説明

照明制御システム、照明制御装置、および照明制御方法

【課題】光源の劣化状態を正確に判別する。
【解決手段】照明制御システム100は、灯具103とメモリ108とプロセッサ106とを有する。灯具103は光源と光センサとを有する。光源は照明光を発する。光センサは照明光の光強度を検出する。メモリ108は光センサに検出させた照明光の光強度を記憶可能である。プロセッサ106は基準採取モードと劣化判別モードとを有する。基準採取モードにおいて光源に所定の基準電流を供給し、光センサに照明光の光強度を検出させ、光センサにより検出された光強度を基準強度としてメモリに格納させる。劣化判別モードにおいて光源に基準電流を供給させ、光センサに照明光の光強度を検出させ、基準強度に基づいて算出される閾値より照明光の光強度が低い場合に光源が劣化していると判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の灯具それぞれの劣化情況を正確に判別する照明制御装置、照明制御システム、および照明制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各灯具は単独のスイッチによって点灯と消灯の切替操作が行われていた。しかし、近年、灯具による照明状態の調整や灯具の管理などを行う照明制御装置が提案されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−191575号公報
【特許文献2】特開2010−251938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明制御装置によって、灯具の保守管理を行うことも望まれている。灯具に用いられる光源の中には、例えばLEDのように、経年劣化により徐々に出射光量が減少するものがある。それゆえ、明るさが急激に変化するものでなく、点検時期および交換時期の判別が困難であった。そこで、光源の経年劣化状態を定量的に判別することが求められていた。
【0005】
光源の劣化状態を定量的に判別するために、光源から出射する照明光の光強度を光センサによって検出することが考えられる。劣化したと判別される光源の出射光の光強度を、一定の値に予め定め、予め定められた値と検出した光強度とを比較することにより光源の劣化状態を判別可能である。
【0006】
ところで、光センサによって検出される光には、光源の出射光以外の光も混入し得る。それゆえ、光センサによって検出される光の光強度は、灯具の配置によって変動する。例えば、窓際に配置した灯具においては、窓から離れた位置の灯具よりも高い光強度が検出される。それゆえ、一定の値である閾値と光センサに検出された光強度との比較では、光源の劣化判別の正確性が低下する。
【0007】
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、光源の劣化状態を正確に判別する照明制御システム、照明制御装置、および照明制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した諸課題を解決すべく、本発明による照明制御システムは、
照明光を発する光源と、照明光の光強度を検出する光センサとを有する灯具と、
光センサに検出させた照明光の光強度を記憶可能なメモリと、
光源に所定の基準電流を供給し、光センサに照明光の光強度を検出させ、光センサにより検出された光強度を基準強度としてメモリに格納させる基準採取モードと、光源に基準電流を供給し、光センサに照明光の光強度を検出させ、基準強度に基づいて算出される閾値と照明光の光強度との比較に基づいて光源が劣化していると判別する劣化判別モードとを有するプロセッサと、を備える
ことを特徴とするものである。
【0009】
なお、
灯具は複数であり、
プロセッサは、複数の灯具の中の何れか一つの灯具を注目灯具に、注目灯具の周囲の灯具を周囲灯具に指定可能であり、
基準採取モードにおいて、プロセッサは、注目灯具の光源に基準電流を供給して照明光を発光させ、注目灯具の光センサおよび周囲灯具の光センサによって検出された光強度をそれぞれ第1の基準強度および第2の基準強度として、灯具別にメモリに記憶させ、
劣化判別モードにおいて、プロセッサは、複数の灯具を順番に注目灯具に指定し、注目灯具の光源に基準電流を供給して照明光を発光させ、注目灯具の光センサに照明光の光強度を第1の光強度として検出させ、周囲灯具の光センサに照明光の光強度を第2の光強度として検出させ、注目灯具の光源に対応して記憶された第1の基準強度および第2の基準強度に基づいて算出される閾値と第1の光強度および第2の光強度により算出される評価値との比較に基づいて注目灯具の前記光源が劣化していると判別する
ことが好ましい。
【0010】
また、
閾値は第1の基準強度と第2の基準強度との重付け平均値に所定の係数を乗じることにより算出され、評価値は第1の光強度と第2の光強度との重付け平均値である
ことが好ましい。
【0011】
また、
閾値の算出における第1の基準強度への重付けと評価値の算出における第1の光強度への重付けは同一であり、閾値の算出における第2の基準強度への重付けと評価値の算出における第2の光強度への重付けは同一であり、閾値の算出における第1の基準強度への重付けは第2の基準強度への重付けより大きい
ことが好ましい。
【0012】
また、
プロセッサは、劣化判別モードにおいて、同一の光源の照明光を受光する複数の光センサで検出したそれぞれの光強度の、対応する基準強度からの変動を比較することにより複数の光センサのいずれかが劣化していると判別する
ことが好ましい。
【0013】
また、
プロセッサは、劣化していると判別した光センサによって検出される第1の光強度および第2の光強度を光源の劣化の判別から除外する
ことが好ましい。
【0014】
また、本発明による照明制御装置は、
照明光を発する光源と照明光の光強度を検出する光センサとを有する灯具における光センサに検出させた照明光の光強度を記憶可能なメモリと、
光源に所定の基準電流を供給し、光センサに照明光の光強度を検出させ、光センサにより検出された光強度を基準強度としてメモリに格納させる基準採取モードと、光源に基準電流を供給し、光センサに照明光の光強度を検出させ、基準強度に基づいて算出される閾値と照明光の光強度との比較に基づいて光源が劣化していると判別する劣化判別モードとを有するプロセッサと、を備える
ことを特徴としている。
【0015】
また、本発明による照明制御方法は、
基準採取モードの実行時に、照明光を発する光源に所定の基準電流を供給し、光源を有する灯具に設けられる光センサに照明光の光強度を検出させ、光センサにより検出された光強度を基準強度としてメモリに格納させるステップと、
劣化判別モードの実行時に、光源に基準電流を供給し、光センサに照明光の光強度を検出させ、基準強度に基づいて算出される閾値と照明光の光強度との比較に基づいて光源が劣化していると判別させるステップと、を備える
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
上記のように構成された本発明に係る照明制御システムによれば、光源の劣化状態を正確に判別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】灯具の構成図である。
【図3】任意の室内空間における複数の灯具の配置図である。
【図4】注目灯具と周囲灯具との位置関係を説明するための灯具の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を適用した照明制御装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。照明制御システム100は、照明制御装置101、信号伝送線102、および灯具103を含んで構成される。照明制御装置101および複数の灯具103は、信号伝送線102を介して接続される。
【0020】
図2に示すように、灯具103は、光源104および光センサ105を有する。光源104は例えばLED光源であり、供給する電流を変えることにより出射光量を調整可能である。また、光センサ105は例えば照度センサであり、受光する光の光強度を検出することが可能である。
【0021】
図3に示すように、複数の灯具103は、室内空間isにおいて3行4列の行列状に配置される。12個の灯具103には、配置位置を示すアドレスが定められる。図3においては、窓w側の1列目の上から1行目から3行目の配置位置のアドレスは、順番に1、2、3に定められる。また、窓w側から2列目の1行目から3行目の配置位置のアドレスは4、5、6に定められる。同様に、窓w側から3、4列目のそれぞれの配置位置の青ドレスが7〜12に定められる。
【0022】
なお、本実施形態においてアドレスは通し番号によって表されるが、灯具103の配置位置を示すどのような表現形式のアドレスを用いてもよい。例えば、2次元座標を、アドレスの表現形式にしてもよい。なお、以下の説明において、アドレスがn(nは正の整数)である灯具103の光源104を、第nの光源104と表記する。また、アドレスがnである灯具103の光センサ105を、第nの光センサ105と表記する。
【0023】
次に、照明制御装置101の構成について説明する。照明制御装置101は、プロセッサ106、モニタ107、メモリ108、およびキーボードあるいはマウスなの操作入力部109を含んで構成される。
【0024】
照明制御装置101は、灯具103毎に光源104の劣化状態を判別するために、基準採取モードと劣化判別モードとを有する。以下に、詳細に説明するように、基準採取モードにおいて新品とみなせる光源104が発光する照明光に応じた光の基準強度を採取する。また、劣化判別モードにおいて光センサ105によって検出した光強度と基準強度に基づく閾値との比較によって光源104および光センサ105の劣化状態を判別する。
【0025】
基準採取モードについて、以下に詳細に説明する。プロセッサ106は、基準採取モードを灯具103毎に実行する。基準強度の採取が望まれるのは、光源104が新品のときである。例えば、照明制御システム100の設置時や特定の灯具103において光源104が交換されたときに、基準強度の採取が望まれる。
【0026】
そこで、操作入力部109が光源104を交換した灯具103のアドレスの使用者による入力を検出することにより、プロセッサ106は特定の灯具103の光源104に対して基準強度を採取すべきと認識する。
【0027】
特定の灯具103の光源104に対して基準強度を採取すべきとプロセッサ106が認識すると、定められた曜日および時間、例えば日曜日の深夜2時に、プロセッサ106は対象の光源104に対して基準採取モードを実行する。
【0028】
基準採取モードを開始すると、プロセッサ106は、特定の灯具103を注目灯具に、注目灯具の行方向および列方向に隣接する周囲の灯具103を周囲灯具に指定する。例えば、図4に示すように、プロセッサ106が、アドレスが5である灯具103を注目灯具103nに指定すると、アドレスが2、4、6、8である灯具103を周囲灯具103sに指定する。
【0029】
プロセッサ106は、注目灯具103nの光源104のみに基準電流を供給し、注目灯具103nの光源104のみから照明光を出射させる。プロセッサ106は注目灯具103nの光センサ105が受光する光の光強度を検出させる。検出させた光強度を第1の基準強度としてメモリ108に記憶させる。また、プロセッサ106は周囲灯具103sの光センサ105が受光する光の光強度を検出させ、検出した光強度を第2の基準強度としてメモリ108に記憶させる。
【0030】
なお、光センサ105は、同じ灯具103の光源104から発する照明光だけでなく、他の灯具103の光源104から発する照明光も受光し得る。基準強度の採取対象の光源104以外の光源104から照明光が発せられると、基準強度に基づいて算出される閾値による劣化判別の信頼性が低下する。そこで、注目灯具103nの光源104のみを発光させることにより、劣化判別の信頼性を向上させることが可能である。
【0031】
各灯具103の光源104毎に基準採取モードを実行することにより、表1に示すように、プロセッサ106は灯具103毎に第1の基準強度および第2の基準強度を取得し、メモリ108に記憶させる。第1の基準強度および第2の基準強度をメモリ108に記憶させると、基準採取モードは終了する。
【0032】
【表1】

なお、表1において、NULLとは、当該位置に周囲灯具が存在しないことを意味する。
【0033】
なお、プロセッサ106は、任意の灯具103において検出された複数の第2の基準強度と第1の基準強度との加重平均値に、許容係数0.9を乗じた値を閾値として算出する。プロセッサ106は、算出した閾値をメモリ108に記憶する。
【0034】
なお、閾値の算出における第1の基準強度への重付けは、閾値の算出に用いられる第2の基準強度の個数に定められる。すなわち、閾値の算出に4つの第2の基準強度が用いられる場合には、第1の基準強度への重付けは4である。また、閾値の算出における第2の基準強度への重付けは、1に定められる。
【0035】
プロセッサ106は、算出した閾値を、後の劣化判別モードにおいて使用する。閾値の算出および記憶は、基準採取モードの実行時に行ってもよいし、基準採取モードの終了後の任意の時期に実行してもよい。
【0036】
次に、劣化判別モードについて、以下に詳細に説明する。すべての灯具103に対して第1の基準強度および第2の基準強度がメモリ108に格納されている場合に、定められた曜日および時間、例えば、毎週日曜日の深夜2時に、プロセッサ106は劣化判別モードを実行する。
【0037】
劣化判別モードを開始すると、プロセッサ106は、複数の灯具103すべてを順番に注目灯具103nに指定する。また、プロセッサ106は、注目灯具103nを指定するたびに注目灯具103nの行方向および列方向に隣接する周囲の灯具103を周囲灯具103sに指定する。
【0038】
プロセッサ106は、注目灯具103nの光源104のみに基準電流を供給し、注目灯具103nの光源104のみから照明光を出射させる。プロセッサ106は、注目灯具103nの光センサ105に、受光する光の光強度を第1の光強度として検出させる。また、プロセッサ106は、周囲灯具103sの光センサ105に、受光する光の光強度を第2の光強度として検出させる。プロセッサ106は、検出した第1の光強度および第2の光強度をプロセッサ106内に設けられるバッファメモリに記憶させる。
【0039】
複数の灯具103すべてに対して第1の光強度および第2の光強度を検出すると、プロセッサ106は各光源104が劣化しているか否かの判別と、各光センサ105が劣化しているか否かの判別を実行する。
【0040】
光源104が劣化しているか否かの判別について説明する。劣化状態を判別する光源104を有する灯具103に対して検出された第1の光強度と第2の光強度とに基づいて、プロセッサ106は評価値を算出する。
【0041】
なお、評価値は、灯具に対して検出された複数の第2の光強度と第1の光強度との加重平均値である。第1の光強度への重付けは、評価値の算出に用いる第2の光強度の数に定められる。また、第2の光強度への重付けは、1に定められる。
【0042】
なお、後述する光センサ105の劣化判別により、劣化していると判別された光センサ105によって検出された第1の光強度および第2の光強度を、プロセッサ106は評価値の算出から除外する。なお、一部の光強度を評価値の算出から除外した場合には、対応する閾値も、劣化していると判別された光センサ105によって検出された第1の基準強度および第2の基準強度を除外して、再度算出する。
【0043】
プロセッサ106は、評価値とメモリ108に格納された対応する閾値とを比較する。評価値が閾値より低い場合に、プロセッサ106は当該光源104が劣化状態であると判別する。劣化状態にある光源104のアドレスを、光源104のメンテナンスまたは交換を促すメッセージと合わせて、プロセッサ106はモニタ107に表示させる。
【0044】
次に、光センサ105が劣化しているか否かの判別について説明する。任意の光センサ105に対して隣接する灯具103の光センサ105が劣化している可能性は低い。それゆえ、同じ照明光の光強度を検出する複数の光センサ105の中で、検出結果において異なる挙動がある場合には、検出結果の挙動が異なる光センサ105が劣化したと判別可能である。
【0045】
具体的な判別方法の複数の例を、以下に説明する。なお、以下に説明する判別方法の複数の例のいずれかを単独で用いてもよいし、組合わせてもよい。また、複数の光センサ105による照明光の強度の検出結果に基づく他の判別方法を用いてもよい。
【0046】
以下においては、第5の光センサ105が劣化している場合を例として、説明する。第1の例では、プロセッサ106は、第5の光センサ105によって検出される第1の光強度の前記第1の基準強度からの減少率を算出する。また、プロセッサ106は、第5の光源104に対して検出される第2の光強度、すなわち、第2、第4、第6、第8の光センサ105によって検出される光強度の前記第2の基準強度からの減少率を算出する。
【0047】
第2、第4、第6、第8の光センサ105に対して算出した減少率の平均値に、例えば0.9などの許容係数を乗じた値より、第5の光センサ105に対して算出した減少率が低い場合には、プロセッサ106は第5の光センサ105が劣化していると判別する。
【0048】
第2の例では、プロセッサ106は、第8の光センサ105によって検出される第1の光強度の第1の基準強度からの減少率を算出する。また、プロセッサ106は、第8の光源104に対して検出される第2の光強度、すなわち、第5、第7、第9、第11の光センサ105によって検出される光強度の第2の基準強度からの減少率を算出する。
【0049】
第7、第8、第9、第11の光センサ105に対して算出した減少率の平均値に、例えば0.9などの許容係数を乗じた値より、第5の光センサ105に対して算出した減少率が低い場合には、プロセッサ106は第5の光センサ105が劣化していると判別する。
【0050】
プロセッサ106は、劣化している光センサがあるときに、劣化している光センサ105のアドレスを、光センサ105のメンテナンスまたは交換を促すメッセージと合わせて、モニタ107に表示させる。
【0051】
以上のような構成の本実施形態の照明制御システムによれば、特定の位置に配置された灯具103に設けられる光センサ105によって検出される基準強度に基づいて算出するので、灯具の配置に適した閾値を設定可能である。したがって、灯具の配置によらず、光源104の劣化判別の正確性を向上させることが可能である。
【0052】
また、本実施形態の照明制御システムによれば、単一の光源104の照明光の光強度を複数の光センサ105によって検出するので、何れかの光センサ105の検出精度が劣化しても、当該光センサ105の劣化状態を判別可能である。
【0053】
また、本実施形態の照明制御システムによれば、閾値および評価値を加重平均によって算出するので、複数の光センサ105の検出結果を使用しながら特定の光センサ105の検出結果の影響を高めることが可能である。例えば、注目灯具103nの光源104から発する照明光に対する光センサ105の感度は、周囲灯具103sより注目灯具103nの方が高い。それゆえ、注目灯具103nの光センサ105の検出結果を、周囲灯具103sの光センサの検出結果よりも、判別精度に高く影響させることが可能である。
【0054】
なお、重付けは、それぞれの灯具103の配置などによって調整することが考えられる。例えば、判別対象となる光源104からの距離に応じて重付けを調整してもよい。
【0055】
また、本実施形態によれば、単一の光源104から発せられる照明光の光強度を複数の光センサ105で検出し、または単一の光センサ105によって、複数の光源104から発せられる照明光を検出するので、光センサ105の劣化状態も判別可能である。
【0056】
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形あるいは修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形あるいは修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0057】
例えば、本実施形態において、基準採取モードおよび劣化判別モードを、日曜日の深夜2時に実行する構成であるが、他の日時に実行してもよい。また、実行する日時を設定可能な構成でもよい。灯具103が配置される室内空間isに入射する外部光が、基準採取モードおよび複数の劣化判別モード実行時それぞれにおいて一定とみなせる曜日や日時に設定することが好ましい。
【符号の説明】
【0058】
100 照明制御システム
101 照明制御装置
102 信号伝送線
103 灯具
104 光源
105 光センサ
106 プロセッサ
107 モニタ
108 メモリ
109 操作入力部
is 室内空間
w 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を発する光源と、前記照明光の光強度を検出する光センサとを有する灯具と、
前記光センサに検出させた前記照明光の光強度を記憶可能なメモリと、
前記光源に所定の基準電流を供給し、前記光センサに前記照明光の光強度を検出させ、前記光センサにより検出された前記光強度を基準強度として前記メモリに格納させる基準採取モードと、前記光源に前記基準電流を供給し、前記光センサに前記照明光の光強度を検出させ、前記基準強度に基づいて算出される閾値と前記照明光の光強度との比較に基づいて前記光源が劣化していると判別する劣化判別モードとを有するプロセッサと、を備える
ことを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明制御システムであって、
前記灯具は複数であり、
前記プロセッサは、複数の前記灯具の中の何れか一つの灯具を注目灯具に、前記注目灯具の周囲の前記灯具を周囲灯具に指定可能であり、
前記基準採取モードにおいて、前記プロセッサは、前記注目灯具の前記光源に前記基準電流を供給して前記照明光を発光させ、前記注目灯具の前記光センサおよび前記周囲灯具の前記光センサによって検出された光強度をそれぞれ第1の前記基準強度および第2の前記基準強度として、前記灯具別に前記メモリに記憶させ、
前記劣化判別モードにおいて、前記プロセッサは、前記複数の灯具を順番に前記注目灯具に指定し、前記注目灯具の前記光源に前記基準電流を供給して前記照明光を発光させ、前記注目灯具の前記光センサに前記照明光の光強度を第1の光強度として検出させ、前記周囲灯具の前記光センサに前記照明光の光強度を第2の光強度として検出させ、前記注目灯具の前記光源に対応して記憶された前記第1の基準強度および前記第2の基準強度に基づいて算出される前記閾値と前記第1の光強度および前記第2の光強度により算出される評価値との比較に基づいて前記注目灯具の前記光源が劣化していると判別する
ことを特徴とする照明制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の照明制御システムであって、前記閾値は前記第1の基準強度と前記第2の基準強度との重付け平均値に所定の係数を乗じることにより算出され、前記評価値は前記第1の光強度と前記第2の光強度との重付け平均値であることを特徴とする照明制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載の照明制御システムであって、前記閾値の算出における前記第1の基準強度への重付けと前記評価値の算出における前記第1の光強度への重付けは同一であり、前記閾値の算出における前記第2の基準強度への重付けと前記評価値の算出における前記第2の光強度への重付けは同一であり、前記閾値の算出における前記第1の基準強度への重付けは前記第2の基準強度への重付けより大きいことを特徴とする照明制御システム。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の照明制御システムであって、前記プロセッサは、前記劣化判別モードにおいて、同一の前記光源の前記照明光を受光する複数の前記光センサで検出したそれぞれの前記光強度の、対応する前記基準強度からの変動を比較することにより前記複数の光センサのいずれかが劣化していると判別することを特徴とする照明制御システム。
【請求項6】
請求項5に記載の照明制御システムであって、前記プロセッサは、劣化していると判別した前記光センサによって検出される前記第1の光強度および前記第2の光強度を前記光源の劣化の判別から除外することを特徴とする照明制御システム。
【請求項7】
照明光を発する光源と前記照明光の光強度を検出する光センサとを有する灯具における前記光センサに検出させた前記照明光の光強度を記憶可能なメモリと、
前記光源に所定の基準電流を供給し、前記光センサに前記照明光の光強度を検出させ、前記光センサにより検出された前記光強度を基準強度として前記メモリに格納させる基準採取モードと、前記光源に前記基準電流を供給し、前記光センサに前記照明光の光強度を検出させ、前記基準強度に基づいて算出される閾値と前記照明光の光強度との比較に基づいて前記光源が劣化していると判別する劣化判別モードとを有するプロセッサと、を備える
ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項8】
基準採取モードの実行時に、照明光を発する光源に所定の基準電流を供給し、前記光源を有する灯具に設けられる光センサに前記照明光の光強度を検出させ、前記光センサにより検出された前記光強度を基準強度としてメモリに格納させるステップと、
前記劣化判別モードの実行時に、前記光源に前記基準電流を供給し、前記光センサに前記照明光の光強度を検出させ、前記基準強度に基づいて算出される閾値と前記照明光の光強度との比較に基づいて前記光源が劣化していると判別させるステップと、を備える
ことを特徴とする照明制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−89394(P2013−89394A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227453(P2011−227453)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【出願人】(596100812)京セラコミュニケーションシステム株式会社 (38)
【出願人】(594135737)株式会社キルトプランニングオフィス (11)
【Fターム(参考)】