説明

放送受信装置

【課題】アンテナの種別を確認するためにユーザの設定が必要である。また、スマートアンテナが接続されていない場合でも、そのための電源が供給される。
【解決手段】スマートアンテナ用の電源を設け、それが接続されているかどうかで、スマートアンテナが接続されているかどうかを判断する。また、スマートアンテナが接続されていないと判断した場合には、スマートアンテナの制御のみに関係する部分に電源を供給しないことで、省電力を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可変指向性アンテナと指向性アンテナとに接続可能な放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方向からの電波しか受信できない指向性アンテナの他に、様々な方向からの電波を受信するための可変指向性アンテナを接続することが可能な放送受信装置が知られている。また、この可変指向性アンテナを用いて、放送波を受信するための種々の技術が開示されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、可変指向性アンテナを用いた放送受信装置で、可変指向性アンテナが確実に接続され、安全性を高めるための技術が開示されている。
また、特許文献2には、短時間で最適な受信方向を検出可能な、スマートアンテナ(可変指向性アンテナ)の設定する技術が開示されている。
また、特許文献3には、可変指向性アンテナで、アナログ放送を受信する際にゴーストの影響を受けずに放送を受信する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−217230号公報
【特許文献2】特開2005−354632号公報
【特許文献3】特開2005−318140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、可変指向性アンテナと指向性アンテナの両方が接続可能な場合には、どちらに接続されているかはユーザがその都度設定する必要があった。また、可変指向性アンテナには、内蔵のアンプなどに電源の供給が必要であり、可変指向性アンテナが接続されていない際にも、そのための電源が供給されることがある。
【0005】
上記特許文献1には、可変指向性アンテナの接続確認をする技術は開示されているが、省電力に関する技術は開示されていない。
また、上記特許文献2及び上記特許文献3には、可変指向性アンテナの接続確認に関する技術や省電力に関する技術は開示されていない。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、ユーザの設定を得ずに可変指向性アンテナと指向性アンテナのいずれが接続されているかを確認し、可変指向性アンテナが接続されていない場合にはそのための電力を省電する放送受信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、主たる発明の放送受信装置では、可変指向性アンテナと指向性アンテナとに接続可能な接続手段と、上記接続手段に接続されて、放送波の受信処理を行うチューナと、上記可変指向性アンテナに対する給電と指向性制御を行う制御ユニットと、を備える放送受信装置において、この放送受信装置に必要な電源を供給する第1の受電端子と、上記可変指向性アンテナに必要な電源を供給する第2の受電端子と、この第2の受電端子に電源が供給されているか否かを判断する判断手段と、この判断手段で上記第2の受電端子に電源が供給されている際に、上記制御ユニットを駆動させて可変指向性アンテナへの制御を行わしめる駆動制御手段とを備える構成としてある。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0009】
上記主たる発明の構成によれば、可変指向性アンテナに必要な電源が第2の受電端子が接続され、供給される場合には、可変指向性アンテナが接続されているものと判断し、可変指向性アンテナへの制御を行なうこととなる。
【0010】
このように構成すると、可変指向性アンテナが接続されているかどうかをユーザの設定を経ずに判断することができ、また、可変指向性アンテナが接続されていない場合には、そのための電力を省電することができる。
【0011】
上記放送受信装置の一例として、上記第1の受電端子と上記第2の受電端子の2つへ個別に電源を供給可能な商用電源アダプタを備える構成とすることができる。
このように構成すると、1つの商用電源から必要な電源をとることができる。
【0012】
上記放送受信装置の一例として、上記第1の電源供給手段と上記第2の電源供給手段のそれぞれに専用の商用電源アダプタを備える構成とすることができる。
このように構成すると、それぞれ必要な電源を個別に得ることができる。
【0013】
上記可変指向性アンテナの一例として、16方向の指向性を有しつつ、可動部を有しない構成とすることができる。
このように構成すると、アメリカなどで一般的な可変指向性アンテナの規格に対応することができる。
【0014】
上記可変指向性アンテナの一例として、16方向の指向性を有しつつ、可動部を有する構成とすることができる。
このように構成すると、アメリカなどで一般的な可変指向性アンテナの規格に対応することができる。また、可動部を有することで、アンテナの受信範囲を広げることができる。
【0015】
上記判断手段の一例として、CPUが上記第2の受電端子への電源供給の有無を判断する構成とすることができる。
このように構成すると、放送受信装置に備えられているCPUが、電源供給の有無を判断することができる。
【0016】
上記放送受信装置の一例として、CPUが可変指向性アンテナ内のアンプへの通電を制御する構成とすることができる。
このように構成すると、放送受信装置に備えられているCPUが、可変指向性アンテナへの電源供給を制御することができる。
【0017】
また、更に具体的な構成として、上記可変指向性アンテナが、16方向の指向性を有しつつ、可動部を有するスマートアンテナであり、上記判断手段は、CPUが上記第2の受電端子への電源供給の有無を判断し、上記第2の電源端子は、上記CPUの制御に基づき、上記チューナを通して上記可変指向性アンテナ内のアンプへの通電を供給し、上記第1の電源端子と上記第2の電源端子へ、一つの商用電源から、必要な電源を分圧して2つの電源端子に個別に電源を供給可能なAC−DCアダプタを備える構成としても良い。
更に具体的に構成された上記発明では、上述した各構成と同様の効果を奏することはいうまでもない。
【0018】
以下、添付図面にもとづいて、本発明を米国用のEIA909規格に準拠したデジタル/アナログ受信機(以下、「STB」(Set Top Box)と略す。)において具現化した実施例について説明する。
なお、本実施形態では、可変指向性アンテナとしてスマートアンテナを用いることとする。しかし、本発明における可変指向性アンテナは、これに限定されず、指向性を切り換えることが可能なアンテナであれば、他のアンテナを用いることができる。また、本実施形態において、指向性アンテナとして八木アンテナを用いることとする。しかし、本発明における指向性アンテナは、これに限定されず、受信感度に異方性を有する指向性アンテナであれば、他のアンテナを用いることができる。
【0019】
図1は、STB100の概略構成図である。
同図において、STB100には、アンテナで受信した信号を受信するチューナ31と、チューナ31で受信した放送信号をデコードするデコーダ32と、STB100での設定内容等の表示情報を生成するOSD回路33を備えている。また、STB100は、アンテナコントローラ11を介してスマートアンテナへの制御を行うモジューラ端子34を備えている。さらに、STB100は、STB100を制御するCPU35と、CPU35が実行するプログラム等の情報を記録するROM36と、CPU35の一時記憶媒体として機能するRAM37、及びボタン等による外部からの情報を受け付ける入力部38を備えている。第1の電源回路40は、STB100の各部に電源を供給し、第2の電源回路41は、チューナ31とモジューラ端子34を介してアンテナコントローラ11及びスマートアンテナ10へ電源を供給する。
また、STB100は、アンテナコントローラ11を介して、スマートアンテナ10、または八木アンテナ20に接続されている。スマートアンテナ10と八木アンテナ20への接続は、どちらかに選択的に行なわれるものとし、両方のアンテナに接続されることはない。
なお、スマートアンテナとは、複数のアンテナ素子で構成され、各アンテナ素子を適当な振幅及び位相に励振することで指向性を切り換えることができるアンテナである。また、本実施形態におけるスマートアンテナ10は、STB100と同様に、EIA909規格に準拠するものとする。
【0020】
STB100は、信号線61を介して、アンテナコントローラ11のモジューラ端子と、モジューラ端子34で接続されている。STB100は、信号線61を介して、アンテナコントローラ11及びスマートアンテナ10への電源を供給する。また、指向性を切り替えるための信号等の信号を適宜送信する。スマートアンテナ10は、STB100から送信された信号を基に、各アンテナ素子の制御を行い、指向性を変化させる。
【0021】
アンテナコントローラ11は、信号線64を介して、STB100から供給される電源及び各種の信号をスマートアンテナ10に供給する。また、スマートアンテナ10が受信した放送波を信号線64を介して受け取り、チューナ31に送る。
信号線64は、スマートアンテナ10のRF端子とアンテナコントローラ11のRF端子とを接続させ、信号線60は、分配器を有しており、アンテナコントローラ11のRF端子もしくは八木アンテナ20のRF端子と、STB100のRF端子とを接続させる。これにより、スマートアンテナ10もしくは八木アンテナ20のいずれかのRF端子がSTB100のRF端子と接続されることになる。
【0022】
チューナ31には、デジタル復調器が内蔵されている。当該デジタル復調器は、チューナ31で得られた放送信号を、映像および音声の信号であるMPEG信号に復調し、当該MPEG信号をデコーダ32へ出力する。ここで、デジタルテレビ放送信号は、リード・ソロモン符号および畳み込み符号で符号化されて送信される。そのため、上記のデジタル復調器は、誤り訂正ができる。この誤り訂正の処理過程において、デジタル復調器は、受信した放送信号の受信データ誤り率を演算し、その受信データ誤り率をCPU35へ出力する。このとき、デジタル復調器は、受信した放送信号に含まれる所定のデータ数毎に誤り訂正を行なうので、受信開始から1フレーム(1/30秒)以内で受信データ誤り率の演算ができる。CPU35は、受信データ誤り率によって、放送信号の信号良否を判断することができる。
【0023】
デジタルテレビ放送には、日本のISDB−T方式の他に、米国のATSC方式およびヨーロッパのDVB−Tがある。いずれの方式においても、放送信号は符号化されて送信されるため、誤り訂正が可能であり、その処理過程において受信データ誤り率が演算できる。したがって、本実施の形態におけるデジタル復調器は、上述のいずれの方式を用いてもよい。
【0024】
また、チューナ31には、アナログ復調器も内蔵されている。当該アナログ復調器は、チューナ31において得られた放送信号を、映像信号および音声信号へ復調する。そして、アナログ復調器で復調された信号は、デコーダ32で処理されることなく、OSD回路33に送られる。
【0025】
アナログテレビ放送信号には、走査線の水平走査および垂直走査を制御するために、水平同期信号および垂直同期信号が含まれている。そして、上記のアナログ復調器は、映像信号の復調を行なうために、上述の水平同期信号および垂直同期信号を捕捉する必要がある。なお、水平同期信号は、垂直同期信号に対して十分に周波数が高い。そのため、水平同期信号は、垂直同期信号に比較して、ノイズ等の影響を受けやすい。つまり、水平同期信号を捕捉できたか否かで受信状態を判断することができる。
【0026】
アナログテレビ放送は、日本や米国等のNTSC方式の他に、ドイツやイギリス等のPAL方式およびフランス等のSECAM方式があるが、いずれの方式においても放送信号に水平同期信号が含まれているため、水平同期信号の捕捉の可否により受信状態を判断できる。本実施の形態のアナログ復調器は、いずれの方式に対しても適用できる。
【0027】
なお、上述したようにチューナ31で受信した放送信号は、デコーダ32でデコードされ、OSD回路33で生成されたOSD信号とともに、受像機70に送信される。受像機70は、チューナ31で受信した放送信号に基づき、画像及び音声を出力する。
【0028】
図2は、CPU35で実施されるスマートアンテナ10の接続を確認するためのフローチャートである。
【0029】
ACアダプタ51のプラグが商用ACに接続され、信号線62を介してSTB100に電源が供給されると、CPU35は、ステップS101にて、入力部38の操作により電源がONされる動作がなされたか否かを判断する。電源がONにされたと判断すると、ステップS102に進む。
【0030】
ステップS102では、CPU35は、第1の電源回路40で生成された電源を、チューナ31等電源を必要とする各部と受像機70への電源の供給を開始する。
【0031】
次に、ステップS103で、CPU35は、チューナ31、デコーダ32、および、OSD回路33、ならびに、受像機70に対して、ROM36に記憶された設定内容等に基づいて初期化を開始する。
【0032】
次に、ステップS104で、CPU35は、第2の電源回路41に第2のACアダプタ52から信号線63を介して電源が供給されているか否かを判断する。この第2の電源回路41は、スマートアンテナ10に必要な電源を供給するもので、スマートアンテナ10を接続して使用する場合には、第2のACアダプタ52を接続して、電源を供給する必要がある。このため、スマートアンテナ10を使用するユーザは、必然的に第2のACアダプタ52を接続しているとみなすことができる。
【0033】
ステップS104で、第2の電源回路への電源が供給されていると判断すると、ステップS105で、CPU35は、モジューラ端子34を介して、スマートアンテナ10への電源の供給を開始する。
【0034】
次に、ステップS106で、CPU35は、スマートアンテナ10の接続確認のための処理を行なう。CPU35は、スマートアンテナ10に対して、モジューラ端子34を介して、特定のパルス信号を送信する。そして、CPU35は、所定の時間内に、チューナ31において、スマートアンテナ10からの、上記した特定のパルス信号に返答するような信号が受信されたか否かを判断し、そのような信号が受信されたと判断すると、スマートアンテナ10が正常に接続されていると判断する。なお、所定の時間とは、スマートアンテナ10が、上記のような特定のパルス信号に対する返答に一般的に要する時間、または、当該時間にある程度の余裕を付加された時間であり、装置ごとに適宜決定される時間とすることができる。
【0035】
なお、接続確認の方法はこの方法に限られるものではなく、他の接続確認の方法、例えば受信が確認できているチャンネルへの方向を合わせ受信強度が所定の値以上変化するかどうかを判断するなどの方法で接続確認を行なっても良いし、これらの方法を組み合わせる形で行なっても良い。
【0036】
そして、CPU35は、ステップS107で、ステップS106で実行したスマートアンテナ10の接続確認の結果、接続にエラーがあったか否かを判断する。エラーはなかった、つまり、正常な接続が確認されたと判断するとステップS108へ、処理を進める。
【0037】
ステップS108では、CPU35は、ユーザの入力部38に対する操作等に応じて、適宜、スマートアンテナ10の受信した放送信号に応じた映像や音声を受像機70において出力するための受像処理を行う。この処理は、入力部38に対する操作等によりSTB100の電源がOFFされるときまで行なう。
【0038】
一方、ステップS107で、接続にエラーがあったと判断すると、ステップS109では、CPU35は、スマートアンテナ10への電源の供給のための動作を停止する。そして、ステップS110で、CPU35は、OSD回路33で、スマートアンテナ10が正常に接続されていない旨のエラーメッセージを生成させ、受像機70に表示させて処理を終了する。
【0039】
次に、ステップS104で、第2の電源回路に電源が供給されていないと判断された場合について説明する。ステップS104にて、第2の電源回路に電源が供給されていないと判断されると、ステップS111で、スマートアンテナ10には接続されていないと判断し、スマートアンテナ10への電源が供給されないのはもちろんのこと、モジュール端子等スマートアンテナ10に関係する部分への電源の供給を停止し、電力を節約するようにCPU35は処理を行なう。
このように、本実施形態では、スマートアンテナ10への給電の停止だけによる省電だけでなく、本STB100内の対応回路の動作も停止させて、更なる省電を実現することができる。
【0040】
そして、ステップS112では、スマートアンテナ10に接続されていないため、八木アンテナ20に接続されているものと判断し、CPU35は、ユーザの入力部38に対する操作等に応じて、適宜、八木アンテナ20の受信した放送信号に応じた映像や音声を受像機70において出力するための受像処理を行なう。
【0041】
次に、図2のフローチャートに基づき操作例を説明する。
まず、スマートアンテナ10が正常に接続されており、第2の電源回路41に電源が供給されている場合について説明する。
ユーザはスマートアンテナ10をSTB100に接続し、第2のACアダプタ52から第2の電源回路41に電源が供給されるように、第2のACアダプタ52のプラグをコンセントに挿入し、第2のACアダプタ52と第2の電源回路41の受電端子との接続を行う。また、STB100の電源が供給されるように、第1のACアダプタ51のプラグをコンセントに挿入し、第1のACアダプタ51と第1の電源回路40の受電端子との接続を行う。
【0042】
ユーザが入力部38を操作し、STB100の電源をONすると、CPU35はステップS101で電源がONされたと判断し、ステップS102でSTB100の各部と受像機70に電源を供給し、ステップS103でSTB100の各部と受像機70の初期化を行なう。そして、第2のACアダプタ52が第2の電源回路41の受電端子と接続され、第2のACアダプタ52のコンセントが差し込まれていることから、ステップS104で、CPU35は第2の電源回路41に電源が供給されているものと判断する。そして、ステップS105でスマートアンテナ10に電源を供給し、ステップS106でスマートアンテナ10の接続確認を行なう。
【0043】
スマートアンテナ10は正常に接続されていることから、ステップS107で、接続エラーがないと判断し、ステップS108で、ユーザの入力部38に対する操作等に応じて、適宜、スマートアンテナ10の受信した放送信号に応じた映像や音声を受像機70において出力する。ユーザが入力部38に対して電源オフの操作を行なうとこれらの処理を終了する。
【0044】
次に、スマートアンテナ10が正常に接続されておらず、第2の電源回路41に電源が供給されている場合について説明する。
この場合、ステップS106までは上述した操作例と同じであるため省略し、ステップS107からの操作例について説明する。
【0045】
スマートアンテナ10は正常に接続されていないことから、ステップS107で、接続エラーがあると判断し、ステップS109でスマートアンテナ10等への電源供給を停止する。そして、OSD回路33で、スマートアンテナ10が接続されていない旨のメッセージを生成し、受像機70に表示する。
【0046】
最後に、八木アンテナ20が接続されており、第2の電源回路41に電源が供給されていない場合について説明する。
この場合は、STB100の電源が供給されるように、第1のACアダプタ51のプラグをコンセントにいれ、第1のACアダプタ51と第1の電源回路40の受電端子との接続を行う。また、第2のACアダプタ52と第2の電源回路41の受電端子が接続されていないし、第2のACアダプタのプラグはコンセントに差し込まれていない。
【0047】
ユーザが入力部38を操作し、STB100の電源をONすると、CPU35はステップS101で電源がONされたと判断し、ステップS102でSTB100の各部と受像機70に電源を供給し、ステップS103でSTB100の各部と受像機70の初期化を行なう。
【0048】
そして、第2のACアダプタ52と第2の電源回路41の受電端子が接続されていないか、第2のACアダプタのコンセントが差し込まれていないため、ステップS104で、第2の電源回路に電源が供給されていないと判断し、ステップS111で、スマートアンテナ10及びモジューラ端子34等への電源の供給を停止する。そして、ステップS112で、ユーザの入力部38に対する操作等に応じて、適宜、八木アンテナ20の受信した放送信号に応じた映像や音声を受像機70において出力する。ユーザが入力部38に対して電源オフの操作を行なうとこれらの処理を終了する。
【0049】
図3は、ACアダプタ50の概略図である。
ACアダプタ50は、商用交流電流をSTB100用の直流電流に変換する第1のACアダプタ51と、 商用交流電流をスマートアンテナ10用の直流電流に変換する第2のACアダプタ52と、第1の電源回路40へ電源を供給する受電端子に接続される接続端子53と、第2の電源回路41へ電源を供給する受電端子に接続される接続端子54と、プラグ55を備えている。
【0050】
プラグ55から商用電流が供給されると、第1のACアダプタ51は、EIA909規格に合わせ6Vの直流電流を生成し、第2のACアダプタ52は、EIA909規格に合わせ12Vの直流電流を生成する。第2のACアダプタ52にから電源を供給される接続端子54は、スマートアンテナ10をSTB100に接続している場合のみ、STB100の第2の電源回路41へ電源を供給する受電端子に接続される。
【0051】
なお、図3では、1つのプラグから2つのACアダプタに給電し、それぞれ必要な直流電流を生成するようにしたが、図1に示すように第1の電源回路40と第2の電源回路41のそれぞれの受電端子ごとに、ACアダプタとプラグを用いるようにしても良い。
【0052】
また、以上説明した本実施形態では、アンテナコントローラ11が単体で構成されるように記載されたが、本発明に従った放送受信装置は限定されたものを意図しない。STB100とアンテナコントローラ11とが一体的に構成されても良いし、アンテナコントローラ11とスマートアンテナ10とは、一体的に構成されていても良い。
【0053】
このように、本実施形態によれば、スマートアンテナ10に接続されているか、八木アンテナ20に接続されているかの判断をユーザの設定を待たず、自動的に行なうことができる。また、スマートアンテナ10に接続されていない場合には、スマートアンテナ10及びそれに関係する部分への電源供給を停止して省電力にすることができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施例のSTBの概略構成図である。
【図2】本実施例のSTBのアンテナ接続確認のフローチャートである。
【図3】本実施例のACアダプタの概略図である。
【符号の説明】
【0056】
10…スマートアンテナ、11…アンテナコントローラ、20…八木アンテナ、31…チューナ、32…デコーダ、33…OSD回路、34…モジューラ端子、35…CPU、36…ROM、37…RAM、38…入力部、40…第1の電源回路、41…第2の電源回路、51…第1のACアダプタ、52…第2のACアダプタ、70…受像機、100…STB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変指向性アンテナと指向性アンテナとに接続可能な接続手段と、
上記接続手段に接続されて、放送波の受信処理を行うチューナと、
上記可変指向性アンテナに対する給電と指向性制御を行う制御ユニットと、を備える放送受信装置において、
この放送受信装置に必要な電源を供給する第1の受電端子と、
上記可変指向性アンテナに必要な電源を供給する第2の受電端子と、
この第2の受電端子に電源が供給されているか否かを判断する判断手段と、
この判断手段で上記第2の受電端子に電源が供給されている際に、上記制御ユニットを駆動させて可変指向性アンテナへの制御を行わしめる駆動制御手段とを備える放送受信装置。
【請求項2】
上記第1の受電端子と上記第2の受電端子の2つへ個別に電源を供給可能な商用電源アダプタを備えることを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
上記第1の電源供給手段と上記第2の電源供給手段のそれぞれに専用の商用電源アダプタを備えることを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項4】
上記可変指向性アンテナは、16方向の指向性を有しつつ、可動部を有しないことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の放送受信装置。
【請求項5】
上記可変指向性アンテナは、16方向の指向性を有しつつ、可動部を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の放送受信装置。
【請求項6】
上記判断手段は、CPUが上記第2の受電端子への電源供給の有無を判断することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の放送受信装置。
【請求項7】
上記CPUが可変指向性アンテナ内のアンプへの通電を制御することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の放送受信装置。
【請求項8】
上記可変指向性アンテナが、16方向の指向性を有しつつ、可動部を有するスマートアンテナであり、
上記判断手段は、CPUが上記第2の受電端子への電源供給の有無を判断し、
上記第2の電源端子は、上記CPUの制御に基づき、上記チューナを通して上記可変指向性アンテナ内のアンプへの通電を供給し、
上記第1の電源端子と上記第2の電源端子へ、一つの商用電源から、必要な電源を分圧して2つの電源端子に個別に電源を供給可能なAC−DCアダプタを備えることを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−49918(P2009−49918A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216293(P2007−216293)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(504133110)国立大学法人 電気通信大学 (383)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】