説明

新設下地材及びその取付構造

【課題】 断面波形状の既設壁(屋根)の取替え工事又は葺き替え工事等において、既設壁(屋根)をそのままの状態にして、火気厳禁、騒音防止等を考慮して施工することができる新設下地材及びその取付構造とすること。
【背景技術】
【解決手段】 正面片11と、該正面片11の上端に水平状片121と該水平状片121の先端に形成された上嵌合段部122とからなる上嵌合片12が形成され、前記正面片11の下端から外方下向きに傾斜する傾斜片131と該傾斜片131の先端に形成された下嵌合段部132とからなる下嵌合片13が形成され,前記正面片11に対向する背面部14が設けられてなる取付ピース1と、前記上嵌合段部122と下嵌合段部132に嵌合する被嵌合片23,23が形成された下地部材2とからなること。該下地部材2は長手方向に長尺に形成されること。前記取付ピースと下地部材とが嵌合されること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に断面波形状の既設壁(屋根)の取替え工事又は葺き替え工事等において、既設壁(屋根)をそのままの状態にして、溶接火気厳禁、騒音防止等を考慮して施工することができる新設下地材及びその取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、断面波形状の金属又はスレート製の壁(屋根)が存在している。その壁(屋根)をそのままにして、この既設壁(屋根)覆うようにして新設の壁面材を施工する改修壁を施工する場合と、その壁の壁板材のみを剥がして、胴縁はそのまま使用するようにして新設の壁板材を施工する改修壁が存在している。
【特許文献1】特開平5−39646号公報
【特許文献2】特開平7−300917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その断面波形状の金属又はスレート壁(屋根)には、平坦状面が無く、円弧状の面によってのみ構成されたものである。このような既設屋根の上から、新たに壁を施工するための胴縁(母屋)を設置する場合には、取付ピースを介して固着する場合が多い。そのために、特許文献1及び2に記載されたものでは、その構造から、取付ピースを既設屋根に設置する場合に平坦な面に設置することには好適であるが、円弧状の面に設置することには不適当である。
【0004】
さらに、取付ピースと母屋材との連結において、ボルトナット等の固着具を多数必要とする場合が多く、特に長尺な胴縁(母屋)等の固着を行う場合には、極めて大変な労力を要するものである。このため、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、壁改修(又は屋根改修)工事において、新設の胴縁(母屋)を既設外囲体に、特に断面波形状の壁(屋根)に極めて安定した状態で取付施工することができる新設下地材及びその取付構造を実現することである。そして、図示しないが、金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等の取付ピースが取付可能なあらゆる既設外囲体や外囲体の外面へボルトが露出しているあらゆる既設外囲体(或いは既設構造材や新設構造材)にも溶接することなく取り付けることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、正面片と、該正面片の上端に水平状片と該水平状片の先端に形成された上嵌合段部とからなる上嵌合片が形成され、前記正面片の下端から外方下向きに傾斜する傾斜片と該傾斜片の先端に形成された下嵌合段部とからなる下嵌合片が形成され,前記正面片に対向する背面部が設けられてなる取付ピースと、前記上嵌合段部と下嵌合段部に嵌合する被嵌合片が形成された下地部材とからなり、該下地部材は長手方向に長尺に形成され、前記取付ピースと下地部材とが嵌合されてなる新設下地材としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0006】
請求項2の発明を、前述の構成において、前記取付ピースの正面片,上嵌合片及び下嵌合片は一体形成され、前記背面部のみ分離して形成され、該背面部の上下両端には背面部側片が形成され、前記上嵌合片と下嵌合片との間に挟持されると共に、前記上嵌合片又は下嵌合片のいずれか一方と背面部側片とは連結固着具にて連結されてなる新設下地材としたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、前述の構成において、前記取付ピースの背面部は前記正面片,上嵌合片及び下嵌合片と共に一体形成されてなる新設下地材としたことにより、上記課題を解決した。
【0007】
請求項4の発明を、前述の構成において、前記取付ピースの背面部には上下方向に延出する長孔とした取付孔が形成されてなる新設下地材としたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を前述の構成において、前記取付ピースには、支持板部と該支持板部の幅方向両側から側片が形成された断面略門形状の支持台が具備され、前記支持板部には貫通孔が形成され、前記背面部には、被連結孔が形成され、前記背面部は前記支持板部に回動自在に支持されてなる新設下地材としたことにより、上記課題を解決した。請求項6の発明を前述の構成において、前記貫通孔の内周縁から環状のバーリング加工部が形成され、前記背面部の被連結孔には前記バーリング加工部が遊挿すると共に、該バーリング加工部は外方に拡開されて、前記支持台と背面部とが連結されてなる新設下地材としたことにより、上記課題を解決した。
【0008】
請求項7の発明を、前述の構成において、前記支持台は、その両側片の間隔及び高さ寸法がそれぞれ異なるものを複数備えてなる新設下地材としたことにより、上記課題を解決した。請求項8の発明を、正面片と、該正面片の上端に水平状片と該水平状片の先端に形成された上嵌合段部とからなる上嵌合片が形成され、前記正面片の下端から外方下向きに傾斜する傾斜片と該傾斜片の先端に形成された下嵌合段部とからなる下嵌合片が形成され,前記正面片に対向する背面部が設けられてなる取付ピースと、前記上嵌合片と下嵌合片に嵌合する被嵌合片が形成された下地部材とからなり、1本の下地部材が複数の前記取付ピースにて嵌合固着されてなる新設下地材取付構造としたことにより、上記課題を解決した。
【0009】
請求項9の発明を、既設外囲体又は既設構造材又は新設構造材と、正面片と、該正面片の上端に水平状片と該水平状片の先端に形成された上嵌合段部とからなる上嵌合片が形成され、前記正面片の下端から外方下向きに傾斜する傾斜片と該傾斜片の先端に形成された下嵌合段部とからなる下嵌合片が形成され,前記正面片に対向する背面部が設けられてなる取付ピースと、前記上嵌合片と下嵌合片に嵌合する被嵌合片が形成された下地部材とからなり、前記取付ピースには、支持板部と該支持板部の幅方向両側から側片が形成された断面略門形状の支持台が具備され、前記支持板部には貫通孔が形成され、前記背面部には、被連結孔が形成され、前記背面部は前記支持板部に回動自在に支持され、既設外囲体又は既設構造材又は新設構造材に前記取付ピースが固着具を介して固着され、1本の下地部材が複数の前記取付ピースにて嵌合固着されてなる新設下地材取付構造としたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、取付ピースと下地部材とから構成されたものであり、取付ピースは、水平状片の先端に上嵌合段部が形成された上嵌合片と、傾斜片の先端に下嵌合段部が形成された下嵌合片を有している。下地部材は、取付ピースの上嵌合段部と下嵌合段部に嵌合する被嵌合片が形成されたものである。さらに、下地部材は長手方向に長尺に形成されており、前記取付ピースを既設壁(又は既設屋根)等の(金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等の取付ピースが取付可能なあらゆる既設外囲体と外囲体の外面へボルトが露出しているあらゆる)既設外囲体に適宜の間隔にて装着することにより、この取付ピースに長手方向に長尺とした下地部材を嵌合するのみで、固着具を使用しないで簡単且つ強固に嵌合固定することができ、極めて簡単に既設外囲体に下地部材を装着することができる。
【0011】
そして、この下地部材を胴縁(或いは母屋)として使用することにより、(金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等の取付ピースが取付可能なあらゆる既設外囲体と外囲体の外面へボルトが露出しているあらゆる)既設外囲体に新設壁(又は新設屋根)等の新設外囲体を施工することができる。特に、図示しないが、金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等あらゆる新設外囲体も新設下地材に取り付けることができる。
【0012】
このように取付ピースと下地部材とが、固着具を使用しないで簡単且つ強固に嵌合手段により連結固着することができるので、ボルト・ナット或いはビス等の固着手段における孔の位置合わせが全く不要であり、極めて効率的且つ迅速に胴縁(母屋)等の新設下地の施工をすることができる。また、取付ピースと下地部材とが嵌合手段によって連結固着することができるので、取付ピースと下地部材との間に溶接手段が不要となり、施行工事における火気の心配がないものである。また、取付ピースの既設外囲体への装着は全て、既設外囲体の外側からできるので、施工工事では騒音,雨漏り等の室内への影響を最小限に抑えることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、背面部のみを正面片,上嵌合片及び下嵌合片から分離独立した部材としたことにより、背面部を既設外囲体に装着しながら正面片,上嵌合片及び下嵌合片を装着することができ、正確な状態で施工することができる。請求項3の発明によれば、正面片,上嵌合片,下嵌合片及び背面部が一体的に形成されたことで部品点数を少なくすることができ、既設外囲体への装着を少ない個数の固着具で簡単且つ強固に嵌合固定することができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、前記取付ピースの背面部には上下方向に延出する長孔とした取付孔が形成されたことにより、取付孔を介して既設外囲体に装着する場合に既設ボルト,新設ボルトのいずれを使用したとしても、下地部材を上下方向に位置調整が容易にできる。請求項5の発明では、前記取付ピースには、支持板部と該支持板部の幅方向両側から側片が形成された断面略門形状の支持台が具備され、前記支持板部には貫通孔が形成され、前記背面部には、被連結孔が形成され、前記背面部は前記支持板部に回動自在に支持されることにより、下地部材を外囲体に対して横方向だけでなく、縦方向及び斜め方向にも装着することができる。
【0015】
特に、外囲体を構成する既設構造材が正確に設置されず、傾斜状となっている場合や、或いは下地部材を傾斜状態に設置する必要がある場合に、前記支持台に対して取付ピースを支持する傾斜角度を背面部と共に適宜に変化させることができ、新設下地部材を長手方向にあらゆる傾斜角度にて設置することが極めて簡単にできる。また、下地部材を外囲体の横,縦,斜めのあらゆる方向にも極めて簡単に設置することができるものである。さらに、前記支持板部と背面部とは、相互に回動自在な構成であると共に、取付ピースを外囲体に装着する際に、前記支持台の貫通孔と、前記背面部の被連結孔は、ドリルビス等の固着具或いは既設固定ボルトを貫通させることができ、これらの固着具又は既設固定ボルトを利用し易いものにできる。請求項6の発明では、前記貫通孔の内周縁から環状のバーリング加工部が形成され、前記背面部の被連結孔には前記バーリング加工部が遊挿すると共に、該バーリング加工部は外方に拡開されて、前記支持台と背面部とが連結される構成としているので、極めて簡単且つ組立を行い易い構成にすることができる。
【0016】
請求項7の発明では、前記支持台は、その両側片の間隔及び高さ寸法がそれぞれ異なるものを複数備えたことにより、外囲体を構成する、種々のサイズの波形スレート壁,屋根等の既設外囲体や、既設構造材や新設構造材に対応させることができる。請求項8の発明によれば、取付ピースは既設構造材によって、極めて強固に装着することができる。また、取付ピースは複数個が供えられ、(金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等の取付ピースが取付可能なあらゆる既設外囲体や外囲体の外面へボルトが露出しているあらゆる)既設外囲体上に所定間隔に装着されることで、下地部材の嵌合が比較的少ない力で装着できることとなり、作業員の労力を低減でき、且つ安全性も確保されるものである。請求項9の発明では、既設外囲体と既設構造材と新設構造材の方向に対して新設下地部材をあらゆる傾斜角度に設置することが、極めて容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明における新設下地材は、図1に示すように、取付ピース1と下地部材2とから構成され、前記取付ピース1に対して前記下地部材2が嵌合固定される構造としたものである。前記取付ピース1は、図3(A)に示すように、主に、正面部10及び背面部14とから構成される。前記取付ピース1には、2つの実施形態が存在する。その第1実施形態から説明すると、図3(A),図4(B)に示すように、2部材から構成されるものであって、分離独立した別部材の正面部10と背面部14とから構成される。前記正面部10は、正面片11の上端に前記上嵌合片12が形成され、正面片11の下端に下嵌合片13が形成されたものである〔図3(A)参照〕。
【0018】
そして、前記上嵌合片12は、水平状片121と上嵌合段部122とからなり、前記水平状片121は前記正面片11の上端より略水平状の平坦面として形成されたものである〔図3(A),図4(B)参照〕。さらに前記水平状片121の外端箇所には上嵌合段部122が形成されている。該上嵌合段部122は、前記水平状片121に対して略直角に折曲形成された部位であり、後述する下地部材2の被嵌合片23,23が嵌合する部位である。
【0019】
また、前記下嵌合片13は、傾斜片131と下嵌合段部132とからなり、前記傾斜片131は前記正面片11の下端より外方下向きに傾斜する平坦面として形成されたものである。さらに、前記傾斜片131の外端箇所には下嵌合段部132が形成されている。該下嵌合段部132は、前記傾斜片131に対して上方に向かって屈曲形成された部位である。下嵌合段部132は傾斜面又は垂直面として形成される。前記正面片11,上嵌合片12及び下嵌合片13が一体的に形成されるものであって、金属プレス加工等によって成形加工される。
【0020】
前記正面部10の正面片11に対向して背面部14が設けられている。前記正面片11と背面部14の(後述の)背面主板141とは、略平行状態となっている。そして、該背面部14は、図3(A),図4(B)に示すように、前記正面部10(一体形成された前記正面片11,上嵌合片12及び下嵌合片13)と、分離独立した部材である。前記背面部14は、背面主板141の上下両端には背面部側片142,142が形成され、該背面部側片142,142は、略平行に形成されたものである。両背面部側片142,142は、前記上嵌合片12と下嵌合片13との間に挟持される。具体的には、前記上嵌合片12の上嵌合段部122からさらに外方に水平且つ平坦状に延出形成された上補助片123が形成され、同様に前記下嵌合片13には、下嵌合段部132からさらに外方に水平且つ平坦状に延出形成された下補助片133が形成されている。
【0021】
前記上補助片123と下補助片133とは、略平行状態であり、前記背面部14の上下両背面部側片142,142を挟持する役目をなすものである〔図1(B)参照〕。背面部14の背面主板141には、取付孔15が形成されている〔図3(A)参照〕。該取付孔15は、後述する既設外囲体Aに既設固定ボルト,ビス又は新設ボルト等の固着具を介して取り付けるための部位であり、上下方向に延出する長孔として形成されているが、円形状に形成されることもある。前記取付孔15を長孔とした場合には、取付ピース1を(金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等の取付ピースが取付可能なあらゆる既設外囲体と外囲体の外面へボルトが露出しているあらゆる)既設外囲体Aや既設構造材6或いは新設構造材100に対して取付位置を上下方向に微調整することができる〔図5(D)参照〕。また、前記上補助片123又は下補助片133とのいずれかに一方に接続孔161が形成され、前記両背面部側片142,142のいずれか一方に接続孔162が形成される〔図3(A)参照〕。
【0022】
該接続孔161,162は、具体的には、上補助片123と、背面部14の上方側の背面部側片142に穿孔形成されることが好ましい。前記接続孔161,162のいずれか一方は、円形孔とし、他方は長孔として形成されている〔図3(A)参照〕。その長孔とした接続孔162は、前記取付ピース1の前後方向(幅方向に直交する方向)に沿って形成される。両接続孔161,162は、ビス・ナット等の固着具17によって、固着される。
【0023】
次に、取付ピース1の第2実施形態としては、図6(A)に示すように、前記背面部1
4と正面部10とが一体形成されたものである。具体的には正面部10の上補助片123の外端箇所から下方に向かって略直角となるように前記背面部14の背面主板141が形成されている。該背面主板141には、取付孔15が形成されている。該取付孔15は上下方向に延出する長孔として形成されたり、円形状に形成される。すなわち、取付ピース1はプレス加工等によって、正面部10と背面部14とが1部材にて形成されたものとな
る。
【0024】
下地部材2は、図3(B),図11(B)に示すように、前面側部21の上下方向両側より上側部221及び下側部222が形成され、該上側部221及び下側部222の端縁から互いに内方側に向かって被嵌合片23,23が形成されている。該被嵌合片23は、前記上側部221及び下側部222に対して直角(略直角も含む)に折曲形成されたものである。このような下地部材2は、リップ溝形鋼が使用されることが好適である。さらに、下地部材2は、前記被接合片23,23が形成されたその他の形状の下地材にも適用できる〔図9,図11(B)参照〕。前記被嵌合片23,23は、前記取付ピース1の両上嵌合段部122と下嵌合段部132に溶接することなく嵌合する。
【0025】
次に、取付ピース1の第3実施形態について説明する。この実施形態では、図9,図10等に示すように、前記取付ピース1を構成する部材として、支持台18が加えられたものである。まず、第3実施形態では、前記正面部10は、正面片11,上嵌合片12,下嵌合片13に背面部14を含むものとする〔図9(B),図10(D)参照〕。前記支持台18は、図11に示すように、支持板部181と、該支持板部181の幅方向両側に形成された側片182,182から構成されたものであり、前記支持板部181と両側片182,182によって、断面略門形状に形成されている〔図10(A),(C)参照〕。
【0026】
該側片182は、前記支持板部181に対して略直角に折曲形成されたものであって、略長方形の帯板形状に形成されたものである。両側片182,182は、同一形状であり、特に外囲体Aを構成する波形状等の金属又はスレート屋根等の既設外囲体Aや、該既設外囲体Aの既設構造材6や、新設構造材100に対して2点設置などができることによって、安定した設置とすることができる〔図12(A)参照〕。前記支持板部181は、前記正面部10を回動自在に支持すると共に、該支持台18を介して、前記正面部10を外囲体Aに装着するものである〔図9(A)、図12参照〕。
【0027】
前記支持板部181は、平坦状に形成され、その略中心箇所に貫通孔183が形成されている〔図10(B),(C),(D)及び(E)参照〕。該貫通孔183には、後述する既設固定ボルト7又はドリルビス等の新設固着具4の外螺子軸が貫通する〔図9(B),図12(A)参照〕。また、前記正面部10の背面部14には、被連結孔143が形成されている。該被連結孔143は、前記支持台18の貫通孔183と位置が一致するようにして、前記支持板部181上に正面部10の背面部14が設置される。前記被連結孔143にも前記既設固定ボルト7又は新設固着具4の外螺子軸が貫通する。
【0028】
前記支持板部181に形成された貫通孔183には、図10(B)乃至(D)に示すように、その内周縁から環状のバーリング加工部184が形成されている。該バーリング加工部184は、前記支持板部181に貫通孔183を穿孔する際に、形成されるバリをそのままの状態で使用してもよいし、円筒形状の部位としてプレス加工等によって成形されても構わない。前記バーリング加工部184は、前記正面部10の背面部14に形成された被連結孔143に遊挿するものである。
【0029】
前記バーリング加工部184は、略扁平状の円周状立ち上り部として形成され、前記背面部14の被連結孔143に、余裕を有して挿入し、前記正面部10が、前記バーリング加工部184を回転中心として、滑らかに回動することができるようになっている。前記バーリング加工部184は、前記被連結孔143に遊挿した状態で、外方に拡開される。このバーリング加工部184の拡開は、カシメ等の手段によって行われる。バーリング加工部184が拡開によって拡げられた部位を、連結端縁184aと称する〔図10(B),(C)及び(E)参照〕。該連結端縁184aは、前記正面部10の背面部14に形成された被連結孔143の直径より大きくなり、前記支持台18と前記正面部10とを連結するものである。
【0030】
このようにして構成された前記支持台18と正面部10とは、相互に回動自在な構成であると共に、取付ピース1を外囲体Aに装着する際に、前記支持台18の貫通孔183と、前記正面部10の被連結孔143は、ドリルビス等の新設固着具4或いは既設固定ボルト7を貫通させることができ、これらの新設固着具4又は既設固定ボルト7を利用し易いものにできる。また、前記支持台18の支持板部181の幅方向両側に形成された両側片182,182の間隔S及び該側片182の高さ方向の高さKは、種々異なる寸法としたものを数種類備えることで、既設外囲体Aや既設構造材や新設構造材に対応することができ、さらに前記側片182,182を種々のサイズにしたものを備えることで、既設外囲体Aや既設構造材や構造材等の取付可能部の寸法に対応させることができる。
【0031】
また、前記支持台18の支持板部181には、貫通孔183のみが形成され、前記正面部10の被連結孔143側にバーリング加工部144が形成されることもある〔図10(E)参照〕。さらに、前記支持台18の貫通孔183及び前記正面部10の被連結孔143のいずれにもバーリング加工部184が形成されないこともある。この場合には、前記貫通孔183と被連結孔143に前記新設固着具4又は既設固定ボルト7が貫通することで、ボルト頭部や、ナット等にて、支持台18と正面部10とが連結される構造となる。
【0032】
既設外囲体Aは、例えば金属又はスレート等でその断面形状が、図1(A),図2(A),(B)に示すように、略サインカーブ状の波形に形成されており、実際には複数の既設建築用板材5,5,…より構成されている。ここで、該既設建築用板材5は、断面は波形状に形成されておりその高さ方向の中央より上方側を弧状山形部51とし、また下方側を弧状谷部52と称する。その既設外囲体Aは、図2に示すように、弧状谷部52箇所が母屋,胴縁等の既設構造材6上に固定された既設固定ボルト7,7,…にて固定されている。
【0033】
前記既設構造材6は、具体的には、図1に示すように、断面略「C」字形状のリップ溝形鋼等が使用されている。またアングル鋼等の略「L」字形状の形鋼材が使用されることもある。既設固定ボルト7は、前記既設構造材6がリップ溝形鋼の場合には、ドリルビスが使用され、前記既設構造材6がアングル材の場合ではフックボルトが使用されることになる。そして、前記既設構造材6に前記既設外囲体Aの弧状山形部51の頂部を貫通し、該弧状山形部51の頂部から前記既設構造材6に溶接することなく、ねじこまれて固定される。このように、金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等の取付ピースが取付可能なあらゆる既設外囲体や外囲体の外面へボルトが露出しているあらゆる既設外囲体Aや既設構造材6或いは新設構造材100に取り付けることができる。
【0034】
次に、下地部材2上に施工する壁(屋根)等の新設外囲体Bについては、例えば主に金属製の折板建築用板8から構成されるものであって、主板81の幅方向両側部に山形部82,82が形成されたものである。折板建築用板8の第1タイプは、図2(A),(B)に示すように、半山形状の山形部82,82同士を重合させて連結するものであり、その山形部82,82の頂部同士が重合された状態で受金具に装着された剣先ボルトが貫通してナット等の固着具にて固着されるものである。
【0035】
折板建築用板8の第2タイプは、図7(A)に示すように、前記山形部82,82の頂部の外端より被嵌合屈曲部833が形成されている。該被嵌合屈曲部833は、上方に向かって略逆「L」字形状に形成され、対向する被嵌合屈曲部833,833上にキャップ材834が嵌合固定される。折板建築用板8の第3タイプは、図7(B)に示すように、該山形部82,82に連結部83,83が形成されたものである。該連結部83,83の一方に下馳部831が形成され、他方側の半山形に形成された上馳部832が形成され、該下馳部831及び上馳部832は、共に円弧状に形成され、重合状態で馳締連結される。特に、図示しないが、金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等あらゆる新設外囲体も新設下地材に取り付けることができる。
【0036】
次に、本発明の新設下地材を既設外囲体Aに取り付ける構造について説明する。第1実施形態の取付ピース1は、既設建築用板材5の複数の弧状山形部51箇所に設置される。まず、前記既設外囲体Aを構成する既設建築用板材5と、既設構造材6とを固定する既設固定ボルト7が利用される。具体的には、前記既設建築用板材5の弧状山形部51より突出した既設固定ボルト7の螺子軸部71を取付ピース1の背面部14に形成された取付孔
15に挿通させる〔図4(A)参照〕。このとき、弧状山形部51から突出した既設固定ボルト7の螺子軸部71に螺合している既設ナット72は外さないで、該既設ナット72の上から背面部14を設置させる。
【0037】
そして、前記取付ピース1の取付孔15に挿入された螺子軸部71に新設ナット3が螺合され、取付ピース1の背面部14が既設外囲体Aに固定される〔図4(B)参照〕。さらに背面部14に、前記取付ピース1の正面部10が接続される。このとき、前述したように、前記上補助片123(又は下補助片133)と背面部14の背面部側片142に形成された接続孔161,162にビス・ナット等の固着具17を介して固着されるものである。
【0038】
前記取付ピース1は、既設建築用板材5の長手方向に直交する方向に沿って適宜の間隔をおいて設置される。そして、取付ピース1の上嵌合段部122に、下地部材2の上側の被嵌合片23が係止され、その係止箇所を略回転中心として下地部材2の他方側の被嵌合片23を取付ピース1の傾斜片131に沿って下方に移動させるように下地部材2を回転させる〔図4(C)参照〕。そして、被嵌合片23を下嵌合段部132に嵌合係止させ、下地部材2を取付ピース1に、固着具を使用しないで簡単且つ強固に嵌合固定されるものである〔図4(D)参照〕。
【0039】
また、第2実施形態の取付ピース1の場合も、前記第1実施形態の場合と略同様の工程である。すなわち、図6(B)乃至(D)に示すように、正面部10と背面部14とを一体形状とした取付ピース1の取付孔15に既設固定ボルト7の螺子軸部71が挿入され、新設ナット3にて既設外囲体Aに取付ピース1が固定される。そして、第1実施形態の取付ピース1と同様に下地部材2が固着具を使用しないで簡単且つ強固に嵌合固定されるものである。
【0040】
さらに、前記取付ピース1は、既設外囲体Aの既設固定ボルト7を介して固定するものとしているが、この既設固定ボルト7を使用しないで、ドリルビス等の新設固着具4を使用して取付ピース1を既設外囲体Aに固着することもある。この場合には、図5に示すように、前記新設固着具4を、前記取付ピース1の取付孔15に挿入して、既設外囲体Aの既設建築用板材5の弧状山形部51から既設構造材6にねじこみ、取付ピース1を固着す
るものである。
【0041】
本発明の新設下地材は、主に既設外囲体を、既設壁としたものであり、下地部材2は胴縁とし新設外囲体Bは新設壁としているが、新設下地材を母屋とし、既設外囲体Aを既設屋根とし、新設外囲体Bを新設屋根とすることもある。この場合においても新設屋根は、重合タイプ〔図8(A)参照〕、嵌合タイプ〔図8(B)参照〕及び馳締タイプ〔図8(C)参照〕が存在する。特に、図示しないが、金属折板、瓦棒、横葺き、ALC、窯業系サイディング等あらゆる新設外囲体Bも新設下地材に溶接することなく取り付けることができる。
【0042】
第3実施形態の取付ピース1は、前記下地部材2を外囲体Aに対して横方向だけでなく、縦方向及び斜め方向のあらゆる傾斜角度にも装着することができる〔図9(A),図13(A)参照〕。特に、外囲体Aを構成する既設構造材6が正確に水平でなく、傾斜状となっている場合や、或いは下地部材2を傾斜状態に設置する必要がある場合に使用される。まず、第3実施形態の取付ピース1を既設の外囲体Aに装着するには、前記支持台18が弧状山形部51の頂部箇所に設置される〔図11(C)参照〕。このとき、前記支持台18の両側片182,182の下端縁は、弧状山形部51の頂部から左右両側の所定の位置に接触する。
【0043】
これによって、外囲体Aが構成する平面に対して、支持台18の支持板部181は常時、略平行な状態にすることができる。そして、前記支持台18の貫通孔183と、前記嵌合本体部10の被連結孔143に、新設固着具4の外螺子軸が貫通するようにして、補強座金91によって前記バーリング加工部184を覆いつつ、ドリルビス等の新設固着具4にて締め付ける〔図11(C)参照〕。また、前記新設固着具4の代わりに既設固定ボルト7を使用して、前記取付ピース1を既設外囲体Aに設置固定することもできる〔図11(D)参照〕。この場合には、前記既設固定ボルト7を前記被連結孔143及び貫通孔183に貫通させ、前記補強座金91を介してナット92にて締め付ける。前記補強座金91には、貫通孔91aが形成されており、前記既設固定ボルト7又は新設固着具4の外螺子軸が貫通することができるようになっている。
【0044】
前記既設固定ボルト7が使用されない場合には、ドリルビス等の新設固着具4を使用するものである。このときは、前記支持台18を弧状山形部51の頂部に設置し、前記補強座金91でバーリング加工部184を覆いつつ、前記新設固着具4を被連結孔143及び貫通孔183に貫通させ、新設固着具4先端を外囲体Aを構成する既設構造材6にねじ込み、前記取付ピース1を既設外囲体Aに設置固定する〔図11(C),(D)参照〕。このようにして、複数の弧状山形部51に亘って設置された取付ピース1に下地部材2が嵌合固定される〔図13(A)参照〕。
【0045】
そして、前記下地部材2を胴縁とし、この胴縁に新設外囲体Bを新設壁体として施工する〔図12(B)参照〕。さらに、図示しないが、前記支持台18及び嵌合本体部10に共にバーリング加工部184(144)が形成されず、支持台18と嵌合本体部10とが分離している場合には、まず前記支持台18が弧状山形部51の頂部に設置され、前記支持板部181に嵌合本体部10の背面部14が設置され、貫通孔183と被連結孔143との位置を一致させ、前記既設固定ボルト7又は新設固着具4の外螺子軸を貫通させて、固着するものである。
【0046】
取付ピース1が複数の弧状山形部51,51,…に設置され、それぞれの弧状山形部51に設置された取付ピース1の嵌合本体部10を前記支持台18の支持板部181上にて同一の角度に設定する。このときそれぞれの取付ピース1の嵌合本体部10は、略同一の傾きとなれば良い。そして、複数の取付ピース1に、下地部材2を嵌合する。図13(A)は、外囲体Aに下地部材2を胴縁としたときに、壁とした外囲体Aの横方向に対して斜め状に設置したものである。
【0047】
また、図9(A)外囲体Aの既設構造材6が傾斜している状態である。図13は、前記下地部材2が既設構造材6に対して斜め,横,縦のあらゆる方向に設置されることができることを示すものであり、図13(A)では、その既設構造材6に合わせて第3実施形態の取付ピース1を外囲体Aに装着したもので、前記下地部材2は、外囲体Aを構成する既設建築用板材5の長手方向に直交する方向(横方向)に対して、角度θで傾斜していることが示されている。図13(B)は、第3実施形態の取付ピース1によって、下地部材2を外囲体Aの横方向に装着した構成である。図13(C)は、第3実施形態の取付ピース1によって、下地部材2を外囲体Aの縦方向に装着した構成である。
【0048】
本発明における第3実施形態の取付ピース1は、前述したように、新設下地材は、前記既設外囲体A上に施工されるものである。また、屋根板材或いは壁材等の既設建築用板材5が設けられていない既設構造材6或いは新設構造材100に、本発明における新設下地材が直接施工される実施形態も存在する。この実施形態では、既設構造材6或いは新設構造材100は、種々の鋼材が使用され、具体的な鋼材としては、断面円形状の鋼製管〔図14(A)参照〕,C形鋼〔図14(B)参照〕,I形鋼〔図15(A)参照〕、或いはH形鋼〔図15(B)参照〕等が使用される。
【0049】
既設構造材6或いは新設構造材100に断面円形状の鋼製管が使用される実施形態では、前記取付ピース1の支持台18の両側片182,182は、管の弧状部分に跨るようにして配置され、ドリルビス等の新設固着具4によって、前記支持台18が既設構造材6或いは新設構造材100に固着されるものである。また、既設構造材6或いは新設構造材100にC形鋼〔図14(B)参照〕,I形鋼〔図15(A)参照〕が使用される実施形態では、前記取付ピース1の支持台18の両側片182,182は、C形鋼又は,I形鋼の平坦部分に跨るように設置され、前記支持板部181の裏面側に平坦部が当接して、新設固着具4によって固着される。さらに、既設構造材6或いは新設構造材100にH形鋼〔図15(B)参照〕が使用される場合には、前記支持台18の両側片182,182がH形鋼の両フランジ間に亘って配置され、前記支持板部181の裏面側に両フランジが当接するようにして支持され、前記新設固着具4にて支持固定される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】(A)は本発明の新設下地材を既設外囲体に装着した要部斜視図、(B)は(A)の断面図である。
【図2】(A)は本発明の新設下地材を既設外囲体に装着した正面略示図、(B)は(A)の一部切除した要部拡大図である。
【図3】(A)は第1実施形態の取付ピースの斜視図、(B)は下地部材の斜視図である。
【図4】(A)乃至(D)は取付ピースを既設外囲体に装着する工程図である。
【図5】(A),(B)は取付ピースをドリルビスにて装着する行程図、(C)は下地部材の前後方向の位置微調整の作用図、(D)は下地部材の上下方向の位置微調整の作用図である。
【図6】(A)は第2実施形態の取付ピースの斜視図、(B)乃至(D)は取付ピースを既設外囲体に装着する工程図である。
【図7】(A)は新設外囲体を嵌合タイプの壁とした実施形態の要部縦断正面図、(B)は新設外囲体を馳締タイプの壁とした実施形態の要部縦断正面図である。
【図8】(A)は新設外囲体を重合体タイプの屋根とした実施形態の要部正面図、(B)は新設外囲体を嵌合タイプの屋根とした実施形態の要部正面図、(C)は新設外囲体を馳締タイプの屋根とした実施形態の要部正面図である。
【図9】(A)は本発明の第3実施形態の取付ピースによって新設下地材を既設外囲体に装着した要部斜視図、(B)は(A)の要部縦断正面図である。
【図10】(A)は第3実施形態の取付ピースの斜視図、(B)は(A)のXa−Xa矢視断面図、(C)は(A)のXb−Xb矢視断面図、(D)は支持台と嵌合本体部とを分離した断面図、(E)は第3実施形態の取付ピースの変形例である。
【図11】(A)は第3実施形態の取付ピースの平面図、(B)は下地部材の平面図、(C)は第3実施形態の取付ピースを新設固着具を介して既設外囲体に装着する構成図、(D)は第3実施形態の取付ピースを既設固定ボルトを介して既設外囲体に装着する構成図である。
【図12】(A)は第3実施形態の取付ピースを外囲体に装着した縦断正面図、(B)は下地部材に新設外囲体を施工した一部断面にした正面図である。
【図13】(A)は第3実施形態の取付ピースによって下地部材を傾斜状に装着した略示図、(B)は第3実施形態の取付ピースによって下地部材を横方向に装着した略示図、(C)は第3実施形態の取付ピースによって下地部材を縦方向に装着した略示図である。
【図14】(A)は第3実施形態の取付ピースをパイプ形状の既設構造材(又は新設構造材)に装着した縦断正面図、(B)は第3実施形態の取付ピースをC形鋼の既設構造材(又は新設構造材)に装着した縦断正面図である。
【図15】(A)は第3実施形態の取付ピースをI形状の既設構造材(又は新設構造材)に装着した縦断正面図、(B)は第3実施形態の取付ピースをH形鋼の既設構造材(又は新設構造材)に装着した縦断正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…取付ピース、11…正面片、12…上嵌合片、121…水平状片、
122…上嵌合段部、13…下嵌合片、131…傾斜片、14…背面部、
142…背面部側片、15…取付孔、2…下地部材、23…被嵌合片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面片と、該正面片の上端に水平状片と該水平状片の先端に形成された上嵌合段部とからなる上嵌合片が形成され、前記正面片の下端から外方下向きに傾斜する傾斜片と該傾斜片の先端に形成された下嵌合段部とからなる下嵌合片が形成され,前記正面片に対向する背面部が設けられてなる取付ピースと、前記上嵌合段部と下嵌合段部に嵌合する被嵌合片が形成された下地部材とからなり、該下地部材は長手方向に長尺に形成され、前記取付ピースと下地部材とが嵌合されてなることを特徴とする新設下地材。
【請求項2】
請求項1において、前記取付ピースの正面片,上嵌合片及び下嵌合片は一体形成され、前記背面部のみ分離して形成され、該背面部の上下両端には背面部側片が形成され、前記上嵌合片と下嵌合片との間に挟持されると共に、前記上嵌合片又は下嵌合片のいずれか一方と背面部側片とは連結固着具にて連結されてなることを特徴とする新設下地材。
【請求項3】
請求項1において、前記取付ピースの背面部は前記正面片,上嵌合片及び下嵌合片と共に一体形成されてなることを特徴とする新設下地材。
【請求項4】
請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記取付ピースの背面部には上下方向に延出する長孔とした取付孔が形成されてなることを特徴とする新設下地材。
【請求項5】
請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記取付ピースには、支持板部と該支持板部の幅方向両側から側片が形成された断面略門形状の支持台が具備され、前記支持板部には貫通孔が形成され、前記背面部には、被連結孔が形成され、前記背面部は前記支持板部に回動自在に支持されてなることを特徴とする新設下地材。
【請求項6】
請求項5において、前記貫通孔の内周縁から環状のバーリング加工部が形成され、前記背面部の被連結孔には前記バーリング加工部が遊挿すると共に、該バーリング加工部は外方に拡開されて、前記支持台と背面部とが連結されてなることを特徴とする新設下地材。
【請求項7】
請求項5又は6において、前記支持台は、その両側片の間隔及び高さ寸法がそれぞれ異なるものを複数備えてなること特徴とする新設下地材。
新設下地材。
【請求項8】
正面片と、該正面片の上端に水平状片と該水平状片の先端に形成された上嵌合段部とからなる上嵌合片が形成され、前記正面片の下端から外方下向きに傾斜する傾斜片と該傾斜片の先端に形成された下嵌合段部とからなる下嵌合片が形成され,前記正面片に対向する背面部が設けられてなる取付ピースと、前記上嵌合片と下嵌合片に嵌合する被嵌合片が形成された下地部材とからなり、1本の下地部材が複数の前記取付ピースにて嵌合固着されてなることを特徴とする新設下地材取付構造。
【請求項9】
既設外囲体又は既設構造材又は新設構造材と、正面片と、該正面片の上端に水平状片と該水平状片の先端に形成された上嵌合段部とからなる上嵌合片が形成され、前記正面片の下端から外方下向きに傾斜する傾斜片と該傾斜片の先端に形成された下嵌合段部とからなる下嵌合片が形成され,前記正面片に対向する背面部が設けられてなる取付ピースと、前記上嵌合片と下嵌合片に嵌合する被嵌合片が形成された下地部材とからなり、前記取付ピースには、支持板部と該支持板部の幅方向両側から側片が形成された断面略門形状の支持台が具備され、前記支持板部には貫通孔が形成され、前記背面部には、被連結孔が形成され、前記背面部は前記支持板部に回動自在に支持され、既設外囲体又は既設構造材又は新設構造材に前記取付ピースが固着具を介して固着され、1本の下地部材が複数の前記取付ピースにて嵌合固着されてなることを特徴とする新設下地材取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−46968(P2009−46968A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337063(P2007−337063)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000175973)三晃金属工業株式会社 (85)
【Fターム(参考)】