説明

検査用プローブの支持機構

【課題】検査対象物の所定の部位に、検査用プローブを垂直に押し当てた状態で、相対的な位置の微調整も可能とする検査用プローブの支持機構を実現すること。
【解決手段】本発明に係る検査用プローブの支持機構は、検査対象物の所定の部位に接触させて当該検査対象物の電気的な検査を行うための検査用プローブを、前記所定の部位を含む面に対して垂直に保った状態で、前記所定の部位に接触させた状態もしくは離間させた状態に移動可能に支持する移動手段と、
前記検査用プローブを、前記所定の部位に接触させた状態もしくは離間させた状態で、前記所定の部位を含む面と平行な方向にのみ微動可能に支持する支持手段と、
を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象の電気機器の所定の場所に電気的検査用のプローブを垂直に押し当てて電気的な検査を行うための検査装置における検査用プローブの支持機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
検査対象の電気機器の所定の場所に電気的検査用のプローブを垂直に押し当てて電気的な検査を行うための検査装置としては、例えば、検査対象のプリント基板上に形成されたコネクタに、検査装置の検査用プローブを押し当てて、電気的な検査を行う検査装置がある。
そのような検査装置の検査用プローブの支持機構では、図14に示したように、
検査対象のプリント基板100上の所定の場所に形成された位置決め用の穴101に、検査装置側に形成された位置決め用のピン102を差し込んで、前記検査用プローブの支持機構の前記位置決め用のピン102に対して、前記プリント基板100を、所定の相対的な位置に位置決めしておき、前記位置決め用のピン102に対して所定の相対的な位置に形成された検査用プローブ103を、前記プリント基板100上のコネクタ104に押し当てるように構成されている。
【0003】
このような検査用プローブの支持機構においては、検査用プローブ103の耐久性を得るためと、検査用プローブ103とコネクタ104の電気的特性を担保するために、検査用プローブ103を、コネクタ104に対して正確に垂直に押し当てる必要がある。そのために、プリント基板側には位置決め用の穴101を設ける必要があり、検査用プローブの支持機構には位置決め用のピン102を備え、前記位置決め用のピン102と検査用のプローブ103とを、正確に垂直に昇降させる機構を備える必要があった。このような検査装置としては、例えば、特許文献1等のものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−172899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年のプリント基板の高密度化や小型化に伴い、プリント基板上に位置決め用の穴の場所を確保することが困難になってきたので、特許文献1に記載のものでは対応できない状況になってきた。
前記プリント基板の位置決めは、プリント基板の外形を利用して行う必要があり、プリント基板の外形と、検査に用いるコネクタとの相対的な位置精度が十分には得られなくなってきた。
そこで、プリント基板上のコネクタに対して、検査用プローブを正確に押し当てるためには、検査者が目視により検査用プローブの位置を微調整することが可能な支持機構が必要となってきた。さらに、前記支持機構としては、検査用プローブを正確に垂直に保持することも必要である。
【0006】
そこで、本発明は、検査対象の電気機器の所定の場所に電気的検査用のプローブを垂直に押し当てた状態で、相対的な位置の微調整も可能とする検査用プローブの支持機構を実現することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る検査用プローブの支持機構は、
検査対象物の所定の部位に接触させて当該検査対象物の電気的な検査を行うための検査用プローブを、前記所定の部位を含む面に対して垂直に保った状態で、前記所定の部位に接触させた状態もしくは離間させた状態に移動可能に支持する移動手段と、
前記検査用プローブを、前記所定の部位に接触させた状態もしくは離間させた状態で、前記所定の部位を含む面と平行な方向にのみ微動可能に支持する支持手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2では、
前記支持手段は、
前記検査用プローブの中心軸を、前記所定の部位を含む面に対して垂直方向に支持するように構成されているとともに、
前記検査用プローブと一体的に連結されたプローブ保持部の一部が、前記中心軸に直交する板状に形成された可動部と、
前記可動部の厚さとほぼ同じ隙間の空間が形成され、前記可動部を前記空間内に収納したとき、前記可動部が前記中心軸方向へ移動することは規制し、前記中心軸に直交する方向へのみ移動可能に収納し得る可動部保持部品とを備え、
前記プローブ保持部と一体的に連結された前記検査用プローブを、前記所定の部位を含む面と平行な方向にのみ微動可能に支持するように構成されている。
【0009】
請求項3では、
前記支持手段は、
前記可動部が、前記空間内で前記中心軸の周りに回動する範囲を規制する回動範囲規制手段を備えている。
【0010】
請求項4では、
さらに、前記検査用プローブと前記プローブ保持部に一体的に連結された持ち手部を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係る検査用プローブの支持機構によれば、
検査対象物の所定の部位に接触させて当該検査対象物の電気的な検査を行うための検査用プローブを、前記所定の部位を含む面に対して垂直に保った状態で、前記所定の部位に接触させた状態もしくは離間させた状態に移動可能に支持する移動手段と、
前記検査用プローブを、前記所定の部位に接触させた状態もしくは離間させた状態で、前記所定の部位を含む面と平行な方向にのみ微動可能に支持する支持手段と、
を備えているので、
前記検査用プローブの位置を前記所定の部位に対して正確に垂直方向に押し当てて接触させることができ、検査用プローブに対するストレスを軽減でき耐久性が向上する。
また、前記検査用プローブを、前記所定の部位を含む面と平行な方向にのみ微動させて位置を微調整することができるので、検査対象物に位置決め用の穴が無くても、検査用プローブを前記所定の部位に正確に接触させることが可能となる。したがって、検査対象物の組み立て精度のばらつきを吸収できるとともに、検査対象物としてのプリント基板の高密度化や小型化にも対応しやすくなる。
【0012】
請求項2では、
前記支持手段は、可動部と可動部保持部品とによって、前記検査用プローブを、前記所定の部位を含む面と平行な方向に微調整できるので、検査対象物に位置決め用の穴が無くても、検査用プローブを前記所定の部位に正確に接触させることが可能となる。したがって、検査対象物の組み立て精度のばらつきを吸収できるとともに、検査対象物としてのプリント基板の高密度化や小型化にも対応しやすくなる。
【0013】
請求項3の発明では、
前記可動部が、前記空間内で垂直軸を中心に回動する範囲を規制する回動範囲規制手段を備えているので、検査用プローブの接続ケーブル線に対するストレスを抑制できる。
【0014】
請求項4の発明では、
さらに、前記検査用プローブと前記プローブ保持手段に一体的に連結された持ち手部を備えているので、操作者が、前記持ち手部を手に持って操作して微動させることで、前記検査用プローブの位置を微調整することができる。また、前記持ち手部は、前記検査用プローブと前記プローブ保持手段に一体的に連結されているので、検査用プローブを押し当てる操作を行う操作者の手に、検査用プローブの感触がダイレクトに伝わり、操作者の手加減で調整でき、接触部分の損傷を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】検査装置の全体斜視図である。
【図2】検査用プローブの支持機構の要部の斜視図である。
【図3】検査用プローブの支持機構の要部の側面断面図である。
【図4】検査用プローブの支持機構の要部の側面断面図である。
【図5】検査手順を説明する概略側面図である。
【図6】検査手順を説明する概略側面図である。
【図7】検査手順を説明する概略側面図である。
【図8】検査手順を説明する概略側面図である。
【図9】検査手順を説明する概略側面図である。
【図10】検査手順を説明する概略側面図である。
【図11】検査手順を説明する概略側面図である。
【図12】検査手順を説明する概略側面図である。
【図13】検査手順を説明する概略側面図である。
【図14】従来例の検査用プローブの支持機構の要部の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
検査装置の全体斜視図を示した図1において、
1は検査装置であり、本発明に係る検査用プローブの支持機構2を備えている。
前記検査用プローブの支持機構2は、縦ガイドパイプ21と垂直ガイド支柱61に沿って上下に移動可能に支持されたプローブ保持部3と、前記プローブ保持部3の下部に固定されたプローブ部4を備えている。前記プローブ保持部3の上部には、操作者が手に持って操作するための持ち手部41が固定されている。
前記検査装置1の基台6の上面には、前記プローブ保持部3を垂直方向にガイドするための前記垂直ガイド支柱61が垂直に設けられ、検査対象の製品を保持するための保持台7を水平方向にスライド可能に支持する2本の水平ガイドパイプ62、62が水平に設けられている。
【0017】
前記水平ガイドパイプ62には、前記保持台7の位置を商品セット位置の方向に付勢する水平方向のバネ621が配設されており、前記縦ガイドパイプ21には、前記プローブ保持部3を上方に付勢する上下方向のバネ(図示を省略。)が配設されている。
前記縦ガイドパイプ21の下部は、前記基台6の上面に配設されたガイド支持部66によって若干の上下動可能に支持されている。
【0018】
前記保持台7には、検査対象物を所定の位置に保持するための位置決め用の位置決めガイド71が3箇所以上に設けられている。
また、後述するリミットスイッチ64が、前記プローブ保持部3の下降位置を検出するために設けられている。
また、後述する解除機構8が、前記保持台7の位置を、検査位置に保持するためと、検査後に開放するために設けられている。
前記プローブ部4の下端に配設された検査用プローブ40は、接続ケーブル線91(図2参照。)によって、電気信号の検査処理を行う検査処理部9と接続されている。
なお、前記検査用プローブ40の中心軸は、前記基台6の上面および前記保持台7に対して垂直方向にセットされている。
【0019】
分解斜視状態を示した図2に示したように、
前記検査用プローブの支持機構2を構成するプローブ保持部3は、
操作者が手に持って操作するための持ち手部41と、
前記持ち手部41の下部に固定された円盤状の可動部42と、
前記可動部42の下部に固定されたプローブ固定部品43とを備えており、
前記プローブ固定部品43に形成されたプローブ固定部431には、検査用プローブ40が、プローブ固定用絶縁部材44とプローブ保持用絶縁部材45とによって絶縁状態で覆われて、横方向から嵌め込まれて固定されている。
なお、前記可動部42は、前記検査用プローブ40の中心軸に直交する板状の円盤状に形成されている。
【0020】
前記プローブ保持部3は、さらに、
前記可動部42を保持する空間Sが形成された可動部保持部品31と、
前記空間Sをカバーするように前記可動部保持部品31に固定された固定部品32とを備えている。
また、前記プローブ保持部3に固定されたガイド33は、前記垂直ガイド支柱61に沿って昇降可能に取り付けられている。
前記プローブ保持部3の前記可動部保持部品31には、図1に示した前記縦ガイドパイプ21の上端22が挿通され、前記可動部保持部品31は前記縦ガイドパイプ21と前記垂直ガイド支柱とに沿って昇降可能に支持されている。
なお、前記縦ガイドバイプ21と、前記垂直ガイド支柱61および前記ガイド33によって、特許請求の範囲に記載された移動手段が構成され、前記可動部42と、前記可動部保持部品31および前記固定部品32とによって、特許請求の範囲に記載された支持手段が構成されている。
以上において、前記プローブ保持部3は、前記検査用プローブの中心軸の方向に沿って垂直昇降可能であり、前記可動部42は、前記検査用プローブの中心軸に直交する方向に微動可能となっている。
【0021】
また、前記空間Sの一部には、前記プローブ固定部43と前記可動部42とを連結するように配設されたピン46が遊挿される切欠きS1が形成されている。
前記ピン46は、前記切欠きS1内で移動することは可能であるが、前記切欠きS1を逸脱した範囲まで移動することはできないので、前記ピン46と前記切欠きS1によって、特許請求の範囲に記載された回動範囲規制手段を構成している。
【0022】
組み立て状態の側面断面を示した図3、4に示したように、
前記プローブ保持部3の微動可能な部分を構成する前記持ち手部41、可動部42、プローブ固定部品43、プローブ固定用絶縁部材44、プローブ保持用絶縁部材45、ピン46、およびプローブ部4は、別々の部材であるが、ネジ等の手段によって上下方向に一体的に連結されて固定されている。
例えば、前記持ち手部41の下方への延長部分が、前記可動部42の中心部分を貫いて、さらにプローブ固定部品43に挿入された状態で固定されている。そして、前記プローブ固定部品43にプローブ部4が嵌め込まれている。以上のようにして、各部材が一体的に連結されて固定されているので、前記持ち手部41を手に持って操作することで、前記プローブ部4の位置を微動させることができるのである。
なお、図4の(A)は、一体的に連結固定された微動可能な部分のみを示したものであり、図4の(B)は、前記微動可能な部分の可動部42を水平方向に微動可能に支持するための可動部保持部品31と固定部品32との連結固定状態を示し、そこに形成される空間Sと切欠きS1とを示したものである。
【0023】
前記空間Sは、前記可動部42が前記空間S内で水平方向に微動可能なように、上下方向の隙間はほとんど無く、横方向には周囲に例えば0.5ミリの隙間が形成されている。
前記可動部42の上下両面と、前記可動部保持部品の上面と、前記固定部品32の下面とは、それぞれ十分に平滑状態に仕上げられているので、前記プローブ保持部3の垂直状態は保持されたままの状態で、水平方向には微動可能となっている。
【0024】
前記ピン46は、前記切欠きS1の中でのみ自由に移動可能に配設されているので、前記ピン46に連結された前記プローブ保持部3は、水平方向には微動可能であるが、縦軸回りには回転が規制されており、前記プローブ部4に接続されている接続ケーブル線91に大きなストレスがかかることを防いでいる。
【実施例1】
【0025】
次に、実施例1として、上記構成の検査装置1を用いて、検査対象の商品(無線通信機)の所定の電気的特性(アンテナ部の電気的特性)を検査する手順を、図5〜図13を参照して説明する。なお、各部の符号は、図1〜図4において説明したものは、その説明を省略して用い、まだ説明していないものはその都度説明する。なお、図5〜図13においては、図の煩雑化を防ぐために、説明に必要な要部以外は図示を省略している。
図5に示した符号5は、検査対象物としての無線通信機の一部であり、上面側の筐体は取り外して、内部のプリント基板51が露出した状態で、下面側の筐体53に固定された状態を示している。
前記プリント基板51の所定の位置には、アンテナ部の電気的特性を検査するためのコネクタ52が露出して配設されている。
なお、前記コネクタ52は、特許請求の範囲に記載された検査対象物の所定の部位に対応している。
【0026】
図5に示したように、右側の商品セット位置に復帰している保持台7の位置決めガイド71に前記商品5の筐体53の外形を合わせてセットする。
次に、図6に示した矢印A1のように、前記商品5がセットされた保持台7を、検査位置までスライドさせる。このとき、後述するように、解除機構8が作動(図11、12参照)して、前記保持台7を検査位置に保持する。
その後、前記持ち手部41を持って、図6、7に示した矢印A2、A3のように、前記プローブ保持部3を押し下げて、前記検査用プローブ40を、前記検査対象物5の前記コネクタ52に押し当てる。
【0027】
なお、前記持ち手部41を、操作者が手に持って押し下げる操作をするとき、前記検査用プローブ40は、ほぼ前記コネクタ52の真上から降下するが、製品のバラツキによっては若干の水平方向の位置ずれがあるので、操作者は、検査用プローブ40の先端が正確に前記コネクタ52の中心に押し当てられるように、前記持ち手部41を水平方向に微動させながら操作する。
また、前記検査用プローブ40の先端が前記コネクタ52の中心に当接すると、その手応えがダイレクトに前記持ち手部41まで伝わるので、操作者は押し当てる力を手加減しながら適正な状態で、検査を行うことができる。
【0028】
なお、前記検査用プローブ40の先端が前記コネクタ52に当接した状態では、後述するようにリミットスイッチ64が作動(図12参照)するので、前記リミットスイッチ64の作動信号に基づいて、前記検査処理部9における信号処理が開始されるように構成されている。
【0029】
前記検査処理部9における信号処理が終了した後、
図8に示したように、操作者が前記持ち手部41を押さえている力を抜くと、圧縮されていた上下方向のバネの復元力によって、前記プローブ保持部3は上端まで上昇する。
その後に、図8に示した矢印A4のように、操作者が前記持ち手部41を若干引き上げると、後述するように前記解除機構8が解除動作(図13参照)して、圧縮されていた水平方向のバネ621の復元力によって、前記保持台7は、矢印A5の方向に付勢され、図9の矢印A6に示されたように復帰スライドする。
前記保持台7が、図10の位置、すなわち図5の商品セット位置に復帰した後、前記保持台7にセットされていた検査済みの検査対象物5を取り外す。
その後、必要に応じて、次の検査対象物を、図5に示したようにセットして、図5〜図10の動作を繰り返す。
【0030】
次に、前記解除機構8と前記リミットスイッチ64の動作を、図11〜図13を参照して説明する。
図11〜図13は、図5〜図10に示した前記保持台7等の要部を省き、前記保持台7の背面に位置する前記解除機構8と前記リミットスイッチ64を、主に示したものである。
図11に示したように、保持台7の背面側面には、解除機構8の一方を構成する係合部81が突設されており、前記縦ガイドパイプ21の下端には、解除機構8の他方を構成する係合回動部82が回動可能に軸支されている。
図11に示したように、前記保持台7を商品セット位置から矢印A7の方向にスライドさせ、図12の矢印A8に示したようにさらにスライドさせると、前記係合部81が前記係合回動部82と係合状態になり、前記保持台7は検査位置に保持される。
【0031】
続いて、図12の矢印A9に示したように、前記プローブ保持部3を押し下げると、前記プローブ保持部3の一部が、前述したように前記リミットスイッチ64を作動させる。
そして、検査終了後に、図13の矢印A10に示したように、前記プローブ保持部3を若干引き上げると、前記縦ガイドパイプ21も引き上げられ、その下端に連結された前記係合回動部82を、矢印A11の方向に回動させる。それによって、前記係合回動部82と前記係合部81との係合状態は解除されるので、前記水平方向のバネ621の復元力によって、前記係合部81は前記保持台7とともに、矢印A12の方向にスライドして復帰するのである。
【0032】
また、保持台7を図5、6に示したように前記商品セット位置から前記検査位置にスライドさせると、前記保持台7に配設された電源チェック端子(図示せず)の下端が、前記基台6の上面に配設された傾斜面(図示せず)によって押し上げられて、前記電源チェック端子が、前記検査対象物5の下面に形成された電源端子(図示せず)に当接して、電源チェックを行うように構成されている。
なお、前記保持台7にセットされた検査対象物5を、前記商品セット位置から前記検査位置にスライドさせるときには、前記傾斜面によって押し上げられても浮き上がらないように、浮き上がり防止用ローラ67(図6参照)で押さえるように構成されている。
また、前記保持台7が所定の検査位置に来るまでは、前記プローブ保持部3が降下できないように規制用プレート63が設けられている。前記保持台7が前記検査位置にセットされると、前記規制プレート63による規制範囲から外れるので、前記プローブ保持部3は下降可能になる。
【0033】
以上のようにして、前記検査装置1によれば、
検査対象の商品のプリント基板に位置決め用の穴が不要となるため、プリント基板の高密度化、小型化が可能となる。
また、検査用プローブの角度は、常に、プリント基板に対して所定の角度、ここでは垂直な状態に保持されるので、検査用プローブがプリント基板のコネクタに対して斜めに押し当てられることがなく、検査用プローブの耐久性が向上するという効果も得られる。
さらに、検査者の手操作によって、検査用プローブの位置を水平方向に微調整可能であるため、検査対象の装置の組み立て精度のばらつきを吸収できる。
また、持ち手部から先端の検査用プローブまで、一体的に連結固定されているので、持ち手部を、操作者が手に持って操作するとき、下端の検査用プローブにかかる感触が前記持ち手を介して、操作者の手にダイレクトに伝わり、手加減で調整でき、コネクタの損傷を減少させることができる。
【0034】
なお、特許請求の範囲に記載された前記移動手段は、
前記検査用プローブを、前記製品の所定の部位に対して所定の角度に保った状態で移動可能に支持するものであればよく、前記所定の部位の特性や、前記検査用プローブの先端の特性、もしくは、前記製品の所定の部位を含む面が、垂直でなく傾斜している場合等によっては、前記傾斜している面に対して垂直な方向に移動可能に支持する構成や、前記所定の部位に対して一定の傾斜した角度で支持する構成とすることもできる。
また、特許請求の範囲に記載された前記支持手段は、
前記検査用プローブを、前記所定の角度と異なる方向に微動可能に支持するものであればよく、前記所定の部位の特性や、前記検査用プローブの先端の特性、もしくは、前記製品の所定の部位を含む面が、垂直でなく傾斜している場合等によっては、前記所定の部位に対して、前記所定の角度と異なる方向に微動可能であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、無線通信機に限らず、種々の製品の電気的な検査装置に採用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 検査装置
2 検査用プローブの支持機構
21 縦ガイドパイプ
3 プローブ保持部
31 可動部保持部品
32 固定部品
33 ガイド
4 プローブ部
40 検査用プローブ
41 持ち手部
42 可動部
43 プローブ固定部品
44 プローブ固定用絶縁部材
45 プローブ保持用絶縁部材
46 ピン
5 検査対象物
51 プリント基板
52 コネクタ
53 筐体
6 基台
61 垂直ガイド支柱
62 水平ガイドパイプ
64 リミットスイッチ
66 ガイド支持部
67 浮き上がり防止用ローラ
7 保持台
71 位置決めガイド
8 解除機構
81 係合部
82 係合回動部
9 検査処理装置
91 接続ケーブル線
S 空間
S1 切欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の所定の部位に接触させて当該検査対象物の電気的な検査を行うための検査用プローブを、前記所定の部位を含む面に対して垂直に保った状態で、前記所定の部位に接触させた状態もしくは離間させた状態に移動可能に支持する移動手段と、
前記検査用プローブを、前記所定の部位に接触させた状態もしくは離間させた状態で、前記所定の部位を含む面と平行な方向にのみ微動可能に支持する支持手段と、
を備えたことを特徴とする検査用プローブの支持機構。
【請求項2】
前記支持手段は、
前記検査用プローブの中心軸を、前記所定の部位を含む面に対して垂直方向に支持するように構成されているとともに、
前記検査用プローブと一体的に連結されたプローブ保持部の一部が、前記中心軸に直交する板状に形成された可動部と、
前記可動部の厚さとほぼ同じ隙間の空間が形成され、前記可動部を前記空間内に収納したとき、前記可動部が前記中心軸方向へ移動することは規制し、前記中心軸に直交する方向へのみ移動可能に収納し得る可動部保持部品とを備え、
前記プローブ保持部と一体的に連結された前記検査用プローブを、前記所定の部位を含む面と平行な方向にのみ微動可能に支持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の検査用プローブの支持機構。
【請求項3】
前記支持手段は、
前記可動部が、前記空間内で前記中心軸の周りに回動する範囲を規制する回動範囲規制手段を備えていることを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の検査用プローブの支持機構。
【請求項4】
さらに、前記検査用プローブと前記プローブ保持部に一体的に連結された持ち手部を備えていることを特徴とする請求項1、2、3の何れか1項に記載の検査用プローブの支持機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−29363(P2013−29363A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164430(P2011−164430)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000100746)アイコム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】