説明

撮像装置

【課題】 良好な撮像状態を確保した上で素子ユニットの清掃性の向上を図る。
【解決手段】 撮像装置は、アクセサリーが着脱可能な筐体と、筐体の内部に配置され筐体の内部に入射する光を反射するミラーと、筐体の内部に配置されミラーにより反射された光を光電変換する撮像素子を有する素子ユニットと、素子ユニットに向かう光の一部を遮蔽する遮光板とを備え、遮光板が素子ユニットへ向かう光の一部を遮蔽する遮光位置と素子ユニットに対する所定の作業が行われるときに退避する退避位置との間で移動可能とされた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は撮像装置についての技術分野に関する。詳しくは、撮像素子を有する素子ユニットに向かう光の一部を遮蔽する遮光板を移動可能とすることにより、良好な撮像状態を確保した上で素子ユニットの清掃性の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
スチルカメラ等の撮像装置には、交換レンズが着脱可能な筐体と筐体の内部に撮像素子を有する素子ユニットとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。このような撮像装置においては、交換レンズを筐体から取り外したときに交換レンズの取付口が開放された状態になるため、塵埃が取付口から筐体の内部に入り込み素子ユニットの表面に付着し易い。塵埃が素子ユニットに付着すると、塵埃の影が撮像素子に写り込み画質が低下する。
【0003】
特許文献1に記載された撮像装置にあっては、素子ユニットの表面に空気を吹き付ける手段を用いて素子ユニットの表面上に付着した塵埃を除去している。
【0004】
また、撮像装置においては、結像に寄与しない光(有害光)が素子ユニットに入射されると画質の低下を来たすため、素子ユニットへ向かう有害光を遮蔽する遮光板を設けたものがある。
【0005】
このような遮光板が設けられた撮像装置においては、一般に、被写体の画像を生成する光(被写体光)の素子ユニットへの入射を妨げずに素子ユニットに向かう有害光を遮蔽するために、遮光板が素子ユニットの近傍に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−130081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、遮光板が設けられた撮像装置においては、素子ユニットの表面に付着した塵埃を清掃するときに、素子ユニットの近傍に配置された遮光板が障害物となって素子ユニットにおける遮光板の近傍の表面に空気を吹き付けることが困難になり、素子ユニットの表面からの塵埃の除去が不十分になるおそれがある。
【0008】
そこで、本技術撮像装置は、上記した問題点を克服し、良好な撮像状態を確保した上で素子ユニットの清掃性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1に、撮像装置は、上記した課題を解決するために、アクセサリーが着脱可能な筐体と、前記筐体の内部に配置され前記筐体の内部に入射する光を反射するミラーと、前記筐体の内部に配置され前記ミラーにより反射された光を光電変換する撮像素子を有する素子ユニットと、前記素子ユニットに向かう光の一部を遮蔽する遮光板とを備え、前記遮光板が前記素子ユニットへ向かう光の一部を遮蔽する遮光位置と前記素子ユニットに対する所定の作業が行われるときに退避する退避位置との間で移動可能とされたものである。
【0010】
従って、撮像装置にあっては、遮光板が撮影時に遮光位置に位置されて素子ユニットへ向かう光の一部を遮蔽し、所定の作業時に退避位置に位置される。
【0011】
第2に、上記した撮像装置においては、前記遮光板が前記遮光位置と前記退避位置の間で回動可能とされることが望ましい。
【0012】
遮光板が遮光位置と退避位置の間で回動可能とされることにより、遮光板の移動スペースが小さくされる。
【0013】
第3に、上記した撮像装置においては、前記退避位置が前記遮光位置より被写体側に位置されることが望ましい。
【0014】
退避位置が遮光位置より被写体側に位置されることにより、退避位置が遮光位置より素子ユニットから離れた位置とされる。
【0015】
第4に、上記した撮像装置においては、前記遮光板を移動方向における少なくとも一方へ付勢する付勢バネを設けることが望ましい。
【0016】
遮光板を移動方向における少なくとも一方へ付勢する付勢バネを設けることにより、遮光板が付勢バネにより移動方向へ付勢される。
【0017】
第5に、上記した撮像装置においては、前記遮光板が前記遮光位置側へ付勢されることが望ましい。
【0018】
遮光板が遮光位置側へ付勢されることにより、遮光板が、外力が付与されない状態において遮光位置に位置される。
【0019】
第6に、上記した撮像装置においては、前記遮光板を前記退避位置側へ付勢する付勢バネを設け、前記アクセサリーに、前記アクセサリーが前記筐体に取り付けられたときに前記遮光板に接触して前記遮光板を前記遮光位置に移動させる接触突部を設けることが望ましい。
【0020】
遮光板を退避位置側へ付勢する付勢バネを設け、アクセサリーに、アクセサリーが筐体に取り付けられたときに遮光板に接触して遮光板を遮光位置に移動させる接触突部を設けることにより、アクセサリーが筐体に取り付けられたときに遮光板が遮光位置まで移動される。
【0021】
第7に、上記した撮像装置においては、前記遮光板が前記遮光位置において光軸に対して直交する方向を向くようにされることが望ましい。
【0022】
遮光板が遮光位置において光軸に対して直交する方向を向くようにされることにより、遮光板による素子ユニットへ向かう光の遮蔽量が大きくなる。
【0023】
第8に、上記した撮像装置においては、前記ミラーが前記筐体の内部に入射する光を反射及び透過する半透過型のミラーであり、前記筐体の内部に配置され前記ミラーを透過した光を光電変換する撮像センサを有する撮像ユニットを設けることが望ましい。
【0024】
ミラーが筐体の内部に入射する光を反射及び透過する半透過型のミラーであり、筐体の内部に配置されミラーを透過した光を光電変換する撮像センサを有する撮像ユニットを設けることにより、複数の異なる種類のデータの生成が可能とされる。
【0025】
第9に、上記した撮像装置においては、前記撮像素子と前記撮像センサを直交する向きで配置することが望ましい。
【0026】
撮像素子と撮像センサを直交する向きで配置することにより、撮像素子に対する光の入射方向と撮像センサに対する光の入射方向とが互いに直交する方向とされる。
【発明の効果】
【0027】
本技術撮像装置は、遮光板が撮影時に遮光位置に位置されて素子ユニットへ向かう光の一部を遮蔽し、所定の作業時に退避位置に位置されて作業に対する干渉が回避されるので、良好な撮像状態を確保した上で素子ユニットへの所定の作業における作業性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本技術撮像装置を実施するため最良の形態を添付図面を参照して説明する。
【0029】
以下に示した最良の形態は、本技術撮像装置をレンズ交換式のスチルカメラに適用したものである。
【0030】
なお、本技術の適用範囲はレンズ交換式のスチルカメラに限られることはない。本技術は、例えば、レンズ交換式のビデオカメラ等の各種の撮像装置に広く適用することができる。
【0031】
以下の説明にあっては、撮像装置(スチルカメラ)の撮影時において撮影者から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、被写体側が前方となり、撮影者側が後方となる。
【0032】
なお、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0033】
<第1の実施の形態>
以下に、第1の実施の形態に係る撮像装置及びこれに着脱される交換レンズについて説明する(図1乃至図5参照)。
【0034】
[撮像装置の構成]
撮像装置1は筐体2の内外に所要の各部が配置されて成る(図1参照)。筐体2の外面には各種の操作部3、3、・・・が配置されている。操作部3、3、・・・としては、例えば、電源釦、シャッター、ズームスイッチ、モード切替摘子等が設けられている。
【0035】
撮像装置1の背面には図示しない液晶パネル等の表示パネルが設けられている。
【0036】
筐体2の前面には開口2aが形成され、開口2aの周囲の部分が交換レンズ100を取り付けるための取付部2bとして設けられている。
【0037】
交換レンズ100は、撮像装置1に取り付けられるアクセサリーとして設けられ、鏡筒101の内部に撮像レンズ102を含むレンズ群が配置されている。鏡筒101の後端部には筐体2の取付部2bに取り付けられる被取付部103が設けられ、被取付部103はリング状に形成されている。鏡筒101には変倍用のズームリング104が回転自在に支持されている。ズームリング104を回転することにより内部に配置されたレンズ群が光軸方向へ移動されてズーミングが行われる。
【0038】
筐体2の内部には撮像部10が配置されている。
【0039】
撮像部10は、図2に示すように、取付部2bの後側に取り付けられたミラーボックス11と、ミラーボックス11の内部に配置されたミラーユニット12と、ミラーユニット12の後側に配置された撮像ユニット13と、ミラーユニット12の上側に配置された素子ユニット14と、素子ユニット14における前側の近傍に配置された遮光板15とを備えている。
【0040】
ミラーボックス11は前後に長い略角筒状に形成された配置部16と、配置部16の前端部から外方へ張り出された前フランジ部17と、配置部16の後端部から外方へ張り出された後フランジ部18とから成る。配置部16の上面部には上下に貫通された挿入孔16aが形成されている。配置部16の上面部における前端部の内側には、その左右方向における一端部に下方へ突出されたストッパー16bが設けられている。前フランジ部17の外周部には前方へ突出された突条部17aが設けられ、突条部17aは取付部2bの外周部に取り付けられている。後フランジ部18には後方へ開口された配置凹部18aが形成されている。
【0041】
ミラーユニット12は、ミラー19とミラー19を配置部16の内部において保持する保持部20とを有している。ミラー19は前後方向に延びる光軸Pに対して45度の角度で傾斜した状態で配置されている。ミラー19は開口2aから筐体2の内部に入射された光を反射及び透過する半透過型のミラーである。従って、筐体2の内部に入射された光は、一部がミラー19を透過されて撮像ユニット13に入射され、残りの部分がミラー19によって上方へ向けて反射され素子ユニット14に入射される。
【0042】
撮像ユニット13は前側から後側へ順に配置されたシャッタ21、枠部材22、ローパスフィルター23、スペーサー24、光学部材25、枠体26、撮像センサ27及び基板28を備えている。
【0043】
撮像ユニット13はシャッタ21がミラーボックス11の後フランジ部18に形成された配置凹部18aに配置され枠部材22が後フランジ部18の後面に接触された状態でミラーボックス11に取り付けられている。前フランジ部17の後端部には上側開口縁に図示しないバネ支持部が設けられている。
【0044】
ローパスフィルター23は、例えば、赤外線吸収ガラスである。
【0045】
スペーサー24は枠状に形成されている。
【0046】
光学部材25はスペーサー24の開口及び枠体26の開口を覆うように配置されている。
【0047】
撮像センサ27は光学像を電気的信号に変換する機能を有し、撮像センサ27としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等が用いられている。撮像センサ27の光電変換による電気的信号により静止画像等の画像データが生成される。
【0048】
基板28の後面には複数の電子部品28a、28a、・・・が搭載されている。
【0049】
素子ユニット14は下側から上側へ順に配置されたローパスフィルター29、スペーサー30、光学部材31、枠体32、撮像素子33及び基板34を備えている。
【0050】
素子ユニット14はローパスフィルター29が配置部16の挿入孔16aに挿入されて配置された状態で配置部16に取り付けられている。
【0051】
ローパスフィルター29は、例えば、赤外線吸収ガラスである。
【0052】
スペーサー30は枠状に形成されている。
【0053】
光学部材31はスペーサー30の開口及び枠体32の開口を覆うように配置されている。
【0054】
撮像素子33は光学像を電気的信号に変換する機能を有し、撮像素子33としては、例えば、CCDやCMOS等が用いられている。撮像素子33の光学像から変換された電気的信号により画像データが生成されてライブビュー画像等が表示パネルに表示される。また、撮像素子33の電気的信号により撮像時のフォーカス調整を自動的に行うための位相差を検出するデータが生成され、位相差を検出するデータに基づいてフォーカスの調整精度が判別される。
【0055】
撮像素子33は撮像ユニット13の撮像センサ27に対して直交する向きで配置されている。従って、撮像ユニット13及び撮像素子33の適切な配置により良好な光学性能を保持した上で小型化を図ることができる。
【0056】
基板34の上面には複数の電子部品34a、34a、・・・が搭載されている。
【0057】
遮光板15は、図3に示すように、略前後方向を向く横長の板状に形成された遮光部35と、遮光部35の右端部から右方へ延びる軸部36と、遮光部35の左端部から左方へ延び軸部36と同軸上にある軸部37と、軸部37の中央部から軸部37の延びる方向に対して直交する方向へ突出されたバネ係止部38とが一体に形成されて成る。遮光板15はミラーボックス11に軸部36、37を支点として回動自在に支持され、配置部16の前端部の内側における挿入孔16aの近傍に位置されている。遮光板15は素子ユニット14に向かう光の一部を遮蔽する機能を有している。
【0058】
遮光部35は一方の面が素子ユニット14に向かう光の一部を遮蔽する遮光面35aとして形成され、他方の面が回動時に力が作用される被作用面35bとして形成されている。
【0059】
軸部37の右端部は他の部分より径が大きい大径部37aとして設けられている。
【0060】
バネ係止部38には係止凹部38aが形成されている。
【0061】
遮光板15には付勢バネ39が支持されている。付勢バネ39は、例えば、捩りコイルバネであり、コイル部39aと第1の腕部39bと第2の腕部39cから成る。
【0062】
付勢バネ39は、コイル部39aが軸部37の大径部37a以外の部分に支持され、第1の腕部39bがミラーボックス11の前フランジ部17に設けられたバネ支持部に係合され、第2の腕部39cがバネ係止部38の係止凹部38aに係合されている。付勢バネ39はコイル部39aの右端が大径部37aに接触し、付勢バネ39の遮光部35との接触が防止されている。
【0063】
遮光板15は遮光面35aが略前方を向く遮光位置(図2及び図3参照)と遮光面35aが略上方を向き素子ユニット14の清掃作業をするときの退避位置(図4及び図5参照)との間でそれぞれ回動可能とされている。
【0064】
上記のように構成された撮像装置1においては、遮光板15が付勢バネ39により退避位置から遮光位置に向かう方向へ付勢されている。
【0065】
また、上記のように構成された撮像装置1においては、遮光板15は外力が付与されていない状態において付勢バネ39の付勢力によって配置部16のストッパー16bに押し付けられて遮光位置に保持されている。
【0066】
[素子ユニットの清掃作業]
以下に、上記のように構成された撮像装置1における素子ユニット14に付着した塵埃を除去する清掃作業について説明する(図2乃至図5参照)。
【0067】
先ず、交換レンズ100が撮像装置1の筐体2から取り外される。このとき、撮像装置1は筐体2の開口2aが開放された状態とされ、遮光板15は遮光位置に位置されている(図2及び図3参照)。
【0068】
次に、袋状の図示しない空気収容部を圧縮することにより空気を送出するブロワー200のノズル部200aが開口2aから筐体2の内部に挿入される。このとき、ブロワー200のノズル部200aが遮光板15の被作用面35bに押し当てられる(図4参照)。
【0069】
ノズル部200aが遮光板15の被作用面35bに押し当てられることにより遮光板15が付勢バネ39の付勢力に反して遮光位置から退避位置へ向けて回動される(図5参照)。なお、ノズル部200aを被作用面35bに押し当てたときに遮光板15の回動量が小さい場合には、手動により遮光板15を退避位置まで回動させるようにしてもよい。遮光板15が退避位置まで回動されると、ノズル部200aの先端が素子ユニット14のローパスフィルター23における前端部の近傍に位置される。
【0070】
次いで、ブロワー200の空気収容部が圧縮されてローパスフィルター23に空気が吹き付けられる。
【0071】
上記のように、ノズル部200aがローパスフィルター23における前端部の近傍に位置された状態でローパスフィルター23に対する清掃作業が行われるので、ローパスフィルター23の前端から後端に至る表面全体に空気が吹き付けられ、ローパスフィルター23の表面に付着した塵埃が十分に除去される。
【0072】
次に、ブロワー200のノズル部200aが筐体2から引き抜かれる。
【0073】
ノズル部200aが筐体2から引き抜かれると、付勢バネ39の付勢力によって遮光板15が遮光位置まで回動される。
【0074】
上記のように、撮像装置1にあっては、付勢バネ39の付勢力によって遮光板15が遮光位置側へ付勢されているので、素子ユニット14の清掃時以外において遮光板15を確実に遮光位置に位置させることができる。また、交換レンズ100が筐体2に取り付けられた状態において遮光板15が遮光位置に位置されるので、撮影時には常に素子ユニット14に向かう光の一部が遮蔽され良好な撮像状態を確保することができる。
【0075】
<第2の実施の形態>
以下に、第2の実施の形態に係る撮像装置及びこれに着脱される交換レンズについて説明する(図6乃至図10参照)。
【0076】
なお、以下に示す第2の実施の形態に係る撮像装置及びこれに着脱される交換レンズは、上記した撮像装置1及び交換レンズ100と比較して、遮光板に対する付勢バネによる付勢方向が逆向きであること及び交換レンズの被取付部の形状が異なることのみが相違する。従って、第2の実施の形態に係る撮像装置及びこれに着脱される交換レンズについては、撮像装置1及び交換レンズ100と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については撮像装置1及び交換レンズ100における同様の部分に付した符号を付して説明は省略する。
【0077】
[撮像装置の構成]
交換レンズ100Aの鏡筒101Aの後端部には、図6に示すように、被取付部103Aが設けられ、被取付部103Aには外周部における一部から後方へ突出された接触突部105が設けられている。接触突部105は周方向における一端から他端へ行くに従って後方へ変位する傾斜部105aと傾斜部105aの他端に連続され後方への突出量が同じである押さえ部105bとから成る。
【0078】
撮像装置1Aの撮像部10Aはミラーボックス11とミラーユニット12と撮像ユニット13と素子ユニット14と素子ユニット14における前側の近傍に配置された遮光板15Aとを備えている。
【0079】
遮光板15Aは遮光部35と軸部36と軸部37と軸部37の中央部から軸部37の延びる方向に対して直交する方向へ突出されたバネ係止部38Aとが一体に形成されて成る(図7参照)。
【0080】
上記のように構成された撮像装置1Aにおいては、遮光板15Aが付勢バネ39により遮光位置から退避位置に向かう方向へ付勢されている。
【0081】
[交換レンズの撮像装置への取付時における遮光板の状態]
以下に、上記のように構成された撮像装置1Aにおいて交換レンズの撮像装置への取付時における遮光板15Aの状態について説明する。
【0082】
交換レンズ100Aが撮像装置1Aから取り外されて素子ユニット14に対する清掃作業が行われる状態においては、遮光板15Aは付勢バネ39の付勢力によってミラーボックス11の前端部における上端部の内面に押し付けられて退避位置に保持されている(図6参照)。従って、清掃作業においてブロワー200のノズル部200aに遮光板15Aが干渉することがないので、ローパスフィルター23の表面全体に空気が吹き付けられ、ローパスフィルター23の表面に付着した塵埃が十分に除去される。
【0083】
素子ユニット14の清掃が完了すると、交換レンズ100Aが撮像装置1Aに取り付けられる。交換レンズ100Aの撮像装置1Aへの取付は交換レンズ100Aの被取付部103Aを筐体2の取付部2bの内側に挿入し交換レンズ100Aを筐体2に対して回転して被取付部103Aを取付部2bに係合することにより行われ、このとき、遮光板15Aが以下のようにして回動される。
【0084】
遮光板15Aが退避位置に保持された状態において、交換レンズ100Aの被取付部103Aが筐体2の取付部2bの内側に挿入されると、接触突部105が遮光板15Aの上側に位置される(図8参照)。
【0085】
交換レンズ100Aが接触突部105の押さえ部105bが下方へ移動される方向へ回転されていくと、接触突部105の傾斜部105aが遮光板15Aの遮光面35aの先端部に摺動され、遮光板15Aが付勢バネ39の付勢力に反して退避位置から遮光位置へ向けて回動されていく(図9参照)。
【0086】
さらに交換レンズ100Aが回転されて撮像装置1Aに取り付けられると、同時に、接触突部105の押さえ部105bが遮光面35aに接し、遮光板15Aは遮光位置まで回動され押さえ部105bによって押さえられた状態で遮光位置に保持される(図10参照)。
【0087】
上記したように、撮像装置1Aにあっては、交換レンズ100Aが筐体2に取り付けられるときに交換レンズ100Aの接触突部105が遮光板15Aに接触されて遮光板15Aが遮光位置まで回動される。
【0088】
従って、交換レンズ100Aの撮像装置1Aへの取付作業に伴って遮光板15Aが遮光位置まで回動されるので、特別な操作を行うことなく遮光板15Aを遮光位置に回動させることができる。
【0089】
また、交換レンズ100Aが撮像装置1Aから取り外された状態において遮光板15Aが付勢バネ39により退避位置まで回動されるので、ブロワー200のノズル部200aにより遮光板15Aを回動させる必要がなく容易に清掃作業を行うことができる。
【0090】
なお、上記には、撮像装置1において、遮光板15の退避位置が遮光位置より被写体側に位置された例を示したが、図11に示すように、退避位置が遮光位置より撮影者側に位置される遮光板15Bを有する撮像装置1Bを構成することも可能である。この場合には、遮光板15Bは退避位置において遮光面35aが略下方を向き、後端が素子ユニット14より前方に位置される。
【0091】
撮像装置1Bにおいては、遮光板15Bは外力が付与されていない状態において付勢バネ39の付勢力によってミラーボックス11Bの配置部16Bの前端部に設けられたストッパー16cに押し付けられて遮光位置に保持される。また、撮像装置1Bにおいては、ブロワー200のノズル部200aが遮光板15Bの遮光面35aに押し当てられることにより遮光板15Bが遮光位置から退避位置まで回動され、ノズル部200aがローパスフィルター23における前端部の近傍に位置された状態で清掃作業が行われる。
【0092】
また、上記には、撮像装置1、1A、1Bにおいて、遮光板15、15A、15Bが回動される例を示したが、遮光板は回動される構成に限られることはない。遮光板は素子ユニット14に向かう光の一部を遮蔽する遮光位置と素子ユニット14の清掃作業が行われるときに退避する退避位置との間で移動されればよく、遮光板は遮光位置と退避位置との間で、例えば、上下方向又は前後方向へ移動されるようにしてもよい。
【0093】
さらに、上記には、被取付部103、103Aが取付部2bに結合されて交換レンズ100、100Aが撮像装置1、1A、1Bに取り付けられる例を示したが、交換レンズ100、100Aは被取付部103、103Aと取付部2bの大きさの相違を調整するアダプター等のアクセサリーを介して筐体2に取り付けられてもよい。
【0094】
[まとめ]
以上に記載した通り、撮像装置1、1A、1Bにあっては、遮光板15、15A、15Bが素子ユニット14へ向かう光の一部を遮蔽する遮光位置と素子ユニット14に対する清掃作業が行われるときに退避する退避位置との間で移動可能とされている。
【0095】
従って、遮光板15、15A、15Bが撮影時に遮光位置に位置されて素子ユニット14へ向かう光の一部を遮蔽し、清掃時に退避位置に位置されてブロワー200との干渉が回避されるので、良好な撮像状態を確保した上で素子ユニット14の清掃性の向上を図ることができる。
【0096】
また、上記したように、遮光板15、15A、15Bが遮光位置と退避位置の間で回動可能とされている。
【0097】
従って、遮光板15、15A、15Bの移動スペースを小さくすることができ、小型化を図った上で清掃性の向上を図ることができる。
【0098】
さらに、上記したように、遮光板15、15A、15Bを移動方向における少なくとも一方へ付勢する付勢バネ39を設けている。
【0099】
従って、遮光板15、15A、15Bが移動方向へ付勢されるので、遮光板15、15A、15Bを容易に遮光位置又は退避位置へ移動させることができる。
【0100】
さらにまた、上記したように、撮像装置1、1Aにあっては、退避位置が遮光位置より被写体側に位置されている。
【0101】
従って、遮光板15、15Aを素子ユニット14に近付けて配置することができ、撮像装置1、1Aの小型化を図ることができる。
【0102】
また、上記したように、撮像装置1、1A、1Bにあっては、遮光板15、15A、15Bが遮光位置において光軸に対して直交する方向を向くようにされている。
【0103】
従って、遮光板15、15A、15Bにより良好な遮光状態が得られるので、一層良好な撮像状態を確保することができる。
【0104】
加えて、上記したように、撮像装置1、1A、1Bにあっては、ミラー19が半透過型のミラーであり、ミラー19を透過した光が入射される撮像センサ27を有する撮像ユニット13とミラー19により反射された光が入射される撮像素子33を有する素子ユニット14とが設けられている。
【0105】
従って、撮像センサ27及び撮像素子33の電気的信号により複数の異なる種類のデータの生成が可能であるので、機能性の向上を図ることができる。
【0106】
[本技術]
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0107】
(1)アクセサリーが着脱可能な筐体と、前記筐体の内部に配置され前記筐体の内部に入射する光を反射するミラーと、前記筐体の内部に配置され前記ミラーにより反射された光を光電変換する撮像素子を有する素子ユニットと、前記素子ユニットに向かう光の一部を遮蔽する遮光板とを備え、前記遮光板が前記素子ユニットへ向かう光の一部を遮蔽する遮光位置と前記素子ユニットに対する所定の作業が行われるときに退避する退避位置との間で移動可能とされた撮像装置。
【0108】
(2)前記遮光板が前記遮光位置と前記退避位置の間で回動可能とされた前記(1)に記載の撮像装置。
【0109】
(3)前記退避位置が前記遮光位置より被写体側に位置される前記(1)又は前記(2)に記載の撮像装置。
【0110】
(4)前記遮光板を移動方向における少なくとも一方へ付勢する付勢バネを設けた前記(1)から前記(3)の何れかに記載の撮像装置。
【0111】
(5)前記遮光板が前記遮光位置側へ付勢された前記(4)に記載の撮像装置。
【0112】
(6)前記遮光板を前記退避位置側へ付勢する付勢バネを設け、前記アクセサリーに、前記アクセサリーが前記筐体に取り付けられたときに前記遮光板に接触して前記遮光板を前記遮光位置に移動させる接触突部を設けた前記(1)から前記(3)の何れかに記載の撮像装置。
【0113】
(7)前記遮光板が前記遮光位置において光軸に対して直交する方向を向くようにされた前記(1)から前記(6)の何れかに記載の撮像装置。
【0114】
(8)前記ミラーが前記筐体の内部に入射する光を反射及び透過する半透過型のミラーであり、前記筐体の内部に配置され前記ミラーを透過した光を光電変換する撮像センサを有する撮像ユニットを設けた前記(1)から前記(7)の何れかに記載の撮像装置。
【0115】
(9)前記撮像素子と前記撮像センサを直交する向きで配置した前記(8)に記載の撮像装置。
【0116】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】図2乃至図5と共に第1の実施の形態を示すものであり、本図は、撮像装置及び交換レンズの概略斜視図である。
【図2】撮像部の拡大断面図である。
【図3】遮光位置における遮光板を示す拡大斜視図である。
【図4】素子ユニットの清掃時におけるブロワーの一部と遮光板の状態を示す拡大断面図である。
【図5】退避位置における遮光板を示す拡大斜視図である。
【図6】図7乃至図10と共に第2の実施の形態を示すものであり、本図は、撮像装置及び交換レンズの概略斜視図である。
【図7】退避位置における遮光板を示す拡大斜視図である。
【図8】図9及び図10と共に交換レンズの撮像装置への取付時における遮光板の状態を示すものであり、本図は、交換レンズの撮像装置への取付開始時における状態を示す概略側面図である。
【図9】交換レンズの撮像装置への取付動作中における状態を示す概略側面図である。
【図10】交換レンズの撮像装置への取付完了時における状態を示す概略側面図である。
【図11】変形例に係る撮像装置を示す概略拡大断面図である。
【符号の説明】
【0118】
1…撮像装置、2…筐体、13…撮像ユニット、14…素子ユニット、15…遮光板、19…ミラー、27…撮像センサ、33…撮像素子、39…付勢バネ、100…交換レンズ(アクセサリー)、1A…撮像装置、15A…遮光板、100A…交換レンズ(アクセサリー)、105…接触突部、1B…撮像装置、15B…遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセサリーが着脱可能な筐体と、
前記筐体の内部に配置され前記筐体の内部に入射する光を反射するミラーと、
前記筐体の内部に配置され前記ミラーにより反射された光を光電変換する撮像素子を有する素子ユニットと、
前記素子ユニットに向かう光の一部を遮蔽する遮光板とを備え、
前記遮光板が前記素子ユニットへ向かう光の一部を遮蔽する遮光位置と前記素子ユニットに対する所定の作業が行われるときに退避する退避位置との間で移動可能とされた
撮像装置。
【請求項2】
前記遮光板が前記遮光位置と前記退避位置の間で回動可能とされた
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記退避位置が前記遮光位置より被写体側に位置される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記遮光板を移動方向における少なくとも一方へ付勢する付勢バネを設けた
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記遮光板が前記遮光位置側へ付勢された
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記遮光板を前記退避位置側へ付勢する付勢バネを設け、
前記アクセサリーに、前記アクセサリーが前記筐体に取り付けられたときに前記遮光板に接触して前記遮光板を前記遮光位置に移動させる接触突部を設けた
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記遮光板が前記遮光位置において光軸に対して直交する方向を向くようにされた
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記ミラーが前記筐体の内部に入射する光を反射及び透過する半透過型のミラーであり、
前記筐体の内部に配置され前記ミラーを透過した光を光電変換する撮像センサを有する撮像ユニットを設けた
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮像素子と前記撮像センサを直交する向きで配置した
請求項8に記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−83691(P2013−83691A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221689(P2011−221689)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】