構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサ
【課題】高速道路等の橋桁の3軸方向のズレの変位を監視し、変位が許容値を超えたかどうかの判定を容易に行う。
【解決手段】本発明における第1、第2の変位センサ本体S1、S2は、それぞれZ軸変位センサ用プローブ4を監視対象物である第1、第2の橋桁1a、1bの下面に向けて配設されている。
第1、第2の橋桁1a、1bの対向する端縁部近傍の下面には、それぞれ平板状の第1、第2段差部材17a、17bが取り付けられており、第1の段差部材17aの下面には第1の変位センサ本体S1のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が、第2の段差部材17bの下面には第2の変位センサ本体S2のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部がそれぞれ所定の弾力を維持して当接されている。
【解決手段】本発明における第1、第2の変位センサ本体S1、S2は、それぞれZ軸変位センサ用プローブ4を監視対象物である第1、第2の橋桁1a、1bの下面に向けて配設されている。
第1、第2の橋桁1a、1bの対向する端縁部近傍の下面には、それぞれ平板状の第1、第2段差部材17a、17bが取り付けられており、第1の段差部材17aの下面には第1の変位センサ本体S1のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が、第2の段差部材17bの下面には第2の変位センサ本体S2のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部がそれぞれ所定の弾力を維持して当接されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサに係り、特に、監視対象物である高速道路等の橋桁のズレを監視する場合に有用な構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高速道路の橋桁は、地震、気候変化、車等さまざまな原因で微妙にズレが生じ、地震が発生した場合にはその規模により大きく変動する虞があった。特に、阪神淡路大震災等の例に見られるように、大地震が発生した場合には橋桁が橋脚から外れて落下するという最悪の事故を引き起こす虞もあり得る。
【0003】
従来、このような高速道路については、地震が発生するたびに作業員が現場に赴いて全ての橋脚につき目視で橋桁のズレの有無を確認していた。
【0004】
しかしながら、このような目視による橋桁のズレの確認においては、確認すべき橋桁が首都高速道路だけでも約14,000箇所も存在することから、全ての橋桁のズレの確認に長時間を要し、迅速な対応を図ることができないという難点があった。
【0005】
一方、遠隔的な変位測定方法として、光ファイバの伸び歪みを計測して光ファイバセンサを設置した位置の変位量を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この光ファイバセンサによる変位測定方法は、次に述べるように、多くのメリットを備えており、遠隔監視技術として有効な技術といえる。
【0007】
第1に、センサとして光ファイバが用いられるので、測定地(センサ部)に電源を設ける必要がない。
【0008】
第2に、高速道路には高速道路に沿って通信用の光ファイバが布設されており、この既設の光ファイバを利用することで新たにインフラ整備の必要がなくなる。
【0009】
第3に、通信媒体が光ファイバであることから、雷等の影響を受けることなく広範囲にわたって遠隔地から監視することができる。
【0010】
しかしながら、このような光ファイバセンサによる変位測定方法を高速道路の橋桁のズレの監視に用いるには、次のような難点がある。
【0011】
第1に、基本的に光ファイバセンサは、これを監視対象物に設置した場合、1個あたり監視対象物の1軸方向(例えばZ軸方向)の変位しか計測できず、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向(以下「3軸方向」という。)の変位を監視するには、監視対象物に3個の光ファイバセンサを設置しなければならないという難点がある。
【0012】
第2に、監視対象物である全ての橋桁に3個の光ファイバセンサを設置して3軸方向の変位を計測することが理想的であるものの、光ファイバセンサは非常に高価であるため、コスト面で課題がある。
【0013】
第3に、コスト面での課題を解消するため、例えば全ての監視対象物について、変位量が許容値を超えたか否かのON・OFF判別手段を配置する方法も案出されるが、3軸方向の変位量を全てON・OFF判別すると、平時において当該センサの故障の有無を検知することができないという難点がある。
【0014】
第4に、橋桁のズレについては、長期間の監視が必要であり、また光ファイバセンサの信頼性も保持し、光ファイバセンサの故障の有無も監視状態で判別する必要があるところ、上記の光ファイバセンサによる変位測定方法では、監視状態で光ファイバセンサの故障の有無を監視することができないという難点がある。
【0015】
【特許文献1】特開2001−289616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、このような難点を解決するためになされたもので、監視対象物である高速道路等の橋桁の3軸方向のズレの変位を監視し、変位が許容値を超えたかどうかの判定を容易に行うことができ、コスト的にも有利な構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様である構造物の変位測定方法は、監視対象物に平板状の段差部材を取り付け、段差部材に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接して、監視対象物の3軸方向の変位を測定するものである。
【0018】
本発明の第2の態様である構造物の変位測定方法は、監視対象物に平板状の段差部材とX軸方向に向かって傾斜するスロープ部材を取り付け、段差部材に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接し、スロープ部材に変位センサのX軸・Y軸変位センサ用プローブを当接して、監視対象物の3軸方向の変位を測定するものである。
【0019】
本発明の第3の態様である構造物の変位測定方法は、監視対象物に平板状の段差部材を取り付け、監視対象物に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接し、段差部材に変位センサのX軸・Y軸変位リミッタ用プローブを当接して、監視対象物の3軸方向の変位を測定するものである。
【0020】
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの態様である構造物の変位測定方法において、段差部材のZ軸変位センサ用プローブまたはX・Y軸変位センサ用プローブが当接する面に段部が設けられているものである。
【0021】
本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの態様である構造物の変位測定方法において、Z軸変位センサ用プローブ、X・Y軸変位センサ用プローブおよびX・Y軸変位リミッタ用プローブの少なくとも一つは、X―Y軸方向に弾性のある部材で形成されているものである。
【0022】
本発明の第6の態様である変位センサは、筺体と、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、筺体内に設けられ、Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えるものである。
【0023】
本発明の第7の態様である変位センサは、筺体と、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位センサ用プローブと、筺体内に設けられ、Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する第1の弾性板と、X・Y軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する第2の弾性板と、第1の弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する第1の歪みFBGと、第2の弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する第2の歪みFBGとを備えるものである。
【0024】
本発明の第8の態様である変位センサは、筺体と、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位リミッタ用プローブと、筺体内に設けられ、Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、X・Y軸変位リミッタ用プローブの変位に応じてそれ自身の巻き回し状態が変化する光ファイバと、弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えるものである。
【0025】
本発明の第9の態様である変位センサは、筺体と、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位リミッタ用プローブと、筺体内に設けられ、Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、X・Y軸変位リミッタ用プローブの変位に応じてそれ自身が断線する光ファイバと、弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えるものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1の態様乃至第9の態様の構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサによれば、変位センサを1個乃至2個使用することで構造物の3軸方向の変位を監視することができ、安価な構造物の変位監視システムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、高速道路等の橋桁の模式図を示している。
【0029】
同図において、監視対象物である高速道路等の橋桁1a、1b(以下、橋桁1aを「第1の橋桁1a」、橋桁1bを「第2の橋桁1b」という。)は、橋脚2の上部にその端縁部が対向するように配設されている。ここで、第1、第2の橋桁1a、1bのX軸方向およびY軸方向の許容ズレ量はそれぞれ数10cmとされ、Z軸方向の許容ズレ量は数cmとされている。従って、X軸方向およびY軸方向のズレ量がそれぞれ数10cmを超えると第1、第2の橋桁1a、1bが橋脚2から落下し、Z軸方向のズレ量が数cmを超えると道路に段差が発生していることになる。
[実施例1]
図2は本発明の第1の実施例における変位センサ本体の概略断面図を示している。
【0030】
同図において、本発明の変位センサは筺体3を備えており、この筺体3の上部壁体3aにはZ軸変位センサ用プローブ4が突設され、また、筺体3内には、後述するギヤ機構5、コイル状のバネ部材6、弾性板7、歪みFBG8(ファイバー・ブラツグ・グレーティング)および温度補償用FBG9が配設されている。
【0031】
Z軸変位センサ用プローブ4は、その下端部が筺体3内に位置し、上端部が筺体3の上部壁体3aを垂直に貫通して突設されており、下端部にはラック部材(以下「第1のラック部材」という。)10が垂設されている。また、第1のラック部材10には水平に延びる係止部材11が連設され、この係止部材11と筺体3の上部壁体3a間にはコイル状のバネ部材6が張設され、このバネ部材6の弾力によりZ軸変位センサ用プローブ4が上下方向に進退可能とされている。
【0032】
また、第1のラック部材10には第1のラック部材10の上下運動を回転運動に変換する小歯車12および大歯車13が配設され、大歯車13には大歯車13の回転運動を上下運動に変換するラック部材(以下「第2のラック部材」という。)14が配設されている。
【0033】
弾性板7は、その一端部が筺体3の底部3bに立設されたボス15の頂部に固定され他端部は自由端とされ、当該自由端は上下自在に変形するように配設されている。また、弾性板7の他端部の上面には第2のラック部材14の下端部が当接され、この第2のラック部材14の上下運動により、Z軸変位センサ用プローブ4の上下方向の変動が第1のラック部材10→小歯車12→大歯車13→第2のラック部材14に至る機構(以下「ギヤ機構5」という。)を介して弾性板7の自由端が上下に変形するように構成されている。
【0034】
また、弾性板7の上面には長手方向に沿って歪みFBG8が固定され、この歪みFBG8には光ファイバ16を介して温度補償用FBG9が接続されている。
【0035】
図3は監視対象物としての第1、第2の橋桁1a、1bに対する変位センサ本体S1、S2(以下、変位センサ本体S1を「第1の変位センサ本体S1」、変位センサ本体S2を「第2の変位センサ本体S2」という。)の設置状況を示している。なお、同図において、図1および図2と共通する部分には同一の符号が付されている。
【0036】
図3において、先ず、橋脚2の上部には切欠部2aが設けられており、この切欠部2aには、第1、第2の変位センサ本体S1、S2がそれぞれZ軸変位センサ用プローブ4を監視対象物である第1、第2の橋桁1a、1bの下面に向けて配設されている。
【0037】
一方、第1、第2の橋桁1a、1bの対向する端縁部近傍の下面には、それぞれ平板状の段差部材17a、17b(以下、段差部材17aを「第1の段差部材17a」、段差部材17bを「第2の段差部材17b」という。)が取り付けられており、第1の段差部材17aの下面には第1の変位センサ本体S1のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が、第2の段差部材17bの下面には第2の変位センサ本体S2のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部がそれぞれ所定の弾力を維持して当接されている。ここで、Z軸変位センサ用プローブ4の先端部は丸くかつ滑らかに形成され、また、Z軸変位センサ用プローブ4の先端部が当接する第1、第2の段差部材17a、17bの下面は平滑に形成されている。さらに、第1、第2の段差部材17a、17bはそれぞれ矩形状とされ、X軸方向およびY軸方向の寸法はそれぞれ数10cmとされ、Z軸方向の厚さは数cmとされている。
【0038】
次に、このように配設された第1、第2の変位センサ本体S1、S2を用いて監視対象物としての第1、第2の橋桁1a、1bのズレを測定する方法について説明する。
【0039】
例えば、第1の橋桁1aがZ軸方向に橋脚2に向かって変位すると、Z軸変位センサ用プローブ4が下降し、この下降運動が小歯車12および大歯車13によってそれぞれ回転運動に変換され、大歯車13の回転運動が第2のラック部材14によって下降運動に変換される。このようにして、第1の橋桁1aの変位がギヤ機構5を介して第2のラック部材14に伝動されると、自由端である弾性板7の他端部が下方に向かって反り返るように曲がり、当該弾性板7に曲げが生じると、これに固定された歪みFBG8が伸張することになる。
【0040】
そうすると、歪みFBG8自身の伸張により反射波長が変化することから、光ファイバ16の入力部から光を入力し、歪みFBG8による反射波長を計測することにより、Z軸変位センサ用プローブ4の変位量を高感度でモニタすることができる。
【0041】
次に、前述と反対に、第1の橋桁1aがZ軸方向に橋脚2と反対方向に向かって変位すると、Z軸変位センサ用プローブ4が上昇し、この上昇運動がギヤ機構5を介して第2のラック部材14に上昇運動として伝動される。これにより、自由端である弾性板7の他端部が上方に向かって曲がり、当該弾性板7に曲げが生じると、これに固定された歪みFBG8が縮小することになる。
【0042】
そうすると、歪みFBG8自身の縮小により反射波長が変化することから、前述と同様にして、歪みFBG8による反射波長を計測することができる。なお、歪みFBG8は筺体3内の温度によっても反射波長が変化するが、かかる反射波長の変化は温度補償用FBG9でキャンセルすることができる。
【0043】
図4は、計測中における歪みFBG8および温度補償用FBG9の波形を示している。ここで、通常、ピーク波長のみが計測されるのが一般的であるが、ここでは、説明を容易にするためスペクトラムアナライザによる波形を示している。図中、L1は監視対象物(例えば第1の橋桁1a)のズレ量が許容範囲内にある場合における歪みFBG8の反射波形、L2、L3は監視対象物(例えば第1の橋桁1a)のズレ量が許容範囲を超えた場合における歪みFBG8の反射波形、L4は温度補償用FBG9の反射波形を示している。
【0044】
同図から、歪みFBG8の波長からZ軸方向の変位をモニタすることで、例えば第1の橋桁1aのZ軸方向の変位が許容ズレ量(数cm)内であれば、波形L1で示すように歪みFBG8は許容範囲内での反射波長を示すことになり、また、第1の橋桁1aのZ軸方向の変位が許容ズレ量(数cm)を超えると、波形L2で示すように反射波長が変化することから、歪みFBG8の反射波長からZ軸の変位をモニタすることで、許容範囲を超えた場合はすべて異常と判断することができる。なお、波形L4は温度補償用FBG9の反射波長を示しており、この反射波長をモニタすることで筺体3内の温度変化による反射波長の変化をキャンセルすることができる。
【0045】
次に、監視対象物である第1の橋桁1aがX軸方向またはY軸方向に変位してZ軸変位センサ用プローブ4が第1の段差部材17aから外れると、Z軸変位センサ用プローブ4の先端部が第1の橋桁1aに向かって伸びきるように突出することになる。これにより、歪みFBG8の波長がZ軸の変位量とは無関係に長波長側の許容値以上の範囲に急激にシフトすることから、第1の橋桁1aが許容範囲を超えてX軸方向またはY軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0046】
以上のように、第1の実施例によれば、1個の変位センサ本体を用いることで、監視対象物のZ軸方向の変位を監視することができ、また、段差部材を用いることで、X軸方向およびY軸方向の少なくとも何れか一方の軸方向のズレが許容値を超えたか否かを判別することができる。
[実施例2]
図5は本発明の第2の実施例における変位センサ本体の概略断面図を示している。なお、同図において、図2と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
図5において、この実施例においては、筺体3の上部壁体3aに、図2に示すZ軸変位センサ用プローブ4と同様のX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aがZ軸変位センサ用プローブ4から所定長離間した位置に突設され、また、筺体3内にも、図2に示すギヤ機構5、コイル状のバネ部材6、弾性板7および歪みFBG8と同様に、ギヤ機構5a(以下「第2のギヤ機構5a」という。)、コイル状のバネ部材6a(以下「第2のバネ部材6a」という。)、弾性板7a(以下「第2の弾性板7a」という。)および歪みFBG8a(以下「第2の歪みFBG8a」という。)が配設されている。
【0048】
X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aは、Z軸変位センサ用プローブ4と同様に、その下端部が筺体3内に位置し、上端部が筺体3の上部壁体3aを垂直に貫通して突設されており、下端部にはラック部材(以下「X軸・Y軸用の第1のラック部材」という。)10aが垂設されている。また、X軸・Y軸用の第1のラック部材10aには水平に延びる係止部材11a(以下「第2の係止部材11a」という。)が連設され、この第2の係止部材11aと筺体3の上部壁体3a間には第2のバネ部材6aが張設され、この第2のバネ部材6aの弾力によりX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aが上下方向に進退可能とされている。
【0049】
また、X軸・Y軸用の第1のラック部材10aにはX軸・Y軸用の第1のラック部材10aの上下運動を回転運動に変換する小歯車12a(以下「第2の小歯車12a」という。)および大歯車13a(以下「第2の大歯車13a」という。)が配設され、第2の大歯車13aには第2の大歯車13aの回転運動を上下運動に変換するラック部材(以下「X軸・Y軸用の第2のラック部材」という。)14aが配設されている。
【0050】
第2の弾性板7aは、その一端部が筺体3の底部3bに立設されたボス15a(以下「第2のボス15a」という。)の頂部に固定され他端部は自由端とされ、当該自由端は上下自在に変形するように配設されている。また、第2の弾性板7aの他端部の上面にはX軸・Y軸用の第2のラック部材14aの下端部が当接され、このX軸・Y軸用の第2のラック部材14aの上下運動により、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの上下方向の変動がX軸・Y軸用の第1のラック部材10a→第2の小歯車12a→第2の大歯車13a→X軸・Y軸用の第2のラック部材14aに至る機構(以下「第2のギヤ機構5a」という。)を介して第2の弾性板7aの自由端が上下に変形するように構成されている。
【0051】
また、第2の弾性板7aの上面には長手方向に沿って第2の歪みFBG8aが固定され、この第2の歪みFBG8aには光ファイバ16を介して歪みFBG8および温度補償用FBG9が接続されている。
【0052】
図6は監視対象物としての第1、第2の橋桁1a、1bに対する変位センサ本体S3(以下「第3の変位センサ本体S3」という。)の設置状況を示している。なお、同図において、図1、図3および図5と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
図6において、先ず、第2の橋桁1bの端縁部下面には、第2の橋桁1bと第3の変位センサ本体S3の位置関係を固定するためのL字状の固定部材18が取り付けられ、この固定部材18の取り付けによって区画された固定部材18と第1の橋桁1aとの空間部には、第3の変位センサ本体S3がZ軸変位センサ用プローブ4およびX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aを監視対象物である第1の橋桁1aの下面に向けて配設されている。
【0054】
一方、第1の橋桁1a端縁部近傍の下面には、平板状の段差部材(以下「第3の段差部材」という。)17cと、X軸方向に向かって傾斜するスロープ部材17dが取り付けられており、第3の段差部材17cの下面には第3の変位センサ本体S3のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が、スロープ部17dのスロープ面には第3の変位センサ本体S3のX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの先端部がそれぞれ所定の弾力を維持して当接されている。ここで、スロープ部17dは第3の段差部材17cの一端縁部分に一体に連設され、下方部から見て全体として矩形状とされている。また、第3の段差部材17cのZ軸方向の厚さは数cmとされ、スロープ部17dのX軸方向およびY軸方向の寸法はそれぞれ数10cmとされている。
【0055】
次に、このように配設された第3の変位センサ本体S3を用いて監視対象物としての第1の橋桁1aのズレを測定する方法について説明する。
【0056】
先ず、第1の橋桁1aがZ軸方向に変位した場合については、第1の実施例と同様に、第3の変位センサ本体S3のZ軸変位センサ用プローブ4の昇降運動に対応してFBG8が伸縮することから、歪みFBG8の反射波長を計測することにより、Z軸変位センサ用プローブ4の変位量を高感度でモニタすることができる。また、第3の段差部材17cが監視対象物に取り付けられていることから、第1の実施例と同様に、第3の変位センサ本体S3のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が第3の段差部材17cから外れて監視対象物に向かって突出するか否かにより、監視対象物が許容範囲を超えてX軸方向またはY軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0057】
次に、第1の橋桁1aと第2の橋桁1bのX軸方向の位置関係については、監視対象物である第1の橋桁1aがX軸方向に変位すると、スロープ部17dの高さがスロープ部17dの位置に対応して変化することから、第2のFBG8aの波長をモニタすることで計測することができる。すなわち、第1の橋桁1aがX軸方向に変位してスロープ部17dの高さが変化すると、Z軸変位センサ用プローブ4と同様に、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの昇降運動に対応して第2のFBG8aが伸縮することから、第2の歪みFBG8aによる反射波長を計測することにより、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの変位量を高感度でモニタすることができる。
【0058】
また、監視対象物である第1の橋桁1aがY軸方向に変位してX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aがスロープ部17dから外れると、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの先端部が第1の橋桁1aの下面に向かって伸びきるように突出することになる。これにより、第2の歪みFBG8aの波長がZ軸の変位量とは無関係に長波長側の許容値以上の範囲に急激にシフトすることから、第1の橋桁1aが許容範囲を超えてY軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0059】
図7は、計測中における歪みFBG8、第2の歪みFBG8aおよび温度補償用FBG9の波形を示している。なお、同図において、図4と共通するものには同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
図7において、L5は監視対象物(例えば第1の橋桁1a)のズレ量が許容範囲内にある場合における第2の歪みFBG8aの反射波形、L6、L7は監視対象物(例えば第1の橋桁1a)のズレ量が許容範囲を超えた場合における第2の歪みFBG8aの反射波形を示している。
【0061】
同図から、Z軸方向の変位については、第1の実施例と同様にして歪みFBG8の波長変動から測定することができる。また、X軸方向の変位については、第2の歪みFBG8aの波長変動から歪みFBG8の波長変動を差し引くことで測定することができる。さらに、Y軸方向の変位については、第1の橋桁1aのY軸方向の変位が許容ズレ量(数10cm)を超えると、X軸方向およびZ軸方向の変位量とは無関係に第2の歪みFBG8aの波長が長波長側の許容値以上の範囲に急激にシフトすることから、第1の橋桁1aが許容範囲を超えてY軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0062】
以上のように、第2の実施例によれば、1個の変位センサ本体を用いることで、監視対象物のZ軸方向の変位を監視することができ、またX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの先端部が当接する計測面にX軸方向に向かうスロープ部を有することによって、X軸方向の変位をZ軸方向の変位に置換して計測することができる。さらに、段差部材を用いることで、X軸方向およびY軸方向の少なくとも何れか一方の軸方向のズレが許容値を超えたか否かを判別することができる。
[実施例3]
図8は本発明の第3の実施例における変位センサ本体の概略断面図を示している。なお、同図において、図5と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
図8において、この実施例においては、図5に示すX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aに代えてX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが配設されている。
【0064】
X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bは、Z軸変位センサ用プローブ4と同様に、その下端部が筺体3内に位置し、上端部が筺体3の上部壁体3aを垂直に貫通して突設されており、下端部には図中左側に水平に延びる係止部材11c(以下「第3の係止部材11c」という。)が連設され、この第3の係止部材11cと筺体3の上部壁体3a間にはバネ部材6b(以下「第3のバネ部材6b」という。)が張設され、この第3のバネ部材6bの弾力によりX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが上下方向に進退可能とされている。
【0065】
また、筐体3内には、図5に示す第2のギヤ機構5a、第2の弾性板7aおよび第2の歪みFBG8aに代えて第1、第2の滑車19、20が上下に離間して配設されている。また、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの下端部には図中右方向に水平に延びる横設部材21が連設され、この横設部材21に第1の滑車19が回転可能に配置されている。さらに、第2の滑車20は筺体3の底部3bに立設した架台21に回転可能に配設され、第1、第2の滑車19、20間には歪みFBG8に接続された光ファイバ16が弛んだ状態で略真円状に巻回されている。
【0066】
ここで、第1、第2の滑車間の間隔は、図9に示すように、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの変位が0になったときに、光ファイバ16に所定の張力が作用するように予め設計され、また、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの変位が0になったときに、第1、第2の滑車が小径になり、光ファイバ16に張力が作用した時点で光ファイバ16に損失が発生するように設計されている。
【0067】
図10は監視対象物としての第1、第2の橋桁1a、1bに対する変位センサ本体S4(以下「第4の変位センサ本体S4」という。)の取付け状況を示している。なお、同図において、図6と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
図10において、この実施例においては、図6に示す第3の段差部材17cに代えて図3に示すものと同様の平板状の段差部材(以下「第4の段差部材17e」という。)が取り付けられており、監視対象物としての第1の橋桁1aの下面にはZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が、第4の段差部材17eの下面にはX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの先端部がそれぞれ所定の弾力を維持して当接されている。ここで、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの先端部はZ軸変位センサ用プローブ4と同様に丸くかつ滑らかに形成されている。
【0069】
次に、このように配設された第4の変位センサ本体S4を用いて監視対象物としての第1の橋桁1aのズレを測定する方法について説明する。
【0070】
先ず、第1の橋桁1aがZ軸方向に変位した場合については、第1の実施例と同様に、第4の変位センサ本体S4のZ軸変位センサ用プローブ4の昇降運動に対応してFBG8が伸縮することから、歪みFBG8の反射波長を計測することにより、Z軸変位センサ用プローブ4の変位量を高感度でモニタすることができる。次に、第4の段差部材17eが監視対象物に取り付けられていることから、第1の実施例と同様に、第4の変位センサ本体S4のX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが第4の段差部材17eから外れて監視対象物に向かって突出するか否かにより、監視対象物が許容範囲を超えてX軸方向またはY軸方向に変位したか否かを判別することができる。すなわち、監視対象物である第1の橋桁1aがX軸方向またはX軸方向にその許容範囲を超えて変位すると、図10に示すように、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが第1の橋桁1aの下面に向かって伸びきるように突出することになる。そして、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが伸びきると、第1、第2の滑車間の間隔が広がり、これに応じて光ファイバ16に張力が作用し光ファイバ16に所定の伝送ロスが発生する。従って、第1、第2の滑車等で構成されるリミッタ検知手段を歪みFBG8と温度補償用FBG9との間に設置しておけば、FBG8と温度補償用FBG9の波形レベル差の変化を計測することで監視対象物がX軸方向またはX軸方向にその許容範囲を超えて変位したか否かを検知することができる。
【0071】
ここで、第4の段差部材17eの面形状は一般的には長方形のものが考えられるが、特にこの形状に限定されず、監視対象物である橋桁の予測挙動や許容変位により種々の形状にすることができる。
【0072】
図11は、計測中における歪みFBG8および温度補償用FBG9の波形を示している。なお、同図において、図4と共通するものには同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0073】
図11において、L8は光ファイバに伝送ロスが生じている状態における歪みFBG8の反射波形を示している。
【0074】
同図から、Z軸方向の変位については、第1の実施例と同様にして歪みFBG8の波長変動から測定することができる。また、X軸方向およびY軸方向の変位については、歪みFBG8と温度補償用FBG9のレベル差から判定することができる。すなわち、X軸・Y軸用のリミッタが光ファイバ16を介して歪みFBG8と温度補償用FBG9の間に配置されていることから、監視対象物がX軸方向および(または)Y軸方向にその許容範囲を超えて変位すると、歪みFBG8の反射波形信号のレベルが図11に示すように低下することから、かかるレベル差を測定することにより、監視対象物が許容範囲を超えてX軸方向および(または)Y軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0075】
ここで、上記のレベル差判定が曖昧と思われる場合は、図9に示す滑車を刃先に代えることにより、光ファイバ16に張力が作用した際に当該光ファイバ16を切断するようにしてもよい。
【0076】
以上のように、第3の実施例によれば、1個の変位センサを用いることで、監視対象物のZ軸方向の変位を監視することができる。また、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの変位を光ファイバの曲げに変形させる機構若しくは光ファイバを断線させる機構を備えることで、X軸方向およびY軸方向の何れかの方向のズレが許容値を超えたことを判別することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は前述の実施例に限定されず、例えば次のようにしてもよい。 第1に、段差部材は平板状のものに限定されず、例えば段差部材の計測面(変位センサのプローブが当接する面)に階段状の段部を設けてもよい。因みに、計測面を階段状に形成した場合には、同一の歪みFBGでX軸方向およびY軸方向の変位許容値のリミット判定を同時にかつ容易に行うことができる。
【0078】
第2に、Z軸変位センサ用プローブ4、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aおよびX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bは、X―Y軸方向に弾性のある材料で形成してもよい。因みに、これらのプローブをX―Y軸方向に弾性のある材料で形成した場合は、プローブ自身の損傷を防止することができる。すなわち、これらのプローブが許容範囲を超え段差部材から外れ、原位置に戻れない場合に、プローブにある程度X―Y軸方向に弾性が付与されていればプローブ自身の損傷を防止することができる。
【0079】
第3に、段差部材は長方形のものに限定されず、また段差部材の3軸方向の寸法も実施例のものに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の監視対象物としての高速道路等の橋桁の模式図。
【図2】本発明の第1の実施例における変位センサ本体の概略断面図。
【図3】本発明の第1の実施例における監視対象物に対する変位センサ本体の設置状況を示す説明図。
【図4】本発明の第1の実施例における歪みFBGおよび温度補償用FBGの波形図。
【図5】本発明の第2の実施例における変位センサ本体の概略断面図。
【図6】本発明の第2の実施例における監視対象物に対する変位センサ本体の設置状況を示す説明図。
【図7】本発明の第2の実施例における歪みFBGおよび温度補償用FBGの波形図。
【図8】本発明の第3の実施例における変位センサ本体の概略断面図。
【図9】本発明の第3の実施例における変位センサ本体の要部拡大図。
【図10】本発明の第3の実施例における監視対象物に対する変位センサ本体の設置状況を示す説明図。
【図11】本発明の第3の実施例における歪みFBGおよび温度補償用FBGの波形図。
【符号の説明】
【0081】
1a、1b・・・橋桁
4・・・Z軸変位センサ用プローブ
4a・・・X軸・Y軸変位センサ用プローブ
4b・・・X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ
3・・・筺体
3a・・・壁体
7・・・弾性板
8・・・歪みFBG
8a・・・第2の歪みFBG
17a、17b、17c・・・段差部材
17d・・・スロープ部材
16・・・光ファイバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサに係り、特に、監視対象物である高速道路等の橋桁のズレを監視する場合に有用な構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高速道路の橋桁は、地震、気候変化、車等さまざまな原因で微妙にズレが生じ、地震が発生した場合にはその規模により大きく変動する虞があった。特に、阪神淡路大震災等の例に見られるように、大地震が発生した場合には橋桁が橋脚から外れて落下するという最悪の事故を引き起こす虞もあり得る。
【0003】
従来、このような高速道路については、地震が発生するたびに作業員が現場に赴いて全ての橋脚につき目視で橋桁のズレの有無を確認していた。
【0004】
しかしながら、このような目視による橋桁のズレの確認においては、確認すべき橋桁が首都高速道路だけでも約14,000箇所も存在することから、全ての橋桁のズレの確認に長時間を要し、迅速な対応を図ることができないという難点があった。
【0005】
一方、遠隔的な変位測定方法として、光ファイバの伸び歪みを計測して光ファイバセンサを設置した位置の変位量を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この光ファイバセンサによる変位測定方法は、次に述べるように、多くのメリットを備えており、遠隔監視技術として有効な技術といえる。
【0007】
第1に、センサとして光ファイバが用いられるので、測定地(センサ部)に電源を設ける必要がない。
【0008】
第2に、高速道路には高速道路に沿って通信用の光ファイバが布設されており、この既設の光ファイバを利用することで新たにインフラ整備の必要がなくなる。
【0009】
第3に、通信媒体が光ファイバであることから、雷等の影響を受けることなく広範囲にわたって遠隔地から監視することができる。
【0010】
しかしながら、このような光ファイバセンサによる変位測定方法を高速道路の橋桁のズレの監視に用いるには、次のような難点がある。
【0011】
第1に、基本的に光ファイバセンサは、これを監視対象物に設置した場合、1個あたり監視対象物の1軸方向(例えばZ軸方向)の変位しか計測できず、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向(以下「3軸方向」という。)の変位を監視するには、監視対象物に3個の光ファイバセンサを設置しなければならないという難点がある。
【0012】
第2に、監視対象物である全ての橋桁に3個の光ファイバセンサを設置して3軸方向の変位を計測することが理想的であるものの、光ファイバセンサは非常に高価であるため、コスト面で課題がある。
【0013】
第3に、コスト面での課題を解消するため、例えば全ての監視対象物について、変位量が許容値を超えたか否かのON・OFF判別手段を配置する方法も案出されるが、3軸方向の変位量を全てON・OFF判別すると、平時において当該センサの故障の有無を検知することができないという難点がある。
【0014】
第4に、橋桁のズレについては、長期間の監視が必要であり、また光ファイバセンサの信頼性も保持し、光ファイバセンサの故障の有無も監視状態で判別する必要があるところ、上記の光ファイバセンサによる変位測定方法では、監視状態で光ファイバセンサの故障の有無を監視することができないという難点がある。
【0015】
【特許文献1】特開2001−289616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、このような難点を解決するためになされたもので、監視対象物である高速道路等の橋桁の3軸方向のズレの変位を監視し、変位が許容値を超えたかどうかの判定を容易に行うことができ、コスト的にも有利な構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様である構造物の変位測定方法は、監視対象物に平板状の段差部材を取り付け、段差部材に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接して、監視対象物の3軸方向の変位を測定するものである。
【0018】
本発明の第2の態様である構造物の変位測定方法は、監視対象物に平板状の段差部材とX軸方向に向かって傾斜するスロープ部材を取り付け、段差部材に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接し、スロープ部材に変位センサのX軸・Y軸変位センサ用プローブを当接して、監視対象物の3軸方向の変位を測定するものである。
【0019】
本発明の第3の態様である構造物の変位測定方法は、監視対象物に平板状の段差部材を取り付け、監視対象物に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接し、段差部材に変位センサのX軸・Y軸変位リミッタ用プローブを当接して、監視対象物の3軸方向の変位を測定するものである。
【0020】
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの態様である構造物の変位測定方法において、段差部材のZ軸変位センサ用プローブまたはX・Y軸変位センサ用プローブが当接する面に段部が設けられているものである。
【0021】
本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの態様である構造物の変位測定方法において、Z軸変位センサ用プローブ、X・Y軸変位センサ用プローブおよびX・Y軸変位リミッタ用プローブの少なくとも一つは、X―Y軸方向に弾性のある部材で形成されているものである。
【0022】
本発明の第6の態様である変位センサは、筺体と、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、筺体内に設けられ、Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えるものである。
【0023】
本発明の第7の態様である変位センサは、筺体と、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位センサ用プローブと、筺体内に設けられ、Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する第1の弾性板と、X・Y軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する第2の弾性板と、第1の弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する第1の歪みFBGと、第2の弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する第2の歪みFBGとを備えるものである。
【0024】
本発明の第8の態様である変位センサは、筺体と、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位リミッタ用プローブと、筺体内に設けられ、Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、X・Y軸変位リミッタ用プローブの変位に応じてそれ自身の巻き回し状態が変化する光ファイバと、弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えるものである。
【0025】
本発明の第9の態様である変位センサは、筺体と、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が筺体内に位置し上端部が筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位リミッタ用プローブと、筺体内に設けられ、Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、X・Y軸変位リミッタ用プローブの変位に応じてそれ自身が断線する光ファイバと、弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えるものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1の態様乃至第9の態様の構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサによれば、変位センサを1個乃至2個使用することで構造物の3軸方向の変位を監視することができ、安価な構造物の変位監視システムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の構造物の変位測定方法およびこれに用いる変位センサを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、高速道路等の橋桁の模式図を示している。
【0029】
同図において、監視対象物である高速道路等の橋桁1a、1b(以下、橋桁1aを「第1の橋桁1a」、橋桁1bを「第2の橋桁1b」という。)は、橋脚2の上部にその端縁部が対向するように配設されている。ここで、第1、第2の橋桁1a、1bのX軸方向およびY軸方向の許容ズレ量はそれぞれ数10cmとされ、Z軸方向の許容ズレ量は数cmとされている。従って、X軸方向およびY軸方向のズレ量がそれぞれ数10cmを超えると第1、第2の橋桁1a、1bが橋脚2から落下し、Z軸方向のズレ量が数cmを超えると道路に段差が発生していることになる。
[実施例1]
図2は本発明の第1の実施例における変位センサ本体の概略断面図を示している。
【0030】
同図において、本発明の変位センサは筺体3を備えており、この筺体3の上部壁体3aにはZ軸変位センサ用プローブ4が突設され、また、筺体3内には、後述するギヤ機構5、コイル状のバネ部材6、弾性板7、歪みFBG8(ファイバー・ブラツグ・グレーティング)および温度補償用FBG9が配設されている。
【0031】
Z軸変位センサ用プローブ4は、その下端部が筺体3内に位置し、上端部が筺体3の上部壁体3aを垂直に貫通して突設されており、下端部にはラック部材(以下「第1のラック部材」という。)10が垂設されている。また、第1のラック部材10には水平に延びる係止部材11が連設され、この係止部材11と筺体3の上部壁体3a間にはコイル状のバネ部材6が張設され、このバネ部材6の弾力によりZ軸変位センサ用プローブ4が上下方向に進退可能とされている。
【0032】
また、第1のラック部材10には第1のラック部材10の上下運動を回転運動に変換する小歯車12および大歯車13が配設され、大歯車13には大歯車13の回転運動を上下運動に変換するラック部材(以下「第2のラック部材」という。)14が配設されている。
【0033】
弾性板7は、その一端部が筺体3の底部3bに立設されたボス15の頂部に固定され他端部は自由端とされ、当該自由端は上下自在に変形するように配設されている。また、弾性板7の他端部の上面には第2のラック部材14の下端部が当接され、この第2のラック部材14の上下運動により、Z軸変位センサ用プローブ4の上下方向の変動が第1のラック部材10→小歯車12→大歯車13→第2のラック部材14に至る機構(以下「ギヤ機構5」という。)を介して弾性板7の自由端が上下に変形するように構成されている。
【0034】
また、弾性板7の上面には長手方向に沿って歪みFBG8が固定され、この歪みFBG8には光ファイバ16を介して温度補償用FBG9が接続されている。
【0035】
図3は監視対象物としての第1、第2の橋桁1a、1bに対する変位センサ本体S1、S2(以下、変位センサ本体S1を「第1の変位センサ本体S1」、変位センサ本体S2を「第2の変位センサ本体S2」という。)の設置状況を示している。なお、同図において、図1および図2と共通する部分には同一の符号が付されている。
【0036】
図3において、先ず、橋脚2の上部には切欠部2aが設けられており、この切欠部2aには、第1、第2の変位センサ本体S1、S2がそれぞれZ軸変位センサ用プローブ4を監視対象物である第1、第2の橋桁1a、1bの下面に向けて配設されている。
【0037】
一方、第1、第2の橋桁1a、1bの対向する端縁部近傍の下面には、それぞれ平板状の段差部材17a、17b(以下、段差部材17aを「第1の段差部材17a」、段差部材17bを「第2の段差部材17b」という。)が取り付けられており、第1の段差部材17aの下面には第1の変位センサ本体S1のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が、第2の段差部材17bの下面には第2の変位センサ本体S2のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部がそれぞれ所定の弾力を維持して当接されている。ここで、Z軸変位センサ用プローブ4の先端部は丸くかつ滑らかに形成され、また、Z軸変位センサ用プローブ4の先端部が当接する第1、第2の段差部材17a、17bの下面は平滑に形成されている。さらに、第1、第2の段差部材17a、17bはそれぞれ矩形状とされ、X軸方向およびY軸方向の寸法はそれぞれ数10cmとされ、Z軸方向の厚さは数cmとされている。
【0038】
次に、このように配設された第1、第2の変位センサ本体S1、S2を用いて監視対象物としての第1、第2の橋桁1a、1bのズレを測定する方法について説明する。
【0039】
例えば、第1の橋桁1aがZ軸方向に橋脚2に向かって変位すると、Z軸変位センサ用プローブ4が下降し、この下降運動が小歯車12および大歯車13によってそれぞれ回転運動に変換され、大歯車13の回転運動が第2のラック部材14によって下降運動に変換される。このようにして、第1の橋桁1aの変位がギヤ機構5を介して第2のラック部材14に伝動されると、自由端である弾性板7の他端部が下方に向かって反り返るように曲がり、当該弾性板7に曲げが生じると、これに固定された歪みFBG8が伸張することになる。
【0040】
そうすると、歪みFBG8自身の伸張により反射波長が変化することから、光ファイバ16の入力部から光を入力し、歪みFBG8による反射波長を計測することにより、Z軸変位センサ用プローブ4の変位量を高感度でモニタすることができる。
【0041】
次に、前述と反対に、第1の橋桁1aがZ軸方向に橋脚2と反対方向に向かって変位すると、Z軸変位センサ用プローブ4が上昇し、この上昇運動がギヤ機構5を介して第2のラック部材14に上昇運動として伝動される。これにより、自由端である弾性板7の他端部が上方に向かって曲がり、当該弾性板7に曲げが生じると、これに固定された歪みFBG8が縮小することになる。
【0042】
そうすると、歪みFBG8自身の縮小により反射波長が変化することから、前述と同様にして、歪みFBG8による反射波長を計測することができる。なお、歪みFBG8は筺体3内の温度によっても反射波長が変化するが、かかる反射波長の変化は温度補償用FBG9でキャンセルすることができる。
【0043】
図4は、計測中における歪みFBG8および温度補償用FBG9の波形を示している。ここで、通常、ピーク波長のみが計測されるのが一般的であるが、ここでは、説明を容易にするためスペクトラムアナライザによる波形を示している。図中、L1は監視対象物(例えば第1の橋桁1a)のズレ量が許容範囲内にある場合における歪みFBG8の反射波形、L2、L3は監視対象物(例えば第1の橋桁1a)のズレ量が許容範囲を超えた場合における歪みFBG8の反射波形、L4は温度補償用FBG9の反射波形を示している。
【0044】
同図から、歪みFBG8の波長からZ軸方向の変位をモニタすることで、例えば第1の橋桁1aのZ軸方向の変位が許容ズレ量(数cm)内であれば、波形L1で示すように歪みFBG8は許容範囲内での反射波長を示すことになり、また、第1の橋桁1aのZ軸方向の変位が許容ズレ量(数cm)を超えると、波形L2で示すように反射波長が変化することから、歪みFBG8の反射波長からZ軸の変位をモニタすることで、許容範囲を超えた場合はすべて異常と判断することができる。なお、波形L4は温度補償用FBG9の反射波長を示しており、この反射波長をモニタすることで筺体3内の温度変化による反射波長の変化をキャンセルすることができる。
【0045】
次に、監視対象物である第1の橋桁1aがX軸方向またはY軸方向に変位してZ軸変位センサ用プローブ4が第1の段差部材17aから外れると、Z軸変位センサ用プローブ4の先端部が第1の橋桁1aに向かって伸びきるように突出することになる。これにより、歪みFBG8の波長がZ軸の変位量とは無関係に長波長側の許容値以上の範囲に急激にシフトすることから、第1の橋桁1aが許容範囲を超えてX軸方向またはY軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0046】
以上のように、第1の実施例によれば、1個の変位センサ本体を用いることで、監視対象物のZ軸方向の変位を監視することができ、また、段差部材を用いることで、X軸方向およびY軸方向の少なくとも何れか一方の軸方向のズレが許容値を超えたか否かを判別することができる。
[実施例2]
図5は本発明の第2の実施例における変位センサ本体の概略断面図を示している。なお、同図において、図2と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
図5において、この実施例においては、筺体3の上部壁体3aに、図2に示すZ軸変位センサ用プローブ4と同様のX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aがZ軸変位センサ用プローブ4から所定長離間した位置に突設され、また、筺体3内にも、図2に示すギヤ機構5、コイル状のバネ部材6、弾性板7および歪みFBG8と同様に、ギヤ機構5a(以下「第2のギヤ機構5a」という。)、コイル状のバネ部材6a(以下「第2のバネ部材6a」という。)、弾性板7a(以下「第2の弾性板7a」という。)および歪みFBG8a(以下「第2の歪みFBG8a」という。)が配設されている。
【0048】
X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aは、Z軸変位センサ用プローブ4と同様に、その下端部が筺体3内に位置し、上端部が筺体3の上部壁体3aを垂直に貫通して突設されており、下端部にはラック部材(以下「X軸・Y軸用の第1のラック部材」という。)10aが垂設されている。また、X軸・Y軸用の第1のラック部材10aには水平に延びる係止部材11a(以下「第2の係止部材11a」という。)が連設され、この第2の係止部材11aと筺体3の上部壁体3a間には第2のバネ部材6aが張設され、この第2のバネ部材6aの弾力によりX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aが上下方向に進退可能とされている。
【0049】
また、X軸・Y軸用の第1のラック部材10aにはX軸・Y軸用の第1のラック部材10aの上下運動を回転運動に変換する小歯車12a(以下「第2の小歯車12a」という。)および大歯車13a(以下「第2の大歯車13a」という。)が配設され、第2の大歯車13aには第2の大歯車13aの回転運動を上下運動に変換するラック部材(以下「X軸・Y軸用の第2のラック部材」という。)14aが配設されている。
【0050】
第2の弾性板7aは、その一端部が筺体3の底部3bに立設されたボス15a(以下「第2のボス15a」という。)の頂部に固定され他端部は自由端とされ、当該自由端は上下自在に変形するように配設されている。また、第2の弾性板7aの他端部の上面にはX軸・Y軸用の第2のラック部材14aの下端部が当接され、このX軸・Y軸用の第2のラック部材14aの上下運動により、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの上下方向の変動がX軸・Y軸用の第1のラック部材10a→第2の小歯車12a→第2の大歯車13a→X軸・Y軸用の第2のラック部材14aに至る機構(以下「第2のギヤ機構5a」という。)を介して第2の弾性板7aの自由端が上下に変形するように構成されている。
【0051】
また、第2の弾性板7aの上面には長手方向に沿って第2の歪みFBG8aが固定され、この第2の歪みFBG8aには光ファイバ16を介して歪みFBG8および温度補償用FBG9が接続されている。
【0052】
図6は監視対象物としての第1、第2の橋桁1a、1bに対する変位センサ本体S3(以下「第3の変位センサ本体S3」という。)の設置状況を示している。なお、同図において、図1、図3および図5と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
図6において、先ず、第2の橋桁1bの端縁部下面には、第2の橋桁1bと第3の変位センサ本体S3の位置関係を固定するためのL字状の固定部材18が取り付けられ、この固定部材18の取り付けによって区画された固定部材18と第1の橋桁1aとの空間部には、第3の変位センサ本体S3がZ軸変位センサ用プローブ4およびX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aを監視対象物である第1の橋桁1aの下面に向けて配設されている。
【0054】
一方、第1の橋桁1a端縁部近傍の下面には、平板状の段差部材(以下「第3の段差部材」という。)17cと、X軸方向に向かって傾斜するスロープ部材17dが取り付けられており、第3の段差部材17cの下面には第3の変位センサ本体S3のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が、スロープ部17dのスロープ面には第3の変位センサ本体S3のX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの先端部がそれぞれ所定の弾力を維持して当接されている。ここで、スロープ部17dは第3の段差部材17cの一端縁部分に一体に連設され、下方部から見て全体として矩形状とされている。また、第3の段差部材17cのZ軸方向の厚さは数cmとされ、スロープ部17dのX軸方向およびY軸方向の寸法はそれぞれ数10cmとされている。
【0055】
次に、このように配設された第3の変位センサ本体S3を用いて監視対象物としての第1の橋桁1aのズレを測定する方法について説明する。
【0056】
先ず、第1の橋桁1aがZ軸方向に変位した場合については、第1の実施例と同様に、第3の変位センサ本体S3のZ軸変位センサ用プローブ4の昇降運動に対応してFBG8が伸縮することから、歪みFBG8の反射波長を計測することにより、Z軸変位センサ用プローブ4の変位量を高感度でモニタすることができる。また、第3の段差部材17cが監視対象物に取り付けられていることから、第1の実施例と同様に、第3の変位センサ本体S3のZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が第3の段差部材17cから外れて監視対象物に向かって突出するか否かにより、監視対象物が許容範囲を超えてX軸方向またはY軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0057】
次に、第1の橋桁1aと第2の橋桁1bのX軸方向の位置関係については、監視対象物である第1の橋桁1aがX軸方向に変位すると、スロープ部17dの高さがスロープ部17dの位置に対応して変化することから、第2のFBG8aの波長をモニタすることで計測することができる。すなわち、第1の橋桁1aがX軸方向に変位してスロープ部17dの高さが変化すると、Z軸変位センサ用プローブ4と同様に、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの昇降運動に対応して第2のFBG8aが伸縮することから、第2の歪みFBG8aによる反射波長を計測することにより、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの変位量を高感度でモニタすることができる。
【0058】
また、監視対象物である第1の橋桁1aがY軸方向に変位してX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aがスロープ部17dから外れると、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの先端部が第1の橋桁1aの下面に向かって伸びきるように突出することになる。これにより、第2の歪みFBG8aの波長がZ軸の変位量とは無関係に長波長側の許容値以上の範囲に急激にシフトすることから、第1の橋桁1aが許容範囲を超えてY軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0059】
図7は、計測中における歪みFBG8、第2の歪みFBG8aおよび温度補償用FBG9の波形を示している。なお、同図において、図4と共通するものには同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
図7において、L5は監視対象物(例えば第1の橋桁1a)のズレ量が許容範囲内にある場合における第2の歪みFBG8aの反射波形、L6、L7は監視対象物(例えば第1の橋桁1a)のズレ量が許容範囲を超えた場合における第2の歪みFBG8aの反射波形を示している。
【0061】
同図から、Z軸方向の変位については、第1の実施例と同様にして歪みFBG8の波長変動から測定することができる。また、X軸方向の変位については、第2の歪みFBG8aの波長変動から歪みFBG8の波長変動を差し引くことで測定することができる。さらに、Y軸方向の変位については、第1の橋桁1aのY軸方向の変位が許容ズレ量(数10cm)を超えると、X軸方向およびZ軸方向の変位量とは無関係に第2の歪みFBG8aの波長が長波長側の許容値以上の範囲に急激にシフトすることから、第1の橋桁1aが許容範囲を超えてY軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0062】
以上のように、第2の実施例によれば、1個の変位センサ本体を用いることで、監視対象物のZ軸方向の変位を監視することができ、またX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aの先端部が当接する計測面にX軸方向に向かうスロープ部を有することによって、X軸方向の変位をZ軸方向の変位に置換して計測することができる。さらに、段差部材を用いることで、X軸方向およびY軸方向の少なくとも何れか一方の軸方向のズレが許容値を超えたか否かを判別することができる。
[実施例3]
図8は本発明の第3の実施例における変位センサ本体の概略断面図を示している。なお、同図において、図5と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
図8において、この実施例においては、図5に示すX軸・Y軸変位センサ用プローブ4aに代えてX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが配設されている。
【0064】
X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bは、Z軸変位センサ用プローブ4と同様に、その下端部が筺体3内に位置し、上端部が筺体3の上部壁体3aを垂直に貫通して突設されており、下端部には図中左側に水平に延びる係止部材11c(以下「第3の係止部材11c」という。)が連設され、この第3の係止部材11cと筺体3の上部壁体3a間にはバネ部材6b(以下「第3のバネ部材6b」という。)が張設され、この第3のバネ部材6bの弾力によりX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが上下方向に進退可能とされている。
【0065】
また、筐体3内には、図5に示す第2のギヤ機構5a、第2の弾性板7aおよび第2の歪みFBG8aに代えて第1、第2の滑車19、20が上下に離間して配設されている。また、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの下端部には図中右方向に水平に延びる横設部材21が連設され、この横設部材21に第1の滑車19が回転可能に配置されている。さらに、第2の滑車20は筺体3の底部3bに立設した架台21に回転可能に配設され、第1、第2の滑車19、20間には歪みFBG8に接続された光ファイバ16が弛んだ状態で略真円状に巻回されている。
【0066】
ここで、第1、第2の滑車間の間隔は、図9に示すように、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの変位が0になったときに、光ファイバ16に所定の張力が作用するように予め設計され、また、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの変位が0になったときに、第1、第2の滑車が小径になり、光ファイバ16に張力が作用した時点で光ファイバ16に損失が発生するように設計されている。
【0067】
図10は監視対象物としての第1、第2の橋桁1a、1bに対する変位センサ本体S4(以下「第4の変位センサ本体S4」という。)の取付け状況を示している。なお、同図において、図6と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
図10において、この実施例においては、図6に示す第3の段差部材17cに代えて図3に示すものと同様の平板状の段差部材(以下「第4の段差部材17e」という。)が取り付けられており、監視対象物としての第1の橋桁1aの下面にはZ軸変位センサ用プローブ4の先端部が、第4の段差部材17eの下面にはX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの先端部がそれぞれ所定の弾力を維持して当接されている。ここで、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの先端部はZ軸変位センサ用プローブ4と同様に丸くかつ滑らかに形成されている。
【0069】
次に、このように配設された第4の変位センサ本体S4を用いて監視対象物としての第1の橋桁1aのズレを測定する方法について説明する。
【0070】
先ず、第1の橋桁1aがZ軸方向に変位した場合については、第1の実施例と同様に、第4の変位センサ本体S4のZ軸変位センサ用プローブ4の昇降運動に対応してFBG8が伸縮することから、歪みFBG8の反射波長を計測することにより、Z軸変位センサ用プローブ4の変位量を高感度でモニタすることができる。次に、第4の段差部材17eが監視対象物に取り付けられていることから、第1の実施例と同様に、第4の変位センサ本体S4のX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが第4の段差部材17eから外れて監視対象物に向かって突出するか否かにより、監視対象物が許容範囲を超えてX軸方向またはY軸方向に変位したか否かを判別することができる。すなわち、監視対象物である第1の橋桁1aがX軸方向またはX軸方向にその許容範囲を超えて変位すると、図10に示すように、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが第1の橋桁1aの下面に向かって伸びきるように突出することになる。そして、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bが伸びきると、第1、第2の滑車間の間隔が広がり、これに応じて光ファイバ16に張力が作用し光ファイバ16に所定の伝送ロスが発生する。従って、第1、第2の滑車等で構成されるリミッタ検知手段を歪みFBG8と温度補償用FBG9との間に設置しておけば、FBG8と温度補償用FBG9の波形レベル差の変化を計測することで監視対象物がX軸方向またはX軸方向にその許容範囲を超えて変位したか否かを検知することができる。
【0071】
ここで、第4の段差部材17eの面形状は一般的には長方形のものが考えられるが、特にこの形状に限定されず、監視対象物である橋桁の予測挙動や許容変位により種々の形状にすることができる。
【0072】
図11は、計測中における歪みFBG8および温度補償用FBG9の波形を示している。なお、同図において、図4と共通するものには同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0073】
図11において、L8は光ファイバに伝送ロスが生じている状態における歪みFBG8の反射波形を示している。
【0074】
同図から、Z軸方向の変位については、第1の実施例と同様にして歪みFBG8の波長変動から測定することができる。また、X軸方向およびY軸方向の変位については、歪みFBG8と温度補償用FBG9のレベル差から判定することができる。すなわち、X軸・Y軸用のリミッタが光ファイバ16を介して歪みFBG8と温度補償用FBG9の間に配置されていることから、監視対象物がX軸方向および(または)Y軸方向にその許容範囲を超えて変位すると、歪みFBG8の反射波形信号のレベルが図11に示すように低下することから、かかるレベル差を測定することにより、監視対象物が許容範囲を超えてX軸方向および(または)Y軸方向に変位したか否かを判別することができる。
【0075】
ここで、上記のレベル差判定が曖昧と思われる場合は、図9に示す滑車を刃先に代えることにより、光ファイバ16に張力が作用した際に当該光ファイバ16を切断するようにしてもよい。
【0076】
以上のように、第3の実施例によれば、1個の変位センサを用いることで、監視対象物のZ軸方向の変位を監視することができる。また、X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bの変位を光ファイバの曲げに変形させる機構若しくは光ファイバを断線させる機構を備えることで、X軸方向およびY軸方向の何れかの方向のズレが許容値を超えたことを判別することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は前述の実施例に限定されず、例えば次のようにしてもよい。 第1に、段差部材は平板状のものに限定されず、例えば段差部材の計測面(変位センサのプローブが当接する面)に階段状の段部を設けてもよい。因みに、計測面を階段状に形成した場合には、同一の歪みFBGでX軸方向およびY軸方向の変位許容値のリミット判定を同時にかつ容易に行うことができる。
【0078】
第2に、Z軸変位センサ用プローブ4、X軸・Y軸変位センサ用プローブ4aおよびX軸・Y軸変位リミッタ用プローブ4bは、X―Y軸方向に弾性のある材料で形成してもよい。因みに、これらのプローブをX―Y軸方向に弾性のある材料で形成した場合は、プローブ自身の損傷を防止することができる。すなわち、これらのプローブが許容範囲を超え段差部材から外れ、原位置に戻れない場合に、プローブにある程度X―Y軸方向に弾性が付与されていればプローブ自身の損傷を防止することができる。
【0079】
第3に、段差部材は長方形のものに限定されず、また段差部材の3軸方向の寸法も実施例のものに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の監視対象物としての高速道路等の橋桁の模式図。
【図2】本発明の第1の実施例における変位センサ本体の概略断面図。
【図3】本発明の第1の実施例における監視対象物に対する変位センサ本体の設置状況を示す説明図。
【図4】本発明の第1の実施例における歪みFBGおよび温度補償用FBGの波形図。
【図5】本発明の第2の実施例における変位センサ本体の概略断面図。
【図6】本発明の第2の実施例における監視対象物に対する変位センサ本体の設置状況を示す説明図。
【図7】本発明の第2の実施例における歪みFBGおよび温度補償用FBGの波形図。
【図8】本発明の第3の実施例における変位センサ本体の概略断面図。
【図9】本発明の第3の実施例における変位センサ本体の要部拡大図。
【図10】本発明の第3の実施例における監視対象物に対する変位センサ本体の設置状況を示す説明図。
【図11】本発明の第3の実施例における歪みFBGおよび温度補償用FBGの波形図。
【符号の説明】
【0081】
1a、1b・・・橋桁
4・・・Z軸変位センサ用プローブ
4a・・・X軸・Y軸変位センサ用プローブ
4b・・・X軸・Y軸変位リミッタ用プローブ
3・・・筺体
3a・・・壁体
7・・・弾性板
8・・・歪みFBG
8a・・・第2の歪みFBG
17a、17b、17c・・・段差部材
17d・・・スロープ部材
16・・・光ファイバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象物に平板状の段差部材を取り付け、前記段差部材に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接して、前記監視対象物の3軸方向の変位を測定することを特徴とする変位測定方法。
【請求項2】
監視対象物に平板状の段差部材とX軸方向に向かって傾斜するスロープ部材を取り付け、前記段差部材に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接し、前記スロープ部材に変位センサのX軸・Y軸変位センサ用プローブを当接して、前記監視対象物の3軸方向の変位を測定することを特徴とする変位測定方法。
【請求項3】
監視対象物に平板状の段差部材を取り付け、前記監視対象物に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接し、前記段差部材に変位センサのX軸・Y軸変位リミッタ用プローブを当接して、前記監視対象物の3軸方向の変位を測定することを特徴とする変位測定方法。
【請求項4】
前記段差部材の前記Z軸変位センサ用プローブまたは前記X・Y軸変位センサ用プローブが当接する面に段部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の変位センサ。
【請求項5】
前記Z軸変位センサ用プローブ、前記X・Y軸変位センサ用プローブおよび前記X・Y軸変位リミッタ用プローブの少なくとも一つは、X―Y軸方向に弾性のある部材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の変位センサ。
【請求項6】
筺体と、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、前記筺体内に設けられ、前記Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、前記弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えることを特徴とする変位センサ。
【請求項7】
筺体と、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位センサ用プローブと、前記筺体内に設けられ、前記Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する第1の弾性板と、前記X・Y軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する第2の弾性板と、前記第1の弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する第1の歪みFBGと、前記第2の弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する第2の歪みFBGとを備えることを特徴とする変位センサ。
【請求項8】
筺体と、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位リミッタ用プローブと、前記筺体内に設けられ、前記Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、前記X・Y軸変位リミッタ用プローブの変位に応じてそれ自身の巻き回し状態が変化する光ファイバと、前記弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えることを特徴とする変位センサ。
【請求項9】
筺体と、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位リミッタ用プローブと、前記筺体内に設けられ、前記Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、前記X・Y軸変位リミッタ用プローブの変位に応じてそれ自身が断線する光ファイバと、前記弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えることを特徴とする変位センサ。
【請求項1】
監視対象物に平板状の段差部材を取り付け、前記段差部材に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接して、前記監視対象物の3軸方向の変位を測定することを特徴とする変位測定方法。
【請求項2】
監視対象物に平板状の段差部材とX軸方向に向かって傾斜するスロープ部材を取り付け、前記段差部材に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接し、前記スロープ部材に変位センサのX軸・Y軸変位センサ用プローブを当接して、前記監視対象物の3軸方向の変位を測定することを特徴とする変位測定方法。
【請求項3】
監視対象物に平板状の段差部材を取り付け、前記監視対象物に変位センサのZ軸変位センサ用プローブを当接し、前記段差部材に変位センサのX軸・Y軸変位リミッタ用プローブを当接して、前記監視対象物の3軸方向の変位を測定することを特徴とする変位測定方法。
【請求項4】
前記段差部材の前記Z軸変位センサ用プローブまたは前記X・Y軸変位センサ用プローブが当接する面に段部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の変位センサ。
【請求項5】
前記Z軸変位センサ用プローブ、前記X・Y軸変位センサ用プローブおよび前記X・Y軸変位リミッタ用プローブの少なくとも一つは、X―Y軸方向に弾性のある部材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の変位センサ。
【請求項6】
筺体と、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、前記筺体内に設けられ、前記Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、前記弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えることを特徴とする変位センサ。
【請求項7】
筺体と、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位センサ用プローブと、前記筺体内に設けられ、前記Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する第1の弾性板と、前記X・Y軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する第2の弾性板と、前記第1の弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する第1の歪みFBGと、前記第2の弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する第2の歪みFBGとを備えることを特徴とする変位センサ。
【請求項8】
筺体と、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位リミッタ用プローブと、前記筺体内に設けられ、前記Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、前記X・Y軸変位リミッタ用プローブの変位に応じてそれ自身の巻き回し状態が変化する光ファイバと、前記弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えることを特徴とする変位センサ。
【請求項9】
筺体と、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたZ軸変位センサ用プローブと、下端部が前記筺体内に位置し上端部が前記筺体の壁体から突設されたX・Y軸変位リミッタ用プローブと、前記筺体内に設けられ、前記Z軸変位センサ用プローブの変位に応じて変形する弾性板と、前記X・Y軸変位リミッタ用プローブの変位に応じてそれ自身が断線する光ファイバと、前記弾性板に取り付けられ、それ自身の変形に応じて反射波長が変化する歪みFBGとを備えることを特徴とする変位センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−30077(P2006−30077A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211890(P2004−211890)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000002255)昭和電線電纜株式会社 (71)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000002255)昭和電線電纜株式会社 (71)
【Fターム(参考)】
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