説明

画像表示装置、画像表示装置の制御方法

【課題】特別な設定変更操作などを行うことなく、外部の情報処理装置による制御状態から、本体操作パネル、またはリモコンからの操作による制御に設定変更可能な画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置1が、外部の情報処理装置による制御情報により制御される外部制御モードと、画像表示装置1に対する操作により制御される通常モードのいずれかが設定されるモード設定手段20bと、前記制御情報を受け付けてから第1の時間を経過した場合(ステップS108:Y)に、前記モード設定手段20bに前記通常モードを設定(ステップS109)する制御手段と、を備える画像表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置および画像表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置(プロジェクター)と、情報処理装置(パーソナルコンピューター:PC)と、をシリアルケーブルなどで接続して、電源のオン・オフ、入力切替など種々の制御を、PC側で制御可能とするプロジェクターが知られている。
【0003】
このようなプロジェクターにおいて、PCによって制御可能な状態となっている場合には、プロジェクターの付属品として備えられているリモートコントローラー(リモコン)での操作、及びプロジェクター本体に設けられている操作パネルでの操作を無効とする機能を有することが好ましい。このように、リモコンでの操作、及び操作パネルでの操作を無効とする機能を有するプロジェクターは種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されているプロジェクターは、リモコン番号切り替え機能を有し、リモコンでの操作を無効とする場合には、リモコン番号を登録番号とは異なる番号に切り替えるなどの設定変更操作を行うことによってリモコンでの操作を無効とすることができる。また、操作パネルでの操作を無効とする場合にも、操作を無効とするための設定変更をユーザーが行うことによって操作パネルでの操作を無効とすることができる。これにより、例えば、PCによってプロジェクターを制御することが可能な状態となっているときは、リモコンでの操作、及び操作パネルでの操作を無効することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−239720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているプロジェクターは、PCによってプロジェクターを制御するために、操作部での操作を無効にした後、PCによるプロジェクターの制御を終了し、操作部での操作をするためには、操作を有効とするための設定変更をユーザーがその都度行わなければならない。特に、プレゼンテーション中などにおいて、このような設定をそのたびに行うことは円滑なプレゼンテーションが行えないといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る画像表示装置は外部の情報処理装置によって制御可能な画像表示装置であって、当該画像表示装置に対する操作を受け付ける操作受付手段と、前記情報処理装置と通信する通信手段と、前記通信手段を介し、前記情報処理装置より当該画像表示装置に対する制御情報を受け付ける制御情報受信手段と、当該画像表示装置が、前記制御情報により制御される外部制御モードと、前記操作により制御される通常モードのいずれかが設定されるモード設定手段と、前記制御情報を受け付けてから第1の時間を経過した場合に、前記モード設定手段に前記通常モードを設定する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、情報処理装置からの制御情報を受信してから第1の時間を経過した場合に、モード設定手段に通常モードが設定される。これにより、情報処理装置からの制御プログラムが終了し、制御情報が所定時間(第1の時間)を経過しても送られてこなくなった場合、自動的に外部制御モードから通常モードに設定変更されるので、ユーザーが設定変更操作を行うことなく、画像表示装置の操作受付手段の操作を有効にすることが可能となる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記第1の時間は、前記制御情報によって設定される、ことを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、画像表示装置が制御情報を受信してから通常モードに切り替えるまでの待ち時間(第1の時間)を情報処理装置からの制御情報で設定できる。これにより、情報処理装置の制御プログラムによる制御情報の送信間隔に対して第1の時間が短く、画像表示装置が、情報処理装置からの制御情報が来る前に通常モードに切り替えてしまうことを防止できる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記制御手段は、前記制御情報を受け付けてから前記第1の時間を経過した場合に、当該画像表示装置の電源をオフする、ことを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、画像表示装置が制御情報を受信してから第1の時間を経過した場合、画像表示装置の電源をオフすることができるので、デモンストレーションなどで画像表示装置を使用中に、情報処理装置側の制御が終了した場合、または情報処理装置に何らかの異常が発生した場合など、第1の時間が経過しても、制御情報が送られてこない場合に、画像表示装置の電源を自動的にオフすることが可能となる。
【0014】
[適用例4]本適用例に係る画像表示装置の制御方法は、外部からの操作を受け付ける操作受付手段と、外部の情報処理装置と通信する通信手段と、制御情報により制御される外部制御モードまたは前記操作により制御される通常モードのいずれかが設定されるモード設定手段と、を有し、前記情報処理装置によって制御可能な画像表示装置の制御方法であって、前記通信手段を介し、前記情報処理装置より当該画像表示装置に対する制御情報を受け付ける制御情報受信ステップと、前記制御情報を受け付けてから第1の時間を経過した場合に、前記モード設定手段に前記通常モードを設定する通常モード設定ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、情報処理装置からの制御情報を受信してから第1の時間を経過した場合に、モード設定手段に通常モードが設定される。これにより、情報処理装置からの制御プログラムが終了し、制御情報が所定時間送られてこなくなった場合、自動的に外部制御モードから通常モードに設定変更されるので、ユーザーが設定変更操作を行うことなく、画像表示装置の操作受付手段の操作を有効にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プロジェクターの外部制御を説明する図。
【図2】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図3】プロジェクターが外部からの制御情報を検出したときの動作を示すフローチャート。
【図4】プロジェクターが操作信号を受け付けたときの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明に係る画像表示装置の一実施形態であるプロジェクターについて説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクター1の外部制御を説明するために示す図である。図1に示すように、プロジェクター1は、情報処理装置としてのパーソナルコンピューター(PCとも称する)200と、通信ケーブル300を介して通信を行うようになっている。
【0019】
通信ケーブル300は、プロジェクター1とPC200を双方向に通信することができるように接続するものであり、RS−232Cケーブル等を使用することができる。
なお、本実施形態において、プロジェクター1とPC200との間の通信は、通信ケーブル300による有線方式を示したが、無線方式であってもよい。
【0020】
プロジェクター1は、プロジェクター1の付属品として備えられているリモートコントローラー(リモコン,RCとも称する)25上での操作、又はプロジェクター1の筐体に設けられた入力操作手段23での操作によって、電源のオン・オフ、入力切替など種々の制御を行うことができる。
このようにプロジェクター1が操作により制御される状態を通常モードと称する。
【0021】
PC200は、プロジェクター1を制御するプロジェクター制御部210を有している。プロジェクター制御部210は、プロジェクター1を制御するための制御プログラムを有している。これによって、プロジェクター1の電源のオン・オフ、入力切替など種々の制御は、通信手段を介してPC200側からの制御情報により行うことができるようになっている。
このようにプロジェクター1が制御情報により制御される状態を外部制御モードと称する。
【0022】
図2は、本実施形態のプロジェクター1の回路構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プロジェクター1は、画像信号処理手段3、OSD処理手段4、画像入力選択手段5、画像入力端子6、画像投写手段10、制御手段20、記憶手段21、光源制御手段22、入力操作手段23、操作信号受信手段24、通信手段30、制御情報受信手段31、電源部40、電源端子41等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0023】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0024】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0025】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。
【0026】
このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0027】
本実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED(Light Emitting Diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。また、画像投写手段10では、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0028】
制御手段20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。
【0029】
本実施形態において制御手段20は、時間を計時するタイマー20aと、モード設定手段20bを含み構成される。
モード設定手段20bは、プロジェクター1が、制御情報受信手段31が受け付けた制御情報(制御コマンド)により制御される外部制御モードか、入力操作手段23またはリモコン25の操作(操作信号)により制御される通常モードのいずれかが設定される。
【0030】
記憶手段21は、図示しないフラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶手段21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態では記憶手段21は、制御コマンドを受信しなかったときに電源をオフする設定時にセットされる自動電源オフフラグ21aを備える。自動電源オフフラグ21aは、後述する設定メニューから、または外部情報処理装置からの制御コマンドによってセット、クリアされる。
【0031】
入力操作手段23は、プロジェクター1の筐体外面に備えられ、ユーザーからのプロジェクター1に対する操作を受け付けるものであり、ユーザーが各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。
【0032】
入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、画像入力選択手段5により複数の画像入力端子6のうちいずれかの入力に切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、設定メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー、ヘルプキー等がある。
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。
【0033】
操作信号受信手段24は、ユーザーがプロジェクター1に対して遠隔操作を行うリモコン25からの操作信号を受信し、ユーザーの操作内容を制御手段20に出力する。
リモコン25が備える操作キーとしては、入力操作手段23と同等な電源キー、入力切替キー、メニューキー、カーソルキー、決定キー、エスケープキー、ヘルプキーに加え、画面ミュートキー、カラーモード切替キー、番号入力キー等がある。
本実施形態においては、入力操作手段23、リモコン25、および操作信号受信手段24が、操作受付手段に相当する。
【0034】
通信手段30は、通信ケーブル300を介して、PC200との間で双方向通信を行う。
【0035】
制御情報受信手段31は、通信手段30を介して、PC200からの制御情報(制御コマンド)を受信し、制御手段20に通知する。PC200からの制御コマンドとしてはプロジェクター1の電源オン・オフ、入力切替、各種モード設定コマンドなどがある。
その中で、コマンド待ち時間設定コマンドは、本実施形態においてコマンド待ち時間でもある第1の時間T1を設定するものであり、最後に制御コマンドを受信してから第1の時間T1を経過した場合、モード設定手段20bは外部制御モードから通常モードに設定変更する。
【0036】
複数の画像入力端子6には、図示しない外部の画像供給装置から、各種形式の画像信号が入力され、入力された画像信号は、画像入力選択手段5に供給される。
【0037】
画像入力選択手段5は、複数の画像入力端子6のうち、制御手段20の指示に基づく一の画像入力端子6を選択し、一の画像入力端子6に入力される画像信号を、画像信号処理手段3に出力する。ユーザーが、入力操作手段23に備わる入力切替キーを操作して所望の一の画像入力端子6を指定すると、制御手段20は、一の画像入力端子6に入力される画像信号が画像信号処理手段3に出力されるよう、画像入力選択手段5に指示をする。
【0038】
画像信号処理手段3は、画像入力選択手段5から入力される画像信号を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像データに変換する。ここで、変換された画像データは、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
また、画像信号処理手段3は、制御手段20の指示に基づき、変換した画像データに対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等を調整するための画質調整処理等を行い、処理後の画像データをOSD処理手段4に出力する。
【0039】
OSD処理手段4は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、設定メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。
なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段4は、画像信号処理手段3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0040】
液晶駆動手段14は、OSD処理手段4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13からスクリーンSCに投写される。
【0041】
光源制御手段22は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止を制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0042】
電源部40は、例えば、AC100V等の商用電源などに接続される電源端子41を介して、外部より電力が供給される。電源部40は、入力した電力を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部40は、制御手段20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0043】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図3、および図4のフローチャートを用いて説明する。
【0044】
(プロジェクター1が外部からの制御情報を検出した場合)
図3に示すように、プロジェクター1が外部からの制御情報を検出した場合(ステップS101)、モード設定手段20bを外部制御モードに設定し(ステップS102)、ステップS103に遷移する。外部制御モードに設定する方法としては、設定メニューからの操作、入力操作手段23またはリモコン25の特定キーの組み合わせ操作などもある。
【0045】
ステップS103において制御手段20はタイマー20aによる計時を開始し、ステップS104に遷移する。
【0046】
ステップS104において制御手段20は、制御情報受信手段31から制御情報(制御コマンド)を受信したか否かを調べる。制御コマンドを受信している場合(ステップS104:Y)、ステップS105に遷移する。制御コマンドを受信していな場合(ステップS104:N)、ステップS108に遷移する。ステップS104が制御情報受信ステップに相当する。
【0047】
ステップS105において制御手段20は、ステップS104において受信した制御コマンドが、コマンド待ち時間設定コマンドであるか否かを調べる。受信した制御コマンドがコマンド待ち時間設定コマンドである場合(ステップS105:Y)、ステップS107に遷移する。コマンド待ち時間設定コマンドでない場合(ステップS105:N)、ステップS106に遷移する。
【0048】
ステップS106において制御手段20は、ステップS104において受信した制御コマンドの処理を実行し、ステップS103に遷移する。
【0049】
ステップS107において制御手段20は、ステップS104において受信した、コマンド待ち時間設定コマンドに基づき、第1の時間T1の値を設定(変更)し、ステップS103に遷移する。
【0050】
ステップS108において制御手段20はタイマー20aによる計時が第1の時間T1を経過したか否かを調べる。タイマー20aが第1の時間T1を経過した場合(ステップS108:Y)、ステップS109に遷移する。タイマー20aが第1の時間T1を経過していない場合(ステップS108:N)、ステップS104に遷移する。
ここで、第1の時間T1は上述したようにコマンド待ち時間であり、初期状態では例えば1分に設定されているものであり、ステップS107で説明したようにコマンド待ち時間設定コマンドにより設定を変更することが可能である。
【0051】
ステップS109において、モード設定手段20bを通常モードに設定し、ステップS110に遷移する。ステップS109が通常モード設定ステップに相当する。なお、ステップS103からステップS108の間はモード設定手段20bが外部制御モードに設定されているため、入力操作手段23およびリモコン25の入力操作は受け付けない。
【0052】
ステップS110において制御手段20は、自動電源オフフラグ21aがセットされているか否かを調べる。自動電源オフフラグ21aがセットされている場合(ステップS110:Y)、ステップS112に遷移する。自動電源オフフラグ21aがセットされていない場合(ステップS110:N)、ステップS111に遷移する。
【0053】
ステップS111において本動作フローを終了する。
【0054】
ステップS112において、制御手段20はプロジェクター1の電源をオフし、スタンバイ状態に移行させる。
【0055】
(プロジェクター1が操作信号を受け付けた場合)
図4に示すように、プロジェクター1が入力操作手段23、またはリモコン25による操作信号受信手段24の操作信号を受け付けた場合(ステップS201)、制御手段20はモード設定手段20bが通常モードに設定されているか否かを調べる(ステップS202)。モード設定手段20bが通常モードに設定されている場合(ステップS202:Y)、ステップS203に遷移する。モード設定手段20bが通常モードに設定されていない、即ち外部制御モードに設定されている場合(ステップS202:N)、ステップS204に遷移する。
【0056】
ステップS203において、制御手段20はステップS201において受け付けた操作信号に基づく処理を実行し、ステップS204に遷移する。
【0057】
ステップS204において本動作フローを終了する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、PC200からの制御情報を受信してから第1の時間T1を経過した場合にモード設定手段20bが外部制御モードから通常モードに設定される。これにより、PC200の制御プログラムが終了し、制御情報が第1の時間T1の間送られてこなくなった場合、自動的にモード設定手段20bが外部制御モードから通常モードに設定変更されるので、ユーザーが設定変更操作を行うことなく、プロジェクター1の入力操作手段23、およびリモコン25による操作を有効にすることが可能となる。
【0059】
また、プロジェクター1が制御情報を受信してから通常モードに切り替えるまでの待ち時間(第1の時間T1)をPC200からの制御情報で設定できる。これにより、PC200の制御プログラムによる制御情報の送信間隔に対して第1の時間T1が短く、プロジェクター1が、PC200からの制御情報が来る前にモード設定手段20bを通常モードに切り替えてしまうことを防止できる。
【0060】
また、プロジェクター1が制御情報を受信してから第1の時間T1を経過したときに、プロジェクター1の電源をオフすることができるので、デモンストレーションなどでプロジェクター1を使用中に、PC200の制御が終了した場合、またはPC200に何らかの異常が発生した場合など、制御情報が第1の時間T1の間送られてこなくなったときプロジェクター1の電源を自動的にオフすることが可能となる。
【0061】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
本実実施形態では、外部からの制御情報を検出したときに、モード設定手段20bが直ちに外部制御モードに設定されるが、入力操作手段23またはリモコン25による操作を検出しない状態が所定の第2の時間T2の間継続した後で、モード設定手段20bが外部制御モードに設定されるようにしてもよい。
これにより、ユーザーが入力操作手段23またはリモコン25での操作中に、モード設定手段20bが外部制御モードに設定され、入力中の操作が以後、受け付けられなくなるのを防止することができる。
【符号の説明】
【0062】
1…プロジェクター、3…画像信号処理手段、4…OSD処理手段、5…画像入力選択手段、6…画像入力端子、10…画像投写手段、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、20…制御手段、20a…タイマー、20b…モード設定手段、21…記憶手段、21a…自動電源オフフラグ、22…光源制御手段、23…入力操作手段、24…操作信号受信手段、25…リモートコントローラー(リモコン/RC)、30…通信手段、31…制御信号受信手段、40…電源部、41…電源端子、200…PC(情報処理装置)、210…プロジェクター制御部、300…通信ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の情報処理装置によって制御可能な画像表示装置であって、
当該画像表示装置に対する操作を受け付ける操作受付手段と、
前記情報処理装置と通信する通信手段と、
前記通信手段を介し、前記情報処理装置より当該画像表示装置に対する制御情報を受け付ける制御情報受信手段と、
当該画像表示装置が、前記制御情報により制御される外部制御モードと、前記操作により制御される通常モードのいずれかが設定されるモード設定手段と、
前記制御情報を受け付けてから第1の時間を経過した場合に、前記モード設定手段に前記通常モードを設定する制御手段と、
を備えたことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記第1の時間は、前記制御情報によって設定される、
ことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示装置であって、
前記制御手段は、前記制御情報を受け付けてから前記第1の時間を経過した場合に、当該画像表示装置の電源をオフする、
ことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項4】
外部からの操作を受け付ける操作受付手段と、外部の情報処理装置と通信する通信手段と、制御情報により制御される外部制御モードまたは前記操作により制御される通常モードのいずれかが設定されるモード設定手段と、を有し、前記情報処理装置によって制御可能な画像表示装置の制御方法であって、
前記通信手段を介し、前記情報処理装置より当該画像表示装置に対する制御情報を受け付ける制御情報受信ステップと、
前記制御情報を受け付けてから第1の時間を経過した場合に、前記モード設定手段に前記通常モードを設定する通常モード設定ステップと、
を有することを特徴とする、画像表示装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−80141(P2013−80141A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220727(P2011−220727)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】