説明

発光装置

【課題】発光装置の輝度ムラおよび発光装置間の輝度分布の差を抑制することができる発光装置を提供する。
【解決手段】
発光装置100は、基板1の実装領域1a上に複数の発光素子2が複数の行方向および列方向に配置されており、複数の発光素子2が、第1発光素子21と、当該第1発光素子21よりも低出力である第2発光素子22と、からなり、実装領域1a上には、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、行方向または列方向に、同数交互に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED電球、スポットライト等の照明器具等に利用可能な発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板上に複数の発光素子を配置した発光装置が種々開発されているが、このような発光装置で用いられる発光素子は、ウェハ(製造ロット)や使用する製造装置ごとに色(波長)、光出力(出力)等の特性にばらつきが発生する傾向にある。そのため、通常、発光素子は色や出力等によって予め複数のランクに分類され、同一の発光装置には同一ラ
ンクの発光素子を用いることで、発光素子の特性の均一化を図っている。
【0003】
しかし、特定のランクのみを使用するということは、製造した発光素子の一部のみを使用するということであり、発光素子の歩留まり低下に繋がる。特に、コストにおける発光素子の占める割合が大きい複数の発光素子を用いた発光装置においては、用いる発光素子を特定のランクのみに限定すると、発光素子の歩留まりが低下し、コストが増大する。そのため、従来から以下のような技術が提案されている。
【0004】
例えば特許文献1では、同一変調されるLEDの組を複数有する表示装置であって、当該LEDの組が、LEDの最大光度とLEDの最小光度との間の領域で形成される発光光度分布の中心に対して、略対称な光度を有するLEDを組み合わせることで構成された表示装置が提案されている。
【0005】
また、特許文献2では、複数のLEDチップを基板上に格子状に実装するLEDチップの実装方法であって、製造ロットが同じLEDチップが隣り合わないように分散配置させる実装方法が提案されている。
【0006】
また、特許文献3では、複数の発光素子が配列形成されたウェハをブロックごとに分割し、当該ブロック内の複数の発光素子の波長や輝度等の特性平均を測定し、中継基板の面内において特性平均の分布が均一化するように、当該中継基板に各ブロックを再配列して移載する表示装置の製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−047606号公報(図1、図2参照)
【特許文献2】特開2008−078365号公報(図9、図10参照)
【特許文献3】特開2010−087064号公報(図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、発光装置に用いられる発光素子は、前記した色、出力等の特性以外にも、ウェハごとに順方向電圧(以下、Vという)にばらつきが発生する場合がある。ここで、Vとは、発光素子(発光ダイオード)に対して順方向に電流を流すために必要な電圧、すなわち発光素子が発光するために必要な電圧である。通常、Vが低い発光素子は電流が流れやすく、Vが高い発光素子は電流が流れにくい。複数の発光素子が配置された発光装置においては、発光装置の一対の電極によって複数の発光素子に電流を流すため、全ての発光素子に均等な電流を流そうとしても、発光素子のVのばらつきによって流れる電流が偏る場合がある。従って、前記した特許文献1〜3で提案された技術においては、発光素子の接続方法やVのばらつきによって光出力が変化し、発光装置に輝度ムラ(発光ムラ)が生じるとともに、複数の発光装置間における輝度分布(出力分布)に差が生じる場合があった。
【0009】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の発光素子が直列接続された場合に発光素子に流れる電流が平均化されることに着目し、発光装置の輝度ムラおよび発光装置間の輝度分布の差を抑制することができる発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために本発明に係る発光装置は、基板の実装領域上に複数の発光素子が複数の行方向および列方向に配置された発光装置であって、前記複数の発光素子が、第1発光素子と、当該第1発光素子よりも低出力である第2発光素子と、からなり、前記実装領域上には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、前記行方向または前記列方向に、同数交互に配置されている構成とする。
【0011】
このような構成によれば、発光装置は、出力の異なる複数種類の発光素子が予め行方向または列方向に同数交互に配置されているため、実装領域上の複数の発光素子の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。
【0012】
また、本発明に係る発光装置は、前記実装領域上には、前記第1発光素子または前記第2発光素子の向きが、1行ごとに交互に反転されて配置され、かつ、それぞれの行内に配置された前記複数の発光素子が互いに直列接続されることで、行ごとに直列素子群が形成され、前記行ごとに形成された前記直列素子群が、互いに直列接続されている構成とすることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、発光装置は、複数の発光素子を全て同じ向きで配置する場合と比較して、各行の直列素子群の先端または後端に位置する発光素子をそれぞれ近接して配置することができるため、各行の直列素子群同士を容易に直列接続することができるとともに、所望の個数の発光素子を直列接続することができる。
【0014】
また、本発明に係る発光装置は、前記実装領域上には、前記第1発光素子または前記第2発光素子の向きが、複数行ごとに交互に反転されて配置され、かつ、それぞれの行内に配置された前記複数の発光素子が互いに直列接続されることで、行ごとに直列素子群が形成され、前記行ごとに形成された前記直列素子群が、互いに並列接続されている構成とすることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、発光装置は、種々の出力の発光素子が直列接続のみならず並列接続されているため、発光素子に流れる電流がより平均化しやすくなり、実装領域上の複数の発光素子の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗がより集中しにくくなる。
【0016】
また、本発明に係る発光装置は、それぞれの行内には、前記第1発光素子と前記第2発光素子のいずれか一方のみが配置され、前記列方向には、前記第1発光素子のみが配置された行と、前記第2発光素子のみが配置された行とが、1行ごとに交互に配置されている構成とすることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、発光装置は、実装領域上において、それぞれの第1発光素子の向きが全て同じ方向に揃うとともに、それぞれの第2発光素子の向きが全て同じ方向に揃うことになる。従って、発光装置は、その製造工程中における発光素子配置工程において、第1発光素子で構成された行と第2発光素子で構成された行とをそれぞれ1回ずつダイボンド、すなわち合計2回ダイボンドすることで実装領域上に全ての発光素子を配置することができるため、発光素子の実装に要する時間を短縮することができる。
【0018】
また、本発明に係る発光装置は、それぞれの行内には、前記第1発光素子と前記第2発光素子のいずれか一方のみが配置され、前記列方向には、前記第1発光素子のみが配置された行と、前記第2発光素子のみが配置された行とが、複数行ごとに交互に配置されている構成とすることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、発光装置は、第1発光素子のみからなる行と、第2発光素子のみからなる行とが、複数行(例えば2行ずつ)ごとに交互に配置されているため、実装領域上の複数の発光素子の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。
【0020】
また、本発明に係る発光装置は、前記実装領域上における前記列方向の中央には、前記第1発光素子のみが配置された行が、前記列方向に複数行連続して配置されている構成とすることが好ましい。
【0021】
このような構成によれば、発光装置は、実装領域の中央に高出力の発光素子(第1発光素子)を配置することで、実装領域の中央の温度が上昇することに伴う中央の光出力の低下を補い、全体として輝度ムラを発生しにくくすることができる。
【0022】
また、本発明に係る発光装置は、それぞれの行内には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、同数交互に配置され、前記列方向には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、1行ごとに交互に配置されている構成とすることが好ましい。
【0023】
このような構成によれば、発光装置は、行方向に、複数の第1発光素子と複数の第2発光素子とが同数交互に配置されるとともに、列方向に、第1発光素子と第2発光素子とが1行ごとに交互に配置されているため、実装領域上の複数の発光素子の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。
【0024】
また、本発明に係る発光装置は、それぞれの行内には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、同数交互に配置され、前記列方向には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、複数行ごとに交互に配置されている構成とすることが好ましい。
【0025】
このような構成によれば、発光装置は、行方向に、複数の第1発光素子と複数の第2発光素子とが同数交互に配置されるとともに、列方向に、第1発光素子と第2発光素子とが複数行(例えば2行)ごとに交互に配置されているため、実装領域上の複数の発光素子の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。
【0026】
また、本発明に係る発光装置は、前記実装領域上における前記列方向の中央には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが同数交互に配置された行が、前記列方向に複数行連続して配置され、当該列方向に複数行連続して配置された行には、前記第1発光素子が前記第2発光素子よりも多く配置されている構成とすることが好ましい。
【0027】
このような構成によれば、発光装置は、実装領域の中央に高出力の発光素子(第1発光素子)を多く配置することで、実装領域の中央の温度が上昇することに伴う中央の光出力の低下を補い、全体として輝度ムラを発生しにくくすることができる。
【0028】
また、本発明に係る発光装置は、前記実装領域上には、前記第1発光素子または前記第2発光素子が、1行ごとに前記行方向に交互にずらして配置されている構成とすることが好ましい。
【0029】
このような構成によれば、発光装置は、複数の発光素子を行方向および列方向に配置した場合において、当該複数の発光素子の中にVの異なる発光素子が含まれていたとしても、種々の出力の発光素子を行方向および列方向により広範囲に分散させることができるため、輝度の偏りをより軽減することができる。
【0030】
そして、前記課題を解決するために本発明に係る発光装置は、基板の実装領域上に複数の発光素子が複数の行方向および列方向に配置された発光装置であって、前記実装領域上には、前記第1発光素子または前記第2発光素子の向きが、1行ごとに交互に反転されて配置され、かつ、それぞれの行内に配置された前記複数の発光素子が、所定個ごとに互いに直列接続されることで、行ごとに複数の第1直列素子群が形成され、前記行ごとに形成された前記複数の第1直列素子群が、前記列方向に隣接する他の第1直列素子群と互いに直列接続されることで、第2直列素子群を構成し、前記第2直列素子群が、互いに並列接続され、前記複数の発光素子が、第1発光素子と、当該第1発光素子よりも低出力である第2発光素子と、からなり、前記実装領域上には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、前記行方向または前記列方向に、同数交互に配置されている構成とした。
【0031】
このような構成によれば、発光装置は、複数の発光素子を行方向および列方向に配置した場合において、当該複数の発光素子の中にVの異なる発光素子が含まれていたとしても、種々の出力の発光素子を行方向および列方向により広範囲に分散させることができるため、輝度の偏りをより軽減することができる。
【0032】
また、本発明に係る発光装置は、前記実装領域上に配置される前記第1発光素子と前記第2発光素子の数が、それぞれ同数である構成とすることが好ましい。
【0033】
このような構成によれば、発光装置は、出力の異なる2種類の発光素子が実装領域上に同数でバランスよく配置されているため、出力の異なる発光素子をより均一に分散させることができ、発光装置の輝度ムラを小さくできる。
【0034】
また、本発明に係る発光装置は、前記実装領域上に前記複数の発光素子が配置された前記基板と、前記基板上に形成され、前記複数の発光素子に電圧を印加する正極および負極と、前記複数の発光素子の周囲を囲うように前記基板上に形成された光反射樹脂と、を備える構成とすることが好ましい。
【0035】
このような構成によれば、発光装置は、複数の発光素子から出射された光を光反射樹脂によって反射することができるため、光の取り出し効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る発光装置によれば、出力の異なる発光素子を直列接続および並列接続で用いて、発光装置の輝度ムラを小さくでき、また、発光装置間の輝度分布の差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る発光装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法における発光素子配置工程を説明するための概略図であって、(a)は、第1段階を示す図、(b)は、第2段階を示す図、である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図10】本発明の第7実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図11】本発明の第8実施形態に係る発光装置の全体構成を示す正面図である。
【図12】本発明の第9実施形態に係る発光装置の全体構成を示す正面図である。
【図13】本発明の第10実施形態を示す概略図であり、(a)は、発光装置の全体構成を示す正面図であり、(b)は、(a)の符号Dを拡大した図である。
【図14】本発明の第11実施形態に係る発光装置の全体構成を示す正面図である。
【図15】本発明の第11実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図16】本発明の第12実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図17】本発明の第13実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図18】本発明の第14実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図19】本発明の第15実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図20】本発明の第16実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【図21】本発明の第17実施形態に係る発光装置における第1発光素子と第2発光素子の配置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材のサイズや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0039】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る発光装置100について、図1〜図3を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、まず発光装置100の全体構成について説明した後に、各構成について説明する。なお、説明の便宜上、図2における光反射樹脂6は、輪郭線のみを示している。また、同様に、図2における発光素子2を平面視した場合の構成は、当該発光素子2の向きを示すために、実装領域1a上における両端に配置されたものだけを具体的に図示し、その他の箇所では図示を省略している。
【0040】
<全体構成>
発光装置100は、例えば、LED電球、スポットライト等の照明器具等に利用できる装置である。発光装置100は、図1および図2に示すように、基板1と、基板1の実装領域1a上に複数配置された発光素子2と、基板1上に形成された正極3および負極4と、正極3に配置された保護素子5と、発光素子2や保護素子5等の電子部品と、正極3や負極4等とを電気的に接続するワイヤWと、基板1上に形成された光反射樹脂6と、光反射樹脂6内に充填された封止部材7と、を備えている。
【0041】
<基板>
基板1は、発光素子2や保護素子5等の電子部品を配置するためのものである。基板1は、図1および図2に示すように、矩形平板状に形成されている。また、基板1上には、図2に示すように複数の発光素子2を配置するための実装領域1aが区画されている。また、基板1上には、図1および図2に示すように、パッド部3aが正極3であることを示すアノードマークAMと、発光素子2のボンディング位置を認識するための認識マークMと、発光装置100の温度計測ポイントPが形成されている。これらは、いずれもめっき等によって形成された金属膜から構成される。なお、基板1のサイズや形状は特に限定されず、発光素子2の数や配列間隔等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0042】
<実装領域>
実装領域1aは、複数の発光素子2を配置するための領域である。実装領域1aは、図2に示すように、基板1の中央の領域に区画されている。実装領域1aの周囲には、図2を平面視した場合において、実装領域1aの上側および右側の辺に沿って正極3の配線部3bが形成され、実装領域1aの左側の辺に沿って負極4の配線部4bが形成されている。すなわち、実装領域1aは、図2に示すように、少なくとも3辺が配線部3b,4bによって囲まれている。なお、ここでの実装領域1aの周囲とは、図2に示すように、実装領域1aの周縁と所定の間隔を置いた周囲のことを意味している。
【0043】
実装領域1aは、複数の発光素子2を配置するために基板1上に区画した領域、すなわち基板1と同じ材料で構成された領域としてもよいが、例えば、実装領域1a上に光を反射する金属膜を形成し、当該金属膜を介して複数の発光素子2を配置することが好ましい(図示省略)。このように実装領域1a上に金属膜を形成してその上に複数の発光素子2を配置することで、基板1の実装領域1a側に向かう光も当該金属膜によって反射することができる。そのため、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0044】
実装領域1a上に形成する金属膜の材料としては、例えば、Ag(銀)またはAu(金)を用いることが好ましく、特にAgを用いることが好ましい。Auは光を吸収しやすい特性を備えているが、例えばAuめっきの表面にTiO膜をさらに形成することで、光反射率を高めることができる。また、AgはAuよりも光反射率が高いため、Au単独でめっきを行うよりも、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。なお、実装領域1a上に形成する金属膜の厚さは特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0045】
<発光素子>
発光素子2は、電圧を印加することで自発光する半導体素子である。発光素子2は、図2に示すように、基板1の実装領域1a上に複数配置され、当該複数の発光素子2が一体となって発光装置100の発光部20を構成している。なお、この発光部20とは、発光装置100において、発光素子2が載置されて発光する領域のことを示している。
【0046】
発光素子2としては、具体的には同一系統の色を発光する発光ダイオードを用いるのが好ましく、用途に応じて任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色(波長430nm〜490nmの光)、緑色(波長490nm〜570nmの光)の発光素子2としては、窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いることができる。また、同一系統の色を発光する複数の発光素子2は、その波長の差を20nm以下とすることが好ましく、15nm以下や、10nm以下とすることがさらに好ましい。そして、発光素子2としては、例えば波長が450nm〜465nmの範囲のものを用いることができ、450nm〜457.5nmの範囲のものや、457.5nm〜460nmの範囲のものを用いることがさらに好ましい。
【0047】
発光素子2は、図2に示すように、平面視において矩形状に形成されている。また、発光素子2は、ここでは図2に示すように、その上面の一側にp電極2aが、他側にn電極2bが設けられたフェースアップ(FU)素子からなる。なお、発光素子2の成分組成や発光色、サイズ等は上記に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。また、発光素子2として、フリップチップ実装されるフェースダウン構造の発光素子や、対向電極構造の発光素子を用いることもできる。
【0048】
発光素子2は、図2に示すように、基板1の実装領域1a上において、行方向(横方向)および列方向(縦方向)にそれぞれ等間隔で配列されており、ここでは14行×10列(縦14個×横10個)の合計140個配置されている。なお、行方向とは、図2に示すように発光装置100を平面視した場合において、発光素子2のp電極2aまたはn電極2bが向く左右方向(横方向)を意味しており、列方向とは、行方向と直交する上下方向(縦方向)を意味している。
【0049】
実装領域1a上に配置される複数の発光素子2は、所定の出力を有する第1発光素子21と、当該第1発光素子21よりも低出力である第2発光素子22と、から構成されている(図3参照)。第1発光素子21と第2発光素子22は、発光装置100の輝度ムラを低減するために、その構造や形状が実質的に同一であることが好ましく、具体的には同一の材料を用いて同一の製造工程で製造された発光素子であることが好ましい。
【0050】
なお、第1発光素子21と第2発光素子22は、発光装置100に実装される複数の発光素子2の出力の平均値を基準として、高出力の第1発光素子21と低出力の第2発光素子22とに分類されていることが好ましい。具体的には、後記するように、発光素子2の出力の平均値を「1」としたときに、第1発光素子21としては、その出力が「1〜1.2」の範囲のものを用いることが好ましく、第2発光素子22としては、その出力が「0.8〜1」の範囲のものを用いることが好ましい。
【0051】
また、第1発光素子21と第2発光素子22との出力の差は、第1発光素子21の出力と第2発光素子22の出力との平均値を「1」としたときに、「0.02以上」であることが好ましく、「0.05以上」であることがさらに好ましく、「0.1以上」であることが最も好ましい。また、発光装置100全体の発光の均一化のためには、第1発光素子21と第2発光素子22との出力の差は、「0.4以下」であることが好ましく、「0.3以下」であることがさらに好ましく、「0.2以下」であることが最も好ましい。また特に、第1発光素子21と第2発光素子22との出力の差が「0.02〜0.3」の範囲のものを用いることが好ましい。なお、このような出力の測定や分類は、発光素子2の実装前に行われることが好ましく、例えば直列接続および並列接続をしていない状態で各発光素子2に一定の電流を流すことによって測定することができる。
【0052】
≪発光素子の接続状態≫
以下、図2を参照しながら、実装領域1a上に配置される複数の発光素子2のそれぞれの接続状態について説明する。なお、以下の接続状態の説明では、前記した第1発光素子21と第2発光素子22とをそれぞれ区別せず、一括して「発光素子2」と表記して説明する。
【0053】
複数の発光素子2は、図2の符号Aに示すように、実装領域1a上において、それぞれの行内に配置された10個の発光素子2が互いに直列接続され、各行ごとに10直列からなる直列素子群を形成している。なお、ここでの直列接続とは、図2に示すように、行方向に隣り合う発光素子2間のp電極2aとn電極2bとがワイヤWによって電気的に接続された状態を意味している。
【0054】
そして、このように行ごとに形成された直列素子群は、図2に示すように、互いの先端または後端に位置する発光素子2同士が直列接続されることで、群ごとに直列接続される。例えば、1行目と2行目の直列素子群は、図2に示すように、1行目の直列素子群の最も先端(左端)に配置された発光素子2と、2行目の直列素子群の最も後端(左端)に配置された発光素子2と、が直列接続されることで、互いに直列に接続される。また同様に、2行目〜7行目の直列素子群は、2行目の先端が3行目の後端と接続され、3行目の先端が4行目の後端と接続され、4行目の先端が5行目の後端と接続され、5行目の先端が6行目の後端と接続され、6行目の先端が7行目の後端と接続されることで、互いに直列に接続される。このように発光装置100では、図2に示すように、正極3と負極4との間において、実装領域1aの上半分に配置された7行分の直列素子群が互いに直列接続されると同時に、実装領域1aの上半分に配置された合計70個の発光素子2が互いに直列接続される。なお、前記した直列素子群の先端とは、当該直列素子群の電流経路のうち、最も下流側に配置された発光素子2のことを意味しており、直列素子群の後端とは、当該直列素子群の電流経路のうち、最も上流側に配置された発光素子2のことを意味している。
【0055】
また、実装領域1aの下半分に配置された発光素子2についても同様である。すなわち、14行目と13行目の直列素子群は、図2に示すように、14行目の直列素子群の最も先端(左端)に配置された発光素子2と、13行目の直列素子群の最も後端(左端)に配置された発光素子2と、が直列接続されることで、互いに直列に接続される。また同様に、13行目〜8行目の直列素子群は、13行目の先端が12行目の後端と接続され、12行目の先端が11行目の後端と接続され、11行目の先端が10行目の後端と接続され、10行目の先端が9行目の後端と接続され、9行目の先端が8行目の後端と接続されることで、互いに直列に接続される。このように発光装置100では、図2に示すように、正極3と負極4との間において、実装領域1aの下半分に配置された7行分の直列素子群が互いに直列接続されると同時に、実装領域1aの下半分に配置された合計70個の発光素子2が互いに直列接続される。
【0056】
そして、実装領域1aの上半分で直列接続された合計70個の発光素子2と、実装領域1aの下半分で直列接続された合計70個の発光素子2とは、図2に示すように、正極3と負極4との間において、互いに並列に接続されている。従って、発光装置100では、図2に示すように、合計140個の発光素子2が70直列2並列で接続されていることになる。
【0057】
ここで、複数の発光素子2は、図2に示すように、1行ごとに交互に向きが180度反転されて配置される。すなわち、複数の発光素子2は、図2に示すように、実装領域1aの上半分および下半分のそれぞれの領域において、1行ごとにp電極2a(またはn電極2b)の向きが反対となるように配置される。例えば、実装領域1aの上半分の領域では、図2に示すように、1行目、3行目、5行目および7行目に配置される発光素子2は、p電極2aが右側(正極3の一方の配線部3b側)を向くように配置され、2行目、4行目および6行目に配置される発光素子2は、p電極2aが左側(負極4の配線部4b側)を向くように配置される。また、実装領域1aの下半分の領域では、図2に示すように、8行目、10行目、12行目および14行目に配置される発光素子2は、p電極2aが右側(正極3の一方の配線部3b側)を向くように配置され、9行目、11行目および13行目に配置される発光素子2は、p電極2aが左側(負極4の配線部4b側)を向くように配置される。これにより、発光装置100は、複数の発光素子2を全て同じ向きで配置する場合と比較して、図2に示すように、各行の直列素子群の先端または後端に位置する発光素子2をそれぞれ近接して配置することができる。従って、発光装置100によれば、各行の直列素子群同士を容易に直列接続することができるとともに、所望の個数の発光素子2を直列接続することができ、様々な電源に対応可能な発光装置100を構成することができる。
【0058】
≪第1発光素子および第2発光素子の配置≫
以下、実装領域1a上における第1発光素子21および第2発光素子22の具体的な配置について、図3を参照しながら説明する。なお、ここでは説明の便宜上、図3に示すように、発光素子2が行方向および列方向にそれぞれ等間隔で配列されており、10行×6列(縦10個×横6個)の合計60個配置されている場合を例にとって説明する。また、図3において文字が上下逆に記載された発光素子2は、向きが上下逆であることを示している。
【0059】
ここで、前記したように、実装領域1a上に全て同じ出力の発光素子2を複数配置した場合、当該複数の発光素子2の中に他の発光素子2よりもVの低い発光素子2(以下、低V素子という)や、Vの高い発光素子2(以下、高V素子という)が含まれると、低V素子には電流が流れやすくなり、高V素子には電流が流れにくくなる。従って、出力が同じ発光素子2を用いると、Vのばらつきによって低V素子や高V素子が含まれる部分に明暗が現れ、発光装置100に輝度ムラが生じる場合がある。
【0060】
そのため、発光装置100は、予め出力の異なる2種類の発光素子2である第1発光素子21と第2発光素子22とが用意され、図3に示すように、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、行方向または列方向に同数交互に配置されている。すなわち、発光装置100は、図3に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22のそれぞれが、行方向に同数連続して配置され、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、列方向に交互に配置されている。このような構成によれば、発光装置100は、出力の異なる複数種類の発光素子2が予め行方向または列方向に同数交互に配置されているため、実装領域1a上の複数の発光素子2の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。
【0061】
発光装置100は、図3に示すように、それぞれの行内に、第1発光素子21または第2発光素子22のいずれか一方のみが配置されている。すなわち、発光装置100の各行は、図3に示すように、行方向に第1発光素子21のみが6個連続して配置された行と、行方向に第2発光素子22のみが6個連続して配置された行と、から構成されている。また、発光装置100は、図3に示すように、列方向において、第1発光素子21のみが配置された行と、第2発光素子22のみが配置された行とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置100は、図3に示すように、実装領域1aの上半分および下半分のそれぞれの領域において、列方向に「高・低・高・低・高」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。そして、発光装置100は、図3に示すように、第1発光素子21または第2発光素子22が、一行ごとに交互に向きが反転されて配置されている。これにより、発光装置100は、図3に示すように、実装領域1a上において、それぞれの第1発光素子21の向きが全て同じ方向に揃うとともに、それぞれの第2発光素子22の向きが全て同じ方向に揃うことになる。従って、発光装置100は、その製造工程中における発光素子配置工程において(図4参照)、第1発光素子21で構成された行と第2発光素子22で構成された行とをそれぞれ1回ずつダイボンド、すなわち合計2回ダイボンドすることで実装領域1a上に全ての発光素子2を配置することができるため、発光素子2の実装に要する時間を短縮することができる。
【0062】
ここで、発光装置100を発光させた場合、中央の温度が高くなる。一方、発光素子2の光出力には温度依存性があるため、温度の高い中央部分に配置された発光素子2の光出力が低下し、輝度ムラが発生することがある。従って、発光装置100は、図3に示すように、実装領域1a上における列方向の中央に、第1発光素子21のみが配置された行が、当該列方向に複数行連続して配置されている。すなわち、発光装置100は、図3に示すように、列方向に配置された10行の発光素子2のうち、中央の2行の行内に全て第1発光素子21が配置されている。これにより、発光装置100は、図3に示すように、実装領域1aの中央に高出力の発光素子2(第1発光素子21)を配置することで、中央の光出力の低下を補い、全体として輝度ムラを発生しにくくすることができる。以下、発光装置100の残りの構成について説明する。
【0063】
<正極および負極>
正極3および負極4は、基板1上の複数の発光素子2や保護素子5等の電子部品と、図示しない外部電源とを電気的に接続し、これらの電子部品に対して外部電源からの電圧を印加するためのものである。すなわち、正極3および負極4は、外部から通電させるための電極、またはその一部としての役割を担うものである。
【0064】
正極3および負極4は、図2に示すように、基板1上の金属部材で構成されている。正極3および負極4は、図2に示すように略矩形状のパッド部(給電部)3a,4aと、線状の配線部3b,4bと、を有しており、パッド部3a,4aに印加された電圧が配線部3b,4bを介して複数の発光素子2からなる発光部20へと印加されるように構成されている。正極3および負極4を構成する金属部材の素材は、Auを用いることが好ましい。これは、後記するように、ワイヤWの材料として熱伝導性が向上したAuを用いた場合に、同素材であるワイヤWを強固に接合することができるためである。
【0065】
パッド部3a,4aは、外部電源からの電圧が印加されるためのものである。パッド部3a,4aは、図2に示すように、基板1上の角部における対角線の位置に、一対で形成されている。そして、パッド部3a,4aは、図示しない外部電源と電気的に接続されている。
【0066】
配線部3b,4bは、外部電源からパッド部3a,4aに印加された電圧を、実装領域1a上の発光素子2(第1発光素子21および第2発光素子22)へと伝達するためのものである。配線部3bは、図2に示すように、パッド部3aから二又状に延出し、実装領域1aの2辺に沿って形成されている。この配線部3bは、図2に示すように、二又状に延出した一方の端部が、配線部4bの端部と互いに隣り合うように形成されている。また、配線部4bは、図2に示すように、パッド部4aから延出し、実装領域1aの1辺に沿って形成されている。
【0067】
<光反射樹脂>
光反射樹脂6は、発光素子2から出射された光を反射させるためのものである。光反射樹脂6は、図2に示すように、配線部3b,4b、保護素子5およびこれらに接続されるワイヤWを覆うように形成される。これにより、配線部3b,4bおよびワイヤWを、前記あるいは後記したように光を吸収しやすいAuで形成した場合であっても、発光素子2から出射された光が配線部3b,4bおよびワイヤWには到達せずに光反射樹脂6によって反射される。なお、この光反射樹脂6は省略してもよい。例えば、基板1として凹部が形成されたものを使用し、凹部の底面に発光素子2を配置し、凹部の内壁面を光反射面として利用することもできる。
【0068】
また、光反射樹脂6は、図1および図2に示すように、基板1上において複数の発光素子2の周囲を囲うように、すなわち発光部20が形成された実装領域1aを囲うように四角枠状に形成される。これにより、基板1の実装領域1aの周囲に向う光も光反射樹脂6によって反射することができる。
【0069】
光反射樹脂6の材料としては、絶縁材料を用いることが好ましい。また、ある程度の強度を確保するために、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンや、PPAやシリコン樹脂などが挙げられる。なお、光反射樹脂6のサイズは特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0070】
<封止部材>
封止部材7は、基板1に配置された発光素子2、保護素子5およびワイヤW等を、塵芥、水分、外力等から保護するためのものである。封止部材7は、図1に示すように、基板1上において、光反射樹脂6で囲った実装領域1a内に樹脂を充填することで形成される。封止部材7の材料としては、発光素子2からの光を透過可能な透光性を有するものが好ましい。具体的な材料としては、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等を挙げることができる。
【0071】
以上のような構成を備える発光装置100は、複数の発光素子2を行方向および列方向に配置した場合において、当該複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、種々の出力の発光素子2を行方向および列方向に分散させることができるため、輝度の偏りを軽減することができ、かつ、発光装置100の輝度ムラおよび発光装置100間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0072】
また、発光装置100によれば、当該発光装置100の輝度ムラおよび発光装置100間の輝度分布の差を抑制することができるため、Vによる発光素子2の選別、すなわち発光素子2のVを予めランク付けして分類し、特定ランク以外を排除する必要がない。従って、発光素子2の歩留まりを向上させることができ、コストの増大を抑えることができる。
【0073】
また、発光装置100によれば、前記したように、最小限の回数で第1発光素子21および第2発光素子22を実装領域1a上にダイボンドすることができるため、発光装置100の生産性を向上させることができる。
【0074】
[発光装置の製造方法]
次に、本発明の第1の実施形態に係る発光装置100の製造方法について、簡単に説明する。発光装置100の製造方法は、基板作製工程と、めっき工程と、発光素子配置工程と、保護素子接合工程と、ワイヤボンディング工程と、光反射樹脂形成工程と、封止部材充填工程と、を含む。
【0075】
<基板作製工程>
基板作製工程は、めっき用配線が形成された基板1を作製する工程である。基板作製工程では、基板1上の実装領域1aや、正極3および負極4となる部位を所定の形状にパターニングすることで形成する。また、基板作製工程では、めっきによって基板1上の実装領域1aに金属膜を形成するためのめっき用配線を形成する。
【0076】
<めっき工程>
めっき工程は、前記めっき配線が形成された基板1上に、少なくとも正極3および負極4を構成する金属部材を形成する工程であり、好ましくは無電解めっきにより正極3および負極4を構成する金属部材を形成するとともに、基板1上の実装領域1a上に、電解めっきにより金属膜を形成する工程である。また、中継配線部8を設ける場合、正極3および負極4と同様の工程で金属部材が形成される。
【0077】
<発光素子分類工程>
発光素子分類工程は、同一系統の色を発光する複数の発光素子2を、各発光素子2の明るさによって複数のランクに分類する工程である。第1実施形態では、第1群と、前記第1群よりも小さい出力を有する第2群と、に分類する。この場合、各発光素子2に一定の電流を流して出力を測定し、その平均値付近を境界として高出力の第1群と低出力の第2群に分類することができる。例えば、発光波長が450nm〜452.4nmの範囲であり、出力が、その平均値を1としたときに約0.8〜1.2の範囲に分布している複数の発光素子2を、出力の平均値である1を境界として高出力の第1群と低出力の第2群に分類する。なお、各群は発光素子2に一定の電流を流した際の明るさを基準に分類されればよく、出力の他に光度や放射強度を測定し、これによって分類することもできる。また、発光素子2の光度等の光の明るさに波長等を考慮した変換式を掛け合わせた数値によって分類することもできる。
【0078】
また、分類する群は3以上でもよい。例えば、高出力の第1群、中出力の第3群、低出力の第2群の合計3群に分類し、後述する発光素子配置工程において、第1群から選択された第1発光素子21と第2群から選択された第2発光素子22を用いることもできる。好ましくは、所望の出力を中心として対象となる一対の群を設定し、当該一対の群からそれぞれ発光素子2を選択し、後述するように基板1上に配置し、直列接続する。なお、発光素子分類工程は、基板作製工程やめっき工程の前に行うこともできる。
【0079】
<発光素子配置工程>
発光素子配置工程は、基板1(金属膜)上に発光素子2を配置する工程である。発光素子配置工程は、実装領域1a上の金属膜に、図示しない接合部材を介して発光素子2を載置し、発光素子2を実装領域1a上の金属膜上に接合することで、基板1上に発光素子2を配置する。発光素子配置工程では、具体的には、実装領域1a上の金属膜に、第1群から選択された第1発光素子21と、2群から選択された第2発光素子22とを、それぞれ1行分連続して配置し、かつ、第1発光素子21のみが配置された行と、第2発光素子22のみが配置された行とを、1行ごとに交互に配置する。さらに、発光素子配置工程では、第1発光素子21または第2発光素子22を、一行ごとに交互に向きが反転されるように配置する。
【0080】
発光素子配置工程は、具体的には図4(a)に示す第1段階において、第1発光素子21を行方向に一斉に配置し、図4(b)に示す第2段階において、第2発光素子22を行方向に一斉に配置する。これにより、発光装置100の製造方法は、発光素子2の種類に対応して2回ダイボンドすることで実装領域1a上に全ての発光素子2を配置することができるため、発光素子2の実装に要する時間を短縮することができる。
【0081】
<保護素子接合工程>
保護素子接合工程は、正極3の配線部3b上に保護素子5を載置して接合する工程である。ここで、保護素子5を載置および接合する方法は、前記した発光素子配置工程と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0082】
<ワイヤボンディング工程>
ワイヤボンディング工程は、前記発光素子配置工程の後に、発光素子2同士をワイヤWによって接続するとともに、発光素子2と正極3、あるいは、発光素子2と負極4をワイヤWによって電気的に接続する工程である。ワイヤボンディング工程では、より具体的には、まず行方向に配置された第1発光素子21のp電極2aまたはn電極2bと、第2発光素子22のn電極2bまたはp電極2aとをワイヤWで電気的に接続することで、行方向に配置された発光素子2同士を直列接続する(図2参照)。
【0083】
次に、行方向に直列接続された各行(直列素子群)の先端に位置する第1発光素子21または第2発光素子22のp電極2aと、後端に位置する第1発光素子21または第2発光素子22のn電極2bとをワイヤWで電気的に接続することで、それぞれの直列素子群を直列接続する(図2参照)。そして、直列接続された直列素子群の先端に位置する第1発光素子21または第2発光素子22のp電極2aと、金属部材の正極3の配線部3bとをワイヤWで電気的に接続するとともに、直列素子群の後端に位置する第1発光素子21または第2発光素子22のn電極2bと、金属部材の負極4の配線部4bとをワイヤWで電気的に接続することで、各行を並列接続する(図2参照)。
【0084】
なお、保護素子5と負極4との電気的な接続もこの工程で行えばよい。すなわち、ワイヤボンディング工程では、正極3の配線部3b上に配置された保護素子5のn電極と、負極4の配線部4bとをワイヤWで接続する。ワイヤWの接続方法は、特に限定されるものではなく、通常用いられる方法で行えばよい。
【0085】
<光反射樹脂形成工程>
光反射樹脂形成工程は、前記ワイヤボンディング工程の後に、前記実装領域1aの周縁に沿って、少なくとも配線部3b,4bの一部を覆うように光反射樹脂6を形成する工程である。光反射樹脂6の形成は、例えば、固定された基板1の上側において、基板1に対して上下方向あるいは水平方向などに移動(可動)させることができる樹脂吐出装置を用いて行うことができる(特開2009−182307号公報参照)。
【0086】
<封止部材充填工程>
封止部材充填工程は、前記光反射樹脂6の内側に、前記発光素子2および前記金属膜を被覆する透光性の封止部材7を充填する工程である。すなわち、発光素子2、保護素子5、実装領域1a上の金属膜およびワイヤW等を被覆する封止部材7を、基板1上に形成された光反射樹脂6からなる壁部の内部に樹脂を注入し、その後加熱や光照射等によって硬化する工程である。
【0087】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る発光装置101について、図5を参照しながら説明する。発光装置101は、図5に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の配置以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。
【0088】
発光装置101は、図5に示すように、それぞれの行内に、第1発光素子21または第2発光素子22のいずれか一方のみが配置されている。また、発光装置101は、図5に示すように、列方向において、第1発光素子21のみが配置された行と、第2発光素子22のみが配置された行とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置101は、図5に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・低・高・低・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている
【0089】
以上のような構成を備える発光装置101は、第1発光素子21のみからなる行と、第2発光素子22のみからなる行とが、1行ごとに交互に配置されているため、実装領域1a上の複数の発光素子2の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。従って、発光装置101は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置101の輝度ムラおよび発光装置101間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0090】
なお、発光装置101は、図5に示すように、実装領域1a上に配置される第1発光素子21と第2発光素子22の数が、それぞれ同数(ここでは30個ずつ)で構成されている。これにより、発光装置101は、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれることになった時に、当該Vの異なる発光素子2が含まれる行に流れる電流が増減した場合であっても、出力の異なる2種類の発光素子2が同数でバランスよく配置されているため、出力の異なる発光素子2をより均一に分散させることができ、発光装置101の輝度ムラを小さくすることができる。
【0091】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る発光装置102について、図6を参照しながら説明する。発光装置102は、図6に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の配置以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。
【0092】
発光装置102は、図6に示すように、それぞれの行内に、第1発光素子21または第2発光素子22のいずれか一方のみが配置されている。また、発光装置102は、図6に示すように、列方向において、第1発光素子21のみが配置された行と、第2発光素子22のみが配置された行とが、複数行(ここでは2行)ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置102は、図6に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・高・低・低・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0093】
以上のような構成を備える発光装置102は、第1発光素子21のみからなる行と、第2発光素子22のみからなる行とが、複数行(例えば2行ずつ)ごとに交互に配置されているため、実装領域1a上の複数の発光素子2の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。従って、発光装置102は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置102の輝度ムラおよび発光装置102間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0094】
[第4実施形態]
第4実施形態に係る発光装置103について、図7を参照しながら説明する。発光装置103は、図7に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の配置以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。
【0095】
発光装置103は、図7に示すように、それぞれの行内に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、同数交互に配置されている。すなわち、発光装置103のそれぞれの行内には、図7に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22とが3個ずつ交互に配置されている。また、発光装置103は、図7に示すように、列方向において、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置103は、図7に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・低・高・低・・・」または「低・高・低・高・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0096】
以上のような構成を備える発光装置103は、行方向に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが同数交互に配置されるとともに、列方向に、第1発光素子21と第2発光素子22とが1行ごとに交互に配置されているため、実装領域1a上の複数の発光素子2の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。従って、発光装置103は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置103の輝度ムラおよび発光装置103間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0097】
なお、発光装置103は、図7に示すように、実装領域1a上に配置される第1発光素子21と第2発光素子22の数が、それぞれ同数(ここでは30個ずつ)で構成されている。これにより、発光装置103は、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれることになった時に、当該Vの異なる発光素子2が含まれる行に流れる電流が増減した場合であっても、出力の異なる2種類の発光素子2が同数でバランスよく配置されているため、出力の異なる発光素子2をより均一に分散させることができ、発光装置103の輝度ムラを小さくすることができる。
【0098】
[第5実施形態]
第5実施形態に係る発光装置104について、図8を参照しながら説明する。発光装置104は、図8に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の配置以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。
【0099】
発光装置104は、図8に示すように、それぞれの行内に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、同数交互に配置されている。すなわち、発光装置104のそれぞれの行内には、図8に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22とが3個ずつ交互に配置されている。また、発光装置104は、図8に示すように、列方向において、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、複数行(ここでは2行)ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置104は、図8に示すように、実装領域1aにおいて、「高・高・低・低・・・」または「低・低・高・高・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0100】
以上のような構成を備える発光装置104は、行方向に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが同数交互に配置されるとともに、列方向に、第1発光素子21と第2発光素子22とが複数行(例えば2行)ごとに交互に配置されているため、実装領域1a上の複数の発光素子2の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。従って、発光装置104は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置104の輝度ムラおよび発光装置104間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0101】
なお、発光装置104は、図8に示すように、実装領域1a上に配置される第1発光素子21と第2発光素子22の数が、それぞれ同数(ここでは30個ずつ)で構成されている。これにより、発光装置104は、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれることになった時に、当該Vの異なる発光素子2が含まれる行に流れる電流が増減した場合であっても、出力の異なる2種類の発光素子2が同数でバランスよく配置されているため、出力の異なる発光素子2をより均一に分散させることができ、発光装置104の輝度ムラを小さくすることができる。
【0102】
[第6実施形態]
第6実施形態に係る発光装置105について、図9を参照しながら説明する。発光装置105は、図9に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の配置以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。
【0103】
発光装置105は、図9に示すように、それぞれの行内に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、同数交互に配置されている。すなわち、発光装置105のそれぞれの行内には、図9に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22とが2個ずつ交互に配置されている。また、発光装置105は、図9に示すように、列方向において、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置105は、図9に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・低・高・低・・・」または「低・高・低・高・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0104】
以上のような構成を備える発光装置105は、行方向に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが同数交互に配置されるとともに、列方向に、第1発光素子21と第2発光素子22とが1行ごとに交互に配置されているため、実装領域1a上の複数の発光素子2の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗が集中しにくくなる。従って、発光装置105は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置105の輝度ムラおよび発光装置105間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0105】
なお、発光装置105は、図9に示すように、実装領域1a上に配置される第1発光素子21と第2発光素子22の数が、それぞれ同数(ここでは30個ずつ)で構成されている。これにより、発光装置105は、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれることになった時に、当該Vの異なる発光素子2が含まれる行に流れる電流が増減した場合であっても、出力の異なる2種類の発光素子2が同数でバランスよく配置されているため、出力の異なる発光素子2をより均一に分散させることができ、発光装置105の輝度ムラを小さくすることができる。
【0106】
[第7実施形態]
第7実施形態に係る発光装置106について、図10を参照しながら説明する。発光装置106は、図10に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の配置以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。
【0107】
発光装置106は、図10に示すように、それぞれの行内に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、同数交互に配置されている。すなわち、発光装置106のそれぞれの行内には、図10に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22とが2個ずつ交互に配置されている。また、発光装置106は、図10に示すように、列方向において、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置106は、図10に示すように、実装領域1aの上半分および下半分のそれぞれの領域において、「高・低・高・低・高」または「低・高・低・高・低」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0108】
また、発光装置106は、図10に示すように、実装領域1a上における列方向の中央に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが同数交互に配置された行が、列方向に複数行(ここでは2行)連続して配置されている。そして、発光装置106は、図10に示すように、列方向に複数行連続して配置された行内において、第1発光素子21が第2発光素子22よりも多く配置されている。
【0109】
以上のような構成を備える発光装置106は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様に、実装領域1aの中央に高出力の発光素子2(第1発光素子21)を多数配置することで、中央の光出力の低下を補い、全体として輝度ムラを発生しにくくすることができる。
【0110】
[第8実施形態]
第8実施形態に係る発光装置100Aについて、図11を参照しながら説明する。発光装置100Aは、図11に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の配置以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。なお、説明の便宜上、図11における光反射樹脂6は、輪郭線のみを示している。また、同様に、図11における発光素子2を平面視した場合の構成は、当該発光素子2の向きを示すために、実装領域1a上における両端に配置されたものだけを具体的に図示し、その他の箇所では図示を省略している。
【0111】
発光装置100Aは、図11に示すように、実装領域1a上において、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)が、1行ごとに行方向に交互にずらして配置されている。すなわち、発光装置100Aは、図11に示すように、1行目に配置された10個の発光素子2が実装領域1aに対して全体的に左寄りにずらして配置され、2行目に配置された10個の発光素子2が実装領域1aに対して全体的に右寄りにずらして配置されている。より具体的には、発光装置100Aは、3,5,7,9,11,13行目に配置された発光素子2が左寄りに、2,4,6,8,10,14行目に配置された発光素子2が左寄りに配置されている。なお、発光素子2をずらす距離としては、図11における破線Bに示すように、隣接する行の2つの発光素子2を接続するワイヤWの中間点に、ずらした発光素子2の中心が位置するような距離とすることが好ましい。
【0112】
以上のような構成を備える発光装置100Aは、複数の発光素子2を行方向および列方向に配置した場合において、当該複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、種々の出力の発光素子2を行方向および列方向により広範囲に分散させることができるため、輝度の偏りをより軽減することができ、かつ、発光装置100Aの輝度ムラおよび発光装置100A間の輝度分布の差をより抑制することができる。
【0113】
なお、発光装置100Aにおける第1発光素子21および第2発光素子22の配置は特に限定されず、前記した第1実施形態〜第7実施形態に係る発光装置100〜106における配置のいずれかを適用することができる。
【0114】
[第9実施形態]
第9実施形態に係る発光装置100Bについて、図12を参照しながら説明する。発光装置100Bは、図12に示すように、実装領域1aの形状と、正極3および負極4の配線部3b,4bの形状以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。なお、説明の便宜上、図12において、光反射樹脂6は図示を省略している。また、同様に、図12における発光素子2を平面視した場合の構成は、当該発光素子2の向きを示すために、実装領域1a上における両端に配置されたものだけを具体的に図示し、その他の箇所では図示を省略している。
【0115】
発光装置100Bは、図12に示すように、実装領域1aが円形状に形成されている。また、発光装置100Bは、図12に示すように、正極3および負極4の配線部3b,4bがそれぞれ二又状に伸び、かつ、それぞれ円形状の実装領域1aに沿って形成されている。また、正極3および負極4の配線部3b,4bは、図12に示すように、それぞれの一端部および他端部が互いに隣り合うように形成されている。
【0116】
発光装置100Bは、図12に示すように、円形状の実装領域1aに合わせて、複数の発光素子2が縦方向および横方向にそれぞれ等間隔で配置されている。また、複数の発光素子2は、図12に示すように、正極3と負極4との間において、実装領域1aの上半分に配置された9行分の直列素子群が互いに直列接続されると同時に、実装領域1aの上半分に配置された合計102個の発光素子2が互いに直列接続されている。同様に、複数の発光素子2は、図12に示すように、正極3と負極4との間において、実装領域1aの下半分に配置された9行分の直列素子群が互いに直列接続されると同時に、実装領域1aの下半分に配置された合計102個の発光素子2が互いに直列接続されている。
【0117】
そして、実装領域1aの上半分で直列接続された合計102個の発光素子2と、実装領域1aの下半分で直列接続された合計102個の発光素子2とは、図12に示すように、正極3と負極4との間において、互いに並列に接続されている。従って、発光装置100Bでは、図12に示すように、合計204個の発光素子2が102直列2並列で接続されていることになる。
【0118】
以上のような構成を備える発光装置100Bは、複数の発光素子2を行方向および列方向に配置した場合において、当該複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、種々の出力の発光素子2を行方向および列方向により広範囲に分散させることができるため、輝度の偏りをより軽減することができ、かつ、発光装置100Bの輝度ムラおよび発光装置100B間の輝度分布の差をより抑制することができる。
【0119】
なお、発光装置100Bにおける第1発光素子21および第2発光素子22の配置は特に限定されず、前記した第1実施形態〜第7実施形態に係る発光装置100〜106における配置のいずれかを適用することができる。
【0120】
[第10実施形態]
第10実施形態に係る発光装置100Cについて、図13を参照しながら説明する。発光装置100Cは、図13に示すように、発光素子2の配置と、正極3および負極4の配線部3b,4bと、保護素子5の数以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。なお、説明の便宜上、図13において、光反射樹脂6は図示を省略している。また、同様に、図13における発光素子2を平面視した場合の構成は、当該発光素子2の向きを示すために、実装領域1a上における両端に配置されたものだけを具体的に図示し、その他の箇所では図示を省略している。
【0121】
発光装置100Cは、図13(a)に示すように、実装領域1a上に発光素子2が20行分配置されており、それぞれの行内に15個の発光素子2が配置されている。また、発光装置100Cは、図13(a)に示すように、1行ごとに複数の発光素子2の向きが180度反転されて配置されている。
【0122】
発光装置100Cの実装領域1a上に配置された複数の発光素子2は、図13(a)に示すように、それぞれの行内において所定個ごとに直列接続されている。すなわち、複数の発光素子2は、図13(a)の符号Cの領域に示すように、一つの行内において5個ずつ直列接続されている。これにより、発光装置100Cの実装領域1a上には、図13(a)に示すように、各行内に3つの第1直列素子群が形成されている。また、第1直列素子群は、図13(a)、(b)の符号Dの領域に示すように、隣接する第1直列素子群と直列接続されている。これにより、発光装置100Cの実装領域1a上には、図13(a)に示すように、3つの第2直列素子群が形成されている。なお、第2直列素子群は、図13(a)に示すように、正極3と負極4との間において合計100個の発光素子2が直列接続されたものである。そして実装領域1a上に形成された3つの第2直列素子群は、図13(a)に示すように、正極3と負極4との間において互いに並列接続されている。従って、発光装置100Cでは、図13(a)に示すように、合計300個の発光素子2が100直列3並列で接続されていることになる。
【0123】
発光装置100Cは、図13(a)に示すように、正極3および負極4の配線部3b,4bがそれぞれ二又状に伸び、かつ、それぞれ円形状の実装領域1aに沿って形成されている。また、正極3および負極4の配線部3b,4bは、図13(a)に示すように、それぞれの一端部および他端部が互いに隣り合うように形成されている。また、発光装置100Cは、図13(a)に示すように、配線部3b上に5つの保護素子5が配置されている。
【0124】
以上のような構成を備える発光装置100Cは、複数の発光素子2を行方向および列方向に配置した場合において、当該複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、種々の出力の発光素子2を行方向および列方向により広範囲に分散させることができるため、輝度の偏りをより軽減することができ、かつ、発光装置100Cの輝度ムラおよび発光装置100C間の輝度分布の差をより抑制することができる。
【0125】
なお、発光装置100Cにおける第1発光素子21および第2発光素子22の配置は特に限定されず、前記した第1実施形態〜第7実施形態に係る発光装置100〜106における配置のいずれかを適用することができる。
【0126】
[第11実施形態]
第11実施形態に係る発光装置200について、図14および図15を参照しながら説明する。発光装置200は、図14および図15に示すように、発光素子2の接続状態と、発光素子2が配置される方向と、正極3および負極4の配線部3b,4bの形状と、中継配線部8を備える以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置100と重複する構成については、説明を省略する。なお、説明の便宜上、図14における光反射樹脂6は、輪郭線のみを示している。また、同様に、図14における発光素子2を平面視した場合の構成は、当該発光素子2の向きを示すために、実装領域1a上における両端に配置されたものだけを具体的に図示し、その他の箇所では図示を省略している。
【0127】
発光装置200は、図14に示すように、中継配線部8を備えている。この中継配線部8は、正極3と負極4の間における配線を中継するためのものである。中継配線部8は、図14に示すように、基板1上の金属部材で構成されている。また、中継配線部8は、図14に示すように、実装領域1aの周囲において、当該実装領域1aの一辺、すなわち右側の辺に沿って直線状に形成されている。この中継配線部8を構成する金属部材の素材は、正極3および負極4と同様に、Auを用いることが好ましい。
【0128】
発光装置200は、図14に示すように、正極3および負極4の配線部3b,4bがそれぞれL字状に伸び、かつ、それぞれ実装領域1aに沿って形成されている。また、正極3および負極4の配線部3b,4bは、図14に示すように、それぞれの一端部および他端部が互いに隣り合うように形成されている。なお、負極4の配線部4bには、図14に示すように、カソードであることを示すカソードマークCMが形成されている。
【0129】
≪発光素子の接続状態≫
複数の発光素子2は、図14に示すように、実装領域1a上において、それぞれの行内に配置された10個の発光素子2が互いに直列接続され、各行ごとに10直列からなる直列素子群を形成している。
【0130】
発光素子2は、図14に示すように、正極3の配線部3bと中継配線部8との間においては、複数の発光素子2のp電極2aが実装領域1aの一方向である左側を向くように、あるいは、複数の発光素子2のn電極2bが実装領域1aの他方向である右側を向くように配列されている。また、発光素子2は、図14に示すように、負極4の配線部4bと中継配線部8との間においては、複数の発光素子2のp電極2aが実装領域1aの他方向である右側を向くように、かつ、複数の発光素子2のn電極2bが実装領域1aの一方向である左側を向くように、配列されている。すなわち、発光素子2は、図14を平面視した場合において、中継配線部8を境に向きが反転するように配置されている。すなわち、発光素子2は、図14に示すように、発光素子2の向きが複数行(ここでは7行)ごとに交互に反転されて配置されている。
【0131】
発光装置200では、前記したように実装領域1aの周囲に沿って中継配線部8を形成し、かつ、当該中継配線部8を境に向きが反転するように発光素子2を配置することで、発光素子2同士を接続する配線が複雑になることなく、実装領域1aの限られた面積内において、直列接続される発光素子2の数を増加させることができる。さらには、実装領域1aの限られた面積内において、複数の発光素子2を密に配置することができ、一定の輝度に対して消費電力が向上した発光装置200を、または一定の消費電力に対して発光効率が向上した発光装置200を得ることができる。
【0132】
なお、発光装置200では、図14に示すように、実装領域1aの上半分と下半分とのそれぞれにおいて、発光素子2が10個直列接続された直列素子群が形成されるとともに、当該直列素子群が7行分形成されている。そして、図14に示すように、実装領域1aの上半分に形成された直列素子群の先端(右端)に配置された7個の発光素子2のn電極2bと、前記した実装領域1aの下半分に形成された直列素子群の後端(右端)に配置された7個の発光素子2のp電極2aと、がそれぞれワイヤWによって中継配線部8に接続されている。また、図14に示すように、実装領域1aの上半分に形成された直列素子群の後端(左端)に配置された7個の発光素子2のp電極2aがワイヤWによって正極3の配線部3bと接続され、実装領域1aの下半分に形成された直列素子群の先端(左端)に配置された7個の発光素子2のn電極2bがワイヤWによって負極4の配線部4bと接続されている。
【0133】
このように、発光装置200は、実装領域1aの上半分に配置された発光素子2(直列素子群)と、実装領域1aの下半分に配置された発光素子2(直列素子群)とが、中継配線部8を介して直列接続されているため、実質的には20個の発光素子2による直列素子群が7行分形成されていることになる。そして、その7行分の直列素子群は、正極3と負極4との間において、互いに並列に接続されている。従って、発光装置200では、図14に示すように、合計140個の発光素子2が20直列7並列で接続されていることになる。
【0134】
≪第1発光素子および第2発光素子の配置≫
発光装置200は、前記した発光装置100と同様に、予め出力の異なる2種類の第1発光素子21と第2発光素子22とが用意され、図15に示すように、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、行方向または列方向に同数交互に配置されている。
【0135】
以上のような構成を備える発光装置200は、種々の出力の発光素子2が直列接続のみならず並列接続されているため、発光素子2に流れる電流がより平均化しやすくなり、実装領域1a上の複数の発光素子2の中に低V素子や高V素子が含まれていたとしても、特定の素子に明暗がより集中しにくくなる。従って、発光装置200は、前記した第1実施形態に係る発光装置100と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置200の輝度ムラおよび発光装置200間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0136】
[第12実施形態]
第12実施形態に係る発光装置201について、図16を参照しながら説明する。発光装置201は、図16に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の接続状態以外は、前記した第2実施形態に係る発光装置101と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置101と重複する構成については、説明を省略する。
【0137】
発光装置201は、図16に示すように、それぞれの行内に、第1発光素子21または第2発光素子22のいずれか一方のみが配置されている。また、発光装置201は、図16に示すように、列方向において、第1発光素子21のみが配置された行と、第2発光素子22のみが配置された行とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置201は、図16に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・低・高・低・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている
【0138】
以上のような構成を備える発光装置201は、前記した第2実施形態に係る発光装置101と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置201の輝度ムラおよび発光装置201間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0139】
[第13実施形態]
第13実施形態に係る発光装置202について、図17を参照しながら説明する。発光装置202は、図17に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の接続状態以外は、前記した第3実施形態に係る発光装置102と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置102と重複する構成については、説明を省略する。
【0140】
発光装置202は、図17に示すように、それぞれの行内に、第1発光素子21または第2発光素子22のいずれか一方のみが配置されている。また、発光装置202は、図17に示すように、列方向において、第1発光素子21のみが配置された行と、第2発光素子22のみが配置された行とが、複数行(ここでは2行)ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置202は、図17に示すように、実装領域1aにおいて、列方向「高・高・低・低・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0141】
以上のような構成を備える発光装置202は、前記した第3実施形態に係る発光装置102と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置202の輝度ムラおよび発光装置202間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0142】
なお、発光装置202は、図17に示すように、実装領域1a上に配置される第1発光素子21と第2発光素子22の数が、それぞれ同数で構成されている。これにより、発光装置202は、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれることになった時に、当該Vの異なる発光素子2が含まれる行に流れる電流が増減した場合であっても、出力の異なる2種類の発光素子2が同数でバランスよく配置されているため、出力の異なる発光素子2をより均一に分散させることができ、発光装置202の輝度ムラを小さくすることができる。
【0143】
[第14実施形態]
第14実施形態に係る発光装置203について、図18を参照しながら説明する。発光装置203は、図18に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の接続状態以外は、前記した第1実施形態に係る発光装置103と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置103と重複する構成については、説明を省略する。
【0144】
発光装置203は、図18に示すように、それぞれの行内に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、同数交互に配置されている。すなわち、発光装置203のそれぞれの行内には、図18に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22とが3個ずつ交互に配置されている。また、発光装置203は、図18に示すように、列方向において、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置203は、図18に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・低・高・低・・・」または「低・高・低・高・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0145】
以上のような構成を備える発光装置203は、前記した第4実施形態に係る発光装置103と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置203の輝度ムラおよび発光装置203間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0146】
[第15実施形態]
第15実施形態に係る発光装置204について、図19を参照しながら説明する。発光装置204は、図19に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の接続状態以外は、前記した第5実施形態に係る発光装置104と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置104と重複する構成については、説明を省略する。
【0147】
発光装置204は、図19に示すように、それぞれの行内に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、同数交互に配置されている。すなわち、発光装置204のそれぞれの行内には、図19に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22とが3個ずつ交互に配置されている。また、発光装置204は、図19に示すように、列方向において、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、複数行(ここでは2行)ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置204は、図19に示すように、実装領域1aにおいて、「高・高・低・低・・・」または「低・低・高・高・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0148】
以上のような構成を備える発光装置204は、前記した第5実施形態に係る発光装置104と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置204の輝度ムラおよび発光装置204間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0149】
[第16実施形態]
第16実施形態に係る発光装置205について、図20を参照しながら説明する。発光装置205は、図20に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の接続状態以外は、前記した第6実施形態に係る発光装置105と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置105と重複する構成については、説明を省略する。
【0150】
発光装置205は、図20に示すように、それぞれの行内に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、同数交互に配置されている。すなわち、発光装置205のそれぞれの行内には、図20に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22とが2個ずつ交互に配置されている。また、発光装置205は、図20に示すように、列方向において、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置205は、図20に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・低・高・低・・・」または「低・高・低・高・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0151】
以上のような構成を備える発光装置205は、前記した第1実施形態に係る発光装置105と同様に、複数の発光素子2の中にVの異なる発光素子2が含まれる場合であっても、発光装置205の輝度ムラおよび発光装置205間の輝度分布の差を抑制することができる。
【0152】
[第17実施形態]
第17実施形態に係る発光装置206について、図21を参照しながら説明する。発光装置206は、図21に示すように、発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)の接続状態以外は、前記した第7実施形態に係る発光装置106と同様の構成を備えている。従って、前記した発光装置106と重複する構成については、説明を省略する。
【0153】
発光装置206は、図21に示すように、それぞれの行内に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、同数交互に配置されている。すなわち、発光装置206のそれぞれの行内には、図21に示すように、第1発光素子21と第2発光素子22とが2個ずつ交互に配置されている。また、発光装置206は、図21に示すように、列方向において、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが、1行ごとに交互に配置されている。すなわち、発光装置206は、図21に示すように、実装領域1aの上半分および下半分のそれぞれの領域において、「高・低・高・低・高」または「低・高・低・高・低」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されている。
【0154】
また、発光装置206は、図21に示すように、実装領域1a上における列方向の中央に、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とが同数交互に配置された行が、列方向に複数行(ここでは2行)連続して配置されている。そして、発光装置206は、図21に示すように、列方向に複数行連続して配置された行内において、第1発光素子21が第2発光素子22よりも多く配置されている。
【0155】
以上のような構成を備える発光装置206は、前記した第7実施形態に係る発光装置106と同様に、実装領域1aの中央に高出力の発光素子2(第1発光素子21)を多数配置することで、中央の光出力の低下を補い、全体として輝度ムラを発生しにくくすることができる。
【0156】
以上、本発明に係る発光装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
【0157】
例えば、第1実施形態および第11実施形態に係る発光装置100,200は、図3および図15に示すように、実装領域1aの上半分および下半分のそれぞれの領域において、列方向に「高・低・高・低・高」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されていたが、列方向に「低・高・低・高・低」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されても構わない。
【0158】
また、第2実施形態および第12実施形態に係る発光装置101,201は、図5および図16に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・低・高・低・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されていたが、列方向に「低・高・低・高・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されても構わない。
【0159】
また、第3実施形態および第13実施形態に係る発光装置102,202は、図6および図17に示すように、実装領域1aにおいて、列方向に「高・高・低・低・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されていたが、列方向に「低・低・高・高・・・」の順番となるように第1発光素子21および第2発光素子22が配置されても構わない。
【0160】
また、第1発光素子21および第2発光素子22の配置は、図3,5〜10,15〜21に示すものに限定されない。例えば、第1発光素子21および第2発光素子22の配置は、実装領域1aの上半分および下半分のいずれか一方の領域に全て第1発光素子21が配置され、いずれか他方の領域に全て第2発光素子22が配置されたものであっても構わない。この場合、発光装置の実装領域1a上には、上下それぞれの領域において、第1発光素子21と第2発光素子22とが30個ずつ配置されることになる。
【0161】
また、第1発光素子21および第2発光素子22の配置は、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子とが、行方向のみに同数交互に配置されたものであってもよい。この場合、例えば発光装置の実装領域1a上には、行方向に第1発光素子21と第2発光素子22とを2個ずつまたは3個ずつ交互に配置し、列方向に第1発光素子21と第2発光素子22とを、「高・高・低・高・高」や「低・低・高・低・低」というように、ランダムに配置することができる。
【0162】
第1発光素子21および第2発光素子22の配置は、実装領域1aの左半分および右半分のいずれか一方の領域に全て第1発光素子21が配置され、いずれか他方の領域に全て第2発光素子22が配置されたものであっても構わない。この場合、実装領域1aの左右のそれぞれの領域で第1発光素子21と第2発光素子22とが30個ずつ配置されることになる。
【0163】
また、第1発光素子21および第2発光素子22の配置は、実装領域1aを上下左右に4分割し、左上および右上のいずれか一方の領域に全て第1発光素子21が配置され、いずれか他方の領域に全て第2発光素子22が配置されるとともに、左下および右下のいずれか一方の領域に全て第1発光素子21が配置され、いずれか他方の領域に全て第2発光素子22が配置されたものであっても構わない。この場合、実装領域1aの上下左右のそれぞれの領域で第1発光素子21と第2発光素子22とが15個ずつ配置されることになる。
【0164】
また、第1実施形態〜第17実施形態に係る発光装置100〜206は、第1発光素子21と第2発光素子22の2種類の発光素子2を用いていたが、例えば第2発光素子22よりもさらに低出力の第3発光素子を用意し、3種類の発光素子2によって発光装置を構成することもできる。また、同様に、3種類を超える種類の発光素子2によって発光装置を構成することもできる。
【0165】
なお、第1実施形態〜第12実施形態に係る発光装置100〜201および第14実施形態〜第17実施形態に係る発光装置203〜206は、前記したように予め出力の異なる2種類の発光素子2(第1発光素子21、第2発光素子22)を用意し、複数の第1発光素子21と複数の第2発光素子22とを行方向および列方向に同数交互に配置して光度ミキシングすることで、複数の発光素子2の中に低V素子や高V素子が混入した場合における電流の偏りという課題を解消していたが、いわゆるVミキシングによって課題を解決することもできる。
【0166】
この場合、発光装置100〜201,203〜206は、予め出力に応じて第1発光素子21と第2発光素子22とを選別するのではなく、予めVの値に応じて低V素子と高V素子とを選別する。そして、発光装置100〜201,203〜206は、当該低V素子および高V素子を図3,5〜10,15,16〜21と同様に配置することで、Vミキシングを行うことができる。なお、この場合、例えば図3,5〜10,15,16〜21において「高」と示された位置に高V素子を配置し、「低」と示された位置に低V素子を配置する。
【0167】
これにより、発光装置100〜201,203〜206は、Vの異なる複数種類の発光素子2が行方向または列方向に同数交互に配置されるため(各行内にVの異なる複数種類の発光素子2が同数含まれているため)、並列接続されている各行に均一な電流が流れることになり、特定の素子に電流が集中しにくくなる。従って、種々の出力の発光素子2を行方向および列方向に分散させることができるため、輝度の偏りを軽減することができ、かつ、発光装置100〜201,203〜206の輝度ムラおよび発光装置100〜201,203〜206間の輝度分布の差を抑制することができる。
【符号の説明】
【0168】
1 基板
1a 実装領域
2 発光素子
2a p電極
2b n電極
3 正極
3a パッド部
3b 配線部
4 負極
4a パッド部
4b 配線部
5 保護素子
6 光反射樹脂
7 封止部材
8 中継配線部
20 発光部
21 第1発光素子
22 第2発光素子
100,101,102,103,104,105,106,100A,100B,100C,200,201,202,203,204,205,206 発光装置
AM アノードマーク
CM カソードマーク
M 認識マーク
P 温度計測ポイント
W ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の実装領域上に複数の発光素子が複数の行方向および列方向に配置された発光装置であって、
前記複数の発光素子は、第1発光素子と、当該第1発光素子よりも低出力である第2発光素子と、からなり、
前記実装領域上には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、前記行方向または前記列方向に、同数交互に配置されていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記実装領域上には、前記第1発光素子または前記第2発光素子の向きが、1行ごとに交互に反転されて配置され、かつ、それぞれの行内に配置された前記複数の発光素子が互いに直列接続されることで、行ごとに直列素子群が形成され、
前記行ごとに形成された前記直列素子群は、互いに直列接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記実装領域上には、前記第1発光素子または前記第2発光素子の向きが、複数行ごとに交互に反転されて配置され、かつ、それぞれの行内に配置された前記複数の発光素子が互いに直列接続されることで、行ごとに直列素子群が形成され、
前記行ごとに形成された前記直列素子群は、互いに並列接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
それぞれの行内には、前記第1発光素子と前記第2発光素子のいずれか一方のみが配置され、
前記列方向には、前記第1発光素子のみが配置された行と、前記第2発光素子のみが配置された行とが、1行ごとに交互に配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
それぞれの行内には、前記第1発光素子と前記第2発光素子のいずれか一方のみが配置され、
前記列方向には、前記第1発光素子のみが配置された行と、前記第2発光素子のみが配置された行とが、複数行ごとに交互に配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発光装置。
【請求項6】
前記実装領域上における前記列方向の中央には、前記第1発光素子のみが配置された行が、前記列方向に複数行連続して配置されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
それぞれの行内には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、同数交互に配置され、
前記列方向には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、1行ごとに交互に配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発光装置。
【請求項8】
それぞれの行内には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、同数交互に配置され、
前記列方向には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、複数行ごとに交互に配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発光装置。
【請求項9】
前記実装領域上における前記列方向の中央には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが同数交互に配置された行が、前記列方向に複数行連続して配置され、
当該列方向に複数行連続して配置された行には、前記第1発光素子が前記第2発光素子よりも多く配置されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記実装領域上には、前記第1発光素子または前記第2発光素子が、1行ごとに前記行方向に交互にずらして配置されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項11】
基板の実装領域上に複数の発光素子が複数の行方向および列方向に配置された発光装置であって、
前記実装領域上には、前記第1発光素子または前記第2発光素子の向きが、1行ごとに交互に反転されて配置され、かつ、それぞれの行内に配置された前記複数の発光素子が、所定個ごとに互いに直列接続されることで、行ごとに複数の第1直列素子群が形成され、
前記行ごとに形成された前記複数の第1直列素子群は、前記列方向に隣接する他の第1直列素子群と互いに直列接続されることで、第2直列素子群を構成し、
前記第2直列素子群は、互いに並列接続され、
前記複数の発光素子は、第1発光素子と、当該第1発光素子よりも低出力である第2発光素子と、からなり、
前記実装領域上には、複数の前記第1発光素子と複数の前記第2発光素子とが、前記行方向または前記列方向に、同数交互に配置されていることを特徴とする発光装置。
【請求項12】
前記実装領域上に配置される前記第1発光素子と前記第2発光素子の数は、それぞれ同数であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項13】
前記実装領域上に前記複数の発光素子が配置された前記基板と、
前記基板上に形成され、前記複数の発光素子に電圧を印加する正極および負極と、
前記複数の発光素子の周囲を囲うように前記基板上に形成された光反射樹脂と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−69824(P2013−69824A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206782(P2011−206782)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】