説明

点灯装置およびそれを用いた照明装置

【課題】利便性の高い点灯装置およびそれを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、電力が供給されると点灯する点灯負荷2と、点灯負荷2を点灯させる点灯装置3とを備える。点灯装置3は、点灯負荷2へ電力を供給する電力供給部31と、電力供給部31を制御するマイコン33とを備える。マイコン33は、電力供給部31から点灯負荷2への供給電力の電力値を設定する点灯制御部333と、外部電源5と電力供給部31との間の通電を遮断可能なスイッチ34による所定時間以下の一時的遮断を検出する遮断検出部334とを備える。点灯制御部333は、遮断検出部334で一時的遮断が検出された場合に、電力供給部31から点灯負荷2への供給電力を規定値に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯負荷を点灯させる点灯装置およびそれを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明光源としてLED(Light Emitting Diode)が普及してきている。これに伴い、照明装置は低コスト化および高機能化が要求されている。
【0003】
LEDは、白熱電球や放電灯よりも光色を自由にコントロールしやすく、これにより、状況に応じた調光および調色制御のLED照明装置も多く開発されてきている(例えば特許文献1参照)。特にRGB3種類のLED出力を個別に調光制御を行うことによって、色再現性の高い照明装置を実現することができる。
【0004】
ところで、点灯状態を可変して多数のLEDを同時に点灯させる調光システムでは、調光レベルの誤差によって所望の調光レベルにならないという問題があった。すなわち、複数の点灯装置に単一の調光信号を送る場合、各点灯装置での読み込み誤差で調光誤差が生じるのである。
【0005】
このような調光信号の読み込み誤差を小さくするためには、調光信号専用の信号線(調光信号線)によって調光信号を各点灯装置へ伝送する4線式調光が有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−171006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このような点灯装置はさまざまな場所に設置されるが、点灯装置の全てに調光信号線を接続すると施工コストがかかるので省略されることがある。
【0008】
このように調光信号線を省略した場合、点灯装置への調光信号の入力はなくなるため、点灯負荷の点灯状態は一定となる。調光信号線の省略時の点灯状態が空間演出に適していれば問題はないが、点灯状態が適していないと違和感を生じさせることになる。このため、点灯装置の電源を遮断して点灯負荷を消灯させるなどの制御を行うことになる。本来ならば、調光機能のない低コストの点灯装置で置き換えることが考えられるが、色味が一致しないなどの新たな問題があった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みて為された発明であり、本発明の目的は、利便性の高い点灯装置およびそれを用いた照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の点灯装置は、点灯負荷へ電力を供給する電力供給部と、点灯制御内容を示す点灯制御信号に応じて前記電力供給部から前記点灯負荷への供給電力の電力値を連続的に変更する点灯制御部と、外部電源と前記電力供給部との間の通電を遮断可能な通電遮断部による所定時間以下の一時的遮断を検出する遮断検出部とを備え、前記点灯制御部は、前記遮断検出部で前記一時的遮断が検出された場合に、予め決められた規定値へ前記供給電力を変更することを特徴とする。
【0011】
この点灯装置において、前記点灯制御信号の有無を当該点灯制御信号の電圧レベルから検出する信号検出部を備え、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号の入力がないと前記信号検出部で検出された場合に、前記遮断検出部の検出結果に応じて前記供給電力を前記規定値へ変更することが好ましい。
【0012】
この点灯装置において、前記点灯負荷は、複数色の光を発する光源であり、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号に応じて前記点灯負荷の光色を変更するように前記供給電力を設定する一方、前記遮断検出部で前記一時的遮断が検出された場合に、前記点灯負荷が予め決められた光色になるように前記供給電力を変更することが好ましい。
【0013】
この点灯装置において、前記点灯制御信号は、位相調光の導通位相角であり、前記点灯制御部は、前記導通位相角に応じて前記点灯負荷を連続的に調光するように前記供給電力を設定することが好ましい。
【0014】
この点灯装置において、前記点灯制御部は、前記一時的遮断が発生した後に通電が再開した場合、前記供給電力を徐々に増加させて所定の電力値へ移行させることが好ましい。
【0015】
この点灯装置において、前記点灯負荷は、複数色の光を発する光源であり、前記点灯制御部は、前記一時的遮断が発生した後に通電が再開した場合、前記点灯負荷の光色を一定に保ちながら前記供給電力を徐々に増加させて前記所定の電力値へ移行させることが好ましい。
【0016】
この点灯装置において、前記遮断検出部が前記一時的遮断と検出する前記所定時間は、0.2秒以上2秒未満であることが好ましい。
【0017】
この点灯装置において、前記信号検出部は、前記一時的遮断の前に検出した検出結果を当該一時的遮断中も維持することが好ましい。
【0018】
本発明の照明装置は、前記点灯装置と、前記点灯装置から電力が供給されると点灯する点灯負荷とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、点灯制御信号に応じた点灯制御と通電遮断部の動作に応じた点灯制御とのどちらも行うことができるので、利便性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係る照明装置の回路図である。
【図2】同上に係る照明装置において、調光信号に対する色温度および光束を示す特性図である。
【図3】(a)は同上に係る照明装置の状態遷移図、(b)は同上に係る照明装置の変形例の状態遷移図、(c)は同上に係る照明装置の他の変形例の状態遷移図である。
【図4】同上に係る照明装置の動作の一例を示すタイムチャートである。
【図5】同上に係る照明装置の変形例において、調光信号に対する色温度および光束を示す特性図である。
【図6】実施形態2に係る照明装置の動作の一例を示すタイムチャートである。
【図7】実施形態3に係る照明装置において、調光信号に対する色温度および光束を示す特性図である。
【図8】実施形態4に係る照明装置の回路図である。
【図9】同上に係る照明装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図10】同上に係る照明装置において、調光信号に対する色温度および光束を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の実施形態1〜4では、点灯負荷を点灯させる点灯装置およびそれを用いた照明装置について説明する。
【0022】
(実施形態1)
実施形態1に係る照明装置1は、図1に示すように、複数色の光を発する点灯負荷2と、点灯負荷2を点灯させる点灯装置3とを備えている。点灯装置3の入力側には外部電源5が接続され、点灯装置3の出力側には点灯負荷2が接続されている。
【0023】
外部電源5は、例えば商用電源などの交流電源であり、交流電力を点灯装置3に供給する。
【0024】
点灯負荷2は、互いに光色が異なる複数種類のLED21,22,23で構成されている。具体的には、点灯負荷2は、第1のLED21と、第2のLED22と、第3のLED23とを備えている。第1のLED21と第2のLED22と第3のLED23との各々は、点灯装置3から直流電力が供給されると点灯する。第1のLED21と第2のLED22と第3のLED23との各々への供給電力の組み合わせによって、点灯負荷2は、複数色の光を発することができる。すなわち、点灯負荷2は、第1のLED21の光と第2のLED22の光と第3のLED23の光とが混色した光を放射する。
【0025】
点灯装置3は、点灯負荷2へ直流電力を供給する電力供給部31と、調光器4から調光信号を受け取る調光入力部32と、電力供給部31から点灯負荷2への供給電力の電力値を設定するマイコン33とを備えている。また、点灯装置3は、外部電源5と電力供給部31との間に挿入されるスイッチ34の両端の通電状態を検出する検出回路35を備えている。
【0026】
電力供給部31は、整流器311と、DC/DCコンバータ312と、コンデンサ313と、複数(図示例では3つ)のDC/DCコンバータ314,315,316とを備え、点灯負荷2へ直流電力を供給する。
【0027】
整流器311は、例えばダイオードブリッジなどであり、外部電源5からの交流電圧である入力電圧V1を、脈流を含んだ電圧に変換する。DC/DCコンバータ312は、脈流を含んだ電力を直流電力に変換する。複数のDC/DCコンバータ314,315,316は、第1のLED21へ直流電力を供給する第1のDC/DCコンバータ314と、第2のLED22へ直流電力を供給する第2のDC/DCコンバータ315と、第3のLED23へ直流電力を供給する第3のDC/DCコンバータ316とで構成されている。コンデンサ313から複数のDC/DCコンバータ314,315,316へは電流I1が流れる。各DC/DCコンバータ314,315,316は、マイコン33からのPWM信号に応じてコンデンサ313の電圧V2が入力し、LED21,22,23の点灯・消灯の動作を行う。第1のDC/DCコンバータ314から第1のLED21へは出力電流I21が流れ、第2のDC/DCコンバータ315から第2のLED22へは出力電流I22が流れ、第3のDC/DCコンバータ316から第3のLED23へは出力電流I23が流れる。
【0028】
調光入力部32は、調光器4から調光信号(点灯制御信号)61を受け取り、この調光信号61をマイコン33の入力に適した信号に変換する。調光器4は、ユーザによるつまみ(図示せず)への操作によって点灯負荷2を連続的に調光させるための機器であり、上記操作に応じた調光信号61を出力する。調光信号61は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)である。なお、調光信号61は、PWM信号には限定されず、例えば非同期シリアル通信信号などであってもよい。
【0029】
スイッチ34は、例えば壁スイッチなどであり、外部電源5と電力供給部31との間に挿入されて設けられている。スイッチ34は、外部電源5と電力供給部31との間の通電を遮断可能な通電遮断部である。
【0030】
検出回路35は、外部電源5から電力供給部31へ印加される交流電圧を検出し、外部電源5と電力供給部31との間の通電状態を示す電源検出信号62をマイコン33へ送出する。
【0031】
マイコン33は、後述の記憶部331と信号検出部332と点灯制御部333と遮断検出部334との各機能を実現する。
【0032】
記憶部331は、調光信号61に対する点灯負荷2の色温度および光束を示す負荷出力特性を予め記憶する。本実施形態の負荷出力特性は、図2に示すように、調光信号61のA/D電圧が高いほど、調光が深まり、色温度が低くなるような特性である。すなわち、図2に示す負荷出力特性は、調光信号61の電圧レベルに応じて色温度と光束とが連続的に変化する特性である。この負荷出力特性において、調光器4が接続されていない場合、調光信号は0Vであり、点灯負荷2の色温度と光束(光出力)とが最大の状態である。なお、調光信号61の電圧レベルが1V以下では、色温度のみが変化して光束が一定であるが、個々のLED21,22,23は、調光信号61の電圧レベルに応じて供給電力が連続的に変化しているから、連続調光する。
【0033】
点灯制御部333は、調光入力部32から調光信号61を取得し、この調光信号61に対応する負荷出力を負荷出力特性から選択する。負荷出力を選択した点灯制御部333は、電力供給部31から点灯負荷2への供給電力を、選択した負荷出力を実現するための電力値に設定する。具体的には、点灯制御部333は、調光入力部32からの調光信号61をA/D変換し、この調光信号61に対応する色温度と光束とになるように第1のPWM信号63と第2のPWM信号64と第3のPWM信号65との各々の周期およびデューティを決定する。点灯制御部333は、第1のPWM信号63を第1のDC/DCコンバータ314へ出力し、第2のPWM信号64を第2のDC/DCコンバータ315へ出力し、第3のPWM信号65を第3のDC/DCコンバータ316へ出力する。
【0034】
調光信号61は周波数1kHzでデューティ5%〜95%である。このデューティの範囲は、調光信号61を受信するインターフェース回路に用いられる汎用フォトカプラのスイッチング特性から制限される。すなわち、汎用フォトカプラでは、パルス信号の伝達遅延が数十マイクロ秒程度存在するため、伝達できるパルス幅が50マイクロ秒程度で限界となるためである。したがって、調光信号61が100Hzの周波数であれば、デューティは0.5%〜99.5%まで設定可能である。
【0035】
調光信号61は、デューティ5%で約0.25Vである。この状態でも第1の点灯状態(第1の定格)となるようにフラットな特性とすれば、調光信号61がない場合と定格調光時の設定が一致する。第1の点灯状態は、例えば昼白色状態であり、色温度5000K、光束300mlである。また、調光信号61の電圧値が大きくなると、点灯負荷2の光束と色温度とを同時に小さくさせていく特性になっている。
【0036】
信号検出部332は、調光入力部32からの調光信号61の電圧レベルから調光信号61の有無を検出する。
【0037】
調光信号61が0Vである場合、信号検出部332は、調光器4が点灯装置3に接続されておらず、調光信号61の入力がないことを検出することができる。ただし、実際には、ノイズなどで数十mVの誤差が生じる可能性があるので、閾値を最小デューティの半分の電圧値(0.125V付近)とするのがよい。さらに、調光信号61の有無の判定は、点灯前の数百ミリ秒間(例えば200ミリ秒)での入力値の平均値を用いれば、精度よく判定することができる。
【0038】
遮断検出部334は、検出回路35からの電源検出信号62をモニタすることで、外部電源5の停電以外のスイッチ34の瞬間的なオフ(すなわちオン−オフ−オン)を検出し、この瞬時的なオフ時間が一定時間以内であることを判定する。遮断検出部334が一時的遮断と検出するオフ時間は、0.2秒以上2秒未満である。より好ましいのは、オフ時間が0.2秒以上1.5秒以下である。
【0039】
点灯制御部333は、検出回路35からの電源検出信号62に応じて、点灯負荷2を消灯させたり、点灯負荷2の動作モード(点灯状態)を変更させたりする。信号検出部332で調光信号61の入力がないと検出された場合に、遮断検出部334で一時的遮断が検出されると、点灯制御部333は、定格点灯状態を変更する。すなわち、点灯制御部333は、電力供給部31から点灯負荷2への供給電力を規定値へ変更する。規定値は、負荷出力特性のうち予め決められた点灯状態を実現するための電力値である。なお、0.2秒は一般的な瞬時停電時間よりも長いため、意図しない動作モード変更を防止することができる。一方、停電時間1.5秒以上では、電源投入状態へリセットするようにすれば、明示的なリセット操作を行うことができる。
【0040】
ところで、調光器4が接続されている場合でも、1秒以上の電源遮断では、調光器4の特性によっては調光信号61が消失してしまう。その結果、マイコン33の信号検出部332が停電中に調光信号61がないと判定し、再度電源投入されたときに点灯動作が変更されてしまうという不具合が生じる。このため、信号検出部332は、停電を検出しているときは、調光信号61の有無の判定結果を停電前のまま維持するようにする。すなわち、信号検出部332は、一時的遮断の前後で調光信号の検出レベルを維持する。なお、停電復帰後、直ぐに調光信号61を出力しない調光器4に対応するために、信号検出部332は、電源復帰直後から一定時間後に調光信号61の有無を判定してもよい。
【0041】
上記より、マイコン33では、遮断検出部334で一時的遮断が検出された場合に、点灯制御部333は、点灯負荷2の光が予め決められた光色になるように供給電力を変更することができる。
【0042】
なお、マイコン33への供給電力は、外部電源5の遮断から3秒程度維持できるように設計され、外部電源5の遮断直後に内部データの不揮発性メモリへの保存も行えるようにする。
【0043】
次に、本実施形態に係る照明装置1の動作について図4を用いて説明する。まず、調光信号61の入力がない場合、点灯負荷2は第1の点灯状態(第1の定格)で点灯している。時刻t1でスイッチ34による外部電源5と電力供給部31との間で遮断が発生し、電源検出信号62がオフの信号状態となる。このとき、マイコン33は、電源遮断を検出し、各LED21,22,23を消灯させる。
【0044】
その後、時刻t2でスイッチ34がオンになって外部電源5が再投入されると、電源検出信号62はオン信号となる。このとき、マイコン33は、電源復旧を検出する。さらに、マイコン33は、このときの停電時間を検出し、停電時間が0.2以上1.5秒以下であると判断すると、定格点灯モードを第2の定格へ変更する。
【0045】
次に、本実施形態の状態変更の一例について図3(a)を用いて説明する。まず、長期的なオフから外部電源5が投入されて電源オンになる。マイコン33は、調光信号がない、すなわち調光器4がない信号レベルと判定すると、点灯負荷2を第1の点灯状態(第1の定格)で点灯させる。この状態で、スイッチ34による瞬時的なオフを検出すると、点灯負荷2を第2の点灯状態(第2の定格)で点灯させる。このようにスイッチ34の操作で第1の点灯状態と第2の点灯状態とを切り替える。一方、調光信号61がある場合、通常モードになり、瞬時的なオフで点灯負荷2の点灯状態を変更することはない。
【0046】
以上の説明より、本実施形態によれば、調光信号61に応じた点灯制御もスイッチ(通電遮断部)34への動作に応じた点灯制御も行うことができるので、利便性を高くすることができる。
【0047】
本実施形態によれば、スイッチ34での一時的遮断で点灯負荷2への供給電力を規定値へ変更することによって、点灯負荷2の点灯状態(定格点灯状態)を切り替えることができる。すなわち、初期の定格点灯を負荷出力特性の任意のポイントに設定することができるので、例えば電球色メインの負荷出力を行う場合に、調光器4が接続されていない点灯装置3が設置されていても違和感のない空間演出が可能となる。
【0048】
また、本実施形態によれば、スイッチ34での一時的遮断によって定格点灯状態を切り替えることができるので、調光信号(点灯制御信号)の入力がない場合であっても、点灯負荷2の光を周囲の色味と合わせることができる。
【0049】
さらに、本実施形態によれば、スイッチ34での一時的遮断によって、点灯負荷2の明るさ(光束)とともに光色(色温度)も簡易的に変更させることができる。
【0050】
本実施形態の点灯装置3は、調光器4のつまみ(図示せず)への操作によって点灯負荷2を連続的に調光させる方式にも、操作部(図示せず)への操作によって点灯負荷2を段階的に調光する場合にも適用することができる。これにより、さまざまな照明方式に対応することができる。
【0051】
なお、点灯装置3は、2つの点灯状態を切り替えるだけではなく、図5に示すように3つ以上(図示例では3つ)の点灯状態を切り替えることも可能である。図5の第3の点灯状態(図5の(3))は、光束を25%まで低下させた状態である。この場合の状態変化は図3(b)のようになる。また、点灯装置3は、図3(c)に示す状態変化で点灯負荷2の点灯状態を切り替えてもよい。すなわち、点灯装置3は、外部電源5がリセットされた場合に、点灯負荷2を調光信号61の0Vの状態(第1の点灯状態)で点灯させなくても、最初から第2の点灯状態で点灯負荷2を点灯するようなプログラムを実行してもよい。これにより、点灯負荷2を白熱電球と組み合わせた場合に、違和感のない点灯を実現することができる。これらの動作は、電源基板に設定用スイッチ(図示せず)を設けて変更してもよい。
【0052】
(実施形態2)
実施形態2に係る照明装置1は、図6に示すように色温度一定で点灯負荷2の光束がフェードインする点で、実施形態1に係る照明装置1と相違する。なお、実施形態1の照明装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
点灯装置3では、点灯負荷2の光束のフェードインを行わない場合、電源復帰直後の急峻な点灯にDC/DCコンバータ312の出力が追従できず、DC/DCコンバータ312の出力電圧低下などが発生し、ちらつきが発生することがある。このため、点灯装置3は、点灯負荷2への供給電力を徐々に増加させる必要がある。
【0054】
そこで、本実施形態のマイコン33において、点灯制御部333は、スイッチ34による一時的遮断が発生した後に通電が再開した場合、点灯負荷2の光色を一定に保ちながら供給電力を徐々に増加させて所定の電力値へ移行させる。
【0055】
本実施形態に係る照明装置1の動作の一例についてとして、図6に示すように、時刻t1で遮断した後、点灯制御部333は、時刻t2の電源復帰タイミングから時刻t3にかけてLED21,22,23への出力電流I21,I22,I23(LED21,22,23への供給電力)を徐々に増加させている。これにより、時刻t2から時刻t3にかけて点灯負荷2の光束が徐々に増加する。
【0056】
以上の説明より、本実施形態によれば、時刻t2〜t3の間において、電力供給部31のDC/DCコンバータ312が十分に負荷変動に追従することができるので、再点灯時のちらつきなどを防止することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、点灯負荷2への供給電力を徐々に増加させる際に、点灯負荷2の光色を一定にすることによって、違和感のない光束の増加が可能となる。
【0058】
なお、本実施形態のマイコン33は、出力電流I1,I2,I3を図6に示すように直線的に変化させることに限定されず、色温度が略一定であれば、図6以外の他の特性で出力電流I1,I2,I3を変化させてもよい。
【0059】
(実施形態3)
実施形態3に係る照明装置1は、スイッチ34による一時的遮断(外部電源5のオンオフ)で調色特性(色温度特性)を変更する点で、実施形態1に係る照明装置1と相違する。なお、実施形態1の照明装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
図7は、調光信号61に対する光束と2種類の色温度との負荷出力特性を示している。第1の調色特性(図7の(a1))は、白色に近い特性であり、第2の調色特性(図7の(a2))は、調光信号61の電圧レベルにかかわらず色温度を白熱電球の色温度で一定とした特性である。
【0061】
本実施形態のマイコン33は、調光信号61が常に与えられている場合でも、スイッチ34による一時的遮断によって調色特性を変更する。例えば、初期の調色特性として第1の調色特性が設定されている場合、スイッチ34による一時的遮断を検出すると、マイコン33は、第2の調色特性に変更する。
【0062】
以上の説明より、本実施形態によれば、シーンに応じた調色特性を選択することができる。
【0063】
なお、スイッチ34による一時的遮断による調色特性の選択にずれが生じた場合、調光信号61で消灯させる領域を設け、その状態で一時的遮断を行って同期させればよい。
【0064】
(実施形態4)
実施形態4に係る照明装置1は、図8に示すように位相調光器(サイリスタ調光器)36および第2のスイッチ37に点灯装置3が接続されている点で、実施形態1に係る照明装置1と相違する。なお、実施形態1の照明装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
第2のスイッチ37は、位相調光器36の入出力をバイパスするために設けられている。
【0066】
位相調光器36は、双方向サイリスタ361を備え、スイッチ34とともに、外部電源5と電源供給部31との間に直列に接続されている。第2のスイッチ37が位相調光器36側に導通している場合に、位相調光器36は、外部電源5に同期して所定の導通位相角で電力供給部31へ電力供給する。
【0067】
本実施形態の検出回路35は、電力供給部31に印加される入力電圧V1を判定値σ1と比較し、比較結果に応じたパルス信号(点灯制御信号)66をマイコン33へ出力する。例えば位相調光で導通位相角が90°である場合、検出回路35は、図9に示すように周期(1/2)T1でのパルス信号66のハイ(High)レベル期間D2を設定する。
【0068】
本実施形態のマイコン33において、信号検出部332は、検出回路35からパルス信号66を受け取ると、このパルス信号66から調光レベルを検出する。点灯制御部333は、信号検出部332で検出されたパルス信号66の調光レベルに応じた点灯負荷2への供給電力を設定する。すなわち、点灯制御部333は、導通位相角に応じた点灯負荷2の負荷出力となるように供給電力を設定する。
【0069】
図10は、パルス信号66の導通位相角に対する負荷出力(光束・色温度)を示す負荷出力特性を示している。図10の(a)は色温度を示し、(b)は光束を示している。導通位相角30°以下では、点灯負荷2は消灯する。導通位相角30°〜150°では、点灯負荷2は光束と色温度とが変化する。導通位相角150°〜180°では、点灯負荷2は一定の光束(100%点灯)および色温度である。
【0070】
位相調光器36の信号がない場合(例えば第2のスイッチ37が位相調光器36の入出力を短絡した場合)、スイッチ34がオン状態(導通位相角180°)で一定であるので、点灯負荷2は第1の点灯状態(図10の(1))となる。このときに、スイッチ34の開閉が行われると、検出回路35は、パルス信号66の消失と再開とを検出して停電と復電とを検出する。これにより、点灯負荷2は第2の点灯状態(図10の(2))に変更する。一方、位相調光器36の信号が検出されると、この信号に応じて点灯負荷2の点灯状態(調光レベル、調色レベル)は変更される。
【0071】
以上の説明より、本実施形態によれば、位相調光器36の信号がない場合であっても、スイッチ(通電遮断部)34の動作に応じて点灯負荷2の点灯状態を選択することができる。
【0072】
なお、スイッチ34がオン状態で位相調光器36が動作している場合に、第2のスイッチ37を一時的に開閉(位相調光器36の入出力を一時的に短絡)してパルス信号66を導通位相角180°に瞬間的に変化させることによって、調光の機能(例えば調光・調色の特性データ)を切り替えてもよい。これにより、点灯負荷2を消灯させることなく点灯負荷2の動作を変更することができる。
【0073】
また、第2のスイッチ37を用いずに、位相調光器36が信号を出力している状態でスイッチ34の開閉を行うことによって、点灯装置3の動作を変更してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 照明装置
2 点灯負荷
3 点灯装置
31 電力供給部
33 マイコン
332 信号検出部
333 点灯制御部
334 遮断検出部
34 スイッチ(通電遮断部)
61 調光信号(点灯制御信号)
66 パルス信号(点灯制御信号)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯負荷へ電力を供給する電力供給部と、
点灯制御内容を示す点灯制御信号に応じて前記電力供給部から前記点灯負荷への供給電力の電力値を連続的に変更する点灯制御部と、
外部電源と前記電力供給部との間の通電を遮断可能な通電遮断部による所定時間以下の一時的遮断を検出する遮断検出部とを備え、
前記点灯制御部は、前記遮断検出部で前記一時的遮断が検出された場合に、予め決められた規定値へ前記供給電力を変更する
ことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記点灯制御信号の有無を当該点灯制御信号の電圧レベルから検出する信号検出部を備え、
前記点灯制御部は、前記点灯制御信号の入力がないと前記信号検出部で検出された場合に、前記遮断検出部の検出結果に応じて前記供給電力を前記規定値へ変更する
ことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記点灯負荷は、複数色の光を発する光源であり、
前記点灯制御部は、前記点灯制御信号に応じて前記点灯負荷の光色を変更するように前記供給電力を設定する一方、前記遮断検出部で前記一時的遮断が検出された場合に、前記点灯負荷が予め決められた光色になるように前記供給電力を変更する
ことを特徴とする請求項1または2記載の点灯装置。
【請求項4】
前記点灯制御信号は、位相調光の導通位相角であり、
前記点灯制御部は、前記導通位相角に応じて前記点灯負荷を連続的に調光するように前記供給電力を設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記点灯制御部は、前記一時的遮断が発生した後に通電が再開した場合、前記供給電力を徐々に増加させて所定の電力値へ移行させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記点灯負荷は、複数色の光を発する光源であり、
前記点灯制御部は、前記一時的遮断が発生した後に通電が再開した場合、前記点灯負荷の光色を一定に保ちながら前記供給電力を徐々に増加させて前記所定の電力値へ移行させる
ことを特徴とする請求項5記載の点灯装置。
【請求項7】
前記遮断検出部が前記一時的遮断と検出する前記所定時間は、0.2秒以上2秒未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記信号検出部は、前記一時的遮断の前に検出した検出結果を当該一時的遮断中も維持することを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の点灯装置と、
前記点灯装置から電力が供給されると点灯する点灯負荷と
を備えることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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