説明

浴槽装置

【課題】一般住宅の浴槽と兼用することができ、入浴者にリラックスした状態で運動させることができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽装置1において、浴槽2の背側面2aに揺動上体支持部3を設け、底面2cに揺動腰支持部4を設け、足側面2bに揺動足支持部5を設ける。揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5は、それぞれ、浴槽2に対して揺動自在とされている。これにより、入浴者Mの身体を揺動させ、補償動作をとらせることにより、入浴者Mに運動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、入浴者に運動させる浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会的に健康志向が高まり、フィットネスやエクササイズなどの運動によって健康管理を行いたいという要求が高まっている。また、入浴中に手軽に運動したいという要望もある。
【0003】
例えば、特許文献1には、浴槽内に設置する浴用マッサージ装置であって、入浴者の背中に接触する面が凸アール面であり、この凸アール面から押し玉をエアーポンプにより突出させる装置が開示されている。特許文献1には、入浴者が浴槽内に座り、背中を凸アール面に接触させた状態で、エアーポンプを作動させて押し玉を突出させることにより、入浴者にマッサージを施すことができると記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の装置は、入浴者に単にマッサージを施すだけであるため、指圧効果によって入浴者の血行の促進を図ることはできても、入浴者に運動させることはできない。
【0004】
また、特許文献2には、浴槽内に踏み込み可能な踏み台を設ける技術が開示されている。踏み台にはバネによって踏み込み負荷が与えられており、入浴者は座位姿勢のまま片足で踏み台を踏み込むことにより、運動することができる。しかしながら、普段から運動習慣の無い人が運動を行うには、相当な意志の力を要する。特に、入浴時はリラックスした精神状態になっているため、意志の力を発揮することは困難である。このため、浴槽内に運動器具を設置しても、運動が長続きしないことが予想される。一方、無理に運動しようとすると、リラックスした精神状態になれないため、入浴によるリラックス効果が損われるという問題もある。
【0005】
更に、特許文献3には、水槽内に椅子状の水中運動具を設置する技術が開示されている。特許文献3には、人がこの水中運動具に跨った状態で、この水中運動具を上下・水平方向に変位させると、人に無意識に運動させることができると記載されている。しかしながら、この水中運動具を設置するためには、ある程度の深さを持つ水槽が必要となる。また、水槽の中央部に椅子状の水中運動具が固定されてしまう。このため、このような水槽を一般の住宅に設置された浴槽と兼用することは困難である。
【0006】
【特許文献1】特開2000−233010号公報
【特許文献2】特開2003−236014号公報
【特許文献3】特開2006−006582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、一般住宅の浴槽と兼用することができ、入浴者にリラックスした状態で運動させることができる浴槽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、浴槽と、前記浴槽の長手方向一端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動上体支持部、前記浴槽の底面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動腰支持部、及び前記浴槽の長手方向他端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動足支持部からなる群から選択された2以上の支持部と、を備えたことを特徴とする浴槽装置が提供される。
【0009】
本発明の他の一態様によれば、浴槽と、前記浴槽の長手方向一端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動上体支持部、前記浴槽の底面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動腰支持部、及び前記浴槽の長手方向他端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動足支持部からなる群から選択された1以上の支持部と、前記浴槽の内部に水流を発生させる水流発生装置と、を備えたことを特徴とする浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一般住宅の浴槽と兼用することができ、入浴者にリラックスした状態で運動させることができる浴槽装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図であり、
図2は、この浴槽装置を例示する分解断面斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る浴槽装置1においては、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は略直方体形状であり、長手方向の一端部の内側面は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときにその背中が接触する背側面2aとなっており、長手方向の他端部の内側面は、入浴者Mの足裏に対向する足側面2bとなっている。背側面2aと足側面2bとは、底面2cを挟んで相互に対向している。
【0013】
浴槽2の背側面2aには、揺動上体支持部3が設けられている。揺動上体支持部3は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに、入浴者Mの上体、特に背中に接する位置に配置されており、浴槽2に対して揺動自在とされている。なお、本明細書において「上体」とは、概ね、人体における腰と首との間の部分、すなわち、人の上半身のうち、腰、首、頭、腕を含まない胴体部分をいう。また、本明細書において、「揺動」というときは、あらゆる動きを含むものとし、例えば、自転、公転、シーソー状の回動、表面の法線が回転するローリング運動、表面に交差する方向に運動する前後進運動、及び表面に平行な方向に運動するスライド運動などが含まれる。揺動上体支持部3は、これらの動きのうち、1つ以上の動きを実現していればよい。
【0014】
また、浴槽2の底面2cには、揺動腰支持部4が設けられている。揺動腰支持部4は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに、入浴者Mの腰、特に臀部に接する位置に配置されており、浴槽2に対して揺動自在とされている。更に、浴槽2の足側面2bには、揺動足支持部5が設けられている。揺動足支持部5は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに、入浴者の足、特に足裏に接する位置に配置されており、浴槽2に対して揺動自在とされている。
【0015】
図2に示すように、揺動上体支持部3においては、例えば楕円形の板状の背当板31が設けられており、背当板31の裏面中心部には、突起32が設けられている。一方、浴槽2の背側面2aには孔33が形成されており、突起32が孔33に嵌合されている。これにより、背当板31は、浴槽2の背側面2aに揺動自在に支持されている。すなわち、背当板31は、突起32を回転軸として自転自在であり、且つ、突起32と孔33との結合部分を支点として全方位にシーソー状に回動自在とされている。
【0016】
また、揺動腰支持部4においては、例えば円形の板状の座板41が設けられており、座板41の裏面中心部には、突起42が設けられている。一方、浴槽2の底面2cには孔43が形成されており、突起42が孔43に嵌合されている。これにより、座板41は、浴槽2の底面2cに揺動自在に支持されている。すなわち、座板41は、突起42を回転軸として自転自在であり、且つ、突起42と孔43との結合部分を支点として全方位にシーソー状に回動自在とされている。
【0017】
更に、揺動足支持部5においては、水平方向に配列された1対の足当板51が設けられている。足当板51の形状は例えば矩形板状であり、その表面は平坦面となっており、裏面の中心部には突起52が形成されている。一方、浴槽2の足側面2bには水平方向に配列された1対の孔53が形成されており、この孔53に足当板51の突起52が嵌合されている。これにより、1対の足当板51は、浴槽2に対して相互に独立に揺動自在に支持されている。すなわち、足当板51は、その長手方向が上下方向に沿った状態で浴槽2の足側面2b上に配置され、突起52と孔53との結合部を中心として全方位に回動自在とされている。
なお、上述の如く、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5には駆動手段は設けられておらず、これらの支持部は能動的には動かない。
【0018】
次に、本実施形態に係る浴槽装置の動作について説明する。
図1に示すように、浴槽2内に湯Wを入れた状態で、入浴者Mが浴槽2内に入り、入浴姿勢をとる。すなわち、入浴者Mは、背中を揺動上体支持部3の背当板31に当接させ、臀部を揺動腰支持部4の座板41に乗せ、左右の足の足裏をそれぞれ揺動足支持部5の足当板51に当接させる。このとき、入浴者Mは、無意識に背中、臀部及び足裏をそれぞれ背当板31、座板41及び足当板51に対して押し付けることにより、浮力に抗して姿勢を保持しようとする。
【0019】
しかしながら、このとき、背当板31、座板41及び足当板51はそれぞれ能動的には動かないものの、入浴者Mから印加される力によって揺動するため、入浴者Mは姿勢を維持しにくくなる。つまり、入浴者Mの姿勢のバランスが崩される。このため、入浴者Mは常に補償動作を行ってバランスをとり続けていないと、浮力に抗して姿勢を維持することができない。すなわち、入浴者Mは、無意識に全身の筋肉を働かせて補償動作を行うことを強制される。この結果、入浴者Mは他動運動を行い、全身の筋肉を鍛えることができる。なお、「他動運動」とは、人が自分の筋力ではなく外力を利用して行う運動をいい、本明細書においては、上述の如く姿勢を崩された場合の補償動作も含むものとする。
【0020】
次に、本実施形態の効果について説明する。
上述の如く、本実施形態によれば、入浴者は無意識に運動を行うことができる。この運動は外部から与えられる他力的な他動運動であり、入浴者の意志によって行われる自動運動ではないため、入浴者の意志力に依存する部分が少なく、長続きしやすい。また、この運動は入浴姿勢のまま行うことができるため、入浴者は、リラックスした状態で運動することができる。この結果、運動を継続しやすい。
【0021】
更に、入浴者Mが運動することにより、浴槽2内に入浴者Mの動きに応じた水流が発生し、この水流が入浴者Mの動きに逆らう抵抗として作用する。このため、入浴者Mは、この水流に抗して姿勢を維持するために、全身の筋肉を使用する必要が生じ、全身運動を行うことができる。また、湯Wによる温熱効果により、運動効果がより一層向上する。更に、水流により入浴者の周囲の温度境界層が常に破壊されるため、入浴者が温まり易く、運動効果が更に向上する。このように、上述の運動を浴槽内で行うことにより、浴槽外で行う場合と比較して、より高い運動効果を得ることができる。
【0022】
更にまた、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5には、駆動部が設けられていないので、構成が簡単であり、低コスト且つコンパクトに実現することができる。このため、本実施形態に係る浴槽装置1は、一般住宅の浴槽と兼用することができる。また、電気部品が不要であるため、漏電及び感電に対する対策並びに湯による電気部品の腐食に対する対策などが不要になり、低コストで信頼性が高い浴槽装置を実現することができる。この結果、一般住宅の浴槽との兼用がより一層容易となる。これにより、上述の運動を入浴という日常行為の中で行うことができ、継続が容易になる。また、浴槽装置1を設置するために専用のスペースを設ける必要がない。
【0023】
なお、本実施形態においては、浴槽装置1に揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5を設け、入浴者Mの上体、腰及び足の全てを揺動させる例を示したが、上述の3つの支持部のうち2つのみを設けてもよい。すなわち、上体、腰及び足のうち、2ヶ所を揺動させ、残りの1ヶ所は浴槽2に当接させてもよい。この場合でも、入浴者は通常の入浴姿勢を保つために、相当な補償動作を行ってバランスをとる必要があり、他動運動を行うことができる。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する断面斜視図であり、
図4は、本実施形態における揺動腰支持部を例示する斜視分解図であり、
図5は、その分解斜視断面図であり、
図6は、その下方から見た斜視図である。
図7(a)及び(b)は、この揺動腰支持部を例示する透視斜視図であり、(a)は座板の回動量が小さい状態を示し、(b)は座板の回動量が大きい場合を示す。
図8(a)及び(b)は、本実施形態における揺動足支持部を例示する斜視図であり、足当板の回動量が大きい状態を示し、
図9(a)及び(b)は、本実施形態における揺動足支持部を例示する斜視図であり、足当板の回動量が小さい場合を示す。
【0025】
図3に示すように、本実施形態に係る浴槽装置6においては、前述の第1の実施形態に係る浴槽装置1(図1参照)と同様に、浴槽2、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5が設けられている。但し、本実施形態においては、揺動上体支持部3の背当板34は、浴槽2の背側面2aに沿って上下方向に延びる回動軸を中心として、水平方向にのみシーソー状に回動自在とされており、回転及び上下方向への回動は規制されている。また、揺動腰支持部4の座板44は、その中心軸を回動軸とした自転的な回動のみが自在とされており、シーソー状の回動は規制されている。更に、揺動足支持部5の足当板54は、水平方向に延びる回動軸を中心として、上下方向にのみ回動自在とされており、水平方向への回動は規制されている。そして、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5には、それぞれ、背当板34、座板44及び足当板54の回動量を調整する調整手段が設けられている。
【0026】
先ず、揺動腰支持部4の構成及び動作について詳細に説明する。
図4乃至図6に示すように、浴槽2の底面2cには、面溝45が形成されている。面溝45においては、形状が円柱形であり相対的に深い回転軸用穴45aと、この回転軸用穴45aの周囲の一部分に円弧状に形成され相対的に浅い回転量調整用溝45bとが一体的に形成されている。一方、座板44においては、円板状の座部44aが設けられている。座部44aの表面、すなわち、上方に向いた面は、入浴者の臀部が接触する面であり、平坦面となっている。また、座部44aの裏面の中心には、円柱形の軸部44bが設けられている。更に、座部44aの裏面には、軸部44bの周囲に沿って扇状に配列された3ヶ所以上例えば7ヶ所の領域に、ストッパー固定用溝44cが形成されている。ストッパー固定用溝44cには、ストッパー46が着脱可能となっている。ストッパー46は2個設けられている。すなわち、座板44、面溝45及び2個のストッパー46により、揺動腰支持部4が構成されている。
【0027】
図7(a)及び(b)に示すように、2個のストッパー46は、それぞれ任意のストッパー固定用溝44cに取り付けることができる。そして、座板44の軸部44bを面溝45の回転軸用穴45aに嵌合させることにより、座板44を浴槽2に対して回転自在に取り付けることができる。このとき、座板44のストッパー固定用溝44cに取り付けられたストッパー46は、面溝45の回転量調整用溝45b内に収納され、座板44の回転に伴って回転量調整用溝45b内を周方向に移動するが、回転量調整用溝45bの端部に到達すると、それ以上の移動が規制される。これにより、座板44自体の回動も規制される。
【0028】
図7(a)に示すように、2個のストッパー46を相互に大きく離隔した位置に取り付けると、一方のストッパー46が回転量調整用溝45bの一方の端部に当接するような座板44の角度と、他方のストッパー46が回転量調整用溝45bの他方の端部に当接するような座板44の角度との差が小さくなる。座板44は、これらの2つの角度の間で回動可能であるから、これらの角度の差を小さくすることにより、座板44の回動角度範囲、すなわち、回動量が小さくなる。
【0029】
これに対して、図7(b)に示すように、2個のストッパー46を相互に近い位置に取り付けると、一方のストッパー46が回転量調整用溝45bの一方の端部に当接するような座板44の角度と、他方のストッパー46が回転量調整用溝45bの他方の端部に当接するような座板44の角度との差が大きくなり、座板44の回動量は大きくなる。なお、ストッパー46を1個のみ取り付ければ、座板44の回動量はより大きくなり、ストッパー46を取り付けなければ、座板44は回動角度範囲を規制されずに、浴槽2に対して回転自在となる。また、回転量調整用溝45bの全長にわたってストッパー固定用溝44cを形成し、ストッパー46を回転量調整用溝45bの両端部に位置するストッパー固定用溝44cに取り付ければ、座板44の回動量は0となり、座板44を固定することができる。
【0030】
このように、ストッパー46の取り付け位置を選択することにより、座板44の回動量を調整することができる。すなわち、揺動腰支持部4においては、ストッパー固定用溝44c、回転量調整用溝45b及び2個のストッパー46により、座板44の回動量を調整する調整手段が構成されている。
【0031】
次に、揺動足支持部5の構成及び動作について詳細に説明する。
図8(a)及び(b)並びに図9(a)及び(b)に示すように、足当板54には、足置54aが設けられている。足置54aの形状は、例えば長方形の板状である。足置54aの表面、すなわち、浴槽2の背側面2aに対向し入浴者の足裏が当接する面は平坦面となっており、裏面の中央部からは、1対の支点部材54bが起立している。支点部材54bの形状は頂角が丸められた直角二等辺三角形の板状であり、その頂角が支点部材54bの先端となっている。そして、この支点部材54bの先端部が浴槽2の足側面2bに当接しつつ、回動可能に軸支されることにより、足当板54は支点部材54bの先端部を回動中心としてシーソー状に回動自在とされている。
【0032】
また、足置54aにおける支点部材54b間の領域であって、1対の支点部材54bの先端を結ぶ線の両側には、1対のネジ穴54cが形成されている。ネジ穴54cには、それぞれ調整ネジ54dが螺合されている。調整ネジ54dは足置54aを貫通し、その先端が支点部材54b間に突出しており、調整足54eが取り付けられている。
【0033】
そして、図8(a)及び(b)に示すように、調整ネジ54dを、その後端部が足置54aの表面と同一平面となすような位置に位置させれば、調整足54eは1対の支点部材54b間に収納される。この結果、足当板54が回動したときに、調整足54eは浴槽2に接触せず、足当板54の回動角度範囲は支点部材54bのみにより規制されるため、足当板54の回動量は最大となる。
【0034】
これに対して、図9(a)及び(b)に示すように、調整ネジ54dを足置54aの裏面に向けてねじ込むと、調整足54eが支持部材54b間から突出する。この結果、足当板54が回動すると、いずれかの調整足54eが浴槽2の足側面2bに当接し、足当板54の回動を規制する。これにより、足当板54の回動角度範囲が狭くなり、回動量が小さくなる。そして、2本の調整足54eが同時に浴槽2の足側面2bに当接するように調整ネジ54dの位置を調整すれば、足当板54の回動量は0となり、足当板54を固定することができる。
【0035】
このように、調整ネジ54dの位置を調整することにより、足当板54の回動量を調整することができる。すなわち、揺動足支持部5においては、ネジ穴54c、調整ネジ54d及び調整足54eにより、足当板54の回動量を調整する調整手段が構成されている。揺動上体支持部3においても、これと同じ構成により、背当板34の回動量を調整する調整手段が構成されている。
【0036】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、上述の如く、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5にそれぞれ調整手段が設けられているため、入浴者が、背当板34、座板44及び足当板54の回動量を任意に調整することができる。これにより、入浴者の年齢、体調又は好みなどにより回動量を調整することができ、快適に他動運動を行うことができる。また、入浴者が浴槽に出入りする際には、回動量を0とすることにより、容易に出入りすることができる。更に、他動運動を行わない通常の入浴時には、各回動量を0とすることにより、背当板34、座板44及び足当板54を浴槽2に対して固定することができる。この結果、浴槽2を通常の浴槽として使用する際の安定感が向上する。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0037】
なお、回動量は必ずしも0にできる必要はなく、一定の範囲内で調整可能であればよい。この場合においても、入浴者が浴槽に出入りする際、及び通常の浴槽として使用する際には、回動量を最小値とすることにより、安定感が向上する。また、本実施形態においては、背当板34及び足当板54がシーソー状に回動し、座板44がその中心軸を中心として回動し、各調整手段がこれらの回動量を調整する例を示したが、本発明はこれに限定されず、背当板、座板及び足当板は上述の回動以外の揺動をするものであり、各調整手段はこれらの揺動量を調整するものであってもよい。また、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5のうち、いずれか1つ又は2つの支持部にのみ、調整手段が設けられていてもよい。
【0038】
次に、本第2の実施形態の変形例について説明する。
本変形例においては、揺動腰支持部の構成が前述の第2の実施形態と異なっている。
図10は、本変形例における揺動腰支持部を例示する断面図である。
図10に示すように、本変形例の揺動腰支持部4は、前述の第2の実施形態と比較して、ストッパー46(図6参照)の替わりに、レバー47が設けられている点が異なっている。
【0039】
レバー47は、その長手方向が座板44の半径方向に沿って延び、先端部47aは、座板44の軸部44bに対して、軸部44bの周面に沿って公転自在に連結されている。また、レバー47は2ヶ所で屈曲することにより、回転量調整用溝45bの内面に沿うように成形されている。更に、レバー47の長手方向中間部には、上方に向けて突出した突起47bが設けられており、ストッパー固定用溝44cに嵌合可能となっている。そして、屈曲部よりも先端部47aから遠い部分は、浴槽2の底面2cと座板44の座部44aとの間の隙間を通過しており、後端部47cはこの隙間の外部に引き出されている。レバー47は全体が板状のバネとなっており、座部44aの直下域からはみ出した後端部47cを押圧することにより、先端部47aを支点として上下方向に変形可能とされている。
【0040】
本変形例においては、入浴者がレバー47に触れていないときは、レバー47の突起47bはストッパー固定用溝44cの1つに嵌合しており、座部44aに対して固定されている。この状態で座板44を回動させると、レバー47は座板44と共に回動し、回転量調整用溝45b内を移動する。そして、回転量調整用溝45bの端部に到達したところで、座板44のそれ以上の回動が規制される。すなわち、レバー47は座板44の回動を規制するストッパーとして機能する。
【0041】
そして、入浴者がレバー47の後端部47cを下方に押圧すれば、レバー47全体が先端部47aを支点として撓み、下方に変位する。これにより、レバー47の突起47bは、座板44のストッパー固定用溝44cから外れる。この状態で、レバー47を軸部44bを中心として公転させて、レバー47を任意の位置に位置させた上で、後端部47cから手を離せば、レバー47を構成している板バネの作用により、レバー47が上方に変位する。これにより、突起47bがその位置のストッパー固定用溝44cに嵌合し、座部44aに対して固定される。このようにして、突起47bが嵌合するストッパー固定用溝44cを選択することで、レバー47を座板44に対して任意の角度で固定することができる。
【0042】
本変形例によれば、入浴者は、座板44を浴槽2の面溝45から外すことなく、レバー47を操作することにより、座板44の回動量を調整することができる。本変形例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第2の実施形態と同様である。
【0043】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図11は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する断面斜視図であり、
図12は、本実施形態における揺動腰支持部を例示する分解斜視図であり、
図13は、この揺動腰支持部を例示する断面図である。
【0044】
図11に示すように、本実施形態に係る浴槽装置7においては、揺動上体支持部3には背当板39が自転自在に支持されており、揺動腰支持部4には座板49が自転自在に支持されており、揺動足支持部5には1対の足当板59が自転自在に支持されている。そして、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5にはそれぞれ、背当板39、座板49及び足当板59の回転抵抗を調整する調整手段が設けられている。
【0045】
以下、揺動腰支持部4を例にとって、調整手段の構成を詳細に説明する。本実施形態においては、揺動上体支持部3及び揺動足支持部5においても、揺動腰支持図4と同様な構成が設けられている。
図12及び図13に示すように、本実施形態に係る浴槽装置においては、浴槽2の底面2cに円柱形の溝48aが形成されており、溝48aの底面の中心部には、角柱形、例えば、四角柱形又は六角柱形の突起48bが起立している。なお、図12には、突起48bの形状が四角柱形である場合を例示している。
【0046】
座板49においては、円板状の座部49aが設けられており、座部49aの中心部には、貫通孔49bが形成されている。貫通孔49bは2段構成となっており、上部49cの直径は下部49dの直径よりも大きい。また、座板49においては、軸49eが設けられている。軸49eは円柱形状の本体部49fと、本体部49fよりも直径が小さい円柱形状の先端部49gとから構成されており、本体部49fの中心軸と先端部49gの中心軸とは一致している。
【0047】
また、先端部49gの外周面にはネジが形成されている。そして、先端部49gは座部49aの貫通孔49bを挿通し、貫通孔49bの上部49c内に収納された円環状の回転軸抜止49hを挿通し、ナット49iに連結されている。これにより、座部49aを軸49eに対して回転自在としつつ、座部49aが上方に移動しようとすると、貫通孔49bの上部49cと下部49dとの間の段差が、軸49eに連結された回転軸抜止49hに係合し、座部49aは抜け落ちないようになっている。更に、軸49eの下面には、突起48bに対応する凹部49jが形成されており、突起48bは凹部49jに嵌合している。突起48bの形状は角柱状であるため、軸49eは浴槽2に対して回転しないように固定されている。
【0048】
一方、軸49eの本体部49fの外周面にはネジ49kが形成されており、このネジ49kに螺合するように、円環状のナット49lが設けられている。ナット49lは、軸49eを囲んでおり、軸49eの外周面に形成されたネジ49kに沿って回転することにより、軸49eの長手方向、すなわち上下方向に沿って移動可能である。また、軸49eの周囲におけるナット49lの上方には、円環状のワッシャー49mも設けられている。更に、ナット49lとワッシャー49mとの間には、軸49eの周囲を巻回するように、バネ49nが設けられている。バネ49nは、ワッシャー49mを座部49aに向けて付勢する。これにより、ワッシャー49mと座部49aとの間には、摩擦力が発生する。
【0049】
次に、本実施形態の動作について説明する。
入浴者が、座板49を浴槽2の底面2cから取り外し、軸49eに対してナット49lを回転させることにより、軸49eに対するナット49lの相対的な位置を調節し、ナット49lとワッシャー49mとの間の距離を調整する。その後、軸49eを溝48a内に挿入し、突起48bを凹部49jに嵌合させることにより、座板49を底面2cに取り付ける。
【0050】
このとき、ナット49lとワッシャー49mとの間の距離が決まると、バネ49nの圧縮の程度が決まり、バネ49nがワッシャー49mに与える付勢力の大きさが決まるため、ワッシャー49mと座部49aとの間の摩擦力が決まる。そして、ナット49lの位置を低くすれば、バネ49nの付勢力が弱まり、座部49aの回転抵抗が減少する。逆に、ナット49lの位置を高くすれば、バネ49nの付勢力が強まり、座部49aの回転抵抗が増加する。このように、ナット49lの位置を調節することにより、座板49の回転抵抗の大きさを調整することができる。揺動上体支持部3及び揺動足支持部5の動作も同様である。
【0051】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、上述の如く、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5において、それぞれ背当板34、座板44及び足当板54の回転抵抗を任意に調整することができるため、入浴者の年齢、体調又は好みなどにより回転抵抗を調整することができ、快適に他動運動を行うことができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0052】
なお、本実施形態においては、バネを用いて回転抵抗を調整する例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の手段によって回転抵抗を調整してもよい。例えば、オイルダンパーによって回転抵抗を調整することもできる。また、本実施形態においても、前述の第2の実施形態と同様に、背当板は浴槽の背側面に沿って上下方向に延びる回動軸を中心としてシーソー状に回動し、足当板は水平方向に延びる回動軸を中心としてシーソー状に回動するものとしてもよい。この場合にも、回転抵抗の調整手段として、オイルダンパーを使用することができる。更に、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5のうち、いずれか1つ又は2つの支持部にのみ、調整手段が設けられていてもよい。
【0053】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図である。
図14に示すように、本実施形態に係る浴槽装置8においては、前述の第1の実施形態に係る浴槽装置1(図1参照)の構成に加えて、水流発生装置10が設けられている。水流発生装置10は、浴槽2内において水流を発生させる装置であり、例えば、水(湯も含む)、エアー、又は水及びエアーの混合流体(以下、総称して「水等」という)を吐出する装置である。
【0054】
水流発生装置10においては、浴槽2の外部に配置されたポンプ11と、浴槽2に取り付けられたノズル12と、ポンプ11をノズル12に連通するパイプ13とが設けられている。ノズル12は1ヶ所又は複数ヶ所に設けられており、浴槽2におけるノズル12が設けられている部分は開口している。
【0055】
例えば、本実施形態においては、ノズル12は浴槽2の背側面2aの下部及び足側面2bの下部の2ヶ所に固定的に取り付けられている。そして、ポンプ11が作動することにより、パイプ13及びノズル12を介して、浴槽2内にいる入浴者Mに向けて、水等を吐出する。
【0056】
次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。前述の第1の実施形態において説明したように、入浴者Mは、上体、腰及び足をそれぞれ揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5に預けているため、元々姿勢が不安定である。この状態で、水流発生装置10が水等を吐出し、浴槽2内に水流を発生させると、入浴者Mの姿勢がより一層不安定になる。これにより、入浴者Mは、より機敏且つ強力に補償動作を取らざるを得なくなり、より効果的に他動運動を行うことができる。また、このとき、入浴者Mに向けて直接水等を吐出することにより、入浴者Mの姿勢を積極的に崩すことができ、上述の効果をより増大させることができる。更に、水等を入浴者Mに向けて吐出することにより、マッサージ効果を得ることもできる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0057】
なお、本実施形態において、水流発生装置10に水流制御手段を設け、水流の状態を自動的に変化させるようにしてもよい。具体的には、水流制御手段がポンプ11の動作を制御して、ノズル12から吐出する水等の流速を変化させてもよく、ノズル12から水とエアーとの混合流体を吐出する場合に、水とエアーとの混合比率を変化させてもよく、ノズル12を浴槽2に対して可動的に取り付けておき、水流制御手段がノズル12の方向を制御して、水等の吐出方向を変化させてもよく、パイプ13に電磁弁を設け、水流制御手段がこの電磁弁を制御することにより、水等を吐出するノズル12を切替えてもよい。又は、上述の制御を組合せて実行してもよい。また、上述の変化は、周期的な変化としてもよく、非周期的なランダムな変化としてもよい。なお、このような変化の過程において、水等が入浴者に向けて吐出される瞬間があることが好ましい。
【0058】
このように、水流発生装置が浴槽内の水流の状態を自動的に変化させることにより、水流の状態が定常状態に収束することを防止し、入浴者の姿勢を継続的に崩し続けることができる。この結果、入浴者により効率的に他動運動をさせることができる。
【0059】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図15は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図である。
図15に示すように、本実施形態に係る浴槽装置9においては、前述の第4の実施形態と同様に水流発生装置10が設けられているが、水等の吐出方向が第4の実施形態とは異なっている。すなわち、本実施形態においては、ノズル12は、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5のうち少なくとも1つに向けて、水等を吐出する。
【0060】
例えば、本実施形態においては、ノズル12は浴槽2の背側面2aの下部及び足側面2bの下部の2ヶ所に取り付けられている。そして、ポンプ11が作動することにより、パイプ13及びノズル12を介して、水等を吐出する。このとき、背側面2aの下部に設けられたノズル12からは、揺動上体支持部3及び揺動腰支持部4に向けて水等が吐出される。また、足側面12bの下部に設けられたノズル12からは、揺動足支持部5に向けて水等が吐出される。
【0061】
本実施形態によれば、ノズル12から吐出された水等の勢いによって、揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5を揺動させ、これによって、入浴者の姿勢を積極的に崩すことができる。これにより、入浴者に他動運動させる効果がより増大する。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第4の実施形態と同様である。なお、本実施形態においても、前述の第4の実施形態で説明したように、水流発生装置10に水流制御手段を設け、水流の状態を自動的に変化させるようにしてもよい。このとき、水等が各支持部に向けて吐出される瞬間があることが好ましい。
【0062】
なお、前述の第4及び第5の実施形態において、水流発生装置10は、入浴者M並びに揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5の全てに向けて水等を吐出してもよい。この場合も、水流発生装置10に水流制御手段を設け、ノズル12から吐出する水等の流速、混合比率、吐出方向及び吐出位置などを変化させてもよい。また、前述の第4及び第5の実施形態においては、水流発生装置10は水等を吐出することにより浴槽2内に水流を発生させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、浴槽内の湯Wを機械的に揺動させて水流を発生させてもよい。更に、浴槽装置に必ずしも揺動上体支持部3、揺動腰支持部4及び揺動足支持部5の全てを設ける必要はなく、少なくとも1つの支持部があれば、入浴者の姿勢を変化させて入浴者に他動運動させることができる。
【0063】
次に、前述の第4及び第5の実施形態において記載された水流発生装置の具体例について説明する。
図16は、本具体例における水流発生装置を例示する断面図である。
図16においては、水の流れは実線の矢印で表し、エアーの流れは破線の矢印で表している。
【0064】
図16に示すように、本具体例においては、浴槽2に開口部2dが形成されており、この開口部2dに、水流発生装置60がはめ込まれている。水流発生装置60においては、浴槽2の外面に対して固定される取付部材61が設けられており、取付部材61に支持されて、モーター62が設けられている。モータ62の回転軸63の先端部には、フィン64が取り付けられている。フィン64は、水密的に形成されたポンプ室65内に収納されている。モーター62、回転軸63、フィン64及びポンプ室65により、水流発生装置60のポンプが構成されている。
【0065】
また、ポンプ室65の中心部付近には、パイプ66の一端が連結されており、このパイプ66の他端は、浴槽2の内部まで引き出されている。これにより、ポンプ室65の内部は、パイプ66を介して浴槽2の内部に連通されている。パイプ66の途中には、浴槽2内の湯からゴミを除去するフィルター67が設けられている。
【0066】
更に、ポンプ室65の周辺部には、パイプ68の一端が連結されている。更にまた、水流発生装置60には、一端が浴槽2の外部に引き出されたエアホース69が設けられている。パイプ68の他端及びエアホース69の他端は共にスロート70に連通されており、スロート70において合流している。
【0067】
更にまた、水流発生装置60における浴槽2の内部に露出した部分には、化粧カバー71が設けられている。そして、パイプ66の他端は化粧カバー71と浴槽2との間に配置されており、スロート70の先端は、化粧カバー71を貫通し、化粧カバー71の表面から浴槽2の内部に向けて突出している。
【0068】
次に、上述の如く構成された水流発生装置の動作について説明する。
浴槽2内に湯(水)を入れた状態で、モーター62を作動させると、回転軸63が回転し、フィン64が回転する。この回転の遠心力により、ポンプ室65の中央部の圧力は低下し、周辺部の圧力は増大する。これにより、浴室2内の水がパイプ66を介してポンプ室65内に引き込まれると共に、パイプ68を介してポンプ室65から排出され、スロート70に供給される。このとき、スロート70内の水流により、エアホース69内が負圧となり、外部からエアが引き込まれる。そして、このエアがスロート70に供給される。これにより、スロート70において水とエアとが混合され、泡状の流体となって浴槽2の内部に向けて吐出される。この結果、浴槽2内に水流を発生させることができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態、その変形例及びその具体例を参照しつつ、本発明の特徴を説明したが、本発明はこれらの実施形態、変形例及び具体例に限定されるものではない。すなわち、前述の各実施形態、変形例及び具体例を適宜組み合わせたもの、並びに各実施形態、変形例及び具体例のいずれかに係る浴槽装置に対して、当業者が構成要素の追加、省略又は設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。例えば、1つの浴槽装置において、前述の第2及び第3の実施形態のように支持部の揺動量又は揺動抵抗を調整する調整手段を設け、更に、前述の第4及び第5の実施形態のように水流発生装置を設けてもよい。
【0070】
また、例えば、浴槽装置において、入浴者の頭部を保持するヘッドレストを設けてもよい。これにより、入浴者が後頭部をヘッドレストに押し付ければ、全身が揺動しても、頭部だけは揺動しないようにすることができる。この結果、頭部が揺れることによる不快感がなく、リラックスした状態で運動することができる。また、頭部が揺れないため、高齢者など機敏な補償動作をとることができない人も、快適に安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図である。
【図2】この浴槽装置を例示する分解断面斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る浴槽装置を例示する断面斜視図である。
【図4】本実施形態における揺動腰支持部を例示する斜視分解図である。
【図5】その分解斜視断面図である。
【図6】その下方から見た斜視図である。
【図7】(a)及び(b)は、この揺動腰支持部を例示する透視斜視図であり、(a)は座板の回動量が小さい状態を示し、(b)は座板の回動量が大きい場合を示す。
【図8】(a)及び(b)は、本実施形態における揺動足支持部を例示する斜視図であり、足当板の回動量が大きい状態を示す。
【図9】(a)及び(b)は、本実施形態における揺動足支持部を例示する斜視図であり、足当板の回動量が小さい場合を示す。
【図10】第2の実施形態の変形例における揺動腰支持部を例示する断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る浴槽装置を例示する断面斜視図である。
【図12】本実施形態における揺動腰支持部を例示する分解斜視図である。
【図13】この揺動腰支持部を例示する断面図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る浴槽装置を例示する断面図である。
【図16】本発明の具体例における水流発生装置を例示する断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1、6、7、8、9 浴槽装置、2、 浴槽、2a 背側面、2b 足側面、2c 底面、2d 孔、3 揺動上体支持部、4 揺動腰支持部、5 揺動足支持部、10 水流発生装置、11 ポンプ、12 ノズル、13 パイプ、31 背当板、32 突起、33 孔、34 背当板、39 背当板、41 座板、42 突起、43 孔、44 座板、44a 座部、44b 軸部、44c ストッパー固定用溝、45 面溝、45a 回転軸用穴、45b 回転量調整用溝、46 ストッパー、47 レバー、47a 先端部、47b 突起部、47c 後端部、48a 溝、48b 突起、49 座板、49a 座部、49b 貫通孔、49c 上部、49d 下部、49e 軸、49f 本体部、49g 先端部、49h 回転軸抜止、49i ナット、49j 凹部、49k ネジ、49l ナット、49m ワッシャー、49n バネ、51 足当板、52 突起、53 孔、54 足当板、54a 足置、54b 支点部材、54c ネジ穴、54d 調整ネジ、54e 調整足、59 足当板、60 水流発生装置、61 取付部材、62 モーター、63 回転軸、64 フィン、65 ポンプ室、66 パイプ、67 フィルター、68 パイプ、69 エアホース、70 スロート、71 化粧カバー、M 入浴者、W 湯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
前記浴槽の長手方向一端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動上体支持部、前記浴槽の底面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動腰支持部、及び前記浴槽の長手方向他端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動足支持部からなる群から選択された2以上の支持部と、
を備えたことを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
前記2以上の支持部のうち少なくとも1つの支持部は、前記支持部の揺動量及び揺動抵抗のうち少なくとも一方を調整する調整手段を有することを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項3】
浴槽と、
前記浴槽の長手方向一端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動上体支持部、前記浴槽の底面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動腰支持部、及び前記浴槽の長手方向他端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動足支持部からなる群から選択された1以上の支持部と、
前記浴槽の内部に水流を発生させる水流発生装置と、
を備えたことを特徴とする浴槽装置。
【請求項4】
前記水流発生装置は、前記浴槽内にいる入浴者に向けて、水、エアー又は水及びエアーの混合流体を吐出可能であることを特徴とする請求項3記載の浴槽装置。
【請求項5】
前記水流発生装置は、前記1以上の支持部のうち少なくとも1つに向けて、水、エアー又は水及びエアーの混合流体を吐出可能であることを特徴とする請求項3記載の浴槽装置。
【請求項6】
前記水流発生装置は、前記水流の状態を自動的に変化させる水流制御手段を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−200109(P2008−200109A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36548(P2007−36548)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】