説明

改良された装置

本発明は、ドロップ・ハンマを動かすためドロップ・ハンマに配置された少なくとも2つの突起と係合するように適合された並進ドッグを含む、ドロップ・ハンマ用の駆動機構に関する。ドロップ・ハンマは、並進ドッグを動かす駆動システムを含み、並進ドッグは、ドロップ・ハンマを第1の方向に並進させるためにドロップ・ハンマに配置された第1の突起と係合する。並進ドッグが第1の突起をリリースすると、並進ドッグは、前記第1の方向とは反対の第2の方法にドロップ・ハンマを並進させるためにドロップ・ハンマに配置された別の駆動突起と係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改良された装置に関する。
【0002】
詳細には本発明は、物質を破砕しまたはもろくするために使用される装置の改良に関する。
【背景技術】
【0003】
建設または解体業界において、撤去または別の建設のために、コンクリート、岩、固い地面、アスファルトまたは不要な構造物を破砕するのに、油圧ハンマを使用することは、よくあることである。
【0004】
破砕される物質の多くはコンクリートまたはアスファルトからなる。これらの物質は非常にさまざまな特性を有し、したがってこれらを破砕するためにはさまざまなタイプの機械または工具ビットが必要となる。コンクリートは非常に砕けやすい物質であり、したがってインパクション(impaction)によって粉々に砕くことができる。アスファルトは、インパクションによって加えられた多くのエネルギーを吸収する傾向がある延性または「塑性」物質である。したがって、アスファルトまたは同種の物質は割る必要がある。薄いブレードはアスファルトを効果的にスライスし、穿孔しまたは割り、したがって、ハンマで打つよりもむしろ切断によって解体を完了させることができる。
【0005】
北米の多くの道路のようにコンクリートの上にアスファルトが敷かれている場合、仕事を完了させるために、アスファルトの厚さに応じて、2タイプのハンマ構成が必要となる。したがってこの2重層は、1つの仕事に対して2種類以上の解体機械が必要となることを意味し、これによって解体コストが2倍になり、アスファルト破砕機が始動しコンクリートを露出させる間に、コンクリート破砕機のダウン時間(down time)が生じる。
【0006】
さらに、例えば中央ヨーロッパにおいて永久凍土によって凍った地面も、より延性のまたは塑性の性質を有する。先の鈍いハンマが加える力は、地面によってしばしば吸収され、その結果、穴があくだけで割れが生じないか、またはその下の泥炭の弾力によって地面がはね戻るだけである。この物質を割るためにはより薄いブレード端が必要となる。この場合もやはり、追加の機械が必要となるか、または冬の数カ月、事業が遅延する。さらに、気候条件が寒いほど、熱衝撃およびその結果としての割れにつながるハンマ内の温度勾配のために機械が損傷する可能性は大きくなる。
【0007】
永久凍土で凍った地面を現行の技術で破砕することは事実上不可能であることがわかっており、そのため、建設工事は暖かい数カ月に限定され、場合によってはこの期間が10週から12週でしかないこともある。
【0008】
建設期間を延ばすことは、たとえそれが暖かい数カ月の前または後の2、3週であっても利点であろう。
【0009】
解体ハンマ装置の一型である一般的なドロップ・ハンマは、持ち上げて次いでリリースする重いプラグ(plug)またはコラム(column)からなる。重力がプラグまたはコラムを地面に向かって推進し、地面との衝突のタイプは、地面と接触するプラグまたはコラムの面の形状によって決まる。
【0010】
単一の機械が、さまざまな条件およびさまざまなタイプの物質で動作することができるように、ドロップ・ハンマの下における割れの性質を容易に変更することができると有利である。しかし、割れの性質を変更できる能力は、通常の耐久性およびその事業に必要な全体強度と組み合わせられなければならない。変更することができるが、実現するために高度の保守または長いダウン時間を必要とするシステムを生み出すことは限界であろう。
【0011】
この明細書に引用される特許または特許出願を含む全ての参照文献は参照によって本明細書に組み込まれる。あらゆる参照文献が従来技術を構成するとは認めない。参照文献の議論は、それらの執筆者が主張することを述べたものであり、本出願の出願者は、引用された文献の正確さおよび妥当性に疑問を呈する権利を留保する。本明細書では従来技術のいくつかの文献を参照するが、この参照は、これらの文献が、ニュージーランドまたは他の国における当技術分野の共通の一般知識の一部を構成することを認めたものではないことをはっきりと理解されたい。
【0012】
用語「含む」は、さまざまな法域で、排他的な意味または包括的な意味を有すると考えられることが認められる。本明細書の目的上、特に明記しない限り、用語「含む」は包括的な意味を有する。すなわちこの用語は、この用語が直接に言及する記載の構成要素だけでなく、明示されていない他の構成要素または要素も含むことを意味する。方法またはプロセスの1つまたは複数のステップに関して用語「含まれる」または「含んでいる」が使用されるときにも、この理屈が使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上記の問題に対処し、または少なくとも有用な選択肢を社会に提供することにある。
【0014】
本発明の他の態様および利点は、単に例として示した以下の説明から明白となろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様によれば、
ドロップ・ハンマを動かすために前記ドロップ・ハンマに備えられた少なくとも2つの突起と係合するように適合された並進ドッグ(translation dog)と、
前記並進ドッグに関連づけられ、並進ドッグを動かすように適合された駆動システムと
を含むドロップ・ハンマ用の駆動機構であって、
前記並進ドッグは、ドロップ・ハンマを第1の方向に並進させるために前記ドロップ・ハンマに備えられた持上げ突起と係合するように適合されており、かつ前記第1の方向とは反対の第2の方向にドロップ・ハンマを並進させるために前記ドロップ・ハンマに備えられた別の駆動突起と係合するように適合されている
ことを特徴とする駆動機構が提供される。
【0016】
本発明の他の態様によれば、
ドロップ・ハンマを第1の方向に並進させるために並進ドッグと係合するように適合された少なくとも1つの持上げ突起と、
ドロップ・ハンマを前記第1の方向とは反対の第2の方向に並進させるために並進ドッグと係合するように適合された少なくとも1つの駆動突起と
を含むドロップ・ハンマが提供される。
【0017】
いくつかの実施形態では、ハンマのピーク垂直位置までハンマを持ち上げるための手段が、サイド・チェーンと並進ドッグの配置による。このチェーンは、ハンマのそばに配置された2つのスプロケットのまわりを回転する。このチェーンは、ハンマの側部に配置された突起と係合する並進ドッグを有する。チェーンを回転させると、並進ドッグの上昇とともにハンマに取り付けられた突起が上昇するので、ハンマは持ち上がる。ハンマがその最大垂直上昇高に達すると、並進ドッグはチェーン・スプロケットのまわりを回転し、ハンマはリリースされる。
【0018】
他の好ましい実施形態では、並進ドッグがスプロケットのまわりを回転しハンマが落下し始めた後、チェーンの回転によって、並進ドッグが、ハンマの方向を逆にするために存在するハンマのもう一方の側の突起と出合い、それと係合する。したがって並進ドッグは下向きの力をハンマに与え、短い距離の間、チェーンの回転速度によってハンマの加速度を増大させる。ハンマが十分な速度を得ると、重力がハンマの降下速度を増大させ、並進ドッグはもはや突起と係合することができなくなる。
【0019】
好ましい実施形態では、駆動システムが、少なくとも2つのスプロケット、少なくとも1つのエンドレス・チェーンおよび少なくとも1つの並進ドッグを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、このハンマを、垂直軸から最大120度離れた角度のチェーン/並進ドッグ・ドライブダウン(drive down)配置を使用して操作することができる。この場合、ハンマのダウンストロークはアップストロークとなり、重力の効果は負の効果となる。したがって、このハンマ/並進ドッグ・ドライブダウン・システムはドライブアップ(drive−up)システムとなり、ハンマが機能するために必須のシステムである。
【0021】
本明細書全体を通じて、実質的に垂直な位置でドロップ・ハンマ装置を操作するときには、用語「第1の方向」をハンマの上向きの動きに関連づけることができる。しかし、ドロップ・ハンマ装置を水平よりも高い角度で操作する場合にはこの第1の動きが実質的に下向きの動きになるので、この用語を限定するための用語と理解してはならない。ただし、この用語の全体的な意図は同じであると解釈しなければならない。
【0022】
さらに、用語「第2の方向」をハンマの下向きの動き、すなわち第1の動きの方向と反対の方向の動きに関連づけることができるが、この場合もやはり上と同じように、この用語を限定するための用語と理解してはならない。
【0023】
本明細書全体を通じて、用語「チェーン」または「駆動システム」にも言及するが、これらの用語は単に例として挙げたものであり、並進ドッグを動かすための手段を、ラム・ドライブの動きとともに並進ドッグが上下にピボット運動するラム・ドライブによって構成することもできるので、これらの用語を限定するための用語と理解してはならない。
【0024】
さらに、用語「チェーン」は単に例として挙げたものであり、スプロケットのまわりで並進ドッグを動かす目的にはベルト・ドライブを使用することもできるので、この用語を限定するための用語と理解してはならない。
【0025】
好ましい実施形態では持上げ突起が、ハンマに取り付けられ、並進ドッグと係合するように形成され、並進ドッグがこの持上げ突起を通りすぎるときに並進ドッグが係合するように配置された突起である。並進ドッグは持上げ突起と係合または当接し、ハンマを持ち上げる。並進ドッグが第1のスプロケットを越えて向こう側へ回転すると、持上げ突起がリリースされ、ハンマはリリースされて落下する。
【0026】
さらに、持上げ突起は取外し可能とすることができ、したがって摩耗したら取り替えることができることを理解されたい。
【0027】
他の好ましい実施形態では、駆動突起が、ハンマの持上げ突起の側とは逆側の、ハンマの下向きストロークで並進ドッグが駆動突起を通りすぎるときに並進ドッグが係合するような位置に取り付けられた突起である。並進ドッグは駆動突起と係合または当接し、所望の方向、通常は下向きにハンマを駆動する。ハンマの降下速度がチェーンの回転速度を上回ったときに駆動突起はリリースされる。
【0028】
いくつかの実施形態では、ドロップ・ハンマ装置を水平よりも高い角度で操作しているとき、並進ドッグは、並進ドッグが第2のスプロケットのまわりを回転するまで駆動突起と係合し続けることができる。
【0029】
さらに、駆動突起は取外し可能とすることができ、したがって摩耗したら取り替えることができることを理解されたい。
【0030】
好ましい実施形態では、駆動システムに関連づけられた2つのスプロケットがある。本明細書全体を通じて、これらのスプロケットはしばしば第1および第2のスプロケットと呼ばれる。しかし、これらの用語は動作中のハンマの位置に関するものであり、用語第1のスプロケットは、実質的に垂直な位置で操作されているときにドロップ・ハンマ装置の上端にあるスプロケットを指すことを理解されたい。このことは用語「第2のスプロケット」にも同様に当てはまるが、限定のためのものと理解してはならない。
【0031】
並進ドッグはチェーンに固定することができ、チェーンはスプロケットのまわりを高速で回転することができる。したがって、並進ドッグが動いているときに並進ドッグは持上げ突起と係合することができる。持上げ突起はハンマに取り付けることができ、そのため、並進ドッグが移動している方向にハンマは動かされ、ハンマが水平よりも低い位置で操作されているときにはハンマは上昇する。
【0032】
並進ドッグが上部スプロケットに達し、上部スプロケットを越えて向こう側へ回転されると、持上げ突起はリリースされる。重力によってハンマの移動が止まるまでハンマは移動し続け、次いでハンマは方向を変化させる。
【0033】
ハンマのダウンストロークで並進ドッグが駆動突起と係合した瞬間、チェーンの速度、したがってスプロケットを越えて進む並進ドッグの移動速度に応じて、ハンマは上向きまたは下向きに動いており、あるいは静止していることを理解されたい。
【0034】
いくつかの実施形態では、チェーンの回転速度が、ハンマがその最大高さ(重力による下向きの力がハンマの上向きの動きに等しく向きが反対になる高さ)に達するのに要する時間よりも遅い場合、並進ドッグは、ハンマがすでにその下向きの移動を始めているときに駆動突起と係合する。
【0035】
したがって、並進ドッグが駆動突起と係合すると、チェーン、突起と係合する並進ドッグの表面および突起自体に、ある応力および摩耗が生じることを理解されたい。さらに、並進ドッグが駆動突起と係合するとノック(たたくこと:knock)またはジョルト(衝撃:jolt)が顕著になる可能性がある。
【0036】
他の実施形態では、チェーンの回転速度が、(水平よりも低い位置で操作されたときに)ハンマがその最大高さに達するのに要する時間よりも速い場合、ハンマがまだ上向きに動いている間に並進ドッグは突起と再び係合する。
【0037】
したがって、ハンマの上向きの移動は、第1のスプロケットを越えて回転した後に並進ドッグが駆動突起と係合することによって妨げられることを理解されたい。ハンマの上向きの移動のこのような妨害は、チェーン、並進ドッグおよび突起に過度の応力を生じさせ、ドロップ・ハンマ装置の劣化を増大させる。
【0038】
好ましい実施形態では、ハンマがそのピーク移動に達し、落下し始める前に瞬間的に静止するまでに要する時間の長さに、並進ドッグが取り付けられたチェーンの回転速度をマッチさせることができる。次いでハンマが下向きの運動量を持ち始めたときに、並進ドッグは駆動突起と係合し、運動中の駆動突起に対する並進ドッグの係合はなめらかであり、並進ドッグ、チェーンおよび駆動突起の摩耗量を最小にする。
【0039】
垂直位置での使用以外でもハンマの方向に関係なく、同じ状況が起こることを理解されたい。したがって、本明細書ではハンマがその最大高さに達すると記述することがあるが、この用語は限定するためのものでないことを当業者は理解されたい。水平付近または水平よりも高い位置でドロップ・ハンマ装置が操作されるとき、ハンマは破砕する物質からの最大距離に達する。
【0040】
したがって、下向きストロークで並進ドッグが係合する突起を置く位置に関して理想的な位置を識別することができる。チェーンを約2.5メートル/秒の一定の高い速度で動作させた場合、ハンマはリリースされ、上昇速度によって与えられる運動量によってハンマはさらに約300mm上方へその移動を続けようとするだろう。ハンマが上向きの移動を止める前に、並進ドッグは、第1のスプロケットの頂部を越え、下方ヘ進みかけており、したがって、ハンマがまだ上方ヘ移動している間に並進ドッグはハンマの突起と係合し、場合によっては、ハンマは、上方への300mmの移動のうちの100mmしか進むことができない。
【0041】
ハンマがまだ上方ヘ移動している間のこのような係合は高いレベルの衝突を引き起こし、ドロップ・ハンマ装置を潜在的に傷つける。
【0042】
したがって、第1のスプロケットのまわりをドッグが移動するのに要する並進時間を約70ミリ秒から120ミリ秒に増大させることができるように、スプロケットの速度を少しの間遅くすることができる。チェーンの回転速度を遅くすることには、並進ドッグが突起と係合する前にハンマがその上方への動きを完了し、ゼロ運動点に達することができるという利点がある。
【0043】
しかし、その回転速度を少しの間低下させることによるスプロケットの緩速化は単に例として挙げただけであり、これを限定するためのものと理解してはならないことを理解されたい。並進ドッグの位置をハンマの移動にマッチさせる他の手段を利用することもでき、このような手段は当業者には理解されるであろう。
【0044】
本発明の他の態様によれば、先に記載した駆動機構の動作速度を調整する方法であって、
a)前記駆動機構を備えた並進ドッグの位置を決定するステップと、
b)駆動されたドロップ・ハンマに関連づけられた持上げ突起から並進ドッグが外されたときに駆動システムの移動速度を変化させるステップと
を特徴とする方法が提供される。
【0045】
好ましい実施形態では、駆動システムが加圧作動油(加圧された液状流体)によって駆動される。
【0046】
他の好ましい実施形態では、駆動システムを駆動するのに使用される作動油(液状流体)の流量を変化させることによって駆動システムの速度を変更する。
【0047】
スプロケット・ドライブへの作動油(液状流体)の流量を調整することによって、スプロケットは少しの間、回転を休止しまたは回転速度を遅くし、チェーンに速度の変化を与え、それによってチェーンの速度をハンマの上昇および落下にマッチさせることができることを理解されたい。このチェーン速度の変化は、ハンマの移動を並進ドッグのドライブダウン(押し下げ)にマッチさせる能力を提供する。したがって、ハンマを可能な最も高い地点から押し下げることができ、したがって、ハンマが水平線よりも低い位置で使用されるときにハンマの残りのダウンストロークに対して、重力から最大の利益を得ることができる。
【0048】
これは1つの利点であり、ハンマをより高速で動作させる場合、並進ドッグの下向きの動きのマッチングを、速度に関係なしにハンマの瞬時ゼロ運動点にマッチさせることができ、ドロップ・ハンマ装置を最適に操作することができる。
【0049】
さらに、並進ドッグの下向きの動きのタイミングをハンマのこの瞬間に最適化することによって、同じ重量のハンマを使用し、1分あたりの打撃(blow)数を同じにしたときに、最高100%のパワー増を達成することができる。
【0050】
あるいは、1分あたりの打撃率を100%増大させ、ハンマの重量を半分にした場合、ドライブダウン・チェーン、並進ドッグおよび突起の組合せを利用しないハンマと同じパワーを達成することができる。
【0051】
さらに、ドロップ・ハンマ装置を水平よりも低い角度でまたは実質的に水平で操作すると、ドライブダウン・チェーン、並進ドッグおよび突起の組合せを利用しない標準ハンマ装置のパワーが全くない場合に比べて、40%のパワー増を達成することができる。
【0052】
他の実施形態では、ストロークの頂点でハンマの動きを阻止するばねを、ドロップ・ハンマ装置の中で利用することもできる。このばねは、ドロップ・ハンマ装置がさまざまな角度またはさまざまな潤滑段階で動作しているときに、ハンマの下向きストロークでの並進ドッグと突起の間の接触の瞬間をより信頼性の高いものとすることができる。
【0053】
最適に動作させるためには定期的にハンマにグリースを塗る必要がある。グリースが減少すると、ハンマが達成することができる1分あたりの打撃数が摩擦によって低下する。新たにグリースが塗られたハンマは、上向きストロークで並進ドッグからリリースされたときに、乾いたハンマよりも高くまで移動し、そのため、並進ドッグからリリースされた後にハンマが減速するのに要する時間に一貫性のなさが導入される。
【0054】
好ましい実施形態では、ハンマの最大高さよりも上方の領域へのばねの導入が、ハンマが並進ドッグからリリースされた後にハンマの上向きの運動を阻止するのを助け、ドロップ・ハンマ装置のグリースのレベルに関係なく動作の一貫性を提供する。
【0055】
他の実施形態では、垂直から大きく離れた角度でハンマが操作されているとき、特に新たにグリースが塗られた状態で操作されているときに、並進ドッグがハンマをリリースした後にハンマの動きを阻止する重力がほとんどない。したがって、ハンマは、ドロップ・ハンマ・ケーシングの上端を潜在的に傷つける十分な力を有し、最悪のシナリオではドロップ・ハンマ・ケーシングの上端に潜在的に穴をあける。先に述べたようにドロップ・ハンマ装置にばねを導入することによって、ハンマの動きを阻止することができ、したがってドロップ・ハンマ・ケーシングの上端の損傷を防ぐことができる。
【0056】
したがって、チェーン、並進ドッグおよび突起とばねの組合せは、ドロップ・ハンマ装置を高い角度、例えば垂直よりも高い角度で利用することを可能にする。これは、従来技術に優る明瞭な利点であり、建築物全体などを1台の機械によって破砕することを可能にする。
【0057】
他の実施形態では、ハンマ・ハウジングは、ハンマがハウジングから出る点の近くに配置され、かつ、クッションで支えられたいくつかの柱または支柱を有することができる。このクッションは、側部ハンマ・ハウジングの突起の衝突を小さくし、ハンマ自体の寿命を潜在的に延ばす。クッションは時間がたってすり減ったときに取り替えることができる。
【0058】
ハンマは、破砕する物質または地面から適当な高さのところに配置され、そのため、地面が大部分の衝突力を受け取り、突起またはクッションは受け取らないことを理解されたい。したがって、クッションはすり減るが、任意のクッション・システムで、わずかなダウン時間で容易に取り外し、取り替えられるように設計されるだろう。
【0059】
さまざまな状況に適用可能なドロップ・ハンマ装置の能力も利点であり、本明細書に記載されたドロップ・ハンマ装置は、衝突の振動をエキスカベータ(破砕機:excavator)に返さず、したがってオペレータに返さない。張力手段(tensioned means)によって接続されない限り、ハンマはハウジングに物理的に接続されないので、ハンマの衝突はハウジングに振動を与えない。したがって、オペレータは高レベルの振動にさらされず、したがって作業は長期にわたってより耐えることができるものとなる。さらに、オペレータは、異なるタイプの物質が現れ、それを破砕する必要があり、新しい機械が必要なときの中断を歓迎しない。その代わりに、オペレータの快適性は高く、大きな振動によるエキスカベータの損傷は存在しない。
【0060】
ドライブダウン手段を含むドロップ・ハンマ装置の他の利点は、衝突の圧力を実質的に増大させることができ、同じ機械がその作業負荷を増大させることを可能にする点である。さらに、ハンマの重量を半分にした場合、同じ衝突圧を維持しながら衝突速度を増大させることができる。これはさらに従来技術の改良を提供し、単一の機械が、仕事能力またはドロップ・ハンマ装置による衝突に適用可能な物質のタイプを増大させることを可能にする。
【0061】
さらに、ドライブダウン手段を追加することは、実質的に垂直の位置から離れた角度でドロップ・ハンマを操作できることである。ドロップ・ハンマは、垂直から最大120度離れた角度で使用することもでき、このことは、このハンマが、ドロップ・ハンマとしてでなく駆動ハンマとして動作しており、1台の機械が、ドロップ・ハンマ装置とジャック・ハンマなどの両方の仕事を実行することができることを意味する。
【0062】
本発明の他の利点は、駆動システムがチェーンの回転速度を変化させて、並進ドッグが理想的な位置すなわち「スイート・スポット」で駆動突起と係合するようにすることができることである。ドロップ・ハンマ装置の摩耗は最小化され、動作のなめらかさは最大になり、オペレータは十分に集中してより長い時間作業することができる。
【0063】
さらに、ハンマのグリーシングの変動によってもたらされるハンマ速度の違いは、ばねを含めることによって最小化される。動作の変動も最小化され、それによって摩耗およびドロップ・ハンマ装置の応答性の変動も低減し、装置のより一貫した動作が可能になる。
【0064】
本発明の他の態様によれば、少なくとも2つの末端状態を有する被推進ロッドが提供される。このロッドは、必要なときにこれらの末端状態の位置を逆にすることができることを特徴とする。
【0065】
本発明の他の態様によれば、少なくとも2つの末端状態を有するように形成されたハンマを含むドロップ・ハンマ・アセンブリが提供される。このアセンブリは、必要なときにこれらの末端状態の位置を逆にすることができることを特徴とする。
【0066】
本発明に基づく用語「被推進ロッド」は、衝突を与えるために物質に向かって推進される細長いシャフトを意味すると理解されなければならない。
【0067】
このようなシャフトの推進は、重力によって、または加速手段によって、またはこの2つの組合せによって提供することができる。
【0068】
好ましい実施形態では、被推進ロッドが、リリースされる前に実質的に垂直の方向に持ち上げることができる円筒形または多面プロポーションの細長いシャフトである。
【0069】
いくつかの実施形態では、シャフトの下の地面に力を与えるために必要な推進を提供するのに重力が使用される。
【0070】
他の実施形態では、被推進ロッドが垂直から離れた方向でも機能することができ、それによって地面よりも高い位置にある物質を破砕することができる。加速手段を導入することによって、重力に大幅に依存して破砕する地面または物質に向かってシャフトを推進することなしにこのアセンブリが機能することを可能にする。
【0071】
好ましい実施形態では、シャフトが、ドロップ・ハンマ・アセンブリまたは装置で使用するためのハンマであり、参照を容易にするために、このシャフトを以後ハンマと呼ぶ。ただしこれを限定するためと理解してはならない。ハンマはハンマ・ハウジングの中に収容され、その内部での作用は、ハンマを持ち上げ、リリースして、ハンマよりも低い地面に力を与えることを可能にする。
【0072】
被推進ロッドが破砕したい物質に直接に衝突し、中間工具に衝突しないことは本発明の利点であることを理解されたい。このことは、システムが全体として単純であり、時のたつにつれて摩耗し故障する可動部品が少ないことを意味する。それぞれの面を強化し、または摩耗した後に増強することができ、ハンマ自体を取り替えることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、ハンマ・ハウジングとハンマの上端の間に接続手段が提供される。
【0074】
好ましい実施形態では、接続手段が弾性変形を受けることができ、それによって張力がかかった状態に保持されているときに位置エネルギーを蓄積することができる。ハンマがその垂直運動のピークにあるとき、接続手段は張力がかかる位置まで伸ばされている。ハンマがリリースされると、張力の形で接続手段に蓄積された位置エネルギーが解放され、ハンマは、重力だけによって提供されるエネルギーよりも大きなエネルギーで地面に向かって加速される。
【0075】
米国特許第4844661号には、逆転する電磁石を利用してハンマに上昇と斥力の両方を提供するドロップ・ハンマが記載されている。この電磁石は、その運動半径の最上部までドロップ・ハンマを持ち上げるように組み込まれている。次いで電磁石が逆にされ、重力と逆にされた電磁石の斥力とが組み合わさって、地面に向かってドロップ・ハンマを加速し、ドロップ・ハンマが地面をたたく力を増大させる。
【0076】
しかし、このようなシステムの限界は、ハンマによって破砕される地面または物質のタイプがハンマの形状によって決まり、これを容易に変更することができないことである。装置が延性物質でうまく機能するように構成されているときに、砕けやすい物質でうまくいくようにするためには、新しいハンマをはめ込むために相当な量のダウン時間が必要となろう。
【0077】
米国特許第5248001号には、ハンマが落下する前の最大垂直高さにあるときに完全に圧縮される、ドロップ・ハンマ・ハウジングの中の1つまたは複数のばねを利用するドロップ・ハンマが記載されている。ばねが伸びると、ハンマは地面に向かって加速され、ハンマの面がその下の領域をたたく力を増大させる。
【0078】
このシステムの欠点も、ハンマによって破砕される物質のタイプがハンマの端部の形状によって決められ、これを容易に変更できないことである。したがって、このハンマは、砕けやすい物質、延性物質などの1つのタイプの物質を破砕するためだけに使用することができ、他の物質に対する現場では第2の機械が必要となろう。
【0079】
本発明に基づく用語「状態」は、被推進ロッドのそれぞれの端部の表面すなわち面の形状を意味すると理解されなければならない。この形状は、実質的に平坦な面、ブレード、凸形または凹形のカップあるいは点を含むことができるが、これらは単に例として挙げたにすぎない。参照を容易にするため、本明細書全体を通じて、用語「面」は、被推進ロッドのそれぞれの端部の状態を指すために使用される。しかし、ブレードまたは点は通常、面とは呼ばれないが、用語「面」が使用されるときにはこれらの形状も含まれることが意図されるので、この用語を限定のためのものと理解してはならない。
【0080】
好ましい実施形態では、少なくとも2つの端面を有するハンマであって、これらの端面が異なる輪郭を有することを特徴とするものとなっている。
【0081】
他の好ましい実施形態では、ハンマがそれぞれの端に1つずつ、合わせて2つの面を有し、ハンマの下の衝突領域を大きくして、砕けやすい物質のより大きな領域をもろくしまたは破砕することができるようにするために、ハンマの一方の端面が実質的に平坦な幅の広い面となっている。
【0082】
他の好ましい実施形態では、ハンマの他端の端面がブレードの形態であり、したがって延性または塑性物質を破砕することができる。
【0083】
ハンマの先端または端部を、他のタイプの物質または解体作業に適するように別の方法で構成することもできることを理解されたい。先端を例えば、ブレードの代わりにスパイクまたは鋭い先端の形状にすることができる。ただしこれらは例として挙げたにすぎず、これらを限定のためのものと理解してはならない。
【0084】
さまざまなタイプの物質を処理するように構成されたドロップ・ハンマが存在するが、これらは、多くのタイプの物質を同じ機械ピースによって破砕することができ、これを達成するために機械仕事またはダウン時間をあまり必要としない単一のドロップ・ハンマ装置ではないようである。
【0085】
いくつかのドロップ・ハンマ装置は、先端または面を新しくするため、または幅の広い衝突面と狭い衝突面とを交替するためにハンマの端部の衝突面を取り外すことができることが理解されるが、その領域のナットまたはボルトにかかる応力および歪みの量は莫大であろう。高衝撃荷重による破損によってボルトなどが剪断される可能性は大幅に増大する。デッドラインの圧力、または、資源を修理するための限定されたアクセスがあるときに、このことは不利である。
【0086】
交換可能な先端において他の固有の問題は、新しい先端が、その台座(seat)および引張りボルトに正確に取り付けられる(このボルトはそうするために適当なツールを有している)ことを保証するためにある程度の専門知識が必要なことである。新しい先端と台座とのミスアラインメントは、先端の急速な損傷ならびに先端および台座取付けの全ての精度の損失に帰着する。
【0087】
本発明に関して、物質の性質がハンマ面の輪郭を決定することを理解されたい。したがって、いくつかのタイプの物質での仕事に対して機械が必要な場合、ハンマを取り出し、異なる面を有する新しいハンマ全体をハウジングに入れることができるので、2つ以上の2端ハンマを供給することができることが予想される。
【0088】
ハンマの平坦端とブレード端の両方の面および先端を物質で強化し、または摩耗のために再建(rebuilt)することもできる。
【0089】
ハンマは、ハンマ・ハウジングの中でハンマをそのピーク垂直位置まで持ち上げることを可能にするある突起を有することを理解されたい。ハンマの方向を逆にし、それによってハンマの他端を露出させるために、これらの突起はもう一方の側でもマッチさせる必要があるだろう。
【0090】
好ましい実施形態では、これらの追加の突起が、同じ面の最初の突起の左または右に配置されるだろう。
【0091】
しかし、ハンマ・ハウジングの形状および逆転時にブレードをハウジングに再び挿入する方法に応じて、突起はもう一方の面上に配置することができることを理解されたい。
【0092】
ハンマが張力ケーブルに接続されている場合には、ケーブルを外し、ハンマの方向を変えた後で再び接続する必要があり、したがってこのことは、接続手段をハンマのもう一方の側にマッチさせる必要があることを意味する。
【0093】
さらに、ハンマはさまざまな端部輪郭を有するので、ハンマを持ち上げるための手段は、ハンマの端部ではなくハンマの側部に配置される必要があることを理解されたい。
【0094】
本発明の他の態様によれば、ハンマの方向を逆にする方法が提供される。この方法は、ハンマを引き出し、逆にし、その動作位置に再び挿入することができることを特徴とする。
【0095】
本発明の他の態様によれば、少なくとも2つの端面を有するハンマの方向をハンマ・ハウジングの中で逆にする方法が提供される。この方法は、ハンマをハンマ・ハウジングから引き出し、端面の位置を逆にし、ハンマをその動作位置に再び挿入することができることを特徴とする。
【0096】
本発明の1つの利点は、ハンマ・ハウジングからハンマを取り出し、ハンマの方向を逆にし、それをハウジングに再び挿入することができることが、1人で実施できる単純なことであることである。
【0097】
容易に逆にすることができる2つの異なる面を有するドロップ・ハンマ装置を有する利点は、さまざまなタイプの物質を破砕する必要がある現場で同じ装置ピースを使用できることである。これによって、砕けやすいコンクリートと延性のアスファルトなどの両方を破砕する必要がある仕事のコストが低減する。それはさらに、オペレータが、急に、両方のタイプの衝撃を容易にスイッチすることを可能にする。
【0098】
本発明の他の態様は、単に例示のために添付図面を参照して示す以下の説明から明白となろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0099】
図1を参照すると、その全体が矢印3によって指示された油圧(液圧)掘削機(hydraulic excavator)に取り付けられたハンマ・ハウジング(2)の中に収容されたドロップ・ハンマ(1)が示されている。
【0100】
図2を参照すると、その全体が矢印4によって指示されたドロップ・ハンマ装置の拡大図が示されている。ドロップ・ハンマ装置(4)は、鈍端(5)および鋭端(6)を有するハンマ(1)と、突起(7)と、2つの歯車(cog)(10aおよびb)を有する回転チェーン(9)の形態である持上げ機構(その全体が矢印8によって指示されている)と、油圧(液圧)起動手段(11)と、ハンマ・ハウジング(2)とからなる。
【0101】
図3を参照すると、回転チェーン(9)と、チェーン(9)がそのまわりを回転する2つの端部スプロケット(10aおよびb)と、ハンマ(1)の突起(7)と係合する並進ドッグ(12)とを有するハンマ(1)の側面図が示されている。
【0102】
図3にはさらに、ハンマ(1)がその最も低い垂直位置にあるときにハンマ(1)をそれに載置することができるクッション手段(13)が示されている。
【0103】
ドロップ・ハンマ(1)が動作しているときには、並進ドッグ(12)を有する回転チェーン(8)が回転する。
【0104】
並進ドッグ(12)は、ハンマの側部に、回転チェーン(9)に対して垂直に位置する突起(7)と係合する。
【0105】
チェーン(9)が回転すると、並進ドッグ(12)が上昇し、突起(7)を持ち上げ、突起(7)がハンマ(1)を持ち上げる。
【0106】
第1のスプロケット(10a)の高さまで突起(7)が上昇すると、並進ドッグ(12)は第1のスプロケット(10a)の頂部を越えて向こう側ヘ回転し、突起(7)をリリースし、ハンマを落下させる。
【0107】
ハンマ(1)がその落下を完了すると、回転チェーン(9)に配置された並進ドッグ(12)が突起(7)と係合し、この垂直持上げを繰り返す。
【0108】
図3にはさらに、ハンマ(1)がその最も低い垂直位置にあるときにハンマ(1)をそれに載置することができるクッション手段(13)が示されている。ハンマ(1)が使用されていない場合、突起(7)はクッション手段(13)に対して載置され、そのため、ハンマ・ハウジングにぶつけたり、または回転チェーンなどを傷つけたりすることなくハンマを移動または運搬することができる。
【0109】
ドロップ・ハンマ(1)の上端の直ぐ下に取り付けることができる張力手段は図示されていない。ハンマ(1)がその垂直上限まで上昇すると、張力手段が引っ張られる。並進ドッグ(12)が回転され、突起(7)がリリースされると、ハンマ(1)は下方ヘに引っ張られ、張力手段のリリースによって地面に向かってハンマ(1)は加速される。
【0110】
本発明の諸態様を単なる例として記載した。これらの範囲から逸脱することなくこれらに変更および追加を実施することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の好ましい一実施形態の概略図である。
【図2】持上げ手段を有するドロップ・ハンマの側面を示す本発明の好ましい一実施形態の概略図である。
【図3】クッション手段および回転チェーンを示すドロップ・ハンマの側面の拡大概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドロップ・ハンマを動かすために前記ドロップ・ハンマに備えられた少なくとも2つの突起と係合するように適合された並進ドッグと、
前記並進ドッグに関連づけられ、前記並進ドッグを動かすように適合された駆動システムと
を含む前記ドロップ・ハンマ用の駆動機構であって、
前記並進ドッグは、前記ドロップ・ハンマを第1の方向に並進させるために前記ドロップ・ハンマに備えられた持上げ突起と係合するように適合されており、かつ前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記ドロップ・ハンマを並進させるために前記ドロップ・ハンマに備えられた別の駆動突起と係合するように適合されている
ことを特徴とする駆動機構。
【請求項2】
前記駆動システムはエンドレス・チェーンおよび少なくとも2つのスプロケットを含む、請求項1に記載の駆動機構。
【請求項3】
少なくとも1つの前記スプロケットは第1のスプロケットである、請求項2に記載の駆動機構。
【請求項4】
少なくとも1つの前記スプロケットは第2のスプロケットである、請求項2または請求項3に記載の駆動機構。
【請求項5】
前記エンドレス・チェーンは前記第1および第2のスプロケットのまわりを回転する、請求項2から4のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項6】
前記エンドレス・チェーンに少なくとも1つの並進ドッグが取り付けられている、前記請求項のいずれかに記載の駆動機構。
【請求項7】
前記駆動システムは前記ドロップ・ハンマと平行に配置されている、前記請求項のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項8】
前記駆動システムは前記ドロップ・ハンマと垂直に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項9】
前記ドロップ・ハンマに備えられた前記持上げ突起は、前記並進ドッグが前記第1の方向に動くと前記並進ドッグと係合するように配置されている、前記請求項のいずれかに記載の駆動機構。
【請求項10】
前記ドロップ・ハンマに備えられた前記駆動突起は、前記並進ドッグが前記第2の方向に動くと前記並進ドッグと係合するように配置されている、前記請求項のいずれかに記載の駆動機構。
【請求項11】
前記ドロップ・ハンマが水平よりも低い角度で操作されるとき、前記第1の方向は上向きである、前記請求項のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項12】
前記ドロップ・ハンマが水平よりも低い角度で操作されるとき、前記第2の方向は下向きである、前記請求項のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項13】
前記ドロップ・ハンマが水平よりも高い角度で操作されるとき、前記第1の方向は下向きである、前記請求項のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項14】
前記ドロップ・ハンマが水平よりも高い角度で操作されるとき、前記第2の方向は上向きである、前記請求項のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項15】
前記並進ドッグが前記第1のスプロケットを越えて向こう側ヘ回転すると、前記並進ドッグは前記持上げ突起をリリースする、前記請求項のいずれかに記載の駆動機構。
【請求項16】
前記突起は取替え可能である、請求項16に記載の駆動機構。
【請求項17】
前記駆動機構およびドロップ・ハンマはハウジングの中に実質的に囲われている、前記請求項のいずれかに記載の駆動機構。
【請求項18】
前記請求項のいずれか1項に記載の駆動機構の動作速度を調整する方法であって、
a)並進ドッグの位置を決定するステップと、
b)前記並進ドッグがドロップ・ハンマの前記持上げ突起から外されたときに前記駆動システムの運動速度を変化させるステップと
を特徴とする方法。
【請求項19】
前記駆動システムは加圧された液状流体によって駆動される、前記駆動システムの動作速度を調整する請求項19に記載の方法。
【請求項20】
前記液状流体の圧力を変化させることによって前記駆動システムの速度を変化させる、前記駆動システムの動作速度を調整する請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項21】
前記チェーンの速度は、前記ドロップ・ハンマの上昇および落下にマッチされている、前記駆動システムの動作速度を調整する請求項19から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
請求項1から17のいずれかに記載の駆動機構とともに使用するためのドロップ・ハンマであって、
前記ドロップ・ハンマを第1の方向に並進させるために並進ドッグと係合するように適合された少なくとも1つの持上げ突起と、
前記ドロップ・ハンマを前記第1の方向とは反対の第2の方向に並進させるために並進ドッグと係合するように適合された少なくとも1つの駆動突起と
を含むドロップ・ハンマ。
【請求項23】
本明細書に実質的に記載された、図2および3に関する駆動機構。
【請求項24】
本明細書に実質的に記載された、図1に関するドロップ・ハンマ。
【請求項25】
本明細書に実質的に記載された製造方法。
【請求項26】
本明細書に実質的に記載された駆動機構の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−505728(P2006−505728A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501369(P2005−501369)
【出願日】平成15年10月21日(2003.10.21)
【国際出願番号】PCT/NZ2003/000237
【国際公開番号】WO2004/035941
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(500430578)ロックテック リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Rocktec Limited
【住所又は居所原語表記】Mangawhero Road, Matamata 2271, New Zealand
【Fターム(参考)】