説明

波形観測装置及び方法

【課題】被測定信号における波形観測結果とS21特性との関連付けが容易に行える。
【解決手段】波形観測装置1は、被試験デバイス70を介して入力した被測定信号における離散デジタル波形データの線スペクトルと記憶部32に記憶した校正用線スペクトルとの差分を補間処理した後に平滑化処理して得たS21計測データのスペクトラムと、設定入力部40からの操作に基づきS21計測データの周波数を変分した後、再度移動平均を取って算出して得たS21調整データのスペクトラムと、該S21調整データと記憶部32に記憶された校正用の離散デジタル波形データをフーリエ変換して得た演算用スペクトルとから得たれた予測波形スペクトルを逆フーリエ変換した予測波形データの波形を表示部60に並列表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力した被測定信号のサンプリングを行って取得した波形データの波形観測を行う波形観測装置に係り、特に被測定信号の周波数特性の測定が行え、且つ測定した周波数特性や波形データを任意に調整した際の予測結果が関連付けできる波形観測装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば被試験デバイス(Device Under Test :DUT)を介して入力した被測定信号の波形データを所定の周期で順次サンプリングし、サンプリングした波形データを適宜読み出して表示画面にアイパターンを再生表示することにより被測定信号の波形を観測する装置として、例えば下記特許文献1に開示されるものが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−267994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される装置を含む一般的な波形観測装置では、通常、サンプリングした被測定信号のアイ波形表示のみが表示され、この波形形状に応じて信号の品質を観測している。よって、例えば高周波回路網における被試験デバイスの周波数特性(特に、測定頻度が高い周波数特性としてS21透過特性)を測定する場合には、別機器としてネットワークアナライザを接続して測定する必要がある。
【0005】
しかしながら、被試験デバイスの周波数特性を測定するには、波形観測装置の他にネットワークアナライザを別途用意しなければならず、測定コストが嵩むという問題があった。また、測定項目を変更する際に、その都度新たな機器へケーブル等の配線を引き回して系の変更をしなければならず測定作業が煩雑であった。
【0006】
また、波形観測装置とネットワークアナライザとでは、同一の信号を測定した場合であっても測定系が異なるため、例えば周波数特性として測定したS21特性と波形観測装置で観測したアイ波形において測定した周波数特性の成分と波形部分とを関連付けして把握することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、一般的な波形観測機能に加えて周波数特性の測定が行え、且つ測定した周波数特性や波形データを調整した際の予測結果を容易に把握することのできる波形観測装置及び方法提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の波形観測装置は、周期波形である任意のパターン信号と当該パターン信号に同期したトリガ信号を出力するパルスパターン発生部10と、
該パルスパターン発生部からのパターン信号に基づく被測定信号を前記パルスパターン発生部からのトリガ信号に応じてサンプリングして時系列データである離散デジタル波形データを取得する波形観測部20と、
を備えた波形観測装置1であって、
前記波形観測部からの前記離散デジタル波形データをフーリエ変換してその線スペクトル周波数のみを抽出するスペクトル抽出部31と、
該スペクトル抽出部が前記波形観測部で得た校正用の離散デジタル波形データから抽出した校正用線スペクトルを少なくとも記憶する記憶部32と、
被試験デバイス70を介して入力した前記被測定信号の離散デジタル波形データにおける線スペクトルと、前記記憶部に記憶した前記校正用線スペクトルとから抽出した基本波の高調波線スペクトルとの差分から得たS21実測データを補間処理した後に平滑化処理して得たS21計測データを出力するS21算出処理部33と、
該S21算出処理部からの前記S21計測データを表示部60にスペクトラム表示する表示制御部50と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の波形観測装置は、請求項1記載の波形観測装置において、さらに、前記S21計測データに対し変分を与える際の操作内容に基づく調整情報を出力する設定入力部40と、
該設定入力部からの前記調整情報に基づき前記S21計測データの周波数を変分した後、再度移動平均を取って算出して得たS21調整データを出力するS21調整処理部34と、
前記記憶部32に記憶した前記校正用の離散デジタル波形データ若しくは任意に設定された時系列波形データをフーリエ変換して得た演算用スペクトルと、前記S21調整処理部からの前記S21調整データとを用いて乗算によるフィルタ処理を施して得た予測波形スペクトルを逆フーリエ変換し、予測波形データとして出力する波形予測処理部35とを備え、
前記表示制御部50の制御によって、前記S21計測データのスペクトラム、前記S21調整データのスペクトラム、前記予測波形データの波形を前記表示部60の表示画面上に並列表示することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の波形観測装置は、請求項1載の波形観測装置において、さらに、前記波形観測部20でサンプリングした前記離散デジタル波形データの波形形状を調整する際の操作内容に基づく調整情報を出力する設定入力部40と、
前記波形観測部でサンプリングした前記離散デジタル波形データを前記設定入力部からの調整情報に基づくTr/Tfとなるように書き換えて得た波形調整データを出力する波形調整処理部36と、
該波形調整処理部からの前記波形調整データをフーリエ変換して得た波形調整スペクトルと、前記記憶部に記憶された離散デジタル波形データをフーリエ変換して得た実測波形スペクトルとを出力するFT処理部37と、
該FT処理部でフーリエ変換された前記実測波形スペクトルと前記波形調整スペクトルとの差分を算出して得たS21変化量データを出力するスペクトル算出処理部38と、
前記S21算出処理部33で得た前記S21計測データに、前記スペクトル算出処理部で得た前記S21変化量データを加算処理し、S21予測データとして出力するS21予測処理部39と、
前記表示制御部40の制御によって、前記波形観測部でサンプリングした前記離散デジタル波形データに基づく実測波形データの波形、前記S21計測データのスペクトラム、前記S21予測データに基づくS21推定結果のスペクトラムを前記表示部60の表示画面上に並列表示することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の波形観測方法は、周期波形である任意のパターン信号と当該パターン信号に同期したトリガ信号を出力するパルスパターン発生ステップと、
該パルスパターン発生ステップからのパターン信号に基づく被測定信号を前記パルスパターン発生ステップからのトリガ信号に応じてサンプリングして時系列データである離散デジタル波形データを取得する波形観測ステップと、
を備えた波形観測方法であって、
前記波形観測ステップからの前記離散デジタル波形データをフーリエ変換してその線スペクトル周波数のみを抽出するスペクトル抽出ステップと、
前記波形観測ステップで得た校正用の離散デジタル波形データから前記スペクトル抽出ステップで抽出した校正用線スペクトルを少なくとも記憶する記憶ステップと、
被試験デバイス70を介して入力した被測定信号における離散デジタル波形データの線スペクトルと、前記記憶ステップで記憶した前記校正用線スペクトルとから抽出した基本波の高調波線スペクトルを差分して得たS21実測データを補間処理した後に平滑化処理して得たS21計測データを出力するS21算出処理ステップと、
該21算出処理ステップからの前記S21計測データを表示部60にスペクトラム表示する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の波形観測方法は、請求項4記載の波形観測方法において、さらに、前記S21計測データに対し変分を与える際の操作内容に基づく調整情報を出力する設定入力ステップと、
該設定入力ステップからの前記調整情報に基づき前記S21計測データの周波数を変分した後、再度移動平均を取って算出したS21調整データを出力するS21調整処理ステップと、
前記記憶ステップで記憶した前記校正用の離散デジタル波形データ若しくは任意に設定された時系列波形データをフーリエ変換して得られた演算用スペクトルと、前記S21調整処理ステップからの前記S21調整データとを用いて乗算によるフィルタ処理を施して得られた予測波形スペクトルを逆フーリエ変換して予測波形データを取得する波形予測処理ステップと、
前記S21計測データのスペクトラム、前記S21調整データのスペクトラム、前記予測波形データの波形を前記表示部60の表示画面上に並列表示する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の波形観測方法は、請求項4載の波形観測方法において、さらに、前記波形観測ステップでサンプリングした前記離散デジタル波形データの波形形状を調整する際の操作内容に基づく調整情報を出力する設定入力ステップと、
前記波形観測ステップでサンプリングした前記離散デジタル波形データを設定入力ステップからの調整情報に基づくTr/Tfとなるように書き換え波形調整データとして出力する波形調整処理ステップと、
該波形調整処理ステップからの前記波形調整データをフーリエ変換して得た波形調整スペクトルと、記憶部32に記憶される前記離散デジタル波形データをフーリエ変換して得た実測波形スペクトルとを出力するFT処理ステップと、
該FT処理ステップでフーリエ変換された前記実測波形スペクトルと前記波形調整スペクトルとの差分を算出して得たS21変化量データを出力するスペクトル算出処理ステップと、
前記S21算出処理ステップで得た前記S21計測データに、前記スペクトル算出処理ステップで得た前記S21変化量データを加算処理し、S21予測データとして出力するS21予測処理ステップと、
前記波形観測ステップでサンプリングした前記離散デジタル波形データに基づく実測波形データの波形、前記S21計測データのスペクトラム、前記S21予測データに基づくS21推定結果のスペクトラムを前記表示部60の表示画面上に並列表示する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明波形観測装置によれば、周波数特性であるS21特性を測定する際に、その都度ネットワークアナライザを用意する必要がなくなるため、測定コストが安価になる。また、周波数特性を測定する機能を備えているため、新たな機器の接続に伴うケーブル等の配線を引き回しすることなく、簡便に周波数特性の測定処理と波形観測処理を行うことができる。
【0015】
また、第1形態では、ユーザの操作による調整前及び調整後のS21特性と、調整後のS21特性に基づく予測波形データとが同一画面上に並列表示されるため、ユーザはS21特性のどの成分が波形に対してどのように影響するかを関連付けしながら視覚的に把握することができる。
【0016】
さらに、第2形態では、ユーザの操作により調整された離散デジタル波形データのアイ波形と、波形調整前及び調整後の離散デジタル波形データに基づくS21特性とが同一画面上に並列表示されるため、ユーザは実測した離散デジタル波形データのアイ波形をどの部分を調整することでS21特性のどの成分に影響するかを関連付けしながら視覚的に把握することができる。
する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る第1形態の波形観測装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】(a)〜(c) 同装置における表示内容を示す説明図である。
【図3】本発明に係る第2形態の波形観測装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】(a)〜(c) 同装置における表示内容を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
【0019】
[第1形態]
本発明に係る第1形態の波形観測装置の構成について、図1、2を参照しながら説明する。
【0020】
<装置構成>
図1に示すように、本例の波形観測装置1は、パルスパターン発生部10、波形観測部20、波形データ処理部30、設定入力部40、表示制御部50、表示部60を備えて概略構成される。また、波形観測装置1は、前述した構成要件の他に、パルスパターン発生部10からのパターン信号(テスト信号)を被試験デバイス70を介して入力して符号誤り率を測定する誤り率検出部(不図示)も備えている。
【0021】
パルスパターン発生部10は、パルスパターン発生器(Pulse Pattern Generator :PPG)の機能を有し、クロック発生手段11と、パターン生成手段12と、トリガ生成手段13とで構成されている。
【0022】
クロック発生手段11は、リファレンスクロック(周期波形)を発生し、このクロックをパターン生成手段12とトリガ生成手段13に出力している。
【0023】
パターン生成手段12は、クロック発生手段11からのリファレンスクロックに同期して、固有の周期を持つランダムな「0」と「1」のパターン(例えばPRBS(Pseudorandom Binary (Bit) Sequence)パターン、「0011…」や「0101…」等の予め設定されたパターン)のうち任意に選択されたパルスパターンのパターン信号(テスト信号)を被試験デバイス70に向けて出力している。また、パターン生成手段12は、波形データ処理部30でS21算出処理時に用いる校正用の離散デジタル波形データを取得する際に、波形観測部20と直結した状態でパターン信号を被測定信号として出力している。
【0024】
トリガ生成手段13は、後段の処理(S21算出処理又はアイ波形表示処理)に応じた波形データをサンプリングするためのクロック発生手段11からのリファレンスクロックをパターン生成手段12で生成したパターン信号に同期した同期クロック(例えば10Gbitで1/16クロック)を生成し、この同期クロックをトリガ信号として波形観測部20に出力している。
【0025】
波形観測部20は、入力する被測定信号をサンプリングするサンプリング処理手段21を備え、トリガ生成部からのトリガ信号の周期(分周比)に基づき被測定信号をサンプリングして時系列データである離散デジタル波形データを取得し、この離散デジタル波形データを波形データ処理部30に出力している。さらに、波形観測部20は、取得した離散デジタル波形データをアイ波形として表示部60に表示するため表示制御部50に出力している。
【0026】
なお、サンプリング処理手段21は、トリガ生成手段13からのトリガ信号の周期に応じて被測定信号をサンプリングするため、例えばトリガ信号が1/n(例えば1/16)クロックである場合はサンプリングされる波形はアイ波形となり、トリガ信号としてパターントリガ(パターン生成手段12の1周期に1回だけ先頭にパルスを出す信号)である場合はサンプリングされる波形は時系列波形となる。従って、表示部60に表示したい内容に応じて、サンプリングする波形がアイ波形又は時系列波形となるように、ユーザはトリガ生成手段13からのトリガ信号を調整する必要がある。
【0027】
波形データ処理部30は、スペクトル抽出部31と、記憶部32と、S21算出処理部33と、S21調整処理部34と、波形予測処理部35とを備えて構成されている。
【0028】
スペクトル抽出部31は、時系列の波形データを基に周波数領域のスペクトラム生成するフーリエ変換(Fourier transform :FT)機能を有している。スペクトル抽出部31は、波形観測部20からの離散デジタル波形データのフーリエ変換を行い、そのスペクトルを算出して線スペクトル周波数のみを抽出し、抽出した線スペクトルをS21算出処理部33に出力している。また、スペクトル抽出部31は、波形観測部20から校正用の離散デジタル波形データを入力すると、この波形データをフーリエ変換して得られる線スペクトル(以下、校正用線スペクトルという)を記憶部32に格納している。
【0029】
記憶部32は、スペクトル抽出部31で校正用の離散デジタル波形データから抽出された校正用線スペクトルを記憶している。また、記憶部32は、波形観測部20でサンプリングされた離散デジタル波形データや校正用の離散デジタル波形データも必要に応じて併せて記憶している。
【0030】
S21算出処理部33は、S21算出手段33aと、補間処理手段33bと、平滑化処理手段33cとを備えている。
【0031】
S21算出手段33aは、被試験デバイス70を介して入力した被測定信号の離散デジタル波形データにおける線スペクトルと記憶部32に記憶した校正用線スペクトルから、基本波の高調波線スペクトルをそれぞれ抽出し、この抽出した各線スペクトルの差分から被試験デバイス70の透過特性であるS21実測データ(周波数軸に対して非等間隔)を算出し、補間処理手段33bに出力している。なお、高調波スペクトルの抽出は、ノイズフロアよりも高く、ピークで、且つ変曲点である部分を抽出することが好ましい。
【0032】
補間処理手段33bは、S21算出手段33aで算出されたS21実測データを補間処理(例えば、重複周波数の検出・削除による直線補間)により周波数軸に等間隔なS21データ列を再生し、S21補間データとして平滑化処理手段33cに出力している。
【0033】
平滑化処理手段33cは、補間処理手段33bからのS21補間データの移動平均を取って異常点を除去することで平滑化処理をし、この平滑化処理によって得られた離散配列であるS21計測データをS21調整処理部34に出力している。
なお、平滑化処理の際に移動平均が取れないとき(前後サンプルが無い等)は、前後サンプルとの平均を算出することで平滑化処理を行っている。また、平滑化処理手段33cで得られたS21計測データのスペクトラム表示を行う場合は、このS21計測データを表示制御部50に出力している。
【0034】
S21調整処理部34は、平滑化処理手段33cからのS21計測データを設定入力部40からの調整情報に基づき周波数を変分した後、再度移動平均を取ってS21調整データを算出し、この算出したS21調整データを波形予測処理部35に出力している。設定入力部40からの調整情報とは、表示部60に表示されたGUI(Graphical User Interface)の表示画面上で、離散配列のS21計測データを設定入力部40から所定操作し、S21計測データにおけるある周波数に変分を与えるための情報である。
なお、S21計測データの調整処理において移動平均を取る際に重み付けを考慮して処理することが好ましい。
【0035】
また、演算用波形データは、任意に設定可能な離散デジタル波形データを設定する必要はなく、予め記憶部32に記憶された校正用の離散デジタル波形データや予めユーザが設定調整した時系列波形データを演算用波形データとして用いることもできる。
【0036】
波形予測処理部35は、FT処理手段35aと、フィルタ処理手段35bと、IFT処理手段35cとを備えている。
【0037】
FT処理手段35aは、設定入力部40からの時系列データである演算用波形データをフーリエ変換(Fourier transform :FT)してスペクトルを算出し、この算出したスペクトルを演算用スペクトルとしてフィルタ処理手段35bに出力している。
【0038】
フィルタ処理手段35bは、S21調整処理部34からのS21調整データとFT処理手段35aからの演算用スペクトルとを用いて乗算してフィルタ処理を施して予測波形スペクトルを算出し、この予測波形スペクトルをIFT処理手段35cに出力している。
【0039】
IFT処理手段35cは、フィルタ処理手段35bからの予測波形スペクトルを逆フーリエ変換(Inverse Fourier transform :IFT)処理して実部を取ることでアイ波形の予測結果である予測波形データを取得し、この予測波形データを表示制御部50に出力している。
【0040】
設定入力部40は、テンキーや各種操作キー、表示部60の表示画面上に表示された表示要素の画像領域を操作するマウス又はタッチパネル等のポインティングデバイスで構成される。設定入力部40は、ユーザにより表示画面上に表示されたS21計測データに対し変分を与える操作が行われると、この操作内容に基づく調整情報をS21調整処理部34に出力している。具体的には、表示部60に表示されたGUI(Graphical User Interface)の表示画面上に表示されたS21計測データを直感的に操作して周波数特性を変化させている。
【0041】
また、任意に設定可能な時系列データである離散デジタル波形データに対し、ユーザが設定入力部40を所定操作することで波形に関する各種設定(Tr/Tf、振幅、ジッタ、遷移形状等)を行い、この設定された時系列波形データを演算用波形データとして波形予測処理部35に出力している。
【0042】
表示制御部50は、離散デジタル波形データに基づく実測波形データの表示制御、S21算出処理部33からの線スペクトルの表示制御、波形予測処理部35からの予測結果内容の表示制御等、波形観測装置1の駆動に必要な表示内容を表示部60の表示画面上に表示制御している。
【0043】
表示制御例としては、例えば図2(a)に示すように測定したS21計測データのスペクトラム表示制御、図2(b)に示すようにユーザが任意に調整したS21調整データのスペクトラム表示制御、図2(c)に示すようにS21調整データに基づき予測された予測波形データの波形表示制御(アイ波形)を行っている。このような表示制御を行うことで、測定した周波数特性のどの成分が波形観測装置1に影響を及ぼしているかを視覚的に把握することができる。
【0044】
表示部60は、例えば液晶表示器で構成され、表示制御部50の制御により、離散デジタル波形データに基づく実測波形データ表示、S21計測データのスペクトラム表示、予測波形データの波形表示等、波形観測装置1の駆動に必要な表示内容を表示画面上に表示している。
【0045】
<処理動作>
次に、上述した第1形態の波形観測装置1における処理動作について説明する。
【0046】
まず、S21算出時に用いる校正用の離散デジタル波形データを取得するため、被試験デバイス70を介さずパルスパターン発生部10と波形観測部20とを直結し、パルスパターン発生部10からのトリガ信号に基づきパターン生成手段12で生成されたパターン信号を出力する。波形観測部20は、パルスパターン発生部10からのトリガ信号に基づき、入力するパターン信号をサンプリングして校正用の離散デジタル波形データを取得する。この取得した校正用の離散デジタル波形データは、波形データ処理部30の記憶部32に格納される。
【0047】
次に、被試験デバイス70に対してテスト信号を送信し、被試験デバイス70を介して入力した被測定信号を、パルスパターン発生部10からのトリガ信号に基づきサンプリングして離散デジタル波形データを取得して波形データ処理部30に出力する。
【0048】
波形データ処理部30は、波形観測部20からの離散デジタル波形データをフーリエ変換してそのスペクトルを算出し、線スペクトル周波数のみを抽出する。そして、抽出した線スペクトルをS21算出処理部33に出力する。
【0049】
S21算出処理部33において、離散デジタル波形データの線スペクトルと記憶部32に記憶された線スペクトルとの差分からS21実測データを算出する。次に、算出したS21実測データを補間処理してS21補間データとした後、平滑化処理を施してS21計測データを取得してS21調整処理部34に出力する。
【0050】
S21調整処理部34は、ユーザが設定入力部40を操作した際の調整情報に基づき周波数を変分した後、再度移動平均を取ってS21調整データを算出し、この算出したS21調整データを波形予測処理部35に出力する。
【0051】
波形予測処理部35では、設定入力部40からの時系列データである演算用波形データをフーリエ変換して演算用スペクトルを算出する。次に、S21調整処理部34からのS21調整データとを用いて乗算してフィルタ処理を施すことで予測波形スペクトルを算出し、この予測波形スペクトルを逆フーリエ変換処理して実部を取ることで予測波形データを取得する。
【0052】
そして、図2(a)〜(c)に示すような実測値であるS21計測データのスペクトラム、ユーザが設定入力部40を介して任意に調整したS21調整データのスペクトラム、S21調整データに基づき予測された予測波形データの波形を表示部60の表示画面上に並列表示する。これにより、測定したS21特性のどの成分が波形に影響するかを視覚的に把握すること可能となっている。
【0053】
[第2形態]
次に、本発明に係る第2形態の波形観測装置1の構成について、図3、4を参照しながら説明する。なお、以下に説明する第2形態の波形観測装置1では、上述した第1形態の波形観測装置1と同様の構成要件については同一の番号を付してその説明を省略し、相違する構成要件についてのみ説明する。
【0054】
<装置構成>
第2形態の波形観測装置1は、波形観測部20でサンプリングした離散デジタル波形データを調整することでS21特性がどのように変化するかを予測するための装置形態であり、これを実現する構成要件として図3に示すように波形調整処理部36、FT処理部37、スペクトル算出処理部38、S21予測処理部39を備えている。また、第2形態では、表示部60に表示する離散デジタル波形データがアイ波形となるよう、波形観測時に必要なトリガ信号が予め調整されている。
【0055】
波形調整処理部36は、記憶部32に記憶した離散デジタル波形データを設定入力部40からの調整情報に基づきユーザが設定したTr/Tfとなるように時系列データを書き換え、この書き換えたデータを波形調整データとしてFT処理部37に出力している。
【0056】
設定入力部40からの調整情報とは、表示部60に表示されたGUI(Graphical User Interface)の表示画面上で、実測した離散デジタル波形データのアイ波形を設定入力部40から所定操作して波形形状を調整し、アイ波形のTr/Tfを変化させた波形形状にするための調整情報である。なお、波形形状を調整する場合には、相似形に調整することが条件となるが、部分的にある範囲の相似波形であってもよい。
【0057】
FT処理部37は、波形調整処理部36からの波形調整データをフーリエ変換してスペクトルを算出し、この算出したスペクトルを波形調整スペクトルとしてスペクトル算出処理部38に出力している。また、FT処理部37は、記憶部32に記憶される離散デジタル波形データをフーリエ変換してスペクトルを算出し、この算出した実測波形スペクトルとしてスペクトル算出処理部38に出力している。
【0058】
スペクトル算出処理部38は、FT処理部37で変換処理された実測波形スペクトルと波形調整スペクトルとの差分を算出してS21の変化量であるS21変化量データを取得し、S21予測処理部39に出力している。
【0059】
S21予測処理部39は、S21算出処理部33で得られたS21計測データにスペクトル算出処理部38で得られたS21変化量データを加算処理してS21予測データを取得し、この取得したS21予測データを表示制御部50に出力している。
【0060】
そして、表示制御部50は、例えば図4(a)に示すように波形観測部20でサンプリングした離散デジタル波形データに基づく実測波形データの波形表示制御、図4(b)に示すようにS21算出処理部33で測定したS21計測データのスペクトラム表示制御、図4(c)に示すようにS21予測処理部39で得られたS21予測データに基づくS21推定結果のスペクトラム表示制御を行っている。
【0061】
<処理動作>
次に、第2形態の波形観測装置1における処理動作について説明する。なお、以下の説明では、第1形態と同様の処理内容についてはその説明を省略し、本形態に関する処理動作のみを説明する。
【0062】
波形観測部20で離散デジタル波形データをサンプリングすると、波形調整処理部36は、ユーザが設定入力部40を操作した際の調整情報に基づきユーザが設定したTr/Tfとなるように離散デジタル波形データを時系列データに書き換えて波形調整データを取得する。次に、波形調整データをフーリエ変換した後、スペクトル算出処理部38に出力する。また、波形調整処理部36で調整される前の離散デジタル波形データをフーリエ変換した後、スペクトル算出処理部38に出力する。
【0063】
スペクトル算出処理部38は、FT処理部37で変換処理された実測波形スペクトルと波形調整スペクトルとの差分を算出してS21の変化量であるS21変化量データを取得し、S21予測処理部39において、S21算出処理部33で得られたS21計測データにS21変化量データを加算処理してS21予測データを取得する。
【0064】
そして、図4(a)〜(c)に示すような波形観測部20でサンプリングした離散デジタル波形データに基づく実測波形データの波形、S21算出処理部33で測定したS21計測データのスペクトラム、S21予測処理部39で得られたS21予測データに基づくS21推定結果のスペクトラムを表示部60の表示画面上に並列表示する。これにより、測定した離散デジタル波形データのアイ波形を調整した際に、S21特性のどの成分が影響するかを視覚的に把握すること可能となる。
【0065】
以上説明したように、上述した第1形態の波形観測装置1は、パルスパターン発生部10から直結して入力したパターン信号をサンプリングしたS21算出時に用いる校正用の離散デジタル波形データと、試験デバイスを介して入力した被測定信号をサンプリングした離散デジタル波形データを取得し、波形データ処理部30に出力する。波形データ処理部30において、波形観測部20からの離散デジタル波形データをフーリエ変換してそのスペクトルを算出し、線スペクトル周波数のみを抽出する。そして、S21算出処理部33において、抽出した線スペクトルからS21の算出、補間処理、平滑化処理を施してS21計測データを取得している。
【0066】
これにより、周波数特性であるS21特性を測定する際に、その都度ネットワークアナライザを用意する必要がなくなるため、測定コストが安価になる。また、周波数特性を測定する機能を備えているため、新たな機器の接続に伴うケーブル等の配線を引き回しすることなく、簡便に周波数特性の測定処理と波形観測処理とを行うことができる。
【0067】
また、波形予測処理部35において、S21算出処理部33で取得したS21計測データと設定入力部40からの演算用波形データをフーリエ変換して得られた演算用スペクトルとをフィルタ処理して予測波形スペクトルを算出し、この予測波形スペクトルを逆フーリエ変換処理して予測波形データを取得する。そして、実測値であるS21計測データのスペクトラム、ユーザが設定入力部40を介して任意に調整したS21調整データのスペクトラム、S21調整データに基づき予測された予測波形データの波形を表示部60の表示画面上に並列表示している。
【0068】
これにより、ユーザの操作による調整前及び調整後のS21特性と、調整後のS21特性に基づく予測波形データとが同一画面上に並列表示されるため、ユーザはS21特性のどの成分が波形に対してどのように影響するかを関連付けしながら視覚的に把握することができる。
【0069】
また、第2形態の波形観測装置1は、波形観測部20で離散デジタル波形データをサンプリングすると、波形調整処理部36においてユーザが設定入力部40を操作した際の調整情報に基づきユーザが設定したTr/Tfとなるように離散デジタル波形データを時系列データに書き換えて波形調整データを取得する。そして、波形調整データをフーリエ変換した後、スペクトル算出処理部38に出力するとともに、波形調整処理部36で調整される前の離散デジタル波形データをフーリエ変換した後、スペクトル算出処理部38に出力する。
【0070】
スペクトル算出処理部38は、実測波形スペクトルと波形調整スペクトルからS21変化量データを取得し、S21予測処理部39において、S21算出処理部33で得られたS21計測データにS21変化量データを加算処理してS21予測データを取得する。そして、実測した離散デジタル波形データに基づく実測波形データの波形、S21算出処理部33で測定したS21計測データのスペクトラム、S21予測処理部39で得られたS21予測データに基づくS21推定結果のスペクトラムを表示部60の表示画面上に並列表示している。
【0071】
これにより、ユーザの操作により調整された離散デジタル波形データのアイ波形と、波形調整前及び調整後の離散デジタル波形データに基づくS21特性とが同一画面上に並列表示されるため、ユーザは実測した離散デジタル波形データのアイ波形をどの部分を調整することでS21特性のどの成分に影響するかを関連付けしながら視覚的に把握することができる。
【0072】
ところで、上述した各形態において、図2、4を用いて表示画面上に表示するS21特性や予測波形データなどの表示内容を並列表示する例で説明したが、ユーザが表示内容を関連付けして視覚的に把握することができればよいため、表示データの表示数や表示形式は任意に設定可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…波形観測装置
10…パルスパターン発生部
11…クロック発生手段
12…パターン生成手段
13…トリガ生成手段
20…波形観測部
21…サンプリング手段
30…波形データ処理部
31…スペクトル抽出部
32…記憶部
33…S21算出処理部(33a…S21算出手段33、33b…補間処理手段、33c…平滑化処理手段)
34…S21調整処理部
35…波形予測処理部(35a…FT処理手段、35b…フィルタ処理手段、33c…IFT処理手段)
36…波形調整処理部
37…FT処理部
38…スペクトル算出処理部
39…S21予測処理部
40…設定入力部
50…表示制御部
60…表示部
70…被試験デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期波形である任意のパターン信号と当該パターン信号に同期したトリガ信号を出力するパルスパターン発生部(10)と、
該パルスパターン発生部からのパターン信号に基づく被測定信号を前記パルスパターン発生部からのトリガ信号に応じてサンプリングして時系列データである離散デジタル波形データを取得する波形観測部(20)と、
を備えた波形観測装置(1)であって、
前記波形観測部からの前記離散デジタル波形データをフーリエ変換してその線スペクトル周波数のみを抽出するスペクトル抽出部(31)と、
該スペクトル抽出部が前記波形観測部で得た校正用の離散デジタル波形データから抽出した校正用線スペクトルを少なくとも記憶する記憶部(32)と、
被試験デバイス(70)を介して入力した前記被測定信号の離散デジタル波形データにおける線スペクトルと、前記記憶部に記憶した前記校正用線スペクトルとから抽出した基本波の高調波線スペクトルとの差分から得たS21実測データを補間処理した後に平滑化処理して得たS21計測データを出力するS21算出処理部(33)と、
該S21算出処理部からの前記S21計測データを表示部(60)にスペクトラム表示する表示制御部(50)と、
を備えたことを特徴とする波形観測装置。
【請求項2】
さらに、前記S21計測データに対し変分を与える際の操作内容に基づく調整情報を出力する設定入力部(40)と、
該設定入力部からの前記調整情報に基づき前記S21計測データの周波数を変分した後、再度移動平均を取って算出して得たS21調整データを出力するS21調整処理部(34)と、
前記記憶部(32)に記憶した前記校正用の離散デジタル波形データ若しくは任意に設定された時系列波形データをフーリエ変換して得た演算用スペクトルと、前記S21調整処理部からの前記S21調整データとを用いて乗算によるフィルタ処理を施して得た予測波形スペクトルを逆フーリエ変換し、予測波形データとして出力する波形予測処理部(35)とを備え、
前記表示制御部(50)の制御によって、前記S21計測データのスペクトラム、前記S21調整データのスペクトラム、前記予測波形データの波形を前記表示部(60)の表示画面上に並列表示することを特徴とする請求項1記載の波形観測装置。
【請求項3】
さらに、前記波形観測部(20)でサンプリングした前記離散デジタル波形データの波形形状を調整する際の操作内容に基づく調整情報を出力する設定入力部(40)と、
前記波形観測部でサンプリングした前記離散デジタル波形データを前記設定入力部からの調整情報に基づくTr/Tfとなるように書き換えて得た波形調整データを出力する波形調整処理部(36)と、
該波形調整処理部からの前記波形調整データをフーリエ変換して得た波形調整スペクトルと、前記記憶部に記憶された離散デジタル波形データをフーリエ変換して得た実測波形スペクトルとを出力するFT処理部(37)と、
該FT処理部でフーリエ変換された前記実測波形スペクトルと前記波形調整スペクトルとの差分を算出して得たS21変化量データを出力するスペクトル算出処理部(38)と、
前記S21算出処理部(33)で得た前記S21計測データに、前記スペクトル算出処理部で得た前記S21変化量データを加算処理し、S21予測データとして出力するS21予測処理部(39)と、
前記表示制御部(40)の制御によって、前記波形観測部でサンプリングした前記離散デジタル波形データに基づく実測波形データの波形、前記S21計測データのスペクトラム、前記S21予測データに基づくS21推定結果のスペクトラムを前記表示部(60)の表示画面上に並列表示することを特徴とする請求項1載の波形観測装置。
【請求項4】
周期波形である任意のパターン信号と当該パターン信号に同期したトリガ信号を出力するパルスパターン発生ステップと、
該パルスパターン発生ステップからのパターン信号に基づく被測定信号を前記パルスパターン発生ステップからのトリガ信号に応じてサンプリングして時系列データである離散デジタル波形データを取得する波形観測ステップと、
を備えた波形観測方法であって、
前記波形観測ステップからの前記離散デジタル波形データをフーリエ変換してその線スペクトル周波数のみを抽出するスペクトル抽出ステップと、
前記波形観測ステップで得た校正用の離散デジタル波形データから前記スペクトル抽出ステップで抽出した校正用線スペクトルを少なくとも記憶する記憶ステップと、
被試験デバイス(70)を介して入力した被測定信号における離散デジタル波形データの線スペクトルと、前記記憶ステップで記憶した前記校正用線スペクトルとから抽出した基本波の高調波線スペクトルを差分して得たS21実測データを補間処理した後に平滑化処理して得たS21計測データを出力するS21算出処理ステップと、
該21算出処理ステップからの前記S21計測データを表示部(60)にスペクトラム表示する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする波形観測方法。
【請求項5】
さらに、前記S21計測データに対し変分を与える際の操作内容に基づく調整情報を出力する設定入力ステップと、
該設定入力ステップからの前記調整情報に基づき前記S21計測データの周波数を変分した後、再度移動平均を取って算出したS21調整データを出力するS21調整処理ステップと、
前記記憶ステップで記憶した前記校正用の離散デジタル波形データ若しくは任意に設定された時系列波形データをフーリエ変換して得た演算用スペクトルと前記S21調整処理ステップからの前記S21調整データとを用いて乗算によるフィルタ処理を施して得た予測波形スペクトルを逆フーリエ変換し、予測波形データとして出力する波形予測処理ステップと、
前記S21計測データのスペクトラム、前記S21調整データのスペクトラム、前記予測波形データの波形を前記表示部(60)の表示画面上に並列表示する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする請求項4記載の波形観測方法。
【請求項6】
さらに、前記波形観測ステップでサンプリングした前記離散デジタル波形データの波形形状を調整する際の操作内容に基づく調整情報を出力する設定入力ステップと、
前記波形観測ステップでサンプリングした前記離散デジタル波形データを前記設定入力ステップからの調整情報に基づくTr/Tfとなるように書き換えて波形調整データとして出力する波形調整処理ステップと、
該波形調整処理ステップからの前記波形調整データをフーリエ変換して得た波形調整スペクトルと、記憶部(32)に記憶される前記離散デジタル波形データをフーリエ変換して得た実測波形スペクトルとを出力するFT処理ステップと、
該FT処理ステップでフーリエ変換された前記実測波形スペクトルと前記波形調整スペクトルとの差分を算出して得たS21変化量データを出力するスペクトル算出処理ステップと、
前記S21算出処理ステップで得た前記S21計測データに、前記スペクトル算出処理ステップで得た前記S21変化量データを加算処理し、S21予測データとして出力するS21予測処理ステップと、
前記波形観測ステップでサンプリングした前記離散デジタル波形データに基づく実測波形データの波形、前記S21計測データのスペクトラム、前記S21予測データに基づくS21推定結果のスペクトラムを前記表示部(60)の表示画面上に並列表示する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする請求項4記載の波形観測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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