洗濯機
【課題】低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現する。
【解決手段】モータ13を駆動するモータ駆動手段30と、洗濯シーケンスに応じてモータ13の回転を制御する制御手段20と、モータ13の停止時にモータ13のステータコイルとモータ駆動手段30の接続形態を変更する接続形態制御手段32とを備え、制御手段20は、受筒11の振動を検知する3Dセンサ40を有し、3Dセンサ40の出力に応じてモータ13の回転数を制御し、モータ13は、モールド部と外面に露出させた放熱フィンを有し、放熱フィンの間を受筒に近接させて受筒の外周側壁に取り付けたものであり、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現することができる。
【解決手段】モータ13を駆動するモータ駆動手段30と、洗濯シーケンスに応じてモータ13の回転を制御する制御手段20と、モータ13の停止時にモータ13のステータコイルとモータ駆動手段30の接続形態を変更する接続形態制御手段32とを備え、制御手段20は、受筒11の振動を検知する3Dセンサ40を有し、3Dセンサ40の出力に応じてモータ13の回転数を制御し、モータ13は、モールド部と外面に露出させた放熱フィンを有し、放熱フィンの間を受筒に近接させて受筒の外周側壁に取り付けたものであり、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯をおこなう洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、洗濯機は、洗濯水の撹拌により生じる水流を利用して洗濯物を洗うパルセータ式と、衣類等の洗濯物をドラムの回転により持ち上げ、落下させて洗濯物をたたき洗いするドラム式がある。
【0003】
従来、ドラム式洗濯機は、洗濯兼脱水槽の回転制御を、洗濯時の低速回転と脱水時の高速回転とを制御するために、インダクションモータを2種類設け、洗濯時と脱水時のそれぞれの回転数に対応する減速比のモータ側駆動プーリと、洗濯兼脱水槽側のプーリを設けたものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、洗濯時の低速高トルクと、脱水時の高速の双方を満足させるために、モータ駆動回路を交流電流として供給し、モータを小型化した1個の整流子モータで構成し、洗濯時と脱水時の回転数を切り換えるとともに、減速比を可能な限り大きくするために、整流子モータのモータ軸の端部に直径の小さいベルト駆動用の複数条のV溝を形成したものが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、モータに放熱用のフィンを設けて過熱を防止することも考えられている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−215886号公報
【特許文献2】特開2009−78056号公報
【特許文献3】実開昭60−18789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の特許文献1に記載の構成では、モータの小型化あるいは洗濯容量の増大を図る場合、洗濯兼脱水槽とモータ軸の間の減速比を大きくすることが必要である。その場合、従動側プーリを大きくすることが考えられるが、外形を大きくすることは他の部品との干渉で寸法を大きく変えることができない。また、駆動側プーリの径を小さくすると、プーリ径とモータ軸径が近接し、駆動側プーリの肉厚が取れないで、強度不足となるという問題がある。また、インダクションモータでは、一般に洗濯時の低速回転での効率が低く、省エネ性に課題がある。
【0008】
また、前記従来の特許文献2に記載の構成では、モータ軸にV溝を切って駆動側プーリ径を小さくしているが、ベルトの屈曲が発生して、ベルトの損失が多くなるととともに、モータも脱水回転数が高くなり、鉄損増加によって効率が悪化することで、省エネ性に課題がある。また、整流子モータは整流子の摩擦音があり、高速回転は風切り音も増加するため、騒音についても課題がある。
【0009】
また、モータの小型化は低速高トルクを実現するためには、電流増が必須で、銅損増加、温度上昇によるヒートランについても課題がある。
【0010】
また、モータを放熱空冷する場合、大きなフィンをモータのステータ部分に取り付けた場合、モータをブラケットで高く持ち上げた構造となり、受筒の外周側面に保持する位置が、洗濯槽の回転軸から離れ、重量のアンバランスにより振動が大きくなるという問題があった。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、モータを駆動するインバータ回路で構成したモータ駆動手段と、洗濯シーケンスに応じて前記モータの回転を制御する制御手段と、前記モータの停止時に前記モータのステータコイルと前記モータ駆動手段の接続形態を変更する接続形態制御手段とを備え、前記制御手段は、前記受筒の振動を検知する3Dセンサを有し、前記3Dセンサの出力に応じて前記モータの回転数を制御し、前記モータは、モールド部と外面に露出させた放熱フィンを有し、前記放熱フィンの間を前記受筒に近接させて前記受筒の外周側壁に取り付けたものである。
【0013】
これによって、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗濯機は、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態における洗濯機の制御装置のブロック図
【図2】(a)(b)同洗濯機のモータの結線切換図
【図3】同洗濯機のモータの特性説明図
【図4】同洗濯機のモータの取付部の概略図
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明は、洗濯水を溜める受筒と、前記受筒内に回転可能に設けた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記モータを駆動するインバータ回路で構成したモータ駆動手段と、洗濯シーケンスに応じて前記モータの回転を制御する制御手段と、前記モータの停止時に前記モータのステータコイルと前記モータ駆動手段の接続形態を変更する接続形態制御手段とを備え、前記制御手段は、前記受筒の振動を検知する3Dセンサを有し、前記3Dセンサの出力に応じて前記モータの回転数を制御し、前記モータは、モールド部と外面に露出させた放熱フィンを有し、前記放熱フィンの間を前記受筒に近接させて前記受筒の外周側壁に取り付けたことにより、低速高トルクで、かつ、高速回転可能な洗濯機を実現することができる。また、放熱フィンを設けたモータを受筒の外周側壁に近接して取着することができ、モータの過熱防止と振動の低減を同時に実現することができる。
【0017】
第2の発明は、特に、第1の発明のモータは、放熱フィンをステータコアのティース部の外周面に配置し、前記ティース部は受筒の中心を避けて配設したことにより、放熱フィンを設けたモータを受筒の外周側壁に近接して取着することができ、モータの放熱効果を高めて振動を低減することができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の制御装置のブロック図、図2は、同洗濯機のモータの結線切換図、図3は、同洗濯機のモータの特性説明図、図4は、同洗濯機のモータ取付部の概略図である。
【0020】
図1〜図4において、洗濯機機構部10内に、洗濯水を溜める有底円筒状の受筒11が配設されている。受筒11内に回転可能に設けられた有底円筒状の回転ドラム(洗濯槽)12が設けられ、回転ドラム12は、前面側に洗濯物を投入する開口部12aを有し、洗濯物を収容して洗濯、すすぎ、脱水をおこなう。
【0021】
モータ13は、回転ドラム12を速度制御しながら回転させ、受筒11下部の外周側壁11aに取り付けられている。モータ13は、モータ回転軸13aに駆動側プーリ13bを設け、ベルト14を介して回転ドラム12のドラム回転軸12bに設けた従動側プーリ12cにモータ13の回転動力を伝達する。回転ドラム12のドラム回転軸12bは前上がりに傾斜して設けてあり、モータ13のモータ回転軸13aも回転ドラム12のドラム回転軸12bと平行に設けられている。
【0022】
筐体16の前面側には開閉自在に蓋体15が設けられ、この蓋体15を開いて洗濯物を出し入れする。ゴム製のシールパッキン17は受筒11と筐体16をシールするもので、受筒11と筐体16を水密に接続する。支持ばね18は受筒11の姿勢を支持するもので、前上がりに傾斜した姿勢で筐体16内に弾性支持する。ダンパ機構19は洗濯、すすぎ、脱水等の各工程時(モータ13の回転時)に発生する振動を低減し、筐体16や床への振動伝達を小さくするためのもので、ばね要素とダンパ要素で構成されでいる。
【0023】
制御手段20は、モータ13を制御し、洗濯、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する。速度電流検出手段21は、モータ13の回転速度を検出するホールICおよびコイルに流れる電流を検出する、制御回路のモータ制御手段22は速度電流検出手段21の出力であるモータ回転速度をもとに、目標回転速度との誤差を演算して制御量を演算するとともに、モータ電流をもとに制御量を演算する。モータ駆動手段30はモータ13へ駆動電流を印加するインバータ回路で構成されている。
【0024】
リレー回路の接続切換指令手段23は、洗濯機の工程に応じて目標回転数をモータ制御手段22に指令するとともに、モータ13とインバータ回路であるモータ駆動手段30の結線状態を接続形態制御手段32に指令し、モータ13とモータ駆動手段30の結線状態を切り換えるものである。3Dセンサ40は、受筒11の振動、すなわち、回転ドラム12内の衣類のアンバランスを検出するもので、受筒11の上面の前部に設けている。
【0025】
図2は、モータ13のコイルと、洗濯機の工程に応じてモータ13とモータ駆動手段30の結線状態を指令する接続切換指令手段23と、モータ13とインバータ回路の結線状態を切り換えるリレー回路の接続形態制御手段32の構成図である。
【0026】
モータ13を駆動するモータ駆動手段30は、接続切換指令手段23からの指令によってモータ駆動手段30からモータ13のステータコイルへと接続するモータ線123がリレー124の端子に接続されている。
【0027】
リレー124は、一方の端子125と他方の端子126で配線を切換え、1つは1相のステータコイルの一端と接続されている。1相のステータコイルは2つのコイルである第1コイル129、第2コイル130が直列に接続された構成で、第1コイル129と第2コイル130がつながる中間から、引き出し線127を設けて他方の端子126に接続さ
れている。また、1相のステータコイルは中性点128に接続され、3相のステータコイルが中性点128で接続されるスター結線で構成されている。
【0028】
図3は、横軸がモータ回転数、縦軸がモータ出力トルクを表すモータ特性図である。端子125でステータコイルが接続される場合は、ステータコイルの巻数が増加するため、図3におけるイの特性となり、一般に図3中Aの低速で高トルクが出力可能となる。逆に端子126でステータコイルが接続される場合は、図3におけるロの特性となり、低速での出力は低トルクになるが、図3中Bの高速回転が可能となる。この2つの結線状態は、接続切換指令手段23の指令に基づき、接続形態制御手段32のリレー124によって切換えられる。
【0029】
以上のような構成において、まず、洗濯工程での動作を説明する。洗濯工程では、ドラム式洗濯機の場合、洗濯機制御手段24からの洗い工程の指令により、モータ制御手段22は、たたき洗いを行うため回転数を約45r/minで制御し、回転ドラム12を正逆反転駆動する。受筒11内に溜められた水を含んだ衣類を攪拌し、上方へ持ち上げて落下させるたたき洗いを行うため、低速回転で大トルクが必要であり、図2の状態(a)の結線のように、ステータコイルのターン数が多い接続状態となるように、接続切換指令手段23の指令で接続形態制御手段32がリレー124の端子125で接続を行う。この低速高トルクの接続状態で、洗濯工程とすすぎ工程を所定時間実行する。
【0030】
次に、脱水工程での動作を説明する。脱水工程では、洗濯機制御手段24からの脱水工程の指令により、モータ制御手段22は、回転ドラム12を800r/min以上の高速で回転制御する。遠心力で衣類を回転ドラム12の内周壁面に張り付ける遠心力脱水を行うため、高速回転が必要であり、図2の状態(b)の結線のように、ステータコイルのターン数が少ない接続状態となるように、接続切換指令手段23の指令で接続形態制御手段32がリレー124の端子126で接続を行う。この高速回転の接続状態で、脱水工程を所定時間実行する。
【0031】
洗濯工程では3Dセンサ40の出力信号に応じて洗濯機制御手段24が回転数を変更して洗いを行っている。例えば、振動値が5mm以下の場合は55r/min、5mmを超えると45r/minというように調整を行っている。すなわち、洗濯時にモータ13の回転数を加減速することで、最適な回転数での洗いを実現している。一方、加減速することで、モータ13の電流が増加してモータ13の温度上昇が高くなる。
【0032】
特に、ブラシレスモータは、磁石、コギングによりモータ回転に同期した周波数の振動で騒音が大きくなるという課題を有している。そこで、ここでは樹脂モールドすることでステータ振動の低減、電磁音の防音を行っている。
【0033】
しかしながら、通常、樹脂モールドで放熱性が低下し、コイル線の温度上昇により、ヒートランが課題である。ここでは、樹脂モールド中に放熱フィンを設け、放熱フィンをモールド部から露出させてステータの熱を外へ放熱する構成をとっている。
【0034】
図4は、受筒11に取り付けられたモータ13のステータコアの概略図である。モータ13は、ステータコア131の外周部の表面を覆う騒音低減用樹脂モールドのモールド部132が設けられるとともに、良熱伝導性金属で形成した放熱フィン133が設けられている。放熱フィン133は、ステータコア131と熱的に接続していて、熱をモールド部132の外部へ放出するように露出させ、放熱表面積の大きい形状に形成している。
【0035】
ステータコア131は、角を円弧状に形成した略6角形に形成している。この構成において、ステータコア131の6面の平面部分に放熱フィン133を設けている。また、放
熱フィン133を避けた角の円弧状部分が受筒11と対向するように取り付けている。これにより、より多くの面に放熱フィン133を設けることが可能で、モータ13の放熱性能を高くすることができる。
【0036】
略6角形の6面に設けた放熱フィン133間の空間部135に円弧状に形成した角が位置し、放熱フィン133間の空間部135を受筒11の外周側壁11aに対向させることにより、放熱効果を高めるとともに、モータ13を受筒11の外周側壁11aに近接して取り付けることが可能であり、慣性モーメントを小さくすることで、振動を低減することが可能となる。
【0037】
モータ13は、放熱フィン133をステータコア131のティース部134の外周面に配置し、ティース部134(図4の例では6か所)は受筒11の中心Pを避けて配設している。これにより、放熱フィン133を設けたモータ13を受筒11の外周側壁11aに近接して取着することができ、モータ13の放熱効果を高めて振動を低減することができる。モータ13は、取付具136により受筒11の外周側壁11aに固着している。
【0038】
モータ13は、駆動側プーリ13bの直径が30mm以上で、モータ回転軸13aより駆動側プーリ13bの直径の方が大きく、モータ部の組立後に、モータ回転軸13aに駆動側プーリ13bを組み付け、ベルト駆動による損失が小さくなるように構成している。従動側プーリ12cの直径は、減速比が9分の1以下として、脱水時のモータ回転数が高くなることでのモータの温度上昇と騒音の増大を防いでいる。
【0039】
また、モータ13は、インナーロータ型で、ステータ径とロータ径の比が2以下で、ロータをできる限り大きくとり、洗濯時の高トルクが出力される構成としている。また、モータ13は、巻き線の径が1mm以上で、洗濯時に高トルクが必要で大きな電流が流れた場合も、温度上昇が軽減される構成としている。また、モータ13は、ブラケットの共振周波数が5kHz以上であり、ベルト駆動モータ手段のベルトの噛み合い周波数も5kHz以上であり、コギング振動による騒音の低減を図っている。
【0040】
なお、本実施の形態では3Dセンサ40を用いた洗濯工程の例を示したが、回転角360度以下の角度で正転反転動作を繰り返すことで、たたき洗いを行う工程においても、モータ13の回転数を急加減速制御するため、大きな制御電流を流すことになるが、放熱フィン133の作用により、モータ13の過熱を防止して同様の効果が得られる。
【0041】
さらに、衣類が回転ドラム12の内周壁面に張り付く回転数でモータ13を制御し、遠心力すすぎを行う工程においても、大きなモータ制御電流を流すことになるが、放熱フィン133の効果で、同様の効果が得られる。
【0042】
以上より、モータ13のステータコイルとモータ駆動手段30の接続形態を変更できる接続形態制御手段32により、モータ13の回転数に応じて効率よくモータ制御を行い、モータ13のモールド部132に放熱フィン133を有することで、騒音特性と温度特性の両立を実現することができる。また、低速高トルクかつ高速回転可能な洗濯機のベルト駆動モータ装置を実現することが可能となり、低コストかつ大容量洗濯と高速脱水、さらには、消費電力の低減による省エネ性向上と低騒音化、温度特性向上を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現することができるので、洗濯機として有用である。
【符号の説明】
【0044】
11 受筒
11a 外周側壁
12 回転ドラム(洗濯槽)
13 モータ
20 制御手段
22 モータ制御手段
23 接続切換指令手段
24 洗濯機制御手段
30 モータ駆動手段
32 接続形態制御手段
40 3Dセンサ
131 ステータコア
132 モールド部
133 放熱フィン
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯をおこなう洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、洗濯機は、洗濯水の撹拌により生じる水流を利用して洗濯物を洗うパルセータ式と、衣類等の洗濯物をドラムの回転により持ち上げ、落下させて洗濯物をたたき洗いするドラム式がある。
【0003】
従来、ドラム式洗濯機は、洗濯兼脱水槽の回転制御を、洗濯時の低速回転と脱水時の高速回転とを制御するために、インダクションモータを2種類設け、洗濯時と脱水時のそれぞれの回転数に対応する減速比のモータ側駆動プーリと、洗濯兼脱水槽側のプーリを設けたものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、洗濯時の低速高トルクと、脱水時の高速の双方を満足させるために、モータ駆動回路を交流電流として供給し、モータを小型化した1個の整流子モータで構成し、洗濯時と脱水時の回転数を切り換えるとともに、減速比を可能な限り大きくするために、整流子モータのモータ軸の端部に直径の小さいベルト駆動用の複数条のV溝を形成したものが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、モータに放熱用のフィンを設けて過熱を防止することも考えられている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−215886号公報
【特許文献2】特開2009−78056号公報
【特許文献3】実開昭60−18789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の特許文献1に記載の構成では、モータの小型化あるいは洗濯容量の増大を図る場合、洗濯兼脱水槽とモータ軸の間の減速比を大きくすることが必要である。その場合、従動側プーリを大きくすることが考えられるが、外形を大きくすることは他の部品との干渉で寸法を大きく変えることができない。また、駆動側プーリの径を小さくすると、プーリ径とモータ軸径が近接し、駆動側プーリの肉厚が取れないで、強度不足となるという問題がある。また、インダクションモータでは、一般に洗濯時の低速回転での効率が低く、省エネ性に課題がある。
【0008】
また、前記従来の特許文献2に記載の構成では、モータ軸にV溝を切って駆動側プーリ径を小さくしているが、ベルトの屈曲が発生して、ベルトの損失が多くなるととともに、モータも脱水回転数が高くなり、鉄損増加によって効率が悪化することで、省エネ性に課題がある。また、整流子モータは整流子の摩擦音があり、高速回転は風切り音も増加するため、騒音についても課題がある。
【0009】
また、モータの小型化は低速高トルクを実現するためには、電流増が必須で、銅損増加、温度上昇によるヒートランについても課題がある。
【0010】
また、モータを放熱空冷する場合、大きなフィンをモータのステータ部分に取り付けた場合、モータをブラケットで高く持ち上げた構造となり、受筒の外周側面に保持する位置が、洗濯槽の回転軸から離れ、重量のアンバランスにより振動が大きくなるという問題があった。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、モータを駆動するインバータ回路で構成したモータ駆動手段と、洗濯シーケンスに応じて前記モータの回転を制御する制御手段と、前記モータの停止時に前記モータのステータコイルと前記モータ駆動手段の接続形態を変更する接続形態制御手段とを備え、前記制御手段は、前記受筒の振動を検知する3Dセンサを有し、前記3Dセンサの出力に応じて前記モータの回転数を制御し、前記モータは、モールド部と外面に露出させた放熱フィンを有し、前記放熱フィンの間を前記受筒に近接させて前記受筒の外周側壁に取り付けたものである。
【0013】
これによって、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗濯機は、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態における洗濯機の制御装置のブロック図
【図2】(a)(b)同洗濯機のモータの結線切換図
【図3】同洗濯機のモータの特性説明図
【図4】同洗濯機のモータの取付部の概略図
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明は、洗濯水を溜める受筒と、前記受筒内に回転可能に設けた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記モータを駆動するインバータ回路で構成したモータ駆動手段と、洗濯シーケンスに応じて前記モータの回転を制御する制御手段と、前記モータの停止時に前記モータのステータコイルと前記モータ駆動手段の接続形態を変更する接続形態制御手段とを備え、前記制御手段は、前記受筒の振動を検知する3Dセンサを有し、前記3Dセンサの出力に応じて前記モータの回転数を制御し、前記モータは、モールド部と外面に露出させた放熱フィンを有し、前記放熱フィンの間を前記受筒に近接させて前記受筒の外周側壁に取り付けたことにより、低速高トルクで、かつ、高速回転可能な洗濯機を実現することができる。また、放熱フィンを設けたモータを受筒の外周側壁に近接して取着することができ、モータの過熱防止と振動の低減を同時に実現することができる。
【0017】
第2の発明は、特に、第1の発明のモータは、放熱フィンをステータコアのティース部の外周面に配置し、前記ティース部は受筒の中心を避けて配設したことにより、放熱フィンを設けたモータを受筒の外周側壁に近接して取着することができ、モータの放熱効果を高めて振動を低減することができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の制御装置のブロック図、図2は、同洗濯機のモータの結線切換図、図3は、同洗濯機のモータの特性説明図、図4は、同洗濯機のモータ取付部の概略図である。
【0020】
図1〜図4において、洗濯機機構部10内に、洗濯水を溜める有底円筒状の受筒11が配設されている。受筒11内に回転可能に設けられた有底円筒状の回転ドラム(洗濯槽)12が設けられ、回転ドラム12は、前面側に洗濯物を投入する開口部12aを有し、洗濯物を収容して洗濯、すすぎ、脱水をおこなう。
【0021】
モータ13は、回転ドラム12を速度制御しながら回転させ、受筒11下部の外周側壁11aに取り付けられている。モータ13は、モータ回転軸13aに駆動側プーリ13bを設け、ベルト14を介して回転ドラム12のドラム回転軸12bに設けた従動側プーリ12cにモータ13の回転動力を伝達する。回転ドラム12のドラム回転軸12bは前上がりに傾斜して設けてあり、モータ13のモータ回転軸13aも回転ドラム12のドラム回転軸12bと平行に設けられている。
【0022】
筐体16の前面側には開閉自在に蓋体15が設けられ、この蓋体15を開いて洗濯物を出し入れする。ゴム製のシールパッキン17は受筒11と筐体16をシールするもので、受筒11と筐体16を水密に接続する。支持ばね18は受筒11の姿勢を支持するもので、前上がりに傾斜した姿勢で筐体16内に弾性支持する。ダンパ機構19は洗濯、すすぎ、脱水等の各工程時(モータ13の回転時)に発生する振動を低減し、筐体16や床への振動伝達を小さくするためのもので、ばね要素とダンパ要素で構成されでいる。
【0023】
制御手段20は、モータ13を制御し、洗濯、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する。速度電流検出手段21は、モータ13の回転速度を検出するホールICおよびコイルに流れる電流を検出する、制御回路のモータ制御手段22は速度電流検出手段21の出力であるモータ回転速度をもとに、目標回転速度との誤差を演算して制御量を演算するとともに、モータ電流をもとに制御量を演算する。モータ駆動手段30はモータ13へ駆動電流を印加するインバータ回路で構成されている。
【0024】
リレー回路の接続切換指令手段23は、洗濯機の工程に応じて目標回転数をモータ制御手段22に指令するとともに、モータ13とインバータ回路であるモータ駆動手段30の結線状態を接続形態制御手段32に指令し、モータ13とモータ駆動手段30の結線状態を切り換えるものである。3Dセンサ40は、受筒11の振動、すなわち、回転ドラム12内の衣類のアンバランスを検出するもので、受筒11の上面の前部に設けている。
【0025】
図2は、モータ13のコイルと、洗濯機の工程に応じてモータ13とモータ駆動手段30の結線状態を指令する接続切換指令手段23と、モータ13とインバータ回路の結線状態を切り換えるリレー回路の接続形態制御手段32の構成図である。
【0026】
モータ13を駆動するモータ駆動手段30は、接続切換指令手段23からの指令によってモータ駆動手段30からモータ13のステータコイルへと接続するモータ線123がリレー124の端子に接続されている。
【0027】
リレー124は、一方の端子125と他方の端子126で配線を切換え、1つは1相のステータコイルの一端と接続されている。1相のステータコイルは2つのコイルである第1コイル129、第2コイル130が直列に接続された構成で、第1コイル129と第2コイル130がつながる中間から、引き出し線127を設けて他方の端子126に接続さ
れている。また、1相のステータコイルは中性点128に接続され、3相のステータコイルが中性点128で接続されるスター結線で構成されている。
【0028】
図3は、横軸がモータ回転数、縦軸がモータ出力トルクを表すモータ特性図である。端子125でステータコイルが接続される場合は、ステータコイルの巻数が増加するため、図3におけるイの特性となり、一般に図3中Aの低速で高トルクが出力可能となる。逆に端子126でステータコイルが接続される場合は、図3におけるロの特性となり、低速での出力は低トルクになるが、図3中Bの高速回転が可能となる。この2つの結線状態は、接続切換指令手段23の指令に基づき、接続形態制御手段32のリレー124によって切換えられる。
【0029】
以上のような構成において、まず、洗濯工程での動作を説明する。洗濯工程では、ドラム式洗濯機の場合、洗濯機制御手段24からの洗い工程の指令により、モータ制御手段22は、たたき洗いを行うため回転数を約45r/minで制御し、回転ドラム12を正逆反転駆動する。受筒11内に溜められた水を含んだ衣類を攪拌し、上方へ持ち上げて落下させるたたき洗いを行うため、低速回転で大トルクが必要であり、図2の状態(a)の結線のように、ステータコイルのターン数が多い接続状態となるように、接続切換指令手段23の指令で接続形態制御手段32がリレー124の端子125で接続を行う。この低速高トルクの接続状態で、洗濯工程とすすぎ工程を所定時間実行する。
【0030】
次に、脱水工程での動作を説明する。脱水工程では、洗濯機制御手段24からの脱水工程の指令により、モータ制御手段22は、回転ドラム12を800r/min以上の高速で回転制御する。遠心力で衣類を回転ドラム12の内周壁面に張り付ける遠心力脱水を行うため、高速回転が必要であり、図2の状態(b)の結線のように、ステータコイルのターン数が少ない接続状態となるように、接続切換指令手段23の指令で接続形態制御手段32がリレー124の端子126で接続を行う。この高速回転の接続状態で、脱水工程を所定時間実行する。
【0031】
洗濯工程では3Dセンサ40の出力信号に応じて洗濯機制御手段24が回転数を変更して洗いを行っている。例えば、振動値が5mm以下の場合は55r/min、5mmを超えると45r/minというように調整を行っている。すなわち、洗濯時にモータ13の回転数を加減速することで、最適な回転数での洗いを実現している。一方、加減速することで、モータ13の電流が増加してモータ13の温度上昇が高くなる。
【0032】
特に、ブラシレスモータは、磁石、コギングによりモータ回転に同期した周波数の振動で騒音が大きくなるという課題を有している。そこで、ここでは樹脂モールドすることでステータ振動の低減、電磁音の防音を行っている。
【0033】
しかしながら、通常、樹脂モールドで放熱性が低下し、コイル線の温度上昇により、ヒートランが課題である。ここでは、樹脂モールド中に放熱フィンを設け、放熱フィンをモールド部から露出させてステータの熱を外へ放熱する構成をとっている。
【0034】
図4は、受筒11に取り付けられたモータ13のステータコアの概略図である。モータ13は、ステータコア131の外周部の表面を覆う騒音低減用樹脂モールドのモールド部132が設けられるとともに、良熱伝導性金属で形成した放熱フィン133が設けられている。放熱フィン133は、ステータコア131と熱的に接続していて、熱をモールド部132の外部へ放出するように露出させ、放熱表面積の大きい形状に形成している。
【0035】
ステータコア131は、角を円弧状に形成した略6角形に形成している。この構成において、ステータコア131の6面の平面部分に放熱フィン133を設けている。また、放
熱フィン133を避けた角の円弧状部分が受筒11と対向するように取り付けている。これにより、より多くの面に放熱フィン133を設けることが可能で、モータ13の放熱性能を高くすることができる。
【0036】
略6角形の6面に設けた放熱フィン133間の空間部135に円弧状に形成した角が位置し、放熱フィン133間の空間部135を受筒11の外周側壁11aに対向させることにより、放熱効果を高めるとともに、モータ13を受筒11の外周側壁11aに近接して取り付けることが可能であり、慣性モーメントを小さくすることで、振動を低減することが可能となる。
【0037】
モータ13は、放熱フィン133をステータコア131のティース部134の外周面に配置し、ティース部134(図4の例では6か所)は受筒11の中心Pを避けて配設している。これにより、放熱フィン133を設けたモータ13を受筒11の外周側壁11aに近接して取着することができ、モータ13の放熱効果を高めて振動を低減することができる。モータ13は、取付具136により受筒11の外周側壁11aに固着している。
【0038】
モータ13は、駆動側プーリ13bの直径が30mm以上で、モータ回転軸13aより駆動側プーリ13bの直径の方が大きく、モータ部の組立後に、モータ回転軸13aに駆動側プーリ13bを組み付け、ベルト駆動による損失が小さくなるように構成している。従動側プーリ12cの直径は、減速比が9分の1以下として、脱水時のモータ回転数が高くなることでのモータの温度上昇と騒音の増大を防いでいる。
【0039】
また、モータ13は、インナーロータ型で、ステータ径とロータ径の比が2以下で、ロータをできる限り大きくとり、洗濯時の高トルクが出力される構成としている。また、モータ13は、巻き線の径が1mm以上で、洗濯時に高トルクが必要で大きな電流が流れた場合も、温度上昇が軽減される構成としている。また、モータ13は、ブラケットの共振周波数が5kHz以上であり、ベルト駆動モータ手段のベルトの噛み合い周波数も5kHz以上であり、コギング振動による騒音の低減を図っている。
【0040】
なお、本実施の形態では3Dセンサ40を用いた洗濯工程の例を示したが、回転角360度以下の角度で正転反転動作を繰り返すことで、たたき洗いを行う工程においても、モータ13の回転数を急加減速制御するため、大きな制御電流を流すことになるが、放熱フィン133の作用により、モータ13の過熱を防止して同様の効果が得られる。
【0041】
さらに、衣類が回転ドラム12の内周壁面に張り付く回転数でモータ13を制御し、遠心力すすぎを行う工程においても、大きなモータ制御電流を流すことになるが、放熱フィン133の効果で、同様の効果が得られる。
【0042】
以上より、モータ13のステータコイルとモータ駆動手段30の接続形態を変更できる接続形態制御手段32により、モータ13の回転数に応じて効率よくモータ制御を行い、モータ13のモールド部132に放熱フィン133を有することで、騒音特性と温度特性の両立を実現することができる。また、低速高トルクかつ高速回転可能な洗濯機のベルト駆動モータ装置を実現することが可能となり、低コストかつ大容量洗濯と高速脱水、さらには、消費電力の低減による省エネ性向上と低騒音化、温度特性向上を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、低速高トルクと高速回転を両立させるとともに、高効率化と静音化を実現し、振動性能に優れた洗濯機を実現することができるので、洗濯機として有用である。
【符号の説明】
【0044】
11 受筒
11a 外周側壁
12 回転ドラム(洗濯槽)
13 モータ
20 制御手段
22 モータ制御手段
23 接続切換指令手段
24 洗濯機制御手段
30 モータ駆動手段
32 接続形態制御手段
40 3Dセンサ
131 ステータコア
132 モールド部
133 放熱フィン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯水を溜める受筒と、前記受筒内に回転可能に設けた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記モータを駆動するインバータ回路で構成したモータ駆動手段と、洗濯シーケンスに応じて前記モータの回転を制御する制御手段と、前記モータの停止時に前記モータのステータコイルと前記モータ駆動手段の接続形態を変更する接続形態制御手段とを備え、前記制御手段は、前記受筒の振動を検知する3Dセンサを有し、前記3Dセンサの出力に応じて前記モータの回転数を制御し、前記モータは、モールド部と外面に露出させた放熱フィンを有し、前記放熱フィンの間を前記受筒に近接させて前記受筒の外周側壁に取り付けた洗濯機。
【請求項2】
モータは、放熱フィンをステータコアのティース部の外周面に配置し、前記ティース部は受筒の中心を避けて配設した請求項1記載の洗濯機。
【請求項1】
洗濯水を溜める受筒と、前記受筒内に回転可能に設けた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記モータを駆動するインバータ回路で構成したモータ駆動手段と、洗濯シーケンスに応じて前記モータの回転を制御する制御手段と、前記モータの停止時に前記モータのステータコイルと前記モータ駆動手段の接続形態を変更する接続形態制御手段とを備え、前記制御手段は、前記受筒の振動を検知する3Dセンサを有し、前記3Dセンサの出力に応じて前記モータの回転数を制御し、前記モータは、モールド部と外面に露出させた放熱フィンを有し、前記放熱フィンの間を前記受筒に近接させて前記受筒の外周側壁に取り付けた洗濯機。
【請求項2】
モータは、放熱フィンをステータコアのティース部の外周面に配置し、前記ティース部は受筒の中心を避けて配設した請求項1記載の洗濯機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2011−244976(P2011−244976A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120021(P2010−120021)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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