撮像装置
【課題】光ノイズの除去に用いる信号を取得することができる。
【解決手段】垂直制御回路26は、静止画を撮像する際には、画素部24が備える全ての画素28の光電変換部を一括露光させ、露光終了のタイミングで、画素部24が備える全ての画素28の第1の転送部を駆動させて光電変換部が蓄積した光電荷を第1の蓄積部のみに一括転送させ、当該第1の蓄積部に蓄積された電荷を、第1の増幅部と、第1の接続部と、第1の出力信号線とを介して、光信号として読み出すとともに、第2の蓄積部に蓄積された電荷を、第2の増幅部と、第2の接続部と、第2の出力信号線とを介して、光ノイズ信号として読み出すように制御する。
【解決手段】垂直制御回路26は、静止画を撮像する際には、画素部24が備える全ての画素28の光電変換部を一括露光させ、露光終了のタイミングで、画素部24が備える全ての画素28の第1の転送部を駆動させて光電変換部が蓄積した光電荷を第1の蓄積部のみに一括転送させ、当該第1の蓄積部に蓄積された電荷を、第1の増幅部と、第1の接続部と、第1の出力信号線とを介して、光信号として読み出すとともに、第2の蓄積部に蓄積された電荷を、第2の増幅部と、第2の接続部と、第2の出力信号線とを介して、光ノイズ信号として読み出すように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置には、光学像を電気信号に変換する撮像素子が搭載されているが、この撮像素子は、近年、CCD(Charge Coupled Device、電荷結合素子)からCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor、相補型金属酸化膜半導体)へとマーケットシェアーが移行しつつある。
【0003】
撮像装置に搭載されているCMOS等のMOS型撮像素子は、撮像面に2次元状に配列された多数の画素の電荷を順次読み出すようになっているが、電荷を順次読み出す方式では露光開始時刻および露光終了時刻が画素毎に(あるいはライン毎に)異なることになり、画像に歪みが生じてしまう。そこで、全画素の露光開始時刻を同一にし、かつ全画素の露光終了時刻を同一にすることができるように(つまり、グローバルシャッタによる制御が可能となるように)構成されたMOS型撮像素子が知られている。このMOS型撮像素子は、露光量に応じた信号を発生させるフォトダイオード等の光電変換部を備えるとともに、光電変換部において発生した信号電荷を一時的に蓄積する電荷蓄積部を備え、さらに、電荷の転送やリセットを行う際にスイッチとして機能するトランジスタ等を備えた構成となっている。
【0004】
このような撮像素子の画素の構成の一例として、図10に示すような、1画素内に5つのトランジスタが設けられた構成が知られている。図10は、従来知られている画素の回路構成を示した回路図である。図示する例では、電荷蓄積部FDを画素内メモリとして利用して、グローバルシャッタによる制御を可能とするものとなっている。この撮像素子をデジタルカメラに用いる場合に、KTCノイズ(リセットノイズ)を抑圧するために、以下のようなシーケンスにより駆動させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
(1)電荷蓄積部FDをトランジスタMrによりリセットし、増幅トランジスタMaと選択トランジスタMsとを介してリセットデータをライン毎に順次走査して読み出し、記憶しておく。
(2)全画素の光電変換部PDを、排出トランジスタMfにより一括してリセットし、所定の露光時間が経過した後に、光電変換部PDの画素データを、転送トランジスタMtを介して一括して電荷蓄積部FDへ転送する。
(3)電荷蓄積部FDへ転送された画素データを、増幅トランジスタMaと選択トランジスタMsとを介してライン毎に順次走査して読み出し、(1)において記憶しておいたリセットデータを減算する(差分をとる)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−65184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したようなシーケンスで撮像素子を駆動した場合には、光電変換部PDの画素データを一括して電荷蓄積部FDに転送した後、電荷蓄積部FDに転送した画素データをライン毎に順次走査して読み出すまでの間においても、撮像装置に外光が入射する。撮像装置に外光が入射されると、光電変換部PDから電荷蓄積部FDに電荷が漏れ込むことがある。また、撮像装置に外光が入射されると、電荷蓄積部FDに直接入射した光によって電荷が発生することがある。そのため、撮像装置に入射した外光により、光電変換部PDからの電荷漏れ込みと電荷蓄積部FDに直接入射した光により発生する電荷、すなわち外光による光ノイズ電荷が電荷蓄積部FDに蓄積されることがある。
【0008】
これにより、撮像装置が撮像する画像に、光ノイズ電荷による光ノイズが表れてしまい画質が劣化してしまうという問題がある。特に、走行中の自動車のヘッドライト等のような移動する高輝度被写体を撮像する場合には、高輝度被写体の移動軌跡に光ノイズ電荷が発生し、撮像した画像にも光ノイズとして高輝度被写体の移動軌跡が写ってしまう。
【0009】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、光ノイズの除去に用いる信号を取得することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、入射光を光電荷に変換し、該光電荷を蓄積する光電変換部と、電荷を蓄積する第1の蓄積部と、電荷を蓄積する第2の蓄積部と、前記光電変換部が蓄積する前記光電荷を前記第1の蓄積部に転送する第1の転送部と、前記光電変換部が蓄積する前記光電荷を前記第2の蓄積部に転送する第2の転送部と、前記第1の蓄積部に蓄積された前記電荷をリセットする第1のリセット部と、前記第1の蓄積部に蓄積された前記電荷を増幅して出力する第1の増幅部と、前記第1の増幅部の出力を第1の出力信号線に伝達する第1の接続部と、前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をリセットする第2のリセット部と、前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷を増幅して出力する第2の増幅部と、前記第2の増幅部の出力を第2の出力信号線に伝達する第2の接続部と、を有する画素を複数備え、当該画素が行列状に2次元に配列された画素部と、静止画を撮像する際には、前記画素部が備える全ての前記画素の前記光電変換部を一括露光させ、露光終了のタイミングで、前記画素部が備える全ての前記画素の前記第1の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部のみに一括転送させ、当該第1の蓄積部に蓄積された前記電荷を、前記第1の増幅部と、前記第1の接続部と、前記第1の出力信号線とを介して、光信号として読み出すとともに、前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷を、前記第2の増幅部と、前記第2の接続部と、前記第2の出力信号線とを介して、光ノイズ信号として読み出すように制御する制御部と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
【0011】
また、本発明の撮像装置において、前記制御部はさらに、前記光電変換部を一括露光させる前に、前記第1のリセット部と前記第2のリセット部とを駆動させた後、前記第1の蓄積部のリセット信号と前記第2の蓄積部のリセット信号とを読み出し、前記光信号と前記第1の蓄積部のリセット信号との差分である静止画用データと、前記光ノイズ信号と前記第2の蓄積部のリセット信号との差分である補正用データとを生成し、前記静止画用データと前記補正用データとの差分である補正済み静止画像データを生成する画像処理部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の撮像装置において、前記画素は、複数のフィールドのうちいずれかの前記フィールドに属しており、前記制御部は、前記光信号と、前記光ノイズ信号と、前記第1の蓄積部のリセット信号と、前記第2の蓄積部のリセット信号とを、前記フィールドに属している前記画素の前記第1の蓄積部と前記第2の蓄積部から前記フィールド毎に読み出すように制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の撮像装置において、前記制御部は、前記フィールド毎に、前記第1の蓄積部のリセット信号と前記第2の蓄積部のリセット信号とを読み出す前の前記画素の前記光電変換部を露光させ、露光終了のタイミングで、当該画素の前記第1の転送部または前記第2の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部または前記第2の蓄積部のみに転送させ、当該第1の蓄積部または当該第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をライブビュー表示用の光信号として読み出し、さらに、前記フィールド毎に、前記光信号と前記光ノイズ信号とを読み出した後の前記画素の前記光電変換部を露光させ、露光終了のタイミングで、当該画素の前記第1の転送部または前記第2の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部または前記第2の蓄積部のみに転送させ、当該第1の蓄積部または当該第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をライブビュー表示用の光信号として読み出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制御部は、静止画を撮像する際には、画素部が備える全ての画素の光電変換部を一括露光させ、露光終了のタイミングで、画素部が備える全ての画素の第1の転送部を駆動させて光電変換部が蓄積した光電荷を第1の蓄積部のみに一括転送させ、当該第1の蓄積部に蓄積された電荷を、第1の増幅部と、第1の接続部と、第1の出力信号線とを介して、光信号として読み出すとともに、第2の蓄積部に蓄積された電荷を、第2の増幅部と、第2の接続部と、第2の出力信号線とを介して、光ノイズ信号として読み出す。
【0015】
撮像装置に外光が入射されると、第1の蓄積部と第2の蓄積部とに光ノイズ電荷が蓄積される。そのため、第1の蓄積部には、光電変換部が蓄積した光電荷と光ノイズ電荷とが蓄積される。また、第2の蓄積部には、光ノイズ電荷のみが蓄積される。よって、第1の蓄積部に蓄積された電荷に基づく光信号に含まれるノイズ成分を、第2の蓄積部に蓄積された電荷に基づく光ノイズ信号として取得することが可能となる。従って、本発明によれば、光ノイズの除去に用いる信号を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態における撮像装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における撮像部の構成を示した概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における画素の回路構成を示した回路図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における撮像素子のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態における撮像素子のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態における信号線と電荷蓄積部との組み合わせの配置を示した概略図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における撮像素子のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態において、画素を2つのフィールドに分けた場合のフィールドの例を示した概略図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における撮像素子のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】従来知られている画素の回路構成を示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における撮像装置10の構成を示したブロック図である。撮像装置10は、デジタルカメラの他、デジタルビデオカメラ、内視鏡などの電子機器に搭載することが可能である。図示する例では、撮像装置10は、レンズ1と、撮像部2と、画像処理部3と、表示部4と、駆動制御部6と、レンズ制御部7と、カメラ制御部8と、カメラ操作部9とを備えている。図1にはメモリーカード5も示しているが、このメモリーカード5は撮像装置に対して着脱可能に構成されているため、撮像装置10に固有の構成でなくても構わない。
【0018】
レンズ1は、被写体の光学像を撮像部2の撮像素子(後述)の撮像面に結像するための撮影レンズである。撮像部2は、レンズ1より結像された被写体の光学像を光電変換してデジタル信号に変換してから画像信号として出力するものである。画像処理部3は、撮像部2から出力される画像信号に種々のデジタル的な画像処理を施すものである。この画像処理部3は、画像信号(画像データ)を記録用に処理する第1画像処理部3aと、画像信号を表示用に処理する第2画像処理部3bとを備えている。表示部4は、画像処理部3の第2画像処理部3bにより表示用に画像処理された画像信号に基づき、画像を表示するものである。この表示部4は、静止画像を再生表示することができると共に、被撮像範囲をリアルタイムに表示するライブビュー(LV)表示を行うことができるようになっている。
【0019】
メモリーカード5は、第1画像処理部3aにより記録用に画像処理された画像信号を保存するための記録媒体である。駆動制御部6は、カメラ制御部8からの指令に基づいて、撮像部2の動作を制御するものである。レンズ制御部7は、カメラ制御部8からの指令に基づいてレンズの絞り、焦点位置を制御するものである。カメラ制御部8は、撮像装置10が備える各部を制御するものである。カメラ操作部9は、撮像装置10に対する各種の操作入力を行うためのものであり、例えば、撮像装置10の電源をオンオフするための電源スイッチや、静止画撮影を指示するためのレリーズボタンや、静止画撮影モードを単写モードと連写モードに切り替えるための静止画撮影モードスイッチなどが挙げられる。
【0020】
次に、撮像部2の構成について説明する。図2は本実施形態における撮像部2の構成を示した概略図である。図示する例では、撮像部2は、MOS型の固体撮像素子である撮像素子21と、AD変換部22と、ノイズ除去部23とを備えている。
【0021】
撮像素子21は、画素28を備える画素部24と、列処理回路25と、垂直制御回路26と、水平走査回路27とから構成されている。なお、請求項に係る制御部は、例えば、垂直制御回路26に対応する。
【0022】
撮像素子21は、画素28の電荷の蓄積動作を全画素一括に制御するグローバルシャッタモードで行えるものである。なお、画素28の電荷の蓄積動作を行毎に制御するローリングシャッタモードを有していても良い。
【0023】
画素部24は、複数の画素28が行方向および列方向に2次元状に配列されている。垂直制御回路26は、画素部24の画素28に対して行単位で画素動作を制御する信号を印加するものであり、垂直走査回路と、リセット制御部と、信号読み出し制御部とを含んでいる。この垂直制御回路26により選択制御された行の画素28の画素信号は、列毎に設けられている垂直信号線ReadBus1または垂直信号線ReadBus2(図3参照)へ出力されるようになっている。列処理回路25は、垂直信号線ReadBus1または垂直信号線ReadBus2に出力された画素信号を列毎に処理するものであり、例えば、増幅動作や撮像素子をローリングシャッタ動作させた時のノイズ除去のためのCDS(Correlated Double Sampling、相関2重サンプリング)処理を行うものである。水平走査回路27は、列処理回路25の出力を水平方向の並びの順で時系列に出力するものである。
【0024】
AD変換部22は、撮像素子21から出力されるアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換するものである。なお、列処理回路25がAD変換回路を有している場合、AD変換回路22は不要となることは言うまでもない。ノイズ除去部23は、撮像素子21がグローバルシャッタにより動作するときに、AD変換部22から出力されるデジタルの画素信号に対してノイズ除去の処理を行うものである。
【0025】
次に、画素28の構成について説明する。図3は本実施形態における画素28の回路構成を示した回路図である。光電変換部PDは受光した光に応じた光電荷を生成する。ここでは、光電変換部PDの例としてフォトダイオードを示している。電荷転送部Mtx1,Mtx2は、光電変換部PDが生成した光電荷を後段の電荷蓄積部FD1,FD2へ転送可能な構成である。
【0026】
電荷蓄積部FD1,FD2は、光電変換部PDが生成した光電荷を保持可能な構成となっている。増幅部SF1,SF2は、電荷蓄積部FD1,FD2に蓄積された光電荷に基づく信号を増幅して外部へ読み出す。ここでは、増幅部SF1,SF2の例として、垂直信号線ReadBus1または垂直信号線ReadBus2に接続されている電流源とから構成されるMOSトランジスタを用いたソースフォロワ回路を示している。リセット部Mr1,Mr2は、電荷蓄積部FD1,FD2に基準電圧を供給可能な構成となっている。選択部Mb1,Mb2は、各画素を選択して画素ごともしくは画素行ごとに信号を外部へ読み出し可能な構成である。電荷排出部Mftは、光電変換部PDの電荷を排出することができる。例えば、電荷排出部MftとしてはMOSトランジスタを用いることができる。この場合には、光電変換部PDの一部を構成する信号電荷と同極性の半導体領域をソースとし、電源電圧が供給された半導体領域(オーバーフロードレイン領域、OFD領域)をドレインとした構成となっている。
【0027】
本実施形態の特徴としては、画素28は、1画素につき1つの光電変換部PDと、1つの電荷排出部Mftと、2つの電荷転送部Mtx1,Mtx2と、2つの電荷蓄積部FD1,FD2と、2つの増幅部SF1,SF2と、2つの選択部Mb1,Mb2と、2つのリセット部Mr1,Mr2とを備えている。なお、図3においては、電荷転送部Mt1と、電荷蓄積部FD1と、リセット部Mr1と、増幅部SF1と、選択部Mb1とからなる、光電変換部PDの信号を出力する回路を画素内回路281としている。また、電荷転送部Mt2と、電荷蓄積部FD2と、リセット部Mr2と、増幅部SF2と、選択部Mb2とからなる、光電変換部PDの信号を出力する回路を画素内回路282としている。
【0028】
なお、請求項に係る第1の蓄積部は、例えば、電荷蓄積部FD1に対応する。また、請求項に係る第2の蓄積部は、例えば、電荷蓄積部FD2に対応する。また、請求項に係る第1の転送部は、例えば、電荷転送部Mtx1に対応する。また、請求項に係る第2の転送部は、例えば、電荷転送部Mtx2に対応する。また、請求項に係る第1のリセット部は、例えば、リセット部Mr1に対応する。また、請求項に係る第2のリセット部は、例えば、リセット部Mr2に対応する。また、請求項に係る第1の増幅部は、例えば、増幅部SF1に対応する。また、請求項に係る第2の増幅部は、例えば、増幅部SF2に対応する。また、請求項に係る第1の接続部は、例えば、選択部Mb1に対応する。また、請求項に係る第2の接続部は、例えば、選択部Mb2に対応する。
【0029】
次に、撮像部2の動作について説明する。撮像部2が備える撮像素子21は、グローバルシャッタ動作が可能である。以下、撮像素子21のグローバルシャッタ動作について説明する。
【0030】
図4は、リセット信号読み出し期間および光信号読み出し期間に、一行目の画素28からn行目の画素28まで順にリセット信号および光信号の読み出しを行った場合における、撮像素子21のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。本実施形態では、光電変換部PDが出力する光電荷を、電荷蓄積部FD1が蓄積する。
【0031】
図示するタイミングチャートの横軸は時間を示している。また、縦方向は、画素部24に配列された画素28を1行目からn行目(最終行)までを順次選択して、その画素の信号を出力する様子を示している。また、信号線TX1および信号線FTに印加される信号のタイミングについては、画素部24の全画素28の信号線TX1および信号線FTに同時に印加される信号のタイミングのみを示している。
【0032】
グローバルシャッタ動作による露光を行う前の、リセット信号読み出し期間(タイミングP1〜タイミングP2)においては、垂直制御回路26の制御により、水平走査回路27は電荷蓄積部FD1のリセット信号の読み出しを行う。この期間では、先ず、垂直制御回路26は、画素部24の第1行目に配列された各画素28のトランジスタMr1に、信号線RST1からリセットパルスを印加して、第1行目の電荷蓄積部FD1のリセットを行う。さらに、垂直制御回路26は、第1行目の各画素28の選択トランジスタMb1に信号線SEL1から選択パルスを印加して、電荷蓄積部FD1から垂直信号線ReadBus1にリセット信号を出力させる。このリセット信号は、列処理回路25と、水平走査回路27と、AD変換部22とを介してノイズ除去部23に読み出されて記憶される。このような動作を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)まで行うことで、リセット信号読み出し期間が終了する。
【0033】
次に、タイミングP2において、垂直制御回路26は、信号線FTを介して全画素28の電荷排出部Mftを同時にオンすることにより、全画素28の光電変換部PDを一括リセットし、その後、全画素28の電荷排出部Mftを同時にオフすることにより、光電変換部PDの露光(光電荷の蓄積)を開始する。露光を開始してから所定の露光期間が経過したタイミングP3において、垂直制御回路26は、信号線TX1を介して全画素28の電荷転送部Mtx1に転送パルスを同時に印加することにより、露光期間中に光電変換部PDに蓄積された光電荷を電荷蓄積部FD1に一括で転送する。つまり全画素28の露光が同時に終了する。
【0034】
その後、光信号読み出し期間(タイミングP3〜タイミングP4)に入り、垂直制御回路26は、第1行目の各画素28の選択トランジスタMb1に信号線SEL1から選択パルスを印加して、電荷蓄積部FD1から垂直信号線ReadBus1に、電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷を光信号として出力させる。この光信号は、列処理回路25と、水平走査回路27と、AD変換部22とを介してノイズ除去部23に読み出される。ノイズ除去部23では、読み出された電荷蓄積部FD1の光信号と、リセット信号読み出し期間に記憶された電荷蓄積部FD1のリセット信号との差分処理が行なわれ、ノイズが除去された光信号が静止画用データとして画像処理部3へ出力される。以上の動作を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)までの画素28に対して行うことで、光信号読み出し期間が終了し、1枚のグローバルシャッタ動作時の静止画用データが画像処理部3へ出力される。
【0035】
なお、静止画用データを取得する際には、光電変換部PDの光電荷を一括して電荷蓄積部FD1に転送した後、電荷蓄積部FD1に転送した光電荷をライン毎に順次走査して光信号として読み出すまでの間においても、撮像装置10に外光が入射することがある。そのため、電荷蓄積部FD1において外光による光ノイズ電荷が発生することがある。これにより、電荷蓄積部FD1には、光電変換部PDから転送された光電荷と、光ノイズ電荷とが蓄積される。従って、静止画用データには、光ノイズ電荷による光ノイズデータが含まれる。
【0036】
そこで、本実施形態では、電荷蓄積部FD1と同等の電荷蓄積部FD2を設け、電荷蓄積部FD2において発生した光ノイズ電荷による光ノイズデータを取得する。なお、取得した光ノイズデータを補正用データと呼ぶ。電荷蓄積部FD1と電荷蓄積部FD2とは同等であるため、同じ光が入射された場合には同じ光ノイズ電荷が発生する。そこで、電荷蓄積部FD1が蓄積した信号電荷と光ノイズ電荷とに基づいた静止画用データと、電荷蓄積部FD2が蓄積した光ノイズ電荷に基づいた補正用データとの差分データが、光ノイズデータを除去した補正済み静止画像データとなる。
【0037】
以下、補正用データの取得手順について説明する。本実施形態では、静止画用データを取得する際に、光ノイズを除去するためのデータである補正用データを取得する。図5は、電荷蓄積部FD1のリセット信号と、電荷蓄積部FD1が蓄積した光信号と、電荷蓄積部FD2のリセット信号と、電荷蓄積部FD2が蓄積した光ノイズ信号との読み出しを行った場合における、撮像素子21のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。本実施形態では、電荷蓄積部FD2が光ノイズ電荷を蓄積する。
【0038】
図示するタイミングチャートの横軸は時間を示している。また、縦方向は、画素部24に配列された画素28を1行目からn行目(最終行)までを順次選択して、その画素の信号を出力する様子を示している。なお、(1)電荷蓄積部FD1は、電荷蓄積部FD1が蓄積した信号を読み出すタイミングを示している。また、(2)電荷蓄積部FD2は、電荷蓄積部FD2が蓄積した電荷を読み出すタイミングを示している。また、信号線TX1および信号線FTに印加される信号のタイミングについては、画素部24の全画素28の信号線TX1および信号線FTに同時に印加される信号のタイミングのみを示している。なお、電荷蓄積部FD1が蓄積した信号を読み出すタイミングは、図4に示したタイミングと同様である。
【0039】
以下、補正用データの取得タイミングについて説明する。本実施形態では、画素内回路282を用いて補正用データを取得する。グローバルシャッタ動作による露光を行う前の、リセット信号読み出し期間(タイミングP1〜タイミングP2)においては、垂直制御回路26の制御により、水平走査回路27は電荷蓄積部FD2のリセット信号の読み出しを行う。この期間では、先ず、垂直制御回路26は、画素部24の第1行目に配列された各画素28のトランジスタMr2に、信号線RST2からリセットパルスを印加して、第1行目の電荷蓄積部FD2のリセットを行う。さらに、垂直制御回路26は、第1行目の各画素28の選択トランジスタMb2に信号線SEL2から選択パルスを印加して、電荷蓄積部FD2から垂直信号線ReadBus2にリセット信号を出力させる。このリセット信号は、列処理回路25と、水平走査回路27と、AD変換部22とを介してノイズ除去部23に読み出されて記憶される。このような動作を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)まで行うことで、リセット信号読み出し期間が終了する。
【0040】
静止画露光期間(タイミングP2〜タイミングP3)においては、電荷蓄積部FD2は、電荷蓄積部FD2の内部で発生した光ノイズの原因となる光ノイズ電荷を蓄積する。その後、光信号読み出し期間(タイミングP3〜タイミングP4)においては、垂直制御回路26は、第1行目の各画素28の選択トランジスタMb2に信号線SEL2から選択パルスを印加して、電荷蓄積部FD2から垂直信号線ReadBus2に光ノイズ信号を出力させる。この光ノイズ信号は、列処理回路25と、水平走査回路27と、AD変換部22とを介してノイズ除去部23に読み出される。ノイズ除去部23では、読み出された電荷蓄積部FD2の光ノイズ信号と、リセット信号読み出し期間に記憶された電荷蓄積部FD2のリセット信号との差分処理が行なわれ、ノイズが除去された光ノイズ信号が補正用データとして画像処理部3へ出力される。以上の動作を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)までの画素28に対して行うことで、静止画用データと同時に補正用データが画像処理部3へ出力される。
【0041】
上述したようにグローバルシャッタ動作を行うことで、画像処理部3には、静止画用データと補正用データとが入力される。画像処理部3の第1画像処理部3aは、入力された静止画用データと補正用データとの差分データを生成する。これにより、画像処理部3は、光ノイズを除去した補正済み静止画像データを生成することができる。また、第1画像処理部3aは、生成した補正済み静止画像データをメモリーカード5に記録する。
【0042】
ここで、電荷蓄積部FD1と電荷蓄積部FD2とが蓄積する電荷について詳細に説明する。撮像信号読み出し期間(タイミングP3〜タイミングP4)において、例えば移動する高輝度被写体などが存在する場合、光電変換部PDからの電荷漏れ込みと、電荷蓄積部FD1および電荷蓄積部FD2に直接入射した光により発生する電荷とにより、電荷蓄積部FD1と電荷蓄積部FD2に光ノイズ電荷が蓄積される。
【0043】
電荷蓄積部FD1には、静止画露光期間終了後のタイミングP3において、光電変換部PDが蓄積した光電荷が転送されるため、電荷蓄積部FD1が蓄積する電荷は、光電変換部PDから転送された光電荷と光ノイズ電荷である。一方、静止画露光期間終了のタイミングP3において、信号線TX2にはパルスを印加していないため、電荷蓄積部FD2には光電変換部PDから光電荷は転送されない。従って、電荷蓄積部FD2には、光電変換部PDが蓄積した光電荷は蓄積されず、光ノイズ電荷のみが蓄積される。
【0044】
これにより、電荷蓄積部FD1が蓄積した電荷に基づいた静止画用データと、電荷蓄積部FD2が蓄積した電荷に基づいた補正用データとの差分データが、光ノイズを除去した補正済み静止画像データとなる。
【0045】
なお、画素28内において、信号線TX1と電荷蓄積部FD1との組み合わせと、信号線TX2と電荷蓄積部FD2との組み合わせとの配置が、例えば図6に示すように、光電変換部PDの同じ辺かつ同じ距離に配置されていることが望ましい。図6は、本実施形態における、信号線TX1と電荷蓄積部FD1との組み合わせと、信号線TX2と電荷蓄積部FD2との組み合わせとの配置を示した概略図である。図示する例では、光電変換部PDの右側の辺に、信号線TX1と電荷蓄積部FD1との組み合わせと、信号線TX2と電荷蓄積部FD2との組み合わせとが配置されている。また、光電変換部PDの辺から、信号線TX1と電荷蓄積部FD1との組み合わせまでの距離と、信号線TX2と電荷蓄積部FD2との組み合わせまでの距離とが同一である。これにより、電荷蓄積部FD1と電荷蓄積部FD2とに蓄積される光ノイズ電荷がより同等となり、より精度良く光ノイズを除去することができる信号を取得することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における撮像装置10の構成は、第1の実施形態における撮像装置10の構成と同様である。本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、本実施形態では、画素28の電荷蓄積部FD1のリセット電荷と、電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷と、電荷蓄積部FD2のリセット電荷と、電荷蓄積部FD2が蓄積した光ノイズ電荷との読み出しをフィールド読み出しで行う点である。また、本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、静止画用データと補正用データとを取得する際に、ライブビューの表示に用いるライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得する点である。
【0047】
次に、撮像部2の動作について説明する。図7は、リセット信号読み出し期間および光信号読み出し期間に、フィールド毎に各信号の読み出しを行った場合における、撮像素子21のグローバルシャッタ動作のタイミングを示すタイミングチャートである。図示する例は、画素28を2つのフィールドに分けた場合の動作タイミングの例を示している。
【0048】
図8は、本実施形態において、画素28を2つのフィールドに分けた場合のフィールドの例を示した概略図である。図示する例では、画素部24に配列されている画素28のうち、1行目、3行目、5行目、・・・、(2m−1)行目の画素28からなる画素群を第1フィールド(f−A)とし、2行目、4行目、6行目、・・・、(2m)行目の画素28からなる画素群を第2フィールド(f−B)とした場合を示している(mは1以上の整数)。
【0049】
以下、図7の説明に戻る。図7に示した例は、第1の実施形態の図4に示した例と異なり、リセット信号読み出し期間と光信号読み出し期間において、それぞれ、第1フィールド(f−A)、第2フィールド(f−B)の順に、各フィールドに含まれる画素28からリセット信号および光信号の読み出しを行う例を示している。すなわち、第1の実施形態の図4に示した例と図7に示した例とでは、画素28からリセット信号および光信号を読み出す順番が異なるだけである。このように、グローバルシャッタ動作においては、画素部24に配列された画素28からリセット信号および光信号を読み出す順番は、必ずしも1行目から最終行まで順に読み出す必要はない。
【0050】
次に、撮像装置10の動作について説明をする。図9は、本実施形態において、静止画撮影中にライブビュー用の画像(動画)を取得する場合における、撮像素子21のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示したタイミングチャートである。図示するタイミングチャートにおいては、図7に示した例と同様に、画素28を第1フィールド(f−A)と第2フィールド(f−B)との2つのフィールドに分けて、第1フィールド(f−A)、第2フィールド(f−B)の順に、各フィールドに含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のリセット電荷と、電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷と、電荷蓄積部FD2のリセット電荷と、電荷蓄積部FD2が蓄積した光ノイズ電荷との読み出しを行う例を示している。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、光電変換部PDが出力する光電荷を電荷蓄積部FD1が蓄積し、電荷蓄積部FD2が光ノイズ電荷を蓄積する。
【0051】
まず静止画撮影が開始されると、期間1において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のライブビュー用リセット信号を取得するために、ローリングリセットを行う。任意の期間2が経過した後、期間3において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷を読み出すライブビュー用ビデオ信号の取得走査を行う。これにより、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28のライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得することができる。画像処理部3の第2画像処理部3bは、ライブビュー用ビデオ信号とライブビュー用リセット信号との差分信号であるライブビュー表示用信号を生成する。そして、第2画像処理部3bは、生成したライブビュー表示用信号に基づいたライブビュー画像を表示部4に表示させる。
【0052】
その後、期間4において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のリセット信号と電荷蓄積部FD2のリセット信号とを取得するために、ローリング走査を行う。これにより、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のリセット信号と電荷蓄積部FD2のリセット信号とを取得する。期間5〜期間8においては、期間1〜期間4と同様の処理を第2フィールド(f−B)に含まれる画素28に対して行う。これにより、期間1〜期間8において、2つのライブビュー表示用信号と、全画素28に含まれる電荷蓄積部FD1のリセット信号と電荷蓄積部FD2のリセット信号とを取得することができる。
【0053】
期間8の終了後、撮像装置10は、全ての画素28の信号線FTに一括してパルスを印加して光電変換部PDのリセットを行う。その後、露光期間である期間9が終了した後、撮像装置10は、全ての画素28の信号線TX1に一括してパルスを印加し、光電変換部PDから電荷蓄積部FD1に光電荷を転送させる。
【0054】
その後、期間10において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1の光信号と電荷蓄積部FD2の光ノイズ信号とを取得するために、ローリング走査を行う。これにより、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1の光信号と電荷蓄積部FD2の光ノイズ信号とを取得する。
【0055】
その後、期間11において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のライブビュー用リセット信号を取得するために、ローリングリセットを行う。任意の期間12が経過した後、期間13において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷を読み出すライブビュー用ビデオ信号の取得走査を行う。これにより、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28のライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得することができる。画像処理部3の第2画像処理部3bは、ライブビュー用ビデオ信号とライブビュー用リセット信号との差分信号であるライブビュー表示用信号を生成する。そして、第2画像処理部3bは、生成したライブビュー表示用信号に基づいたライブビュー画像を表示部4に表示させる。期間14〜期間17においては、期間10〜期間13と同様の処理を第2フィールド(f−B)に含まれる画素28に対して行う。これにより、期間10〜期間17において、2つのライブビュー表示用信号と、全画素28に含まれる電荷蓄積部FD1の光信号と電荷蓄積部FD2の光ノイズ信号とを取得することができる。
【0056】
図5に示した例では、静止画露光期間(タイミングP2〜タイミングP3)の直前および直後のリセット信号読み出し期間(タイミングP1〜タイミングP2)および光信号読み出し期間(タイミングP3〜タイミングP4)では、全画素28の静止画用データおよび補正用データを同時に取得しており、ライブビュー用リセット信号およびライブビュー用ビデオ信号を取得することができないため、ライブビュー画像が更新されない。これに対して、図9に示した例では、期間1〜期間4において、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28から、ライブビュー用リセット信号と、ライブビュー用ビデオ信号と、静止画用のリセット信号とを取得する。また、期間1〜期間4の後の期間である期間5〜期間8において、第2フィールド(f−B)に含まれる画素28から、ライブビュー用リセット信号と、ライブビュー用ビデオ信号と、静止画用のリセット信号とを取得する。そのため、静止画用のリセット信号を取得する際に、露光期間である期間9により近い期間5〜期間7において、ライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得することができる。
【0057】
また、期間10〜期間13において、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28から、ライブビュー用リセット信号と、ライブビュー用ビデオ信号と、静止画用の光信号および光ノイズ信号とを取得する。また、期間10〜期間13の後の期間である期間14〜期間17において、第2フィールド(f−B)に含まれる画素28から、ライブビュー用リセット信号と、ライブビュー用ビデオ信号と、静止画用の光信号および光ノイズ信号とを取得する。そのため、静止画用の光信号および光ノイズ信号を取得する際に、露光期間である期間9により近い期間11〜期間13において、ライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得することができる。
【0058】
従って、静止画撮影時に、ライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを複数回取得することができ、さらに、露光期間により近い期間においてもライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを複数回取得することができるため、ライブビュー画像が更新されない期間(ブラックアウト期間)を短くすることができる。
【0059】
また、本実施形態においても第1実施形態と同様に光ノイズを補正するための光ノイズ補正用データを得ることができ、
【0060】
なお、本実施形態では、第1フィールド(f−A)と第2フィールド(f−B)とに分割したフィールド読み出しの例を用いて説明したが、これに限らず、3つ以上のフィールドに分割してフィールド読み出しを行ってもよい。また、本実施形態では、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28からライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号を取得したが、これに限らず、第2フィールド(f−B)に含まれる画素28からライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号を取得するようにしてもよい。第2フィールド(f−B)に含まれる画素28からライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号を取得する場合においても、静止画像撮影時にライブビュー画像が更新されない期間を短くすることができる。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1・・・レンズ、2・・・撮像部、3・・・画像処理部、3a・・・第1画像処理部、3b・・・第2画像処理部、4・・・表示部、5・・・メモリーカード、6・・・駆動制御部、7・・・レンズ制御部、8・・・カメラ制御部、9・・・カメラ操作部、10・・・撮像装置、21・・・撮像素子、22・・・AD変換部、23・・・ノイズ除去部、24・・・画素部、25・・・列処理回路、26・・・垂直制御回路、27・・・水平走査回路、28・・・画素、281,282・・・画素内回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置には、光学像を電気信号に変換する撮像素子が搭載されているが、この撮像素子は、近年、CCD(Charge Coupled Device、電荷結合素子)からCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor、相補型金属酸化膜半導体)へとマーケットシェアーが移行しつつある。
【0003】
撮像装置に搭載されているCMOS等のMOS型撮像素子は、撮像面に2次元状に配列された多数の画素の電荷を順次読み出すようになっているが、電荷を順次読み出す方式では露光開始時刻および露光終了時刻が画素毎に(あるいはライン毎に)異なることになり、画像に歪みが生じてしまう。そこで、全画素の露光開始時刻を同一にし、かつ全画素の露光終了時刻を同一にすることができるように(つまり、グローバルシャッタによる制御が可能となるように)構成されたMOS型撮像素子が知られている。このMOS型撮像素子は、露光量に応じた信号を発生させるフォトダイオード等の光電変換部を備えるとともに、光電変換部において発生した信号電荷を一時的に蓄積する電荷蓄積部を備え、さらに、電荷の転送やリセットを行う際にスイッチとして機能するトランジスタ等を備えた構成となっている。
【0004】
このような撮像素子の画素の構成の一例として、図10に示すような、1画素内に5つのトランジスタが設けられた構成が知られている。図10は、従来知られている画素の回路構成を示した回路図である。図示する例では、電荷蓄積部FDを画素内メモリとして利用して、グローバルシャッタによる制御を可能とするものとなっている。この撮像素子をデジタルカメラに用いる場合に、KTCノイズ(リセットノイズ)を抑圧するために、以下のようなシーケンスにより駆動させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
(1)電荷蓄積部FDをトランジスタMrによりリセットし、増幅トランジスタMaと選択トランジスタMsとを介してリセットデータをライン毎に順次走査して読み出し、記憶しておく。
(2)全画素の光電変換部PDを、排出トランジスタMfにより一括してリセットし、所定の露光時間が経過した後に、光電変換部PDの画素データを、転送トランジスタMtを介して一括して電荷蓄積部FDへ転送する。
(3)電荷蓄積部FDへ転送された画素データを、増幅トランジスタMaと選択トランジスタMsとを介してライン毎に順次走査して読み出し、(1)において記憶しておいたリセットデータを減算する(差分をとる)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−65184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したようなシーケンスで撮像素子を駆動した場合には、光電変換部PDの画素データを一括して電荷蓄積部FDに転送した後、電荷蓄積部FDに転送した画素データをライン毎に順次走査して読み出すまでの間においても、撮像装置に外光が入射する。撮像装置に外光が入射されると、光電変換部PDから電荷蓄積部FDに電荷が漏れ込むことがある。また、撮像装置に外光が入射されると、電荷蓄積部FDに直接入射した光によって電荷が発生することがある。そのため、撮像装置に入射した外光により、光電変換部PDからの電荷漏れ込みと電荷蓄積部FDに直接入射した光により発生する電荷、すなわち外光による光ノイズ電荷が電荷蓄積部FDに蓄積されることがある。
【0008】
これにより、撮像装置が撮像する画像に、光ノイズ電荷による光ノイズが表れてしまい画質が劣化してしまうという問題がある。特に、走行中の自動車のヘッドライト等のような移動する高輝度被写体を撮像する場合には、高輝度被写体の移動軌跡に光ノイズ電荷が発生し、撮像した画像にも光ノイズとして高輝度被写体の移動軌跡が写ってしまう。
【0009】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、光ノイズの除去に用いる信号を取得することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、入射光を光電荷に変換し、該光電荷を蓄積する光電変換部と、電荷を蓄積する第1の蓄積部と、電荷を蓄積する第2の蓄積部と、前記光電変換部が蓄積する前記光電荷を前記第1の蓄積部に転送する第1の転送部と、前記光電変換部が蓄積する前記光電荷を前記第2の蓄積部に転送する第2の転送部と、前記第1の蓄積部に蓄積された前記電荷をリセットする第1のリセット部と、前記第1の蓄積部に蓄積された前記電荷を増幅して出力する第1の増幅部と、前記第1の増幅部の出力を第1の出力信号線に伝達する第1の接続部と、前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をリセットする第2のリセット部と、前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷を増幅して出力する第2の増幅部と、前記第2の増幅部の出力を第2の出力信号線に伝達する第2の接続部と、を有する画素を複数備え、当該画素が行列状に2次元に配列された画素部と、静止画を撮像する際には、前記画素部が備える全ての前記画素の前記光電変換部を一括露光させ、露光終了のタイミングで、前記画素部が備える全ての前記画素の前記第1の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部のみに一括転送させ、当該第1の蓄積部に蓄積された前記電荷を、前記第1の増幅部と、前記第1の接続部と、前記第1の出力信号線とを介して、光信号として読み出すとともに、前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷を、前記第2の増幅部と、前記第2の接続部と、前記第2の出力信号線とを介して、光ノイズ信号として読み出すように制御する制御部と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
【0011】
また、本発明の撮像装置において、前記制御部はさらに、前記光電変換部を一括露光させる前に、前記第1のリセット部と前記第2のリセット部とを駆動させた後、前記第1の蓄積部のリセット信号と前記第2の蓄積部のリセット信号とを読み出し、前記光信号と前記第1の蓄積部のリセット信号との差分である静止画用データと、前記光ノイズ信号と前記第2の蓄積部のリセット信号との差分である補正用データとを生成し、前記静止画用データと前記補正用データとの差分である補正済み静止画像データを生成する画像処理部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の撮像装置において、前記画素は、複数のフィールドのうちいずれかの前記フィールドに属しており、前記制御部は、前記光信号と、前記光ノイズ信号と、前記第1の蓄積部のリセット信号と、前記第2の蓄積部のリセット信号とを、前記フィールドに属している前記画素の前記第1の蓄積部と前記第2の蓄積部から前記フィールド毎に読み出すように制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の撮像装置において、前記制御部は、前記フィールド毎に、前記第1の蓄積部のリセット信号と前記第2の蓄積部のリセット信号とを読み出す前の前記画素の前記光電変換部を露光させ、露光終了のタイミングで、当該画素の前記第1の転送部または前記第2の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部または前記第2の蓄積部のみに転送させ、当該第1の蓄積部または当該第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をライブビュー表示用の光信号として読み出し、さらに、前記フィールド毎に、前記光信号と前記光ノイズ信号とを読み出した後の前記画素の前記光電変換部を露光させ、露光終了のタイミングで、当該画素の前記第1の転送部または前記第2の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部または前記第2の蓄積部のみに転送させ、当該第1の蓄積部または当該第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をライブビュー表示用の光信号として読み出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制御部は、静止画を撮像する際には、画素部が備える全ての画素の光電変換部を一括露光させ、露光終了のタイミングで、画素部が備える全ての画素の第1の転送部を駆動させて光電変換部が蓄積した光電荷を第1の蓄積部のみに一括転送させ、当該第1の蓄積部に蓄積された電荷を、第1の増幅部と、第1の接続部と、第1の出力信号線とを介して、光信号として読み出すとともに、第2の蓄積部に蓄積された電荷を、第2の増幅部と、第2の接続部と、第2の出力信号線とを介して、光ノイズ信号として読み出す。
【0015】
撮像装置に外光が入射されると、第1の蓄積部と第2の蓄積部とに光ノイズ電荷が蓄積される。そのため、第1の蓄積部には、光電変換部が蓄積した光電荷と光ノイズ電荷とが蓄積される。また、第2の蓄積部には、光ノイズ電荷のみが蓄積される。よって、第1の蓄積部に蓄積された電荷に基づく光信号に含まれるノイズ成分を、第2の蓄積部に蓄積された電荷に基づく光ノイズ信号として取得することが可能となる。従って、本発明によれば、光ノイズの除去に用いる信号を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態における撮像装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における撮像部の構成を示した概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における画素の回路構成を示した回路図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における撮像素子のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態における撮像素子のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態における信号線と電荷蓄積部との組み合わせの配置を示した概略図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における撮像素子のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態において、画素を2つのフィールドに分けた場合のフィールドの例を示した概略図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における撮像素子のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】従来知られている画素の回路構成を示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における撮像装置10の構成を示したブロック図である。撮像装置10は、デジタルカメラの他、デジタルビデオカメラ、内視鏡などの電子機器に搭載することが可能である。図示する例では、撮像装置10は、レンズ1と、撮像部2と、画像処理部3と、表示部4と、駆動制御部6と、レンズ制御部7と、カメラ制御部8と、カメラ操作部9とを備えている。図1にはメモリーカード5も示しているが、このメモリーカード5は撮像装置に対して着脱可能に構成されているため、撮像装置10に固有の構成でなくても構わない。
【0018】
レンズ1は、被写体の光学像を撮像部2の撮像素子(後述)の撮像面に結像するための撮影レンズである。撮像部2は、レンズ1より結像された被写体の光学像を光電変換してデジタル信号に変換してから画像信号として出力するものである。画像処理部3は、撮像部2から出力される画像信号に種々のデジタル的な画像処理を施すものである。この画像処理部3は、画像信号(画像データ)を記録用に処理する第1画像処理部3aと、画像信号を表示用に処理する第2画像処理部3bとを備えている。表示部4は、画像処理部3の第2画像処理部3bにより表示用に画像処理された画像信号に基づき、画像を表示するものである。この表示部4は、静止画像を再生表示することができると共に、被撮像範囲をリアルタイムに表示するライブビュー(LV)表示を行うことができるようになっている。
【0019】
メモリーカード5は、第1画像処理部3aにより記録用に画像処理された画像信号を保存するための記録媒体である。駆動制御部6は、カメラ制御部8からの指令に基づいて、撮像部2の動作を制御するものである。レンズ制御部7は、カメラ制御部8からの指令に基づいてレンズの絞り、焦点位置を制御するものである。カメラ制御部8は、撮像装置10が備える各部を制御するものである。カメラ操作部9は、撮像装置10に対する各種の操作入力を行うためのものであり、例えば、撮像装置10の電源をオンオフするための電源スイッチや、静止画撮影を指示するためのレリーズボタンや、静止画撮影モードを単写モードと連写モードに切り替えるための静止画撮影モードスイッチなどが挙げられる。
【0020】
次に、撮像部2の構成について説明する。図2は本実施形態における撮像部2の構成を示した概略図である。図示する例では、撮像部2は、MOS型の固体撮像素子である撮像素子21と、AD変換部22と、ノイズ除去部23とを備えている。
【0021】
撮像素子21は、画素28を備える画素部24と、列処理回路25と、垂直制御回路26と、水平走査回路27とから構成されている。なお、請求項に係る制御部は、例えば、垂直制御回路26に対応する。
【0022】
撮像素子21は、画素28の電荷の蓄積動作を全画素一括に制御するグローバルシャッタモードで行えるものである。なお、画素28の電荷の蓄積動作を行毎に制御するローリングシャッタモードを有していても良い。
【0023】
画素部24は、複数の画素28が行方向および列方向に2次元状に配列されている。垂直制御回路26は、画素部24の画素28に対して行単位で画素動作を制御する信号を印加するものであり、垂直走査回路と、リセット制御部と、信号読み出し制御部とを含んでいる。この垂直制御回路26により選択制御された行の画素28の画素信号は、列毎に設けられている垂直信号線ReadBus1または垂直信号線ReadBus2(図3参照)へ出力されるようになっている。列処理回路25は、垂直信号線ReadBus1または垂直信号線ReadBus2に出力された画素信号を列毎に処理するものであり、例えば、増幅動作や撮像素子をローリングシャッタ動作させた時のノイズ除去のためのCDS(Correlated Double Sampling、相関2重サンプリング)処理を行うものである。水平走査回路27は、列処理回路25の出力を水平方向の並びの順で時系列に出力するものである。
【0024】
AD変換部22は、撮像素子21から出力されるアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換するものである。なお、列処理回路25がAD変換回路を有している場合、AD変換回路22は不要となることは言うまでもない。ノイズ除去部23は、撮像素子21がグローバルシャッタにより動作するときに、AD変換部22から出力されるデジタルの画素信号に対してノイズ除去の処理を行うものである。
【0025】
次に、画素28の構成について説明する。図3は本実施形態における画素28の回路構成を示した回路図である。光電変換部PDは受光した光に応じた光電荷を生成する。ここでは、光電変換部PDの例としてフォトダイオードを示している。電荷転送部Mtx1,Mtx2は、光電変換部PDが生成した光電荷を後段の電荷蓄積部FD1,FD2へ転送可能な構成である。
【0026】
電荷蓄積部FD1,FD2は、光電変換部PDが生成した光電荷を保持可能な構成となっている。増幅部SF1,SF2は、電荷蓄積部FD1,FD2に蓄積された光電荷に基づく信号を増幅して外部へ読み出す。ここでは、増幅部SF1,SF2の例として、垂直信号線ReadBus1または垂直信号線ReadBus2に接続されている電流源とから構成されるMOSトランジスタを用いたソースフォロワ回路を示している。リセット部Mr1,Mr2は、電荷蓄積部FD1,FD2に基準電圧を供給可能な構成となっている。選択部Mb1,Mb2は、各画素を選択して画素ごともしくは画素行ごとに信号を外部へ読み出し可能な構成である。電荷排出部Mftは、光電変換部PDの電荷を排出することができる。例えば、電荷排出部MftとしてはMOSトランジスタを用いることができる。この場合には、光電変換部PDの一部を構成する信号電荷と同極性の半導体領域をソースとし、電源電圧が供給された半導体領域(オーバーフロードレイン領域、OFD領域)をドレインとした構成となっている。
【0027】
本実施形態の特徴としては、画素28は、1画素につき1つの光電変換部PDと、1つの電荷排出部Mftと、2つの電荷転送部Mtx1,Mtx2と、2つの電荷蓄積部FD1,FD2と、2つの増幅部SF1,SF2と、2つの選択部Mb1,Mb2と、2つのリセット部Mr1,Mr2とを備えている。なお、図3においては、電荷転送部Mt1と、電荷蓄積部FD1と、リセット部Mr1と、増幅部SF1と、選択部Mb1とからなる、光電変換部PDの信号を出力する回路を画素内回路281としている。また、電荷転送部Mt2と、電荷蓄積部FD2と、リセット部Mr2と、増幅部SF2と、選択部Mb2とからなる、光電変換部PDの信号を出力する回路を画素内回路282としている。
【0028】
なお、請求項に係る第1の蓄積部は、例えば、電荷蓄積部FD1に対応する。また、請求項に係る第2の蓄積部は、例えば、電荷蓄積部FD2に対応する。また、請求項に係る第1の転送部は、例えば、電荷転送部Mtx1に対応する。また、請求項に係る第2の転送部は、例えば、電荷転送部Mtx2に対応する。また、請求項に係る第1のリセット部は、例えば、リセット部Mr1に対応する。また、請求項に係る第2のリセット部は、例えば、リセット部Mr2に対応する。また、請求項に係る第1の増幅部は、例えば、増幅部SF1に対応する。また、請求項に係る第2の増幅部は、例えば、増幅部SF2に対応する。また、請求項に係る第1の接続部は、例えば、選択部Mb1に対応する。また、請求項に係る第2の接続部は、例えば、選択部Mb2に対応する。
【0029】
次に、撮像部2の動作について説明する。撮像部2が備える撮像素子21は、グローバルシャッタ動作が可能である。以下、撮像素子21のグローバルシャッタ動作について説明する。
【0030】
図4は、リセット信号読み出し期間および光信号読み出し期間に、一行目の画素28からn行目の画素28まで順にリセット信号および光信号の読み出しを行った場合における、撮像素子21のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。本実施形態では、光電変換部PDが出力する光電荷を、電荷蓄積部FD1が蓄積する。
【0031】
図示するタイミングチャートの横軸は時間を示している。また、縦方向は、画素部24に配列された画素28を1行目からn行目(最終行)までを順次選択して、その画素の信号を出力する様子を示している。また、信号線TX1および信号線FTに印加される信号のタイミングについては、画素部24の全画素28の信号線TX1および信号線FTに同時に印加される信号のタイミングのみを示している。
【0032】
グローバルシャッタ動作による露光を行う前の、リセット信号読み出し期間(タイミングP1〜タイミングP2)においては、垂直制御回路26の制御により、水平走査回路27は電荷蓄積部FD1のリセット信号の読み出しを行う。この期間では、先ず、垂直制御回路26は、画素部24の第1行目に配列された各画素28のトランジスタMr1に、信号線RST1からリセットパルスを印加して、第1行目の電荷蓄積部FD1のリセットを行う。さらに、垂直制御回路26は、第1行目の各画素28の選択トランジスタMb1に信号線SEL1から選択パルスを印加して、電荷蓄積部FD1から垂直信号線ReadBus1にリセット信号を出力させる。このリセット信号は、列処理回路25と、水平走査回路27と、AD変換部22とを介してノイズ除去部23に読み出されて記憶される。このような動作を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)まで行うことで、リセット信号読み出し期間が終了する。
【0033】
次に、タイミングP2において、垂直制御回路26は、信号線FTを介して全画素28の電荷排出部Mftを同時にオンすることにより、全画素28の光電変換部PDを一括リセットし、その後、全画素28の電荷排出部Mftを同時にオフすることにより、光電変換部PDの露光(光電荷の蓄積)を開始する。露光を開始してから所定の露光期間が経過したタイミングP3において、垂直制御回路26は、信号線TX1を介して全画素28の電荷転送部Mtx1に転送パルスを同時に印加することにより、露光期間中に光電変換部PDに蓄積された光電荷を電荷蓄積部FD1に一括で転送する。つまり全画素28の露光が同時に終了する。
【0034】
その後、光信号読み出し期間(タイミングP3〜タイミングP4)に入り、垂直制御回路26は、第1行目の各画素28の選択トランジスタMb1に信号線SEL1から選択パルスを印加して、電荷蓄積部FD1から垂直信号線ReadBus1に、電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷を光信号として出力させる。この光信号は、列処理回路25と、水平走査回路27と、AD変換部22とを介してノイズ除去部23に読み出される。ノイズ除去部23では、読み出された電荷蓄積部FD1の光信号と、リセット信号読み出し期間に記憶された電荷蓄積部FD1のリセット信号との差分処理が行なわれ、ノイズが除去された光信号が静止画用データとして画像処理部3へ出力される。以上の動作を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)までの画素28に対して行うことで、光信号読み出し期間が終了し、1枚のグローバルシャッタ動作時の静止画用データが画像処理部3へ出力される。
【0035】
なお、静止画用データを取得する際には、光電変換部PDの光電荷を一括して電荷蓄積部FD1に転送した後、電荷蓄積部FD1に転送した光電荷をライン毎に順次走査して光信号として読み出すまでの間においても、撮像装置10に外光が入射することがある。そのため、電荷蓄積部FD1において外光による光ノイズ電荷が発生することがある。これにより、電荷蓄積部FD1には、光電変換部PDから転送された光電荷と、光ノイズ電荷とが蓄積される。従って、静止画用データには、光ノイズ電荷による光ノイズデータが含まれる。
【0036】
そこで、本実施形態では、電荷蓄積部FD1と同等の電荷蓄積部FD2を設け、電荷蓄積部FD2において発生した光ノイズ電荷による光ノイズデータを取得する。なお、取得した光ノイズデータを補正用データと呼ぶ。電荷蓄積部FD1と電荷蓄積部FD2とは同等であるため、同じ光が入射された場合には同じ光ノイズ電荷が発生する。そこで、電荷蓄積部FD1が蓄積した信号電荷と光ノイズ電荷とに基づいた静止画用データと、電荷蓄積部FD2が蓄積した光ノイズ電荷に基づいた補正用データとの差分データが、光ノイズデータを除去した補正済み静止画像データとなる。
【0037】
以下、補正用データの取得手順について説明する。本実施形態では、静止画用データを取得する際に、光ノイズを除去するためのデータである補正用データを取得する。図5は、電荷蓄積部FD1のリセット信号と、電荷蓄積部FD1が蓄積した光信号と、電荷蓄積部FD2のリセット信号と、電荷蓄積部FD2が蓄積した光ノイズ信号との読み出しを行った場合における、撮像素子21のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示すタイミングチャートである。本実施形態では、電荷蓄積部FD2が光ノイズ電荷を蓄積する。
【0038】
図示するタイミングチャートの横軸は時間を示している。また、縦方向は、画素部24に配列された画素28を1行目からn行目(最終行)までを順次選択して、その画素の信号を出力する様子を示している。なお、(1)電荷蓄積部FD1は、電荷蓄積部FD1が蓄積した信号を読み出すタイミングを示している。また、(2)電荷蓄積部FD2は、電荷蓄積部FD2が蓄積した電荷を読み出すタイミングを示している。また、信号線TX1および信号線FTに印加される信号のタイミングについては、画素部24の全画素28の信号線TX1および信号線FTに同時に印加される信号のタイミングのみを示している。なお、電荷蓄積部FD1が蓄積した信号を読み出すタイミングは、図4に示したタイミングと同様である。
【0039】
以下、補正用データの取得タイミングについて説明する。本実施形態では、画素内回路282を用いて補正用データを取得する。グローバルシャッタ動作による露光を行う前の、リセット信号読み出し期間(タイミングP1〜タイミングP2)においては、垂直制御回路26の制御により、水平走査回路27は電荷蓄積部FD2のリセット信号の読み出しを行う。この期間では、先ず、垂直制御回路26は、画素部24の第1行目に配列された各画素28のトランジスタMr2に、信号線RST2からリセットパルスを印加して、第1行目の電荷蓄積部FD2のリセットを行う。さらに、垂直制御回路26は、第1行目の各画素28の選択トランジスタMb2に信号線SEL2から選択パルスを印加して、電荷蓄積部FD2から垂直信号線ReadBus2にリセット信号を出力させる。このリセット信号は、列処理回路25と、水平走査回路27と、AD変換部22とを介してノイズ除去部23に読み出されて記憶される。このような動作を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)まで行うことで、リセット信号読み出し期間が終了する。
【0040】
静止画露光期間(タイミングP2〜タイミングP3)においては、電荷蓄積部FD2は、電荷蓄積部FD2の内部で発生した光ノイズの原因となる光ノイズ電荷を蓄積する。その後、光信号読み出し期間(タイミングP3〜タイミングP4)においては、垂直制御回路26は、第1行目の各画素28の選択トランジスタMb2に信号線SEL2から選択パルスを印加して、電荷蓄積部FD2から垂直信号線ReadBus2に光ノイズ信号を出力させる。この光ノイズ信号は、列処理回路25と、水平走査回路27と、AD変換部22とを介してノイズ除去部23に読み出される。ノイズ除去部23では、読み出された電荷蓄積部FD2の光ノイズ信号と、リセット信号読み出し期間に記憶された電荷蓄積部FD2のリセット信号との差分処理が行なわれ、ノイズが除去された光ノイズ信号が補正用データとして画像処理部3へ出力される。以上の動作を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)までの画素28に対して行うことで、静止画用データと同時に補正用データが画像処理部3へ出力される。
【0041】
上述したようにグローバルシャッタ動作を行うことで、画像処理部3には、静止画用データと補正用データとが入力される。画像処理部3の第1画像処理部3aは、入力された静止画用データと補正用データとの差分データを生成する。これにより、画像処理部3は、光ノイズを除去した補正済み静止画像データを生成することができる。また、第1画像処理部3aは、生成した補正済み静止画像データをメモリーカード5に記録する。
【0042】
ここで、電荷蓄積部FD1と電荷蓄積部FD2とが蓄積する電荷について詳細に説明する。撮像信号読み出し期間(タイミングP3〜タイミングP4)において、例えば移動する高輝度被写体などが存在する場合、光電変換部PDからの電荷漏れ込みと、電荷蓄積部FD1および電荷蓄積部FD2に直接入射した光により発生する電荷とにより、電荷蓄積部FD1と電荷蓄積部FD2に光ノイズ電荷が蓄積される。
【0043】
電荷蓄積部FD1には、静止画露光期間終了後のタイミングP3において、光電変換部PDが蓄積した光電荷が転送されるため、電荷蓄積部FD1が蓄積する電荷は、光電変換部PDから転送された光電荷と光ノイズ電荷である。一方、静止画露光期間終了のタイミングP3において、信号線TX2にはパルスを印加していないため、電荷蓄積部FD2には光電変換部PDから光電荷は転送されない。従って、電荷蓄積部FD2には、光電変換部PDが蓄積した光電荷は蓄積されず、光ノイズ電荷のみが蓄積される。
【0044】
これにより、電荷蓄積部FD1が蓄積した電荷に基づいた静止画用データと、電荷蓄積部FD2が蓄積した電荷に基づいた補正用データとの差分データが、光ノイズを除去した補正済み静止画像データとなる。
【0045】
なお、画素28内において、信号線TX1と電荷蓄積部FD1との組み合わせと、信号線TX2と電荷蓄積部FD2との組み合わせとの配置が、例えば図6に示すように、光電変換部PDの同じ辺かつ同じ距離に配置されていることが望ましい。図6は、本実施形態における、信号線TX1と電荷蓄積部FD1との組み合わせと、信号線TX2と電荷蓄積部FD2との組み合わせとの配置を示した概略図である。図示する例では、光電変換部PDの右側の辺に、信号線TX1と電荷蓄積部FD1との組み合わせと、信号線TX2と電荷蓄積部FD2との組み合わせとが配置されている。また、光電変換部PDの辺から、信号線TX1と電荷蓄積部FD1との組み合わせまでの距離と、信号線TX2と電荷蓄積部FD2との組み合わせまでの距離とが同一である。これにより、電荷蓄積部FD1と電荷蓄積部FD2とに蓄積される光ノイズ電荷がより同等となり、より精度良く光ノイズを除去することができる信号を取得することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における撮像装置10の構成は、第1の実施形態における撮像装置10の構成と同様である。本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、本実施形態では、画素28の電荷蓄積部FD1のリセット電荷と、電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷と、電荷蓄積部FD2のリセット電荷と、電荷蓄積部FD2が蓄積した光ノイズ電荷との読み出しをフィールド読み出しで行う点である。また、本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、静止画用データと補正用データとを取得する際に、ライブビューの表示に用いるライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得する点である。
【0047】
次に、撮像部2の動作について説明する。図7は、リセット信号読み出し期間および光信号読み出し期間に、フィールド毎に各信号の読み出しを行った場合における、撮像素子21のグローバルシャッタ動作のタイミングを示すタイミングチャートである。図示する例は、画素28を2つのフィールドに分けた場合の動作タイミングの例を示している。
【0048】
図8は、本実施形態において、画素28を2つのフィールドに分けた場合のフィールドの例を示した概略図である。図示する例では、画素部24に配列されている画素28のうち、1行目、3行目、5行目、・・・、(2m−1)行目の画素28からなる画素群を第1フィールド(f−A)とし、2行目、4行目、6行目、・・・、(2m)行目の画素28からなる画素群を第2フィールド(f−B)とした場合を示している(mは1以上の整数)。
【0049】
以下、図7の説明に戻る。図7に示した例は、第1の実施形態の図4に示した例と異なり、リセット信号読み出し期間と光信号読み出し期間において、それぞれ、第1フィールド(f−A)、第2フィールド(f−B)の順に、各フィールドに含まれる画素28からリセット信号および光信号の読み出しを行う例を示している。すなわち、第1の実施形態の図4に示した例と図7に示した例とでは、画素28からリセット信号および光信号を読み出す順番が異なるだけである。このように、グローバルシャッタ動作においては、画素部24に配列された画素28からリセット信号および光信号を読み出す順番は、必ずしも1行目から最終行まで順に読み出す必要はない。
【0050】
次に、撮像装置10の動作について説明をする。図9は、本実施形態において、静止画撮影中にライブビュー用の画像(動画)を取得する場合における、撮像素子21のグローバルシャッタ動作の動作タイミングを示したタイミングチャートである。図示するタイミングチャートにおいては、図7に示した例と同様に、画素28を第1フィールド(f−A)と第2フィールド(f−B)との2つのフィールドに分けて、第1フィールド(f−A)、第2フィールド(f−B)の順に、各フィールドに含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のリセット電荷と、電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷と、電荷蓄積部FD2のリセット電荷と、電荷蓄積部FD2が蓄積した光ノイズ電荷との読み出しを行う例を示している。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、光電変換部PDが出力する光電荷を電荷蓄積部FD1が蓄積し、電荷蓄積部FD2が光ノイズ電荷を蓄積する。
【0051】
まず静止画撮影が開始されると、期間1において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のライブビュー用リセット信号を取得するために、ローリングリセットを行う。任意の期間2が経過した後、期間3において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷を読み出すライブビュー用ビデオ信号の取得走査を行う。これにより、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28のライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得することができる。画像処理部3の第2画像処理部3bは、ライブビュー用ビデオ信号とライブビュー用リセット信号との差分信号であるライブビュー表示用信号を生成する。そして、第2画像処理部3bは、生成したライブビュー表示用信号に基づいたライブビュー画像を表示部4に表示させる。
【0052】
その後、期間4において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のリセット信号と電荷蓄積部FD2のリセット信号とを取得するために、ローリング走査を行う。これにより、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のリセット信号と電荷蓄積部FD2のリセット信号とを取得する。期間5〜期間8においては、期間1〜期間4と同様の処理を第2フィールド(f−B)に含まれる画素28に対して行う。これにより、期間1〜期間8において、2つのライブビュー表示用信号と、全画素28に含まれる電荷蓄積部FD1のリセット信号と電荷蓄積部FD2のリセット信号とを取得することができる。
【0053】
期間8の終了後、撮像装置10は、全ての画素28の信号線FTに一括してパルスを印加して光電変換部PDのリセットを行う。その後、露光期間である期間9が終了した後、撮像装置10は、全ての画素28の信号線TX1に一括してパルスを印加し、光電変換部PDから電荷蓄積部FD1に光電荷を転送させる。
【0054】
その後、期間10において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1の光信号と電荷蓄積部FD2の光ノイズ信号とを取得するために、ローリング走査を行う。これにより、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1の光信号と電荷蓄積部FD2の光ノイズ信号とを取得する。
【0055】
その後、期間11において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1のライブビュー用リセット信号を取得するために、ローリングリセットを行う。任意の期間12が経過した後、期間13において、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28の電荷蓄積部FD1が蓄積した光電荷を読み出すライブビュー用ビデオ信号の取得走査を行う。これにより、撮像装置10は、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28のライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得することができる。画像処理部3の第2画像処理部3bは、ライブビュー用ビデオ信号とライブビュー用リセット信号との差分信号であるライブビュー表示用信号を生成する。そして、第2画像処理部3bは、生成したライブビュー表示用信号に基づいたライブビュー画像を表示部4に表示させる。期間14〜期間17においては、期間10〜期間13と同様の処理を第2フィールド(f−B)に含まれる画素28に対して行う。これにより、期間10〜期間17において、2つのライブビュー表示用信号と、全画素28に含まれる電荷蓄積部FD1の光信号と電荷蓄積部FD2の光ノイズ信号とを取得することができる。
【0056】
図5に示した例では、静止画露光期間(タイミングP2〜タイミングP3)の直前および直後のリセット信号読み出し期間(タイミングP1〜タイミングP2)および光信号読み出し期間(タイミングP3〜タイミングP4)では、全画素28の静止画用データおよび補正用データを同時に取得しており、ライブビュー用リセット信号およびライブビュー用ビデオ信号を取得することができないため、ライブビュー画像が更新されない。これに対して、図9に示した例では、期間1〜期間4において、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28から、ライブビュー用リセット信号と、ライブビュー用ビデオ信号と、静止画用のリセット信号とを取得する。また、期間1〜期間4の後の期間である期間5〜期間8において、第2フィールド(f−B)に含まれる画素28から、ライブビュー用リセット信号と、ライブビュー用ビデオ信号と、静止画用のリセット信号とを取得する。そのため、静止画用のリセット信号を取得する際に、露光期間である期間9により近い期間5〜期間7において、ライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得することができる。
【0057】
また、期間10〜期間13において、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28から、ライブビュー用リセット信号と、ライブビュー用ビデオ信号と、静止画用の光信号および光ノイズ信号とを取得する。また、期間10〜期間13の後の期間である期間14〜期間17において、第2フィールド(f−B)に含まれる画素28から、ライブビュー用リセット信号と、ライブビュー用ビデオ信号と、静止画用の光信号および光ノイズ信号とを取得する。そのため、静止画用の光信号および光ノイズ信号を取得する際に、露光期間である期間9により近い期間11〜期間13において、ライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを取得することができる。
【0058】
従って、静止画撮影時に、ライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを複数回取得することができ、さらに、露光期間により近い期間においてもライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号とを複数回取得することができるため、ライブビュー画像が更新されない期間(ブラックアウト期間)を短くすることができる。
【0059】
また、本実施形態においても第1実施形態と同様に光ノイズを補正するための光ノイズ補正用データを得ることができ、
【0060】
なお、本実施形態では、第1フィールド(f−A)と第2フィールド(f−B)とに分割したフィールド読み出しの例を用いて説明したが、これに限らず、3つ以上のフィールドに分割してフィールド読み出しを行ってもよい。また、本実施形態では、第1フィールド(f−A)に含まれる画素28からライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号を取得したが、これに限らず、第2フィールド(f−B)に含まれる画素28からライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号を取得するようにしてもよい。第2フィールド(f−B)に含まれる画素28からライブビュー用リセット信号とライブビュー用ビデオ信号を取得する場合においても、静止画像撮影時にライブビュー画像が更新されない期間を短くすることができる。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1・・・レンズ、2・・・撮像部、3・・・画像処理部、3a・・・第1画像処理部、3b・・・第2画像処理部、4・・・表示部、5・・・メモリーカード、6・・・駆動制御部、7・・・レンズ制御部、8・・・カメラ制御部、9・・・カメラ操作部、10・・・撮像装置、21・・・撮像素子、22・・・AD変換部、23・・・ノイズ除去部、24・・・画素部、25・・・列処理回路、26・・・垂直制御回路、27・・・水平走査回路、28・・・画素、281,282・・・画素内回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を光電荷に変換し、該光電荷を蓄積する光電変換部と、
電荷を蓄積する第1の蓄積部と、
電荷を蓄積する第2の蓄積部と、
前記光電変換部が蓄積する前記光電荷を前記第1の蓄積部に転送する第1の転送部と、
前記光電変換部が蓄積する前記光電荷を前記第2の蓄積部に転送する第2の転送部と、
前記第1の蓄積部に蓄積された前記電荷をリセットする第1のリセット部と、
前記第1の蓄積部に蓄積された前記電荷を増幅して出力する第1の増幅部と、
前記第1の増幅部の出力を第1の出力信号線に伝達する第1の接続部と、
前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をリセットする第2のリセット部と、
前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷を増幅して出力する第2の増幅部と、
前記第2の増幅部の出力を第2の出力信号線に伝達する第2の接続部と、
を有する画素を複数備え、当該画素が行列状に2次元に配列された画素部と、
静止画を撮像する際には、前記画素部が備える全ての前記画素の前記光電変換部を一括露光させ、露光終了のタイミングで、前記画素部が備える全ての前記画素の前記第1の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部のみに一括転送させ、当該第1の蓄積部に蓄積された前記電荷を、前記第1の増幅部と、前記第1の接続部と、前記第1の出力信号線とを介して、光信号として読み出すとともに、前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷を、前記第2の増幅部と、前記第2の接続部と、前記第2の出力信号線とを介して、光ノイズ信号として読み出すように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御部はさらに、前記光電変換部を一括露光させる前に、前記第1のリセット部と前記第2のリセット部とを駆動させた後、前記第1の蓄積部のリセット信号と前記第2の蓄積部のリセット信号とを読み出し、
前記光信号と前記第1の蓄積部のリセット信号との差分である静止画用データと、前記光ノイズ信号と前記第2の蓄積部のリセット信号との差分である補正用データとを生成し、前記静止画用データと前記補正用データとの差分である補正済み静止画像データを生成する画像処理部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画素は、複数のフィールドのうちいずれかの前記フィールドに属しており、
前記制御部は、前記光信号と、前記光ノイズ信号と、前記第1の蓄積部のリセット信号と、前記第2の蓄積部のリセット信号とを、前記フィールドに属している前記画素の前記第1の蓄積部と前記第2の蓄積部から前記フィールド毎に読み出すように制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記フィールド毎に、前記第1の蓄積部のリセット信号と前記第2の蓄積部のリセット信号とを読み出す前の前記画素の前記光電変換部を露光させ、露光終了のタイミングで、当該画素の前記第1の転送部または前記第2の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部または前記第2の蓄積部のみに転送させ、当該第1の蓄積部または当該第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をライブビュー表示用の光信号として読み出し、さらに、前記フィールド毎に、前記光信号と前記光ノイズ信号とを読み出した後の前記画素の前記光電変換部を露光させ、露光終了のタイミングで、当該画素の前記第1の転送部または前記第2の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部または前記第2の蓄積部のみに転送させ、当該第1の蓄積部または当該第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をライブビュー表示用の光信号として読み出す
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項1】
入射光を光電荷に変換し、該光電荷を蓄積する光電変換部と、
電荷を蓄積する第1の蓄積部と、
電荷を蓄積する第2の蓄積部と、
前記光電変換部が蓄積する前記光電荷を前記第1の蓄積部に転送する第1の転送部と、
前記光電変換部が蓄積する前記光電荷を前記第2の蓄積部に転送する第2の転送部と、
前記第1の蓄積部に蓄積された前記電荷をリセットする第1のリセット部と、
前記第1の蓄積部に蓄積された前記電荷を増幅して出力する第1の増幅部と、
前記第1の増幅部の出力を第1の出力信号線に伝達する第1の接続部と、
前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をリセットする第2のリセット部と、
前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷を増幅して出力する第2の増幅部と、
前記第2の増幅部の出力を第2の出力信号線に伝達する第2の接続部と、
を有する画素を複数備え、当該画素が行列状に2次元に配列された画素部と、
静止画を撮像する際には、前記画素部が備える全ての前記画素の前記光電変換部を一括露光させ、露光終了のタイミングで、前記画素部が備える全ての前記画素の前記第1の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部のみに一括転送させ、当該第1の蓄積部に蓄積された前記電荷を、前記第1の増幅部と、前記第1の接続部と、前記第1の出力信号線とを介して、光信号として読み出すとともに、前記第2の蓄積部に蓄積された前記電荷を、前記第2の増幅部と、前記第2の接続部と、前記第2の出力信号線とを介して、光ノイズ信号として読み出すように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御部はさらに、前記光電変換部を一括露光させる前に、前記第1のリセット部と前記第2のリセット部とを駆動させた後、前記第1の蓄積部のリセット信号と前記第2の蓄積部のリセット信号とを読み出し、
前記光信号と前記第1の蓄積部のリセット信号との差分である静止画用データと、前記光ノイズ信号と前記第2の蓄積部のリセット信号との差分である補正用データとを生成し、前記静止画用データと前記補正用データとの差分である補正済み静止画像データを生成する画像処理部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画素は、複数のフィールドのうちいずれかの前記フィールドに属しており、
前記制御部は、前記光信号と、前記光ノイズ信号と、前記第1の蓄積部のリセット信号と、前記第2の蓄積部のリセット信号とを、前記フィールドに属している前記画素の前記第1の蓄積部と前記第2の蓄積部から前記フィールド毎に読み出すように制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記フィールド毎に、前記第1の蓄積部のリセット信号と前記第2の蓄積部のリセット信号とを読み出す前の前記画素の前記光電変換部を露光させ、露光終了のタイミングで、当該画素の前記第1の転送部または前記第2の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部または前記第2の蓄積部のみに転送させ、当該第1の蓄積部または当該第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をライブビュー表示用の光信号として読み出し、さらに、前記フィールド毎に、前記光信号と前記光ノイズ信号とを読み出した後の前記画素の前記光電変換部を露光させ、露光終了のタイミングで、当該画素の前記第1の転送部または前記第2の転送部を駆動させて前記光電変換部が蓄積した前記光電荷を前記第1の蓄積部または前記第2の蓄積部のみに転送させ、当該第1の蓄積部または当該第2の蓄積部に蓄積された前記電荷をライブビュー表示用の光信号として読み出す
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−134756(P2012−134756A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284860(P2010−284860)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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