説明

汚泥濃縮設備および汚泥濃縮方法

【課題】コンパクトで、しかも容易に調整可能な最適凝集汚泥にて効果的に濃縮することを可能ならしめる汚泥濃縮設備を提供する。
【解決手段】汚泥と凝集剤とを混合する汚泥凝集装置3から供給される、凝集剤が添加された凝集汚泥を濃縮するベルト型濃縮機6を備えた汚泥濃縮設備1の前記汚泥凝集装置3を、汚泥と凝集剤を混合し、凝集汚泥を生成するラインミキサー4と、汚泥供給ライン2を介して前記ラインミキサー4から排出された凝集汚泥を受入れ、受入れた凝集汚泥を攪拌して成長させる凝集混和槽5とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥濃縮設備の改善に係り、より詳しくは、コンパクトで、しかも凝集剤の添加量が少ない汚泥であっても効果的に濃縮することを可能ならしめるようにした汚泥濃縮設備および汚泥濃縮方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水処理場等から発生する汚泥は、汚泥濃縮設備や汚泥脱水設備等によって濃縮あるいは脱水して処理されている。通常、汚泥に高分子凝集剤(以下、凝集剤という)を添加して混合(混和)すると共に、凝集剤の混合(混和)により凝集したフロックを含む凝集汚泥を濃縮処理している。汚泥濃縮設備としては、例えば、一対のローラに掛装されて循環される透水機能を有する無端状のベルトにより濃縮するベルト型濃縮機があり、このベルト型濃縮機による汚泥濃縮処理に際しての汚泥と凝集剤との混合(混和)は、撹拌機能を備えた汚泥凝集装置として、ラインミキサー(ライン薬注装置)単独または凝集混和槽単独により行われている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−24963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来例に係る汚泥濃縮設備の汚泥凝集装置(凝集混和槽、またはラインミキサー)によれば、汚泥と凝集剤を混合することができるから有用であると考えられる。ところが、凝集混和槽では汚泥と凝集剤との混合に、通常3分程度の時間を要することから大容量のものが必要である。また、ラインミキサーでは、汚泥と凝集剤との混合は短時間(10秒程度)で行われるが、攪拌強度の調整範囲が狭いために、最適な凝集汚泥を調整することが難しい。
【0004】
即ち、従来例に係る汚泥濃縮設備の場合にあっては、凝集混和槽、またはラインミキサーに凝集剤が供給される構成である。凝集混和槽においては、汚泥と凝集剤の混合および凝集汚泥の形成に大きなスペースを要するために、汚泥濃縮設備のコンパクト化が困難であり、汚泥濃縮設備のイニシャルコストの低減が難しいという問題がある。また、ラインミキサーにおいては、最適な凝集汚泥を調整することが難しく、濃縮機の最良な性能を発揮することが難しいという問題がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、コンパクトで、しかも容易に調整可能な最適凝集汚泥にて効果的に濃縮することを可能ならしめるようにした汚泥濃縮設備および汚泥濃縮方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、従って、上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る汚泥濃縮設備が採用した手段は、汚泥と凝集剤とを混合する汚泥凝集装置から供給される、凝集剤が添加された凝集汚泥を濃縮する濃縮機を備えた汚泥濃縮設備において、前記汚泥凝集装置は、汚泥と凝集剤を混合し、凝集汚泥を生成するラインミキサーと、汚泥供給ラインを介して前記ラインミキサーから排出された凝集汚泥を受入れ、受入れた凝集汚泥を攪拌して成長させる凝集混和槽とからなることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項2に係る汚泥濃縮設備が採用した手段は、請求項1記載の汚泥濃縮設備において、前記濃縮機は、一対のローラに掛装されて循環される脱水機能を有する無端状のベルトを備えてなるベルト型濃縮機であることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項3に係る汚泥濃縮設備が採用した手段は、請求項2に記載の汚泥濃縮設備において、前記凝集混和槽は、前記ベルトの凝集汚泥供給口側に、前記一対のローラを支持するベルト型濃縮機の本体フレームと一体的に構成され、かつ凝集汚泥を前記ベルトの方向に略水平流動させるように構成されてなることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項4に係る汚泥濃縮設備が採用した手段は、請求項2または3のうちの何れか一つの項に記載の汚泥濃縮設備において、前記凝集混和槽は、所定時間滞留する間に凝集汚泥を生成させて上昇させると共に、上昇させた凝集汚泥を前記ベルト上に供給するように構成されてなることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項5に係る汚泥濃縮方法が採用した手段は、ラインミキサーにより、このラインミキサーに流入する汚泥に凝集剤を添加・混合して生成させた凝集汚泥を凝集混和槽に供給し、この凝集汚泥を凝集混和槽内で攪拌しながら、かつ上昇させながら所定時間滞留させて成長させた後、濃縮機に供給して濃縮することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項6に係る汚泥濃縮方法が採用した手段は、前記濃縮機は、一対のローラに掛装されて循環される脱水機能を有する無端状のベルトを備えてなるベルト型濃縮機であり、前記凝集汚泥を前記ベルト上に供給することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項7に係る汚泥濃縮方法が採用した手段は、請求項6に記載の汚泥濃縮方法において、前記凝集汚泥を前記ベルト上に供給するに際して、凝集混和槽内で攪拌しながら、かつ上昇させながら所定時間滞留させて成長させた凝集汚泥を前記ベルト方向に向って略水平流動させることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項8に係る汚泥濃縮方法が採用した手段は、請求項5乃至7のうちの何れか一つの項に記載の汚泥濃縮方法において、前記凝集混和槽における凝集汚泥の滞留時間は、20〜60秒であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に係る汚泥濃縮設備または請求項5に係る汚泥濃縮方法によれば、凝集混和槽で攪拌強度の調整が可能であるため、凝集汚泥を最適な凝集汚泥に成長させることができる。また、ラインミキサーの強攪拌により、凝集汚泥を生成させるための滞留時間が短くなるから、凝集混和槽の容量を小さくすることができる。従って、汚泥凝集装置の容量も小さくなるから、汚泥濃縮設備をコンパクトにすることができ、また省電力に寄与することができる。
【0015】
本発明の請求項2に係る汚泥濃縮設備または請求項6に係る汚泥濃縮方法によれば、混和した凝集汚泥を凝集混和槽から脱水機能を有する無端状のベルトに直接供給して濃縮する。従って、凝集汚泥がつぶれ難く、汚泥への凝集剤の添加量を削減することができるから、汚泥濃縮処理コストの低減に対して大いに寄与することができるという優れた効果を得ることができる。
【0016】
本発明の請求項3,4に係る汚泥濃縮設備または請求項7に係る汚泥濃縮方法によれば、凝集混和槽は、前記ベルトの凝集汚泥供給口側に、前記一対のローラを支持するベルト型濃縮機の本体フレームと一体的に構成され、かつ凝集汚泥がベルトの方向に略水平流動させてベルトに供給するものである。従って、凝集汚泥がつぶれ難いから凝集剤の添加量を削減することができる。さらに、汚泥供給装置が不要であるから、汚泥濃縮設備をコンパクトにすることができる。
【0017】
本発明の請求項8に係る汚泥濃縮方法によれば、凝集混和槽における凝集汚泥の滞留時間は、20〜60秒であるから、凝集混和槽の容量を小さくすることができる。従って、汚泥凝集装置の容量も小さくなるから、汚泥濃縮設備をコンパクトにすることができ、また省電力にも寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備を、汚泥をろ過して濃縮するベルト型濃縮機を備えた汚泥濃縮設備を例として、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備の模式的構成説明図である。
【0019】
図1に示す符号1は、本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備である。この汚泥濃縮設備1は、図示しない汚泥貯留槽から送られてきた汚泥を受入れると共に、受入れた汚泥に凝集剤を添加して混合するラインミキサー4と、このラインミキサー4から排出される凝集汚泥が汚泥供給ライン2を介して受け入れる凝集混和槽5とからなる汚泥凝集装置3を備えている。
【0020】
前記汚泥凝集装置3の一方側を構成するラインミキサー4は、パイプ内に開度調整可能な邪魔板を設けて構成された、周知の構成になるものである。また、この汚泥凝集装置3の他方を構成する凝集混和槽5は、後述するように構成されている。即ち、この凝集混和槽5は、ラインミキサー4から排出された凝集汚泥を供給する汚泥供給ライン2が連通する槽本体5aを備えている。この槽本体5aは、後述する構成になるベルト型濃縮機6の本体フレーム6aと一体的に構成されると共に、底部付近に攪拌用モータMにより駆動ベルトを介して回転される攪拌車5bが配設されている。
【0021】
前記ベルト型濃縮機6は、一対のローラ6d,6eに跨って掛装されて循環される透水機能(脱水機能)を有する無端状のベルト6fを備えている。より具体的には、前記ベルト型濃縮機6は、透水機能を有するベルト6fの汚泥排出口6c側の駆動ローラ6dが、前記凝集混和槽5から凝集汚泥が溢れる(略水平方向に流動する)ように流出する汚泥供給口6b側の従動ローラ6eより高位置に支持されると共に、前記ベルト6fにより前記凝集汚泥からろ過されたろ過水と、前記ベルト6f洗浄後の洗浄排水とを底部に集水して排水するパン状の集水槽部6gとを備えてなる重力式ベルト型ろ過機である。なお、このベルト型濃縮機6の汚泥排出口6cから、例えば固形分濃度が4%程度になるまで濃縮されて排出された濃縮汚泥は、次工程に送られる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備1の作用態様を説明する。即ち、本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備1の汚泥凝集装置3の場合には、上記のとおり、汚泥と凝集剤を混合するラインミキサー4と、このラインミキサー4の下流側のベルト型濃縮機6の本体フレーム6aと汚泥供給口6b側に一体的に構成されており、前記ラインミキサー4から排出された凝集汚泥を、汚泥供給ライン2を介して受入れると共に、受入れた凝集汚泥を攪拌する攪拌車5bを備えた凝集混和槽5とから構成されている。
【0023】
従って、本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備1の汚泥凝集装置3によれば、ラインミキサー4から排出された凝集汚泥を、前記凝集混和槽5内において撹拌車5bによって撹拌するのであるから、汚泥と凝集剤とを高効率で混合(混和)して凝集汚泥にすることができる。
【0024】
因に、汚泥と凝集剤とが完全に混合されるまでの混合(混和)所要時間は、凝集混和槽だけの場合には3分程度である。しかしながら、ラインミキサー4と凝集混和槽5とを組み合わせた本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備1の汚泥凝集装置3の場合は、凝集混和槽5における凝集汚泥の滞留時間は、20〜60秒、凝集汚泥の成長および装置コストの観点の双方から好ましくは20〜30秒であり、汚泥と凝集剤との混合所要時間が大幅に短縮されていることが分かった。よって、凝集混和槽5の容量を、従来例に係る凝集混和槽に比べて、極めて小容量にすることができるから、汚泥濃縮設備1をコンパクト化することができる。なお、汚泥と凝集剤との混合状態については、ベルト型濃縮機6の汚泥供給口6bからベルト6fに供給された凝集汚泥を採取し、採取した凝集汚泥を顕微鏡により観察して凝集汚泥(フロック)の生成状況を調べて確認したものである。
【0025】
本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備1の汚泥凝集装置3によれば、この汚泥凝集装置3のラインミキサー4からベルト型濃縮機6に至るまでの間の汚泥供給ライン2の長さを短くすることができ、また、上記のとおり、凝集混和槽5の容量も小容量にすることができる。従って、この汚泥濃縮設備1のコンパクト化に対して大いに寄与することができると共に、汚泥濃縮設備1のイニシャルコストの低減に対しても大いに寄与することができるという効果がある。
【0026】
さらに、ラインミキサー4から受入れた凝集汚泥を攪拌して凝集汚泥にすると共に、凝集汚泥を上昇させ、略水平方向に流動させて前記ベルト上に供給するため、ベルト上への凝集汚泥の供給の際の圧力や速度がほとんどないから、凝集汚泥が潰れ難く、凝集汚泥の凝集度をそれほど強固にする必要がない。従って、凝集剤の添加量を少なくすることができるから、汚泥濃縮処理コストの低減に大いに寄与することができるという優れた効果を得ることができる。
【実施例】
【0027】
以下、上記構成になる汚泥濃縮設備1を用いて、薬注率を変えて凝集汚泥の薬注率に対する濃縮汚泥濃度、およびSS(固形物)回収率の調査試験を行った。この調査試験結果は、横軸に薬注率(凝集剤注入率のことで、単位はwt%対TS(Total Solidの頭文字である。)を採り、左縦軸に濃縮汚泥濃度(単位;wt%)を採り、また右縦軸にSS回収率(単位;wt%)を採って示す汚泥濃縮結果説明グラフ図の図2に示すとおりである。なお、使用したベルト型濃縮機のサイズは、ローラ軸間距離約3m、ベルト幅約2mであり、またベルトはポリエステル繊維製の濾布である。
【0028】
なお、図2中の黒丸、白丸、黒三角および白三角の各印は、それぞれ下記のことを示すものである。
(1)黒丸印 ;汚泥凝集装置のラインミキサーと凝集混和槽との両者で汚泥を凝集させた凝集汚泥の薬注率に対する濃縮汚泥濃度(実施例に係る濃縮汚泥濃度という)
(2)白丸印 ;汚泥凝集装置のラインミキサー単独で汚泥を凝集させた凝集汚泥の薬注率に対する濃縮汚泥濃度(比較例に係る濃縮汚泥濃度という)
(3)黒三角印;汚泥凝集装置のラインミキサーと凝集混和槽との両者で汚泥を凝集させた凝集汚泥の薬注率に対するSS回収率(実施例に係るSS回収率という)
(白三角印;汚泥凝集装置のラインミキサー単独で汚泥を凝集させた凝集汚泥の薬注率に対するSS回収率(比較例に係るSS回収率という)
【0029】
また、この調査試験の試験条件は下記のとおりである。
(1)対象汚泥 ;下水処理場の余剰汚泥(最終沈殿池の汚泥)
(2)供給汚泥濃度 ;0.21〜0.31wt%
(3)汚泥処理量 ;15m/h
(4)凝集剤の種類 ;C−6797H(カチオン系凝集剤、メーカー:神鋼環境メンテナンス株式会社)
(5)ベルト速度 ;5.7m/min
(6)ベルトの傾斜角度 ;2°
(7)凝集汚泥の滞留時間 ;30秒
【0030】
図2から良く理解されるように、白丸印で示す比較例に係る濃縮汚泥濃度は、薬注率が0.28wt%対TSのときに3.9wt%であり、そして薬注率が0.19wt%対TSのときに3.1wt%である。これに対して、黒丸印で示す実施例に係る濃縮汚泥濃度は、薬注率が0.28wt%対TSのときに4.1wt%であり、薬注率を0.18wtまで低減しても濃縮汚泥濃度は殆ど低下していない。
【0031】
本実施例によれば、薬注率が0.18wt%対TSであっても薬注率が0.28wt%対TSの比較例の場合よりも濃縮汚泥濃度が優れており、三角印で示すSS回収率に関しても、本実施例の方が比較例の場合よりも優れている。より具体的には、薬注率が0.07wt%(0.25wt%−0.18wt%)少なくなっている。換言すれば、本実施例の場合には、凝集剤の使用量が比較例の場合より28%(0.07÷0.25×100)低減されており、汚泥濃縮所要コストの大幅な低減に寄与し得ることが示唆されている。
また、SS回収率についても、本実施例の方が比較例の場合よりも2%程度、僅かであるが優れている。
【0032】
なお、本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備1の場合は、濃縮機がベルト型濃縮機である場合を、例として説明した。しかしながら、この形態に限らず、本発明の技術的思想を、例えばベルトプレス、遠心脱水機及びスクリュープレス等の脱水機やスクリュー濃縮機等の濃縮機にも適用可能であり、これらの中では、凝集混和槽を濃縮機本体と一体的に構成可能であるという観点から、ベルト型濃縮機の濃縮汚泥の汚泥排出先側に2枚重ねで複数のローラに掛け回され、濃縮汚泥を挟圧することにより脱水して汚泥ケーキとする、ベルトプレス脱水機に対して好適に適用することができる。また、ボウルを高速回転させてその遠心力で汚泥を脱水する遠心脱水機及び外筒スクリーンとスクリュー軸を差速回転させながら汚泥を濃縮(脱水)するスクリュー濃縮機(スクリュープレス脱水機)に対しても、最適凝集汚泥の生成が容易になり、汚泥凝集装置をコンパクトかつ省電力化できるので、好適に適用することができると考えられる。従って、本発明の技術的思想の適用範囲は、上記形態に係る汚泥濃縮設備に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る汚泥濃縮設備の模式的構成説明図である。
【図2】横軸に薬注率(凝集剤注入率のことで、単位はwt%対TS(トータルソリッド)である。)を採り、左縦軸に濃縮汚泥濃度(単位;wt%)を採り、右縦軸にSS回収率(単位;wt%)を採って示す汚泥濃縮結果説明グラフ図である。
【符号の説明】
【0034】
1…汚泥濃縮設備
2…汚泥供給ライン
3…汚泥凝集装置
4…ラインミキサー
5…凝集混和槽,5a…槽本体,5b…攪拌車
6…ベルト型濃縮機(重力式ベルト型ろ過機),6a…本体フレーム,6b…汚泥供給口,6c…汚泥排出口,6d…駆動ローラ,6e…従動ローラ,6f…ベルト,6g…集水槽部
M…撹拌用モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥と凝集剤とを混合する汚泥凝集装置から供給される、凝集剤が添加された凝集汚泥を濃縮する濃縮機を備えた汚泥濃縮設備において、前記汚泥凝集装置は、汚泥と凝集剤を混合し、凝集汚泥を生成するラインミキサーと、汚泥供給ラインを介して前記ラインミキサーから排出された凝集汚泥を受入れ、受入れた凝集汚泥を攪拌して成長させる凝集混和槽とからなることを特徴とする汚泥濃縮設備。
【請求項2】
前記濃縮機は、一対のローラに掛装されて循環される脱水機能を有する無端状のベルトを備えてなるベルト型濃縮機であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥濃縮設備。
【請求項3】
前記凝集混和槽は、前記ベルトの凝集汚泥供給口側に、前記一対のローラを支持するベルト型濃縮機の本体フレームと一体的に構成され、かつ凝集汚泥を前記ベルトの方向に略水平流動させるように構成されてなることを特徴とする請求項2に記載の汚泥濃縮設備。
【請求項4】
前記凝集混和槽は、所定時間滞留する間に凝集汚泥を生成させて上昇させると共に、上昇させた凝集汚泥を前記ベルト上に供給するように構成されてなることを特徴とする請求項2または3のうちの何れか一つの項に記載の汚泥濃縮設備。
【請求項5】
ラインミキサーにより、このラインミキサーに流入する汚泥に凝集剤を添加・混合して生成させた凝集汚泥を凝集混和槽に供給し、この凝集汚泥を凝集混和槽内で攪拌しながら、かつ上昇させながら所定時間滞留させて成長させた後、濃縮機に供給して濃縮することを特徴とする汚泥濃縮方法。
【請求項6】
前記濃縮機は、一対のローラに掛装されて循環される脱水機能を有する無端状のベルトを備えてなるベルト型濃縮機であり、前記凝集汚泥を前記ベルト上に供給することを特徴とする請求項5に記載の汚泥濃縮方法。
【請求項7】
前記凝集汚泥を前記ベルト上に供給するに際して、凝集混和槽内で攪拌しながら、かつ上昇させながら所定時間滞留させて成長させた凝集汚泥を前記ベルト方向に向って略水平流動させることを特徴とする請求項6に記載の汚泥濃縮方法。
【請求項8】
前記凝集混和槽における凝集汚泥の滞留時間は、20〜60秒であることを特徴とする請求項5乃至7のうちの何れか一つの項に記載の汚泥濃縮方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−229545(P2007−229545A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50810(P2006−50810)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】