説明

映像処理装置及び映像処理方法

【課題】視聴者に対してより好適にデモモードを提供可能な映像処理装置及び映像処理方法を提供することを主たる目的とする。
【解決手段】人物の存在を認識するセンサモジュール121と、自装置の有する機能に関するデモ映像を出力する映像処理モジュール32と、センサモジュール121にて人物の存在を認識した場合に、デモ映像の出力を開始するよう映像処理モジュールを制御する制御モジュール35を備える。つまり、センサモジュール121にて人物の存在を認識した場合にデモモードとなり、デモ映像の出力が開始されるようにデモモード制御モジュール35cにより制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、デモモードで動作することが出来る映像処理装置及び映像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビ等の映像表示装置の販売では、その装置の特徴を宣伝するために販売店の店頭等でデモモードが用いられる。デモモードとは、デモンストレーションモードの略で、元の映像に様々な処理を施した映像をディスプレイに表示し、その映像の違いを顧客が直接確認することができるモードをいう。あるいは、当該装置が持つ様々な機能(例えば、映像を高画質化する映像処理機能)に関する説明文をディスプレイに表示して、当該機能を視聴者に説明することができるモードをいう。
【0003】
例えば、特許文献1では、通常の映像の表示中にでも映像表示を任意のタイミングで切り替え、終了後には通常の映像に切り替えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−224856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、デモモードの機能を備えるテレビが考えられている。デモモードは、視聴者に対して当該機器が持つ機能を説明してアピールでき、宣伝効果という側面が比較的大きい。このため、視聴者に対して訴求効果の高いデモモードの機能が求められている。
【0006】
そこで、本発明の実施形態では、視聴者に対してより好適にデモモードを提供可能な映像処理装置及び映像処理方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の映像処理装置は、人物の存在を認識するセンサモジュールと、自装置の有する機能に関するデモ映像を出力する映像処理モジュールと、前記センサモジュールにて人物の存在を認識した場合に、前記デモ映像の出力を開始するよう前記映像処理モジュールを制御する制御モジュールとを備える。
【0008】
実施形態の映像処理方法は、デモ映像を出力する映像処理モジュールを備える映像処理装置の映像処理方法であって、センサモジュールにて人物の存在を認識し、前記センサモジュールにて人物の存在を認識した場合に、前記映像処理装置の有する機能に関するデモ映像の出力を開始するよう前記映像処理モジュールを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置の外観を示す図である。
【図2】実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置の主要な信号処理系を示す図である。
【図3】同実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置が行なう処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】同実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置のモード設定を示す図である。
【図5】同実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置のデモモードの際のディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【図6】同実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置のデモモードの際のディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【図7】同実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置のデモモードの際のディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【図8】同実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置のデモモードの際のディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【図9】他の実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置が行なう処理動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、以下の実施形態で説明するテレビジョン放送受信装置111の外観の一例を概略的に示している。
【0011】
テレビジョン放送受信装置111は、主として、薄型の筐体(以下、キャビネット112)と、このキャビネット112を起立させて支持する支持台113とから構成されている。なお、支持台113を含めてキャビネットと称してもよい。キャビネット112には、例えば液晶表示パネルやプラズマパネル等を備えた平面パネル型ディスプレイであるディスプレイ114、一対のスピーカ115、操作モジュール116、リモートコントローラ117から送信される操作情報を受けるリモコン受光モジュール118等が設置されている。操作モジュール116は、キャビネット112の前面ではなく側面に配置されていても構わない。
【0012】
キャビネット112の前面ほぼ中央であって、ディスプレイ114下部にはイルミネーション119が設けられている。イルミネーション119には、例えば社名や機種名を示す文字や記号(ロゴ部)が設けられており、例えばLEDライトを光源としている。イルミネーション119は、電源がユーザ操作に応じてオフ状態からオン状態になると点灯し、オフ状態になると消灯する。
【0013】
キャビネット112の右下部には、当該テレビジョン放送受信装置111の電源状態を示す電源インジケータ120がリモコン受光モジュール118と隣り合って設けられている。電源インジケータ120も例えばLEDを光源としている。
【0014】
キャビネット112のイルミネーション119の近傍には、人物の存在を認識するセンサモジュール121が設けられている。センサモジュール121は、例えばカメラセンサーであり、センシング範囲内にある人物の存在を例えば顔及び/または動きをカメラにて画像検知することで認識する。なお、センサモジュール112の配置は任意である。また、センサモジュール112は、人物の存在を認識するモジュールであればカメラを用いるセンサに限定されない。
【0015】
図2は、被制御機器の一例である上記テレビジョン放送受信装置111の信号処理系の概略を示している。すなわち、アンテナ25で受信したデジタルテレビジョン放送信号は、入力端子26を介してチューナー27に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0016】
このチューナー27で選局された放送信号は、復調・復号モジュール28に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号等に復元された後、信号処理モジュール29に出力される。この信号処理モジュール29は、復調・復号モジュール28から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対してそれぞれ所定のデジタル信号処理を施している。
【0017】
信号処理モジュール29は、デジタルの映像信号を合成処理モジュール30に出力し、デジタルの音声信号を音声処理モジュール31に出力している。このうち、合成処理モジュール30は、信号処理部29から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(on screen display)信号を重畳して映像処理モジュール32に出力している。
【0018】
映像処理モジュール32は、入力されたデジタルの映像信号を、後段のディスプレイ114で表示可能なフォーマットに変換している。また、映像処理モジュール32では、後述する超解像処理や動画改善処理を含めて様々な画質処理が行われる。映像処理モジュール32から出力された映像信号が、ディスプレイ114に供給されて映像表示に供される。
【0019】
音声処理モジュール31は、入力されたデジタルの音声信号を、後段のスピーカ115で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換している。そして、この音声処理モジュール31から出力されたアナログ音声信号が、スピーカ115に供給されることにより音声再生に供される。
【0020】
このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御モジュール35によって統括的に制御されている。この制御モジュール35は、CPU(central processing unit)35aを内蔵しており、テレビジョン放送受信装置111の本体に設置された操作モジュール116(例えば、本体筺体の側面等に設けられた操作スイッチ)からの操作信号を受けて、または、リモートコントローラ117から送出され受光モジュール118で受信した操作信号を受けて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0021】
この場合、制御モジュール35は、メモリ35bを利用している。このメモリ35bは、主として、CPU35aが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、該CPU35aに作業エリアを提供するためのRAM(random access memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。また、メモリ35bには後述するデモモードの際に用いられる各種のデモ映像の映像データが記録されている。なお、センサモジュール121自体に記録領域がある場合には、デモ映像の映像データがセンサモジュール121に記録されていてもよい。
【0022】
制御モジュール35には、デモモード制御モジュール35cを含む。デモモード制御モジュール35cは、デモモードの開始や終了、デモモード中のデモ映像の出力処理など、デモモードに関わる処理を制御する。
【0023】
制御モジュール35には、HDD(hard disk drive)38が接続されている。制御モジュール35は、ユーザによる操作モジュール116やリモートコントローラ117等の操作に基づいて、上記復調・復号モジュール28から得られるデジタルの映像信号及び音声信号を、記録再生処理モジュール39によって暗号化し所定の記録フォーマットに変換した後、HDD38に供給してハードディスク38aに記録させるように制御することができる。
【0024】
制御モジュール35は、ユーザによる操作モジュール116やリモートコントローラ117等の操作に基づいて、HDD38によりハードディスク38aからデジタルの映像信号及び音声信号を読み出させ、上記記録再生処理モジュール39によって復号化した後、信号処理モジュール29に供給することによって、以後、上記した映像表示及び音声再生に供させるように制御することができる。
【0025】
上記デジタルテレビジョン放送受信装置111には、入力端子40が接続されている。この入力端子40は、デジタルテレビジョン放送受信装置111の外部からデジタルの映像信号及び音声信号を直接入力するためのものである。入力端子40を介して入力されたデジタルの映像信号及び音声信号は、ユーザによる操作モジュール116やリモートコントローラ117等の操作に対応した制御モジュール35の制御に基づいて、記録再生処理モジュール39を介した後、信号処理部29に供給されて、以後、上記した映像表示及び音声再生に供される。
【0026】
入力端子40を介して入力されたデジタルの映像信号及び音声信号は、ユーザによる操作モジュール116やリモートコントローラ117等の操作に対応した制御モジュール35の制御に基づいて、記録再生処理モジュール39を介した後、HDD38に対しての記録再生に供される。
【0027】
制御モジュール35は、ネットワークインターフェース41を介して外部のネットワーク42に接続されている。このため、制御モジュール35は、ユーザによる操作モジュール116やリモートコントローラ117等の操作に基づいて、ネットワーク42上の複数のネットワークサーバに選択的にアクセスすることにより、そこで提供している各種のサービスを利用することができるようになっている。
【0028】
制御モジュール35は、センサモジュール121と接続されている。これにより、センサモジュール121にて人物の存在を認識した場合に、制御モジュール35(デモモード制御モジュール35c)は、デモモードに設定してデモ映像の出力を開始するよう映像処理モジュール32を制御する。この点は後述する。
【0029】
図3は、テレビジョン放送受信装置111が行なう処理動作の一例を示すフローチャートである。この処理動作は、テレビジョン放送受信装置111が店頭モードに設定された状態で行なわれる。
【0030】
店頭モードは例えば以下のように設定される。すなわち、制御モジュール35は、操作モジュール116やリモートコントローラ117の操作に応じて例えば図4に示すように、ユーザーモードと設定するか店頭モードと設定するかの選択メニュー131がディスプレイ114に表示されるよう合成処理モジュール30、映像処理モジュール32等を制御する。ユーザーモードは、「通常モードからデモモードへのセンサモジュール121による人物の存在・非存在の認識に応じた移行処理」「デモ映像の出力処理または非出力処理」等のデモモードに関わる処理が行われないモードであり、家庭用として好ましく用いられるモードである。店頭モードは、「通常モードからデモモードへのセンサモジュール121による人物の存在または非存在の認識に応じた移行処理」「デモ映像の出力処理または非出力処理」等のデモモードに関わる処理が行われるモードであり、家電量販店等にて好ましく用いられるモードである。このように、テレビジョン放送受信装置111は、映像処理モジュール32からディスプレイ114へのデモ映像の出力の有効または無効の設定を選択的にユーザーに許可する選択手段を備える。なお、通常モードは、ユーザが普通に放送番組等を視聴するモードである。
【0031】
本実施形態では、図4の選択メニュー131にてテレビジョン放送受信装置111が店頭モードに設定される(ステップ1)。なお、ディスプレイ11には、例えばチューナ27で受信した放送番組等が表示されているとする。
【0032】
次に、任意の人物がテレビジョン放送受信装置111の正面等に立った場合、センサモジュール121は当該人物の顔または動きを検出し、人物の存在を認識する(ステップ2)。上記のとおり、センサモジュール121は例えばカメラセンサーであり、センシング範囲内にある人物の存在を例えば顔及び/または動きを画像検出することで認識する。
【0033】
次に、テレビジョン放送受信装置111が操作モジュール116またはリモートコントローラ117にて操作中か否かが制御モジュール35にて判別される(ステップ3)。ユーザ操作がされていなかった場合(ステップ3のNo)は、デモモード制御モジュール35cの制御に従ってテレビジョン放送受信装置111はデモモードに設定され、デモ映像の出力を開始する(ステップ4)。
【0034】
一方、テレビジョン放送受信装置111が操作モジュール116またはリモートコントローラ117で操作中の場合(ステップ3のYes)はデモモードには設定されず、例えばステップ2にループするようデモモード制御モジュール35cが制御する。つまり、センサモジュール121を用いて人物の存在が認識されている場合であっても、当該人物あるいはそれ以外の誰かがテレビジョン放送受信装置111を操作中(例えば、チャンネル切り替え動作中、音量調整中等)の場合には、デモモードに突然切り換わってデモ映像が出力されると、ユーザ操作の実行を妨げることになりかねない。そこで本実施形態のテレビジョン放送受信装置111では、センサモジュール121にて人物の存在が認識されており、かつ、誰もテレビジョン放送受信装置111を操作していない場合に、デモモードに設定されて、デモ映像の出力が開始されるようデモモード制御モジュール35cにより制御される。
【0035】
デモモードに切り換わると、デモモード制御モジュール35cの制御に応じて、所定の機能に関するデモ映像がディスプレイ114に出力される。デモモードで表示されるデモ映像のデータは予め記録領域(例えばメモリ35b)に記憶されている。本実施形態のデモモードでは、超解像処理と動画改善処理の2つについてのデモ映像が所定時間ごとに順にディスプレイ114に出力されるとして以下説明する。超解像処理は、第1の映像信号から本来の画素値を推定して画素を増やすことにより、高解像度の映像信号を復元する鮮鋭化処理である。動画改善処理は映像中の動きのある部分をより滑らかに表示する映像処理であり、例えば1秒間に毎秒60コマで送られてくる映像の間に補間フレームを生成することでフレームレートを変換し、毎秒120コマ(あるいはそれ以上)のコマ表示を実現する処理である。
【0036】
デモモードが開始されると、デモモード制御モジュール35cは、紹介されるデモ映像の機能名及び境界線をディスプレイ114に表示するよう映像処理モジュール32等を制御する。具体的には例えば、図5に示すようにディスプレイ114の中央上面に当該デモ映像に対応する機能「超解像処理」と表示し、画面を左右に2等分する位置に境界線が表示される。さらに、2等分された右側の画面下方に「OFF」、左側の画面下方に「ON」と表示される。ここで、「OFF」は超解像処理がされていない画像であること、「ON」は超解像処理がされている画像であることを意味する。このように、超解像処理をしている画像と、超解像処理をしていない画像とが同じ画面に同時に並んで表示される。このため、その画像の違い(例えば映像の鮮鋭度の違い)からテレビジョン放送受信装置111が有する超解像処理の機能を視聴者が容易に確認できる。
【0037】
超解像処理についてのデモ映像として予め設定された期間(例えば30秒間)が終了した場合、続いて動画改善処理についてのデモ映像が出力される。具体的には例えば図6に示すように、ディスプレイ114の中央上面に「動画改善処理」と表示し、画面を左右に2等分する位置に境界線が表示され、所定の静止画像データが右から左へ速いスピードでスクロールするようデモモード制御モジュール35cにより制御される。
【0038】
2等分された右側の画面下方に「OFF」、左側の画面下方に「ON」と表示される。ここで、「OFF」は動画改善処理がされていない領域であること、「ON」は動画改善処理がされている領域であることを意味する。なお、ディスプレイ114の画面の左に消えた画像は、再びディスプレイ114の画面の右側から現れるように構成されていてもよい。
【0039】
速いスピードでスクロール表示されるのは、動画改善は速い動作の中出その効果が顕著に現れるためである。このようにして、動画改善処理をしている領域の画像と、動画改善処理をしていない領域の画像とが同じディスプレイ114上で同時に並んで表示されるため、その画像の画質の違いからテレビジョン放送受信装置111が有する動画改善処理の機能を視聴者が容易に確認できる。
【0040】
なお、本実施形態では、ディスプレイ114に表示される超解像処理、動画改善処理、境界線、ON、OFF等の表示は画像のスクロールと独立しており、ディスプレイ114上に固定されて表示される。
【0041】
上述したデモ映像が出力されている途中(つまり、デモモード中)、操作モジュール116またはリモートコントローラ117で所定の操作がされたか否かが制御モジュール35(デモモード制御モジュール35c)にて判別される(ステップ5)。
【0042】
デモ映像が出力されている途中で所定の操作がなされた場合(ステップ5のYes)、デモ映像の出力は途中で停止されてデモモードは終了し(ステップ6)、操作モジュール116またはリモートコントローラ117に応じた処理が成される。例えば、ユーザがデモモードの終了操作を行なった場合にはデモモードは終了する。例えば、デモモードを終了するか否かの選択メニューをディスプレイ114に表示され、当該選択メニューの操作に応じてデモモードは終了する。
【0043】
デモ映像が出力されている途中で操作モジュール116またはリモートコントローラ117による所定の操作がなされず(ステップ5のNo)、全てのデモ映像(例えば上記超解像処理及び動画改善処理のデモ映像)の出力が終了した場合、デモモードは終了する(ステップ7)。なお、デモモードが終了した後は、通常の放送番組の画面に切り替えてもよいし、デモ映像を開始位置(上記例であれば超解像処理のデモ映像)からループして再出力するようにしてもよい。
【0044】
以上説明したように本実施形態では、センサモジュール121にて人物の存在を認識した場合に、デモモードとなり、デモ映像の出力が開始されるようにデモモード制御モジュール35cにより制御される。かかる構成によれば、店頭などで顧客がテレビジョン放送受信装置111の前等に来たときのタイミングにあわせてデモ映像を開始位置から出力できる。このため、デモ映像の内容をより効果的に視聴者に提供し、視聴者に対する訴求効果を高めることができる。
【0045】
なお、デモ映像の表示形式は上記図5や図6で示した例に限定されない。例えば、デモモードに切り換わると、図7に示すように、テレビジョン放送受信装置111が持つ特徴の幾つかの項目を表示するデモ映像領域140をディスプレイ114の一部に表示するよう構成してもよい。この場合、デモ映像領域140以外の領域には放送番組等が表示されていてもよい。デモ映像領域140には、特徴欄141が少なくとも一つ含まれ、当該テレビジョン放送受信装置111が持つ特徴の幾つか(A,B,C,D)が表示される。例えば、特徴欄Aに超解像処理、特徴欄Bに動画改善処理、特徴欄CにLEDバックライト制御、特徴欄Dにオート画質調整など、テレビジョン放送受信装置111が持つ機能の名称が文字表示される。かかる特徴欄140により、視聴者は当該テレビジョン放送受信装置111が持つ主な特徴を把握することができる。
【0046】
次に、所定時間経過後(例えば15秒後)、図8に示すように画面遷移する。ここでは、特徴欄A(上述した例であれば超解像処理)に対応する説明が含まれる説明領域142がデモ映像領域140に含まれて表示される。例えば、説明領域142には超解像処理が、映像信号の解像度を高めて出力する処理であることやそのメカニズムについての説明文が表示される。以下同様にB、C、Dが順に説明される。このように、ディスプレイ114の一部に対してデモ映像を表示するよう構成されていてもよい。
【0047】
なお、センサモジュール121にて人物の認識が出来なくなった場合に、デモ映像の出力が自動的に終了するよう映像処理モジュール32を制御するよう制御モジュール(デモモード制御モジュール35c)が制御してもよい。
【0048】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態では、センサモジュールにて第1の人物を認識してデモ映像の出力が開始された後に、別の人物(第2の人物)を認識した場合に、デモ映像の開始位置から再度デモ映像を出力する点が上記実施形態と異なる。また、センサモジュールにて第1の人物を認識して、デモ映像の出力が開始された後に第1の人物と異なる第2の人物を認識した場合であっても、第1の人物が認識されている場合は、デモ映像を開始位置から出力し直さないようにする点が上記実施形態と異なる。
【0049】
他の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置111について図9のフローチャートを参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の点については、同一符号を付してその説明を省略するか簡略する。
【0050】
第1の人物がテレビジョン放送受信装置111の正面等に立った場合、センサモジュール121は当該人物の顔または動きを検出し、第1の人物の存在を認識する(ステップ12)。
【0051】
人物の存在の認識によりデモモードが開始されると(ステップ4)、デモモード制御モジュール35cの制御により、図5〜図8で示したようなデモ映像がディスプレイ114に表示される。
【0052】
デモ映像が表示されている途中で第1の人物がテレビジョン放送受信装置111の正面から居なくなると、センサモジュール121にて当該第1の人物の顔または動きが検出されなくなる(ステップ15)。つまり、センサモジュール121にて、第1の人物の存在を認識できなくなったとする。
【0053】
次に、第1の人物とは異なる別の人物(第2の人物)がテレビジョン放送受信装置111の正面等に立ち、センサモジュール121が当該第2の人物の顔または動きを検出し、第2の人物の存在を認識する(ステップ16)。
【0054】
次に、当該テレビジョン放送受信装置111が操作モジュール116またはリモートコントローラ117にて操作中か否かが制御モジュール35にて判別される(ステップ17)。ユーザ操作がされていなかった場合(ステップ17のNo)は、デモモード制御モジュール35cの制御に従ってデモ映像が開始位置から再出力される(ステップ18)。なお、第1の人物が認識出来なくなる前に第2の人物を認識した場合は、デモ映像の開始位置からの再出力は行なわれない。
【0055】
一方、テレビジョン放送受信装置111が操作モジュール116またはリモートコントローラ117で操作中の場合(ステップ17のYes)はデモ映像の再出力を開始せず、例えばステップ16にループするようデモモード制御モジュール35cが制御する。つまり、ステップ4にて開始されたデモ映像は引き続き出力される。
【0056】
デモモードが再開始されると、デモモード制御モジュール35cの制御に応じて、所定の機能に関するデモ映像が開始位置から出力される。つまり、センサモジュール121を用いて第1の人物を認識して、デモ映像の出力が開始された後に第2の人物を認識した場合、デモ映像が開始位置から再出力される。例えば、ステップ4にてデモモードが開始され、第2の人物を認識した時点では超解像処理についてのデモ映像は終了し、動画改善処理についてのデモ映像が表示されていた場合には、開始位置のデモ映像(超解像処理についてのデモ映像)から再出力する。
【0057】
再出力されたデモ映像が出力されている途中で操作モジュール116またはリモートコントローラ117で操作がされたか否かが判別される(ステップ19)。デモ映像が出力されている途中で操作がなされた場合(ステップ19のYes)、ステップ6にて説明したのと同様にデモ映像の出力は停止されてデモモードは終了し(ステップ20)、操作モジュール116またはリモートコントローラ117に応じた処理が成される。
【0058】
デモ映像が出力されている途中で操作モジュール116またはリモートコントローラ117で操作がされず(ステップ19のNo)、全てのデモ映像(例えば上記超解像処理及び動画改善処理のデモ映像)の出力が終了した場合はステップ7にて説明したのと同様にデモモードは終了する(ステップ21)。
【0059】
以上説明したように他の実施形態では、センサモジュール121を用いて第1の人物を認識して、デモ映像の出力が開始された後に、第2の人物を認識した場合、デモ映像を開始位置から再出力されるよう制御される。かかる構成によれば、第2の人物に対して、改めてデモ映像を開始位置から提供できるため、訴求効果を高めることができる。
【0060】
また、本実施形態では、第1の人物の顔またはデモ映像が出力されている途中で第1の人物がテレビジョン放送受信装置111の正面から居なくなり、センサモジュール121にて当該第1の人物の顔または動きが検出されなくなり(ステップ15)、第1の人物の存在を認識できなくなった後に第2の人物の顔または動きが検出された場合にデモ映像を開始位置から再出力させている。このように、第1の人物の存在が認識されている限りは、仮に第2の人物が認識されたとしても、デモ映像を再開始させないよう制御することがより好ましい。つまり、第1の人物がデモ映像を視聴している最中に、第2の人物が認識されたからといってデモ映像を開始位置から再出力すると、第1の人物にとっては同じデモ映像を再度視聴することになり、全てのデモ映像を第1の人物に提供できなくなるおそれがある。従って、かかる不都合を回避する観点から、第1の人物の存在が認識されているかぎりは、仮に第2の人物が認識されたとしても、デモ映像を開始位置から再出力させないよう制御することがより好ましい。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
【0062】
例えば、デモモード制御モジュール35cは、デモ映像に対応する音声の音量が、通常放送の音声の音量よりも大きくなるように音声処理モジュールを制御してもよい。また、仮にテレビジョン放送受信装置11がミュート状態あるいは音量ゼロの状態であってもデモモードに切り換わると音量が大きくなるように音声処理モジュールを制御してもよい。かかる構成により、デモ映像の内容をより効果的に視聴者に提供し、訴求効果を高めることが出来る。
【0063】
また、センサモジュール121で認識した人物の顔の情報を自動記録してもよい。例えば、第1の人物を認識した場合に、制御モジュール35(デモモード制御モジュール35c)は、当該第1の人物の顔の情報をメモリ35bに記録するとともに第1のデモ映像を出力するよう映像処理モジュール32を制御する。そして、センサモジュールにて第1の人物の存在を認識しなくなった後に(つまり、第1の人物が不在となった後に)、再度第1の人物がセンサモジュール121にて認識された場合に、第1のデモ映像とは異なる第2のデモ映像を出力するよう映像処理モジュール32が制御モジュール35(デモモード制御モジュール35c)により制御されてもよい。例えば第1のデモ映像としては、第1の画像(例えば人物画像)を用いたデモ映像であり、第2のデモ映像は第1の画像とは異なる第2の画像(例えば風景画像)を用いたデモ映像である。かかる構成によれば、第1の人物に1度目と2度目とで異なるデモ映像を提供することが出来る。このため、デモ映像の内容をより効果的に視聴者に提供し、訴求効果を高めることができる。
【0064】
また、第1の人物の顔またはデモ映像が出力されている途中で第1の人物がテレビジョン放送受信装置111の正面から居なくなり、センサモジュール121にて当該第1の人物の顔または動きが検出されなくなり(ステップ15)、第1の人物の存在を認識できなくなった後に再度第1の人物の顔または動きが検出された場合にデモ映像を開始位置から再出力させてもよい。あるいは、センサモジュール121にて第1の人物の顔または動きが検出されなくなったことに応じて当該時点におけるデモ映像の位置(例えば、デモ映像の開始位置からX秒後の位置等)を記憶し、再度第1の人物の顔または動きが検出された場合に、当該記憶した位置からデモ映像を出力させてもよい。
【符号の説明】
【0065】
25…アンテナ、26…入力端子、27…チューナー、28…復調・復号モジュール、29…信号処理モジュール、30…合成処理モジュール、31…音声処理モジュール、32…映像処理モジュール、33…ディスプレイ、34…スピーカ、35…制御モジュール、35a…CPU、35b…メモリ、35c…デモモード制御モジュール、36…操作モジュール、37…受信モジュール、38…HDD、39…記録再生処理モジュール、40…入力端子、41…ネットワークインターフェース、42…ネットワーク、111…テレビジョン放送受信装置、112…キャビネット、113…支持台、114…ディスプレイ、115…スピーカ、116…操作モジュール、117…リモートコントローラ、118…受光モジュール、119…イルミネーション、120…電源インジケータ、121…センサモジュール、131…選択メニュー、140…デモ映像領域、141…特徴欄、142…説明領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物の存在を認識するセンサモジュールと、
自装置の有する機能に関するデモ映像を出力する映像処理モジュールと、
前記センサモジュールにて人物の存在を認識した場合に、前記デモ映像の出力を開始するよう前記映像処理モジュールを制御する制御モジュールとを備える映像処理装置。
【請求項2】
前記センサモジュールにて第1の人物を認識して、前記デモ映像の出力が開始された後に前記第1の人物と異なる第2の人物を認識した場合であっても、前記第1の人物が認識されている場合は、前記制御モジュールは前記デモ映像を開始位置から出力し直さないよう前記映像処理モジュールを制御する請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記センサモジュールにて第1の人物を認識して、前記デモ映像の出力が開始された後に、前記第1の人物を認識しなくなり、前記第1の人物と異なる第2の人物を認識した場合、前記制御モジュールは前記デモ映像を開始位置から出力し直すよう前記映像処理モジュールを制御する請求項2に記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記センサモジュールにて第1の人物を認識して、前記デモ映像の出力が開始された後に、前記第1の人物を認識しなくなり、その後前記第1の人物を認識した場合、前記制御モジュールは前記デモ映像を開始位置から出力し直すよう前記映像処理モジュールを制御する請求項2または請求項3に記載の映像処理装置。
【請求項5】
前記デモ映像の前記映像処理モジュールからの出力を有効または無効に設定することを選択的に許可する選択手段を備える請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項6】
前記センサモジュールにて人物の認識が出来なくなった場合に、前記制御モジュールは、前記デモ映像の出力を終了するよう前記映像処理モジュールを制御する請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項7】
前記受光モジュールは音声信号を受信し、
前記デモ映像に対応する音声または前記音声信号に応じた音声を出力する音声処理モジュールを更に備え、
前記制御モジュールは、前記デモ映像に対応する音声の音量が前記音声信号に応じた音声の音量よりも大きくなるよう前記音声処理モジュールを制御することを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項8】
前記センサモジュールで認識した人物の顔の情報を記憶するメモリを備え、
前記制御モジュールは、前記センサモジュールにて第1の人物の存在を認識した場合に、当該第1の人物の顔の情報を前記メモリに記録するよう制御し、かつ、第1のデモ映像を出力するよう前記映像処理モジュールを制御し、
前記センサモジュールにて前記第1の人物の存在を認識しなくなった後に、前記センサモジュールにて前記第1の人物を再び認識した場合に、前記第1のデモ映像とは異なる第2のデモ映像を出力するよう前記映像処理モジュールを制御する請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項9】
デモ映像を出力する映像処理モジュールを備える映像処理装置の映像処理方法であって、
センサモジュールにて人物の存在を認識し、
前記センサモジュールにて人物の存在を認識した場合に、前記映像処理装置の有する機能に関するデモ映像の出力を開始するよう前記映像処理モジュールを制御する映像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−231256(P2012−231256A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97476(P2011−97476)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【特許番号】特許第5025809号(P5025809)
【特許公報発行日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】