有機銀錯体化合物、これの製造方法及びこれを用いた薄膜形成方法
【課題】銀化合物とアンモニウムカルバメート系化合物とを反応して誘導される新規な有機銀錯体化合物及び該化合物の製造方法の提供。
【解決手段】下式で表される銀化合物と、アンモニウムカルバメート系化合物(例えば;2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメートなど)とを反応させて銀錯体化合物を製造する。
(式で、nは1〜4の整数であり、Xは酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、及びカルボキシレートで構成された群から選択される置換基である)
【解決手段】下式で表される銀化合物と、アンモニウムカルバメート系化合物(例えば;2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメートなど)とを反応させて銀錯体化合物を製造する。
(式で、nは1〜4の整数であり、Xは酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、及びカルボキシレートで構成された群から選択される置換基である)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀化合物とアンモニウムカルバメート系化合物とを反応して得られる新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
Ullmann‘s Encyclopedia of Ind.Chem., Vol.A24,107(1993)では、銀(silver)は、貴金属であって、酸化され難く、電気及び熱伝導度に優れており、触媒及び抗菌作用などを有しているため、銀及び銀化合物は、合金、メッキ、医薬、写真、電気電子、繊維、洗剤、家電など、産業全般に広く使用されると記述されている。
また、銀化合物は、有機物及び高分子合成に触媒として使用することができて、特に、最近は、電気電子部品回路で鉛使用の規制及び低抵抗金属配線、印刷回路基板(PCB)、軟性回路基板(FPC)、無線認識タグ(RFID)用アンテナ、そしてプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(TFT−LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フレキシブルディスプレイ、及び有機薄膜トランジスタ(OTFT)などのような新しい分野で、金属パターンを必要とするか、電極として使用するなど、銀に対する関心が高まっている。銀を使用する場合、大部分粉末やバインダと溶剤が含まれたペースト状として直接使用するか、硝酸銀のような銀化合物を水溶液または有機溶媒上で他の化合物と反応して、ナノ粒子を含む多様な形態の銀及び有機銀化合物を製造して使用している。このような有機銀化合物は、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着、スパッタリング、電気メッキ、露光(photolithography)、電子線(electron beam)、レーザーなど、多様な方法により金属パターンを形成させるに使用されている。
【0003】
有機銀化合物の中で、錯体化合物(Organic Silver Complexes)の配位子として一般に最もよく知られているものは、カルボキシル酸(Prog. Inorg. Chem.,10,p233(1968))であって、銀を含む金属カルボキシレート錯体は、一般に光に敏感で、有機溶媒で溶解度が低く(J. Chem. Soc.,(A).,p514(1971)、米国特許第5,534,312号(1996.7.9))、分解温度が高いため、製造上の容易さにもかかわらず、応用に限界がある。このような問題点を解決するために、J. Inorg. Nucl. Chem., 40, p1599(1978), Ang. Chem., Int. Ed. Engl., 31, p770(1992), Eur. J. Solid State Inorg. Chem., 32, p25(1995), J. Chem. Cryst., 26, p99(1996), Chem. Vapor Deposition, 7, 111(2001), Chem. Mater., 16, 2021(2004)、米国特許第5,705,661号(1998.1.6)、韓国特許公開公報第2003−0085357号(2003.11.5)では、様々な方法が提案されているが、例えば、カルボキシル酸の中でアルキル鎖が長い化合物を使用するか、アミン化合物やホスフィン化合物などを含ませる方法などが挙げられる。しかしながら、今まで、銀から誘導される化合物の誘導体は、限定されており、しかも、これらが安定性及び溶解性が欠如されているか、金属へのパターンを形成するには分解温度が高く、分解速度が遅いという短所がある。
【0004】
したがって、本発明者らは、このような問題点を解決するために鋭意研究した結果、本発明に到達した。
【0005】
一方、1948年に公開された英国特許公報第609、807号には、アンモニウムカーボネートまたはアンモニウムカルバメートと遷移金属塩とを反応させて、二酸化炭素の発生とともにアンモニアが配位された遷移金属塩を製造する方法が公知されており、前記発明の製造方法によってアンモニアが配位された銀錯化合物を製造することができると記載しているが、驚くべきことに、本発明者らは、酸化銀などの銀化合物にアンモニウムカーボネートまたはアンモニウムカルバメートを加えると、二酸化炭素が発生せずに銀がアンモニウムカーボネートまたはアンモニウムカルバメートとの複合体形態の安定した銀錯体に形成され、固体として分離され、前記生成された銀錯体を用いて容易に銀薄膜を製造できることを確認した。
【0006】
即ち、本発明による銀錯体は、様々な反応条件を通じて、安定性及び溶媒に対する溶解性に優れており、薄膜形成が容易であって、容易に金属パターンが可能であり、また、低い温度で分解され、銀金属の薄膜または粉末の形成が非常に容易な、多様な構造を有する特徴がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、銀化合物とアンモニウムカルバメート系化合物とを反応して誘導される新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、安定性及び溶解性に優れており、薄膜形成が容易な新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法を提供することにあり、本発明のもう一つの目的は、低い温度で分解され、高純度の金属薄膜の形成が可能な、新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記化学式2で表される銀化合物と、下記化学式3で表されるアンモニウムカルバメート系化合物とを反応して、新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法を発明した。
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
上記化学式2において、nは、1〜4の整数であり、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、カルボキシレートなどであって、具体的に例えば、酸化銀、チオシアネート化銀、硫化銀、塩化銀、シアン化銀、シアネート化銀、炭酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、燐酸銀、過塩素酸銀、四フッ素ボレート化銀、アセチルアセトネート化銀、酢酸銀、乳酸銀、及び、シュウ酸銀などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではないが、本発明では、酸化銀や炭酸銀を使用することが反応性や後処理面で好ましい。
【0013】
また、化学式3において、R1、R2、R3、R4、及びR5は、互いに独立的に、それぞれ水素、炭素数1〜30個の脂肪族や脂環族のアルキル基、アリル基、若しくはアラルキル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、ヘテロ環化合物基、又は高分子化合物基である。
【0014】
前記化学式3において、R1、R2、R3、R4、及びR5は、具体的に例えば、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、メトキシ、メトキシエチル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジルなどが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0015】
前記化学式3で表されるアンモニウムカルバメート系化合物として例えば、アンモニウムカルバメート、エチルアンモニウムエチルカルバメート、イソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウムイソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート、オクタデシルアンモニウムオクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウムジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウムジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウムメチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミニウムヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリウムモルホリンカルバメート、ピリジニュムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウムイソプロピルバイカルバメート、ベンジルアンモニウムベンジルカルバメート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウムトリエトキシシリルプロピルカルバメートなどが挙げられる。
【0016】
本発明でアンモニウムカルバメート系化合物のうち、1次アミン置換されたアルキルアンモニウムアルキルカルバメートは反応性及び安定性面で2次または3次アミンより優れるため、さらに好ましい。
【0017】
このようなアンモニウムカルバメート系化合物及び後述のアンモニウムカーボネート系化合物の種類及び製造方法は特に制限する必要はない。例えば、J.Am.Chem.Soc.,70,p3865(1948)、J.Am.Chem.Soc.,73、p1829(1951)、J.Prakt.Chem.,9,p217(1959)、J.Am.Chem.Soc.,123,p10393(2001)、Langmuir,18、7124(2002)、米国特許第4、542、214号(1985.9.17)では、1次アミン、2次アミン、3次アミン、または少なくとも1つ以上のこれらの混合物と二酸化炭素から製造できると記述しており、アミン1モル当り0.5モルを使用すると、アンモニウムカーボネート系化合物が、そして1モル以上の場合は、アンモニウムバイカーボネート系化合物を得ることができる。この際、常圧または加圧状態で特別な溶媒を使用せずに直接製造するか、溶媒を使用する場合、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒などが挙げられて、二酸化炭素は、気相状態でバブリング(bubbling)するか、固体相ドライアイスを使用することができて、超臨界(supercritical)状態でも反応することができる。本発明で使用されるアンモニウムカルバメート系誘導体及びアンモニウムカーボネート誘導体の製造には、上記の方法の他にも、最終物質の構造が同一であれば、公知の如何なる方法を使用してもよい。即ち、製造のための溶媒、反応温度、濃度または触媒などを特に限定する必要はなく、製造収率にも影響しない。
【0018】
このように製造されたアンモニウムカルバメート系化合物と銀化合物とを反応して、有機銀錯体化合物を製造することができる。例えば、化学式2に示したような少なくとも一つ以上の銀化合物と、化学式3に示したような少なくとも一つ以上のアンモニウムカルバメート系誘導体とを、窒素雰囲気の常圧または加圧状態で、溶媒を使用せずに直接反応するか、溶媒を使用する場合、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒などを使用することができる。しかしながら、本発明の有機銀錯体化合物の製造方法は、特に制限する必要はない。即ち、最終物質の構造が同一であれば、公知の如何なる方法を使用してもよい。
【0019】
本発明による銀錯体化合物の構造は下記化学式1で表される。
【0020】
【化1】
【0021】
(Aは化学式3の化合物であり、mは0.7〜2.5である。)
【0022】
本発明による銀錯体は白色の固体として分離され、前記錯体に温度を加えて分解された化合物は酸化された状態ではない導電性を有する0価の銀であり、銀錯体化合物のIRスペクトルである図3からC=O吸収バンドが観察されて、製造時に二酸化炭素の発生がなく、図1の1H NMRスペクトル、図2の13C NMRスペクトルからアンモニウムカルバメート系化合物の作用基を確認することができる。
【0023】
本発明による銀錯体化合物は、図4、図5の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)とDSC熱分解曲線(thermogram)に図示されたように、特定温度での融点と分解挙動パターンが存在して、融解された状態の銀錯体をまた冷却しても安定した固体状態の銀錯体に回復される。
【0024】
本発明による有機銀錯体化合物は、メタノールのようなアルコール類、エチルアセテートのようなエステル類、テトラヒドロフランのようなエーテル類溶媒など、上記の本発明の有機銀錯体化合物を製造する溶媒を含む多様な溶媒によく溶ける特徴があり、従って銀錯体化合物は、塗布やプリンティング工程に容易に適用可能であり、また、保管などの安定性においても、非常に安定した溶液を形成して、3ヶ月以上安定的に溶液状態に保管可能である。
【0025】
また、本発明の有機銀錯体化合物溶液をガラス、シリコンウェハ、ポリエステルやポリイミドのような高分子フィルム、紙などのような基板にコーティングして薄膜を製造するか、直接プリンティングすることができる。薄膜製造及びプリンティング方法としては、それぞれスピン(spin)コーティング、ロール(roll)コーティング、スプレーコーティング、ディップ(dip)コーティング、フロー(flow)コーティングと、インクジェットプリンティング、オフセットプリンティング、スクリーンプリンティング、グラビアプリンティング、フレキソプリンティングなどが可能である。
【0026】
このようにして得られた薄膜を酸化または還元処理や熱処理するか、有機銀錯体化合物を、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着、スパッタリング、電気メッキ、リソグラフィー工程(lithography)、赤外線、電子線(electron beam)、レーザー(laser)処理を通じて、金属または金属酸化物パターンを形成させるのにも利用することができる。上記の熱処理は、通常の不活性雰囲気下で熱処理することもできるが、必要に応じて、空気中でまたは水素と空気または他の不活性ガスとの混合ガスでも熱処理が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施例を通じて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。また、参考例として化学式2で表される銀化合物と、下記化学式4又は化学式5で表されるアンモニウムカーボネート系化合物とを反応して得られる有機銀錯体化合物及びこれの製造方法についてもあわせて説明する。
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】
なお、化学式4及び化学式5において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立的に、それぞれ水素、炭素数1〜30個の脂肪族や脂環族のアルキル基またはアリル基、置換基が炭素数1〜6個のアルコキシ、シアノ及びアミノから選択される置換アルキル基や置換アリル基、またはヘテロ環化合物基であることが好ましい。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、具体的に例えば、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、メトキシ、メトキシエチル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジル、及びその誘導体、そして、ポリアリルアミンやポリエチレンアミンのような高分子化合物、及びそれらの誘導体などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではなく、ヒドロキシであってもよい。
【0031】
前記化学式4及び化学式5で表されるアンモニウムカーボネート系化合物として具体的に例えば、アンモニウムカーボネート(ammonium carbonate)、アンモニウムバイカーボネート(ammonium bicarbonate)、エチルアンモニウムカーボネート、イソプロピルアンモニウムカーボネート、イソプロピルアンモニウムバイカーボネート、n−ブチルアンモニウムカーボネート、イソブチルアンモニウムカーボネート、t−ブチルアンモニウムカボネート、t−ブチルアンモニウムバイカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウムバイカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウムカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネート、2−シアノエチルアンモニウムカーボネート、2−シアノエチルアンモニウムバイカーボネート、オクタデシルアンモニウムカーボネート、ジブチルアンモニウムカーボネート、ジオクタデシルアンモニウムカーボネート、ジオクタデシルアンモニウムバイカーボネート、メチルデシルアンモニウムカーボネート、ヘキサメチレンイミニウムカーボネート、モルホリンアンモニウムカーボネート、ベンジルアンモニウムカーボネート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウムカーボネート、ピリジウムバイカーボネート、トリエチレンジアミニウムカーボネート、トリエチレンジアミニウムバイカーボネート、及びその誘導体などが挙げられる。
【0032】
参考例である化学式2で表される銀化合物と、下記化学式4又は化学式5で表されるアンモニウムカーボネート系化合物とを反応して得られる銀錯体化合物の構造は下記化学式1で表される。
【0033】
【化1】
【0034】
(Aは化学式4乃至化学式5の化合物であり、mは0.7〜2.5である。)
【0035】
この参考例による銀錯体は白色の固体として分離され、前記錯体に温度を加えて分解された化合物は酸化された状態ではない導電性を有する0価の銀であり、銀錯体化合物のIRスペクトルである図8及び図13からC=O吸収バンドが観察されて、製造時に二酸化炭素の発生がなく、図6及び図11の1H NMRスペクトル、図7及び図12の13C NMRスペクトルからアンモニウムカーボネート系化合物の作用基を確認することができる。
【0036】
参考例による銀錯体化合物は、図9、図10、図14及び図15の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)とDSC熱分解曲線(thermogram)に図示されたように、特定温度での融点と分解挙動パターンが存在して、融解された状態の銀錯体をまた冷却しても安定した固体状態の銀錯体に回復される。
【0037】
(実施例1)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0038】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.25g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明な色に変わることが観察されて、2時間反応した結果、無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が成功的に得られたことが確認できた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタし、未反応の酸化銀を除去した後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.22g(収率:99.4%)が得られた。前記銀錯体化合物の融点は57〜58℃(DSC:57.26℃)であって、熱分析(TGA)の結果、銀含量は22.0重量%であった。
【0039】
1H NMR(CD3OD、ppm)、1.11−1.19(m、−CH3)1.51−1.69(m、−CH2、−CH)、2.91−2.92、3.23−3.25(d、−NCH2)、5.13(s、−NH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、166.09、47.60、44.24、31.76、30.12、24.77、24.30、14.64、11.15
【0040】
(実施例2)
酸化銀とn−プロピルアンモニウムn−プロピルカルバメートとの反応
【0041】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のn−プロピルアンモニウムn−プロピルカルバメート(融点:74〜76℃)1.74g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して、常温で2時間攪拌して反応させた結果、実施例1のような反応によって無色の透明な錯化合物溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.42g(収率:88.3%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は38.4重量%であった。
【0042】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.98−1.02(t、−CH3)1.59−1.65(m、−CH2)、2.76−2.80(t、−NCH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、47.03、27.84、11.53
【0043】
(実施例3)
酸化銀とイソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメートとの反応
【0044】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のイソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート(融点;78〜80℃(dec))1.60g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.48g(収率:95.5%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は37.2重量%であった。
【0045】
1H NMR(CD3OD、ppm)、1.13−1.22(d、−CH3)、3.22−3.31(m、CH)、13C NMR(CD3OD、ppm)、45.78、26.06
【0046】
(実施例4)
酸化銀とn−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメートとの反応
【0047】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のn−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメート(融点;82〜84℃)2.04g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.79g(収率:92.0%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は33.2重量%であった。
【0048】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.92−0.97(t、−CH3)、1.37−1.46(m、−CH2)、1.52−1.59(m、−CH2)、2.75−2.79(t、−NCH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、161.46、44.76、36.94、21.05、14.38
【0049】
(実施例5)
酸化銀とイソブチルアンモニウムイソブチルカルバメートとの反応
【0050】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のイソブチルアンモニウムイソブチルカルバメート(融点;80〜82℃)2.04g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.87g(収率:94.4%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は32.4重量%であった。
【0051】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.96−0.98(d、−CH3)、1.67−1.74(m、−CH)、2.59−2.88(dd、−CH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、161.48、52.69、33.16、30.45、20.42
【0052】
(実施例6)
酸化銀とt−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメートとの反応
【0053】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のt−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメート2.04g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.94g(収率:97.0%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は31.4重量%であった。
【0054】
1H NMR(CD3OD、ppm)、1.27(s、−CH3)、13C NMR(CD3OD、ppm)、161.52、50.94、32.28
【0055】
(実施例7)
炭酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0056】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.27g(10.80ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀1.0g(3.60ミリモル)を添加した。添加した溶液は黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれてだんだん透明に変わって、5時間後には完全に黄色の透明な溶液が形成されて、錯化合物が成功的に生成されたことを確認した。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.18g(収率:97.89%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は18.66重量%であった。
【0057】
1H NMR(CD3OD、ppm)、1.11−1.19(m、−CH3)1.51−1.69(m、−CH2、−CH−)、2.91−2.92、3.23−3.25(d、−NCH2)、5.13(t、−NHx)、13C NMR(CD3OD、ppm)、166.09、47.60、44.24、31.76、30.12、24.77、24.30、14.64、11.15
【0058】
(実施例8)
酸化銀と2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメートとの反応
【0059】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体の2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート(融点;41〜42℃)2.17g(11.18ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、茶色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.58g(収率:81.4%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は35.9重量%であった。
【0060】
1H NMR(CD3OD、ppm)、2.93−2.96(t、−NCH2)、3.39(s、−OCH3)、3.48−3.50(t、OCH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、161.48、74.11、59.35、44.34
【0061】
(参考例9)
酸化銀と2−ヒドロキシエチルアンモニウム2−ヒドロキシエチルカルバメートとの反応
【0062】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、2−ヒドロキシエチルアンモニウム2−ヒドロキシエチルカルバメート1.78g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、茶色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.50g(収率:90.1%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は37.1重量%であった。
【0063】
1H NMR(CD3OD、ppm)、2.82−2.85(t、−NCH2)、3.61−3.64(t、OCH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、166.16、 63.70、46.12
【0064】
(実施例10)
酸化銀と2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメートとの反応
【0065】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体の2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメート(融点;70〜72℃)2.40g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.06g(収率:90.0%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、150℃以下で約60%の分解が進行され、純粋な銀と未反応の有機物が残留して、250℃以下では大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は28.7重量%であった。
【0066】
(実施例11)
酸化銀とモルホリウムモルホリンカルバメートとの反応
【0067】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、モルホリウムモルホリンカルバメート2.81g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、グレーの固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.29g(収率:86.4%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は28.3重量%であった。
【0068】
(実施例12)
酸化銀とヘキサメチレンイミニウムヘキサメチレンイミンカルバメートとの反応
【0069】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、ヘキサメチレンイミニウムヘキサメチレンイミンカルバメート3.13g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、茶色の液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.29g(収率:86.8%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は25.9重量%であった。
【0070】
(実施例13)
酸化銀とアンモニウムカルバメートとの反応
【0071】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムカルバメート6.71g(86ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モール)を50mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀10.0g(43.1ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、3時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物26.90g(収率:84.9%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は42.0重量%であった。
【0072】
(実施例14)
炭酸銀とアンモニウムカルバメートとの反応
【0073】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムカルバメート3.36g(43ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モール)を50mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀11.88g(43.1ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、6時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物25.60g(収率:84.5%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は45.8重量%であった。
【0074】
(実施例15)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0075】
前記実施例1の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、同様な方法により実験を行った。
【0076】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.25g(10.75ミリモル)を10mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.58g(収率:88.23%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は25.97重量%であった。
【0077】
(実施例16)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0078】
前記実施例1の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートをエチルアセテート(ethylacetate)に溶解させて、同様な方法により実験を行った。
【0079】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.25g(10.75ミリモル)を10mlのエチルアセテート(ethylacetate)に溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.53g(収率:83.17%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は26.34重量%であった。
【0080】
(実施例17)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0081】
前記実施例1の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートを溶媒を使用せずに、同様な方法により実験を行った。
【0082】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.90g(12.90ミリモル)と酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下に放置すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.58g(収率:88.23%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は25.97重量%であった。
【0083】
(実施例18)
酸化銀とアミノエチルアンモニウムアミノエチルカルバメートとの反応
【0084】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のアミノエチルアンモニウムアミノエチルカルバメート1.763g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、黒色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.21g(収率:79.99%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は42.12重量%であった。
【0085】
(実施例19)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとアミノエチルアンモニウムアミノエチルカルバメートとの反応
【0086】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、6:1モル比率の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとアミノエチルアンモニウムアミノエチルカルバメート3.07g(10.80ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、オレンジ色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.85g(収率:94.59%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は24.20重量%であった。
【0087】
(実施例20)
硫酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0088】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート2.42g(8.00ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、硫酸銀1.0g(3.2ミリモル)を添加して、白色懸濁液(Slurry)溶液を得て、反応が進行されるにつれて透明な色に変わり、2時間反応後には完全に透明な色に変わって、錯化合物の生成が完了されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、錯体化物3.15g(収率:92.3%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は21.35重量%であった。
【0089】
(実施例21)
硝酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0090】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート2.23g(7.37ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、硝酸銀1.0g(5.9ミリモル)を添加して白色懸濁液(Slurry)を得て、反応が進行されるにつれて透明な色に変わり、2時間反応後には完全に透明な色に変わって、錯化合物の生成が完了されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、錯体化物2.76g(収率:85.6%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は22.73重量%であった。
【0091】
(実施例22)
シアン化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0092】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート2.83g(9.37ミリモル)を10mlのジメチルスルホオキシド(DMSO)に溶解させた後、シアン化銀1g(7.5ミリモル)を添加して白色懸濁液(Slurry)を得て、反応が進行されるにつれて透明な色に変わり、2時間反応後には完全に透明な色に変わって、錯化合物の生成が完了されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、錯体化物3.15g(収率:82.42%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は25.43重量%であった。
【0093】
(参考例23)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0094】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート3.72g(11.61ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタし、未反応の酸化銀粒子を除去して、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.02g(収率:85.2%)が得られた。前記銀錯体化合物の融点は55〜57℃(DSC:57.34℃)であって、熱分析(TGA)結果、銀含量は21.43重量%であった。
【0095】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.87−0.99(m、−CH3)1.31−1.47(m、−CH2、−CH−)、2.69−2.70、3.01−3.02(d、−NCH2)、4.90(s、−NH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、165.00、47.70、44.25、31.73、30.90、24.73、24.29、14.68、11.16
【0096】
(参考例24)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0097】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムバイカーボネート4.86g(25.37ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.33g(収率:73.9%)が得られた。前記銀錯体化合物の融点は56〜57℃(DSC:57.66℃)であって、熱分析(TGA)結果、銀含量は21.48重量%であった。
【0098】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.93−1.08(m、−CH3)1.31−1.64(m、−CH2、−CH−)、2.93−2.94、3.25−3.26(d、−NCH2)、5.13(s、−NH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、165.56、47.73、44.23、31.713、30.08、24.72、24.28、14.69、11.17
【0099】
(参考例25)
酸化銀とイソプロピルアンモニウムカーボネートとの反応
【0100】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、イソプロピルアンモニウムカーボネート2.01g(11.18ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.41g(収率:80.2%)が得られた。熱分析(TGA)結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は、38.6重量%であった。
【0101】
(参考例26)
炭酸銀とイソプロピルアンモニウムカーボネートとの反応
【0102】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、イソプロピルアンモニウムカーボネート2.07g(11.52ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀1.0g(3.60ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.42g(収率:78.8%)が得られた。熱分析(TGA)結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は32.23重量%であった。
【0103】
(参考例27)
炭酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0104】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート3.46g(14.4ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(3.6ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.15g(収率:93.04%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は18.79重量%であった。
【0105】
(参考例28)
酸化銀とイソプロピルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0106】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、イソプロピルアンモニウムバイカーボネート(融点:53〜54℃)2.97g(24.51ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.41g(収率:60.7%)が得られた。融点は68〜70℃(DSC:70.49℃)であって、熱分析(TGA)結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は38.58重量%であった。
【0107】
(参考例29)
酸化銀とアンモニウムカーボネートとの反応
【0108】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムカーボネート8.26g(86ミリモル)とイソプロピルアミン15gとを50mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀10.0g(43.1ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物28.38g(収率:85.5%)が得られた。融点(DSC)は63.38℃であって、熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は46.3重量%であった。
【0109】
(参考例30)
炭酸銀とアンモニウムカーボネートとの反応
【0110】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムカーボネート4.13g(43ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モル)とを50mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀11.88g(43.1ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物26.71g(収率:85.9%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は47.8重量%であった。
【0111】
(参考例31)
酸化銀とアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0112】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムバイカーボネート6.8g(86ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モル)とを50mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀10.0g(43.1ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、3時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物26.55g(収率:83.5%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は46.8重量%であった。
【0113】
(参考例32)
炭酸銀とアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0114】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムバイカーボネート3.4g(43ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モル)とを50mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀11.88g(43.1ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物26.20g(収率:86.2%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は48.2重量%であった。
【0115】
(参考例33)
酸化銀と2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0116】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネート3.24g(23.65ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、黄色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.01g(収率:70.75%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は31.08重量%であった。
【0117】
(参考例34)
炭酸銀と2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0118】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネート3.78g(27.54ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀1.0g(3.60ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、黄色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.28g(収率:68.61%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は23.78重量%であった。
【0119】
(参考例35)
酸化銀とオクチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0120】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色の固体であるオクチルアンモニウムバイカーボネート3.07g(24.73ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.81g(収率:93.61%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は24.40重量%であった。
【0121】
(参考例36)
酸化銀とイソブチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0122】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色の固体であるイソブチルアンモニウムバイカーボネート3.20g(23.65ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.21g(収率:76.42%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は28.97重量%であった。
【0123】
(参考例37)
酸化銀とn−ブチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0124】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のあるn−ブチルアンモニウムバイカーボネート3.20g(23.65ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.49g(収率:83.09%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は26.72重量%であった。
【0125】
(参考例38)
酸化銀とモルホリンアンモニウムウムバイカーボネートとの反応
【0126】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色の固体であるモルホリンアンモニウムバイカーボネート3.53g(23.65ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.16g(収率:69.75%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は29.49重量%であった。
【0127】
(参考例39)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0128】
前記参考例23の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、同様な方法により実験を行った。
【0129】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート4.13g(12.90ミリモル)を10mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.05g(収率:78.84%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は22.96重量%であった。
【0130】
(参考例40)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0131】
前記参考例23の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートをエチルアセテート(ethylacetate)に溶解させて、同様な方法により実験を行った。
【0132】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート4.13g(12.90ミリモル)を10mlのエチルアセテート(ethylacetate)に溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.96g(収率:77.19%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は23.48重量%であった。
【0133】
(参考例41)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0134】
前記参考例23の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートを、溶媒を使用せずに、同様な方法により実験を行った。
【0135】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート4.13g(12.90ミリモル)と酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下に放置すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.96g(収率:77.19%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は23.48重量%であった。
【0136】
(参考例42)
酸化銀とアミノエチルアンモニウムカーボネートとの反応
【0137】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色の固体であるアミノエチルアンモニウムカーボネート2.35g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、黒色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.42g(収率:72.23%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は38.45重量%であった。
【0138】
(参考例43)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとアミノエチルアンモニウムカーボネートとの反応
【0139】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、6:1モル比率の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとアミノエチルアンモニウムカーボネート3.87g(12.9ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、オレンジ色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.05g(収率:78.85%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は30.41重量%であった。
【0140】
(参考例44)
硫酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0141】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート3.07g(9.60ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、硫酸銀1.0g(3.2ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、白色の懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.55g(収率:87.2%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は19.52重量%であった。
【0142】
(参考例45)
硝酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0143】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート2.84g(8.86ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、硝酸銀1.0g(5.9ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、白色の懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.12g(収率:81.34%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は19.88重量%であった。
【0144】
(参考例46)
シアン化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0145】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート3.59g(11.20ミリモル)を10mlのジメチルスルホオキシド(DMSO)に溶解させた後、シアン化銀1.0g(7.5ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、白色の懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.93g(収率:85.62%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は20.37重量%であった。
【0146】
前記実施例により製造された化合物の銀含量に基づいてm値を換算すると、下記の表1の通りである。
【0147】
【表1】
【0148】
(実施例47)
実施例1で合成した銀錯体化合物4gをブチルアルコール5gに溶かした後、500cpsとなるように粘度を調整して、320メッシュ(mesh)のステンレス(SUS)網上にパターニングされたシルクスクリーンで、コーティング処理された紙(インクテック社製、製品名:ITP20HPGまたはITP20SPH)上にパターニングした後、100℃で5分間、そして130℃で10分間熱処理し、伝導度が400〜500mΩ/□の金属パターンを得た。
【0149】
(実施例48)
実施例1で合成した銀錯体化合物4gをイソプロピルアルコール10gに溶かした後、13cpsとなるように粘度を調整し、インクジェットプリンターを利用して、PETフィルム上にパターニングを1回した。パターニングした後、80℃で5分間、そして130℃で10分間熱処理し、伝導度が200〜300mΩ/□の金属パターンを得た。
【0150】
(参考例49)
参考例23で合成した銀錯体化合物4gを2−ヘキシルアルコール5gに溶かした後、500cpsとなるように粘度を調整して、320メッシュ(mesh)のパターニングされたシルクスクリーンで、コーティング処理された紙(インクテック社製、製品名:ITP20HPGまたはITP20SPH)上にパターニングした後、100℃で5分間、そして130℃で10分間熱処理し、伝導度が400〜500mΩ/□の金属パターンを得た。
【0151】
(参考例50)
参考例24で合成した銀錯体化合物4gをブチルアルコール10gに溶かした後、13cpsとなるように粘度を調整し、インクジェットプリンターを利用して、PETフィルム上にパターニングを1回した。パターニングした後、80℃で5分間、そして130℃で10分間熱処理し、伝導度が200〜300mΩ/□の金属パターンを得た。
【0152】
本発明により、化学式2の銀化合物と、化学式3のアンモニウムカーボネート系化合物を反応させて誘導された可溶性の有機銀錯体化合物が提供された。
【0153】
前記材料は、前記TGA結果から分かるように、非常に低い温度で容易に分解され、純粋な金属薄膜または粉末を形成するため、多様な形態の銀金属膜の形成が可能であり、また、高真空下で蒸着し、非常に薄い薄膜の形成も可能であることが分かり、メッキ、医薬、写真、電気電子、繊維、洗剤、家電製品と有機物、及び高分子合成に触媒として使用するか、銀粉末、ペースト、ナノ粒子の製造に利用することができて、特に、低抵抗金属配線、印刷回路基板(PCB)、軟性回路基板(FPC)、無線認識タグ(RFID)用アンテナ、そしてプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(TFT−LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フレキシブルディスプレイ、及び有機薄膜トランジスタ(OTFT)などのような分野で、電極や化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着、スパッタリング、電気メッキ、リソ工程(photolithography)、電子線(electron beam)、レーザー(laser)など、多様な方法により金属パターンを形成させる時、前駆体(precursor)材料として使用することができる。また、本発明の有機銀錯体化合物溶液をガラス、シリコンウェハ、ポリエステルやポリイミドのような高分子フィルム、紙などのような基板にスピン(spin)コーティング、ロール(roll)コーティング、スプレーコーティング、ディップ(dip)コーティング、フロー(flow)コーティングと、インクジェットプリンティング、オフセットプリンティング、スクリーンプリンティング、グラビアプリンティング、フレキソプリンティングした後、酸化または還元処理や熱処理して、金属または金属酸化物パターンを形成させるにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】実施例1の銀錯体化合物の1H NMRスペクトルである。
【図2】実施例1の銀錯体化合物の13C NMRスペクトルである。
【図3】実施例1の銀錯体化合物のIRスペクトルである。
【図4】実施例1の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)である。
【図5】実施例1の銀錯体化合物のDSC熱分解曲線(thermogram)である。
【図6】参考例23の銀錯体化合物の1H NMRスペクトルである。
【図7】参考例23の銀錯体化合物の13C NMRスペクトルである。
【図8】参考例23の銀錯体化合物のIRスペクトルである。
【図9】参考例23の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)である。
【図10】参考例23の銀錯体化合物のDSC熱分解曲線(thermogram)である。
【図11】参考例24の銀錯体化合物の1H NMRスペクトルである。
【図12】参考例24の銀錯体化合物の13C NMRスペクトルである。
【図13】参考例24の銀錯体化合物のIRスペクトルである。
【図14】参考例24の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)である。
【図15】参考例24の銀錯体化合物のDSC熱分解曲線(thermogram)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀化合物とアンモニウムカルバメート系化合物とを反応して得られる新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
Ullmann‘s Encyclopedia of Ind.Chem., Vol.A24,107(1993)では、銀(silver)は、貴金属であって、酸化され難く、電気及び熱伝導度に優れており、触媒及び抗菌作用などを有しているため、銀及び銀化合物は、合金、メッキ、医薬、写真、電気電子、繊維、洗剤、家電など、産業全般に広く使用されると記述されている。
また、銀化合物は、有機物及び高分子合成に触媒として使用することができて、特に、最近は、電気電子部品回路で鉛使用の規制及び低抵抗金属配線、印刷回路基板(PCB)、軟性回路基板(FPC)、無線認識タグ(RFID)用アンテナ、そしてプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(TFT−LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フレキシブルディスプレイ、及び有機薄膜トランジスタ(OTFT)などのような新しい分野で、金属パターンを必要とするか、電極として使用するなど、銀に対する関心が高まっている。銀を使用する場合、大部分粉末やバインダと溶剤が含まれたペースト状として直接使用するか、硝酸銀のような銀化合物を水溶液または有機溶媒上で他の化合物と反応して、ナノ粒子を含む多様な形態の銀及び有機銀化合物を製造して使用している。このような有機銀化合物は、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着、スパッタリング、電気メッキ、露光(photolithography)、電子線(electron beam)、レーザーなど、多様な方法により金属パターンを形成させるに使用されている。
【0003】
有機銀化合物の中で、錯体化合物(Organic Silver Complexes)の配位子として一般に最もよく知られているものは、カルボキシル酸(Prog. Inorg. Chem.,10,p233(1968))であって、銀を含む金属カルボキシレート錯体は、一般に光に敏感で、有機溶媒で溶解度が低く(J. Chem. Soc.,(A).,p514(1971)、米国特許第5,534,312号(1996.7.9))、分解温度が高いため、製造上の容易さにもかかわらず、応用に限界がある。このような問題点を解決するために、J. Inorg. Nucl. Chem., 40, p1599(1978), Ang. Chem., Int. Ed. Engl., 31, p770(1992), Eur. J. Solid State Inorg. Chem., 32, p25(1995), J. Chem. Cryst., 26, p99(1996), Chem. Vapor Deposition, 7, 111(2001), Chem. Mater., 16, 2021(2004)、米国特許第5,705,661号(1998.1.6)、韓国特許公開公報第2003−0085357号(2003.11.5)では、様々な方法が提案されているが、例えば、カルボキシル酸の中でアルキル鎖が長い化合物を使用するか、アミン化合物やホスフィン化合物などを含ませる方法などが挙げられる。しかしながら、今まで、銀から誘導される化合物の誘導体は、限定されており、しかも、これらが安定性及び溶解性が欠如されているか、金属へのパターンを形成するには分解温度が高く、分解速度が遅いという短所がある。
【0004】
したがって、本発明者らは、このような問題点を解決するために鋭意研究した結果、本発明に到達した。
【0005】
一方、1948年に公開された英国特許公報第609、807号には、アンモニウムカーボネートまたはアンモニウムカルバメートと遷移金属塩とを反応させて、二酸化炭素の発生とともにアンモニアが配位された遷移金属塩を製造する方法が公知されており、前記発明の製造方法によってアンモニアが配位された銀錯化合物を製造することができると記載しているが、驚くべきことに、本発明者らは、酸化銀などの銀化合物にアンモニウムカーボネートまたはアンモニウムカルバメートを加えると、二酸化炭素が発生せずに銀がアンモニウムカーボネートまたはアンモニウムカルバメートとの複合体形態の安定した銀錯体に形成され、固体として分離され、前記生成された銀錯体を用いて容易に銀薄膜を製造できることを確認した。
【0006】
即ち、本発明による銀錯体は、様々な反応条件を通じて、安定性及び溶媒に対する溶解性に優れており、薄膜形成が容易であって、容易に金属パターンが可能であり、また、低い温度で分解され、銀金属の薄膜または粉末の形成が非常に容易な、多様な構造を有する特徴がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、銀化合物とアンモニウムカルバメート系化合物とを反応して誘導される新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、安定性及び溶解性に優れており、薄膜形成が容易な新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法を提供することにあり、本発明のもう一つの目的は、低い温度で分解され、高純度の金属薄膜の形成が可能な、新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記化学式2で表される銀化合物と、下記化学式3で表されるアンモニウムカルバメート系化合物とを反応して、新規な有機銀錯体化合物及びこれの製造方法を発明した。
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
上記化学式2において、nは、1〜4の整数であり、Xは、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、カルボキシレートなどであって、具体的に例えば、酸化銀、チオシアネート化銀、硫化銀、塩化銀、シアン化銀、シアネート化銀、炭酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、燐酸銀、過塩素酸銀、四フッ素ボレート化銀、アセチルアセトネート化銀、酢酸銀、乳酸銀、及び、シュウ酸銀などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではないが、本発明では、酸化銀や炭酸銀を使用することが反応性や後処理面で好ましい。
【0013】
また、化学式3において、R1、R2、R3、R4、及びR5は、互いに独立的に、それぞれ水素、炭素数1〜30個の脂肪族や脂環族のアルキル基、アリル基、若しくはアラルキル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、ヘテロ環化合物基、又は高分子化合物基である。
【0014】
前記化学式3において、R1、R2、R3、R4、及びR5は、具体的に例えば、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、メトキシ、メトキシエチル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジルなどが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0015】
前記化学式3で表されるアンモニウムカルバメート系化合物として例えば、アンモニウムカルバメート、エチルアンモニウムエチルカルバメート、イソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウムイソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート、オクタデシルアンモニウムオクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウムジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウムジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウムメチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミニウムヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリウムモルホリンカルバメート、ピリジニュムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウムイソプロピルバイカルバメート、ベンジルアンモニウムベンジルカルバメート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウムトリエトキシシリルプロピルカルバメートなどが挙げられる。
【0016】
本発明でアンモニウムカルバメート系化合物のうち、1次アミン置換されたアルキルアンモニウムアルキルカルバメートは反応性及び安定性面で2次または3次アミンより優れるため、さらに好ましい。
【0017】
このようなアンモニウムカルバメート系化合物及び後述のアンモニウムカーボネート系化合物の種類及び製造方法は特に制限する必要はない。例えば、J.Am.Chem.Soc.,70,p3865(1948)、J.Am.Chem.Soc.,73、p1829(1951)、J.Prakt.Chem.,9,p217(1959)、J.Am.Chem.Soc.,123,p10393(2001)、Langmuir,18、7124(2002)、米国特許第4、542、214号(1985.9.17)では、1次アミン、2次アミン、3次アミン、または少なくとも1つ以上のこれらの混合物と二酸化炭素から製造できると記述しており、アミン1モル当り0.5モルを使用すると、アンモニウムカーボネート系化合物が、そして1モル以上の場合は、アンモニウムバイカーボネート系化合物を得ることができる。この際、常圧または加圧状態で特別な溶媒を使用せずに直接製造するか、溶媒を使用する場合、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒などが挙げられて、二酸化炭素は、気相状態でバブリング(bubbling)するか、固体相ドライアイスを使用することができて、超臨界(supercritical)状態でも反応することができる。本発明で使用されるアンモニウムカルバメート系誘導体及びアンモニウムカーボネート誘導体の製造には、上記の方法の他にも、最終物質の構造が同一であれば、公知の如何なる方法を使用してもよい。即ち、製造のための溶媒、反応温度、濃度または触媒などを特に限定する必要はなく、製造収率にも影響しない。
【0018】
このように製造されたアンモニウムカルバメート系化合物と銀化合物とを反応して、有機銀錯体化合物を製造することができる。例えば、化学式2に示したような少なくとも一つ以上の銀化合物と、化学式3に示したような少なくとも一つ以上のアンモニウムカルバメート系誘導体とを、窒素雰囲気の常圧または加圧状態で、溶媒を使用せずに直接反応するか、溶媒を使用する場合、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、エチレングリコール、グリセリンのようなグリコール類、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテートのようなアセテート類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素系、ベンゼン、トルエンのような芳香族、そしてクロロホルムやメチレンクロライド、カーボンテトラクロライドのようなハロゲン置換溶媒などを使用することができる。しかしながら、本発明の有機銀錯体化合物の製造方法は、特に制限する必要はない。即ち、最終物質の構造が同一であれば、公知の如何なる方法を使用してもよい。
【0019】
本発明による銀錯体化合物の構造は下記化学式1で表される。
【0020】
【化1】
【0021】
(Aは化学式3の化合物であり、mは0.7〜2.5である。)
【0022】
本発明による銀錯体は白色の固体として分離され、前記錯体に温度を加えて分解された化合物は酸化された状態ではない導電性を有する0価の銀であり、銀錯体化合物のIRスペクトルである図3からC=O吸収バンドが観察されて、製造時に二酸化炭素の発生がなく、図1の1H NMRスペクトル、図2の13C NMRスペクトルからアンモニウムカルバメート系化合物の作用基を確認することができる。
【0023】
本発明による銀錯体化合物は、図4、図5の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)とDSC熱分解曲線(thermogram)に図示されたように、特定温度での融点と分解挙動パターンが存在して、融解された状態の銀錯体をまた冷却しても安定した固体状態の銀錯体に回復される。
【0024】
本発明による有機銀錯体化合物は、メタノールのようなアルコール類、エチルアセテートのようなエステル類、テトラヒドロフランのようなエーテル類溶媒など、上記の本発明の有機銀錯体化合物を製造する溶媒を含む多様な溶媒によく溶ける特徴があり、従って銀錯体化合物は、塗布やプリンティング工程に容易に適用可能であり、また、保管などの安定性においても、非常に安定した溶液を形成して、3ヶ月以上安定的に溶液状態に保管可能である。
【0025】
また、本発明の有機銀錯体化合物溶液をガラス、シリコンウェハ、ポリエステルやポリイミドのような高分子フィルム、紙などのような基板にコーティングして薄膜を製造するか、直接プリンティングすることができる。薄膜製造及びプリンティング方法としては、それぞれスピン(spin)コーティング、ロール(roll)コーティング、スプレーコーティング、ディップ(dip)コーティング、フロー(flow)コーティングと、インクジェットプリンティング、オフセットプリンティング、スクリーンプリンティング、グラビアプリンティング、フレキソプリンティングなどが可能である。
【0026】
このようにして得られた薄膜を酸化または還元処理や熱処理するか、有機銀錯体化合物を、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着、スパッタリング、電気メッキ、リソグラフィー工程(lithography)、赤外線、電子線(electron beam)、レーザー(laser)処理を通じて、金属または金属酸化物パターンを形成させるのにも利用することができる。上記の熱処理は、通常の不活性雰囲気下で熱処理することもできるが、必要に応じて、空気中でまたは水素と空気または他の不活性ガスとの混合ガスでも熱処理が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施例を通じて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。また、参考例として化学式2で表される銀化合物と、下記化学式4又は化学式5で表されるアンモニウムカーボネート系化合物とを反応して得られる有機銀錯体化合物及びこれの製造方法についてもあわせて説明する。
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】
なお、化学式4及び化学式5において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立的に、それぞれ水素、炭素数1〜30個の脂肪族や脂環族のアルキル基またはアリル基、置換基が炭素数1〜6個のアルコキシ、シアノ及びアミノから選択される置換アルキル基や置換アリル基、またはヘテロ環化合物基であることが好ましい。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、具体的に例えば、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、メトキシ、メトキシエチル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジル、及びその誘導体、そして、ポリアリルアミンやポリエチレンアミンのような高分子化合物、及びそれらの誘導体などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではなく、ヒドロキシであってもよい。
【0031】
前記化学式4及び化学式5で表されるアンモニウムカーボネート系化合物として具体的に例えば、アンモニウムカーボネート(ammonium carbonate)、アンモニウムバイカーボネート(ammonium bicarbonate)、エチルアンモニウムカーボネート、イソプロピルアンモニウムカーボネート、イソプロピルアンモニウムバイカーボネート、n−ブチルアンモニウムカーボネート、イソブチルアンモニウムカーボネート、t−ブチルアンモニウムカボネート、t−ブチルアンモニウムバイカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウムバイカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウムカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネート、2−シアノエチルアンモニウムカーボネート、2−シアノエチルアンモニウムバイカーボネート、オクタデシルアンモニウムカーボネート、ジブチルアンモニウムカーボネート、ジオクタデシルアンモニウムカーボネート、ジオクタデシルアンモニウムバイカーボネート、メチルデシルアンモニウムカーボネート、ヘキサメチレンイミニウムカーボネート、モルホリンアンモニウムカーボネート、ベンジルアンモニウムカーボネート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウムカーボネート、ピリジウムバイカーボネート、トリエチレンジアミニウムカーボネート、トリエチレンジアミニウムバイカーボネート、及びその誘導体などが挙げられる。
【0032】
参考例である化学式2で表される銀化合物と、下記化学式4又は化学式5で表されるアンモニウムカーボネート系化合物とを反応して得られる銀錯体化合物の構造は下記化学式1で表される。
【0033】
【化1】
【0034】
(Aは化学式4乃至化学式5の化合物であり、mは0.7〜2.5である。)
【0035】
この参考例による銀錯体は白色の固体として分離され、前記錯体に温度を加えて分解された化合物は酸化された状態ではない導電性を有する0価の銀であり、銀錯体化合物のIRスペクトルである図8及び図13からC=O吸収バンドが観察されて、製造時に二酸化炭素の発生がなく、図6及び図11の1H NMRスペクトル、図7及び図12の13C NMRスペクトルからアンモニウムカーボネート系化合物の作用基を確認することができる。
【0036】
参考例による銀錯体化合物は、図9、図10、図14及び図15の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)とDSC熱分解曲線(thermogram)に図示されたように、特定温度での融点と分解挙動パターンが存在して、融解された状態の銀錯体をまた冷却しても安定した固体状態の銀錯体に回復される。
【0037】
(実施例1)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0038】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.25g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明な色に変わることが観察されて、2時間反応した結果、無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が成功的に得られたことが確認できた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタし、未反応の酸化銀を除去した後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.22g(収率:99.4%)が得られた。前記銀錯体化合物の融点は57〜58℃(DSC:57.26℃)であって、熱分析(TGA)の結果、銀含量は22.0重量%であった。
【0039】
1H NMR(CD3OD、ppm)、1.11−1.19(m、−CH3)1.51−1.69(m、−CH2、−CH)、2.91−2.92、3.23−3.25(d、−NCH2)、5.13(s、−NH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、166.09、47.60、44.24、31.76、30.12、24.77、24.30、14.64、11.15
【0040】
(実施例2)
酸化銀とn−プロピルアンモニウムn−プロピルカルバメートとの反応
【0041】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のn−プロピルアンモニウムn−プロピルカルバメート(融点:74〜76℃)1.74g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して、常温で2時間攪拌して反応させた結果、実施例1のような反応によって無色の透明な錯化合物溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.42g(収率:88.3%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は38.4重量%であった。
【0042】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.98−1.02(t、−CH3)1.59−1.65(m、−CH2)、2.76−2.80(t、−NCH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、47.03、27.84、11.53
【0043】
(実施例3)
酸化銀とイソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメートとの反応
【0044】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のイソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート(融点;78〜80℃(dec))1.60g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.48g(収率:95.5%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は37.2重量%であった。
【0045】
1H NMR(CD3OD、ppm)、1.13−1.22(d、−CH3)、3.22−3.31(m、CH)、13C NMR(CD3OD、ppm)、45.78、26.06
【0046】
(実施例4)
酸化銀とn−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメートとの反応
【0047】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のn−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメート(融点;82〜84℃)2.04g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.79g(収率:92.0%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は33.2重量%であった。
【0048】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.92−0.97(t、−CH3)、1.37−1.46(m、−CH2)、1.52−1.59(m、−CH2)、2.75−2.79(t、−NCH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、161.46、44.76、36.94、21.05、14.38
【0049】
(実施例5)
酸化銀とイソブチルアンモニウムイソブチルカルバメートとの反応
【0050】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のイソブチルアンモニウムイソブチルカルバメート(融点;80〜82℃)2.04g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.87g(収率:94.4%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は32.4重量%であった。
【0051】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.96−0.98(d、−CH3)、1.67−1.74(m、−CH)、2.59−2.88(dd、−CH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、161.48、52.69、33.16、30.45、20.42
【0052】
(実施例6)
酸化銀とt−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメートとの反応
【0053】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のt−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメート2.04g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.94g(収率:97.0%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は31.4重量%であった。
【0054】
1H NMR(CD3OD、ppm)、1.27(s、−CH3)、13C NMR(CD3OD、ppm)、161.52、50.94、32.28
【0055】
(実施例7)
炭酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0056】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.27g(10.80ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀1.0g(3.60ミリモル)を添加した。添加した溶液は黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれてだんだん透明に変わって、5時間後には完全に黄色の透明な溶液が形成されて、錯化合物が成功的に生成されたことを確認した。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.18g(収率:97.89%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は18.66重量%であった。
【0057】
1H NMR(CD3OD、ppm)、1.11−1.19(m、−CH3)1.51−1.69(m、−CH2、−CH−)、2.91−2.92、3.23−3.25(d、−NCH2)、5.13(t、−NHx)、13C NMR(CD3OD、ppm)、166.09、47.60、44.24、31.76、30.12、24.77、24.30、14.64、11.15
【0058】
(実施例8)
酸化銀と2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメートとの反応
【0059】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体の2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート(融点;41〜42℃)2.17g(11.18ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、茶色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.58g(収率:81.4%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は35.9重量%であった。
【0060】
1H NMR(CD3OD、ppm)、2.93−2.96(t、−NCH2)、3.39(s、−OCH3)、3.48−3.50(t、OCH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、161.48、74.11、59.35、44.34
【0061】
(参考例9)
酸化銀と2−ヒドロキシエチルアンモニウム2−ヒドロキシエチルカルバメートとの反応
【0062】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、2−ヒドロキシエチルアンモニウム2−ヒドロキシエチルカルバメート1.78g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、茶色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.50g(収率:90.1%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は37.1重量%であった。
【0063】
1H NMR(CD3OD、ppm)、2.82−2.85(t、−NCH2)、3.61−3.64(t、OCH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、166.16、 63.70、46.12
【0064】
(実施例10)
酸化銀と2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメートとの反応
【0065】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体の2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメート(融点;70〜72℃)2.40g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.06g(収率:90.0%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、150℃以下で約60%の分解が進行され、純粋な銀と未反応の有機物が残留して、250℃以下では大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は28.7重量%であった。
【0066】
(実施例11)
酸化銀とモルホリウムモルホリンカルバメートとの反応
【0067】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、モルホリウムモルホリンカルバメート2.81g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、グレーの固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.29g(収率:86.4%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は28.3重量%であった。
【0068】
(実施例12)
酸化銀とヘキサメチレンイミニウムヘキサメチレンイミンカルバメートとの反応
【0069】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、ヘキサメチレンイミニウムヘキサメチレンイミンカルバメート3.13g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、茶色の液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.29g(収率:86.8%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は25.9重量%であった。
【0070】
(実施例13)
酸化銀とアンモニウムカルバメートとの反応
【0071】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムカルバメート6.71g(86ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モール)を50mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀10.0g(43.1ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、3時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物26.90g(収率:84.9%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は42.0重量%であった。
【0072】
(実施例14)
炭酸銀とアンモニウムカルバメートとの反応
【0073】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムカルバメート3.36g(43ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モール)を50mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀11.88g(43.1ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、6時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物25.60g(収率:84.5%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は45.8重量%であった。
【0074】
(実施例15)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0075】
前記実施例1の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、同様な方法により実験を行った。
【0076】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.25g(10.75ミリモル)を10mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.58g(収率:88.23%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は25.97重量%であった。
【0077】
(実施例16)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0078】
前記実施例1の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートをエチルアセテート(ethylacetate)に溶解させて、同様な方法により実験を行った。
【0079】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.25g(10.75ミリモル)を10mlのエチルアセテート(ethylacetate)に溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.53g(収率:83.17%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は26.34重量%であった。
【0080】
(実施例17)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0081】
前記実施例1の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートを溶媒を使用せずに、同様な方法により実験を行った。
【0082】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート3.90g(12.90ミリモル)と酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、黄色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下に放置すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.58g(収率:88.23%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は25.97重量%であった。
【0083】
(実施例18)
酸化銀とアミノエチルアンモニウムアミノエチルカルバメートとの反応
【0084】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色固体のアミノエチルアンモニウムアミノエチルカルバメート1.763g(10.75ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、黒色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.21g(収率:79.99%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は42.12重量%であった。
【0085】
(実施例19)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとアミノエチルアンモニウムアミノエチルカルバメートとの反応
【0086】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、6:1モル比率の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとアミノエチルアンモニウムアミノエチルカルバメート3.07g(10.80ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加して常温で反応させた。前記反応溶液は、最初は黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行され、錯化合物が生成されるにつれて色が薄くなり、透明に変わることが観察されて、2時間攪拌して反応させた結果、無色の透明な溶液が得られた。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、オレンジ色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.85g(収率:94.59%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は24.20重量%であった。
【0087】
(実施例20)
硫酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0088】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート2.42g(8.00ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、硫酸銀1.0g(3.2ミリモル)を添加して、白色懸濁液(Slurry)溶液を得て、反応が進行されるにつれて透明な色に変わり、2時間反応後には完全に透明な色に変わって、錯化合物の生成が完了されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、錯体化物3.15g(収率:92.3%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は21.35重量%であった。
【0089】
(実施例21)
硝酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0090】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート2.23g(7.37ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、硝酸銀1.0g(5.9ミリモル)を添加して白色懸濁液(Slurry)を得て、反応が進行されるにつれて透明な色に変わり、2時間反応後には完全に透明な色に変わって、錯化合物の生成が完了されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、錯体化物2.76g(収率:85.6%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は22.73重量%であった。
【0091】
(実施例22)
シアン化銀と2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとの反応
【0092】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート2.83g(9.37ミリモル)を10mlのジメチルスルホオキシド(DMSO)に溶解させた後、シアン化銀1g(7.5ミリモル)を添加して白色懸濁液(Slurry)を得て、反応が進行されるにつれて透明な色に変わり、2時間反応後には完全に透明な色に変わって、錯化合物の生成が完了されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、錯体化物3.15g(収率:82.42%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は25.43重量%であった。
【0093】
(参考例23)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0094】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート3.72g(11.61ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタし、未反応の酸化銀粒子を除去して、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.02g(収率:85.2%)が得られた。前記銀錯体化合物の融点は55〜57℃(DSC:57.34℃)であって、熱分析(TGA)結果、銀含量は21.43重量%であった。
【0095】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.87−0.99(m、−CH3)1.31−1.47(m、−CH2、−CH−)、2.69−2.70、3.01−3.02(d、−NCH2)、4.90(s、−NH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、165.00、47.70、44.25、31.73、30.90、24.73、24.29、14.68、11.16
【0096】
(参考例24)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0097】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムバイカーボネート4.86g(25.37ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.33g(収率:73.9%)が得られた。前記銀錯体化合物の融点は56〜57℃(DSC:57.66℃)であって、熱分析(TGA)結果、銀含量は21.48重量%であった。
【0098】
1H NMR(CD3OD、ppm)、0.93−1.08(m、−CH3)1.31−1.64(m、−CH2、−CH−)、2.93−2.94、3.25−3.26(d、−NCH2)、5.13(s、−NH2)、13C NMR(CD3OD、ppm)、165.56、47.73、44.23、31.713、30.08、24.72、24.28、14.69、11.17
【0099】
(参考例25)
酸化銀とイソプロピルアンモニウムカーボネートとの反応
【0100】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、イソプロピルアンモニウムカーボネート2.01g(11.18ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.41g(収率:80.2%)が得られた。熱分析(TGA)結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は、38.6重量%であった。
【0101】
(参考例26)
炭酸銀とイソプロピルアンモニウムカーボネートとの反応
【0102】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、イソプロピルアンモニウムカーボネート2.07g(11.52ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀1.0g(3.60ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.42g(収率:78.8%)が得られた。熱分析(TGA)結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は32.23重量%であった。
【0103】
(参考例27)
炭酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0104】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート3.46g(14.4ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(3.6ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.15g(収率:93.04%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残って、銀含量は18.79重量%であった。
【0105】
(参考例28)
酸化銀とイソプロピルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0106】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、イソプロピルアンモニウムバイカーボネート(融点:53〜54℃)2.97g(24.51ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.41g(収率:60.7%)が得られた。融点は68〜70℃(DSC:70.49℃)であって、熱分析(TGA)結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は38.58重量%であった。
【0107】
(参考例29)
酸化銀とアンモニウムカーボネートとの反応
【0108】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムカーボネート8.26g(86ミリモル)とイソプロピルアミン15gとを50mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀10.0g(43.1ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物28.38g(収率:85.5%)が得られた。融点(DSC)は63.38℃であって、熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は46.3重量%であった。
【0109】
(参考例30)
炭酸銀とアンモニウムカーボネートとの反応
【0110】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムカーボネート4.13g(43ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モル)とを50mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀11.88g(43.1ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物26.71g(収率:85.9%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は47.8重量%であった。
【0111】
(参考例31)
酸化銀とアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0112】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムバイカーボネート6.8g(86ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モル)とを50mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀10.0g(43.1ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、3時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物26.55g(収率:83.5%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は46.8重量%であった。
【0113】
(参考例32)
炭酸銀とアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0114】
攪拌器付き250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、アンモニウムバイカーボネート3.4g(43ミリモル)とイソプロピルアミン15g(0.25モル)とを50mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀11.88g(43.1ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物26.20g(収率:86.2%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は48.2重量%であった。
【0115】
(参考例33)
酸化銀と2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0116】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネート3.24g(23.65ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、黄色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.01g(収率:70.75%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は31.08重量%であった。
【0117】
(参考例34)
炭酸銀と2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0118】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネート3.78g(27.54ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、炭酸銀1.0g(3.60ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黄色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、黄色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.28g(収率:68.61%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は23.78重量%であった。
【0119】
(参考例35)
酸化銀とオクチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0120】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色の固体であるオクチルアンモニウムバイカーボネート3.07g(24.73ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.81g(収率:93.61%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は24.40重量%であった。
【0121】
(参考例36)
酸化銀とイソブチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0122】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色の固体であるイソブチルアンモニウムバイカーボネート3.20g(23.65ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.21g(収率:76.42%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は28.97重量%であった。
【0123】
(参考例37)
酸化銀とn−ブチルアンモニウムバイカーボネートとの反応
【0124】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のあるn−ブチルアンモニウムバイカーボネート3.20g(23.65ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、6時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.49g(収率:83.09%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は26.72重量%であった。
【0125】
(参考例38)
酸化銀とモルホリンアンモニウムウムバイカーボネートとの反応
【0126】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色の固体であるモルホリンアンモニウムバイカーボネート3.53g(23.65ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.16g(収率:69.75%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は29.49重量%であった。
【0127】
(参考例39)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0128】
前記参考例23の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、同様な方法により実験を行った。
【0129】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート4.13g(12.90ミリモル)を10mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物4.05g(収率:78.84%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は22.96重量%であった。
【0130】
(参考例40)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0131】
前記参考例23の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートをエチルアセテート(ethylacetate)に溶解させて、同様な方法により実験を行った。
【0132】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート4.13g(12.90ミリモル)を10mlのエチルアセテート(ethylacetate)に溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.96g(収率:77.19%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は23.48重量%であった。
【0133】
(参考例41)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0134】
前記参考例23の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートを、溶媒を使用せずに、同様な方法により実験を行った。
【0135】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート4.13g(12.90ミリモル)と酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に黄色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下に放置すると、白色の固体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.96g(収率:77.19%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は23.48重量%であった。
【0136】
(参考例42)
酸化銀とアミノエチルアンモニウムカーボネートとの反応
【0137】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、白色の固体であるアミノエチルアンモニウムカーボネート2.35g(12.90ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、黒色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物2.42g(収率:72.23%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は38.45重量%であった。
【0138】
(参考例43)
酸化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとアミノエチルアンモニウムカーボネートとの反応
【0139】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、6:1モル比率の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとアミノエチルアンモニウムカーボネート3.87g(12.9ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、酸化銀1.0g(4.31ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、黒色懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に無色の透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、オレンジ色の粘性のある液体が得られるが、これを乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.05g(収率:78.85%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は30.41重量%であった。
【0140】
(参考例44)
硫酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0141】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート3.07g(9.60ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、硫酸銀1.0g(3.2ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、白色の懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.55g(収率:87.2%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は19.52重量%であった。
【0142】
(参考例45)
硝酸銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0143】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート2.84g(8.86ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させた後、硝酸銀1.0g(5.9ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、白色の懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.12g(収率:81.34%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は19.88重量%であった。
【0144】
(参考例46)
シアン化銀と2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネートとの反応
【0145】
攪拌器付き50mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに、粘性のある液体の2−エチルヘキシルアンモニウムカーボネート3.59g(11.20ミリモル)を10mlのジメチルスルホオキシド(DMSO)に溶解させた後、シアン化銀1.0g(7.5ミリモル)を添加した。前記反応溶液は、白色の懸濁液(Slurry)で反応が進行されるにつれて、だんだん透明な色に変わることが観察されて、2時間が経った後には、完全に透明な溶液に変わって、錯化合物が生成されたことが分かった。この溶液を0.45ミクロンのメンブランフィルタ(membrane filter)を使用してフィルタした後、真空下で溶媒を全て除去すると、白色の固体が得られるが、これをエチルアセテートで再結晶して乾燥した後、重量を測定した結果、銀錯体化物3.93g(収率:85.62%)が得られた。熱分析(TGA)の結果、130℃以下で大部分分解が完了され、銀金属が残り、銀含量は20.37重量%であった。
【0146】
前記実施例により製造された化合物の銀含量に基づいてm値を換算すると、下記の表1の通りである。
【0147】
【表1】
【0148】
(実施例47)
実施例1で合成した銀錯体化合物4gをブチルアルコール5gに溶かした後、500cpsとなるように粘度を調整して、320メッシュ(mesh)のステンレス(SUS)網上にパターニングされたシルクスクリーンで、コーティング処理された紙(インクテック社製、製品名:ITP20HPGまたはITP20SPH)上にパターニングした後、100℃で5分間、そして130℃で10分間熱処理し、伝導度が400〜500mΩ/□の金属パターンを得た。
【0149】
(実施例48)
実施例1で合成した銀錯体化合物4gをイソプロピルアルコール10gに溶かした後、13cpsとなるように粘度を調整し、インクジェットプリンターを利用して、PETフィルム上にパターニングを1回した。パターニングした後、80℃で5分間、そして130℃で10分間熱処理し、伝導度が200〜300mΩ/□の金属パターンを得た。
【0150】
(参考例49)
参考例23で合成した銀錯体化合物4gを2−ヘキシルアルコール5gに溶かした後、500cpsとなるように粘度を調整して、320メッシュ(mesh)のパターニングされたシルクスクリーンで、コーティング処理された紙(インクテック社製、製品名:ITP20HPGまたはITP20SPH)上にパターニングした後、100℃で5分間、そして130℃で10分間熱処理し、伝導度が400〜500mΩ/□の金属パターンを得た。
【0151】
(参考例50)
参考例24で合成した銀錯体化合物4gをブチルアルコール10gに溶かした後、13cpsとなるように粘度を調整し、インクジェットプリンターを利用して、PETフィルム上にパターニングを1回した。パターニングした後、80℃で5分間、そして130℃で10分間熱処理し、伝導度が200〜300mΩ/□の金属パターンを得た。
【0152】
本発明により、化学式2の銀化合物と、化学式3のアンモニウムカーボネート系化合物を反応させて誘導された可溶性の有機銀錯体化合物が提供された。
【0153】
前記材料は、前記TGA結果から分かるように、非常に低い温度で容易に分解され、純粋な金属薄膜または粉末を形成するため、多様な形態の銀金属膜の形成が可能であり、また、高真空下で蒸着し、非常に薄い薄膜の形成も可能であることが分かり、メッキ、医薬、写真、電気電子、繊維、洗剤、家電製品と有機物、及び高分子合成に触媒として使用するか、銀粉末、ペースト、ナノ粒子の製造に利用することができて、特に、低抵抗金属配線、印刷回路基板(PCB)、軟性回路基板(FPC)、無線認識タグ(RFID)用アンテナ、そしてプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(TFT−LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フレキシブルディスプレイ、及び有機薄膜トランジスタ(OTFT)などのような分野で、電極や化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着、スパッタリング、電気メッキ、リソ工程(photolithography)、電子線(electron beam)、レーザー(laser)など、多様な方法により金属パターンを形成させる時、前駆体(precursor)材料として使用することができる。また、本発明の有機銀錯体化合物溶液をガラス、シリコンウェハ、ポリエステルやポリイミドのような高分子フィルム、紙などのような基板にスピン(spin)コーティング、ロール(roll)コーティング、スプレーコーティング、ディップ(dip)コーティング、フロー(flow)コーティングと、インクジェットプリンティング、オフセットプリンティング、スクリーンプリンティング、グラビアプリンティング、フレキソプリンティングした後、酸化または還元処理や熱処理して、金属または金属酸化物パターンを形成させるにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】実施例1の銀錯体化合物の1H NMRスペクトルである。
【図2】実施例1の銀錯体化合物の13C NMRスペクトルである。
【図3】実施例1の銀錯体化合物のIRスペクトルである。
【図4】実施例1の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)である。
【図5】実施例1の銀錯体化合物のDSC熱分解曲線(thermogram)である。
【図6】参考例23の銀錯体化合物の1H NMRスペクトルである。
【図7】参考例23の銀錯体化合物の13C NMRスペクトルである。
【図8】参考例23の銀錯体化合物のIRスペクトルである。
【図9】参考例23の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)である。
【図10】参考例23の銀錯体化合物のDSC熱分解曲線(thermogram)である。
【図11】参考例24の銀錯体化合物の1H NMRスペクトルである。
【図12】参考例24の銀錯体化合物の13C NMRスペクトルである。
【図13】参考例24の銀錯体化合物のIRスペクトルである。
【図14】参考例24の銀錯体化合物のTGA熱分解曲線(thermogram)である。
【図15】参考例24の銀錯体化合物のDSC熱分解曲線(thermogram)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式2から選択される1つ以上の銀化合物及び下記化学式3から選択される1つ以上のアンモニウムカルバメート系化合物とを反応させて得られる銀錯体化合物。
【化2】
(上記式で、nは1〜4の整数であり、Xは酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、及びカルボキシレートで構成された群から選択される置換基である)
【化3】
(上記式で、R1、R2、R3、R4、及びR5は、互い独立的に、それぞれ水素、炭素数1〜30個の脂肪族や脂環族のアルキル基、アリル基、若しくはアラルキル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、ヘテロ環化合物基、又は高分子化合物基である)
【請求項2】
銀錯体化合物は、下記化学式1であることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【化1】
(上記式で、Aは上記化学式3の化合物であり、mは0.7〜2.5である)
【請求項3】
上記化学式2の銀化合物は、酸化銀、チオシアネート化銀、シアン化銀、シアネート化銀、炭酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、燐酸銀、過塩素酸銀、四フッ素ボレート化銀、アセチルアセトネート化銀、酢酸銀、乳酸銀、及びシュウ酸銀から選択される何れか1つ以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項4】
前記R1及びR4は炭素数1〜14個の脂肪族アルキル基であり、R3、R4、及びR5は互いに独立的に水素または炭素数1〜14個の脂肪族アルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の銀錯体化合物。
【請求項5】
前記R1、R2、R3、R4、及びR5は、互い独立的に、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、メトキシ、メトキシエチル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジル、ポリアリルアミン、及びポリエチレンアミンから選択されることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項6】
アンモニウムカルバメート系化合物は、アンモニウムカルバメート、エチルアンモニウムエチルカルバメート、イソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウムイソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート、オクタデシルアンモニウムオクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウムジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウムジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウムメチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミニウムヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリウムモルホリンカルバメート、ピリジウムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウムイソプロピルバイカルバメート、ベンジルアンモニウムベンジルカルバメート、及びトリエトキシシリルプロピルアンモニウムトリエトキシシリルプロピルカルバメートから選択されることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項7】
前記化学式2の化合物の銀化合物は、酸化銀、炭酸銀またはその混合物であることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項8】
アンモニウムカルバメート系化合物が、1次アミンで構成されたアルキルアンモニウムアルキルカルバメートであることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項9】
請求項1乃至8から選択される何れか一項の銀錯体化合物を用いて薄膜を形成した後、酸化処理、還元処理、熱処理、化学蒸着、プラズマ蒸着、スパッタリング、電気メッキ、リソグラフィー工程、赤外線、電子線、またはレーザー処理を施して、金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項10】
前記薄膜は、基板上に塗布して形成することを特徴とする請求項9に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項11】
前記基板は、ガラス、シリコン、ポリエステル、ポリイミド、紙から選択されることを特徴とする請求項9に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項12】
前記熱処理は、空気、窒素、アルゴン、水素、またはこれらの混合ガスで進行させることを特徴とする請求項9に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項13】
前記塗布は、スピンコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、フローコーティングから選択される塗布方法であることを特徴とする請求項10に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項14】
前記塗布は、インクジェットプリンティング、オフセットプリンティング、スクリーンプリンティング、グラビアプリンティング、フレキソプリンティングから選択されるプリンティング方法によるものであることを特徴とする請求項10に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項15】
前記銀錯体化合物を用いた塗布は、銀錯体化合物を、アルコール、グリコール、アセテート、エーテル、ケトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、及びハロゲン化炭化水素から選択される溶媒に溶解して製造した銀錯体化合物溶液を利用することを特徴とする請求項10に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項16】
前記溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテート、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、メチレンクロライド、カーボンテトラクロライドから選択される何れか1つ以上であることを特徴とする請求項15に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項17】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の銀錯体化合物をアルコール、グリコール、アセテート、エーテル、ケトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、及びハロゲン化炭化水素から選択される溶媒に溶解して製造した銀錯体化合物溶液。
【請求項18】
前記溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテート、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、メチレンクロライド、カーボンテトラクロライドから選択される何れか1つ以上であることを特徴とする請求項17に記載の銀錯体化合物溶液。
【請求項19】
下記化学式2の1つ以上の銀化合物と、一つ以上の化学式3のアンモニウムカルバメート系化合物とを、溶媒の存在下で、常温で反応させて銀錯体化合物を製造する方法。
【化2】
(上記式で、nは1〜4の整数であり、Xは酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、及びカルボキシレートで構成された群から選択される置換基である)
【化3】
(上記式で、R1、R2、R3、R4、及びR5は、互い独立的に、それぞれ水素、炭素数1〜30個の脂肪族や脂環族のアルキル基、アリル基、若しくはアラルキル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、ヘテロ環化合物基、又は高分子化合物基である)
【請求項20】
銀錯体化合物は、下記化学式1であることを特徴とする請求項19に記載の銀錯体化合物を製造する方法。
【化1】
(上記式で、Aは化学式3の化合物であり、mは0.7〜2.5である)
【請求項21】
前記溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテート、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、メチレンクロライド、カーボンテトラクロライドから選択される何れか1つ以上であることを特徴とする請求項19に記載の銀錯体化合物の製造方法。
【請求項1】
下記化学式2から選択される1つ以上の銀化合物及び下記化学式3から選択される1つ以上のアンモニウムカルバメート系化合物とを反応させて得られる銀錯体化合物。
【化2】
(上記式で、nは1〜4の整数であり、Xは酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、及びカルボキシレートで構成された群から選択される置換基である)
【化3】
(上記式で、R1、R2、R3、R4、及びR5は、互い独立的に、それぞれ水素、炭素数1〜30個の脂肪族や脂環族のアルキル基、アリル基、若しくはアラルキル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、ヘテロ環化合物基、又は高分子化合物基である)
【請求項2】
銀錯体化合物は、下記化学式1であることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【化1】
(上記式で、Aは上記化学式3の化合物であり、mは0.7〜2.5である)
【請求項3】
上記化学式2の銀化合物は、酸化銀、チオシアネート化銀、シアン化銀、シアネート化銀、炭酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、燐酸銀、過塩素酸銀、四フッ素ボレート化銀、アセチルアセトネート化銀、酢酸銀、乳酸銀、及びシュウ酸銀から選択される何れか1つ以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項4】
前記R1及びR4は炭素数1〜14個の脂肪族アルキル基であり、R3、R4、及びR5は互いに独立的に水素または炭素数1〜14個の脂肪族アルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の銀錯体化合物。
【請求項5】
前記R1、R2、R3、R4、及びR5は、互い独立的に、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、メトキシ、メトキシエチル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジル、ポリアリルアミン、及びポリエチレンアミンから選択されることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項6】
アンモニウムカルバメート系化合物は、アンモニウムカルバメート、エチルアンモニウムエチルカルバメート、イソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウムイソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート、オクタデシルアンモニウムオクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウムジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウムジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウムメチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミニウムヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリウムモルホリンカルバメート、ピリジウムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウムイソプロピルバイカルバメート、ベンジルアンモニウムベンジルカルバメート、及びトリエトキシシリルプロピルアンモニウムトリエトキシシリルプロピルカルバメートから選択されることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項7】
前記化学式2の化合物の銀化合物は、酸化銀、炭酸銀またはその混合物であることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項8】
アンモニウムカルバメート系化合物が、1次アミンで構成されたアルキルアンモニウムアルキルカルバメートであることを特徴とする請求項1に記載の銀錯体化合物。
【請求項9】
請求項1乃至8から選択される何れか一項の銀錯体化合物を用いて薄膜を形成した後、酸化処理、還元処理、熱処理、化学蒸着、プラズマ蒸着、スパッタリング、電気メッキ、リソグラフィー工程、赤外線、電子線、またはレーザー処理を施して、金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項10】
前記薄膜は、基板上に塗布して形成することを特徴とする請求項9に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項11】
前記基板は、ガラス、シリコン、ポリエステル、ポリイミド、紙から選択されることを特徴とする請求項9に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項12】
前記熱処理は、空気、窒素、アルゴン、水素、またはこれらの混合ガスで進行させることを特徴とする請求項9に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項13】
前記塗布は、スピンコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、フローコーティングから選択される塗布方法であることを特徴とする請求項10に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項14】
前記塗布は、インクジェットプリンティング、オフセットプリンティング、スクリーンプリンティング、グラビアプリンティング、フレキソプリンティングから選択されるプリンティング方法によるものであることを特徴とする請求項10に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項15】
前記銀錯体化合物を用いた塗布は、銀錯体化合物を、アルコール、グリコール、アセテート、エーテル、ケトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、及びハロゲン化炭化水素から選択される溶媒に溶解して製造した銀錯体化合物溶液を利用することを特徴とする請求項10に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項16】
前記溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテート、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、メチレンクロライド、カーボンテトラクロライドから選択される何れか1つ以上であることを特徴とする請求項15に記載の金属または金属酸化物膜を形成する方法。
【請求項17】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の銀錯体化合物をアルコール、グリコール、アセテート、エーテル、ケトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、及びハロゲン化炭化水素から選択される溶媒に溶解して製造した銀錯体化合物溶液。
【請求項18】
前記溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテート、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、メチレンクロライド、カーボンテトラクロライドから選択される何れか1つ以上であることを特徴とする請求項17に記載の銀錯体化合物溶液。
【請求項19】
下記化学式2の1つ以上の銀化合物と、一つ以上の化学式3のアンモニウムカルバメート系化合物とを、溶媒の存在下で、常温で反応させて銀錯体化合物を製造する方法。
【化2】
(上記式で、nは1〜4の整数であり、Xは酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、及びカルボキシレートで構成された群から選択される置換基である)
【化3】
(上記式で、R1、R2、R3、R4、及びR5は、互い独立的に、それぞれ水素、炭素数1〜30個の脂肪族や脂環族のアルキル基、アリル基、若しくはアラルキル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、ヘテロ環化合物基、又は高分子化合物基である)
【請求項20】
銀錯体化合物は、下記化学式1であることを特徴とする請求項19に記載の銀錯体化合物を製造する方法。
【化1】
(上記式で、Aは化学式3の化合物であり、mは0.7〜2.5である)
【請求項21】
前記溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、エチルアセテート、ブチルアセテート、カルビトールアセテート、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、メチレンクロライド、カーボンテトラクロライドから選択される何れか1つ以上であることを特徴とする請求項19に記載の銀錯体化合物の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−148795(P2011−148795A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6755(P2011−6755)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【分割の表示】特願2007−554024(P2007−554024)の分割
【原出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(505335441)インクテック カンパニー リミテッド (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【分割の表示】特願2007−554024(P2007−554024)の分割
【原出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(505335441)インクテック カンパニー リミテッド (19)
【Fターム(参考)】
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