画像形成装置、その制御方法及び制御プログラム
【課題】
光学系の走査線の傾きや歪みなどに対して、高価な光学部品による補正や組み立て時の精密な微調整などを行うことなく、安価で良好な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出現しないように、露光手段に入力する画像データを補正する。画像補正手段において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える。平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換する。
光学系の走査線の傾きや歪みなどに対して、高価な光学部品による補正や組み立て時の精密な微調整などを行うことなく、安価で良好な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出現しないように、露光手段に入力する画像データを補正する。画像補正手段において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える。平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、感光ドラムに対してレーザ光を照射して画像形成を行なう画像形成装置が利用されている。こうしたレーザ光学系を用いた場合、たとえば機械精度や、組み立て設置時の組み付け誤差などの組み立て時の原因により、感光ドラム上に露光した走査線の書き出し位置がずれたり、倍率が歪んたり、潜像が傾いたり、湾曲したり、歪曲したりする場合があった。このうち、書き出し位置や倍率の補正については、誤差を検出して電気的に補正する方式が従来から採られている。しかし、走査線の傾きや歪みに対してはこういった電気的な補正が困難であるため、従来はこうした傾きや歪みが生じないように高品質な光学部品による補正が行われている。このため高価な構成の装置が必要となり、さらには組み立て時にも精密な微調整が必要であるため、工数の増大につながり、結果として生産コストが高価になっていた。
【0003】
上記課題に対して、特許文献1では、主走査方向の少なくとも3カ所以上の複数の位置でレジストレーションを検出し、検出したレジストレーションから算出した主走査方向の傾き、湾曲などの歪みを補正するように画像データを変更する方法が提案されている。ここで副走査方向の1画素以下の補正に関しても同様にレジストレーションの検出結果より書き出し位置を検出し、検出された副走査方向の書き出し位置を補正するように画像データを変更する。このように変更された画像データを画像形成することにより高価な光学部品を使用したり精密な調整行程を経たりすることなく走査線の傾き、歪みなどの位置補正を行うことができ、安価で高画質な画像形成装置を提供できる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−170755号公報(第13頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に示した構成の場合、主走査方向に少なくとも3カ所以上の複数のレジストレーション検出手段を設ける必要があり、装置自体としては大幅なコストアップとなってしまうという課題があった。
【0006】
さらに特許文献1では、レジストレーションパターンの検出結果から走査線の傾き・歪みを導きだし、画像データに対して補正を行っているが、走査線の傾きと歪みの形状によっては主走査方向の補正位置に粗密が発生するため補正が最適に行えない場合があった。
【0007】
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、学系の走査線の傾きや歪みなどに対して、高価な光学部品による補正や組み立て時の精密な微調整などを行うことなく、高品質な画像形成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正手段と、
前記画像補正手段において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理手段と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する変換手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記変換手段は、前記平滑化処理手段で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置の制御方法であって、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正工程と、
前記画像補正工程において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理工程と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する変換工程と、
を含み、
前記変換工程は、前記平滑化処理工程で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置の制御プログラムであって、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正工程と、
前記画像補正工程において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理工程と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する際に、前記平滑化処理工程で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換する変換工程と、
を画像形成装置のプロセッサに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光学系の走査線の傾きや歪みなどに対して、高価な光学部品による補正や組み立て時の精密な微調整などを行うことなく、高品質な画像形成を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
(第1実施形態)
<装置構成>
本発明を適用可能な画像形成装置の例として、図1及び図2に示す2種類の複写機100、200について説明する。図1、2は、第1実施形態としての複写機100、200の内部構成を示す図である。なお、本発明に係る画像形成装置は、このような複写機に限定されるものはなく、プリンタやファックス、或いはそれらの機能を併せ持つ複合機などにも本発明を適用可能である。
【0014】
図1に示す複写機100において、リーダ部11では、原稿台ガラス13上に置かれた原稿Gが光源によって照射され、その反射光は光学系を介してCCDセンサに結像する。CCDセンサは3列に配置されたレッド、グリーン、ブルーのCCDラインセンサ群により、ラインセンサ毎にレッド、グリーン、ブルーの成分信号を生成する。これら読み取り光学系ユニットは矢印の方向に走査することにより原稿をライン毎の電気信号データ列に変換する。CCDセンサにより得られた画像信号は、不図示のリーダ画像処理部にて画像処理された後、プリンタ部12に送られる。
【0015】
プリンタ部12では、表面に画像に応じた静電潜像を担持するための像担持体としての感光ドラム4が所定の角速度で回転する。そして、その感光ドラム4の表面を帯電手段としての帯電器8によって一様に帯電する。次にリーダ部11からの画像データに応じてON/OFF制御された露光手段としての露光装置40によってレーザビームLを露光走査させることで感光ドラム4上に画像データに従った静電潜像が形成される。現像手段としての現像器3は、感光ドラム4の表面に形成された静電潜像に対し、現像剤としてのトナーを飛翔させることにより、現像剤像を形成する。感光ドラム4に所定の押圧力を持って圧接されながら回転駆動する転写手段としての中間転写体5上に、この可視化されたトナー像が、転写される。その後、給紙ユニットから給紙された記録材6にトナー像を転写し、転写後の記録材6上のトナー像を、定着器7において定着処理した後、記録材6を機外に排出する。
【0016】
図2に示す複写機200はタンデム式の画像形成装置であり、図1に示す複写機100と異なり、各色に対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20Kを並べた構成となっている。複数のプロセスカートリッジを有している点以外は図1に示す複写機100と同じ構成であるため、同じ構成要素については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0017】
プロセスカートリッジ20Y〜20Kに含まれる帯電器8Y、8M、8C、8Kはローラ帯電器であり、バイアスを印加することでそれぞれの感光ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面を一様に負極性に帯電させる。画像データは、露光手段としての露光装置40に含まれるレーザドライバ及びレーザ光源を介してレーザ光に変換され、そのレーザ光はポリゴンミラーにより反射され、一様に帯電された各感光ドラム4Y〜4K上に照射される。レーザ光の走査により潜像が形成された感光ドラム4Y〜4Kは、図中に示す矢印の方向に回転する。
【0018】
各プロセスカートリッジ20Y〜20Kには、イエロートナー現像器3Y、マゼンタトナー現像器3M、シアントナー現像器3C、ブラックトナー現像器3Kが設けられている。
【0019】
ここで、プロセスカートリッジ20Yを例に取り、画像形成過程を具体的に説明する。プロセスカートリッジ20Yの感光ドラム4Yの表面が帯電器8Yによってそれぞれ一様に帯電される(たとえば本実施形態では−500V)。次に、第1色目の画像データに応じてON/OFF制御された露光装置40Yによる露光走査がなされ、第1色目の静電潜像(本実施形態にあっては約−150 V)が感光ドラム4Y上に形成される。この第1色目の静電潜像は第1色目のイエロートナー(−極性)を内包したイエロートナー現像器3Yによって現像、可視像化される。この可視像化された第1のトナー像は、感光ドラム4Yに圧接され、感光ドラム4Yの周速度と略等速の速度をもって回転駆動される中間転写体5とのニップ部において、中間転写体5上に一次転写される。一次転写の際に中間転写体5に転写されずに感光ドラム4Y上に残ったトナーは、感光ドラム4Yに圧接されたクリーニングブレード9Yにより掻き取られ、廃トナー容器(不図示)に回収される。
【0020】
他のプロセスカートリッジ20M、20C、20Kにおいても上記と同様の工程が行われ、プロセスカートリッジ毎に色の異なるトナーによるトナー像を中間転写体5上に順次転写、積層した後、給紙ユニットから給紙された記録材6に一括で二次転写する。転写後の記録材6は、定着器7による定着処理を経て機外に排出され、フルカラープリントとなる。
【0021】
図3Aは、リーダ部11に含まれる画像処理部の内部構成について説明する図である。CCD301により読み込まれた原稿画像の輝度信号は、A/D変換部302に入力されデジタル信号に変換される。このデジタル輝度信号はシェーディング部303に送られ、CCD個々の素子の感度に関するバラツキによる光量ムラがシェーディング補正される。シェーディング補正することにより、CCDの測定再現性が向上する。シェーディング部303で補正された輝度信号は、更にLOG変換部304によりLOG変換される。続いて、LOG変換された信号は、γLUT305に送られ、プリンタ装置が理想とする濃度特性と、γ特性にしたがって処理された出力画像濃度特性とが一致するように作成されたγ−LUT305によって変換される。こうして変換された画像信号は、プリンタ部12の画像メモリ310に送信され、格納される。
【0022】
図3Bは、プリンタ部12に含まれる画像処理部の内部構成について説明する図である。プリンタ部12
図4、図5を用いて、本実施形態に係る露光装置40について説明する。露光装置40は、レーザ駆動部45、回転多面鏡モータ41、回転多面鏡42、光学系f−θレンズ43、及び反射ミラー44を含む。レーザ駆動部45から発射されたレーザLは、回転多面鏡モータ41上に設置された回転多面鏡42の反射面で反射され、露光面で線速度一定になるような光学系f−θレンズ43を通り、更に反射ミラー44で反射され、感光ドラム4に到達する。この時、反射されたレーザLの軌跡は、図4のような理想的な直線を描くことが望ましい。
【0023】
しかし、特になんの調整も行われないまま搭載された露光装置40の各構成部分は固有の傾きや歪みなどを有しており、そのまま露光動作を行った場合、走査線は、図4のような理想的な直線を描かない。すなわち、露光された走査線は図5のように固有の傾きや歪みの影響を持って感光ドラム4上を走査することになる。従来は露光走査線が感光ドラム4上でこうした傾きや歪みを生じないで走査させるために、露光装置40の組み立て時に高価な光学部品を用いたり、あるいは装置自体に精密な微調整を行ってきた。本実施の形態ではこうした高価な部品を用いたり精密な微調整を行うことなく、レーザ光学系が持つ固有の走査線の傾きや歪みをキャンセルし、安価でかつ良好な画質を得ることを実現するための画像処理部46を有する。画像処理部46は、露光装置の歪みや傾きを表わすプロファイルデータを記憶するプロファイル記憶部47と、記憶されたプロファイルデータに基づいて、入力した画像データを変形する画像形成手段としての画像補正部48とを含む。また更に、変形後の画像データに含まれる段差部分を平滑化すべくレーザ駆動部45を制御するための平滑化処理手段としての平滑化処理部49を含む。
【0024】
<補正制御>
複写機等の画像形成装置の光学系の形状又は位置の設計誤差による画像の変形を補填するためのデータ補正処理について、以下に説明する。このデータ補正処理は、以下の5つに分けて考えることができる。
(1)露光装置を含む光学系のプロファイルの計測及び保存
(2)プロファイルデータの画像形成装置への転送
(3)プロファイルデータからの第1補正データの生成
(4)画像形成時における第1補正データを用いた画像データの加工
(5)平滑化処理
【0025】
そこで、以下に、上記5つのそれぞれの処理について分けて説明する。
(1)走査線プロファイルの計測
光学系に起因する画像の変形を補填するためのデータ補正処理の最初の段階として、レーザ光学系の製造時において、レーザ光学系固有の傾きや歪みといったプロファイルを計測する。
この時点で、図7に示すように走査線を主走査方向にn分割(nは少なくとも3以上、ここでは例としてn=10)した際の各分割ポイントでの副走査方向位置をプロファイルポイントとする。
【0026】
計測されたプロファイルデータはレーザ光学系ユニットにEPROMなどの記憶媒体を保持させてそこに記憶させる。或いは、簡易な構成としてはバーコードなどのようにデータを暗号化させてレーザ光学系のユニット本体に添付する構成を取ることにより記憶・保持する。
【0027】
(2)プロファイルデータの画像形成装置への転送
記憶されたプロファイルデータは組み立て時にレーザ光学系ユニットのEPROMから画像形成装置本体へと読み出される。もし出荷後にサービスマンによってユーザ先でレーザ光学系ユニットの交換が行われた場合でもユニット交換後にユニットに保持されたEPROMから交換されたレーザ光学系ユニットに対応したプロファイルデータをプロファイル記憶部47に保存する。
【0028】
又は、組み立て時に作業者がバーコードリーダのような暗号読み取り装置を用いて暗号化されたバーコードデータを読み取って画像形成装置本体へ反映させる構成でもよい。この場合、交換するユニットに添付されたバーコードをサービスマンがバーコードリーダで読み取る、若しくは数値を代入することにより、やはり同様にレーザ光学系ユニットに対応したプロファイルデータをプロファイル記憶部47に保存する。
【0029】
(3)第1補正データの算出
図6を用いて、画像形成時にレーザ光学系の傾きや歪みを補正する処理について説明する。図6は、この補正処理の流れを説明するためのフローチャートであり、その各処理は、画像形成装置に設けられた不図示のプロセッサが、所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0030】
ステップS64でn個の走査線のプロファイルデータに基づき、各点と理想座標からのずれ量から第1補正データを算出する。
【0031】
ここで、図8A〜Cを用いて第1補正データの算出フローについて説明する。図8AのステップS81において、まず図8Bに示すようにn個のプロファイルポイントデータでn分割された走査線を主走査全域に渡って近似する。ここで本実施の形態において、隣り合う二点間に対しての直線近似を用いた。次にステップS82においてステップS81で得られた主走査全域の近似点のうち主走査書き出し位置を基準点として設定する。
【0032】
ステップS83では基準点から主走査方向に近似点をチェックし、基準点との副走査方向の差分ΔVが1画素を超えた場合にはステップS84でその点(A点)の主走査位置をオフセットポイントとする。次にステップS86ではA点を新たな基準点として再設定する。
【0033】
上記ステップS83〜ステップS86までを主走査全域に渡って行うことにより、走査線の傾きや歪みを補正するための副走査方向1画素単位のオフセットを行う位置(オフセットポイント)の座標(X個)が得られる(図8C)。こうして得られたX個のオフセットポイントの座標情報と、それぞれのオフセットポイントにおける基準ラインからのオフセット量の情報とが第1補正データとして、プロファイル記憶部47に格納される。
【0034】
(4)画像形成時における第1補正データを用いた画像データの加工、
ステップS65で画像補正部48が第1補正データにしたがって、入力された画像データの加工を行う(第1の補正)。
【0035】
ここで第1補正データを用いた画像データの加工処理について、図9A、Bを用い説明する。図9AはラインバッファでありRAMにより構成される。本実施の形態では主走査方向幅297mm、600dpiの場合、約7000ドット分の補正データがRAMに書き込まれることになる。本実施の形態において補正データは例えば8ビットで構成され、符号付きの2進数で第1の補正のためのオフセット用ラインバッファ91を構成する。
【0036】
図9Bは第1の補正のためのオフセット用ラインバッファ91を示す図である。
【0037】
図9Bにおいて、92は入力画像データであり、91は、ここでの画像データの加工のためのオフセット用ラインバッファである。まずステップS84で算出された第1補正データの座標情報とオフセット量情報は第1の補正のためのオフセット用ラインバッファ91に読み込まれる。すなわち、オフセットポイントの座標Xnに対してオフセット量Ynが設定され、ライン数Ynだけ、元の位置から副走査方向にずれた位置の画像データによって置き換える(メモリ上のそのずれた位置から読出す)補正を施す。この結果、補正ビットマップデータ93が作成される。図9Bの例では、オフセットポイントX1はオフセット量Y0=0に規定されているのでオフセットしない。しかし、オフセットポイントX2はオフセット量Y2=−1に規定されているので、メモリ上で1画素分、副走査方向手前のアドレスから画素を読出す。この処理を各オフセットポイントXnについて行なうことにより、図9Bにおいて水平方向の直線を示すビットマップデータ92は、ビットマップデータ93に示すように、右上がりの直線に並び変えられる。
【0038】
(5)平滑化処理
図6のステップS66において、ステップS65の第1の補正で並べ替え処理された補正ビットマップデータに対して、平滑化処理(第2の補正)を行う。この処理の流れを図10A、B及び図15を用いて説明する。
【0039】
図10Aはラインバッファを示す図でありRAMにより構成される。本実施の形態では主走査方向幅297mm、600dpiの場合、約7000ドット分の補正データがRAMに書き込まれることになる。本実施の形態においては平滑化データは例えば8ビットで構成され、平滑化用ラインバッファ101を構成する。
【0040】
図10Bに平滑化処理部49が実行する平滑化処理のフローチャートを示す。図10BのステップS101で、まずステップS84で算出された第1補正データのオフセットポイントXnにおける主走査座標xのビットマップデータImg(x)と主走査方向1つ前の画素のビットマップデータImg(x−1)を比較する。もしImg(x)<Img(x−1)であった場合(例えば図15Aの下側の段差)は、ステップS102で次のオフセットポイントXn+1とオフセットポイントXnとの領域Xn+1〜Xnを平滑化領域S(1)とする。ステップS103で、Img(x)>Img(x−1)であった場合(例えば図15Aの上側の段差)は、ステップS104で前のオフセットポイントXn-1とオフセットポイントXnとの領域Xn-1〜Xnを算出して平滑化領域S(−1)とする。
【0041】
次にステップS105において、オフセットポイントに隣接する白画像領域(Img(x)=0)で、かつステップS102、104で得られた平滑化領域Sに対して、1画素未満のドットを補充して平滑化処理を行なう(例えば図15B)。
【0042】
ここで、本実施の形態では1画素あたり16分割のPWMを使って画素を形成する。つまり、パルス幅に応じた16レベルの露光量を使って平滑化処理を行う。
【0043】
通常、画像形成時には、入力画像信号値に対して、図11に示したようなあらかじめ設定されたパルス幅テーブルに従ってパルス幅を変調させる構成となっている。図11に示すようなパルス幅テーブルは、実際には入力画像信号とそれに従って感光ドラム上に露光した際に形成される感光ドラム上の静電潜像の形状に依存する。
【0044】
ここで図12を用いて、入力画像信号とパルス幅変調で可変した露光量によって感光ドラム上に形成される静電潜像の関係を模式的に表す。今、図11に示すようなパルス幅変調テーブルを用いたときに、図12(a)に示すような3種類の画像信号が入力された場合、各画素ごとに(b)に示すように画像信号に対応したパルス幅で露光される。ここで図12(b)に示しているのはパルスの点灯時間を模式的に1画素内に長さで示したものであり、1画素内での点灯の配置を示しているものではない。その場合、感光ドラム上に形成される静電潜像は図12(c)のようになり、結果、画像形成装置としては図12(d)に示すような画像となって出力される。
【0045】
つまり、自画素に隣接する画素にデータがある場合と隣接画素にデータがなく自画素が孤立ドットであった場合では同じパルス幅で露光しても出力される画像は異なってしまう。本来ならば入力画像信号の配置に従って毎画素ごとにパルス幅を変化させることにより隣接画素と自画素に応じて適切な露光量で露光することが望ましい。しかし構成が複雑になりコストも高額であるため通常は自画素の近傍に隣接画素があった場合と孤立画素だった場合のどちらにも適応可能なパルス幅テーブルを採用する。もしくは疑似中間調処理の画素配置・成長のパターンを隣接画素、もしくは孤立画素のいずれかを重視するような構成を取ることで出力画像に対して不具合のないように対応している。
【0046】
ここでステップS102、104で得られた長さ|S|の区間に対してパルス幅変調を利用して平滑化処理を施す構成となっているが、平滑化処理のために形成される1画素未満のドットは常に隣接する領域に別の潜像が存在することが保証されている。そこで本実施の形態では、平滑化処理で形成する1画素未満のドットを形成するために通常の画像形成用のパルス幅テーブルとは異なる平滑化処理用のパルス幅テーブルを持つ。図13に通常の画像形成用のパルス幅テーブルと本実施の形態の第2の補正手段に使用するパルス幅テーブルを示す。
【0047】
図14に本実施の形態のブロック構成図を示す。図14を用いて、本実施形態の全体の処理の流れについて説明する。
【0048】
入力画像信号1401は中間調処理部1402にて疑似中間調処理された後に、第1の補正回路1403にて、走査線プロファイル1404に基づいてオフセット量算出回路1405で算出されたオフセット量に従って第1の補正処理が施される。その後、第2の補正回路1406において、ステップS102、S104で得られた長さ|S|の区間に対して第2の補正処理である平滑化処理を行う。その際に図13で示したような第2の補正用のパルス幅テーブル1407を用いて行い、出力画像信号1409として出力する。なお区間|S|以外の領域に関しては通常の画像形成用のパルス幅テーブル1408を用いて補正処理を行う。
【0049】
本実施の形態では、あらかじめ第2の補正手段である平滑化処理用に最適化された図13に示すようなパルス幅テーブルを用いるため、各パルス幅で露光する領域を、平滑化処理の際にあらためて形成される潜像に応じて最適化する必要がないという利点がある。
【0050】
ここで平滑化区間Sの符号が正であった場合はパルス幅テーブルの正順で、平滑化区間Sの符号が負であった場合はパルス幅テーブルの逆順で1画素未満のドットを形成する。
【0051】
なお、本実施の形態では、説明を容易にするため、平滑化用ラインバッファと、オフセット用ラインバッファとを、別の構成で記載したが、実際には同一のラインバッファをそれぞれの目的で用いることが可能である。
【0052】
平滑化処理が終わると、図6のステップS67において、パルス幅データをプリンタに送信する。
【0053】
<全体の流れ>
ここまでの画像補正のイメージを図15に示す。図15Aは第1の補正を行ったイメージ図で、図15Aの画像に対して第2の補正を行うと図15Bに示すイメージとなる。補正された図15Bの画像データをレーザ露光すると図15Cに示すようなイメージで潜像が形成され、この潜像に対して画像形成を行うと結果として図15Dのような画像が得られる。なお、図中の▼印は第1の補正を行ったオフセットポイントである。
【0054】
<第1実施形態の効果>
以上見てきたように、レーザ光学系に固有の走査線プロファイルに応じてオフセットさせた画像データを記録する際に、オフセットした領域の近傍を平滑化する第2の補正を、第2の補正用に最適化されたパルス幅テーブルを用いて行なう。各パルス幅で露光する領域を、平滑化処理の際にあらためて形成される潜像に応じて最適化する必要がない。これにより、組立時に高価な部品を使用したり特殊な微調整を行うことなく主走査傾きや主走査歪みが補正された良好な画像を安価に提供することが可能となる。
【0055】
(第2実施形態)
第1実施形態では第2の補正手段として通常の画像形成用に最適化されたパルス幅テーブルとは別に、あらかじめ第2の補正手段用に最適化されたパルス幅テーブルを用いて平滑化処理を行う構成とした。しかし、電子写真方式の画像形成装置においては、温度や湿度などの画像形成条件によっては現像条件や転写条件が異なるため、同じ条件で潜像が形成されたとしても常に同じようにドットが再現されるとは限らない。特に1画素未満のドットを形成する場合は上記のような条件によってドットの再現が変動してしまい、結果として第2の補正手段で行われる平滑化処理が最適に行われないという懸念がある。そこで本実施の形態ではこうした画像形成条件の変動などが起こった場合でも、安定して微小ドットを利用した平滑化処理の効果を得ようとするものである。その他の構成及び作用については、第1実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0056】
本実施の形態では、不図示の環境センサから得られた温湿度データを元に算出された絶対水分量に従って図16に示すようにあらかじめ複数のパルス幅テーブルを記憶しておく。図16では例として絶対水分量情報に従って3種類のパルス幅テーブルを保持している。
【0057】
次に本実施の形態における補正のフロー図を図17に示す。第1実施形態において図10Bを用いて説明した第2の補正処理と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0058】
ステップS102又はS104で、平滑化処理が必要なドットであることを確認すると、ステップ175において、画像形成装置内に設けられた環境センサから得られる温湿度データを元に画像形成装置内部の絶対水分量を算出する。そして、その絶対水分量に応じて、図16に示すような複数のパルス幅テーブルから1つを選択する。そしてステップS105では、選択されたパルス幅テーブルに従ってステップ102、104で得られた平滑化区間|S|に対して、第2の補正処理である平滑化処理を実施する。
本実施の形態では、第1実施形態の効果に加えて、画像形成装置が環境条件によって変動した場合においても第2の補正の効果を変動に合わせて最適化することができるため、良好な画像を提供することが可能となる。
【0059】
(第3実施形態)
第2実施形態ではあらかじめパルス幅テーブルを複数保持し、環境センサから得られる環境条件に従って第2の補正手段に用いる最適なパルス幅テーブルを選択する構成とした。この場合、環境条件に応じて精度良く第2の補正手段を最適化するためには環境条件ごとに多くのパルス幅テーブルをあらかじめ保持する必要があり、構成が複雑になってしまうという課題が懸念される。本実施の形態では、基本パルス幅テーブルを1つ保持し、環境条件に従って補正係数を算出して基本パルス幅テーブルに補正係数を演算することにより環境条件に最適なパルス幅テーブルを生成する。その他の構成及び作用については、第1実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0060】
本実施形態における補正のフロー図を図18に示す。第1実施形態における図10Bと同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
ステップS102又はS104で、平滑化処理が必要なドットであることを確認すると、ステップ185で環境センサから得られる温湿度データを元に画像形成装置内部の絶対水分量を算出し、パルス幅テーブルを補正する補正係数を算出する。ステップ186では、算出された補正係数をパルス幅テーブルに演算することにより補正パルス幅テーブルを生成する。そして、生成されたパルス幅テーブルを用いてステップ102、104で得られた平滑化区間|S|に対して、第2の補正処理である平滑化処理を実施する。
【0062】
本実施の形態では、第2実施形態の効果に加えて、複数のパルス幅テーブルを保持する必要が無く、構成を簡易化して良好な画像を提供することが可能となる。
【0063】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0064】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現する制御プログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のプロセッサが、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
その場合、制御プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0066】
制御プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクがある。また、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0067】
その他、クライアントPCのブラウザを用いてインターネットサイトに接続し、本発明に係るプログラムそのもの、若しくは更に自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードするという利用方法もある。また、本発明に係るプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範疇に含まれる。 また、本発明に係るプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0068】
また、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0069】
さらに、PCの機能拡張ユニットに備わるメモリに本発明に係るプログラムが書き込まれ、そのプログラムに基づき、その機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行なう場合も、本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る第1実施形態としての画像形成装置の概略断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態としての画像形成装置の概略断面図である。
【図3】第1実施形態における画像信号処理部に関するフローチャートである。
【図4】従来の技術のレーザ光学系の模式図である。
【図5】第1実施形態のレーザ光学系の模式図である。
【図6】第1実施形態のフロー図である。
【図7】走査線プロファイルを示す模式図である。
【図8A】第1補正データを算出するフロー図である。
【図8B】走査線プロファイルの近似処理について説明する図である。
【図8C】オフセットポイントを導き出す処理について説明する図である。
【図9A】第1の補正に用いるバッファメモリの構成について示す図である。
【図9B】第1の補正を示す概略図である。
【図10A】第1の補正に用いるバッファメモリの構成について示す図である。
【図10B】第2の補正の流れを示すフローチャートである。
【図11】通常の画像形成で用いるパルス幅テーブルを示す図である。
【図12】入力画像信号の配置と露光された静電潜像の関係を示す模式図である。
【図13】第1実施形態で用いたパルス幅テーブルを示す図である。
【図14】本発明に係る第1実施形態としての画像形成装置のブロック図である。
【図15A】第1実施形態の補正のイメージ例を示す図である。
【図15B】第1実施形態の補正のイメージ例を示す図である。
【図15C】第1実施形態の補正のイメージ例を示す図である。
【図15D】第1実施形態の補正のイメージ例を示す図である。
【図16】第2実施形態で用いたパルス幅テーブルを示す図である。
【図17】第2実施形態の第2の補正を示すフローチャートである。
【図18】第3実施形態の第2の補正を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
3 現像器
4 感光ドラム
5 中間転写体
6 記録材
7 定着器
8 帯電器
9 クリーナ
20 プロセスカートリッジ
41 回転多面鏡モータ
42 回転多面鏡
43 f−θレンズ
44 反射ミラー
91 オフセット用ラインバッファ
101 平滑化用ラインバッファ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、感光ドラムに対してレーザ光を照射して画像形成を行なう画像形成装置が利用されている。こうしたレーザ光学系を用いた場合、たとえば機械精度や、組み立て設置時の組み付け誤差などの組み立て時の原因により、感光ドラム上に露光した走査線の書き出し位置がずれたり、倍率が歪んたり、潜像が傾いたり、湾曲したり、歪曲したりする場合があった。このうち、書き出し位置や倍率の補正については、誤差を検出して電気的に補正する方式が従来から採られている。しかし、走査線の傾きや歪みに対してはこういった電気的な補正が困難であるため、従来はこうした傾きや歪みが生じないように高品質な光学部品による補正が行われている。このため高価な構成の装置が必要となり、さらには組み立て時にも精密な微調整が必要であるため、工数の増大につながり、結果として生産コストが高価になっていた。
【0003】
上記課題に対して、特許文献1では、主走査方向の少なくとも3カ所以上の複数の位置でレジストレーションを検出し、検出したレジストレーションから算出した主走査方向の傾き、湾曲などの歪みを補正するように画像データを変更する方法が提案されている。ここで副走査方向の1画素以下の補正に関しても同様にレジストレーションの検出結果より書き出し位置を検出し、検出された副走査方向の書き出し位置を補正するように画像データを変更する。このように変更された画像データを画像形成することにより高価な光学部品を使用したり精密な調整行程を経たりすることなく走査線の傾き、歪みなどの位置補正を行うことができ、安価で高画質な画像形成装置を提供できる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−170755号公報(第13頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に示した構成の場合、主走査方向に少なくとも3カ所以上の複数のレジストレーション検出手段を設ける必要があり、装置自体としては大幅なコストアップとなってしまうという課題があった。
【0006】
さらに特許文献1では、レジストレーションパターンの検出結果から走査線の傾き・歪みを導きだし、画像データに対して補正を行っているが、走査線の傾きと歪みの形状によっては主走査方向の補正位置に粗密が発生するため補正が最適に行えない場合があった。
【0007】
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、学系の走査線の傾きや歪みなどに対して、高価な光学部品による補正や組み立て時の精密な微調整などを行うことなく、高品質な画像形成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正手段と、
前記画像補正手段において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理手段と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する変換手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記変換手段は、前記平滑化処理手段で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置の制御方法であって、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正工程と、
前記画像補正工程において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理工程と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する変換工程と、
を含み、
前記変換工程は、前記平滑化処理工程で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置の制御プログラムであって、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正工程と、
前記画像補正工程において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理工程と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する際に、前記平滑化処理工程で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換する変換工程と、
を画像形成装置のプロセッサに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光学系の走査線の傾きや歪みなどに対して、高価な光学部品による補正や組み立て時の精密な微調整などを行うことなく、高品質な画像形成を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
(第1実施形態)
<装置構成>
本発明を適用可能な画像形成装置の例として、図1及び図2に示す2種類の複写機100、200について説明する。図1、2は、第1実施形態としての複写機100、200の内部構成を示す図である。なお、本発明に係る画像形成装置は、このような複写機に限定されるものはなく、プリンタやファックス、或いはそれらの機能を併せ持つ複合機などにも本発明を適用可能である。
【0014】
図1に示す複写機100において、リーダ部11では、原稿台ガラス13上に置かれた原稿Gが光源によって照射され、その反射光は光学系を介してCCDセンサに結像する。CCDセンサは3列に配置されたレッド、グリーン、ブルーのCCDラインセンサ群により、ラインセンサ毎にレッド、グリーン、ブルーの成分信号を生成する。これら読み取り光学系ユニットは矢印の方向に走査することにより原稿をライン毎の電気信号データ列に変換する。CCDセンサにより得られた画像信号は、不図示のリーダ画像処理部にて画像処理された後、プリンタ部12に送られる。
【0015】
プリンタ部12では、表面に画像に応じた静電潜像を担持するための像担持体としての感光ドラム4が所定の角速度で回転する。そして、その感光ドラム4の表面を帯電手段としての帯電器8によって一様に帯電する。次にリーダ部11からの画像データに応じてON/OFF制御された露光手段としての露光装置40によってレーザビームLを露光走査させることで感光ドラム4上に画像データに従った静電潜像が形成される。現像手段としての現像器3は、感光ドラム4の表面に形成された静電潜像に対し、現像剤としてのトナーを飛翔させることにより、現像剤像を形成する。感光ドラム4に所定の押圧力を持って圧接されながら回転駆動する転写手段としての中間転写体5上に、この可視化されたトナー像が、転写される。その後、給紙ユニットから給紙された記録材6にトナー像を転写し、転写後の記録材6上のトナー像を、定着器7において定着処理した後、記録材6を機外に排出する。
【0016】
図2に示す複写機200はタンデム式の画像形成装置であり、図1に示す複写機100と異なり、各色に対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20Kを並べた構成となっている。複数のプロセスカートリッジを有している点以外は図1に示す複写機100と同じ構成であるため、同じ構成要素については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0017】
プロセスカートリッジ20Y〜20Kに含まれる帯電器8Y、8M、8C、8Kはローラ帯電器であり、バイアスを印加することでそれぞれの感光ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面を一様に負極性に帯電させる。画像データは、露光手段としての露光装置40に含まれるレーザドライバ及びレーザ光源を介してレーザ光に変換され、そのレーザ光はポリゴンミラーにより反射され、一様に帯電された各感光ドラム4Y〜4K上に照射される。レーザ光の走査により潜像が形成された感光ドラム4Y〜4Kは、図中に示す矢印の方向に回転する。
【0018】
各プロセスカートリッジ20Y〜20Kには、イエロートナー現像器3Y、マゼンタトナー現像器3M、シアントナー現像器3C、ブラックトナー現像器3Kが設けられている。
【0019】
ここで、プロセスカートリッジ20Yを例に取り、画像形成過程を具体的に説明する。プロセスカートリッジ20Yの感光ドラム4Yの表面が帯電器8Yによってそれぞれ一様に帯電される(たとえば本実施形態では−500V)。次に、第1色目の画像データに応じてON/OFF制御された露光装置40Yによる露光走査がなされ、第1色目の静電潜像(本実施形態にあっては約−150 V)が感光ドラム4Y上に形成される。この第1色目の静電潜像は第1色目のイエロートナー(−極性)を内包したイエロートナー現像器3Yによって現像、可視像化される。この可視像化された第1のトナー像は、感光ドラム4Yに圧接され、感光ドラム4Yの周速度と略等速の速度をもって回転駆動される中間転写体5とのニップ部において、中間転写体5上に一次転写される。一次転写の際に中間転写体5に転写されずに感光ドラム4Y上に残ったトナーは、感光ドラム4Yに圧接されたクリーニングブレード9Yにより掻き取られ、廃トナー容器(不図示)に回収される。
【0020】
他のプロセスカートリッジ20M、20C、20Kにおいても上記と同様の工程が行われ、プロセスカートリッジ毎に色の異なるトナーによるトナー像を中間転写体5上に順次転写、積層した後、給紙ユニットから給紙された記録材6に一括で二次転写する。転写後の記録材6は、定着器7による定着処理を経て機外に排出され、フルカラープリントとなる。
【0021】
図3Aは、リーダ部11に含まれる画像処理部の内部構成について説明する図である。CCD301により読み込まれた原稿画像の輝度信号は、A/D変換部302に入力されデジタル信号に変換される。このデジタル輝度信号はシェーディング部303に送られ、CCD個々の素子の感度に関するバラツキによる光量ムラがシェーディング補正される。シェーディング補正することにより、CCDの測定再現性が向上する。シェーディング部303で補正された輝度信号は、更にLOG変換部304によりLOG変換される。続いて、LOG変換された信号は、γLUT305に送られ、プリンタ装置が理想とする濃度特性と、γ特性にしたがって処理された出力画像濃度特性とが一致するように作成されたγ−LUT305によって変換される。こうして変換された画像信号は、プリンタ部12の画像メモリ310に送信され、格納される。
【0022】
図3Bは、プリンタ部12に含まれる画像処理部の内部構成について説明する図である。プリンタ部12
図4、図5を用いて、本実施形態に係る露光装置40について説明する。露光装置40は、レーザ駆動部45、回転多面鏡モータ41、回転多面鏡42、光学系f−θレンズ43、及び反射ミラー44を含む。レーザ駆動部45から発射されたレーザLは、回転多面鏡モータ41上に設置された回転多面鏡42の反射面で反射され、露光面で線速度一定になるような光学系f−θレンズ43を通り、更に反射ミラー44で反射され、感光ドラム4に到達する。この時、反射されたレーザLの軌跡は、図4のような理想的な直線を描くことが望ましい。
【0023】
しかし、特になんの調整も行われないまま搭載された露光装置40の各構成部分は固有の傾きや歪みなどを有しており、そのまま露光動作を行った場合、走査線は、図4のような理想的な直線を描かない。すなわち、露光された走査線は図5のように固有の傾きや歪みの影響を持って感光ドラム4上を走査することになる。従来は露光走査線が感光ドラム4上でこうした傾きや歪みを生じないで走査させるために、露光装置40の組み立て時に高価な光学部品を用いたり、あるいは装置自体に精密な微調整を行ってきた。本実施の形態ではこうした高価な部品を用いたり精密な微調整を行うことなく、レーザ光学系が持つ固有の走査線の傾きや歪みをキャンセルし、安価でかつ良好な画質を得ることを実現するための画像処理部46を有する。画像処理部46は、露光装置の歪みや傾きを表わすプロファイルデータを記憶するプロファイル記憶部47と、記憶されたプロファイルデータに基づいて、入力した画像データを変形する画像形成手段としての画像補正部48とを含む。また更に、変形後の画像データに含まれる段差部分を平滑化すべくレーザ駆動部45を制御するための平滑化処理手段としての平滑化処理部49を含む。
【0024】
<補正制御>
複写機等の画像形成装置の光学系の形状又は位置の設計誤差による画像の変形を補填するためのデータ補正処理について、以下に説明する。このデータ補正処理は、以下の5つに分けて考えることができる。
(1)露光装置を含む光学系のプロファイルの計測及び保存
(2)プロファイルデータの画像形成装置への転送
(3)プロファイルデータからの第1補正データの生成
(4)画像形成時における第1補正データを用いた画像データの加工
(5)平滑化処理
【0025】
そこで、以下に、上記5つのそれぞれの処理について分けて説明する。
(1)走査線プロファイルの計測
光学系に起因する画像の変形を補填するためのデータ補正処理の最初の段階として、レーザ光学系の製造時において、レーザ光学系固有の傾きや歪みといったプロファイルを計測する。
この時点で、図7に示すように走査線を主走査方向にn分割(nは少なくとも3以上、ここでは例としてn=10)した際の各分割ポイントでの副走査方向位置をプロファイルポイントとする。
【0026】
計測されたプロファイルデータはレーザ光学系ユニットにEPROMなどの記憶媒体を保持させてそこに記憶させる。或いは、簡易な構成としてはバーコードなどのようにデータを暗号化させてレーザ光学系のユニット本体に添付する構成を取ることにより記憶・保持する。
【0027】
(2)プロファイルデータの画像形成装置への転送
記憶されたプロファイルデータは組み立て時にレーザ光学系ユニットのEPROMから画像形成装置本体へと読み出される。もし出荷後にサービスマンによってユーザ先でレーザ光学系ユニットの交換が行われた場合でもユニット交換後にユニットに保持されたEPROMから交換されたレーザ光学系ユニットに対応したプロファイルデータをプロファイル記憶部47に保存する。
【0028】
又は、組み立て時に作業者がバーコードリーダのような暗号読み取り装置を用いて暗号化されたバーコードデータを読み取って画像形成装置本体へ反映させる構成でもよい。この場合、交換するユニットに添付されたバーコードをサービスマンがバーコードリーダで読み取る、若しくは数値を代入することにより、やはり同様にレーザ光学系ユニットに対応したプロファイルデータをプロファイル記憶部47に保存する。
【0029】
(3)第1補正データの算出
図6を用いて、画像形成時にレーザ光学系の傾きや歪みを補正する処理について説明する。図6は、この補正処理の流れを説明するためのフローチャートであり、その各処理は、画像形成装置に設けられた不図示のプロセッサが、所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0030】
ステップS64でn個の走査線のプロファイルデータに基づき、各点と理想座標からのずれ量から第1補正データを算出する。
【0031】
ここで、図8A〜Cを用いて第1補正データの算出フローについて説明する。図8AのステップS81において、まず図8Bに示すようにn個のプロファイルポイントデータでn分割された走査線を主走査全域に渡って近似する。ここで本実施の形態において、隣り合う二点間に対しての直線近似を用いた。次にステップS82においてステップS81で得られた主走査全域の近似点のうち主走査書き出し位置を基準点として設定する。
【0032】
ステップS83では基準点から主走査方向に近似点をチェックし、基準点との副走査方向の差分ΔVが1画素を超えた場合にはステップS84でその点(A点)の主走査位置をオフセットポイントとする。次にステップS86ではA点を新たな基準点として再設定する。
【0033】
上記ステップS83〜ステップS86までを主走査全域に渡って行うことにより、走査線の傾きや歪みを補正するための副走査方向1画素単位のオフセットを行う位置(オフセットポイント)の座標(X個)が得られる(図8C)。こうして得られたX個のオフセットポイントの座標情報と、それぞれのオフセットポイントにおける基準ラインからのオフセット量の情報とが第1補正データとして、プロファイル記憶部47に格納される。
【0034】
(4)画像形成時における第1補正データを用いた画像データの加工、
ステップS65で画像補正部48が第1補正データにしたがって、入力された画像データの加工を行う(第1の補正)。
【0035】
ここで第1補正データを用いた画像データの加工処理について、図9A、Bを用い説明する。図9AはラインバッファでありRAMにより構成される。本実施の形態では主走査方向幅297mm、600dpiの場合、約7000ドット分の補正データがRAMに書き込まれることになる。本実施の形態において補正データは例えば8ビットで構成され、符号付きの2進数で第1の補正のためのオフセット用ラインバッファ91を構成する。
【0036】
図9Bは第1の補正のためのオフセット用ラインバッファ91を示す図である。
【0037】
図9Bにおいて、92は入力画像データであり、91は、ここでの画像データの加工のためのオフセット用ラインバッファである。まずステップS84で算出された第1補正データの座標情報とオフセット量情報は第1の補正のためのオフセット用ラインバッファ91に読み込まれる。すなわち、オフセットポイントの座標Xnに対してオフセット量Ynが設定され、ライン数Ynだけ、元の位置から副走査方向にずれた位置の画像データによって置き換える(メモリ上のそのずれた位置から読出す)補正を施す。この結果、補正ビットマップデータ93が作成される。図9Bの例では、オフセットポイントX1はオフセット量Y0=0に規定されているのでオフセットしない。しかし、オフセットポイントX2はオフセット量Y2=−1に規定されているので、メモリ上で1画素分、副走査方向手前のアドレスから画素を読出す。この処理を各オフセットポイントXnについて行なうことにより、図9Bにおいて水平方向の直線を示すビットマップデータ92は、ビットマップデータ93に示すように、右上がりの直線に並び変えられる。
【0038】
(5)平滑化処理
図6のステップS66において、ステップS65の第1の補正で並べ替え処理された補正ビットマップデータに対して、平滑化処理(第2の補正)を行う。この処理の流れを図10A、B及び図15を用いて説明する。
【0039】
図10Aはラインバッファを示す図でありRAMにより構成される。本実施の形態では主走査方向幅297mm、600dpiの場合、約7000ドット分の補正データがRAMに書き込まれることになる。本実施の形態においては平滑化データは例えば8ビットで構成され、平滑化用ラインバッファ101を構成する。
【0040】
図10Bに平滑化処理部49が実行する平滑化処理のフローチャートを示す。図10BのステップS101で、まずステップS84で算出された第1補正データのオフセットポイントXnにおける主走査座標xのビットマップデータImg(x)と主走査方向1つ前の画素のビットマップデータImg(x−1)を比較する。もしImg(x)<Img(x−1)であった場合(例えば図15Aの下側の段差)は、ステップS102で次のオフセットポイントXn+1とオフセットポイントXnとの領域Xn+1〜Xnを平滑化領域S(1)とする。ステップS103で、Img(x)>Img(x−1)であった場合(例えば図15Aの上側の段差)は、ステップS104で前のオフセットポイントXn-1とオフセットポイントXnとの領域Xn-1〜Xnを算出して平滑化領域S(−1)とする。
【0041】
次にステップS105において、オフセットポイントに隣接する白画像領域(Img(x)=0)で、かつステップS102、104で得られた平滑化領域Sに対して、1画素未満のドットを補充して平滑化処理を行なう(例えば図15B)。
【0042】
ここで、本実施の形態では1画素あたり16分割のPWMを使って画素を形成する。つまり、パルス幅に応じた16レベルの露光量を使って平滑化処理を行う。
【0043】
通常、画像形成時には、入力画像信号値に対して、図11に示したようなあらかじめ設定されたパルス幅テーブルに従ってパルス幅を変調させる構成となっている。図11に示すようなパルス幅テーブルは、実際には入力画像信号とそれに従って感光ドラム上に露光した際に形成される感光ドラム上の静電潜像の形状に依存する。
【0044】
ここで図12を用いて、入力画像信号とパルス幅変調で可変した露光量によって感光ドラム上に形成される静電潜像の関係を模式的に表す。今、図11に示すようなパルス幅変調テーブルを用いたときに、図12(a)に示すような3種類の画像信号が入力された場合、各画素ごとに(b)に示すように画像信号に対応したパルス幅で露光される。ここで図12(b)に示しているのはパルスの点灯時間を模式的に1画素内に長さで示したものであり、1画素内での点灯の配置を示しているものではない。その場合、感光ドラム上に形成される静電潜像は図12(c)のようになり、結果、画像形成装置としては図12(d)に示すような画像となって出力される。
【0045】
つまり、自画素に隣接する画素にデータがある場合と隣接画素にデータがなく自画素が孤立ドットであった場合では同じパルス幅で露光しても出力される画像は異なってしまう。本来ならば入力画像信号の配置に従って毎画素ごとにパルス幅を変化させることにより隣接画素と自画素に応じて適切な露光量で露光することが望ましい。しかし構成が複雑になりコストも高額であるため通常は自画素の近傍に隣接画素があった場合と孤立画素だった場合のどちらにも適応可能なパルス幅テーブルを採用する。もしくは疑似中間調処理の画素配置・成長のパターンを隣接画素、もしくは孤立画素のいずれかを重視するような構成を取ることで出力画像に対して不具合のないように対応している。
【0046】
ここでステップS102、104で得られた長さ|S|の区間に対してパルス幅変調を利用して平滑化処理を施す構成となっているが、平滑化処理のために形成される1画素未満のドットは常に隣接する領域に別の潜像が存在することが保証されている。そこで本実施の形態では、平滑化処理で形成する1画素未満のドットを形成するために通常の画像形成用のパルス幅テーブルとは異なる平滑化処理用のパルス幅テーブルを持つ。図13に通常の画像形成用のパルス幅テーブルと本実施の形態の第2の補正手段に使用するパルス幅テーブルを示す。
【0047】
図14に本実施の形態のブロック構成図を示す。図14を用いて、本実施形態の全体の処理の流れについて説明する。
【0048】
入力画像信号1401は中間調処理部1402にて疑似中間調処理された後に、第1の補正回路1403にて、走査線プロファイル1404に基づいてオフセット量算出回路1405で算出されたオフセット量に従って第1の補正処理が施される。その後、第2の補正回路1406において、ステップS102、S104で得られた長さ|S|の区間に対して第2の補正処理である平滑化処理を行う。その際に図13で示したような第2の補正用のパルス幅テーブル1407を用いて行い、出力画像信号1409として出力する。なお区間|S|以外の領域に関しては通常の画像形成用のパルス幅テーブル1408を用いて補正処理を行う。
【0049】
本実施の形態では、あらかじめ第2の補正手段である平滑化処理用に最適化された図13に示すようなパルス幅テーブルを用いるため、各パルス幅で露光する領域を、平滑化処理の際にあらためて形成される潜像に応じて最適化する必要がないという利点がある。
【0050】
ここで平滑化区間Sの符号が正であった場合はパルス幅テーブルの正順で、平滑化区間Sの符号が負であった場合はパルス幅テーブルの逆順で1画素未満のドットを形成する。
【0051】
なお、本実施の形態では、説明を容易にするため、平滑化用ラインバッファと、オフセット用ラインバッファとを、別の構成で記載したが、実際には同一のラインバッファをそれぞれの目的で用いることが可能である。
【0052】
平滑化処理が終わると、図6のステップS67において、パルス幅データをプリンタに送信する。
【0053】
<全体の流れ>
ここまでの画像補正のイメージを図15に示す。図15Aは第1の補正を行ったイメージ図で、図15Aの画像に対して第2の補正を行うと図15Bに示すイメージとなる。補正された図15Bの画像データをレーザ露光すると図15Cに示すようなイメージで潜像が形成され、この潜像に対して画像形成を行うと結果として図15Dのような画像が得られる。なお、図中の▼印は第1の補正を行ったオフセットポイントである。
【0054】
<第1実施形態の効果>
以上見てきたように、レーザ光学系に固有の走査線プロファイルに応じてオフセットさせた画像データを記録する際に、オフセットした領域の近傍を平滑化する第2の補正を、第2の補正用に最適化されたパルス幅テーブルを用いて行なう。各パルス幅で露光する領域を、平滑化処理の際にあらためて形成される潜像に応じて最適化する必要がない。これにより、組立時に高価な部品を使用したり特殊な微調整を行うことなく主走査傾きや主走査歪みが補正された良好な画像を安価に提供することが可能となる。
【0055】
(第2実施形態)
第1実施形態では第2の補正手段として通常の画像形成用に最適化されたパルス幅テーブルとは別に、あらかじめ第2の補正手段用に最適化されたパルス幅テーブルを用いて平滑化処理を行う構成とした。しかし、電子写真方式の画像形成装置においては、温度や湿度などの画像形成条件によっては現像条件や転写条件が異なるため、同じ条件で潜像が形成されたとしても常に同じようにドットが再現されるとは限らない。特に1画素未満のドットを形成する場合は上記のような条件によってドットの再現が変動してしまい、結果として第2の補正手段で行われる平滑化処理が最適に行われないという懸念がある。そこで本実施の形態ではこうした画像形成条件の変動などが起こった場合でも、安定して微小ドットを利用した平滑化処理の効果を得ようとするものである。その他の構成及び作用については、第1実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0056】
本実施の形態では、不図示の環境センサから得られた温湿度データを元に算出された絶対水分量に従って図16に示すようにあらかじめ複数のパルス幅テーブルを記憶しておく。図16では例として絶対水分量情報に従って3種類のパルス幅テーブルを保持している。
【0057】
次に本実施の形態における補正のフロー図を図17に示す。第1実施形態において図10Bを用いて説明した第2の補正処理と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0058】
ステップS102又はS104で、平滑化処理が必要なドットであることを確認すると、ステップ175において、画像形成装置内に設けられた環境センサから得られる温湿度データを元に画像形成装置内部の絶対水分量を算出する。そして、その絶対水分量に応じて、図16に示すような複数のパルス幅テーブルから1つを選択する。そしてステップS105では、選択されたパルス幅テーブルに従ってステップ102、104で得られた平滑化区間|S|に対して、第2の補正処理である平滑化処理を実施する。
本実施の形態では、第1実施形態の効果に加えて、画像形成装置が環境条件によって変動した場合においても第2の補正の効果を変動に合わせて最適化することができるため、良好な画像を提供することが可能となる。
【0059】
(第3実施形態)
第2実施形態ではあらかじめパルス幅テーブルを複数保持し、環境センサから得られる環境条件に従って第2の補正手段に用いる最適なパルス幅テーブルを選択する構成とした。この場合、環境条件に応じて精度良く第2の補正手段を最適化するためには環境条件ごとに多くのパルス幅テーブルをあらかじめ保持する必要があり、構成が複雑になってしまうという課題が懸念される。本実施の形態では、基本パルス幅テーブルを1つ保持し、環境条件に従って補正係数を算出して基本パルス幅テーブルに補正係数を演算することにより環境条件に最適なパルス幅テーブルを生成する。その他の構成及び作用については、第1実施形態と同様であるため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0060】
本実施形態における補正のフロー図を図18に示す。第1実施形態における図10Bと同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
ステップS102又はS104で、平滑化処理が必要なドットであることを確認すると、ステップ185で環境センサから得られる温湿度データを元に画像形成装置内部の絶対水分量を算出し、パルス幅テーブルを補正する補正係数を算出する。ステップ186では、算出された補正係数をパルス幅テーブルに演算することにより補正パルス幅テーブルを生成する。そして、生成されたパルス幅テーブルを用いてステップ102、104で得られた平滑化区間|S|に対して、第2の補正処理である平滑化処理を実施する。
【0062】
本実施の形態では、第2実施形態の効果に加えて、複数のパルス幅テーブルを保持する必要が無く、構成を簡易化して良好な画像を提供することが可能となる。
【0063】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0064】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現する制御プログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のプロセッサが、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
その場合、制御プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0066】
制御プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクがある。また、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0067】
その他、クライアントPCのブラウザを用いてインターネットサイトに接続し、本発明に係るプログラムそのもの、若しくは更に自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードするという利用方法もある。また、本発明に係るプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範疇に含まれる。 また、本発明に係るプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0068】
また、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0069】
さらに、PCの機能拡張ユニットに備わるメモリに本発明に係るプログラムが書き込まれ、そのプログラムに基づき、その機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行なう場合も、本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る第1実施形態としての画像形成装置の概略断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態としての画像形成装置の概略断面図である。
【図3】第1実施形態における画像信号処理部に関するフローチャートである。
【図4】従来の技術のレーザ光学系の模式図である。
【図5】第1実施形態のレーザ光学系の模式図である。
【図6】第1実施形態のフロー図である。
【図7】走査線プロファイルを示す模式図である。
【図8A】第1補正データを算出するフロー図である。
【図8B】走査線プロファイルの近似処理について説明する図である。
【図8C】オフセットポイントを導き出す処理について説明する図である。
【図9A】第1の補正に用いるバッファメモリの構成について示す図である。
【図9B】第1の補正を示す概略図である。
【図10A】第1の補正に用いるバッファメモリの構成について示す図である。
【図10B】第2の補正の流れを示すフローチャートである。
【図11】通常の画像形成で用いるパルス幅テーブルを示す図である。
【図12】入力画像信号の配置と露光された静電潜像の関係を示す模式図である。
【図13】第1実施形態で用いたパルス幅テーブルを示す図である。
【図14】本発明に係る第1実施形態としての画像形成装置のブロック図である。
【図15A】第1実施形態の補正のイメージ例を示す図である。
【図15B】第1実施形態の補正のイメージ例を示す図である。
【図15C】第1実施形態の補正のイメージ例を示す図である。
【図15D】第1実施形態の補正のイメージ例を示す図である。
【図16】第2実施形態で用いたパルス幅テーブルを示す図である。
【図17】第2実施形態の第2の補正を示すフローチャートである。
【図18】第3実施形態の第2の補正を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
3 現像器
4 感光ドラム
5 中間転写体
6 記録材
7 定着器
8 帯電器
9 クリーナ
20 プロセスカートリッジ
41 回転多面鏡モータ
42 回転多面鏡
43 f−θレンズ
44 反射ミラー
91 オフセット用ラインバッファ
101 平滑化用ラインバッファ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正手段と、
前記画像補正手段において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理手段と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する変換手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記変換手段は、前記平滑化処理手段で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変換手段は、予め保持したパルス幅テーブルを用いて、画像データをパルス幅データに変換することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変換手段は、前記平滑化処理手段で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なるパルス幅テーブルを用いて、パルス幅データに変換することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
基本パルス幅テーブルを保持する保持手段と、
基本パルス幅テーブルに、画像形成条件から算出された補正係数を演算して、前記平滑化処理用のパルス幅テーブルを生成する生成手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成条件は、画像形成装置内部の温度及び湿度の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成条件は、画像形成装置内部の温度及び湿度から算出された絶対水分量情報であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置の制御方法であって、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正工程と、
前記画像補正工程において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理工程と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する変換工程と、
を含み、
前記変換工程は、前記平滑化処理工程で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置の制御プログラムであって、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正工程と、
前記画像補正工程において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理工程と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する際に、前記平滑化処理工程で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換する変換工程と、
を画像形成装置のプロセッサに実行させることを特徴とする画像形成装置の制御プログラム。
【請求項1】
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正手段と、
前記画像補正手段において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理手段と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する変換手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記変換手段は、前記平滑化処理手段で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変換手段は、予め保持したパルス幅テーブルを用いて、画像データをパルス幅データに変換することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変換手段は、前記平滑化処理手段で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なるパルス幅テーブルを用いて、パルス幅データに変換することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
基本パルス幅テーブルを保持する保持手段と、
基本パルス幅テーブルに、画像形成条件から算出された補正係数を演算して、前記平滑化処理用のパルス幅テーブルを生成する生成手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成条件は、画像形成装置内部の温度及び湿度の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成条件は、画像形成装置内部の温度及び湿度から算出された絶対水分量情報であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置の制御方法であって、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正工程と、
前記画像補正工程において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理工程と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する変換工程と、
を含み、
前記変換工程は、前記平滑化処理工程で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
表面に静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像担持体の表面に画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
前記像担持体の表面に形成された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置の制御プログラムであって、
前記露光手段の形状に起因する現像剤像の変形の影響が出力画像に出ないように、前記露光手段に入力する画像データを補正する画像補正工程と、
前記画像補正工程において補正された画像データの白画像領域に対して、1画素未満の大きさのドットを補充するように画像データに平滑化処理を加える平滑化処理工程と、
入力された画像データを前記露光手段の露光量に変換する際に、前記平滑化処理工程で平滑化処理を加えた画像データを、平滑化処理を加えていない画像データとは異なる露光量に変換する変換工程と、
を画像形成装置のプロセッサに実行させることを特徴とする画像形成装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−294382(P2009−294382A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147069(P2008−147069)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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