根菜類収穫機
【課題】
作物の茎葉部の切断位置を適正な位置で揃えることができ、茎葉部の切り残しや根部の誤切断を防止できる根菜類収穫機を提供する。
【解決手段】
作物を圃場から引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置24と、引抜搬送装置24で搬送中の作物の茎葉部を通過させながら搬送中の作物の根部の上昇を規制して高さを揃える左右の位置揃え装置54L,54Rと、左右の位置揃え装置54L,54Rで位置揃えされた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置61とを設けた根菜類収穫機において、左右の位置揃え装置54L,54Rの各々を駆動スプロケット42と従動スプロケット45に多数のリンク48aからなるチェーン48を無端状に巻回した構成とし、チェーン48のリンク48aごとにリンク48aの上面と下面と側面とを覆う断面コの字形の板体52を設けた構成する。
作物の茎葉部の切断位置を適正な位置で揃えることができ、茎葉部の切り残しや根部の誤切断を防止できる根菜類収穫機を提供する。
【解決手段】
作物を圃場から引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置24と、引抜搬送装置24で搬送中の作物の茎葉部を通過させながら搬送中の作物の根部の上昇を規制して高さを揃える左右の位置揃え装置54L,54Rと、左右の位置揃え装置54L,54Rで位置揃えされた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置61とを設けた根菜類収穫機において、左右の位置揃え装置54L,54Rの各々を駆動スプロケット42と従動スプロケット45に多数のリンク48aからなるチェーン48を無端状に巻回した構成とし、チェーン48のリンク48aごとにリンク48aの上面と下面と側面とを覆う断面コの字形の板体52を設けた構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物を圃場から引き抜き、茎葉部を切断して収穫する根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の根菜類収穫機としては、搬送中の作物の茎葉部の切断位置を揃える位置揃え装置を構成するチェーンの側面に、作物の茎葉部に接触し、茎葉部の上下移動に伴って回転するガイドローラを所定間隔を空けて取り付ける技術が存在する。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3222866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された根菜類収穫機では、チェーンとガイドローラとの間に空間部が形成されるため、この隙間に茎葉部が入り込むと左右のガイドローラが茎葉部の挟持反力で退避できなくなり、位置揃え装置の左右間を通過中の茎葉部を挟持してしまう。これによって、引抜搬送装置による茎葉部の引き上げに支障をきたし、位置揃えが円滑に行なわれなくなる。この結果、茎葉部の切断位置が適正に揃わず、作物の根部に茎葉部が残ってしまい、後工程でこの茎葉部を取り除かねばならず、作業能率が低下してしまうという問題が生じる。
【0005】
また、茎葉部の切断位置が適正に揃わず、作物の根部を切断してしまい、商品価値を低下させてしまうという問題が生じる。
本発明は、これらの問題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、作物を圃場から引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置(24)と、該引抜搬送装置(24)で搬送中の作物の茎葉部を通過させながら該搬送中の作物の根部の上昇を規制して高さを揃える左右の位置揃え装置(54L,54R)と、該左右の位置揃え装置(54L,54R)で位置揃えされた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置(61)とを設けた根菜類収穫機において、前記左右の位置揃え装置(54L,54R)の各々を駆動スプロケット(42)と従動スプロケット(45)に多数のリンク(48a)からなるチェーン(48)を無端状に巻回した構成とし、該チェーン(48)のリンク(48a)ごとに該リンク(48a)の上面と下面と側面とを覆う断面コの字形の板体(52)を設けたことを特徴とする根菜類収穫機とした。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記板体(52)をリンク(48a)に対して着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
請求項3記載の発明は、前記左右の従動スプロケット(45)を搬送方向上手側に設け、該左右の従動スプロケット(45)の左右方向の間隔を調節可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、チェーン(48)を構成するリンク(48a)の上面と下面と側面とを断面コの字形の板体(52)で覆うことにより、作物の茎葉部や根部がチェーン(48)に直接接触することを防止でき、作物が傷付くことがなく、商品価値が向上する。
【0009】
そして、各リンク(48a)を断面コの字形の板体(52)で覆うことにより、チェーン(48)と板体(52)との間に空間部が生じないため、チェーン(48)と板体(52)との間に作物の茎葉部を噛み込んで位置揃え装置(54L,54R)が停止することを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く作業が必要なくなり、作業能率が向上する。
【0010】
また、チェーン(48)と板体(52)との間に作物の茎葉部が入り込まないので、この茎葉部が板体(52)を押圧することがなく、左右の位置揃え装置(54L,54R)が作物の茎葉部を挟持することが防止され、茎葉部の切断位置を適正な位置に揃えることができ、切り残された茎葉部を後工程で取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、作物の根部が切断されるのを防止でき、商品価値が向上する。
【0011】
さらに、位置揃え装置(54L,54R)を駆動スプロケット(42)と従動スプロケット(45)とにチェーン(48)を無端状に巻回して構成したことにより、作物の茎葉部に付着した水気や泥土によるチェーン(48)の滑りが生じないので、作物の位置揃えを適正に行ない茎葉部の切断位置を揃えることができ、切り残された茎葉部を後工程で切除する作業が不要となり、作業能率が向上するとともに、作物の根部が誤って切断されることが防止され、商品価値が向上する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、板体(52)をリンク(48a)に対して着脱自在に取り付けたことにより、板体(52)の一部が破損したり劣化した場合、不要となった板体(52)だけを交換することができ、部品交換が容易になり、メンテナンス性が向上する。
【0013】
また、不要となった板体(52)をリンク(48a)から直接取り外して交換することができるので、板体(52)の交換のために他の部品を外す必要がなく、メンテナンス性が向上する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、左右の従動スプロケット(45)を搬送方向に対して左右方向に位置調節自在に設けたことにより、作物の茎葉部の大きさに合わせて従動スプロケット(45)の左右の間隔を調節することができ、作物の茎葉部が位置揃え装置(54L,54R)に確実に進入するので確実に茎葉切断装置(61)で茎葉部が切断されるため、後工程で根部に残った茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】根菜類収穫機の側面図
【図2】根菜類収穫機の平面図
【図3】根菜類収穫機の要部側面図
【図4】根菜類収穫機の要部平面図
【図5】根菜類収穫機の位置揃え装置の平面図
【図6】根菜類収穫機の位置揃え体の側面図
【図7】(a) 位置揃えカバーの側面図 (b) 位置揃えカバーの平面図 (c) 位置揃えカバーの正面図
【図8】選別搬送部の側面図
【図9】位置揃え装置の別実施例の平面図
【図10】位置揃え装置の別実施例2の平面図
【図11】位置揃え装置の別実施例3の平面図
【図12】位置揃え装置の別実施例4の平面図
【図13】位置揃え装置の別実施例5の平面図
【図14】根菜類収穫機の引起し装置周辺の要部拡大図
【図15】茎葉切断装置の別実施例の正面図
【図16】茎葉切断装置の別実施例の平面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図8に示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Cと、該収穫部Cから人参を引き継いで機体後方に搬送しながら茎葉部を切断する茎葉切断部Dと、茎葉切断部Dから落下する人参を受けて人参に残った茎葉部を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Eと、該引継搬送部Eから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Fと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Gとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【0017】
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1、図2で示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送するとともに茎葉部を切断して人参の根部を収穫する収穫部Cと、該収穫部Cの後部から落下した人参を受けて残葉を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Dと、該引継搬送部Dから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Eと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Fとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【0018】
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1、図2で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
【0019】
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1、図2で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
【0020】
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
【0021】
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1、図2で示すように、左右引抜フレーム15,15の機体前側に左右従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ17,17を装着し、該左右従動プーリ16,16と左右駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20を取り付け、該回動フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
【0022】
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26と、該横引起し装置26の前部に設ける分草杆27と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31と、前記エンジン7の駆動力で回転するシャフト32の回転によって振動する振動フレーム33に取り付けた人参の左右の土を振動によって解す左右振動ソイラ34,34とを設ける。
【0023】
そして、前記引抜搬送通路Rの下方に引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根を切断する尻尾切装置35を取り付けて、収穫部Cを構成する。
上記構成により、機体前側に分草杆27を備える横引起し装置26と、縦引起し装置25を設けることによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
【0024】
また、人参に左右振動ソイラ34,34等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
そして、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
【0025】
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、昇降シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
【0026】
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
次に、茎葉切断部Dについて説明する。
【0027】
図1〜図7(a),(b),(c)で示すように、前記伝動ケース22に駆動力を伝道する左右の伝動軸36,36を取り付け、該左右の伝動軸36,36の上部に左右伝動ケース37,37を取り付けると共に、該左右の伝動ケース37,37内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右の第1ギアユニット38,38を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース22内部の左右の伝動軸36,36に左右の第2ギアユニット39,39を機体後側に向かって取り付け、該左右の第2ギアユニット39,39の後端部に左右の第1出力軸40,40を機体上方に向けて軸着する。
【0028】
そして、前記の左右第1ギアユニット38,38の前端部に左右の第2出力軸41,41を機体下方に向けて軸着し、該左右の第2出力軸41,41に左右の位置揃え駆動スプロケット42,42を軸着する。さらに、前記左右伝動ケース37,37の前下部に側面視L字型の左右の位置揃えフレーム43,43を取り付け、該位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、該孔部44,44に左右の位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した左右回転軸46,46を取り付ける。また、該位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃え駆動スプロケット42,42との前後間で且つ位置揃え駆動スプロケット42,42よりも機体内側位置に左右の位置揃えテンションスプロケット47,47を回転自在に取り付ける。さらに、該位置揃えテンションスプロケット47,47と位置揃え駆動スプロケット42,42と位置揃え従動スプロケット45,45とに左右の位置揃えチェーン48,48を無端状に巻回する。
【0029】
なお、前記位置揃え駆動スプロケット42,42は、位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径のものを用いてもよい。
そして、前記伝動ケース37,37に左右の受け板49,49を前後方向に位置調節可能に取り付け、該受け板49,49と位置揃えフレーム43,43との間に、前記位置揃え従動スプロケット45,45を張圧して位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させる左右の張圧バネ50,50を取り付ける。該張圧バネ50,50は、受け板49,49を前後に移動させることにより、位置揃え従動スプロケット47,47にかかる張圧力を変更することができ、人参の種類や生育状態、茎葉部の平均的な太さに応じて変更することで、様々な作業条件に対応することができる。
【0030】
また、前記左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成、該孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45の回転軸46,46を貫通させて設けたことにより、位置揃え従動スプロケット45,45を左右方向に移動させて位置調節することができるので、非作業時及び茎葉部が通過中でない、あるいは径の小さい茎葉部が通過する際は、位置揃え従動スプロケット47,47は張圧バネ50,50に押圧されて前側で且つ機体内側方向に向かって押圧され、大径の茎葉部が通過する際には位置揃え従動スプロケット47,47は機体外側方向に向かって押圧される構成となり、大径の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く作業能率が向上する。
【0031】
加えて、位置揃え装置54L,54Rの搬送始端側から搬送終端側までの左右間隔が、大径の茎葉部が通過して負荷がかかったときのみ略直線状となるので、それ以外の場合には位置揃え装置の左右間隔を搬送始端側から搬送終端側に向かって広がる構成となり、位置揃え装置54L,54Rの左右間隔を通過する人参が左右方向にふらつくことを防止でき、人参の茎葉部の切断位置揃えが適正に行なわれる。
【0032】
さらに、大径の茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間を通過できず、人参の茎葉部の切断位置が上がり過ぎ、根部に茎葉部が残ることを防止でき、後処理でこの茎葉部を取り除く作業が不要となり、作業能率が向上すると共に、人参が持ち上げられ過ぎ、根部を後述する茎葉切断装置61に切断されてしまうことを防止できるので、人参が傷付くことが無く、商品価値が向上する。
【0033】
そして、前記位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンク48a…に、位置揃えチェーン48,48の上部と下部と茎葉部の接触面を覆う正面視コの字型のガイドカバー51…を取り付け、位置揃えガイド体52を構成する。
【0034】
なお、図5、図7で示すように、該ガイドカバー51…は、平面視において前後一側方を凸状のR部51a、前後他側方を凹状のR部51bを形成し、茎葉部との接触面に前後他側方に、後続のガイドカバー51の前後一側方の凸状のR部51a上に向かって突出する突出部51cを形成する。直線部では前方のガイドカバー51の凹状のR部51bに後続のガイドカバー51の凸状のR部51aが入り込み、この後続の凸状のR部を前方の突出部51cが覆うことによって、ガイドカバー51同士の間隔部を覆うことができるので、ガイドカバー51同士の間隔部に人参の茎葉部が噛み込まれることが防止され、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0035】
また、ガイドカバー51は凸状のR部51aと凹状のR部51bを有し、リンク48aに1つずつ取り付けられていることにより、ガイドカバー51同士は干渉し合うことが無く位置揃えチェーン48,48の移動に追従することができるので、位置揃え装置54L,54Rの移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
【0036】
加えて、位置揃えチェーン48,48が円弧軌跡で移動する際、突出部51cを有することにより、ガイドカバー51同士の間に大きな間隔部が生じないため、この間隔部に人参の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0037】
なお、位置揃えガイド体52は、複数のガイドカバー51…ではなく、位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う、断面形状コの字型としてもよい。
そして、前記位置揃えチェーン48,48の巻回域内で且つ位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃えテンションスプロケット47,47との間に、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から茎葉部接触面に向かって押圧する左右のテンションプレート53L,53Rを機体左右方向に位置調節自在に取り付けることにより、左右の位置揃え装置54L,54Rが引抜搬送装置24の搬送方向後側の下方位置に構成される。
【0038】
該テンションプレート53L,53Rは、前記伝動ケース37,37に長穴を形成して取付軸53a,53aをボルト等着脱可能な部材で位置調節に取り付け、該取付軸53a,53aの端部に板体53b,53bを溶着して構成する。
【0039】
なお、テンションプレート53L,53Rは、左右の位置揃え装置54L,54Rに略平行位置に設けてもよいが、図5で示すように、機体外側の位置揃え装置53Rの前側にテンションプレート52Rを設ける場合、機体内側の位置揃え装置53Lのテンションプレート52Lは位置揃え装置53Rのテンションプレート52Rよりも機体後側に設けると、大径の茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間を通過する際、テンションプレート52Lまたはテンションプレート52Rの無い側に位置揃えチェーン48及び位置揃えガイド体52が移動するので、人参の茎葉部の径が大きくても位置揃え装置54L,54Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
【0040】
加えて、テンションプレート53L,53Rの張力は、前記張圧バネ50,50の張力よりも弱く設定すると、大径の茎葉部が通過して負荷がかかると位置揃えチェーン48,48が適正な位置まで撓んで退避することができ、54L,54Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
【0041】
そして、前記位置揃え駆動スプロケット42,42の近傍で且つ位置揃えガイド体52,52の外側位置で伝動ケース37,37に長穴を形成し、この長穴に位置揃えガイド体52,52の表面に付着した茎葉部の切れ端や泥等を落とす左右のスクレーパ55,55を位置揃えガイド体52,52の軌跡に沿って位置調節時際に取り付ける。
【0042】
なお、スクレーパ55,55は、後下り傾斜姿勢で配置することにより、茎葉部の切れ端や泥を下方に落下させやすくなる。
そして、前記左右第1ギアユニット38,38の位置揃え装置54L,54Rの後方位置に左右の切断刃回転軸56,56を軸着し、該切断刃回転軸56,56に左右のベアリング57,57を回転自在に取り付ける。そして、前記左右のベアリング57,57に左右の支持プレート59,59を取り付け、該支持プレート59,59に左右の茎葉切断刃60,60を取り付けて、茎葉切断装置61が構成される。
【0043】
また、前記左右第1出力軸40,40に左右茎葉搬送駆動プーリ62,62を軸着し、前記左右第1ギアユニット38,38よりも機体前側で且つ位置揃え装置54L,54Rの上方に左右茎葉搬送従動プーリ63,63を回転自在に取り付ける。そして、該左右茎葉搬送駆動プーリ62,62と左右茎葉搬送従動プーリ63,63とに左右排葉搬送ベルト64,64を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置65が、前記左右の伝動ケース37,37の上部外周で且つ引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に構成される。
【0044】
さらに、前記左右第1出力軸40,40の上端部に左右残葉搬送駆動プーリ66,66を軸着し、前記伝動ケース37,37の上方に左右残葉搬送従動プーリ67,67を回転自在に取り付けるとともに、該左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67との前後間に複数の左右の残葉搬送テンションプーリ68,68…を取り付ける。そして、前記左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67と左右残葉搬送テンションプーリ68,68…とに左右残葉搬送ベルト69,69を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置70が、前記排葉搬送装置65の上方に構成される。
【0045】
上記排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の終端部から茎葉切断装置61によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉シュータ71を設けて、茎葉切断部Dを構成する。
上記構成により、左右の位置揃え駆動スプロケット42,42が、茎葉部が通過する位置揃え装置54L,54Rの左右間隔部から離間する位置に配置されることにより、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付いて位置揃え装置54L,54Rを停止させてしまうことを防止できるので、収穫作業が中断されず、作業能率が向上する。
【0046】
また、位置揃え駆動スプロケット42,42を位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径としたことにより、位置揃え駆動スプロケット42,42がいっそう位置揃え装置54L,54Rの左右間隔部から離間するので、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付くことをいっそう防止でき、作業能率がさらに向上する。
【0047】
そして、位置揃え従動スプロケット45,45を張圧する左右の張圧バネ50,50を設けたことにより、位置揃え装置54L,54Rに茎葉部が接触する際に左右の位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させることができ、位置揃えチェーン48,48がすぐに張り状態に戻るため、径の異なる茎葉部が連続して通過するときでも位置揃え装置54L,54Rが確実に人参の茎葉部を受けることができ、人参の茎葉部の切断位置が適正に揃えられて茎葉部が適正に切断され、後工程で茎葉部を除去する必要が無く、作業能率が向上する。
【0048】
また、左右の受け板49,49を前後方向に移動させることで張圧バネ50,50の張力が調節されることにより、人参の生育状況や品種による茎葉部の径の差異、あるいは天候や土質等、作業場所の作業条件に合わせて張力を適正に変更できるので、人参の茎葉切断位置の位置揃えを適正に行い茎葉部を確実に切断することにより、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0049】
さらに、左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、この孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した回転軸46,46を移動自在に設けたことにより、負荷がかからない状態では、張圧バネ50,50に張圧された位置揃え従動スプロケット45,45は茎葉部の搬送経路寄りに移動するので、小径の茎葉部が通過する際に位置揃え装置54L,54Rが茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0050】
また、大径の茎葉部が通過する際、左右の位置揃え装置54L,54Rに大きな負荷がかかると、位置揃え従動スプロケット45,45は孔部44,44に沿って茎葉部の移動経路から離間する方向に移動するので、位置揃え装置54L,54Rの前側の左右間隔が広くなり、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの間隔部に噛み込まれることを防止でき、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0051】
なお、人参の茎葉部が須らく大径であることが収穫作業前にわかっている場合には、位置揃え従動スプロケット45,45を左右の位置揃え装置54L,54Rの左右間から離間する方向に移動させ、位置揃え装置54L,54Rの搬送方向上手側の左右間隔を広くしておくと、位置揃え装置54L,54Rが茎葉部を噛み込むことを防止でき、噛み込んだ茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
【0052】
そして、位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンク48a…毎にガイドカバー51…を取り付けて位置揃えガイド体52を構成したことにより、任意の箇所のガイドカバー51を自在に着脱できるので、一部のガイドカバー51が損傷しても、新しいガイドカバー51に取り替えるだけで適正な位置揃え性能が維持され、茎葉部が適正に切断されるので、作業能率が向上する。
【0053】
また、位置揃えガイド体52全体を取り替える必要がないので、コストダウンを図ることができる。
さらに、ガイドカバー51の着脱は、工具を必要とせず手作業で行なえるので、交換作業を容易に行なうことができる。
【0054】
そして、ガイドカバー51が位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う正面視コの字形状としたことにより、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間に空間部が生じないので、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
【0055】
また、ガイドカバー51に凸上のR部51aと凹状のR部51bとを形成し、後続のガイドカバー51の凸状のR部51aを前側のガイドカバー51の凹状のR部51bに近接させて位置揃えチェーン48に取り付けることにより、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイドカバー51…は追従して移動できるので、位置揃え装置54L,54Rは一定の周速で動作するため、茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0056】
さらに、凸状のR部51a上に向かって突出する突出部51cを設けたことにより、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイドカバー51…同士の前後間に生じる空間部をこの突出部51cが覆うため、ガイドカバー51…同士の前後間の空間部で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
【0057】
そして、位置揃えチェーン48,48の巻回域内に左右のテンションプレート53L,53Rを設けたことにより、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から押圧するため、大径の茎葉部が通過する際、テンションプレート53Lまたはテンションプレート53Rが押圧していない部分の位置揃えチェーン48,48は位置揃え駆動スプロケット42,42の方向へ退避できるので、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間に噛み込まれることが無く、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0058】
また、位置揃え駆動スプロケット42,42の外周を移動する位置揃えガイド体52,52に付着した茎葉部の破片や泥等の夾雑物を擦り落とす左右のスクレーパ55,55を設けたことによって、茎葉部の移動経路から離れて位置で位置揃えガイド体52,52に付着した夾雑物を除去することができるので、茎葉部の破片が位置揃え装置54L,54Rの各部に絡み付くことが防止され、機体を止めて絡み付いた茎葉部の破片を取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、泥の塊が人参の根部を傷つけることが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0059】
さらに、スクレーパ55,55は長穴に沿って取り付け位置を変更することができるので、収穫作業を行う圃場の人参の茎葉部の径の平均に合わせて最適な位置にスクレーパ55,55を設定し、確実に茎葉部の破片や泥等の夾雑物を位置揃えガイド体52,52から除去することにより、上記の効果がさらに向上する。
【0060】
そして、茎葉切断装置61で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉シュータ71が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト19,19や左右従動プーリ17,17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
【0061】
次に、引継搬送部Eについて説明する。
図2で示すように、前記茎葉切断装置61の下方に前後残葉処理フレーム72,72を設け、該前後残葉処理フレーム72,72の左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ73,73を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ73,73にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト74を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト74の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト74と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ75を取り付けて、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア76を構成する。
【0062】
また、該残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置61よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台77を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台77よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ78を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ79を設ける。そして、前記残葉処理コンベア76よりも機体前側で且つ残葉処理コンベア76に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ78と汲上搬送従動ローラ79とに汲上搬送ベルト80を無端状に巻回して、前記残葉処理コンベア76と受け台77とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア81が構成される。
【0063】
前記残葉処理コンベア76と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア81とから、汲上搬送部Eが構成される。
上記構成により、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ローラ75が、茎葉切断装置61で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア81に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
【0064】
また、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ベルト74をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置61で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト74が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
【0065】
そして、残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台77を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置61よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア81に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置61よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
【0066】
次に、選別搬送部Fについて説明する。
図2、図8で示すように、操縦部Bの後部に左右の選別搬送フレーム82,82を取り付け、該左右の選別搬送フレーム82,82の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ83を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ83よりも機体後側に選別搬送従動ローラ84を回転自在に取り付ける。また、前記選別搬送駆動ローラ83と選別搬送従動ローラ84との間に選別搬送テンションローラ85を回転自在に取り付ける。そして、前記選別搬送駆動ローラ83と選別搬送従動ローラ84と選別搬送テンションローラ85とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト86を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア87が構成される。さらに、該選別搬送コンベア97を始端部が汲上搬送部Eの汲上搬送コンベア81の終端下方に位置するように配置する。
【0067】
また、前記選別搬送従動ローラ84の回転軸にシュータ88を上下回動自在に取り付け、該シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けることによって、選別搬送部Fが構成される。
【0068】
上記のように、シュータ88を上下回動自在に設けたことによって、シュータ88を下方回動させると人参を後述する収容部Gに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器92に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0069】
また、シュータ88を上方に回動させると、選別搬送コンベア87の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア87を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア87の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0070】
また、シュータ88を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア87を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア87の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア77の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア87の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
【0071】
さらに、シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席97に座ったままシュータ88を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
【0072】
次に、収容部Gについて説明する。
図1、図2、図6で示すように、前記左右選別搬送フレーム82,82の下部に左右支持フレーム90,90を設け、該左右支持フレーム90,90に伸縮自在なダンパ91の一端を取り付ける。そして、左右選別搬送フレーム82,82の後下部に人参を収容するコンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器92を設置する収容容器置台93を上下回動自在に且つ上り傾斜姿勢に取り付けると共に、該収容容器置台93にダンパ91の他端を取り付ける。
【0073】
また、該収容容器置台93の後端部に予備の収容容器92を設置する予備収容容器置台94を上下回動自在で且つ上り傾斜姿勢で取り付ける。さらに、前記収容容器置台93や選別搬送コンベア87や右クローラ6Rよりも機体左右他側に機体前後方向に長い人参を収容した収容容器92を積載する収容容器積載台93を機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。
【0074】
そして、該収容容器積載台93の機体外側に、収容容器積載台93の上方を越えて且つ選別搬送コンベア87に向けて屈曲させた支持フレーム96を取り付け、該支持フレーム96の上に補助作業者が着座する補助作業座席97を取り付ける。そして、前記収容容器積載台93の後部に予備の収容容器92を設置する第2予備収容容器置台98を取り付けて、収容部Gが構成される。
【0075】
上記のように、上り傾斜姿勢に設けられた収容容器置台93に伸縮自在なダンパ91の他端を取り付けていることによって、収容容器92に人参が収容されて重くなるにつれて収容容器置台93が下降するため、人参が収容容器92の一部に偏って投入されることが防止されるので、収容容器92の交換の頻度が減少し、作業者の労力が軽減される。
【0076】
また、収容容器置台93の後部に予備の収容容器92を設置する予備収容容器置台93を設けたことによって、人参が満載された収容容器92が収容容器置台93から取り除かれるとダンパ91が伸びて収容容器置台93が上り傾斜姿勢に戻り、予備収容容器置台94に設置されている収容容器93が収容容器置台93に滑り落ちて設置されるので、収容容器92を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
【0077】
そして、機体左右外側に収容容器積載台95を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台95を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
【0078】
さらに、収容容器積載台95の上方を越えて且つ選別搬送コンベア87に向けて屈曲させた支持フレーム96上に補助作業座席97を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア87に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器92が収容容器積載台95上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
【0079】
また、収容容器積載台95の後部に第2予備収容容器置台98を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器92を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
【0080】
以下、本件人参の収穫機の別実施例を説明する。
図9で示すように、ガイドカバー51…よりも左右方向に短い短接触カバー51sを、ガイドカバー51…数個につき1個の割合で等間隔を空けて配置し、部分的に高低差を持たせる構成としてもよい。
【0081】
上記構成により、茎葉部がガイドカバー51の間の空間部に入り込むので、位置揃え装置54L,54Rは位置揃えを行ないながら茎葉部を搬送方向下手側へ搬送することができるので、茎葉部が左右方向に逃げることが防止され、排葉搬送装置65及び残葉搬送装置70に茎葉部が確実に引き継ぎ挟持されて茎葉切断装置61で茎葉部を確実に切断することができ、後工程で茎葉部を手作業で除去する必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0082】
なお、ガイドカバー51…を、複数個につき1つの割合で除外しても、上記効果と略同様の効果が得られる。
図10で示すように、リンク48aに取り付けるガイドカバー51に長穴を設け、この長穴とガイドカバー51の内側面との間に張圧スプリング99を取り付ける構成としてもよい。
【0083】
上記構成により、ガイドカバー51が茎葉部から受ける圧力に応じて別個に移動できるので、茎葉部を位置揃えしながら搬送方向下手側へ搬送することができ、茎葉部を茎葉切断装置61で確実に切断することができる。
【0084】
図11で示すように、左右の位置揃え駆動スプロケット42,42に、外周部に向かって下り傾斜する注油溝42dを複数形成してもよい。
上記構成によれば、注油溝42dに潤滑油を注油して位置揃えチェーン48,48を移動させると、注油溝42dから位置揃えチェーン48,48に潤滑油が塗布されるので、周囲の部材を潤滑油で汚すことなく注油することができるので、メンテナンス性が向上する。
【0085】
図12で示すように、平面視W字形状となる、前後の押圧凸部100a,100bを形成した左右のテンションプレート100L,100Rを、左右の位置揃えチェーン48,48の巻回域内に該押圧凸部100a,100bが接触するように配置する構成としてもよい。
【0086】
上記構成により、位置揃えチェーン48,48が茎葉部の移動経路に向かって凹凸を有するため、凸部に接触した茎葉部は凹部に移動することができ、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間に噛み込まれることが防止され、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0087】
なお、左右のテンションプレート100L,100Rは、互いの押圧凸部100a,100bを前後方向に移送をずらして千鳥配置とすると、左右一側の位置揃えチェーン48に圧力がかかっても、左右他側の位置揃えチェーン48が退避移動できるので、茎葉部がいっそう位置揃え装置54L,54Rの左右間に噛み込まれることがなく、機体を停止させて茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0088】
また、図13で示すように、左右の位置揃え従動スプロケット45,45の回転軸の下部に、位置揃え従動スプロケット45,45よりも大径のディスク101,101を軸着する構成としてもよい。
【0089】
上記構成により、位置揃え装置54L,54Rの搬送始端部側でディスク101,101が回転していることによって、位置揃え装置54L,54Rの搬送始端部側で茎葉部が位置揃え搬送体52,52に接近してもディスク101,101に弾かれるので、ガイドカバー51…同士の間の間隔部に茎葉部が入り込んで挟まれることを防止でき、人参の位置揃えが適正に行なわれ、作業能率が向上する。
【0090】
図14で示すように、引抜搬送装置24を構成する左右の従動プーリ16,16の回転軸の下部に、下側に向かうにつれて小径となる左右の螺旋体102,102を取り付けてもよい。
【0091】
上記構成によれば、螺旋体102,102が回転することにより、圃場に垂れている人参の垂れ葉を巻き付けて持ち上げて引抜搬送装置24に挟持させることができるので、茎葉切断装置61で切断できない残葉が減り、根部に残った茎葉部を後工程で除去する必要が無くなり、作業能率が向上する。
【0092】
図15、図16で示すように、茎葉切断装置61を構成する左右の茎葉切断刃60,60の下方に、該茎葉切断刃60,60よりも大径の左右のスターホイル103,103を取り付ける構成としてもよい。
【0093】
上記構成によれば、スターホイル103,103の外周縁部の突起が、茎葉切断刃60,60に切断される前に垂れ葉を掬い上げて茎葉切断刃60,60に接触させるので、茎葉切断刃60,60で茎葉部を切断することができ、根部に残葉が残りにくく、後工程で残葉を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
【符号の説明】
【0094】
24 引抜搬送装置
42 位置揃え駆動スプロケット(駆動スプロケット)
45 位置揃え従動スプロケット(従動スプロケット)
48 位置揃えチェーン
52 位置揃えガイド体(板体)
54L 位置揃え装置
54R 位置揃え装置
61 茎葉切断装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物を圃場から引き抜き、茎葉部を切断して収穫する根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の根菜類収穫機としては、搬送中の作物の茎葉部の切断位置を揃える位置揃え装置を構成するチェーンの側面に、作物の茎葉部に接触し、茎葉部の上下移動に伴って回転するガイドローラを所定間隔を空けて取り付ける技術が存在する。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3222866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された根菜類収穫機では、チェーンとガイドローラとの間に空間部が形成されるため、この隙間に茎葉部が入り込むと左右のガイドローラが茎葉部の挟持反力で退避できなくなり、位置揃え装置の左右間を通過中の茎葉部を挟持してしまう。これによって、引抜搬送装置による茎葉部の引き上げに支障をきたし、位置揃えが円滑に行なわれなくなる。この結果、茎葉部の切断位置が適正に揃わず、作物の根部に茎葉部が残ってしまい、後工程でこの茎葉部を取り除かねばならず、作業能率が低下してしまうという問題が生じる。
【0005】
また、茎葉部の切断位置が適正に揃わず、作物の根部を切断してしまい、商品価値を低下させてしまうという問題が生じる。
本発明は、これらの問題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、作物を圃場から引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置(24)と、該引抜搬送装置(24)で搬送中の作物の茎葉部を通過させながら該搬送中の作物の根部の上昇を規制して高さを揃える左右の位置揃え装置(54L,54R)と、該左右の位置揃え装置(54L,54R)で位置揃えされた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置(61)とを設けた根菜類収穫機において、前記左右の位置揃え装置(54L,54R)の各々を駆動スプロケット(42)と従動スプロケット(45)に多数のリンク(48a)からなるチェーン(48)を無端状に巻回した構成とし、該チェーン(48)のリンク(48a)ごとに該リンク(48a)の上面と下面と側面とを覆う断面コの字形の板体(52)を設けたことを特徴とする根菜類収穫機とした。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記板体(52)をリンク(48a)に対して着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
請求項3記載の発明は、前記左右の従動スプロケット(45)を搬送方向上手側に設け、該左右の従動スプロケット(45)の左右方向の間隔を調節可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、チェーン(48)を構成するリンク(48a)の上面と下面と側面とを断面コの字形の板体(52)で覆うことにより、作物の茎葉部や根部がチェーン(48)に直接接触することを防止でき、作物が傷付くことがなく、商品価値が向上する。
【0009】
そして、各リンク(48a)を断面コの字形の板体(52)で覆うことにより、チェーン(48)と板体(52)との間に空間部が生じないため、チェーン(48)と板体(52)との間に作物の茎葉部を噛み込んで位置揃え装置(54L,54R)が停止することを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く作業が必要なくなり、作業能率が向上する。
【0010】
また、チェーン(48)と板体(52)との間に作物の茎葉部が入り込まないので、この茎葉部が板体(52)を押圧することがなく、左右の位置揃え装置(54L,54R)が作物の茎葉部を挟持することが防止され、茎葉部の切断位置を適正な位置に揃えることができ、切り残された茎葉部を後工程で取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、作物の根部が切断されるのを防止でき、商品価値が向上する。
【0011】
さらに、位置揃え装置(54L,54R)を駆動スプロケット(42)と従動スプロケット(45)とにチェーン(48)を無端状に巻回して構成したことにより、作物の茎葉部に付着した水気や泥土によるチェーン(48)の滑りが生じないので、作物の位置揃えを適正に行ない茎葉部の切断位置を揃えることができ、切り残された茎葉部を後工程で切除する作業が不要となり、作業能率が向上するとともに、作物の根部が誤って切断されることが防止され、商品価値が向上する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、板体(52)をリンク(48a)に対して着脱自在に取り付けたことにより、板体(52)の一部が破損したり劣化した場合、不要となった板体(52)だけを交換することができ、部品交換が容易になり、メンテナンス性が向上する。
【0013】
また、不要となった板体(52)をリンク(48a)から直接取り外して交換することができるので、板体(52)の交換のために他の部品を外す必要がなく、メンテナンス性が向上する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、左右の従動スプロケット(45)を搬送方向に対して左右方向に位置調節自在に設けたことにより、作物の茎葉部の大きさに合わせて従動スプロケット(45)の左右の間隔を調節することができ、作物の茎葉部が位置揃え装置(54L,54R)に確実に進入するので確実に茎葉切断装置(61)で茎葉部が切断されるため、後工程で根部に残った茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】根菜類収穫機の側面図
【図2】根菜類収穫機の平面図
【図3】根菜類収穫機の要部側面図
【図4】根菜類収穫機の要部平面図
【図5】根菜類収穫機の位置揃え装置の平面図
【図6】根菜類収穫機の位置揃え体の側面図
【図7】(a) 位置揃えカバーの側面図 (b) 位置揃えカバーの平面図 (c) 位置揃えカバーの正面図
【図8】選別搬送部の側面図
【図9】位置揃え装置の別実施例の平面図
【図10】位置揃え装置の別実施例2の平面図
【図11】位置揃え装置の別実施例3の平面図
【図12】位置揃え装置の別実施例4の平面図
【図13】位置揃え装置の別実施例5の平面図
【図14】根菜類収穫機の引起し装置周辺の要部拡大図
【図15】茎葉切断装置の別実施例の正面図
【図16】茎葉切断装置の別実施例の平面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図8に示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Cと、該収穫部Cから人参を引き継いで機体後方に搬送しながら茎葉部を切断する茎葉切断部Dと、茎葉切断部Dから落下する人参を受けて人参に残った茎葉部を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Eと、該引継搬送部Eから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Fと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Gとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【0017】
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1、図2で示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送するとともに茎葉部を切断して人参の根部を収穫する収穫部Cと、該収穫部Cの後部から落下した人参を受けて残葉を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Dと、該引継搬送部Dから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Eと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Fとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【0018】
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1、図2で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
【0019】
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1、図2で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
【0020】
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
【0021】
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1、図2で示すように、左右引抜フレーム15,15の機体前側に左右従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ17,17を装着し、該左右従動プーリ16,16と左右駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20を取り付け、該回動フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
【0022】
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26と、該横引起し装置26の前部に設ける分草杆27と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31と、前記エンジン7の駆動力で回転するシャフト32の回転によって振動する振動フレーム33に取り付けた人参の左右の土を振動によって解す左右振動ソイラ34,34とを設ける。
【0023】
そして、前記引抜搬送通路Rの下方に引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根を切断する尻尾切装置35を取り付けて、収穫部Cを構成する。
上記構成により、機体前側に分草杆27を備える横引起し装置26と、縦引起し装置25を設けることによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
【0024】
また、人参に左右振動ソイラ34,34等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
そして、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
【0025】
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、昇降シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
【0026】
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
次に、茎葉切断部Dについて説明する。
【0027】
図1〜図7(a),(b),(c)で示すように、前記伝動ケース22に駆動力を伝道する左右の伝動軸36,36を取り付け、該左右の伝動軸36,36の上部に左右伝動ケース37,37を取り付けると共に、該左右の伝動ケース37,37内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右の第1ギアユニット38,38を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース22内部の左右の伝動軸36,36に左右の第2ギアユニット39,39を機体後側に向かって取り付け、該左右の第2ギアユニット39,39の後端部に左右の第1出力軸40,40を機体上方に向けて軸着する。
【0028】
そして、前記の左右第1ギアユニット38,38の前端部に左右の第2出力軸41,41を機体下方に向けて軸着し、該左右の第2出力軸41,41に左右の位置揃え駆動スプロケット42,42を軸着する。さらに、前記左右伝動ケース37,37の前下部に側面視L字型の左右の位置揃えフレーム43,43を取り付け、該位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、該孔部44,44に左右の位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した左右回転軸46,46を取り付ける。また、該位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃え駆動スプロケット42,42との前後間で且つ位置揃え駆動スプロケット42,42よりも機体内側位置に左右の位置揃えテンションスプロケット47,47を回転自在に取り付ける。さらに、該位置揃えテンションスプロケット47,47と位置揃え駆動スプロケット42,42と位置揃え従動スプロケット45,45とに左右の位置揃えチェーン48,48を無端状に巻回する。
【0029】
なお、前記位置揃え駆動スプロケット42,42は、位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径のものを用いてもよい。
そして、前記伝動ケース37,37に左右の受け板49,49を前後方向に位置調節可能に取り付け、該受け板49,49と位置揃えフレーム43,43との間に、前記位置揃え従動スプロケット45,45を張圧して位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させる左右の張圧バネ50,50を取り付ける。該張圧バネ50,50は、受け板49,49を前後に移動させることにより、位置揃え従動スプロケット47,47にかかる張圧力を変更することができ、人参の種類や生育状態、茎葉部の平均的な太さに応じて変更することで、様々な作業条件に対応することができる。
【0030】
また、前記左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成、該孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45の回転軸46,46を貫通させて設けたことにより、位置揃え従動スプロケット45,45を左右方向に移動させて位置調節することができるので、非作業時及び茎葉部が通過中でない、あるいは径の小さい茎葉部が通過する際は、位置揃え従動スプロケット47,47は張圧バネ50,50に押圧されて前側で且つ機体内側方向に向かって押圧され、大径の茎葉部が通過する際には位置揃え従動スプロケット47,47は機体外側方向に向かって押圧される構成となり、大径の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く作業能率が向上する。
【0031】
加えて、位置揃え装置54L,54Rの搬送始端側から搬送終端側までの左右間隔が、大径の茎葉部が通過して負荷がかかったときのみ略直線状となるので、それ以外の場合には位置揃え装置の左右間隔を搬送始端側から搬送終端側に向かって広がる構成となり、位置揃え装置54L,54Rの左右間隔を通過する人参が左右方向にふらつくことを防止でき、人参の茎葉部の切断位置揃えが適正に行なわれる。
【0032】
さらに、大径の茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間を通過できず、人参の茎葉部の切断位置が上がり過ぎ、根部に茎葉部が残ることを防止でき、後処理でこの茎葉部を取り除く作業が不要となり、作業能率が向上すると共に、人参が持ち上げられ過ぎ、根部を後述する茎葉切断装置61に切断されてしまうことを防止できるので、人参が傷付くことが無く、商品価値が向上する。
【0033】
そして、前記位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンク48a…に、位置揃えチェーン48,48の上部と下部と茎葉部の接触面を覆う正面視コの字型のガイドカバー51…を取り付け、位置揃えガイド体52を構成する。
【0034】
なお、図5、図7で示すように、該ガイドカバー51…は、平面視において前後一側方を凸状のR部51a、前後他側方を凹状のR部51bを形成し、茎葉部との接触面に前後他側方に、後続のガイドカバー51の前後一側方の凸状のR部51a上に向かって突出する突出部51cを形成する。直線部では前方のガイドカバー51の凹状のR部51bに後続のガイドカバー51の凸状のR部51aが入り込み、この後続の凸状のR部を前方の突出部51cが覆うことによって、ガイドカバー51同士の間隔部を覆うことができるので、ガイドカバー51同士の間隔部に人参の茎葉部が噛み込まれることが防止され、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0035】
また、ガイドカバー51は凸状のR部51aと凹状のR部51bを有し、リンク48aに1つずつ取り付けられていることにより、ガイドカバー51同士は干渉し合うことが無く位置揃えチェーン48,48の移動に追従することができるので、位置揃え装置54L,54Rの移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
【0036】
加えて、位置揃えチェーン48,48が円弧軌跡で移動する際、突出部51cを有することにより、ガイドカバー51同士の間に大きな間隔部が生じないため、この間隔部に人参の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0037】
なお、位置揃えガイド体52は、複数のガイドカバー51…ではなく、位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う、断面形状コの字型としてもよい。
そして、前記位置揃えチェーン48,48の巻回域内で且つ位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃えテンションスプロケット47,47との間に、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から茎葉部接触面に向かって押圧する左右のテンションプレート53L,53Rを機体左右方向に位置調節自在に取り付けることにより、左右の位置揃え装置54L,54Rが引抜搬送装置24の搬送方向後側の下方位置に構成される。
【0038】
該テンションプレート53L,53Rは、前記伝動ケース37,37に長穴を形成して取付軸53a,53aをボルト等着脱可能な部材で位置調節に取り付け、該取付軸53a,53aの端部に板体53b,53bを溶着して構成する。
【0039】
なお、テンションプレート53L,53Rは、左右の位置揃え装置54L,54Rに略平行位置に設けてもよいが、図5で示すように、機体外側の位置揃え装置53Rの前側にテンションプレート52Rを設ける場合、機体内側の位置揃え装置53Lのテンションプレート52Lは位置揃え装置53Rのテンションプレート52Rよりも機体後側に設けると、大径の茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間を通過する際、テンションプレート52Lまたはテンションプレート52Rの無い側に位置揃えチェーン48及び位置揃えガイド体52が移動するので、人参の茎葉部の径が大きくても位置揃え装置54L,54Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
【0040】
加えて、テンションプレート53L,53Rの張力は、前記張圧バネ50,50の張力よりも弱く設定すると、大径の茎葉部が通過して負荷がかかると位置揃えチェーン48,48が適正な位置まで撓んで退避することができ、54L,54Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
【0041】
そして、前記位置揃え駆動スプロケット42,42の近傍で且つ位置揃えガイド体52,52の外側位置で伝動ケース37,37に長穴を形成し、この長穴に位置揃えガイド体52,52の表面に付着した茎葉部の切れ端や泥等を落とす左右のスクレーパ55,55を位置揃えガイド体52,52の軌跡に沿って位置調節時際に取り付ける。
【0042】
なお、スクレーパ55,55は、後下り傾斜姿勢で配置することにより、茎葉部の切れ端や泥を下方に落下させやすくなる。
そして、前記左右第1ギアユニット38,38の位置揃え装置54L,54Rの後方位置に左右の切断刃回転軸56,56を軸着し、該切断刃回転軸56,56に左右のベアリング57,57を回転自在に取り付ける。そして、前記左右のベアリング57,57に左右の支持プレート59,59を取り付け、該支持プレート59,59に左右の茎葉切断刃60,60を取り付けて、茎葉切断装置61が構成される。
【0043】
また、前記左右第1出力軸40,40に左右茎葉搬送駆動プーリ62,62を軸着し、前記左右第1ギアユニット38,38よりも機体前側で且つ位置揃え装置54L,54Rの上方に左右茎葉搬送従動プーリ63,63を回転自在に取り付ける。そして、該左右茎葉搬送駆動プーリ62,62と左右茎葉搬送従動プーリ63,63とに左右排葉搬送ベルト64,64を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置65が、前記左右の伝動ケース37,37の上部外周で且つ引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に構成される。
【0044】
さらに、前記左右第1出力軸40,40の上端部に左右残葉搬送駆動プーリ66,66を軸着し、前記伝動ケース37,37の上方に左右残葉搬送従動プーリ67,67を回転自在に取り付けるとともに、該左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67との前後間に複数の左右の残葉搬送テンションプーリ68,68…を取り付ける。そして、前記左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67と左右残葉搬送テンションプーリ68,68…とに左右残葉搬送ベルト69,69を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置70が、前記排葉搬送装置65の上方に構成される。
【0045】
上記排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の終端部から茎葉切断装置61によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉シュータ71を設けて、茎葉切断部Dを構成する。
上記構成により、左右の位置揃え駆動スプロケット42,42が、茎葉部が通過する位置揃え装置54L,54Rの左右間隔部から離間する位置に配置されることにより、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付いて位置揃え装置54L,54Rを停止させてしまうことを防止できるので、収穫作業が中断されず、作業能率が向上する。
【0046】
また、位置揃え駆動スプロケット42,42を位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径としたことにより、位置揃え駆動スプロケット42,42がいっそう位置揃え装置54L,54Rの左右間隔部から離間するので、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付くことをいっそう防止でき、作業能率がさらに向上する。
【0047】
そして、位置揃え従動スプロケット45,45を張圧する左右の張圧バネ50,50を設けたことにより、位置揃え装置54L,54Rに茎葉部が接触する際に左右の位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させることができ、位置揃えチェーン48,48がすぐに張り状態に戻るため、径の異なる茎葉部が連続して通過するときでも位置揃え装置54L,54Rが確実に人参の茎葉部を受けることができ、人参の茎葉部の切断位置が適正に揃えられて茎葉部が適正に切断され、後工程で茎葉部を除去する必要が無く、作業能率が向上する。
【0048】
また、左右の受け板49,49を前後方向に移動させることで張圧バネ50,50の張力が調節されることにより、人参の生育状況や品種による茎葉部の径の差異、あるいは天候や土質等、作業場所の作業条件に合わせて張力を適正に変更できるので、人参の茎葉切断位置の位置揃えを適正に行い茎葉部を確実に切断することにより、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0049】
さらに、左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、この孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した回転軸46,46を移動自在に設けたことにより、負荷がかからない状態では、張圧バネ50,50に張圧された位置揃え従動スプロケット45,45は茎葉部の搬送経路寄りに移動するので、小径の茎葉部が通過する際に位置揃え装置54L,54Rが茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0050】
また、大径の茎葉部が通過する際、左右の位置揃え装置54L,54Rに大きな負荷がかかると、位置揃え従動スプロケット45,45は孔部44,44に沿って茎葉部の移動経路から離間する方向に移動するので、位置揃え装置54L,54Rの前側の左右間隔が広くなり、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの間隔部に噛み込まれることを防止でき、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0051】
なお、人参の茎葉部が須らく大径であることが収穫作業前にわかっている場合には、位置揃え従動スプロケット45,45を左右の位置揃え装置54L,54Rの左右間から離間する方向に移動させ、位置揃え装置54L,54Rの搬送方向上手側の左右間隔を広くしておくと、位置揃え装置54L,54Rが茎葉部を噛み込むことを防止でき、噛み込んだ茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
【0052】
そして、位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンク48a…毎にガイドカバー51…を取り付けて位置揃えガイド体52を構成したことにより、任意の箇所のガイドカバー51を自在に着脱できるので、一部のガイドカバー51が損傷しても、新しいガイドカバー51に取り替えるだけで適正な位置揃え性能が維持され、茎葉部が適正に切断されるので、作業能率が向上する。
【0053】
また、位置揃えガイド体52全体を取り替える必要がないので、コストダウンを図ることができる。
さらに、ガイドカバー51の着脱は、工具を必要とせず手作業で行なえるので、交換作業を容易に行なうことができる。
【0054】
そして、ガイドカバー51が位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う正面視コの字形状としたことにより、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間に空間部が生じないので、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
【0055】
また、ガイドカバー51に凸上のR部51aと凹状のR部51bとを形成し、後続のガイドカバー51の凸状のR部51aを前側のガイドカバー51の凹状のR部51bに近接させて位置揃えチェーン48に取り付けることにより、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイドカバー51…は追従して移動できるので、位置揃え装置54L,54Rは一定の周速で動作するため、茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0056】
さらに、凸状のR部51a上に向かって突出する突出部51cを設けたことにより、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイドカバー51…同士の前後間に生じる空間部をこの突出部51cが覆うため、ガイドカバー51…同士の前後間の空間部で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
【0057】
そして、位置揃えチェーン48,48の巻回域内に左右のテンションプレート53L,53Rを設けたことにより、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から押圧するため、大径の茎葉部が通過する際、テンションプレート53Lまたはテンションプレート53Rが押圧していない部分の位置揃えチェーン48,48は位置揃え駆動スプロケット42,42の方向へ退避できるので、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間に噛み込まれることが無く、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0058】
また、位置揃え駆動スプロケット42,42の外周を移動する位置揃えガイド体52,52に付着した茎葉部の破片や泥等の夾雑物を擦り落とす左右のスクレーパ55,55を設けたことによって、茎葉部の移動経路から離れて位置で位置揃えガイド体52,52に付着した夾雑物を除去することができるので、茎葉部の破片が位置揃え装置54L,54Rの各部に絡み付くことが防止され、機体を止めて絡み付いた茎葉部の破片を取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、泥の塊が人参の根部を傷つけることが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0059】
さらに、スクレーパ55,55は長穴に沿って取り付け位置を変更することができるので、収穫作業を行う圃場の人参の茎葉部の径の平均に合わせて最適な位置にスクレーパ55,55を設定し、確実に茎葉部の破片や泥等の夾雑物を位置揃えガイド体52,52から除去することにより、上記の効果がさらに向上する。
【0060】
そして、茎葉切断装置61で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉シュータ71が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト19,19や左右従動プーリ17,17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
【0061】
次に、引継搬送部Eについて説明する。
図2で示すように、前記茎葉切断装置61の下方に前後残葉処理フレーム72,72を設け、該前後残葉処理フレーム72,72の左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ73,73を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ73,73にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト74を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト74の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト74と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ75を取り付けて、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア76を構成する。
【0062】
また、該残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置61よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台77を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台77よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ78を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ79を設ける。そして、前記残葉処理コンベア76よりも機体前側で且つ残葉処理コンベア76に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ78と汲上搬送従動ローラ79とに汲上搬送ベルト80を無端状に巻回して、前記残葉処理コンベア76と受け台77とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア81が構成される。
【0063】
前記残葉処理コンベア76と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア81とから、汲上搬送部Eが構成される。
上記構成により、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ローラ75が、茎葉切断装置61で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア81に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
【0064】
また、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ベルト74をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置61で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト74が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
【0065】
そして、残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台77を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置61よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア81に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置61よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
【0066】
次に、選別搬送部Fについて説明する。
図2、図8で示すように、操縦部Bの後部に左右の選別搬送フレーム82,82を取り付け、該左右の選別搬送フレーム82,82の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ83を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ83よりも機体後側に選別搬送従動ローラ84を回転自在に取り付ける。また、前記選別搬送駆動ローラ83と選別搬送従動ローラ84との間に選別搬送テンションローラ85を回転自在に取り付ける。そして、前記選別搬送駆動ローラ83と選別搬送従動ローラ84と選別搬送テンションローラ85とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト86を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア87が構成される。さらに、該選別搬送コンベア97を始端部が汲上搬送部Eの汲上搬送コンベア81の終端下方に位置するように配置する。
【0067】
また、前記選別搬送従動ローラ84の回転軸にシュータ88を上下回動自在に取り付け、該シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けることによって、選別搬送部Fが構成される。
【0068】
上記のように、シュータ88を上下回動自在に設けたことによって、シュータ88を下方回動させると人参を後述する収容部Gに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器92に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0069】
また、シュータ88を上方に回動させると、選別搬送コンベア87の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア87を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア87の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0070】
また、シュータ88を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア87を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア87の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア77の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア87の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
【0071】
さらに、シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席97に座ったままシュータ88を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
【0072】
次に、収容部Gについて説明する。
図1、図2、図6で示すように、前記左右選別搬送フレーム82,82の下部に左右支持フレーム90,90を設け、該左右支持フレーム90,90に伸縮自在なダンパ91の一端を取り付ける。そして、左右選別搬送フレーム82,82の後下部に人参を収容するコンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器92を設置する収容容器置台93を上下回動自在に且つ上り傾斜姿勢に取り付けると共に、該収容容器置台93にダンパ91の他端を取り付ける。
【0073】
また、該収容容器置台93の後端部に予備の収容容器92を設置する予備収容容器置台94を上下回動自在で且つ上り傾斜姿勢で取り付ける。さらに、前記収容容器置台93や選別搬送コンベア87や右クローラ6Rよりも機体左右他側に機体前後方向に長い人参を収容した収容容器92を積載する収容容器積載台93を機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。
【0074】
そして、該収容容器積載台93の機体外側に、収容容器積載台93の上方を越えて且つ選別搬送コンベア87に向けて屈曲させた支持フレーム96を取り付け、該支持フレーム96の上に補助作業者が着座する補助作業座席97を取り付ける。そして、前記収容容器積載台93の後部に予備の収容容器92を設置する第2予備収容容器置台98を取り付けて、収容部Gが構成される。
【0075】
上記のように、上り傾斜姿勢に設けられた収容容器置台93に伸縮自在なダンパ91の他端を取り付けていることによって、収容容器92に人参が収容されて重くなるにつれて収容容器置台93が下降するため、人参が収容容器92の一部に偏って投入されることが防止されるので、収容容器92の交換の頻度が減少し、作業者の労力が軽減される。
【0076】
また、収容容器置台93の後部に予備の収容容器92を設置する予備収容容器置台93を設けたことによって、人参が満載された収容容器92が収容容器置台93から取り除かれるとダンパ91が伸びて収容容器置台93が上り傾斜姿勢に戻り、予備収容容器置台94に設置されている収容容器93が収容容器置台93に滑り落ちて設置されるので、収容容器92を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
【0077】
そして、機体左右外側に収容容器積載台95を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台95を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
【0078】
さらに、収容容器積載台95の上方を越えて且つ選別搬送コンベア87に向けて屈曲させた支持フレーム96上に補助作業座席97を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア87に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器92が収容容器積載台95上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
【0079】
また、収容容器積載台95の後部に第2予備収容容器置台98を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器92を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
【0080】
以下、本件人参の収穫機の別実施例を説明する。
図9で示すように、ガイドカバー51…よりも左右方向に短い短接触カバー51sを、ガイドカバー51…数個につき1個の割合で等間隔を空けて配置し、部分的に高低差を持たせる構成としてもよい。
【0081】
上記構成により、茎葉部がガイドカバー51の間の空間部に入り込むので、位置揃え装置54L,54Rは位置揃えを行ないながら茎葉部を搬送方向下手側へ搬送することができるので、茎葉部が左右方向に逃げることが防止され、排葉搬送装置65及び残葉搬送装置70に茎葉部が確実に引き継ぎ挟持されて茎葉切断装置61で茎葉部を確実に切断することができ、後工程で茎葉部を手作業で除去する必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0082】
なお、ガイドカバー51…を、複数個につき1つの割合で除外しても、上記効果と略同様の効果が得られる。
図10で示すように、リンク48aに取り付けるガイドカバー51に長穴を設け、この長穴とガイドカバー51の内側面との間に張圧スプリング99を取り付ける構成としてもよい。
【0083】
上記構成により、ガイドカバー51が茎葉部から受ける圧力に応じて別個に移動できるので、茎葉部を位置揃えしながら搬送方向下手側へ搬送することができ、茎葉部を茎葉切断装置61で確実に切断することができる。
【0084】
図11で示すように、左右の位置揃え駆動スプロケット42,42に、外周部に向かって下り傾斜する注油溝42dを複数形成してもよい。
上記構成によれば、注油溝42dに潤滑油を注油して位置揃えチェーン48,48を移動させると、注油溝42dから位置揃えチェーン48,48に潤滑油が塗布されるので、周囲の部材を潤滑油で汚すことなく注油することができるので、メンテナンス性が向上する。
【0085】
図12で示すように、平面視W字形状となる、前後の押圧凸部100a,100bを形成した左右のテンションプレート100L,100Rを、左右の位置揃えチェーン48,48の巻回域内に該押圧凸部100a,100bが接触するように配置する構成としてもよい。
【0086】
上記構成により、位置揃えチェーン48,48が茎葉部の移動経路に向かって凹凸を有するため、凸部に接触した茎葉部は凹部に移動することができ、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間に噛み込まれることが防止され、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0087】
なお、左右のテンションプレート100L,100Rは、互いの押圧凸部100a,100bを前後方向に移送をずらして千鳥配置とすると、左右一側の位置揃えチェーン48に圧力がかかっても、左右他側の位置揃えチェーン48が退避移動できるので、茎葉部がいっそう位置揃え装置54L,54Rの左右間に噛み込まれることがなく、機体を停止させて茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
【0088】
また、図13で示すように、左右の位置揃え従動スプロケット45,45の回転軸の下部に、位置揃え従動スプロケット45,45よりも大径のディスク101,101を軸着する構成としてもよい。
【0089】
上記構成により、位置揃え装置54L,54Rの搬送始端部側でディスク101,101が回転していることによって、位置揃え装置54L,54Rの搬送始端部側で茎葉部が位置揃え搬送体52,52に接近してもディスク101,101に弾かれるので、ガイドカバー51…同士の間の間隔部に茎葉部が入り込んで挟まれることを防止でき、人参の位置揃えが適正に行なわれ、作業能率が向上する。
【0090】
図14で示すように、引抜搬送装置24を構成する左右の従動プーリ16,16の回転軸の下部に、下側に向かうにつれて小径となる左右の螺旋体102,102を取り付けてもよい。
【0091】
上記構成によれば、螺旋体102,102が回転することにより、圃場に垂れている人参の垂れ葉を巻き付けて持ち上げて引抜搬送装置24に挟持させることができるので、茎葉切断装置61で切断できない残葉が減り、根部に残った茎葉部を後工程で除去する必要が無くなり、作業能率が向上する。
【0092】
図15、図16で示すように、茎葉切断装置61を構成する左右の茎葉切断刃60,60の下方に、該茎葉切断刃60,60よりも大径の左右のスターホイル103,103を取り付ける構成としてもよい。
【0093】
上記構成によれば、スターホイル103,103の外周縁部の突起が、茎葉切断刃60,60に切断される前に垂れ葉を掬い上げて茎葉切断刃60,60に接触させるので、茎葉切断刃60,60で茎葉部を切断することができ、根部に残葉が残りにくく、後工程で残葉を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
【符号の説明】
【0094】
24 引抜搬送装置
42 位置揃え駆動スプロケット(駆動スプロケット)
45 位置揃え従動スプロケット(従動スプロケット)
48 位置揃えチェーン
52 位置揃えガイド体(板体)
54L 位置揃え装置
54R 位置揃え装置
61 茎葉切断装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を圃場から引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置(24)と、該引抜搬送装置(24)で搬送中の作物の茎葉部を通過させながら該搬送中の作物の根部の上昇を規制して高さを揃える左右の位置揃え装置(54L,54R)と、該左右の位置揃え装置(54L,54R)で位置揃えされた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置(61)とを設けた根菜類収穫機において、
前記左右の位置揃え装置(54L,54R)の各々を駆動スプロケット(42)と従動スプロケット(45)に多数のリンク(48a)からなるチェーン(48)を無端状に巻回した構成とし、該チェーン(48)のリンク(48a)ごとに該リンク(48a)の上面と下面と側面とを覆う断面コの字形の板体(52)を設けたことを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項2】
前記板体(52)をリンク(48a)に対して着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項3】
前記左右の従動スプロケット(45)を搬送方向上手側に設け、該左右の従動スプロケット(45)の左右方向の間隔を調節可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項1】
作物を圃場から引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置(24)と、該引抜搬送装置(24)で搬送中の作物の茎葉部を通過させながら該搬送中の作物の根部の上昇を規制して高さを揃える左右の位置揃え装置(54L,54R)と、該左右の位置揃え装置(54L,54R)で位置揃えされた作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置(61)とを設けた根菜類収穫機において、
前記左右の位置揃え装置(54L,54R)の各々を駆動スプロケット(42)と従動スプロケット(45)に多数のリンク(48a)からなるチェーン(48)を無端状に巻回した構成とし、該チェーン(48)のリンク(48a)ごとに該リンク(48a)の上面と下面と側面とを覆う断面コの字形の板体(52)を設けたことを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項2】
前記板体(52)をリンク(48a)に対して着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項3】
前記左右の従動スプロケット(45)を搬送方向上手側に設け、該左右の従動スプロケット(45)の左右方向の間隔を調節可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−4716(P2011−4716A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153978(P2009−153978)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]