根菜収穫機
【課題】下部コンベア上で選別コンベア側に根菜の根部を横送りするとき、横送りローラ(斜めローラ)と下部コンベアとの隙間に、先細人参等の根菜の先端部分がローラに挟まるという、いわゆる差込みが発生し、根部が損傷することがあった。
【解決手段】引き抜き搬送装置(8)の後部下方に、平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)より構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置(72)を配置した根菜収穫機において、前記斜めローラ(72b)の軸心方向一側に駆動ギアケース(85)を配置し、該駆動ギアケース(85)内に正逆転切換装置(98)を配置して斜めローラ(72b)を正逆転可能に構成した。
【解決手段】引き抜き搬送装置(8)の後部下方に、平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)より構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置(72)を配置した根菜収穫機において、前記斜めローラ(72b)の軸心方向一側に駆動ギアケース(85)を配置し、該駆動ギアケース(85)内に正逆転切換装置(98)を配置して斜めローラ(72b)を正逆転可能に構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜類、特に人参を収穫する根菜収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大根や人参等を収穫する自走式根菜収穫機は公知となっており、クローラ式走行装置上部の左右一側に運転席を配置し、他側に進行方向と平行に引抜きコンベアを配置し、この引抜きコンベアの前部に鍬状のサブソイラーからなる掘起し装置を配置して、この掘起し装置を土中に挿入して、下方より根菜を掘り起こし、引抜きコンベアのベルトにて根菜の葉部分を両側より挟持して斜め上方に搬送しながら引抜き、搬送部後端にカッターを配置して、該カッターにより根菜の葉の根元部を切断し、下部コンベアに落下した根菜を、選別コンベアに受渡し、該選別コンベアにより選別後の根菜を収集物積載部(収穫物載せ台)にある収納容器に収納するように構成されている。また、上記下部コンベアにおいては、コンベア上に所定の隙間を設けて斜めに横送りローラを配設し、該横送りローラの回転と下部コンベアの搬送駆動によって、根菜が側部の選別コンベア上に落下するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−23826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
根菜の葉部を挟持しながら吊下げ姿勢でカッター部まで搬送し、根菜の葉部の根元を切断する構成では、引抜きベルトにて挟持されなかった根菜の葉部は、根部の外側に垂れ下がったままでカッターによる切断処理ができないため、下部コンベア上には葉部が完全に切断処理された根菜の根部に混じって、切り残した葉部付きの根菜の根部も落とされる。そこで、そのような葉部付きの根菜を横送りローラにより残葉を取り除く残葉処理が行われるのであるが、下部コンベア上で選別コンベア側に根菜の根部を横送りするとき、横送りローラ(斜めローラ)と下部コンベアとの隙間に、先細人参等の根菜の先端部分がローラに挟まるという、いわゆる差込みが発生し、根部が損傷することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能に構成したものである。
【0006】
請求項2においては、自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能及び空転可能に構成したものである。
【0007】
請求項3においては、前記残葉処理ローラへ駆動手段からの動力を伝達する動力伝達経路上に駆動ギアケースを配置し、該駆動ギアケース内に前記正逆転切換装置を配置したものである。
【0008】
請求項4においては、前記駆動ギアケースを、前記残葉処理ローラの軸心方向一側に配置したものである。
【0009】
請求項5においては、前記正逆転切換装置は、入力された動力を伝達する第一伝達部と第二伝達部とを備えるとともに、該第一伝達部と第二伝達部の間に動力伝達を切り換える手段を配置したものである。
【0010】
請求項6においては、搬送ベルトと残葉処理ローラより構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置を配置した根菜収穫機において、前記残葉処理ローラ上流側の搬送ベルトの搬送部と非搬送部との間に上下調節可能なローラを配置したものである。
【0011】
請求項7においては、前記残葉処理装置が、引き抜き搬送装置の後部下方に配置されたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1においては、自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能に構成したので、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際には、残葉処理ローラを搬送ベルトと逆回転となるように切換え、残葉処理をせずに選別コンベア側にガイドすることで残葉処理ローラと搬送ベルトの間に根菜の先端部が巻き込まれ損傷することを防ぐ。また、通常人参(先細りしていない人参)等の根菜が搬送された際は、残葉処理ローラは搬送ベルトと同方向に回転させて残葉処理を行うように残葉処理ローラの駆動を切換可能としている。
【0014】
請求項2においては、自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能及び空転可能に構成したので、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際には、残葉処理ローラを搬送ベルトと逆回転となるように切換え、残葉処理をせずに選別コンベア側にガイドすることで残葉処理ローラと搬送ベルトの間に根菜の先端部が巻き込まれ損傷することを防ぐ。また、通常人参(先細りしていない人参)等の根菜が搬送された際は、残葉処理ローラは搬送ベルトと同方向に回転させて残葉処理を行うように残葉処理ローラの駆動を切換可能としている。さらに、残葉処理ローラを空転状態となるように切換え、搬送ベルトの力だけで残葉処理を行うようにすることで、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際にも、先端部を引き込む力が弱くなっているために根菜の先端部が巻き込まれても損傷しにくくなる。
【0015】
請求項3においては、前記残葉処理ローラへ駆動手段からの動力を伝達する動力伝達経路上に駆動ギアケースを配置し、該駆動ギアケース内に前記正逆転切換装置を配置したので、動力伝達経路上の任意の位置で残葉処理ローラの正逆転切換を可能とする。
【0016】
請求項4においては、前記駆動ギアケースを、前記残葉処理ローラの軸心方向一側に配置したので、動力を伝達するスプロケット、チェーン、ギア等の部品点数を少なくできる。
【0017】
請求項5においては、前記正逆転切換装置は、入力された動力を伝達する第一伝達部と第二伝達部とを備えるとともに、該第一伝達部と第二伝達部の間に動力伝達を切り換える手段を配置したので、切換装置として簡単かつ安価な構成とすることができる。
【0018】
請求項6においては、搬送ベルトと残葉処理ローラより構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置を配置した根菜収穫機において、前記残葉処理ローラ上流側の搬送ベルトの搬送部と非搬送部との間に上下調節可能なローラを配置したので、残葉処理ローラ前方の搬送部下面から上下調節可能なローラにより搬送ベルトの搬送面を持ち上げて、先細人参等の先端部を持ち上げた状態で残葉処理ローラに当てるようにすることで、先端部が残葉処理ローラと搬送ベルトの隙間に入り込まず根部損傷を防止できる。つまり残葉処理ローラへの差込みを防止することができるのである。また通常の人参(先細りしていない人参)等の処理においてはローラを下げて搬送ベルトの搬送面を通常高さに戻すことで対応可能としている。
【0019】
請求項7においては、前記残葉処理装置が、引き抜き搬送装置の後部下方に配置されたので、装置全体としてコンパクトに配置構成が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は人参収穫用として構成された根菜収穫機の全体側面図、図2は同じく平面概略図、図3は同じく正面概略図、図4は根菜収穫機全体の伝動系統図、図5は残葉処理装置の平面図、図6は同じく側面図、図7は上下ローラを示す平面図、図8は図7のA−A断面図、図9は斜めローラ搬送面を持ち上げた状態の上下ローラを示す側面図、図10は駆動ギアケースの平面断面図、図11は上下ローラを備えない残葉処理装置の斜めローラ部分を示す側面図である。
【0021】
まず、本発明に係る根菜収穫機の全体的な構成について図1から図4を用いて説明する。
図1から図4において、自走式根菜収穫機は、左右のクローラ(1a)(1b)を備える自走の車体(A)に、抜き上げ作業部(B)と選別コンベア部(C)及び収穫物載せ台(D)を装設して構成され、自走車は、左右のクローラ(1a)(1b)の各々の駆動輪(2)(2)に動力伝達するトランスミッション(3)を、搭乗運転部(4)の機械室(5)内に搭載したエンジン(6)の出力軸に連動連結し、エンジン(6)の動力でもって、左右のクローラ(1a)(1b)を回転駆動して走行し、運転操作を搭乗運転部(4)において行う乗用型に構成されている。
【0022】
そして、搭乗運転部(4)が、一方のクローラ(1b)側の車体前部上方に配設されると共に、その搭乗運転部(4)の横側部、つまり、他方のクローラ(1a)側に前後向きの抜き上げ作業部(B)が設けられ、さらに、その抜き上げ作業部(B)の終端部下方の後部車体上に、抜き上げ作業部(B)と平行に残葉処理装置(72)と、抜き上げ作業部(B)とは直交する車幅方向に向け、残葉処理装置(72)の後部下方から右上がりに昇降可能に傾斜して配設される持ち上げコンベア(73)よりなる選別コンベア部(C)が配設され、選別コンベア部(C)の移送終端側、即ち、搭乗運転部(4)を挟んで、前記抜き上げ作業部(B)とは反対側の車体横外側方に収穫物載せ台(D)が配設される。また、前記搭乗運転部(4)と選別コンベア部(C)の間には選別作業を行う補助者が座る補助作業者用座席(50)が設けられている。
【0023】
また、抜き上げ作業部(B)は、同作業部(B)の進行方向前端部に位置する茎葉分捌整姿装置(7)と、その茎葉分捌整姿装置(7)の後背下部から車体の後部上方に掛けて、前低後高に傾設される抜き上げ移送装置(引き抜き搬送装置)(8)と、抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)(図3に図示)の始端部付近に位置するチゼル(9)と、抜き上げ移送装置(8)の移送終端部付近に連係させて設置される葉茎切断装置(11)及び排葉装置(12)等によって構成されており、これらの諸装置からなる抜き上げ作業部(B)の全体が後述する回動支点部(19)を支点にして、シーソー状に上下回動するように成されている。なお、抜き上げ作業部(B)には、その抜き上げ移送装置(8)の移送中途部下方に根切断装置(10)を装設している。
【0024】
抜き上げ作業部(B)の茎葉分捌整姿装置(7)は、左右のケーシング(13)から水平横向きに突出する横回しタイン(14)を備えた茎葉掻き込み機構(15)と、左右一側のケーシング(13)の外側前部位に直交状に併設するケーシング(16)の前上面から突出して後上方に移行する縦回しタイン(17)を備えた分葉機構(18)とで構成されて、抜き上げ圏内の根菜の葉茎と、抜き上げ圏外の根菜の葉茎とを分葉機構(18)で分け捌き、分け捌かれた抜き上げ圏内の根菜の葉茎を茎葉掻き込み機構(15)で持って抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)の始端部に掻き込むように構成されている。
【0025】
抜き上げ移送装置(8)は、水平横向きの回動支点部(19)を中心にして上下回動可能なブラケット(20)に保持された支持フレーム(21)の前端部に装着する左右一対の始端側輪体(22)(22)と、支持フレーム(21)の後端部に配設する左右一対の終端側輪体(23)(23)と、始端側および終端側輪体(22)(23)間の支持フレーム(21)に配設する複数の中間輪体(24)群とに、左右の挟持搬送無端帯(25)(25)を各々掛回して、これらの両無端帯(25)(25)の対向面間に前記挟持移送路(8a)を形成し、該挟持移送路(8a)が、他方(左方)のクローラ(1a)の外縁より外側において、平面視で車体(A)の進行方向と平行状となるように位置するものとなっている。また、各々の挟持搬送無端帯(25)は、Vプーリ構造の始端側輪体(22)等に掛回するVベルトの外周に軟弾性材からなる挟持帯部間に、根菜の茎葉を挟持するように構成されている。
【0026】
さらに、チゼル(9)は、上下の枢軸(26)(27)を中心にして上下回動する上リンク(28)と下リンク(29)とからなる平行リンク機構の前端に連結した縦支持杆(30)の下端に取付けられ、縦支持杆(30)から垂下する縦刃の下端から横側方に横刃を屈曲形成して構成される。
【0027】
そして、図1及び図2に見られるように、上方の枢軸(26)に嵌着したプーリ(31)と前記エンジン(6)の出力軸に設けた出力プーリ(32)とにベルトを掛回するとともに、枢軸(26)に嵌着する偏心ボス(図示省略)に上リンク(28)の基端を連結して、偏心ボスの回転により上リンク(28)を揺動させて、根菜の地中部(主根)の適宜下方の土中に横刃が進入位置したチゼル(9)を、上下及び前後又は、上下或いは前後に振動させるように構成され、また、下リンク(29)の基端と車体(A)との間に伸縮シリンダ(33)が介装され、該伸縮シリンダ(33)の伸縮作動によって上下リンク(28)(29)を昇降作動させるように構成されている。
【0028】
また、図1と図2及び図4に示す如く、前記回動支点軸(19)を同芯に設けた、横向き伝動筒(34)の外端部から、前上方にパイプフレーム(35)を連設し、該パイプフレーム(35)の先端から車体内方(右方)向きに、茎葉分捌整姿装置(7)の茎葉掻き込み機構(15)に動力伝達する伝動パイプ(36)を連結すると共に、そのパイプフレーム(35)の外端から前方に延びる伝動ケース(37)と、それに連接する横ケース(38)を介して、茎葉分捌整姿装置(7)の分葉機構(18)を連設している。
【0029】
そして上側の枢軸(26)に嵌着するプーリ(39)と、前記回動支点軸(19)の内方端(右端)に嵌着したプーリ(40)にベルトを掛回して、前記枢軸(26)から回動支点部(19)に動力伝達し、さらに、回動支点部(19)からパイプフレーム(35)、伝動パイプ(36)、伝動ケース(37)及び横ケース(38)内の伝動機構を介して、茎葉掻き込み機構(15)及び分葉機構(18)に伝動して、それぞれを回転駆動するように構成されている。
【0030】
又、前記回動支点軸(19)の外端部(左端部)に嵌着したプ−リ(41)からベルト(42)を介して後部伝動ケ−ス(43)に動力伝達し、抜き上げ移送装置(8)における左右一対の終端側輪体(23)(23)の支軸に伝動して、抜き上げ移送装置(8)の挟持搬送無端帯(25)(25)をそれぞれ所期の方向に回転駆動するとともに、抜き上げ移送装置(8)の挟持搬送無端帯(25)(25)によって挟持搬送される根菜の葉茎を受け継ぎ挟持して水平後方に搬送する排葉装置(12)と、根菜が排葉装置(12)によって移送されている間にその葉茎を切断する葉茎切断装置(11)とに動力伝達して両装置(12)(11)をも駆動するように構成される。
【0031】
なお、排葉装置(12)は上下に併設する挟持移送無端帯機構(44a)(44b)からなり、各々の挟持移送無端帯機構(44a)(44b)の挟持搬送路始端部を挟持移送路(8a)の終端後背部に近接位置させ、さらに、下方の挟持移送無端帯機構(44b)の前部下側から挟持移送路(8a)の後背面に臨ませて左右一対の案内杆(45)を前延させて、抜き上げ移送装置(8)により吊持移送される根菜の主根の上端を左右一対の案内杆(45)で規制しながら誘導し、根菜の主根より上方の葉茎を挟持移送無端帯機構(44a)(44b)の挟持搬送路始端部に的確に受け継がせるように構成され、又、挟持移送無端帯機構(44a)(44b)の挟持搬送路終端部には、葉茎切断装置(11)によって切断された根菜の葉茎を、根菜抜き取り後の圃場に落流させる排葉ガイド板(46)が連設されている。該上方の挟持移送無端帯機構(44a)(44b)は弾性無端帯により構成したベルトにより構成している。
【0032】
また、葉茎切断装置(11)は、駆動ケース(47)から上方に突出する左右の回転縦軸(48)(48)と回転刃(49)(49)によりディスク刃に構成されている。該葉茎切断装置(11)を前記上方の挟持移送無帯体機構(44a)(44a)と左右の挟持移送無端帯機構(44b)(44b)の下側に近接させて、更に、肩揃え無端帯66の後端に近づけて配置し、該両回転刃(49)(49)の重合部分に切断作用部を形成し、この切断作用部によって、根菜の主根の上端付近から上方の葉茎を切断するように構成されている。
【0033】
さらに、選別コンベア部(C)の残葉処理装置(72)は抜き上げ移送装置(8)の後部下方における葉茎切断装置(11)の下方に、前後方向に搬送ベルトの一例である平ベルト(72a)が配置される。該平ベルト(72a)は前後平行に軸心が左右方向に配置されたローラが配置され、該ローラ間に平ベルト(72a)が巻回されて、該平ベルト(72a)上に葉茎切断後の根菜の主根が落下するように配置している。この落下位置には、落下緩衝部材(81)が設けられ、その後部上に残葉処理ローラの一例である斜めローラ(72b)が配置され、該斜めローラ(72b)は平ベルト(72a)上面と所定の隙間をあけて配置され、左前から右後方に斜めに配置される。また、斜めローラ(72b)始端部には、前記隙間を調節する高さ調節機構(75)が配置されている。そして、平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)を回転駆動することにより、落下した主根を後方へ搬送し、斜めローラ(72b)により持ち上げコンベア(73)の左下部の始端側に落下するように案内している。このとき、前記葉茎切断装置(11)により全て切断できない葉茎が主根に残っている場合があり、この未処理葉茎(残葉部)は後方への搬送途中で平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に挟まり引き千切られることなり、主根のみ持ち上げコンベア(73)へ搬送されるのである。残葉処理装置(72)で処理された葉茎は、平ベルト(72a)終端部からシュータシタ(90)を経て圃場に落流される。
前記持ち上げコンベア(73)は、残葉処理装置(72)の後部から右側方に落下する根菜の主根を受け止めて、抜き上げ作業部(B)の反対側(進行方向右側)の車体側部に配置した収穫物載せ台(D)上のコンテナまたは収納袋(フレコンバッグ)等の収納体に向けて搬送するもので、持ち上げコンベア(73)は、左右両端のローラ間に平ベルトを巻回し、該平ベルトの外周には平板状のスラット(79)を所定間隔ごとに前後方向に立設し、前出のトランスミッション(3)のPTO軸(51)から伝動機構(52)を経て入力部(53)に伝達される動力でもって平ベルトを斜め上方向に回転駆動されるように構成されている。そして、根菜の主根群がスラットとスラットの間に落下して、コンベアの移送終端部に向けて移送される間に、その主根群のうちの不良なものを人為的に選別して取り除き、コンベアの移送終端部に達した主根の良品のみを収穫物載せ台(D)上に吊り下げた収納袋(54)に収容するようになっている。
【0034】
なお、収穫物載せ台(D)は、抜き上げ作業部(B)とは左右反対側の車体横側部に起立回倒自在にヒンジ装着される台板によって構成され、作業時には、台板を車体横側方に張り出す水平姿勢に維持して、水平姿勢の台板上に収納袋(54)を載置するように構成されている。
【0035】
また、茎葉掻き込み機構(15)および分葉機構(18)からなる茎葉分捌整姿装置(7)は、回動支点軸(19)を中心にして上下回動する抜き上げ移送装置(8)と一体的に上下回動するように枠組支持され、その一体的に上下回動する枠組体から前向きに突出する支持杆(55)の前端に装着した接地輪(56)によって、対地支持されている。
【0036】
前出の伸縮シリンダ(33)を伸長作動させて、平行リンク機構を上昇回動させると、前記平行リンク機構の下リンク(29)の側面に設けた、押し上げ用の回転ローラ(57)が、茎葉掻き込み機構(15)の支持フレームの下面側に設けた側面視『ヘ』字状のガイドレール(58)の下面に沿って移動し、単一の伸縮シリンダ(33)の伸長動でもって、チゼル(9)と共に茎葉分捌整姿装置(7)及び抜き上げ移送装置(8)の下端が地面から大きく上昇するようになっている。
【0037】
以上のような根菜収穫機によって作業する際は、伸縮シリンダ(33)の作動により抜き上げ作業部(B)の前部を作業姿勢に降下させ、その抜き上げ作業部(B)の茎葉掻き込み機構(15)の掻き込み作用路及び抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)の始端部が、圃場に条列する根菜に合致するように条合わせして、抜き上げ作業部(B)の各部を作動させながら車体(A)を前進させる。
【0038】
すると、分葉機構(18)の縦回しタイン(17)が抜き上げ圏内の根菜の葉茎と抜き上げ圏外の根菜の葉茎とを分け捌き、分け捌かれた抜き上げ圏内の根菜の葉茎を、茎葉掻き込み機構(15)の横回しタイン(14)が引起し整姿しながら抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)の始端部に掻き込み誘導する。
【0039】
そして、抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)に達した根菜の葉茎が挟持移送路(8a)に挟持されて斜め後上方に揚上されることにより、根菜の主根が土中から抜き上げられるのであるが、その際には、抜き上げ作業部(B)の対地降下によって、根菜の主根の適宜下方位置にまで突入するチゼル(9)が振動し、土中を掘削して土壌を膨軟にするから根菜の主根は軽微な力で抜き上げられる。
【0040】
抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)に葉茎を挟持され吊持状態で斜め後上方に揚上移送される途中で、根菜の主根の先端の細い根、所謂、尻尾が根切断装置(10)により切断される。そして更に後上方へ搬送されると、根菜の主根の上端は、案内杆(45)の下面側により拘束されて略水平後方に移行し、それより上方の葉茎は排葉装置(12)の挟持移送無端帯機構(44a)(44b)により挟持されて後送され、その途上に、葉茎切断装置(11)の回転刃(49)(49)の切断作用部で切断され、切断された葉茎は挟持移送無端帯機構の後終端部から排葉ガイド板(46)を経て圃場に落流される。また、葉茎の切断によって吊持を解かれた根菜の主根は、選別コンベア部(C)の残葉処理装置(72)に落ちて後方へ搬送され、後部の斜めローラ(72b)により残葉が処理されて側方へ搬送され、持ち上げコンベア(73)の始端側に落下させる。該持ち上げコンベア(73)上に落下した主根は右斜め上方へ搬送され、この搬送途中において、コンベア上で選別作用を受けて、選別後の良品が収納袋(54)に収容される。
【0041】
ところで、上述した一連の作業を行うに当たって、抜き上げ作業部(B)が作業体勢で降下されると抜き上げ移送装置(8)の前部は地面に至近に位置し、又、過剰な降下状態になれば、抜き上げ移送装置(8)の前部が地面に接触或いは地中に突っ込むようなこととなり、このような体勢のもとで、左右の挟持搬送無端帯(25)(25)が回動移行するゆえに、その回動移行によって泥土や小石等が抜き上げ移送装置(8)の始端部に巻き込まれて、始端側輪体(22)(22)の上面やVプーリ溝に付着体積し、左右の挟持搬送無端帯(25)(25)を損傷させたり、脱輪させたりすることになり易いので、このような不具合を回避する手段を、抜き上げ移送装置(8)の前部に施している。図4において、根切断装置(10)の駆動機構が図示されている。横向き伝動筒(34)から突出した回動支点部(19)の軸の上にプーリ(87)を固定し、該プーリ(87)からベルト(88)を介して、ベベルギア軸(74)上のプーリ(86)に動力伝達し、該ベベルギア軸(74)から根切断装置(10)のディスク切断刃を回転駆動すべく構成している。
【0042】
次に、本発明に係る選別コンベア部(C)の残葉処理装置(72)について説明する。
図5は残葉処理装置の平面図、図6は同じく側面図、図7は上下ローラを示す平面図、図8は図7のA−A断面図、図9は斜めローラ搬送面を持ち上げた状態の上下ローラを示す側面図、図10は駆動ギアケースの平面断面図である。
【0043】
残葉処理装置(72)は、上述したように抜き上げ移送装置(8)の後部下方における葉茎切断装置(11)の下方に、前後方向に平ベルト(72a)が配置される。該平ベルト(72a)は前後平行に軸心が左右方向に配置されたローラが配置され、該ローラ間に平ベルト(72a)が巻回されて、該平ベルト(72a)上に葉茎切断後の根菜の主根が落下するように配置している。この落下位置には、落下緩衝部材(81)が設けられ、その後部上に斜めローラ(72b)が配置され、該斜めローラ(72b)は平ベルト(72a)上面である搬送面と所定の隙間をあけて配置され、左前から右後方に斜めに配置されるように構成されている。
【0044】
また、残葉処理装置(72)は機体前後方向に平行な左右一対のコンベアフレーム(71)(71)が両側に設けられ、該コンベアフレーム(71)(71)の前後両側に前記ローラが配置され、該コンベアフレーム(71)(71)の前後中途部の内側に取り付けブラケット(76)(76)が斜めローラ(72b)の前下方に固定されている。該取り付けブラケット(76)(76)間に枢支軸(78)が斜めローラ(72b)と平行に横架され、該枢支軸(78)にベルト受部材(80)が斜めローラ(72b)の下側で、かつ平行に配置されるように、両側が回動自在に枢支されている。該ベルト受部材(80)は開放部を下向きに設けた断面視「コ」字状のフレームからなり、前記残葉処理装置(72)の内部、つまり、平ベルト(72a)の上下の搬送部と非搬送部の間で左右の前記コンベアフレーム(71)の間に斜めに配置されている。即ち、ベルト受部材(80)は搬送面の下方より前記斜めローラ(72b)側に押し当てる押圧部材として配設されている。
【0045】
また、前記ベルト受部材(80)の両端間の枢支軸(78)上に直角に一体固定したバネ取付けブラケット(101)と、左コンベアフレーム(71)に取付けたブラケット(103)にアジャストナット(104)を介して枢支軸(78)と直角方向に出入れ自在に取付けるアジャストボルト(105)との間にバネ力調節自在にバネ(100)を張設し、枢支軸(78)と一体にベルト受部材(80)を枢支軸(78)回りで常時上向きに回動付勢し、枢支軸(78)と平行なベルト受部材(80)を平ベルト(72a)の搬送面の下面(裏側)から弾力的に押し当て、前記平ベルト(72a)の搬送面の上面(表面)を前記ローラ(72b)に押し当てるように構成している。
【0046】
そして、搬送上流側のベルト受部材(80)に高さ調節機構(75)が連結されている。つまり、高さ調節機構(75)は持ち上げコンベア(73)と左右反対側の残葉処理装置(72)側部に配設されている。
該高さ調節機構(75)は、高さ調節ボルト(75a)とアーム(75b)からなり、該アーム(75b)は平面視「へ」字状に構成されて、一端(右側)が前記ベルト受部材(80)の後端部に取り付けられている。また、アーム(75b)の他端(左側)は、略水平な板状部(75d)を形成している。前記高さ調節ボルト(75a)の上部は支持ステー(70)に固設したナット(75c)に螺装され、高さ調節ボルト(75a)の下部は先端部が丸みを帯びた形状である押さえ部(102)を設けている。このような構成において、前記バネ(100)により常時上向きに回動付勢されているベルト受部材(80)に一体固定されているアーム(75b)の板状部(75d)が、前記押さえ部(102)と常時当接し、該高さ調節ボルト(75a)を回動することにより、押さえ部(102)がアーム(75b)の板状部(75d)の上昇高さを規制することで、ベルト受部材(80)を上下に回動させて、所定の位置に固定できるようにしている。つまり前記押さえ部(102)がベルト受部材(80)の上昇回動のストッパとして作用し、前記平ベルト(72a)の搬送面の高さ調整を可能としているのである。
【0047】
前記支持ステー(70)の一端(左側)はブラケット(77)を介してコンベアフレーム(71)の外側に固定されると同時に、該ブラケット(77)はステー(84)を介して駆動ギアケース(85)に固定されている。この一側のコンベアフレーム(71)の外側部で高さ調節ボルト(75a)を螺装している。前記支持ステー(70)の他端(右側)は支持プレート(83)の前後中途部に固定され、該支持プレート(83)の前部は斜めローラ(72b)の右側を回転自在に支持し、後部は後側の駆動ローラの支持部まで延設されて、ブラケットを介して右側のコンベアフレーム(71)の外側面に固定されている。
このようにして、支持ステー(70)は残葉処理装置(72)の平ベルト(72a)上方で横架され、搬送下流側の右側の支持ステー(70)と斜めローラ(72b)は支持プレート(83)により平ベルト(72a)から浮いた状態で支持され、持ち上げコンベア(73)側への排出時に残葉等が引っ掛からないようにしている。
また、支持ステー(70)の左側(搬送上流側)にベルト受部材(80)の高さ調節機構(75)が配置されるとともに、ブラケット(77)を介して斜めローラ(72b)の駆動ギアケース(85)とコンベアフレーム(71)に固定され、高さ調節機構(75)側の剛性が高くなるようにし、ベルト受部材(80)の後部が高さ調節機構(75)により常時規制されるように配設されている。
【0048】
また、斜めローラ(72b)の前下方(上流側)となる平ベルト(72a)の上下の搬送部と非搬送部の間に、ベルト受部材(80)の前方で、かつ平行に配置されるように上下ローラ(95)が設けられている。
上下ローラ(95)は、両端部の上下ローラ軸(95a)が板状のアーム(95b)の一端に回動自在に軸支されており、該アーム(95b)の他端が取り付けブラケット(95c)の一端で回動自在に枢支されており、該取り付けブラケット(95c)の他端がコンベアフレーム(71)(71)に固定されている。また、前記アーム(95b)は枢支軸(95d)を基点に前記アーム(95b)を上下に回動することで上下ローラ(95)を上下動させて所定の高さでボルト固定することが可能であり、例えば上下ローラ(95)を上昇させて平ベルト(72a)の搬送面の下面(裏側)から押し上げるように持ち上げて所定位置で固定できるようになっている(図9参照)。
【0049】
このような構成において、平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)を回転駆動することにより、落下した主根を後方へ搬送し、斜めローラ(72b)により持ち上げコンベア(73)の左下部の始端側に落下するように案内している。このとき、前記葉茎切断装置(11)により全て切断できない葉茎が主根に残っている場合があり、この未処理葉茎(残葉部)は後方への搬送途中で平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に挟まり引き千切られることとなり、主根のみ持ち上げコンベア(73)へ搬送されるのである。しかしながら、先細人参等の先端部が細い根菜を収穫する際には、上記平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に先端部が挟まり根部が損傷することがあった。そこで本発明においては、前述したアーム(95b)を回動することで上下ローラ(95)の上下方向の調整を行い、適宜斜めローラ(72b)前方(上流側)の平ベルト(72a)搬送面を所定高さまで持ち上げることを調整可能としており、搬送面の高さを左右略一定に保つことが可能となっている。そのため、斜めローラ(72b)前方(上流側)の搬送面が持ち上がっていることにより、送られてくる先端部が細い根菜は平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に先端部が入り込んで損傷したりすることなく、また噛み込みによる滞留を起こすこともなく、スムーズに持ち上げコンベア(73)へ搬送されるのである。
【0050】
すなわち、搬送ベルトである平ベルト(72a)と残葉処理ローラである斜めローラ(72b)より構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置(72)を配置した根菜収穫機において、前記斜めローラ(72b)上流側の平ベルト(72a)の搬送部と非搬送部との間に上下調節可能なローラである上下ローラ(95)を配置したので、斜めローラ(72b)前方の搬送部下面から上下調節可能な上下ローラ(95)により平ベルト(72a)を持ち上げて、先細人参等の先端部を持ち上げた状態で斜めローラ(72b)に当てるようにすることで、先端部が斜めローラ(72b)と平ベルト(72a)の隙間に入り込まず根部損傷を防止できる。つまり斜めローラ(72b)への差込みを防止することができるのである。また通常の人参(先細りしていない人参)等の処理においては上下ローラ(95)を下げて平ベルト(72a)の搬送面を通常高さに戻すことで対応可能としている。
【0051】
次に、斜めローラ(72b)の正逆転切換装置(98)について図10により説明する。
エンジン(6)から出力された動力はプーリやベルト等の動力伝達機構を介してローラ入力軸(96)へ伝達され、斜めローラ(72b)の軸心方向一側に配置した駆動ギアケース(85)内のベベルギア等を経て斜めローラ軸(72b)を駆動する。前記駆動ギアケース(85)内には斜めローラ(72b)の正逆転切換装置(98)を内装しており、該正逆転切換装置(98)は外部からの正逆転切換操作により切り換えて、斜めローラ(72b)を正回転または逆回転に駆動可能としている。なお、本実施例では、駆動ギアケース(85)を前記斜めローラ(72b)の軸心方向一側に配置したが、特に限定するものではなく駆動手段の一例であるエンジン(6)等からの動力を伝達する動力伝達経路上の任意の位置に設置することもできる。
【0052】
図10に示すように、正逆転切換装置(98)は駆動ギアケース(85)に内装されるローラ入力軸(96)、第二軸(97)、斜めローラ軸(99)、及び、該軸同士を連動連結するスプロケット、チェーン、ギア等で構成して、斜めローラ軸(99)を正回転または逆回転に駆動できるようにしている。ローラ入力軸(96)、第二軸(97)は前後平行に配置され、それぞれ左右水平方向に横架されている。斜めローラ軸(99)は斜めローラ(72b)の両端から突出しており、該斜めローラ軸(99)の左側端部を駆動ギアケース(85)の右部に回転自在に軸支され、斜めローラ軸(99)の右側端部を前述したように支持プレート(83)に回転自在に軸支しており、平面視において左前右後状に斜めに横架されている。
【0053】
前記ローラ入力軸(96)の左端部は駆動ギアケース(85)より側方に突出されて、ローラ入力軸(96)上の左端部にはローラ入力軸プーリ(106)が固着されて、該ローラ入力軸プーリ(106)に巻回したベルト(107)を介してエンジン6から動力が伝達される出力軸(図示せず)と連動連結している。前記ローラ入力軸(96)は駆動ギアケース(85)の側壁に設けた軸受(85a)・(85a)により回転自在に支持されている。
該ローラ入力軸(96)の軸方向中央付近には第一スプロケット(108)が固設されており、右側端部のローラ入力軸(96)上には第一ギア(109)が固設されている。
【0054】
前記第二軸(97)は前記ローラ入力軸(96)と平行に併設され、駆動ギアケース(85)の左側壁に設けた軸受(85b)と第二軸(97)の中途部に設けた軸受(85c)により回転自在に支持されている。該第二軸(97)軸上の前記軸受(85b)と軸受(85c)との間には左側に第二スプロケット(111)が回転自在に遊嵌され、右側に回転自在に遊嵌した第二ギア(112)が配置されている。前記第二スプロケット(111)と第二ギア(112)との間の第二軸(97)上にはスライド自在にスプライン嵌合した動力伝達を切り換える手段の一例であるスライダ(115)が配置されている。また第二軸(97)の右側端部はベベルギア(113)を固設して、ベベルギア(114)を介して斜めローラ軸(99)の左側端部と連動連結している。
また、前記第二スプロケット(111)と前記第一スプロケット(108)とは平面視において前後方向一直線上に配置されてチェーン(116)が巻回されており、第一伝達部となるチェーン減速部(120)を構成している。そして前記第二ギア(112)は前記第一ギア(109)と常時噛合しており、第二伝達部となるギア減速部(121)を構成している。
なお、本実施例の第一伝達部と第二伝達部は、上記に限定するものではなく、例えばチェーンではなくベルト等を用いて構成してもかまわない。
【0055】
第二スプロケット(111)はスプロケット部(111a)と歯部(111b)が左右一体的に構成されている。また、第二ギア(112)においてもギア部(112a)と歯部(112b)が左右一体的に構成されている。
【0056】
図10に示すように、前記スライダ(115)は第二軸(97)上で第二スプロケット(111)と第二ギア(112)との間に配置し、左右両側にそれぞれ歯部(115a)・(115b)を設け、摺動させることにより前記歯部(111b)、又は、第二ギア(112)の歯部(112b)の何れか一方と噛合可能に構成している。つまり、前記スライダ(115)の両側に歯部(115a)・(115b)を形成し、該歯部(115a)・(115b)に対向するように前記第二スプロケット(111)と第二ギア(112)に歯部を形成している。
【0057】
また、前記スライダ(115)の歯部(115a)と歯部(115b)の間には嵌合凹部(115c)を形成し、該嵌合凹部(115c)に切換レバー(117)の先端部(シフターフォーク)(117a)を嵌合している。該先端部(117a)は駆動ギアケース(85)の後側に設けられた切換レバー(117)のレバー部(117b)と連動連結しており、該レバー部(117b)を回動操作することにより、スライダ(115)を左右に摺動させて、歯部(115a)を前記歯部(111b)、又は、歯部(115b)を前記歯部(112b)に噛合可能に構成している。なお、前記スライダ(115)は第二スプロケット(111)と第二ギア(112)のどちらにも噛合しない中間位置(ニュートラル)として斜めローラ(72b)の駆動を停止する、つまり空転することもできる。
尚、本実施例ではスライダ(115)がクラッチの役目を果たしているが、第二スプロケット(111)と第二ギア(112)との間に多板式のクラッチ(電磁クラッチ等も含む)や爪クラッチ等を配置して、正逆の切換を行うことも可能である。
【0058】
以上のように構成される斜めローラ(72b)の正逆転切換装置(98)において、斜めローラ(72b)を正回転に駆動する場合には、切換レバー(117)を操作してローラ入力軸(96)上のスライダ(115)を図10において左側にスライドさせて、第二スプロケット(111)の歯部(111b)とスライダ(115)の歯部(115a)を噛合する。こうして、ローラ入力軸(96)に伝達された動力は、ローラ入力軸(96)→第一スプロケット(108)→チェーン(116)→第二スプロケット(111)→スライダ(115)→第二軸(97)へと動力が伝わり、ベベルギア(113)・(114)を介して斜めローラ軸(99)を正回転、すなわち斜めローラ(72b)を正回転に駆動する。
この時、第二軸(97)の第二ギア(112)は遊転しているため直接動力が伝わることなくアイドル状態となっている。
【0059】
また、斜めローラ(72b)を逆回転に駆動する場合においては、切換レバー(117)を操作してスライダ(115)を図10において上側へスライドしてスライダ(115)の歯部(115b)を第二ギア(112)の歯部(112b)に噛合させる。そして、前記ローラ入力軸(96)に伝えられた動力は、ローラ入力軸(96)→第一ギア(109)→第二ギア(112)→スライダ(115)→第二軸(97)と伝えられ、ベベルギア(113)・(114)を介して斜めローラ軸(99)を逆回転、すなわち斜めローラ(72b)を逆回転に駆動するのである。
なお、この時、第二軸(97)と第二ギア(112)は反対方向に回転しているが、第二スプロケット(111)は遊嵌されているため支障が生じることはない。
上述したように、斜めローラ(72b)を正回転もしくは逆回転に駆動するようにするには、前記チェーン減速部(120)とギア減速部(121)の間にスライダ(115)を配置して、該スライダ(115)を切換レバーによりスライドさせることでどちらか一方の減速部に接続し、動力伝達経路を簡便に切換えるようにしたのである。
【0060】
このような構成において、平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)を回転駆動することにより、落下した主根を後方へ搬送し、斜めローラ(72b)により持ち上げコンベア(73)の左下部の始端側に落下するように案内している。このとき、前記葉茎切断装置(11)により全て切断できない葉茎が主根に残っている場合があり、この未処理葉茎(残葉部)は後方への搬送途中で平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に挟まり引き千切られることとなり、主根のみ持ち上げコンベア(73)へ搬送されるのである。しかしながら、先細人参等の先端部が細い根菜を収穫する際には、図11に示すように従来のように斜めローラ(72b)を正回転に駆動させると先細り部分を有する根菜等は平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)との隙間に先細り部分を噛みこんでしまい、根部を損傷させることがあった。そこで本発明においては、主根として先細り人参等が搬送された場合、上述したように斜めローラ(72b)を正回転するだけでなく逆回転も可能とする構成とし、先細り人参等を搬送する場合は斜めローラ(72b)を逆回転に駆動するようにし、先細り部分の噛みこみを防止するようにしたのである。
また、上述したように前記正逆転切換装置(98)においては斜めローラ(72b)の駆動を停止する、つまり空転することもできるため、残葉処理の一条件として搬送ベルトである平ベルト(72a)のみを駆動させて斜めローラ(72b)を空転状態にしておき、作業処理速度を落として残葉処理を行うことが可能である。このような条件においては、先細り部分が噛みこんだ場合でも、噛みこみ力は弱いため、根部損傷を抑えることができるのある。
【0061】
すなわち、自走の車体(A)上に根菜の抜き上げ作業部(B)と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置(72)等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置(72)の残葉処理ローラである斜めローラ(72b)に正逆転切換装置(98)を設け、正逆転可能に構成したので、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際には、斜めローラ(72b)を平ベルト(72a)と逆回転となるように切換え、残葉処理をせずに持ち上げコンベア(73)側にガイドすることで斜めローラ(72b)と平ベルト(72a)の間に根菜の先端部が巻き込まれ損傷することを防ぐ。また、通常人参(先細りしていない人参)等の根菜が搬送された際は、斜めローラ(72b)は平ベルト(72a)と同方向に回転させて残葉処理を行うように斜めローラ(72b)の駆動を切換可能としている。
【0062】
また、自走の車体(A)上に根菜の抜き上げ作業部(B)と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置(72)等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置(72)の残葉処理ローラである斜めローラ(72b)に正逆転切換装置(98)を設け、正逆転可能及び空転可能に構成したので、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際には、斜めローラ(72b)を平ベルト(72a)と逆回転となるように切換え、残葉処理をせずに持ち上げコンベア(73)側にガイドすることで斜めローラ(72b)と平ベルト(72a)の間に根菜の先端部が巻き込まれ損傷することを防ぐ。また、通常人参(先細りしていない人参)等の根菜が搬送された際は、斜めローラ(72b)は平ベルト(72a)と同方向に回転させて残葉処理を行うように斜めローラ(72b)の駆動を切換可能としている。さらに、斜めローラ(72b)を空転状態となるように切換え、平ベルト(72a)の力だけで残葉処理を行うようにすることで、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際にも、先端部を引き込む力が弱くなっているために根菜の先端部が巻き込まれても損傷しにくくなる。
【0063】
また、前記斜めローラ(72b)へ駆動手段であるエンジン(6)からの動力を伝達する動力伝達経路上に駆動ギアケース(85)を配置し、該駆動ギアケース(85)内に前記正逆転切換装置(98)を配置したので、動力伝達経路上の任意の位置で残葉処理ローラの正逆転切換を可能とする。
【0064】
また、前記駆動ギアケース(85)を、前記斜めローラ(72b)の軸心方向一側に配置したので、動力を伝達するスプロケット、チェーン、ギア等の部品点数を少なくできる。
【0065】
また、前記正逆転切換装置(98)は、入力された動力を伝達する第一伝達部であるチェーン減速部(120)と第二伝達部であるギア減速部(121)とを備えるとともに、該チェーン減速部(120)とギア減速部(121)の間に動力伝達を切り換える手段であるスライダ(115)を配置したので、斜めローラ(72b)の正逆転切換装置(98)として簡単かつ安価な構成とすることができる。
【0066】
また、前記残葉処理装置(72)が、引き抜き搬送装置(8)の後部下方に配置されたので、装置全体としてコンパクトに配置構成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】人参収穫用として構成された根菜収穫機の全体側面図。
【図2】同じく平面概略図。
【図3】同じく正面概略図。
【図4】根菜収穫機全体の伝動系統図。
【図5】残葉処理装置の平面図。
【図6】同じく側面図。
【図7】上下ローラを示す平面図。
【図8】図7のA−A断面図。
【図9】斜めローラ搬送面を持ち上げた状態の上下ローラを示す側面図。
【図10】駆動ギアケースの平面断面図。
【図11】上下ローラを備えない残葉処理装置の斜めローラ部分を示す側面図。
【符号の説明】
【0068】
A 車体
B 抜き上げ作業部
8 引き抜き搬送装置
72 残葉処理装置
72a 平ベルト
72b 斜めローラ
85 駆動ギアケース
95 上下ローラ
98 正逆転切換装置
115 スライダ
120 チェーン減速部
121 ギア減速部
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜類、特に人参を収穫する根菜収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大根や人参等を収穫する自走式根菜収穫機は公知となっており、クローラ式走行装置上部の左右一側に運転席を配置し、他側に進行方向と平行に引抜きコンベアを配置し、この引抜きコンベアの前部に鍬状のサブソイラーからなる掘起し装置を配置して、この掘起し装置を土中に挿入して、下方より根菜を掘り起こし、引抜きコンベアのベルトにて根菜の葉部分を両側より挟持して斜め上方に搬送しながら引抜き、搬送部後端にカッターを配置して、該カッターにより根菜の葉の根元部を切断し、下部コンベアに落下した根菜を、選別コンベアに受渡し、該選別コンベアにより選別後の根菜を収集物積載部(収穫物載せ台)にある収納容器に収納するように構成されている。また、上記下部コンベアにおいては、コンベア上に所定の隙間を設けて斜めに横送りローラを配設し、該横送りローラの回転と下部コンベアの搬送駆動によって、根菜が側部の選別コンベア上に落下するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−23826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
根菜の葉部を挟持しながら吊下げ姿勢でカッター部まで搬送し、根菜の葉部の根元を切断する構成では、引抜きベルトにて挟持されなかった根菜の葉部は、根部の外側に垂れ下がったままでカッターによる切断処理ができないため、下部コンベア上には葉部が完全に切断処理された根菜の根部に混じって、切り残した葉部付きの根菜の根部も落とされる。そこで、そのような葉部付きの根菜を横送りローラにより残葉を取り除く残葉処理が行われるのであるが、下部コンベア上で選別コンベア側に根菜の根部を横送りするとき、横送りローラ(斜めローラ)と下部コンベアとの隙間に、先細人参等の根菜の先端部分がローラに挟まるという、いわゆる差込みが発生し、根部が損傷することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能に構成したものである。
【0006】
請求項2においては、自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能及び空転可能に構成したものである。
【0007】
請求項3においては、前記残葉処理ローラへ駆動手段からの動力を伝達する動力伝達経路上に駆動ギアケースを配置し、該駆動ギアケース内に前記正逆転切換装置を配置したものである。
【0008】
請求項4においては、前記駆動ギアケースを、前記残葉処理ローラの軸心方向一側に配置したものである。
【0009】
請求項5においては、前記正逆転切換装置は、入力された動力を伝達する第一伝達部と第二伝達部とを備えるとともに、該第一伝達部と第二伝達部の間に動力伝達を切り換える手段を配置したものである。
【0010】
請求項6においては、搬送ベルトと残葉処理ローラより構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置を配置した根菜収穫機において、前記残葉処理ローラ上流側の搬送ベルトの搬送部と非搬送部との間に上下調節可能なローラを配置したものである。
【0011】
請求項7においては、前記残葉処理装置が、引き抜き搬送装置の後部下方に配置されたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1においては、自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能に構成したので、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際には、残葉処理ローラを搬送ベルトと逆回転となるように切換え、残葉処理をせずに選別コンベア側にガイドすることで残葉処理ローラと搬送ベルトの間に根菜の先端部が巻き込まれ損傷することを防ぐ。また、通常人参(先細りしていない人参)等の根菜が搬送された際は、残葉処理ローラは搬送ベルトと同方向に回転させて残葉処理を行うように残葉処理ローラの駆動を切換可能としている。
【0014】
請求項2においては、自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能及び空転可能に構成したので、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際には、残葉処理ローラを搬送ベルトと逆回転となるように切換え、残葉処理をせずに選別コンベア側にガイドすることで残葉処理ローラと搬送ベルトの間に根菜の先端部が巻き込まれ損傷することを防ぐ。また、通常人参(先細りしていない人参)等の根菜が搬送された際は、残葉処理ローラは搬送ベルトと同方向に回転させて残葉処理を行うように残葉処理ローラの駆動を切換可能としている。さらに、残葉処理ローラを空転状態となるように切換え、搬送ベルトの力だけで残葉処理を行うようにすることで、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際にも、先端部を引き込む力が弱くなっているために根菜の先端部が巻き込まれても損傷しにくくなる。
【0015】
請求項3においては、前記残葉処理ローラへ駆動手段からの動力を伝達する動力伝達経路上に駆動ギアケースを配置し、該駆動ギアケース内に前記正逆転切換装置を配置したので、動力伝達経路上の任意の位置で残葉処理ローラの正逆転切換を可能とする。
【0016】
請求項4においては、前記駆動ギアケースを、前記残葉処理ローラの軸心方向一側に配置したので、動力を伝達するスプロケット、チェーン、ギア等の部品点数を少なくできる。
【0017】
請求項5においては、前記正逆転切換装置は、入力された動力を伝達する第一伝達部と第二伝達部とを備えるとともに、該第一伝達部と第二伝達部の間に動力伝達を切り換える手段を配置したので、切換装置として簡単かつ安価な構成とすることができる。
【0018】
請求項6においては、搬送ベルトと残葉処理ローラより構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置を配置した根菜収穫機において、前記残葉処理ローラ上流側の搬送ベルトの搬送部と非搬送部との間に上下調節可能なローラを配置したので、残葉処理ローラ前方の搬送部下面から上下調節可能なローラにより搬送ベルトの搬送面を持ち上げて、先細人参等の先端部を持ち上げた状態で残葉処理ローラに当てるようにすることで、先端部が残葉処理ローラと搬送ベルトの隙間に入り込まず根部損傷を防止できる。つまり残葉処理ローラへの差込みを防止することができるのである。また通常の人参(先細りしていない人参)等の処理においてはローラを下げて搬送ベルトの搬送面を通常高さに戻すことで対応可能としている。
【0019】
請求項7においては、前記残葉処理装置が、引き抜き搬送装置の後部下方に配置されたので、装置全体としてコンパクトに配置構成が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は人参収穫用として構成された根菜収穫機の全体側面図、図2は同じく平面概略図、図3は同じく正面概略図、図4は根菜収穫機全体の伝動系統図、図5は残葉処理装置の平面図、図6は同じく側面図、図7は上下ローラを示す平面図、図8は図7のA−A断面図、図9は斜めローラ搬送面を持ち上げた状態の上下ローラを示す側面図、図10は駆動ギアケースの平面断面図、図11は上下ローラを備えない残葉処理装置の斜めローラ部分を示す側面図である。
【0021】
まず、本発明に係る根菜収穫機の全体的な構成について図1から図4を用いて説明する。
図1から図4において、自走式根菜収穫機は、左右のクローラ(1a)(1b)を備える自走の車体(A)に、抜き上げ作業部(B)と選別コンベア部(C)及び収穫物載せ台(D)を装設して構成され、自走車は、左右のクローラ(1a)(1b)の各々の駆動輪(2)(2)に動力伝達するトランスミッション(3)を、搭乗運転部(4)の機械室(5)内に搭載したエンジン(6)の出力軸に連動連結し、エンジン(6)の動力でもって、左右のクローラ(1a)(1b)を回転駆動して走行し、運転操作を搭乗運転部(4)において行う乗用型に構成されている。
【0022】
そして、搭乗運転部(4)が、一方のクローラ(1b)側の車体前部上方に配設されると共に、その搭乗運転部(4)の横側部、つまり、他方のクローラ(1a)側に前後向きの抜き上げ作業部(B)が設けられ、さらに、その抜き上げ作業部(B)の終端部下方の後部車体上に、抜き上げ作業部(B)と平行に残葉処理装置(72)と、抜き上げ作業部(B)とは直交する車幅方向に向け、残葉処理装置(72)の後部下方から右上がりに昇降可能に傾斜して配設される持ち上げコンベア(73)よりなる選別コンベア部(C)が配設され、選別コンベア部(C)の移送終端側、即ち、搭乗運転部(4)を挟んで、前記抜き上げ作業部(B)とは反対側の車体横外側方に収穫物載せ台(D)が配設される。また、前記搭乗運転部(4)と選別コンベア部(C)の間には選別作業を行う補助者が座る補助作業者用座席(50)が設けられている。
【0023】
また、抜き上げ作業部(B)は、同作業部(B)の進行方向前端部に位置する茎葉分捌整姿装置(7)と、その茎葉分捌整姿装置(7)の後背下部から車体の後部上方に掛けて、前低後高に傾設される抜き上げ移送装置(引き抜き搬送装置)(8)と、抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)(図3に図示)の始端部付近に位置するチゼル(9)と、抜き上げ移送装置(8)の移送終端部付近に連係させて設置される葉茎切断装置(11)及び排葉装置(12)等によって構成されており、これらの諸装置からなる抜き上げ作業部(B)の全体が後述する回動支点部(19)を支点にして、シーソー状に上下回動するように成されている。なお、抜き上げ作業部(B)には、その抜き上げ移送装置(8)の移送中途部下方に根切断装置(10)を装設している。
【0024】
抜き上げ作業部(B)の茎葉分捌整姿装置(7)は、左右のケーシング(13)から水平横向きに突出する横回しタイン(14)を備えた茎葉掻き込み機構(15)と、左右一側のケーシング(13)の外側前部位に直交状に併設するケーシング(16)の前上面から突出して後上方に移行する縦回しタイン(17)を備えた分葉機構(18)とで構成されて、抜き上げ圏内の根菜の葉茎と、抜き上げ圏外の根菜の葉茎とを分葉機構(18)で分け捌き、分け捌かれた抜き上げ圏内の根菜の葉茎を茎葉掻き込み機構(15)で持って抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)の始端部に掻き込むように構成されている。
【0025】
抜き上げ移送装置(8)は、水平横向きの回動支点部(19)を中心にして上下回動可能なブラケット(20)に保持された支持フレーム(21)の前端部に装着する左右一対の始端側輪体(22)(22)と、支持フレーム(21)の後端部に配設する左右一対の終端側輪体(23)(23)と、始端側および終端側輪体(22)(23)間の支持フレーム(21)に配設する複数の中間輪体(24)群とに、左右の挟持搬送無端帯(25)(25)を各々掛回して、これらの両無端帯(25)(25)の対向面間に前記挟持移送路(8a)を形成し、該挟持移送路(8a)が、他方(左方)のクローラ(1a)の外縁より外側において、平面視で車体(A)の進行方向と平行状となるように位置するものとなっている。また、各々の挟持搬送無端帯(25)は、Vプーリ構造の始端側輪体(22)等に掛回するVベルトの外周に軟弾性材からなる挟持帯部間に、根菜の茎葉を挟持するように構成されている。
【0026】
さらに、チゼル(9)は、上下の枢軸(26)(27)を中心にして上下回動する上リンク(28)と下リンク(29)とからなる平行リンク機構の前端に連結した縦支持杆(30)の下端に取付けられ、縦支持杆(30)から垂下する縦刃の下端から横側方に横刃を屈曲形成して構成される。
【0027】
そして、図1及び図2に見られるように、上方の枢軸(26)に嵌着したプーリ(31)と前記エンジン(6)の出力軸に設けた出力プーリ(32)とにベルトを掛回するとともに、枢軸(26)に嵌着する偏心ボス(図示省略)に上リンク(28)の基端を連結して、偏心ボスの回転により上リンク(28)を揺動させて、根菜の地中部(主根)の適宜下方の土中に横刃が進入位置したチゼル(9)を、上下及び前後又は、上下或いは前後に振動させるように構成され、また、下リンク(29)の基端と車体(A)との間に伸縮シリンダ(33)が介装され、該伸縮シリンダ(33)の伸縮作動によって上下リンク(28)(29)を昇降作動させるように構成されている。
【0028】
また、図1と図2及び図4に示す如く、前記回動支点軸(19)を同芯に設けた、横向き伝動筒(34)の外端部から、前上方にパイプフレーム(35)を連設し、該パイプフレーム(35)の先端から車体内方(右方)向きに、茎葉分捌整姿装置(7)の茎葉掻き込み機構(15)に動力伝達する伝動パイプ(36)を連結すると共に、そのパイプフレーム(35)の外端から前方に延びる伝動ケース(37)と、それに連接する横ケース(38)を介して、茎葉分捌整姿装置(7)の分葉機構(18)を連設している。
【0029】
そして上側の枢軸(26)に嵌着するプーリ(39)と、前記回動支点軸(19)の内方端(右端)に嵌着したプーリ(40)にベルトを掛回して、前記枢軸(26)から回動支点部(19)に動力伝達し、さらに、回動支点部(19)からパイプフレーム(35)、伝動パイプ(36)、伝動ケース(37)及び横ケース(38)内の伝動機構を介して、茎葉掻き込み機構(15)及び分葉機構(18)に伝動して、それぞれを回転駆動するように構成されている。
【0030】
又、前記回動支点軸(19)の外端部(左端部)に嵌着したプ−リ(41)からベルト(42)を介して後部伝動ケ−ス(43)に動力伝達し、抜き上げ移送装置(8)における左右一対の終端側輪体(23)(23)の支軸に伝動して、抜き上げ移送装置(8)の挟持搬送無端帯(25)(25)をそれぞれ所期の方向に回転駆動するとともに、抜き上げ移送装置(8)の挟持搬送無端帯(25)(25)によって挟持搬送される根菜の葉茎を受け継ぎ挟持して水平後方に搬送する排葉装置(12)と、根菜が排葉装置(12)によって移送されている間にその葉茎を切断する葉茎切断装置(11)とに動力伝達して両装置(12)(11)をも駆動するように構成される。
【0031】
なお、排葉装置(12)は上下に併設する挟持移送無端帯機構(44a)(44b)からなり、各々の挟持移送無端帯機構(44a)(44b)の挟持搬送路始端部を挟持移送路(8a)の終端後背部に近接位置させ、さらに、下方の挟持移送無端帯機構(44b)の前部下側から挟持移送路(8a)の後背面に臨ませて左右一対の案内杆(45)を前延させて、抜き上げ移送装置(8)により吊持移送される根菜の主根の上端を左右一対の案内杆(45)で規制しながら誘導し、根菜の主根より上方の葉茎を挟持移送無端帯機構(44a)(44b)の挟持搬送路始端部に的確に受け継がせるように構成され、又、挟持移送無端帯機構(44a)(44b)の挟持搬送路終端部には、葉茎切断装置(11)によって切断された根菜の葉茎を、根菜抜き取り後の圃場に落流させる排葉ガイド板(46)が連設されている。該上方の挟持移送無端帯機構(44a)(44b)は弾性無端帯により構成したベルトにより構成している。
【0032】
また、葉茎切断装置(11)は、駆動ケース(47)から上方に突出する左右の回転縦軸(48)(48)と回転刃(49)(49)によりディスク刃に構成されている。該葉茎切断装置(11)を前記上方の挟持移送無帯体機構(44a)(44a)と左右の挟持移送無端帯機構(44b)(44b)の下側に近接させて、更に、肩揃え無端帯66の後端に近づけて配置し、該両回転刃(49)(49)の重合部分に切断作用部を形成し、この切断作用部によって、根菜の主根の上端付近から上方の葉茎を切断するように構成されている。
【0033】
さらに、選別コンベア部(C)の残葉処理装置(72)は抜き上げ移送装置(8)の後部下方における葉茎切断装置(11)の下方に、前後方向に搬送ベルトの一例である平ベルト(72a)が配置される。該平ベルト(72a)は前後平行に軸心が左右方向に配置されたローラが配置され、該ローラ間に平ベルト(72a)が巻回されて、該平ベルト(72a)上に葉茎切断後の根菜の主根が落下するように配置している。この落下位置には、落下緩衝部材(81)が設けられ、その後部上に残葉処理ローラの一例である斜めローラ(72b)が配置され、該斜めローラ(72b)は平ベルト(72a)上面と所定の隙間をあけて配置され、左前から右後方に斜めに配置される。また、斜めローラ(72b)始端部には、前記隙間を調節する高さ調節機構(75)が配置されている。そして、平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)を回転駆動することにより、落下した主根を後方へ搬送し、斜めローラ(72b)により持ち上げコンベア(73)の左下部の始端側に落下するように案内している。このとき、前記葉茎切断装置(11)により全て切断できない葉茎が主根に残っている場合があり、この未処理葉茎(残葉部)は後方への搬送途中で平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に挟まり引き千切られることなり、主根のみ持ち上げコンベア(73)へ搬送されるのである。残葉処理装置(72)で処理された葉茎は、平ベルト(72a)終端部からシュータシタ(90)を経て圃場に落流される。
前記持ち上げコンベア(73)は、残葉処理装置(72)の後部から右側方に落下する根菜の主根を受け止めて、抜き上げ作業部(B)の反対側(進行方向右側)の車体側部に配置した収穫物載せ台(D)上のコンテナまたは収納袋(フレコンバッグ)等の収納体に向けて搬送するもので、持ち上げコンベア(73)は、左右両端のローラ間に平ベルトを巻回し、該平ベルトの外周には平板状のスラット(79)を所定間隔ごとに前後方向に立設し、前出のトランスミッション(3)のPTO軸(51)から伝動機構(52)を経て入力部(53)に伝達される動力でもって平ベルトを斜め上方向に回転駆動されるように構成されている。そして、根菜の主根群がスラットとスラットの間に落下して、コンベアの移送終端部に向けて移送される間に、その主根群のうちの不良なものを人為的に選別して取り除き、コンベアの移送終端部に達した主根の良品のみを収穫物載せ台(D)上に吊り下げた収納袋(54)に収容するようになっている。
【0034】
なお、収穫物載せ台(D)は、抜き上げ作業部(B)とは左右反対側の車体横側部に起立回倒自在にヒンジ装着される台板によって構成され、作業時には、台板を車体横側方に張り出す水平姿勢に維持して、水平姿勢の台板上に収納袋(54)を載置するように構成されている。
【0035】
また、茎葉掻き込み機構(15)および分葉機構(18)からなる茎葉分捌整姿装置(7)は、回動支点軸(19)を中心にして上下回動する抜き上げ移送装置(8)と一体的に上下回動するように枠組支持され、その一体的に上下回動する枠組体から前向きに突出する支持杆(55)の前端に装着した接地輪(56)によって、対地支持されている。
【0036】
前出の伸縮シリンダ(33)を伸長作動させて、平行リンク機構を上昇回動させると、前記平行リンク機構の下リンク(29)の側面に設けた、押し上げ用の回転ローラ(57)が、茎葉掻き込み機構(15)の支持フレームの下面側に設けた側面視『ヘ』字状のガイドレール(58)の下面に沿って移動し、単一の伸縮シリンダ(33)の伸長動でもって、チゼル(9)と共に茎葉分捌整姿装置(7)及び抜き上げ移送装置(8)の下端が地面から大きく上昇するようになっている。
【0037】
以上のような根菜収穫機によって作業する際は、伸縮シリンダ(33)の作動により抜き上げ作業部(B)の前部を作業姿勢に降下させ、その抜き上げ作業部(B)の茎葉掻き込み機構(15)の掻き込み作用路及び抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)の始端部が、圃場に条列する根菜に合致するように条合わせして、抜き上げ作業部(B)の各部を作動させながら車体(A)を前進させる。
【0038】
すると、分葉機構(18)の縦回しタイン(17)が抜き上げ圏内の根菜の葉茎と抜き上げ圏外の根菜の葉茎とを分け捌き、分け捌かれた抜き上げ圏内の根菜の葉茎を、茎葉掻き込み機構(15)の横回しタイン(14)が引起し整姿しながら抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)の始端部に掻き込み誘導する。
【0039】
そして、抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)に達した根菜の葉茎が挟持移送路(8a)に挟持されて斜め後上方に揚上されることにより、根菜の主根が土中から抜き上げられるのであるが、その際には、抜き上げ作業部(B)の対地降下によって、根菜の主根の適宜下方位置にまで突入するチゼル(9)が振動し、土中を掘削して土壌を膨軟にするから根菜の主根は軽微な力で抜き上げられる。
【0040】
抜き上げ移送装置(8)の挟持移送路(8a)に葉茎を挟持され吊持状態で斜め後上方に揚上移送される途中で、根菜の主根の先端の細い根、所謂、尻尾が根切断装置(10)により切断される。そして更に後上方へ搬送されると、根菜の主根の上端は、案内杆(45)の下面側により拘束されて略水平後方に移行し、それより上方の葉茎は排葉装置(12)の挟持移送無端帯機構(44a)(44b)により挟持されて後送され、その途上に、葉茎切断装置(11)の回転刃(49)(49)の切断作用部で切断され、切断された葉茎は挟持移送無端帯機構の後終端部から排葉ガイド板(46)を経て圃場に落流される。また、葉茎の切断によって吊持を解かれた根菜の主根は、選別コンベア部(C)の残葉処理装置(72)に落ちて後方へ搬送され、後部の斜めローラ(72b)により残葉が処理されて側方へ搬送され、持ち上げコンベア(73)の始端側に落下させる。該持ち上げコンベア(73)上に落下した主根は右斜め上方へ搬送され、この搬送途中において、コンベア上で選別作用を受けて、選別後の良品が収納袋(54)に収容される。
【0041】
ところで、上述した一連の作業を行うに当たって、抜き上げ作業部(B)が作業体勢で降下されると抜き上げ移送装置(8)の前部は地面に至近に位置し、又、過剰な降下状態になれば、抜き上げ移送装置(8)の前部が地面に接触或いは地中に突っ込むようなこととなり、このような体勢のもとで、左右の挟持搬送無端帯(25)(25)が回動移行するゆえに、その回動移行によって泥土や小石等が抜き上げ移送装置(8)の始端部に巻き込まれて、始端側輪体(22)(22)の上面やVプーリ溝に付着体積し、左右の挟持搬送無端帯(25)(25)を損傷させたり、脱輪させたりすることになり易いので、このような不具合を回避する手段を、抜き上げ移送装置(8)の前部に施している。図4において、根切断装置(10)の駆動機構が図示されている。横向き伝動筒(34)から突出した回動支点部(19)の軸の上にプーリ(87)を固定し、該プーリ(87)からベルト(88)を介して、ベベルギア軸(74)上のプーリ(86)に動力伝達し、該ベベルギア軸(74)から根切断装置(10)のディスク切断刃を回転駆動すべく構成している。
【0042】
次に、本発明に係る選別コンベア部(C)の残葉処理装置(72)について説明する。
図5は残葉処理装置の平面図、図6は同じく側面図、図7は上下ローラを示す平面図、図8は図7のA−A断面図、図9は斜めローラ搬送面を持ち上げた状態の上下ローラを示す側面図、図10は駆動ギアケースの平面断面図である。
【0043】
残葉処理装置(72)は、上述したように抜き上げ移送装置(8)の後部下方における葉茎切断装置(11)の下方に、前後方向に平ベルト(72a)が配置される。該平ベルト(72a)は前後平行に軸心が左右方向に配置されたローラが配置され、該ローラ間に平ベルト(72a)が巻回されて、該平ベルト(72a)上に葉茎切断後の根菜の主根が落下するように配置している。この落下位置には、落下緩衝部材(81)が設けられ、その後部上に斜めローラ(72b)が配置され、該斜めローラ(72b)は平ベルト(72a)上面である搬送面と所定の隙間をあけて配置され、左前から右後方に斜めに配置されるように構成されている。
【0044】
また、残葉処理装置(72)は機体前後方向に平行な左右一対のコンベアフレーム(71)(71)が両側に設けられ、該コンベアフレーム(71)(71)の前後両側に前記ローラが配置され、該コンベアフレーム(71)(71)の前後中途部の内側に取り付けブラケット(76)(76)が斜めローラ(72b)の前下方に固定されている。該取り付けブラケット(76)(76)間に枢支軸(78)が斜めローラ(72b)と平行に横架され、該枢支軸(78)にベルト受部材(80)が斜めローラ(72b)の下側で、かつ平行に配置されるように、両側が回動自在に枢支されている。該ベルト受部材(80)は開放部を下向きに設けた断面視「コ」字状のフレームからなり、前記残葉処理装置(72)の内部、つまり、平ベルト(72a)の上下の搬送部と非搬送部の間で左右の前記コンベアフレーム(71)の間に斜めに配置されている。即ち、ベルト受部材(80)は搬送面の下方より前記斜めローラ(72b)側に押し当てる押圧部材として配設されている。
【0045】
また、前記ベルト受部材(80)の両端間の枢支軸(78)上に直角に一体固定したバネ取付けブラケット(101)と、左コンベアフレーム(71)に取付けたブラケット(103)にアジャストナット(104)を介して枢支軸(78)と直角方向に出入れ自在に取付けるアジャストボルト(105)との間にバネ力調節自在にバネ(100)を張設し、枢支軸(78)と一体にベルト受部材(80)を枢支軸(78)回りで常時上向きに回動付勢し、枢支軸(78)と平行なベルト受部材(80)を平ベルト(72a)の搬送面の下面(裏側)から弾力的に押し当て、前記平ベルト(72a)の搬送面の上面(表面)を前記ローラ(72b)に押し当てるように構成している。
【0046】
そして、搬送上流側のベルト受部材(80)に高さ調節機構(75)が連結されている。つまり、高さ調節機構(75)は持ち上げコンベア(73)と左右反対側の残葉処理装置(72)側部に配設されている。
該高さ調節機構(75)は、高さ調節ボルト(75a)とアーム(75b)からなり、該アーム(75b)は平面視「へ」字状に構成されて、一端(右側)が前記ベルト受部材(80)の後端部に取り付けられている。また、アーム(75b)の他端(左側)は、略水平な板状部(75d)を形成している。前記高さ調節ボルト(75a)の上部は支持ステー(70)に固設したナット(75c)に螺装され、高さ調節ボルト(75a)の下部は先端部が丸みを帯びた形状である押さえ部(102)を設けている。このような構成において、前記バネ(100)により常時上向きに回動付勢されているベルト受部材(80)に一体固定されているアーム(75b)の板状部(75d)が、前記押さえ部(102)と常時当接し、該高さ調節ボルト(75a)を回動することにより、押さえ部(102)がアーム(75b)の板状部(75d)の上昇高さを規制することで、ベルト受部材(80)を上下に回動させて、所定の位置に固定できるようにしている。つまり前記押さえ部(102)がベルト受部材(80)の上昇回動のストッパとして作用し、前記平ベルト(72a)の搬送面の高さ調整を可能としているのである。
【0047】
前記支持ステー(70)の一端(左側)はブラケット(77)を介してコンベアフレーム(71)の外側に固定されると同時に、該ブラケット(77)はステー(84)を介して駆動ギアケース(85)に固定されている。この一側のコンベアフレーム(71)の外側部で高さ調節ボルト(75a)を螺装している。前記支持ステー(70)の他端(右側)は支持プレート(83)の前後中途部に固定され、該支持プレート(83)の前部は斜めローラ(72b)の右側を回転自在に支持し、後部は後側の駆動ローラの支持部まで延設されて、ブラケットを介して右側のコンベアフレーム(71)の外側面に固定されている。
このようにして、支持ステー(70)は残葉処理装置(72)の平ベルト(72a)上方で横架され、搬送下流側の右側の支持ステー(70)と斜めローラ(72b)は支持プレート(83)により平ベルト(72a)から浮いた状態で支持され、持ち上げコンベア(73)側への排出時に残葉等が引っ掛からないようにしている。
また、支持ステー(70)の左側(搬送上流側)にベルト受部材(80)の高さ調節機構(75)が配置されるとともに、ブラケット(77)を介して斜めローラ(72b)の駆動ギアケース(85)とコンベアフレーム(71)に固定され、高さ調節機構(75)側の剛性が高くなるようにし、ベルト受部材(80)の後部が高さ調節機構(75)により常時規制されるように配設されている。
【0048】
また、斜めローラ(72b)の前下方(上流側)となる平ベルト(72a)の上下の搬送部と非搬送部の間に、ベルト受部材(80)の前方で、かつ平行に配置されるように上下ローラ(95)が設けられている。
上下ローラ(95)は、両端部の上下ローラ軸(95a)が板状のアーム(95b)の一端に回動自在に軸支されており、該アーム(95b)の他端が取り付けブラケット(95c)の一端で回動自在に枢支されており、該取り付けブラケット(95c)の他端がコンベアフレーム(71)(71)に固定されている。また、前記アーム(95b)は枢支軸(95d)を基点に前記アーム(95b)を上下に回動することで上下ローラ(95)を上下動させて所定の高さでボルト固定することが可能であり、例えば上下ローラ(95)を上昇させて平ベルト(72a)の搬送面の下面(裏側)から押し上げるように持ち上げて所定位置で固定できるようになっている(図9参照)。
【0049】
このような構成において、平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)を回転駆動することにより、落下した主根を後方へ搬送し、斜めローラ(72b)により持ち上げコンベア(73)の左下部の始端側に落下するように案内している。このとき、前記葉茎切断装置(11)により全て切断できない葉茎が主根に残っている場合があり、この未処理葉茎(残葉部)は後方への搬送途中で平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に挟まり引き千切られることとなり、主根のみ持ち上げコンベア(73)へ搬送されるのである。しかしながら、先細人参等の先端部が細い根菜を収穫する際には、上記平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に先端部が挟まり根部が損傷することがあった。そこで本発明においては、前述したアーム(95b)を回動することで上下ローラ(95)の上下方向の調整を行い、適宜斜めローラ(72b)前方(上流側)の平ベルト(72a)搬送面を所定高さまで持ち上げることを調整可能としており、搬送面の高さを左右略一定に保つことが可能となっている。そのため、斜めローラ(72b)前方(上流側)の搬送面が持ち上がっていることにより、送られてくる先端部が細い根菜は平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に先端部が入り込んで損傷したりすることなく、また噛み込みによる滞留を起こすこともなく、スムーズに持ち上げコンベア(73)へ搬送されるのである。
【0050】
すなわち、搬送ベルトである平ベルト(72a)と残葉処理ローラである斜めローラ(72b)より構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置(72)を配置した根菜収穫機において、前記斜めローラ(72b)上流側の平ベルト(72a)の搬送部と非搬送部との間に上下調節可能なローラである上下ローラ(95)を配置したので、斜めローラ(72b)前方の搬送部下面から上下調節可能な上下ローラ(95)により平ベルト(72a)を持ち上げて、先細人参等の先端部を持ち上げた状態で斜めローラ(72b)に当てるようにすることで、先端部が斜めローラ(72b)と平ベルト(72a)の隙間に入り込まず根部損傷を防止できる。つまり斜めローラ(72b)への差込みを防止することができるのである。また通常の人参(先細りしていない人参)等の処理においては上下ローラ(95)を下げて平ベルト(72a)の搬送面を通常高さに戻すことで対応可能としている。
【0051】
次に、斜めローラ(72b)の正逆転切換装置(98)について図10により説明する。
エンジン(6)から出力された動力はプーリやベルト等の動力伝達機構を介してローラ入力軸(96)へ伝達され、斜めローラ(72b)の軸心方向一側に配置した駆動ギアケース(85)内のベベルギア等を経て斜めローラ軸(72b)を駆動する。前記駆動ギアケース(85)内には斜めローラ(72b)の正逆転切換装置(98)を内装しており、該正逆転切換装置(98)は外部からの正逆転切換操作により切り換えて、斜めローラ(72b)を正回転または逆回転に駆動可能としている。なお、本実施例では、駆動ギアケース(85)を前記斜めローラ(72b)の軸心方向一側に配置したが、特に限定するものではなく駆動手段の一例であるエンジン(6)等からの動力を伝達する動力伝達経路上の任意の位置に設置することもできる。
【0052】
図10に示すように、正逆転切換装置(98)は駆動ギアケース(85)に内装されるローラ入力軸(96)、第二軸(97)、斜めローラ軸(99)、及び、該軸同士を連動連結するスプロケット、チェーン、ギア等で構成して、斜めローラ軸(99)を正回転または逆回転に駆動できるようにしている。ローラ入力軸(96)、第二軸(97)は前後平行に配置され、それぞれ左右水平方向に横架されている。斜めローラ軸(99)は斜めローラ(72b)の両端から突出しており、該斜めローラ軸(99)の左側端部を駆動ギアケース(85)の右部に回転自在に軸支され、斜めローラ軸(99)の右側端部を前述したように支持プレート(83)に回転自在に軸支しており、平面視において左前右後状に斜めに横架されている。
【0053】
前記ローラ入力軸(96)の左端部は駆動ギアケース(85)より側方に突出されて、ローラ入力軸(96)上の左端部にはローラ入力軸プーリ(106)が固着されて、該ローラ入力軸プーリ(106)に巻回したベルト(107)を介してエンジン6から動力が伝達される出力軸(図示せず)と連動連結している。前記ローラ入力軸(96)は駆動ギアケース(85)の側壁に設けた軸受(85a)・(85a)により回転自在に支持されている。
該ローラ入力軸(96)の軸方向中央付近には第一スプロケット(108)が固設されており、右側端部のローラ入力軸(96)上には第一ギア(109)が固設されている。
【0054】
前記第二軸(97)は前記ローラ入力軸(96)と平行に併設され、駆動ギアケース(85)の左側壁に設けた軸受(85b)と第二軸(97)の中途部に設けた軸受(85c)により回転自在に支持されている。該第二軸(97)軸上の前記軸受(85b)と軸受(85c)との間には左側に第二スプロケット(111)が回転自在に遊嵌され、右側に回転自在に遊嵌した第二ギア(112)が配置されている。前記第二スプロケット(111)と第二ギア(112)との間の第二軸(97)上にはスライド自在にスプライン嵌合した動力伝達を切り換える手段の一例であるスライダ(115)が配置されている。また第二軸(97)の右側端部はベベルギア(113)を固設して、ベベルギア(114)を介して斜めローラ軸(99)の左側端部と連動連結している。
また、前記第二スプロケット(111)と前記第一スプロケット(108)とは平面視において前後方向一直線上に配置されてチェーン(116)が巻回されており、第一伝達部となるチェーン減速部(120)を構成している。そして前記第二ギア(112)は前記第一ギア(109)と常時噛合しており、第二伝達部となるギア減速部(121)を構成している。
なお、本実施例の第一伝達部と第二伝達部は、上記に限定するものではなく、例えばチェーンではなくベルト等を用いて構成してもかまわない。
【0055】
第二スプロケット(111)はスプロケット部(111a)と歯部(111b)が左右一体的に構成されている。また、第二ギア(112)においてもギア部(112a)と歯部(112b)が左右一体的に構成されている。
【0056】
図10に示すように、前記スライダ(115)は第二軸(97)上で第二スプロケット(111)と第二ギア(112)との間に配置し、左右両側にそれぞれ歯部(115a)・(115b)を設け、摺動させることにより前記歯部(111b)、又は、第二ギア(112)の歯部(112b)の何れか一方と噛合可能に構成している。つまり、前記スライダ(115)の両側に歯部(115a)・(115b)を形成し、該歯部(115a)・(115b)に対向するように前記第二スプロケット(111)と第二ギア(112)に歯部を形成している。
【0057】
また、前記スライダ(115)の歯部(115a)と歯部(115b)の間には嵌合凹部(115c)を形成し、該嵌合凹部(115c)に切換レバー(117)の先端部(シフターフォーク)(117a)を嵌合している。該先端部(117a)は駆動ギアケース(85)の後側に設けられた切換レバー(117)のレバー部(117b)と連動連結しており、該レバー部(117b)を回動操作することにより、スライダ(115)を左右に摺動させて、歯部(115a)を前記歯部(111b)、又は、歯部(115b)を前記歯部(112b)に噛合可能に構成している。なお、前記スライダ(115)は第二スプロケット(111)と第二ギア(112)のどちらにも噛合しない中間位置(ニュートラル)として斜めローラ(72b)の駆動を停止する、つまり空転することもできる。
尚、本実施例ではスライダ(115)がクラッチの役目を果たしているが、第二スプロケット(111)と第二ギア(112)との間に多板式のクラッチ(電磁クラッチ等も含む)や爪クラッチ等を配置して、正逆の切換を行うことも可能である。
【0058】
以上のように構成される斜めローラ(72b)の正逆転切換装置(98)において、斜めローラ(72b)を正回転に駆動する場合には、切換レバー(117)を操作してローラ入力軸(96)上のスライダ(115)を図10において左側にスライドさせて、第二スプロケット(111)の歯部(111b)とスライダ(115)の歯部(115a)を噛合する。こうして、ローラ入力軸(96)に伝達された動力は、ローラ入力軸(96)→第一スプロケット(108)→チェーン(116)→第二スプロケット(111)→スライダ(115)→第二軸(97)へと動力が伝わり、ベベルギア(113)・(114)を介して斜めローラ軸(99)を正回転、すなわち斜めローラ(72b)を正回転に駆動する。
この時、第二軸(97)の第二ギア(112)は遊転しているため直接動力が伝わることなくアイドル状態となっている。
【0059】
また、斜めローラ(72b)を逆回転に駆動する場合においては、切換レバー(117)を操作してスライダ(115)を図10において上側へスライドしてスライダ(115)の歯部(115b)を第二ギア(112)の歯部(112b)に噛合させる。そして、前記ローラ入力軸(96)に伝えられた動力は、ローラ入力軸(96)→第一ギア(109)→第二ギア(112)→スライダ(115)→第二軸(97)と伝えられ、ベベルギア(113)・(114)を介して斜めローラ軸(99)を逆回転、すなわち斜めローラ(72b)を逆回転に駆動するのである。
なお、この時、第二軸(97)と第二ギア(112)は反対方向に回転しているが、第二スプロケット(111)は遊嵌されているため支障が生じることはない。
上述したように、斜めローラ(72b)を正回転もしくは逆回転に駆動するようにするには、前記チェーン減速部(120)とギア減速部(121)の間にスライダ(115)を配置して、該スライダ(115)を切換レバーによりスライドさせることでどちらか一方の減速部に接続し、動力伝達経路を簡便に切換えるようにしたのである。
【0060】
このような構成において、平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)を回転駆動することにより、落下した主根を後方へ搬送し、斜めローラ(72b)により持ち上げコンベア(73)の左下部の始端側に落下するように案内している。このとき、前記葉茎切断装置(11)により全て切断できない葉茎が主根に残っている場合があり、この未処理葉茎(残葉部)は後方への搬送途中で平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)の間に挟まり引き千切られることとなり、主根のみ持ち上げコンベア(73)へ搬送されるのである。しかしながら、先細人参等の先端部が細い根菜を収穫する際には、図11に示すように従来のように斜めローラ(72b)を正回転に駆動させると先細り部分を有する根菜等は平ベルト(72a)と斜めローラ(72b)との隙間に先細り部分を噛みこんでしまい、根部を損傷させることがあった。そこで本発明においては、主根として先細り人参等が搬送された場合、上述したように斜めローラ(72b)を正回転するだけでなく逆回転も可能とする構成とし、先細り人参等を搬送する場合は斜めローラ(72b)を逆回転に駆動するようにし、先細り部分の噛みこみを防止するようにしたのである。
また、上述したように前記正逆転切換装置(98)においては斜めローラ(72b)の駆動を停止する、つまり空転することもできるため、残葉処理の一条件として搬送ベルトである平ベルト(72a)のみを駆動させて斜めローラ(72b)を空転状態にしておき、作業処理速度を落として残葉処理を行うことが可能である。このような条件においては、先細り部分が噛みこんだ場合でも、噛みこみ力は弱いため、根部損傷を抑えることができるのある。
【0061】
すなわち、自走の車体(A)上に根菜の抜き上げ作業部(B)と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置(72)等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置(72)の残葉処理ローラである斜めローラ(72b)に正逆転切換装置(98)を設け、正逆転可能に構成したので、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際には、斜めローラ(72b)を平ベルト(72a)と逆回転となるように切換え、残葉処理をせずに持ち上げコンベア(73)側にガイドすることで斜めローラ(72b)と平ベルト(72a)の間に根菜の先端部が巻き込まれ損傷することを防ぐ。また、通常人参(先細りしていない人参)等の根菜が搬送された際は、斜めローラ(72b)は平ベルト(72a)と同方向に回転させて残葉処理を行うように斜めローラ(72b)の駆動を切換可能としている。
【0062】
また、自走の車体(A)上に根菜の抜き上げ作業部(B)と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置(72)等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置(72)の残葉処理ローラである斜めローラ(72b)に正逆転切換装置(98)を設け、正逆転可能及び空転可能に構成したので、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際には、斜めローラ(72b)を平ベルト(72a)と逆回転となるように切換え、残葉処理をせずに持ち上げコンベア(73)側にガイドすることで斜めローラ(72b)と平ベルト(72a)の間に根菜の先端部が巻き込まれ損傷することを防ぐ。また、通常人参(先細りしていない人参)等の根菜が搬送された際は、斜めローラ(72b)は平ベルト(72a)と同方向に回転させて残葉処理を行うように斜めローラ(72b)の駆動を切換可能としている。さらに、斜めローラ(72b)を空転状態となるように切換え、平ベルト(72a)の力だけで残葉処理を行うようにすることで、先細人参等の先端部が細い根菜が搬送された際にも、先端部を引き込む力が弱くなっているために根菜の先端部が巻き込まれても損傷しにくくなる。
【0063】
また、前記斜めローラ(72b)へ駆動手段であるエンジン(6)からの動力を伝達する動力伝達経路上に駆動ギアケース(85)を配置し、該駆動ギアケース(85)内に前記正逆転切換装置(98)を配置したので、動力伝達経路上の任意の位置で残葉処理ローラの正逆転切換を可能とする。
【0064】
また、前記駆動ギアケース(85)を、前記斜めローラ(72b)の軸心方向一側に配置したので、動力を伝達するスプロケット、チェーン、ギア等の部品点数を少なくできる。
【0065】
また、前記正逆転切換装置(98)は、入力された動力を伝達する第一伝達部であるチェーン減速部(120)と第二伝達部であるギア減速部(121)とを備えるとともに、該チェーン減速部(120)とギア減速部(121)の間に動力伝達を切り換える手段であるスライダ(115)を配置したので、斜めローラ(72b)の正逆転切換装置(98)として簡単かつ安価な構成とすることができる。
【0066】
また、前記残葉処理装置(72)が、引き抜き搬送装置(8)の後部下方に配置されたので、装置全体としてコンパクトに配置構成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】人参収穫用として構成された根菜収穫機の全体側面図。
【図2】同じく平面概略図。
【図3】同じく正面概略図。
【図4】根菜収穫機全体の伝動系統図。
【図5】残葉処理装置の平面図。
【図6】同じく側面図。
【図7】上下ローラを示す平面図。
【図8】図7のA−A断面図。
【図9】斜めローラ搬送面を持ち上げた状態の上下ローラを示す側面図。
【図10】駆動ギアケースの平面断面図。
【図11】上下ローラを備えない残葉処理装置の斜めローラ部分を示す側面図。
【符号の説明】
【0068】
A 車体
B 抜き上げ作業部
8 引き抜き搬送装置
72 残葉処理装置
72a 平ベルト
72b 斜めローラ
85 駆動ギアケース
95 上下ローラ
98 正逆転切換装置
115 スライダ
120 チェーン減速部
121 ギア減速部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能に構成したことを特徴とする根菜収穫機。
【請求項2】
自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能及び空転可能に構成したことを特徴とする根菜収穫機。
【請求項3】
前記残葉処理ローラへ駆動手段からの動力を伝達する動力伝達経路上に駆動ギアケースを配置し、該駆動ギアケース内に前記正逆転切換装置を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の根菜収穫機。
【請求項4】
前記駆動ギアケースを、前記残葉処理ローラの軸心方向一側に配置したことを特徴とする請求項3に記載の根菜収穫機。
【請求項5】
前記正逆転切換装置は、入力された動力を伝達する第一伝達部と第二伝達部とを備えるとともに、該第一伝達部と第二伝達部の間に動力伝達を切り換える手段を配置したことを特徴とする請求項3に記載の根菜収穫機。
【請求項6】
搬送ベルトと残葉処理ローラより構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置を配置した根菜収穫機において、前記残葉処理ローラ上流側の搬送ベルトの搬送部と非搬送部との間に上下調節可能なローラを配置したことを特徴とする請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の根菜収穫機。
【請求項7】
前記残葉処理装置が、引き抜き搬送装置の後部下方に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項6に記載の根菜収穫機。
【請求項1】
自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能に構成したことを特徴とする根菜収穫機。
【請求項2】
自走の車体上に根菜の抜き上げ作業部と葉部切断後の根菜の残葉部を処理する残葉処理装置等を備える根菜収穫機において、前記残葉処理装置の残葉処理ローラに正逆転切換装置を設け、正逆転可能及び空転可能に構成したことを特徴とする根菜収穫機。
【請求項3】
前記残葉処理ローラへ駆動手段からの動力を伝達する動力伝達経路上に駆動ギアケースを配置し、該駆動ギアケース内に前記正逆転切換装置を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の根菜収穫機。
【請求項4】
前記駆動ギアケースを、前記残葉処理ローラの軸心方向一側に配置したことを特徴とする請求項3に記載の根菜収穫機。
【請求項5】
前記正逆転切換装置は、入力された動力を伝達する第一伝達部と第二伝達部とを備えるとともに、該第一伝達部と第二伝達部の間に動力伝達を切り換える手段を配置したことを特徴とする請求項3に記載の根菜収穫機。
【請求項6】
搬送ベルトと残葉処理ローラより構成した葉部切断後の根菜の残葉処理装置を配置した根菜収穫機において、前記残葉処理ローラ上流側の搬送ベルトの搬送部と非搬送部との間に上下調節可能なローラを配置したことを特徴とする請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の根菜収穫機。
【請求項7】
前記残葉処理装置が、引き抜き搬送装置の後部下方に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項6に記載の根菜収穫機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−61502(P2008−61502A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239250(P2006−239250)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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