説明

測位システム、情報提供装置、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】端末装置が正確な時計や標準電波を受信するための専用のハードウエアを持つ必要がないにもかかわらず、時刻精度の高い時刻情報を取得することができる測位システム等を提供すること。
【解決手段】情報提供装置20は、衛星時刻情報に基づいて、外部イベント発生のタイミングを補正する外部タイミング信号補正手段と、外部イベントを送信した時の衛星時刻を示す送信時刻情報を生成する送信時刻情報生成手段等を有し、端末装置50は、外部イベントの受信と、内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成手段と、イベント間クロック数情報に基づいて、外部イベントの受信と、内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成手段と、送信時刻情報及び時差情報に基づいて、内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成手段等を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位衛星からの信号を利用して測位する測位システム、情報提供装置、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
GPS受信機は、例えば、現在時刻において観測可能な4個のGPS衛星からの信号に基づいて、信号が各GPS衛星から発信された時刻とGPS受信機に到達した時刻との差(以後、遅延時間と呼ぶ)によって、各GPS衛星とGPS受信機との間の距離(以後、擬似距離と呼ぶ)を求める。そして、現在時刻における各GPS衛星の位置を各GPS衛星の軌道情報(以後、エフェメリスと呼ぶ)によって算出し、各GPS衛星の軌道上の位置と、上述の擬似距離を使用して、現在位置の測位演算を行うようになっている。この測位演算によって、例えば、緯度、経度及び高度からなる測位位置を取得することができる。
上述のように、GPSを利用した測位においては、時刻が必須である。ところが、正確な時刻を計測する時計を保持し、かつ、その正確な時刻を維持するためには、コスト及び電力消費の負担が大きい。
これに関して、GPS受信機の電源投入時において、RTC(リアルタイムクロック)から入手した時刻情報、又は、標準電波から取得した時刻情報に基づいて、観測可能なGPS衛星を算出することによって、初期測位時間を短縮する技術が提案されている(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開2002−90441号公報(図2等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、RTCは前回GPSの電源を落としたときからのカウントを数えて現在時刻を算出するものであるから、RTCの時刻は、観測可能なGPS衛星を算出するために使用する時刻精度は有するが、測位するための時刻としては時刻精度が不十分である場合があるという問題がある。また、標準電波を受信するためには、例えば、携帯電話機の通信装置とは異なるアンテナ及びハードウエアが別途必要になる。
【0004】
そこで、本発明は、端末装置が正確な時計や標準電波を受信するための専用のハードウエアを持つ必要がないにもかかわらず、時刻精度の高い時刻情報を取得することができる測位システム、情報提供装置、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報提供装置と、を有する測位システムであって、前記情報提供装置は、予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を生成する外部タイミング信号生成手段と、前記衛星信号に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す衛星時刻情報を生成する衛星時刻情報生成手段と、前記衛星時刻情報に基づいて、前記外部イベント発生のタイミングを補正する外部タイミング信号補正手段と、前記外部イベントを送信した時の前記衛星時刻を示す送信時刻情報を生成する送信時刻情報生成手段と、を有し、前記端末装置は、前記情報提供装置と通信する通信手段と、予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック数記録手段と、前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成手段と、前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成手段と、前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成手段と、を有することを特徴とする測位システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記情報提供装置は、前記外部タイミング信号補正手段を有するから、前記衛星時刻情報に基づいて、前記外部イベントの発生タイミングを補正することができる。これにより、前記情報提供装置は、例えば、前記衛星時刻の1秒ごとに前記外部イベントが発生する前記外部タイミング信号を生成することができる。
また、前記情報提供装置は、前記送信時刻情報生成手段によって、前記外部イベントに対応する前記衛星時刻を示す送信時刻情報を生成することができる。
そして、前記情報提供装置は、前記端末装置と通信可能であるから、前記端末装置に対して、前記外部タイミング信号及び前記送信時刻情報を送信することができる。
【0007】
一方、前記端末装置は、前記通信手段によって、前記外部タイミング信号を受信することができる。
そして、前記端末装置は、前記イベント間クロック数情報生成手段によって、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生との間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成することができる。
【0008】
そして、前記端末装置は、前記時差情報生成手段を有するから、前記時差情報を生成することができる。前記時差情報は、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示している。このため、例えば、前記外部イベントの受信が先で、前記内部イベントの発生が後の場合には、前記外部イベントを受信してから前記時差情報に示される時間が経過した時点で、前記内部イベントが発生する。したがって、特定の前記外部イベントの受信時刻が既知であれば、その時刻と前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を算出することができる。
【0009】
この点、前記端末装置は、前記通信手段によって、前記送信時刻情報を受信することができる。ここで、前記端末装置は、前記送信時刻情報に示される時刻を、前記外部イベントの受信時刻であるとみなす。
そして、前記端末装置は、前記内部時刻情報生成手段を有するから、前記送信時刻情報と前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成することができる。
前記時差情報は、前記クロック発生手段の単位時間当たりのクロック数を多くすることによって、前記衛星時刻の時刻精度と同等の時刻精度を有するようにすることができる。
このため、前記内部時刻情報に示される時刻は、前記衛星時刻と同等の精度を有すると言える。
ここで、前記外部タイミング信号及び前記送信時刻情報は、例えば、携帯電話の電波に乗せて送信することができるから、前記端末装置は前記通信装置を有すれば受信することができ、専用のハードウエアを持つ必要はない。
これにより、前記測位システムによれば、前記端末装置は、正確な時計や標準電波の受信のための専用のハードウエアを持つ必要がないにもかかわらず、時刻精度の高い時刻情報を取得することができる。
【0010】
前記目的は、第2の発明によれば、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う端末装置と通信可能な情報提供装置であって、予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を生成する外部タイミング信号生成手段と、前記衛星信号に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す衛星時刻情報を生成する衛星時刻情報生成手段と、前記衛星時刻情報に基づいて、前記外部イベント発生のタイミングを補正する外部タイミング信号補正手段と、前記外部イベントを送信した時の前記衛星時刻を示す送信時刻情報を生成する送信時刻情報生成手段と、前記端末装置に対して、前記外部タイミング信号を送信する外部タイミング信号送信手段と、前記端末装置に対して、前記送信時刻情報を送信する送信時刻情報送信手段と、を有することを特徴とする情報提供装置によって達成される。
【0011】
第2の発明の構成によれば、前記端末装置に対して、前記端末装置が前記内部イベントを発生する時刻を算出するための基礎となる、前記外部タイミング信号及び前記送信時刻情報を提供することができる。
【0012】
前記目的は、第3の発明によれば、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う端末装置であって、外部と通信する通信手段と、前記測位衛星の時刻によって計測された予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を受信する外部タイミング信号受信手段と、前記測位衛星の時刻によって計測された前記外部イベントの送信時刻を示す送信時刻情報を受信する送信時刻情報受信手段と、予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック発生手段と、前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成手段と、前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成手段と、前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0013】
第3の発明の構成によれば、第1の発明の構成の端末装置と同様に、前記端末装置は、専用のハードウエアを持つ必要がないにもかかわらず、時刻精度の高い時刻情報を取得することができる。
【0014】
第4の発明は、第3の発明の構成において、前記クロック発生手段にドリフトが発生しないという条件において、連続する2つの前記外部イベントを受信する間において発生することが予定されるクロック数を示す予定クロック数情報と、連続する2つの前記外部イベントを受信する間における実際のクロック数を示す実クロック数情報を生成する実クロック数情報生成手段と、前記予定クロック数情報及び前記実クロック数情報に基づいて、前記クロック発生手段のドリフトを示すドリフト情報を生成するドリフト情報生成手段と、前記ドリフト情報に基づいて、前記イベント間クロック数情報を補正して補正クロック数情報を生成する補正クロック数情報生成手段と、を有し、前記時差情報生成手段は、前記補正クロック数情報に基づいて、前記時差情報を生成する構成となっていることを特徴とする端末装置である。
【0015】
前記クロック発生手段が発生する単位時間当たりのクロック数は、温度によって偏移する。この単位時間当たりのクロック数の偏移をドリフトと呼ぶ。
前記ドリフトが発生すると、前記イベント間クロック数情報に示されるクロック数は、前記予定クロック数と乖離する。
ここで、前記時差情報生成手段が、ドリフトを計算に入れることなく前記イベント間クロック数情報に基づいて前記時差情報を生成すると、前記時差情報の精度は劣化し、前記内部時刻情報の精度も劣化する。
この点、第4の発明の構成によれば、前記端末装置は、補正クロック数情報生成手段を有するから、前記ドリフト情報に基づいて、前記イベント間クロック数情報を補正して補正クロック数情報を生成することができる。
そして、前記時差情報生成手段は、前記補正クロック数情報に基づいて、前記時差情報を生成する構成となっているから、前記時差情報に示される時間は正確な時間となる。さらに、前記時差情報が正確であるから、前記内部時刻情報も正確な時刻を示す。
これにより、前記ドリフトが発生しても、前記内部時刻情報生成手段は、正確な前記内部時刻情報を生成することができる。
【0016】
前記目的は、第5の発明によれば、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う測位手段と、通信手段と、予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック発生手段と、を有する端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を受信する外部タイミング信号受信ステップと、前記端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された前記外部イベントの送信時刻を示す送信時刻情報を受信する送信時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成ステップと、前記端末装置が、前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成ステップと、前記端末装置が、前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成ステップと、を有することを特徴とする端末装置の制御方法によって達成される。
【0017】
第5の発明の構成によれば、第3の発明の構成と同様に、前記端末装置は、専用のハードウエアを持つ必要がないにもかかわらず、時刻精度の高い時刻情報を取得することができる。
【0018】
前記目的は、第6の発明によれば、コンピュータに、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う測位手段と、通信手段と、予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック発生手段と、を有する端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を受信する外部タイミング信号受信ステップと、前記端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された前記外部イベントの送信時刻を示す送信時刻情報を受信する送信時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成ステップと、前記端末装置が、前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0019】
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う測位手段と、通信手段と、予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック発生手段と、を有する端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を受信する外部タイミング信号受信ステップと、前記端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された前記外部イベントの送信時刻を示す送信時刻情報を受信する送信時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成ステップと、前記端末装置が、前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成ステップと、前記端末装置が、前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録した記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る測位システム10等を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、端末50を有する。端末50は端末GPSアンテナ55aによって、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c及び12dからの信号である信号S1,S2,S3及びS4を受信し、信号S1等に基づいて測位を行うことができる。この端末20は、端末装置の一例である。信号S1等は衛星信号の一例である。
端末50は、端末通信アンテナ58aによって、後述のサーバ20からの信号を受信することができる。
【0022】
図1に示すように、測位システム10は、サーバ20を有する。サーバ20は、専用回線40及び基地局45を介して、端末50と通信可能である。このサーバ20は、情報提供装置の一例である。
サーバ20は、サーバGPSアンテナ26aによって、GPS衛星12a等から信号S1等を受信することができる。
また、サーバ20は、サーバ通信アンテナ29aによって、サーバ PPS(Puls per second)及び送信時刻情報160を送信することができる。サーバPPSは、例えば、GPS衛星12a等の時刻(以後、GPS時刻と呼ぶ)で計測した1秒(s)間隔において発生する方形波(以後、イベントと呼ぶ)によって構成される。GPS時刻で計測した1秒(s)間隔は、予め規定した時間間隔の一例である。サーバPPSのイベントは、外部イベントの一例である。そして、サーバPPSは、外部タイミング信号の一例である。送信時刻情報160は、送信時刻情報の一例である。
本実施の形態において、サーバ20と端末50は、その間の信号の伝搬遅延を実用上無視できる程度に、近接しているものとする。
【0023】
端末20は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であるが、これらに限らない。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は、3個でもよいし、5個以上でもよい。
【0024】
(サーバ20の主なハードウエア構成について)
図2はサーバ20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、サーバ20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス21を有する。
このバス21には、CPU(Central Processing Unit)22、記憶装置23、外部記憶装置24等が接続されている。記憶装置23は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。外部記憶装置24は例えば、HDD(Hard Disk Drive)等である。
【0025】
また、このバス21には、各種情報等を入力するための入力装置25、サーバGPS装置26、サーバ計時装置27等が接続されている。サーバ計時装置27は、サーバPPS生成装置28を含む。サーバPPS生成装置28は、上述のサーバPPSを生成するための構成である。すなわち、サーバPPS生成装置28は、外部タイミング信号生成手段の一例である。後述のように、サーバPPSは、GPS時刻で計測した1秒(s)間隔のパルス信号である。また、サーバ計時装置27が計時する時刻は、GPS時刻と差がない状態に維持されている。
このため、サーバ20は、サーバ計時装置27によって、サーバPPSの特定のイベントが発生した正確な時刻を示す情報を取得することができる。
なお、本明細書において、時刻精度が高いという表現や、時刻が正確であるという表現は、GPS時刻との乖離が小さいことを意味する。また、時間が正確であるという表現は、GPS時刻に基づいて計測した時間との乖離が小さいことを意味する。
また、このバス21には、サーバ通信装置29及び各種情報等を表示する表示装置30が接続されている。
【0026】
(端末50の主なハードウエア構成について)
図3は端末50の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、端末50は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス51を有する。
このバス51には、CPU52、記憶装置53、入力装置54、端末GPS装置55、端末計時装置56等が接続されている。端末計時装置56は、端末PPS生成装置57を含む。端末PPS生成装置57は、1秒(s)間ごとの時間間隔において発生するイベントで構成される端末PPSを生成するための構成である。1秒間は、予め規定した時間間隔の一例である。端末PPS装置57が発生するイベントは、内部イベントの一例である。端末PPSは、端末タイミング信号の一例である。そして、端末PPS装置57は、端末タイミング信号生成手段の一例である。この端末PPSは、端末内部のタイミング信号である。ただし、端末PPSは、GPS時刻の1秒間隔のパルス信号であるとは限らない。また、端末計時装置56が計時する時刻は、GPS時刻と差がない状態に維持されているとは限らない。
このため、端末50は、端末計時装置56によっては、端末PPSの特定のイベントが発生した正確な時刻を示す情報を取得することはできない。
また、このバス51には、時差カウンタ装置58が接続されている。時差カウンタ装置58は、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するための構成である。この時差カウンタ装置58は、クロック発生手段の一例である。時差カウンタ装置58は、例えば、GPS時刻の1秒間を基準として、54.912MHzに設定されている。
また、このバス51には、サーバ20と通信するための端末通信装置59、及び、表示装置60が接続されている。端末通信装置59は、通信手段の一例である。
端末50は、端末通信装置59によって、サーバPPS及び送信時刻情報160(図4参照)を受信する。すなわち、端末通信装置59は、外部タイミング信号受信手段の一例であり、送信時刻情報受信手段の一例でもある。
【0027】
(サーバ20の主なソフトウエア構成について)
図4は、サーバ20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、サーバ20は、各部を制御するサーバ制御部100、図2のサーバGPS装置26に対応するサーバGPS部102、サーバ通信装置29に対応するサーバ通信部104、サーバ計時装置27に対応するサーバ計時部106、サーバPPS生成装置28に対応するサーバPPS生成部108等を有する。
サーバ20は、また、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部110、各種情報を格納するサーバ第2記憶部150を有する。
【0028】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第2記憶部150に衛星軌道情報152を格納している。衛星軌道情報152は、アルマナック154及びエフェメリス156を含む。
アルマナック154は、すべてのGPS衛星12a等(図1参照)の概略の軌道を示す情報である。アルマナック154は、いずれのGPS衛星12a等の信号S1等からも、デコードして取得することができる。アルマナック154の有効期間は、例えば、7日間であり、サーバ20は、7日間ごとにアルマナック154を更新している。
エフェメリス156は、各GPS衛星12a等(図1参照)の精密な軌道を示す情報である。例えば、GPS衛星12aのエフェメリス156を取得するためには、GPS衛星12aからの信号S1を受信し、デコードして取得する必要がある。エフェメリス156の有効期間は、例えば、4時間(h)であり、サーバ20は、4時間(h)ごとにエフェメリス156を更新している。
【0029】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、GPS時刻情報生成プログラム112を格納している。GPS時刻情報生成プログラム112は、サーバ制御部100が、GPS時刻情報158を生成するためのプログラムである。すなわち、GPS時刻情報生成プログラム112とサーバ制御部100は、衛星時刻情報生成手段の一例である。
具体的には、サーバ制御部100は、サーバGPS部102によって受信した信号S1等に基づいて、サーバ20の位置と共にサーバ計時部106の時刻誤差を算出し、その時刻誤差とサーバ計時部106の時刻に基づいて、GPS時刻情報158を生成する。
サーバ制御部100は、GPS時刻情報158をサーバ第2記憶部150に格納する。
【0030】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、サーバ時計補正プログラム114を格納している。サーバ時計補正プログラム114は、サーバ制御部100が、GPS時刻情報158に基づいて、サーバ計時部106の時刻を補正して、GPS時刻と差がない状態にするためのプログラムである。すなわち、サーバ時計補正プログラム114とサーバ制御部100は、時刻補正手段の一例である。
【0031】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、サーバPPS補正プログラム116を格納している。サーバPPS補正プログラム116は、サーバ制御部100が、GPS時刻情報158に基づいて、サーバPPSのイベントP1等(図6参照)の発生タイミングを補正するためのプログラムである。すなわち、サーバPPS補正プログラム116とサーバ制御部100は、外部タイミング信号補正手段の一例である。
具体的には、サーバ制御部100は、GPS時刻で計測した1秒間隔においてイベントP1等を発生するように、サーバPPS生成部108を制御する。
【0032】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、送信時刻情報生成プログラム118を格納している。送信時刻情報生成プログラム118は、サーバ制御部100が、特定のイベントP1等を送信した時のGPS時刻を示す送信時刻情報160を生成するためのプログラムである。すなわち、送信時刻情報生成プログラム118とサーバ制御部100は、送信時刻情報生成手段の一例である。
例えば、サーバ制御部100は、GPS時刻に同期したサーバ計時部106によって、イベントP1を送信した時刻ts1(図6参照)を示す送信時刻情報160を生成する。
サーバ制御部100は、生成した送信時刻情報160をサーバ第2記憶部150に格納する。
【0033】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、サーバPPS送信プログラム120を格納している。サーバPPS送信プログラム120は、サーバ制御部100が、端末20に対して、サーバPPSを送信するためのプログラムである。すなわち、サーバPPS送信プログラム120とサーバ制御部100は、外部タイミング信号送信手段の一例である。
【0034】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、サーバ時刻情報送信プログラム122を格納している。サーバ時刻情報送信プログラム122は、サーバ制御部100が、端末20に対して、送信時刻情報160を送信するためのプログラムである。すなわち、サーバ時刻情報送信プログラム122とサーバ制御部100は、送信時刻情報送信手段の一例である。
なお、サーバ20は、例えば、UDP(User Datagram Protocol)というプロトコルによって、端末20を含む複数の端末に対して送信する。
【0035】
(端末50の主なソフトウエア構成について)
図5は、端末50の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図5に示すように、端末50は、各部を制御する端末制御部200、図3の端末GPS装置55に対応する端末GPS部202、端末通信装置59に対応する端末通信部204、端末計時装置56に対応する端末計時部206、端末PPS生成装置57に対応する端末PPS生成部207、時差カウンタ装置58に対応する時差カウンタ部208等を有する。
端末50は、また、各種プログラムを格納する端末第1記憶部210、各種情報を格納する端末第2記憶部250を有する。
【0036】
図5に示すように、端末50は、端末第2記憶部250に衛星軌道情報252を格納している。衛星軌道情報252は、アルマナック254及びエフェメリス256を含む。
【0037】
図5に示すように、端末50は、端末第1記憶部210に、測位プログラム212を格納している。測位プログラム212は、端末制御部200が、端末GPS部202を制御して信号S1を受信し、その信号S1等に基づいて、現在位置を示す現在位置情報258を生成するためのプログラムである。
現在位置情報258は、現在位置を、例えば、緯度、経度及び高度で示す情報である。
端末制御部200は、生成した現在位置情報258を端末第2記憶部252に格納する。
【0038】
図5に示すように、端末50は、端末第1記憶部210に、サーバPPS受信プログラム214を格納している。サーバPPS受信プログラム214は、端末制御部200が、端末通信部204を制御してサーバPPSを受信するためのプログラムである。すなわち、サーバPPS受信プログラム214と端末制御部200及び端末通信部204は、外部タイミング信号受信手段の一例である。
【0039】
図5に示すように、端末50は、端末第1記憶部210に、送信時刻情報受信プログラム216を格納している。送信時刻情報受信プログラム216は、端末制御部200が端末通信部204を制御して送信時刻情報160(図4参照)を受信するためのプログラムである。すなわち、送信時刻情報受信プログラム216と端末制御部200及び端末通信部204は、送信時刻情報受信手段の一例である。
端末制御部200は、受信した送信時刻情報160を端末側送信時刻情報260として、端末第2記憶部250に格納する。
【0040】
図5に示すように、端末50は、端末第1記憶部210に、クロック数情報生成プログラム218を格納している。クロック数情報生成プログラム218は、端末制御部200が、サーバPPSの特定のイベントの受信と、端末PPSのイベントの発生の間の時間間隔内において、時差カウンタ装置58(図3参照)が発生するクロック数dCを示すクロック数情報262を生成するためのプログラムである。このクロック数情報262は、イベント間クロック数情報の一例である。そして、クロック数情報生成プログラム220と端末制御部200は、イベント間クロック数情報生成手段の一例である。
具体的には、端末制御部200は、時差カウンタ装置58(図3参照)の起動及び停止を制御して、時差カウンタ装置58の起動と停止の間に発生したクロック数dCを示すクロック数情報262を生成する。
例えば、端末制御部200は、サーバPPSのイベントを受信した時に時差カウンタ装置58を起動し、その直後の端末PPSのイベントを受信した時に時差カウンタ装置58を停止する。また、端末制御部200は、端末PPSのイベントを受信した時に時差カウンタ装置58を起動し、その直後のサーバPPSのイベントを受信した時に時差カウンタ装置58を停止する。
このように、端末制御部200は、サーバPPS又は端末PPSのいずれかのイベントを受信した時に時差カウンタ装置58を起動し、その直後に端末PPS又はサーバPPSのイベントを受信した時に時差カウンタ装置58を停止する。
【0041】
図6は、サーバPPS等を示す図である。
端末制御部200は、例えば、サーバPPSのイベントP1を受信した時に、時差カウンタ装置58を起動し、その直後の端末PPSのイベントQ1を発生した時に、時差カウンタ装置58を停止する。
【0042】
例えば、図6のサーバPPSのイベントP1を受信したときと、端末PPSのイベントQ1を受信したときの間において、時差カウンタ装置58は作動してクロックを発生して記録しているから、端末制御部200は時差カウンタ装置58からそのクロック数dCを示すクロック数情報262を取得する。
端末制御部200は、生成したクロック数情報262を端末第2記憶部250に格納する。
【0043】
図5に示すように、端末50は、端末第1記憶部210に、時差情報生成プログラム220を格納している。時差情報生成プログラム220は、端末制御部200が、クロック数情報262に基づいて、サーバPPSの特定の特定のイベントの受信と、端末PPSのイベントの発生の間の時間(時差)dtを示す時差情報264を生成するためのプログラム である。この時差情報264は、時差情報の一例である。そして、時差情報生成プログラム220と端末制御部200は、時差情報生成手段の一例である。
例えば、時差カウンタ装置58の周波数H1が、54.912MHzであるとすれば、1クロック(クロックの発生間隔)は18.21ナノ秒(ns)である。このため、端末制御部200は、クロック数dCに18.21ナノ秒(ns)を乗じて、時差dtを示す時差情報264を生成する。時差情報dtの精度は、クロックの発生間隔である18.21ナノ秒(ns)である。
端末制御部200は、生成した時差情報264を端末第2記憶部250に格納する。
【0044】
図5に示すように、端末50は、端末第1記憶部210に、端末時刻情報生成プログラム222を格納している。端末時刻情報生成プログラム222は、端末制御部200が、端末側送信時刻情報260及び時差情報264に基づいて、例えば、端末PPSのイベントQ1の発生時刻である端末時刻tmを示す端末時刻情報266を生成するためのプログラムである。端末時刻tmは内部時刻の一例である。そして、端末時刻情報生成プログラム222と端末制御部200は、内部時刻情報生成手段の一例である。
【0045】
図7は、端末時刻tm等を示す図である。
端末制御部200は、例えば、送信時刻ts1に時差dtを加えて、端末時刻tmを算出する。なお、上述のように、伝搬遅延は無視し得るから、例えば、サーバ20がサーバPPSのイベントP1(図6参照)を送信した時刻は、端末50がイベントP1を受信した時刻であるとみなす。
端末制御部200は、生成した端末時刻情報266を端末第2記憶部250に格納する。
【0046】
測位システム10は、上述のように構成されている。
上述のように、サーバ20は、GPS時刻情報158(図4参照)に基づいて、サーバPPS生成装置28(図2参照)が生成するサーバPPSの発生タイミングを補正し、GPS時刻で計測した1秒(s)ごとに、サーバPPSのイベントが発生するようにすることができる。
また、サーバ20は、サーバPPSの特定の各イベントに対応するGPS時刻を示す送信時刻情報160(図4参照)を生成することができる。
そして、サーバ20は、端末50に対して、サーバPPS及び送信時刻情報160を送信することができる。
【0047】
一方、端末50は、サーバPPS及び送信時刻情報160を受信することができる。
そして、端末50は、サーバPPSの特定の外部イベントの受信と、端末PPSのイベントの発生との間におけるクロック数を示すクロック数情報262(図5参照)を生成することができる。
そして、端末50は、クロック数情報262に基づいて、時差情報264(図5参照)を生成することができる。時差情報264は、サーバPPSの特定のイベントの受信と、端末PPSのイベントの発生との間の時間を示している。これは、例えば、サーバPPSの特定のイベントを受信してから時差情報264に示される時間である時差dtが経過した時点で、端末PPSのイベントが発生することを意味する。このため、サーバPPSの特定のイベントの受信時刻が既知であれば、その時刻と時差情報264に基づいて、端末PPSのイベントが発生する時刻を算出することができる。
【0048】
この点、上述のように、端末50は、サーバ20から、送信時刻情報160を受信することができる。送信時刻情報160は、サーバPPSの特定のイベントを送信した時のGPS時刻を示す。ここで、本実施の形態においては、サーバPPSの特定のイベントの受信時刻を、そのイベントの送信時刻と同一であるとみなすことができる程度に、端末50とサーバ20は近接しているから、サーバ20と端末50との間の伝搬遅延については、無視し得る。このため、端末側送信時刻情報260に示される送信時刻ts1は、端末50が、サーバPPSの特定のイベントを受信した時刻であるとみなす。
【0049】
そして、端末50は、端末側送信時刻情報260と時差情報264に基づいて、端末PPSのイベントの発生時刻を示す端末時刻情報266(図5参照)を生成することができる。
時差情報264は、時差カウンタ装置58の単位時間当たりのクロック数を多くすることによって、GPS時刻の時刻精度と同等の時刻精度を有するようにすることができる。
このため、端末時刻情報266に示される時刻は、GPS時刻と同等の精度を有する。
【0050】
ここで、サーバ20は、上述のサーバPPS及び送信時刻情報160を、例えば、携帯電話網の電波に乗せて送信することができるから、端末50は端末通信装置59によって受信することができ、専用のハードウエアを持つ必要はない。
これにより、測位システム10によれば、端末50は、正確な時計や標準電波を受信するための専用のハードウエアを持つ必要がないにもかかわらず、時刻精度の高い時刻情報を取得することができる。
【0051】
端末50は、精度の高い端末時刻情報266を測位に使用することができる。
上述のように、時差情報dtの誤差範囲は、クロックの発生間隔である例えば、18.21ナノ秒(ns)である。そして、端末50とサーバ20との距離が例えば、3キロメートル(km)であれば、伝搬遅延は約0.01ミリ秒(ms)であるから、端末時刻情報266の誤差範囲は、約18.21ナノ秒(ns)+0.01ミリ秒(ms)である。一方、GPS衛星12a等の信号S1に載っている、測位用の符号である例えば、C/Aコードは1023チップで構成され、1ミリ秒(ms)間隔で送信されている。
このように、端末時刻情報266の誤差範囲は、C/Aコードの送信間隔よりも十分に小さい。このため、端末50は、C/Aコードを迅速に特定することができる。
さらに、端末時刻情報266の誤差範囲は、C/Aコードの送信間隔よりも十分に小さいから、C/Aコードの一部を解析してC/Aコードを一層迅速に特定することもできる。例えば、端末50は、C/Aコードの1023チップの一部である10チップを解析することでC/Aコードを特定することができる。これにより、C/Aコードのすべてのチップを解析する場合に比べて、C/Aコードの特定に要する時間を1023分の10に短縮することができる。
さらに、端末50は、正確な端末時刻情報266を測位前から有しているから、端末50自身の時刻誤差は、測位においては既知である。このため、測位演算における未知数が一つ減るから、端末50は測位時間を短縮することができる。
【0052】
以上が本実施の形態に係る測位システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図8を使用して説明する。
図8は、測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0053】
まず、端末50は、サーバ20から、サーバPPS及び送信時刻情報160を受信する(ステップ図8のステップST1)。このステップST1は、外部タイミング信号受信ステップの一例であり、また、送信時刻情報受信ステップの一例でもある。
【0054】
続いて、端末50は、時差カウンタ装置58(図3参照)の作動を開始する(ステップST2)。
続いて、端末50は、端末PPSのイベントを発生する(ステップST3)。
続いて、端末50は、時差カウンタ装置58を停止する(ステップST4)。
続いて、端末50は、クロック数情報262(図5参照)を生成する(ステップST5)。
上述のステップST2乃至ステップST5は、イベント間クロック数情報生成ステップの一例である。
【0055】
続いて、端末50は、時差情報264(図5参照)を生成する(ステップST6)。このステップST6は、時差情報生成ステップの一例である。
【0056】
続いて、端末50は、端末時刻情報266(図5参照)を生成する(ステップST7)。このステップST7は、内部時刻情報生成ステップの一例である。
【0057】
以上で説明したように、測位システム10によれば、端末50は、専用のハードウエアを持つ必要がないにもかかわらず、時刻精度の高い時刻情報を取得することができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の測位システム10A(図1参照)について説明する。第2の実施の形態の測位システム10Aの構成は、上記第1の実施の形態の測位システム10と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第2の実施の形態の測位システム10Aにおける端末50Aは、第1の実施の形態における端末50と異なり、時差カウンタ装置58(図3参照)のドリフトを算出する。ここでドリフトとは、温度変化による発振周波数の変化を意味する。
端末50Aは、時差カウンタ装置58のドリフトを計算に入れることによって、より高精度の時刻情報を取得することができる。
【0059】
図9は、端末50Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図10は、サーバPPS等を示す図である。
図9に示すように、端末50Aは、端末第2記憶部250に、予定クロック数C1を示す予定クロック数情報268を格納している。予定クロック数情報268は、ドリフトが発生しないという条件において、GPS時刻の1秒(s)間、すなわち、サーバPPSの連続する2つのイベントを受信する間において発生することが予定されるクロック数である。
【0060】
図9に示すように、端末50Aは、端末第1記憶部210に、実クロック数情報生成プログラム224を格納している。実クロック数情報生成プログラム224は、端末制御部200が、サーバPPSの連続する2つのイベントを受信した間における実際のクロック数である実クロック数C2を示す実クロック数情報270を生成するためのプログラムである。すなわち、実クロック数情報生成プログラム224と端末制御部200は、実クロック数情報生成手段の一例である。
例えば、端末制御部200は、サーバPPSの特定のイベントP01を受信した時に時差カウンタ装置58の作動を開始し、それに続くイベントP02を受信した時に時差カウンタ装置58の作動を停止する。
そして、端末制御部200は、時差カウンタ装置58から、イベントP01とそれに続くイベントP02との間のクロック数を示す実クロック数情報270を取得する。サーバPPSは、GPS時刻の1秒(s)間隔ごとに発生するタイミング信号であるから、実クロック数情報226は、GPS時刻の1秒(s)間における実際のクロック数を示している。
【0061】
図9に示すように、端末50Aは、端末第1記憶部210に、ドリフト情報生成プログラム226を格納している。ドリフト情報生成プログラム226は、端末制御部200が、予定クロック数情報268と実クロック数情報270に基づいて、時差カウンタ装置58(図3参照)のドリフトdrを示すドリフト情報272を生成するためのプログラムである。すなわち、ドリフト情報生成プログラム226と端末制御部200は、ドリフト情報生成手段の一例である。
具体的には、端末制御部200は、図10に示すように、予定クロック数C1から、実クロック数C2を減算して、ドリフトdrを算出する。
端末制御部200は、生成したドリフト情報272を端末第2記憶部250に格納する。
【0062】
図9に示すように、端末50Aは、端末第1記憶部210に、補正クロック数情報生成プログラム228を格納している。補正クロック数情報生成プログラム228は、端末制御部200が、ドリフト情報272に基づいて、クロック数情報262を補正して、補正クック数dCRを示す補正クロック数情報274を生成するためのプログラムである。すなわち、補正クロック数情報生成プログラム228と端末制御部200は、補正クロック数情報生成手段の一例である。
具体的には、端末制御部200は、dCR=dC+(dC÷C1)×drという式に基づいて、補正クロック数dCRを算出し、補正クロック数情報274を生成する。
この補正クロック数情報274は、時差カウンタ装置58(図3参照)のドリフトがない場合のクロック数を示している。
【0063】
端末制御部200は、時差情報生成プログラム220Aによって、補正クロック数情報274に基づいて、時差情報264を生成する構成となっている。
上述のように、補正クロック数情報274は、時差カウンタ装置58(図3参照)のドリフトがない場合のクロック数を示している。
このため、補正クロック数dCRにクロック発生の間隔時間である例えば、18.21nsを乗じることによって、正確な時差情報264を生成することができる。
そして、時差情報264が正確であるから、端末時刻情報266もまた、正確な情報となる。
【0064】
以上が本実施の形態に係る測位システム10Aの構成であるが、以下、その動作例を主に図11及び図12を使用して説明する。
図11及び図12は、測位システム10Aの動作例を示す概略フローチャートである。
【0065】
まず、端末20Aは、サーバPPSの特定のイベントP01(図10参照)を受信する(図11のステップST101)。
続いて、端末20Aは、時差カウンタ装置58の作動を開始する(ステップST102)。
続いて、端末20Aは、イベントP01(図10参照)の次のサーバPPSのイベントP02を受信する(ステップST103)。
続いて、端末20Aは、時差カウンタ装置59の作動を停止する(ステップST104)。
【0066】
続いて、端末20Aは、実クロック数情報270を生成する(ステップST105)。
続いて、端末20Aは、ドリフト情報272を生成する(ステップST106)。
図12のステップST107乃至ステップST111は、第1の実施の形態のステップST1乃至ステップST5(図8参照)と同様であるから、説明を省略する。
ステップST111に続いて、端末20Aは、補正クロック数情報274(図9参照)を生成する(図12のステップST112)。
【0067】
続いて、端末20Aは、補正クロック数情報274に基づいて、時差情報264を生成する。
【0068】
上述のように、補正クロック数情報274は、時差カウンタ装置58(図3参照)のドリフトがない場合のクロック数を示している。
このため、補正クロック数dCRにクロック発生の間隔時間である例えば、18.21nsを乗じることによって、一層正確な時差情報264を生成することができる。
そして、時差情報264が正確であるから、端末時刻情報266もまた、一層正確な情報となる。
【0069】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の外部タイミング信号受信ステップと、送信時刻情報受信ステップと、イベント間クロック数情報生成ステップと、時差情報生成ステップと、内部時刻情報生成ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0070】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewritable)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0071】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係る測位システムを示す概略図である。
【図2】サーバの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】サーバの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図5】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図6】サーバPPS等の一例を示す図である。
【図7】送信時刻等の一例を示す図である。
【図8】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図9】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図10】サーバPPSの一例を示す概略図である。
【図11】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図12】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
10,10A・・・測位システム、12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、20・・・サーバ、50,50A・・・端末、112・・・GPS時刻情報生成プログラム、114・・・サーバ時計補正プログラム、116・・・サーバPPS補正プログラム、118・・・送信時刻情報生成プログラム、120・・・サーバPPS送信プログラム、122・・・サーバ時刻情報送信プログラム、212・・・測位プログラム、214・・・サーバPPS受信プログラム、216・・・送信時刻情報受信プログラム、218・・・クロック数情報生成プログラム、220・・・時差情報生成プログラム、222・・・端末時刻情報生成プログラム、224・・・実クロック数情報生成プログラム、226・・・ドリフト情報生成プログラム、228・・・補正クロック数情報生成プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う端末装置と、
前記端末装置と通信可能な情報提供装置と、
を有する測位システムであって、
前記情報提供装置は、
予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を生成する外部タイミング信号生成手段と、
前記衛星信号に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す衛星時刻情報を生成する衛星時刻情報生成手段と、
前記衛星時刻情報に基づいて、前記外部イベント発生のタイミングを補正する外部タイミング信号補正手段と、
前記外部イベントを送信した時の前記衛星時刻を示す送信時刻情報を生成する送信時刻情報生成手段と、
を有し、
前記端末装置は、
前記情報提供装置と通信する通信手段と、
予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、
単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック数記録手段と、
前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成手段と、
前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成手段と、
前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成手段と、
を有することを特徴とする測位システム。
【請求項2】
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う端末装置と通信可能な情報提供装置であって、
予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を生成する外部タイミング信号生成手段と、
前記衛星信号に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す衛星時刻情報を生成する衛星時刻情報生成手段と、
前記衛星時刻情報に基づいて、前記外部イベント発生のタイミングを補正する外部タイミング信号補正手段と、
前記外部イベントを送信した時の前記衛星時刻を示す送信時刻情報を生成する送信時刻情報生成手段と、
前記端末装置に対して、前記外部タイミング信号を送信する外部タイミング信号送信手段と、
前記端末装置に対して、前記送信時刻情報を送信する送信時刻情報送信手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う端末装置であって、
外部と通信する通信手段と、
前記測位衛星の時刻によって計測された予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を受信する外部タイミング信号受信手段と、
前記測位衛星の時刻によって計測された前記外部イベントの送信時刻を示す送信時刻情報を受信する送信時刻情報受信手段と、
予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、
単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック発生手段と、
前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成手段と、
前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成手段と、
前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項4】
前記クロック発生手段にドリフトが発生しないという条件において、連続する2つの前記外部イベントを受信する間において発生することが予定されるクロック数を示す予定クロック数情報と、
連続する2つの前記外部イベントを受信する間における実際のクロック数を示す実クロック数情報を生成する実クロック数情報生成手段と、
前記予定クロック数情報及び前記実クロック数情報に基づいて、前記クロック発生手段のドリフトを示すドリフト情報を生成するドリフト情報生成手段と、
前記ドリフト情報に基づいて、前記イベント間クロック数情報を補正して補正クロック数情報を生成する補正クロック数情報生成手段と、
を有し、
前記時差情報生成手段は、前記補正クロック数情報に基づいて、前記時差情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う測位手段と、通信手段と、予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック発生手段と、を有する端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を受信する外部タイミング信号受信ステップと、
前記端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された前記外部イベントの送信時刻を示す送信時刻情報を受信する送信時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成ステップと、
を有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う測位手段と、通信手段と、予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック発生手段と、を有する端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を受信する外部タイミング信号受信ステップと、
前記端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された前記外部イベントの送信時刻を示す送信時刻情報を受信する送信時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて測位を行う測位手段と、通信手段と、予め規定した時間間隔において発生する内部イベントによって構成される端末タイミング信号を生成する端末タイミング信号生成手段と、単位時間当たり予め規定した数のクロックを発生し、発生したクロック数を記録するクロック発生手段と、を有する端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された予め規定した時間間隔において発生する外部イベントによって構成される外部タイミング信号を受信する外部タイミング信号受信ステップと、
前記端末装置が、前記測位衛星の時刻によって計測された前記外部イベントの送信時刻を示す送信時刻情報を受信する送信時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記外部タイミング信号の前記外部イベントの受信と、前記端末タイミング信号の前記内部イベントの発生の間におけるクロック数を示すイベント間クロック数情報を生成するイベント間クロック数情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記イベント間クロック数情報に基づいて、前記外部イベントの受信と、前記内部イベントの発生の間の時間を示す時差情報を生成する時差情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記送信時刻情報及び前記時差情報に基づいて、前記内部イベントの発生時刻を示す内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−329739(P2006−329739A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151896(P2005−151896)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】