説明

汚物保管用バッグ及びスタンド

【課題】安全且つ衛生的に保管することができるようにした汚物保管用バッグ及びスタンドを提供する。
【解決手段】災害時等に発生する汚物、生ゴミ等を収納するために用いられる汚物保管用バッグ10は、上部に開口部2aを有するとともに防水性を有する袋体1、開口部2aの上縁の一方に設けられた可撓性を有する帯状の板状部材4、開口部2aの上縁の他方に設けられたベルト5、ベルト5の両端に設けられた一対のフック6a,6bを備えている。そして、縁部3a,3bを重ね合わせた状態で板状部材4を中心として袋体1の上部を数回折り返し、フック6aとフック6bを嵌合することにより袋体1の上部を安全、且つ、確実に封止することができ内容物や臭気が外に漏れ出ることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚物保管用バッグ及びスタンドに関し、さらに詳しくは、災害時等において汚物、生ゴミ等の臭気を漏らすことなく、安全、且つ、衛生的に保管することが可能な汚物保管用バッグ及びスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
大地震等の災害発生時には、住居等を失った人々が避難所に仮住まいして比較的長期の生活を強いられることになる。避難民の避難生活の際に、最も深刻な問題の一つがトイレの問題である。政府中央防災会議の専門調査会が発表しているシミュレーションでは、首都直下型地震発生2時間後には81万7千人近い避難民が、トイレに行けない状況になると予測している。そこで、自治体、企業、団体、個人では、ポリ袋に凝固剤が入っている簡易トイレを相当数備蓄して問題解決の一つとしているが、簡易トイレ使用済の汚物の処理方法は検討されておらず、次に問題になるのが大量に発生するそれらの汚物と生ゴミ等の処理である。汚物、生ゴミは地中に埋めて処分することは禁止されていることから汚物、生ゴミ等は専用のゴミ袋やバッグに入れられて一時的に所定の場所に集めて保管され、その後、ゴミ収集車等によって収集して焼却処分することになるが、その運行は災害発生から2週間以上経過した後から数日おき等になる可能性が高い。従って、汚物や生ゴミ等は、ゴミ収集車等が来るまで安全、且つ、衛生的に保管しておく必要がある。特に汚物が入っている袋が破れ汚物が外に漏れてしまった場合、疾病者の汚物もある可能性があり2次感染の恐れもあり避難民の健康面を考えるとしっかりした保管が必要になる。そのためには保管用の袋や収容バッグは破れにくく、且つ、収納口を確実に密封できる構造であることが望まれる。
【0003】
そのような袋に関連するものとして例えば、特許文献1に示すゴミ袋がある。このゴミ袋は紙、不織布等によって折りひだを有する袋状にし、その開口部縁部の両側の上下に薄い金属帯板または針金を「折りひだ」に沿って取り付け、金属帯板または針金をV字形に折り曲げることによって挿入口を封止できるようになっている。
【0004】
また、汚物において問題になるのが防水及び防臭対策であり、その対策を図った脱臭性防水性袋装置が開示されている(特許文献2参照)。この脱臭性防水性袋装置は、液状の樹脂材料に粉状の炭を均一に混合分散して塗布剤を得るとともに、この塗布剤を紙製の袋素材の1面に塗布し、塗布剤の塗布面を内側にして前記袋素材を袋状に曲げ加工し、且つ、要所を接着することにより開口部を有する袋体を形成し、開口部の部分を折り曲げて袋体を閉じ、また、その閉じ状態を保つための開口部留めを設けて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭49−4474号公報
【特許文献2】特開2003−267503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されるゴミ袋は、開口部縁部の金属帯板または針金を二つ折りすることで袋の開口部分を塞ぐ構成であるため、倒れると収納物が漏れ出たり、異臭が漏れ出す可能性が高いという問題がある。
また、特許文献2に示される脱臭性防水性袋装置は、防水及び脱水性には優れるものの、開口部留に針金類を紙製保持部に埋め込み、その塑性変形を利用して開口部を封止しているため、特許文献1に示されるゴミ袋と同様に開口部を完全に封止することは困難であるという問題がある。
【0007】
一方、汚物や生ゴミ等を汚物保管用バックに投げ入れる際に、汚物保管用バックの開口部の口一杯まで投げ入れられてしまうと汚物保管用バックの開口部を確実に閉塞することができなくなるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、汚物や生ゴミ等を汚物保管用バックの開口部の口一杯まで投入されることを回避して汚物保管用バックの開口部を閉塞するための折りしろを確保し、開口部を複数回折り返すことによって簡単、且つ、完全に封止し、内部に収容した汚物や生ゴミ等の臭気を漏らすことなく、安全、且つ、衛生的に保管することが可能な汚物保管用バッグを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、汚物や生ゴミ等が投入される状態にある汚物保管用バッグの開口部を開口状態に保持すると共に、起立状態に保持させることが可能な汚物保管用バッグ用のスタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、災害時等に発生する汚物、生ゴミ等を収納する汚物保管用バッグにおいて、袋状で1つの開口部を有するとともに防水性を有する袋体と、袋体の開口部の上縁の一方に設けられた可撓性を有する帯状の板状部材と、袋体の開口部の上縁の他方に設けられたベルトと、板状部材とベルトを重ねた状態で折り返された開口部を締めつけるためにベルトの両端に設けられた一対の係着部材と、を備えることを特徴とする汚物保管用バッグを提供する。
【0011】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の汚物保管用バッグにおいて、袋体の外周面には、開口部を複数回折り返して完全に封止することができるような折りしろを確保するために開口部を外側に折り返した際に当該開口部の上端が位置すべき部分に折り返し線が設けられていることを特徴とする。
汚物や生ゴミ等を汚物保管用バックに投げ入れる際に、使用時に汚物保管用バック開口部の口一杯まで投げ入れてしまうことを避けて汚物保管用バック開口部の折りしろを確保し、開口部を複数回折り返して完全に封止めすることを可能とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の汚物保管用バッグを保持するためのスタンドであって、スタンドは、上部側には持ち手を有し、下部には汚物保管用バッグを載置するための台座を有する主フレームと、袋体の開口部の上端部を折り返し線まで外側に折り曲げた状態で台座に載置された汚物保管用バッグの袋口部を保持するために主フレームの上部に横倒自在に取り付けられたバッグ保持アームとを備え、袋体の内側面に取り付けられ、袋体の開口部の上端部を折り返し線まで外側に折り曲げた際に袋口部の内側から延伸する掛止部材によってバッグ保持アームに掛止することにより汚物保管用バッグを保持するようにしたことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載のスタンドにおいて、掛止部材は、面ファスナー、ホック、フック、リング、ボタンのうちのいずれかによって固定するようにしたことを特徴とする。
スタンドのバック保持アームに掛止部材を巻き付けるようにして掛止するために、板状の掛止部材を輪状にする係着部材として面ファスナーやホック、フック、リング、ボタンのうちのいずれかを使用して輪状にして掛止できるようにした。
【0014】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項3又は4に記載のスタンドにおいて、主フレームの下端には、内部に汚物や生ゴミ等を収容した状態の汚物保管用バッグを載置して移動可能な車輪が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る汚物保管用バッグによれば、開口部を簡単且つ確実に封止でき、これによって内部に収容した汚物や生ゴミ等の臭気を漏らすことなく、安全、且つ、衛生的に保管することができるという効果がある。
【0016】
また、本発明に係るスタンドによれば、使用時は横転することなく汚物保管用バッグの袋口部を開口した状態で確実に保持することができ、且つ、汚物保管用バックの開口部を折り返さなければ、袋口部の内側から延伸する掛止部材をバッグ保持アームに掛止することができないようにすることで確実に折りしろを確保することができ、また、多量の汚物等が収容された状態でも簡単に移動することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る汚物保管用バッグの好ましい一実施形態を示す全体図である。
【図2】図1に示す汚物保管用バッグの展開図である。
【図3】図1に示す汚物保管用バッグの正面図である。
【図4】図3に示す汚物保管用バッグの裏面図である。
【図5】(a)は本発明に係る汚物保管用バッグに用いられるスタンドの構成を示す斜視図、(b)は折り畳んだ状態の側面図である。
【図6】汚物保管用バッグにゴミ袋を収納するまでの過程を説明する斜視図である。
【図7】汚物保管用バッグをスタンドにセットした状態を示す斜視図である。
【図8】汚物保管用バッグの袋口部をスタンドに固定した状態を示す斜視図である。
【図9】汚物保管用バッグに収納されたゴミ袋の処置を説明する正面図である。
【図10】汚物保管用バッグの最終処理の過程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[汚物保管用バッグの構成]
以下、本発明に係る汚物保管用バッグ及びスタンドについて、好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る汚物保管用バッグの一実施形態を示す全体図である。図示された汚物保管用バッグ10は、概略として、開口部2aを有する袋体1と、開口部2aの一方の縁部3aに設けられた合成樹脂製で可撓性を有する帯状の板状部材4と、開口部2aの他方の縁部3bに設けられたポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製のベルト5と、ベルト5の両端に設けられた雌型と雄型の一対からなる合成樹脂製のフック6a,6bとを備えて構成されている。このような構成による汚物保管用バッグ10は、金属物を含まないので燃焼による最終処分を行っても残留物が発生しない。
【0019】
袋体1は袋形状であり、丈夫で防水性能を有し、さらに、焼却処理が可能な素材、例えば、テント等に用いられているターポリン生地を用いて作られている。そして、縫製部分には熱圧着及びシーム加工等を施して防水を図っている。また、袋体1は、例えば、600mm(横)×830mm(縦)のサイズを有しており、図示しないビニール製のゴミ袋(例えば、70リットルの生ゴミ等を収容可能なもの)を内袋として収納可能な内容積を有している。袋体1及びゴミ袋30を70リットルの容積を有するサイズにした場合、小袋とされた使用済み簡易トイレ約50個分を収納することができる。
【0020】
図2は図1に示す汚物保管用バッグの展開図である。図2に示すように、汚物保管用バッグ10は、例えば、1720mm(長さ)×640mm(幅)、0.5mm(厚さ)の1枚のターポリン生地を折り線Xから二つ折りした後、両側を縫製及び防水、シーム加工を施すことによって袋状にされる。この縫製の前工程として、掛止部材7a,7bが縁部3aの近傍の中央寄りの袋体1の内面に縫製によって設けられ、同様に、掛止部材8a,8bが縁部3bの近傍の中央寄りの袋体1の内面の両側寄りに縫製によって設けられている。この掛止部材7a,7b,8a,8bのサイズは、例えば、長さが250mm、幅が30mmであり、面ファスナー、ホック、フック、リング、ボタン等によって輪状に固定することができるようになっている。縫製後の内寸法は、600mm×830mm程度となっている。尚、開口部2aの縁部3a,3bに取り付けられている板状部材4のサイズは約550mm(長さ)×25mm(幅)であり、ベルト5のサイズは約640mm(長さ)×30mm(幅)である。ここで、板状部材4の幅は、ベルト5の幅と同じ幅にすることにより、縁部3a,3bを互いに重ね合わせて折り返す際に、板状部材4とベルト5の幅が同じなために袋体1の折り曲げ幅も均一となり、また、板状部材4とベルト5が一体となった縁部3a、3bの芯の役目となり、誰でもが容易に縁部3a,3bの折り曲げ部のラインを一直線とすることができ、さらには縁部3a,3bの折り曲げ部のラインに皺がよることなく鋭角に折り畳めることができ、縁部3a、3bを複数回折り曲げるときにお互いが密着し合い封止がより完全になる。他方、板状部材4の長手方向の長さは袋体1の幅サイズよりも短く形成することが好ましい。板状部材4の長さを袋体1の幅サイズとほぼ同じ長さとすると袋体1の上部を折り返し、ベルト5の両端に設けられたフック6a,6bで固定した際にベルト5が輪状となりベルト5を持っての移動の際に持ち辛くなるからである。
【0021】
図3は汚物保管用バッグ10の正面図、図4は図3に示す汚物保管用バッグ10の裏面図である。図3に示すように、汚物保管用バッグ10の正面にはユーザによって内容物の名称をマーキングペン等によって記入するための内容物記入部11a、汚物保管用バッグ10を封止した日を記入するための封印日記入部11bが印刷されている。また、図4に示すように汚物保管用バッグ10の裏面には汚物保管用バッグ10の使用方法を説明した使用取扱説明部12が印刷されている。さらに、汚物保管用バッグ10には、印刷等によって折り返し線13が正面及び裏面の幅方向を一周するように同一高さ位置に示されている。この折り返し線13は、汚物保管用バッグ10を使用する際に、開口部2aを複数回折り返して完全に封止することができるような折りしろ3cを確保するために開口部2aを外側に折り返しした時に、開口部2aの上端部を位置させる際の目印として利用される。このように折りしろ3cを確保するのは、使用者は開口部2aの口一杯まで投入しようとするので、その場合には開口部2aを折り返して封止することができなくなるためである。
【0022】
汚物保管用バッグ10は、上述したように最大70リットルの汚物や生ゴミ等を収納することが可能とされている。しかしながら、この重量の汚物保管用バッグ10を手に持って保管場所まで運搬するのは容易なことではない。また、汚物保管用バッグ10単体で起立させた状態で保持することは困難である。そこで、図5(a),(b)に示すようなキャリャ兼用のスタンド20を用いることができる。図5(a)はスタンドの斜視図であり、図5(b)は折り畳んだ状態を示す側面図である。スタンド20は、概略として、主フレーム21と、この主フレーム21の下端の両側に取り付けられた一対の車輪22と、主フレーム21の上側に90°横倒自在に取り付けられたU字形状のバッグ保持アーム23と、主フレーム21の下端に上下方向に90°回動可能に取り付けられた台座フレーム24と、台座フレーム24の上部に取り付けられて汚物保管用バッグ10が載置される台座25と、主フレーム21の上部に取り付けられた背板26と、背板26の左右に取り付けられたクリップ27a,27bと、を備えて構成されている。主フレーム21の上端の水平部が持ち手28として使用される。ここで、主フレーム21、バッグ保持アーム23及び台座フレーム24は金属パイプを曲げ加工することによって形成されている。
【0023】
[汚物保管用バッグの使用法]
次に、上述した汚物保管用バッグ10及びスタンド20の使用方法について図6〜図10を参照しながら説明する。図6〜図10は汚物保管用バッグ10をスタンド20にセットし、その使用後に開口部2aを封止するまでの過程を示している。
【0024】
まず、図6(a)に示すように汚物保管用バッグ10を用意し、縁部3a,3bを広げ、さらに縁部3a,3bを図6(b)に示すように折り返し線13の位置まで外側へ折り返す。このとき、新たに上部側の開口部分となった袋口部2bから掛止部材7a,7b,8a,8bの先端を引き出す。ついで、図6(b)に示すように汚物保管用バッグ10にゴミ袋30を挿入する。
【0025】
次に、図5に示すスタンド20を用意し、それが図5(b)に示すように折り畳んだ状態であれば、図5(a)に示すように使用可能な状態にする。このとき、バッグ保持アーム23は立てた状態にしておく。そして、図7に示すように、スタンド20の台座25上にゴミ袋30が収容された汚物保管用バッグ10を載置し、ついで、バッグ保持アーム23を垂直位置から水平位置へ横倒させる。次に、図8(a)に示すように、掛止部材7a,7b,8a,8bをバッグ保持アーム23に巻き付けるようにして掛止させる。具体的には、掛止部材7a,7b,8a,8bを保持アーム23に巻き付けた後、掛止部材にある係着部材を利用して輪状に保持することによって掛止する。さらに、図8(b)に示すように、クリップ27a,27bに袋体1の上部の後部(背板26側)の縁及びゴミ袋30の後部の縁を係着させる。これにより、汚物保管用バッグ10の袋口部2bは最大径に開き、生ゴミ、汚物等が入れ易くなる。また、図8(b)に示すように、クリップ27a,27bに袋体1と同時にゴミ袋30も一緒に係着させることにより、汚物や生ゴミ等を汚物保管用バック10に投げ入れた際、ゴミ袋30が袋体1の中に入ってしまいゴミ袋30の役割が意味を持たなくなることを避けることができる。
【0026】
図8(b)に示す状態のゴミ袋30に生ゴミ、汚物等が十分に投入されて袋口部2b近くまで投入されたら、汚物保管用バッグ10をスタンド20に載せたまま或いは一旦スタンド20から地面等へ降ろし、図10(a)に示すように、ゴミ袋30の内部の空気を排気するようにしながら、ゴミ袋30の上縁を適宜に折り返し、図9(b)に示すように、両側の端部31a,31bをしっかりと結び付ける。次に、ゴミ袋30の上部を袋体1内に押し込み、さらに折り返してあった折りしろ3cを、図6(a)に示すように、上に伸ばす。そして、図10(b)に示すように、板状部材4とベルト5とが重なるように縁部3a,3bを互いに重ね合わせ、図10(c)に示すように、板状部材4に巻き付けるようにして縁部3a,3bを数回(例えば、3〜4回)折り返す。次に、図10(d)に示すように、ベルト5の両端に設けられたフック6aとフック6bを嵌合させる。これにより開口部2aは確実に封止され、内部に収容した汚物や生ゴミ等の臭気を漏らすことなく、安全、且つ、衛生的に保管することができる。
【0027】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る汚物保管用バッグ及びスタンドによれば、ゴミ袋30を収納する袋体1は縁部3a,3bにそれぞれ板状部材4及びベルト5を設けると共に、汚物保管用バッグ1の上部側に折りしろ3cを設けたことにより、汚物保管用バッグ1の開口部2aを確実に封止することができ、また、内部に収容した汚物や生ゴミ等の臭気を漏らすことなく、安全、且つ、衛生的に保管することができるという効果がある。
【0028】
また、板状部材4とベルト5があることにより、縁部3a,3bを互いに重ね合わせて折り返す際に、板状部材4とベルト5がしっかりと重なりあい一体化し縁部3a、3bの芯の役目となり、誰でもが容易に縁部3a、3bの折り曲げ部のラインを一直線とすることができ、また、縁部3a、3bの折り曲げ部のラインに皺がよることなく鋭角に折り畳めることができ、縁部3a、3bを複数回折り曲げるときにお互いが密着し合い封止がより完全になる効果がある。
【0029】
また、本実施形態によれば、袋体1の内部に係着部材(面ファスナー、ホック、フック、リング、ボタン等)を備えた掛止部材7a,7b,8a,8bを設けたので、スタンド20に載置することによって袋口部2bが塞がらないように広げた状態で保持することができるので、ゴミ袋30内への汚物や生ゴミ等の投入が確実に行えるようになり、生ゴミ等が周囲に飛散するのを防止することができるという効果がある。
【0030】
また、クリップ27a,27bを備えたスタンド20を用いることによって、汚物保管用バッグ10が倒れることなく常に起立した状態で保持することができると共に、クリップ27a,27b及び掛止部材7a,7b,8a,8bによって袋口部2bを開口状態に保持することができるという効果がある。
【0031】
さらに、ゴミ収集車によって回収する際に、係着部材6a、6bを外し、袋体1を逆さまにして開口部2aを下向きにするだけでゴミ袋30を容易に回収でき、汚物保管用バック10は汚物保管用バックの用途として何回でも使用することによる経済的効果も考慮しており、また、汚物保管用バッグ10の各部材には金属物を用いていないため、汚物保管用バック10自体を回収したとしても、そのまま焼却処理を行っても全て灰にすることができるため、金属の残留物を始末するための後処理が不要になるという効果がある。
【0032】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。例えば、袋体1はターポリン生地を用いて作るものとしたが、防水性を有し或いは防水加工をした生地であれば、他の生地を用いることもできる。
【0033】
また、上記実施形態においては、汚物保管用バッグ10を汚物用として説明したが、水害時等における土壌袋、給水時の水袋、復興時の廃材用ゴミ袋、イベント等の臨時用ゴミ袋、緊急時の非常用持ち出し袋として利用することも可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 袋体
2a 開口部
2b 袋口部
3a 縁部
3b 縁部
3c 折りしろ
4 板状部材
5 ベルト
6a フック(係着部材)
6b フック(係着部材)
7a 面ファスナー
7b 面ファスナー
8a 面ファスナー
8a 面ファスナー
8b 面ファスナー
10 汚物保管用バッグ
11a 内容物記入部
11b 封印日記入部
11c 製品名・メーカ名
12 使用取扱説明部
13 折り返し線
20 スタンド
21 主フレーム
22 車輪
23 バッグ保持アーム
24 台座フレーム
25 台座
26 背板
27a クリップ
27b クリップ
28 持ち手
30 ゴミ袋
31a 端部
31b 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害時等に発生する汚物や生ゴミ等を確実に密封し、臭気を漏らすことなく保管するための汚物保管用バッグにおいて、
防水性を有し、上部に開口部を備えた袋体と、
前記袋体の前記開口部の一方側の縁部に設けられた可撓性を有する帯状の板状部材と、
前記袋体の前記開口部の他方側の縁部に設けられたベルトと、
前記一方側の縁部と前記他方側の縁部とを密着させた状態で前記板状部材の幅に沿って隙間が生じないように複数回折り返された前記開口部を完全に封止するために前記ベルトの両端に設けられた一対の係着部材と、
を備えてなることを特徴とする汚物保管用バッグ。
【請求項2】
請求項1に記載の汚物保管用バッグにおいて、
前記袋体の外周面には、前記開口部を複数回折り返して完全に封止することができるような折りしろを確保するために前記開口部を外側に折り返した際に当該開口部の上端が位置すべき部分に折り返し線が設けられていることを特徴とする汚物保管用バッグ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の汚物保管用バッグを保持するためのスタンドであって、
前記スタンドは、
上部側には持ち手を有し、下部には前記汚物保管用バッグを載置するための台座を有する主フレームと、
前記袋体の開口部の上端部を前記折り返し線まで外側に折り曲げた状態で前記台座に載置された前記汚物保管用バッグの袋口部を保持するために前記主フレームの上部に横倒自在に取り付けられたバッグ保持アームと、
を備え、
前記袋体の内側面に取り付けられ、前記袋体の開口部の上端部を前記折り返し線まで外側に折り曲げた際に前記袋口部の内側から延伸する掛止部材によって前記バッグ保持アームに掛止することにより汚物保管用バッグを保持するようにしたことを特徴とするスタンド。
【請求項4】
請求項3に記載のスタンドにおいて、
前記掛止部材は、面ファスナー、ホック、フック、リング、ボタンのうちのいずれかによって固定するようにしたことを特徴とするスタンド。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のスタンドにおいて、
主フレームの下端には、内部に汚物や生ゴミ等を収容した状態の前記汚物保管用バッグを載置して移動可能な車輪が設けられていることを特徴とするスタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−121696(P2012−121696A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274203(P2010−274203)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(599064306)株式会社ケ−・ジ−・マーク (5)
【Fターム(参考)】