説明

液化石油ガス用バーナー

【課題】液化石油ガス用バーナーにおいて、燃料が燃料カートリッジを出た直後に燃料を気化させることに伴う問題点を解決する。
【解決手段】液状のまま燃料を燃料カートリッジから出し、バーナー部の燃焼領域の直前の領域であるジェネレーター160の加熱領域160Bにおいて、燃料を気化させる。ただし、高温になった燃料ガスが燃料流量コントロール部170のシール部材を破損させるおそれがあるため、燃料ガスが燃料流量コントロール部170に到達するまでに、ジェネレーター160の冷却領域160Cにおいて、燃料ガスを冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナー、特に、LPG(プロパン、ブタンその他の液化石油ガス)を燃料とするバーナーに関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、LPGを燃料とする各種のバーナーが提案されている。
【0003】
その一例として特開平8−100909号公報に記載されたものがある。
【0004】
同公報に記載されたバーナーは、バーナー本体と、バーナー本体に対して取り外し可能に取り付けられた燃料カートリッジと、から構成されている。
【0005】
燃料カートリッジには液体状の液化石油燃料が充填されている。燃料カートリッジとバーナー本体との接続箇所には、燃料の流量を制御する燃料流量コントロール部が配置されており、気化された液化石油ガスはこの燃料流量コントロール部により、流量制御された後、バーナー本体に送られ、燃焼される。
【特許文献1】特開平8−100909公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来のLPG用バーナーには次のような問題点があった。
【0007】
第一に、バーナーの炎の制御が難しいという点である。
【0008】
上述の従来のLPG用バーナーにおいては、燃料が燃料カートリッジ内で気化され、液化石油ガスになり、その後に流量制御が行われる。
【0009】
しかしながら、流量制御が行われる燃料流量コントロール部から、実際に燃焼が行われるバーナー本体の燃焼領域までの距離が比較的長いため、燃料流量コントロール部を閉めても気化した燃料が燃焼領域までの流路間に残存して結局バーナー部で燃え続けてしまうため、制御通りのバーナーの炎のコントロールができなかった。
【0010】
第二に、燃料カートリッジ内のLPGが効率よく気化されないため、十分な燃料供給ができないという点である。
【0011】
燃料カートリッジ内では絶えずLPGが気化し、それよって燃料カートリッジの外部がその気化熱で熱を奪われ周囲が結露したりして凍り付いていき、燃料カートリッジ内の内部温度が更に低下していき、LPGの気化効率も必然的に低下していくため、十分な燃料供給ができなかった。
【0012】
第三に、燃料の流量制御それ自体が困難になることがあるという点である。
【0013】
液体状の液化石油燃料が気化する際には気化熱を奪うため、気化した液化石油ガスが通過する燃料流量コントロール部付近の温度が著しく低下することがある。このため、燃料流量コントロール部を構成する流量制御用ツマミ付近が結露で凍りついて、流量制御用ツマミを回すことが不可能になり、その結果として、燃料の流量制御それ自体が不可能になることがあった。
【0014】
本発明は以上のような従来のLPG用バーナーにおける問題点に鑑みてなされたものであり、燃料の流量制御を適切に行うことを可能にする液化石油ガス用バーナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以下に、「発明の実施の形態」において使用される参照符号を用いて、上述の課題を解決するための手段を説明する。これらの参照符号は、「特許請求の範囲」の記載と「発明の実施の形態」の記載との間の対応関係を明らかにするためにのみ付加されたものであり、「特許請求の範囲」に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いるべきものではない。
【0016】
上記の目的を達成するため、本発明は、液体燃料(201)が充填されている燃料カートリッジ(200)を取り外し可能に取り付けることができ、前記燃料カートリッジ(200)から供給される前記液体燃料(201)を燃焼させる液化石油ガス用バーナー(100)であって、前記燃料カートリッジ(200)の燃料供給口(202)と接続されている燃料輸送パイプ(150)と、一端において前記燃料輸送パイプ(150)と接続されているジェネレーター(160)と、前記ジェネレーター(160)と接続され、気化した前記液化石油ガス(201)の量を制御する燃料流量コントロール部(170)と、前記燃料流量コントロール部(170)を経て制御された量の気化燃料(201)が内部を通過し、空気と混合する支柱(180)と、前記支柱(180)の上端上に位置し、前記気化燃料(201)と前記空気との混合気が外部に噴出するバーナー部(190)と、を備え、前記ジェネレーター(160)は、前記ジェネレーター(160)の内部を通る液体状の燃料(201)が前記バーナー部(190)から噴出する炎の熱によって気化するように、前記バーナー部(190)に近接して配置されている加熱領域(160B)と、気化した前記燃料(201)が前記燃料流量コントロール部(170)に到達するまでに前記燃料(201)の温度を所定温度まで降下させる冷却領域(160C)と、を有しており、前記燃料流量コントロール部(170)は前記冷却領域(160C)の出口と接続されているものである液化石油ガス用バーナー(100)を提供する。
【0017】
例えば、前記冷却領域(160C)においては、前記ジェネレーター(160)の内径、肉厚及び長さのうちの少なくとも何れか一つが、気化した前記燃料(201)の温度が前記所定温度まで降下するように、設定される。
【0018】
前記所定温度は、例えば、前記燃料流量コントロール部(170)に使用されるシール部材としてのOリングを構成する材料の耐熱温度である。
【0019】
前記耐熱温度は、例えば、摂氏220度である。
【0020】
例えば、前記ジェネレーター(160)の内径は3mm、肉厚は0.5mm、前記加熱領域(160B)の長さは37乃至43mm、前記冷却領域(160C)の長さが115乃至120mmに設定される。
【0021】
前記冷却領域(160C)には、放熱用フィンを形成することができる。
【0022】
前記冷却領域(160C)は波形に形成することができる。
【0023】
前記冷却領域(160C)は螺旋状に形成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る液化石油ガス用バーナーにおいては、液化石油燃料は液状のまま燃料カートリッジからバーナーに送られる。液状の液化石油燃料はジェネレーターの加熱領域を通過することにより気化し、その後に、燃料流量コントロール部において流量制御が行われる。
【0025】
すなわち、本発明に係る液化石油ガス用バーナーにおいては、従来のLPG用バーナーのように、燃料が燃料カートリッジを出た直後に燃料を気化させることは行わない。このため、気化した液化石油ガスが気化熱を奪うことに起因する燃料流量コントロール部の流量制御用ツマミの作動不能という問題は完全に解決される。
【0026】
また、本発明に係る液化石油ガス用バーナーにおいては、従来のLPG用バーナーのように、燃料が燃料カートリッジを出た直後に燃料を気化させることは行わずに、燃焼が行われるバーナー部の直前において、燃料を気化させる。このため、気化した燃料が実際の燃焼領域まで進む距離は従来のLPG用バーナーよりもはるかに短い。
【0027】
従って、燃料流量コントロール部により制御された燃料の量とバーナーの炎の強度とが従来のLPG用バーナーよりも正確に対応するため、バーナーの炎の強度をより正確に調節することが可能である。
【0028】
なお、燃焼が行われるバーナー部の直前において燃料を気化させると、高温になった液化石油ガスが燃料流量コントロール部内のシール部材を破損させるおそれがあるが、本発明に係る液化石油ガス用バーナーにおいては、ジェネレーターに冷却領域が設けられており、高温の液化石油ガスはこの冷却領域を通過することにより冷却されるため、液化石油ガスが燃料流量コントロール部内のシール部材を破損させることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100の構造を示す縦断面図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100には、プロパン、ブタンその他の液体状の液化石油燃料(LPG)201が充填されている燃料カートリッジ200が取り付けられている。
【0031】
燃料カートリッジ200は取り外しが可能であり、液化石油燃料201がなくなったときには、液化石油ガス用バーナー100から燃料カートリッジ200を取り外し、新しい燃料カートリッジ200に交換することが可能である。本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100は燃料カートリッジ200から供給される燃料としての液化石油燃料201を燃焼させる。
【0032】
本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100は、バーナー本体110と、バーナー本体110に対して下方に伸縮可能に取り付けられている少なくとも3個の脚部120と、バーナー本体110に対して上方に取り付けられている複数の五徳130と、五徳130に支持されている外輪140と、燃料輸送パイプ150と、逆U字型のジェネレーター160と、燃料流量コントロール部170と、バーナー本体110に対して固定されている支柱180と、バーナー部190と、イグナイター(図示せず)と、を備えている。
【0033】
燃料カートリッジ200はバーナー本体110に対して取り外し可能に取り付けられている。
【0034】
燃料輸送パイプ150は、その一端において、燃料カートリッジ200の燃料供給口202に接続されている。
【0035】
図1に示すように、燃料カートリッジ200は燃料供給口202を下に向けた状態でバーナー本体110に取り付けられている。燃料カートリッジ200内の液化石油燃料201は加圧された状態にあり、液化石油燃料201は液状のまま燃料供給口202を経て燃料輸送パイプ150に送り出される。
【0036】
図2は、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100の一部を拡大して示す部分的拡大図である。
【0037】
図2に示すように、燃料輸送パイプ150の他端はジェネレーター160に接続されている。
【0038】
ジェネレーター160は金属製(例えば、銅製)の中空パイプからなり、図2に示すように、全体として、逆U字型の形状をなしている。
【0039】
ジェネレーター160は、直線状の送油領域160Aと、円弧状の加熱領域160Bと、直線状の冷却領域160Cと、から構成されている。
【0040】
送油領域160Aは下端において燃料輸送パイプ150の他端と接続され、上端において円弧状の加熱領域160Bの一端と接続されている。
【0041】
また、冷却領域160Cは上端において円弧状の加熱領域160Bの他端と接続され、下端において燃料流量コントロール部170と接続されている。
【0042】
図1に示すように、加熱領域160Bはバーナー部190に近接して配置され、バーナー部190から噴出する炎の熱を受けるようになっている。バーナー部190から噴出する炎の熱によって、燃料カートリッジ200から燃料輸送パイプ150及び送油領域160Aを経て加熱領域160Bの内部を通過する液体状の液化石油燃料201は気化し、液化石油ガスになる。
【0043】
送油領域160A及び冷却領域160Cはバーナー部190からは離れて配置されており、バーナー部190から噴出する炎の熱により加熱されることはないように配置されている。
【0044】
加熱領域160Bの内部を通過する間に気化した液化石油ガス201は冷却領域160Cに進む。液化石油ガス201は冷却領域160Cの内部を通過する間に冷却(空冷)され、所定の温度以下に冷却される。このように所定の温度以下に冷却された液化石油ガス201が燃料流量コントロール部170に供給される。
【0045】
図2に示すように、燃料流量コントロール部170はジェネレーター160の冷却領域160Cの下端と支柱180との間に配置されている。
【0046】
ジェネレーター160の冷却領域160Cの下端と支柱180との間には、気化した液化石油ガス201が通過する燃料通路が形成されており、燃料流量コントロール部170は、この燃料通路を開閉する遮蔽部171と、遮蔽部171を時計方向または反時計方向に回転させるハンドル172と、から構成されている。
【0047】
例えば、ハンドル172を時計方向に回転させることにより、遮蔽部171は、ハンドル172の回転角度に応じて、液化石油ガス201が通過する燃料通路を塞ぐ。また、ハンドル172を反時計方向に回転させることにより、遮蔽部171は、ハンドル172の回転角度に応じて、液化石油ガス201が通過する燃料通路を開く。このように、ハンドル172を回転させる方向及び回転量(回転角度)に応じて、燃料通路を通過する液化石油ガス201の量を制御することができるようになっている。
【0048】
支柱180は燃料流量コントロール部170を下端としてその上方に向かって延びており、燃料流量コントロール部170により流量が調節された液化石油ガス201は支柱180の内部に放出され、支柱180の内部を上方に向かって移動する。
【0049】
支柱180には空気取り入れ口(図示せず)が設けられており、液化石油ガス201が支柱180の内部を上方に向かって移動すると、支柱180の内部に負圧が生じ、この負圧の作用により、外部の空気が空気取り入れ口から支柱180の内部に吸引される。支柱180の内部に吸引された空気は液化石油ガス201と混合し、燃料と空気との混合気体となる。
【0050】
バーナー部190は支柱180の上端上に取り付けられており、中空のチャンバーを形成しており、さらに、側壁には複数の小孔が形成されている。
【0051】
支柱180の内部を通過してきた混合気体はバーナー部190の内部のチャンバーに貯留され、その後、バーナー部190の側壁の小孔を介してバーナー部190の外部に放出される。
【0052】
イグナイター(図示せず)はバーナー部190に近接して配置されており、バーナー部190から放出される混合気体に火花を飛ばして、着火させる。着火した混合気体は炎となって、五徳130の上に置かれている被加熱物(鍋、鉄板など)を加熱する。
【0053】
燃料流量コントロール部170においては、遮蔽部171が燃料通路を開閉する際のシール部材としてOリングを使用している。一般的には、このOリングは耐熱フッ素ゴムからつくられている。この耐熱フッ素ゴムの最大耐熱温度は摂氏約220度である。
【0054】
これに対して、燃料輸送パイプ150からジェネレーター160の送油領域160Aを経て加熱領域160Bに進んだ液状の液化石油燃料201は、加熱領域160Bにおいて、バーナー部190から噴出される炎の熱により、最大で摂氏約300度まで加熱される。
【0055】
このため、摂氏約300度に加熱された液化石油ガス201(この状態では既に液化石油燃料201は気化している)がそのまま燃料流量コントロール部170に供給されると、燃料流量コントロール部170に使用されている耐熱フッ素ゴム製のOリングが破損(具体的には、溶融)する結果となる。
【0056】
このような事態を回避するため、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100におけるジェネレーター160には冷却領域160Cが形成されている。
【0057】
加熱領域160Bにおいて加熱された液化石油ガス201は冷却領域160Cにおいて、摂氏220度以下の温度にまで冷却される。このため、燃料流量コントロール部170に供給される液化石油ガス201の温度は摂氏220度以下になっており、燃料流量コントロール部170に使用されている耐熱フッ素ゴム製のOリングの破損を防止することができる。
【0058】
ジェネレーター160の冷却領域160Cは、ジェネレーター160の内径、肉厚及び長さを所定の値に設定することにより、形成されている。
【0059】
図3はジェネレーター160の形状を模式的に示した概略図である。
【0060】
図3に示すように、ジェネレーター160を構成するパイプの外径をD(mm)、肉厚をt(mm)、加熱領域160Bの長さをL1(mm)、冷却領域160Cの長さをL2(mm)とする。
【0061】
発明者は、これらの値を変化させることにより、加熱領域160Bにおいて加熱された液化石油ガス201が冷却領域160Cを通過した後に、どのような温度(すなわち、燃料流量コントロール部170に供給される直前における温度)T(摂氏)を示すかについて実験を行った。実験結果を以下の表1に示す。
【0062】
【表1】

実験例1に示すように、ジェネレーター160を構成するパイプの外径Dを3mm、肉厚tを0.5mm、加熱領域160Bの長さL1を37乃至43mm、冷却領域160Cの長さL2を115乃至120mmと設定することにより、冷却領域160Cの通過後における液化石油ガス201の温度は摂氏約60度になり、摂氏220度以下の温度にまで冷却されることが判明した。
【0063】
また、実験例2に示すように、ジェネレーター160を構成するパイプの外径Dを3mm、肉厚tを0.5mm、加熱領域160Bの長さL1を17乃至23mm、冷却領域160Cの長さL2を53乃至58mmと設定することにより、冷却領域160Cの通過後における液化石油ガス201の温度は摂氏約190度になり、摂氏220度以下の温度にまで冷却されることが判明した。
【0064】
また、実験例3に示すように、ジェネレーター160を構成するパイプの外径Dを4mm、肉厚tを1.0mm、加熱領域160Bの長さL1を32乃至38mm、冷却領域160Cの長さL2を62乃至68mmと設定することにより、冷却領域160Cの通過後における液化石油ガス201の温度は摂氏約200度になり、摂氏220度以下の温度にまで冷却されることが判明した。
【0065】
これに対して、実験例4に示すように、ジェネレーター160を構成するパイプの外径Dを3mm、肉厚tを0.5mm、加熱領域160Bの長さL1を76乃至82mm、冷却領域160Cの長さL2を62乃至68mmと設定することにより、冷却領域160Cの通過後における液化石油ガス201の温度は摂氏約230度になり、摂氏220度以下の温度には冷却されないことが判明した。
【0066】
以上の実験例1−4から明らかであるように、実験例1−3に示した数値を選択することにより、冷却領域160Cの通過後における液化石油ガス201の温度を所望の温度である摂氏220度以下にまで降下させることができ、燃料流量コントロール部170に使用されている耐熱フッ素ゴム製のOリングの破損を防止することが可能になる。
【0067】
なお、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100においては、燃料流量コントロール部170に使用されているOリングは耐熱フッ素ゴム製であるものとしたが、燃料流量コントロール部170に使用されるOリングの材料は耐熱フッ素ゴムには限定されない。他の材料からなるOリングを用いることも可能である。この場合には、その材料の最大耐熱温度に応じて、ジェネレーター160を構成するパイプの外径D、肉厚t、加熱領域160Bの長さL1、冷却領域160Cの長さL2を設定することになる。
【0068】
なお、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100においては、ジェネレーター160の冷却領域160Cは直線状の形状をなしているものとしたが、冷却領域160Cの形状は直線状には限定されない。
【0069】
例えば、冷却領域160Cを波形または螺旋状に形成することにより、直線状の冷却領域160Cと比較して、占有面積当たりの長さを大きくすることが可能である。
【0070】
あるいは、冷却領域160Cの外壁に放熱用のフィンを設けることにより、冷却領域160Cにおける液化石油ガス201の冷却効果を高めることが可能である。
【0071】
また、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100においては、ジェネレーター160を銅製であるものとしたが、ジェネレーター160を他の金属からつくることも可能である。例えば、アルミニウム、銅合金、アルミニウム合金などを用いることができる。
【0072】
また、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100においては、ジェネレーター160を逆U字型の形状を有するものとして構成したが、ジェネレーター160の形状は逆U字型には限定されない。例えば、T字型や「コ」の字型にしてもよく、あるいは、バーナー部190を跨ぐように構成することも可能である。
【0073】
また、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100においては、支柱180は上下方向に延びるものとして構成されているが、支柱180の形状はこれには限定されない。例えば、支柱180は水平方向に寝かせるように構成することも可能である。
【0074】
また、本実施形態に係る液化石油ガス用バーナー100はイグナイター(図示せず)を有するものとして構成されているが、イグナイターを有することは必ずしも必要ではなく、イグナイターを備えないものとして構成することも可能である。この場合には、ユーザーがバーナー部190から噴出される混合気に対してマッチ、ライターその他適当な着火手段を用いて着火を行うことになる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
上述の実施形態においては、液体状のLPG(プロパン、ブタンその他の液化石油ガス)用のバーナーとして本発明に係るバーナーを説明したが、本発明に係るバーナーは液化石油ガスのみならず、ガソリンを燃料として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る液化石油ガス用バーナーの構造を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る液化石油ガス用バーナーの一部を拡大して示す部分的拡大図である。
【図3】ジェネレーターの形状を模式的に示した概略図である。
【符号の説明】
【0077】
100 本発明の一実施形態に係る液化石油ガス用バーナー
110 バーナー本体
120 脚部
130 五徳
140 外輪
150 燃料輸送パイプ
160 ジェネレーター
160A 送油領域
160B 加熱領域
160C 冷却領域
170 燃料流量コントロール部
171 遮蔽部
172 ハンドル
180 支柱
190 バーナー部
200 燃料カートリッジ
201 液化石油燃料
202 燃料供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料が充填されている燃料カートリッジを取り外し可能に取り付けることができ、前記燃料カートリッジから供給される前記液体燃料を燃焼させる液化石油ガス用バーナーであって、
前記燃料カートリッジの燃料供給口と接続されている燃料輸送パイプと、
一端において前記燃料輸送パイプと接続されているジェネレーターと、
前記ジェネレーターと接続され、気化した前記液化石油ガスの量を制御する燃料流量コントロール部と、
前記燃料流量コントロール部を経て制御された量の気化燃料が内部を通過し、空気と混合する支柱と、
前記支柱の上端上に位置し、前記気化燃料と前記空気との混合気が外部に噴出するバーナー部と、
を備え、
前記ジェネレーターは、前記ジェネレーターの内部を通る液体状の燃料が前記バーナー部から噴出する炎の熱によって気化するように、前記バーナー部に近接して配置されている加熱領域と、気化した前記燃料が前記燃料流量コントロール部に到達するまでに前記燃料の温度を所定温度まで降下させる冷却領域と、を有しており、
前記燃料流量コントロール部は前記冷却領域の出口と接続されているものである液化石油ガス用バーナー。
【請求項2】
前記冷却領域においては、前記ジェネレーターの内径、肉厚及び長さのうちの少なくとも何れか一つが、気化した前記燃料の温度が前記所定温度まで降下するように、設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液化石油ガス用バーナー。
【請求項3】
前記所定温度は、前記燃料流量コントロール部に使用されるシール部材としてのOリングを構成する材料の耐熱温度であることを特徴とする請求項1または2に記載の液化石油ガス用バーナー。
【請求項4】
前記耐熱温度は摂氏220度であることを特徴とする請求項3に記載の液化石油ガス用バーナー。
【請求項5】
前記ジェネレーターの内径は3mm、肉厚は0.5mm、前記加熱領域の長さは37乃至43mm、前記冷却領域の長さが115乃至120mmであることを特徴とする請求項2に記載の液化石油ガス用バーナー。
【請求項6】
前記冷却領域には、放熱用フィンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液化石油ガス用バーナー。
【請求項7】
前記冷却領域は波形に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液化石油ガス用バーナー。
【請求項8】
前記冷却領域は螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液化石油ガス用バーナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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