発光装置
【課題】構造の複雑化を抑制しながら光源の熱の放熱効果を高めることができる発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1は、無機材料基板62、無機材料基板62の実装面62a側に実装されたLED素子61、及び無機材料基板62の実装面62aとは反対側の非実装面62bに形成された放熱パターン66を有する光源6と、光源6が搭載されるとともに、光源6の放熱パターン66に接合された放熱用導体パターン51を搭載面5aに有する搭載基板5と、搭載基板5の搭載面5a側に配置され、光源6の光を所定の方向に導く放熱反射部材41,42とを備え、放熱反射部材41,42は、搭載基板5の放熱用導体パターン51に少なくとも一部が面する平面状の吸熱面410b,420bと、吸熱面410b,420bを介して放熱用導体パターン51から伝導した光源6の熱を放熱する放熱面410c,420cとを有する。
【解決手段】発光装置1は、無機材料基板62、無機材料基板62の実装面62a側に実装されたLED素子61、及び無機材料基板62の実装面62aとは反対側の非実装面62bに形成された放熱パターン66を有する光源6と、光源6が搭載されるとともに、光源6の放熱パターン66に接合された放熱用導体パターン51を搭載面5aに有する搭載基板5と、搭載基板5の搭載面5a側に配置され、光源6の光を所定の方向に導く放熱反射部材41,42とを備え、放熱反射部材41,42は、搭載基板5の放熱用導体パターン51に少なくとも一部が面する平面状の吸熱面410b,420bと、吸熱面410b,420bを介して放熱用導体パターン51から伝導した光源6の熱を放熱する放熱面410c,420cとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子の発光光を所定の方向に導光して放射する発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の発光ダイオードを有する発光装置が知られている。近年では、発光ダイオードの用途が拡大し、室内等の照明やスキャナーにおける対象物の照射等のために発光ダイオードが広く用いられるようになっている。このように大きな光量を必要とする発光装置には、発光ダイオードで発生する熱により発光ダイオード自身が熱破壊してしまうことを防ぐため、放熱対策が施されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−9789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の固体素子デバイスは、発光ダイオード素子が搭載された無機材料基板の裏側に放熱用のパターンを設け、発光ダイオード素子で発生した熱がこの放熱用のパターンからヒートシンク等へ熱伝導するように構成されている。
【0005】
しかしながら、発光装置の構成によっては、放熱用のパターンに直接ヒートシンクを接触させることが困難な場合がある。また、発光ダイオード素子に電源を供給するための回路パターンが形成された搭載基板上に無機材料基板を搭載する場合には、放熱用のパターンとヒートシンクとを接触させるために搭載基板に貫通穴を設け、この貫通穴を介して放熱用のパターンとヒートシンクとを接触させなければならない。このため、構造が複雑になり、組み付け工数も増大するという問題があった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造の複雑化を抑制しながら光源の熱の放熱効果を高めることができる発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、無機材料基板、前記無機材料基板の実装面側に実装された発光素子、及び前記無機材料基板の前記実装面とは反対側の非実装面に形成されたメタライズパターンを有する光源と、前記光源が搭載されるとともに、前記光源が搭載された搭載面に前記メタライズパターンと接合された導体パターンを有する搭載基板と、前記搭載基板の前記搭載面側に配置され、前記光源の光を所定の方向に導く光学部材とを備え、前記光学部材は、前記搭載基板の前記導体パターンに少なくとも一部が面する吸熱面と、前記吸熱面を介して前記導体パターンから伝導した前記光源の熱を放熱する放熱面とを有する発光装置を提供する。
【0008】
上記発光装置において、前記メタライズパターンは、前記実装面における前記発光素子が実装された実装領域に対応する前記非実装面側の領域の少なくとも一部を含むように形成するとよい。
【0009】
上記発光装置において、前記メタライズパターンは、前記無機材料基板に形成された前記発光素子に電源を供給するための一対の電極の間に形成され、前記一対の電極から絶縁されていてもよい。
【0010】
上記発光装置において、前記導体パターンは、前記一対の電極を結ぶ方向における前記メタライズパターンの幅に対応した幅を有して前記メタライズパターンとの接合部から前記光学部材の前記吸熱面との対向位置に至るようにするとよい。
【0011】
上記発光装置において、前記メタライズパターンは、前記無機材料基板に形成された前記発光素子に電源を供給するための電極としてもよい。
【0012】
上記発光装置において、前記光学部材は、前記光源に対向する面が前記光源の光を反射する反射面として形成されていてもよい。
【0013】
上記発光装置において、前記光学部材は、金属材料からなる本体部と、前記本体部の前記光源側に設けられた白色の樹脂材料からなる反射部とを有し、前記反射部の前記光源側の表面が前記反射面であってもよい。
【0014】
上記発光装置において、前記光学部材は、板状の透光性部材からなり、その端面から入射した前記光源の光を導いて他の面から放射するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発光装置の構造の複雑化を抑制しながら光源の熱の放熱効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す外観図である。
【図2】図2は、発光装置の断面図である。
【図3】図3は、発光装置の枠体及びロットレンズを取り外した状態を示す一部平面図である。
【図4】図4は、光源及びその周辺部を拡大して示す拡大図である。
【図5】図5は、光源及びその周辺部を示す、発光装置の一部分解斜視図である。
【図6】図6は、光源、及び光源が搭載される部分の搭載基板の断面を示し、(a)は光源の模式断面図、(b)は搭載基板の模式断面図、(c)は光源が搭載基板に搭載された状態を示す模式断面図である。
【図7】図7(a)は、搭載基板の放熱用導体パターン及び配線用導体パターンの形状を示す平面図、(b)は、搭載基板の光源が搭載される部分を拡大して示す平面図、(c)は、光源を無機材料基板の非実装面側から見た状態を示す平面図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態の変形例に係る光源を示し、(a)は無機材料基板に垂直な断面における断面図、(b)は無機材料基板の非実装面から見た状態を示す平面図である。
【図9】図9は、第1の実施の形態の変形例に係る搭載基板を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図10】図10(a)及び(b)は、光源の変形例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は、(a)のC−C線断面図である。
【図12】図12は、図11(b)に示すD部の拡大図である。
【図13】図13は、搭載基板の絶縁層の上に形成された放熱用導体パターン及び配線用導体パターンの形状を示す平面図である。
【図14A】図14Aは、第2の実施の形態の第1の変形例に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるE−E断面図である。
【図14B】図14Bは、図14A(a)のF部拡大図である。
【図15】図15は、第2の実施の形態の第2の変形例に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるG−G断面図、(c)は(a)のH部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す外観図である。この発光装置1は、例えば液晶フィルムの傷や汚れを検出する検査装置の照明のために用いられる。
【0019】
発光装置1は、線状の開口部2aを有する枠体2と、枠体2とねじ21により締結される放熱フィン3とを有している。この発光装置1は、全体として略直方体形状を呈しており、枠体2が上側、放熱フィン3が下側として説明する。開口部2aは枠体2の上面にて線状に形成され、開口部2aの内側にはロットレンズ22が配置されている。
【0020】
図2は、発光装置1の断面図である。発光装置1は、枠体2と放熱フィン3との間に、放熱フィン3と面接触する平板状の金属材料をベースとする搭載基板5、搭載基板5の上側に配置された光学部材としての第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42、及び搭載基板5に搭載された複数の光源6とを備えている。
【0021】
搭載基板5は、放熱フィン3の上面に載置され、枠体2のねじ穴2bに挿通されたねじ21と螺合するねじ孔5bを有し、ねじ21により放熱フィン3に締結されている。本実施の形態においては、搭載基板5は、銅をベースとする。ここで、搭載基板5と放熱フィン3の接触面積と、複数の光源6の投入電力との関係は、100mm2/W以上となるよう設定されている。
【0022】
第1及び第2の放熱反射部材41,42は、平板状に形成され、ねじ21と螺合するねじ孔41a,42aを有し、ねじ21により放熱フィン3及び搭載基板5に締結されている。第1及び第2の放熱反射部材41,42は、その下側の面の一部が搭載基板5に接触している。
【0023】
第1の放熱反射部材41と第2の放熱反射部材42は、これらの間に形成される空間4aを挟んで端面同士が向かい合うように平行に配置されている。空間4a内には、複数の光源6が配置されている。本実施の形態においては、搭載基板5からの第1及び第2の放熱反射部材41,42の高さは光源6の高さと実質的に同じである。
【0024】
放熱フィン3は、搭載基板5が載置されてねじ21と螺合するねじ孔31aを有する上部31と、上部31から下方へ延びる複数のフィン部32とを一体に有する。各フィン部32は、幅方向に所定の間隔で離隔して設けられており、空気の対流による放熱によって各光源6の熱が放散されるように表面積が設定されている。本実施形態においては、放熱フィン3は、アルミニウムからなる。なお、搭載基板5と放熱フィン3との間には、これらの隙間を埋めるためのシリコングリースが塗布されている。
【0025】
ロットレンズ22は、短波長の光により劣化し難い円柱状のガラスにより形成されている。このロットレンズ22は、アルミニウムからなる枠体2に支持されている。
【0026】
図3は、枠体2及びロットレンズ22を取り外した状態の発光装置1の一部平面図である。発光装置1は、複数(本実施の形態では7個)の搭載基板5を有しており、図3には、このうちの一部の搭載基板を示している。また、図3では、第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42の下側におけるロットレンズ22の外形を二点鎖線で示している。
【0027】
各搭載基板5には、それぞれ複数の光源が発光装置1の長手方向に沿って線状に配列されて搭載されている。また、発光装置1には、複数の搭載基板5のそれぞれに対応して設けられた、搭載基板5と同数の第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42を有している。
【0028】
図4は、図2に示す光源6及びその周辺部を拡大して示す拡大図である。
図5は、光源6及びその周辺部を示す発光装置1の一部分解斜視図である。
【0029】
第1の放熱反射部材41は、板状の金属製部材からなる本体部410と、本体部410の端面410aに設けられた反射部411とを有している。本実施の形態では、本体部410はアルミニウムからなり、反射部411は端面410aに塗布された白色のアクリル樹脂塗料からなる。なお、反射部411は、塗装に限らず、白色の樹脂からなる反射部材を貼り付けて形成してもよいし、本体部410の端面410aを鏡面仕上げすることにより形成してもよい。
【0030】
また、反射部411を、中空部のあるフッ素系のシートによって構成してもよい。このようなシートによって反射部411を構成した場合、仮に光源6に反射部411が接触しても光源6に割れ等が発生しにくく、また光源6の光を全反射することが可能である。一方、中空部のあるシートを用いた場合、光源6からシートを介して反射部411へ伝わる熱が少なくなるが、後述する放熱用導体パターン51による放熱効果により、反射部411へ伝える熱を増すことができる。なお、フッ素系のシートに限らず、他の材料の不織布を用いたものとしてもよい。
【0031】
第2の放熱反射部材42は、第1の放熱反射部材41と同様に形成された本体部420及び反射部421を有し、反射部421は、本体部420の端面420aの光源6側に設けられている。光源6は、その側面64aが第1の放熱反射部材41の反射部411の反射面411a、及び第2の放熱反射部材42の反射部421の反射面421aに対向するように、搭載基板5の搭載面5aに実装されて配置されている。
【0032】
第1の放熱反射部材41の本体部410は、搭載基板5の上側の面に接触している。本体部410の下側の面は、光源6の熱を主として搭載基板5から吸熱する平面状の吸熱面410bとして形成されている。また、本体部410の上側の面は、吸熱面410bから吸収した熱を外部に放熱する放熱面410cとして形成されている。
【0033】
第2の放熱反射部材42についても同様に、本体部420の下側の面が吸熱面420bとして形成され、本体部420の上側の面は、吸熱面420bから吸収した熱を外部に放熱する放熱面420cとして形成されている。
【0034】
また、光源6の側面64aから出射した光は、第1の放熱反射部材41の反射部411の反射面411a又は第2の放熱反射部材42の反射部421の反射面421aで反射して、ロットレンズ22側に導かれる。
【0035】
搭載基板5は、基板本体5Aと、基板本体5Aの搭載面5a側の全面に形成された絶縁層50と、絶縁層50の上側に形成された放熱用導体パターン51と、搭載基板5の最表面に形成されたレジスト層53とを有している。
【0036】
基板本体5Aは、例えば板状の金属材料からなる。本実施の形態では、基板本体5Aの材質をアルミニウムとしているが、銅であってもよい。絶縁層50は、例えば80〜200μmの厚みを有し、1〜3W/m・Kの熱抵抗を有するエポキシ樹脂系の絶縁材料からなる。放熱用導体パターン51は、例えば35〜500μmの厚みを有する金属膜からなる。本実施の形態における放熱用導体パターン51は、200μmの厚みを有する銅箔からなる。レジスト層53は、例えば80〜200μmの厚みを有し、1〜3W/m・Kの熱抵抗を有する白色のエキポシ樹脂系の絶縁材料からなる。
【0037】
図6は、光源6、及び光源6が搭載される部分の搭載基板5の断面を示し、(a)は光源6の模式断面図、(b)は搭載基板5の模式断面図、(c)は光源6が搭載基板5に搭載された状態を示す模式断面図である。
【0038】
光源6は、セラミック等の無機材料からなる無機材料基板62と、無機材料基板62の実装面62a側にフリップチップ実装された複数の発光素子としてのLED素子61と、無機材料基板62に形成されて各LED素子61へ電力を供給するための回路パターン63と、各LED素子61を無機材料基板62上にて封止するガラス封止部64と、各LED素子61と回路パターン63の間に介在するバンプ65と、無機材料基板62の実装面62aとは反対側(裏面)の非実装面62bに形成された金属膜からなる放熱パターン66とを備えている。放熱パターン66は、本発明のメタライズパターンの一例である。
【0039】
LED素子61は、例えばInxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の式で表される半導体からなり、青色光を発する。LED素子61は、厚さ100μmで346μm角に形成されている。また、LED素子61は、その発光層が無機材料基板62と平行になるように配置されている。光源6は、LED素子61の発光光を特定の方向に向けるための光学部材を備えておらず、無機材料基板62に平行な面方向360°に光が放射される。なお、LED素子61の半導体は任意であり、例えば、AlGaAs系材料、GaAsP系材料等のような他の半導体材料を用いてもよい。
【0040】
本実施の形態においては、1つの光源6に3つのLED素子61が一列に並んで配置され、光源6は、LED素子61の並び方向に長尺な直方体形状に形成されている。LED素子61の並び方向とその垂直方向の寸法がそれぞれ2.8mm、0.75mm、高さ(光源の中心軸方向)が0.85mmとなっている。
【0041】
本実施の形態に係る無機材料基板62は、セラミックの一種である窒化アルミ(AlN)からなり、2.8mm×0.75mmで0.25mmの厚さである。また、無機材料基板62をアルミナ(Al2O3:酸化アルミ)の多結晶焼結材料から構成してもよい。なお、無機材料基板62は、AlN以外のセラミックとしてもよいし、シリコンなどの半導体材料を用いてもよい。
【0042】
回路パターン63は、無機材料基板62の実装面62aに形成されて各LED素子61と電気的に接続される上面パターン63aと、無機材料基板62の非実装面62bに形成されて搭載基板5の配線用導体パターン52(後述)と電気的に接続される電極パターン63bと、無機材料基板62を厚さ方向に貫通して上面パターン63a及び電極パターン63bを電気的に接続するビアパターン63cとを有している。本実施の形態では、3つのLED素子61が上面パターン63aによって直列に接続され、非実装面62bの2箇所に形成された電極パターン63bから電源が供給される。
【0043】
また、無機材料基板62の非実装面62bにおける2箇所の電極パターン63bの間には、放熱パターン66が形成されている。放熱パターン66は、3つのLED61が実装された実装面62aの領域の裏側に対応する範囲の全体をカバーするように形成されている。
【0044】
上面パターン63a、電極パターン63b、及び放熱パターン66は、例えば無機材料基板62にメタライズにより形成された金属膜からなる。本実施の形態では、上面パターン63a、電極パターン63b、及び放熱パターン66が銅箔から形成されている。
【0045】
ガラス封止部64は、ZnO−B2O3−SiO2系の熱融着ガラスからなり、無機材料基板62上に形成される。ガラス封止部64は、無機材料基板62上のLED素子61を封止し、無機材料基板62と接合される底面に対して垂直な4つの側面64aを形成する。本実施形態においては、ZnO−B2O3−SiO2−Nb2O5−Na2O−Li2Oのガラスが用いられ、この熱融着ガラスは、ガラス転移温度(Tg)が490℃、屈伏点(At)が520℃、100℃〜300℃における熱膨張率(α)が6×10−6/℃、屈折率が1.7となっている。なお、ガラスの組成はこれに限定されるものではなく、例えば、熱融着ガラスは、Li2Oを含有していなくてもよいし、任意成分としてZrO2、TiO2等を含んでいてもよい。また、ZnO−B2O3−SiO2系以外のガラスを用いてもよいことは勿論である。
【0046】
また、ガラス封止部64には、蛍光体641が分散されている。蛍光体641としては、例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体、珪酸塩蛍光体や、YAGと珪酸塩蛍光体を所定の割合で混合したもの等を用いることができ、青色のLED素子61と組み合わせることにより白色光を得ることができる。なお、紫外光を発するLED素子と、青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体の組合せにより白色光を得るようにしてもよい。なお、蛍光体641は、ガラスに分散させたものでなく、ガラス封止部64の上面64bに塗布したものであってもよい。さらに、蛍光体641を用いない構成とすることも可能である。
【0047】
光源6を作成するにあたっては、まず、LED素子61が搭載された平板状の無機材料基板62と、加熱により軟化したガラス封止部64となる板状のガラスを、ホットプレス加工により接合する。そして、無機材料基板62及びガラスを、ダイシング装置を用いて格子状に分割することにより、対向する側面64aが平行な面となる直方体形状の光源6が作成される。
【0048】
配線用導体パターン52は、光源6のLED素子61に発光のための電流を供給するための導体であり、放熱用導体パターン51と同じ厚み及び材料からなる。レジスト層53は、放熱用導体パターン51の上側、及び配線用導体パターン52における光源6の電極パターン63bとの接合部を除いた部分に形成されている。
【0049】
配線用導体パターン52の電極パターン63bとの接合部、及び放熱用導体パターン51の表面にはクリーム状のはんだ54が塗布され、光源6が搭載された後に加熱及び冷却されることにより、配線用導体パターン52と電極パターン63b、及び放熱用導体パターン51と放熱パターン66が接合(はんだ付け)される。なお、配線用導体パターン52の電極パターン63bとの接合は、はんだ付けに限らず、導電性接着剤やAu−Sn系の共晶型ろう材を用いて行ってもよい。また、超音波による金属原子拡散による直接接合でもよい。
【0050】
図7(a)は、搭載基板5の搭載面5a側に形成された放熱用導体パターン51及び配線用導体パターン52の形状を示す平面図である。この図では、光源6が実装される実装領域の外縁(光源6の外形)を二点鎖線で示している。
【0051】
配線用導体パターン52は、光源6の長手方向に沿って配列された4つの光源6を直列に接続し、これらの光源6に電源を供給している。この配線用導体パターン52は、光源6の配列方向に沿って並ぶように形成されている。
【0052】
放熱用導体パターン51は、光源6の配列方向に隣り合う2つの配線用導体パターン52の間の領域を含み、この領域から光源6の配列方向に対して直交する両方向に延びるように拡がって形成されている。本実施の形態では、放熱用導体パターン51が配線用導体パターン52から電気的に絶縁されている。
【0053】
放熱用導体パターン51は、2つの配線用導体パターン52の間に形成された中央部51a、中央部51aから光源6の配列方向に対して直交する一方向に延出された第1の延出部51b、及び中央部51aから光源6の配列方向に対して直交する他方向に延出された第2の延出部51cとを有している。第1の延出部51b及び第2の延出部51cは、それぞれが放熱パターン66の2倍以上の面積を有する。本実施の形態では、各光源6に対してそれぞれ独立した1つの放熱用導体パターン51が形成されているが、各放熱用導体パターン51の第1の延出部51b同士、及び第2の延出部51c同士が互いに連続して一体に形成されていてもよい。
【0054】
なお、光源のサイズが小さく、発熱が大きいときは、絶縁層の熱抵抗の影響による温度上昇が著しく大きなものとなる。例えば、絶縁層の熱伝導率が、1W/m・K、厚さ100μmで放熱用導体パターンの面積が2mm2、光源が1Wとすると、絶縁層での温度上昇は50℃にもなる。これに対し、放熱用導体パターンの面積を2倍、5倍、10倍とすれば、絶縁層での温度上昇は25℃、10℃、5℃と反比例して減ずることができる。特にセラミック基板を用いたLED光源では、セラミックが化学的に安定しているので、大電力を投入しても部材劣化しない特長がある。その一方で、金属リードを樹脂材料で保持したものより、部材がコスト高であるため、コンパクト化により低コスト化を図るのが一般的である。光源サイズ(実装面の面積)/投入電力が10mm2/W以下であれば、本発明のような対策を行わなければ絶縁層の熱抵抗の影響によって明らかな温度上昇結果が生じる。
【0055】
図7(b)は、搭載基板5の光源6が搭載される部分を拡大して示す平面図である。図7(c)は、光源6を無機材料基板62の非実装面62b側から見た状態を示す平面図である。
【0056】
図7(b)では、レジスト層53に覆われた部分の放熱用導体パターン51及び配線用導体パターン52を破線で示し、レジスト層53から露出した部分の境界を実線で示している。この図に示すように、搭載基板5の上側の表面には、光源6の電極パターン63b及び放熱パターン66がはんだによって接合される部分を除いて、レジスト層53が形成されている。光源6の長手方向(図7の左右方向)における放熱用導体パターン51の幅は、中央部51aで最も狭く、第1の延出部51b及び第2の延出部51cでは中央部51aよりも広くなっている。
【0057】
光源6の長手方向における放熱用導体パターン51の中央部51aの幅L11は、光源6の放熱パターン66の同方向における幅L12に対応した幅であり、本実施の形態では、幅L11と幅L12が同一に設定されている。なお、幅L11を幅L12よりも大きくしてもよい。
【0058】
また、光源6の短手方向における放熱用導体パターン51のレジスト層53に覆われていない露出部の幅L21は、光源6の放熱パターン66の同方向における幅L22に対応した幅であり、本実施の形態では、幅L21と幅L22が同一に設定されている。なお、幅L21を光源6の無機材料基板62と同一の幅とし、レジスト層53の厚さの段差によって、はんだを溶かした際などに位置ずれが生じることを防ぐなど、幅L22よりも大きくしてもよい。
【0059】
図7(c)では、光源6の下面から見た場合のLED素子61の外形とバンプ65の外形とを破線で示している。この図に示すように、光源6の放熱パターン66は、無機材料基板62の実装面62aに実装された3つのLED素子61の実装領域に対応する非実装面62b側の領域の少なくとも一部を含むように形成されている。本実施の形態では、LED素子61の実装領域に対応する領域、つまり非実装面62b側から無機材料基板62を透視した場合にLED素子61のバンプ65が存在する領域の全体が放熱パターン66に含まれるように、光源6が構成されている。
【0060】
放熱用導体パターン51の第1の延出部51bは、レジスト層53を介して第1の放熱反射部材41の吸熱面410bに面する。また、放熱用導体パターン51の第2の延出部51cは、レジスト層53を介して第2の放熱反射部材42の吸熱面420bに面する。そして、第1の放熱反射部材41の吸熱面410bは、第1の延出部51bの上側の領域におけるレジスト層53に接触し、第2の放熱反射部材42の吸熱面420bは、第2の延出部51cの上側の領域におけるレジスト層53に接触する。
【0061】
配線用導体パターン52によって光源6に電力が供給されると、光源6の各LED素子61が発光すると共に熱を発生する。この熱は、無機材料基板62の放熱パターン66に伝導し、放熱パターン66から放熱用導体パターン51の中央部51aに伝導し、さらに第1の延出部51b及び第2の延出部51cに伝導する。第1の延出部51b及び第2の延出部51cに伝導した熱の一部は、レジスト層53を介して第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42に吸熱される。
【0062】
第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42は、吸熱した熱を放熱面410c,420c(図4参照)から放熱する。この仕組みにより、光源6の熱が拡散及び放熱される。なお、第1の延出部51b及び第2の延出部51cに伝導した熱の他の一部は、搭載基板5及び放熱フィン3を介して外部に放熱されるが、第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42の放熱面410c,420cからの放熱は、放熱フィン3を介して行われる放熱を補完する役割を果たす。
【0063】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、搭載基板5に貫通穴を設けるなどの構造の複雑化を抑制した構造でありながら、搭載基板5の放熱用導体パターンを光源の放熱パターンの数倍あるいは10倍以上の面積とすることで、光源6への通電によって発生する熱が放熱パターン66から放熱用導体パターン51によって広い面積に拡散される。そして、広い面積に熱が拡散されているため絶縁層50やレジスト層53の熱抵抗の影響を数分の1あるいは10分の1として、搭載基板の金属で形成された基板本体5Aや放熱反射部材41,42へ熱を伝えることができる。尚、放熱用導体パターン51は放熱反射部材41,42が取り付けられる部位まで広がっているため、レジスト層53を介した熱伝導により第1及び第2の放熱反射部材41,42に伝わり、第1及び第2の放熱反射部材41,42の放熱面410c,420cから放熱される。ここで、放熱用導体パターン51は、光源6の下側に位置する中央部51aが放熱パターン66を介して光源6の熱を受け、この熱を光源6の実装範囲の外側に延びる第1の延出部51b及び第2の延出部51cに伝導させる。
【0064】
また、第1及び第2の放熱反射部材41,42は、反射面411a,421aで光源6の光を反射し、所定の方向(本実施の形態ではロットレンズ22の方向)に導く。
【0065】
一般に、光源の光を導く導光部材は、光の拡散によって光源からの距離が遠ざかるほど大きくする必要があるため、発光装置の小型化の観点では、導光部材をできるだけ光源に近づけることが望ましい。また、光源の熱を放熱するための放熱部材は、光源からの距離が遠いと放熱の効果が低下するため、光源にできるだけ光源に近づけることが望ましい。しかし、導光部材と放熱部材とを別体として独立して設けた場合は、光源の光が導光部材に遮られたり、導光部材及び放熱部材の干渉を避けるために両部材の配置位置に制約が生じることがある。
【0066】
本実施の形態では、第1及び第2の放熱反射部材41,42が板状の本体部410,420と、本体部410,420の端部に設けられた反射部411,421とを有し、導光及び放熱の機能を兼ね備えた構成としたため、光源6の近傍に反射面411a,421aを設けると共に、放熱を行う本体部410,420も光源の近傍に配置することができる。
【0067】
さらに、光源6から第1及び第2の放熱反射部材41,42への熱伝導は、光源6に面した中央部51a、及び第1及び第2の放熱反射部材41,42に面した第1及び第2の延出部51b,51cを一体に有する放熱用導体パターン51によって行われる。このため、光源6の熱を絶縁層50を介して基板本体5Aへ伝導させ、さらに基板本体5Aから絶縁層50を介して第1及び第2の放熱反射部材41,42へ伝導させる場合に比較して、より効率的に熱伝導させることができる。またさらに、発光装置1の大型化も抑制できる。
【0068】
[第1の実施の形態の変形例]
上記した第1の実施の形態は、以下に説明するように変形することも可能である。すなわち、第1の実施の形態では、光源6が電極パターン63bから絶縁された放熱パターン66を有し、この放熱パターン66から放熱用導体パターン51に光源6の熱を逃がすように発光装置1を構成したが、電極パターン63bをLED素子61への電流の供給のために必要な面積よりも大きな面積に形成し、この電極パターン63bに接合される導体パターンから光源6の熱が第1及び第2の放熱反射部材41,42に伝導するように発光装置1を構成してもよい。
【0069】
以下に、図8及び図9を参照して第1の実施の形態の変形例を説明する。発光装置1の構成要素のうち、第1の実施の形態と機能が実質的に共通するものについては共通する符号を付して重複した説明を省略する。
【0070】
図8は、第1の実施の形態の変形例に係る光源6を示し、(a)は無機材料基板62に垂直な断面における断面図、(b)は無機材料基板62の非実装面62bから見た状態を示す平面図である。図8(b)では、光源6の下面から見た場合のLED素子61の外形を破線で示している。
【0071】
図8(a)に示すように、この変形例に係る光源6は、ガラス封止部64に封止された単一のLED素子61を有している。このLED素子61には、上面パターン63a、電極パターン63b、及びビアパターン63cを有する一対の回路パターン63によって電源が供給される。回路パターン63は、LED素子61のアノード及びカソードのそれぞれについて設けられている。
【0072】
図8(b)に示すように、無機材料基板62の非実装面62bに形成された2つの電極パターン63bは、それぞれがLED素子61の実装領域に対応する非実装面62b側の領域の一部を含むように形成されている。
【0073】
図9は、第1の実施の形態の変形例に係る搭載基板5の搭載面5aに形成された導体パターン55及びレジスト層53を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。図9(a)では、レジスト層53に覆われた部分の導体パターン55を破線で示し、レジスト層53から露出した部分の境界を実線で示している。また、搭載基板5上に光源6を搭載した場合の光源6の外形線、及び第1及び第2の放熱反射部材41,42を配置した場合のこれらの外形線を二点鎖線で示している。なお、第1及び第2の放熱反射部材41,42の形状及び構成は第1の実施の形態と同じである。
【0074】
図9(a)に示すように、導体パターン55は、光源6の電極パターン63bに接合される部分がレジスト層53から露出している。搭載基板5には複数の導体パターン55が形成され、各導体パターン55は複数(本実施の形態では4個)の光源6を直列に接続している。
【0075】
導体パターン55は、光源6への通電時に電流が流れる通電部55aと、通電部55aから第1及び第2の放熱反射部材41,42の下側にあたる領域まで延出された延出部55b,55cを一体に有している。
【0076】
複数の光源6の配列方向(図9の左右方向)における導体パターン55の通電部55aの幅と、延出部55b,55cの幅は実質的に同じであり、導体パターン55は、光源6の配列方向に直交する方向が長辺となる長方形状を呈している。
【0077】
この変形例に係る発光装置1に通電されると、導体パターン55の通電部55aを流れる電流が各光源6に供給され、光源6が発光すると共に熱が発生する。この熱の一部は、無機材料基板62の電極パターン63bから導体パターン55の通電部55aの通電部に伝導し、通電部55aから延出部55b,55cに伝導し、さらに第1及び第2の放熱反射部材41,42に伝導して放熱される。
【0078】
なお、光源6は、図10(a)及び(b)に示すように、さらに変形してもよい。図10(a)に示す変形例では、回路パターン63がビアパターン63cを有しておらず、上面パターン63aと電極パターン63bが無機材料基板62の側面に形成された側面パターン63dによって接続されている。
【0079】
このように光源6を構成した場合は、回路パターン63と配線用導体パターン52とを接合するはんだ56が電極パターン63b及び側面パターン63dに溶着するので、回路パターン63から配線用導体パターン52への熱伝導効率が向上し、配線用導体パターン52を介した熱の拡散が促進される。また、側面パターン63dがはんだ付けされるので、溶融したはんだ56の表面張力によるセルフアライメント効果によって、光源6が配線用導体パターン52の露出部分に対してずれた状態で接合されることが抑制される。
【0080】
図10(b)に示す変形例では、図10(a)に示した構成例に対し、光源6がさらに放熱パターン66を有し、この放熱パターン66が放熱用導体パターン51に接合されている。また、側面パターン63dが配線用導体パターン52に接合されている。
【0081】
このように光源6を構成した場合にも、側面パターン63dが配線用導体パターン52にはんだ付けされるので、溶融したはんだ56の表面張力によるセルフアライメント効果によって、光源6が配線用導体パターン52の露出部分及び放熱用導体パターン51に対してずれた状態で接合されることが抑制される。また、LED素子61を実装する回路パターン63aを無機材料基板62の上面62aに広くとった設計をしたものであってもよい。
【0082】
またさらに、第1の実施の形態では、発光装置1が円柱状のロットレンズ22(図1,図2参照)を備えた場合について説明したが、ロットレンズ22に替えて透光性の板状の樹脂材料からなる導光板を用いてもよい。この場合、光源6の側面64aから出射した光が第1及び第2の放熱反射部材41,42で反射して導光板の入射面に導かれるように発光装置を構成することができる。
【0083】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図11〜13を参照して説明する。
【0084】
第1の実施の形態及びその変形例では、反射面での反射によって光源の光を所定の方向に導き、かつ放熱を行う放熱反射部材を採用した場合について説明したが、本実施の形態に係る発光装置では、透光性を有する材料に光源の光を入射させ、内部反射によって入射光を所定の方向に導くと共に、放熱を行う光学部材としての導光板を用いる。この発光装置は、例えば液晶表示装置のバックライトや、蛍光灯等に置き換えられる照明装置として用いられる。
【0085】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は、(a)のC−C線断面図である。
【0086】
この発光装置10は、端面同士が付き合わされた第1及び第2の導光板71,72と、これら一対の導光板71,72を組み合わせることによって長手方向に沿って形成された複数の穴部70と、各穴部70に収容され、線状に配列された複数の光源6と、複数の光源6が搭載され、これら複数の光源6に電源を供給する搭載基板8と、第1及び第2の導光板71,72、複数の光源6、及び搭載基板8を収容するケース90とを備えている。なお、以下の説明では、第1及び第2の導光板71,72の放射面側を上方、搭載基板8が収容されたケース90の底面側を下方ということがある。
【0087】
第1及び第2の導光板71,72は、複数の光源6の配列方向に沿った領域において各々の端面が突き合わされた構造を有する。また、第1及び第2の導光板71,72は、透光性部材からなり、全体にわたって厚さが一定な平板状である。
【0088】
第1の導光板71には、第2の導光板72と突き合わされる端面71aに、複数(本実施の形態では5つ)の凹部710が等間隔で形成されている。一方、第2の導光板72には、第1の導光板71と突き合わされる端面72aに、凹部710と同数の凹部720が等間隔で形成されている。凹部710,720は、端面71a,72aの延伸方向における光源6に対応する位置に形成されている。また、凹部710,720は、第1及び第2の導光板71,72をその厚さ方向に貫通している。
【0089】
搭載基板8は、図11(b)及び(c)に示すように、第1の導光板71と第2の導光板72とを合わせた幅よりも狭い幅と、第1及び第2の導光板71,72の長手方向の長さに対応する長さを有し、各穴部70の一側を塞ぐように設けられている。
【0090】
ケース90は、例えばアルミニウム等の金属又は合成樹脂から形成されている。本実施の形態では、ケース90の材料として、放熱性を考慮してアルミニウムを用いる。また、ケース90は、底部900と、底部900に垂直な方向に延びるように形成された側壁部901とを有する。底部900の幅方向の中央部には、搭載基板8を収容する凹部902が形成されている。
【0091】
第1及び第2の導光板71,72は、凹部710,720の位置及び向きが左右対称である他は共通する構成及び機能を有する。第1及び第2の導光板71,72は、光源6から発せられる光に対して透光性を有する材料、例えばアクリル樹脂から形成される。
【0092】
図11(b),(c)に示すように、第1及び第2の導光板71,72は、ケース90の底部900側の面が、搭載基板8に対向して光源6の熱を吸熱する吸熱面71b,72bとして、また吸熱面71b,72bとは反対側の面が、穴部70の内面から入射した光源6の光を外部に放射する放射面71c,72cとして、それぞれ形成されている。本実施の形態では、放射面71c,72cを、吸熱面71b,72bから伝導した熱を外部へ放熱する放熱面としても用いる。なお、吸熱面71b,72bには、放射面71c,72cから放射される光の分布を均一化するための反射面を形成してもよい。
【0093】
図12は、図11(b)に示すD部の拡大図である。光源6は、第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに沿った方向の長さが端面71a,72aに直交する方向の長さよりも長い直方体状である。この光源6は、第1の実施の形態について図6(a)を参照して説明したものと同様の構成であるので、対応する構成要素に共通する符号を付してその説明を省略する。
【0094】
なお、光源6の上面64bには、上面64bから出射される方向のLED素子61の発光光の全部又は一部を反射する反射部材を設けてもよい。この反射部材としては、例えば白色塗装されたアクリル板や、表面の反射率が比較的高い材料、例えばアルミニウムからなる反射シールを採用することができる。この反射部材によって、使用者に眩しさを感じさせることを抑制することが可能となる。
【0095】
搭載基板8は、金属からなる基板本体8Aと、基板本体8A上に設けられた絶縁層80と、絶縁層80上に設けられた放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82と、光源6の下方にあたる領域を除く領域に形成された白色レジスト層83とを有する。基板本体8Aの材料としては、例えばアルミニウム、マグネシウム、銅等の金属を用いることができる。本実施の形態では、基板本体8Aの材料としてアルミニウムを用いる。
【0096】
光源6は、はんだ84を介して搭載基板8に搭載されている。より詳細には、光源6の電極パターン63bは、はんだ84によって配線用導体パターン82に接合され、光源6の放熱パターン66は、はんだ84によって放熱用導体パターン81に接合されている。
【0097】
また、図12に示すように、第1及び第2の導光板71,72の吸熱面71b,72bに対する穴部70の内面の角度をα(°)とし、第1及び第2の導光板71,72の屈折率をnとしたとき、式(1)を満たすようにすると、第1及び第2の導光板71,72の厚さ方向へ進む光につき、穴部20の内面から第1及び第2の導光板71,72内へ入射した全ての光が第1及び第2の導光板71,72内の伝搬光となる。本実施の形態においては、α=90°でありn=1.5であることから、式(1)の条件を満たす。
【数1】
【0098】
これに加え、式(2)を満たすようにすると、第1及び第2の導光板71,72の穴部70の内面に沿って進む光につき、穴部70の内面から第1及び第2の導光板71,72内へ入射した全ての光が第1及び第2の導光板71,72内の伝搬光となる。本実施の形態においては、α=90°でありn=1.5であることから、式(2)の条件を満たす。
【数2】
【0099】
図13は、搭載基板8の絶縁層80の上に形成された放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の形状を示す平面図である。この図では、白色レジスト層83に覆われた部分の放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82を破線で示し、搭載基板8の上方に配置される光源6、第1の導光板71、及び第2の導光板72の外形を二点鎖線で示している。
【0100】
放熱用導体パターン81は、光源6の放熱パターン66に接合される白色レジスト層83から露出した領域を含む中央部81aと、光源6の長手方向に対して直交する方向における中央部81aの両側に延出して設けられた第1及び第2の延出部81b,81cを有している。
【0101】
光源6の2つの電極パターン63bは、光源6の長手方向の両端部に形成され、この2つの電極パターン63bがそれぞれ配線用導体パターン82,82に接合される。光源6の放熱パターン66は、2つの電極パターン63bの間に形成され、光源6の長手方向を長辺とする長方形状であり、放熱用導体パターン81の中央部81aに接合される。
【0102】
放熱用導体パターン81の中央部81aは、放熱パターン66の長手方向の幅に対応した幅を有して放熱パターン66との接合部から第1の延出部81b及び第2の延出部81cに至るように形成されている。本実施の形態では、放熱パターン66の長手方向の幅と中央部81aの幅が実質的に同一であるが、中央部81aの幅は放熱パターン66の長手方向の幅よりも広くてもよい。
【0103】
第1及び第2の延出部81b,81cは、光源6の長手方向が長辺である長方形状であり、光源6が搭載される部分を挟んで線対称に形成されている。第1の延出部81bの一部は、白色レジスト層83を介して第1の導光板71の吸熱面71bに面している。また、第2の延出部81cの一部は、白色レジスト層83を介して第2の導光板72の吸熱面72bに面している。第1及び第2の導光板71,72の吸熱面71b,72bは、第1及び第2の延出部81b,81cの上方における白色レジスト層83の表面に接している。
【0104】
穴部70の内面は、端面71a,72aに対して平行で互いに向かい合う一対の底面70a,70aと、端面71a,72aに対して直交する方向に形成されて互いに向かい合う一対の側面70b,70bと、底面70aと側面70bとの間にそれぞれ形成された4つの円弧面70cとから構成される。穴部70の内面は、光源6の光が第1及び第2の導光板71,72の内部に入射する入射面である。
【0105】
(第2の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第2の実施の形態によれば、搭載基板8に貫通穴を設けるなどの構造の複雑化を抑制した構造でありながら、搭載基板8の放熱用導体パターン81を光源6の放熱パターン66の数倍あるいは10倍以上の面積として、放熱用導体パターン81が絶縁層80や白色レジスト層83を介して基板本体8Aや第1及び第2の導光板71,72に面状に接したものとすることで、光源6への通電によって発生する熱が、放熱パターン66から搭載基板8の放熱用導体パターン81によって広い面積に拡散される。そして、広い面積に熱が拡散されているため絶縁層80や白色レジスト層83の熱抵抗の影響を数分の1あるいは10分の1として、搭載基板8の金属で形成された基板本体8Aや第1及び第2の導光板71,72へ熱を伝えることができる。なお、放熱用導体パターン81は第1及び第2の導光板71,72が取り付けられる部位まで広がっているため、白色レジスト層83を介した熱伝導により第1及び第2の導光板71,72に伝わり、第1及び第2の導光板71,72の放射面71c,72cから放熱される。ここで、放熱用導体パターン81は、光源6の下側に位置する中央部81aが放熱パターン66を介して光源6の熱を受け、この熱を光源6の実装範囲の外側に延びる第1の延出部81b及び第2の延出部81cに伝導させる。
【0106】
また、第1及び第2の導光板71,72は、穴部70の内面から光源6の光を入射して第1及び第2の導光板71,72内を端面71a,72aに直交する方向に導き、放射面71c,72cから放射する。
【0107】
すなわち、第1及び第2の導光板71,72は、光源6の点状の光を所定の方向に導き光を拡散することで面状の光とすると共に、光源6の発光により発生する熱を搭載基板8が第1及び第2の導光板71,72に沿った面方向へ広く拡散し、さらに搭載基板8から吸熱して外部に放熱させる。搭載基板8が第1及び第2の導光板71,72に沿って設置されているので、放熱のために容積が必要となり、デザイン性を失う、といったことがなく薄型の面発光装置とすることができる。
【0108】
また第1及び第2の導光板71,72と搭載基板8とが放熱の機能を備えることにより、光源部の熱の極在を防ぎ第1及び第2の導光板71,72を光源6の近傍に配置することが可能となり、光源6の光を効率的に入射させることができる。第1及び第2の導光板71,72として広く用いられているアクリル系材料は耐光性には優れるが、耐熱性は低く変形が生じやすくなる。また、材料の耐熱性だけでなく、熱の極在があると膨張によるたわみが生じ、光線との結合効率や伝搬効率あるいはケースなどへの収納性の問題が生じる。これに対し、光源部の熱の極在を防ぎ、導光板の広い範囲あるいは全体に熱を拡げることが有効となる。また、第1の実施の形態では金属の反射部材であったが、第2の実施の形態では、樹脂からなる第1及び第2の導光板71,72を光源6の近傍に配置することで、金属のような熱伝導性はなくとも、熱容量の大きい材料へ熱を拡げ外部放熱することができる。
【0109】
特に、本実施の形態のようにLED素子61の封止材料がガラスの場合、樹脂よりも熱伝導率が1ケタ高く、数W/m・Kで、LED素子61の熱が伝わりやすく、ガラス封止部64の表面が高温になりがちである。しかし、本実施の形態では、光源6のガラス封止部64と第1及び第2の導光板71,72とが近い距離にあるものの、空気層を介し直接触れていないので、第1及び第2の導光板71,72として10℃で変形しやすくなるアクリル材料などの熱可塑性樹脂を用いても問題が生じないものとできる。
【0110】
なお、本実施の形態で用いるLED素子61は、動作時の耐熱温度が150℃の製品であり、この温度にならない範囲に電力を投入して用いられる。つまり、LED素子61の動作時の耐熱温度以下の熱可塑性樹脂材料で第1及び第2の導光板71,72を形成しても問題のないものとできる。
【0111】
なお、本実施の形態によれば、放熱以外にも下記の作用及び効果がある。
(1)光源6の一部をそれぞれ収容する凹部710,720は、第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに形成されているので、端面71a,72aよりも第1及び第2の導光板71,72の内側に光源6を収容する穴部を形成した場合に比較して、光源6の光の入射面の加工精度を高くすることが可能となる。これにより、光源6から発した光をより効率よく第1及び第2の導光板71,72の内部に入射させることができる。また、端面71a,72aに凹部710,720を設けたことにより、端面以外の部分に光源を収容するための穴を型形成する場合に比較して、第1及び第2の導光板71,72の生産性を向上させることができる。つまり、導光板の端面以外の部分に光源を収容するための小サイズの穴を型形成する場合には、金型に細いピンを用いることとなり、型抜きの際にこのピンに折れが生じやすく、生産性が低下する。特に、穴が垂直(α=90°)の場合は、穴部70の内面にて屈折する光は上下とも対称となり、最も導光板内の伝播に適する条件であるが、その一方で型抜きがしにくくなる。さらに、導光板に複数の穴を形成する際は、樹脂材料の硬化収縮などの力も加わることになり、さらに穴形成のピンが折れやすく、型抜きがしにくくなる。本実施の形態では、凹部710,720を第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに設けることで、このような問題を回避している。なお、α=90°に限らず、±2°未満あるいは±5°未満の際にも、材料の種類や加工精度、あるいはピン径、もしくはピンの本数や配列仕様等によって程度の差はあるものの上記の問題が生じ得るが、本実施の形態のように第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに形成した凹部710,720に光源6を収容することで、このような問題の発生を回避することができる。さらに、複数のLED素子61が配列された方向が端面71a,72aに沿った方向となるように、光源6が配置されているので、凹部710,720を深く形成する必要がなく、金型の製造及びこの金型による第1及び第2の導光板71,72の成形が容易となる。
【0112】
(2)光源6から出射した光は、第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに交差する一対の側面70b,70bからも第1及び第2の導光板71,72内に入射するので、導光板がその端面に凹部を有しない場合に比較して、隣り合う2つの光源6の間の領域における第1及び第2の導光板71,72からの放射光の強度を高めることが可能となる。これにより、第1及び第2の導光板71,72の放射面71c,72cから面状に放射される光の強度の分布のムラを低減することができる。
【0113】
(3)光源6は、LED素子61の発光層が第1及び第2の導光板71,72と平行であり、LED素子61の周囲は透光性のガラス封止部64で封止され、光源6自体及びその周囲には、LED素子61の発光光を特定の方向に導くための反射部材等が設けられていない。このため、部品点数の削減及び装置の小型化が可能となる。即ち、従来の常識では、光源は、光出射エリアを狭くする、導光板への入射角範囲を狭くするための光学系を用いて、導光板との結合を図る。しかし、本実施形態では、光源6は量産のため、LED素子61は、LED素子61の中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状とされ、光出射エリアを狭める光学系を備えていない。なお、反射枠は高反射率部材を選択されるものの完全に光吸収のないものでない限り、光学損出が生じるので、本実施形態の光源では高効率化、さらに、小型化の効果もある。また、本実施形態の光源では、LED素子61の中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状で、LED素子61から発し、この側面に至った光は、LED素子61の中心軸方向に近づく方向に屈折する。そして、LED素子61から発する光のうち、LED素子61の中心軸に対し大きな角度方向へ放射される光量は、この方向の立体角が大きいため、LED素子61の配光特性にもよるが、例えば、全光量に対し50%以上の大きな割合がある。つまり、導光板への入射角は、むしろ広がる光源となる。しかも、ガラス封止部64の屈折率はLED素子61からの光取出しを促進するため、シリコン樹脂(屈折率:1.4〜1.5程度)やエポキシ樹脂(1.5〜1.6程度)より屈折率の大きい、屈折率1.6以上の部材を選択でき、この際は、LED素子61の中心軸方向に近づく方向に屈折する程度は、さらに大きいものとなる。また、LED素子61から発し、蛍光体で励起される光や散乱する光のうち、側面に至る光も同様にLED素子61の中心軸方向に近づく方向に屈折する。にもかかわらず、本実施形態の光源を導光板の厚さ方向に平行な光源の収納穴を形成した導光板と組み合わせ、導光板への入射面となる収納穴での入射時の屈折と、導光板の入射面とは直行する面方向となる導光板の上下面での全反射が生じる屈折率の導光板により、光源と導光板とを高効率で結合でき、かつ、部品点数の削減および簡単容易な製造が可能となる。
【0114】
(4)光源6又はその周辺部には、光源6の出射光を特定の方向に向けるための光学部材を備えておらず、また、LED素子61をフリップチップ接続により実装したので、LED素子61の端面と光源6の側面64aとの距離を1mm以下、さらには0.5mm以下とすることも容易となり、光源6の平面視の大きさを小さくすることができ、凹部710,720の大きさを小型化することができる。これにより、光源6が発光装置10の端部だけでなく、中央部に配置されていても、小型で目立たないものとできる。また、第1及び第2の導光板71,72を厚くすることなく、光軸を厚さ方向とした光源6の搭載が可能となる。これに対し、例えばLED素子61がワイヤボンディング接続により実装されている場合、LED素子61の外側に、ワイヤループのための空間が余計に必要となる。さらに、第1及び第2の導光板71,72の凹部710,720に関しては、実装や嵌合の公差が必要となるため、LED素子61の5倍以上の大きさとなる。またさらに、側面方向へ放射方向を制御する光学面を設ける場合には、第1及び第2の導光板71,72の凹部710,720の大きさをLED素子61の12倍以上とする必要がある。例えば、無機材料基板62の大きさが2.5mm角とすると、第1及び第2の導光板71,72の穴部70の大きさも例えば3.0mm角のように大きくする必要がある。そして、仮にこのような大きさで発光装置10を作製すると、搭載するLED素子61が同じであっても、光源6の上面64bの中心部を基準とした穴部70の内面の立体角の割合は、35%の低減となる。また、光源6の高さが変わらず、平面視の寸法が小さくなると、横方向への配光が相対的に増大する。なお、蛍光体が封止材料に分散されている場合、封止材の高さより平面方向の寸法が小さくなると、上方向と横方向の光の色度の差が顕著となり易いが、仮に色度の差が生じたとしても、第1及び第2の導光板71,72内で混光させることができる。また、光源6の放熱パターン66及び回路パターン63は、無機材料基板62の搭載基板8側の面内に形成されているため、無機材料基板62の側面に回路パターン形成されるものと比べ、はんだなどの共晶材を用い搭載基板8へ搭載する際、はんだのはみ出しがない、あるいはごく僅かなものとできるので、第1及び第2の導光板71,72の穴を、より光源6の大きさに近い、小さなものにすることができる。そして、このことにより、光源6から第1及び第2の導光板71,72への光結合効率を高めることができる。また、光源6に対する第1及び第2の導光板71,72の穴位置精度を大きくとり、製造歩留りの高いものとすることができる。
【0115】
(5)光源6の上面64b及び側面64aに光学的な加工を施す必要がないので光源6の作製も簡単容易である。この発光装置10の場合、むしろ光軸上に最大の光強度が存在しない配光の光源6が好ましく、立方体形状の光源6に加工を施すことなく、しかも単純な形状の凹部710,720を形成すればよいので、実用に際して極めて有利である。
【0116】
また、光源6は光学系を備えず小型であるため、多くの光源6を密に配列して、高輝度にすることができる。一方、各光源6の間隔を比較的広くして配列した場合も、光源6の中心軸に対して垂直な面方向360°に光が放射されるため、各光源6の間の輝度の低下を抑制できる。
【0117】
また、第1及び第2の導光板71,72は透明な光学接着剤等により互いに貼り合わせてもよいが、あえて貼り合わせず、ミクロな意味で端面同士の間に空隙を持たせることで、光源などから発する熱によって導光板が膨張し、応力をもつことや、たわみを発生することを抑えることができる。また、本形態では光源6を2枚の導光板で取り囲むものを示したが、3枚あるいは4枚、もしくはそれ以上の導光板で取り囲むものとしてもよい。
【0118】
なお、一対の導光板にはさまれた空間に光源を配置したものに限らず、一枚の導光板に貫通孔や凹部を設け光源を配置したものであっても同様の作用効果を得ることができる。
【0119】
[第2の実施の形態の変形例1]
上記した第2の実施の形態は、以下に説明するように変形することも可能である。すなわち、上記第2の実施の形態では、発光装置10が一対の導光板71,72を有し、一対の導光板71,72の間に複数の光源6を線状に配置したが、発光装置が単一の導光板を有し、その周辺部に形成された凹部に複数の光源を配置してもよい。
【0120】
図14A及びBは、第2の実施の形態の第1の変形例に係る発光装置11を示し、図14A(a)は平面図、(b)は(a)におけるE−E断面図である。図14Bは図14A(a)のF部拡大図である。
【0121】
この発光装置11は、ケース91と、ケース91に収容された単一の導光板73と、導光板73に形成された複数の凹部730にそれぞれ収容された複数の光源6と、複数の光源6が搭載された搭載基板8とを有する。光源6は、図12を参照して説明したものと同様に構成されている。
【0122】
ケース91は、アルミ合金からなる熱伝導率100W/m・K以上の高熱伝導材料であり、底部910と、底部910に垂直な方向に延びるように形成された側壁部911とを有する。
【0123】
導光板73は、平面視において長方形状に形成され、その短辺にあたる両端面73aに導光板73を厚さ方向に貫通する複数の凹部730が形成されている。導光板73の端面73aは、ケース91の側壁部911に対向している。光源6は、搭載基板8に平行な方向の周囲が導光板73の凹部730の内面及びケース91の側壁部911に囲まれている。
【0124】
また、導光板73は、図14A(b)に示すように、ケース91の底部910側の面が、搭載基板8に対向して光源6の熱を吸熱する吸熱面73bとして、また吸熱面73bとは反対側の面が、凹部730の内面から入射した光源6の光を外部に放射する放射面73cとして、それぞれ形成されている。放射面73cは、吸熱面73bから吸熱して導光板73を厚さ方向に伝導した熱を外部に放熱する放熱面としても機能する。
【0125】
図14Bは、搭載基板8に形成された放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の形状を示している。搭載基板8は70μm層の銅材料からなる放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82とそれらを両面からはさみ込むポリイミドあるいは液晶ポリマー材料からなる絶縁層80とを有するフレキシブル基板である。
【0126】
この図では、搭載基板8の導光板73側の面に形成された絶縁層80に覆われた部分の放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82を破線で、放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の絶縁層80から露出した部分の境界を実線でそれぞれ示し、さらに搭載基板8の上方に配置される光源6、及び導光板73の外形を二点鎖線で示している。
【0127】
放熱用導体パターン81は、光源6の放熱パターン66(図12参照)に接合される絶縁層80から露出した領域を含む接合部81aと、光源6の長手方向に対して直交する方向における接合部81aの片側(導光板73側)に延出して設けられた延出部81bを有している。
【0128】
放熱用導体パターン81の接合部81aは、放熱パターン66の長手方向の幅と同等の幅を有して放熱パターン66との接合部から延出部81bに至るように形成されている。図14(c)に示す例では、放熱パターン66の長手方向の幅と接合部81aの幅が実質的に同一であるが、接合部81aの幅は放熱パターン66の長手方向の幅よりも広くてもよい。
【0129】
延出部81bは、光源6の長手方向が長辺である長方形状である。より具体的には、延出部81bは、その長辺が光源6の長辺幅以上の長さであり、延出部81bの短辺は、放熱用導体パターン81の面積が光源6の底面積の2倍以上、望ましくは5倍、あるいは10倍以上の長さで形成された長方形状である。延出部81bの一部は、絶縁層80を介して導光板73の吸熱面73bに面している。導光板73の吸熱面73bは、延出部81bの上方における絶縁層80の表面に接している。
【0130】
凹部730の内面は、端面73aに対して平行な底面730aと、端面73aに対して直交する方向に形成されて互いに向かい合う一対の側面730b,730bと、底面730aと側面730bとの間にそれぞれ形成された2つの円弧面730cとから構成される。凹部730の内面は、光源6の光が導光板73の内部に入射する入射面である。凹部730は光源6の全体を収めることのできる寸法で形成されている。
【0131】
また、凹部730の底面730aに向かい合うケース91の側壁部911は、光源6の光を凹部730の内面に反射する反射部として機能する。
【0132】
上記構成によれば、搭載基板8に貫通穴を設けるなどの構造の複雑化を抑制した構造でありながら、搭載基板8の放熱用導体パターン81を光源の放熱パターンの数倍あるいは10倍以上の面積とすることで、光源6への通電によって発生する熱が、放熱パターン66、放熱用導体パターン81の接合部81a、放熱用導体パターン81の延出部81bによって広い面積に拡散される。そして、広い面積に熱が拡散されているため絶縁層80の熱抵抗の影響を数分の1あるいは10分の1として、導光板73へ熱を伝えることができる。なお、放熱用導体パターン81は導光板73が取り付けられる部位まで広がっているため、絶縁層80を介して、導光板73の吸熱面73bから導光板73に伝導し、さらに導光板73を厚さ方向に伝導して放射面73cから外部に放熱される。また一方、これは導光板73が光源6の近傍に配置されているためでもある。なお、図14A,14Bでは、光源6のサイズが小さいため、両者が離れているようにも見えるが、放熱用導体パターンが70μm層の銅であるのに対し、その10倍ないしは20倍の距離の位置に導光板73があり、容易に熱を伝えることのできる位置に配置されている。
【0133】
また、導光板73は、凹部730の内面から光源6の光を入射して放射面73cから面状に放射する。導光板73の短辺側に、複数のLED素子61が一列に並ぶ光源6を導光板73の短辺方向とLED素子61の配列方向が一致するようにしてあるため、導光板73の長辺方向への光量を多くとることができる。すなわち、光源6の長辺方向に対し垂直な方向が導光板73の長辺方向となるので、複数のLED素子61から導光板73の長辺方向へ放射される光量が多くとれるとともに、導光板73の長辺方向のケース側壁部991の方向へ放射され、反射される光も光源6の短辺方向を通り導光板73側へ反射されやすい。なお、用途によっては導光板73の長辺側に導光板73の長辺方向とLED素子61の配列方向が一致するようにしてもよい。さらに導光板73と長辺と短辺両面に光源6を配置したものであってもよい。
【0134】
このように、導光板73は、光源6の点状の光を所定の方向に導き、光を拡散させることで面状の光とすると共に、光源6の発光により発生する熱を搭載基板8が導光方向に沿った面方向へ広く拡散し、さらに搭載基板8から吸熱して外部に放熱させる。従って、光源6と導光板73とを近接させて配置することにより、光源6の光を効率的に入射させることができる。
【0135】
なお、フレキシブル基板を搭載基板8としていることで、導光板73は平面ではなく、例えば光源の配列方向と平行な軸方向となる柱状の曲面の一部形状となるものとしてもよい。この場合、例えば円柱状の柱の表面に取り付ける薄型の発光装置とすることができる。そして、搭載基板8から導光板73への伝熱もできる。
【0136】
[第2の実施の形態の変形例2]
図15は、第2の実施の形態の第2の変形例に係る発光装置12を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるG−G断面図、(c)は(a)のH部拡大図である。
【0137】
この発光装置12は、ケース92と、ケース92に収容された単一の四角形状の導光板74と、導光板74の四隅に形成された4つの凹部740にそれぞれ収容された4つの光源6と、これらの光源6が搭載された搭載基板8とを有する。光源6は、平面視において正方形状に形成された他は、図12を参照して説明したものと同様に構成されている。
【0138】
ケース92は、底部920と、底部920に垂直な方向に延びるように形成された側壁部921とを有する。
【0139】
導光板74は、平面視において長方形状に形成され、導光板7の四隅には、切り欠き形成された4つの凹部740が設けられている。この凹部740は、導光板74を厚さ方向に貫通し、その内部に光源6を収容している。導光板74の端面74aは、ケース92の側壁部921に対向している。
【0140】
また、導光板74は、図15(b)に示すように、ケース92の底部920側の面が、搭載基板8に対向して光源6の熱を吸熱する吸熱面74bとして、また吸熱面74bとは反対側の面が、凹部740の内面から入射した光源6の光を外部に放射する放射面74cとして、それぞれ形成されている。放射面74cは、吸熱面73bから伝導した光源6の熱を外部に放熱する放熱面としても機能する。
【0141】
図15(c)は、搭載基板8の絶縁層の上に形成された放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の形状を示している。この図では、搭載基板8の最表面に形成された白色レジスト層83に覆われた部分の放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82を破線で、放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の白色レジスト層83から露出した部分を実線で示し、搭載基板8の上方に配置される光源6、及び導光板74の外形を二点鎖線で示している。
【0142】
放熱用導体パターン81は、光源6の放熱パターン66(図12参照)に接合される白色レジスト層83から露出した領域を含む接合部81aと、接合部81aから導光板74側に向かって延出して設けられた延出部81bを有している。
【0143】
放熱用導体パターン81の接合部81aは、配線用導体パターン82の2つの露出部の間を結ぶ方向(図15(c)の左右方向)における接合部81aの露出部の幅と同等の幅を有して、放熱パターン66との接合部から延出部81bに至るように形成されている。
【0144】
延出部81bは、平面視において長方形状であり、その一部が白色レジスト層83を介して導光板74の吸熱面74bに面している。導光板74の吸熱面74bは、延出部81bの上方における白色レジスト層83の表面に接している。
【0145】
凹部740の内面は、互いに直交する端面73aに対してそれぞれ平行な側面740a,740aから構成される。凹部740の内面は、光源6の光が導光板74の内部に入射する入射面である。また、凹部740の側面740a,740aに向かい合う側壁部921の内面921aは、光源6の光を凹部740の内面に反射する反射面として機能する。
【0146】
凹部740は切り欠きがなく長方形形状だった場合の導光板74の範囲内に光源6が収まる寸法で形成されている。そして、光源6の中心軸まわりの360°は光学面に囲まれ、半分が導光板74の入射面、残りの半分が側壁部921の反射面である内面921aとされ、光学的効率の良いものとされる。
【0147】
上記構成によれば、搭載基板8に貫通穴を設けるなどの構造の複雑化を抑制した構造でありながら、搭載基板8の放熱用導体パターン81を光源の放熱パターンの数倍あるいは10倍以上の面積とすることで、光源6への通電によって発生する熱が、光源6の放熱パターン66、放熱用導体パターン81の接合部81a、放熱用導体パターン81の延出部81bによって広い面積に拡散される。
【0148】
そして、広い面積に熱が拡散されているため絶縁層80の熱抵抗の影響を数分の1あるいは10分の1として、導光板74へ熱を伝えることができる。なお、放熱用導体パターン81は導光板74が取り付けられる部位まで広がっているため、絶縁層80を介して、導光板74の吸熱面74bから導光板74に伝導し、さらに導光板74を厚さ方向に伝導して放射面74cから外部に放熱される。また、導光板74は、凹部740の内面から光源6の光を入射して放射面73cから面状に放射する。
【0149】
すなわち、導光板74は、光源6の点状の光を所定の方向に導き、光を拡散させることで面状の光とすると共に、光源6の発光により発生する熱を搭載基板8が導光方向に沿った面方向へ広く拡散し、さらに搭載基板8から吸熱して外部に放熱させる。従って、光源6と導光板74とを近接させて配置することにより、光源6の光を効率的に入射させることができる。
【0150】
[他の実施の形態]
以上、本発明の発光装置を上記各実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態又はその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、各実施の形態又はその変形例の各構成要素を相互に組み合わせることも可能である。
【0151】
例えば、図11に示した実施の形態において、第1及び第2の導光板71,72の吸熱面71b,72bに円形状の複数の反射面を形成し、第1及び第2の導光板71,72内の光がこれら反射面で反射して、放射面71c,72cから取り出されるようにしてもよい。この場合、反射面の面積は、端面71a,71bから遠ざかるほど、大きくなるようにするとよい。このように構成することにより、放射面71c,72cにおける放射光の分布を均一化することができる。なお、この反射面は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、レーザー加工、金型を利用した熱転写等により形成することができる。特に、インクジェット印刷、レーザー加工等の場合、スクリーン印刷等で用いる版が不要となり、例えば、実際に製造された発光装置の発光特性に応じて反射面の加工を行うことができる。さらに、インクジェット印刷の場合、ノズルを第1及び第2の導光板71,72上に全面的に配置することにより、広範囲の加工を同時に行うことができ、作業性に優れるという利点がある。
【符号の説明】
【0152】
1…発光装置、2…枠体、2a…開口部、2b…ねじ穴、3…放熱フィン、4a…空間、5…搭載基板、5A…基板本体、5a…搭載面、6…光源、7…導光板、8…搭載基板、8A…基板本体、10,11,12…発光装置、21…ねじ、22…ロットレンズ、30a…凹部、30b…ねじ孔、30b…平面、31…上部、31a…ねじ孔、32…フィン部、41…第1の放熱反射部材、42…第2の放熱反射部材、41a,42a…ねじ孔、50…絶縁層、51…放熱用導体パターン、51a…中央部、51b,51c…延出部、52…配線用導体パターン、53…レジスト層、55…導体パターン、55a…通電部、55b,55c…延出部、61…LED素子、62…無機材料基板、62a…実装面、62b…非実装面、63…回路パターン、63a…上面パターン、63b…電極パターン、63c…ビアパターン、63d…側面パターン、64…ガラス封止部、64a…側面、64b…上面、65…バンプ、66…放熱パターン、70…穴部、70a…底面、70b…側面、70c…円弧面、71…第1の導光板、72…第2の導光板、71a,72a…端面、71b,72b…吸熱面、71c,72c…放射面、73…導光板、73a…端面、73b…吸熱面、73c…放射面、74…導光板、74a…端面、74b…吸熱面、74c…放射面、80…絶縁層、81…放熱用導体パターン、81a…中央部、81a…接合部、81b,81c…延出部、82…配線用導体パターン、83…白色レジスト層、90,91,92…ケース、410,420…本体部、410a,420a…端面、410b,420b…吸熱面、410c,420c…放熱面、411,421…反射部、411a,421a…反射面、641…蛍光体、710,720,730,740…凹部、730a…底面、730b…側面、730c…円弧面、740a…側面、900,910,920…底部、901,911,921…側壁部、921a…内面、902…凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子の発光光を所定の方向に導光して放射する発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の発光ダイオードを有する発光装置が知られている。近年では、発光ダイオードの用途が拡大し、室内等の照明やスキャナーにおける対象物の照射等のために発光ダイオードが広く用いられるようになっている。このように大きな光量を必要とする発光装置には、発光ダイオードで発生する熱により発光ダイオード自身が熱破壊してしまうことを防ぐため、放熱対策が施されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−9789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の固体素子デバイスは、発光ダイオード素子が搭載された無機材料基板の裏側に放熱用のパターンを設け、発光ダイオード素子で発生した熱がこの放熱用のパターンからヒートシンク等へ熱伝導するように構成されている。
【0005】
しかしながら、発光装置の構成によっては、放熱用のパターンに直接ヒートシンクを接触させることが困難な場合がある。また、発光ダイオード素子に電源を供給するための回路パターンが形成された搭載基板上に無機材料基板を搭載する場合には、放熱用のパターンとヒートシンクとを接触させるために搭載基板に貫通穴を設け、この貫通穴を介して放熱用のパターンとヒートシンクとを接触させなければならない。このため、構造が複雑になり、組み付け工数も増大するという問題があった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造の複雑化を抑制しながら光源の熱の放熱効果を高めることができる発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、無機材料基板、前記無機材料基板の実装面側に実装された発光素子、及び前記無機材料基板の前記実装面とは反対側の非実装面に形成されたメタライズパターンを有する光源と、前記光源が搭載されるとともに、前記光源が搭載された搭載面に前記メタライズパターンと接合された導体パターンを有する搭載基板と、前記搭載基板の前記搭載面側に配置され、前記光源の光を所定の方向に導く光学部材とを備え、前記光学部材は、前記搭載基板の前記導体パターンに少なくとも一部が面する吸熱面と、前記吸熱面を介して前記導体パターンから伝導した前記光源の熱を放熱する放熱面とを有する発光装置を提供する。
【0008】
上記発光装置において、前記メタライズパターンは、前記実装面における前記発光素子が実装された実装領域に対応する前記非実装面側の領域の少なくとも一部を含むように形成するとよい。
【0009】
上記発光装置において、前記メタライズパターンは、前記無機材料基板に形成された前記発光素子に電源を供給するための一対の電極の間に形成され、前記一対の電極から絶縁されていてもよい。
【0010】
上記発光装置において、前記導体パターンは、前記一対の電極を結ぶ方向における前記メタライズパターンの幅に対応した幅を有して前記メタライズパターンとの接合部から前記光学部材の前記吸熱面との対向位置に至るようにするとよい。
【0011】
上記発光装置において、前記メタライズパターンは、前記無機材料基板に形成された前記発光素子に電源を供給するための電極としてもよい。
【0012】
上記発光装置において、前記光学部材は、前記光源に対向する面が前記光源の光を反射する反射面として形成されていてもよい。
【0013】
上記発光装置において、前記光学部材は、金属材料からなる本体部と、前記本体部の前記光源側に設けられた白色の樹脂材料からなる反射部とを有し、前記反射部の前記光源側の表面が前記反射面であってもよい。
【0014】
上記発光装置において、前記光学部材は、板状の透光性部材からなり、その端面から入射した前記光源の光を導いて他の面から放射するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発光装置の構造の複雑化を抑制しながら光源の熱の放熱効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す外観図である。
【図2】図2は、発光装置の断面図である。
【図3】図3は、発光装置の枠体及びロットレンズを取り外した状態を示す一部平面図である。
【図4】図4は、光源及びその周辺部を拡大して示す拡大図である。
【図5】図5は、光源及びその周辺部を示す、発光装置の一部分解斜視図である。
【図6】図6は、光源、及び光源が搭載される部分の搭載基板の断面を示し、(a)は光源の模式断面図、(b)は搭載基板の模式断面図、(c)は光源が搭載基板に搭載された状態を示す模式断面図である。
【図7】図7(a)は、搭載基板の放熱用導体パターン及び配線用導体パターンの形状を示す平面図、(b)は、搭載基板の光源が搭載される部分を拡大して示す平面図、(c)は、光源を無機材料基板の非実装面側から見た状態を示す平面図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態の変形例に係る光源を示し、(a)は無機材料基板に垂直な断面における断面図、(b)は無機材料基板の非実装面から見た状態を示す平面図である。
【図9】図9は、第1の実施の形態の変形例に係る搭載基板を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図10】図10(a)及び(b)は、光源の変形例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は、(a)のC−C線断面図である。
【図12】図12は、図11(b)に示すD部の拡大図である。
【図13】図13は、搭載基板の絶縁層の上に形成された放熱用導体パターン及び配線用導体パターンの形状を示す平面図である。
【図14A】図14Aは、第2の実施の形態の第1の変形例に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるE−E断面図である。
【図14B】図14Bは、図14A(a)のF部拡大図である。
【図15】図15は、第2の実施の形態の第2の変形例に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるG−G断面図、(c)は(a)のH部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す外観図である。この発光装置1は、例えば液晶フィルムの傷や汚れを検出する検査装置の照明のために用いられる。
【0019】
発光装置1は、線状の開口部2aを有する枠体2と、枠体2とねじ21により締結される放熱フィン3とを有している。この発光装置1は、全体として略直方体形状を呈しており、枠体2が上側、放熱フィン3が下側として説明する。開口部2aは枠体2の上面にて線状に形成され、開口部2aの内側にはロットレンズ22が配置されている。
【0020】
図2は、発光装置1の断面図である。発光装置1は、枠体2と放熱フィン3との間に、放熱フィン3と面接触する平板状の金属材料をベースとする搭載基板5、搭載基板5の上側に配置された光学部材としての第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42、及び搭載基板5に搭載された複数の光源6とを備えている。
【0021】
搭載基板5は、放熱フィン3の上面に載置され、枠体2のねじ穴2bに挿通されたねじ21と螺合するねじ孔5bを有し、ねじ21により放熱フィン3に締結されている。本実施の形態においては、搭載基板5は、銅をベースとする。ここで、搭載基板5と放熱フィン3の接触面積と、複数の光源6の投入電力との関係は、100mm2/W以上となるよう設定されている。
【0022】
第1及び第2の放熱反射部材41,42は、平板状に形成され、ねじ21と螺合するねじ孔41a,42aを有し、ねじ21により放熱フィン3及び搭載基板5に締結されている。第1及び第2の放熱反射部材41,42は、その下側の面の一部が搭載基板5に接触している。
【0023】
第1の放熱反射部材41と第2の放熱反射部材42は、これらの間に形成される空間4aを挟んで端面同士が向かい合うように平行に配置されている。空間4a内には、複数の光源6が配置されている。本実施の形態においては、搭載基板5からの第1及び第2の放熱反射部材41,42の高さは光源6の高さと実質的に同じである。
【0024】
放熱フィン3は、搭載基板5が載置されてねじ21と螺合するねじ孔31aを有する上部31と、上部31から下方へ延びる複数のフィン部32とを一体に有する。各フィン部32は、幅方向に所定の間隔で離隔して設けられており、空気の対流による放熱によって各光源6の熱が放散されるように表面積が設定されている。本実施形態においては、放熱フィン3は、アルミニウムからなる。なお、搭載基板5と放熱フィン3との間には、これらの隙間を埋めるためのシリコングリースが塗布されている。
【0025】
ロットレンズ22は、短波長の光により劣化し難い円柱状のガラスにより形成されている。このロットレンズ22は、アルミニウムからなる枠体2に支持されている。
【0026】
図3は、枠体2及びロットレンズ22を取り外した状態の発光装置1の一部平面図である。発光装置1は、複数(本実施の形態では7個)の搭載基板5を有しており、図3には、このうちの一部の搭載基板を示している。また、図3では、第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42の下側におけるロットレンズ22の外形を二点鎖線で示している。
【0027】
各搭載基板5には、それぞれ複数の光源が発光装置1の長手方向に沿って線状に配列されて搭載されている。また、発光装置1には、複数の搭載基板5のそれぞれに対応して設けられた、搭載基板5と同数の第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42を有している。
【0028】
図4は、図2に示す光源6及びその周辺部を拡大して示す拡大図である。
図5は、光源6及びその周辺部を示す発光装置1の一部分解斜視図である。
【0029】
第1の放熱反射部材41は、板状の金属製部材からなる本体部410と、本体部410の端面410aに設けられた反射部411とを有している。本実施の形態では、本体部410はアルミニウムからなり、反射部411は端面410aに塗布された白色のアクリル樹脂塗料からなる。なお、反射部411は、塗装に限らず、白色の樹脂からなる反射部材を貼り付けて形成してもよいし、本体部410の端面410aを鏡面仕上げすることにより形成してもよい。
【0030】
また、反射部411を、中空部のあるフッ素系のシートによって構成してもよい。このようなシートによって反射部411を構成した場合、仮に光源6に反射部411が接触しても光源6に割れ等が発生しにくく、また光源6の光を全反射することが可能である。一方、中空部のあるシートを用いた場合、光源6からシートを介して反射部411へ伝わる熱が少なくなるが、後述する放熱用導体パターン51による放熱効果により、反射部411へ伝える熱を増すことができる。なお、フッ素系のシートに限らず、他の材料の不織布を用いたものとしてもよい。
【0031】
第2の放熱反射部材42は、第1の放熱反射部材41と同様に形成された本体部420及び反射部421を有し、反射部421は、本体部420の端面420aの光源6側に設けられている。光源6は、その側面64aが第1の放熱反射部材41の反射部411の反射面411a、及び第2の放熱反射部材42の反射部421の反射面421aに対向するように、搭載基板5の搭載面5aに実装されて配置されている。
【0032】
第1の放熱反射部材41の本体部410は、搭載基板5の上側の面に接触している。本体部410の下側の面は、光源6の熱を主として搭載基板5から吸熱する平面状の吸熱面410bとして形成されている。また、本体部410の上側の面は、吸熱面410bから吸収した熱を外部に放熱する放熱面410cとして形成されている。
【0033】
第2の放熱反射部材42についても同様に、本体部420の下側の面が吸熱面420bとして形成され、本体部420の上側の面は、吸熱面420bから吸収した熱を外部に放熱する放熱面420cとして形成されている。
【0034】
また、光源6の側面64aから出射した光は、第1の放熱反射部材41の反射部411の反射面411a又は第2の放熱反射部材42の反射部421の反射面421aで反射して、ロットレンズ22側に導かれる。
【0035】
搭載基板5は、基板本体5Aと、基板本体5Aの搭載面5a側の全面に形成された絶縁層50と、絶縁層50の上側に形成された放熱用導体パターン51と、搭載基板5の最表面に形成されたレジスト層53とを有している。
【0036】
基板本体5Aは、例えば板状の金属材料からなる。本実施の形態では、基板本体5Aの材質をアルミニウムとしているが、銅であってもよい。絶縁層50は、例えば80〜200μmの厚みを有し、1〜3W/m・Kの熱抵抗を有するエポキシ樹脂系の絶縁材料からなる。放熱用導体パターン51は、例えば35〜500μmの厚みを有する金属膜からなる。本実施の形態における放熱用導体パターン51は、200μmの厚みを有する銅箔からなる。レジスト層53は、例えば80〜200μmの厚みを有し、1〜3W/m・Kの熱抵抗を有する白色のエキポシ樹脂系の絶縁材料からなる。
【0037】
図6は、光源6、及び光源6が搭載される部分の搭載基板5の断面を示し、(a)は光源6の模式断面図、(b)は搭載基板5の模式断面図、(c)は光源6が搭載基板5に搭載された状態を示す模式断面図である。
【0038】
光源6は、セラミック等の無機材料からなる無機材料基板62と、無機材料基板62の実装面62a側にフリップチップ実装された複数の発光素子としてのLED素子61と、無機材料基板62に形成されて各LED素子61へ電力を供給するための回路パターン63と、各LED素子61を無機材料基板62上にて封止するガラス封止部64と、各LED素子61と回路パターン63の間に介在するバンプ65と、無機材料基板62の実装面62aとは反対側(裏面)の非実装面62bに形成された金属膜からなる放熱パターン66とを備えている。放熱パターン66は、本発明のメタライズパターンの一例である。
【0039】
LED素子61は、例えばInxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の式で表される半導体からなり、青色光を発する。LED素子61は、厚さ100μmで346μm角に形成されている。また、LED素子61は、その発光層が無機材料基板62と平行になるように配置されている。光源6は、LED素子61の発光光を特定の方向に向けるための光学部材を備えておらず、無機材料基板62に平行な面方向360°に光が放射される。なお、LED素子61の半導体は任意であり、例えば、AlGaAs系材料、GaAsP系材料等のような他の半導体材料を用いてもよい。
【0040】
本実施の形態においては、1つの光源6に3つのLED素子61が一列に並んで配置され、光源6は、LED素子61の並び方向に長尺な直方体形状に形成されている。LED素子61の並び方向とその垂直方向の寸法がそれぞれ2.8mm、0.75mm、高さ(光源の中心軸方向)が0.85mmとなっている。
【0041】
本実施の形態に係る無機材料基板62は、セラミックの一種である窒化アルミ(AlN)からなり、2.8mm×0.75mmで0.25mmの厚さである。また、無機材料基板62をアルミナ(Al2O3:酸化アルミ)の多結晶焼結材料から構成してもよい。なお、無機材料基板62は、AlN以外のセラミックとしてもよいし、シリコンなどの半導体材料を用いてもよい。
【0042】
回路パターン63は、無機材料基板62の実装面62aに形成されて各LED素子61と電気的に接続される上面パターン63aと、無機材料基板62の非実装面62bに形成されて搭載基板5の配線用導体パターン52(後述)と電気的に接続される電極パターン63bと、無機材料基板62を厚さ方向に貫通して上面パターン63a及び電極パターン63bを電気的に接続するビアパターン63cとを有している。本実施の形態では、3つのLED素子61が上面パターン63aによって直列に接続され、非実装面62bの2箇所に形成された電極パターン63bから電源が供給される。
【0043】
また、無機材料基板62の非実装面62bにおける2箇所の電極パターン63bの間には、放熱パターン66が形成されている。放熱パターン66は、3つのLED61が実装された実装面62aの領域の裏側に対応する範囲の全体をカバーするように形成されている。
【0044】
上面パターン63a、電極パターン63b、及び放熱パターン66は、例えば無機材料基板62にメタライズにより形成された金属膜からなる。本実施の形態では、上面パターン63a、電極パターン63b、及び放熱パターン66が銅箔から形成されている。
【0045】
ガラス封止部64は、ZnO−B2O3−SiO2系の熱融着ガラスからなり、無機材料基板62上に形成される。ガラス封止部64は、無機材料基板62上のLED素子61を封止し、無機材料基板62と接合される底面に対して垂直な4つの側面64aを形成する。本実施形態においては、ZnO−B2O3−SiO2−Nb2O5−Na2O−Li2Oのガラスが用いられ、この熱融着ガラスは、ガラス転移温度(Tg)が490℃、屈伏点(At)が520℃、100℃〜300℃における熱膨張率(α)が6×10−6/℃、屈折率が1.7となっている。なお、ガラスの組成はこれに限定されるものではなく、例えば、熱融着ガラスは、Li2Oを含有していなくてもよいし、任意成分としてZrO2、TiO2等を含んでいてもよい。また、ZnO−B2O3−SiO2系以外のガラスを用いてもよいことは勿論である。
【0046】
また、ガラス封止部64には、蛍光体641が分散されている。蛍光体641としては、例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体、珪酸塩蛍光体や、YAGと珪酸塩蛍光体を所定の割合で混合したもの等を用いることができ、青色のLED素子61と組み合わせることにより白色光を得ることができる。なお、紫外光を発するLED素子と、青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体の組合せにより白色光を得るようにしてもよい。なお、蛍光体641は、ガラスに分散させたものでなく、ガラス封止部64の上面64bに塗布したものであってもよい。さらに、蛍光体641を用いない構成とすることも可能である。
【0047】
光源6を作成するにあたっては、まず、LED素子61が搭載された平板状の無機材料基板62と、加熱により軟化したガラス封止部64となる板状のガラスを、ホットプレス加工により接合する。そして、無機材料基板62及びガラスを、ダイシング装置を用いて格子状に分割することにより、対向する側面64aが平行な面となる直方体形状の光源6が作成される。
【0048】
配線用導体パターン52は、光源6のLED素子61に発光のための電流を供給するための導体であり、放熱用導体パターン51と同じ厚み及び材料からなる。レジスト層53は、放熱用導体パターン51の上側、及び配線用導体パターン52における光源6の電極パターン63bとの接合部を除いた部分に形成されている。
【0049】
配線用導体パターン52の電極パターン63bとの接合部、及び放熱用導体パターン51の表面にはクリーム状のはんだ54が塗布され、光源6が搭載された後に加熱及び冷却されることにより、配線用導体パターン52と電極パターン63b、及び放熱用導体パターン51と放熱パターン66が接合(はんだ付け)される。なお、配線用導体パターン52の電極パターン63bとの接合は、はんだ付けに限らず、導電性接着剤やAu−Sn系の共晶型ろう材を用いて行ってもよい。また、超音波による金属原子拡散による直接接合でもよい。
【0050】
図7(a)は、搭載基板5の搭載面5a側に形成された放熱用導体パターン51及び配線用導体パターン52の形状を示す平面図である。この図では、光源6が実装される実装領域の外縁(光源6の外形)を二点鎖線で示している。
【0051】
配線用導体パターン52は、光源6の長手方向に沿って配列された4つの光源6を直列に接続し、これらの光源6に電源を供給している。この配線用導体パターン52は、光源6の配列方向に沿って並ぶように形成されている。
【0052】
放熱用導体パターン51は、光源6の配列方向に隣り合う2つの配線用導体パターン52の間の領域を含み、この領域から光源6の配列方向に対して直交する両方向に延びるように拡がって形成されている。本実施の形態では、放熱用導体パターン51が配線用導体パターン52から電気的に絶縁されている。
【0053】
放熱用導体パターン51は、2つの配線用導体パターン52の間に形成された中央部51a、中央部51aから光源6の配列方向に対して直交する一方向に延出された第1の延出部51b、及び中央部51aから光源6の配列方向に対して直交する他方向に延出された第2の延出部51cとを有している。第1の延出部51b及び第2の延出部51cは、それぞれが放熱パターン66の2倍以上の面積を有する。本実施の形態では、各光源6に対してそれぞれ独立した1つの放熱用導体パターン51が形成されているが、各放熱用導体パターン51の第1の延出部51b同士、及び第2の延出部51c同士が互いに連続して一体に形成されていてもよい。
【0054】
なお、光源のサイズが小さく、発熱が大きいときは、絶縁層の熱抵抗の影響による温度上昇が著しく大きなものとなる。例えば、絶縁層の熱伝導率が、1W/m・K、厚さ100μmで放熱用導体パターンの面積が2mm2、光源が1Wとすると、絶縁層での温度上昇は50℃にもなる。これに対し、放熱用導体パターンの面積を2倍、5倍、10倍とすれば、絶縁層での温度上昇は25℃、10℃、5℃と反比例して減ずることができる。特にセラミック基板を用いたLED光源では、セラミックが化学的に安定しているので、大電力を投入しても部材劣化しない特長がある。その一方で、金属リードを樹脂材料で保持したものより、部材がコスト高であるため、コンパクト化により低コスト化を図るのが一般的である。光源サイズ(実装面の面積)/投入電力が10mm2/W以下であれば、本発明のような対策を行わなければ絶縁層の熱抵抗の影響によって明らかな温度上昇結果が生じる。
【0055】
図7(b)は、搭載基板5の光源6が搭載される部分を拡大して示す平面図である。図7(c)は、光源6を無機材料基板62の非実装面62b側から見た状態を示す平面図である。
【0056】
図7(b)では、レジスト層53に覆われた部分の放熱用導体パターン51及び配線用導体パターン52を破線で示し、レジスト層53から露出した部分の境界を実線で示している。この図に示すように、搭載基板5の上側の表面には、光源6の電極パターン63b及び放熱パターン66がはんだによって接合される部分を除いて、レジスト層53が形成されている。光源6の長手方向(図7の左右方向)における放熱用導体パターン51の幅は、中央部51aで最も狭く、第1の延出部51b及び第2の延出部51cでは中央部51aよりも広くなっている。
【0057】
光源6の長手方向における放熱用導体パターン51の中央部51aの幅L11は、光源6の放熱パターン66の同方向における幅L12に対応した幅であり、本実施の形態では、幅L11と幅L12が同一に設定されている。なお、幅L11を幅L12よりも大きくしてもよい。
【0058】
また、光源6の短手方向における放熱用導体パターン51のレジスト層53に覆われていない露出部の幅L21は、光源6の放熱パターン66の同方向における幅L22に対応した幅であり、本実施の形態では、幅L21と幅L22が同一に設定されている。なお、幅L21を光源6の無機材料基板62と同一の幅とし、レジスト層53の厚さの段差によって、はんだを溶かした際などに位置ずれが生じることを防ぐなど、幅L22よりも大きくしてもよい。
【0059】
図7(c)では、光源6の下面から見た場合のLED素子61の外形とバンプ65の外形とを破線で示している。この図に示すように、光源6の放熱パターン66は、無機材料基板62の実装面62aに実装された3つのLED素子61の実装領域に対応する非実装面62b側の領域の少なくとも一部を含むように形成されている。本実施の形態では、LED素子61の実装領域に対応する領域、つまり非実装面62b側から無機材料基板62を透視した場合にLED素子61のバンプ65が存在する領域の全体が放熱パターン66に含まれるように、光源6が構成されている。
【0060】
放熱用導体パターン51の第1の延出部51bは、レジスト層53を介して第1の放熱反射部材41の吸熱面410bに面する。また、放熱用導体パターン51の第2の延出部51cは、レジスト層53を介して第2の放熱反射部材42の吸熱面420bに面する。そして、第1の放熱反射部材41の吸熱面410bは、第1の延出部51bの上側の領域におけるレジスト層53に接触し、第2の放熱反射部材42の吸熱面420bは、第2の延出部51cの上側の領域におけるレジスト層53に接触する。
【0061】
配線用導体パターン52によって光源6に電力が供給されると、光源6の各LED素子61が発光すると共に熱を発生する。この熱は、無機材料基板62の放熱パターン66に伝導し、放熱パターン66から放熱用導体パターン51の中央部51aに伝導し、さらに第1の延出部51b及び第2の延出部51cに伝導する。第1の延出部51b及び第2の延出部51cに伝導した熱の一部は、レジスト層53を介して第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42に吸熱される。
【0062】
第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42は、吸熱した熱を放熱面410c,420c(図4参照)から放熱する。この仕組みにより、光源6の熱が拡散及び放熱される。なお、第1の延出部51b及び第2の延出部51cに伝導した熱の他の一部は、搭載基板5及び放熱フィン3を介して外部に放熱されるが、第1の放熱反射部材41及び第2の放熱反射部材42の放熱面410c,420cからの放熱は、放熱フィン3を介して行われる放熱を補完する役割を果たす。
【0063】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、搭載基板5に貫通穴を設けるなどの構造の複雑化を抑制した構造でありながら、搭載基板5の放熱用導体パターンを光源の放熱パターンの数倍あるいは10倍以上の面積とすることで、光源6への通電によって発生する熱が放熱パターン66から放熱用導体パターン51によって広い面積に拡散される。そして、広い面積に熱が拡散されているため絶縁層50やレジスト層53の熱抵抗の影響を数分の1あるいは10分の1として、搭載基板の金属で形成された基板本体5Aや放熱反射部材41,42へ熱を伝えることができる。尚、放熱用導体パターン51は放熱反射部材41,42が取り付けられる部位まで広がっているため、レジスト層53を介した熱伝導により第1及び第2の放熱反射部材41,42に伝わり、第1及び第2の放熱反射部材41,42の放熱面410c,420cから放熱される。ここで、放熱用導体パターン51は、光源6の下側に位置する中央部51aが放熱パターン66を介して光源6の熱を受け、この熱を光源6の実装範囲の外側に延びる第1の延出部51b及び第2の延出部51cに伝導させる。
【0064】
また、第1及び第2の放熱反射部材41,42は、反射面411a,421aで光源6の光を反射し、所定の方向(本実施の形態ではロットレンズ22の方向)に導く。
【0065】
一般に、光源の光を導く導光部材は、光の拡散によって光源からの距離が遠ざかるほど大きくする必要があるため、発光装置の小型化の観点では、導光部材をできるだけ光源に近づけることが望ましい。また、光源の熱を放熱するための放熱部材は、光源からの距離が遠いと放熱の効果が低下するため、光源にできるだけ光源に近づけることが望ましい。しかし、導光部材と放熱部材とを別体として独立して設けた場合は、光源の光が導光部材に遮られたり、導光部材及び放熱部材の干渉を避けるために両部材の配置位置に制約が生じることがある。
【0066】
本実施の形態では、第1及び第2の放熱反射部材41,42が板状の本体部410,420と、本体部410,420の端部に設けられた反射部411,421とを有し、導光及び放熱の機能を兼ね備えた構成としたため、光源6の近傍に反射面411a,421aを設けると共に、放熱を行う本体部410,420も光源の近傍に配置することができる。
【0067】
さらに、光源6から第1及び第2の放熱反射部材41,42への熱伝導は、光源6に面した中央部51a、及び第1及び第2の放熱反射部材41,42に面した第1及び第2の延出部51b,51cを一体に有する放熱用導体パターン51によって行われる。このため、光源6の熱を絶縁層50を介して基板本体5Aへ伝導させ、さらに基板本体5Aから絶縁層50を介して第1及び第2の放熱反射部材41,42へ伝導させる場合に比較して、より効率的に熱伝導させることができる。またさらに、発光装置1の大型化も抑制できる。
【0068】
[第1の実施の形態の変形例]
上記した第1の実施の形態は、以下に説明するように変形することも可能である。すなわち、第1の実施の形態では、光源6が電極パターン63bから絶縁された放熱パターン66を有し、この放熱パターン66から放熱用導体パターン51に光源6の熱を逃がすように発光装置1を構成したが、電極パターン63bをLED素子61への電流の供給のために必要な面積よりも大きな面積に形成し、この電極パターン63bに接合される導体パターンから光源6の熱が第1及び第2の放熱反射部材41,42に伝導するように発光装置1を構成してもよい。
【0069】
以下に、図8及び図9を参照して第1の実施の形態の変形例を説明する。発光装置1の構成要素のうち、第1の実施の形態と機能が実質的に共通するものについては共通する符号を付して重複した説明を省略する。
【0070】
図8は、第1の実施の形態の変形例に係る光源6を示し、(a)は無機材料基板62に垂直な断面における断面図、(b)は無機材料基板62の非実装面62bから見た状態を示す平面図である。図8(b)では、光源6の下面から見た場合のLED素子61の外形を破線で示している。
【0071】
図8(a)に示すように、この変形例に係る光源6は、ガラス封止部64に封止された単一のLED素子61を有している。このLED素子61には、上面パターン63a、電極パターン63b、及びビアパターン63cを有する一対の回路パターン63によって電源が供給される。回路パターン63は、LED素子61のアノード及びカソードのそれぞれについて設けられている。
【0072】
図8(b)に示すように、無機材料基板62の非実装面62bに形成された2つの電極パターン63bは、それぞれがLED素子61の実装領域に対応する非実装面62b側の領域の一部を含むように形成されている。
【0073】
図9は、第1の実施の形態の変形例に係る搭載基板5の搭載面5aに形成された導体パターン55及びレジスト層53を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。図9(a)では、レジスト層53に覆われた部分の導体パターン55を破線で示し、レジスト層53から露出した部分の境界を実線で示している。また、搭載基板5上に光源6を搭載した場合の光源6の外形線、及び第1及び第2の放熱反射部材41,42を配置した場合のこれらの外形線を二点鎖線で示している。なお、第1及び第2の放熱反射部材41,42の形状及び構成は第1の実施の形態と同じである。
【0074】
図9(a)に示すように、導体パターン55は、光源6の電極パターン63bに接合される部分がレジスト層53から露出している。搭載基板5には複数の導体パターン55が形成され、各導体パターン55は複数(本実施の形態では4個)の光源6を直列に接続している。
【0075】
導体パターン55は、光源6への通電時に電流が流れる通電部55aと、通電部55aから第1及び第2の放熱反射部材41,42の下側にあたる領域まで延出された延出部55b,55cを一体に有している。
【0076】
複数の光源6の配列方向(図9の左右方向)における導体パターン55の通電部55aの幅と、延出部55b,55cの幅は実質的に同じであり、導体パターン55は、光源6の配列方向に直交する方向が長辺となる長方形状を呈している。
【0077】
この変形例に係る発光装置1に通電されると、導体パターン55の通電部55aを流れる電流が各光源6に供給され、光源6が発光すると共に熱が発生する。この熱の一部は、無機材料基板62の電極パターン63bから導体パターン55の通電部55aの通電部に伝導し、通電部55aから延出部55b,55cに伝導し、さらに第1及び第2の放熱反射部材41,42に伝導して放熱される。
【0078】
なお、光源6は、図10(a)及び(b)に示すように、さらに変形してもよい。図10(a)に示す変形例では、回路パターン63がビアパターン63cを有しておらず、上面パターン63aと電極パターン63bが無機材料基板62の側面に形成された側面パターン63dによって接続されている。
【0079】
このように光源6を構成した場合は、回路パターン63と配線用導体パターン52とを接合するはんだ56が電極パターン63b及び側面パターン63dに溶着するので、回路パターン63から配線用導体パターン52への熱伝導効率が向上し、配線用導体パターン52を介した熱の拡散が促進される。また、側面パターン63dがはんだ付けされるので、溶融したはんだ56の表面張力によるセルフアライメント効果によって、光源6が配線用導体パターン52の露出部分に対してずれた状態で接合されることが抑制される。
【0080】
図10(b)に示す変形例では、図10(a)に示した構成例に対し、光源6がさらに放熱パターン66を有し、この放熱パターン66が放熱用導体パターン51に接合されている。また、側面パターン63dが配線用導体パターン52に接合されている。
【0081】
このように光源6を構成した場合にも、側面パターン63dが配線用導体パターン52にはんだ付けされるので、溶融したはんだ56の表面張力によるセルフアライメント効果によって、光源6が配線用導体パターン52の露出部分及び放熱用導体パターン51に対してずれた状態で接合されることが抑制される。また、LED素子61を実装する回路パターン63aを無機材料基板62の上面62aに広くとった設計をしたものであってもよい。
【0082】
またさらに、第1の実施の形態では、発光装置1が円柱状のロットレンズ22(図1,図2参照)を備えた場合について説明したが、ロットレンズ22に替えて透光性の板状の樹脂材料からなる導光板を用いてもよい。この場合、光源6の側面64aから出射した光が第1及び第2の放熱反射部材41,42で反射して導光板の入射面に導かれるように発光装置を構成することができる。
【0083】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図11〜13を参照して説明する。
【0084】
第1の実施の形態及びその変形例では、反射面での反射によって光源の光を所定の方向に導き、かつ放熱を行う放熱反射部材を採用した場合について説明したが、本実施の形態に係る発光装置では、透光性を有する材料に光源の光を入射させ、内部反射によって入射光を所定の方向に導くと共に、放熱を行う光学部材としての導光板を用いる。この発光装置は、例えば液晶表示装置のバックライトや、蛍光灯等に置き換えられる照明装置として用いられる。
【0085】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は、(a)のC−C線断面図である。
【0086】
この発光装置10は、端面同士が付き合わされた第1及び第2の導光板71,72と、これら一対の導光板71,72を組み合わせることによって長手方向に沿って形成された複数の穴部70と、各穴部70に収容され、線状に配列された複数の光源6と、複数の光源6が搭載され、これら複数の光源6に電源を供給する搭載基板8と、第1及び第2の導光板71,72、複数の光源6、及び搭載基板8を収容するケース90とを備えている。なお、以下の説明では、第1及び第2の導光板71,72の放射面側を上方、搭載基板8が収容されたケース90の底面側を下方ということがある。
【0087】
第1及び第2の導光板71,72は、複数の光源6の配列方向に沿った領域において各々の端面が突き合わされた構造を有する。また、第1及び第2の導光板71,72は、透光性部材からなり、全体にわたって厚さが一定な平板状である。
【0088】
第1の導光板71には、第2の導光板72と突き合わされる端面71aに、複数(本実施の形態では5つ)の凹部710が等間隔で形成されている。一方、第2の導光板72には、第1の導光板71と突き合わされる端面72aに、凹部710と同数の凹部720が等間隔で形成されている。凹部710,720は、端面71a,72aの延伸方向における光源6に対応する位置に形成されている。また、凹部710,720は、第1及び第2の導光板71,72をその厚さ方向に貫通している。
【0089】
搭載基板8は、図11(b)及び(c)に示すように、第1の導光板71と第2の導光板72とを合わせた幅よりも狭い幅と、第1及び第2の導光板71,72の長手方向の長さに対応する長さを有し、各穴部70の一側を塞ぐように設けられている。
【0090】
ケース90は、例えばアルミニウム等の金属又は合成樹脂から形成されている。本実施の形態では、ケース90の材料として、放熱性を考慮してアルミニウムを用いる。また、ケース90は、底部900と、底部900に垂直な方向に延びるように形成された側壁部901とを有する。底部900の幅方向の中央部には、搭載基板8を収容する凹部902が形成されている。
【0091】
第1及び第2の導光板71,72は、凹部710,720の位置及び向きが左右対称である他は共通する構成及び機能を有する。第1及び第2の導光板71,72は、光源6から発せられる光に対して透光性を有する材料、例えばアクリル樹脂から形成される。
【0092】
図11(b),(c)に示すように、第1及び第2の導光板71,72は、ケース90の底部900側の面が、搭載基板8に対向して光源6の熱を吸熱する吸熱面71b,72bとして、また吸熱面71b,72bとは反対側の面が、穴部70の内面から入射した光源6の光を外部に放射する放射面71c,72cとして、それぞれ形成されている。本実施の形態では、放射面71c,72cを、吸熱面71b,72bから伝導した熱を外部へ放熱する放熱面としても用いる。なお、吸熱面71b,72bには、放射面71c,72cから放射される光の分布を均一化するための反射面を形成してもよい。
【0093】
図12は、図11(b)に示すD部の拡大図である。光源6は、第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに沿った方向の長さが端面71a,72aに直交する方向の長さよりも長い直方体状である。この光源6は、第1の実施の形態について図6(a)を参照して説明したものと同様の構成であるので、対応する構成要素に共通する符号を付してその説明を省略する。
【0094】
なお、光源6の上面64bには、上面64bから出射される方向のLED素子61の発光光の全部又は一部を反射する反射部材を設けてもよい。この反射部材としては、例えば白色塗装されたアクリル板や、表面の反射率が比較的高い材料、例えばアルミニウムからなる反射シールを採用することができる。この反射部材によって、使用者に眩しさを感じさせることを抑制することが可能となる。
【0095】
搭載基板8は、金属からなる基板本体8Aと、基板本体8A上に設けられた絶縁層80と、絶縁層80上に設けられた放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82と、光源6の下方にあたる領域を除く領域に形成された白色レジスト層83とを有する。基板本体8Aの材料としては、例えばアルミニウム、マグネシウム、銅等の金属を用いることができる。本実施の形態では、基板本体8Aの材料としてアルミニウムを用いる。
【0096】
光源6は、はんだ84を介して搭載基板8に搭載されている。より詳細には、光源6の電極パターン63bは、はんだ84によって配線用導体パターン82に接合され、光源6の放熱パターン66は、はんだ84によって放熱用導体パターン81に接合されている。
【0097】
また、図12に示すように、第1及び第2の導光板71,72の吸熱面71b,72bに対する穴部70の内面の角度をα(°)とし、第1及び第2の導光板71,72の屈折率をnとしたとき、式(1)を満たすようにすると、第1及び第2の導光板71,72の厚さ方向へ進む光につき、穴部20の内面から第1及び第2の導光板71,72内へ入射した全ての光が第1及び第2の導光板71,72内の伝搬光となる。本実施の形態においては、α=90°でありn=1.5であることから、式(1)の条件を満たす。
【数1】
【0098】
これに加え、式(2)を満たすようにすると、第1及び第2の導光板71,72の穴部70の内面に沿って進む光につき、穴部70の内面から第1及び第2の導光板71,72内へ入射した全ての光が第1及び第2の導光板71,72内の伝搬光となる。本実施の形態においては、α=90°でありn=1.5であることから、式(2)の条件を満たす。
【数2】
【0099】
図13は、搭載基板8の絶縁層80の上に形成された放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の形状を示す平面図である。この図では、白色レジスト層83に覆われた部分の放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82を破線で示し、搭載基板8の上方に配置される光源6、第1の導光板71、及び第2の導光板72の外形を二点鎖線で示している。
【0100】
放熱用導体パターン81は、光源6の放熱パターン66に接合される白色レジスト層83から露出した領域を含む中央部81aと、光源6の長手方向に対して直交する方向における中央部81aの両側に延出して設けられた第1及び第2の延出部81b,81cを有している。
【0101】
光源6の2つの電極パターン63bは、光源6の長手方向の両端部に形成され、この2つの電極パターン63bがそれぞれ配線用導体パターン82,82に接合される。光源6の放熱パターン66は、2つの電極パターン63bの間に形成され、光源6の長手方向を長辺とする長方形状であり、放熱用導体パターン81の中央部81aに接合される。
【0102】
放熱用導体パターン81の中央部81aは、放熱パターン66の長手方向の幅に対応した幅を有して放熱パターン66との接合部から第1の延出部81b及び第2の延出部81cに至るように形成されている。本実施の形態では、放熱パターン66の長手方向の幅と中央部81aの幅が実質的に同一であるが、中央部81aの幅は放熱パターン66の長手方向の幅よりも広くてもよい。
【0103】
第1及び第2の延出部81b,81cは、光源6の長手方向が長辺である長方形状であり、光源6が搭載される部分を挟んで線対称に形成されている。第1の延出部81bの一部は、白色レジスト層83を介して第1の導光板71の吸熱面71bに面している。また、第2の延出部81cの一部は、白色レジスト層83を介して第2の導光板72の吸熱面72bに面している。第1及び第2の導光板71,72の吸熱面71b,72bは、第1及び第2の延出部81b,81cの上方における白色レジスト層83の表面に接している。
【0104】
穴部70の内面は、端面71a,72aに対して平行で互いに向かい合う一対の底面70a,70aと、端面71a,72aに対して直交する方向に形成されて互いに向かい合う一対の側面70b,70bと、底面70aと側面70bとの間にそれぞれ形成された4つの円弧面70cとから構成される。穴部70の内面は、光源6の光が第1及び第2の導光板71,72の内部に入射する入射面である。
【0105】
(第2の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第2の実施の形態によれば、搭載基板8に貫通穴を設けるなどの構造の複雑化を抑制した構造でありながら、搭載基板8の放熱用導体パターン81を光源6の放熱パターン66の数倍あるいは10倍以上の面積として、放熱用導体パターン81が絶縁層80や白色レジスト層83を介して基板本体8Aや第1及び第2の導光板71,72に面状に接したものとすることで、光源6への通電によって発生する熱が、放熱パターン66から搭載基板8の放熱用導体パターン81によって広い面積に拡散される。そして、広い面積に熱が拡散されているため絶縁層80や白色レジスト層83の熱抵抗の影響を数分の1あるいは10分の1として、搭載基板8の金属で形成された基板本体8Aや第1及び第2の導光板71,72へ熱を伝えることができる。なお、放熱用導体パターン81は第1及び第2の導光板71,72が取り付けられる部位まで広がっているため、白色レジスト層83を介した熱伝導により第1及び第2の導光板71,72に伝わり、第1及び第2の導光板71,72の放射面71c,72cから放熱される。ここで、放熱用導体パターン81は、光源6の下側に位置する中央部81aが放熱パターン66を介して光源6の熱を受け、この熱を光源6の実装範囲の外側に延びる第1の延出部81b及び第2の延出部81cに伝導させる。
【0106】
また、第1及び第2の導光板71,72は、穴部70の内面から光源6の光を入射して第1及び第2の導光板71,72内を端面71a,72aに直交する方向に導き、放射面71c,72cから放射する。
【0107】
すなわち、第1及び第2の導光板71,72は、光源6の点状の光を所定の方向に導き光を拡散することで面状の光とすると共に、光源6の発光により発生する熱を搭載基板8が第1及び第2の導光板71,72に沿った面方向へ広く拡散し、さらに搭載基板8から吸熱して外部に放熱させる。搭載基板8が第1及び第2の導光板71,72に沿って設置されているので、放熱のために容積が必要となり、デザイン性を失う、といったことがなく薄型の面発光装置とすることができる。
【0108】
また第1及び第2の導光板71,72と搭載基板8とが放熱の機能を備えることにより、光源部の熱の極在を防ぎ第1及び第2の導光板71,72を光源6の近傍に配置することが可能となり、光源6の光を効率的に入射させることができる。第1及び第2の導光板71,72として広く用いられているアクリル系材料は耐光性には優れるが、耐熱性は低く変形が生じやすくなる。また、材料の耐熱性だけでなく、熱の極在があると膨張によるたわみが生じ、光線との結合効率や伝搬効率あるいはケースなどへの収納性の問題が生じる。これに対し、光源部の熱の極在を防ぎ、導光板の広い範囲あるいは全体に熱を拡げることが有効となる。また、第1の実施の形態では金属の反射部材であったが、第2の実施の形態では、樹脂からなる第1及び第2の導光板71,72を光源6の近傍に配置することで、金属のような熱伝導性はなくとも、熱容量の大きい材料へ熱を拡げ外部放熱することができる。
【0109】
特に、本実施の形態のようにLED素子61の封止材料がガラスの場合、樹脂よりも熱伝導率が1ケタ高く、数W/m・Kで、LED素子61の熱が伝わりやすく、ガラス封止部64の表面が高温になりがちである。しかし、本実施の形態では、光源6のガラス封止部64と第1及び第2の導光板71,72とが近い距離にあるものの、空気層を介し直接触れていないので、第1及び第2の導光板71,72として10℃で変形しやすくなるアクリル材料などの熱可塑性樹脂を用いても問題が生じないものとできる。
【0110】
なお、本実施の形態で用いるLED素子61は、動作時の耐熱温度が150℃の製品であり、この温度にならない範囲に電力を投入して用いられる。つまり、LED素子61の動作時の耐熱温度以下の熱可塑性樹脂材料で第1及び第2の導光板71,72を形成しても問題のないものとできる。
【0111】
なお、本実施の形態によれば、放熱以外にも下記の作用及び効果がある。
(1)光源6の一部をそれぞれ収容する凹部710,720は、第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに形成されているので、端面71a,72aよりも第1及び第2の導光板71,72の内側に光源6を収容する穴部を形成した場合に比較して、光源6の光の入射面の加工精度を高くすることが可能となる。これにより、光源6から発した光をより効率よく第1及び第2の導光板71,72の内部に入射させることができる。また、端面71a,72aに凹部710,720を設けたことにより、端面以外の部分に光源を収容するための穴を型形成する場合に比較して、第1及び第2の導光板71,72の生産性を向上させることができる。つまり、導光板の端面以外の部分に光源を収容するための小サイズの穴を型形成する場合には、金型に細いピンを用いることとなり、型抜きの際にこのピンに折れが生じやすく、生産性が低下する。特に、穴が垂直(α=90°)の場合は、穴部70の内面にて屈折する光は上下とも対称となり、最も導光板内の伝播に適する条件であるが、その一方で型抜きがしにくくなる。さらに、導光板に複数の穴を形成する際は、樹脂材料の硬化収縮などの力も加わることになり、さらに穴形成のピンが折れやすく、型抜きがしにくくなる。本実施の形態では、凹部710,720を第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに設けることで、このような問題を回避している。なお、α=90°に限らず、±2°未満あるいは±5°未満の際にも、材料の種類や加工精度、あるいはピン径、もしくはピンの本数や配列仕様等によって程度の差はあるものの上記の問題が生じ得るが、本実施の形態のように第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに形成した凹部710,720に光源6を収容することで、このような問題の発生を回避することができる。さらに、複数のLED素子61が配列された方向が端面71a,72aに沿った方向となるように、光源6が配置されているので、凹部710,720を深く形成する必要がなく、金型の製造及びこの金型による第1及び第2の導光板71,72の成形が容易となる。
【0112】
(2)光源6から出射した光は、第1及び第2の導光板71,72の端面71a,72aに交差する一対の側面70b,70bからも第1及び第2の導光板71,72内に入射するので、導光板がその端面に凹部を有しない場合に比較して、隣り合う2つの光源6の間の領域における第1及び第2の導光板71,72からの放射光の強度を高めることが可能となる。これにより、第1及び第2の導光板71,72の放射面71c,72cから面状に放射される光の強度の分布のムラを低減することができる。
【0113】
(3)光源6は、LED素子61の発光層が第1及び第2の導光板71,72と平行であり、LED素子61の周囲は透光性のガラス封止部64で封止され、光源6自体及びその周囲には、LED素子61の発光光を特定の方向に導くための反射部材等が設けられていない。このため、部品点数の削減及び装置の小型化が可能となる。即ち、従来の常識では、光源は、光出射エリアを狭くする、導光板への入射角範囲を狭くするための光学系を用いて、導光板との結合を図る。しかし、本実施形態では、光源6は量産のため、LED素子61は、LED素子61の中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状とされ、光出射エリアを狭める光学系を備えていない。なお、反射枠は高反射率部材を選択されるものの完全に光吸収のないものでない限り、光学損出が生じるので、本実施形態の光源では高効率化、さらに、小型化の効果もある。また、本実施形態の光源では、LED素子61の中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状で、LED素子61から発し、この側面に至った光は、LED素子61の中心軸方向に近づく方向に屈折する。そして、LED素子61から発する光のうち、LED素子61の中心軸に対し大きな角度方向へ放射される光量は、この方向の立体角が大きいため、LED素子61の配光特性にもよるが、例えば、全光量に対し50%以上の大きな割合がある。つまり、導光板への入射角は、むしろ広がる光源となる。しかも、ガラス封止部64の屈折率はLED素子61からの光取出しを促進するため、シリコン樹脂(屈折率:1.4〜1.5程度)やエポキシ樹脂(1.5〜1.6程度)より屈折率の大きい、屈折率1.6以上の部材を選択でき、この際は、LED素子61の中心軸方向に近づく方向に屈折する程度は、さらに大きいものとなる。また、LED素子61から発し、蛍光体で励起される光や散乱する光のうち、側面に至る光も同様にLED素子61の中心軸方向に近づく方向に屈折する。にもかかわらず、本実施形態の光源を導光板の厚さ方向に平行な光源の収納穴を形成した導光板と組み合わせ、導光板への入射面となる収納穴での入射時の屈折と、導光板の入射面とは直行する面方向となる導光板の上下面での全反射が生じる屈折率の導光板により、光源と導光板とを高効率で結合でき、かつ、部品点数の削減および簡単容易な製造が可能となる。
【0114】
(4)光源6又はその周辺部には、光源6の出射光を特定の方向に向けるための光学部材を備えておらず、また、LED素子61をフリップチップ接続により実装したので、LED素子61の端面と光源6の側面64aとの距離を1mm以下、さらには0.5mm以下とすることも容易となり、光源6の平面視の大きさを小さくすることができ、凹部710,720の大きさを小型化することができる。これにより、光源6が発光装置10の端部だけでなく、中央部に配置されていても、小型で目立たないものとできる。また、第1及び第2の導光板71,72を厚くすることなく、光軸を厚さ方向とした光源6の搭載が可能となる。これに対し、例えばLED素子61がワイヤボンディング接続により実装されている場合、LED素子61の外側に、ワイヤループのための空間が余計に必要となる。さらに、第1及び第2の導光板71,72の凹部710,720に関しては、実装や嵌合の公差が必要となるため、LED素子61の5倍以上の大きさとなる。またさらに、側面方向へ放射方向を制御する光学面を設ける場合には、第1及び第2の導光板71,72の凹部710,720の大きさをLED素子61の12倍以上とする必要がある。例えば、無機材料基板62の大きさが2.5mm角とすると、第1及び第2の導光板71,72の穴部70の大きさも例えば3.0mm角のように大きくする必要がある。そして、仮にこのような大きさで発光装置10を作製すると、搭載するLED素子61が同じであっても、光源6の上面64bの中心部を基準とした穴部70の内面の立体角の割合は、35%の低減となる。また、光源6の高さが変わらず、平面視の寸法が小さくなると、横方向への配光が相対的に増大する。なお、蛍光体が封止材料に分散されている場合、封止材の高さより平面方向の寸法が小さくなると、上方向と横方向の光の色度の差が顕著となり易いが、仮に色度の差が生じたとしても、第1及び第2の導光板71,72内で混光させることができる。また、光源6の放熱パターン66及び回路パターン63は、無機材料基板62の搭載基板8側の面内に形成されているため、無機材料基板62の側面に回路パターン形成されるものと比べ、はんだなどの共晶材を用い搭載基板8へ搭載する際、はんだのはみ出しがない、あるいはごく僅かなものとできるので、第1及び第2の導光板71,72の穴を、より光源6の大きさに近い、小さなものにすることができる。そして、このことにより、光源6から第1及び第2の導光板71,72への光結合効率を高めることができる。また、光源6に対する第1及び第2の導光板71,72の穴位置精度を大きくとり、製造歩留りの高いものとすることができる。
【0115】
(5)光源6の上面64b及び側面64aに光学的な加工を施す必要がないので光源6の作製も簡単容易である。この発光装置10の場合、むしろ光軸上に最大の光強度が存在しない配光の光源6が好ましく、立方体形状の光源6に加工を施すことなく、しかも単純な形状の凹部710,720を形成すればよいので、実用に際して極めて有利である。
【0116】
また、光源6は光学系を備えず小型であるため、多くの光源6を密に配列して、高輝度にすることができる。一方、各光源6の間隔を比較的広くして配列した場合も、光源6の中心軸に対して垂直な面方向360°に光が放射されるため、各光源6の間の輝度の低下を抑制できる。
【0117】
また、第1及び第2の導光板71,72は透明な光学接着剤等により互いに貼り合わせてもよいが、あえて貼り合わせず、ミクロな意味で端面同士の間に空隙を持たせることで、光源などから発する熱によって導光板が膨張し、応力をもつことや、たわみを発生することを抑えることができる。また、本形態では光源6を2枚の導光板で取り囲むものを示したが、3枚あるいは4枚、もしくはそれ以上の導光板で取り囲むものとしてもよい。
【0118】
なお、一対の導光板にはさまれた空間に光源を配置したものに限らず、一枚の導光板に貫通孔や凹部を設け光源を配置したものであっても同様の作用効果を得ることができる。
【0119】
[第2の実施の形態の変形例1]
上記した第2の実施の形態は、以下に説明するように変形することも可能である。すなわち、上記第2の実施の形態では、発光装置10が一対の導光板71,72を有し、一対の導光板71,72の間に複数の光源6を線状に配置したが、発光装置が単一の導光板を有し、その周辺部に形成された凹部に複数の光源を配置してもよい。
【0120】
図14A及びBは、第2の実施の形態の第1の変形例に係る発光装置11を示し、図14A(a)は平面図、(b)は(a)におけるE−E断面図である。図14Bは図14A(a)のF部拡大図である。
【0121】
この発光装置11は、ケース91と、ケース91に収容された単一の導光板73と、導光板73に形成された複数の凹部730にそれぞれ収容された複数の光源6と、複数の光源6が搭載された搭載基板8とを有する。光源6は、図12を参照して説明したものと同様に構成されている。
【0122】
ケース91は、アルミ合金からなる熱伝導率100W/m・K以上の高熱伝導材料であり、底部910と、底部910に垂直な方向に延びるように形成された側壁部911とを有する。
【0123】
導光板73は、平面視において長方形状に形成され、その短辺にあたる両端面73aに導光板73を厚さ方向に貫通する複数の凹部730が形成されている。導光板73の端面73aは、ケース91の側壁部911に対向している。光源6は、搭載基板8に平行な方向の周囲が導光板73の凹部730の内面及びケース91の側壁部911に囲まれている。
【0124】
また、導光板73は、図14A(b)に示すように、ケース91の底部910側の面が、搭載基板8に対向して光源6の熱を吸熱する吸熱面73bとして、また吸熱面73bとは反対側の面が、凹部730の内面から入射した光源6の光を外部に放射する放射面73cとして、それぞれ形成されている。放射面73cは、吸熱面73bから吸熱して導光板73を厚さ方向に伝導した熱を外部に放熱する放熱面としても機能する。
【0125】
図14Bは、搭載基板8に形成された放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の形状を示している。搭載基板8は70μm層の銅材料からなる放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82とそれらを両面からはさみ込むポリイミドあるいは液晶ポリマー材料からなる絶縁層80とを有するフレキシブル基板である。
【0126】
この図では、搭載基板8の導光板73側の面に形成された絶縁層80に覆われた部分の放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82を破線で、放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の絶縁層80から露出した部分の境界を実線でそれぞれ示し、さらに搭載基板8の上方に配置される光源6、及び導光板73の外形を二点鎖線で示している。
【0127】
放熱用導体パターン81は、光源6の放熱パターン66(図12参照)に接合される絶縁層80から露出した領域を含む接合部81aと、光源6の長手方向に対して直交する方向における接合部81aの片側(導光板73側)に延出して設けられた延出部81bを有している。
【0128】
放熱用導体パターン81の接合部81aは、放熱パターン66の長手方向の幅と同等の幅を有して放熱パターン66との接合部から延出部81bに至るように形成されている。図14(c)に示す例では、放熱パターン66の長手方向の幅と接合部81aの幅が実質的に同一であるが、接合部81aの幅は放熱パターン66の長手方向の幅よりも広くてもよい。
【0129】
延出部81bは、光源6の長手方向が長辺である長方形状である。より具体的には、延出部81bは、その長辺が光源6の長辺幅以上の長さであり、延出部81bの短辺は、放熱用導体パターン81の面積が光源6の底面積の2倍以上、望ましくは5倍、あるいは10倍以上の長さで形成された長方形状である。延出部81bの一部は、絶縁層80を介して導光板73の吸熱面73bに面している。導光板73の吸熱面73bは、延出部81bの上方における絶縁層80の表面に接している。
【0130】
凹部730の内面は、端面73aに対して平行な底面730aと、端面73aに対して直交する方向に形成されて互いに向かい合う一対の側面730b,730bと、底面730aと側面730bとの間にそれぞれ形成された2つの円弧面730cとから構成される。凹部730の内面は、光源6の光が導光板73の内部に入射する入射面である。凹部730は光源6の全体を収めることのできる寸法で形成されている。
【0131】
また、凹部730の底面730aに向かい合うケース91の側壁部911は、光源6の光を凹部730の内面に反射する反射部として機能する。
【0132】
上記構成によれば、搭載基板8に貫通穴を設けるなどの構造の複雑化を抑制した構造でありながら、搭載基板8の放熱用導体パターン81を光源の放熱パターンの数倍あるいは10倍以上の面積とすることで、光源6への通電によって発生する熱が、放熱パターン66、放熱用導体パターン81の接合部81a、放熱用導体パターン81の延出部81bによって広い面積に拡散される。そして、広い面積に熱が拡散されているため絶縁層80の熱抵抗の影響を数分の1あるいは10分の1として、導光板73へ熱を伝えることができる。なお、放熱用導体パターン81は導光板73が取り付けられる部位まで広がっているため、絶縁層80を介して、導光板73の吸熱面73bから導光板73に伝導し、さらに導光板73を厚さ方向に伝導して放射面73cから外部に放熱される。また一方、これは導光板73が光源6の近傍に配置されているためでもある。なお、図14A,14Bでは、光源6のサイズが小さいため、両者が離れているようにも見えるが、放熱用導体パターンが70μm層の銅であるのに対し、その10倍ないしは20倍の距離の位置に導光板73があり、容易に熱を伝えることのできる位置に配置されている。
【0133】
また、導光板73は、凹部730の内面から光源6の光を入射して放射面73cから面状に放射する。導光板73の短辺側に、複数のLED素子61が一列に並ぶ光源6を導光板73の短辺方向とLED素子61の配列方向が一致するようにしてあるため、導光板73の長辺方向への光量を多くとることができる。すなわち、光源6の長辺方向に対し垂直な方向が導光板73の長辺方向となるので、複数のLED素子61から導光板73の長辺方向へ放射される光量が多くとれるとともに、導光板73の長辺方向のケース側壁部991の方向へ放射され、反射される光も光源6の短辺方向を通り導光板73側へ反射されやすい。なお、用途によっては導光板73の長辺側に導光板73の長辺方向とLED素子61の配列方向が一致するようにしてもよい。さらに導光板73と長辺と短辺両面に光源6を配置したものであってもよい。
【0134】
このように、導光板73は、光源6の点状の光を所定の方向に導き、光を拡散させることで面状の光とすると共に、光源6の発光により発生する熱を搭載基板8が導光方向に沿った面方向へ広く拡散し、さらに搭載基板8から吸熱して外部に放熱させる。従って、光源6と導光板73とを近接させて配置することにより、光源6の光を効率的に入射させることができる。
【0135】
なお、フレキシブル基板を搭載基板8としていることで、導光板73は平面ではなく、例えば光源の配列方向と平行な軸方向となる柱状の曲面の一部形状となるものとしてもよい。この場合、例えば円柱状の柱の表面に取り付ける薄型の発光装置とすることができる。そして、搭載基板8から導光板73への伝熱もできる。
【0136】
[第2の実施の形態の変形例2]
図15は、第2の実施の形態の第2の変形例に係る発光装置12を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるG−G断面図、(c)は(a)のH部拡大図である。
【0137】
この発光装置12は、ケース92と、ケース92に収容された単一の四角形状の導光板74と、導光板74の四隅に形成された4つの凹部740にそれぞれ収容された4つの光源6と、これらの光源6が搭載された搭載基板8とを有する。光源6は、平面視において正方形状に形成された他は、図12を参照して説明したものと同様に構成されている。
【0138】
ケース92は、底部920と、底部920に垂直な方向に延びるように形成された側壁部921とを有する。
【0139】
導光板74は、平面視において長方形状に形成され、導光板7の四隅には、切り欠き形成された4つの凹部740が設けられている。この凹部740は、導光板74を厚さ方向に貫通し、その内部に光源6を収容している。導光板74の端面74aは、ケース92の側壁部921に対向している。
【0140】
また、導光板74は、図15(b)に示すように、ケース92の底部920側の面が、搭載基板8に対向して光源6の熱を吸熱する吸熱面74bとして、また吸熱面74bとは反対側の面が、凹部740の内面から入射した光源6の光を外部に放射する放射面74cとして、それぞれ形成されている。放射面74cは、吸熱面73bから伝導した光源6の熱を外部に放熱する放熱面としても機能する。
【0141】
図15(c)は、搭載基板8の絶縁層の上に形成された放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の形状を示している。この図では、搭載基板8の最表面に形成された白色レジスト層83に覆われた部分の放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82を破線で、放熱用導体パターン81及び配線用導体パターン82の白色レジスト層83から露出した部分を実線で示し、搭載基板8の上方に配置される光源6、及び導光板74の外形を二点鎖線で示している。
【0142】
放熱用導体パターン81は、光源6の放熱パターン66(図12参照)に接合される白色レジスト層83から露出した領域を含む接合部81aと、接合部81aから導光板74側に向かって延出して設けられた延出部81bを有している。
【0143】
放熱用導体パターン81の接合部81aは、配線用導体パターン82の2つの露出部の間を結ぶ方向(図15(c)の左右方向)における接合部81aの露出部の幅と同等の幅を有して、放熱パターン66との接合部から延出部81bに至るように形成されている。
【0144】
延出部81bは、平面視において長方形状であり、その一部が白色レジスト層83を介して導光板74の吸熱面74bに面している。導光板74の吸熱面74bは、延出部81bの上方における白色レジスト層83の表面に接している。
【0145】
凹部740の内面は、互いに直交する端面73aに対してそれぞれ平行な側面740a,740aから構成される。凹部740の内面は、光源6の光が導光板74の内部に入射する入射面である。また、凹部740の側面740a,740aに向かい合う側壁部921の内面921aは、光源6の光を凹部740の内面に反射する反射面として機能する。
【0146】
凹部740は切り欠きがなく長方形形状だった場合の導光板74の範囲内に光源6が収まる寸法で形成されている。そして、光源6の中心軸まわりの360°は光学面に囲まれ、半分が導光板74の入射面、残りの半分が側壁部921の反射面である内面921aとされ、光学的効率の良いものとされる。
【0147】
上記構成によれば、搭載基板8に貫通穴を設けるなどの構造の複雑化を抑制した構造でありながら、搭載基板8の放熱用導体パターン81を光源の放熱パターンの数倍あるいは10倍以上の面積とすることで、光源6への通電によって発生する熱が、光源6の放熱パターン66、放熱用導体パターン81の接合部81a、放熱用導体パターン81の延出部81bによって広い面積に拡散される。
【0148】
そして、広い面積に熱が拡散されているため絶縁層80の熱抵抗の影響を数分の1あるいは10分の1として、導光板74へ熱を伝えることができる。なお、放熱用導体パターン81は導光板74が取り付けられる部位まで広がっているため、絶縁層80を介して、導光板74の吸熱面74bから導光板74に伝導し、さらに導光板74を厚さ方向に伝導して放射面74cから外部に放熱される。また、導光板74は、凹部740の内面から光源6の光を入射して放射面73cから面状に放射する。
【0149】
すなわち、導光板74は、光源6の点状の光を所定の方向に導き、光を拡散させることで面状の光とすると共に、光源6の発光により発生する熱を搭載基板8が導光方向に沿った面方向へ広く拡散し、さらに搭載基板8から吸熱して外部に放熱させる。従って、光源6と導光板74とを近接させて配置することにより、光源6の光を効率的に入射させることができる。
【0150】
[他の実施の形態]
以上、本発明の発光装置を上記各実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態又はその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、各実施の形態又はその変形例の各構成要素を相互に組み合わせることも可能である。
【0151】
例えば、図11に示した実施の形態において、第1及び第2の導光板71,72の吸熱面71b,72bに円形状の複数の反射面を形成し、第1及び第2の導光板71,72内の光がこれら反射面で反射して、放射面71c,72cから取り出されるようにしてもよい。この場合、反射面の面積は、端面71a,71bから遠ざかるほど、大きくなるようにするとよい。このように構成することにより、放射面71c,72cにおける放射光の分布を均一化することができる。なお、この反射面は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、レーザー加工、金型を利用した熱転写等により形成することができる。特に、インクジェット印刷、レーザー加工等の場合、スクリーン印刷等で用いる版が不要となり、例えば、実際に製造された発光装置の発光特性に応じて反射面の加工を行うことができる。さらに、インクジェット印刷の場合、ノズルを第1及び第2の導光板71,72上に全面的に配置することにより、広範囲の加工を同時に行うことができ、作業性に優れるという利点がある。
【符号の説明】
【0152】
1…発光装置、2…枠体、2a…開口部、2b…ねじ穴、3…放熱フィン、4a…空間、5…搭載基板、5A…基板本体、5a…搭載面、6…光源、7…導光板、8…搭載基板、8A…基板本体、10,11,12…発光装置、21…ねじ、22…ロットレンズ、30a…凹部、30b…ねじ孔、30b…平面、31…上部、31a…ねじ孔、32…フィン部、41…第1の放熱反射部材、42…第2の放熱反射部材、41a,42a…ねじ孔、50…絶縁層、51…放熱用導体パターン、51a…中央部、51b,51c…延出部、52…配線用導体パターン、53…レジスト層、55…導体パターン、55a…通電部、55b,55c…延出部、61…LED素子、62…無機材料基板、62a…実装面、62b…非実装面、63…回路パターン、63a…上面パターン、63b…電極パターン、63c…ビアパターン、63d…側面パターン、64…ガラス封止部、64a…側面、64b…上面、65…バンプ、66…放熱パターン、70…穴部、70a…底面、70b…側面、70c…円弧面、71…第1の導光板、72…第2の導光板、71a,72a…端面、71b,72b…吸熱面、71c,72c…放射面、73…導光板、73a…端面、73b…吸熱面、73c…放射面、74…導光板、74a…端面、74b…吸熱面、74c…放射面、80…絶縁層、81…放熱用導体パターン、81a…中央部、81a…接合部、81b,81c…延出部、82…配線用導体パターン、83…白色レジスト層、90,91,92…ケース、410,420…本体部、410a,420a…端面、410b,420b…吸熱面、410c,420c…放熱面、411,421…反射部、411a,421a…反射面、641…蛍光体、710,720,730,740…凹部、730a…底面、730b…側面、730c…円弧面、740a…側面、900,910,920…底部、901,911,921…側壁部、921a…内面、902…凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機材料基板、前記無機材料基板の実装面側に実装された発光素子、及び前記無機材料基板の前記実装面とは反対側の非実装面に形成されたメタライズパターンを有する光源と、
前記光源が搭載されるとともに、前記光源が搭載された搭載面に前記メタライズパターンと接合された導体パターンを有する搭載基板と、
前記搭載基板の前記搭載面側に配置され、前記光源の光を所定の方向に導く光学部材とを備え、
前記光学部材は、前記搭載基板の前記導体パターンに少なくとも一部が面する吸熱面と、前記吸熱面を介して前記導体パターンから伝導した前記光源の熱を放熱する放熱面とを有する発光装置。
【請求項2】
前記メタライズパターンは、前記実装面における前記発光素子が実装された実装領域に対応する前記非実装面側の領域の少なくとも一部を含むように形成された請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記メタライズパターンは、前記無機材料基板に形成された前記発光素子に電源を供給するための一対の電極の間に形成され、前記一対の電極から絶縁されている請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記導体パターンは、前記一対の電極を結ぶ方向における前記メタライズパターンの幅に対応した幅を有して前記メタライズパターンとの接合部から前記光学部材の前記吸熱面との対向位置に至る請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記メタライズパターンは、前記無機材料基板に形成された前記発光素子に電源を供給するための電極である請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項6】
前記光学部材は、前記光源に対向する面が前記光源の光を反射する反射面として形成されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記光学部材は、金属材料からなる本体部と、前記本体部の前記光源側に設けられた白色の樹脂材料からなる反射部とを有し、前記反射部の前記光源側の表面が前記反射面である請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記光学部材は、板状の透光性部材からなり、その端面から入射した前記光源の光を導いて他の面から放射する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項1】
無機材料基板、前記無機材料基板の実装面側に実装された発光素子、及び前記無機材料基板の前記実装面とは反対側の非実装面に形成されたメタライズパターンを有する光源と、
前記光源が搭載されるとともに、前記光源が搭載された搭載面に前記メタライズパターンと接合された導体パターンを有する搭載基板と、
前記搭載基板の前記搭載面側に配置され、前記光源の光を所定の方向に導く光学部材とを備え、
前記光学部材は、前記搭載基板の前記導体パターンに少なくとも一部が面する吸熱面と、前記吸熱面を介して前記導体パターンから伝導した前記光源の熱を放熱する放熱面とを有する発光装置。
【請求項2】
前記メタライズパターンは、前記実装面における前記発光素子が実装された実装領域に対応する前記非実装面側の領域の少なくとも一部を含むように形成された請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記メタライズパターンは、前記無機材料基板に形成された前記発光素子に電源を供給するための一対の電極の間に形成され、前記一対の電極から絶縁されている請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記導体パターンは、前記一対の電極を結ぶ方向における前記メタライズパターンの幅に対応した幅を有して前記メタライズパターンとの接合部から前記光学部材の前記吸熱面との対向位置に至る請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記メタライズパターンは、前記無機材料基板に形成された前記発光素子に電源を供給するための電極である請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項6】
前記光学部材は、前記光源に対向する面が前記光源の光を反射する反射面として形成されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記光学部材は、金属材料からなる本体部と、前記本体部の前記光源側に設けられた白色の樹脂材料からなる反射部とを有し、前記反射部の前記光源側の表面が前記反射面である請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記光学部材は、板状の透光性部材からなり、その端面から入射した前記光源の光を導いて他の面から放射する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【公開番号】特開2012−212733(P2012−212733A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76722(P2011−76722)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
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