畝押え機構
【課題】
茎葉を引き抜いた箇所にくぼみが形成されて馬鈴薯が露出し、光にあたって緑化してしまうことが問題となっており、本発明は、茎葉を引き抜いた際に形成されたくぼみを埋めて馬鈴薯が露出しないようにすることを目的とする。
【解決手段】
押圧面が畝側面に沿って湾曲した畝押圧体を中央の茎葉通過間隙を隔てて左右対称に設置し、これにより畝の作物の根元を押さえながら茎葉部を茎葉引抜き部で左右から挟み引き抜く茎葉処理機において、前記畝押圧体の外側面上部に帯板状の土止め板を起立した状態で前後方向に長く左右対向して取付けた。
茎葉を引き抜いた箇所にくぼみが形成されて馬鈴薯が露出し、光にあたって緑化してしまうことが問題となっており、本発明は、茎葉を引き抜いた際に形成されたくぼみを埋めて馬鈴薯が露出しないようにすることを目的とする。
【解決手段】
押圧面が畝側面に沿って湾曲した畝押圧体を中央の茎葉通過間隙を隔てて左右対称に設置し、これにより畝の作物の根元を押さえながら茎葉部を茎葉引抜き部で左右から挟み引き抜く茎葉処理機において、前記畝押圧体の外側面上部に帯板状の土止め板を起立した状態で前後方向に長く左右対向して取付けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、馬鈴薯を地下に留めたままで茎葉を引き抜くための茎葉処理機に関し、詳細には、茎葉を引き抜く際に、茎葉と共に馬鈴薯が引き抜けないように畝を押圧する畝押え機構に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
茎葉処理機には、カッタなどで茎葉の根部分から馬鈴薯を切離して搬送するものや、茎葉と共に馬鈴薯が引き抜かれないように畝押え機構により畝面を押えつつ、茎葉を引き抜いて搬送する茎葉引抜き部を備えたものが知られている。本出願人によって、茎葉引抜き部と畝押え機構とを備えた茎葉処理機について、すでに特許出願がなされている（特願２００４−２３５２４８）。
【０００３】
この茎葉処理機は、一対の無端ベルトを対向させて近接側に不勢し、その後部を前部よりも高く傾斜して設置した茎葉引抜き部によって無端ベルトの接触面で作物の茎葉を後上方へ挟扼搬送することにより茎葉を引き抜く一方、畝面に沿う形に屈曲した畝押え板を左右に並べ、その間に茎葉通過間隙を形成して畝面を押えつつ茎葉がこの間隙を通過するようにした畝押え機構によって畝面を押圧することで馬鈴薯を畝内部に留めている。
【０００４】
茎葉が引き抜かれた後の畝頂部には、茎葉があった位置にくぼみが形成される。しかも、このくぼみの付近には馬鈴薯が埋まっており、この馬鈴薯がくぼみから露出してしまうおそれがあった。そして、このくぼみによって馬鈴薯が露出して光に当たると緑化してしまい、商品価値が下がってしまうという問題がある。
【０００５】
一方、引き抜かれた茎葉の根部分には土が付着しており、この土は茎葉通過間隙を通って引き抜かれる際にこそがれるなどして畝押え板の上に飛散する。しかし、畝押え板の上に落下した土は、畝押え板が畝面に沿って湾曲しているため、その上面をすべって畝間に落下してしまっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
解決しようとする問題点は、畝面の茎葉を引き抜いた箇所にくぼみが形成されて馬鈴薯が露出し、光にあたって緑化してしまう点であり、茎葉を引き抜いた際に形成されたくぼみを埋めて馬鈴薯が露出しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記課題を解決するために、請求項１記載のごとく、畝側面に沿って湾曲した畝押圧体を中央の茎葉通過間隙を隔てて左右対称に設置し、これにより畝の作物の根元を押さえながら茎葉部を茎葉引抜き部で左右から挟み引き抜く茎葉処理機において、前記畝押圧体の外側面上部に帯板状の土止め板を起立した状態で前後方向に長く左右対向して取付ける。
【０００８】
請求項２記載のごとく、前記土止め板の内側面と畝押圧体の上面との間に、内側に低く傾斜した土除け板を取り付けた。
【０００９】
請求項３記載のごとく、前記土除け板を前方より後方を低く傾斜して取り付けた。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１記載のごとく、畝押圧体の外側面上部に、茎葉通過間隙をはさんで前後方向に長く左右対向して土止め板を立設したことにより、引き抜いた茎葉の根部分に付着した土が畝押圧体の上に飛散しても畝間に落下せずに茎葉通過間隙から畝頂部に落下して、茎葉を引き抜いたことにより形成された畝のくぼみを埋めることができる。
【００１１】
請求項２記載のごとく、土止め板の内側面と畝押圧体の上面との間に、内側に低く傾斜した土除け板を取り付けたことにより、畝押圧体の上面に余分な土を溜めずに、効率よく畝頂部に落下させてくぼみを埋めることができる。
【００１２】
請求項３記載のごとく、土除け板を前方より後方を低く傾斜して取り付けたことにより、茎葉を引き抜いて畝押圧体の後方に形成されたくぼみに土を落下させて、効率よくくぼみを埋めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明に係る茎葉処理機について図１乃至図５を参照して詳しく説明する。図１は本発明に係る茎葉処理機の平面図で、図２は茎葉処理機の側面図である。
【００１４】
本発明に係る茎葉処理機１は、機体フレーム２の左右両側に三角クローラ型の走行機構３を設けると共に、平面視右側に座席１０及び操縦部１１を設け、左側にはエンジンを収納したエンジンケース１２とエンジンからの動力を伝達するミッションケース１３とを設けて乗用型に構成される。走行機構３は２条の畝を跨ぎ、これらの畝に挟まれた畝溝をゲージホイル１６が転動する。ゲージホイル１６は、油圧機構１５とアーム１７を介して機体フレーム２の中央に取り付けられる。
【００１５】
機体フレーム２の前方には左右２基の茎葉引抜き部４が、その間隔を前部は広く後部を狭くすると共に前部よりも後部を高く傾斜して配置され、水平駆動軸２０を介して揺動自在に取り付けられている。エンジンからの動力は水平駆動軸２０からギアボックス２１内のベベルギアを介して動力伝達軸２２から茎葉引抜き部４へ伝達される。
【００１６】
水平駆動軸２０はパイプケース２３によって覆われている。このパイプケース２３は、機体フレーム２に固定された中央のスリーブ２４によって左右に分割されており、左右の茎葉引抜き部４はそれぞれ独立して上下に揺動する。また、茎葉引抜き部４の前端部には茎葉掻き込み機構６が設けられ、後端部には茎葉倒伏機構８が設けられ、機体フレーム２の後部で茎葉引抜き部４の後上端の下方には茎葉裁断装置５が設けられている。
【００１７】
ゲージホイル１６を支持するアーム１７には、その下方に左右向きのクロスバー１８を設けて、クロスバー１８の左右両端をそれぞれ茎葉引抜き部４の下側に臨ませ、茎葉引抜き部４の前部が下がりすぎると、このクロスバー１８が茎葉引抜き部４の前部下側に設けられたストッパ１９に当たることにより、茎葉引抜き部４の下死点を規定する。また、作業をせずに走行する際には、ゲージホイル１６を上方に回動してクロスバー１８をストッパ１９に係止して、茎葉引抜き部４を持上げることができる。
【００１８】
茎葉引抜き部４の前端部下方には畝押え機構７が設けられている。畝押え機構７は、板状の畝押圧体３０の前端部を茎葉引抜き部４の前端部下側に回動可能に取り付け、後端部を連結ロッド３１とロッドホルダ３２を介して機体フレーム２と連結して形成される。
【００１９】
次に、図３乃至図５を参照して畝押え機構について詳述する。図３は、畝押圧体を断面で示した作用図、図４は畝押圧体の平面図、図５は畝押圧体を茎葉通過間隙側から見た側面図（図３のＡ−Ａ矢視図）である。
【００２０】
畝押え機構７は、畝押圧体３０を畝面に沿った形状に保持するために金属や硬い樹脂などで形成した天板３４と、畝面を滑動しやすいようにプラスチックなどの樹脂により形成した畝押圧板３５と、ゴムなどの弾力性のある樹脂により形成されて天板３４と畝押圧板３５とに挟まれる弾性部材３６と、天板３４に取り付けられる土止め板３７と、土止め板３７より畝頂部側の天板３４に設けられる土除け板４０とにより構成される。
【００２１】
弾性部材３６は、天板３４の畝頂部側を階段状に折曲して畝押圧板３５との間に隙間を形成し、この隙間に嵌め込んで畝頂部側に突出させて固定される。これを左右に並べて弾性部材３６によって挟まれた茎葉通過間隙３８を形成する。土止め板３７は断面視略Ｌ字形状で、その長さ方向を茎葉通過間隙３８に沿って前後向きに配置して天板３４に取り付け、茎葉通過間隙３８と土止め板３７との間に土溜め部３９を形成する。
【００２２】
土溜め部３９を構成する天板３４の上面には土除け板４０が設けられている。この土除け板４０は、図３に示すごとく、土止め板３７側から内側に向かって低く傾斜していると共に、図５に示すごとく前方より後方が低く傾斜している。
【００２３】
前記のごとく構成した畝押え機構は以下に述べるような効果を奏する。
【００２４】
茎葉引抜き部４によって引き抜かれた茎葉は、茎葉通過間隙３８を通過する際に弾性部材３６によってこそがれて、根に付着した土が周囲に飛散する。天板３４に土止め板３７が設けられているため、飛散した土は上面をすべって畝間に落下せず土溜め部３９に積もって、茎葉通過間隙３８から畝頂部に落下する。
【００２５】
土除け部４０が帯板３７から内側に低く、また前方より後方が低く傾斜しているため、茎葉が引き抜かれて土溜め部３９に新たに土が積もるたびに、茎葉通過間隙３９の後部から畝頂部に土を供給して、茎葉を引き抜いたことにより形成されたくぼみを埋めることができるため、馬鈴薯が露出して日に当たり緑化するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明に係る茎葉処理機の平面図である。
【図２】本発明に係る茎葉処理機の側面図である。
【図３】畝押圧体の作用を示す正面断面図である。
【図４】畝押圧体の平面図である。
【図５】畝押圧体を内側から見た側面図である。
【符号の説明】
【００２７】
１ 茎葉処理機
２ 機体フレーム
３ 走行機構
４ 茎葉引抜き部
５ 茎葉裁断装置
６ 茎葉掻き込み機構
７ 畝押え機構
８ 茎葉倒伏機構
１０ 座席
１１ 操縦部
１２ エンジンケース
１３ ミッションケース
１５ 油圧機構
１６ ゲージホイル
１７ アーム
１８ クロスバー
１９ ストッパ
２０ 水平駆動軸
２１ ギアボックス
２２ 動力伝達軸
２３ パイプケース
２４ スリーブ
３０ 畝押圧体
３１ 連結ロッド
３２ ロッドホルダ
３４ 天板
３５ 畝押圧板
３６ 弾性部材
３７ 土止め板
３８ 茎葉通過間隙
３９ 土溜め部
４０ 土除け板
【技術分野】
【０００１】
本発明は、馬鈴薯を地下に留めたままで茎葉を引き抜くための茎葉処理機に関し、詳細には、茎葉を引き抜く際に、茎葉と共に馬鈴薯が引き抜けないように畝を押圧する畝押え機構に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
茎葉処理機には、カッタなどで茎葉の根部分から馬鈴薯を切離して搬送するものや、茎葉と共に馬鈴薯が引き抜かれないように畝押え機構により畝面を押えつつ、茎葉を引き抜いて搬送する茎葉引抜き部を備えたものが知られている。本出願人によって、茎葉引抜き部と畝押え機構とを備えた茎葉処理機について、すでに特許出願がなされている（特願２００４−２３５２４８）。
【０００３】
この茎葉処理機は、一対の無端ベルトを対向させて近接側に不勢し、その後部を前部よりも高く傾斜して設置した茎葉引抜き部によって無端ベルトの接触面で作物の茎葉を後上方へ挟扼搬送することにより茎葉を引き抜く一方、畝面に沿う形に屈曲した畝押え板を左右に並べ、その間に茎葉通過間隙を形成して畝面を押えつつ茎葉がこの間隙を通過するようにした畝押え機構によって畝面を押圧することで馬鈴薯を畝内部に留めている。
【０００４】
茎葉が引き抜かれた後の畝頂部には、茎葉があった位置にくぼみが形成される。しかも、このくぼみの付近には馬鈴薯が埋まっており、この馬鈴薯がくぼみから露出してしまうおそれがあった。そして、このくぼみによって馬鈴薯が露出して光に当たると緑化してしまい、商品価値が下がってしまうという問題がある。
【０００５】
一方、引き抜かれた茎葉の根部分には土が付着しており、この土は茎葉通過間隙を通って引き抜かれる際にこそがれるなどして畝押え板の上に飛散する。しかし、畝押え板の上に落下した土は、畝押え板が畝面に沿って湾曲しているため、その上面をすべって畝間に落下してしまっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
解決しようとする問題点は、畝面の茎葉を引き抜いた箇所にくぼみが形成されて馬鈴薯が露出し、光にあたって緑化してしまう点であり、茎葉を引き抜いた際に形成されたくぼみを埋めて馬鈴薯が露出しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記課題を解決するために、請求項１記載のごとく、畝側面に沿って湾曲した畝押圧体を中央の茎葉通過間隙を隔てて左右対称に設置し、これにより畝の作物の根元を押さえながら茎葉部を茎葉引抜き部で左右から挟み引き抜く茎葉処理機において、前記畝押圧体の外側面上部に帯板状の土止め板を起立した状態で前後方向に長く左右対向して取付ける。
【０００８】
請求項２記載のごとく、前記土止め板の内側面と畝押圧体の上面との間に、内側に低く傾斜した土除け板を取り付けた。
【０００９】
請求項３記載のごとく、前記土除け板を前方より後方を低く傾斜して取り付けた。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１記載のごとく、畝押圧体の外側面上部に、茎葉通過間隙をはさんで前後方向に長く左右対向して土止め板を立設したことにより、引き抜いた茎葉の根部分に付着した土が畝押圧体の上に飛散しても畝間に落下せずに茎葉通過間隙から畝頂部に落下して、茎葉を引き抜いたことにより形成された畝のくぼみを埋めることができる。
【００１１】
請求項２記載のごとく、土止め板の内側面と畝押圧体の上面との間に、内側に低く傾斜した土除け板を取り付けたことにより、畝押圧体の上面に余分な土を溜めずに、効率よく畝頂部に落下させてくぼみを埋めることができる。
【００１２】
請求項３記載のごとく、土除け板を前方より後方を低く傾斜して取り付けたことにより、茎葉を引き抜いて畝押圧体の後方に形成されたくぼみに土を落下させて、効率よくくぼみを埋めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明に係る茎葉処理機について図１乃至図５を参照して詳しく説明する。図１は本発明に係る茎葉処理機の平面図で、図２は茎葉処理機の側面図である。
【００１４】
本発明に係る茎葉処理機１は、機体フレーム２の左右両側に三角クローラ型の走行機構３を設けると共に、平面視右側に座席１０及び操縦部１１を設け、左側にはエンジンを収納したエンジンケース１２とエンジンからの動力を伝達するミッションケース１３とを設けて乗用型に構成される。走行機構３は２条の畝を跨ぎ、これらの畝に挟まれた畝溝をゲージホイル１６が転動する。ゲージホイル１６は、油圧機構１５とアーム１７を介して機体フレーム２の中央に取り付けられる。
【００１５】
機体フレーム２の前方には左右２基の茎葉引抜き部４が、その間隔を前部は広く後部を狭くすると共に前部よりも後部を高く傾斜して配置され、水平駆動軸２０を介して揺動自在に取り付けられている。エンジンからの動力は水平駆動軸２０からギアボックス２１内のベベルギアを介して動力伝達軸２２から茎葉引抜き部４へ伝達される。
【００１６】
水平駆動軸２０はパイプケース２３によって覆われている。このパイプケース２３は、機体フレーム２に固定された中央のスリーブ２４によって左右に分割されており、左右の茎葉引抜き部４はそれぞれ独立して上下に揺動する。また、茎葉引抜き部４の前端部には茎葉掻き込み機構６が設けられ、後端部には茎葉倒伏機構８が設けられ、機体フレーム２の後部で茎葉引抜き部４の後上端の下方には茎葉裁断装置５が設けられている。
【００１７】
ゲージホイル１６を支持するアーム１７には、その下方に左右向きのクロスバー１８を設けて、クロスバー１８の左右両端をそれぞれ茎葉引抜き部４の下側に臨ませ、茎葉引抜き部４の前部が下がりすぎると、このクロスバー１８が茎葉引抜き部４の前部下側に設けられたストッパ１９に当たることにより、茎葉引抜き部４の下死点を規定する。また、作業をせずに走行する際には、ゲージホイル１６を上方に回動してクロスバー１８をストッパ１９に係止して、茎葉引抜き部４を持上げることができる。
【００１８】
茎葉引抜き部４の前端部下方には畝押え機構７が設けられている。畝押え機構７は、板状の畝押圧体３０の前端部を茎葉引抜き部４の前端部下側に回動可能に取り付け、後端部を連結ロッド３１とロッドホルダ３２を介して機体フレーム２と連結して形成される。
【００１９】
次に、図３乃至図５を参照して畝押え機構について詳述する。図３は、畝押圧体を断面で示した作用図、図４は畝押圧体の平面図、図５は畝押圧体を茎葉通過間隙側から見た側面図（図３のＡ−Ａ矢視図）である。
【００２０】
畝押え機構７は、畝押圧体３０を畝面に沿った形状に保持するために金属や硬い樹脂などで形成した天板３４と、畝面を滑動しやすいようにプラスチックなどの樹脂により形成した畝押圧板３５と、ゴムなどの弾力性のある樹脂により形成されて天板３４と畝押圧板３５とに挟まれる弾性部材３６と、天板３４に取り付けられる土止め板３７と、土止め板３７より畝頂部側の天板３４に設けられる土除け板４０とにより構成される。
【００２１】
弾性部材３６は、天板３４の畝頂部側を階段状に折曲して畝押圧板３５との間に隙間を形成し、この隙間に嵌め込んで畝頂部側に突出させて固定される。これを左右に並べて弾性部材３６によって挟まれた茎葉通過間隙３８を形成する。土止め板３７は断面視略Ｌ字形状で、その長さ方向を茎葉通過間隙３８に沿って前後向きに配置して天板３４に取り付け、茎葉通過間隙３８と土止め板３７との間に土溜め部３９を形成する。
【００２２】
土溜め部３９を構成する天板３４の上面には土除け板４０が設けられている。この土除け板４０は、図３に示すごとく、土止め板３７側から内側に向かって低く傾斜していると共に、図５に示すごとく前方より後方が低く傾斜している。
【００２３】
前記のごとく構成した畝押え機構は以下に述べるような効果を奏する。
【００２４】
茎葉引抜き部４によって引き抜かれた茎葉は、茎葉通過間隙３８を通過する際に弾性部材３６によってこそがれて、根に付着した土が周囲に飛散する。天板３４に土止め板３７が設けられているため、飛散した土は上面をすべって畝間に落下せず土溜め部３９に積もって、茎葉通過間隙３８から畝頂部に落下する。
【００２５】
土除け部４０が帯板３７から内側に低く、また前方より後方が低く傾斜しているため、茎葉が引き抜かれて土溜め部３９に新たに土が積もるたびに、茎葉通過間隙３９の後部から畝頂部に土を供給して、茎葉を引き抜いたことにより形成されたくぼみを埋めることができるため、馬鈴薯が露出して日に当たり緑化するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明に係る茎葉処理機の平面図である。
【図２】本発明に係る茎葉処理機の側面図である。
【図３】畝押圧体の作用を示す正面断面図である。
【図４】畝押圧体の平面図である。
【図５】畝押圧体を内側から見た側面図である。
【符号の説明】
【００２７】
１ 茎葉処理機
２ 機体フレーム
３ 走行機構
４ 茎葉引抜き部
５ 茎葉裁断装置
６ 茎葉掻き込み機構
７ 畝押え機構
８ 茎葉倒伏機構
１０ 座席
１１ 操縦部
１２ エンジンケース
１３ ミッションケース
１５ 油圧機構
１６ ゲージホイル
１７ アーム
１８ クロスバー
１９ ストッパ
２０ 水平駆動軸
２１ ギアボックス
２２ 動力伝達軸
２３ パイプケース
２４ スリーブ
３０ 畝押圧体
３１ 連結ロッド
３２ ロッドホルダ
３４ 天板
３５ 畝押圧板
３６ 弾性部材
３７ 土止め板
３８ 茎葉通過間隙
３９ 土溜め部
４０ 土除け板
【特許請求の範囲】
【請求項１】
畝側面に沿って湾曲した畝押圧体を中央の茎葉通過間隙を隔てて左右対称に設置し、これにより畝の作物の根元を押さえながら茎葉部を茎葉引抜き部で左右から挟み引き抜く茎葉処理機において、
前記畝押圧体の外側面上部に帯板状の土止め板を起立した状態で前後方向に長く左右対向して取付けたことを特徴とする畝押え機構。
【請求項２】
前記土止め板の内側面と畝押圧体の上面との間に、内側に低く傾斜した土除け板を取り付けたことを特徴とする請求項１記載の畝押え機構。
【請求項３】
前記土除け板を前方より後方を低く傾斜して取り付けたことを特徴とする請求項２記載の畝押さえ機構。
【請求項１】
畝側面に沿って湾曲した畝押圧体を中央の茎葉通過間隙を隔てて左右対称に設置し、これにより畝の作物の根元を押さえながら茎葉部を茎葉引抜き部で左右から挟み引き抜く茎葉処理機において、
前記畝押圧体の外側面上部に帯板状の土止め板を起立した状態で前後方向に長く左右対向して取付けたことを特徴とする畝押え機構。
【請求項２】
前記土止め板の内側面と畝押圧体の上面との間に、内側に低く傾斜した土除け板を取り付けたことを特徴とする請求項１記載の畝押え機構。
【請求項３】
前記土除け板を前方より後方を低く傾斜して取り付けたことを特徴とする請求項２記載の畝押さえ機構。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００６−３３３７５９（Ｐ２００６−３３３７５９Ａ）
【公開日】平成１８年１２月１４日（２００６．１２．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１６１２６９（Ｐ２００５−１６１２６９）
【出願日】平成１７年６月１日（２００５．６．１）
【出願人】（５０１２０３３４４）独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【出願人】（０００１１３８１６）マメトラ農機株式会社 (25)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１２月１４日（２００６．１２．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年６月１日（２００５．６．１）
【出願人】（５０１２０３３４４）独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【出願人】（０００１１３８１６）マメトラ農機株式会社 (25)
【Ｆターム（参考）】
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