説明

板材収納枠

【課題】複数の板材を収納する板材収納枠において、板材の挿入が禁止される平行溝内への板材の挿入を確実に防止する。板材の挿入が許容される平行溝内への板材の挿入を高能率に行えるようにする。
【解決手段】対向に配置され、その内面に複数条の平行溝7がそれぞれ同一ピッチで形成された側板5,6を有し、一方の側板5に形成された平行溝7と、これと対向に配置される他方の側板6に形成された平行溝7とに板材Pの外周部を挿入することにより、これを保持する板材収納枠1Aにおいて、側板5,6の端面に、板材Pの挿入が禁止される平行溝7を選択的に塞ぎ、板材Pの挿入が許容される平行溝7を開放状態とする収納位置規制部材60Aを、連結部材50を介して着脱可能に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板、液晶基板、ディスク状記録媒体及び半導体ウェハ等の板材を複数枚収納可能に構成された板材収納枠に係り、特に、板材収納枠に対する板材の挿入位置を規制する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
本願の出願人は、先に、複数枚の板材を収納可能な板材収納枠として、一定間隔をあけて配設された天板及び底板と、上端が天板の一縁部に固定されると共に、下端が底板の一縁部に固定され、天板及び底板の間に直立した状態で配設された固定側板と、天板及び底板の間において固定側板と向い合せに配置され、固定側板と平行な状態で移動でき、かつ所望の位置で固定できる可動側板と、可動側板を天板及び底板に対して固定する固定機構と、天板及び底板の固定側板が配設されていない側の角部に配設された2本の支柱を備えたものを提案した。固定側板及び可動側板の各内面には、板材の外周部を挿入して保持するための一定幅かつ一定深さの平行溝が上下に一定ピッチで形成されており、各段の平行溝の底板からの高さ位置は、固定側板及び可動側板の双方について、同一に調整されている。したがって、各段の平行溝内に挿入される板材は、天板及び底板と平行に整列されて、水平に保持される。また、この板材収納枠は、固定側板に対する可動側板の設定位置を変更することにより、外形寸法が異なる各種の板材を収納することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
なお、特許文献1に記載の板材収納枠とは異なり、前面が開口された箱状体をもって構成され、相対向に配置される側板の内面に、同一形状及び同一寸法の棚を一定ピッチで取り付け、特定サイズの基板を水平方向に収納できるようにした基板収納カセットも従来知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、上面が開口された箱状体をもって構成され、相対向に配置される側壁の内面に、同一形状及び同一寸法の溝を一定ピッチで垂直に形成し、特定サイズの半導体ウェハを垂直方向に収納できるようにした半導体ウェハキャリアも従来知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−193194号公報
【特許文献2】実開平6−13145号公報
【特許文献3】特開平5−121531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1〜3に記載の板材収納枠、基板収納カセット及び半導体ウェハキャリア(以下、これらを総称して「板材収納枠等100」という。)は、いずれも板材の外周部を挿入するための一定幅かつ一定深さの溝200が一定ピッチで形成されているため、外周部の厚みが溝幅未満の板材しか収納できないことは勿論のこと、外周部の厚みが溝幅未満の板材であっても、板材の総厚が溝ピッチを超える板材については、各段の溝ごとに収納することができない。
【0007】
例えば、図16(a)〜(c)に示すように、プリント基板300の総厚tは、部品400の実装以前と実装以後とで変化すると共に、実装する部品400の高さ寸法によっても変化する。このため、図16(a)に示すように、部品400が実装される以前のプリント基板300を各段の溝200ごとに収納できるように溝ピッチが形成された板材収納枠等100に、実装後のプリント基板300の総厚が溝ピッチの1ピッチ以上2ピッチ未満となる高さ寸法が小さい部品400が実装されたプリント基板300と、実装後のプリント基板300の総厚が溝ピッチの2ピッチ以上3ピッチ未満となる高さ寸法が大きい部品400が実装されたプリント基板300を収納しようとする場合、高さ寸法が小さい部品400が実装されたプリント基板300については、図16(b)に示すように、各プリント基板300を1段飛ばしで収納し、高さ寸法が大きい部品400が実装されたプリント基板300については、図16(c)に示すように、各プリント基板300を2段飛ばしで収納する必要がある。
【0008】
このように、1種類の板材収納枠等100に総厚が異なる各種のプリント基板300を収納する場合においては、板材収納枠等100内に収納済みのプリント基板300の実装部品400に、後から挿入するプリント基板300が衝突しないように、また、板材収納枠等100内に収納済みのプリント基板300と後から挿入するプリント基板300との間に不要なスペースが生じないように、プリント基板300を挿入する溝200を慎重に選択して、板材収納枠100に対するプリント基板300の挿入作業を行うことが、作業者に求められる。このため、作業者の負担が大きく、作業能率を上げることが難しいばかりでなく、衝突によるプリント基板の破損や、不要なスペースの発生による収納効率の低下も解消することが難しい。
【0009】
もちろん、総厚が異なる各種のプリント基板300を収納するための各種の板材収納枠等100を用意すれば、このような問題は解消できるが、多種類の板材収納枠等100を常備しなくてはならず、その管理が複雑化するので、採用しがたい。
【0010】
また、特許文献2,3に記載されているように、板材収納枠等100の板材挿入側の端辺に、プリント基板300を挿入すべき適正な溝位置を示すマークを付しておけば、ある程度作業者の負担を軽減することができるが、このようにした場合にも、作業者は、マークの表示位置を目視により確認した上で、当該マークが付された溝内にプリント基板300を確実に挿入しなくてはならないので、作業能率の改善には限界があり、また、プリント基板の破損等を完全になくすことも困難である。
【0011】
なお、板材収納枠等100に形成された各段の溝200ごとに板材を収納することができず、板材を収納すべき溝200を適宜選択しなくてはならない事例としては、上述の総厚が異なる板材を収納する場合のほか、板材収納枠等100への板材の搬入及び板材収納枠等100からの板材の搬出を行う板材搬送装置が大型であるために、各溝ピッチ内で板材の搬入及び搬出を行えない場合、或いは、板材収納枠等100に収納すべき板材数が板材収納枠等100に形成された溝数よりも少ないが、バランスを保つために、各板材をほぼ均一に板材収納枠等100に収納したい場合など、種々の場合がある。
【0012】
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、板材の挿入が禁止される平行溝内への板材の挿入を確実に防止でき、かつ板材の挿入が許容される平行溝内への板材の挿入を高能率に行うことができる板材収納枠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上述の技術的課題を解決するため、対向に配置され、その内面に複数条の平行溝がそれぞれ同一ピッチで形成された側板を有し、一方の前記側板に形成された平行溝と、これと対向に配置される他方の前記側板に形成された平行溝とに板材の外周部を挿入することにより前記板材を保持する板材収納枠において、前記側板に形成された複数条の平行溝の一部については、前記板材の挿入を可能とし、他の一部については、前記板材の挿入を不可能とする収納位置規制部材を、前記側板に着脱可能に取り付けるという構成にした。
【0014】
かかる構成によると、側板の適宜の位置に収納位置規制部材を取り付けることにより、板材の挿入を禁止すべき平行溝について、板材の挿入を不可能とすることができるので、板材の挿入を禁止すべき平行溝への板材の挿入を確実に防止することができる。よって、板材の挿入が許容されている平行溝を目視により確認して、当該平行溝内に板材を挿入する場合に比べて、板材の挿入が許容される平行溝内への板材の挿入作業を容易化でき、作業能率を改善できると共に、不要なスペースの発生による収納効率の低下も解消できる。さらに、収納位置規制部材を付け替えることにより、1種類の板材収納枠内に各種の配列で板材を収納できるので、用意する板材収納枠の種類を少なくできて、工場における板材収納枠の管理を容易化できる。
【0015】
また本発明は、前記構成の板材収納枠において、前記収納位置規制部材は、前記側板の板材挿入側の端面に取り付け可能な細長い板状に形成され、その長さ方向には、切れ込み溝を介して、前記側板に形成された全ての平行溝の端部を個別に覆う挿入防止片が形成されており、前記側板の板材挿入側の端面に取り付けた後、前記板材を挿入しようとする前記平行溝を覆う前記挿入防止片を選択的に切り取るか、前記板材の挿入を妨げない位置まで折り曲げることにより、当該平行溝内への選択的な前記板材の挿入を可能にするという構成にした。
【0016】
かかる構成によると、1種類の収納位置規制部材を用いて、板材の挿入を可能とする平行溝及び板材の挿入を不可能とする平行溝を適宜設定できるので、用意すべき収納位置規制部材の種類を、1種類の板材収納枠について1種類とすることができ、工場の設備コストを低減できる。また、板材の挿入を可能とする平行溝及び板材の挿入を不可能とする平行溝の位置に関わらず、板材収納枠に対する収納位置規制部材の取付位置を一定にすることができるので、板材収納枠に対する収納位置規制部材の取り付けを容易にすることができる。さらに、板材の挿入を可能とする平行溝については、これと対向に配置された収納位置規制部材の挿入防止片を切り取るか、板材の挿入を妨げない位置まで折り曲げるので、板材収納枠内への挿入防止片の脱落を防止でき、板材収納枠内に収納された板材の破損を防止することができる。
【0017】
また本発明は、前記構成の板材収納枠において、前記収納位置規制部材の表面の、前記切れ込み溝の末端部と対応する部分に、前記挿入防止片の切り取り又は折り曲げを容易にするための低強度部を形成するという構成にした。
【0018】
かかる構成によると、低強度部を利用して挿入防止片の切り取り又は折り曲げを行うことにより、収納位置規制部材に対する挿入防止片の切り取り作業又は折り曲げ作業を容易化できるので、側板に対する収納位置規制部材の設定作業を効率化することができる。
【0019】
また本発明は、前記構成の板材収納枠において、前記収納位置規制部材は、前記側板の板材挿入側の端面に取り付け可能な細長い板状に形成され、その長さ方向には、前記平行溝を露出可能な開口部と、前記平行溝を覆う挿入防止部とが交互に所定の間隔で形成されており、前記開口部を、前記板材を挿入しようとする前記平行溝に合致させると共に、前記挿入防止部を、前記板材の挿入を防止しようとする前記平行溝に合致させて、前記側板の板材挿入側の端面に取り付けることにより、前記開口部が合致された平行溝内への選択的な前記板材の挿入を可能にするという構成にした。
【0020】
かかる構成によると、収納位置規制部材に予め平行溝を露出可能な開口部と平行溝を覆う挿入防止部とが形成されているので、収納位置規制部材を側板に取り付けるだけで板材の挿入を禁止すべき平行溝の規制を行うことができ、側板に対する収納位置規制部材の設定作業を効率化することができる。
【0021】
また本発明は、前記構成の板材収納枠において、前記収納位置規制部材は、前記平行溝内に収納可能な幅と前記平行溝の長さを超える長さを有する挿入部と、当該挿入部の長さ方向の端部に形成された係合部とを有しており、前記挿入部を前記平行溝内に挿入し、前記係合部を前記側板の板材挿入側の端面及びこれと反対側の端面に係合することにより、前記挿入部が挿入された前記平行溝内への前記板材の挿入を防止するという構成にした。
【0022】
かかる構成によると、収納位置規制部材の挿入部を平行溝内に完全に挿入するので、当該挿入部が挿入された平行溝内への板材の挿入を完全に防止することができる。また、収納位置規制部材の端部に、側板の端面に係合する係合部を備えるので、側板からの収納位置規制部材の脱落を防止することができる。
【0023】
また本発明は、前記構成の板材収納枠において、前記収納位置規制部材は、前記平行溝の幅よりも薄肉のプラスチックシートをコの字形に折り曲げることにより、立体的に形成されているという構成にした。
【0024】
かかる構成によると、収納位置規制部材をプラスチックシートから形成するので、バルク材にて形成する場合に比べて、収納位置規制部材の計量化と低コスト化を図ることができる。
【0025】
また本発明は、前記構成の板材収納枠において、前記収納位置規制部材は、前記平行溝内に収納される挿入部と、前記側板の背面に弾接される弾接部と、これら挿入部及び弾接部の一端を連結する連結部とからなるクリップ状に形成されており、前記挿入部を前記平行溝内に挿入し、かつ前記弾接部を前記側板の背面に弾接すると共に、前記連結部の内面を前記側板の板材挿入側の端面に当接することにより、前記挿入部が挿入された前記平行溝内への前記板材の挿入を防止するという構成にした。
【0026】
かかる構成によると、収納位置規制部材をクリップ状に形成したので、板材の挿入を禁止しようとする平行溝に収納位置規制部材を取り付ける際に、特別な固定部材を必要とせず、平行溝に対する収納位置規制部材の取り付け及び取り外しを容易なものにすることができる。
【0027】
また本発明は、前記構成の板材収納枠において、前記側板の端面に前記収納位置規制部材を着脱可能に取り付ける手段は、前記側板の端面と前記収納位置規制部材の対応する位置に貫通孔を開設し、これらの各貫通孔にリベット又はクリップを一連に挿通する方法、前記貫通孔内に一連に挿通されたボルトにナットを螺合して締結する方法、タッピングねじを前記側板の端面にねじ込む方法、両面粘着テープを用いて前記側板の端面と前記収納位置規制部材とを接着する方法、面ファスナーを用いて前記側板の端面と前記収納位置規制部材とを接合する方法のいずれかであるという構成にした。
【0028】
これらの各方法によると、板材収納枠の側板に対して収納位置規制部材を、容易、低コストかつ着脱可能に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の板材収納枠は、側板に形成された複数条の平行溝の一部については板材の挿入を可能とし、他の一部については板材の挿入を不可能とする収納位置規制部材を側板に着脱可能に取り付けるので、板材の挿入を禁止すべき平行溝への板材の挿入を収納位置規制部材によって確実に防止でき、作業能率の改善及び収納効率低下の防止を図ることができる。また、収納位置規制部材を付け替えることにより、1種類の板材収納枠内に各種の配列で板材を収納できるので、用意する板材収納枠の種類を少なくできて、工場における板材収納枠の管理を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施例1に係る板材収納枠の分解斜視図である。
【図2】実施例1に係る固定側板及び可動側板の一部側面図である。
【図3】実施例1に係る固定側板及び可動側板の一部正面図である。
【図4】実施例1に係る収納位置規制部材の正面図である。
【図5】実施例1に係る収納位置規制部材の拡大した端面図である。
【図6】樹脂製リベットによる固定側板及び可動側板と収納位置規制部材との連結方法を示す要部断面図である。
【図7】樹脂製クリップによる固定側板及び可動側板と収納位置規制部材との連結方法を示す要部断面図である。
【図8】実施例1に係る板材収納枠への板材の収納状態を示す図である。
【図9】実施例2に係る収納位置規制部材の一部切断した正面図である。
【図10】実施例2に係る板材収納枠への板材の収納状態を示す図である。
【図11】実施例3に係る収納位置規制部材の斜視図である。
【図12】固定側板及び可動側板に対する実施例3に係る収納位置規制部材の取付状態を示す要部斜視図である。
【図13】実施例4に係る収納位置規制部材の斜視図である。
【図14】固定側板及び可動側板に対する実施例4に係る収納位置規制部材の取付状態を示す要部斜視図である。
【図15】実施例5に係る板材収納枠の分解斜視図である。
【図16】従来例に係る板材収納枠への総厚が異なる各種の板材の収納状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る板材収納枠の実施形態を、各実施例に分けて説明する。
【実施例1】
【0032】
実施例1に係る板材収納枠1Aは、図1に示すように、特許文献1に記載の可変式板材収納枠1に、連結部材50を用いて、収納位置規制部材60Aを着脱自在に付設したことを特徴とする。
【0033】
可変式板材収納枠1は、図1に示すように、一定間隔をあけて上下に配置された天板2及び底板3と、上端を天板2の一縁部に固定すると共に、下端を底板3の一縁部に固定することにより、天板2及び底板3の間に直立状態で配設された固定側板5と、天板2及び底板3との間において、固定側板5と平行に配置され、固定側板5に接近する方向又は固定側板5から離隔する方向に移動可能に構成された可動側板6と、固定側板5及び可動側板6の外面を保持するハット形材10と、天板2及び底板3の固定側板5が配設されていない側の一縁部の角部を支承する支柱4と、を備えて構成されている。
【0034】
天板2及び底板3は、例えばポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂等を用いたプラスチック成形品からなり、図1に示すように、平面形状が四角形に形成される。天板2の下面及び底板3の上面には、固定側板5の設定側の一縁部から、これに対向する支柱4の連結側の一縁部に向けて延びるガイドレール11(図1においては、底板3についてのみ表示されている。)が、互いに所定の間隔をおいて相平行に配設されている。このガイドレール11には、可動側板6の外面を保持するハット形材10が移動可能に連結される。これにより可動側板6は、ガイドレール11に沿って、固定側板5に接近する方向又は固定側板5から離隔する方向への移動が可能になる。また、可動側板6には、図示しない固定機構が設けられており、この固定機構を緩めた場合には、可動側板6の移動が可能になり、また固定機構を締め付けた場合には、その位置で可動側板6を固定できるようになっている。
【0035】
固定側板5及び可動側板6も、例えばポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂等を用いたプラスチック成形品をもって形成される。これら固定側板5及び可動側板6の内面には、図2に示すように、複数の一定幅かつ一定深さの平行溝7が一定ピッチで形成されており、各平行溝7の端部には、図3に示すように、収納品である板材の挿入を容易にするための傾斜面からなる導入部7aが形成されている。これら固定側板5及び可動側板6の内面に形成された各段の平行溝7は、天板2及び底板3に対してそれぞれ同一高さになっている。したがって、各段の平行溝7ごとに収納される板材は、天板2及び底板3に対して平行に保持される。また、これら固定側板5及び可動側板6の板材挿入側の端面には、連結部材50を差し込むための複数個の貫通孔7b(図6及び図7参照)が、所定の配列で開設されている。なお、これら複数個の貫通孔7bは、いずれも正面形状が円形の丸孔である。
【0036】
固定側板5及び可動側板6は、一枚板をもって構成することもできるし、複数の単位板9の連結体から構成することもできる。固定側板5及び可動側板6を複数の単位板9の連結体から構成する場合には、図1に示すように、各単位板9を順次ハット形材10に形成された舌片16に差し込んで下段の単位板9の上辺に上段の単位板9の下辺を突き当て、同一平面内において重ね合せる。
【0037】
その他の部分に関しては、特許文献1に記載されている事項であり、かつ本発明の要旨でもないので、説明を省略する。
【0038】
次に、実施例1に係る板材収納枠1Aに適用される収納位置規制部材60Aについて説明する。
【0039】
本例の収納位置規制部材60Aは、図4及び図5に示すように、固定側板5及び可動側板6の板材挿入側の端面に取り付け可能な細長い板状に形成されており、その長さ方向には、切れ込み溝61を介して、複数の挿入防止片62が一定ピッチで形成されている。この収納位置規制部材60Aは、板材の挿入を防止可能な適宜の強度と、手指或いははさみ等の工具を用いて適宜の位置から切断又は折り曲げ可能な変形性とを有する材料、例えばプラスチック材料、紙材又はプラスチックシートを被覆した紙材等をもって形成される。
【0040】
挿入防止片62の形成ピッチは、固定側板5及び可動側板6に形成された平行溝7の溝ピッチと同一であり、収納位置規制部材60Aには、固定側板5及び可動側板6に形成された全ての平行溝7の端部を個別に覆う数の挿入防止片62が形成される。なお、固定側板5及び可動側板6を複数の単位板9の連結体から構成する場合においては、収納位置規制部材60Aの長さ寸法を各単位板9の幅寸法と同等とし、収納位置規制部材60Aに形成される挿入防止片62の数を、各単位板9に形成される平行溝7の数と等しくすることができる。
【0041】
収納位置規制部材60Aの表面の、切れ込み溝61の末端部と対応する部分には、挿入防止片62の切り取り又は折り曲げを容易にするための凹溝状の低強度部63が形成される。また、収納位置規制部材60Aに形成された各挿入防止片62を、固定側板5及び可動側板6に形成された各平行溝7のそれぞれに対応付けて配置したとき、固定側板5及び可動側板6の端面に開設された複数個の貫通孔7bと対応する部分には、連結部材50を差し込むための複数個の貫通孔64が開設されている。なお、これら複数個の貫通孔64の1つは、固定側板5及び可動側板6に対する収納位置規制部材60Aの位置決めを行うため、丸孔とされる。また、他の貫通孔64については、固定側板5及び可動側板6と収納位置規制部材60Aとの間に寸法誤差が生じた場合にも、連結部材50の取付マージンを確保するため、正面形状が長円形又は楕円形の長孔とされる。
【0042】
本例の収納位置規制部材60Aは、連結部材50を用いて、固定側板5及び可動側板6の板材挿入側の端面に取り付けられる。以下、連結部材50として、図6に示す樹脂製リベット50Aを用いた場合、及び図7に示す樹脂製クリップ50Bを用いた場合を例にとって、固定側板5及び可動側板6に対する収納位置規制部材60Aの取り付け方法を説明する。
【0043】
樹脂製リベット50Aは、図6に示すように、左右方向に拡開可能な係合爪51aが下端部に形成され、かつ収納位置規制部材60Aの表面に係止される係止部51bが上端部に形成された筒状部材51と、該筒状部材51の中央開口内に挿入された押し込みピン52とから構成されており、筒状部材51を貫通孔7b,64内に一連に挿入し、係止部51bを収納位置規制部材60Aの表面に係止すると共に、係合爪51aを固定側板5及び可動側板6の背面側に突出した後、押し込みピン52を押し込んで、係合爪51aを左右方向に拡開することにより、固定側板5及び可動側板6に対する収納位置規制部材60Aの固定を行うことができる。一方、固定側板5及び可動側板6から収納位置規制部材60Aを取り外す場合には、筒状部材51の下端部から突出した押し込みピン52の下端部を筒状部材51の中央開口内に押し戻し、筒状部材51の弾性で係止爪51aを元の位置に復帰させる。
【0044】
樹脂製クリップ50Bは、図7に示すように、操作部55と、操作部55の片面より起立された軸部56と、軸部56の先端に形成された弾性矢形部57とから構成されており、軸部56を貫通孔7b,64内に一連に挿入し、操作部55を収納位置規制部材60Aの表面に係止すると共に、弾性矢形部57を固定側板5及び可動側板6の背面に係合することにより、固定側板5及び可動側板6に対する収納位置規制部材60Aの固定を行うことができる。即ち、軸部56を貫通孔7b,64内に押し込んでゆくと、その押し込み力を受けて弾性矢形部57が内向きに変形し、貫通孔7b,64内に押し込まれる。そして、弾性矢形部57が貫通孔7b,64内から固定側板5及び可動側板6の背面側に突出した段階で、弾性矢形部57が自己の弾性で元の形状に復帰し、固定側板5及び可動側板6の背面に係合される。一方、固定側板5及び可動側板6から収納位置規制部材60Aを取り外す場合には、弾性矢形部57を内向きに弾性変形させた状態で、貫通孔7b,64内に押し込む。
【0045】
なお、実施例1に適用可能な連結部材50は、上述の樹脂製リベット50A及び樹脂製クリップ50Bに限定されるものではなく、公知に属する他種のリベットやクリップを用いることもできる。さらには、リベットやクリップを用いる方法に代えて、貫通孔7b,64内に一連に挿通されたボルトにナットを螺合して締結する方法、タッピングねじを側板の端面にねじ込む方法、両面粘着テープを用いて固定側板5及び可動側板6と収納位置規制部材60Aとを接着する方法、面ファスナーを用いて固定側板5及び可動側板6と収納位置規制部材60Aとを接合する方法などを用いることができる。これらの各連結方法のうち、タッピングねじを用いる場合、両面粘着テープを用いる場合及び面ファスナーを用いる場合には、貫通孔7b,64の開設を省略することができる。上述の各種連結部材50は、収納位置規制部材60Aと一体に形成することもできる。
【0046】
収納位置規制部材60Aを、固定側板5及び可動側板6の板材挿入側の端面に取り付けた状態では、固定側板5及び可動側板6に形成された全ての平行溝7が、挿入防止片62にて塞がれた状態になっている。そこで、ユーザは、図8に示すように、板材収納枠1Aに収納しようとする板材Pの総厚に応じて、板材Pを挿入しようとする平行溝7を塞いでいる挿入防止片62を選択的に切り取るか、板材Pの挿入を妨げない位置まで折り曲げることにより、板材Pを挿入しようとする平行溝7を開放する。図8の例では、収納位置規制部材60Aの長さ方向に関して、挿入防止片62が1つおきに切り取られており、総厚tが、平行溝7の溝ピッチpの1ピッチ以上かつ2ピッチ未満の板材Pを収納できるようにしている。挿入防止片62の切り取りピッチは、1つおきに限定されるものではなく、板材Pの総厚tに応じて、2つおき、又は3つおきとすることもできる。なお、挿入防止片62の切り取りは、はさみやニッパ等の工具類を用いて行うことができることは勿論であるが、収納位置規制部材60Aに形成された低強度部63を中心として、挿入防止片62を繰り返し折り曲げることにより、手動でも行うことができる。また、挿入防止片62の折り曲げは、収納位置規制部材60Aに形成された低強度部63を利用することにより、手動にて容易に行うことができる。
【0047】
収納しようとする板材が、例えばプリント基板のように、高温かつ静電気を忌避すべきものである場合、板材収納枠1Aを構成する可変式板材収納枠1、連結部材50及び収納位置規制部材60Aは、耐熱性かつ導電性の材料をもって形成される。
【0048】
実施例1に係る板材収納枠1Aは、固定側板5及び可動側板6の板材挿入側の端面に収納位置規制部材60Aを取り付けた後、板材Pを挿入しようとする平行溝7を覆う挿入防止片62を選択的に切り取るか、板材Pの挿入を妨げない位置まで折り曲げることにより、当該平行溝7内への選択的な板材Pの挿入を可能にするので、板材Pの挿入を禁止すべき平行溝7について、板材Pの挿入を不可能とすることができて、板材Pの挿入を禁止すべき平行溝7への板材Pの挿入を確実に防止することができる。よって、板材Pの挿入が許容されている平行溝7を目視により確認して、当該平行溝7内に板材Pを挿入する場合に比べて、板材Pの挿入が許容される平行溝7内への板材の挿入作業を容易化でき、作業能率を改善できると共に、不要なスペースの発生による収納効率の低下も解消できる。さらに、1種類の板材収納枠60Aを用いて、総厚tが異なる各種の板材Pを収納可能な板材収納枠1Aを構築できるので、用意する板材収納枠の種類を少なくできて、工場における板材収納枠の管理を容易化できる。また、1種類の収納位置規制部材60Aを用いて、板材Pの挿入を可能とする平行溝7及び板材Pの挿入を不可能とする平行溝7を適宜設定できるので、用意すべき収納位置規制部材60Aの種類を、1種類の板材収納枠1Aについて1種類とすることができ、工場の設備コストを低減できる。また、板材Pの挿入を可能とする平行溝7及び板材Pの挿入を不可能とする平行溝7の位置に関わらず、板材収納枠1Aに対する収納位置規制部材60Aの取付位置を一定にすることができるので、板材収納枠1Aに対する収納位置規制部材60Aの取り付けを容易にすることができる。さらに、板材Pの挿入を可能とする平行溝7については、これと対向に配置された収納位置規制部材60Aの挿入防止片を切り取るか、板材Pの挿入を妨げない位置まで折り曲げるので、板材収納枠1A内への挿入防止片62の脱落を防止でき、板材収納枠1A内に収納された板材Pの破損を防止することができる。
【実施例2】
【0049】
実施例2に係る板材収納枠1Bは、収納位置規制部材60Aに代えて、図9に示す収納位置規制部材60Bを、特許文献1に記載の可変式板材収納枠1に付設したことを特徴とする。
【0050】
図9に示すように、収納位置規制部材60Bは、固定側板5及び可動側板6の板材挿入側の端面に取り付け可能な細長い板状に形成され、その長さ方向には、固定側板5及び可動側板6に形成された平行溝7を露出可能な開口部65と、該平行溝7を覆う挿入防止部66とが交互に所定の間隔で形成されている。図9の例では、開口部65の幅w1が平行溝7の溝ピッチpの1ピッチ分に形成され、挿入防止部66の幅w2が平行溝7の溝ピッチpの2ピッチ分に形成されている。したがって、この収納位置規制部材60Bを固定側板5及び可動側板6の板材挿入側の端面に取り付けることにより、図10に示すように、総厚tが、平行溝7の溝ピッチpの2ピッチ以上かつ3ピッチ未満の板材Pを収納することができる。開口部65の幅w1と挿入防止部66の幅w2の比は、1:2に限定されるものではなく、1:n(nは1以上の整数)とすることができる。その他については、実施例1に係る板材収納枠1Aと同じであるので、対応する部分に同一の符号を付して、説明を省略する。
【0051】
実施例2に係る板材収納枠1Bは、収納位置規制部材60Bに予め平行溝7を露出可能な開口部65と平行溝7を覆う挿入防止部66とを形成したので、収納位置規制部材60Bを固定側板5及び可動側板6に取り付けるだけで板材Pの挿入を禁止すべき平行溝7の規制を行うことができ、固定側板5及び可動側板6に対する収納位置規制部材の設定作業を効率化することができる。
【実施例3】
【0052】
実施例3に係る板材収納枠1Cは、収納位置規制部材60A,60Bに代えて、図11に示す収納位置規制部材60Cを、特許文献1に記載の可変式板材収納枠1に付設したことを特徴とする。
【0053】
図11に示すように、収納位置規制部材60Cは、平行溝7の溝幅よりも薄肉のプラスチックシートをコの字形に折り曲げることにより、立体的に形成されたものであって、平行溝7内に収納可能な幅及び平行溝7の長さを超える長さを有する挿入部67と、当該挿入部67の長さ方向の端部に形成された係合部68とを有している。この収納位置規制部材60Cは、図12に示すように、挿入部67を平行溝7内に挿入すると共に、その端部に形成された係合部68を、固定側板5及び可動側板6の端面に係合することにより、固定側板5及び可動側板6に着脱可能に取り付けられる。図12の例では、1つおきの平行溝7に収納位置規制部材60Cが取り付けられ、該平行溝7内への板材Pの挿入を規制している。なお、収納位置規制部材60Cの取り付けピッチは、1つおきに限定されるものではなく、2つおき以上の任意の平行溝7に収納位置規制部材60Cを取り付けることもできる。また、実施例3に係る収納位置規制部材60Cは、平行溝7内に収納可能な幅及び平行溝7の長さを超える長さを有する挿入部67と、当該挿入部67の長さ方向の端部に形成された係合部68とを有していれば足り、コの字形以外の任意の立体形状とすることもできる。その他については、実施例1に係る板材収納枠1A及び実施例2に係る板材収納枠1Bと同じであるので、対応する部分に同一の符号を付して、説明を省略する。
【0054】
実施例3に係る板材収納枠1Cは、収納位置規制部材60Cに形成された挿入部67を平行溝7内に完全に挿入するので、当該挿入部67が挿入された平行溝7内への板材Pの挿入を完全に防止することができる。また、収納位置規制部材60Cの端部に、固定側板5及び可動側板6の端面に係合する係合部68を備えるので、これら固定側板5及び可動側板6からの収納位置規制部材60Cの脱落を防止することができる。また、収納位置規制部材60Cを、薄肉のプラスチックシートから形成するので、バルク材にて形成する場合に比べて、収納位置規制部材の計量化と低コスト化を図ることができる。
【実施例4】
【0055】
実施例4に係る板材収納枠1Dは、収納位置規制部材60A,60B,60Cに代えて、図13に示す収納位置規制部材60Dを、特許文献1に記載の可変式板材収納枠1に付設したことを特徴とする。
【0056】
図13に示すように、収納位置規制部材60Dは、平行溝7内に収納される挿入部69と、固定側板5及び可動側板6の背面に弾接される弾接部70と、これら挿入部69及び弾接部70の一端を連結する連結部71とからなるクリップ状に形成されている。この収納位置規制部材60Dは、図14に示すように、挿入部69を平行溝7内に挿入し、かつ弾接部70を固定側板5及び可動側板6の背面に弾接すると共に、連結部71の内面を固定側板5及び可動側板6の板材挿入側の端面に当接することにより、固定側板5及び可動側板6に着脱可能に取り付けられる。図14の例では、1つおきの平行溝7に収納位置規制部材60Dが取り付けられており、該平行溝7内への板材Pの挿入を規制している。なお、収納位置規制部材60Dの取り付けピッチは、1つおきに限定されるものではなく、2つおき以上の任意の平行溝7に収納位置規制部材60Dを取り付けることもできる。その他については、実施例1,2,3に係る板材収納枠1A,1B,1Cと同じであるので、対応する部分に同一の符号を付して、説明を省略する。
【0057】
実施例4に係る板材収納枠1Dは、クリップ状に形成したので、板材Pの挿入を禁止しようとする平行溝7に取り付ける際に、特別な固定部材を必要とせず、平行溝7に対する収納位置規制部材の取り付け及び取り外しを容易なものにすることができる。
【実施例5】
【0058】
実施例5に係る板材収納枠1Eは、開口部を有する箱状に形成され、特定サイズの板材のみを収納できる固定式板材収納枠101に、連結部材50を用いて、収納位置規制部材60Aを着脱自在に付設したことを特徴とする。
【0059】
図15に示すように、本例の固定式板材収納枠101は、上板102、下板103、側板104,105及び背板106をもって、前面が開口された箱状に形成されており、側板104,105の内面に、それぞれ一定ピッチで、一定幅かつ一定深さの平行溝7が形成されている。連結部材50としては、タッピングねじ、両面粘着テープ又は面ファスナー等が用いられる。収納位置規制部材60Aは、図4及び図5に示すものであり、タッピングねじ、両面粘着テープ又は面ファスナー等の連結部材50を介して、側板104,105の前端面に着脱自在に付設される。収納位置規制部材60Aの使用方法については、実施例1に係る板材収納枠1Aと同じである。このように、本発明は、固定式板材収納枠101を利用する場合にも、適用することができる。
【0060】
なお、実施例5においては、固定式板材収納枠101に収納位置規制部材60Aを付設する構成としたが、これに代えて、固定式板材収納枠101に先に説明した収納位置規制部材60B,60C,60Dのいずれかを付設するという構成とすることもできる。また、実施例5においては、前面が開口された固定式板材収納枠101を用いたが、上面が開口された固定式板材収納枠101を用いた場合にも、同様に実施することができる。さらに、実施例5においては、背板106を有する箱状の固定式板材収納枠101を用いたが背板106を省略することもできる。背板106を省略すると、固定式板材収納枠101の両側から板材Pの出し入れが可能になるので、使用を便利にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、プリント基板、液晶基板、ディスク状記録媒体及び半導体ウェハ等の板材を複数枚収納する板材収納枠に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1A,1B,1C,1D,1E 板材収納枠
1 可変式板材収納枠
5 固定側板
6 可動側板
7 平行溝
7a 導入部
7b 貫通孔
9 単位板
10 ハット形材
50 連結部材
50A 樹脂製リベット
50B 樹脂製クリップ
60A,60B,60C,60D 収納位置規制部材
61 切れ込み溝
62 挿入防止片
63 低強度部
64 貫通孔
65 開口部
66 挿入防止部
67 挿入部
68 係合部
69 挿入部
70 弾接部
71 連結部
101 固定式板材収納枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向に配置され、その内面に複数条の平行溝がそれぞれ同一ピッチで形成された側板を有し、一方の前記側板に形成された平行溝と、これと対向に配置される他方の前記側板に形成された平行溝とに板材の外周部を挿入することにより前記板材を保持する板材収納枠において、
前記側板に形成された複数条の平行溝の一部については、前記板材の挿入を可能とし、他の一部については、前記板材の挿入を不可能とする収納位置規制部材を、前記側板に着脱可能に取り付けたことを特徴とする板材収納枠。
【請求項2】
前記収納位置規制部材は、前記側板の板材挿入側の端面に取り付け可能な細長い板状に形成され、その長さ方向には、切れ込み溝を介して、前記側板に形成された全ての平行溝の端部を個別に覆う挿入防止片が形成されており、前記側板の板材挿入側の端面に取り付けた後、前記板材を挿入しようとする前記平行溝を覆う前記挿入防止片を選択的に切り取るか、前記板材の挿入を妨げない位置まで折り曲げることにより、当該平行溝内への選択的な前記板材の挿入を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の板材収納枠。
【請求項3】
前記収納位置規制部材の表面の、前記切れ込み溝の末端部と対応する部分に、前記挿入防止片の切り取り又は折り曲げを容易にするための低強度部を形成したことを特徴とする請求項2に記載の板材収納枠。
【請求項4】
前記収納位置規制部材は、前記側板の板材挿入側の端面に取り付け可能な細長い板状に形成され、その長さ方向には、前記平行溝を露出可能な開口部と、前記平行溝を覆う挿入防止部とが交互に所定の間隔で形成されており、前記開口部を、前記板材を挿入しようとする前記平行溝に合致させると共に、前記挿入防止部を、前記板材の挿入を防止しようとする前記平行溝に合致させて、前記側板の板材挿入側の端面に取り付けることにより、前記開口部が合致された平行溝内への選択的な前記板材の挿入を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の板材収納枠。
【請求項5】
前記収納位置規制部材は、前記平行溝内に収納可能な幅と前記平行溝の長さを超える長さを有する挿入部と、当該挿入部の長さ方向の端部に形成された係合部とを有しており、前記挿入部を前記平行溝内に挿入し、前記係合部を前記側板の板材挿入側の端面及びこれと反対側の端面に係合することにより、前記挿入部が挿入された前記平行溝内への前記板材の挿入を防止することを特徴とする請求項1に記載の板材収納枠。
【請求項6】
前記収納位置規制部材は、前記平行溝の幅よりも薄肉のプラスチックシートをコの字形に折り曲げることにより、立体的に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の板材収納枠。
【請求項7】
前記収納位置規制部材は、前記平行溝内に収納される挿入部と、前記側板の背面に弾接される弾接部と、これら挿入部及び弾接部の一端を連結する連結部とからなるクリップ状に形成されており、前記挿入部を前記平行溝内に挿入し、かつ前記弾接部を前記側板の背面に弾接すると共に、前記連結部の内面を前記側板の板材挿入側の端面に当接することにより、前記挿入部が挿入された前記平行溝内への前記板材の挿入を防止することを特徴とする請求項1に記載の板材収納枠。
【請求項8】
前記側板の端面に前記収納位置規制部材を着脱可能に取り付ける手段は、前記側板の端面と前記収納位置規制部材の対応する位置に貫通孔を開設し、これらの各貫通孔にリベット又はクリップを一連に挿通する方法、前記貫通孔内に一連に挿通されたボルトにナットを螺合して締結する方法、タッピングねじを前記側板の端面にねじ込む方法、両面粘着テープを用いて前記側板の端面と前記収納位置規制部材とを接着する方法、面ファスナーを用いて前記側板の端面と前記収納位置規制部材とを接合する方法のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の板材収納枠。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−143959(P2011−143959A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8278(P2010−8278)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000226507)株式会社ニックス (96)
【Fターム(参考)】