説明

【課題】使い勝手がよいコネクタサポートを提供する。
【解決手段】机は強度メンバーとしてのリアビーム6を有する。リアビーム6には、前向き突部21aで隔てられた上下の蟻溝22,23が形成されている。コンセント29が固定されるコネクタサポート11は前倒れ姿勢であり、後端に設けた係合片11bが前向き突部21aに上と前から重なっている。係合片11bは、前向き突部21aに上から嵌まるストッパー片11cを有する。コネクタサポート11の係合片11bには、天板支持ブラケット9における嵌合部9aの張り出し部9dが上から重なっている。このため、コネクタサポート11は上向き回動不能に保持されている。従って、プラグ31を片手でコンセント29に抜き差しできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ケーブル類の処理機能を有する机に関するものである。
【背景技術】
【0002】
机では各種の電気・電子機器が使用される。そこで、これら電気・電子機器に接続されたケーブル類を処理する機能を机に持たせることが行われている。ケーブル類の処理機能の1つとして、電源用タップ(コンセント)や通信線用接続具を天板の下方の空間に配置できるようにすることがある。
【0003】
その例として特許文献1には、天板の後部下方に左右長手の配線ダクトを配置した構成において、配線ダクトの上部に前向き開口の蟻溝を形成し、この蟻溝の開口縁に、コンセントを抱持したコンセントホルダーを左右スライド自在に装着することが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、天板の後部下方に配置した仕切り板に左右横長の支持片を固定し、この支持片に上下回動自在に装着した配線支持部材にコンセントを載置することが開示されている。また、特許文献3には、机の後部に配置した幕板の前面にレールを固定し、このレールに受け部材を手前側から取り付けて、受け部材にコンセントを載置することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−289923号公報
【特許文献2】特開平11−155646号公報
【特許文献3】特開2001−112546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、プラグの電極はコンセント(タップ)のばね性を有する電極でしっかりと挟まれており、従って、プラグの抜き差しにはある程度の力が必要である。そして、特許文献2,3ではコンセントは支持部材に単に載せているに過ぎないため、プラグの抜き差しに際しては、コンセントを机上の空間に取り出して一方の手でしっかり掴み、その状態で、他方の手に持ったプラグを抜き差し、それからコンセントをまた支持部材に戻すという手順を採ることになり、このため、プラグの抜き差しが面倒であるという問題がある(コンセントが載った支持部材は上向きに回動するため、コンセントが支持部材に固定されていると、プラグを引くと支持部材が回動してしまい、プラグをコンセントから抜き外すことができない。)。
【0007】
他方、特許文献1ではコンセントは配線ダクトの上部に前後ずれ移動不能に保持されているため、プラグのみを動かしてコンセントに抜き差しできる。従って、プラグの抜き差しを片手で行うことができる。この点、作業性に優れていると言える。しかし、コンセントはその差し込み穴を手前に向けた姿勢で配置されており、プラグは横向き姿勢にして手前からしか抜き差しできず、机の後ろから手を差し込んで抜き差しすることはできない。このため、使い勝手が悪いという問題がある。
【0008】
また、コンセントが装着されたコンセントホルダーは配線ダクトの左端部又は右端部からしか抜き差しできないため、コンセントホルダーの取り付け・取り外しに際して配線ダクトを取り外した状態で行わねばならず、このため、コンセントホルダーの取り付け・取り外しが面倒になる可能性もある。更に、コンセントホルダーは配線ダクトに設けた蟻溝を構成する上下の開口縁に嵌め込むようになっているが、コンセントホルダーの保持機能を有する形態にするには、配線ダクトは押し出し加工品とせねばならず、コストや強度に優れた板金加工品では製造が難しいという問題もある。
【0009】
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、使い勝手が良いと共に強度的にも優れた机を提供すること等を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成すべく本願発明者たちは、各請求項の発明を成した。このうち請求項1の発明は、天板の後端部の下方に左右横長のリアビームを有しており、前記リアビームに、電源用タップ又は他のケーブル接続具を取付け可能なコネクタサポートが、手前側からの嵌め込み操作によって取り付けられている構成において、前記リアビームには、手前に開口した蟻溝又は手前に突出した凸条より成るビーム側係合部が左右方向に長く延びるように形成されている一方、前記コネクタサポートには、前記ビーム側係合部に嵌合して前記コネクタサポートを下向き倒れ不能及び手前に抜け不能に保持するコネクタ側係合部が形成さており、かつ、コネクタサポートは姿勢保持手段によって上向き回動不能に保持されている。
【0011】
請求項2の発明は請求項1を具体化したものであり、この発明では、前記ビーム側係合部は開口部の上下幅より奥部の上下幅が大きい蟻溝であって、前記コネクタ側係合部は前記蟻溝の内部に入り込んでおり、前記蟻溝に前向き抜け不能に嵌まった前記姿勢保持手段で前記コネクタ側係合部を上から押さえ保持することにより、前記コネクタサポートを上向き回動不能に保持している。
【0012】
請求項3の発明は請求項2の構成を好適に具体化したもので、この発明では、前記蟻溝には、前記天板を下方から支持する天板支持ブラケットの下部が前向き抜け不能に嵌まっており、この天板支持ブラケットのうち前記蟻溝に嵌まっている部分に、前記姿勢保持手段となる押さえ部を設けている。請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれかにおいて、前記コネクタサポートは板状の形態であり、手前に行くに従って低くなるように側面視で傾斜している。
【発明の効果】
【0013】
本願発明のコネクタサポートは、外力が作用しても上向き回動しないように姿勢が保持されており、従って、プラグをコンセント等の接続後に片手で抜き差しできる。このため使い勝手がよい。また、コネクタサポートはリアビームに手前から取り付けるものであるため、リアビームが脚等に固定された状態でコネクタサポートを取り付け・取り外すことができ。従って、机の組み立てに際してコネクタサポートが邪魔になることもない。
【0014】
また、コネクタサポートは姿勢保持手段によって上向き回動不能に保持されており、リアビーム自体にコネクタサポートの姿勢保持機能を持たせるものではないため、リアビームは必ずしも複雑な形状である必要はなく、このため、経済性や強度に優れた板金製品とすることも簡単に実現できる。従って、リアビームを机の強度メンバーたる骨組みと成して、これにコネクタサポートを取り付けることで机全体として構造を簡素化するといったことも簡単に実現できる。
【0015】
請求項2の構成を採用すると、姿勢保持手段はリアビームの蟻溝に嵌まっているため、姿勢保持手段が出っ張ることを防止又は抑制でき、このためケーブル類が姿勢保持手段に引っ掛かるような不具合もない。また、姿勢保持手段は蟻溝に挿入するだけであるため、構造も簡単である。
【0016】
姿勢保持手段は専用品を使用することも可能であるが、請求項3のように天板支持ブラケットの一部を兼用すると、それだけ構造を簡単になる。しかも、天板支持ブラケットは天板で上向き動不能に保持されているため、コネクタサポートを押さえ保持する機能にも優れている。
【0017】
コネクタサポートは様々の形態・姿勢を採用できるが、請求項4のように構成すると、コネクタサポートは板金加工で簡単に製造できる。また、コネクタサポートは前下がりに傾斜しているため、プラグの抜き差しするに当たっては、天板の後ろから手を差し入れてプラグを抜き差しすることも、天板の下方に潜り込んでプラグを抜き差しすることも、いずれも採用できる。この面においても使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係る机の外観を示す図で、(A)は正面方向からの斜視図、(B)は分離斜視図である。
【図2】(A)は後ろから見た斜視図、(B)は後ろからの分離斜視図である。
【図3】(A)は机を内部から見た斜視図、(B)は側面図、(C)はケーブル受けを下方から見た斜視図である。
【図4】(A)は配線カバーを下向き開口させた状態での机の後部の斜視図、(B)は同じく分離斜視図である。
【図5】(A)は配線カバーを上向き開口させた状態での机の後部の斜視図、(B)は同じく分離斜視図である。
【図6】(A)は配線カバーを上向き開口させた状態での机の後部の斜視図、(B)は同じく分離斜視図である。
【図7】要部の一部破断分離斜視図である。
【図8】要部の分離斜視図である。
【図9】(A)は図6(A)のIXA-IXA 視断面図、(B)は図6(A)のIXB-IXB 視断面図である。
【図10】他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明で方向を特定するため「前後」「左右」の文言を使用するが、これは、机を普通の姿勢で使用する人の向きを基準にしている。従って、机の間口方向が左右方向であり、奥行き方向が前後方向である。前と後ろについては、使用者に近い側を前として、使用者から遠い背面の箇所を後ろとして使用している。
【0020】
(1).机の概略
図1〜3に示すように、机は平面視四角形(長方形)の天板1とこれを左右両側部において支持する左右の脚2とを有する。天板1は木質系であるが、スチール製のものを使用することも可能である。脚2は、棒状の前後脚支柱3,3′をその上端において水平状の上フレーム4で連結した門型になっており、上フレーム4に前後一対のスペーサ5をボルトで固定し、このスペーサ5に天板1をボルトで固定している。従って、天板1と上フレーム4との間にはケーブル類を挿通できる程度の間隔が空いている。
【0021】
脚支柱3,3′及び上フレーム4は中空で概ね四角形になっており、両者に嵌入する側面視L形の連結ブラケットを介して一体に連結されている。また、左右脚2における後部脚支柱3の上部間にはリアビーム6が配置されており、リアビーム6と左右の後部脚支柱3とがボルトで固定されている。なお、リアビーム6は帯状で中空に近い形態になっており、固定手段としては、後部脚支柱3の内側面に、リアビーム6の端部に嵌入する連結用ブラケット突起(図示せず)を固定し、この連結用ブラケット突起にリアビーム6をボルトで固定している。
【0022】
天板1の後端部のうち左右中間部には、後ろ向きに開口した平面視四角形の切り開き部7を形成しており、この切り開き部7を配線通路と成している。そして、切り開き部7にはこれを塞ぐカバー8を装着している。カバー8は着脱自在である。天板1の後部は、 切り開き部7を形成したことで強度が弱くなるおそれがある。そこで、天板1のうち切り開き部7を挟んだ左右両側の部位は、リアビーム6に取り付けた天板支持ブラケット9で下方から支持されている。
【0023】
また、リアビーム6の下部には、ケーブル受け10とその上方に位置したコネクタサポート11とが取り付けられている。ケーブル受け10は、リアビーム6に左右スライド自在に取り付けられている。リアビーム6に複数のケーブル受け10を装着することも可能である。
【0024】
図4,5に示すように、カバー8は浅いトレー状に形成されており、内部には仕切り12を設けている。切り開き部7の内周にはカバー受け13を固定しており、カバー受け13の左右側部には、カバー8の左右側部を支持する支持片14が形成されている。また、カバー受け13のうち手前に位置した基部には、ケーブルCを捌くための突起15を設けている。このため、カバー8を取り付けた状態で当該カバーの手前には配線通路が空いている。
【0025】
カバー8の左右両側面には前後一対ずつの円形の係合凹部16が形成されている一方、カバー受け13の左右両側部には、前後一対の係合凹部16が選択的に嵌まる係合凸部17が形成されている。前後の係合凹部16に係合凸部17が選択的に嵌まることでカバー8の前後位置を2段階に変更できる。また、係合凸部17は左右方向に撓み変形する舌片18(図5参照)の先端に形成されており、このため、舌片18を変形させることにより、カバー8の着脱と前後位置変更とが行われる。
【0026】
(2).コネクタサポート等の説明
次に、リアビーム6、天板支持ブラケット9、ケーブル受け10,コネクタサポート11を、主として図7〜9に基づいて補足説明する。図3(A)に示すように、リアビーム6は、後部脚支柱3の上端部でかつ略後半部に連結されている。そして、図7に明瞭に示すように、リアビーム6は、手前に突出した上下の水平片20a,20bを有するチャンネル状の基板20を有しており、基板20の前面に側面視凸形の補強板21を溶接で固着している。従って、背面には基板20だけが露出している。
【0027】
基板20の上下水平片20a,20bは袋状(中空状)に形成されており、その先端には、それぞれ後ろ向きの折り返し片20c,20dが形成されている。また、補強板21は前向き凸部21aを有しており、そこで、リアビーム6の内部には、補強板21は前向き凸部21aを挟んだ上下両側に、蟻溝形式の上係合溝22と下係合溝23とが形成されている。本実施形態では、上係合溝22と前向き凸部21aとで、請求項に記載したビーム側係合部が構成されている。
【0028】
リアビーム6は板金製品であるが、基板20は上下の折り返し部20a,20bを有することに加えて、前向き突部21aを有する補強板21が固着されているため、上下方向及び前後方向の曲げに対して高い強度を有する。
【0029】
図7,8に示すように、天板支持ブラケット9は、リアビーム6の上係合溝22に嵌まる嵌合部9aと、天板1の下面にビス(ボルト)24で固定される受け部9bと、これらを繋ぐ傾斜状のアーム部9cとを有している。受け部9bは平面視で半分が切り開き部7に露出しており、従って、平面視で略半分の部位が天板1に固定され、平面視で略半分の部位はカバー受け13に下方から重なっている。受け部9bには、ビス24が貫通する穴が左右一対ずつ空いているが、実際に使用されるのは片側のみである。ビス挿通穴が左右一対ずつ空いているのは、1種類のものを切り開き部7の左右いずれの側にも使用できるようにするためである。
【0030】
天板支持ブラケット9における嵌合部9aの背面は、側面視で後ろ向きに膨れた円弧状に形成されている。従って、天板支持ブラケット9をその前部が高くなるように側面視で傾けた姿勢にすることにより、嵌合部9aを手前側から上蟻溝22に嵌め込むことができる。また、天板支持ブラケット9の嵌合部9aはアーム部9cの左右両側に突出した張り出し部9dを有する。従って、嵌合部9aとアーム部9cとでT型の形態を成している(このため、天板1の支持強度に優れている。)。そして、嵌合部9aの張り出し部9dには、リアリアビーム6における基板40の上折り返し片20cに下方から嵌合する係合段部25が形成されており、このため、天板支持ブラケット9は下向き倒れ不能に保持されている。
【0031】
図8に明示するように、天板支持ブラケット9における係合段部25の左右中間部には位置決めリブ26を設けている一方、リアビーム6の上折り返し片20cには位置決めリブ26が嵌まる切欠き27を形成しており、このため、天板支持ブラケット9は左右動不能に保持されている。また、天板支持ブラケット9の嵌合部9aのうちアーム部9cの後ろに位置した部分は補強板21の前向き凸部21aに上から重なっているが、アーム部9cから左右にはみ出た部分の下面は、補強板21における前向き凸部21aの上面との間に若干の隙間が空くような段盗み部28になっている。
【0032】
コネクタサポート11は板金製品であり(樹脂製でもよい)、左右天板支持ブラケット9のアーム部9cの間に配置されている。コネクタサポート11は、コンセント29を固定できる本体部11aを有しており、本体部11aの上端に、請求項に記載したコネクタ側係合部の一例として、リアビーム6の上係合溝22に嵌まる左右一対の係合片11bを一体に形成している。係合片11bは、その後端に下向きのストッパー片11cを有する側面視下向き開口コの字形になっており、リアビーム6を構成する補強板21の前向き凸部21aに、ストッパー片11cが嵌まるストッパー穴30を形成している。このため、コネクタサポート11は左右動不能に保持されている。
【0033】
そして、コネクタサポート11の係合片11bに、天板支持ブラケット9における嵌合部9aの張り出し部9dが上から重なっている。すなわち、天板支持ブラケット9における嵌合部9aの段盗み部28が、コネクタサポート11の係合片11aに上から重なっている。従って、図9(B)から容易に理解できるように、コネクタサポート11は上向きに起こし不能に保持されている。従って、本実施形態では、天板支持ブラケット9における嵌合部9aの張り出し部9dが、請求項に記載した姿勢保持手段を構成している。
【0034】
コネクタサポート11の本体部11aは、手前に行くに従って低くなるように傾斜している。また、コネクタサポート11の下端部には、コンセント(テーブルタップ)を取り付けるための長穴32が空いている。また、コネクタサポート11の下端は上向きに曲げている(上向き片を符号11dで示す。)。この上向き片11dの存在により、コネクタサポート11の剛性が高くなっていると共に、ケーブル受け10から引き出されたケーブルCが擦れて傷付くことも防止されている。
【0035】
ケーブル受け10は上向きに開口したトレー状の形態を成しており、その後端には、リアリアビーム6の下係合溝23に嵌まる嵌合部10aを設けている。図3(B)及び図9(A)に示すように、嵌合部10aの下面には、リアビーム6の下折り返し片20dに後ろから引っ掛かる係合爪33を設けている。このため、ケーブル受け10はリアビーム6に抜け不能に保持される。なお、ケーブル受け10には、ケーブルの他にコネクタ等の各種の部材を載置できる。
【0036】
ケーブル受け10の係合爪33は、上下に撓み変形可能な後ろ向きの舌状片34の後端に設けており、ケーブル受け10をリアビーム6に向けて強く押し当てると、舌状片34が弾性変形することで、係合爪33が下折り返し片21dに係合する。舌状片34の付け根はリアビーム6の手前に位置しており、このため、舌状片34を指又はドライバ等で上向きに押し上げることで、係合爪33を下折り返し片21dから離脱させることができる。
【0037】
(3).まとめ
以上の構成において、机上で使用する電気・電子機器の電源ケーブルは、プラグ31を介してコンセント29に接続できる。この場合、コネクタサポート11は天板支持ブラケット9の張り出し部9dで上から押さえ保持されているため、上向きに回動させることができない。このため、プラグ31をコンセント29に抜き差しするに際して、片手でプラグ31をコンセント29に抜き差しできる。
【0038】
プラグ31の抜き差しは、カバー8を取り外して切り開き部7に手を差し込むことで、上から行える。この場合、人は机の手前に立って身体を前に倒して抜き差し作業を行うことになり、従って、人の視線は天板の手前から後ろに斜め下方に向かう状態になり、このため、コネクタサポート11が水平であるとコンセント29の穴が少し視認できにくい場合である。換言すると、身体を天板の後部に大きく倒さないとコンセント29を視認しにくい場合である(特に、身長が低いと視認しにくい。)。
【0039】
これに対して本実施形態のようにコネクタサポート11を前倒し状に傾斜させると、コンセント29の穴が人の顔と相対向する状態になるため、身体を大きく倒さなくてもプラグ31の抜き差しを簡単に行える。また、机の下方に潜ってプラグ31を抜き差しする場合も、コンセント29の穴を容易に視認できるため、作業を行いやすい。本実施形態のように、天板支持ブラケット9の一部をコネクタサポート11の姿勢保持手段に兼用させると、それだけ構造が簡単になる。
【0040】
天板支持ブラケット9における嵌合部9aの張り出し部9dに、コネクタサポート11における係合片11bに前から当たる補助押圧部を設けることも可能である。かくすると、コネクタサポート11の姿勢保持機能をより一層向上できる。
【0041】
図9(A)に示すように、ケーブル受け10はコネクタサポート11の手前に突出している。すなわち、リアリアビーム6からコネクタサポート11が手前に突出する寸法よりも、リアリアビーム6からケーブル受け10が手前に突出する寸法が大きくなっている。このため、コネクタサポート11から垂れ落ちたケーブルCをケーブル受け10で受けることができる。このため、ケーブルCが床に垂れ落ちることを防止できる。敢えて述べるまでもないが、コネクタサポート11には、コンセント29の他に、通信用コネクタやハブ、ルータ等の各種のコネクタ類を固定することができる。
【0042】
(4).他の実施形態
図10では他の実施形態を示している。このうち(A)に示す第2実施形態は、ビーム側係合部として前向き突条35を形成する一方、コネクタサポート11に、コネクタ側係合部の例として、前向き突条35に嵌まるコの字形の抱持部36を形成し、抱持部36の上部後端には前向き突条35に嵌入する下向きのストッパー片36aを形成し、抱持部36の下部後端には下向き片36bを設けている。
【0043】
そして、姿勢保持手段の一例として、コネクタサポート11の左右両側部に、前後長手の軸心回りに回動する姿勢保持片37を取り付けている。姿勢保持片37は、コネクタサポート11の上面に重なった倒れ姿勢は上向きに延びる起立姿勢とに選択自在であり、姿勢保持片37を倒した姿勢でコネクタサポート11の取り付けを行い、次いで、姿勢保持片37を起こして起立姿勢に保持すると、コネクタサポート11を上下回動不能に保持される。
【0044】
(B)(C)に示す第3実施形態では、ビーム側係合部として蟻溝38を形成する一方、コネクタサポート11に、蟻溝38に嵌まる角形の嵌入部39を形成している。更に、この実施形態では姿勢保持手段して、軸40aの両端にそれぞれ頭40bを有するロックピン40が使用されており、コネクタサポート11とこれが重なる前向き凸部21aとに、ロックピン40が嵌まるロック穴41を空けている。ロック穴41は、ピン40の頭40bが遊嵌する大径部41aと、これに連続して下向きに延びる細幅部41bとを有しており、ピン40の軸40aを大径部41aに嵌めてから下方にずらすことにより、コネクタサポート11は上向き回動不能に保持される。
【0045】
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えばリアビームやコネクタサポートは様々の形態に具体化できる。リアビームを押し出し成形品としたり、コネクタサポートを樹脂製とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本願発明は実際に机に具体化できる。従って、産業上、利用できる。
【符号の説明】
【0047】
1 天板
2 支持体の一例としての脚
3 後部脚支柱
6 リアビーム
7 切り開き部(配線通路)
8 カバー
9 天板支持ブラケット
9a 嵌合部
9d 姿勢保持手段の一例としての張り出し部
10 ケーブル受け
11 コネクタサポート
11a コネクタサポートの基板
11b 係合片
11c ストッパー片
20 リアビームの基板
21 補強板
21a 前向き突部
22 上蟻溝
28 段盗み部
29 コンセント
31 プラグ
30 ストッパー穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の後端部の下方に左右横長のリアビームを有しており、前記リアビームに、電源用タップ又は他のケーブル接続具を取付け可能なコネクタサポートが、手前側からの嵌め込み操作によって取り付けられている構成であって、
前記リアビームには、手前に開口した蟻溝又は手前に突出した凸条より成るビーム側係合部が左右方向に長く延びるように形成されている一方、
前記コネクタサポートには、前記ビーム側係合部に嵌合して前記コネクタサポートを下向き倒れ不能及び手前に抜け不能に保持するコネクタ側係合部が形成さており、かつ、コネクタサポートは姿勢保持手段によって上向き回動不能に保持されている、
机。
【請求項2】
前記ビーム側係合部は開口部の上下幅より奥部の上下幅が大きい蟻溝であって、前記コネクタ側係合部は前記蟻溝の内部に入り込んでおり、前記蟻溝に前向き抜け不能に嵌まった前記姿勢保持手段で前記コネクタ側係合部を上から押さえ保持することにより、前記コネクタサポートを上向き回動不能に保持している、
請求項1に記載した机。
【請求項3】
前記蟻溝には、前記天板を下方から支持する天板支持ブラケットの下部が前向き抜け不能に嵌まっており、この天板支持ブラケットのうち前記蟻溝に嵌まっている部分に、前記姿勢保持手段となる押さえ部を設けている、
請求項2に記載した机。
【請求項4】
前記コネクタサポートは板状の形態であり、手前に行くに従って低くなるように側面視で傾斜している、
請求項1〜3のうちのいずれかに記載した机。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−94237(P2013−94237A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237138(P2011−237138)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】