説明

放射線画像検出器

【課題】放射線の照射を受けて電荷を発生する記録用光導電層と、その発生した電荷を蓄積する電荷輸送層と、読取光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極と読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極とが交互に多数配置された電極層とがこの順に積層された放射線画像検出器において、電荷対発生用電極から電荷対非発生電極へオフセット電流や残像電流が流れるのを抑制し、放射線画像の画質の向上を図る。
【解決手段】電荷対発生電極5および電荷対非発生電極6の長さ方向に延びる側端面および上面を被覆することなく、隣接する電荷対発生電極5と電荷対非発生電極6との間の電荷の移動を妨げる絶縁性部材からなる隔壁部材9を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像を担持した放射線の照射を受けて放射線画像を記録し、読取光により走査されて放射線画像に応じた信号が読み出される放射線画像検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生し、その電荷を蓄積することにより被写体に関する放射線画像を記録する放射線画像検出器が各種提案、実用化されている。
【0003】
そして、上記のような放射線画像検出器としては、たとえば、特許文献1には、放射線を透過する第1の電極層、放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層、潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、かつ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層、および読取光を透過する線状に延びる透明線状電極と読取光を遮光する線状に延びる遮光線状電極とが平行に交互に配列された第2の電極層をこの順に積層してなる放射線画像検出器が提案されている。
【0004】
上記のように構成された放射線画像検出器により放射線画像の記録を行う際には、図8(A)に示すように、まず、第1の電極層51に負の高電圧が印加された状態で、被写体を透過した放射線が第1の電極層51側から照射される。上記のようにして照射された放射線は、第1の電極層51を透過し、記録用光導電層52に照射され、記録用光導電層52の放射線の照射された部分において電荷対が発生し、この電荷対のうち正の電荷は負に帯電した第1の電極層51に向かって移動し、第1の電極層51における負の電荷と結合して消滅する。一方、上記ようにして発生した電荷対のうち負の電荷は正に帯電した透明線状電極55および遮光線状電極56に向かって移動するが、上記のように電荷輸送層53は負の電荷に対しては絶縁体として作用するため、上記負の電荷は記録用光導電層52と電荷輸送層53との界面である蓄電部57に蓄積され、この蓄電部57への負の電荷の蓄積により放射線画像の記録が行われる(図8(B))。
【0005】
そして、上記のようにして記録された放射線画像を放射線画像検出器から読み取る際には、図9に示すように、まず、読取光L1が透明線状電極55および遮光線状電極56側から照射される。照射された読取光L1は、透明線状電極55を透過し、読取用光導電層54に照射され、読取用光導電層54において電荷対が発生する。そして、読取光L1の照射により読取用光導電層54において発生した正の電荷が蓄電部57における負の電荷と結合するとともに、読取用光導電層4において発生した負の電荷が電荷対発生電極5に帯電した正の電荷と結合するとともに、チャージアンプ30を介して電荷対非発生電極56に帯電した正の電荷と結合することによってチャージアンプ35に電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出され、放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
【0006】
そして、上記のように放射線画像の読取りが行われた後、透明線状電極55および遮光線状電極56側から消去光が照射され、蓄電部57などに残留した電荷の消去が行われ、再度放射線画像の記録に供される。
【0007】
【特許文献1】特開2000−284056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、上記のようにして放射線画像の読取り行う際、読取光の照射によって発生した正の電荷は蓄電部57に向かって移動するだけでなく、光起電力による電荷の拡散の作用によって、図10に示すように、電荷対非発生電極56に向かって移動し、これがオフセット電流として画像信号とともに検出され、画質の劣化を招いていた。
【0009】
そして、このオフセット電流は、読取光の変化や消去光の照射履歴によってその大きさが変化するため、読み取られた画像信号の補正によっては適切に除去することができなかった。
【0010】
また、たとえば、大線量が放射線画像検出器に照射された場合には、記録用光導電層52で発生した電荷を全て蓄電部57に蓄積することは容易ではないために、その線量に応じた負の電荷の一部が、図10に示すように、電荷対非発生電極56と読取用光導電層54との界面に蓄積していた。そして、この残電荷が、読取光の照射時に、電荷対発生電極55から電荷対非発生電極56に流れる残像電流を誘起し、この残像電流が画像信号とともに検出され、画質の劣化を招いていた。
【0011】
また、画素サイズの高精細化に伴い、電荷対発生電極と電荷対非発生電極との隙間が狭くなる結果、電荷対発生電極および電荷対非発生電極とをパターンニングした際、電極間に電極残渣が残り易くなり、その領域では電極間の抵抗が低下し、電極間で電荷の移動が生じやすくなり、局所的なオフセットの増加や残像の増加を引き起こし、画質の劣化を招いていた。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、上記のようなオフセット電流や残像電流の発生を抑制し、読み取られる放射線画像の画質の向上を図ることができる放射線画像検出器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の放射線画像検出器は、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生し、該発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光の照射により電荷を発生する光導電層と、読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極と読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極とが交互に多数配置された電極層とがこの順に積層された放射線画像検出器において、電荷対発生電極および電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端面および上面を被覆することなく、隣接する電荷対発生電極と電荷対非発生電極との間の電荷の移動を妨げる絶縁性部材からなる隔壁部材が設けられていることを特徴とする。
【0014】
ここで、上記「上面」とは、電荷対発生電極および電荷対非発生電極の光導電層側の面」である。
【0015】
また、上記本発明の放射線画像検出器においては、電荷対非発生電極を、透明線状電極と読取光を遮光する線状遮光体からなるものとし、隔壁部材を、透明線状電極と線状遮光体との間に設けられた、透明線状電極よりも広い幅を有する線状部材とすることができる。
【0016】
また、隔壁部材を、電荷対発生電極の下面側に設けられた、電荷対発生電極よりも広い幅を有する線状部材とすることができる。
【0017】
ここで、上記「下面」とは、電荷対発生電極および電荷対非発生電極の光導電層側とは反対側の面」である。
【0018】
また、上記障壁部材は、隣接する電荷対発生電極の端部と電荷対非発生電極の端部とを、放射線画像検出器の基板に平行な面内において、少なくとも上記電極の厚みの3倍以上、好ましくは10倍以上の段差または障壁高さをもって隔絶する線状部材をすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の放射線画像検出器によれば、電荷対発生電極および電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端面および上面を被覆することなく、隣接する電荷対発生電極と電荷対非発生電極との間の電荷の移動を妨げる絶縁性部材からなる隔壁部材が設けるようにしたので、電荷対発生電極から電荷対非発生電極へ向かって上述したオフセット電流や残像電流が流れるのを抑制することができ、読み取られる放射線画像の画質の向上を図ることができる。
【0020】
また、本発明の放射線画像検出器において、隣接する電荷対発生電極の端部と電荷対非発生電極の端部とを、少なくとも上記電極の厚みの3倍以上、好ましくは10倍以上の段差または障壁高さをもつ線状部材で、放射線画像検出器の基板に平行な面内において隔ててるようにした場合にした場合には、電荷対発生電極と電荷対非発生電極との間の電極材料残渣に起因した電極間の局所的な抵抗の低下を抑え、局所的なオフセットの増加や残像の増加を抑制することができ、読み取られる放射線画像の画質の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出器の一実施形態について説明する。図1は本放射線画像検出器の斜視図、図2は図1に示す放射線画像検出器の2−2線断面図である。
【0022】
本放射線画像検出器10は、図1および図2に示すように、放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層1、第1の電極層1を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層2、記録用光導電層2において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層3、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層4、および読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極5と読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極6とが交互に多数配列された第2の電極層7をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層2と電荷輸送層3との間には、記録用光導電層2内で発生した電荷を蓄積する蓄電部8が形成されている。なお、上記各層は、ガラス基板上に第2の電極層7から順に形成されるものであるが、図1および図2においては、ガラス基板を省略している。また、記録用光導電層2と電荷輸送層3とにより請求項における電荷蓄積層が形成されている。
【0023】
第1の電極層1としては、放射線を透過するものであればよく、たとえば、ネサ皮膜(SnO2)、ITO(Indium Tin Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚にして用いることができ、また、100nm厚のAlやAuなども用いることもできる。
【0024】
第2の電極層7は、上記のように電荷発生用電極5と電荷非発生用電極6とを有するものである。
【0025】
電荷対発生電極5は、読取光を透過し、導電性を呈する材料であれば如何なるもので形成してもよいが、たとえば、第1の電極層1と同様に、ITOやIDIXOを用いることができる。
【0026】
電荷対非発生電極6は、透明線状電極6aと読取光を遮光する線状遮光体6bとから構成されている。透明線状電極6aは、透明かつ導電性を呈する材料であれば如何なるものでもよいが、たとえば、第1の電極層1と同様に、ITOやIDIXOを用いることができる。線状遮光体6bは、たとえば、読取光として波長が400nm〜480nmの青色光する場合には、黄レジストまたは赤レジストにより形成するようにすればよい。また、本実施形態においては、電荷対非発生電極6を、上記のように透明線状電極6aと線状遮光体6bとから構成するようにしたが、たとえば、電荷対非発生電極を透明線状電極6aのみから構成し、この透明線状電極6aに読取光が入射するのを妨げる線状遮光体を放射線画像検出器10とは別に設けるようにしてもよい。
【0027】
そして、図2に示すように、電荷対非発生電極の透明線状電極6aと線状遮光体6bとの間には、線状隔壁体9が設けられている。線状隔壁体9は、少なくとも透明線状電極6aの厚みの3倍以上、好ましくは10倍以上の段差または障壁高さをもつものであり、透明線状電極6aの幅Waよりも広い幅Wbを有するものである。そして、線状隔壁体9は、後述するように、電荷対発生電極5と電荷対非発生電極6との間の電荷の移動を妨げるように構成されており、絶縁性部材により形成されている。なお、線状隔壁体9の形状は、上記のように作用するように、電荷対発生電極5と電荷対非発生電極6との間隔などの条件に基づいて適宜決定するようにすればよい。線状隔壁体9は、図2に示すように、隣接する透明線状電極6aの端部と電荷対発生電極5の端部とを結ぶ直線を遮るように形成することが望ましい。
【0028】
記録用光導電層2は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは500μm程度が適切である。
【0029】
電荷輸送層3としては、たとえば、放射線画像の記録の際に第1の電極層1に帯電する電荷の移動度と、その逆極性となる電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。
【0030】
読取用光導電層4としては、読取光および消去光の照射を受けることにより導電性を呈するものであればよく、例えば、a−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。厚さは0.1〜1μm程度が適切である。
【0031】
次に、本放射線画像検出器の作用について説明する。
【0032】
まず、図3(A)に示すように、放射線画像検出器10の第1の電極層1に高電圧源20により負の電圧を印加した状態において、放射線源から被写体に向けて放射線が照射され、その被写体を透過して被写体の放射線画像を担持した放射線が放射線画像検出器10の第1の電極層1側から照射される。
【0033】
そして、放射線画像検出器10に照射された放射線は、第1の電極層1を透過し、記録用光導電層2に照射される。そして、その放射線の照射によって記録用光導電層2において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は第1の電極層1に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は潜像電荷として記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面に形成される蓄電部8に蓄積されて放射線画像が記録される(図3(B)参照)。
【0034】
そして、次に、図4に示すように、第1の電極層1が接地された状態において、第2の電極層7側から読取光L1が照射され、読取光L1は電荷発生用電極5を透過して読取用光導電層4に照射される。読取光L1の照射により読取用光導電層4において発生した正の電荷が蓄電部8における潜像電荷と結合するとともに、読取用光導電層4において発生した負の電荷が電荷対発生電極5に帯電した正の電荷と結合するとともに、チャージアンプ30を介して電荷対非発生電極6に帯電した正の電荷と結合することによってチャージアンプ30に電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出され、放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
【0035】
ここで、上述したように、従来は、読取光の照射によって電荷対発生電極5から電荷対非発生電極6へオフセット電流や残像電流が流れ出し、これが上記画像信号とともにノイズ信号として検出されていたが、上記実施形態の放射線画像検出器10によれば、線状隔壁体9を設けるようにしたので、電荷対発生電極5から電荷対非発生電極6への電荷の移動を線状隔壁体9により妨げることができ、上記オフセット電流や残像電流が流れるのを抑制することができる。
【0036】
なお、上記のように線状隔壁体9を設けるようにしても、たとえば、最初の読取りの際には、電荷対発生電極5近傍で発生した電荷が、線状隔壁体9まで移動してしまうため若干のオフセット電流が流れてしまう。したがって、読取りを行う前に前露光光を照射するようにすれば、この前露光光の照射によって電荷対発生電極5近傍で発生した電荷を線状隔壁体9近傍に蓄積することができ、これにより読取りの際に、上記のようにオフセット電流が流れるのを防止することができる。
【0037】
また、上記実施形態の放射線画像検出器10によれば、線状隔壁体9を設けるようにしたので、電荷対発生電極5と電荷対非発生電極6とのショートを低減させることができる。
【0038】
また、上記実施形態の放射線画像検出器10によれば、電荷対非発生電極6の透明線状電極6aの方が電荷対発生電極5よりも上部に配置するようにしたので、透明線状電極6aと蓄電部8とにより形成されるコンデンサの容量を大きくすることができ、透明線状電極6aに帯電する正の電荷をより大きくすることができるので、読取感度の向上を図ることができる。
【0039】
また、上記実施形態の放射線画像検出器10においては、線状隔壁体9を、電荷対非発生電極6の透明線状電極6aと線状遮光体6bとの間に設けるようにしたが、これに限らず、たとえば、図5に示す放射線画像検出器20のように、電荷対発生電極5の下面側(読取用光導電層4側とは反対側)に線状隔壁体9を設けるようにしてもよい。線状隔壁体9は、電荷対発生電極5の幅Wcよりも広い幅Wdを有するものである。そして、図5に示すように、向かい合う透明線状電極6aの端部と電荷対発生電極5の端部とを結ぶ直線を遮るように形成することが望ましい。
【0040】
また、図6に示す放射線画像検出器30のように、電荷対非発生電極6と電荷発生電極5との間に線状隔壁体9を設けるようにしてもよい。上記のように線状隔壁体9を設けるようにする場合には、線状隔壁体11の高さHは、透明線状電極6aの端部と電荷対発生電極5の端部とを結ぶ直線を遮るような高さとすることが望ましい。また、蓄電部8に蓄積された潜像電荷と読取光の照射によって電荷対発生電極5近傍で発生した正の電荷との結合を実質的に妨げない程度の高さとすることが望ましい。
【0041】
また、図7に示す放射線画像検出器40のように、図1および図2に示す放射線画像検出器10に、さらに、電荷対発生電極5の下面側に線状隔壁体11を設けるようにしてもよい。この場合においても、向かい合う透明線状電極6aの端部と電荷対発生電極5の端部とを結ぶ直線を遮るような高さで線状隔壁体11を形成することが望ましい。なお、オフセット電流および残像電流の抑制効果を十分得ることができないが、電荷対発生電極5と透明線状電極6aとがほぼ同じ高さに位置するように、線状隔壁体9,11を形成るようにしてもよい。上記のように形成すれば、電荷対発生電極5と透明線状電極6aとのショートを最も低減することができる。
【0042】
また、上記実施形態は、放射線の照射を受けてその放射線を直接電荷に変換することにより放射線画像の記録を行う、いわゆる直接変換方式の放射斜線画像検出器に本発明を適用したものであるが、これに限らず、たとえば、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷に変換することにより放射線画像の記録を行う、いわゆる間接変換方式の放射線画像検出器に本発明を適用するようにしてもよい。
【0043】
また、放射線画像検出器の層構成は上記実施形態のような層構成に限らずその他の層を加えたりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の放射線画像検出器の一実施形態の概略構成図
【図2】図1に示す放射線画像検出器の2−2線断面図
【図3】図1に示す放射線画像検出器への放射線画像の記録の作用を説明するための図
【図4】図1に示す放射線画像検出器からの放射線画像の読取りの作用を説明するための図
【図5】本発明の放射線画像検出器のその他の実施形態を示す図
【図6】本発明の放射線画像検出器のその他の実施形態を示す図
【図7】本発明の放射線画像検出器のその他の実施形態を示す図
【図8】従来の放射線画像検出器への放射線画像の記録の作用を説明するための図
【図9】従来の放射線画像検出器からの放射線画像の読取りの作用を説明するための図
【図10】従来の放射線画像検出器に流れるオフセット電流および残像電流を説明するための図
【符号の説明】
【0045】
1 第1の電極層
2 記録用光導電層
3 電荷輸送層
4 読取用光導電層(光導電層)
5 電荷対発生用電極
6 電荷対非発生用電極
6a 透明線状電極
6b 線状遮光体
7 第2の電極層
8 蓄電部
9,11 線状隔壁体
10 放射線画像検出器
30 チャージアンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生し、該発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光の照射により電荷を発生する光導電層と、前記読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極と前記読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極とが交互に多数配置された電極層とがこの順に積層された放射線画像検出器において、
前記電荷対発生電極および前記電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端面および上面を被覆することなく、隣接する前記電荷対発生電極と前記電荷対非発生電極との間の電荷の移動を妨げる絶縁性部材からなる隔壁部材が設けられていることを特徴とする放射線画像検出器。
【請求項2】
前記電荷対非発生電極が、透明線状電極と前記読取光を遮光する線状遮光体からなるものであり、
前記隔壁部材が、前記透明線状電極と前記線状遮光体との間に設けられた、前記透明線状電極よりも広い幅を有する線状部材であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出器。
【請求項3】
前記隔壁部材が、前記電荷対発生電極の下面側に設けられた、該電荷対発生電極よりも広い幅を有する線状部材であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−177216(P2008−177216A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6945(P2007−6945)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
【Fターム(参考)】