説明

流体圧制御装置

【課題】負荷保持状態から負荷を下降させる際に発生する衝撃を緩和すること。
【解決手段】制御弁6が遮断位置cの場合に負荷1による負荷圧が作用する負荷側圧力室2aと制御弁6とを接続する負荷保持機構20を備え、負荷保持機構20は、背圧室25の圧力に応じて負荷側圧力室2aから制御弁6への作動流体の流れを許容するオペレートチェック弁21と、負荷1を下降させる際にはメータアウト側の作動流体の流れを制御するメータアウト制御弁22とを備え、メータアウト制御弁22は、バイパス通路30とメイン通路7bとの連通の初期に、スプール56の移動量に対する開口面積の増加割合を抑制する開口面積抑制手段を備え、制御弁6が遮断位置xから負荷を下降させる位置bに切り換わる際には、制御弁6が開弁する前にバイパス通路30とメイン通路7bとが連通すると共に、開口面積抑制手段によってメイン通路7bの圧力上昇が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の油圧作業機器を制御する流体圧制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧作業機器を制御する油圧制御装置として、特許文献1には、ポンプから供給される作動油によって伸縮し負荷を駆動するシリンダと、シリンダに対する作動流体の給排を切り換えシリンダの伸縮動作を制御するコントロールバルブと、コントロールバルブが遮断位置の場合に負荷圧が作用するシリンダの負荷側圧力室とコントロールバルブとの間に介装される負荷保持機構とを備えるものが開示されている。
【0003】
負荷保持機構は、パイロットチェック弁と、パイロットチェック弁の作動を切り換えるパイロット切換弁とを備える。
【0004】
コントロールバルブ及びパイロット切換弁は、パイロットバルブから供給されるパイロット圧によって、スプールの位置が切り換えられる。
【特許文献1】特開2004−132411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の油圧制御装置において、コントロールバルブが遮断位置である負荷保持状態から、コントロールバルブ及びパイロット切換弁に対してパイロット圧を供給して負荷を下降させる初期には、負荷保持機構のパイロット切換弁は、コントロールバルブが閉じた状態で開弁する。
【0006】
これにより、パイロット切換弁からコントロールバルブまでの通路に負荷側圧力室の高圧が作用し、通路の油圧が急激に上昇する。通路内の油圧が急激に変化することによって、油圧作業機器には強い衝撃が発生する。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、負荷保持状態から負荷を下降させる際に発生する衝撃を緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ポンプから供給される作動流体によって伸縮し負荷を駆動するシリンダと、前記シリンダに対する作動流体の給排を切り換え、前記シリンダの伸縮動作を制御する制御弁と、前記制御弁をパイロット圧によってパイロット操作するパイロット弁と、前記制御弁が遮断位置の場合に負荷による負荷圧が作用する前記シリンダの負荷側圧力室と前記制御弁とを接続するメイン通路と、前記メイン通路に介装された負荷保持機構とを備える流体圧制御装置において、前記負荷保持機構は、前記制御弁から前記負荷側圧力室への作動流体の流れを許容すると共に、前記負荷側圧力室の圧力が絞り通路を介して常時導かれる背圧室の圧力に応じて前記負荷側圧力室から前記制御弁への作動流体の流れを許容するオペレートチェック弁と、前記負荷側圧力室の作動流体を前記オペレートチェック弁をバイパスして前記メイン通路へと導くバイパス通路と、前記背圧室の作動流体を前記メイン通路へと導く背圧通路と、前記バイパス通路及び前記背圧通路に介装され、前記パイロット弁によるパイロット圧によって前記制御弁と連動して動作し、負荷を上昇させる際には流れを遮断し、負荷を下降させる際にはメータアウト側の作動流体の流れを制御するメータアウト制御弁とを備え、前記メータアウト制御弁は、前記パイロット圧によって移動し、前記バイパス通路及び前記背圧通路に対する前記メイン通路の連通を切り換えるスプールと、前記バイパス通路と前記メイン通路との連通の初期に、前記スプールの移動量に対する開口面積の増加割合を抑制する開口面積抑制手段とを備え、前記制御弁が負荷を保持する遮断位置から負荷を下降させる位置に切り換わる際には、前記制御弁が開弁する前に前記バイパス通路と前記メイン通路とが連通すると共に、前記開口面積抑制手段によって前記メイン通路の圧力上昇が抑制されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、制御弁が負荷を保持する遮断位置から負荷を下降させる位置に切り換わる際には、メータアウト制御弁の開口面積抑制手段によってメイン通路の圧力上昇が抑制される。したがって、メイン通路内の油圧の変化が抑えられ、強い衝撃の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態の流体圧制御装置について説明する。
【0011】
流体圧制御装置は、油圧ショベル等の油圧作業機器の動作を制御するものであり、本実施の形態では、図1に示す油圧ショベルのアーム(負荷)1を駆動するシリンダ2の伸縮動作を制御する場合について説明する。
【0012】
まず、図2を参照して、油圧制御装置の油圧回路について説明する。図2は油圧制御装置の油圧回路図である。
【0013】
シリンダ2は、シリンダ2内を摺動自在に移動するピストンロッド3によって、ロッド側圧力室2aと反ロッド側圧力室2bとに画成される。
【0014】
油圧ショベルにはエンジン(図示せず)が搭載され、そのエンジンに油圧源であるポンプ4及びパイロットポンプ5が接続される。
【0015】
ポンプ4から吐出された作動油(作動流体)は、シリンダ2に対する作動流体の給排を切り換える制御弁6に供給される。
【0016】
制御弁6とシリンダ2のロッド側圧力室2aとは第1メイン通路7によって接続され、制御弁6とシリンダ2の反ロッド側圧力室2bとは第2メイン通路8によって接続される。
【0017】
制御弁6は、油圧ショベルの乗務員が操作レバー10を手動操作することによって、パイロットポンプ5からパイロット弁9を通じてパイロット室6a,6bに供給されるパイロット圧によって操作される。
【0018】
具体的には、パイロット室6aにパイロット圧が供給された場合には、制御弁6は位置aに切り換わり、ポンプ4から第1メイン通路7を介してロッド側圧力室2aに作動油が供給されると共に、反ロッド側圧力室2bの作動油が第2メイン通路8を介してタンクTへと排出される。これにより、シリンダ2は収縮動作し、アーム1は、図1に示す矢印80の方向へと上昇する。
【0019】
また、パイロット室6bにパイロット圧が供給された場合には、制御弁6は位置bに切り換わり、ポンプ4から第2メイン通路8を介して反ロッド側圧力室2bに作動油が供給されると共に、ロッド側圧力室2aの作動油が第1メイン通路7を介してタンクTへと排出される。これにより、シリンダ2は伸長動作し、アーム1は、図1に示す矢印81の方向へと下降する。
【0020】
また、パイロット室6a,6bにパイロット圧が供給されない場合には、制御弁6は位置cに切り換わり、シリンダ2に対する作動油の給俳が遮断され、アーム1は停止した状態を保つ。
【0021】
このように、制御弁6は、シリンダ2を収縮動作させる収縮位置a、シリンダ2を伸長動作させる伸長位置b、及びシリンダ2の負荷を保持する遮断位置cの3つの切り替え位置を備える。
【0022】
ここで、図1に示すように、バケット13を持ち上げた状態で、制御弁6を遮断位置cに切り換えアーム1の動きを止めた場合、バケット13とアーム1等の自重によって、シリンダ2には伸長する方向の力が作用する。このように、アーム1を駆動するシリンダ2においては、ロッド側圧力室2aが、制御弁6が遮断位置cの場合に負荷圧が作用する負荷側圧力室となる。
【0023】
なお、ブーム14を駆動するシリンダ15においては、反ロッド側圧力室15bが負荷側圧力室となる。
【0024】
負荷側であるロッド側圧力室2aに接続された第1メイン通路7には、負荷保持機構20が介装される。負荷保持機構20は、制御弁6が遮断位置cの場合に、ロッド側圧力室2aの負荷圧を保持するものであり、図1に示すように、シリンダ2の表面に固定される。
【0025】
負荷保持機構20は、第1メイン通路7に介装されたオペレートチェック弁21と、シリンダ2を伸長動作させアーム1を下降させる際に、メータアウト側となる第1メイン通路7の作動油の流れを制御するメータアウト制御弁22とを備える。
【0026】
オペレートチェック弁21は、第1メイン通路7を開閉する弁体24と、弁体24の背面に画成された背圧室25と、弁体24に形成されロッド側圧力室2aの作動油を背圧室25へと常時導く絞り通路26とを備える。
【0027】
第1メイン通路7は、弁体24によって、ロッド側圧力室2aとオペレートチェック弁21とをつなぐシリンダ側第1メイン通路7aと、オペレートチェック弁21と制御弁6とをつなぐ制御弁側第1メイン通路7bとに分けられる。
【0028】
弁体24には、制御弁側第1メイン通路7bの圧力が作用する第1受圧面24aと、シリンダ側第1メイン通路7aを通じてロッド側圧力室2a側の圧力が作用する第2受圧面24bとが形成される。
【0029】
背圧室25には、弁体24を閉弁方向へと付勢するスプリング27が収装される。このように、背圧室25の圧力とスプリング27の付勢力とは、弁体24を弁座28に着座させるように作用する。
【0030】
弁体24が弁座28に着座した状態は、オペレートチェック弁21が、ロッド側圧力室2aから制御弁6への作動油の流れを遮断する逆止弁としての機能を発揮している状態である。つまり、オペレートチェック弁21は、ロッド側圧力室2a内の作動油の漏れを防止して負荷圧を保持し、アーム1の停止状態を保持する。
【0031】
また、負荷保持機構20は、ロッド側圧力室2aの作動油をオペレートチェック弁21をバイパスして第1メイン通路7へと導くバイパス通路30と、背圧室25の作動油を第1メイン通路7へと導く背圧通路31とを備える。
【0032】
メータアウト制御弁22は、バイパス通路30及び背圧通路31に介装され、パイロット弁9を通じてパイロット室22aに供給されるパイロット圧によって制御弁6と連動して動作し、バイパス通路30及び背圧通路31に対する制御弁側第1メイン通路7bの連通を切り換える。
【0033】
メータアウト制御弁22は、バイパス通路30に連通する第1供給ポート32、背圧通路31に連通する第2供給ポート33、及び制御弁側第1メイン通路7bに連通する排出ポート34の3つのポートを備える。
【0034】
また、メータアウト制御弁22は、遮断位置x、第1連通位置y、第2連通位置zの3つの切り換え位置を備える。
【0035】
パイロット室22aには、制御弁6のパイロット室6bにパイロット圧を供給したときに、同時に同じ圧力のパイロット圧が供給される。つまり、制御弁6を伸長位置bに切り換えた場合に、メータアウト制御弁22も第1連通位置y又は第2連通位置zに切り換えられる。
【0036】
具体的に説明すると、パイロット室22aにパイロット圧が供給されない場合には、スプリング36の付勢力によって、メータアウト制御弁22は遮断位置xを保つ。遮断位置xでは、第1供給ポート32及び第2供給ポート33の双方が遮断される。
【0037】
パイロット室22aに所定圧力未満のパイロット圧が供給された場合には、メータアウト制御弁22は第1連通位置yに切り換わる。第1連通位置yでは、第1供給ポート32が排出ポート34と連通する。これにより、ロッド側圧力室2aの作動油はバイパス通路30から制御弁側第1メイン通路7bへと導かれる。このとき、絞り37によって作動油の流れに抵抗が付与される。なお、第2供給ポート33は遮断された状態を保つ。
【0038】
パイロット室22aに所定圧力以上のパイロット圧が供給された場合には、メータアウト制御弁22は第2連通位置zに切り換わる。第2連通位置zでは、第1供給ポート32が排出ポート34と連通すると共に、第2供給ポート33も排出ポート34と連通する。これにより、背圧室25の作動油は背圧通路31から制御弁側第1メイン通路7bへと導かれる。
【0039】
バイパス通路30におけるメータアウト制御弁22の上流には、リリーフ通路40が分岐して接続され、リリーフ通路40にはバイパス通路30の作動油の圧力が所定圧力に達した場合に作動油の通過を許容するサブリリーフ弁41が介装される。サブリリーフ弁41の下流にはオリフィス42が設けられる。オリフィス42の上流側の圧力はパイロット室22aに導かれ、下流側の圧力はタンクTへ排出される。オリフィス42の上流側の圧力がパイロット室22aに導かれた場合には、その圧力によってメータアウト制御弁22は第1連通位置y又は第2連通位置zに切り換わるように設定される。
【0040】
また、制御弁側第1メイン通路7bには第1リリーフ弁43が接続され、第2メイン通路8には第2リリーフ弁44が接続される。第1リリーフ弁43,第2リリーフ弁44は、アーム1に大きな外力が作用したときに、シリンダ2のロッド側圧力室2a,反ロッド側圧力室2bに生じる高圧を逃がすためのものである。
【0041】
次に、主に図3及び図4を参照して、負荷保持機構20の構成について具体的に説明する。図3は油圧制御装置における負荷保持機構20の断面図であり、図4はメータアウト制御弁22の要部拡大断面図である。なお、図3及び図4において、図2で示した符号と同じ符号を付したものは、図2で示した構成と同じ構成のものである。
【0042】
負荷保持機構20は、オペレートチェック弁21を組み込んだ第1ボディ50と、メータアウト制御弁22及びサブリリーフ弁41を組み込んだ第2ボディ51とを備える。
【0043】
第1ボディ50には摺動孔52が形成され、摺動孔52には弁体24が摺動自在に組み込まれる。弁体24には、制御弁6に連通する制御弁側第1メイン通路7bの圧力が作用する第1受圧面24aと、ロッド側圧力室2aに連通するシリンダ側第1メイン通路7aの圧力が作用する第2受圧面24bとが形成される。
【0044】
摺動孔52の開口端はバネ受部材53によって閉塞され、バネ受部材53と弁体24との間で背圧室25が画成される。背圧室25内には、弁体24を閉弁方向へと付勢するスプリング27が収装される。弁体24には、ロッド側圧力室2aの作動油を背圧室25へと常時導く絞り通路26が形成される。これにより、弁体24の背面には背圧室25の圧力が作用し、弁体24には閉弁方向の力が作用する。
【0045】
背圧室25の圧力とスプリング27の付勢力とによって、弁体24が弁座28に着座した状態では、シリンダ側第1メイン通路7aと制御弁側第1メイン通路7bとの連通が遮断される。
【0046】
また、第1ボディ50には、シリンダ側第1メイン通路7aに連通し、ロッド側圧力室2aの作動油が導かれるバイパス通路30が形成される。
【0047】
第2ボディ51にはスプール孔55が形成され、スプール孔55の内周には略円筒形状のスリーブ61が挿入される。そして、スリーブ61の内周には、メータアウト制御弁22のスプール56が摺動自在に組み込まれる。
【0048】
スプール孔55の一方の開口端はキャップ57によって閉塞され、キャップ57によって画成されたスプリング室54にはスプール56の一端部を付勢するスプリング36が収装される。なお、スプリング室54は、図示しない通路を介してタンクTに連通している。
【0049】
また、スプール孔55の他方の開口端はキャップ58によって閉塞され、キャップ58内にはピストン59が摺動自在に収装される。ピストン59の先端はスプール56の他端部に対峙すると共に、ピストン59の背面にはパイロット圧が導かれるパイロット室22aが画成される。スプール56は、一端部に作用するスプリング36の付勢力と、他端部にピストン59を介して作用するパイロット圧とのバランスによって移動し、メータアウト制御弁22の切り換え位置が設定される。
【0050】
スリーブ61には、バイパス通路30に連通する第1供給ポート32、背圧通路31に連通する第2供給ポート33、及び制御弁側第1メイン通路7bに連通する排出ポート34の3つのポートが形成される。
【0051】
スプール56の外周面は部分的に環状に切り欠かれ、その切り欠かれた部分とスリーブ61の内周面とで、第1圧力室64、第2圧力室65、第3圧力室66、及び第4圧力室67が形成される。
【0052】
第1圧力室64は、排出ポート34に常時連通している。
【0053】
第3圧力室66は、第1供給ポート32に常時連通すると共に、スプール56のランド部72外周に溝状に形成された複数の絞り37によって第2圧力室65に常時連通している。したがって、第2圧力室65には、ロッド側圧力室2aの作動油が、バイパス通路30、第1供給ポート32、第3圧力室66、及び絞り37を介して常時導かれる。
【0054】
第4圧力室67は、スプール56に軸方向に形成された導圧通路68を介して第2圧力室65に常時連通している。
【0055】
パイロット室22aにパイロット圧が供給されない場合には、スプリング36の付勢力によってスプール56に形成された弁体70が、スリーブ61の内周に形成された弁座71に押し付けられ、第1圧力室64と第2圧力室65との連通が遮断される。したがって、第1供給ポート32と排出ポート34との連通が遮断される。これにより、ロッド側圧力室2aの作動油が排出ポート34へと漏れることはなく、弁体70によってロッド側圧力室2aの負荷圧が保持される。この状態が、メータアウト制御弁22の遮断位置xに相当する。
【0056】
また、パイロット室22aにパイロット圧が供給され、スプール56に作用するピストン59の推力がスプリング36の付勢力よりも大きくなった場合には、スプール56はスプリング36の付勢力に抗して移動する。これにより、弁体70が弁座71から離れ、第1圧力室64と第2圧力室65とが連通し、第1供給ポート32が排出ポート34と連通する。第1供給ポート32と排出ポート34との連通によって、ロッド側圧力室2aの作動油が、絞り37を介して制御弁側第1メイン通路7bへと導かれる。この状態が、メータアウト制御弁22の第1連通位置yに相当する。
【0057】
また、パイロット室22aに供給されるパイロット圧が大きくなると、スプール56はスプリング36の付勢力に抗してさらに移動し、第2供給ポート33に第4圧力室67が連通する。これにより、第2供給ポート33が、第4圧力室67、導圧通路68、第2圧力室65、及び第1圧力室64を介して排出ポート34と連通する。第2供給ポート33と排出ポート34との連通によって、背圧室25の作動油が制御弁側第1メイン通路7bへと導かれる。この状態が、メータアウト制御弁22の第2連通位置zに相当する。
【0058】
第2ボディ51には第1供給ポート32に連通するバルブ組付室75が形成され、バルブ組付室75にはサブリリーフ弁41が収装される。
【0059】
バルブ組付室75にはサブリリーフ弁41が収装され、サブリリーフ弁41の開弁動作によって、第1供給ポート32は、第1排出通路76及び第2排出通路77に接続される。第1排出通路76はパイロット室22aに接続され、第2排出通路77はタンクTに接続される。第2排出通路77には、通過する作動油に対して抵抗を付与するオリフィス42が介装される。このように、サブリリーフ弁41によって排出された作動油のうち、オリフィス42の上流側の圧力はパイロット室22aに導かれ、オリフィス42の下流側の圧力はタンクTに導かれる。したがって、サブリリーフ弁41の開弁動作時には、スプール56は、スプリング36を圧縮する方向へと移動し、メータアウト制御弁22は第1連通位置y又は第2連通位置zに切り換わる。
【0060】
次に、油圧制御装置の動作について説明する。
【0061】
制御弁6が遮断位置cの場合には、ポンプ4が吐出する作動油はシリンダ2に供給されない。また、このとき、メータアウト制御弁22のパイロット室22aにはパイロット圧が供給されないため、メータアウト制御弁22も遮断位置xの状態となる。
【0062】
このため、オペレートチェック弁21の背圧室25は、ロッド側圧力室2aの圧力に維持される。ここで、弁体24における閉弁方向の受圧面積(弁体24の背面の面積)は、開弁方向の受圧面積である第2受圧面24bの面積よりも大きいため、背圧室25の圧力とスプリング27の付勢力とによって、弁体24は弁座28に着座した状態となる。このように、オペレートチェック弁21によって、ロッド側圧力室2a内の作動油の漏れが防止され、アーム1の停止状態が保持される。
【0063】
操作レバー10を操作して、パイロット弁9から制御弁6のパイロット室6aへとパイロット圧を供給すると、制御弁6は、パイロット圧に応じた量だけ収縮位置aへと切り換わる。制御弁6が収縮位置aへと切り換わると、ポンプ4の吐出する作動油の圧力は、オペレートチェック弁21の第1受圧面24aへと作用する。このとき、メータアウト制御弁22は、パイロット室22aにパイロット圧が供給されず、遮断位置xの状態であるため、オペレートチェック弁21の背圧室25は、ロッド側圧力室2aの圧力に維持される。このため、第1受圧面24aに作用する荷重が、背圧室25の圧力による弁体24の背面に作用する荷重とスプリング27の付勢力との合計荷重よりも大きくなった場合には、弁体24は弁座28から離れる。このようにしてオペレートチェック弁21が開弁すれば、ポンプ4から吐出する作動油は、ロッド側圧力室2aに供給され、シリンダ2は収縮する。これにより、アーム1は、図1に示す矢印80の方向へと上昇する。
【0064】
操作レバー10を操作して、パイロット弁9から制御弁6のパイロット室6bへとパイロット圧を供給すると、制御弁6は、パイロット圧に応じた量だけ伸長位置bへと切り換わる。また、これと同時に、パイロット室22aへもパイロット圧が供給されるため、メータアウト制御弁22は、供給されるパイロット圧に応じて第1連通位置y又は第2連通位置zに切り換わる。
【0065】
パイロット室22aに供給されるパイロット圧が所定圧力未満の場合には、メータアウト制御弁22は第1連通位置yに切り換わる。この場合、第2供給ポート33と排出ポート34との連通は遮断された状態であるため、オペレートチェック弁21の背圧室25はロッド側圧力室2aの圧力に維持され、オペレートチェック弁21は閉弁状態となる。これにより、シリンダ側第1メイン通路7aと制御弁側第1メイン通路7bとの連通は遮断される。
【0066】
しかし、第1供給ポート32が排出ポート34と連通するため、ロッド側圧力室2aの作動油は、バイパス通路30から絞り37を介して制御弁側第1メイン通路7bへと導かれ、制御弁6からタンクTへと排出される。また、反ロッド側圧力室2bには、ポンプ4の吐出する作動油が供給されるため、シリンダ2は伸長する。これにより、アーム1は、図1に示す矢印81の方向へと下降する。
【0067】
ここで、メータアウト制御弁22を第1連通位置yに切り換えるのは、バケット13に取り付けた搬送物を、目的の位置に下ろすクレーン作業を行う場合が主である。クレーン作業では、アーム1を矢印81の方向へとゆっくりと下降させるため、制御弁6は、伸長位置bにわずかに切り換えられるだけである。このため、制御弁6のパイロット室6bに供給される圧力は小さく、メータアウト制御弁22のパイロット室22aに供給されるパイロット圧は所定圧力未満となり、メータアウト制御弁22は1連通位置yまでしか切り換わらない。したがって、ロッド側圧力室2aの作動油は、絞り37を介して排出されることになり、アーム1は、クレーン作業に適した低速で下降する。
【0068】
また、メータアウト制御弁22が第1連通位置yの場合において、制御弁側第1メイン通路7bが破裂などして作動油が外部へと漏れるような事態が発生しても、ロッド側圧力室2aから排出される作動油の流量は絞り37によって規制されるため、バケット13の落下速度は遅くなる。このため、バケット13が地面に落下する前に、メータアウト制御弁22を遮断位置xに切り換えることができ、バケット13の落下を防止することができる。
【0069】
このように、絞り37は、オペレートチェック弁21の閉弁時におけるシリンダ2の下降速度を抑えると共に、制御弁側第1メイン通路7bの破裂時におけるバケット13の落下速度を抑えるためのものである。
【0070】
パイロット室22aに供給されるパイロット圧が所定圧力以上の場合には、メータアウト制御弁22は第2連通位置zに切り換わる。この場合、第2供給ポート33が排出ポート34と連通するため、オペレートチェック弁21の背圧室25の作動油は、背圧通路31から制御弁側第1メイン通路7bへと導かれ、制御弁6からタンクTへと排出される。これにより、絞り通路26の前後にて差圧が発生し、背圧室25内の圧力が小さくなるため、弁体24に作用する開弁方向の力が閉弁方向の力よりも大きくなり、弁体24が弁座28から離れ、オペレートチェック弁21の逆止弁としての機能が解除される。
【0071】
このように、オペレートチェック弁21は、制御弁6からロッド側圧力室2aへの作動油の流れを許容すると共に、背圧室25の圧力に応じてロッド側圧力室2aから制御弁6への作動油の流れを許容するように動作する。
【0072】
オペレートチェック弁21が開弁すると、ロッド側圧力室2aの作動油は、第1メイン通路7を通り、タンクTへと排出されるため、シリンダ2は素早く伸長する。つまり、メータアウト制御弁22を第2連通位置zに切り換えると、ロッド側圧力室2aから排出される作動油の流量が多いため、反ロッド側圧力室2bに供給される作動油の流量が多くなり、シリンダ2の伸長速度は速くなる。これにより、アーム1は、矢印81の方向へと素早く下降する。
【0073】
このように、メータアウト制御弁22を第2連通位置zに切り換えるのは、掘削作業等を行う場合であり、制御弁6は、伸長位置bに大きく切り換えられる。このため、制御弁6のパイロット室6bに供給される圧力は大きく、メータアウト制御弁22のパイロット室22aに供給されるパイロット圧は所定圧力以上となり、メータアウト制御弁22は第2連通位置zまで切り換わる。
【0074】
なお、制御弁6が遮断位置cに設定され、アーム1の動きが停止しているときに、アーム1に大きな外力が加わった場合には、シリンダ2のロッド側圧力室2a又は反ロッド側圧力室2bの圧力が上昇する。ロッド側圧力室2aの圧力が所定圧力に達した場合には、サブリリーフ弁41が開弁動作し、ロッド側圧力室2aの作動油がオリフィス42を介して排出される。そして、オリフィス42の上流側の圧力はメータアウト制御弁22のパイロット室22aに導かれ、下流側の圧力はタンクTへ排出されるため、メータアウト制御弁22は第1連通位置y又は第2連通位置zに切り換わり、シリンダ側第1メイン通路7aと制御弁側第1メイン通路7bとが連通する。これにより、ロッド側圧力室2aの高圧が、第1リリーフ弁43を介してタンクTに排出される。
【0075】
また、反ロッド側圧力室2bの圧力が所定圧力に達した場合には、第2リリーフ弁44が開弁動作し、反ロッド側圧力室2bの高圧が、第2リリーフ弁44を介してタンクTに排出される。
【0076】
以上のように、メータアウト制御弁22は、パイロット圧によって制御弁6と連動して動作し、アーム1を上昇させる際には遮断位置xに設定されて作動油の流通を遮断し、アーム1を下降させる際には第1連通位置y又は第2連通位置zに切り換わりメータアウト側である第1メイン通路7の作動油の流れを制御する。
【0077】
次に、アーム1を下降させる際におけるメータアウト制御弁22によるメータアウト制御について詳しく説明する。図5(a)は、アーム1を保持した状態から下降させる場合におけるパイロット圧に対する制御弁6及びメータアウト制御弁22の開口面積を示すグラフである。また、図5(b)は、アーム1を保持した状態から下降させる場合におけるパイロット圧に対するシリンダ側第1メイン通路7a及び制御弁側第1メイン通路7bの圧力を示すグラフである。なお、図5(a)において、メータアウト制御弁22の開口面積における第2連通位置zに切り換わった以降は、オペレートチェック弁21の開口面積との合計開口面積を示す。また、メータアウト制御弁22の開口面積とは、弁体70によって開口される作動油が通過可能な面積である。
【0078】
制御弁6のパイロット室6bとメータアウト制御弁22のパイロット室22aとには、同じ圧力のパイロット圧が供給されるため、制御弁6とメータアウト制御弁22との切り換えタイミングは、それぞれに設けられるスプリングの付勢力等を調節することによって設定される。
【0079】
アーム1を下降させる、つまり、シリンダ2を伸長動作させるにあたって、制御弁6が伸長位置bに切り換わった後に、メータアウト制御弁22が切り換わる設定の場合には、メータアウト制御弁22が動作を開始するまでシリンダ2は動作しないため、負荷保持機構20が搭載されていない油圧ショベルと比べて、乗務員のレバー操作フィーリングが変わってしまい、乗務員は違和感を感じてしまう。
【0080】
したがって、シリンダ2の伸長動作時における制御弁6とメータアウト制御弁22との切り換えタイミングは、図5(a)に示すように、先にメータアウト制御弁22が第1連通位置yに切り換わり、制御弁6は、メータアウト制御弁22が第2連通位置zに切り換わる前に、伸長位置bへと切り換わり始めるように設定される。さらに、メータアウト制御弁22が第1連通位置yに切り換わる際の弁体70の初期開度は、メータアウト制御弁22の微小ストロークで大きく開くように設定される。
【0081】
このように、メータアウト制御弁22が制御弁6よりも先行し、かつ大きな開度で開弁することによって、メータアウト制御弁22が制御弁6によるシリンダ2の伸長動作に対して不都合を与えることがない。
【0082】
しかし、メータアウト制御弁22が制御弁6よりも先行し、かつ大きな開度で開弁する場合、メータアウト制御弁22が遮断位置xから第1連通位置yに切り換わり始める初期には、制御弁6が閉弁状態で、ロッド側圧力室2aの高圧の作動油がバイパス通路30を通じて制御弁側第1メイン通路7bに流入することになる。
【0083】
メータアウト制御弁22が遮断位置xの場合には、制御弁側第1メイン通路7bにはロッド側圧力室2aの圧力が作用していないため、制御弁側第1メイン通路7bは低圧の状態である。
【0084】
したがって、メータアウト制御弁22が遮断位置xから第1連通位置yに切り換わり始める初期には、ロッド側圧力室2aの高圧がバイパス通路30を介して低圧状態の制御弁側第1メイン通路7bに作用し、制御弁側第1メイン通路7bの圧力が急激に上昇する。制御弁側第1メイン通路7bの圧力が急激に変化することによって、油圧ショベルには強い衝撃が発生する。
【0085】
この対策として、メータアウト制御弁22には、バイパス通路30と制御弁側第1メイン通路7bとの連通の初期に、スプール56の移動量に対する開口面積の増加割合を抑制する開口面積抑制手段が設けられる。以下に、図4を参照して、開口面積抑制手段について説明する。
【0086】
開口面積抑制手段として、図4に示すように、メータアウト制御弁22のスプール56に形成された弁体70のテーパ状の外周面に対して、弁体70が着座する弁座71のシート面が微小な角度差を持ったテーパ状に形成される。
【0087】
このように、弁体70と弁座71が所定の角度差を持ったテーパ状に形成されることによって、メータアウト制御弁22が遮断位置xから第1連通位置yに切り換わり始める初期、つまり、弁体70が弁座71から離れる初期には、図5(a)において符号85にて示すように、スプール56の移動量(パイロット圧)に対する弁体70の開口面積はゆっくりと増加することになる。これにより、ロッド側圧力室2aの作動油が制御弁側第1メイン通路7bに流入する際、図5(b)において符号86にて示すように、制御弁側第1メイン通路7bの圧力はゆっくりと上昇するため、制御弁側第1メイン通路7bの圧力の変化が抑制され、油圧ショベルに発生する衝撃を防止することができる。
【0088】
また、弁体70と弁座71が所定の角度差を持ったテーパ状に形成されるため、弁体70と弁座71は、円周上の線1箇所にて接触するため、シール性が良好に保たれる。
【0089】
以下に、開口面積抑制手段の他の形態について説明する。
(1)開口面積抑制手段として、図6に示すように、弁体70のテーパ状の外周面にはスプール56の軸方向と平行な平坦部70aが形成され、弁座71には平坦部70aと平行な対向平坦部71aが形成される。
【0090】
メータアウト制御弁22が遮断位置xの場合には、弁体70のテーパ部70bに弁座71の対向平坦部の端部が当接することによって、第1圧力室64と第2圧力室65との連通が遮断される。
【0091】
そして、メータアウト制御弁22が遮断位置xから第1連通位置yに切り換わり始める初期には、弁体70は、平坦部70aが弁座71の対向平坦部71aと平行にスライドしながら移動する。弁体70の平坦部70aと弁座71の対向平坦部71aとが対向している間は、スプール56の移動量に対する弁体70の開口面積はゆっくりと増加することになる。これにより、ロッド側圧力室2aの作動油が制御弁側第1メイン通路7bに流入する際、制御弁側第1メイン通路7bの圧力はゆっくりと上昇する。
(2)開口面積抑制手段は、弁体70には形成せず、第2圧力室65と第3圧力室66とを隔てるランド部72に形成される。
【0092】
図7に示すように、ランド部72の外周に形成される溝状の絞り37は、スプール56の軸方向と平行に形成され、第2圧力室65まで貫通せず、メータアウト制御弁22が遮断位置xの場合に、スリーブ61の内周に形成された環状の閉塞部90によって閉塞されるように形成される。また、絞り37は、弁体70が弁座71から離れると同時に、閉塞部90による閉塞が解除されるように形成される。
【0093】
メータアウト制御弁22が遮断位置xから第1連通位置yに切り換わり始める初期には、弁体70が弁座71から離れると同時に、閉塞部90による絞り37の閉塞が解除される。そして、スプール56の移動に伴って第2圧力室65に対する絞り37の開口面積が増加するため、結果的に弁体70の開口面積もゆっくりと増加する。これにより、ロッド側圧力室2aの作動油が制御弁側第1メイン通路7bに流入する際、制御弁側第1メイン通路7bの圧力はゆっくりと上昇する。
【0094】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、油圧ショベルの油圧制御装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】油圧ショベル一部分を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の油圧制御装置の油圧回路図である。
【図3】本発明の実施の形態の油圧制御装置における負荷保持機構の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の油圧制御装置におけるメータアウト制御弁の要部拡大断面図である。
【図5】(a)アームを保持した状態から下降させる場合におけるパイロット圧に対する制御弁及びメータアウト制御弁の開口面積を示すグラフである。(b)アームを保持した状態から下降させる場合におけるパイロット圧に対するシリンダ側第1メイン通路及び制御弁側第1メイン通路の圧力を示すグラフである。
【図6】メータアウト制御弁における開口面積抑制手段の他の形態を示す断面図である。
【図7】メータアウト制御弁における開口面積抑制手段の他の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0097】
1 アーム(負荷)
2 シリンダ
2a ロッド側圧力室
2b 反ロッド側圧力室(負荷側圧力室)
3 ピストンロッド
4 ポンプ
6 制御弁
6a,6b パイロット室
7 第1メイン通路
7a シリンダ側第1メイン通路
7b 制御弁側第1メイン通路
8 第2メイン通路
9 パイロット弁
20 負荷保持機構
21 オペレートチェック弁
22 メータアウト制御弁
22a パイロット室
24 弁体
24a 第1受圧面
24b 第2受圧面
25 背圧室
26 絞り通路
27 スプリング
30 バイパス通路
31 背圧通路
32 第1供給ポート
33 第2供給ポート
34 排出ポート
36 スプリング
37 絞り
54 スプリング室
55 スプール孔
56 スプール
59 ピストン
61 スリーブ
64 第1圧力室
65 第2圧力室
66 第3圧力室
67 第4圧力室
68 導圧通路
70 弁体
71 弁座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプから供給される作動流体によって伸縮し負荷を駆動するシリンダと、
前記シリンダに対する作動流体の給排を切り換え、前記シリンダの伸縮動作を制御する制御弁と、
前記制御弁をパイロット圧によってパイロット操作するパイロット弁と、
前記制御弁が遮断位置の場合に負荷による負荷圧が作用する前記シリンダの負荷側圧力室と前記制御弁とを接続するメイン通路と、
前記メイン通路に介装された負荷保持機構と、を備える流体圧制御装置において、
前記負荷保持機構は、
前記制御弁から前記負荷側圧力室への作動流体の流れを許容すると共に、前記負荷側圧力室の圧力が絞り通路を介して常時導かれる背圧室の圧力に応じて前記負荷側圧力室から前記制御弁への作動流体の流れを許容するオペレートチェック弁と、
前記負荷側圧力室の作動流体を前記オペレートチェック弁をバイパスして前記メイン通路へと導くバイパス通路と、
前記背圧室の作動流体を前記メイン通路へと導く背圧通路と、
前記バイパス通路及び前記背圧通路に介装され、前記パイロット弁によるパイロット圧によって前記制御弁と連動して動作し、負荷を上昇させる際には流れを遮断し、負荷を下降させる際にはメータアウト側の作動流体の流れを制御するメータアウト制御弁と、を備え、
前記メータアウト制御弁は、
前記パイロット圧によって移動し、前記バイパス通路及び前記背圧通路に対する前記メイン通路の連通を切り換えるスプールと、
前記バイパス通路と前記メイン通路との連通の初期に、前記スプールの移動量に対する開口面積の増加割合を抑制する開口面積抑制手段と、を備え、
前記制御弁が負荷を保持する遮断位置から負荷を下降させる位置に切り換わる際には、前記制御弁が開弁する前に前記バイパス通路と前記メイン通路とが連通すると共に、前記開口面積抑制手段によって前記メイン通路の圧力上昇が抑制されることを特徴とする流体圧制御装置。
【請求項2】
前記スプールは、前記制御弁が負荷を保持する遮断位置から負荷を下降させる位置に切り換わる際に、前記バイパス通路と前記メイン通路とを連通させる弁体を備え、
前記開口面積抑制手段は、
所定の角度差を持ってテーパ状に形成される、前記弁体と当該弁体が着座する弁座とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の流体圧制御装置。
【請求項3】
前記スプールは、前記制御弁が負荷を保持する遮断位置から負荷を下降させる位置に切り換わる際に、前記バイパス通路と前記メイン通路とを連通させる弁体を備え、
前記開口面積抑制手段は、
前記弁体のテーパ状の外周面に形成され、前記スプールの軸方向と平行な平坦部と、
前記弁体が着座する弁座に形成され、前記平坦部と平行な対向平坦部と、で構成されることを特徴とする請求項1に記載の流体圧制御装置。
【請求項4】
前記スプールは、
前記制御弁が負荷を保持する遮断位置から負荷を下降させる位置に切り換わる際に、前記バイパス通路と前記メイン通路とを連通させる弁体と、
前記スプールの外周に当該スプールの軸方向と平行に溝状に形成され、前記バイパス通路から前記メイン通路への作動流体の流れに対して抵抗を付与し、前記オペレートチェック弁の閉弁時における前記シリンダの下降速度を抑えるための絞りと、を備え、
前記開口面積抑制手段は、
前記弁体が弁座から離れ前記バイパス通路と前記メイン通路とが連通するのと同時に、閉塞部によって前記絞りの閉塞が解除される構成であることを特徴とする請求項1に記載の流体圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−63115(P2009−63115A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232574(P2007−232574)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】