偏向して光軸Bx3となり、光軸Bx3とY軸とからなす角度はβである。これにより、第2撮像ユニットIU2は被写体の−Z軸方向の領域を撮像することができ、その画角が2βとなる。また、被写体からのY軸方向に平行である光線LL2は、三角プリズムP2及び結像レンズL2を順に通過して光電変換素子C2の−Z側の端部A2に入射される。
また、偏向角度βと三角プリズムP2の頂角γとの関係は、数式(1)を満たす。
【0023】
図4は、第1実施形態の第1撮像部10Aの側面図である。図4に示されたように、三角プリズムP1〜P4を偏向部として用いると、第1撮像部10Aの画角が角度η1から角度η2に広がる。また、光線LL1及び光線LL2はY軸方向に平行であるため、画角η2は4βに相当する。すなわち、例えば角度βが11.3°であれば、第1撮像部10AのYZ平面での垂直画角は45.2°となる。
【0024】
<画像合成装置14の概略>
第1撮像部10Aによる画像合成について、図2、図4及び図5〜図7を参照しながら説明する。図5は、撮像ステップを示したフローチャートである。図6において、(a)は第1撮像ユニットIU1が撮像する画像S1、(b)は第2撮像ユニットIU2が撮像する画像S2、(c)は第3撮像ユニットIU3が撮像する画像S3、(d)は第4撮像ユニットIU4が撮像する画像S4を示した図である。図7は、合成後の全体合成画像IM1を示した図である。
【0025】
図2または図4に示されたように、本体部19内の画像合成装置14は、共通領域の共通点を検出する共通点検出部141と、各画像(図6の画像S1〜S4)の輝度を検出する輝度検出部142と、全体合成画像(図7の画像IM1)の輝度を均一にするように輝度を調整する輝度調整部143と、共通点検出部141で検出された共通点に基づいて被写体の全体合成画像を合成する画像合成部144とを有している。
【0026】
図5のステップS101では、撮像ユニットIU1は被写体PSの左上側の被写体領域PS1を撮像する。
ステップS103では、撮像ユニットIU2が被写体領域PS1の下側の被写体領域PS2を撮像する。
ステップS105では、撮像ユニットIU3が被写体PSの右上側の被写体領域PS3を撮像する
ステップS107では、撮像ユニットIU4が被写体領域PS3の下側の被写体’領域PS4を撮像する。ステップS101からステップS107は同時に行われる。
【0027】
ここで、図6または図7に示されるように、撮像ユニットIU1〜IU4はそれぞれに画像S1〜S4を撮像する。画像S1と画像S2とは幅Dの共通領域CA12を共有し、画像S1と画像S3とは幅Dの共通領域CA13を共有し、画像S2と画像S4とは幅Dの共通領域CA24を共有し、画像S3と画像S4とは幅Dの共通領域CA34を共有している。
【0028】
図5のステップS201に示されたように、共通点検出部141が共通領域CA12内で画像S1と画像S2との共通点を検出する。たとえば、被検体のコントラストが変化している箇所、色彩が同じ個所などである。共通点は2点以上あることが好ましい。共通点は2点以上あると、画像S1と画像S2との傾きなども修正しやすい。
【0029】
ステップS203では、画像合成部144が共通点検出部141が検出した共通点に基づいて画像S1と画像S2との合成位置を決定する。同様に、共通点検出部141が共通領域CA34で画像S3と画像S4との共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S3と画像S4との合成位置を決定する。そして、共通点検出部141が共通領域CA13、CA24での共通点を検出し、画像合成部144はそれら共通点に基づいて画像S1、画像S2と画像S3、画像S4とを合成位置を決定する。また、別の順に2つずつ合成位置を決定してもよい。
【0030】
ステップS205では、輝度検出部142が画像S1〜S4の輝度を検出する。撮像ユニットIU1〜IU4は別個の結像レンズL1〜L4、光電変換素子C1〜C4をそれぞれ有する。このため、画像S1〜S4の輝度が異なっていることがある。
【0031】
ステップS207では、輝度調整部143は画像全体の輝度を均一するように、画像S1〜S4の輝度をそれぞれ調整する。また共通領域CA12、共通領域CA13、共通領域CA24および共通領域CA34の輝度も調整する。例えば、図6に示された共通領域CA12、CA13、CA24及びCA34において、2つの光電変換素子、または4つの光電変換素子からの輝度信号が重複されている。したがって、輝度調整部143は共通領域の輝度が重複のない領域の輝度と同じ輝度になるように調整する。これらの工程を経て、図7に示されたような1枚の合成画像IM1が合成される。
【0032】
ステップS201およびS203の代わりに、先にステップS205およびS207が行われてもよい。撮像ユニットIU1〜IU4と画像合成装置14とは、1つの結像レンズでは撮影できない左右上下方向に広い画角を有する合成画像IM1を得ることができる。具体的には、1つの結像レンズの水平画角が2α(図2参照)で垂直画角が2β(図3参照)であった場合に、第1撮像部10Aは水平画角4α(図2参照)、垂直画角4βの画角の撮影が可能となる。
【0033】
<制御部15の概略>
制御部15およびその制御について、図2〜図4を参照しながら説明する。撮像装置100は、被写体までの距離によって光電変換素子C1〜C4を光軸Bx1に沿って移動させたり、XZ平面で回転させたりする制御部15をさらに有している。
【0034】
図2または図4に示されたように、制御部15は被写体までの被写体距離を演算する距離演算部151を有している。また、制御部15は結像レンズL1〜L4と光電変換素子C1〜C4との結像状態を調整する結像調整部152、及びあおり角(Tilt Angle)による被写体のゆがみを補正する傾斜調整部153をさらに有している。
【0035】
ここで、距離演算部151は結像レンズL1とL4との間のレンズ間距離及びそれらの焦点距離に基づいて、例えば三角測量の原理を用いて結像レンズL1〜L4から被写体PSまでの被写体距離を演算することができる。
【0036】
結像調整部152は、距離演算部151で演算された被写体距離に基づいて、図示しないモーターなどで光電変換素子C1〜C4を図3の矢印AR1に示されたように光軸Bx1に沿って移動させることができる。これにより、撮像装置100は結像レンズL1〜L4のピントを合わすことができる。結像調整部152は、結像レンズL1〜L4と光電変換素子C1〜C4との相対距離を調整するとき、光電変換素子C1〜C4を固定して結像レンズL1〜L4の位置を変化しても同じ効果が得られる。結像調整部152は、結像レンズL1〜L4と光電変換素子C1〜C4との両方を移動させて、結像レンズL1〜L4と光電変換素子C1〜C4との相対距離を調整してもよい。
【0037】
次に、例えば近距離で被写体PSを撮像する場合には、あおり角による被写体にゆがみが生じることがある。このとき、傾斜調整部153が、距離演算部151で演算された被写体距離に基づいて、図示しないモーターなどで光電変換素子C1〜C4を図3の矢印AR2に示されたように回転させる。これにより、撮像装置100は被写体PSのゆがみを少なくすることができる。
【0038】
(第2実施形態)
第1実施形態の第1撮像部10Aは撮像ユニットIU1〜IU4にプリズムP1〜P4を配置していた。第2実施形態の第2撮像部10Bは、プリズムP1〜P4を有していない点で異なっている。
<第2撮像部10Bの概略>
第2撮像部10Bについて、図8〜図10を参照しながら説明する。
図8は、第2実施形態の第2撮像部10Bの平面図である。図8に示された第2撮像部10Bは、被写体の異なる領域を撮像する4つの撮像ユニットIU5〜IU8を備えている。また第2撮像部10Bは、撮像ユニットIU5〜IU8との間にY軸方向に伸びて配置された遮光部R1〜R3を有している。第2撮像部10Bにおいて、撮像ユニットIU5〜IU8は同軸に配置された半欠け結像レンズL5〜L8と光電変換素子C1〜C4とをそれぞれ有している。
【0039】
XY平面において、第5撮像ユニットIU5及び第6撮像ユニットIU6はそれらの光軸Ax5、Ax6がY軸方向から反時計方向に角度α傾斜するように配置されている。また、第7撮像ユニットIU7及び第8撮像ユニットIU8はそれらの光軸Ax7、Ax8がY軸方向から時計方向に角度α傾斜するように配置されている。また、撮像ユニットIU5〜IU8のXY平面での水平画角は2αである。
【0040】
図9(a)は第5撮像ユニットIU5又は第7撮像ユニットIU7の側面図である。側面図から見ると、第5撮像ユニットIU5及び第7撮像ユニットIU7は同じ形状となっているので、以下は第5撮像ユニットIU5で説明する。図9(a)に示された第5撮像ユニットIU5は短辺3mmの矩形の光電変換素子C1を有している。また、半径が3mmである半欠け結像レンズL5が頂点B1を下向きにして配置されている。また、結像レンズL5の焦点距離fは例えば7.5mmでその焦点位置に光電変換素子C1が配置される。
【0041】
第5撮像ユニットIU5において、光電変換素子C1から半欠け結像レンズL5までの光軸をBx4にし、半欠け結像レンズL5から射出する光の軸をBx5にする。すると、Y軸方向の光軸Bx4が半欠け結像レンズL5で+Z側に偏向して光軸Bx5となり、光軸Bx5とY軸とからなす角度はβである。これにより、第5撮像ユニットIU5は被写体の+Z軸方向の領域を撮像することができ、その画角が2βとなる。また、被写体からのY軸方向に平行である光線LL3は、半欠け結像レンズL5を準に通過して光電変換素子C1の+Z側の端部A1に入射される。
【0042】
図9(b)は第6撮像ユニットIU6又は第8撮像ユニットIU8の側面図である。側面図から見ると、第6撮像ユニットIU6及び第8撮像ユニットIU8は同じ形状となっている。図9(b)に示された第6撮像ユニットIU6その短辺3mmの矩形の光電変換素子C2を有している。また、半径が3mmである半欠け結像レンズL6が頂点B2を上向きにして配置されている。したがって、筺体11の幅Wが3〜5mm程度となりかなり薄型となる。また、結像レンズL6の焦点距離fは例えば7.5mmでその焦点位置に光電変換素子C2が配置される。
【0043】
第6撮像ユニットIU6において、光電変換素子C2から半欠け結像レンズL6までの光軸をBx4にし、半欠け結像レンズL6を射出する光の軸をBx6にする。すると、Y軸方向の光軸Bx4が半欠け結像レンズL6で−Z側に偏向して光軸Bx6となり、光軸Bx6とY軸とからなす角度はβである。これにより、第6撮像ユニットIU6は被写体の−Z軸方向の領域を撮像することができ、その画角が2βとなる。また、被写体からのY軸方向に平行である光線LL4は、半欠け結像レンズL6を準に通過して光電変換素子C1の−Z側の端部A2に入射される。
【0044】
図10は、第2実施形態の第2撮像部10Bの側面図である。図10に示されたように、第2撮像部10Bが半欠け結像レンズL5〜L8で光を偏向することで、その画角が角度η1から角度η2に広がり、YZ平面で被写体の広い領域を撮像することができる。また、光線LL3及び光線LL4はY軸方向に平行であるため、画角η2は4βに相当する。例えば、角度βが11.3°である場合、第2撮像部10Bの垂直画角は45.2°となる。
【0045】
なお、画像合成装置14及び制御部15の構成と動作とについては、第1実施形態と同じである。
【0046】
(第3実施形態)
第1実施形態の第1撮像部10Aは撮像ユニットIU1〜IU4にプリズムP1〜P4を配置していた。第3実施形態の第3撮像部10Cは、撮像ユニットIU9〜IU12がすべて異なるXY平面を向いている点で第1撮像部10Aと異なる。また、第3撮像部10Cは、水平方向プリズムP1〜P4を有していない点でも第1撮像部10Aと異なっている。
<第3撮像部10Cの概略>
第3撮像部10Cについて、図11及び図12を参照しながら説明する。
図11は、第3実施形態の第3撮像部10Cの平面図である。図11に示された第3撮像部10Cは、被写体の異なる領域を撮像する第9撮像ユニットIU9〜第12撮像ユニットIU12を備えている。また第3撮像部10Cは、撮像ユニットIU9〜IU12との間にY軸方向に伸びて配置された遮光部R1〜R3を有している。第3撮像部10Cにおいて、第9撮像ユニットIU9〜第12撮像ユニットIU12は同軸に配置された結像レンズL9〜L12と、光電変換素子C1〜C4とをそれぞれ有している。
【0047】
XY平面において、第9撮像ユニットIU9はその光軸Ax9をY軸方向から反時計方向に角度α傾斜するように配置され、第10撮像ユニットIU10はその光軸Ax10を光軸Ax9の位置からさらに反時計方向に角度2α傾斜するように配置されている。また、第11撮像ユニットIU11はその光軸Ax11をY軸方向から時計方向に角度α傾斜するように配置され、第12撮像ユニットIU12はその光軸Ax12を光軸Ax11の位置からさらに時計方向に角度2α傾斜するように配置されている。
【0048】
したがって、各撮像ユニットIU9〜IU12の画角がそれぞれに2αであるので、第3撮像部10CのXY平面での水平画角は8αとなり、XY平面で被写体PSの広い範囲を撮像することができる。すなわち、例えば角度αが15°であれば、第3撮像部10CのXY平面での水平画角は120°となる。
【0049】
図12は、第3実施形態の第3撮像部10Cの側面図である。図12に示されたように、第3撮像部10CのYZ平面での垂直画角は2βである。例えば、角度βが11.3°である場合、第3撮像部10Cの垂直画角は22.6°となる。
【0050】
<全体合成画像IM2の画像合成>
第3実施形態において、撮像装置100は図2に示されたように画像構成装置14をさらに有し、その構成が第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。以下、画像構成装置14による全体合成画像IM2の画像合成について、図13及び図14を参照しながら説明する。
【0051】
図13において、(a)は第9撮像ユニットIU9が撮像する画像S5、(b)は第10撮像ユニットIU10が撮像する画像S6、(c)は第11撮像ユニットIU11が撮像する画像S7、(d)は第12撮像ユニットIU12が撮像する画像S8を示した図である。図14は、合成後の全体合成画像IM2を示した図である。
【0052】
まず、第3撮像部10Cにおいて、4つの撮像ユニットIU9〜IU12はZ軸方向で同じ高さの領域を同じ幅で撮像する。すなわち、図13に示されたように、第9撮像ユニットIU9が被写体の最も左側の領域を撮像し、第10撮像ユニットIU10が被写体のその右側の領域を撮像し、第11撮像ユニットIU11が被写体のその右側の領域を撮像し、第12撮像ユニットIU12が被写体の最も右側の領域を撮像する。
【0053】
ここで、撮像ユニットIU9〜IU12に撮像された画像をそれぞれに画像S5〜S8とする。画像S5と画像S6とは幅Dの共通領域CA56を共有し、画像S6と画像S7とは幅Dの共通領域CA67を共有し、画像S7と画像S8とは幅Dの共通領域CA78を共有している。
【0054】
本体部19内の画像合成装置14は、第一実施形態と同様に共通点検出部141などを有している。共通点検出部141は共通領域CA56において画像S5と画像S6との共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S5と画像S6との合成位置を決定する。同様に、共通点検出部141が共通領域CA67で画像S6と画像S7との共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S6と画像S7との合成位置を決定する。共通点検出部141が共通領域CA78で画像S7と画像S8との共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S7と画像S8とを合成位置を決定する。
【0055】
その後、輝度検出部142により画像S5〜S8の輝度を検出する。輝度調整部143は画像全体の輝度を均一するように、画像S5〜S8の輝度をそれぞれ調整する。また共通領域CA56、共通領域CA67、および共通領域CA78の輝度も調整する。
【0056】
画像合成装置14は、画像S5〜S8を図14に示されたような1枚の全体合成画像IM2に合成する。ここで、第3撮像部10Cはその水平画角が例えば120°あるので、一度の撮影でパノラマ撮像が可能である。
【0057】
(第4実施形態)
<撮像装置200の外観>
図15は、撮像装置200の全体構成を示した斜視図である。図15に示されたように、撮像装置200は厚さの薄い筺体11を備える。筺体11は幅Wが3〜5mm程度である細長い4つの側面111と、それらの側面111に垂直な2つの主面112とで構成される。
【0058】
撮像装置200の筺体11の本体部19は、筺体11の主面112の一隅に設けられた液晶表示装置からなる外部電子ファインダーの機能をもつLCD表示部12と、筺体11の側面111の一隅に設けられて撮像を開始させるレリーズスイッチ13とを備えている。本体部19内部には、CPU等を含む制御回路を有している。
【0059】
筺体11の一部は2つの結像レンズL13〜L14を備える第4撮像部10Dを備えている。ここで、2つの結像レンズL13、L14は筺体11の+Y側の側面に設けられ、X軸方向に沿って一直線に並列するように配置されている。
【0060】
第4撮像部10Dは図15に示されたように筺体11の本体部19から分離することができ、第4撮像部10Dは伸縮可能である接続コード17により筺体11と接続されている。これにより、撮影者は第4撮像部10Dの結像レンズL13、L14を被写体に向けることができる。また、第4撮像部10Dは筺体11の固定部19から着脱可能である。結像レンズの倍率が異なる撮像部を用意すれば、倍率が異なった撮像装置になる。また、第4撮像部10Dで撮像された画像は接続コード17によりLCD表示部12に表示することができる。
【0061】
<第4撮像部10Dの概略>
第4撮像部10Dについて、図16及び図17を参照しながら説明する。
図16は、第4実施形態の第4撮像部10Dの平面図である。図16に示された第4撮像部10Dは、被写体のZ軸方向の異なる領域を撮像する2つの撮像ユニットIU13〜IU14を備えている。第4撮像部10Dにおいて、撮像ユニットIU13〜IU14は同軸に配置された半欠け結像レンズL13、L14と、光電変換素子C1、C2とをそれぞれ有している。第4撮像部10Dは、第13撮像ユニットIU13と第14撮像ユニットIU14との間に配置され、第13撮像ユニットIU13に入射した光が第14撮像ユニットIU14の光電変換素子C2に入ることを防止するY軸方向に伸びた遮光部R4を有している。
【0062】
XY平面において、第13撮像ユニットIU13及び第14撮像ユニットIU14はそれらの光軸Ax13、Ax14がY軸方向沿って伸びるように配置されている。また、撮像ユニットIU13、IU14のXY平面での水平画角は2αで、第4撮像部10DのXY平面での水平画角も2αなる。例えば、第4撮像部10Dの水平画角は30°となる。
【0063】
図17は、第4実施形態の第4撮像部10Dの側面図である。図17に示されたように、半欠け結像レンズL13、L14を偏向部として用いる(図9を参照)と、第4撮像部10Dの画角が角度η1から角度η2に広がり、YZ平面で被写体のより広い領域を撮像することができる。また、光線LL3及び光線LL4(図9を参照)はY軸方向に平行であるため、画角η2は4βに相当する。すなわち、例えば角度βが11.3°であれば、第4撮像部10DのYZ平面での垂直画角は45.2°となる。
ここで、第13撮像ユニットIU13及び第14撮像ユニットIU14のYZ平面での配置は図9で説明された第2実施形態の第5撮像ユニットIU5及び第6撮像ユニットIU6と同じである。
【0064】
<全体合成画像IM3の画像合成>
第4実施形態において、撮像装置200の固定部19は画像構成装置14を有する。以下、画像構成装置14による全体合成画像IM3の画像合成について、図18及び図19を参照しながら説明する。
【0065】
図18において、(a)は第13撮像ユニットIU13が撮像する画像S9、(b)は第14撮像ユニットIU14が撮像する画像S10を示した図である。図19は、合成後の全体合成画像IM3を示した図である。
【0066】
まず、第4撮像部10Dにおいて、2つの撮像ユニットIU13、IU14はZ軸方向で異なる高さの領域を同じ幅で撮像する。すなわち、図18に示されたように、光電変換素子C1が被写体の上側の領域を撮像し、光電変換素子C2が被写体の下側の領域を撮像する。
【0067】
画像S9と画像S10とは幅Dの共通領域CA90を共有している。共通点検出部141が共通領域CA90での共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S19と画像S20との合成位置を決定する。輝度検出部142は画像S9、S10の輝度を検出する。輝度調整部143は画像全体の輝度が均一するように共通領域の輝度をそれぞれ調整する。
【0068】
(第1変形例)
第1変形例の第5撮像部10Eは撮像ユニットIU15〜IU18により構成され、撮像ユニットIU15及びIU16が1つの光電変換素子C5を共有し、撮像ユニットIU17及びIU18が1つの光電変換素子C6を共有する点で第1実施形態と異なる。
<第5撮像部10Eの概略>
第5撮像部10Eについて、図20、図21を参照しながら説明する。
図20は、第1変形例の第5撮像部10Eの平面図である。図20に示された第5撮像部10Eは、被写体の異なる領域を撮像する4つの撮像ユニットIU15〜IU18を備えている。また、撮像ユニットIU15と撮像ユニットIU16との間には撮像ユニットIU15の光軸Ax1又は撮像ユニットIU16の光軸Ax2の方向に伸びて配置された遮光部R1を有している。撮像ユニットIU16と撮像ユニットIU17との間にはY軸方向に伸びて配置された遮光部R2を有している。さらに、撮像ユニットIU17と撮像ユニットIU18との間には撮像ユニットIU17の光軸Ax3又は撮像ユニットIU18の光軸Ax4の方向に伸びて配置された遮光部R3を有している。
【0069】
ここで、第1実施形態と同様に撮像ユニットIU15の光軸Ax1と撮像ユニットIU16の光軸Ax2とは平行で、撮像ユニットIU17の光軸Ax3と撮像ユニットIU18の光軸Ax4とは平行である。また、第5撮像部10Eにおいて、撮像ユニットIU15及びIU16が1つの光電変換素子C5を共有し、撮像ユニットIU17及びIU18が1つの光電変換素子C6を共有する。
【0070】
図21(a)は光電変換素子C5又は光電変換素子C6の一例を示した平面図である。平面図から見ると、光電変換素子C5と光電変換素子C6とは同じ形状となっていので、光電変換素子C5で説明する。図21(a)に示されたように、光電変換素子C5は矩形の基板F上に2つの同じサイズの光電変換領域C51、C52が形成されている。光電変換領域C51がプリズムP1及び撮像レンズL1と撮像ユニットIU15を構成し、光電変換領域C52がプリズムP2及び撮像レンズL2と撮像ユニットIU16を構成する(図20を参照)。
【0071】
図21(b)は光電変換素子C5又は光電変換素子C6の別の一例を示した平面図である。平面図から見ると、光電変換素子C5と光電変換素子C6とは同じ形状となっている。図21(b)に示されたように、光電変換素子C5は矩形の基板F上に1つの光電変換領域C50が形成されている。また、光電変換領域C50は点線に示されたように遮光部R5(図20を参照)により2つの同じサイズの光電変換領域C51、C52に分割されている。1つの光電変換領域C50で、異なる画素領域を使用している。
【0072】
なお、画像合成装置14及び制御部15の構成と動作とについては、第1実施形態と同じである。また、この変形例は第1実施例を変形して得られているが、ほかの第2及び第4実施形態にも適用する。
【0073】
(第2変形例)
<第6撮像部10Fの概略>
第2変形例の第6撮像部10Fは、図8に示されたように撮像ユニットIU5’〜IU8’により構成されている。
【0074】
図11(a)は第2変形例の第5撮像ユニットIU5’又は第7撮像ユニットIU7’の側面図である。側面図から見ると、第5撮像ユニットIU5’及び第7撮像ユニットIU7’は同じ形状となっているので、以下は第5撮像ユニットIU5’で説明する。
【0075】
第2変形例の第5撮像ユニットIU5’は第2実施形態の第5撮像ユニットIU5と同じ構成要件により構成されている。但し、第2変形例の半欠け結像レンズL5及び光電変換素子C1は第2実施形態と比べると、反時計方向に所定角度傾斜されている点のみで異なっている。したがって、第5撮像ユニットIU5’においても、Y軸方向の光軸Bx7が半欠け結像レンズL5により+Z側に偏向して光軸Bx8となり、光軸Bx8とY軸とからなす角度はβである。
【0076】
このような構成によれば、半欠け結像レンズL5及び光電変換素子C1が傾いているので、第2実施形態と比べれば第5撮像ユニットIU5’のZ軸方向の厚さがより小さくなり、したがって撮像装置全体の厚さもより小さくなる。
【0077】
図11(b)は第2変形例の第6撮像ユニットIU6’又は第8撮像ユニットIU8’の側面図である。側面図から見ると、第6撮像ユニットIU6’及び第8撮像ユニットIU8’は同じ形状となっているので、以下は第6撮像ユニットIU6’で説明する。
【0078】
第2変形例の第6撮像ユニットIU6’は第2実施形態の第6撮像ユニットIU6と同じ構成要件により構成されている。但し、第2変形例の半欠け結像レンズL6及び光電変換素子C1は第2実施形態と比べると、時計方向に所定角度傾斜されている点のみが異なっている。したがって、第6撮像ユニットIU6’においても、Y軸方向の光軸Bx7が半欠け結像レンズL5により−Z側に偏向して光軸Bx9となり、光軸Bx9とY軸とからなす角度はβである。
【0079】
このような構成によれば、半欠け結像レンズL6及び光電変換素子C2が傾いているので、第2実施形態と比べれば第6撮像ユニットIU6’のZ軸方向の厚さがより小さくなり、したがって撮像装置全体の厚さもより小さくなる。
【0080】
なお、画像合成装置14及び制御部15の構成と動作とについては、第1実施形態と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。例えば、本発明では撮像レンズが筺体の側面に配置された撮像装置について説明したが、撮像レンズが筺体の主面に配置された撮像装置にも適用する。
【符号の説明】
【0082】
10、10A〜10E … 撮像部
11 … 筺体
12 … LCD表示部
13 … レリーズスイッチ
14 … 画像合成装置
141 … 共通点検出部、 142 … 輝度検出部、 143 … 輝度調整部、 144 … 画像合成部
15 … レンズ制御部
151 … 距離演算部、 152 … 結像調整部、 153 … 傾斜調整部
16 … 可変絞り
17 … 接続コード
100、200 … 撮像装置
Ax1〜Ax14、Bx1〜Bx6 … 光軸
C1〜C6、C51、C52、C63、C64 … 光電変換素子
L1〜L14 … レンズ
P1〜P4 … プリズム
IU1〜IU14 … 撮像ユニット
IM1〜IM3 全体合成画像
S1〜S10 画像
W … 撮像装置の厚さ
α、β、η1、η2 … 角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光学系を使って1つの被写体を撮像する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDやCMOSセンサなどの光電変換素子の小型化、高性能化などの光学技術の進展により、薄型の撮像装置などが提案されている。例えば、特許文献1の撮像装置では、外形寸法がPCMCIA/JEIDA規格のI/OカードにおけるタイプI、II、III、IVなどの寸法規格である。特許文献1において、撮像装置の幅の狭い側面に1つの撮像レンズが設けられている。特許文献1に開示された撮像装置は、レンズ直径が小さい撮像レンズを用いることで撮像装置が薄く(幅が狭く)なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−243501号公告
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、レンズ直径が小さくなるにしたがって、水平方向または垂直方向の最大画角が小さくなる問題がある。
【0005】
本発明は、水平方向または垂直方向に大きな画角を撮影することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の撮像装置は、第1光軸を有し被写体の第1領域を第1画角で結像する第1光学系と、第1光学系と所定の方向に沿って並んで配置され第1光軸と異なる角度の第2光軸を有し第1領域と異なる被写体の第2領域を第2画角で結像する第2光学系と、第1光学系で結像された第1画像を撮像する第1光電変換素子と、第2光学系で結像された第2画像を撮像する第2光電変換素子と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、薄い撮像装置であっても水平方向及び/又は垂直方向に画角が大きな画像を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】撮像装置100の斜視図である。
【図2】第1撮像部10Aおよび本体部19を示した概念図である。
【図3】(a)は、第1撮像ユニットIU1又は第3撮像ユニットIU3の側面図である。 (b)は、第2撮像ユニットIU2又は第4撮像ユニットIU4の側面図である。
【図4】第1実施形態の第1撮像部10Aの側面図である。
【図5】撮像ステップを示したフローチャートである。
【図6】(a)は、第1撮像ユニットIU1の画像S1を示した図である。 (b)は、第2撮像ユニットIU2の画像S2を示した図である。 (c)は、第3撮像ユニットIU3の画像S3を示した図である。 (d)は、第4撮像ユニットIU4の画像S4を示した図である。
【図7】画像S1〜S4を合成した後の全体合成画像IM1を示した図である。
【図8】第2実施形態の第2撮像部10B又は第2変形例の第6撮像部10Fの平面図である。
【図9】(a)は、第5撮像ユニットIU5又は第7撮像ユニットIU7の側面図である。 (b)は、第6撮像ユニットIU6又は第8撮像ユニットIU8の側面図である。
【図10】第2実施形態の第2撮像部10Bの側面図である。
【図11】第3実施形態の第3撮像部10Cの平面図である。
【図12】第3実施形態の第3撮像部10Cの側面図である。
【図13】(a)は、第9撮像ユニットIU9の画像S5を示した図である。 (b)は、第10撮像ユニットIU10の画像S6を示した図である。 (c)は、第11撮像ユニットIU11の画像S7を示した図である。 (d)は、第12撮像ユニットIU12の画像S8を示した図である。
【図14】合成後の全体合成画像IM2を示した図である。
【図15】撮像装置200の斜視図である。
【図16】第4実施形態の第4撮像部10Dの平面図である。
【図17】第4実施形態の第4撮像部10Dの側面図である。
【図18】(a)は、第13撮像ユニットIU13の画像S9を示した図である。 (b)は、第14撮像ユニットIU14の画像S10を示した図である。
【図19】合成後の画像IM3を示した図である。
【図20】第1変形例の第5撮像部10Eの平面図である。
【図21】(a)は、光電変換素子C5又は光電変換素子C6の一例を示した平面図である。 (b)は、光電変換素子C5又は光電変換素子C6の別の一例を示した平面図である。
【図22】(a)は、第2変形例の第5撮像ユニットIU5’又は第7撮像ユニットIU7’の側面図である。 (b)は、第2変形例の第6撮像ユニットIU6’又は第8撮像ユニットIU8’の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
<撮像装置100の外観>
図1は、撮像装置100の全体構成を示した斜視図である。第1実施例体では、主面112の短辺方向をX軸方向とし、主面112の長辺方向をY軸方向とし、そのX軸方向及びY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。
【0010】
図1に示されたように、撮像装置100は厚さの薄い筺体11を備える。筺体11は幅Wが3〜5mm程度である細長い4つの側面111と、それらの側面111に垂直な2つの主面112とで構成される。
【0011】
また、撮像装置100の筺体11の本体部19は、筺体11の主面112の一隅に設けられた液晶表示装置からなる外部電子ファインダーの機能をもつLCD表示部12と、筺体11の側面111の一隅に設けられて撮像を開始させるレリーズスイッチ13とを備えている。本体部19内部には、CPU等を含む制御回路を有している。
【0012】
筺体11の一部は4つの結像レンズL1〜L4を備える撮像部10(第1撮像部10A)である。撮像部10はX軸方向に伸びる回転軸(不図示)を中心として回転可能である。図1において実線は撮像部10が本体部19から所定の角度に回転された状態を示し、点線は撮像部10が本体部19から回転していない状態を示す。これにより撮影者はLCD表示部12を見ながら被写体に撮像部10を向けることができる。
【0013】
4つの結像レンズL1〜L4は撮像部10の+Y側の側面111に設けられ、X軸方向に沿って一直線に配置されている。撮像部10の結像レンズL1〜L4で撮像された画像は、回転軸(図示しない)内に設けられた接続コードでLCD表示部12に表示される。撮像部10については、以降の図2〜図4で詳しく説明する。
【0014】
<第1撮像部10Aの概略>
以下、第1撮像部10Aについて、図2〜図4を参照しながら説明する。
図2は、第1撮像部10Aおよび本体部19を示した概念図である。図2に示された第1撮像部10Aは、被写体(図示しない)の異なる領域を撮像する4つの撮像ユニットIU1〜IU4を備えている。
【0015】
第1撮像部10Aは、第1撮像ユニットIU1と第2撮像ユニットIU2との間に配置されて第1撮像ユニットIU1に入射した光が第2撮像ユニットIU2の光電変換素子C2に入ることを防止するY軸方向に伸びた遮光部R1を有している。同様に、第1撮像部10Aは第2撮像ユニットIU2と第3撮像ユニットIU3との間に遮光部R2を有し、第3撮像ユニットIU3と第4撮像ユニットIU4との間に遮光部R3をさらに有している。
【0016】
撮像ユニットIU1〜IU4は同軸に配置されたプリズムP1〜P4と、結像レンズL1〜L4と、光電変換素子C1〜C4とをそれぞれ有している。プリズムP1〜P4は、光を所定方向に偏向させる三角プリズムを含む。結像レンズL1〜L4は、図2では1つの凸レンズで描かれているが、複数のレンズからなるレンズ群である。また光電変換素子C1〜C4は、二次元CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、または二次元CMOSイメージセンサである。また、光電変換素子C1〜C4はたとえば長辺が4mmで短辺が3mmである矩形形状である。
【0017】
XY平面において、第1撮像ユニットIU1及び第2撮像ユニットIU2はそれらの光軸Ax1、Ax2がY軸方向から反時計方向に角度α傾斜するように配置されている。また、第3撮像ユニットIU3及び第4撮像ユニットIU4はそれらの光軸Ax3、Ax4がY軸方向から時計方向に角度α傾斜するように配置されている。また、撮像ユニットIU1〜IU4のXY平面での水平画角は2αである。したがって、第1撮像部10AのXY平面での水平画角は4α、すなわち、例えば角度αが15°であれば、第1撮像部10AのXY平面での水平画角は60°となる。
ここで、画角とは像の両端から主点へ結んだ光線の角度を示し、像面の映る物体の範囲を角度で表したものである。また、画角の半分を半画角という。したがって、角度αは撮像ユニットIU1〜IU4の半画角となる。
【0018】
図3(a)は第1撮像ユニットIU1又は第3撮像ユニットIU3の側面図である。側面図から見ると、第1撮像ユニットIU1及び第3撮像ユニットIU3は同じ形状となっているので、以下は第1撮像ユニットIU1で説明する。図3(a)に示された第1撮像ユニットIU1はその短辺(3mm)がZ軸方向に向いた矩形の光電変換素子C1を有している。また、その光電変換素子C1の+Y側には、直径3mmの結像レンズL1と、頂角γが下向きとなった高さが3mmである三角プリズムP1とが同軸に配置されている。したがって、筺体11の幅Wが3〜5mm程度となりかなり薄型となる。また、光電変換素子C1は結像レンズL1の−Y側の焦点位置に配置され、結像レンズL1の焦点距離fはたとえば7.5mmである。さらに、三角プリズムP1の+Y側には結像レンズに入射する光の量を調整する可変絞り16が配置されている。以降の実施形態では可変絞り16の描画を省略する。
【0019】
第1撮像ユニットIU1において、光電変換素子C1から三角プリズムP1までの光軸をBx1にし、三角プリズムP1から射出する光の軸をBx2にする。すると、Y軸方向の光軸Bx1が三角プリズムP1で+Z側に偏向して光軸Bx2となり、光軸Bx2とY軸とからなす角度はβである。これにより、第1撮像ユニットIU1は被写体の+Z軸方向の領域を撮像することができ、撮影できる画角は2βである。また、被写体からのY軸方向に平行である光線LL1は、三角プリズムP1及び結像レンズL1を順に通過して光電変換素子C1の+Z側の端部A1に入射される。
【0020】
ここで、偏向角度βと三角プリズムP1の頂角γとの関係は、数式(1)を満たす。
β=γ(n−1) … (1)
なお、数式(1)でnは三角プリズムP1の屈折率である。
【0021】
図3(b)は第2撮像ユニットIU2又は第4撮像ユニットIU4の側面図である。側面図から見ると、第2撮像ユニットIU2及び第4撮像ユニットIU4は同じ形状となっているので、以下は第2撮像ユニットIU2で説明する。図3(b)に示された第2撮像ユニットIU2は、三角プリズムP2の頂角方向(+Z)が、三角プリズムP1の頂角方向(−Z)と異なるのみで、結像レンズL2、光電変換素子C2などの構成は第1撮像ユニットIU1と同じである。
【0022】
第2撮像ユニットIU2において、光電変換素子C2から三角プリズムP2までの光軸をBx1にし、三角プリズムP2から射出する光の軸をBx3にする。すると、Y軸方向の光軸Bx1が三角プリズムP2で−Z側に偏向して光軸Bx3となり、光軸Bx3とY軸とからなす角度はβである。これにより、第2撮像ユニットIU2は被写体の−Z軸方向の領域を撮像することができ、その画角が2βとなる。また、被写体からのY軸方向に平行である光線LL2は、三角プリズムP2及び結像レンズL2を順に通過して光電変換素子C2の−Z側の端部A2に入射される。
また、偏向角度βと三角プリズムP2の頂角γとの関係は、数式(1)を満たす。
【0023】
図4は、第1実施形態の第1撮像部10Aの側面図である。図4に示されたように、三角プリズムP1〜P4を偏向部として用いると、第1撮像部10Aの画角が角度η1から角度η2に広がる。また、光線LL1及び光線LL2はY軸方向に平行であるため、画角η2は4βに相当する。すなわち、例えば角度βが11.3°であれば、第1撮像部10AのYZ平面での垂直画角は45.2°となる。
【0024】
<画像合成装置14の概略>
第1撮像部10Aによる画像合成について、図2、図4及び図5〜図7を参照しながら説明する。図5は、撮像ステップを示したフローチャートである。図6において、(a)は第1撮像ユニットIU1が撮像する画像S1、(b)は第2撮像ユニットIU2が撮像する画像S2、(c)は第3撮像ユニットIU3が撮像する画像S3、(d)は第4撮像ユニットIU4が撮像する画像S4を示した図である。図7は、合成後の全体合成画像IM1を示した図である。
【0025】
図2または図4に示されたように、本体部19内の画像合成装置14は、共通領域の共通点を検出する共通点検出部141と、各画像(図6の画像S1〜S4)の輝度を検出する輝度検出部142と、全体合成画像(図7の画像IM1)の輝度を均一にするように輝度を調整する輝度調整部143と、共通点検出部141で検出された共通点に基づいて被写体の全体合成画像を合成する画像合成部144とを有している。
【0026】
図5のステップS101では、撮像ユニットIU1は被写体PSの左上側の被写体領域PS1を撮像する。
ステップS103では、撮像ユニットIU2が被写体領域PS1の下側の被写体領域PS2を撮像する。
ステップS105では、撮像ユニットIU3が被写体PSの右上側の被写体領域PS3を撮像する
ステップS107では、撮像ユニットIU4が被写体領域PS3の下側の被写体’領域PS4を撮像する。ステップS101からステップS107は同時に行われる。
【0027】
ここで、図6または図7に示されるように、撮像ユニットIU1〜IU4はそれぞれに画像S1〜S4を撮像する。画像S1と画像S2とは幅Dの共通領域CA12を共有し、画像S1と画像S3とは幅Dの共通領域CA13を共有し、画像S2と画像S4とは幅Dの共通領域CA24を共有し、画像S3と画像S4とは幅Dの共通領域CA34を共有している。
【0028】
図5のステップS201に示されたように、共通点検出部141が共通領域CA12内で画像S1と画像S2との共通点を検出する。たとえば、被検体のコントラストが変化している箇所、色彩が同じ個所などである。共通点は2点以上あることが好ましい。共通点は2点以上あると、画像S1と画像S2との傾きなども修正しやすい。
【0029】
ステップS203では、画像合成部144が共通点検出部141が検出した共通点に基づいて画像S1と画像S2との合成位置を決定する。同様に、共通点検出部141が共通領域CA34で画像S3と画像S4との共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S3と画像S4との合成位置を決定する。そして、共通点検出部141が共通領域CA13、CA24での共通点を検出し、画像合成部144はそれら共通点に基づいて画像S1、画像S2と画像S3、画像S4とを合成位置を決定する。また、別の順に2つずつ合成位置を決定してもよい。
【0030】
ステップS205では、輝度検出部142が画像S1〜S4の輝度を検出する。撮像ユニットIU1〜IU4は別個の結像レンズL1〜L4、光電変換素子C1〜C4をそれぞれ有する。このため、画像S1〜S4の輝度が異なっていることがある。
【0031】
ステップS207では、輝度調整部143は画像全体の輝度を均一するように、画像S1〜S4の輝度をそれぞれ調整する。また共通領域CA12、共通領域CA13、共通領域CA24および共通領域CA34の輝度も調整する。例えば、図6に示された共通領域CA12、CA13、CA24及びCA34において、2つの光電変換素子、または4つの光電変換素子からの輝度信号が重複されている。したがって、輝度調整部143は共通領域の輝度が重複のない領域の輝度と同じ輝度になるように調整する。これらの工程を経て、図7に示されたような1枚の合成画像IM1が合成される。
【0032】
ステップS201およびS203の代わりに、先にステップS205およびS207が行われてもよい。撮像ユニットIU1〜IU4と画像合成装置14とは、1つの結像レンズでは撮影できない左右上下方向に広い画角を有する合成画像IM1を得ることができる。具体的には、1つの結像レンズの水平画角が2α(図2参照)で垂直画角が2β(図3参照)であった場合に、第1撮像部10Aは水平画角4α(図2参照)、垂直画角4βの画角の撮影が可能となる。
【0033】
<制御部15の概略>
制御部15およびその制御について、図2〜図4を参照しながら説明する。撮像装置100は、被写体までの距離によって光電変換素子C1〜C4を光軸Bx1に沿って移動させたり、XZ平面で回転させたりする制御部15をさらに有している。
【0034】
図2または図4に示されたように、制御部15は被写体までの被写体距離を演算する距離演算部151を有している。また、制御部15は結像レンズL1〜L4と光電変換素子C1〜C4との結像状態を調整する結像調整部152、及びあおり角(Tilt Angle)による被写体のゆがみを補正する傾斜調整部153をさらに有している。
【0035】
ここで、距離演算部151は結像レンズL1とL4との間のレンズ間距離及びそれらの焦点距離に基づいて、例えば三角測量の原理を用いて結像レンズL1〜L4から被写体PSまでの被写体距離を演算することができる。
【0036】
結像調整部152は、距離演算部151で演算された被写体距離に基づいて、図示しないモーターなどで光電変換素子C1〜C4を図3の矢印AR1に示されたように光軸Bx1に沿って移動させることができる。これにより、撮像装置100は結像レンズL1〜L4のピントを合わすことができる。結像調整部152は、結像レンズL1〜L4と光電変換素子C1〜C4との相対距離を調整するとき、光電変換素子C1〜C4を固定して結像レンズL1〜L4の位置を変化しても同じ効果が得られる。結像調整部152は、結像レンズL1〜L4と光電変換素子C1〜C4との両方を移動させて、結像レンズL1〜L4と光電変換素子C1〜C4との相対距離を調整してもよい。
【0037】
次に、例えば近距離で被写体PSを撮像する場合には、あおり角による被写体にゆがみが生じることがある。このとき、傾斜調整部153が、距離演算部151で演算された被写体距離に基づいて、図示しないモーターなどで光電変換素子C1〜C4を図3の矢印AR2に示されたように回転させる。これにより、撮像装置100は被写体PSのゆがみを少なくすることができる。
【0038】
(第2実施形態)
第1実施形態の第1撮像部10Aは撮像ユニットIU1〜IU4にプリズムP1〜P4を配置していた。第2実施形態の第2撮像部10Bは、プリズムP1〜P4を有していない点で異なっている。
<第2撮像部10Bの概略>
第2撮像部10Bについて、図8〜図10を参照しながら説明する。
図8は、第2実施形態の第2撮像部10Bの平面図である。図8に示された第2撮像部10Bは、被写体の異なる領域を撮像する4つの撮像ユニットIU5〜IU8を備えている。また第2撮像部10Bは、撮像ユニットIU5〜IU8との間にY軸方向に伸びて配置された遮光部R1〜R3を有している。第2撮像部10Bにおいて、撮像ユニットIU5〜IU8は同軸に配置された半欠け結像レンズL5〜L8と光電変換素子C1〜C4とをそれぞれ有している。
【0039】
XY平面において、第5撮像ユニットIU5及び第6撮像ユニットIU6はそれらの光軸Ax5、Ax6がY軸方向から反時計方向に角度α傾斜するように配置されている。また、第7撮像ユニットIU7及び第8撮像ユニットIU8はそれらの光軸Ax7、Ax8がY軸方向から時計方向に角度α傾斜するように配置されている。また、撮像ユニットIU5〜IU8のXY平面での水平画角は2αである。
【0040】
図9(a)は第5撮像ユニットIU5又は第7撮像ユニットIU7の側面図である。側面図から見ると、第5撮像ユニットIU5及び第7撮像ユニットIU7は同じ形状となっているので、以下は第5撮像ユニットIU5で説明する。図9(a)に示された第5撮像ユニットIU5は短辺3mmの矩形の光電変換素子C1を有している。また、半径が3mmである半欠け結像レンズL5が頂点B1を下向きにして配置されている。また、結像レンズL5の焦点距離fは例えば7.5mmでその焦点位置に光電変換素子C1が配置される。
【0041】
第5撮像ユニットIU5において、光電変換素子C1から半欠け結像レンズL5までの光軸をBx4にし、半欠け結像レンズL5から射出する光の軸をBx5にする。すると、Y軸方向の光軸Bx4が半欠け結像レンズL5で+Z側に偏向して光軸Bx5となり、光軸Bx5とY軸とからなす角度はβである。これにより、第5撮像ユニットIU5は被写体の+Z軸方向の領域を撮像することができ、その画角が2βとなる。また、被写体からのY軸方向に平行である光線LL3は、半欠け結像レンズL5を準に通過して光電変換素子C1の+Z側の端部A1に入射される。
【0042】
図9(b)は第6撮像ユニットIU6又は第8撮像ユニットIU8の側面図である。側面図から見ると、第6撮像ユニットIU6及び第8撮像ユニットIU8は同じ形状となっている。図9(b)に示された第6撮像ユニットIU6その短辺3mmの矩形の光電変換素子C2を有している。また、半径が3mmである半欠け結像レンズL6が頂点B2を上向きにして配置されている。したがって、筺体11の幅Wが3〜5mm程度となりかなり薄型となる。また、結像レンズL6の焦点距離fは例えば7.5mmでその焦点位置に光電変換素子C2が配置される。
【0043】
第6撮像ユニットIU6において、光電変換素子C2から半欠け結像レンズL6までの光軸をBx4にし、半欠け結像レンズL6を射出する光の軸をBx6にする。すると、Y軸方向の光軸Bx4が半欠け結像レンズL6で−Z側に偏向して光軸Bx6となり、光軸Bx6とY軸とからなす角度はβである。これにより、第6撮像ユニットIU6は被写体の−Z軸方向の領域を撮像することができ、その画角が2βとなる。また、被写体からのY軸方向に平行である光線LL4は、半欠け結像レンズL6を準に通過して光電変換素子C1の−Z側の端部A2に入射される。
【0044】
図10は、第2実施形態の第2撮像部10Bの側面図である。図10に示されたように、第2撮像部10Bが半欠け結像レンズL5〜L8で光を偏向することで、その画角が角度η1から角度η2に広がり、YZ平面で被写体の広い領域を撮像することができる。また、光線LL3及び光線LL4はY軸方向に平行であるため、画角η2は4βに相当する。例えば、角度βが11.3°である場合、第2撮像部10Bの垂直画角は45.2°となる。
【0045】
なお、画像合成装置14及び制御部15の構成と動作とについては、第1実施形態と同じである。
【0046】
(第3実施形態)
第1実施形態の第1撮像部10Aは撮像ユニットIU1〜IU4にプリズムP1〜P4を配置していた。第3実施形態の第3撮像部10Cは、撮像ユニットIU9〜IU12がすべて異なるXY平面を向いている点で第1撮像部10Aと異なる。また、第3撮像部10Cは、水平方向プリズムP1〜P4を有していない点でも第1撮像部10Aと異なっている。
<第3撮像部10Cの概略>
第3撮像部10Cについて、図11及び図12を参照しながら説明する。
図11は、第3実施形態の第3撮像部10Cの平面図である。図11に示された第3撮像部10Cは、被写体の異なる領域を撮像する第9撮像ユニットIU9〜第12撮像ユニットIU12を備えている。また第3撮像部10Cは、撮像ユニットIU9〜IU12との間にY軸方向に伸びて配置された遮光部R1〜R3を有している。第3撮像部10Cにおいて、第9撮像ユニットIU9〜第12撮像ユニットIU12は同軸に配置された結像レンズL9〜L12と、光電変換素子C1〜C4とをそれぞれ有している。
【0047】
XY平面において、第9撮像ユニットIU9はその光軸Ax9をY軸方向から反時計方向に角度α傾斜するように配置され、第10撮像ユニットIU10はその光軸Ax10を光軸Ax9の位置からさらに反時計方向に角度2α傾斜するように配置されている。また、第11撮像ユニットIU11はその光軸Ax11をY軸方向から時計方向に角度α傾斜するように配置され、第12撮像ユニットIU12はその光軸Ax12を光軸Ax11の位置からさらに時計方向に角度2α傾斜するように配置されている。
【0048】
したがって、各撮像ユニットIU9〜IU12の画角がそれぞれに2αであるので、第3撮像部10CのXY平面での水平画角は8αとなり、XY平面で被写体PSの広い範囲を撮像することができる。すなわち、例えば角度αが15°であれば、第3撮像部10CのXY平面での水平画角は120°となる。
【0049】
図12は、第3実施形態の第3撮像部10Cの側面図である。図12に示されたように、第3撮像部10CのYZ平面での垂直画角は2βである。例えば、角度βが11.3°である場合、第3撮像部10Cの垂直画角は22.6°となる。
【0050】
<全体合成画像IM2の画像合成>
第3実施形態において、撮像装置100は図2に示されたように画像構成装置14をさらに有し、その構成が第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。以下、画像構成装置14による全体合成画像IM2の画像合成について、図13及び図14を参照しながら説明する。
【0051】
図13において、(a)は第9撮像ユニットIU9が撮像する画像S5、(b)は第10撮像ユニットIU10が撮像する画像S6、(c)は第11撮像ユニットIU11が撮像する画像S7、(d)は第12撮像ユニットIU12が撮像する画像S8を示した図である。図14は、合成後の全体合成画像IM2を示した図である。
【0052】
まず、第3撮像部10Cにおいて、4つの撮像ユニットIU9〜IU12はZ軸方向で同じ高さの領域を同じ幅で撮像する。すなわち、図13に示されたように、第9撮像ユニットIU9が被写体の最も左側の領域を撮像し、第10撮像ユニットIU10が被写体のその右側の領域を撮像し、第11撮像ユニットIU11が被写体のその右側の領域を撮像し、第12撮像ユニットIU12が被写体の最も右側の領域を撮像する。
【0053】
ここで、撮像ユニットIU9〜IU12に撮像された画像をそれぞれに画像S5〜S8とする。画像S5と画像S6とは幅Dの共通領域CA56を共有し、画像S6と画像S7とは幅Dの共通領域CA67を共有し、画像S7と画像S8とは幅Dの共通領域CA78を共有している。
【0054】
本体部19内の画像合成装置14は、第一実施形態と同様に共通点検出部141などを有している。共通点検出部141は共通領域CA56において画像S5と画像S6との共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S5と画像S6との合成位置を決定する。同様に、共通点検出部141が共通領域CA67で画像S6と画像S7との共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S6と画像S7との合成位置を決定する。共通点検出部141が共通領域CA78で画像S7と画像S8との共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S7と画像S8とを合成位置を決定する。
【0055】
その後、輝度検出部142により画像S5〜S8の輝度を検出する。輝度調整部143は画像全体の輝度を均一するように、画像S5〜S8の輝度をそれぞれ調整する。また共通領域CA56、共通領域CA67、および共通領域CA78の輝度も調整する。
【0056】
画像合成装置14は、画像S5〜S8を図14に示されたような1枚の全体合成画像IM2に合成する。ここで、第3撮像部10Cはその水平画角が例えば120°あるので、一度の撮影でパノラマ撮像が可能である。
【0057】
(第4実施形態)
<撮像装置200の外観>
図15は、撮像装置200の全体構成を示した斜視図である。図15に示されたように、撮像装置200は厚さの薄い筺体11を備える。筺体11は幅Wが3〜5mm程度である細長い4つの側面111と、それらの側面111に垂直な2つの主面112とで構成される。
【0058】
撮像装置200の筺体11の本体部19は、筺体11の主面112の一隅に設けられた液晶表示装置からなる外部電子ファインダーの機能をもつLCD表示部12と、筺体11の側面111の一隅に設けられて撮像を開始させるレリーズスイッチ13とを備えている。本体部19内部には、CPU等を含む制御回路を有している。
【0059】
筺体11の一部は2つの結像レンズL13〜L14を備える第4撮像部10Dを備えている。ここで、2つの結像レンズL13、L14は筺体11の+Y側の側面に設けられ、X軸方向に沿って一直線に並列するように配置されている。
【0060】
第4撮像部10Dは図15に示されたように筺体11の本体部19から分離することができ、第4撮像部10Dは伸縮可能である接続コード17により筺体11と接続されている。これにより、撮影者は第4撮像部10Dの結像レンズL13、L14を被写体に向けることができる。また、第4撮像部10Dは筺体11の固定部19から着脱可能である。結像レンズの倍率が異なる撮像部を用意すれば、倍率が異なった撮像装置になる。また、第4撮像部10Dで撮像された画像は接続コード17によりLCD表示部12に表示することができる。
【0061】
<第4撮像部10Dの概略>
第4撮像部10Dについて、図16及び図17を参照しながら説明する。
図16は、第4実施形態の第4撮像部10Dの平面図である。図16に示された第4撮像部10Dは、被写体のZ軸方向の異なる領域を撮像する2つの撮像ユニットIU13〜IU14を備えている。第4撮像部10Dにおいて、撮像ユニットIU13〜IU14は同軸に配置された半欠け結像レンズL13、L14と、光電変換素子C1、C2とをそれぞれ有している。第4撮像部10Dは、第13撮像ユニットIU13と第14撮像ユニットIU14との間に配置され、第13撮像ユニットIU13に入射した光が第14撮像ユニットIU14の光電変換素子C2に入ることを防止するY軸方向に伸びた遮光部R4を有している。
【0062】
XY平面において、第13撮像ユニットIU13及び第14撮像ユニットIU14はそれらの光軸Ax13、Ax14がY軸方向沿って伸びるように配置されている。また、撮像ユニットIU13、IU14のXY平面での水平画角は2αで、第4撮像部10DのXY平面での水平画角も2αなる。例えば、第4撮像部10Dの水平画角は30°となる。
【0063】
図17は、第4実施形態の第4撮像部10Dの側面図である。図17に示されたように、半欠け結像レンズL13、L14を偏向部として用いる(図9を参照)と、第4撮像部10Dの画角が角度η1から角度η2に広がり、YZ平面で被写体のより広い領域を撮像することができる。また、光線LL3及び光線LL4(図9を参照)はY軸方向に平行であるため、画角η2は4βに相当する。すなわち、例えば角度βが11.3°であれば、第4撮像部10DのYZ平面での垂直画角は45.2°となる。
ここで、第13撮像ユニットIU13及び第14撮像ユニットIU14のYZ平面での配置は図9で説明された第2実施形態の第5撮像ユニットIU5及び第6撮像ユニットIU6と同じである。
【0064】
<全体合成画像IM3の画像合成>
第4実施形態において、撮像装置200の固定部19は画像構成装置14を有する。以下、画像構成装置14による全体合成画像IM3の画像合成について、図18及び図19を参照しながら説明する。
【0065】
図18において、(a)は第13撮像ユニットIU13が撮像する画像S9、(b)は第14撮像ユニットIU14が撮像する画像S10を示した図である。図19は、合成後の全体合成画像IM3を示した図である。
【0066】
まず、第4撮像部10Dにおいて、2つの撮像ユニットIU13、IU14はZ軸方向で異なる高さの領域を同じ幅で撮像する。すなわち、図18に示されたように、光電変換素子C1が被写体の上側の領域を撮像し、光電変換素子C2が被写体の下側の領域を撮像する。
【0067】
画像S9と画像S10とは幅Dの共通領域CA90を共有している。共通点検出部141が共通領域CA90での共通点を検出し、画像合成部144はその共通点に基づいて画像S19と画像S20との合成位置を決定する。輝度検出部142は画像S9、S10の輝度を検出する。輝度調整部143は画像全体の輝度が均一するように共通領域の輝度をそれぞれ調整する。
【0068】
(第1変形例)
第1変形例の第5撮像部10Eは撮像ユニットIU15〜IU18により構成され、撮像ユニットIU15及びIU16が1つの光電変換素子C5を共有し、撮像ユニットIU17及びIU18が1つの光電変換素子C6を共有する点で第1実施形態と異なる。
<第5撮像部10Eの概略>
第5撮像部10Eについて、図20、図21を参照しながら説明する。
図20は、第1変形例の第5撮像部10Eの平面図である。図20に示された第5撮像部10Eは、被写体の異なる領域を撮像する4つの撮像ユニットIU15〜IU18を備えている。また、撮像ユニットIU15と撮像ユニットIU16との間には撮像ユニットIU15の光軸Ax1又は撮像ユニットIU16の光軸Ax2の方向に伸びて配置された遮光部R1を有している。撮像ユニットIU16と撮像ユニットIU17との間にはY軸方向に伸びて配置された遮光部R2を有している。さらに、撮像ユニットIU17と撮像ユニットIU18との間には撮像ユニットIU17の光軸Ax3又は撮像ユニットIU18の光軸Ax4の方向に伸びて配置された遮光部R3を有している。
【0069】
ここで、第1実施形態と同様に撮像ユニットIU15の光軸Ax1と撮像ユニットIU16の光軸Ax2とは平行で、撮像ユニットIU17の光軸Ax3と撮像ユニットIU18の光軸Ax4とは平行である。また、第5撮像部10Eにおいて、撮像ユニットIU15及びIU16が1つの光電変換素子C5を共有し、撮像ユニットIU17及びIU18が1つの光電変換素子C6を共有する。
【0070】
図21(a)は光電変換素子C5又は光電変換素子C6の一例を示した平面図である。平面図から見ると、光電変換素子C5と光電変換素子C6とは同じ形状となっていので、光電変換素子C5で説明する。図21(a)に示されたように、光電変換素子C5は矩形の基板F上に2つの同じサイズの光電変換領域C51、C52が形成されている。光電変換領域C51がプリズムP1及び撮像レンズL1と撮像ユニットIU15を構成し、光電変換領域C52がプリズムP2及び撮像レンズL2と撮像ユニットIU16を構成する(図20を参照)。
【0071】
図21(b)は光電変換素子C5又は光電変換素子C6の別の一例を示した平面図である。平面図から見ると、光電変換素子C5と光電変換素子C6とは同じ形状となっている。図21(b)に示されたように、光電変換素子C5は矩形の基板F上に1つの光電変換領域C50が形成されている。また、光電変換領域C50は点線に示されたように遮光部R5(図20を参照)により2つの同じサイズの光電変換領域C51、C52に分割されている。1つの光電変換領域C50で、異なる画素領域を使用している。
【0072】
なお、画像合成装置14及び制御部15の構成と動作とについては、第1実施形態と同じである。また、この変形例は第1実施例を変形して得られているが、ほかの第2及び第4実施形態にも適用する。
【0073】
(第2変形例)
<第6撮像部10Fの概略>
第2変形例の第6撮像部10Fは、図8に示されたように撮像ユニットIU5’〜IU8’により構成されている。
【0074】
図11(a)は第2変形例の第5撮像ユニットIU5’又は第7撮像ユニットIU7’の側面図である。側面図から見ると、第5撮像ユニットIU5’及び第7撮像ユニットIU7’は同じ形状となっているので、以下は第5撮像ユニットIU5’で説明する。
【0075】
第2変形例の第5撮像ユニットIU5’は第2実施形態の第5撮像ユニットIU5と同じ構成要件により構成されている。但し、第2変形例の半欠け結像レンズL5及び光電変換素子C1は第2実施形態と比べると、反時計方向に所定角度傾斜されている点のみで異なっている。したがって、第5撮像ユニットIU5’においても、Y軸方向の光軸Bx7が半欠け結像レンズL5により+Z側に偏向して光軸Bx8となり、光軸Bx8とY軸とからなす角度はβである。
【0076】
このような構成によれば、半欠け結像レンズL5及び光電変換素子C1が傾いているので、第2実施形態と比べれば第5撮像ユニットIU5’のZ軸方向の厚さがより小さくなり、したがって撮像装置全体の厚さもより小さくなる。
【0077】
図11(b)は第2変形例の第6撮像ユニットIU6’又は第8撮像ユニットIU8’の側面図である。側面図から見ると、第6撮像ユニットIU6’及び第8撮像ユニットIU8’は同じ形状となっているので、以下は第6撮像ユニットIU6’で説明する。
【0078】
第2変形例の第6撮像ユニットIU6’は第2実施形態の第6撮像ユニットIU6と同じ構成要件により構成されている。但し、第2変形例の半欠け結像レンズL6及び光電変換素子C1は第2実施形態と比べると、時計方向に所定角度傾斜されている点のみが異なっている。したがって、第6撮像ユニットIU6’においても、Y軸方向の光軸Bx7が半欠け結像レンズL5により−Z側に偏向して光軸Bx9となり、光軸Bx9とY軸とからなす角度はβである。
【0079】
このような構成によれば、半欠け結像レンズL6及び光電変換素子C2が傾いているので、第2実施形態と比べれば第6撮像ユニットIU6’のZ軸方向の厚さがより小さくなり、したがって撮像装置全体の厚さもより小さくなる。
【0080】
なお、画像合成装置14及び制御部15の構成と動作とについては、第1実施形態と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。例えば、本発明では撮像レンズが筺体の側面に配置された撮像装置について説明したが、撮像レンズが筺体の主面に配置された撮像装置にも適用する。
【符号の説明】
【0082】
10、10A〜10E … 撮像部
11 … 筺体
12 … LCD表示部
13 … レリーズスイッチ
14 … 画像合成装置
141 … 共通点検出部、 142 … 輝度検出部、 143 … 輝度調整部、 144 … 画像合成部
15 … レンズ制御部
151 … 距離演算部、 152 … 結像調整部、 153 … 傾斜調整部
16 … 可変絞り
17 … 接続コード
100、200 … 撮像装置
Ax1〜Ax14、Bx1〜Bx6 … 光軸
C1〜C6、C51、C52、C63、C64 … 光電変換素子
L1〜L14 … レンズ
P1〜P4 … プリズム
IU1〜IU14 … 撮像ユニット
IM1〜IM3 全体合成画像
S1〜S10 画像
W … 撮像装置の厚さ
α、β、η1、η2 … 角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光軸を有し被写体の第1領域を第1画角で結像する第1光学系と、
前記第1光学系と所定の方向に沿って並んで配置され、前記第1光軸と異なる角度の第2光軸を有し前記第1領域と異なる前記被写体の第2領域を第2画角で結像する第2光学系と、
前記第1光学系で結像された第1画像を撮像する第1光電変換素子と、
前記第2光学系で結像された第2画像を撮像する第2光電変換素子と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
幅が5mm以下の細長い側面と、この側面に交差する主面とを有するカード形状の筺体を備え、
前記側面に前記第1光学系と前記第2光学系とが並んで配置される請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1光電変換素子および前記第2光電変換素子は、同一の基板上に形成される請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1光学系は前記第1光電変換素子から前記第1光学系までの光軸を前記第1光軸に偏向させる第1光路偏向部を含み、
前記第2光学系は前記第2光電変換素子から前記第2光学系までの光軸を前記第2光軸に偏向させる第2光路偏向部を含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1光学系は一部を切り欠けた半欠けレンズで前記第1光電変換素子から前記第1光学系までの光軸を前記第1光軸に偏向させ、
前記第2光学系は一部を切り欠けた半欠けレンズで前記第2光電変換素子から前記第2光学系までの光軸を前記第2光軸に偏向させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1光学系と前記第2光学系との間に配置され、前記第1光学系に入射した光が前記第2光電変換素子に入ることを防止し、前記第2光学系に入射した光が前記第1光電変換素子に入ることを防止する遮光部を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1画角と前記第2画角とは同じ画角である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1画像と前記第2画像とは一部が重なった共通領域を有しており、
前記第1画角と前記第2画角とを合わせた広角の合成画像になるように、前記第1画像と前記第2画像とを合成する画像合成部を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記共通領域から前記被写体の共通点を検出する共通点検出部を備え、
前記画像合成部は、前記被写体の共通点に基づいて前記第1画像と前記第2画像とを合成する請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記共通領域から前記第1画像と前記第2画像との輝度を検出する輝度検出部と、
前記合成画像としての輝度を均一にするため、前記第1画像と前記第2画像との輝度を調整する輝度調整部と、
備える請求項8又は請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1光学系から前記第2光学系までの前記細長い方向の距離と前記共通領域における共通点とに基づいて、前記被写体までの被写体距離を演算する距離演算部と、
前記被写体距離に基づいて、前記第1光学系および前記第2光学系と前記第1光電変換素子および前記第2光電変換素子との間の結像状態を調整する結像調整部と、
を備える請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記被写体距離が所定距離よりも近距離の際に、前記第1光軸および前記第2光軸に対して、前記被写体のゆがみを補正するように前記第1光電変換素子および前記第2光電変換素子を傾ける傾斜調整部を備える請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記主面に前記画像合成部により合成された前記合成画像を表示する表示部を備える請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項1】
第1光軸を有し被写体の第1領域を第1画角で結像する第1光学系と、
前記第1光学系と所定の方向に沿って並んで配置され、前記第1光軸と異なる角度の第2光軸を有し前記第1領域と異なる前記被写体の第2領域を第2画角で結像する第2光学系と、
前記第1光学系で結像された第1画像を撮像する第1光電変換素子と、
前記第2光学系で結像された第2画像を撮像する第2光電変換素子と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
幅が5mm以下の細長い側面と、この側面に交差する主面とを有するカード形状の筺体を備え、
前記側面に前記第1光学系と前記第2光学系とが並んで配置される請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1光電変換素子および前記第2光電変換素子は、同一の基板上に形成される請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1光学系は前記第1光電変換素子から前記第1光学系までの光軸を前記第1光軸に偏向させる第1光路偏向部を含み、
前記第2光学系は前記第2光電変換素子から前記第2光学系までの光軸を前記第2光軸に偏向させる第2光路偏向部を含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1光学系は一部を切り欠けた半欠けレンズで前記第1光電変換素子から前記第1光学系までの光軸を前記第1光軸に偏向させ、
前記第2光学系は一部を切り欠けた半欠けレンズで前記第2光電変換素子から前記第2光学系までの光軸を前記第2光軸に偏向させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1光学系と前記第2光学系との間に配置され、前記第1光学系に入射した光が前記第2光電変換素子に入ることを防止し、前記第2光学系に入射した光が前記第1光電変換素子に入ることを防止する遮光部を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1画角と前記第2画角とは同じ画角である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1画像と前記第2画像とは一部が重なった共通領域を有しており、
前記第1画角と前記第2画角とを合わせた広角の合成画像になるように、前記第1画像と前記第2画像とを合成する画像合成部を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記共通領域から前記被写体の共通点を検出する共通点検出部を備え、
前記画像合成部は、前記被写体の共通点に基づいて前記第1画像と前記第2画像とを合成する請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記共通領域から前記第1画像と前記第2画像との輝度を検出する輝度検出部と、
前記合成画像としての輝度を均一にするため、前記第1画像と前記第2画像との輝度を調整する輝度調整部と、
備える請求項8又は請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1光学系から前記第2光学系までの前記細長い方向の距離と前記共通領域における共通点とに基づいて、前記被写体までの被写体距離を演算する距離演算部と、
前記被写体距離に基づいて、前記第1光学系および前記第2光学系と前記第1光電変換素子および前記第2光電変換素子との間の結像状態を調整する結像調整部と、
を備える請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記被写体距離が所定距離よりも近距離の際に、前記第1光軸および前記第2光軸に対して、前記被写体のゆがみを補正するように前記第1光電変換素子および前記第2光電変換素子を傾ける傾斜調整部を備える請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記主面に前記画像合成部により合成された前記合成画像を表示する表示部を備える請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−199757(P2011−199757A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66575(P2010−66575)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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