説明

温度検知ユニット及び摩耗状態検知装置

【課題】制輪子の摩耗限界を非接触状態で正確に検知することができる温度検知ユニット及び摩耗状態検知装置を提供する。
【解決手段】この温度検知ユニット50は、記録した識別情報を図示しない読取装置による読み取り時に電波として発信するICチップ(情報記録媒体)8、及び読取装置との間で電波の授受を行うアンテナ10を基板5に実装したRFIDタグ(非接触情報記録媒体)40と、RFIDタグ8、又は/及びアンテナ10に所定以上の高熱を伝達してこれらの機能を喪失させる金属部(熱伝達手段)1と、RFIDタグ40を挟み込んだ状態で内部に中空9を有する樹脂部6、7と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度検知ユニット及び摩耗状態検知装置に関し、さらに詳しくは、車輪を制動するブレーキシューの摩耗限界を電気的に検知する検知技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電鉄車両には車輪を制動するために、1つの車輪に1つ以上の制輪子(ブレーキシュー)が取り付けられており、この制輪子は車輪との摩擦により車輪を制動するため、使用過程で摩耗してくる。また、制輪子にはこれ以上使用すると制動性能が著しく低下する摩耗限界線が設けられている。そこで、電鉄会社等では、保線区において各車両の制輪子が摩耗限界線に達しているか否かを定期的に目視によりチェックしている。しかし、従来の目視によるチェックでは、車輪に付着した油や鉄粉等により、車輪が汚れて摩耗限界線が隠れてしまい、摩耗限界に達したか否かを正しく判断ができなかった。また、仮に摩耗限界線が目視可能で、まだ摩耗限界線に達していないと確認した場合でも、安全性を優先するために早めに制輪子を交換してしまうといったことが多かった。
また、特許文献1には、ICタグに内蔵する回路の少なくとも一部が制輪子が摩耗限界に達したときに物理的に破壊されるように構成し、ICタグに内蔵する回路が破壊されたときに識別信号を発信する機能が失われて、送受信装置が識別信号を受信できなくすることにより、制輪子が摩耗限界に達したことを検知する摩耗検知装置及び摩耗検知システムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−250383公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている従来技術においては、例えば、UHF帯の電波を使用したICタグの場合、アンテナの一部が破壊されても識別信号を発信することが可能であるため、摩耗限界を正確に検知できなかったという問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、制輪子が摩耗限界に達したときに、車輪と温度検知ユニットの金属部が接触するように構成し、この金属部を介して伝達する摩擦熱により温度検知ユニットの機能を喪失させることにより、制輪子の摩耗限界を非接触状態で正確に検知することができる温度検知ユニット及び摩耗状態検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、記録した識別情報を読取装置による読み取り時に電波として発信する情報記録媒体、及び該読取装置との間で電波の授受を行うアンテナを備えた非接触情報記録媒体と、前記情報記録媒体、又は/及び前記アンテナに所定以上の高熱を伝達してこれらの機能を喪失させる熱伝達手段と、を備えたことを特徴とする。
非接触情報記録媒体は、外部の読取装置から放射された電波又は磁界を電力に変換して、情報記録媒体に記録している識別情報をアンテナを介して読取装置に送信する。従って、非接触情報記録媒体と読取装置間は電波(又は磁界)により非接触に交信が可能である。本発明では、更に、情報記録媒体、又は/及びアンテナに所定以上の高熱を伝達してこれらの機能を喪失させる熱伝達手段を備える。即ち、読取装置と非接触情報記録媒体間で識別情報の交信が正常に行なわれている間は、情報記録媒体、又は/及びアンテナに所定以上の高熱が伝達されなかったと判断し、逆に、読取装置と非接触情報記録媒体間で識別情報の交信が正常に行なわれない場合は、情報記録媒体、又は/及びアンテナに所定以上の高熱が伝達されたと判断する。これにより、非接触情報記録媒体に高熱の伝達が行なわれたか否かを非接触状態で電気的に検知することができる。
【0006】
請求項2は、前記非接触情報記録媒体は、所定以上の高熱により溶断する金属製の連設部材により前記情報記録媒体と前記アンテナとを接続した構成を備え、前記熱伝達手段は、前記連設部材と近接配置された熱伝達部を備えていることを特徴とする。
情報記録媒体に記録されている識別情報は、アンテナを介して電波、又は磁界を読取装置に放射することにより交信が行なわれる。従って、情報記録媒体とアンテナの接続を何らかの方法で遮断すると、アンテナから電波、又は磁界が放射されなくなる。そこで本発明では、所定以上の高熱により溶断する金属製の連設部材により情報記録媒体とアンテナとを接続する。そして連設部材を熱伝達部に近接配置して、そこに高熱が伝達されると連設部材を溶断させて、情報記録媒体とアンテナの接続を遮断する。これにより、高熱が発生すると確実に情報記録媒体とアンテナの接続を遮断して、高熱の発生を迅速に、且つ正確に検出することができる。
【0007】
請求項3は、請求項1、又は2に記載の温度検知ユニットを備えた固定側の第1の部材と、該第1の部材と摺擦する可動側の第2の部材と、を備え、該第1の部材が摩耗限界まで摩耗したときに前記熱伝達手段の少なくとも一部が前記第2の部材と接触するように構成し、該接触により発生した摩擦熱を前記熱伝達手段を介して前記非接触情報記録媒体に伝達することを特徴とする。
本発明の温度検知ユニットは、情報記録媒体、又は/及びアンテナに所定以上の高熱を伝達してこれらの機能を喪失させる熱伝達手段を備えている。従って、この温度検知ユニットを、例えば、固定側の第1の部材に配置する。そのとき重要なことは、第1の部材の摩耗限界を電気的に検知するために、第1の部材が摩耗限界まで摩耗したときに、熱伝達手段の少なくとも一部が第2の部材と接触するように構成することである。例えば、熱伝達手段をアルミ等の金属で構成した場合、第2の部材と接触することにより摩擦熱が発生し、その摩擦熱を熱伝達手段を介して非接触情報記録媒体に伝達させ、その熱により機能を喪失させるものである。これにより、第1の部材の摩耗限界を外部から非接触で、且つ電気的に検出することができる。
【0008】
請求項4は、前記第1の部材は電鉄車両の車輪を制動する制輪子であり、前記第2の部材は前記車輪であることを特徴とする。
本発明の温度検知ユニットを電鉄車両の制輪子の摩耗状態を検知する手段に応用する場合、固定側の制輪子は第1の部材とし、可動側の車輪は第2の部材とする。即ち、温度検知ユニットを制輪子に配置する。そのとき重要なことは、制輪子の摩耗限界を電気的に検知するために、制輪子が摩耗限界まで摩耗したときに、熱伝達手段の少なくとも一部が車輪と接触するように構成することである。例えば、熱伝達手段をアルミ等の金属で構成した場合、車輪と接触することにより摩擦熱が発生し、その摩擦熱を熱伝達手段を介して非接触情報記録媒体に伝達させ、その熱により機能を喪失させるものである。これにより、制輪子の摩耗限界を外部から非接触で、且つ電気的に検出することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、読取装置と非接触情報記録媒体間で識別情報の交信が正常に行なわれている間は、情報記録媒体、又は/及びアンテナに所定以上の高熱が伝達されなかったと判断し、逆に、読取装置と非接触情報記録媒体間で識別情報の交信が正常に行なわれない場合は、情報記録媒体、又は/及びアンテナに所定以上の高熱が伝達されたと判断するので、非接触情報記録媒体に高熱の伝達が行なわれたか否かを非接触状態で電気的に検知することができる。
また、連設部材を熱伝達部に近接配置して、そこに高熱が伝達されると連設部材を溶断させて情報記録媒体とアンテナの接続を遮断するので、高熱が発生すると確実にアンテナの機能を喪失させて、高熱の発生を迅速に、且つ正確に検出することができる。
また、第1の部材が摩耗限界まで摩耗したときに、熱伝達手段の少なくとも一部が第2の部材と接触するように構成することで摩擦熱が発生し、その摩擦熱を熱伝達手段を介して非接触情報記録媒体に伝達させて機能を喪失させるので、第1の部材の摩耗限界を外部から非接触で、且つ電気的に検出することができる。
また、固定側の制輪子を第1の部材とし、可動側の車輪を第2の部材とするので、車輪による制輪子の摩耗限界を外部から非接触で、且つ電気的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る温度検知ユニットの外形を表す図である。
【図2】RFIDタグ40の機能を高熱により喪失させるための、ICチップ8とアンテナ10の構成を示す図である。
【図3】本発明の温度検知ユニットを車輪を制動する制輪子に取り付けた例を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係る摩耗状態検知装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明に係る温度検知ユニットの外形を表す図である。図1(a)は側断面図、図1(b)は上カバーを外した状態を示す上面図である。この温度検知ユニット50は、記録した識別情報を図示しない読取装置による読み取り時に電波として発信するICチップ(情報記録媒体)8、及び読取装置との間で電波の授受を行うアンテナ10を基板5に実装したRFIDタグ(非接触情報記録媒体)40と、ICチップ8、又は/及びアンテナ10に所定以上の高熱を伝達してこれらの機能を喪失させる金属部(熱伝達手段)1と、RFIDタグ40を挟み込んだ状態で内部に中空部9を有する樹脂部6、7と、を備えて構成されている。尚、金属部1には、突起部(熱伝達部)2を有し、この例では突起部2にICチップ8が近接配置されている。また、樹脂部6、7は、金属部1に固定するための固定孔4a、4bが空けられ、図示しないボルトにより金属部1と固定される。また、温度検知ユニット50を後述する制輪子41に固定するための固定孔3a、3bが空けられ、図示しないボルトにより制輪子41と固定される。
即ち、RFIDタグ40は、外部の読取装置から放射された電波又は磁界を電力に変換して、ICチップ8に記録している識別情報をアンテナ10を介して読取装置に送信する。従って、RFIDタグ40と読取装置間は電波(又は磁界)により非接触に交信が可能である。本実施形態では、更に、ICチップ8、又は/及びアンテナ10に所定以上の高熱を伝達してこれらの機能を喪失させる金属部1を備える。即ち、読取装置とRFIDタグ40間で識別情報の交信が正常に行なわれている間は、ICチップ8、又は/及びアンテナ10に所定以上の高熱が伝達されなかったと判断し、逆に、読取装置とRFIDタグ40間で識別情報の交信が正常に行なわれない場合は、ICチップ8、又は/及びアンテナ10に所定以上の高熱が伝達されたと判断する。これにより、高熱の伝達が行なわれたか否かを非接触状態で電気的に検知することができる。
【0012】
図2はRFIDタグ40の機能を高熱により喪失させるための、ICチップ8とアンテナ10の構成を示す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。図2(a)に示すRFIDタグ40aは、所定以上の高熱により溶断する金属製の連設部材11、12によりICチップ8とアンテナ10、15とをパッド14、13を介して接続した構成を備え、連設部材11、12は突起部2と近接配置されている。
また、図2(b)に示すRFIDタグ40bは、ICチップ8を突起部2から離して、連設部材11、12だけを突起部2に近接配置した構成である。この構成では、熱に弱い半導体部品であるICチップ8を熱が発生する突起部2から遠ざけておくことにより、通常動作でICチップ8が熱により加熱されることを防止して、ICチップ8の信頼性を高めることができる。
即ち、ICチップ8に記録されている識別情報は、アンテナ10を介して電波、又は磁界を読取装置に放射することにより交信が行なわれる。従って、ICチップ8とアンテナ10、15の接続を何らかの方法で遮断すると、アンテナ10、15から電波、又は磁界が放射されなくなる。そこで本実施形態では、所定以上の高熱により溶断する金属製の連設部材11、12によりICチップ8とアンテナ10、15とを接続する。そして連設部材11、12を突起部2に近接配置して、そこに高熱が伝達されると連設部材11、12を溶断させて、ICチップ8とアンテナ10、15の接続を遮断する。これにより、高熱が発生すると確実にICチップ8とアンテナ10、15の接続を遮断して、高熱の発生を迅速に、且つ正確に検出することができる。
【0013】
また、図2(c)に示すRFIDタグ40cは、ICチップ8とアンテナ10、15を接続する連設部材18、17を高熱により溶断しない金属で構成し、ICチップ8を突起部2に近接配置した構成である。この構成では、熱に弱い半導体部品であるICチップ8を熱が発生する突起部2に近接配置することにより、突起部2に高熱が発生すると、ICチップ8が熱破壊されて、結果的に、アンテナ10、15から電波、又は磁界が放射されなくなるように構成した。
図2(d)に示すRFIDタグ40dは、アンテナをループアンテナ19として、その両端をRFIDタグ8に接続し、ループアンテナ19の中間点を所定以上の高熱により溶断する金属製の連設部材20により接続し、連設部材20を突起部2に近接配置した構成である。ループアンテナ19は、ループ内を電波又は磁界が横切ることによりループアンテナ19を介して情報の授受が可能となる。従って、ループアンテナ19のループが1箇所でも遮断されると、アンテナの機能を果たさなくなる。本実施形態では、これを利用して、ループアンテナ19の少なくとも1箇所を所定以上の高熱により溶断する金属製の連設部材20で構成して、高熱が発生すると連設部材20を溶断してループアンテナ19の機能を喪失させるものである。
【0014】
図3は本発明の温度検知ユニットを車輪を制動する制輪子に取り付けた例を説明する図である。図3(a−1)は制輪子が摩耗する以前の正面図であり、図3(a−2)はその側面図であり、図3(a−3)はA部拡大図である。また、図3(b−1)は制輪子が摩耗した後の正面図であり、図3(b−2)はその側面図であり、図3(b−3)はA部拡大図である。
制輪子41は、制輪子41をブレーキに取り付けるための取付部25を有する背板26と、摩擦用の成形物27a、27bとを備えて構成されている。そして、制輪子41には、これ以上摩耗すると制動性能が著しく低下することを知らせるための摩耗限界線24が記されている。温度検知ユニット50は、制輪子41の側面にボルトにより固定される。図3(a−1)では、成形物27a、27bは殆ど摩耗していないため、図3(a−3)のように温度検知ユニット50の金属部1は車輪28と接触することはない。即ち、この状態では、ブレーキをかける度に成形物27a、27bで発生する摩擦熱が金属部1を介して温度検知ユニット50に伝達されるが、成形物27a、27bの熱容量が大きいため、温度検知ユニットの機能を喪失させるまでの温度には達しない。即ち、一般的に、ブレーキを動作させた時の車輪の温度は、初速95Km/hで約180℃になり、その時の制輪子の温度は約40℃となるデータがある。従って、通常のブレーキ動作では温度検知ユニット50の機能を喪失させることはない。
次に、図3(b−1)のように、成形物27a、27bが摩耗限界線24の近傍まで摩耗した場合、制輪子41に固定された温度検知ユニット50の金属部1が車輪28に接触する。それにより、金属部1は、図3(b−3)のように車輪28との摩擦により1a部が削られ、その時の摩擦熱が金属部1を伝達して温度検知ユニットの機能を喪失させる。例えば、高速試験(初速約100km/h以上)を実施した場合に金属部1が200℃以上になることを確認している。また、初速125km/hからの制動で250℃以上になることが確認されている。この温度は、RFIDタグ8を熱破壊するのに十分な温度であり、また、連設部材11、12を溶断させるにも十分な温度である。
【0015】
図4は本発明の実施形態に係る摩耗状態検知装置の概略構成図である。同じ構成要素には図3と同じ参照番号を付して説明する。この摩耗状態検知装置60は、車輪28と当接させることにより発生する摩擦により車輪28を制動する制輪子41に温度検知ユニット50を配置し、制輪子41が摩耗限界まで摩耗したときに、金属部1の少なくとも一部が車輪28と接触することにより発生する熱を、金属部1を介して温度検知ユニット50に伝達するように構成した。そして、レール31の近傍に送受信装置32を配置して、保守点検の時期が到来した車両30を保線区に敷設したレール31上で移動させ、送受信装置32から放射された電波33を温度検知ユニット50が受信する。このとき、制輪子41が摩耗限界線24まで摩耗していない場合は、RFIDタグ8に記録されている識別情報を発信するので、送受信装置32は、この車両30の制輪子41はまだ使用可能であると判断する。逆に、制輪子41が摩耗限界線24まで摩耗している場合は、ICチップ8に記録されている識別情報を発信することができないので、送受信装置32は、この車両30の制輪子41は使用不可であると判断して、新しい制輪子に交換する。また、制輪子ごとに異なる識別情報を与えておき、車両ごとに識別情報と車輪番号を対応付けたテーブルを用意しておくことにより、車輪単位に制輪子の摩耗状態を判定することができる。
【0016】
本実施形態の温度検知ユニット50は、ICチップ8、又は/及びアンテナ10に所定以上の高熱を伝達してこれらの機能を喪失させる金属部1を備えている。従って、この温度検知ユニット50を、例えば、車輪28と当接することにより発生する摩擦により車輪を制動する制輪子(ブレーキシュー)41に配置する。そして、重要なことは、制輪子41の摩耗限界を電気的に検知するために、制輪子41が摩耗限界まで摩耗したときに、金属部1の少なくとも一部が車輪28と接触するように構成することである。例えば、金属部1をアルミ等で構成した場合、車輪28と接触することにより摩擦熱が発生し、その摩擦熱を金属部1を介して温度検知ユニット50に伝達させ、その熱により機能を喪失させるものである。これにより、制輪子41の摩耗限界を外部から非接触で、且つ電気的に検出することができる。
以上の説明では、本発明の温度検知ユニット50を電鉄車両の制輪子が摩耗限界まで摩耗したか否かを検知する摩耗状態検知装置に適用したが、回転体を制動する制動部を有する機器であれば、どのようなものにも本発明の温度検知ユニット50を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0017】
1 金属部、2 突起部、3、4 取付孔、5 基板、6、7 樹脂部、8 ICチップ、9 中空部、10、15 アンテナ、11、12、17、18、20 連設部材、13、14、16 パッド、24 摩耗限界線、25 取付部、26 背板、27 成形物、28 車輪、29 フランジ、30 車両、31 レール、32 送受信装置、33 電波、40 RFIDタグ、41 制輪子、50 温度検知ユニット、60 摩耗状態検知装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録した識別情報を読取装置による読み取り時に電波として発信する情報記録媒体、及び該読取装置との間で電波の授受を行うアンテナを備えた非接触情報記録媒体と、前記情報記録媒体、又は/及び前記アンテナに所定以上の高熱を伝達してこれらの機能を喪失させる熱伝達手段と、を備えたことを特徴とする温度検知ユニット。
【請求項2】
前記非接触情報記録媒体は、所定以上の高熱により溶断する金属製の連設部材により前記情報記録媒体と前記アンテナとを接続した構成を備え、
前記熱伝達手段は、前記連設部材と近接配置された熱伝達部を備えていることを特徴とする温度検知ユニット。
【請求項3】
請求項1、又は2に記載の温度検知ユニットを備えた固定側の第1の部材と、該第1の部材と摺擦する可動側の第2の部材と、を備え、該第1の部材が摩耗限界まで摩耗したときに前記熱伝達手段の少なくとも一部が前記第2の部材と接触するように構成し、該接触により発生した摩擦熱を前記熱伝達手段を介して前記非接触情報記録媒体に伝達することを特徴とする摩耗状態検知装置。
【請求項4】
前記第1の部材は電鉄車両の車輪を制動する制輪子であり、前記第2の部材は前記車輪であることを特徴とする請求項3に記載の摩耗状態検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−196750(P2010−196750A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40696(P2009−40696)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】