発泡樹脂成形品の製造方法
【課題】副資材を容易かつ安価な手法で金型内面に保持させておくことができ、しかも繊維系素材の特性を低下させることもない発泡樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】副資材４のうち、マグネット３と対峙する領域には磁性繊維５が接着剤などにより貼り付けられている。この磁性繊維５がマグネット３に磁気的に吸着されることにより、副資材４が上型１の内面に密着状に保持される。下型２内にウレタン原液を供給した後、上記のように副資材４が内面に磁着されている上型１を該下型２に装着して型締めを行い、ウレタンを加熱発泡させる。発泡後、型開きし、成形品を脱型する。
【解決手段】副資材４のうち、マグネット３と対峙する領域には磁性繊維５が接着剤などにより貼り付けられている。この磁性繊維５がマグネット３に磁気的に吸着されることにより、副資材４が上型１の内面に密着状に保持される。下型２内にウレタン原液を供給した後、上記のように副資材４が内面に磁着されている上型１を該下型２に装着して型締めを行い、ウレタンを加熱発泡させる。発泡後、型開きし、成形品を脱型する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は自動車のシートパッドを成形する方法等に適用される発泡樹脂成形品の製造方法に係り、特に樹脂発泡体又はプレスフェルトなどの副資材を一体に成形する発泡樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
自動車用シートパッドとして、チップ状ウレタンフォーム又はプレスフェルトなどの副資材をポリウレタンフォームなどの樹脂発泡体と一体化させたものがある。
【０００３】
特開２００１−１７０９４８号には、ウレタンフォームよりなるチップを一体成形するシートパッドの金型成形方法において、該チップを金型表面のピンに係合保持させておいて発泡成形することが記載されている。
【０００４】
繊維系素材よりなる副資材を樹脂発泡体と一体化させる成形方法として、特開２００１−２５２９３０号には、ポリエステル繊維やアクリル繊維よりなる繊維系素材に磁性を付与し、金型に設けたマグネットによって繊維系素材を金型内面に保持させておいて発泡成形する方法が記載されている。
【０００５】
同号公報には、繊維系素材に磁性を付与する方法として、繊維系素材のバインダー中に鉄粉等の磁性粉を混入させる方法や、磁性粉の層を繊維系素材と層と接着一体化する方法、繊維系素材の繊維の１０〜３０％を金属繊維に代替する方法が記載されている。
【特許文献１】特開２００１−１７０９４８号公報
【特許文献２】特開２００１−２５２９３０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特開２００１−１７０９４８号のようにウレタンフォームチップをピンと係合させて金型に保持させる構造では、チップの保持が不安定であり、脱落したりズレ動いたりするおそれがある。
【０００７】
特開２００１−２５２９３０号の磁力によって金型に副資材を保持させる方法にあっては、副資材に磁性を付与する方法に改良すべき課題がある。
【０００８】
即ち、上記の磁性付与方法のうち繊維系素材のバインダーに磁性粉を混入させる方法では、磁性粉を著しく多量にバインダーに混入させると共にバインダー使用量を著しく多くしない限り、十分な磁性を付与することができないが、このようにすると、繊維系素材のしなやかさが損なわれたり、磁性粉が製品からパラパラと脱落したりするおそれがある。
【０００９】
磁性粉の層を繊維系素材と接着一体化させる方法でも、同様の問題がある。
【００１０】
磁性繊維を繊維系素材の繊維の一部として用いる方法でも、繊維系素材のしなやかさが損なわれるおそれがある。また、ポリエステル繊維やアクリル繊維等の合成樹脂繊維と金属繊維とを混抄したり混編することは繊維系素材の製造コストをかなり押し上げることになる。また、比重の大きな金属繊維を１０〜３０％も用いると、繊維系素材の重量がかなり増加することになる。なお、金属繊維の割合を少なくしたのでは、繊維系素材に磁性を十分に付与することができず、繊維系素材を金型内面にしっかりと保持させることが難しくなる。
【００１１】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、副資材を容易かつ安価な手法で金型内面にしっかりと保持させておくことができる発泡樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明（請求項１）の発泡樹脂成形品の製造方法は、金型内面に副資材を保持させ、金型内で発泡樹脂原液を発泡させることによって副資材が一体となった発泡樹脂成形品を製造する方法であって、該副資材に磁性を付与し、金型に磁性体を設置し、該磁性体の磁力によって前記副資材を金型内面に保持させておくようにした発泡樹脂成形品の製造方法において、該副資材に磁性繊維を貼り付けておくことにより前記副資材に磁性を付与したことを特徴とするものである。
【００１３】
請求項２の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項１において、前記発泡樹脂がウレタン発泡樹脂であることを特徴とするものである。
【００１４】
請求項３の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項１又は２において、前記磁性繊維が磁性金属繊維であることを特徴とするものである。
【００１５】
請求項４の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項１ないし３のいずれか１項において、前記金型内面にマグネットを取り付けておき、該マグネットに前記磁性繊維を磁着させることを特徴とするものである。
【００１６】
請求項５の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項４において、前記副資材のうちマグネットと対峙する領域に前記磁性繊維を貼り付けたことを特徴とするものである。
【００１７】
請求項６の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項１ないし５のいずれか１項において前記副資材が樹脂発泡体又はプレスフェルトよりなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１８】
本発明では、副資材に磁性繊維を貼り付けることにより副資材に磁性を付与するようにしている。従って、例えば金型側のマグネット等の磁性体と対峙する付近にのみ磁性繊維を多く貼り付けておくことにより、副資材全体の特性に影響を与えることなく、また、副資材の重量を殆ど増加させることなく、副資材を金型にしっかりと保持させておくのに十分な磁性を付与することができる。
【００１９】
また、磁性繊維の貼り付けは、既存の副資材に対して施すものであるから、副資材自体は普及品を用いることができ、コストも安い。
【００２０】
さらに、金型毎にマグネット等の磁性体の位置が異なっていても、金型の磁性体に応じた位置に磁性繊維を貼り付けることにより副資材を金型に磁着させることができる。
【００２１】
本発明では、副資材に磁性繊維を貼り付けるところから、副資材がウレタンフォーム又はプレスフェルトよりなる場合でも十分に適用可能である。
【００２２】
なお、磁性体としてはマグネットが好適であるが、電磁石であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２３】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。第１図は実施の形態に係る発泡樹脂成形品の製造方法に用いられる金型を説明する断面図、第２図は第１図のマグネット付近の拡大断面図である。なお、この金型は左右対称であるので、第１図では左半分のみが図示されている。右半分は、左半分と対称に現われる。
【００２４】
この実施の形態に用いられる発泡成形用の金型は、自動車用シートパッドを成形するためのものであり、上型１と下型２とを備えている。この上型１と下型２はそれぞれアルミ又はアルミ合金などの非磁性金属材料よりなる。
【００２５】
この上型１の内面すなわちキャビティ面には、複数個のマグネット３が設けられている。この実施の形態では、上型１の内面に凹所が設けられ、この凹所にマグネット３が嵌合されている。マグネット３はカシメ、螺じ込み、ボルト留め、接着などの固着手法によって上型１に固着されている。マグネット３の表面は、周囲の上型キャビティ面と面一状となっている。
【００２６】
なお、1個のマグネット３のキャビティ面に臨む面積は１〜２０００ｍｍ２程度が好適である。マグネット３は、１ｍ２当り５〜５０個程度配置されれば十分であるが、それよりも多少多くても、また少なくても構わない。
【００２７】
また、シート状の副資材４の端縁が対峙するキャビティ面には、マグネット３を端縁方向に所定間隔をおいて配置し、端縁がめくれないようにするのが好ましい。
【００２８】
なお、この実施の形態では、副資材４は、シート状であるが、チップ状であってもよい。副資材４の材質は硬質ウレタンフォーム又はプレスフェルトが好適である。この副資材４のうち、マグネット３と対峙する領域には磁性繊維５が接着剤又は粘着剤により貼り付けられている。磁性繊維５は、織布、不織布又はネット状のものが、取り扱い易く、また副資材４の表面形状に倣って自在に変形するので好適であるが、複数本の繊維を平行に引き揃えたものであってもよい。
【００２９】
この磁性繊維５がマグネット３に磁気的に吸着されることにより、副資材４が上型１の内面に密着状に保持される。
【００３０】
シートパッドの発泡成形を行うには、下型２内にウレタン原液を供給した後、上記のように副資材４が内面に磁着されている上型１を該下型２に装着して型締めを行い、ウレタンを加熱発泡させる。
【００３１】
発泡後、型開きし、成形品を脱型する。副資材４は発泡成形品と一体となっており、上型１からスムーズに離反する。
【００３２】
第１図に示すキャビティセンター部６ではシートパッドのうち尻下部、腿下部などの腰掛部が成形され、キャビティサイド部７ではシートパッドのサイド部（土手部）が成形される。成形されたシートパッドの底面に副資材４が配置されることになる。
【００３３】
上記の磁性繊維５としては、鉄、ニッケルなどの金属繊維が安価で好適であるが、強磁性金属酸化物粉末をバインダーと混練して糸状に成形した磁性糸であってもよい。また、合成樹脂の中空糸の孔内に強磁性体粉体が配置された芯鞘構造の磁性糸であってもよい。
【００３４】
磁性繊維５の太さは、貼り付けできるものであればよい。ただし、通常は１００〜３０００μｍ程度が好適である。
【００３５】
副資材４としては、硬質ウレタンフォームのチップ状成形品や、硬質ウレタンフォームのスラブ（発泡体から切り出したもの）、プレスフェルトなどが好適である。プレスフェルトを構成する繊維としては、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレンなどの合成樹脂繊維が例示されるが、これに限定されない。
【００３６】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。例えば、本発明はシートパッド以外の発泡成形品の成形にも適用できる。また、樹脂はウレタンに限定されない。副資材は硬質ウレタンフォーム又はプレスフェルト以外の繊維系素材などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】実施の形態に係る成形方法を説明する断面図である。
【図２】第１図のマグネット付近の拡大断面図である。
【符号の説明】
【００３８】
１ 上型
２ 下型
３ マグネット
４ 副資材
５ 磁性糸
【技術分野】
【０００１】
本発明は自動車のシートパッドを成形する方法等に適用される発泡樹脂成形品の製造方法に係り、特に樹脂発泡体又はプレスフェルトなどの副資材を一体に成形する発泡樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
自動車用シートパッドとして、チップ状ウレタンフォーム又はプレスフェルトなどの副資材をポリウレタンフォームなどの樹脂発泡体と一体化させたものがある。
【０００３】
特開２００１−１７０９４８号には、ウレタンフォームよりなるチップを一体成形するシートパッドの金型成形方法において、該チップを金型表面のピンに係合保持させておいて発泡成形することが記載されている。
【０００４】
繊維系素材よりなる副資材を樹脂発泡体と一体化させる成形方法として、特開２００１−２５２９３０号には、ポリエステル繊維やアクリル繊維よりなる繊維系素材に磁性を付与し、金型に設けたマグネットによって繊維系素材を金型内面に保持させておいて発泡成形する方法が記載されている。
【０００５】
同号公報には、繊維系素材に磁性を付与する方法として、繊維系素材のバインダー中に鉄粉等の磁性粉を混入させる方法や、磁性粉の層を繊維系素材と層と接着一体化する方法、繊維系素材の繊維の１０〜３０％を金属繊維に代替する方法が記載されている。
【特許文献１】特開２００１−１７０９４８号公報
【特許文献２】特開２００１−２５２９３０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特開２００１−１７０９４８号のようにウレタンフォームチップをピンと係合させて金型に保持させる構造では、チップの保持が不安定であり、脱落したりズレ動いたりするおそれがある。
【０００７】
特開２００１−２５２９３０号の磁力によって金型に副資材を保持させる方法にあっては、副資材に磁性を付与する方法に改良すべき課題がある。
【０００８】
即ち、上記の磁性付与方法のうち繊維系素材のバインダーに磁性粉を混入させる方法では、磁性粉を著しく多量にバインダーに混入させると共にバインダー使用量を著しく多くしない限り、十分な磁性を付与することができないが、このようにすると、繊維系素材のしなやかさが損なわれたり、磁性粉が製品からパラパラと脱落したりするおそれがある。
【０００９】
磁性粉の層を繊維系素材と接着一体化させる方法でも、同様の問題がある。
【００１０】
磁性繊維を繊維系素材の繊維の一部として用いる方法でも、繊維系素材のしなやかさが損なわれるおそれがある。また、ポリエステル繊維やアクリル繊維等の合成樹脂繊維と金属繊維とを混抄したり混編することは繊維系素材の製造コストをかなり押し上げることになる。また、比重の大きな金属繊維を１０〜３０％も用いると、繊維系素材の重量がかなり増加することになる。なお、金属繊維の割合を少なくしたのでは、繊維系素材に磁性を十分に付与することができず、繊維系素材を金型内面にしっかりと保持させることが難しくなる。
【００１１】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、副資材を容易かつ安価な手法で金型内面にしっかりと保持させておくことができる発泡樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明（請求項１）の発泡樹脂成形品の製造方法は、金型内面に副資材を保持させ、金型内で発泡樹脂原液を発泡させることによって副資材が一体となった発泡樹脂成形品を製造する方法であって、該副資材に磁性を付与し、金型に磁性体を設置し、該磁性体の磁力によって前記副資材を金型内面に保持させておくようにした発泡樹脂成形品の製造方法において、該副資材に磁性繊維を貼り付けておくことにより前記副資材に磁性を付与したことを特徴とするものである。
【００１３】
請求項２の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項１において、前記発泡樹脂がウレタン発泡樹脂であることを特徴とするものである。
【００１４】
請求項３の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項１又は２において、前記磁性繊維が磁性金属繊維であることを特徴とするものである。
【００１５】
請求項４の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項１ないし３のいずれか１項において、前記金型内面にマグネットを取り付けておき、該マグネットに前記磁性繊維を磁着させることを特徴とするものである。
【００１６】
請求項５の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項４において、前記副資材のうちマグネットと対峙する領域に前記磁性繊維を貼り付けたことを特徴とするものである。
【００１７】
請求項６の発泡樹脂成形品の製造方法は、請求項１ないし５のいずれか１項において前記副資材が樹脂発泡体又はプレスフェルトよりなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１８】
本発明では、副資材に磁性繊維を貼り付けることにより副資材に磁性を付与するようにしている。従って、例えば金型側のマグネット等の磁性体と対峙する付近にのみ磁性繊維を多く貼り付けておくことにより、副資材全体の特性に影響を与えることなく、また、副資材の重量を殆ど増加させることなく、副資材を金型にしっかりと保持させておくのに十分な磁性を付与することができる。
【００１９】
また、磁性繊維の貼り付けは、既存の副資材に対して施すものであるから、副資材自体は普及品を用いることができ、コストも安い。
【００２０】
さらに、金型毎にマグネット等の磁性体の位置が異なっていても、金型の磁性体に応じた位置に磁性繊維を貼り付けることにより副資材を金型に磁着させることができる。
【００２１】
本発明では、副資材に磁性繊維を貼り付けるところから、副資材がウレタンフォーム又はプレスフェルトよりなる場合でも十分に適用可能である。
【００２２】
なお、磁性体としてはマグネットが好適であるが、電磁石であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２３】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。第１図は実施の形態に係る発泡樹脂成形品の製造方法に用いられる金型を説明する断面図、第２図は第１図のマグネット付近の拡大断面図である。なお、この金型は左右対称であるので、第１図では左半分のみが図示されている。右半分は、左半分と対称に現われる。
【００２４】
この実施の形態に用いられる発泡成形用の金型は、自動車用シートパッドを成形するためのものであり、上型１と下型２とを備えている。この上型１と下型２はそれぞれアルミ又はアルミ合金などの非磁性金属材料よりなる。
【００２５】
この上型１の内面すなわちキャビティ面には、複数個のマグネット３が設けられている。この実施の形態では、上型１の内面に凹所が設けられ、この凹所にマグネット３が嵌合されている。マグネット３はカシメ、螺じ込み、ボルト留め、接着などの固着手法によって上型１に固着されている。マグネット３の表面は、周囲の上型キャビティ面と面一状となっている。
【００２６】
なお、1個のマグネット３のキャビティ面に臨む面積は１〜２０００ｍｍ２程度が好適である。マグネット３は、１ｍ２当り５〜５０個程度配置されれば十分であるが、それよりも多少多くても、また少なくても構わない。
【００２７】
また、シート状の副資材４の端縁が対峙するキャビティ面には、マグネット３を端縁方向に所定間隔をおいて配置し、端縁がめくれないようにするのが好ましい。
【００２８】
なお、この実施の形態では、副資材４は、シート状であるが、チップ状であってもよい。副資材４の材質は硬質ウレタンフォーム又はプレスフェルトが好適である。この副資材４のうち、マグネット３と対峙する領域には磁性繊維５が接着剤又は粘着剤により貼り付けられている。磁性繊維５は、織布、不織布又はネット状のものが、取り扱い易く、また副資材４の表面形状に倣って自在に変形するので好適であるが、複数本の繊維を平行に引き揃えたものであってもよい。
【００２９】
この磁性繊維５がマグネット３に磁気的に吸着されることにより、副資材４が上型１の内面に密着状に保持される。
【００３０】
シートパッドの発泡成形を行うには、下型２内にウレタン原液を供給した後、上記のように副資材４が内面に磁着されている上型１を該下型２に装着して型締めを行い、ウレタンを加熱発泡させる。
【００３１】
発泡後、型開きし、成形品を脱型する。副資材４は発泡成形品と一体となっており、上型１からスムーズに離反する。
【００３２】
第１図に示すキャビティセンター部６ではシートパッドのうち尻下部、腿下部などの腰掛部が成形され、キャビティサイド部７ではシートパッドのサイド部（土手部）が成形される。成形されたシートパッドの底面に副資材４が配置されることになる。
【００３３】
上記の磁性繊維５としては、鉄、ニッケルなどの金属繊維が安価で好適であるが、強磁性金属酸化物粉末をバインダーと混練して糸状に成形した磁性糸であってもよい。また、合成樹脂の中空糸の孔内に強磁性体粉体が配置された芯鞘構造の磁性糸であってもよい。
【００３４】
磁性繊維５の太さは、貼り付けできるものであればよい。ただし、通常は１００〜３０００μｍ程度が好適である。
【００３５】
副資材４としては、硬質ウレタンフォームのチップ状成形品や、硬質ウレタンフォームのスラブ（発泡体から切り出したもの）、プレスフェルトなどが好適である。プレスフェルトを構成する繊維としては、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレンなどの合成樹脂繊維が例示されるが、これに限定されない。
【００３６】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。例えば、本発明はシートパッド以外の発泡成形品の成形にも適用できる。また、樹脂はウレタンに限定されない。副資材は硬質ウレタンフォーム又はプレスフェルト以外の繊維系素材などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】実施の形態に係る成形方法を説明する断面図である。
【図２】第１図のマグネット付近の拡大断面図である。
【符号の説明】
【００３８】
１ 上型
２ 下型
３ マグネット
４ 副資材
５ 磁性糸
【特許請求の範囲】
【請求項１】
金型内面に副資材を保持させ、金型内で発泡樹脂原液を発泡させることによって副資材が一体となった発泡樹脂成形品を製造する方法であって、
該副資材に磁性を付与し、金型に磁性体を設置し、該磁性体の磁力によって前記副資材を金型内面に保持させておくようにした発泡樹脂成形品の製造方法において、
該副資材に磁性繊維を貼り付けておくことにより前記副資材に磁性を付与したことを特徴とする副資材と一体の発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項２】
請求項１において、前記発泡樹脂がウレタン発泡樹脂であることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項３】
請求項１又は２において、前記磁性繊維が磁性金属繊維であることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項４】
請求項１ないし３のいずれか１項において、前記金型内面にマグネットを取り付けておき、該マグネットに前記磁性繊維を磁着させることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項５】
請求項４において、前記副資材のうちマグネットと対峙する領域に前記磁性繊維を貼り付けたことを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項６】
請求項１ないし５のいずれか１項において、前記副資材が樹脂発泡体又はプレスフェルトよりなることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項１】
金型内面に副資材を保持させ、金型内で発泡樹脂原液を発泡させることによって副資材が一体となった発泡樹脂成形品を製造する方法であって、
該副資材に磁性を付与し、金型に磁性体を設置し、該磁性体の磁力によって前記副資材を金型内面に保持させておくようにした発泡樹脂成形品の製造方法において、
該副資材に磁性繊維を貼り付けておくことにより前記副資材に磁性を付与したことを特徴とする副資材と一体の発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項２】
請求項１において、前記発泡樹脂がウレタン発泡樹脂であることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項３】
請求項１又は２において、前記磁性繊維が磁性金属繊維であることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項４】
請求項１ないし３のいずれか１項において、前記金型内面にマグネットを取り付けておき、該マグネットに前記磁性繊維を磁着させることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項５】
請求項４において、前記副資材のうちマグネットと対峙する領域に前記磁性繊維を貼り付けたことを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【請求項６】
請求項１ないし５のいずれか１項において、前記副資材が樹脂発泡体又はプレスフェルトよりなることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００８−１２６６３２（Ｐ２００８−１２６６３２Ａ）
【公開日】平成２０年６月５日（２００８．６．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３１７２６２（Ｐ２００６−３１７２６２）
【出願日】平成１８年１１月２４日（２００６．１１．２４）
【出願人】（０００００５２７８）株式会社ブリヂストン (11,469)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年６月５日（２００８．６．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１１月２４日（２００６．１１．２４）
【出願人】（０００００５２７８）株式会社ブリヂストン (11,469)
【Ｆターム（参考）】
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