樹木保護装置
【課題】植栽した樹木を大きく成長するまで保護するとともに、ビル風等の風を抑制して樹木がビル風等の風によって成長が阻害されるのを防止する。
【解決手段】樹木21を保護するとともに、ビル風等の風を抑制する樹木保護装置1であって、樹木21の幹22の下方の部分を包囲するように地盤25に設置される脚部2と、脚部2の上部に着脱自在に取り付けられて、樹木21の幹22の上方の部分及び枝23を包囲する防風部10とを備える。防風部10は、中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部11を有し、本体部11の内側に樹木21の幹22の上方の部分及び枝の部分が収納されている。
【解決手段】樹木21を保護するとともに、ビル風等の風を抑制する樹木保護装置1であって、樹木21の幹22の下方の部分を包囲するように地盤25に設置される脚部2と、脚部2の上部に着脱自在に取り付けられて、樹木21の幹22の上方の部分及び枝23を包囲する防風部10とを備える。防風部10は、中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部11を有し、本体部11の内側に樹木21の幹22の上方の部分及び枝の部分が収納されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木保護装置に関し、特に、ビル風等の風を抑制する防風機能を備えた樹木保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス街等のビルの谷間に生じるビル風は、往来する人々にストレスを与えるため、ビル風を抑制するための対策として、複数の樹木を植栽して街路樹を構築したり、防風ネットを設置したり、人工的な構造物を設置したりすることが行われている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開平10−238165号公報
【特許文献2】特開平4−336179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、樹木を植栽して街路樹を構築する場合には、植栽当初の葉が十分に茂っていない状態では十分な防風効果が得られない。また、樹木の成長にビル風がストレスとなって作用し、樹木の枯死等の原因となる。さらに、植栽当初から防風効果を高めるためには、大きな樹木を植栽しなければならないため、樹木の確保が困難になるとともに、植栽の時期によっては樹木を遠方から調達しなければならず、植栽に要する費用が嵩む。さらに、枯死のリスクが非常に高くなる。
【0004】
さらに、防風ネットを使用する場合には、計画通りの防風効果が施工当初から得られるが、意匠的にあまり好ましくなく、樹木のような癒しや暑熱環境改善等の副次的な効果が望めない。
【0005】
さらに、人工物を設置する場合には、意匠性に優れるものも存在するので、計画通りの防風効果が施工当初から得られるが、樹木のような癒しや暑熱環境改善等の副次的な効果を得ることができない。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、植栽に要するコストを低減させることができるとともに、植栽当初から高い防風効果が得られ、さらに、植栽した樹木がビル風による影響によって枯死等することがなく、植栽した樹木が大きく成長するまで確実に保護することができ、さらに、意匠性を高めることができる樹木保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、樹木を保護するとともに、ビル風等の風を抑制する樹木保護装置であって、前記樹木の幹の下方の部分を包囲するように地盤に設置される脚部と、該脚部の上部に着脱自在に取り付けられて、前記樹木の幹の上方の部分及び枝を包囲する防風部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明による樹木保護装置によれば、脚部によって樹木の幹の下方の部分が包囲され、防風部によって幹の上方の部分及び枝の部分が包囲されることになるので、植栽直後から大きく成長するまで樹木を保護することができるとともに、防風部によってビル風等の風を抑制することができるので、ビル風等の風が直接に樹木に作用して、樹木の成長が妨げられるようなこともない。また、防風部は、脚部に着脱自在に取り付けられているので、樹木が大きく成長して防風部の内側に収まりきれなくなった場合には、防風部を脚部から取り外すことにより、樹木の更なる成長を促進することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の樹木保護装置であって、前記防風部は、中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部を有し、該本体部の内側に前記樹木の幹の上方の部分及び枝の部分が収納されていることを特徴とする。
【0010】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部によってビル風等の風が抑制されることになる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の樹木保護装置であって、前記本体部は、複数に分解可能若しくは展開、折り畳み可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部を脚部から取り外す際に、本体部を複数に分解したり、展開したり、折り畳んだりすることができるので、防風部の内側で大きく成長した樹木を傷付けるのを防止できる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の樹木保護装置であって、前記本体部は、複数のフィンを組み合わせて構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の本体部の複数のフィンによってビル風等の風が抑制されることになる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項2から4の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記本体部にネットを張り付け、若しくは前記本体部をネット状部材により構成したことを特徴とする。
【0016】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の本体部に張り付けたネットにより、若しくはネット状部材により構成した本体部によって防風部の防風効果を高めることができる。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項2から5の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記本体部に複数の風車を取り付け、若しくは前記本体部を風車により構成したことを特徴とする。
【0018】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の本体部の複数の風車により、若しくは風車により構成した本体部により、防風部の防風効果を高めることができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項2から6の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記本体部にツタ系の植物を垂れ下げたことを特徴とする。
【0020】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の本体部に垂れ下げたツタ系の植物によって、防風効果を高めることができるとともに、緑陰を得ることもできる。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項2から7の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記本体部に噴射孔を有する給水パイプを内蔵し若しくは付置し、該噴射孔よりシャワー状若しくは霧状に散水することにより、前記樹木に水が供給されるように構成したことを特徴とする。
【0022】
本発明による樹木保護装置によれば、本体部に内蔵若しくは付置した給水パイプの噴射孔よりシャワー状若しくは霧状に散水することにより、樹木に水を供給することができるとともに、蒸散により樹木周辺の暑熱環境が改善される。
【0023】
請求項9に係る発明は、請求項1から8の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記脚部は、前記樹木を包囲するように設置される複数本の脚と、該脚の外側に設けられる補強材とからなり、該補強材は、分解可能若しくは展開、折り畳み可能に形成されていることを特徴とする。
【0024】
本発明による樹木保護装置によれば、補強材によって脚部の複数本の脚を補強することができるとともに、補強材は分解可能若しくは展開、折り畳み可能となっているので、補強材の脚への取り付け、取り外しが容易となる。
【発明の効果】
【0025】
以上、説明したように、本発明の樹木保護装置によれば、植栽した樹木の幹の下方の部分を脚部で包囲し、幹の上方の部分及び枝の部分を防風部で包囲することができるので、植栽した植物を植栽直後から大きく成長するまで保護することができる。
また、防風部によってビル風等の風を抑制することができるので、植栽直後の樹木がビル風等の風の影響を受けて枯死するようなことはなく、樹木が大きく成長するまで確実に保護することができる。
さらに、防風部を脚部に対して着脱自在に構成しているので、樹木が大きく成長して防風部の内側に収納しきれなくなった場合には、防風部を脚部から取り外すことにより、樹木の更なる成長を許容することができる。
さらに、大きく成長した樹木を植栽する必要がないので、植栽に要する費用を大幅に削減することができる。
さらに、防風部の本体部にネットを貼り付けたり、本体部をネット状部材によって構成したり、本体部に複数の風車を取り付けたり、本体部を風車によって構成したり、本体部にツタ系の植物を垂れ下げたりすることにより、防風部による防風効果を高めることができる。
さらに、本体部に給水パイプを内蔵したり、本体部に給水パイプを付置したりすることにより、樹木に水を供給することができるとともに、散水することで蒸散により樹木の周辺の暑熱環境が改善される。
さらに、脚部の脚の外側に補強材を設けることにより、脚を補強することができるとともに、脚を分解若しくは展開、折り畳み可能に構成することにより、補強材の脚への取り付け、取り外しが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6には、本発明による樹木保護装置の一実施の形態が示されていて、図1は植栽直後の樹木の保護状態を示す説明図、図2は大きく成長した状態での樹木の保護状態を示す説明図、図3は樹木保護装置の全体を示す概略図、図4は樹木保護装置を分解した状態を示す概略図、図5は樹木保護装置の脚部と防風部との接合部分の模式図、図6は防風部を取り外した状態を示す説明図である。
【0027】
すなわち、本実施の形態に示す樹木保護装置1は、図1に示すように、植栽された樹木21の幹22の下方の部分を包囲するように設置される脚部2と、脚部2の上部に着脱自在に取り付けられるとともに、樹木21の幹22の上方の部分及び枝23の部分を包囲する防風部10とを備えている。
【0028】
脚部2は、樹木21の幹22の周囲の地盤25に幹22を包囲するように所定の間隔ごとに垂直に立設される複数本(本実施の形態においては4本)の棒状の脚3と、この複数本の脚3の外側に溶接、ボルト等の接合手段により一体に取り付けられる環状の下補強材4と、複数本の脚3の上端部に着脱自在に取り付けられる環状の台座6とから構成され、台座6の上部に後述する防風部10が着脱自在に取り付けられている。なお、下補強材4は、複数に分解可能若しくは展開、折り畳み可能に構成してもよい。下補強材4を脚3に取り付けることにより、下補強材4をベンチとして機能させることができる。
【0029】
台座6は、周方向に少なくとも2つに分割されており、分割体同士を互いに連結することにより全体が環状に形成される。台座6の下面側には、図5に模式的に示すように、筒状の被嵌合部8が周方向に向かって所定の間隔ごとに下方に突出した状態で一体に設けられ、各被嵌合部8内に各脚3の上端部を嵌合させて、両者間をボルト等の連結手段15により連結することにより、複数本の脚3の上端部に台座6が取り付けられる。
【0030】
防風部10は、中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部11と、この本体部11の下端中央部に設けられる環状の取付け部14とを有し、この防風部10の本体部11によってビル風等の風から樹木が保護されるとともに、樹木の成長に必要な適量の光、風を供給することができる。
【0031】
本体部11は、例えば、複数の弓形状のフィン12を複数組み合わせることにより外形が球形状に形成され、この本体部11の下端中央部に環状の取付け部14が一体に設けられ、この取付け部14を介して本体部11が脚部2の台座6の上部に着脱自在に取り付けられる。
【0032】
防風部10の本体部11及び取付け部14は、図4に示すように、周方向に複数(本実施の形態においては4つ)に分割され、この複数に分割された分割体を組み合わせてボルト等(図示せず)により連結することにより、球形状の防風部10の本体部11及び環状の取付け部14が構成される。また、その逆の手順を辿ることにより、防風部10の本体部11及び取付け部14を分解することができる。
【0033】
防風部10は、図5に示すように、取付け部14を脚部2の台座6の上部に位置し、この状態で取付け部14と台座6との間の複数箇所をボルト等の連結手段15により連結することにより、脚部2の上部に着脱自在に取り付けられ、防風部10の本体部11がビル風等の風に対して防風機能を発揮することになる。
【0034】
防風部10の本体部11及び取付け部14を複数に分割することにより、図2に示すように、樹木21が大きく成長して防風部10の内側に収納しきれなくなり、防風部10を取り外す必要が生じた場合に、樹木21に傷を付けることなく、防風部10の本体部11及び取付け部14を脚部2から取り外すことができる。樹木21が大きく成長することにより、防風部10に頼ることなく、樹木21の枝23、葉等によって十分な防風効果が得られることになる。
【0035】
防風部10を脚部2から取り外した後は、図2及び図6に示すように、脚部2の複数本の脚3の上端部に環状の上補強材5を取り付けることにより、各脚3の上端が露出するのを防止して安全性を確保することができるとともに、4本の脚3を下補強材4と上補強材5との協働によって補強することができる。
【0036】
脚部2の脚3、両補強材4、5及び台座6、防風部10の本体部11及び取付け部14は、ステンレス等の金属製の棒材又はパイプ材、板材等を材料として、必要に応じて曲げ加工等を施すことにより所定の形状に形成される。また、これらの部品は、必要に応じて表面が鏡面に仕上げられ、又は表面に各種の塗装が施される。これらの部品の表面を鏡面に仕上げた場合には、ミラー効果によって樹木21の緑量を増幅させることができる。
【0037】
防風部10の本体部11の複数のフィン12をパイプ材によって構成した場合には、図1に示すように、何れかをフィン12を構成するパイプ材の複数箇所に内外を貫通する噴射孔13を設け、このパイプ材を給水パイプとして使用することにより、複数の噴射孔13を介して樹木21に水をシャワー状若しくは霧状にして散水することができ、樹木に水を供給することができるとともに、蒸散により樹木周辺の暑熱環境が改善される。
【0038】
上記のように構成した本実施の形態による樹木保護装置1にあっては、樹木21の植栽直後の状態(未だ葉が十分に茂っていない状態)であっても、樹木21の代わりに球形状の防風部10によって防風機能を発揮することができるので、ビル風等の風を十分に抑制することができ、往来する人々がビル風等の風によって受けるストレスを軽減することができる。また、十分に成長しきっていない樹木21に作用するビル風等の風力を軽減することができるので、植栽直後の樹木21がビル風等の風の影響を受けて倒れたり、枯死したりするのを防止でき、樹木21が大きく成長するまで確実に保護することができる。
【0039】
さらに、脚部2によって樹木21の周囲を囲んでいるので、樹木21の周囲の土が往来する人々によって踏み固められるのを防止でき、土が踏み固められて樹木21の成長が阻害されるのを防止できる。
【0040】
さらに、大木を植栽する必要はなく、安価な幼木を植栽することができるので、植栽のコストを低減させることができる。
【0041】
さらに、樹木21の剪定等のメンテナンスを行う際に、脚部2及び防風部10を足場として使用することができるので、剪定等のメンテナンスのために足場を組む必要がなく、メンテナンスを容易にかつ安価に行うことができる。
【0042】
さらに、樹木21が大きく成長して、枝22の部分等が防風部10の内側に収納しきれなくなった場合には、図2に示すように、防風部10の本体部11及び取付け部14を分解して脚部2から取り外することにより、樹木21の更なる成長を妨げるようなことはない。また、防風部10を取り外す際に、本体部11及び取付け部14を分解することができるので、樹木21に傷を付けるようなことはない。
【0043】
図7及び図8には、第1の実施の形態の樹木保護装置1の変形例が示されていて、この樹木保護装置1は、脚部2の台座6の上部にレール(図示せず)を設け、このレールに防風部10の本体部11の各フィン12の下端部を移動可能に取り付け、各フィン12をレールに沿って移動させることにより、本体部11の複数のフィン12を上端部を中心として展開、折り畳み可能としたものであって、その他の構成は図1に示すものと同様である。
【0044】
そして、この変形例による樹木保護装置1にあっても、図1に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11を展開、折り畳み可能に構成しているので、防風部10の着脱を容易に行うことができるとともに、樹木20の剪定等のメンテナンスの際に防風部10の内部を容易に開放することができるので、メンテナンスを容易にすることができる。
【0045】
図9には、本発明による樹木保護装置の第2の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11の各フィン12をジグザグ状に屈曲させて、このような形状の複数のフィン12を組み合わせることにより、本体部11の外形をクリスマスツリー形状に形成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0046】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11をクリスマスツリー形状に形成しているので、意匠性を高めることができる。
【0047】
図10には、本発明による樹木保護装置の第3の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11にネット16を張り付けたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。なお、図示はしないが、本体部11をネット状部材によって構成するようにしてもよい。
【0048】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11に張り付けたネット16によって更に防風効果を高めることができる。
【0049】
図11には、本発明による樹木保護装置の第4の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11の各フィン12にそれぞれ複数の風車17を取り付けたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。なお、図示はしないが、本体部11を風車によって構成するようにしてもよい。
【0050】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11の各フィン12に取り付けた風車17によって更に防風効果を高めることができるとともに、意匠性を高めることができる。
【0051】
図12には、本発明による樹木保護装置の第5の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11の上端部から各フィン12に沿ってそれぞれツタ系の植物18を垂れ下げたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0052】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、ツタ系の植物18によって防風効果を更に高めることができるとともに、緑陰を設けることができるので夏季の晴天時等に人々に憩いの場を提供することができる。
【0053】
図13には、本発明による樹木保護装置の第6の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11に各種の広告板19を取り付けるように構成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0054】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11を広告板19を取り付けるための広告塔として機能させることができる。
【0055】
図14には、本発明による樹木保護装置の第7の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11に電飾20を施したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0056】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の効果を奏する他に、防風部10の本体部11に電飾20を施しているので、夜間の意匠性を高めることができるとともに、防犯性を高めることもできる。
【0057】
図15には、本発明による樹木保護装置の第8の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11に上下方向に所定の間隔ごとにリング11aを一体に取り付け、本体部11をジャングルジムとして機能させたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0058】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の効果を奏する他に、防風部10の本体部11をジャングルジムとして機能させているので、公園等の樹木の保護として使用することにより、子供等に遊び場を提供することができる。
【0059】
なお、前述した第1〜第8の実施の形態に示す樹木保護装置1の構成をそれぞれ単独で使用してもよいし、任意のものを組み合わせて構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による樹木保護装置の第1の実施の形態の全体を示した概略図であって、植栽直後の樹木の保護状態を示した説明図である。
【図2】図1の樹木保護装置による樹木が大きく成長した状態での保護状態を示した説明図である。
【図3】第1の実施の形態の樹木保護装置の組立て後の状態を示した説明図である。
【図4】図3の樹木保護装置の分解後の状態を示した説明図である。
【図5】図3の樹木保護装置の防風部と脚部との接合部分を示した模式図である。
【図6】図3の樹木保護装置の脚部のみによる使用状態を示した説明図である。
【図7】第1の実施の形態の樹木保護装置の変形例を示した説明図であって、組立て後の状態を示した説明図である。
【図8】図7の樹木保護装置の分解後の状態を示した説明図である。
【図9】本発明による樹木保護装置の第2の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図10】本発明による樹木保護装置の第3の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図11】本発明による樹木保護装置の第4の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図12】本発明による樹木保護装置の第5の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図13】本発明による樹木保護装置の第6の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図14】本発明による樹木保護装置の第7の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図15】本発明による樹木保護装置の第8の実施の形態の全体を示した概略図である。
【符号の説明】
【0061】
1 樹木保護装置 2 脚部
3 脚 4 下補強材
5 上補強材 6 台座
8 被嵌合部 10 防風部
11 本体部 11a リング
12 フィン 13 噴射孔
14 取付け部 15 連結手段
16 ネット 17 風車
18 ツタ系の植物 19 広告板
20 電飾 21 樹木
22 幹 23 枝
25 地盤
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木保護装置に関し、特に、ビル風等の風を抑制する防風機能を備えた樹木保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス街等のビルの谷間に生じるビル風は、往来する人々にストレスを与えるため、ビル風を抑制するための対策として、複数の樹木を植栽して街路樹を構築したり、防風ネットを設置したり、人工的な構造物を設置したりすることが行われている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開平10−238165号公報
【特許文献2】特開平4−336179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、樹木を植栽して街路樹を構築する場合には、植栽当初の葉が十分に茂っていない状態では十分な防風効果が得られない。また、樹木の成長にビル風がストレスとなって作用し、樹木の枯死等の原因となる。さらに、植栽当初から防風効果を高めるためには、大きな樹木を植栽しなければならないため、樹木の確保が困難になるとともに、植栽の時期によっては樹木を遠方から調達しなければならず、植栽に要する費用が嵩む。さらに、枯死のリスクが非常に高くなる。
【0004】
さらに、防風ネットを使用する場合には、計画通りの防風効果が施工当初から得られるが、意匠的にあまり好ましくなく、樹木のような癒しや暑熱環境改善等の副次的な効果が望めない。
【0005】
さらに、人工物を設置する場合には、意匠性に優れるものも存在するので、計画通りの防風効果が施工当初から得られるが、樹木のような癒しや暑熱環境改善等の副次的な効果を得ることができない。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、植栽に要するコストを低減させることができるとともに、植栽当初から高い防風効果が得られ、さらに、植栽した樹木がビル風による影響によって枯死等することがなく、植栽した樹木が大きく成長するまで確実に保護することができ、さらに、意匠性を高めることができる樹木保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、樹木を保護するとともに、ビル風等の風を抑制する樹木保護装置であって、前記樹木の幹の下方の部分を包囲するように地盤に設置される脚部と、該脚部の上部に着脱自在に取り付けられて、前記樹木の幹の上方の部分及び枝を包囲する防風部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明による樹木保護装置によれば、脚部によって樹木の幹の下方の部分が包囲され、防風部によって幹の上方の部分及び枝の部分が包囲されることになるので、植栽直後から大きく成長するまで樹木を保護することができるとともに、防風部によってビル風等の風を抑制することができるので、ビル風等の風が直接に樹木に作用して、樹木の成長が妨げられるようなこともない。また、防風部は、脚部に着脱自在に取り付けられているので、樹木が大きく成長して防風部の内側に収まりきれなくなった場合には、防風部を脚部から取り外すことにより、樹木の更なる成長を促進することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の樹木保護装置であって、前記防風部は、中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部を有し、該本体部の内側に前記樹木の幹の上方の部分及び枝の部分が収納されていることを特徴とする。
【0010】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部によってビル風等の風が抑制されることになる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の樹木保護装置であって、前記本体部は、複数に分解可能若しくは展開、折り畳み可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部を脚部から取り外す際に、本体部を複数に分解したり、展開したり、折り畳んだりすることができるので、防風部の内側で大きく成長した樹木を傷付けるのを防止できる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の樹木保護装置であって、前記本体部は、複数のフィンを組み合わせて構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の本体部の複数のフィンによってビル風等の風が抑制されることになる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項2から4の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記本体部にネットを張り付け、若しくは前記本体部をネット状部材により構成したことを特徴とする。
【0016】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の本体部に張り付けたネットにより、若しくはネット状部材により構成した本体部によって防風部の防風効果を高めることができる。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項2から5の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記本体部に複数の風車を取り付け、若しくは前記本体部を風車により構成したことを特徴とする。
【0018】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の本体部の複数の風車により、若しくは風車により構成した本体部により、防風部の防風効果を高めることができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項2から6の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記本体部にツタ系の植物を垂れ下げたことを特徴とする。
【0020】
本発明による樹木保護装置によれば、防風部の本体部に垂れ下げたツタ系の植物によって、防風効果を高めることができるとともに、緑陰を得ることもできる。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項2から7の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記本体部に噴射孔を有する給水パイプを内蔵し若しくは付置し、該噴射孔よりシャワー状若しくは霧状に散水することにより、前記樹木に水が供給されるように構成したことを特徴とする。
【0022】
本発明による樹木保護装置によれば、本体部に内蔵若しくは付置した給水パイプの噴射孔よりシャワー状若しくは霧状に散水することにより、樹木に水を供給することができるとともに、蒸散により樹木周辺の暑熱環境が改善される。
【0023】
請求項9に係る発明は、請求項1から8の何れかに記載の樹木保護装置であって、前記脚部は、前記樹木を包囲するように設置される複数本の脚と、該脚の外側に設けられる補強材とからなり、該補強材は、分解可能若しくは展開、折り畳み可能に形成されていることを特徴とする。
【0024】
本発明による樹木保護装置によれば、補強材によって脚部の複数本の脚を補強することができるとともに、補強材は分解可能若しくは展開、折り畳み可能となっているので、補強材の脚への取り付け、取り外しが容易となる。
【発明の効果】
【0025】
以上、説明したように、本発明の樹木保護装置によれば、植栽した樹木の幹の下方の部分を脚部で包囲し、幹の上方の部分及び枝の部分を防風部で包囲することができるので、植栽した植物を植栽直後から大きく成長するまで保護することができる。
また、防風部によってビル風等の風を抑制することができるので、植栽直後の樹木がビル風等の風の影響を受けて枯死するようなことはなく、樹木が大きく成長するまで確実に保護することができる。
さらに、防風部を脚部に対して着脱自在に構成しているので、樹木が大きく成長して防風部の内側に収納しきれなくなった場合には、防風部を脚部から取り外すことにより、樹木の更なる成長を許容することができる。
さらに、大きく成長した樹木を植栽する必要がないので、植栽に要する費用を大幅に削減することができる。
さらに、防風部の本体部にネットを貼り付けたり、本体部をネット状部材によって構成したり、本体部に複数の風車を取り付けたり、本体部を風車によって構成したり、本体部にツタ系の植物を垂れ下げたりすることにより、防風部による防風効果を高めることができる。
さらに、本体部に給水パイプを内蔵したり、本体部に給水パイプを付置したりすることにより、樹木に水を供給することができるとともに、散水することで蒸散により樹木の周辺の暑熱環境が改善される。
さらに、脚部の脚の外側に補強材を設けることにより、脚を補強することができるとともに、脚を分解若しくは展開、折り畳み可能に構成することにより、補強材の脚への取り付け、取り外しが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6には、本発明による樹木保護装置の一実施の形態が示されていて、図1は植栽直後の樹木の保護状態を示す説明図、図2は大きく成長した状態での樹木の保護状態を示す説明図、図3は樹木保護装置の全体を示す概略図、図4は樹木保護装置を分解した状態を示す概略図、図5は樹木保護装置の脚部と防風部との接合部分の模式図、図6は防風部を取り外した状態を示す説明図である。
【0027】
すなわち、本実施の形態に示す樹木保護装置1は、図1に示すように、植栽された樹木21の幹22の下方の部分を包囲するように設置される脚部2と、脚部2の上部に着脱自在に取り付けられるとともに、樹木21の幹22の上方の部分及び枝23の部分を包囲する防風部10とを備えている。
【0028】
脚部2は、樹木21の幹22の周囲の地盤25に幹22を包囲するように所定の間隔ごとに垂直に立設される複数本(本実施の形態においては4本)の棒状の脚3と、この複数本の脚3の外側に溶接、ボルト等の接合手段により一体に取り付けられる環状の下補強材4と、複数本の脚3の上端部に着脱自在に取り付けられる環状の台座6とから構成され、台座6の上部に後述する防風部10が着脱自在に取り付けられている。なお、下補強材4は、複数に分解可能若しくは展開、折り畳み可能に構成してもよい。下補強材4を脚3に取り付けることにより、下補強材4をベンチとして機能させることができる。
【0029】
台座6は、周方向に少なくとも2つに分割されており、分割体同士を互いに連結することにより全体が環状に形成される。台座6の下面側には、図5に模式的に示すように、筒状の被嵌合部8が周方向に向かって所定の間隔ごとに下方に突出した状態で一体に設けられ、各被嵌合部8内に各脚3の上端部を嵌合させて、両者間をボルト等の連結手段15により連結することにより、複数本の脚3の上端部に台座6が取り付けられる。
【0030】
防風部10は、中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部11と、この本体部11の下端中央部に設けられる環状の取付け部14とを有し、この防風部10の本体部11によってビル風等の風から樹木が保護されるとともに、樹木の成長に必要な適量の光、風を供給することができる。
【0031】
本体部11は、例えば、複数の弓形状のフィン12を複数組み合わせることにより外形が球形状に形成され、この本体部11の下端中央部に環状の取付け部14が一体に設けられ、この取付け部14を介して本体部11が脚部2の台座6の上部に着脱自在に取り付けられる。
【0032】
防風部10の本体部11及び取付け部14は、図4に示すように、周方向に複数(本実施の形態においては4つ)に分割され、この複数に分割された分割体を組み合わせてボルト等(図示せず)により連結することにより、球形状の防風部10の本体部11及び環状の取付け部14が構成される。また、その逆の手順を辿ることにより、防風部10の本体部11及び取付け部14を分解することができる。
【0033】
防風部10は、図5に示すように、取付け部14を脚部2の台座6の上部に位置し、この状態で取付け部14と台座6との間の複数箇所をボルト等の連結手段15により連結することにより、脚部2の上部に着脱自在に取り付けられ、防風部10の本体部11がビル風等の風に対して防風機能を発揮することになる。
【0034】
防風部10の本体部11及び取付け部14を複数に分割することにより、図2に示すように、樹木21が大きく成長して防風部10の内側に収納しきれなくなり、防風部10を取り外す必要が生じた場合に、樹木21に傷を付けることなく、防風部10の本体部11及び取付け部14を脚部2から取り外すことができる。樹木21が大きく成長することにより、防風部10に頼ることなく、樹木21の枝23、葉等によって十分な防風効果が得られることになる。
【0035】
防風部10を脚部2から取り外した後は、図2及び図6に示すように、脚部2の複数本の脚3の上端部に環状の上補強材5を取り付けることにより、各脚3の上端が露出するのを防止して安全性を確保することができるとともに、4本の脚3を下補強材4と上補強材5との協働によって補強することができる。
【0036】
脚部2の脚3、両補強材4、5及び台座6、防風部10の本体部11及び取付け部14は、ステンレス等の金属製の棒材又はパイプ材、板材等を材料として、必要に応じて曲げ加工等を施すことにより所定の形状に形成される。また、これらの部品は、必要に応じて表面が鏡面に仕上げられ、又は表面に各種の塗装が施される。これらの部品の表面を鏡面に仕上げた場合には、ミラー効果によって樹木21の緑量を増幅させることができる。
【0037】
防風部10の本体部11の複数のフィン12をパイプ材によって構成した場合には、図1に示すように、何れかをフィン12を構成するパイプ材の複数箇所に内外を貫通する噴射孔13を設け、このパイプ材を給水パイプとして使用することにより、複数の噴射孔13を介して樹木21に水をシャワー状若しくは霧状にして散水することができ、樹木に水を供給することができるとともに、蒸散により樹木周辺の暑熱環境が改善される。
【0038】
上記のように構成した本実施の形態による樹木保護装置1にあっては、樹木21の植栽直後の状態(未だ葉が十分に茂っていない状態)であっても、樹木21の代わりに球形状の防風部10によって防風機能を発揮することができるので、ビル風等の風を十分に抑制することができ、往来する人々がビル風等の風によって受けるストレスを軽減することができる。また、十分に成長しきっていない樹木21に作用するビル風等の風力を軽減することができるので、植栽直後の樹木21がビル風等の風の影響を受けて倒れたり、枯死したりするのを防止でき、樹木21が大きく成長するまで確実に保護することができる。
【0039】
さらに、脚部2によって樹木21の周囲を囲んでいるので、樹木21の周囲の土が往来する人々によって踏み固められるのを防止でき、土が踏み固められて樹木21の成長が阻害されるのを防止できる。
【0040】
さらに、大木を植栽する必要はなく、安価な幼木を植栽することができるので、植栽のコストを低減させることができる。
【0041】
さらに、樹木21の剪定等のメンテナンスを行う際に、脚部2及び防風部10を足場として使用することができるので、剪定等のメンテナンスのために足場を組む必要がなく、メンテナンスを容易にかつ安価に行うことができる。
【0042】
さらに、樹木21が大きく成長して、枝22の部分等が防風部10の内側に収納しきれなくなった場合には、図2に示すように、防風部10の本体部11及び取付け部14を分解して脚部2から取り外することにより、樹木21の更なる成長を妨げるようなことはない。また、防風部10を取り外す際に、本体部11及び取付け部14を分解することができるので、樹木21に傷を付けるようなことはない。
【0043】
図7及び図8には、第1の実施の形態の樹木保護装置1の変形例が示されていて、この樹木保護装置1は、脚部2の台座6の上部にレール(図示せず)を設け、このレールに防風部10の本体部11の各フィン12の下端部を移動可能に取り付け、各フィン12をレールに沿って移動させることにより、本体部11の複数のフィン12を上端部を中心として展開、折り畳み可能としたものであって、その他の構成は図1に示すものと同様である。
【0044】
そして、この変形例による樹木保護装置1にあっても、図1に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11を展開、折り畳み可能に構成しているので、防風部10の着脱を容易に行うことができるとともに、樹木20の剪定等のメンテナンスの際に防風部10の内部を容易に開放することができるので、メンテナンスを容易にすることができる。
【0045】
図9には、本発明による樹木保護装置の第2の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11の各フィン12をジグザグ状に屈曲させて、このような形状の複数のフィン12を組み合わせることにより、本体部11の外形をクリスマスツリー形状に形成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0046】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11をクリスマスツリー形状に形成しているので、意匠性を高めることができる。
【0047】
図10には、本発明による樹木保護装置の第3の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11にネット16を張り付けたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。なお、図示はしないが、本体部11をネット状部材によって構成するようにしてもよい。
【0048】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11に張り付けたネット16によって更に防風効果を高めることができる。
【0049】
図11には、本発明による樹木保護装置の第4の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11の各フィン12にそれぞれ複数の風車17を取り付けたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。なお、図示はしないが、本体部11を風車によって構成するようにしてもよい。
【0050】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11の各フィン12に取り付けた風車17によって更に防風効果を高めることができるとともに、意匠性を高めることができる。
【0051】
図12には、本発明による樹木保護装置の第5の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11の上端部から各フィン12に沿ってそれぞれツタ系の植物18を垂れ下げたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0052】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、ツタ系の植物18によって防風効果を更に高めることができるとともに、緑陰を設けることができるので夏季の晴天時等に人々に憩いの場を提供することができる。
【0053】
図13には、本発明による樹木保護装置の第6の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11に各種の広告板19を取り付けるように構成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0054】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他に、防風部10の本体部11を広告板19を取り付けるための広告塔として機能させることができる。
【0055】
図14には、本発明による樹木保護装置の第7の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11に電飾20を施したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0056】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の効果を奏する他に、防風部10の本体部11に電飾20を施しているので、夜間の意匠性を高めることができるとともに、防犯性を高めることもできる。
【0057】
図15には、本発明による樹木保護装置の第8の実施の形態が示されていて、この樹木保護装置1は、防風部10の本体部11に上下方向に所定の間隔ごとにリング11aを一体に取り付け、本体部11をジャングルジムとして機能させたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0058】
そして、本実施の形態に示す樹木保護装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の効果を奏する他に、防風部10の本体部11をジャングルジムとして機能させているので、公園等の樹木の保護として使用することにより、子供等に遊び場を提供することができる。
【0059】
なお、前述した第1〜第8の実施の形態に示す樹木保護装置1の構成をそれぞれ単独で使用してもよいし、任意のものを組み合わせて構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による樹木保護装置の第1の実施の形態の全体を示した概略図であって、植栽直後の樹木の保護状態を示した説明図である。
【図2】図1の樹木保護装置による樹木が大きく成長した状態での保護状態を示した説明図である。
【図3】第1の実施の形態の樹木保護装置の組立て後の状態を示した説明図である。
【図4】図3の樹木保護装置の分解後の状態を示した説明図である。
【図5】図3の樹木保護装置の防風部と脚部との接合部分を示した模式図である。
【図6】図3の樹木保護装置の脚部のみによる使用状態を示した説明図である。
【図7】第1の実施の形態の樹木保護装置の変形例を示した説明図であって、組立て後の状態を示した説明図である。
【図8】図7の樹木保護装置の分解後の状態を示した説明図である。
【図9】本発明による樹木保護装置の第2の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図10】本発明による樹木保護装置の第3の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図11】本発明による樹木保護装置の第4の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図12】本発明による樹木保護装置の第5の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図13】本発明による樹木保護装置の第6の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図14】本発明による樹木保護装置の第7の実施の形態の全体を示した概略図である。
【図15】本発明による樹木保護装置の第8の実施の形態の全体を示した概略図である。
【符号の説明】
【0061】
1 樹木保護装置 2 脚部
3 脚 4 下補強材
5 上補強材 6 台座
8 被嵌合部 10 防風部
11 本体部 11a リング
12 フィン 13 噴射孔
14 取付け部 15 連結手段
16 ネット 17 風車
18 ツタ系の植物 19 広告板
20 電飾 21 樹木
22 幹 23 枝
25 地盤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木を保護するとともに、ビル風等の風を抑制する樹木保護装置であって、
前記樹木の幹の下方の部分を包囲するように地盤に設置される脚部と、該脚部の上部に着脱自在に取り付けられて、前記樹木の幹の上方の部分及び枝を包囲する防風部とを備えていることを特徴とする樹木保護装置。
【請求項2】
前記防風部は、中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部を有し、該本体部の内側に前記樹木の幹の上方の部分及び枝の部分が収納されていることを特徴とする請求項1に記載の樹木保護装置。
【請求項3】
前記本体部は、複数に分解可能若しくは展開、折り畳み可能に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の樹木保護装置。
【請求項4】
前記本体部は、複数のフィンを組み合わせて構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の樹木保護装置。
【請求項5】
前記本体部にネットを張り付け、若しくは前記本体部をネット状部材により構成したことを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項6】
前記本体部に複数の風車を取り付け、若しくは前記本体部を風車により構成したことを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項7】
前記本体部にツタ系の植物を垂れ下げたことを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項8】
前記本体部に噴射孔を有する給水パイプを内蔵し若しくは付置し、該噴射孔よりシャワー状若しくは霧状に散水することにより、前記樹木に水が供給されるように構成したことを特徴とする請求項2から7の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項9】
前記脚部は、前記樹木を包囲するように設置される複数本の脚と、該脚の外側に設けられる補強材とからなり、該補強材は、分解可能若しくは展開、折り畳み可能に形成されていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項1】
樹木を保護するとともに、ビル風等の風を抑制する樹木保護装置であって、
前記樹木の幹の下方の部分を包囲するように地盤に設置される脚部と、該脚部の上部に着脱自在に取り付けられて、前記樹木の幹の上方の部分及び枝を包囲する防風部とを備えていることを特徴とする樹木保護装置。
【請求項2】
前記防風部は、中心が空洞で、採光、通風可能な隙間を有する外郭からなる本体部を有し、該本体部の内側に前記樹木の幹の上方の部分及び枝の部分が収納されていることを特徴とする請求項1に記載の樹木保護装置。
【請求項3】
前記本体部は、複数に分解可能若しくは展開、折り畳み可能に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の樹木保護装置。
【請求項4】
前記本体部は、複数のフィンを組み合わせて構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の樹木保護装置。
【請求項5】
前記本体部にネットを張り付け、若しくは前記本体部をネット状部材により構成したことを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項6】
前記本体部に複数の風車を取り付け、若しくは前記本体部を風車により構成したことを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項7】
前記本体部にツタ系の植物を垂れ下げたことを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項8】
前記本体部に噴射孔を有する給水パイプを内蔵し若しくは付置し、該噴射孔よりシャワー状若しくは霧状に散水することにより、前記樹木に水が供給されるように構成したことを特徴とする請求項2から7の何れかに記載の樹木保護装置。
【請求項9】
前記脚部は、前記樹木を包囲するように設置される複数本の脚と、該脚の外側に設けられる補強材とからなり、該補強材は、分解可能若しくは展開、折り畳み可能に形成されていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の樹木保護装置。
【図5】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−274977(P2007−274977A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106390(P2006−106390)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
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