説明

照明デバイスおよび照明ユニット、ならびに照明装置

【課題】簡易に道路の幅方向における配光特性を制御することができる照明デバイスおよび照明ユニット、ならびに照明装置を提供すること。
【解決手段】光学レンズ11は、光軸を含み、該光軸に直交する第1方向に伸びる平面で光学レンズを切断した切断面において、光入射面から光出射面までの光軸方向の距離が最も大きくなる最大点を有しており、該最大点に対して一方側よりも他方側の方が上記の距離が相対的に大きくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路灯、防犯灯、街路灯、およびトンネル灯等に適用される照明デバイスおよび照明ユニット、ならびに照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交通安全および犯罪防止等のために、多数の照明装置が屋外に設置されている。例えば、道路灯あるいはトンネル灯等の道路照明においては、運転手が道路状態を確実に把握できること、また走行中に照明装置からの光によって視認性が妨げられるのを防ぐことを目的として、照明された道路の平均輝度、輝度の均斉度、およびグレア等に関する評価値が規定されている。
【0003】
一般に国内における道路灯は、設置高さおよそ7〜10m、設置間隔およそ30〜40mで使用される場合が多く、トンネル灯は、設置高さおよそ5m、設置間隔およそ12〜15mで使用される場合が多い。これらの照明装置に必要とされる配光の特徴としては、照明装置から±60°付近にピークを備え、かつ、±75°以上の光をカットするというような特性である。また、海外においても、各国の道路事情に応じた照明装置の特性が要求されている。このような配光特性を実現し、道路灯およびトンネル灯に要求される規定値のうち、より高い基準をクリアするためには、照明装置の配光を精密に制御する必要がある。
【0004】
照明装置の配光特性を制御するための技術として、特許文献1に記載の方法がある。特許文献1に記載された照明装置は、扁平面および回転楕円体からなる光学レンズを備えており、1つの光源と光学レンズとの組み合わせによって広角配光を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−177028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された照明装置を道路照明に用いた場合、道路以外の場所を照明する不要光が生じてしまったり、照明分布が不均一であったりする等、道路の幅方向における配光の制御は十分ではない。その結果、照明装置の取り付け角度ならびに設置位置が大きく制限されてしまう。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡易に道路の幅方向における配光特性を制御することができる照明デバイスおよび照明ユニット、ならびに照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明デバイスは、上記の課題を解決するために、光源と、上記光源から出射された光が入射する光入射面と、上記光入射面から入射した光を出射する光出射面とを有する光学レンズであって、上記光入射面から入射した光を、上記光源の光軸に直交する第1方向には所定の範囲内に集光させると共に、上記光軸および上記第1方向の双方に直交する第2方向には拡散させる光学レンズとを備え、上記光学レンズは、上記光軸を含み、上記第2方向に直交する平面で上記光学レンズを切断した切断面において、上記光入射面から上記光出射面までの上記光軸の方向の距離が最も大きくなる最大点を有しており、上記最大点に対して上記第1方向における切断面の一方側よりも他方側の方が上記距離が相対的に大きくなっていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、照明デバイスを用いることによって、照明デバイスからの出射光を、光軸に直交する第1方向の所定の範囲内に集光することができ、なおかつ、光軸および第1方向の双方に直交する第2方向に拡散させることができるようになる。さらに、光入射面の光軸方向の深さが相対的に深くなっている一方側から出射される光は小さい配光角度で出射されるのに対して、光入射面の光軸方向の深さが相対的に浅くなっている他方側から出射される光は大きい配光角度で出射される。これによって、照明デバイスから出射される光の集光範囲は第1方向の一方側にシフトされる。したがって、照明デバイスから出射される光を、第1方向の一方側にシフトした所定の範囲内に集光させることができると共に、光の照度分布をより均一化することができる。特に、照明デバイスを道路灯あるいはトンネル灯等の道路照明に用いる照明装置に適用する場合は、照明デバイスの第1方向が道路の幅方向となり、第2方向が道路の進行方向(車線軸方向)となるように設定することによって、道路の進行方向の照明範囲を拡げると共に、道路の幅方向に光を集光することができる。そのため、照明装置を連結する灯具の設置間隔を広くすることができる。
【0010】
さらに、出射面および入射面の両面において、光度の強い光を偏向させることができるので、容易に大きな偏向角が得られる。これによって、道路の幅方向への照明光の制御の自由度が高まり、照明条件のよりきめ細かな調整が可能となる。この他、照明装置の設置角度が予め決まっている場合でも、光学レンズだけで道路の幅方向の照明度合いを変化させることができるため、所望の配光分布を得やすくなる。
【0011】
また、本発明に係る照明デバイスにおいて、光源面積が大きいアレイ状のLED光源を用いた場合においても、各LED光源に対応するように光学レンズが形成されるため、照明デバイスは大型にならない。結果、照明デバイスを搭載する照明装置の大型化を招くことなく、配光特性に優れた照明装置を実現することが可能となる。
【0012】
また、本発明に係る照明デバイスにおいては、上記光軸は、上記光軸を含み、上記第2方向に直交する平面で上記光学レンズを切断した切断面において、上記最大点に対して上記他方側に位置していることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、光軸を光反射面側にオフセットすることによって、照明デバイスからの光を光反射面とは反対側に照明させることができる。また、光軸を光反射面側にオフセットすることによって、光源と光反射面とが近づくため、光源から出射された水平に近い光も光反射面によって所定の方向に反射することができる。
【0014】
また、本発明に係る照明デバイスにおいては、上記光学レンズは、上記光入射面から入射した光のうち、上記第1方向に入射した光を上記第2方向または上記第2方向とは反対側の方向に反射して上記光出射面から出射させる第1反射面、および上記光入射面から入射した光のうち、上記第1方向とは反対側に入射した光を上記第2方向または上記第2方向とは反対側に反射して上記光出射面から出射させる第2反射面との少なくとも一方をさらに備えていることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、本来であれば第1方向または第1方向とは反対側の方向に入射して不要光となる光も第2方向または第2方向とは反対側の方向に反射して出射することによって、利用することができる。したがって、照明デバイスの光利用効率を向上することができると共に、照明デバイスの照明率を向上することができる。したがって、照明デバイスを道路灯あるいはトンネル灯等の道路照明に用いる照明装置に適用する場合は、本来照明すべき道路の幅からはみ出す光についても、照明デバイスを用いることによって、道路を照明する有効な照明光に変換して利用することができるため、効率的な照明装置が実現できる。
【0016】
また、本発明に係る照明ユニットは、上記の課題を解決するために、上述したいずれかの照明デバイスを、板状の部材上に一体形成してなることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、板状の部材上に照明デバイスを一体形成することによって、1つの照明デバイスから出射された光を板状の部材を導光させて、他の照明デバイスから出射させることができ、光の利用効率を上げることができる。また、光学レンズを射出形成によって形成することができるので、容易にユニット化した照明ユニットを製造することができる。
【0018】
また、本発明に係る照明装置は、上記の課題を解決するために、上述したいずれかの照明デバイスまたは照明ユニットを備えていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、簡易に道路の幅方向における配光特性を制御することができるコンパクトな照明装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の照明デバイスによれば、1つの光学レンズのみによって、一方向およびそれに直交する他方向の2方向の配光特性を制御し、その配光特性を最適化することができる。したがって、本発明に係る照明デバイスを備えた照明装置を用いれば、リフレクタ等を使用せずとも、道路灯あるいはトンネル灯等の道路照明に用いる照明装置として適した配光分布および照度を有する照明装置を実現することができる。
【0021】
また、光源が複数になって光源面積が大きくなった場合においても、本発明に係る照明デバイスはコンパクトであるため、本発明に係る照明デバイスを搭載した照明装置においては、装置の大型化を招くことなく優れた配光特性を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の一形態に係る照明デバイスの外観を示す図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをy−z平面で切断した切断面を示す図である。
【図3】(a)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをy−z平面から見た図であり、(b)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをx−y平面から見た図であり、(c)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをx−y平面から見た図であり、(d)は、光軸から近い位置で本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをx−z平面に平行な面で切断した切断面を示す図であり、(e)は、光軸から光反射面と反対側に離れた位置で本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをx−z平面に平行な面で切断した切断面を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスのy−z平面における光の屈折および反射を示す図であり、(b)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスのx−y平面における光の屈折を示す図であり、(c)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスのx−z平面における光の屈折を示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをy−z平面で切断した切断面を示す図である。
【図6】本発明の実施の一形態に係る照明デバイスの外観を示す図である。
【図7】本発明の実施の一形態に係る照明デバイスの断面を示す図である。
【図8】(a)本発明の実施の一形態に係る照明ユニットの概観を示す図であり、(b)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスを板状の部材と一体形成したものを示す図であり、(c)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスを板状の部材と一体形成したものの断面を示す図である。
【図9】本発明の実施の一形態に係る照明ユニットを備えた照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の一形態に係る照明装置の設置状態を示す図である。
【図11】本発明の実施の一形態に係る照明デバイスの外観を示す図である。
【図12】(a)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをx−z平面から見た図であり、(b)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをx−y平面から見た図であり、(c)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをx−y平面から見た図であり、(d)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスをy−z平面で切断した切断面を示す図である。
【図13】(a)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスのy−z平面における光の屈折を示す図であり、(b)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスのx−y平面における光の屈折を示す図であり、(c)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスのx−z平面における光の屈折を示す図である。
【図14】突起部を有する本発明の実施の一形態に係る照明デバイスの外観を示す図である。
【図15】(a)本発明の実施の一形態に係る照明ユニットの概観を示す図であり、(b)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスを板状の部材と一体形成したものを示す図であり、(c)は、本発明の実施の一形態に係る照明デバイスを板状の部材と一体形成したものの断面を示す図である。
【図16】本発明の実施の一形態に係る照明ユニットを備えた照明装置の概略構成を示す斜視図である。
【図17】本発明の実施の一形態に係る照明装置の設置状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を以下の実施の形態により詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の機能および作用を示す部材については、同一の符号を付し、説明を省略する。なお、以下の説明では、光学レンズの切断面における長手方向を長軸とし、それに直交する方向を短軸とする。また、以下の説明では、説明の便宜上、図中に示すx軸、y軸、およびz軸を用いて各方向および各面を説明する。+x軸方向とは、図中に示すx軸の矢印方向であり、−x軸方向とは、図中に示すx軸の矢印方向とは反対の方向であり、いずれも光学レンズの長軸方向である。一方、+y軸方向とは、図中に示すy軸の矢印方向であり、−y軸方向とは、図中に示すy軸の矢印方向とは反対の方向であり、いずれも光学レンズの短軸方向である。また、+z軸方向とは、図中に示すz軸の矢印方向であり、−z軸方向とは、図中に示すz軸の矢印方向とは反対の方向であり、いずれも照明デバイスの光軸方向である。ここで言う光軸とは、光源から出射される光の立体的な出射光束の中心軸である。
【0024】
そして、x−z平面とは、x軸およびz軸を含む平面であり、長軸を含み、なおかつ、短軸に垂直な平面である。一方、y−z平面とは、y軸およびz軸を含む平面であり、短軸を含み、なおかつ、長軸に垂直な平面である。また、x−y平面とは、x軸およびy軸を含む平面であり、長軸および短軸を含む平面である。
【0025】
〔第1の実施の形態〕
(照明デバイスの構成)
まず第1の実施の形態に係る照明デバイスの構成について、図1〜3を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る照明デバイス30の外観を示す図である。図2は、本実施の形態に係る照明デバイス30をy−z平面で切断した切断面を示す図である。図3は、本実施の形態に係る照明デバイス30を示す図である。
【0026】
図1に示すように、照明デバイス30は、光学レンズ1および光源2を備えている。光学レンズ1は、図2に示すように、光源2から出射された光を光源2の光軸Sから所定の方向T(図1の場合、+y軸方向側)へと離れていく集光方向Uに集光させると共に、光軸Sおよび上記の所定の方向Tの双方に直交する拡散方向(図1の場合、±x軸方向)に拡散させる部材である。図3(a)に示すように、光学レンズ1は、光入射面3a、光反射面3b、および光出射面3cを有している。光入射面3aは、光源2から出射された光が入射する面を言う。また、光反射面3bは、光入射面3aの上記の所定の方向Tとは反対側(図1の場合、−y軸方向側)に配置されており、光入射面3aから入射した光を、光軸から上記の所定の方向Tへと離れていく集光方向Uに反射する面を言う。そして、光出射面3cとは、光入射面3aから入射した光、および光反射面3bから反射された光が出射する面を言う。
【0027】
光学レンズ1は、回転楕円体をその長軸に平行な平面で切って得られる凸形状の短軸方向側の側面に突起部4を一体的に形成した形状をしており、凸形状の表面ならびに突起部4の表面が上記の光出射面3cである。また、光学レンズ1の光出射面3cとは反対側の面には、光出射面3c側に凹んだ凹形状の第1凹部7と第2凹部8とが形成されており、第1凹部7が上記の光入射面3aを形成しており、第2凹部8が上記の光反射面3bを形成している。光反射面3bを形成する第2凹部8は、突起部4の内部に形成されている。
【0028】
図3(a)に示すように、光入射面3aを形成する第1凹部7は、y−z平面で切断した切断面において、x−y平面とy−z平面とが交わる直線Pから光入射面3aまでの+z軸方向の距離が、光反射面3bに近づくにつれて大きくなるように形成されている。このx−y平面とy−z平面とが交わる直線Pとは、光学レンズ1の設置面3dを通るy軸に平行な直線である。一方、図3(b)および(c)に示すように、x−y平面で切断した切断面においては、光入射面3aの幅(±x軸方向の幅)が、光反射面3bに近づくにつれて小さくなるように(すなわち、テーパ形状に)形成されている。
【0029】
また、図3(a)に示すように、光反射面3bを形成する第2凹部は、y−z平面で切断した切断面において、x−y平面とy−z平面とが交わる直線から光反射面3bまでの+z軸方向の距離が、光軸から離れるにつれて大きくなるように光軸に対して傾斜すべく形成されている。一方、図3(b)および(c)に示すように、x−y平面で切断した切断面においては、光反射面3bの幅(±x軸方向の幅)が、光軸から離れるにつれて大きくなるように(すなわち、テーパ形状に)形成されている。この光反射面3bは、光入射面3aからの光を、上記の所定の方向側に反射し、光出射面3cから出射させることができるような位置に形成されている。
【0030】
光学レンズ1をy−z平面で切断した切断面における光入射面3aを形成する凹部の+z軸方向の深さが、光反射面3bに近づくにつれて大きくなっているが、光学レンズ1をy−z平面で切断した切断面における光学レンズ1の+z軸方向の厚さは照明デバイス30の中央部分が大きくなっている。一方、光学レンズ1をx−z平面で切断した切断面における光学レンズ1の厚さ(第1凹部7の径方向の厚さ)は中央部分が両端部よりも小さくなっている。そのため、光学レンズ1をy−z平面で切断した切断面においては、光学レンズ1は凸レンズ(集光レンズ)をなしており、光学レンズ1をx−z平面で切断した切断面においては、光学レンズ1は凹レンズ(拡散レンズ)をなしている。
【0031】
ここで、照明デバイス30では、光源2の光軸Sが光反射面3b側にオフセットされている。具体的には、光軸Sは、図3(a)に示すように、照明デバイス30をy−z平面で切断した切断面において、光入射面3aから光出射面3cまでの+z軸方向の距離が最も大きくなる位置(すなわち、光学レンズ1の+z軸方向の厚さが最も大きくなる位置)よりも、光反射面3b側に位置している。なお、本実施の形態においては、y−z平面で切断した切断面における第1凹部7の中心部を通る位置が、光入射面3aから光出射面3cまでの+z軸方向の距離が最も大きくなる位置である。
【0032】
このように、光源2の光軸Sを光反射面3b側にオフセットすることによって、照明デバイス30からの光を光反射面3bとは反対側(すなわち、所定の方向T側(+y軸方向側))に照明させることができる。つまり、光源2の光軸Sの方向から+y軸方向により離れた位置(集光方向U)に光源2からの出射光を集光させることが可能となる。また、光軸Sを光反射面3b側にオフセットすることによって、光源2と光反射面3bとが近づくため、光源2から出射された水平に近い光も光反射面3bによって集光方向U側に反射することができる。
【0033】
なお、以上では、図1〜3を参照して、光学レンズ1の具体的な形状を示したが、これはあくまでも一例であり、必ずしもこれに限定されるわけではなく、光学レンズ1は種々の形状を有していてもよい。すなわち、本実施の形態に係る照明デバイス30は、光源2と、光源2の光が入射する光入射面3aと、光入射面3aに対して所定の方向Tとは反対側に配置され、光入射面3aから入射した光を、光源2の光軸Sから上記の所定の方向T側へと離れていく集光方向Uに反射させる光反射面3bと、光入射面3aから入射した光および光反射面3bによって反射された光を出射する光出射面3cとを有する光学レンズ1とを備え、光学レンズ1が、光入射面3aから入射して直接光出射面3cから出射される光を、光軸Sの方向から所定方向Tに離れた集光方向Uに集光させると共に、拡散方向に拡散させることができればよい。
【0034】
(照明デバイスの各種部材)
光学レンズ1としては、例えばアクリル樹脂の他、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、またはガラス等を用いることが好ましい。しかし、特に限定はなく、可視光域において透明性がよく、透過率が大きい材料であれば好適である。また、本実施の形態に係る光学レンズ1のような形状であれば、射出成形等による方法で大量に製造することが可能である。
【0035】
一方、光源2としては、LEDを用いることができる他、半導体レーザー等の光源も適用可能であるが、特に限定はない。光源2の形状は、照明デバイス30と同様に、回転対称であってもよいし、回転対称ではなく直方体等の形状であってもよい。
【0036】
(光の入射および出射)
次に、光源2から光学レンズ1に入射される光の出射について、図4を参照して説明する。図4(a)は、照明デバイス30のy−z平面における光の屈折および反射を示す図である。図4(b)は、照明デバイス30のx−y平面における光の屈折を示す図である。図4(c)は、照明デバイス30のx−z平面における光の屈折を示す図である。
【0037】
まず、照明デバイス30のy−z平面における光の屈折および反射について説明する。図4(a)に示すように、光源2から出射された光の多くは、光入射面3aから入射してそのまま光出射面3cから出射される(矢印AおよびB)。光学レンズ1をy−z平面で切断した切断面においては、光学レンズ1は凸レンズ(集光レンズ)をなしているため、光入射面3aから入射してそのまま光出射面3cから出射される光は、光軸から+y軸方向側(所定の方向T側)へと離れていく集光方向Uに集光されて光出射面3cから出射される。すなわち、光入射面3aから入射して、光入射面3aと光出射面3cとの間の領域を通過する光は、光軸Sの方向から+y軸方向側(所定の方向T側)に離れた集光方向Uに集光されて光出射面3cから出射される。なお、ここで言う集光方向Uとは、特定の一方向ではなく、矢印A〜Cのように光軸から+y軸方向側(所定の方向T側)に離れていく複数の方向群の総称である。すなわち、光出射面3cから出射される光は、図2に示したように、光軸Sの方向から+y軸方向に離れた所定幅の領域Vに集光される。
【0038】
この際、図4(a)に示すように、照明デバイス30をy−z平面に平行な面で切断した切断面においては、光学レンズ1の設置面3d上におけるy軸に平行な直線Pから入射面3aまでの+z軸方向の距離は、光源2の光軸Sに近づくほど大きくなり、光軸Sから離れるほど小さくなる。つまり、入射面3aは、光軸Sから+y軸方向に離れるに従って上記設置面3dに近づくように光源2に対して傾斜する傾斜面となっている。これにより、光軸Sとなす角度が小さい出射角度の光源2からの光は、入射面3aにおける入射角度が小さいため比較的小さい屈折角度で光軸に対して+y軸方向へ屈折して進行する(矢印A)。また、光軸となす角度が大きい出射角度の光源2からの光は、矢印Aの光に比較して光入射面3aにおける入射角度が大きいため比較的大きい屈折角度で光軸に対して−y軸方向へ屈折して進行する(矢印B)。
【0039】
これにより、図4(a)に示すy−z平面に平行な面で切断した切断面において、光入射面3aに入射した光は、光軸Sの方向から+y軸方向に離れた集光方向Uに出射され、y軸方向の所定幅の領域Vに集光される。
【0040】
ここで、図4(a)に示すように、光源から出射された光の一部は、光入射面3aと光反射面3bとの間の領域に出射される(矢印C)。この光は、光入射面3aから入射して光反射面3bにおいて、光軸から+y軸方向側(所定の方向T側)へと離れていく集光方向Uに反射される。その後、光反射面3bで反射された光は光出射面3cから出射される。すなわち、光入射面3aから入射して、光入射面3aと光反射面3bとの間の領域を通過する光は、+y軸方向側(所定の方向T側)へと離れていく集光方向Uに反射されて光出射面3cから出射される。
【0041】
このように、本来であれば照明デバイス30の−y軸方向側に出射されて不要光となる光も、光反射面3bで+y軸方向側(所定の方向T側)へと離れていく集光方向Uに反射することによって、利用することができる。したがって、照明デバイス30の光利用効率を向上することができると共に、所望の領域を照明するための光量を増加させることができる。
【0042】
続いて、照明デバイス30のx−y平面およびx−z平面における光の屈折について説明する。図4(b)に示すように、光源2から出射された光のうち、光反射面3bによって反射される以外の光は、光入射面3aから入射して光出射面3cから出射される(矢印D1〜D4)。この際、x−y平面で切断した切断面において、光学レンズ1の厚さ(±x軸方向の厚さ)は照明デバイス30の中央部分に向かうにつれて大きくなっている。このため、光学レンズ1はx−y平面で切断した切断面において集光レンズとして作用する。光学レンズ1を±x軸方向に進行する光は、y軸方向の所定幅の領域Vに集光される。
【0043】
また、図4(c)に示すように、照明デバイス30をx−z平面で切断した切断面においては、光源2を通る第1凹部7の径方向の光学レンズ1の厚さは光軸に近づくにつれて小さくなるので、光学レンズ1はx−z平面で切断した切断面において凹レンズ(拡散レンズ)として作用する。したがって、光出射面3cから出射される光は、±x軸方向に大きく拡散されて出射される(矢印E1およびE2)。
【0044】
このように、光入射面3aから入射して光出射面3cから出射される光は、y軸方向の所定幅の領域Vに集光されると共に、±x軸方向に大きく拡散されて出射される。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る照明デバイス30を用いることによって、照明デバイス30からの出射光を、光源2の光軸Sの方向よりも+y軸方向側(所定の方向T側)へと離れていく集光方向Uに出射してy軸方向の所定幅Vの領域に集光させることができ、なおかつ、光軸Sおよび所定の方向Tの双方に直交する拡散方向(±x軸方向)に出射光を拡散して広い領域を照明することができるようになる。
【0046】
特に、照明デバイス30を道路灯あるいはトンネル灯等の道路照明に用いる照明装置に適用する場合は、照明デバイス30のy軸方向が道路の幅方向となり、x軸方向が道路の進行方向(車線軸方向)となるように設定することによって、道路の進行方向の照明範囲を拡げると共に、道路の幅方向(上記y軸方向の所定幅の領域V)に光を集光することができる。そのため、照明装置を連結する灯具の設置間隔を広くすることができる。また、道路の幅方向への照明光の制御の自由度が高まり、照明条件のよりきめ細かな調整が可能となる。この他、照明装置の設置角度が予め決まっている場合でも、光学レンズ1だけで道路の幅方向の照明度合いを変化させることができるため、所望の配光分布を得やすくなる。
【0047】
また、本来照明すべき道路の幅からはみ出す光についても、照明デバイス30を用いることによって、道路を照明する有効な照明光に変換して利用することができるため、効率的な照明装置が実現できる。
【0048】
このように、本実施の形態に係る照明デバイス30によれば、1つの光学レンズ1のみによって、一方向およびそれに直交する他方向の2方向の配光特性を制御し、その配光特性を最適化することができる。したがって、本実施の形態に係る照明デバイス30を備えた照明装置を用いれば、リフレクタ等を使用せずとも、道路照明に用いる照明装置として適した配光分布および照度を有する照明装置を実現することができる。
【0049】
また、光源2が複数になって光源面積が大きくなった場合においても、本実施の形態に係る照明デバイス30はコンパクトであるため、照明デバイス30を搭載した照明装置においては、装置の大型化を招くことなく、優れた配光特性を実現することが可能となる。
【0050】
(光反射面の形状)
光反射面3bは、光入射面3aから入射した光を、集光方向Uに全反射させるような全反射面であることが好ましい。第2凹部8が光学レンズ1よりも屈折率の低い物質の領域(例えば、空気層)であれば、第2凹部8と光学レンズ1との境界面(光反射面3b)に光学レンズ1側から入射した光の入射角度が臨界角より大きい場合、光反射面3bで全反射する。この際、第2凹部8は空気層である必要はなく、光学レンズ1よりも屈折率の低い材料であればよい。
【0051】
このような条件を満たす光反射面3bであれば、その形状はいかなる形状であってもよいが、例えば図5(a)〜(c)に示す形状の光反射面3bが挙げられる。図5(a)〜(c)は、照明デバイス30をy−z平面で切断した切断面を示す図である。
【0052】
図5(a)に示すように、光反射面3bは、照明デバイス30をy−z平面で切断した際に、直線状の断面となるような形状であってもよい。この際、光反射面3bは、光入射面3aから入射した光を、光軸Sから+y軸方向側(所定の方向T側)へと離れていく集光方向Uに全反射させることができるような角度であって、なおかつ、反射した光を光出射面3cから出射させることができるような角度に傾斜している必要がある。このように入射光を全反射させることができるような光反射面3bにすることによって、光入射面3aから入射した光のうち、光入射面3aと光反射面3bとの間の領域を通過する光のほぼすべてを+y軸方向側(所定の方向T側)へと離れていく集光方向Uに全反射させることができる。したがって、光反射面3bを抜けて−y軸方向側に漏れ出る光を低減させることができる。
【0053】
上記のような形状以外にも、図5(b)および(c)に示すように、光反射面3bは、照明デバイス30をy−z平面で切断した際に、曲線状の断面となるような形状であってもよい。この際、光反射面3bは、光入射面3aから入射した光を、光軸から+y軸方向側(所定の方向T側)に離れていく集光方向Uに全反射させることができるような曲面であって、なおかつ、反射した光を光出射面3cから出射させることができるような曲面を有している必要がある。例えば、図5(b)に示すような光出射面3c側に凸となる曲線状の断面の場合、+y軸方向側(所定の方向T側)に全反射させる光の量をより多くすることができる。特に、図5(a)に示すような直線状の断面を有する場合と比較して、全反射させた光を広域に拡散して出射することができる。したがって、+z軸方向側や−y軸方向側にも一部の光を反射させることができる。すなわち、所定の方向T側とは反対側(−y軸方向側)にも一部の光を照射したい場合には好適である。逆に、図5(c)に示すような光出射面3c側に凹となる曲線状の断面の場合、図5(a)に示すような直線状の断面を有する場合と比較して、全反射した光を光軸Sから+y軸方向側(所定の方向T側)に離れていく集光方向Uにより集光させることができる。すなわち、集光方向Uへの集光率を上げたい場合には好適である。
【0054】
ところで、光学レンズ1には、全反射面である光反射面3bを形成するために第2凹部8が形成してあるが、光反射面3bを形成するために第2凹部8のような凹部を形成する必要はない。つまり、光源2に対して傾斜し全反射条件を満たす傾斜面が、光学レンズ1と空気との境界面(光学レンズ1の側面)に形成されていればよい。したがって、突起部4も必須ではない。なお、本実施の形態では、複数の光学レンズ1を板状に一体成型することを想定しているため、成型の際に型が抜けるように第2凹部8を設けることで光反射面3bを形成してあるが、複数の光学レンズ1をそれぞれ別体に成型する場合では第2凹部8を形成していなくても型が抜けるので、光反射面3bを形成するために第2凹部8を設ける必要はない。
【0055】
以上では、光反射面3bを全反射面とする例を挙げたが、必ずしもこれに限定されないことは言うまでもない。光反射面3bは、鏡面加工等の光を反射する加工を施した反射面であってもよい。
【0056】
ここで、図3(b)に示したように、x−y平面で切断した切断面においては、光反射面3bは、テーパ形状に形成されている。この際、上記テーパ部分は、入射面3aから−y軸方向側に離れるに従って±x軸方向の幅が大きくなるような形状にすることによって、光反射面3bによって全反射された光を±x軸方向に大きく拡散して出射させることができる。逆に、テーパ部分を入射面3aから−y軸方向側に離れるに従って±x軸方向の幅が小さくなるような形状にすることによって、光反射面3bによって全反射された光を±x軸方向にあまり拡散させずに出射させることができる。
【0057】
以上のように、光反射面3bの形状を種々に変更することによって、照明デバイス30によって得られる配光特性が異なってくる。したがって、照明デバイス30によって得たい配光特性に応じて、光反射面3bの形状を適宜選択すればよい。なお、x−y平面で切断した切断面における光反射面3bの形状は上記テーパ形状に限定されない。
【0058】
(光出射面の形状)
光出射面3cの±x軸方向側の端部に到達する光は、その入射角が大きくなるので、一部の光は外部に出射せずに内部に戻ってしまう。そこで、図1に示したように、光出射面3cの±x軸方向側の端部(回転楕円体の長軸方向の端部)は切断されていることが好ましい。これは、±x軸方向側の端部に到達する光が光出射面3cに入射する入射角度が小さくなるように光出射面3cの±x軸方向側の端部が切断されていることによって、上記のような光をより出射しやすくなるためである。すなわち、フレネル反射をより低減することができる。
【0059】
(照明ユニットの構成)
以上で説明したように、本実施の形態に係る照明デバイス30は、光源2から出射された光を光源2の光軸Sから所定の方向T側(+y軸方向側)へと離れていく集光方向Uに集光させると共に、光軸Sと上記の所定の方向Tとを含む平面に直交する拡散方向(±x軸方向)に拡散させる部材である。そこで、所定の方向T側とは反対側(−y軸方向側)にも光を照射することが求められる場合には、所定の方向T側とは反対側(−y軸方向側)にも光を照射することができる照明デバイスと組み合わせて用いることが好ましい。そのような照明デバイスとして、例えば図6および図7に示すような照明デバイス30’が挙げられる。図6は、本実施の形態に係る照明デバイス30’の外観を示す図である。図7は、本実施の形態に係る照明デバイス30’の断面を示す図である。
【0060】
図6に示すように、照明デバイス30’は、光学レンズ1’および光源2’を備えている。光学レンズ1’は、光反射面3bに対応する凹部を持たない光学レンズ1に相当する。したがって、図7に示すように、光学レンズ1’は、光入射面3a’および光出射面3b’を有している。光学レンズ1’は、回転楕円体をその長軸に平行な平面で切って得られる凸形状をしており、凸形状の表面が上記の光出射面3b’である。また、光学レンズ1の光出射面3b’とは反対側の面には、光出射面3b’側に凹んだ凹形状の凹部が形成されており、この凹部が上記の光入射面3a’を形成している。光学レンズ1’は光学レンズ1の光反射面3bに相当する面を有していないため、光学レンズ1と比較して、所定の方向T側とは反対側(−y軸方向側)をより照射することができる。
【0061】
なお、以上では、図6および図7を参照して、光学レンズ1’の具体的な形状を示したが、これはあくまでも一例であり、必ずしもこれに限定されるわけではなく、光学レンズ1’は種々の形状を有していてもよい。すなわち、本実施の形態に係る照明デバイス30’は、光源2’と、光源2’から出射された光が入射する光入射面3a’および光入射面3a’から入射した光を出射する光出射面3b’を有する光学レンズ1’とを備え、光学レンズ1’が、光入射面3a’から入射した光を、光学レンズ1と比較して、所定の方向T側とは反対側(−y軸方向側)からより出射させることができればよい。
【0062】
これらの照明デバイス30および30’を組み合わせることによって、光源2および2’から出射された光を光軸Sから所定の方向T側(+y軸方向側)に離れていく集光方向Uに集光させると共に、光軸Sおよび所定の方向Tの双方に直交する拡散方向(±x軸方向)に拡散させ、なおかつ、上記の所定の方向T側とは反対側(−y軸方向側)にも光を照射することができる。したがって、照明デバイス30および30’の光を、所定の方向T側(+y軸方向側)に集光させつつも、上記の所定の方向T側とは反対側(−y軸方向側)にも光を照射することが求められる場合には好適である。
【0063】
これらの照明デバイス30および30’を組み合わせる場合、板状の部材上に両照明デバイス30および30’を一定の間隔で配置して使用してもよいし、図8(a)に示すように、一定の間隔で配置した照明デバイス30および30’を板状の部材5上に一体形成してもよい。一体形成とは、図8(b)および(c)に示すように、光学レンズ1および1’と板状の部材5とを一体化することであり、光学レンズ1および1’を板状の部材5と同じ材料で該板状の部材5上に形成することである(図8(b)は、一体形成したものを光入射面3aおよび3a’側から見た図である)。この一体形成したものを光源2および2’上に配置することによって、図8(a)に示したように、複数の照明デバイス30および30’をユニット化した照明ユニット60を得ることができる。この場合、板状の部材5は、光学レンズ1および1’と同じ材料であるため、1つの照明デバイス30または30’から出射された光を板状の部材5を導光させて、他の照明デバイス30または30’から出射させることができ、光の利用効率を上げることができる。また、複数の光学レンズ1および1’を射出形成によって一度に形成することができるので、容易にユニット化した照明ユニット60を製造することができる。
【0064】
なお、図8では、照明デバイス30および30’を交互に配置した構成を示したが、必ずしもこれに限定されるわけではない。したがって、照明ユニット60によって得たい配光特性に応じて、照明デバイス30および30’の配置および個数を適宜変更すればよい。また、照明ユニット60は、照明デバイス30のみで構成されていてもよいのは言うまでもない。
【0065】
(照明装置への適用例)
以下には、本実施の形態に係る照明ユニット60を照明装置に適用する場合の一具体例を示す。図9は、照明ユニット60を備えた照明装置40の概略構成を示す斜視図である。
【0066】
図9に示すように、照明装置40には、複数の照明デバイス30および30’からなる照明ユニット60が搭載されている。照明ユニット60は、複数の照明デバイス30および30’を板状の部材5上にマトリクス状に配置または一体形成して構成されている。図9には、一例として、照明デバイス30および30’を1行(±x軸方向)当たり8個、1列(±y軸方向)当たり18個配置し、計144個の照明デバイス30および30’を配置している例を示す。なお、図9に示す照明装置40は一例であり、本実施の形態に係る照明装置40はこれに限定されるものではない。照明ユニット60に搭載する照明デバイス30および30’の数については、照明装置40に要求される光束の大きさによって適宜変更することができる。
【0067】
照明装置40では、照明ユニット60を筐体6内に格納しており、複数の照明デバイス30および30’が筐体6の一面から露出するように配置されている。筐体6内には、照明ユニット60と共に図示しない電源装置等も格納されている。
【0068】
この照明装置40を道路照明として適用した場合の一例を図9に示す。図10は、照明装置40の設置状態を示す図である。図10に示すように、照明装置40は、直線形ポールの道路灯に適用することが好ましい。これは、照明ユニット60によって、光源2および2’から出射された光を光軸Sから所定の方向T側(+y軸方向側)離れていく集光方向Uに集光させつつも、上記の所定の方向T側とは反対側(−y軸方向側)にも光を照射することができることから、直線形ポールのように車道の端に立っている道路灯に好適なためである。この場合、照明装置40の±x軸方向が車道の進行方向(車線軸方向)と平行になるようにしたとする。こうすることによって、本実施の形態に係る照明装置40においては、照明ユニット60によって、光源2および2’から出射された光を車道の幅方向側(+y軸方向側)に集光させると共に、車道の進行方向(±x軸方向)に拡散させ、なおかつ、車道の路肩側の歩道側(−y軸方向側)にも光を照射することができる。このように、照明デバイス30および30’を組み合わせた照明ユニット60を搭載した照明装置40を用いることによって、車道側(+y軸方向側)と歩道側(−y軸方向側)とで異なる配光分布となるように配光特性を制御し、配光分布を最適化することができる。したがって、所望な配光分布を実現することができるため、道路照明において求められる仕様を満たすことができる高い性能を備える道路灯を実現することができる。
【0069】
また、照明デバイス30および30’において、光源面積が大きいアレイ状のLED光源を用いた場合においても、各LED光源に対応するように光学レンズ1および1’が形成されるため、照明デバイス30および30’は大型にならない。結果、照明デバイス30および30’を搭載する照明装置40の大型化を招くことなく、配光特性に優れた照明装置40を実現することが可能となる。
【0070】
なお、上述したように、図9に示す照明装置40は一例であり、本実施の形態に係る照明装置40はこれに限定されるものではない。したがって、道路照明において求められる配光特性に応じて、照明ユニット60を構成する照明デバイス30および30’の数ならびに配置等を適宜変更して道路側(+y軸方向側)および歩道側(−y軸方向側)の配光制御を行うことが好ましい。
【0071】
〔第2の実施の形態〕
(照明デバイスの構成)
続いて、第2の実施の形態に係る照明デバイスの構成について、図11および図12を参照して説明する。図11は、本実施の形態に係る照明デバイス31の外観を示す図である。図12は、本実施の形態に係る照明デバイス31を示す図である。
【0072】
図11に示すように、照明デバイス31は、光学レンズ11および光源12を備えている。光学レンズ11は、光源12から出射された光を、第1方向の所定の範囲(図11の場合、y軸方向の所定の範囲)に集光させると共に、光軸および第1方向の双方に直交する第2方向(図11の場合、±x軸方向)に拡散させる部材である。図12(a)に示すように、光学レンズ11は、光入射面13aおよび光出射面13bを有している。光入射面13aは、光源12から出射された光が入射する面を言う。また、光出射面13bとは、光入射面13aから入射した光を出射する面を言う。
【0073】
光学レンズ11は、回転楕円体をその長軸に平行な平面で切って得られる凸形状をしており、凸形状の表面が上記の光出射面13bである。また、光学レンズ11の光出射面13bとは反対側の面には、光出射面13b側に凹んだ凹形状の凹部17が形成されており、この凹部17が上記の光入射面13aを形成している。
【0074】
図12(a)に示すように、光入射面13aを形成する凹部17は、y−z平面で切断した切断面において、x−y平面とy−z平面とが交わる直線Qから光入射面13aまでの距離が、照明デバイス31の−y軸方向側の端部において最も小さくなるように形成されている。特に、x−z平面とy−z平面とが交わる直線Qから光入射面13aまでの距離は、光軸に対して一方側(−y軸方向側の端部)よりも他方側(+y軸方向側の端部)の方が相対的に大きくなっている。このx−y平面とy−z平面とが交わる直線Qとは、光学レンズ11の設置面13cを通るy軸に平行な直線である。一方、図12(b)および(c)に示すように、x−y平面で切断した切断面においては、光入射面13aの幅(±x軸方向の幅)が、+y軸方向側の端部で最も大きくなり、照明デバイス31の中央部分で最も小さくなるように(すなわち、テーパ形状に)形成されている。
【0075】
光学レンズ11をy−z平面で切断した切断面における光入射面13aを形成する凹部17の+z軸方向の深さが、−y軸方向側の端部において最も小さくなるが、光学レンズ11をy−z平面で切断した切断面における光学レンズ11の+z軸方向の厚さは照明デバイス31の中央部分が大きくなっている。一方、図12(d)に示すように、光学レンズ11をx−z平面で切断した切断面における光学レンズ11の厚さ(凹部17の径方向の厚さ)は中央部分が両端部よりも小さくなっている。そのため、光学レンズ11をy−z平面で切断した切断面においては、光学レンズ11は凸レンズ(集光レンズ)をなしており、光学レンズ11をx−z平面で切断した切断面においては、光学レンズ11は凹レンズ(拡散レンズ)をなしている。
【0076】
ここで、照明デバイス31では、光軸が+y軸方向または−y軸方向にオフセットされている。具体的には、光軸は、照明デバイス31をy−z平面で切断した切断面において、光入射面13aから光出射面13bまでの+z軸方向の距離が最も大きくなる位置(すなわち、光学レンズ11の+z軸方向の厚さが最も大きくなる位置)よりも、+y軸方向または−y軸方向に位置している。このように、光軸を+y軸方向または−y軸方向にオフセットすることによって、照明デバイス31からの光を、+y軸方向側にオフセットした場合には−y軸方向側に、−y軸方向側にオフセットした場合には+y軸方向側に照明させることができる。
【0077】
なお、以上では、図11および図12を参照して、光学レンズ11の具体的な形状を示したが、これはあくまでも一例であり、必ずしもこれに限定されるわけではなく、光学レンズ11は種々の形状を有していてもよい。すなわち、本実施の形態に係る照明デバイス31は、光源12と、光源12から出射された光が入射する光入射面13aと、光入射面13aから入射した光を出射する光出射面13bとを有する光学レンズ11であって、光入射面13aから入射した光を、光軸の方向に直交する第1方向には所定の範囲内に集光させると共に、光源12の光軸および第1方向の双方に直交する第2方向には拡散させる光学レンズ11とを備え、光学レンズ11は、光軸を含み、第2方向に直交する平面で光学レンズ11を切断した切断面において、光入射面13aから光出射面13bまでの光軸の方向の距離が最も大きくなる最大点を有しており、該最大点に対して第1方向における切断面の一方側よりも他方側の方が上記の距離が相対的に大きくなっていればよい。
【0078】
(照明デバイスの各種部材)
本実施の形態においても、光学レンズ11としては、例えばアクリル樹脂の他、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、またはガラス等を用いることが好ましい。しかし、特に限定はなく、可視光域において透明性がよく、透過率が大きい材料であれば好適である。また、本実施の形態に係る光学レンズ11のような形状であれば、射出成形等による方法で大量に製造することが可能である。
【0079】
一方、光源12としては、LEDを用いることができる他、半導体レーザー等の光源も適用可能であるが、特に限定はない。光源12の形状は、照明デバイス31と同様に、回転対称であってもよいし、回転対称ではなく直方体等の形状であってもよい。
【0080】
(光の入射および出射)
次に、光源12から光学レンズ11に入射される光の出射について、図13を参照して説明する。図13(a)は、照明デバイス31のy−z平面における光の屈折を示す図である。図13(b)は、照明デバイス31のx−y平面における光の屈折を示す図である。図13(c)は、照明デバイス31のx−z平面における光の屈折を示す図である。
【0081】
まず、照明デバイス31のy−z平面における光の屈折について説明する。図13(a)に示すように、光源12から出射された光の多くは、光入射面13aから入射してそのまま光出射面13bから出射される(矢印FおよびG)。光学レンズ11をy−z平面で切断した切断面においては、光学レンズ11は凸レンズ(集光レンズ)をなしているため、光入射面13aから入射してそのまま光出射面13bから出射される光は、光入射面13aにおいてz軸側に屈折し、さらに光出射面13bにおいて光軸に近づく方向に屈折されて光出射面13bから出射される。
【0082】
このように、光出射面13bから出射される光を、z軸側に屈折して出射することによって、y軸方向の所定の範囲内に集光させることができる。
【0083】
この際、図12(a)に示したように、y−z平面で切断した切断面において、x−z平面とy−z平面とが交わる直線Qから光入射面13aまでの距離は、光軸に対して一方側よりも他方側の方が相対的に大きくなっている(図12の場合、−y軸方向側の方が+y軸方向側よりも相対的に小さくなっている)。そのため、照明デバイス31の中央部分から+y軸方向側に近づくにつれて、光出射面13bから出射される光は、光入射面13aに対する入射角度が比較的大きいため屈折角が大きくなる(矢印F)。一方、照明デバイス31の中央部分から−y軸方向側に近づくにつれて、光出射面13bから出射される光は、入射面13aに対する入射角度が矢印Fの光に比較して小さく、屈折角が小さくなる(矢印G)。
【0084】
このように、光入射面13aから入射してそのまま光出射面13bから出射される光のうち、光入射面13aの+z軸方向の深さが相対的に深くなっている位置から出射される光は進行方向におけるz軸からy軸側(+y軸方向)へ離れる距離が大きくなるのに対して、光入射面13aの+z軸方向の深さが相対的に浅くなっている位置から出射される光は進行方向におけるz軸からy軸側(−y軸方向)へ離れる距離が比較的小さい。
【0085】
続いて、照明デバイス31のx−y平面およびx−z平面における光の屈折について説明する。図13(b)に示すように、光源12から出射された光は、光入射面13aから入射して光出射面13bから出射される(矢印H1およびH2)。この際、図12(b)に示したように、x−y平面で切断した切断面において、光学レンズ11の厚さ(±x軸方向の厚さ)は照明デバイス31の中央部分に向かうにつれて大きくなっている。このため、光学レンズ11はx−y平面で切断した切断面において集光レンズとして作用する。光学レンズ11を±x軸方向に進行する光は、y軸方向の所定の範囲内に集光される。
【0086】
また、図12(d)に示したように、照明デバイス31をx−z平面で切断した切断面においては、光源2を通る凹部17の径方向の光学レンズ11の厚さは光軸に近づくにつれて小さくなるので、光学レンズ11はx−z平面で切断した切断面において拡散レンズとして作用する。したがって、光出射面13bから出射される光は、±x軸方向に大きく拡散されて出射される(矢印I1およびI2)。
【0087】
このように、光入射面13aから入射して光出射面13bから出射される光は、±x軸方向に大きく拡散されて出射されている。これによって、照明デバイス31は光出射面13bから出射される光をy軸方向の所定の範囲内に集光させると同時に、±x軸方向に広く拡散した配光を実現することができる。
【0088】
特に、照明デバイス31を道路灯あるいはトンネル灯等の道路照明に用いる照明装置に適用する場合は、照明デバイス31のy軸方向が道路の幅方向となり、x軸方向が道路の進行方向(車線軸方向)となるように設定することによって、道路の進行方向の照明範囲を拡げると共に、道路の幅方向(上記y軸方向の所定の範囲内)に光を集光することができる。そのため、照明装置を連結する灯具の設置間隔を広くすることができる。また、これによって道路の幅方向への照明光の制御の自由度が高まり、照明条件のよりきめ細かな調整が可能となる。この他、照明装置の設置角度が予め決まっている場合でも、光学レンズ11だけで道路の幅方向の照明度合いを変化させることができるため、所望の配光分布を得やすくなる。
【0089】
このように、本実施の形態に係る照明デバイス31によれば、1つの光学レンズ11のみによって、一方向およびそれに直交する他方向の2方向の配光特性を制御し、その配光特性を最適化することができる。したがって、本実施の形態に係る照明デバイス31を備えた照明装置を用いれば、リフレクタ等を使用せずとも、道路照明に用いる照明装置として適した配光分布および照度を有する照明装置を実現することができる。
【0090】
また、光源12が複数になって光源面積が大きくなった場合においても、本実施の形態に係る照明デバイス31はコンパクトであるため、照明デバイス31を搭載した照明装置においては、装置の大型化を招くことなく、優れた配光特性を実現することが可能となる。
【0091】
(突起部の利用)
本実施の形態に係る照明デバイス31は、第1の実施の形態に係る照明デバイス30のような光反射面3bを有していないため、+y軸方向あるいは−y軸方向に出射されて不要光となる光が生じてしまう。そこで、照明デバイス31は、+y軸方向あるいは−y軸方向に出射されて不要光となる光を±x軸方向側に反射させることができる突起部を有していてもよい。このような突起部の一例を図14に示す。図14は、突起部14を有する照明デバイス31の外観を示す図である。
【0092】
図14に示すように、突起部14は、照明デバイス31をx−y平面で切断した際に、+y軸方向側に凸となるV字形状の断面を持つ反射面(第1反射面、第2反射面)を少なくとも有している。光源2から−y軸方向に出射された光は、この反射面によって±x軸方向側に反射されて、出射される。これによって、本来であれば−y軸方向に出射されて不要光となる光も±x軸方向側に反射して出射されることによって、利用することができる。したがって、照明デバイス31の光利用効率を向上することができると共に、照明デバイス31の照明率を向上することができる。すなわち、照明デバイス31を道路灯あるいはトンネル灯等の道路照明に用いる照明装置に適用する場合は、本来照明すべき道路の幅からはみ出す光についても、突起部14を照明デバイス31に設けることによって、道路を照明する有効な照明光に変換して利用することができるため、効率的な照明装置が実現できる。
【0093】
なお、突起部14の形状はいかなる形状であってもよく、これに限定されるわけではない。したがって、突起部14は、+y軸方向あるいは−y軸方向に出射されて不要光となる光を±x軸方向側に反射させることができる形状であればいかなる形状であってもよい。また、図14では、突起部14を照明デバイス31の一方側(−y軸方向側)に設けているが、必ずしもこれに限定されるわけではなく、照明デバイスの他方側(+y軸方向側)に設けてもよいし、両側に設けてもよい。
【0094】
(光出射面の形状)
光出射面13bの±x軸方向側の端部に到達する光は、その入射角が大きくなるので、一部の光は外部に出射せずに内部に戻ってしまう。そこで、図11に示したように、光出射面13bの±x軸方向側の端部(回転楕円体の長軸方向の端部)は切断されていることが好ましい。これは、±x軸方向側の端部に到達する光が光出射面13bに入射する入射角度が小さくなるように光出射面13bの±x軸方向側の端部が切断されていることによって、上記のような光をより出射しやすくなるためである。すなわち、フレネル反射をより低減することができる。
【0095】
(照明ユニットの構成)
以上で説明した照明デバイス31をユニット化する場合、板状の部材上に照明デバイス31を一定の間隔で配置して使用してもよいし、図15(a)に示すように、一定の間隔で配置した照明デバイス31を板状の部材5上に一体形成してもよい。一体形成とは、図15(b)および(c)に示すように、光学レンズ11と板状の部材15とを一体化することであり、光学レンズ11を板状の部材15と同じ材料で該板状の部材15上に形成することである(図15(b)は、一体形成したものを光入射面13a側から見た図である)。この一体形成したものを光源12上に配置することによって、図15(a)に示したように、複数の照明デバイス31をユニット化した照明ユニット61を得ることができる。この場合、板状の部材15は、光学レンズ11と同じ材料であるため、1つの照明デバイス31から出射された光を板状の部材15を導光させて、他の照明デバイス31から出射させることができ、光の利用効率を上げることができる。また、光学レンズ11を射出形成によって一度に形成することができるので、容易にユニット化した照明ユニット61を製造することができる。
【0096】
(照明装置への適用例)
以下には、本実施の形態に係る照明ユニット61を照明装置に適用する場合の一具体例を示す。図16は、照明ユニット61を備えた照明装置41の概略構成を示す斜視図である。
【0097】
図16に示すように、照明装置41には、複数の照明デバイス31からなる照明ユニット61が搭載されている。照明ユニット61は、複数の照明デバイス31を板状の部材15上にマトリクス状に配置または一体形成して構成されている。図16には、一例として、照明デバイス31を1行(±x軸方向)当たり8個、1列(±y軸方向)当たり18個配置し、計144個の照明デバイス31を配置している例を示す。なお、図16に示す照明装置41は一例であり、本実施の形態に係る照明装置41はこれに限定されるものではない。照明ユニット61に搭載する照明デバイス31の数については、照明装置41に要求される光束の大きさによって適宜変更することができる。
【0098】
照明装置41では、照明ユニット61を筐体16内に格納しており、複数の照明デバイス31が筐体16の一面から露出するように配置されている。筐体16内には、照明ユニット61と共に図示しない電源装置等も格納されている。
【0099】
この照明装置41を道路照明として適用した場合の一例を図17に示す。図17は、照明装置41の設置状態を示す図である。図17に示すように、照明装置41は、アーム形ポールの道路灯に適用することが好ましい。これは、照明デバイス31は、光源12から出射された光を、第1方向(±y軸方向)の所定の範囲内に集光させると共に、光軸および第1方向の双方に直交する第2方向(±x軸方向)に拡散させる部材であることから、アーム形ポールのように車道側(+y軸方向側)に迫り出している道路灯に好適なためである。この場合、照明装置40の±x軸方向が車道の進行方向(車線軸方向)と平行になるようにする。こうすることによって、本実施の形態に係る照明装置41においては、照明ユニット61によって、光源12から出射された光を車道幅方向(±y軸方向)には車道部分に集光させると共に、車道の進行方向(±x軸方向)には拡散させることができる。このように、照明デバイス31からなる照明ユニット61を搭載した照明装置41を用いることによって、車道部分を照明する配光分布となるように配光特性を制御し、配光分布を最適化することができる。したがって、所望な配光分布を実現することができるため、道路照明において求められる仕様を満たすことができる高い性能を備える道路灯を実現することができる。
【0100】
また、照明デバイス31において、光源面積が大きいアレイ状のLED光源を用いた場合においても、各LED光源に対応するように光学レンズ11が形成されるため、照明デバイス31は大型にならない。結果、照明デバイス31を搭載する照明装置41の大型化を招くことなく、配光特性に優れた照明装置41を実現することが可能となる。
【0101】
なお、上述したように、図16に示す照明装置41は一例であり、本実施の形態に係る照明装置41はこれに限定されるものではない。したがって、道路照明において求められる配光特性に応じて、照明ユニット61を構成する照明デバイス31の数ならびに配置等を適宜変更して車道幅方向(±y軸方向)の集光範囲の制御(配光制御)を行うことが好ましい。
【0102】
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0103】
例えば、以上では各実施の形態に係る照明デバイスを備えた照明装置を道路灯あるいはトンネル灯に適用する例を挙げているが、必ずしもこれに限定されるわけではない。各実施の形態に係る照明デバイスおよび該照明デバイスを備える照明装置は、防犯灯、街路灯、公園灯、および看板照明等の屋外照明、あるいはその他の照明に幅広く用いることができる。
【符号の説明】
【0104】
1 光学レンズ
1’ 光学レンズ
2 光源
2’ 光源
3a 光入射面
3a’ 光入射面
3b 光反射面
3b’ 光出射面
3c 光出射面
3d 設置面
4 突起部
5 板状の部材
6 筐体
7 第1凹部
8 第2凹部
11 光学レンズ
12 光源
13a 光入射面
13b 光出射面
13c 設置面
14 突起部
15 板状の部材
16 筐体
17 凹部
30 照明デバイス
30’ 照明デバイス
31 照明デバイス
40 照明装置
41 照明装置
60 照明ユニット
61 照明ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
上記光源から出射された光が入射する光入射面と、上記光入射面から入射した光を出射する光出射面とを有する光学レンズであって、上記光入射面から入射した光を、上記光源の光軸に直交する第1方向には所定の範囲内に集光させると共に、上記光軸および上記第1方向の双方に直交する第2方向には拡散させる光学レンズとを備え、
上記光学レンズは、上記光軸を含み、上記第2方向に直交する平面で上記光学レンズを切断した切断面において、上記光入射面から上記光出射面までの上記光軸の方向の距離が最も大きくなる最大点を有しており、上記最大点に対して上記第1方向における切断面の一方側よりも他方側の方が上記距離が相対的に大きくなっていることを特徴とする照明デバイス。
【請求項2】
上記光軸は、上記光軸を含み、上記第2方向に直交する平面で上記光学レンズを切断した切断面において、上記最大点に対して上記他方側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
上記光学レンズは、上記光入射面から入射した光のうち、上記第1方向に入射した光を上記第2方向または上記第2方向とは反対側の方向に反射して上記光出射面から出射させる第1反射面、および上記光入射面から入射した光のうち、上記第1方向とは反対側に入射した光を上記第2方向または上記第2方向とは反対側に反射して上記光出射面から出射させる第2反射面の少なくとも一方をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明デバイスを、板状の部材上に複数一体形成してなることを特徴とする照明ユニット。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明デバイスを備えた照明装置。
【請求項6】
請求項4に記載の照明ユニットを備えた照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−93201(P2013−93201A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234336(P2011−234336)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】